説明

射出成形装置内で複数のニードルシャットオフノズルを作動させる方法

【課題】本発明は、簡素な手段を用いて費用効果が高く、かつ、射出成形装置のキャビティに流動性物質を均一に充填可能にする。
【解決手段】
射出成形装置内で複数のニードルシャットオフノズルを作動させる方法は、制御装置により、ニードルシャットオフノズルの各電磁アクチュエータのために、定義されて制御装置に保存されたパルス長を有する電流パルスを個別に生成し、電流パルスが流れた電磁アクチュエータのソレノイドにより電磁場が生成され、その結果、シャットオフニードルが閉位置から開位置へ、または逆に動かされ、少なくとも2つの電磁アクチュエータのための電流パルスが時間をずらして電磁アクチュエータへ送られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に従い射出成形装置内で複数のニードルシャットオフノズルを作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形装置は、流動性物質を型(キャビティとも呼ばれる)に射出し、その中で少なくとも一部を硬化させて、射出成形部品、特にプラスチック部品を製造するために用いられる。ここで、射出成形装置が1つまたは複数のキャビティを備えていることは既知である。
【0003】
2つ以上のキャビティを備えた射出成形装置には、個々のキャビティに射出すべき流動性物質が異なる速度で充填されるという問題がある。これにより、いくつかのキャビティが比較的早くその最大充填状態に達して長時間加圧される一方で他のキャビティは完全には充填されることすらなく、その結果、製造すべきプラスチック部品が重量不足となったり、成形が不完全になったりする。したがって不良率が非常に高く、製造コストを高めてしまう。
【0004】
これに対処するため、例えば特許文献1から、射出成形装置内、特に分配器内で、流路のバランシングが行われること、つまりキャビティが可能な限り同じ速度にて流動性物質で満たされるように、射出成形装置内のノズル供給路および分配路がその配置、直径、配向に関して設計されることが公知である。しかしながら、そのためには射出成形装置の設計時に膨大なデータ演算が必要である。さらに、システムのバランシングが設計自由度を制限する。それに加えて、異なる特性を備えた流動性物質に切り替える際に、所望のバランシングができず、新たに演算しなおして射出成形装置の少なくとも一部を交換しなければならない。例えば色、感触または強度の観点から設計要件が異なるという理由で加工すべき材料を切り替えることは、相当困難であり、それゆえにしばしば金型交換でしか実現できない。
【0005】
別法として、またはバランシングに加えて、特許文献2では射出成形装置内の各射出ノズルが弁体を備えており、この弁体は閉位置と開位置に移動することができ、各弁体は、開位置の設定または調整のために、手動調節可能なネジ式ストッパを備えている。これにより、各射出ノズルのフロー断面積を個別に設定することが可能であり、その結果、各ノズルは各サイクルで正確に定義された量の流動性物質をそれぞれ割り当てられたキャビティに供給する。したがって、これらのキャビティは常に均等に充填される。
【0006】
このような解決法は有用な成果をもたらすが、実際にはしばしばユーザのミスによる不具合が生じる。特にネジ式ストッパの手法は、権限のない者が意識的または無意識的に調整可能であり、その結果、射出成形装置を新たに調整しなければならなくなる。この場合、個々のキャビティの充填レベルを確認するために、多くの場合、手間のかかる試行を実施しなければならない。さらに、射出ノズルの1つが交換された場合にも、試行を実施しなければならない。なぜならば、その場合もシステムを新たに調整し、バランシングしなければならないからである。後者はまた、流動性物質の変更時や金型インサートの交換時にも生じる。その場合も、システムは個々の弁体について新たに調整しなければならない。したがってそのような解決法は、頻繁に色や素材を変更する現場には適していない。
【0007】
同様に、特許文献3では、個々の射出ノズルのフロー断面積を調節可能にするために、調節可能なストッパによって弁体を調整可能な射出ノズルを使用している。各ストッパは、開サイクル中に調整可能であるように形成される。これにより、シャットオフニードルが開位置にあるときに、時間単位あたりの流動性物質の流量を変更することが可能である。このシステム全体は、極度に複雑な構造であるため、損傷しやすく高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0468485号明細書
