説明

対象者安否確認装置

【課題】携帯性に優れ、対象者の快感性を損なわずにデータを検出でき、対象者の安否を確実に確認可能な対象者安否確認装置を提供する。
【解決手段】対象者安否確認装置10は、対象者が所持する携帯端末12と、携帯端末12に通信回線16を介して接続され、携帯端末12から発報される情報に基づいて対象者を監視する監視センタ14とを有する。携帯端末12は、対象者の体表面に隙間を空けて設けられ、その体表面の動き検出するセンサ18と、センサ18により検出された体表面の動きに基づいて対象者の状態を判定する状態判定部20と、状態判定部20により判定された対象者の状態に基づいて安否情報を監視センタ14に発報する発報部22とを有する。この構成により、携帯性に優れ、対象者の快感性を損なわずにデータを検出でき、対象者の安否を確実に確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視の対象となる対象者の安否を確認する対象者安否確認装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カメラ、超音波または電波などを用いて、監視の対象となる対象者の状態をデータとして検出し、そのデータの処理結果に基づいて、その対象者の安否を確認する対象者安否確認装置が知られている。
【0003】
下記特許文献1には、浴室内に設けられ、在室者の挙動を検出するセンサと、センサの検出結果に基づいて在室者の安否レベルを判定する信号処理回路と、この回路により判定される安否レベルに応じて外部の管理会社などに通報する浴室外通報発生部とを有する浴室内挙動検知装置が記載されている。この文献のセンサは、電波を用いたドップラレーダセンサであり、このセンサにより検出される波形データの所定周波数帯における信号強度の変化に基づいて在室者の安否レベルが判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−25625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載される対象者安否確認装置においては、センサが、居室である浴室に設置されているので、センサは、その居室にいる対象者の状態しか検出することができない。つまり、安否の確認は、対象者がその居室にいるときに限定される。このため、対象者が他の場所に移動すると安否の確認ができなくなってしまうという問題がある。
【0006】
特定の場所に限定されずに対象者の安否を確認するために、携帯用の装置を対象者に装着させる方法が考えられる。このような携帯用の装置は、例えば、対象者の体表面に取り付けられる電極を有し、この電極により検出される心拍などのデータを処理することで、その対象者の安否を確認することができる。しかしながら、電極が体表面に密着する感触が、対象者を不快にさせてしまう可能性がある。また、対象者の動作または汗等によって電極が体表面から剥れてしまい、データが検出されなくなる可能性がある。さらに、体表面への電極の取り付けに手間がかかってしまうという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、携帯性に優れ、対象者の快感性を損なわずにデータを検出でき、対象者の安否を確実に確認することができる対象者安否確認装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、監視の対象となる対象者の安否を確認する対象者安否確認装置において、対象者が所持する携帯端末と、携帯端末に通信回線を介して接続され、携帯端末から発報される情報に基づいて対象者を監視する監視センタと、を有し、携帯端末は、対象者の体表面に隙間を空けて設けられ、その体表面の動き検出するセンサと、センサにより検出された体表面の動きに基づいて対象者の状態を判定する状態判定部と、状態判定部により判定された対象者の状態に基づいて安否情報を監視センタに発報する発報部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、状態判定部は、体表面の動きに変化がない場合、センサの装着状態が不適切である、または対象者が心停止状態であると判定し、発報部は、このような状態が所定時間継続した場合、センサの装着状態が不適切である、または心停止状態である旨の情報を監視センタに発報することができる。
【0010】
また、状態判定部は、体表面の動きがあり、かつその動きの安定性が小さい場合、対象者が作業状態であると判定し、発報部は、この状態が所定時間継続した場合、作業状態が長期間継続している旨の情報を監視センタに発報することができる。
【0011】
また、状態判定部は、体表面の動きがあり、かつその動きの安定性が大きい場合、対象者が無体動状態であると判定し、さらに、そのときの体表面の動きから算出される心拍数が所定値以上である場合、または心拍数の変動幅が所定値以上の場合、対象者が緊張状態であると判定し、発報部は、この状態が所定時間継続した場合、過度の緊張状態である旨の情報を監視センタに発報することができる。
【0012】
