説明

射出成形型

【課題】メッキ層表面にピンホールやクラックが発生することや、メッキ層自体が剥離してしまうことを抑制することで、成形体の品質を高める。
【解決手段】この射出成形型には、ZrOを含有する基材と、基材上に形成され、Niの含有率が85wt%以上となるように、Ni及びPを含有する第1メッキ層と、第1メッキ層上に形成され、Pの含有率が1wt%以上、15wt%以下、Cuの含有率が25wt%以上、60wt%以下、残りの主成分がNiであるように、Ni、P及びCuを含有する第2メッキ層とが備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形体を形成するための射出成形型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学素子などの成形体を射出成形する射出成形型は、成形体の外形に対応するキャビティを有している。
【0003】
このキャビティは、セラミックスにより成形された基材上に対して、NiとPとCuからなるメッキ層が積層されることにより、その内面が形成されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2005−263626号公報
【特許文献2】特開2002−274865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、微細形状を有する樹脂製光学素子を成形する際、キャビティにおける微細形状部を成形する部分に十分な量の樹脂を充填しつつ、微細形状部の急速な硬化を低減することが望まれている。これを実現すべく、キャビティの基材を例えばZrOなどのような低熱伝導率の材料から成形することが提言されている。しかし、キャビティの基材を低熱伝導率の材料から成形し、上記したメッキ層を積層すると、メッキ層表面にピンホールやクラックが生じやすく、さらには繰り返し使用時に剥離しやすくなっていた。
【0005】
本発明の課題は、メッキ層表面にピンホールやクラックが発生することや、メッキ層自体が剥離してしまうことを抑制することで、成形体の品質を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明における射出成形型は、
ZrOを含有する基材と、
前記基材上に形成され、Niの含有率が85wt%以上となるように、Ni及びPを含有する第1メッキ層と、
前記第1メッキ層上に形成され、Pの含有率が1wt%以上、15wt%以下、Cuの含有率が25wt%以上、60wt%以下、残りの主成分がNiであるように、Ni、P及びCuを含有する第2メッキ層とを備えることを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の射出成形型において、
前記第1メッキ層及び前記第2メッキ層の少なくとも1つは無電解メッキ法により形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の射出成形型において、
前記第1メッキ層の厚みは、8μm以上、25μm以下であることを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の射出成形型において、
前記基材と前記第1メッキ層とが連続して積層されていることを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の射出成形型において、
前記第2メッキ層の厚みは、1μm以上、150μm以下であることを特徴としている。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の射出成形型において、
前記基材と前記第1メッキ層との間に、無電解メッキ法により形成された下引層を有することを特徴としている。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の射出成形型において、
前記下引層は、Niの含有率が90wt%以上で、なおかつ前記第1メッキ層のNiの含有率よりも高い含有率となるように、Ni及びPを含有することを特徴としている。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の射出成形型において、
前記第2メッキ層を切削加工することにより複数の輪帯状の段差を形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明者らは、ZrOを含有する基材上に対して、Niの含有率が85wt%以上となるようにNi及びPを含有する第1メッキ層と、Pの含有率が1wt%以上、15wt%以下、Cuの含有率が25wt%以上、60wt%以下、残りの主成分がNiであるようにNi、P及びCuを含有する第2メッキ層とを形成すると、メッキ層表面にピンホールやクラックが発生することや、メッキ層自体が剥離してしまうことが抑制されることを見出した。したがって、本発明のように、射出成形型が、ZrOを含有する基材と、基材上に形成され、Niの含有率が85wt%以上のNi及びPを含有する第1メッキ層と、第1メッキ層上に形成され、Pの含有率が1wt%以上、15wt%以下、Cuの含有率が25wt%以上、60wt%以下、残りの主成分がNiとなるNi、P及びCuを含有する第2メッキ層とを備えていると、メッキ層表面にピンホールやクラックが発生することや、メッキ層自体が剥離してしまうことが抑制され、成形体の品質を高められることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明に係る射出成形型を備える成形機について説明する。
