説明

射出成形機用ノズル及びこれを用いたサンドイッチ射出成形方法

【課題】 三種類の樹脂を使用して、二種類の異なるスキン層を有するサンドイッチ成形を行うための射出成形機用ノズルを提供する。
【解決手段】 ノズル10には、三つのポート、四つの流路、及び二つのノズルチップが設けられている。第一流路31は、第一ポート21に続く孔状流路から始まり、第一コア41の周囲を通る環状流路31aとなって第一ノズルチップ11内の流路15につながっている。第二流路32は、第一流路31と同様の経路を経て、第二ノズルチップ12内の流路16につながっている。第三流路33は、第三ポート23から分岐する孔状流路の一方を通り、第一コア41の内部に入り、第一コア41の中心軸上を通る孔状流路33aとなって第一ノズルチップ11の内部で流路15につながっている。第四流路33は、第三ポート23から分岐する孔状流路のもう一方を通り、第三流路33と同様な経路を経て、第二ノズルチップ12内の流路16につながっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキン層とコア層とから形成されるサンドイッチ成形を行う際に使用される射出成形機用ノズルに係り、特に、三種類の樹脂を使用して、二種類の異なるスキン層を有するサンドイッチ成形を行うためのノズルの構造に係る。また、本発明は、そのようなノズルを使用するサンドイッチ射出成形方法に係る。
【背景技術】
【0002】
二種類の樹脂を使用して、スキン層とコア層を形成するサンドイッチ成形を行う技術、及び二種類の樹脂と二つのノズルチップを使用して二色又は二材成形を行う技術は、既に知られている。また、二種類の樹脂と二つのノズルチップを使用して、サンドイッチ成形と二色または二材成形とを切り替えて成形する技術も公知である。しかし、三種類の樹脂と二つのノズルチップを使用して、二種類の異なるスキン層を有するサンドイッチ成形を行うための技術はまだ知られていない。
【0003】
図5に、従来の射出成形機用ノズルの一例として、特開平07−227878号公報に記載されている構造を示す(特許文献1)。このノズルは、二種類の樹脂を用いて射出成形を行う際に使用されるもので、サンドイッチ成形と、二色または二材成形との間で切り替えることが可能なように構成されている。
【0004】
即ち、このノズルは、合流ノズル73及びノズル74を備え、第一射出ユニット71及び第二射出ユニット72に接続される。合流ノズル73は、第一射出ユニット71及び第二射出ユニット72から供給される樹脂を合流させて、サンドイッチ成形を行うように構成されている。ノズル74は、第二射出ユニット72からの樹脂のみを単独に射出する際に使用される。切り替え弁75を用いて、第二射出ユニット72から送られる樹脂を、合流ノズル73へ送るかノズル74へ送るかの切り替えがなされる。合流ノズル73側へ切り替えた場合は、第一射出ユニット71からの樹脂をスキン層に、第二射出ユニット72からの樹脂をコア層としたサンドイッチ成形が行われる。ノズル74側へ切り替えた場合は、第二射出ユニット72から送られる樹脂がノズル74から射出され、第一射出ユニット71から送られる樹脂のみが合流ノズル73から射出され、二色または二材成形が行われる。
【0005】
即ち、このノズルは、サンドイッチ成形か、二色または二材成形かの選択をして成形するものであり、二つのノズル73、74を同時に使用してサンドイッチ成形を行うことまではできない。
【特許文献1】特開平07−227878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、三種類の樹脂と二つのノズルチップを用いて、二種類の異なるスキン層を有するサンドイッチ成形を行うための技術はまだ知られていない。本発明の目的は、そのようなサンドイッチ成形を可能にするための射出成形機用ノズル、及びそのような射出成形機用ノズルを使用するサンドイッチ射出成形方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の射出成形機用ノズルは、スキン用樹脂及びコア用樹脂を用いてサンドイッチ成形を行う際に使用される射出成形機用ノズルであって、
