説明

射出成形研磨物品の作製方法

研磨物品を作製するための方法が開示される。典型的な実施態様は、研磨凝集塊の粒子(10)を研磨物品の型(2)の少なくとも一部(8)に配置する工程と、溶融熱可塑性バインダー樹脂を前記研磨物品の型(2)内に射出する工程と、前記熱可塑性バインダー樹脂を冷却させ、その結果、研磨凝集塊の前記粒子(10)が前記熱可塑性バインダー樹脂中に固定される工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形研磨物品の作製方法、特に、研磨材料を含有する型に熱可塑性バインダー樹脂を射出成形する工程を含む成形研磨物品の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
研磨粒体が全体にわたり分散されてその中に結合された固体有機ポリマー母材から形成された研磨製品は公知であり、広く使用されている。典型的にポリマー母材は、塩基触媒フェノールホルムアルデヒドなどの硬質熱硬化性樹脂、もしくはポリウレタンなどの弾性エラストマー樹脂から成る。典型的に、樹脂の前駆体が研磨粒体と混合され、型に導入される。前駆体を反応させて硬化樹脂系を形成するために十分な時間、十分に高い温度まで型を加熱する。研磨グリットがその中に均一に混合された熱成形性材料を射出成形することによって成形研磨物品を作製することが公知である。このような方法は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4および特許文献5および特許文献6に記載されている。
【0003】
特許文献7には、有効量の研磨粒子を研磨物品の型の少なくとも一部に供給する工程であって、前記研磨物品が複数の剛毛セグメント部分を含む工程と、ポリウレタン/尿素バインダーおよびエポキシバインダーからなる群から選択された少なくとも2つの相互作用成分を含むバインダー前駆体母材を前記研磨物品の型に供給する工程と、バインダー前駆体を研磨物品の型内で硬化させ、その結果、前記研磨粒子が前記バインダー前駆体母材から形成されたバインダー中に固定される工程と、を含む研磨物品の作製方法が開示されている。概して型を例えば約1時間60〜80℃の温度に加熱してバインダーを部分的に硬化させ、その後、研磨物品を型から取り出し、さらに、例えば18〜24時間100℃において硬化させた。バインダー前駆体を例えば約100psiの圧力下で射出によって型に供給する。
【0004】
硬化性樹脂バインダーを使用する不便な点の1つは、樹脂バインダー系の完全な硬化のために必要とされる時間を考慮すると遅い傾向があるということである。
【0005】
熱可塑性材料と研磨材料との混合物を射出成形することによる成形研磨物品の製造はもっと速い方法を提供するが、いくつかの不便な点がある。第一に、熱可塑性樹脂に混入して型内にうまく射出することができる研磨材料の量は、典型的に10容量%未満に限られている。第二に、全成形物品が研磨材料を充填され、研磨材が必要とされない物品の領域がある場合がある。第三に、研磨粒子の存在のため、スクリューバレルとチェック弁とを含む、機械の射出成形可塑化装置の摩耗がひどい。
【0006】
研磨粒子を型に導入し、その後に熱可塑性樹脂を射出成形することによって成形物品を製造する試みは、特に成功してはいない。第一に、研磨粒子は、粒子が熱可塑性樹脂の母材中に保持されることを確実にするために溶融熱可塑性樹脂が粒子間の隙間を完全に充填することを可能にする十分な大きさおよび型内での分布を有さなければならない。第二に、鉱物粒子は平滑な表面を有する傾向があるので、熱可塑性樹脂と研磨粒子との間の結合はあまり強くない。第三に、熱可塑性樹脂が型に射出されるとき、特に研磨剤の小さな粒子が用いられるとき、研磨粒子が移動させられる傾向がある。
【特許文献1】米国特許第5209760号明細書
【特許文献2】米国特許第5232470号明細書
【特許文献3】米国特許第5607488号明細書
【特許文献4】米国特許第5632790号明細書
【特許文献5】国際公開第96/33638号パンフレット
【特許文献6】EP551714号明細書
【特許文献7】米国特許第6179887号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の点を念頭に置いて実施された。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によって、研磨凝集塊の粒子を研磨物品の型の少なくとも一部に配置する工程と、溶融熱可塑性バインダー樹脂を前記研磨物品の型内に射出する工程と、前記熱可塑性バインダー樹脂を冷却させ、その結果、研磨凝集塊の前記粒子が前記熱可塑性バインダー樹脂中に固定される工程とを含む、研磨物品の作製方法が提供される。
【0009】
研磨凝集塊の粒子の使用は、研磨凝集塊の粒子を含有する研磨物品の型内に熱可塑性バインダー樹脂を射出成形することによって成形研磨物品の製造を容易に可能にすることがわかっている。凝集塊は典型的に、少なくとも0.5ミリメートルの粒度を有し、バインダーで一緒に結合された複数の研磨粒子を含む。研磨凝集塊の粒子は、その間の溶融熱可塑性ポリマーの通過を容易にするために十分に大きく、熱可塑性バインダーの十分な定着をもたらす研磨剤の突出部分を含む粗面を有する傾向がある。
【0010】
本発明の方法において研磨剤は射出成形可塑化装置を通過しないので、射出成形機の磨耗は最小である。研磨凝集塊の粒子は熱可塑性バインダーとは別に型に導入されるので、成形物品中の高い研磨剤配合レベルが容易に達成可能であり、研磨粒子と熱可塑性樹脂との射出成形組成物を含む方法によって達成されうるよりもはるかに高い。さらに、適した型の設計および研磨凝集塊の粒子の配置によって、研磨剤の配合を所望の位置に限定することができる。従って、例えば取付システム、受板のための成形研磨物品の部分が研磨剤を有さない場合がある。
【0011】
本明細書中で用いられた用語「研磨凝集塊(abrasive agglomerate)」は、バインダーによって一緒に保持された複数の研磨粒子を含む粒子を指す。研磨「粒子」のための別の用語は、「粒状物質」、「鉱物」、「グリット」、「グレン」および「粒体」である。本願明細書の他の部分において、用語「グレン(grain)」は基礎研磨粒子を示すために用いられ、「凝集塊」は、バインダー母材中に固められた多数の砥粒(abrasive grains)を含む、より大きな粒子を示すために用いられる。
【0012】
研磨凝集塊は、場合により、他の添加剤、例えば充填剤、カップリング剤、グラインディング剤、界面活性剤、湿潤剤、顔料、染料、可塑剤、および沈澱防止剤を含んでもよい。バインダーは、有機および/または無機系であってもよい。研磨凝集塊は不規則な形状であるかまたはそれらに対応した予め決められた形状を有してもよい。形状は、ブロック、円柱、角錐、コイン、四角形などであってもよい。研磨凝集塊の平均粒度は、篩分けによって好ましくは少なくとも0.5ミリメートルである。研磨凝集塊の特に有用な粒子は、篩分けによって0.2〜3ミリメートル、好ましくは0.5〜2ミリメートルの範囲内の平均粒度を有する。凝集塊を形成する単一砥粒のグリットサイズは、研磨材料の最終用途に応じて選択されてもよい。P12〜P3000の範囲のグリットサイズを用いてもよい。
【0013】
適した研磨凝集塊およびそれらの調製方法は、例えば、米国特許第4,311,489号明細書、米国特許第4,652,275号明細書、米国特許第4,799,939号明細書、米国特許第5,549,962号明細書、米国特許第5,975,988号明細書、米国特許第6,521,004号明細書、米国特許第6,620,214および米国特許出願第200/0095871号明細書、および国際公開第02/33019号パンフレット、国際公開第02/33030号パンフレット、国際公開第02/32832号パンフレットおよび国際公開第02/094506号パンフレットに開示されている。
【0014】