図1は、成形機1の概略構成を示す概念図である。
【0016】
この図に示すように、成形機1は、プラスチック材料の搬送方向における上流側から下流側に向かって、ホッパ51と、シリンダ53と、ノズル55と、本発明に係る射出成形型2等とを備えている。
【0017】
ホッパ51は、プラスチック材料が供給される部分であり、シリンダ53に連結されている。シリンダ53は、内部にスクリュー52を備えるとともに、先端部でノズル55に連結されており、ホッパ51から供給されたプラスチック材料をスクリュー52によってノズル55側に押し出すようになっている。また、このシリンダ53の側面には、シリンダ53内部のプラスチック材料を溶融させるためのヒータ54が設けられている。
【0018】
ノズル55は、シリンダ53から押し出されたプラスチック材料を射出成形型2に射出する部分であり、後述する射出成形型2のスプルー21に連通している。
【0019】
射出成形型2は、ノズル55に対して固定された固定型3と、当該固定型3に対して接離可能な可動型4を有しており、これら固定型3及び可動型4が当接することによってプラスチック材料の流路としてのスプルー21、ランナー22及びゲート23と、プラスチック材料を成形するためのキャビティ24とを形成するようになっている。
【0020】
固定型3は、キャビティ24の中央側部分を形成する第1部材31と、周辺側部分を形成する第2部材32とを有している。
【0021】
図2(a)に示すように、第1部材31には、可動型4に対向して成形面31aが設けられており、成形体である光学素子10の一方のレンズ面10aを形成するようになっている。なお、この成形面31aには、微細な輪帯状の回折パターンが設けられていても良い。
【0022】
一方、第2部材32には、成形面31aの周りを囲む環状の成形面32aが設けられており、光学素子10の外周部にフランジ11を形成するようになっている。
【0023】
また、可動型4は、キャビティ24の周辺側部分を形成する型本体42と、中央側部分を形成する突き出し型41とを有している。
【0024】
型本体42には、突き出し型41における後述の成形面41aの周りを囲む溝状の成形面42aが設けられており、光学素子10の周囲にフランジ11を形成するようになっている。
【0025】
突き出し型41には、固定型3に対向する成形面41aが設けられており、光学素子10の他方のレンズ面10bを形成するようになっている。なお、本実施の形態においては、この成形面41aは、全体として凹面になっており、微細な輪帯状の回折パターンDPを有している。ここで、回折パターンDPの深さは、数μm程度となっている。
【0026】
この突き出し型41は、図1,図2(b)に示すように、型本体42の孔42b中に嵌合した状態でX方向に摺動可能となっており、型本体42に対して突き出し型41を摺動させる突き出し部材43に連結されている。
【0027】
図3は射出成形型2の表面部分を拡大した断面図である。この図3に示すように、射出成形型2はZrOを含有する基材101を備えており、この基材101上には、下引層102と、第1メッキ層103と、第2メッキ層104とが連続して積層されている。
【0028】
下引層102は、基材101の表面上に積層されている。下引層102は、Ni(ニッケル)及びP(リン)を含有しており、Niの含有率が90wt%以上で、なおかつ第1メッキ層103のNiの含有率よりも高い含有率となっている。
【0029】
第1メッキ層103は、下引層102の表面上に積層されており、その厚さが8μm以上、25μm以下となるように形成されている。また、第1メッキ層103はNiの含有率が85wt%以上となるように、Ni及びPを含有している。
【0030】
第2メッキ層104は、第1メッキ層103の表面上に積層されており、その厚さが1μm以上、150μm以下となるように形成されている。また第2メッキ層104は、Pの含有率が1wt%以上、15wt%以下、Cu(銅)の含有率が25wt%以上、60wt%以下、残りの主成分がNiとなるように、Ni、P及びCuを含有している。第2メッキ層104には、上述した微細な輪帯状の回折パターンDPが形成されている。
【0031】
この回折パターンDPは第2メッキ層104を切削加工することにより形成されている。切削加工後においては熱処理することで、第2メッキ層104の加工面(成形型光学面)の硬度を増加させることができ、これによって、光学素子製造における射出成形型2の耐久性を一段と向上させることができる。この熱処理によって第1メッキ層103、第2メッキ層104、下引層102及び基材101それぞれの間で金属原子の移動が起こり、付着性が向上することになる。熱処理を行う温度としては好ましくは300℃以下である。これは、非晶質の第2メッキ層104において結晶化が進行し、加工面の初期の表面粗さが劣化したり、特に大きな体積を有する射出成形型2において第2メッキ層104の引っ張り応力が非常に大きくなって第2メッキ層104にクラックが発生することを抑制できるので好ましい。
【0032】
また、上記したように第2メッキ層104は非晶質であることが好ましい。「非晶質状態である」とは、第2メッキ層104をX線回折測定を行い、ラウエ斑点が明瞭に見られない、若しくは全く見られない状態をいう。第2メッキ層104が非晶質であると、切削加工された加工面の平滑性に優れ、これにより光学素子製造時に光学素子材料の付着などが起こりにくくなり、また光学素子の光学面に鏡面が得られ特に望ましい。
【0033】
そして、本実施形態では、下引層102、第1メッキ層103及び第2メッキ層104は、無電解メッキ法によって形成されている。これにより、第1メッキ層103、第2メッキ層104においては均一な厚みで非晶質に形成することができる。