金型に接続される第一ノズルチップ及び第二ノズルチップと、
第一射出ユニットからの樹脂を受け入れる第一ポートと、
第二射出ユニットからの樹脂を受け入れる第二ポートと、
第三射出ユニットからの樹脂を受け入れる第三ポートと、
前記第一ポートと前記第一ノズルチップの間を結ぶ第一流路と、
前記第二ポートと前記第二ノズルチップの間を結ぶ第二流路と、
前記第三ポートと前記第一ノズルチップの間を結び、前記第一ノズルチップの内部で前記第一流路と合流する第三流路と、
前記第三ポートと前記第二ノズルチップの間を結び、前記第二ノズルチップの内部で前記第二流路と合流する第四流路と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
この射出成形機用ノズルにおいて、好ましくは、
前記第一流路は、上流端では当該射出成形機用ノズルの中心軸に平行な孔状流路となって前記第一ポートにつながり、下流端ではこの孔状流路の中心軸を取り囲む環状の流路となって、前記第一ノズルチップ内の流路につながり、
前記第二流路は、上流端では当該射出成形機用ノズルの中心軸に平行な孔状流路となって前記第二ポートにつながり、下流端ではこの孔状流路の中心軸を取り囲む環状の流路となって、前記第二ノズルチップ内の流路につながり、
前記第三流路と前記第四流路は、上流側では当該射出成形機用ノズルの中心軸に平行な単一の孔状流路を共有する状態となって前記第二ポートにつながり、下流側で二つの流路に分岐し、
前記第三流路は、下流端で前記第一ノズルチップの中心軸上を通る孔状流路となって、前記第一ノズルチップの内部で前記第一流路と合流し、
前記第四流路は、下流端で前記第二ノズルチップの中心軸上を通る孔状流路となって、前記第二ノズルチップの内部で前記第二流路と合流する、ように構成される。
【0009】
上記の射出成形機用ノズルを使用して、例えば次のような方法でサンドイッチ成形を行うことができる。
【0010】
先ず、前記第一射出ユニットを起動して、第一のスキン用樹脂を前記第一ポートから前記第一流路、第一ノズルチップを順に経て、金型内に供給する。更に、前記第二射出ユニットを、前記第一射出ユニットの起動開始と同時に、または予め設定された遅れ時間の経過後に起動して、第二のスキン用樹脂を前記第二ポートから前記第二流路、前記第二ノズルチップを順に経て、金型内に供給する。第一及び第二のスキン用樹脂が、それぞれ別個に予め設定された量供給された後、前記第三射出ユニットを起動して、コア用樹脂を前記第三ポートから前記第一ノズルチップ及び前記第二ノズルチップの双方を経て、金型内に供給するとともに、前記第一射出ユニットからの第一のスキン用樹脂及び前記第二射出ユニットからの第二のスキン用樹脂の供給を停止する。コア用樹脂が予め設定された量供給された後、前記第一射出ユニットからの第一のスキン用樹脂及び前記第二射出ユニットからの第二のスキン用樹脂の供給を再開するとともに、前記第三射出ユニットからのコア用樹脂の供給を停止する。第一及び第二のスキン用樹脂が、それぞれ更に別個に予め設定された量供給された後、前記第一射出ユニットからの第一のスキン用樹脂及び前記第二射出ユニットからの第二のスキン用樹脂の供給を停止する。
【0011】
なお、上記の方法の変形形態として、工程の中間段階においてコア用樹脂を金型内に供給する際に、第一及び第二のスキン用樹脂の供給を継続しても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明の射出成形機用ノズルを使用することによって、三種類の樹脂を用いて、二種類の異なるスキン層を有するサンドイッチ成形を行うことができる。なお、第一のスキン用樹脂と第二のスキン用樹脂に同一の樹脂を使用すれば、二種類の樹脂からなる通常のサンドイッチ成形を行うこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に、本発明の射出成形機用ノズルの例を示す。図2に、このノズルを3台の射出ユニットに接続した状態を示す。図中、10はノズル、11は第一ノズルチップ、12は第二ノズルチップ、21は第一ポート、22は第二ポート、23は第三ポート、31は第一流路、32は第二流路、33は第三流路、34は第四流路、51は第一射出ユニット、52は第二射出ユニット、53は第三射出ユニットを表す