研磨凝集塊において有用な典型的な砥粒には、溶融酸化アルミニウム砥粒、セラミック酸化アルミニウム砥粒、白色溶融酸化アルミニウム砥粒、熱処理酸化アルミニウム砥粒、褐色溶融酸化アルミニウム砥粒、シリカ砥粒、炭化ケイ素砥粒、グリーン炭化ケイ素砥粒、炭化ホウ素砥粒、炭化チタン砥粒、アルミナ−ジルコニア砥粒、ダイヤモンド砥粒、セリア砥粒、またはそれらの組合せなどがある。セラミック酸化アルミニウムは好ましくは、米国特許第4314827号明細書、米国特許第4744802号明細書、米国特許第4623364号明細書、米国特許第4770671号明細書、米国特許第4881951号明細書、米国特許第5011508号明細書および米国特許第5213591号明細書に記載されているようなゾルゲル方法によって製造されるか、または米国特許第5,593,467号明細書、米国特許第5,645,618号明細書および米国特許第5,651,801号明細書に記載されているような無水アルミナ粉末を焼結する方法によって製造される。セラミック砥粒は、アルファアルミナと、場合により、金属酸化物改質剤、例えばマグネシア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化ニッケル、ハフニア、イットリア、シリカ、酸化鉄、チタニア、酸化ランタン、セリア、酸化ネオジム、およびそれらの組合せを含む。また、セラミック酸化アルミニウムは、場合により、核剤、例えばアルファアルミナ、酸化鉄、酸化鉄前駆体、チタニア、クロミア、またはそれらの組合せを含んでもよい。また、セラミック酸化アルミニウムは、米国特許第5,201,916号明細書および米国特許第5,090,968号明細書に記載されているような形状を有してもよい。
【0015】
また、砥粒は表面コーティングを有してもよい。表面コーティングは、凝集塊中の砥粒とバインダーとの間の接着力を改良することができ、および/または凝集塊の研磨特性を変えることができる。このような表面コーティングは、米国特許第5,011,508号明細書、米国特許第1,910,444号明細書、米国特許第3,041,156号明細書、米国特許第5,009,675号明細書、米国特許第5,213,591号明細書および米国特許第5,042,991号明細書に記載されている。
【0016】
また、砥粒は、その表面に、シランカップリング剤などのカップリング剤を含有してもよい。カップリング剤は、固体表面、例えば、砥粒と硬化性バインダー前駆体との間の接着力を強化する傾向がある。本発明に適したカップリング剤の例には、オルガノシラン、ジルコアルミネートおよびチタネートなどがある。
【0017】
本発明において用いられるとき、砥粒は典型的に、約125〜1500マイクロメートルの範囲の平均粒度を有する。有用な砥粒は典型的に、少なくとも約7、好ましくは少なくとも約8、より好ましくは9を超えるモース硬度を有する。「モース硬度」という表現は、「モース尺度」での数に相当する値を意味する。「モース尺度」は、鉱物の硬度の尺度として定義される(ラファティ(Lafferty)、ピーター(Peter)著、“The Dictionary of Science”、386ページ(1993年)または“Handbook of Chemistry and Physics”、F−22ページ(1975年)を参照のこと)。
【0018】
研磨凝集塊の特に好ましい粒子は、熱硬化レゾールフェニル−ホルムアルデヒド樹脂を放射線硬化アクリル樹脂の代わりに用いる以外は、国際公開第02/33019号パンフレットに記載された方法によって調製される。また、凝集塊の粒子は、研磨粒子と硬化有機バインダーとを組合わせる「セラミック結合体前駆体粒子」の形であり、国際公開第02/33019号パンフレットに開示されているように粒子をセラミック結合体粒子に変化させる最終高温焼成方法を実施されない。好ましい砥粒は、酸化アルミニウム砥粒、特に、商標アロドゥア・FRPL(アロドゥア FRPL)としてオーストリア、ファラッホのトライバッヘァ(Treibacher,Vallach Austria)から市販されている熱処理溶融酸化アルミニウム砥粒である。好ましいレゾールフェノール−ホルムアルデヒド樹脂は、樹脂の重量に基づいて水酸化ナトリウム2.5重量%で触媒された、1.5〜2.0:1のフェノール対ホルムアルデヒド比のレゾールフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の固形分75重量%の水性分散系を含む。
【0019】
熱可塑性ポリマー(TP)および熱可塑性エラストマー(TPE)などの広範囲の材料を熱可塑性バインダー樹脂として用いてもよい。
【0020】
本発明に使用するための適した熱可塑性ポリマーの例には、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリブチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、ポリプロピレン、アセタールポリマー、ポリウレタン、ポリアミド、およびそれらの組合せがある。概して、本発明の好ましい熱可塑性ポリマーは、高い融解温度および良好な耐熱性を有する熱可塑性ポリマーである。本発明に使用するために適した市販されている熱可塑性ポリマーの例には、サウスカロライナ州、サムターのEMS・アメリカン・グリロン社(EMS−American Grilon,Inc.,Sumter,South Carolina)から入手可能なナイロン6,12のグリロン(Grilon)TMCR9コポリマー、デラウェア州、ウィルミントンのヒモントUSA社(Himont USA,Inc.,Wilmington,Delaware)から入手可能なプロファックス(Profax)TMおよびKS075ポリプロピレンベースの熱可塑性樹脂、およびテキサス州、ヒューストンのシェルケミカルカンパニー(Shell Chemical Co.,Houston,Texas)から入手可能なデュラフレックス(Duraflex)TMポリブチレンベースの熱可塑性樹脂などがある。
【0021】
本発明に使用するために適した1つの特定の熱可塑性ポリマーはポリアミド樹脂材料であり、アミド基、すなわち、−C(O)NH−を有することを特徴としている。様々なタイプのポリアミド樹脂材料、すなわち、ナイロン6/6またはナイロン6などのナイロンを使用することができる。ナイロン6/6は、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの縮合物である。ナイロン6/6は、約264℃の融点および約770kg/cmの引張強さを有する。ナイロン6は、s−カプロラクタムのポリマーである。ナイロン6は、約220℃の融点および約700kg/cmの引張強さを有する。本発明によって使用可能な市販されているナイロン樹脂の例には、ミズーリ州、セントルイスのモンサント(Monsanto,St.Louis,Missouri)製の「ヴィダイン(Vydyne)」、共にデラウェア州、ウィルミントンのデュポン(Du Pont,Wilmington,Delaware)製の「ジィテル(Zytel)」および「ミニオン(Minion)」、ニュージャージー州、ピスキャタウェイのハルス・アメリカ社(Huls America,Inc.,Piscataway,New Jersey)製の「トロガミドT(Trogamid T)」、ニュージャージー州、モリスタウンのアライド・ケミカル・コーポレーション(Allied Chemical Corp.,Morristown,New Jersey)製の「キャプロン(Capron)」、ペンシルベニア州、ピッツバーグのモベイ社(Mobay,Inc.,Pittsburgh,Pennsylvania)製の「ニャダー(Nydur)」、およびニュージャージー州、パーシパニーのBASFコーポレーション(BASF Corp.,Parsippany,New Jersey)製の「ウルトラミド(Ultramid)」などがある。
【0022】
高速度、高応力の適用などのいくつかの場合、成形可能なポリマーが熱可塑性エラストマーであるかまたは熱可塑性エラストマーを含有するのが好ましい。熱可塑性エラストマー(またはTPE)は、N.R.レギー(N.R.Legge)、G.ホールデン(G.Holden)およびH.E.シュークロダー(H.E.Schroeder)が編集し、ハンサー出版社(Hanser Publishers)(ニューヨーク、1987年)により編纂された「サーモプラスチック・エラストマー、ア・コンプレヘンシブ・レビュー(“Thermoplastic Elastomers.A Comprehensive Review”)」(本明細書において「レギー等」記載する)において定義され、再検討された。熱可塑性エラストマー(本願明細書に使用されるとき)は、一般に低当量多官能性モノマーと高当量多官能性モノマーとの反応生成物であり、低当量多官能性モノマーは約2以下の官能価および約300以下の当量を有し、重合時に、(他の硬質セグメント、結晶質硬質領域またはドメインとともに)硬質セグメントを形成することができ、高当量多官能性モノマーは、少なくとも約2の官能価および少なくとも約350の当量を有し、重合時に、硬質領域またはドメインを連結する軟質の可撓性鎖を生じることができる。