また、状態判定部は、無体動状態時における体表面の動きから算出される心拍数が前記心拍数の所定値よりも小さく設定された所定値以下である場合、対象者が失神状態であると判定し、発報部は、この状態が所定時間継続した場合、失神状態である旨の情報を監視センタに発報することができる。
【0013】
また、センサは、体表面に電磁波を照射し、体表面からの反射波を受信することで体表面の動きを検出する電波式ドップラセンサであることが好適である。
【0014】
また、携帯端末は、センサが体表面の所定領域に対応するように対象者の衣服に装着されることが好適である。
【0015】
また、状態判定部は、センサにより検出された体表面の動きを状態判定用信号に変換する信号変換部を有し、この状態判定用信号に基づいて対象者の状態を判定することができる。
【0016】
また、状態判定部は、体表面の動きの安定性を、センサにより検出された体表面の動きに関する信号の過去一定期間における周期性により判定することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の対象者安否確認装置によれば、本発明の目的は、携帯性に優れ、対象者の快感性を損なわずにデータを検出でき、対象者の安否を確実に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係る対象者安否確認装置の構成を示す図である。
【図2】作業時の状態判定用信号の一例を示す図である。
【図3】安静時の状態判定用信号の一例を示す図である。
【図4】失神時の状態判定用信号の一例を示す図である。
【図5】対象者安否確認装置の制御動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る対象者安否確認装置の実施形態について、図を用いて説明する。一例として、建物の設備の保守を行なう作業員を挙げ、この作業員の安否を確認する装置について説明する。なお、本発明は、監視の対象が作業員に限らず、事態の深刻化を防ぐため遠隔からの安否確認が必要な人、例えば持病を抱える人、高齢者にも適用することができる。
【0020】
また、本実施形態においては、一例として、一人の対象者を挙げ、この対象者が所持する携帯端末からの安否情報を、その対象者から離れた遠方で確認する対象者安否確認装置について説明する。なお、本発明は、この態様に限らず、複数の対象者がそれぞれ所持する携帯端末により取得される安否情報を、その複数の対象者から離れた場所で確認する対象者安否確認装置にも適用することができる。
【0021】
図1は、本実施形態に係る対象者安否確認装置(以下、単に「装置」と記す)10の構成を示す図である。装置10は、監視の対象となる対象者の安否を確認する装置であり、対象者が所持する携帯端末12と、その対象者を遠隔から監視する監視センタ14とを有する。携帯端末12と監視センタ14とは、通信回線16を介して接続されている。
【0022】
通信回線16は、無線方式で構成される。通信回線16は、公衆の便に供される共用通信回線であっても、独自の専用の通信回線であってもよい。また、両者を混用することも可能である。
【0023】
監視センタ14は、図示しないが、通信部と出力部とを有する。通信部は、通信回線16に接続されており、携帯端末12に対して情報及び信号の送受信を行う。出力部は、例えばディスプレイやプリンタであり、携帯端末12からの安否情報を出力する。監視センタ14の担当者は、安否情報に基づいて対象者を監視することができ、必要に応じて対象者または対象者の監督者に連絡することができる。
【0024】
安否情報とは、対象者の安否に関する情報であり、対象者が無事である情報、対象者が心停止状態である情報、対象者が失神状態である情報、対象者の作業状態が長期間継続している旨の情報および対象者が過度の緊張状態である情報を含む。また、本実施形態の安否情報は、携帯端末12の不具体に関する情報を含むことができる。
【0025】
携帯端末12は、対象者の体表面の動きを検出するセンサ18と、センサ18により検出された体表面の動きに基づいて対象者の状態を判定する状態判定部20と、状態判定部20により判定された対象者の状態に基づいて安否情報を監視センタ14に発報する発報部22とを有する。以下、各構成について具体的に説明する。
【0026】
携帯端末12は、センサ18が体表面の所定領域に対応するように対象者に所持される。これにより、装置10の作動中、センサ18が、その所定領域における体表面の動きを検出することができる。
【0027】
本実施形態の携帯端末12は、対象者の衣服、例えば作業着に装着される。具体的には、携帯端末12は衣服のポケットに挿入される。本実施形態の装置10によれば、センサ18が体表面の所定領域に対応するように、携帯端末12を衣服のポケットに挿入すればよいので、装着が容易になるとともに携帯性も優れる。
【0028】
なお、本実施形態においては、携帯端末12を衣服に装着する場合について説明したが、この構成に限定されない。センサ18が体表面の所定領域に対応することができるのであれば、対象者が、携帯端末12を取り付け可能な装具、例えばバンドまたはベルトなどを装着することができる。携帯端末12の装着時においては、センサ18の検出感度の向上を図るため、センサ18が、体表面が大きく脈動する領域、例えば左胸または手首付近に対応するように、携帯端末12が対象者に所持されることが好適である。