【特許文献2】米国特許第3491408号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1013395号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2011/0111077号明細書
【特許文献5】独国実用新案第2008000318号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来技術の上述の欠点を克服することにあり、簡素な手段を用いて費用効果が高く、かつ、射出成形装置のキャビティに流動性物質を均一に充填可能にする解決法を提示することにある。本発明の目的は、さらに、順応性が高く使いやすい、そして、材料、金型および/またはパラメータの変更に対して迅速かつ容易に適合させる解決法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の主たる特徴は、請求項1の特徴部に提示されている。実施形態は請求項2〜11の主題である。
射出成形装置内で複数のニードルシャットオフノズルを作動させる方法において、本発明は以下の特徴を備えている。
・射出成形装置が少なくとも2つのキャビティを備え、各キャビティが少なくとも1つのニードルシャットオフノズルを備えている、
・各ニードルシャットオフノズルはシャットオフニードルを備えており、該シャットオフニードルは、それぞれ割り当てられたキャビティ内に配置されるゲート開口部を開閉するために電磁アクチュエータを使って開位置と閉位置に移動され得る、
・各電磁アクチュエータは、少なくとも1つのソレノイドを備えている、
・各シャットオフニードルは、その開位置および閉位置において、少なくとも1つの永久磁石によって軸方向における位置が保持される。
・射出成形装置の制御装置が、ニードルシャットオフノズルの各電磁アクチュエータのために個別の電流パルスを生成する、
・電流パルスは定義されて制御装置内に保存され、パルス長を有し、
・電流パルスが流れた電磁アクチュエータのソレノイドは電磁場を生成し、その結果、シャットオフニードルと永久磁石との間の力を上回って、シャットオフニードルが閉位置から開位置へ、または開位置から閉位置へ動く、
・少なくとも2つの電磁アクチュエータのための電流パルスが時間をずらして該電磁アクチュエータへ送られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】制御装置を備え、それぞれ1つのニードルシャットオフノズルを具備した2つのキャビティを具備した射出成形装置の図である。
【図2】2つの永久磁石を具備し、アンカー磁石を具備したアンカーを備えたシャットオフニードルを具備した電磁アクチュエータの図である。
【図3】永久磁石および2つの鉄心、ならびにアンカー付きシャットオフニードルを備えた電磁アクチュエータの図である。
【図4】第一および第二の電磁アクチュエータの開位置および閉位置、ならびにアクチュエータのために制御装置によって生成される電流パルスを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
電磁アクチュエータの使用により、割り当てられたシャットオフニードルを直接作動させることが可能である。このことによって、上回らなければならない慣性質量は非常に小さいため、非常に迅速な切り替え時間を可能にする。このようにして動かされるシャットオフニードルは100分の数秒以下で開位置から閉位置へ、およびその反対に動かされ得る。この非常に迅速な調整時間により、キャビティの充填がシャットオフニードルの開時間によって決まるようにすることが可能である。少なくとも2つのキャビティが理想的に充填されるよう、少なくとも2つの電磁アクチュエータに、時間をずらして電流パルスが送られることが企図される。これによって、各シャットオフニードルの開時間を正確に制御することができ、バランシングが効果的に補足または置換され得る。
【0013】
電子制御装置は、記憶されたデータをアーカイブ保管して、例えば特定の材料や金型部品に割り当てることができる。色替え、材料替え、または金型交換の際に、常時すばやくデータを呼び出すことができる。したがって、ニードルシャットオフノズルとそのストッパの骨の折れる手動調整は不要となる。加えて、権限のある人員のみが記憶されたデータを変更することができるように、記憶されたデータはパスワードで保護することができる。したがって権限のない者は、意識的にであっても、無意識的にであっても、シャットオフニードルの調整を変更することはできない。