【0023】
「熱可塑性エラストマー」は、「熱可塑性樹脂」および「エラストマー」(引張応力下で伸長し、高い引張強さを有し、迅速に収縮し、および実質的にそれらの元の寸法を回復する点で天然ゴムに匹敵する物質の総称)とは異なり、熱可塑性エラストマーは硬質域の溶解温度よりも加熱する時に、均質な熔融物を形成し(エラストマーとは異なる)、射出成形などの熱可塑性技術により加工できる。その後の冷却により、硬質および軟質域の分離を再びもたらし、結果としてエラストマーの性質を有する材料を得るが、しかしながら、このことは熱可塑性樹脂では起こらない。熱可塑性エラストマーは、熱可塑性材料の加工性(溶融時)と通常の熱硬化性ゴムの機能的性能および性質(それらの非溶融状態における時)とを組合せて、本技術分野においてイオノマー、セグメント化、またはセグメント化イオノマー熱可塑性エラストマーとして説明されている。セグメント化タイプは、会合して「軟質の」、長い、可撓性のポリマー鎖によって一緒に連結された結晶性硬質ドメインを形成する「硬質セグメント」を含む。硬質ドメインは、軟質ポリマー鎖の融解温度を上回る融解温度または解離温度を有する。
【0024】
市販の熱可塑性エラストマー(TPE)には、セグメント化熱可塑性エラストマー、熱可塑性エラストマーと熱可塑性ポリマーとの混合物、およびイオノマー熱可塑性エラストマーなどがある。
【0025】
「セグメント化熱可塑性エラストマー」は、本明細書中では、高当量の多官能性モノマーと低当量の多官能性モノマーとの反応生成物であるポリマーをベースとする熱可塑性エラストマーのサブクラスを示す。セグメント化熱可塑性エラストマーは、好ましくは、少なくとも2の平均官能価および少なくとも約350の当量を有する高当量多官能性モノマーと少なくとも約2の平均官能価および約300未満の当量を有する低当量多官能性モノマーとの縮合反応物である。高当量多官能性モノマーは重合時に軟質セグメントの形成を可能にし、低当量多官能性モノマーは重合時に硬質セグメントの形成を可能にする。本発明で有用なセグメント化熱可塑性エラストマーには、ポリエステルTPE、ポリウレタンTPEおよびポリアミドTPE、およびシリコーンエラストマー/ポリイミドブロック共重合TPEなどがあり、低および高当量多官能性モノマーは各々のTPEを製造するために適切に選択される。
【0026】
セグメント化TPEは好ましくは、約2〜8の活性水素官能価を有する低分子量(典型的に、300未満の当量を有する)化合物である「連鎖延長剤」を含有し、それはTPE分野で公知である。特に好ましい例には、エチレンジアミンおよび1,4−ブタンジオールなどがある。
【0027】
「イオノマー熱可塑性エラストマー」は、イオン状ポリマー(イオノマー)をベースとする熱可塑性エラストマーのサブクラスを示す。イオノマー熱可塑性エラストマーは、イオン会合またはイオンクラスターにより複数の位置で共に結合した2つまたはそれ以上の軟質ポリマー鎖から成る。イオノマーは、オレフィン不飽和モノマーと官能化モノマーとの共重合、または予備成形ポリマーの直接の官能化により典型的に製造される。カルボキシル−官能化イオノマーは、アクリル酸またはメタクリル酸とエチレン、スチレンおよび同様のコモノマーとのフリーラジカル共重合による直接共重合により得られる。得られたコポリマーは、一般に遊離酸として利用され、その酸は金属水酸化物、金属酢酸塩および同様の塩で所望の程度に中和されうる。イオノマーの記載およびこれに関する特許の検討は、レギーらの231〜243ページに提供される。
【0028】
また、TPEとTP材料とのブレンドは本発明の方法において熱可塑性バインダー樹脂として有用であり、本発明の研磨物品の機械的性質を調整する時にさらにより大きな柔軟性を可能にする。
【0029】
市販されているおよび好ましいセグメント化ポリエステルTPEには、デラウェア州、ウィルミントンのE.I.デュポン・ドゥ・ヌムール社(E.I.Du Pont de Nemours and Company,Inc.,Wilmington,Delaware)から入手可能な商品名「ハイトレル(Hytrel)TM4056」、「ハイトレルTM5526」、「ハイトレルTM5556」、「ハイトレルTM6356」、「ハイトレルTM7246」、および「ハイトレルTM8238」として知られているセグメント化ポリエステルTPEがあり、最も好ましいものには、ハイトレルTM5526、ハイトレルTM5556、およびハイトレルTM6356などがある。熱可塑性樹脂ポリエステルTPEの同様な群は、商品名ライトフレックス(RITEFLEX)(ホークスト・セラニーズ・コーポレーション(Hoechst Celanese Corporation))として入手可能である。さらに別の有用なポリエステルTPEは、テネシー州、キングスポートのイーストマン・ケミカル・プロダクツ社(Eastman Chemical Products,Inc.,Kingsport,Tennessee)から商品名エコデル(ECDEL)、マサチューセッツ州、ピッツフィールドのゼネラル・エレクトリック・カンパニー(General Electric Company,Pittsfield,Massachusetts)からロマド(LOMAD)、DSM・エンジニアド・プラスチックス(DSM Engineered Plastics)からアーニテル(ARNITEL)、およびデュポン(Du Pont)からベックスロイ(BEXLOY)として公知のポリエステルTPEである。さらに別の有用なポリエステルTPEには、ペンシルベニア州、エクストンのLNP・エンジニアリング・プラスチックス(LNP Engineering Plastics,Exton,Pennsylvania)からラブリコンプ(LUBRICOMP)として入手可能なポリエステルTPEがあり、潤滑剤、ガラス繊維強化材、および炭素繊維強化材を混合して市販されている。
【0030】
市販の好ましいセグメント化ポリアミドTPEには、共にニュージャージー州、グレン・ロックのアトケム社(Atochem Inc.,Glen Rock,New Jersey)から入手可能な商品名ぺバックス(Pebax)およびリルサン(RILSAN)として公知のセグメント化ポリアミドTPEがある。
【0031】
市販の好ましいセグメント化ポリウレタンTPEには、オハイオ州、クリーブランドのB.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich,Cleveland,Ohio)から入手可能な商品名エスタン(ESTANE)として公知のセグメント化ポリウレタンTPEがある。他の好ましいポリウレタンTPEには、ミシガン州、ミッドランドのダウ・コーニング・カンパニー(The Dow Corning Company,Midland,Michigan)製の商品名ペレタン(PELLETHANE)、およびイソプラスト(ISOPLAST)として公知のポリウレタンTPE、モートン・シオコル社(Morton Thiokol,Inc.)のモートン化学事業部からの商品名モータン(MORTHANE)として公知のポリウレタンTPE、およびミシガン州、ワイアンドットのBASFコーポレーション(BASF Corporation,Wyandotte,Michigan)製の商品名エラストラン(ELASTOLLAN)として公知のポリウレタンTPEなどがある。
【0032】
熱可塑性エラストマーは、米国特許第5,443,906号明細書にさらに記載されている。
【0033】
熱可塑性バインダー樹脂が潤滑剤を含有することが好ましい。バインダー中に潤滑剤が存在することによって、工作物の表面と接触する研磨材料の摩擦を低減する。これは、工作物を改良する時に発生させられる熱を低減する。過度の熱によって、研磨材料が工作物上に残留物を残すかまたは他の方法で工作物を損なわせる場合がある。熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーと共に有用な適した潤滑剤には、例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、エチレンビスステアルアミド、黒鉛、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびシリコーン化合物などがある。
【0034】
潤滑剤として有用な好ましいシリコーン材料の例は、式(A):
(A)
【化1】