【0029】
センサ18は、体表面に電磁波を照射し、体表面から反射波を受信することで体表面の動きを検出する非接触式センサ、すなわち電波式ドップラセンサである。このセンサによれば、体表面の動きとして、心拍による脈動とともに、体の動きである体動を検出することができる。また、このセンサは上述のように非接触式センサであり体表面に対して密着せずに間隔を空けて設けられるので、センサとの接触による感触が対象者を不快にさせてしまうことを防止することができる。また、このようなセンサにおいては、体表面の所定領域に対応していれば、体表面からの発汗の影響を受けずに、体表面の動きを確実に検出することができる。
【0030】
状態判定部20は、センサ18により検出された体表面の動きを状態判定用信号に変換する信号変換部24を有する。体表面の動きから状態判定用信号に変換する機能を有する信号変換部24の名称は一例であり、本発明はこれに限定されず信号処理部24とすることもできる。信号変換部24は、センサ18の検出データを、これの自乗和に対して低域通過フィルタ処理を施して状態判定用信号へ変換する。このような信号変換部24の変換により、センサ18により検出された体表面の動きに含まれるノイズを低減することができる。状態判定部20は、信号変換部24により変換された状態判定用信号、言い換えればノイズが低減された体表面の動きに基づいて対象者の状態を判定する。
【0031】
状態判定部20の判定方法について図2〜4を用いて説明する。図2は、作業時の状態判定用信号の一例を示す図であり、図3は、安静時の状態判定用信号の一例を示す図であり、図4は、失神時の状態判定用信号の一例を示す図である。これらの図において、横軸は時間である。
【0032】
状態判定部20は、まず、状態判定用信号に基づいて体表面の動きがあるか、すなわち、体表面がセンサ18に対して相対的に速度を持つか否かを判定する。状態判定用信号がゼロであるということは、体表面の動きが無いことである。この場合、状態判定部20は、センサ18の装着状態が不適切である、または対象者が心停止状態であると判定する。なお、本実施形態においては、状態判定部20における体表面の動きが無いことの判定は、状態判定用信号がゼロのときである場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。状態判定用信号に含まれるノイズを考慮し、ノイズレベルより大きい値を閾値として予め設定し、状態判定部20は、この閾値により判定することができる。具体的には、状態判定部20は、状態判定用信号がその閾値以下である場合、体表面の動きが無いものとし、センサ18の装着状態が不適切である、または対象者が心停止状態であると判定することができる。
【0033】
一方、状態判定用信号がゼロでないということは、体表面の動きがあるということである。この場合、状態判定部20は、体表面の動きの安定性の大小を判定する。安定性は、状態判定用信号が心拍の波形のように安定した性質であるか否かを示す指標である。この指標は、例えば、取得された状態判定用信号から、過去一定期間(例えば2分間)の部分を抽出し、自己相関関数を算出することで得られる。また、その指標は、取得された状態判定用信号における所定区間毎の振幅を算出し、これらの分散または標準偏差から得ることもできる。さらに、その指標は、取得された状態判定用信号のピーク間隔から心拍数を算出し、所定期間における心拍数の分散または標準偏差から得ることも可能である。なお、本実施形態においては、状態判定部20における体表面の動きがあることの判定は、状態判定用信号がゼロではないときである場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。状態判定用信号に含まれるノイズを考慮し、ノイズレベルより大きい値を閾値として予め設定し、状態判定部20は、この閾値により判定することができる。具体的には、状態判定部20は、状態判定用信号がその閾値より超えている場合、体表面の動きがあるものとし、体表面の動きの安定性の大小を判定することができる。
【0034】
状態判定部20は、図2に示されるように状態判定用信号に安定性が小さい場合、対象者が体動状態であると判定する。本実施形態における対象者は作業員であり、この作業員が体動状態であるということは、作業員が作業状態であるとみなすことができる。
【0035】
一方、状態判定部20は、図3,4に示されるように状態判定用信号に安定性が大きい場合、対象者の体動が無い状態、すなわち無体動状態であると判定する。さらに、状態判定部20は、このときの状態判定用信号から算出された心拍数が予め設定された所定値F1以上である場合、対象者が緊張状態であると判定する。所定値F1は安静時の心拍数より大きい数値である。なお、状態判定用信号から算出される心拍数の、一定期間における変動幅が、予め設定された所定値M以上である場合、対象者が緊張状態であると判定することも好適である。このとき、所定値Mは安静時の変動幅より大きい数値として設定される。本実施形態においては、状態判定部20が、心拍数が所定値F1以上である場合、対象者が緊張状態であると判定する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、心拍数が所定値F1以上である状態が所定時間継続した場合、対象者が緊張状態であると判定することもできる。