図1に示すように、ノズル10の主要部は、ノズルボディ13、二つのノズルチップ(第一ノズルチップ11及び第二ノズルチップ12)、及び接続リング14から構成されている。接続リング14には、三つの射出ユニットから送られる3種類の樹脂を受け入れるために、三つのポート(第一ポート21、第二ポート22、第三ポート23が設けられている。ノズルボディ13内には、四つの流路、即ち、第一流路31、第二流路32、第三流路33、第四流路34が形成されている。第一ノズルチップ11及び第二ノズルチップ12は、金型の背面に設けられたスプルーにそれぞれ接続される。
【0014】
第一流路31は、ノズル10の中心軸に平行な流路であり、第一ポート21と第一ノズルチップ11内の流路15の間を結んでいる。同様に、第二流路32は、ノズル10の中心軸に平行な流路であり、第二ポート22と第二ノズルチップ12内の流路16の間を結んでいる。第一ノズルチップ11及び第二ノズルチップ12の中心軸は、それぞれ第一流路31及び第二流路32の中心軸に一致している。第三流路33は、第三ポート23から二つに分岐して斜めに延びる流路の一方を通り、第一コア41(後述)の内部を経て、第一ノズルチップ内の流路15につながっている。同様に、第四流路34は、第三ポート23から二つに分岐して斜めに延びる流路のもう一方を通り、第二コア42(後述)の内部を経て、第二ノズルチップ内の流路16につながっている。
【0015】
第一流路31の内側には第一コア41が取り付けられ、第二流路32の内側には第二コア42が取り付けられている。第一コア41及び第二コア42の中心軸は、それぞれ第一流路31及び第二流路32の中心軸に一致している。第一コア41の先端(図では左端側)は、第一ノズルチップ内の流路15の中に突出し、第一コア41の後端は、第一流路31の途中に位置している。同様に、第二コア42の先端(図では左端側)は、第二ノズルチップ内の流路16の中に突出し、第二コア42の後端は、第二流路32の途中に位置している。第一コア41及び第二コア42の内部には、それぞれ、側面から始まり各コアの中心軸上を通って先端に開口する流路が形成されている。
【0016】
以上の様にして、第一流路31は、第一ポート21に続く孔状流路から始まり、第一コア41の周囲を通る環状流路31aとなって、第一ノズルチップ11の内部の流路15につながっている。同様に、第二流路32は、第二ポート22に続く孔状流路から始まり、第二コア42の周囲を通る環状流路32aとなって、第二ノズルチップ12の内部の流路16につながっている。第三流路33は、第三ポート23から斜めに分岐する孔状流路の一方を通り、第一コア41の側面からその内部に入り、第一コア41の中心軸上を通る孔状流路33aとなって、第一ノズルチップ11の内部で流路15につながっている。同様に、第四流路33は、第三ポート23から斜めに分岐するもう一方の孔状流路を通り、第二コア42の側面からその内部に入り、第二コア42の中心軸上を通る孔状流路34aとなって、第二ノズルチップ12の内部で流路16につながっている。
【0017】
図2に示すように、上記のノズル10は、連結ブロック60を介して三つの射出ユニット(第一射出ユニット51、第二射出ユニット52、第三射出ユニット51)に接続されている。第一射出ユニット51、第二射出ユニット52及び第三射出ユニット53の各射出口57、58、59には、それぞれ開閉弁54、55、56が設けられている。連結ブロック60の内部には、各射出口57、58、59と、第一ポート21、第二ポート22及び第三ポート23の間をそれぞれ結ぶ流路が形成されている。
【0018】
次に、図1及び2に示した射出成形機用ノズルを用いてサンドイッチ成形を行う手順について説明する。
【0019】
先ず、開閉弁54及び55を開き、第一射出ユニット51及び第二射出ユニット52を起動して、第一のスキン用樹脂及び第二のスキン用樹脂をノズル10に供給する。この時、第一射出ユニット51と第二射出ユニット52は、同時に起動しても、あるいは、どちらか一方を遅らせて起動しても良い。