の高分子量ポリシロキサンであり、上式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRが同一または異なっていてもよく、アルキル、ビニル、クロロアルキル、アミノアルキル、エポキシ、フルオロアルキル、クロロ、フルオロ、またはヒドロキシであってもよく、nが500以上、好ましくは1,000以上、より好ましくは1,000〜20,000、最も好ましくは1,000〜15,000である。
【0035】
別の好ましいポリシロキサンは、式(B):
(B)
【化2】

のポリジメチルシロキサンであり、上式中、RおよびRが同一または異なっていてもよく、アルキル、ビニル、クロロアルキル、アミノアルキル、エポキシ、フルオロアルキル、クロロ、フルオロ、またはヒドロキシであってもよく、nが500以上、好ましくは1,000以上、より好ましくは1,000〜20,000、最も好ましくは1,000〜15,000である。
【0036】
ポリシロキサンは、多くの異なった形、例えば、化合物自体としてまたは濃厚物として入手可能である。ポリシロキサンを配合することができるポリマーの例には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアセタール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、およびポリエステルエラストマーなどがあり、すべて市販されている。シリコーン改質ハイトレルTMはBY27 010(またはMB50−010)として、シリコーン改質ナイロン6,6はBY27−005(またはMB50−005)として、共にミシガン州、ミッドランドのダウ・コーニング・カンパニー(Dow Corning Company,Midland,Michigan)から市販されている。
【0037】
典型的に、市販の濃厚物は、40〜50重量パーセントの範囲においてポリシロキサンを含有することがある。しかしながら、最終製品の所望の重量パーセントが達せられる限り、どんな重量パーセントも本発明の目的のために許容範囲である。潤滑剤は好ましくは(研磨凝集塊含有量を除いて)約20重量パーセントまでの量において熱可塑性バインダー中に存在しうるが、必要に応じて、より多くまたはより少なく使用してもよい。
【0038】
熱可塑性バインダー樹脂はさらに充填剤を含んでもよい。広範囲の粒状物質および繊維充填剤を用いてもよい。概して充填剤は、熱可塑性バインダーの20重量%より少ない量において使用される。好ましい充填剤は、成形性能を改良しフラッシュ調合(flash formulation)の傾向を低減することがわかっているコルク粒子を含む。さらにコルクの存在は、研磨製品が使用中に作業成果物上に汚れを残す傾向を低減する。
【0039】
本発明の方法において、バインダー樹脂を研磨物品の型に便利に射出する工程は、型を垂直の向きに保持することができる射出成形機を用いることを必要とする。多くの公知の射出成形システムは水平の向きを有し、溶融材料は、型の側面に水平に搬送される。しかしながら、研磨凝集塊の粒子は溶融熱可塑性バインダーを射出する前に型に配置されるので、研磨凝集塊の粒子が重力下で所定の位置に保持されるように型のキャビティを設計することおよび溶融熱可塑性材料を型内に垂直に下へ射出することが便利である。
【0040】
型のキャビティは、最終製品に応じて様々な形状をとってもよい。型のキャビティは、研磨製品が研磨ホイール等の形状である場合、研磨凝集塊の粒子をほとんど完全に充填されてもよく、あるいは型のキャビティは、限定された領域、例えばリングの円板の外側の表面に研磨凝集塊の粒子を受容するように設計されてもよい。射出成形の間、溶融熱可塑性バインダーの流れの影響を受ける時に研磨凝集塊の粒子がキャビティの別の部分に移動させられないように型のキャビティを設計することが重要である。これは様々な技術によって達成可能である。型内への溶融熱可塑性バインダーの射出ポイントから最大距離に配置されるように型のキャビティを設計することが望ましい。このようにして、型のキャビティが粒子で満たされない場合でも、粒子は、溶融熱可塑性樹脂の流れがそれらに達する時にどこへも動かず、従ってそれらは所望の位置に保持される。別の技術は、溶融熱可塑性バインダーの流れの影響を受ける時に粒子が窪みに限定されるように研磨凝集塊の粒子を充填することができる1つ以上の窪みを有する型のキャビティを設計することである。
【0041】
さらに別の技術によって、溶融熱可塑性バインダーを通過させるが研磨凝集塊の粒子を通過させないスクリーン、ウェブ、スクリム、膜またはメッシュの使用によって研磨凝集塊の粒子を型のキャビティの領域内に保持してもよい。スクリーンを形成するための適した材料には、プラスチック、金属、ガラス繊維、セラミックまたはガラス材料から作製された織材料、不織、ニットおよび有孔材料がある。例えば、円板を成形する場合、研磨凝集塊の粒子の1つ以上の層を型のキャビティの基部に適用し、膜またはメッシュで覆って粒子の移動を防いでもよい。射出成形の間、溶融熱可塑性バインダーがメッシュ中を流れ、研磨凝集塊の粒子とメッシュとの両方を封入する母材を形成する。
【0042】
使用された研磨凝集塊および熱可塑性バインダー樹脂の量は、研磨物品の特定の構造に応じて広範囲に変化してもよい。いくつかの場合、研磨凝集塊は研磨物品の表面に限定され、他の場合において研磨凝集塊は、研磨物品の一部またはすべてにわたって分布されてもよい。概して研磨物品は、研磨凝集塊の1重量部当たり少なくとも1重量部の熱可塑性バインダー樹脂を含み、通常、研磨凝集塊の1重量部当たり1〜20重量部の熱可塑性バインダー樹脂を含む。
【0043】
射出成形技術は本技術分野において公知である。記載したように、射出成形装置は、垂直の向きを有するように設計されるのが便利であるが、型のキャビティが上述のように方向付けされる場合、それは水平の向きを有してもよい。一般に射出成形装置は、バレル内に一般にスクリューを含むスクリューインゼクターの第1の面に一般に粉末またはペレットの形状の熱可塑性バインダー材料を供給するホッパーを含む。スクリューインゼクターの反対側の面は、軟化された材料を型内に送るためのノズルを含む。インゼクターのバレルを加熱して材料を溶融し、回転スクリューが材料をノズルの方向に進ませる。次に、スクリューをノズルに向かって直線的に移動させて溶融材料の「ショット」を所望の圧力において型内に与える。一般にスクリューの前端とノズルとの間に間隙を維持して、型内に射出されていない軟化された材料の緩衝領域を提供する。
【0044】
射出成形装置のバレル温度は概して約200〜250℃の範囲である。型は好ましくは、50〜150℃、より好ましくは約100〜140℃の範囲の温度に加熱される。サイクル時間(スクリュー押出機を導入することから物品を取り出すために型を開けるまでの時間)は概して、0.5〜180秒、通常、約5〜60秒の範囲である)。射出圧力は概して、100〜1000psi(690〜6900kPa)、通常300〜700psi(2070〜4830kPa)の範囲である。
【0045】
本発明は、添付した図面を参照して記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図1aおよび1bを参照して、型ブロック2は、円筒状側壁6と基部8とを含む型の円筒状キャビティ4を含む。型は、研磨ディスクを形成するように設計される。型の上部分(トップカバー)は示されない。実施例1および2において使用された型は、単一の中央に配置された射出孔を有する平らなトップカバーを有した。しかしながら、トップカバーは、適した付着手段、例えば中央ねじ込ボスを形成するように構成されてもよい。
【0047】
研磨凝集塊10の1つ以上の層が型の基部8の上に広げられる。いくつかの実施態様において、型のキャビティは、研磨凝集塊の粒子を完全に充填されてもよい。図1bに示されるように、型のキャビティは研磨凝集塊の粒子を完全に充填されない。必要ならば、スクリーン、ウェブ、スクリムまたはメッシュ12が、射出成形の間、溶融熱可塑性樹脂の流れる間に粒子が移動させられないことを確実にするために研磨凝集塊10の粒子の上に配置されてもよい。型を閉じ、射出成形装置に接続し、溶融熱可塑性バインダーを導入する。熱可塑性バインダーの固化時に、型を開け、研磨剤粒子を除去する。
【0048】
図1(a)および(b)に示されるような型を実施例1において使用した。成形研磨物品の寸法は、型の内部寸法に等しい。
外径:50mm
厚さ:5mm
【0049】
図1bに示されるような平らな表面を有する代わりに、型の基部8は、成形研磨物品にテクスチャー化表面を提供するために外形に合わせて作られてもよい。図1cに示されるように、基部8は、複数の造形された窪み14を含んでもよい。研磨凝集塊を窪み14に配置し、粒子が窪みに限定されるので、それらは射出成形の間、溶融熱可塑性バインダーの流れによって移動させられない。窪み14は、研磨物品上に必要とされた表面のテクスチャーに応じてどんな所望の形状であってもよい。
【0050】
図2aおよび2bは、本発明において使用するために適したさらに別の型の平面図および断面図を示す。型2は、図1の型に似た円筒状成形キャビティを含む。型の基部8は取り外し可能であり、必要とされるならばテクスチャー化表面を有する型の基部と取り換えてもよい。中央の取り外し可能なインサート16を型の基部に配置して、インセット18と円筒状壁6との間に形成されたリング18を画定する。リングは、射出成形の前に研磨凝集塊の粒子を充填される。
【0051】