【0014】
本発明による方法は、制御装置が生成する電流パルスの長さを制御装置に保存することも可能にする。シャットオフニードルと流動性物質との間の粘着/摩擦によっては、パルス長が最小に短縮されなければならないが、この場合であっても、シャットオフニードルは、一方の端位置から他方の端位置へ移動し得る。
【0015】
本発明の発展形態では、定義されて制御装置内に保存された開時間デルタおよび/または閉時間デルタの分だけ時間をずらして、少なくとも2つの電磁アクチュエータに電流パルスが送られる。その際、第二のキャビティの開時間デルタおよび/または閉時間デルタは、第一のキャビティの電流パルスと相関して設計されるか、または第一の電磁アクチュエータの電流パルスと第二の電磁アクチュエータの電流パルスそれぞれの絶対的時点の間の差によって得られる。開時間デルタのみが用いられている場合、2つの電磁アクチュエータの開時点はばらばらであり、その閉時点は同じである。逆に、閉時間デルタのみが用いられている場合、2つの電磁アクチュエータは同時に開き、その閉時点はばらばらである。開時間デルタと閉時間デルタの双方が用いられる場合は、2つの電磁アクチュエータの開時点および閉時点はともにばらばらである。
【0016】
別の実施形態によれば、電磁アクチュエータのための電流パルスは、シャットオフニードルを閉位置から開位置にするための開電流パルスと、シャットオフニードルを開位置から閉位置にする、逆の電流方向を備えた閉電流パルスであり、開電流パルスおよび/または閉電流パルスは、少なくとも2つの電磁アクチュエータへ時間をずらして送られる。電流パルスを開電流パルスと閉電流パルスに分けることで、ソレノイドの電磁場が逆転し得る。このため、シャットオフニードルを開位置および閉位置に動かすために、1つの電磁アクチュエータにつき単一のソレノイドがあればよい。したがって、電磁アクチュエータを小型化することができ、その製造コストも低減される。
【0017】
その際、開電流パルスは、定義されて制御装置内に保存された開時間デルタの分だけ、かつ/あるいは、閉電流パルスは、定義されて制御装置内に保存された閉時間デルタの分だけ、少なくとも2つの電磁アクチュエータへ時間をずらして送られる。第二のキャビティの開時間デルタおよび/または閉時間デルタは、やはり第一のキャビティの開電流パルス/閉電流パルスと相関して設計することができ、あるいは、第一の電磁アクチュエータと第二の電磁アクチュエータの開電流パルス/閉電流パルスの絶対的時点の間の差によってこれらが生じてもよい。開時間デルタのみが用いられる場合、2つの電磁アクチュエータの開時点はばらばらであり、その閉時点は同じである。逆に、閉時間デルタのみが用いられる場合は、2つの電磁アクチュエータは同時に開き、その閉時点はばらばらである。開時間デルタと閉時間デルタの双方が用いられる場合は、2つの電磁アクチュエータの開時点および閉時点はともにばらばらである。
【0018】
開時間デルタおよび/または閉時間デルタは、シャットオフニードルが開位置にあるときに理想的な量の流動性物質がキャビティに充填されるように、制御装置内で設定され得る。このために、すべてのキャビティが希望通りに充填されるまで、射出試行を実施することができる。射出成形装置のバランシングが不適切である場合は、補正されてもよく、または開時間デルタおよび閉時間デルタによってバランシングを完全に実施することができる。射出試行の中間結果が記憶される場合、これは簡単に呼び出し可能である。試行による設定が間違った方向に進んだ場合、以前保存された設定に簡単に戻すことができる。これにより、手動調節可能な射出ノズルと比べて、格段に射出試行が短縮される。
【0019】
電磁アクチュエータの調整速度に起因して、開時間デルタおよび/または閉時間デルタが少なくとも1/100秒の精度で制御装置内に保存されていることが有利である。これによって電磁アクチュエータの最大調整速度が完全に有効利用され、個々のニードルシャットオフノズルの射出時間を非常に正確に定義可能である。
【0020】