【0020】
第一射出ユニット51から送られた第一のスキン用樹脂は、第一ポート21から第一流路31を経て、第一コア41の外周側から第一ノズルチップ11内の流路15に入り、第一ノズルチップ11から金型内に射出される。射出された樹脂は、金型のキャビティ内でその表面が冷却され、第一のスキン層を形成する。同様に、第二射出ユニット52から送られた第二のスキン用樹脂は、第二ポート22から第二流路32を経て、第二コア42の外周側から第二ノズルチップ12内の流路16に入り、第二ノズルチップ12から金型内に射出される。射出された樹脂は、金型のキャビティ内でその表面が冷却されて、第二のスキン層を形成する。
【0021】
第一射出ユニット51及び第二射出ユニット52から予め設定された量の樹脂が供給された後、第一射出ユニット51及び第二射出ユニット52を停止して(または、起動したまま)、開閉弁56を開の状態とし、第三射出ユニット53を起動して、コア用樹脂をノズル10に供給する。第三射出ユニット53から送られたコア用樹脂は、第三ポート23で二つの流れに分離され、第三流路33及び第四流路34に流入する。
【0022】
第三流路33に流入したコア用樹脂は、第一コア41の中心軸上から第一ノズルチップ11内の流路15に入り、第一ノズルチップ11から金型内に射出される。このコア用樹脂は、流路15内に残存している第一のスキン用樹脂を排除しながら金型内に流入し、金型のキャビティ内で、既に表面が冷却されて固化を始めた第一のスキン用樹脂の、まだ溶融状態を保っている内部を流動し、コア層を形成していく。同様に、第四流路34に流入したコア用樹脂は、第二コア42の中心軸上から第二ノズルチップ12内の流路16に入り、第二ノズルチップ12から金型内に射出される。このコア用樹脂は、流路16内に残存している第二のスキン用樹脂を排除しながら金型内に流入し、金型のキャビティ内で、既に表面が冷却されて固化を始めた第二のスキン用樹脂の、まだ溶融状態を保っている内部を流動し、コア層を形成していく。
【0023】
第三射出ユニット53から予め設定された量のコア用樹脂が供給された後、第三射出ユニット53を停止し、開閉弁56を閉じる。第一射出ユニット51及び第二射出ユニット52を再起動して(または、起動したまま)、第一ノズルチップ11から第一のスキン用樹脂を金型内へ供給し、同時に第二ノズルチップ12から第二のスキン用樹脂を金型内へ供給し、それぞれのノズルから射出される第一のスキン用樹脂及び第二のスキン用樹脂がコア用樹脂を包み込むように流動させ、製品の表面全体をスキン用樹脂で覆った成形を完了する。
【0024】
図3及び図4に、図1及び図2に示した射出成形機用ノズルを使用して成形されたサンドイッチ成形品の、金型のキャビティ内での流動状態を模式的に示す。
【0025】
図3(a)及び(b)に、第一射出ユニット51と第二射出ユニット52を同時に起動した場合の事例を示す。
【0026】
(a)は、第一射出ユニット51及び第二射出ユニット52から、予め設定された量の樹脂を金型のキャビティ内へ供給した後、第一のスキン用樹脂s1及び第二のスキン用樹脂s2の中に、第三射出ユニット53からコア用樹脂cを供給し始めた状態を示している。bは、第三射出ユニット53から予め設定された量のコア用樹脂の供給が完了した後、再度、第一射出ユニット51及び第二射出ユニット52を起動し、第一のスキン用樹脂s1及び第二のスキン用樹脂s2をキャビティ内へ供給して、製品の表面全体をスキン用樹脂で覆って成形を完了させた状態を示している。
【0027】
以上の動作により、図3に示す成形品は、上半分と下半分の表面が異なる樹脂のスキン層で形成されたサンドイッチ成形品となる。
【0028】
なお、この場合、キャビティが二つに分離された金型を使用すれば、異なるスキン用樹脂で形成された二個のサンドイッチ成形品を、1ショットで成形することができる。
【0029】