分離板20は、中央インサート16の上に隔置された、円筒状キャビティの上に配置され、その結果、支持板22が射出成形の間、研磨材料のリングと一体に形成される。分離板は、射出成形機に接続される導管26と連通している中央窪み24を有する。導管26は、カバー板28内に形成される。
【0052】
使用時に、研磨凝集塊の粒子をリング18に導入してリングを完全に充填する。分離板20は成形キャビティの上に配置され、蓋28が固定される。溶融熱可塑性バインダーは、射出成形機から導管26を通して導入され、カバー板20の中央窪み24経由で型のキャビティに入る。溶融熱可塑性バインダーはインサート16の上に流れ、型の基部8に達するまでリング18内の研磨凝集塊の粒子の間のスペースに浸透する。溶融材料は、全成形キャビティを完全に充填する。固化した時に、蓋28およびカバー板が除去され、研磨物品が型から除去される。物品は、熱可塑性バインダーの母材中に研磨凝集塊の粒子を含む研磨リング18を支持する熱可塑性バインダーから形成された支持板22を含む。必要ならば、支持板22を強化するために射出成形の前に強化要素を型に組み込んでもよい。
【0053】
図3に示された型インサートは、実施例2の製品を作製するために図1(a)および(b)に示された型内で用いられた。
【0054】
鋼インサート(30)を型内に配置した。インサートは50mmの外径を有し、外側環状リング(32)の厚さは0.5mm、中央ハブ(34)の直径は24mm、付加的な厚さは3mmであった。成形研磨物品は図4および図5に示される。成形研磨物品の寸法はインサートを所定の位置に有する型の内部寸法に等しく、次の通りである。
外径:50mm
中央の薄くなった部分(36)の直径:24mm
中央の薄くなった部分(36)の厚さ:1.5mm
外側環状リング(38)の厚さ:4.5mm
【0055】
図6および7は、実施例3において用いられた型を示す。型は、成形物品(図8および9)に中央開口(46)を形成するために中央に隆起ボス(44)位置を有する段付き中央部分(42)を有する環状窪み(40)から成った。凝集塊(10)は環状窪み(40)内に置かれる。型は、4つの射出孔を環状窪み(40)の周りに有する平らなトップカバー(図示せず)から成った。
【0056】
成形研磨物品の寸法は型の内部寸法に等しく、次の通りである。
外径:103mm
内部孔(46)の直径:22mm
外側環状リング部分(48)の厚さ:12mm
内部環状リング部分(50)の厚さ:2mm
内部環状リング部分(50)の直径:69mm
【0057】
本発明は以下の実施例によって示され、以下の材料、試験方法および装置が用いられる。
【0058】
材料:
「MBTM50−010」 米国、ミシガン州、ミッドランドのダウ・コーニング・カンパニー(Dow Corning Company,Midland,Michigan,USA)から市販されているシリコーン改質ポリエステルエラストマーベースのポリマー溶融添加剤[商品名:「MB50−010」]
【0059】
「ハイトレル(Hytrel)TM6356」 米国、デラウェア州、ウィルミントンのE.I.デュポン・ドゥ・ヌムール社(E.I.Du Pont de Nemours and Company,Inc.,Wilmington,Delaware,USA)から市販されているポリエステルベースのTPE(熱可塑性エラストマー)[商品名:「ハイトレルTM6356」]
【0060】
「ハイトレルTM5526」 米国、デラウェア州、ウィルミントンのE.I.デュポン・ドゥ・ヌムール社から市販されているポリエステルベースのTPE(熱可塑性エラストマー)[商品名:「ハイトレルTM5526」]
【0061】
「ハイトレルTM4056」 米国、デラウェア州、ウィルミントンのE.I.デュポン・ドゥ・ヌムール社から市販されているポリエステルベースのTPE(熱可塑性エラストマー)[商品名:「ハイトレルTM4056」]
【0062】
デュポン・ドゥ・ヌムール社製のハイトレルTM5526を50重量%と、BASFコーティングS.A.S.(フランス、オワーズ セデのSec,60676 クレルモン、ブレイル工業地区(Zone Industrielle de Breuil le Sec,60676 Clermont de l’Oise Cedex,France))から商品名「シコバーサル・H・ベル(Sicoversal H Vert)99.02.0229」(緑色)または「シコバーサル・H・ブラン(Sicoversal H.Blanc)00.02.317」(白色)、または「シコバーサル・H・マロ・ラル(Sicoversal H Marron RAL)8017」(褐色)として市販されている、粉末の形状の染料50重量%とから製造された、「カラー・マスターバッチ(Colour Masterbatch)」デュポン・ドゥ・ヌムール社から商品名「グリーン・カラー・マスターバッチ(Green Colour Masterbatch)」または「ホワイト・カラー・マスターバッチ(White Colour Masterbatch)」、または「ブラウン・カラー・マスターバッチ(Brown Colour Masterbatch)」として入手可能な予備配合プラスチックペレット。
【0063】
「オルガロイ(Orgalloy)R6600」エルフ・アトケム(Elf Atochem)(ドイツ、デュッセルドルフのウエルディンガー・シュトラーセ5,D−40474(Uerdinger Strasse 5,D−40474 Dusseldorf,Germany)から市販されているポリアミド/ポリプロピレンブレンド[商品名:オルガロイR6600」]
【0064】
「ペバックス(Pebax)3533」エルフ・アトケム(ドイツ、デュッセルドルフのウエルディンガー・シュトラーセ5,D−40474から市販されているポリエーテルブロックアミド[商品名:「ペバックス3533」]
【0065】
「ペバックス6333」エルフ・アトケム(ドイツ、デュッセルドルフのウエルディンガー・シュトラーセ5,D−40474から市販されているポリエーテルブロックアミド[商品名:「ペバックス6333」]
【0066】
「ホシュターレン(Hostalen)GM50−50」硬質ポリエチレンポリマー市販されているfromエレナック(Elenac)(BASF/シェル(Shell))、バーゼル・ポリオレフィン・GmbH(Basell Polyolefine GmbH)(ドイツ、マインツのラインシュトラーゼ4G,55116(Rheinstrase 4G,55116Mainz,Germany))[商品名:「ホシュターレンGM50−50」]
【0067】
「コルク#2−3」ソシエテ・オ・リエジェア(Societe au Liegeur)(フランスのセデ、ススト、9,アベニュ・ディ・マレシャル・レクレルク・BP 41,40141(9,Avenue du Marechal Leclerc−BP 41,40141 Soustons,Cedex,France))から市販されているコルク粒体[商品名:「コルク#2−3」]
【0068】
「P50・アロドゥア(Alodur)・BFRPL」トライバッヘァ(Treibacher)(オーストリア、ファラッホ(Vallach Austria))から市販されている。50グリットの酸化アルミニウム砥粒[商品名「P50・アロドゥア・BFRPL」]
【0069】
「P120・アロドゥア・BFRPL」トライバッヘァ(オーストリア、ファラッホ)から市販されている。120グリットの酸化アルミニウム砥粒[商品名「P120・アロドゥア・BFRPL」]
【0070】
「P36銘柄炭化ケイ素」ケンプテン・GmbH(Kempten GmbH)(ドイツ、グレフラス(Grefrath,Germany))から市販されている[商品名「P36銘柄炭化ケイ素」]
【0071】
「研磨凝集塊」
熱硬化されたレゾールフェノール−ホルムアルデヒド樹脂を放射線硬化アクリル樹脂の代わりに用いたことを除いて、研磨凝集塊の製造方法は、国際公開第02/33019号パンフレットに記載されている通りである。また、粒子は、研磨粒子と硬化有機バインダーとを組合わせるセラミック結合体前駆体粒子の形状であり、粒子をセラミック結合体粒子に変化させる最終高温焼成方法を実施されない。研磨粒子は、商品名アロドゥア・BFRPLとしてオーストリア、ファラッホのトライバッヘァから市販されているA1熱処理溶融酸化アルミニウム砥粒であった。
【0072】
レゾールフェノール−ホルムアルデヒド樹脂は、樹脂と水酸化ナトリウム2.5重量%で触媒された、1.5〜2.0:1のフェノール対ホルムアルデヒド比のレゾールフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の固形分75重量%の水性分散系であった。
【0073】
凝集塊は、55〜85重量%の酸化アルミニウム、5〜15重量%のフェノール樹脂、1〜5重量%の非晶質ケイ酸塩および10〜25重量%の無機フッ化物から成った。
【0074】
「P36研磨凝集塊」はP36グリットのアロドゥア(Alodur)・BFRPLを用いて上述のように製造された。
「P50研磨凝集塊」はP50グリットの・アロドゥア・BFRPLを用いて上述のように製造された。
「P120研磨凝集塊」はP120グリットのアロドゥア・BFRPLを用いて上述のように製造された。
【0075】
P36、P50およびP120研磨凝集塊の凝集塊粒子は、大体、円筒状の形状であり、円筒の長さおよび直径は大体、等しい。粒子の41重量%は1mm〜2mmの直径および長さであり、粒子の58重量%は0.5mm〜1mmの直径および長さであり、残り1重量%は、0.5mmより小さい大きさの不規則な形状の微細粒子であった。
【0076】
バインダー調合物
【0077】
バインダー調合物1