そのために、センサを使用してキャビティの充填状態測定を実施し、開時間デルタおよび/または閉時間デルタが制御装置によって計算され、かつ/あるいは、調節されることが企図される。このようにして、開時間デルタおよび/または閉時間デルタを決定するための手動の射出試行を格段に削減できるか、またはこれに替えることができる。さらに、射出成形品の製造中に、機能が正しいかどうかを監視することができ、必要な場合には開時間デルタおよび/または閉時間デルタを修正する。例えば、理想的な圧力推移を制御装置に保存しておくことができ、キャビティ内の圧力センサを使用して製造サイクル中に実際の圧力推移を判定してこれを理想値に合わせることができる。逸脱している場合には、制御装置が開時間デルタおよび/または閉時間デルタを修正することができる。これに関して必要な制御装置の演算能力は、充填レベル測定による制御のみの場合よりもはるかに小さくてすみ、射出成形部品における非常に高い精度と均質性が達成される。その上、金型の損傷は偏差に基づいて制御装置によって検知可能であり、エラーメッセージを出力することができる。
【0021】
本発明は、異なる射出シナリオのための個々の開時間デルタおよび/または閉時間デルタが制御装置内に保存されており、射出シナリオの中の1つが選択される場合には、特に効果的である。そのような射出シナリオとは、具体的には、異なる流動性物質、異なるキャビティインサート、または少なくとも1つのキャビティの非作動化であってもよい。従来技術では、射出シナリオを切り替える前にすべてのノズルについて個別の再調整を必要とすることがあった。本発明ではシナリオを制御装置に保存しているため、頻繁に、かつ容易にそのシナリオを再び呼び出すことができ、迅速かつ容易にシナリオを切り替えることが可能になる。
【0022】
こうして例えば、くぼみ付きおよびくぼみなしで製造されるべきプラスチック部品、例えば手動ウィンドウリフター用および電子式パワーウィンドウ用の自動車用ドアパネルを、1つの金型インサートを使い、制御装置を使用してシナリオを切り替えるだけで、容易に製造することができる。
【0023】
また射出試行を実施することも、そのつどに行った設定を保存することもできる。実験室試験で長期間(数週間)にわたり得る要素の確認を行った後、今後の製造のために最良のシナリオを選択することができる。
【0024】
さらには、制御装置が個々のキャビティ用のおよび/または各電磁アクチュエータ用の非作動化装置を備え、少なくとも1つのキャビティおよび/または1つの電磁アクチュエータが非作動化されてもよい。制御装置内の意図されるシナリオを選択することにより、残りのキャビティも非常に迅速で確実に正しくバランシングされ、その結果、正しい量の流動性物質がそれぞれのキャビティに入る。
【0025】
好ましくは、各シャットオフニードルは、永久磁石とソレノイドに対応して連動するアンカーを備える。そのようなアンカーは磁場によって影響を受け得る質量を備えている。このために、アンカーは少なくとも部分的に磁化可能な材料から形成される。加えて、各アンカーは当接面を形成し、対応するストッパが、シャットオフニードルのためのストローク止めを形成する。このことによって、開位置および閉位置におけるゲート開口部の開口断面積、ひいては流動性物質の流量を正確に定義することができる。別法として、アンカーに左右されないストッパ手段が備えられてもよい。
【0026】
各アンカーは、永久磁石およびソレノイドに対応しているアンカー磁石を備えることができる。これにより、永久磁石とソレノイドの磁気による保持力および加速力全体ではなく、その磁場がアンカー磁石によって追加的に強化される。開位置から閉位置への、およびその逆への非常に迅速な切り替え時間が実現可能であり、よって、流動性物質がキャビティごとに射出される量も正確に決定することができる。
【0027】
本発明の一実施形態ではさらに、ニードルシャットオフノズルが、ノズル供給路を介して、およびこのノズル供給路は共通の分配器を介して、接続されることが企図される。これにより、複数のニードルシャットオフノズルへの流動性物質の供給を単一の装置により実施することが可能になる。これは、各キャビティのために複数の装置を用いる場合よりも低コストになり、複雑性や不具合脆弱性が小さい。分配器を使用してバランシングを行うことができ、バランシングの不正確さと順応性の欠如が本発明による方法で補正可能である。
【0028】
ニードルシャットオフノズルと電磁アクチュエータを可能な限り小型化するために、永久磁石は、理想的には電磁アクチュエータの構成要素となり得る。
加えて、追加的機能は、本発明による方法の有用性をさらに高める。例えば、制御装置は、好ましくはそれぞれ個々のキャビティのために、シャットオフニードルの開位置および/または閉位置の回数を記憶することができる。これにより、製造された構成部品の個数に関する情報が入手でき、例えば、この値から金型のメンテナンスの間隔を決めることができよう。個々のキャビティが一部非作動にされる場合、非作動化されるキャビティは均等に割り当てられ、その結果、個々のキャビティの損耗及び破損が均一になる。制御装置による金型の作動時間の記録は、ユーザにとって役立つ情報であろう。