図4(a)(b)に、第二射出ユニットの起動を、第一射出ユニットの起動開始から遅らせた場合の事例を示す。この事例は、図1及び図2に示した射出成形機用ノズルを、三色成形に適用したものである。
【0030】
(a)は、第一射出ユニット51及び第二射出ユニット52から、予め設定された量の樹脂の金型のキャビティ内へ供給した後、第一のスキン用樹脂s1及び第二のスキン用樹脂s2の中に、第三射出ユニット53からコア用樹脂cを供給し始めた状態を示している。この場合、第二射出ユニット52の起動を遅らせているため、第二のスキン用樹脂s2の量が少なくなっている。(b)は、第三射出ユニット53から予め設定された量のコア用樹脂の供給が完了した後、再度、第一射出ユニット51及び第二射出ユニット52を起動し、第一のスキン用樹脂s1及び第二のスキン用樹脂s2をキャビティ内へ供給して、製品の表面全体をスキン用樹脂で覆って成形を完了させた状態を示している。この場合、第二のスキン用樹脂の供給量が少ないため、コア用樹脂が第二のスキン層の一部を突き破ってコア用樹脂が表面に現れている。
【0031】
以上の動作により、図4に示す成形品は、サンドイッチ構造で、且つ、外観が上から、s1、s2、c、の三種類の樹脂(または、三色の樹脂)で構成される成形品となり、これまでの成形技術では簡単になしえなかった、ユニークな構成の成形品が得られる。
【0032】
もちろん、図4に示した第二射出ユニットの起動を遅らせる成形は、成形品の形状が対称でなく、一方が他方より小さくなっている成形品(図4では下側の形状が小さい場合)に適用すれば、図3に示した成形品と同様、全表面がスキン用樹脂で覆われ、図の上半分がs1、下半分がs2のスキン層で形成されたサンドイッチ成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の射出成形機用ノズルの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の射出成形機用ノズルを3台の射出ユニットに接続した状態を示す概略構成図である。
【図3】本発明の射出成形機用ノズルを用いてサンドイッチ成形を行った場合の、金型内での各樹脂の流動状態の一例を模式的に示す図であって、(a)はコア用樹脂の供給が行われているときの状態、(b)は射出成形が完了したときの状態を表している。
【図4】本発明の射出成形機用ノズルを用いてサンドイッチ成形を行った場合の、金型内での各樹脂の流動状態の他の例を模式的に示す図であって、(a)はコア用樹脂の供給が行われているときの状態、(b)は射出成形が完了したときの状態を表している。
【図5】従来の射出成形機用ノズルの一例を示す断面図。
【符号の説明】
【0034】
10…ノズル、11…第一ノズルチップ、12…第二ノズルチップ、13…ノズルボディ、14…接続リング、15,16…流路、21…第一ポート、22…第二ポート、23…第三ポート、31…第一流路、31a,32a…環状流路、32…第二流路、33…第三流路、33a,34a…孔状流路、34…第四流路、41…第一コア、42…第二コア、51…第一射出ユニット、52…第二射出ユニット、53…第三射出ユニット、54,55,56…開閉弁、57,58,59…射出口、60・・・連結ブロック、71…第一射出ユニット、72…第二射出ユニット、73…合流ノズル、74…ノズル、75…切り替え弁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキン用樹脂及びコア用樹脂を用いてサンドイッチ成形を行う際に使用される射出成形機用ノズルであって、
金型に接続される第一ノズルチップ及び第二ノズルチップと、
第一射出ユニットからの樹脂を受け入れる第一ポートと、
第二射出ユニットからの樹脂を受け入れる第二ポートと、
第三射出ユニットからの樹脂を受け入れる第三ポートと、
前記第一ポートと前記第一ノズルチップの間を結ぶ第一流路と、
前記第二ポートと前記第二ノズルチップの間を結ぶ第二流路と、
前記第三ポートと前記第一ノズルチップの間を結び、前記第一ノズルチップの内部で前記第一流路と合流する第三流路と、
前記第三ポートと前記第二ノズルチップの間を結び、前記第二ノズルチップの内部で前記第二流路と合流する第四流路と、