【0036】
また、状態判定部20は、無体動状態であると判定した場合で、状態判定用信号から算出される心拍数が所定値F2以下である場合、対象者が失神している状態、すなわち失神状態であると判定する。所定値F2は安静時の心拍数より小さい数値として設定される。なお、本実施形態においては、状態判定部20が、心拍数が所定値F2以下である場合、対象者が失神状態であると判定する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、心拍数が所定値F2以下である状態が所定時間継続した場合、対象者が失神状態であると判定することもできる。
【0037】
このように、状態判定部20は、体表面の動きである状態判定用信号に基づいて対象者の様々な状態を判定することができる。
【0038】
発報部22は、上述したように状態判定部20により判定された対象者の状態に基づいて安否情報を監視センタ14に発報する。
【0039】
具体的には、発報部22は、センサ18の装着状態が不適切である、または対象者が心停止状態であり、これらの状態が所定時間(例えば1分)継続した場合、センサ18の装着状態が不適切である旨、または心停止状態である旨の情報を監視センタ14に発報する。この所定時間の継続は、ノイズを低減するためである。この安否情報により、監視センタ14の担当者は、対象者に連絡し、安否の確認、またはセンサ18の外れの有無を確認する。
【0040】
また、発報部22は、対象者が作業状態であり、この状態が所定時間(例えば30分)継続した場合、作業状態が長期間継続している旨の情報を監視センタ14に発報する。この所定時間の継続は、無休憩で作業を継続していることを把握するためである。この安否情報により、監視センタ14の担当者は、対象者に連絡し、作業状態の確認、または休憩の勧告を行なう。
【0041】
また、発報部22は、対象者が緊張状態であり、この状態が所定時間(例えば5分)継続した場合、過度の緊張状態である旨の情報を監視センタ14に発報する。この所定時間の継続は、対象者が連続した緊張状態であることを把握するためである。この安否情報により、監視センタ14の担当者は、対象者に連絡し、作業状態を確認するとともに、作業状態が不適切である場合には作業手順の見直しを指示する。
【0042】
さらに、発報部22は、対象者が失神状態であり、この状態が所定時間(例えば3分)継続した場合、失神状態である旨の情報を監視センタ14に発報する。この所定時間の継続は、ノイズを低減するためである。この安否情報により、監視センタ14の担当者は、対象者及び対象者の監督者に連絡し、対象者の状態を確認する。
【0043】
次に、装置10の制御動作の一例について図5を用いて説明する。まず、ステップS101において、センサ18により体表面の動きが検出され、ステップS102で信号変換部24により、センサ18で検出されたデータが状態判定用信号に変換される。
【0044】
そして、ステップS103において、状態判定部20により、段落0032,0033に記載される方法により体表面の動きがあるか否かが判定される。体表面の動きが無い場合、ステップS104において、状態判定部20により、センサ18の装着状態が不適切である、または対象者が心停止状態であると判定され、ステップS105で、その状態が所定時間継続した場合、発報部22が、ステップS104の状態である旨の安否情報を発報する(ステップS106)。一方、ステップS105で、その状態が所定時間継続しない場合、発報部22の発報は行なわずに、本制御動作が終了する。
【0045】
また、ステップS103において、体表面の動きがあると判定された場合、ステップS108に進み、信号の安定性の大小が判定される。信号の安定性が大きい場合、ステップS109において、状態判定部20により、対象者が無体動状態であると判定され、ステップS111に進む。一方、信号の安定性が小さい場合、ステップS110において、状態判定部20により、対象者が作業状態であると判定され、ステップS105に進む。なお、ステップS105でその状態が所定時間経過した場合、発報部22が、作業状態が長期間継続している旨の安否情報を発報することになる。
【0046】
ステップS111では、信号から算出された心拍数が予め設定された所定値F1以上であるか否か、または心拍数の一定期間における変動幅が、所定値M以上であるか否かが判定される。これらの条件の少なくとも一方を満たす場合、ステップS112で、状態判定部20により、対象者が緊張状態であると判定され、ステップS105に進む。なお、ステップS105でその状態が所定時間経過した場合、発報部22が過度の緊張状態である旨の安否情報を発報することになる。
【0047】
一方、ステップS111のいずれの条件も満たさない場合、ステップS113に進み、信号から算出された心拍数が所定値F2以下であるか否かが判定される。心拍数が所定値F2以下である場合、ステップS114において、状態判定部20により、対象者が失神状態であると判定され、ステップS105に進む。なお、ステップS105でその状態が所定時間経過した場合、発報部22が失神状態である旨の安否情報を発報することになる。