【0029】
本発明のその他の特徴、詳細および利点は、請求項の文言および以下に続く図面を参照した実施形態の説明から明らかになるであろう。
図1は、2つのキャビティ10、20を備え、キャビティ10、20ごとにニードルシャットオフノズル12、22が具備された、射出成形装置1を示している。各ニードルシャットオフノズル12、22はシャットオフニードル13、23を備え、該シャットオフニードル13、23は、それぞれ割り当てられたキャビティ10、20に配置されたゲート開口部11、21を開閉するために、電磁アクチュエータ15、25によって、開位置SOおよび閉位置SGに配置することができる。ここで、図によれば、第一のシャットオフニードル13は閉位置SGにあり、第二のシャットオフニードル23は開位置SOにある。開位置SOにおいて流動性物質Mをキャビティ10、20に入れることができるように、ニードルシャットオフノズル12、22はノズル供給路19、29を介して、およびこのノズル供給路は共通の分配器40を介して、接続されている。
【0030】
電磁アクチュエータ15、25は、それぞれ1つのソレノイド17、27を備え、各シャットオフニードル13、23は連動するアンカー14、24を備えている。開位置SOおよび閉位置SGのいずれにおいても、シャットオフニードル13、23は永久磁石16、26によって軸方向における位置が保持される。特にこれに関して、アンカー14、24は永久磁石16、26およびソレノイド17、27と対応する。
【0031】
さらに、制御装置30は、表示装置32、操作ユニット33および非作動化装置31を備えることができる。ここで、射出成形装置1の制御装置30を使用して、ニードルシャットオフノズル12、22の各電磁アクチュエータ15、25のために個々に電流パルスI1、I2を生成することが可能である。電流パルスI1、I2は、定義されて制御装置30に保存されたパルス長Lを有しており、このパルス長は操作ユニット33を介して変更可能である。権限のない者による変更を防止するため、操作ユニットは管理者権限で保護されている。
【0032】
電流パルスI1、I2が流れた電磁アクチュエータ15、25のソレノイド17、27は電磁場を生成し、その結果シャットオフニードル13、23と永久磁石16、26との間の力を上回り、シャットオフニードル13、23が閉位置SGから開位置SOへ、または開位置SOから閉位置SGへ動かされる。キャビティ10、20を流動性物質Mで完全に充填し、かつ、最適な金型サイクルを達成するため、電流パルスI1、I2は時間をずらして電磁アクチュエータ15、25へ送られる。具体的には、電磁アクチュエータ15、25のための電流パルスI1、I2は、シャットオフニードル13、23を閉位置SGから開位置SOにするための開電流パルスIO1、IO2、または反対の電流方向でシャットオフニードル13、23を開位置SOから閉位置SGにするための閉電流パルスIS1、IS2である。
【0033】
その際、開電流パルスIO1、IO2および閉電流パルスIS1、IS2は、時間をずらして電磁アクチュエータ15、25に送られる。具体的には、開電流パルスIO1、IO2は定義されて制御装置30に保存された開時間デルタTOの分だけ、かつ/または、閉電流パルスIS1、IS2は定義されて制御装置30に保存された閉時間デルタTSの分だけ、時間をずらして電磁アクチュエータ15、25に送られる。開時間デルタTOと閉時間デルタTSは、制御装置30に保存され、操作ユニット33を使用して変更可能である。権限のない者による変更を防止するため、これらはやはり管理者権限で保護されている。開時間デルタTOと閉時間デルタTSは、シャットオフニードル13、23が開位置SOにあるときにキャビティ10、20が理想的な量の流動性物質Mで充填されるように、制御装置30において少なくとも1/100秒の精度で調節可能である。
【0034】
加えて、制御装置30はキャビティ10、20内に配置されているセンサ18、28を使用してキャビティ10、20の充填レベルを監視し、開時間デルタTOと閉時間デルタTSを適度に調節する。つまり、シャットオフニードルは、充填レベル測定によって制御されるのではなく、測定に続いて、充填レベル測定が最適値からずれている場合に開時間デルタTOおよび閉時間デルタTSがゆっくり慎重に変更されることで修正されつつ次のサイクルに当てはめられる。最適値は例えば圧力−時間グラフの形態で制御装置に保存され、センサ18、28は圧力センサである。