を備えたことを特徴とする射出成形機用ノズル。
【請求項2】
前記第一流路は、上流端では当該射出成形機用ノズルの中心軸に平行な孔状流路となって前記第一ポートにつながり、下流端ではこの孔状流路の中心軸を取り囲む環状の流路となって、前記第一ノズルチップ内の流路につながり、
前記第二流路は、上流端では当該射出成形機用ノズルの中心軸に平行な孔状流路となって前記第二ポートにつながり、下流端ではこの孔状流路の中心軸を取り囲む環状の流路となって、前記第二ノズルチップ内の流路につながり、
前記第三流路は、前記第三ポートから分岐して前記第一ノズルチップの中心軸の延長線上に至り、次いで前記第一ノズルチップの中心軸上を通る孔状流路となって、前記第一ノズルチップの内部で前記第一流路と合流し、
前記第四流路は、前記第三ポートから分岐して前記第二ノズルチップの中心軸の延長線上に至り、次いで前記第二ノズルチップの中心軸上を通る孔状流路となって、前記第二ノズルチップの内部で前記第二流路と合流すること、
を特徴とする請求項1に記載の射出成形機用ノズル。
【請求項3】
請求項2に記載の射出成形機用ノズルを使用するサンドイッチ射出成形方法であって、
前記第一射出ユニットを起動して、第一のスキン用樹脂を前記第一ポートから前記第一流路、第一ノズルチップを順に経て、金型内に供給し、
前記第二射出ユニットを、前記第一射出ユニットの起動開始と同時に、または予め設定された遅れ時間の経過後に起動して、第二のスキン用樹脂を前記第二ポートから前記第二流路、前記第二ノズルチップを順に経て、金型内に供給し、
第一及び第二のスキン用樹脂が、それぞれ別個に予め設定された量供給された後、前記第三射出ユニットを起動して、コア用樹脂を前記第三ポートから前記第一ノズルチップ及び前記第二ノズルチップの双方を経て、金型内に供給するとともに、前記第一射出ユニットからの第一のスキン用樹脂及び前記第二射出ユニットからの第二のスキン用樹脂の供給を停止し、
コア用樹脂が予め設定された量供給された後、前記第一射出ユニットからの第一のスキン用樹脂及び前記第二射出ユニットからの第二のスキン用樹脂の供給を再開するとともに、前記第三射出ユニットからのコア用樹脂の供給を停止し、
第一及び第二のスキン用樹脂が、それぞれ更に別個に予め設定された量供給された後、前記第一射出ユニットからの第一のスキン用樹脂及び前記第二射出ユニットからの第二のスキン用樹脂の供給を停止すること、を特徴とするサンドイッチ射出成形方法。
【請求項4】
請求項2に記載の射出成形機用ノズルを使用するサンドイッチ射出成形方法であって、
前記第一射出ユニットを起動して、第一のスキン用樹脂を前記第一ポートから前記第一流路、第一ノズルチップを順に経て、金型内に供給し、
前記第二射出ユニットを、前記第一射出ユニットの起動開始と同時に、または予め設定された遅れ時間の経過後に起動して、第二のスキン用樹脂を前記第二ポートから前記第二流路、前記第二ノズルチップを順に経て、金型内に供給し、
第一及び第二のスキン用樹脂が、それぞれ別個に予め設定された量供給された後、第一及び第二のスキン用樹脂の供給を継続したまま、前記第三射出ユニットを起動して、コア用樹脂を前記第三ポートから前記第一ノズルチップ及び前記第二ノズルチップの双方を経て、金型内に供給し、
コア用樹脂が予め設定された量供給された後、第一及び第二のスキン用樹脂の供給を継続したまま、前記第三射出ユニットからのコア用樹脂の供給を停止し、
第一及び第二のスキン用樹脂が、それぞれ更に別個に予め設定された量供給された後、前記第一射出ユニットからの第一のスキン用樹脂及び前記第二射出ユニットからの第二のスキン用樹脂の供給を停止すること、を特徴とするサンドイッチ射出成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−123249(P2006−123249A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−312250(P2004−312250)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】