【0078】
バインダー調合物2

【0079】
バインダー調合物3

【0080】
バインダー調合物4

【0081】
バインダー調合物5

【0082】
バインダー調合物6

【0083】
バインダー調合物7

【0084】
バインダー調合物8

【0085】
バインダー調合物9

【0086】
バインダー調合物10

【0087】
バインダー調合物11

【0088】
試験方法
試験方法1(切削および摩耗)
範囲
この試験は、円板の切削性能および磨耗を定量化するために、アルミニウム板上を5回ゆっくりと通過させて切削および磨耗する。
【0089】
装置
アジア・ブラウン・ボベリ(Asea Brown Boveri)(フランス、セト・ウェ・ラ・オモン、ABB MC F−95310(ABB MC F−95310,Saint Ouen L’Aumone,France)から入手可能なABBロボットIRB3000(ABBロボットIRB3000)。
【0090】
リロイ・メルラン(Leroy Merlin)(フランス、モンティグ・レ・コルメル95370、Bd・ヴィクトール・ボアデ14)(14,Bd Victor Bordier,95370 Montigny−les−Cormeilles,France)から入手可能なAEG600ワット直角グラインダー(AEG 600 Watt Right Angle Grinder)。
【0091】
用具
この試験のために使用した用具は、AEG600ワット直角グラインダーである。この用具は10000rpmの無負荷速度であるとされ、切削試験の間、9600rpm〜9700rpmで運転する。実運転速度は、マンドレル上の反射テープ片および電子ストロボタコメーターを用いて確認される。
【0092】
円板のホルダーは、3Mフランス(3M France)(フランス、セル、Bd・デ・オワーズ95000)(Bd de l’oise 95000 Cergy,France))から入手可能な超硬質ロロック(Roloc)TMディスクホルダーであり、円板と同じサイズが試験される。
【0093】
消耗試験材料
切削試験は、ロボット工作台にボルトで締められた240mm×480mm×3mm厚のアルミニウム板を使用する。試験材料は、アルミニウム、すなわち、CTA/ボニア(BONIAZ)(50,Avenue des Chataigners,95150 Taverny,France))によって供給された対照標準Ag3である。
【0094】
試験の説明
アルミニウム板と研磨ディスクとの両方を、試験が始まる前と試験が終わった後とに再び秤量する。アルミニウムパネルは、位置毎に1度だけ(常に未使用表面上で)使用される。アルミニウムパネルの上および下の両方を試験のために使用することができる。
【0095】
用具ホルダーは、最初の試験が始まる前に使用される用具のために平衡させられなければならず、次に、実際の作用力は、用具を動的に上下させる間に力計器を用いて負荷を測定することによって測定される。測定は最大および最小の力の範囲であり、それは、平衡させられた用具が上昇および降下する時に測定される。
【0096】
アルミニウム板をロボット工作台にボルトで締め、ロロックTMホルダーに設置された研磨ディスクを直角グラインダーに取り付けた。次いでロボットを始動した。
【0097】
ロボットは、研磨ディスクを板と接触させ(板の長い側面の1つから出発する)、板を横断し(240mmの行程)、上がり、戻り、次いでサイクルを繰り返す。
【0098】
各試験は、全部で5ストロークからなる。移動速度は12.5mm/秒であり、接触圧力は23〜34Nである。試験は常に、板の新しい表面で開始される。この試験のためのプログラムは、「65」に参照をつけられたプログラムとしてロボットのメモリに記録される。
【0099】
切削の測定は、アルミニウム板の出発重量と最終重量との間の差である。研磨ディスクの損失重量は、摩耗率となる。
【0100】
ロボットは、切削試験を行なう間、垂直から13度に研磨ディスクを保持し、接触は垂下する方法である。
【0101】
試験の手引き
試料の説明および調製
研磨ディスク試料は、ポリマーの結晶化の影響を最小にするためにこの試験に使用する前、できてから最小限の48時間であるのがよい。
試料は、試験を始める前、少なくとも1時間、通常の大気条件にあるのがよい。
【0102】
試験手順
ロボット工作台上にアルミニウム板のための取付器材を設置する。
AEG600ワット直角電気グラインダーをロボット上に設置する。
ロロックTMホルダーを電気グラインダー上に設置する。
ロボット圧力アクチュエータをグラインダー重量と平衡させる。
グラインダーの動的作動圧力を測定し、記録する。適切な圧力は、収縮において25N、圧縮において35Nであるのがよい。範囲が異なる場合、プログラムの圧力整定値を調節する。
【0103】
各切削試験を始める前に、
研磨ディスクの識別を記録する。
研磨ディスクの初期重量を記録する。
アルミニウムパネルの全出発重量を記録する。
研磨ディスクをグラインダー上のホルダーに設置する。
アルミニウムパネルを設置する。
切削試験の間、用具のrpmを検査する。
【0104】
ロボット試験#65の実行
各切削試験の終了時に、
アルミニウム板を除去する。
研磨ディスクを除去する。
研磨ディスクの重量を記録する。
アルミニウムパネルの重量を記録する。
【0105】
試験結果および計算
切削は、グラム単位で測定された、試験前および試験後のアルミニウム板の差である。
摩耗は、グラム単位で測定された、円板の初期重量と円板の最終重量との間の差である。
【0106】
試験方法2(電気角度サンダーでの切削および摩耗試験)
目的:表面状態調節製品の切削および磨耗を評価すること。
【0107】
要約
試験方法は、溶接コードの除去をシミュレートし、その主旨で、鋼部分が、サンダー上で表面状態調節のための回転円板と接触される。
【0108】
この試験は、材料の除去(グラム単位)および製品の期待寿命(秒単位)を測定する。この試験は攻撃的であり、製品の実際の寿命の測定を可能にするものではなくて、異なった製品をそれらの性能によって互いに位置づけることを可能にする。
【0109】
消耗試験
試験片は、長さ100mm、300mm、幅15mmおよび厚さ5mmの平らな引抜鋼バーA−37−3から作製された。供給元:CTA/ボニア(BONIAZ)(50 Avenue des Chataigniers,95150 Taverny,France)。
【0110】
装置の説明
ヒタチ・パワー・ツールズ・フランス株式会社(Hitachi Power Tools France S.A.)(フランス、91015 エヴリー・セデ、リセC.E.1541、パルク・デ・レグラチェ,22 ル・デ・セリジェ(Parc De L’eglantier,22 Rues Des Cerisiers,Lissers C.E.1541,91015 Evry Cedex,France))から入手可能な10000rpmで回転し、1000ワットの出力の電気ヒタチG13SE角度サンダー;空気圧器具の台;バーの送りおよび開放の速度を調節するシステム;前記器具によって伝達された力を確認するための力量計;バイス;ローラー上に取付けられた支持体;0.01グラムの精度のスケール;デジタルクロノメータ(1秒まで正確);リフティング・ガイド;直径200mm、幅70mmおよび40ショアーの硬度のソリッド・コンタクト・ホイールを備えたバックスタンド;タレット。円板と15mmおよび5mmの側面のバーの隅とが接触させられ、バーの15mmの側面は、47mm片寄らされた円板の直径に平行である。
【0111】
調節手順/試験準備
システムの調節:器具の圧力は、台の左側に配置された圧力計によって調節され、空気吸入弁を開け、器具の左側の調整器をまわす。圧力の損失がないか検査するために、圧力は圧力計で定期的に検査されなければならない。
【0112】
各試験の前に、圧力は5バールにされ、次いで、気圧ジャッキ内のありうる不純物を取り除くために、所望のレベルに調節される。器具は、バーを円板と接触させ、引っ込めることができるシステムを備えている。このシステムを設定し、試験ごとに様々な結果をもたらすことになるので変更してはならない。また、台の移動速度は、2つの吸気口によって調整可能である。従って、送りの速度と開放の速度とを調節することが可能である。
【0113】
試験片の作製
最初に、その目的で提供されたガイドの助けを借りて研磨ベルト上にバーを立てることが必要である。ガイドは、各バーについて同様にベルト上にバーの送りを可能にするシステムであり、接触される時に加えられた圧力は一定であり、40Nに等しい。ケーブルとプーリとによってトレーに接続された3.4kgの重量がこの圧力を提供する。バーはガイドのバイスに固定され、バーがベルトに垂直であるようにガイドを配置し、支持体はバックスタンドのケーシングと接触していなければならず、器具の台をゆっくりと開放し、バーを3秒間接触したままにし、台を初期位置に戻し、バーの各セクションについて作業を繰り返す。第2に、立てられたバーをデバリングすることが必要であり、そうするために、研磨ホイールを使用し、それぞれの終わりに、バーの各セクションについて1または2秒間、バーをホイールに直角に接触させる。残っている切削縁がないことを検査することが必要である。