【0035】
最後に、操作ユニット33を使用して、制御装置30に保存された異なる射出シナリオを選択することができる。射出シナリオには個々の開時間デルタTOと閉時間デルタTSが含まれており、その結果、異なる粘性を備えた異なる材料を射出することができる。加えて非作動化装置31は、ソレノイド17、27に電気的に接続されている。さらに加えて、非作動化装置31を用いて追加的に関連するソレノイド17、27が一式非作動にされることにより、例えば射出成形部品の製造が、1つまたは複数のキャビティを除外して継続され得る。
【0036】
図2はアンカー14を具備したシャットオフニードル13を備えた電磁アクチュエータ15の一実施形態を示している。示された図面は、回転軸Aを中心に概ね回転対称性である電磁アクチュエータ15の断面図である。回転対称性でないのは、具体的には電気ケーブルである。
【0037】
シャットオフニードル13のアンカー14は、2つの極N、Sを備えたアンカー磁石141である。回転軸Aの軸方向に、アンカー14に対して2つの永久磁石16が配置されており、これら永久磁石16も、同じくそれぞれ2つの極N、Sを有する。すべての極N、Sは、シャットオフニードル13に対して軸方向において整合している。特に図で見て上側にある永久磁石16はN極Nを示し、その下側に配置されているアンカー磁石141はそのS極Sが第一の永久磁石16の方を向いている。第一の永久磁石16は、開ストッパ51の形態でストローク止め50を形成しており、図に示されたアンカー14と永久磁石16は、シャットオフニードル13の開位置SOに該当している。
【0038】
第二の永久磁石16は、アンカー14の軸方向下側に配置されており、そのS極Sがアンカー14方向を向いている。第二の永久磁石16もストローク止め50を形成しているが、これは閉ストッパ52である。
【0039】
上側の第一の永久磁石16に対して半径方向に、ソレノイド17の第一のコイル巻線173が配置されている。第二の、逆方向に延びるコイル巻線174は、下側の第二の永久磁石16に対して半径方向に位置決めされている。既述したように、シャットオフニードル13は開位置SOにある。この位置では、アンカー磁石141がそのS極Sで上側の第一の永久磁石16に当接する。これらの間に構成された第一の永久磁石の磁場f1は、シャットオフニードル13を開位置SOに保持する。第二の下側の永久磁石16のS極Sとアンカー磁石141のN極Nとの間に間隔があるため、ここに生じる永久磁石の磁場f2によって閉位置SG方向に作用する力は、シャットオフニードル13を閉位置SGへ動かすためには小さすぎる。
【0040】
第一の閉電流パルスIS1によって初めて、第一のコイル巻線173により、上側の第一の電磁場F1が生成され、この電磁場は第一の永久磁石の磁場f1と干渉し、その結果、全体で1つの磁場が電磁場F1の方向に生じる。これによって上側の永久磁石16の極N、Sが逆転する。このことにより、アンカー磁石141が第一の上側の永久磁石16に反発し、閉位置SG方向へ動く。加えて、下側の第二のコイル巻線174が電磁場F2によって下側の第二の永久磁石の磁場f2を強める。これによってアンカー磁石141が下側の第二の永久磁石16の方向から吸引される。これによって、シャットオフニードル13が非常に迅速に開位置SOから閉位置SGへと動く。
【0041】
それとは逆に、シャットオフニードル13が閉位置SGから開位置SOへと動く場合には、閉電流パルスIS1に対して逆の開電流パルスOS1がコイル巻線173、174を通って送られる。その後、生成された上側の電磁場が図示された方向とは逆方向に作用する。同様に、生成された下側の電磁場が図示されているのとは逆に作用する。これによって第一の永久磁石の磁場f1と上側の電磁場の合計が、第二の永久磁石の磁場f2と下側の電磁場の合計より大きくなる。その上、下側の永久磁石16の極N、Sが第二の電磁場F2によって逆転する。下側の永久磁石141は、結果としてアンカー磁石141に反発し、上側の永久磁石16がアンカー磁石141を吸引する。したがって、アンカー14に連結されたシャットオフニードル13が閉位置SGから開位置SOへ動く。
【0042】
図3は、アンカー14を具備したシャットオフニードル13を備えた電磁アクチュエータ15の別の実施形態を示している。示された図は、回転軸Aを中心に概ね回転対称性である電磁アクチュエータ15の断面図である。回転対称性でないのは、具体的には電気ケーブルである。
【0043】