【0034】
また、無電解メッキ法による下引層102は、その厚さが0.01μm以上、100μm以下であることが好ましい。下引層102の形成に無電解メッキ法を用いた場合には、電解を用いないので、電解メッキ法よりも基材101の表面に均一な層厚の下引層102を形成することができる。この均一な層厚により第1メッキ層103、第2メッキ層104の内部応力を下引層102が場所によらず均一に受けることができるので、第1メッキ層103、第2メッキ層104の剥離を防止する上で好ましい。この下引層102の厚さを0.01μm〜100μmとして熱処理を施すことで、基材101と下引層102との付着力を向上でき、その後に第1メッキ層103、第2メッキ層104を形成した際の付着力を向上できる。なお、この下引層102にはニッケルとリン以外の物質が含有されていてもよい。
【0035】
この無電解メッキ法による下引層102形成後に、基材101と下引層102との剥離を防止し付着力を向上するために200℃以上700℃以下の熱処理を施すことができるが、このNiとPを含有する下引層102は上述したように非晶質であることが好ましく、従って、基材101に下引層102を形成した後、500℃以上で熱処理を施すと、下引層102が結晶化し、硬度がHv800近くまで高くなって、下引層102にクラックが入ったりし易すいことがある。以上のようなことから、下引層102形成後に行う熱処理の条件としては、結晶化が起きないかもしくは結晶化が起きるにしても緩やかに結晶化する程度の加熱温度で行うのが好ましい。300℃〜400℃程度の温度で、2〜4時間の加熱時間をかけて、基材101と無電解メッキ法による下引層102との金属原子がある程度充分に拡散される熱処理を行うことが特に好ましい。
【0036】
また、無電解メッキ法による下引層102の厚さは、前述のように0.01μm〜100μmで特に基材101と下引層102との付着力向上の効果が見られるが、この下引層102の硬度は電解ニッケルメッキ法による下引層102に対して比較的高いため、第1メッキ層103、第2メッキ層104を施した際の強力な引張り応力に耐えられずクラックや剥離が発生する場合がある。これを防止するために、下引層102の厚さは0.3μm〜10μmであることが特に好ましい。さらに、この下引層102は熱処理による加熱によって特に表面が酸化しやすく、それを防止するためには真空炉を用いて熱処理を行うことが必要である。その際の真空度しては10−4Pa以下でもよく、その程度で表面の酸化を防止できる。
【0037】
続いて、上記の成形機1を使用した成形体の製造方法について説明する。なお、この成形機1によって成形する成形体としては、透明性を要求される光学用途の成形体が好ましい。
【0038】
まず、プラスチック材料をホッパ51に入れ、スクリュー52によりノズル55の方向に搬送しつつ、ヒータ54で溶融させる。
【0039】
次に、融けたプラスチック材をノズル55、スプルー21より射出成形型2のランナー22、ゲート23、キャビティ24に注入し、加圧成形する(図2(a)参照)。
【0040】
次に、プラスチック材料が固化して成型体(光学素子10)が形成されたら、可動型4を固定型3から離間させる。これにより、可動型4側に成型体が残る。
【0041】
そして、突き出し部材43によって突き出し型41を型本体42から突出させることにより、型本体42から成型体を取り出し、成型体の製造が完成する(図2(b)参照)。
【0042】
以上の射出成形型2によれば、ZrOを含有する基材101と、基材101上に形成され、Niの含有率が85wt%以上となるように、Ni及びPを含有する第1メッキ層103と、第1メッキ層103上に形成され、Pの含有率が1wt%以上、15wt%以下、Cuの含有率が25wt%以上、60wt%以下、残りの主成分がNiであるように、Ni、P及びCuを含有する第2メッキ層104とを備えているので、第2メッキ層104表面にピンホールやクラックが発生することや、第1メッキ層103や第2メッキ層104自体が剥離してしまうことが抑制され、成形体の品質を高めることが可能となる。
【0043】
また、第1メッキ層103、第2メッキ層104の少なくとも1つが無電解メッキ法により形成されているので、これらの層を均一な厚みで非晶質に形成することができる。
【0044】
また、第1メッキ層103の厚みが、8μm以上、25μm以下であるので、切削加工後の第2メッキ層104の状態をより高めることができる。
【0045】
そして、第2メッキ層104の厚みが、1μm以上、150μm以下であるので、切削加工後の第2メッキ層104の状態をより高めることができる。
【0046】
また、基材101と第1メッキ層103との間に、無電解メッキ法により形成された下引層102が形成されているので、下引層102の厚さを均一とすることができる。この均一な層厚により第1メッキ層103、第2メッキ層104の内部応力を下引層102が場所によらず均一に受けることができるので、第1メッキ層103、第2メッキ層104の剥離を防止する上で好ましい。
【0047】
下引層102は、Niの含有率が90wt%以上で、なおかつ第1メッキ層103のNiの含有率よりも高い含有率となるように、Ni及びPを含有しているので、切削加工後の第2メッキ層104の状態をより高めることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
【実施例】
【0048】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】
(1)試料の作製