【0114】
試験手順
製品の初期セクションを試験するために最初の4つのバーを別々に秤量し、次いで、最初の4つを除いてバーを4つのバッチで使用する(4×10秒)。バーのバッチを秤量し、初期重量(P1)を記録する。試験される円板を秤量し、初期重量(P2)を記録する。
【0115】
バーをバイスに配置し、それを締め(バーのセクションは、円板から2cmを超えてはならず、そうでなければ、器具の移動が短かすぎる場合がある、円板をサンダーの「インスタロック(instalock)」に配置し、それが適切に固定されることを確実にする。
【0116】
グラインダーのスイッチを入れ、円板がまだ真中に置かれていることを検査し、試験システムの左側に配置された2位置スイッチで器具を開放し、バーが円板と自動的に接触され、バーを10秒間接触したままにし(これらの10秒をクロノメーターを用いて測定する)、最初のスパークが現われるとき、それを開始し、10がクロノメーターに現われるとき、器具をリコールする。
【0117】
スイッチの位置を変えて台を初期位置に戻し、バーを最初に秤量された同じバッチの新しいバーと取り替えればよい。
【0118】
4つのバーが使用されると、それらを秤量し、最終重量(P3)を記録する。試験された円板が完全に磨耗するまで必要な回数、作業を繰り返す。試験の終了時に円板を秤量する(P4)。
【0119】
試験の終了時に、送風機の助けを借りて機械と付属品の粉塵を払う。
【0120】
所見
4つのバーは4×10秒に相当し、低温表面を円板と接触させることが非常に重要であり、そうでなければ、円板は、溶融鋼の粒子で目詰まりし、そのすべての切削効率(「グレージング」)を失い、試験を無効にし、これが4つの異なったバーが使用される理由である。
【0121】
試験が終了したとき、制御台をその初期位置に速やかに戻してトレー(円板支持体、試験方法を参照のこと)への損傷を防ぐことが必要である。
【0122】
試験の終了は、強い切削の低減(従ってスパーク)および鈍い雑音を特徴とする。スクリムに達している。
【0123】
計算および結果
4つのバーのバッチで読み取られた重量は、バーの各バッチに相当する材料の除去(切削)の計算を可能にする(すなわち40秒)。
それは次の通りである。(P1−P3)=切削
【0124】
試験された円板で読み取られた重量は、材料の損失の計算を可能にする。
それは次の通りである。(P2−P4)=摩耗
【0125】
記録
これらの結果は、実施されたサイクル数に基づいて製品の耐磨耗性と切削力の変化との比較を可能にする。結果を表およびグラフの形で示す。
【0126】
試験方法3(粗さの測定)
試験標準:DIN4768−ANSIB46.1
装置:ドイツのマール・GmbH(MAHR GmbH)(ドイツ、D−37073 ゴッティンゲン、ブラウヴェク 38(Brauweg 38,D−37073 Gottingen,Germany))から入手可能な、先端:NHTB−100を有するプロフィルメーター・モデル・M3(Profilometer Model M3)。
【0127】
装置および作業条件
射出成形機
アルブルク・GmbH(Arburg GmbH)+CoKG(ドイツ、ロスブルク、アルトゥル・ヘール・シュトラーセ 72290(Arthur−Hehl−Str.,72290 Lossburg,German))から入手可能な縦向き射出成形機モデルオールラウンダー(Allrounder)270−90−350および270−90−500を使用した。
【0128】
機械♯270−90−350は、最大350kNの締付力、最大325mmの型開ストローク、最小225mmの型の高さ、550mmの最大盤間隔、最大31.4kNのエジェクタ力、最大125mmのエジェクタストロークを有した。これらの実施例において、射出装置は、以下のものを有した。すなわち、22mmのスクリュー直径、20.5L/Dのスクリュー長さ、最大100mmのスクリューストローク、最大38ccの行程容積、最大32gの射出能力、最大2400バールの射出圧力、最大58cc/sの射出フロー、最大525rpmのスクリュー回転速度、最大36m/分のスクリュー周速度、最大290Nmのスクリュートルク。
【0129】
機械#270−90−500は、最大500kNの締付力、最大325mmの型開ストローク、最小225mmの型の高さ、550mmの最大盤間隔、最大31.4kNのエジェクタ力、最大125mmのエジェクタストロークを有した。これらの実施例において、射出装置は、以下のものを有した。すなわち、25mmのスクリュー直径、18L/Dのスクリュー長さ、最大100mmのスクリューストローク、最大49ccの行程容積、最大41gの射出能力、最大1860バールの射出圧力、最大98cc/秒の射出フロー、最大725rpmのスクリュー回転速度、最大57m/分のスクリュー周速度、最大290Nmのスクリュートルク。
【0130】
特に記載しない限り、以下の作業条件を使用した。加熱領域温度:領域1:225℃、領域2:240℃、領域3:245℃、ノズル:250℃、型:80℃、射出フロー:39cc/s、射出時間:1.4秒、射出圧力:最大値の25%。
【0131】
乾燥器
使用された乾燥器は、ディジカラー、ゲゼルシャフト・フュル・クンストフマシネンテクニク・mbH(Digicolor,Gesellschaft fur Kunstoffmaschinentechnik mbH)(ドイツ、ビーレフェルト、エケンドルファ・シュトラーセ 125a,33609(Eckendorfer Strasse 125a,33609,Bielefeld,Germany)から入手可能なモデルトロッケンルフトトロックナー・ディジカラー・KTT100(Trockenlufttrockner Digicolor KTT 100)であった。記載された場合を除いて、以下の作業条件を使用した。時間:2時間、温度:80℃。
【実施例】
【0132】
実施例1.1〜1.3
縦向き射出成形機モデル「オールラウンダー」270−90−350を図1(a)および(b)を参照して記載された型と共に使用した。これらの実施例において、インターマス・ネッツ・S.A.(Intermas Nets S.A.)(スペイン、リナルズ・デル・バレス、ロンダ・デ・コルスアバデル、11−08450(Ronda de Collsabadell,11−08450,Llinars Del Valles,Spain))から市販されているポリプロピレンメッシュ、Ref.5000の平らな円板を研磨凝集塊/粒子の上に置いた。
【0133】
10グラムのバインダー調合物1を各実施例において使用した。
【0134】
実施例1.1(発明)
2グラムのP120研磨凝集塊を使用した。
【0135】
実施例1.2(比較例)
2グラムのP50・アロドゥア・BFRPLを使用した。
【0136】
実施例1.3(比較例)
2グラムのP120・アロドゥア・BFRPLを使用した。
【0137】
観察
実施例1.1
試料は研磨凝集塊の良好な封入を示した。
【0138】
実施例1.2
試料は、円板の外側に濃縮された研磨剤の不十分な封入を示した。砥粒は、手圧によって円板の表面から容易に除去された。
【0139】
実施例1.3
試料は、円板の外側に濃縮された研磨剤の不十分な封入を示した。砥粒は、手圧によって円板の表面から容易に除去された。
【0140】
結論:基本的な型のキャビティを用いるこれらの実施例は、ストレート砥粒の使用に比べて本発明によって研磨凝集塊の改良された封入を示した。
【0141】
実施例2.1〜2.3
縦向き射出成形機モデル「オールラウンダー」270−90−350を図3を参照して記載された型と共に使用した。研磨剤を環状窪み内に置いた。
【0142】
6.5グラムのバインダー調合物1を各実施例2.1〜2.3において使用した。
【0143】
実施例2.1(発明)
使用された研磨剤はP36研磨凝集塊であり、量は5グラムであった。射出フロー:49cc/秒。
【0144】
実施例2.2(発明)
使用された研磨剤はP50研磨凝集塊であり、量は5グラムであった。射出フロー:98cc/秒。
【0145】
実施例2.3(比較例)
使用された研磨剤はP36銘柄炭化ケイ素であり、量は4グラムであった。射出フロー:49cc/秒。
【0146】
観察
実施例2.1 試料は、封入が完全ではないいくつかの小さな領域を除いて、概して凝集塊の良好な封入を示した。
【0147】
実施例2.2 試料は、封入が完全ではないいくつかの小さな領域を除いて、概して凝集塊の良好な封入を示した。
【0148】
実施例2.3 実施例2.1および2.3の試料と比較して、この試料の砥粒は、型の壁により押しつけられるように思えた。
【0149】
試験
米国、ミネソタ州、セントポールの3Mコーポレーションの3Mセンター(3M Corporation,3M Center,St.Paul,Minnesota 55144−1000, USA)から商品名「ロロック(Roloc)(TM)表面状態調節ディスクACRS」として販売された「標準」不織研磨ディスク製品と比較して、実施例2.1の試料を試験方法1によって試験した。結果を表1に記載する。
【0150】
表1