【0048】
そして、信号から算出された心拍数が所定値F2以下でない場合、ステップS115において、状態判定部20により、対象者が安静状態であると判定され、ステップS107に進み、本制御動作が終了する。
【0049】
本実施形態によれば、対象者の体表面とセンサ18とが接触しないので、対象者の快適性を損なわずにデータを検出することができる。また、センサ18の検出データ、具体的にはデータの変化、安定性、変動幅および周期幅に基づいて、より細分化された、対象者の状態を判定することができるので、対象者の安否を確実に確認することができる。
【符号の説明】
【0050】
10 対象者安否確認装置、12 携帯端末、14 監視センタ、16 通信回線、18 センサ、20 状態判定部、22 発報部、24 信号変換部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視の対象となる対象者の安否を確認する対象者安否確認装置において、
対象者が所持する携帯端末と、
携帯端末に通信回線を介して接続され、携帯端末から発報される情報に基づいて対象者を監視する監視センタと、
を有し、
携帯端末は、
対象者の体表面に隙間を空けて設けられ、その体表面の動き検出するセンサと、
センサにより検出された体表面の動きに基づいて対象者の状態を判定する状態判定部と、
状態判定部により判定された対象者の状態に基づいて安否情報を監視センタに発報する発報部と、
を有することを特徴とする対象者安否確認装置。
【請求項2】
請求項1に記載の対象者安否確認装置において、
状態判定部は、体表面の動きに変化がない場合、センサの装着状態が不適切である、または心停止状態であると判定し、
発報部は、このような状態が所定時間継続した場合、センサの装着状態が不適切または心停止状態である旨の情報を監視センタに発報する、
ことを特徴とする対象者安否確認装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の対象者安否確認装置において、
状態判定部は、体表面の動きがあり、かつその動きの安定性が小さい場合、対象者が作業状態であると判定し、
発報部は、この状態が所定時間継続した場合、作業状態が長期間継続している旨の情報を監視センタに発報する、
ことを特徴とする対象者安否確認装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の対象者安否確認装置において、
状態判定部は、体表面の動きがあり、かつその動きの安定性が大きい場合、対象者が無体動状態であると判定し、さらに、そのときの体表面の動きから算出される心拍数が所定値以上である場合、または心拍数の変動幅が所定値以上の場合、対象者が緊張状態であると判定し、
発報部は、この状態が所定時間継続した場合、過度の緊張状態である旨の情報を監視センタに発報する、
ことを特徴とする対象者安否確認装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の対象者安否確認装置において、
状態判定部は、無体動状態時における体表面の動きから算出される心拍数が前記心拍数の所定値よりも小さく設定された所定値以下である場合、対象者が失神状態であると判定し、
発報部は、この状態が所定時間継続した場合、失神状態である旨の情報を監視センタに発報する、
ことを特徴とする対象者安否確認装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の対象者安否確認装置において、
センサは、体表面に電磁波を照射し、体表面からの反射波を受信することで体表面の動きを検出する電波式ドップラセンサである、
ことを特徴とする対象者安否確認装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載の対象者安否確認装置において、
携帯端末は、センサが体表面の所定領域に対応するように対象者の衣服に装着される、
ことを特徴とする対象者安否確認装置。
【請求項8】
請求項1から9のいずれか1つに記載の対象者安否確認装置において、
状態判定部は、センサにより検出された体表面の動きを状態判定用信号に変換する信号変換部を有し、この状態判定用信号に基づいて対象者の状態を判定する、
ことを特徴とする対象者安否確認装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1つに記載の対象者安否確認装置において、
状態判定部は、体表面の動きの安定性を、センサにより検出された体表面の動きに関する信号の過去一定期間における周期性により判定する、
ことを特徴とする対象者安否確認装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−48335(P2012−48335A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187852(P2010−187852)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】