ZrOを含有する基材101の表面上に厚さ5μmの下引層102を無電解メッキ法によって形成した。この下引層102は、Niの含有率が93wt%で、残りの主成分をPとして形成した。
同様に、無電解メッキ法によって、下引層102の表面上に厚さ22μmの第1メッキ層103を形成した。この第1メッキ層103は、NiとPとを含有しており、それぞれの含有率は表1に示す組み合わせとした。
さらに、無電解メッキ法によって、第1メッキ層103の表面上に厚さ100μmの第2メッキ層104を形成した。この第2メッキ層104は、Ni、P及びCuを含有しており、それぞれの含有率は表1に示す組み合わせとした。
【0050】
(2)評価
そして、各組み合わせにより形成された第2メッキ層104に対して、帯1本の幅20μm、深さ2μmの輪帯状の回折パターンDPを切削加工し、その加工面の状態を目視により評価した。なお、評価基準は、以下の通りである。
【0051】
○:クラックやピンホール、剥離が現出していない。
×:クラックやピンホール、剥離が現出している。
【0052】
【表1】

【0053】
この表1に示すように、第1メッキ層103のNiの含有率が85wt%以上で、なおかつ第2メッキ層104のPの含有率が1wt%以上、15wt%以下、Cuの含有率が25wt%以上、60wt%以下である場合(実施例1,2,3,4,5,6)には、いずれにおいても加工面にはクラックやピンホール、剥離が現出していないことが分かった。一方、上記の範囲に収まっていない場合(比較例1,2,3,4,5)には、クラックやピンホール、剥離が現出してしまうことが分かった。
【0054】
次に、条件6において第1メッキ層103の厚さを表2に示すように異ならせたものに対して厚さ100μmの第2メッキ層104を無電解メッキ法により形成した。その後、第2メッキ層104に対して、上述の回折パターンDPを切削加工し、その加工面の状態を目視により評価した。なお、評価基準は、以下の通りである。
【0055】
○:クラックやピンホール、剥離が現出していない。
◎:クラックやピンホール、剥離が現出しておらず、さらに加工面が滑らか。
【0056】
【表2】

【0057】
この表2に示すように、第1メッキ層103の厚さが、8μm以上、25μm以下である場合(実施例7,8)には、いずれにおいても加工面の状態は、クラックやピンホール、剥離が現出しておらず、さらに滑らかであることが分かった。一方、上記の範囲に収まっていない厚さの場合(比較例6,7)には、加工面の状態は、クラックやピンホール、剥離が現出していないことが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施形態に係る射出成形型を備える成形機の概略構成を示す概念図である。
【図2】図1の成型機に備わる固定型と可動型を表す説明図であり、(a)は固定型と可動型が近接した状態を表し、(b)は固定型と可動型が離間した状態を表している。
【図3】本実施形態に係る射出成形型の表面部分を拡大した断面図である。
【符号の説明】
【0059】
2 射出成形型
101 基材
102 下引層
103 第1メッキ層
104 第2メッキ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ZrOを含有する基材と、
前記基材上に形成され、Niの含有率が85wt%以上となるように、Ni及びPを含有する第1メッキ層と、
前記第1メッキ層上に形成され、Pの含有率が1wt%以上、15wt%以下、Cuの含有率が25wt%以上、60wt%以下、残りの主成分がNiであるように、Ni、P及びCuを含有する第2メッキ層とを備えることを特徴とする射出成形型。
【請求項2】
請求項1記載の射出成形型において、
前記第1メッキ層及び前記第2メッキ層の少なくとも1つは無電解メッキ法により形成されていることを特徴とする射出成形型。
【請求項3】
請求項1又は2記載の射出成形型において、
前記第1メッキ層の厚みは、8μm以上、25μm以下であることを特徴とする射出成形型。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の射出成形型において、
前記基材と前記第1メッキ層とが連続して積層されていることを特徴とする射出成形型。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の射出成形型において、
前記第2メッキ層の厚みは、1μm以上、150μm以下であることを特徴とする射出成形型。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の射出成形型において、
前記基材と前記第1メッキ層との間に、無電解メッキ法により形成された下引層を有することを特徴とする射出成形型。
【請求項7】
請求項6記載の射出成形型において、
前記下引層は、Niの含有率が90wt%以上で、なおかつ前記第1メッキ層のNiの含有率よりも高い含有率となるように、Ni及びPを含有することを特徴とする射出成形型。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の射出成形型において、
前記第2メッキ層を切削加工することにより複数の輪帯状の段差を形成したことを特徴とする射出成形型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−229885(P2008−229885A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68706(P2007−68706)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】