註:各欄に示された重量の数値は、各サイクルにおいて失われた重量である。
【0151】
表1からの結論
サイクル毎の切削の値は、実施例2.1について1サイクル当たり失われた範囲1.8〜2.2gにおいて非常に一定しており、従って、切削は標準製品よりも安定しているように思える。摩耗値は、使用時に摩耗が減少する標準製品とは対照的に実施例2.1について1サイクル当たり0.1gの範囲において非常にばらつきがなく、均一である。従って、実施例2.1は、より良い一致性を示す。
【0152】
表1に示された試験の前と後に基材を試験方法3によって粗さについて試験した。結果を表2に記載する。
【0153】
表2

Raは「粗さ平均」である−評価長さ内の平均線から測定された粗さ不規則性の絶対高さの算術平均。
Rzは「平均粗さ深さ」である−5つの連続したサンプリング長さにおいての5つのピークから谷への最大粗さ深さの平均。
Rtは「最大粗さ深さ」である−サンプリング長さ内の最高ピークと最深谷との間の垂直距離。
【0154】
括弧内の数字は標準偏差を示す。
【0155】
表2からの結論
1.円板の寿命の初めと終わりとの間の粗さの測定値は、両方の製品について一定のままであり、従って実施例2.1は、最終の一致性において標準製品と同等である。
2.2.0〜2.5の範囲の、実施例2.1のRa粗さの数値は、同じ36グリットサイズを含有するオーバー・モールドされない製品について予想される値(>3.0)よりも小さい。従ってこの製品は、より細かい仕上をもたらす。
【0156】
実施例2.1〜2.3からの全結論
これらの実施例は、砥粒または凝集塊を所定の位置に保持する際に型のキャビティの幾何構造が寄与することを示し、試験は、製品の切削および摩耗の一致性を示した。
【0157】
実施例3.1〜3.18
縦向き射出成形機モデル「オールラウンダー」270−90−500を図6および7を参照して記載された型と共に使用した。
【0158】
特に記載しない限り、50グラムのP24研磨凝集塊と55グラムのバインダーとを各実施例において使用した。前記研磨剤を環状窪みに挿入した。
【0159】
研磨凝集塊を2時間80℃において乾燥させた。
【0160】
特に記載しない限り、レッチュ・GmbH & Co.KG(Retsch GmbH & Co.KG)(ドイツ、42781ハーン、ライニッシェ・シュトラーセ36(Rheinische Strase 36, 42781 Haan, Germany)製の、1400ミクロンより大きい凝集塊を保持するメッシュNo.14を用いて研磨凝集塊を選別した。
【0161】
実施例3.1
バインダー調合物1を使用した。
【0162】
実施例3.2
バインダー調合物2を使用した。研磨凝集塊は選別されなかった。
【0163】
実施例3.3
バインダー調合物3を使用した。研磨凝集塊は選別されなかった。
【0164】
実施例3.4
バインダー調合物4を使用した。
【0165】
実施例3.5
バインダー調合物5を使用した。研磨凝集塊は選別されなかった。より低いノズル温度230℃を使用した。
【0166】
実施例3.6
バインダー調合物5を使用した。より低いノズル温度230℃を使用した。
【0167】
実施例3.7
バインダー調合物6を使用した。
【0168】
実施例3.8
バインダー調合物7を使用した。研磨凝集塊は選別されなかった。より高いノズル温度260℃を使用した。
【0169】
実施例3.9
バインダー調合物7を使用した。
【0170】
実施例3.10
バインダー調合物8を使用した。研磨凝集塊は選別されなかった。
【0171】
実施例3.11
バインダー調合物8を使用した。
【0172】
実施例3.12
バインダー調合物9を使用した。研磨凝集塊は選別されなかった。より低いノズル温度230℃を使用した。
【0173】
実施例3.13
バインダー調合物9を使用した。より低いノズル温度230℃を使用した。
【0174】
実施例3.14
バインダー調合物10を使用した。研磨凝集塊は選別されなかった。より高いノズル温度260℃、およびより高い型温度100℃を使用した。
【0175】
実施例3.15
バインダー調合物10を使用した。より高いノズル温度260℃、およびより高い型温度100℃を使用した。
【0176】
実施例3.16
バインダー調合物10を使用した。研磨凝集塊は選別されなかった。より高いノズル温度260℃、およびより高い型温度120℃を使用した。
【0177】
実施例3.17
バインダー調合物11を使用した。研磨凝集塊は選別されなかった。
【0178】
実施例3.18
バインダー調合物1を使用した。30グラムのP24研磨凝集塊+0.4グラムのコルク♯2−3を使用した。
【0179】
観察
実施例3.1 許容範囲の視覚的なグリット分離を有する硬質製品。
【0180】
註:様々な硬質製品を特定の適用のために調整することができ、例えば、より硬質の製品を軽い素材の除去のために使用するのに対し、より可撓性の製品が表面改良のために適用可能である。
【0181】
実施例3.2 3.1の試料よりも好ましくない視覚的外観を有する硬質製品。使用中に製品は汚れた(基材に付着物を残す)。バインダー調合物2は、実施例3.1に用いられたバインダー調合物1に存在した潤滑剤を含有しなかった。
【0182】
実施例3.3 実施例3.1に比べて、それほど硬質でない製品。許容範囲の視覚的外観だが実施例3.1ほど良くない。
【0183】
実施例3.4 実施例3.1に比べて、それほど硬質でない製品。許容範囲の視覚的外観だが実施例3.1ほど良くない。
【0184】
実施例3.5 実施例3.1に比べて可撓性の製品であり、良い視覚的外観を有する。
【0185】
実施例3.6 実施例3.1に比べて可撓性の製品であり、良い視覚的外観を有する。
【0186】
実施例3.7 実施例3.1に比べて半可撓性の製品であり、良い視覚的外観を有する。
【0187】
実施例3.8 実施例3.1に比べてより硬質の製品であり、より好ましくない視覚的外観を有する。
【0188】
実施例3.9 実施例3.1に比べてより硬質の製品であり、より好ましくない視覚的外観を有する。
【0189】
実施例3.10−実施例3.1に比べて非常に硬質の製品であり、良い視覚的外観を有する。実施例3.11に比べて、より暗い外観は、選別されていない研磨凝集塊の粒度分布がより広くなり、プラスチック母材中への凝集塊の適した混合および封入をもたらしたことを示す。
【0190】
実施例3.11 実施例3.1に比べて非常に硬質の製品であり、良い視覚的外観を有する。
【0191】
実施例3.12 実施例3.1に比べて可撓性の製品であり、良い視覚的外観を有する。実施例3.13に比べて、より暗い外観は、選別されていない研磨凝集塊の粒度分布がより広くなり、プラスチック母材中への凝集塊の適した混合および封入をもたらしたことを示す。
【0192】
実施例3.13 実施例3.1に比べて可撓性の製品であり、良い視覚的外観を有する。より暗い外観は、選別されていない研磨凝集塊の粒度分布がより広くなり、プラスチック母材中への凝集塊の適した混合および封入をもたらしたことを示す。
【0193】
実施例3.14 実施例3.1に似た硬質製品であり、より好ましくない視覚的外観を有する。
【0194】
実施例3.15 実施例3.1に似た硬質製品であり、良い視覚的外観を有する。
【0195】
実施例3.16 実施例3.1に似た硬質製品であり、良い視覚的外観を有する。実施例3.15に比べて、より暗い外観は、選別されていない研磨凝集塊の粒度分布がより広くなり、プラスチック母材中への凝集塊の適した混合および封入をもたらしたことを示す。
【0196】
実施例3.17 実施例3.1に比べて硬質〜脆い製品であり、より好ましくない視覚的外観を有する。
【0197】
実施例3.18 成形性能は、コルクの存在によって改良され、フラッシングの形跡がなく、製品は、実施例3.1〜3.17に関して必要とされたような、フラッシュの後成形除去を必要としない。
【0198】
試験:
代表的な試料を試験方法2によって試験した。結果を表3に記載する。
【0199】

【0200】

【0201】
表3からの結論
実施例3.7は、おそらく、凝集塊の分布が同じぐらいに均一でなかったために、寿命(製品が切削している時間)が3.4、3.9または3.15と比較して短いことを示す。
【0202】
実施例3.7、3.4、3.9および3.15は、標準製品と比べて長持ちする。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1a】本発明において使用するための型のキャビティの平面図および断面図を示す。
【図1b】本発明において使用するための型のキャビティの平面図および断面図を示す。
【図1c】型において使用できる基部の一部の等角図を示す。
【図2a】本発明において使用するための別の型の平面図および断面図を示す。
【図2b】本発明において使用するための別の型の平面図および断面図を示す。
【図3】実施例2において使用された型のインサートの斜視図を示す。
【図4】図3のインサートを用いて製造された成形物品の斜視図を示す。
【図5】図4の線C−C’についての断面を示す。
【図6】実施例3において使用された型の斜視図を示す。
【図7】図6の線D−D’についての断面を示す。
【図8】図6および図7の型を用いて製造された成形物品の斜視図を示す。
【図9】図8の線E−E’についての断面を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨凝集塊の粒子を研磨物品の型の少なくとも一部に配置する工程と、溶融熱可塑性バインダー樹脂を前記研磨物品の型内に射出する工程と、前記熱可塑性バインダー樹脂を冷却させ、その結果、研磨凝集塊の前記粒子が前記熱可塑性バインダー樹脂中に固定される工程とを含む、研磨物品の作製方法。
【請求項2】
前記溶融熱可塑性バインダー樹脂が約200℃〜250℃の範囲の温度において射出される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
研磨凝集塊の粒子が、篩分けによって少なくとも0.5mmの粒度を有する、研磨物品を作製するための請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
研磨凝集塊の粒子が、篩分けによって0.5〜3mmの粒度を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
研磨凝集塊の粒子が、篩分けによって0.5〜2mmの粒度を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記研磨凝集塊が、硬化された有機バインダーによって結合された複数の砥粒を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記バインダーがアクリル樹脂およびフェノール−ホルムアルデヒド樹脂から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記バインダーがレゾールフェノール−ホルムアルデヒド樹脂である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記凝集塊が、55〜85重量%の砥粒と、5〜15重量%のフェノール樹脂と、1〜5重量%の非晶質ケイ酸塩と、10〜25重量%の無機フッ化物とを含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記砥粒が酸化アルミニウムおよび炭化シリコーンから選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記砥粒がP12〜P3000の範囲のグリットサイズを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
型のキャビティが、前記溶融熱可塑性バインダー樹脂を射出する前に研磨凝集塊の粒子で充填される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記型のキャビティが、研磨凝集塊の前記粒子が配置される少なくとも1つの窪みを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記窪みがリングの形状である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記型のキャビティが、前記研磨物品上の刻面を画定する複数の窪みを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記研磨凝集塊の前記粒子が前記少なくとも1つの窪みを充填する、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
研磨凝集塊の前記粒子が前記少なくとも1つの窪みを部分的に充填し、溶融熱可塑性バインダーを通過させるが研磨凝集塊の前記粒子を通過させないスクリーン、ウェブ、スクリム、膜またはメッシュが研磨凝集塊の前記粒子の上に配置される、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記熱可塑性バインダーが、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリブチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、ポリプロピレン、アセタールポリマー、ポリウレタン、ポリアミドおよびそれらの組合せから選択される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
熱可塑性ポリマーがセグメント化ポリエステルを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記熱可塑性バインダー樹脂が潤滑剤を含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記潤滑剤が、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、エチレンビスステアルアミド、黒鉛、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン(PATE)、およびシリコーン化合物から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記潤滑剤がポリシロキサンを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記潤滑剤がシリコーン改質セグメント化ポリエステルである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記潤滑剤が、前記熱可塑性バインダー樹脂の20重量%までの量において存在する、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記熱可塑性バインダーがさらに、充填剤を20重量%まで含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記充填剤がコルクの粒子を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
得られた研磨物品が、研磨凝集塊1重量部当たり少なくとも1重量部の熱可塑性バインダー樹脂を含む、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記研磨物品が、研磨凝集塊1重量部当たり1〜20重量部の熱可塑性バインダー樹脂を含む、請求項27に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−537905(P2007−537905A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527224(P2007−527224)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/011865
【国際公開番号】WO2005/115716
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】