回転軸Aの軸方向において、アンカー14には、電磁アクチュエータ15の2つの鉄心171、172が配置されている。第一の鉄心171は、開ストッパ51の形態でストローク止め50を形成し、その結果、図に示されたシャットオフニードル13の開位置SOにおいて、アンカー14および鉄心171が当接する。第二の鉄心172は、アンカー14の軸方向下側に配置されている。これもストローク止め50を形成しているが、こちらは閉ストッパ52である。
【0044】
上側の第一の鉄心171に対して半径方向に、ソレノイド17の第一のコイル巻線173が配置されている。同じ方向に延びる第二のコイル巻線174は、第二の鉄心172に対して半径方向に位置決めされている。磁化可能な筐体60が2つの鉄心171、172を結合し、コイル巻線173、174を収容する。さらに、永久磁石16が2つのコイル巻線173、174の間に配置されている。永久磁石16の極N、Sは、回転軸Aに対して半径方向に配向されている。特にN極Nは筐体60に密着しており、S極Sはアンカー14からわずかに間隔を空けて配向されている。
【0045】
既述したように、シャットオフニードル13は開位置SOにある。この位置ではアンカー14と上側の第一の鉄心171が当接している。第一の鉄心171が筐体60を介して永久磁石16と接触することで、鉄心171がN極Nを形成する。鉄心171とアンカー14との間に形成された第一の永久磁石の磁場f1が、シャットオフニードル13を開位置SOに保持する。
【0046】
永久磁石16は、筐体60と第二の鉄心172を介して別の永久磁石の磁場f2を形成し、その際第二の鉄心172がN極Nを形成する。しかし、第二の鉄心172とアンカー14との間隔により、第二の下側の永久磁石の磁場f2がアンカー14に作用する力は第一の磁場f1よりも小さい。したがってシャットオフニードル13は開位置SOに留まる。
【0047】
第一の閉電流パルスIS1によって初めて、電磁場F1がコイル巻線173、174により生成される。これが第一の永久磁石の磁場f1と反対方向に干渉し、その結果、第一の永久磁石の磁場f1が少なくとも部分的に相殺される。
さらに、電磁場F1が下側の第二の永久磁石の磁場f2と同じ方向に重畳し、その結果、下側の永久磁石の磁場f2と電磁場F1の合計が、第一の永久磁石の磁場f1と電磁場F1の合計より大きくなる。その結果、アンカー14が下側の第二の鉄心172の方向から吸引される。このことにより、アンカー14が第一の上側の永久磁石16から閉位置SG方向へ動く。
【0048】
それとは逆に、シャットオフニードル13が閉位置SGから開位置SOへと動かされる場合には、閉電流パルスIS1と反対の開電流パルスがコイル巻線173、174を通って送られる。その後、生成された電磁場が示された方向とは逆方向に作用する。このため、第一の永久磁石の磁場f1とこの電磁場の合計が、第二の永久磁石の磁場f2と電磁場の合計より大きくなる。したがって、アンカー14に連結されたシャットオフニードル13が閉位置SGから開位置SOへ動く。
【0049】
図4は、2つのシャットオフニードル13、23の開位置SOと閉位置SGが比較されたグラフであり、これらシャットオフニードルは、第一の電磁アクチュエータ15および第二の電磁アクチュエータ25によって作動される。このグラフにおいて、横座標は時間tである。
【0050】
図面上、上側に配置されている横座標時間tには、2つの縦座標が付されている。第一の縦座標(図の方向で左側)には、第一の電磁アクチュエータ15ないし第一のシャットオフニードル13の制御ストロークが記載され、その閉位置SGと開位置SOが記入されている。第二の縦座標(図の方向で右側)のデータには、制御装置から第一の電磁アクチュエータ15へ送られる第一の電流パルスI1が含まれている。
【0051】
示されたグラフを時系列で観察することで、第一の電磁アクチュエータ15によって作動されたシャットオフニードル13が当初は閉位置SGにあることが認識できる。続いて、時間的なパルス長Lを有する第一の開電流パルスIO1が制御装置から第一の電磁アクチュエータ15へ送られる。このパルス長Lは制御装置内で定義されており、0.1〜0.5秒の長さであり、パルス長Lの間に、第一のシャットオフニードル13を開位置SOへ動かす。第一のシャットオフニードル13は、制御装置が第一の閉電流パルスIS1を第一の電磁アクチュエータ15へ送るまで、この位置に留まる。閉電流パルスIS1も同じく時間的パルス長Lを有する。このパルス長Lの間に、第一のシャットオフニードル13は再び閉位置SGへ動く。
【0052】
図の方向で下側に配置されている横座標時間tには、同じく2つの縦座標が付されている。第一の縦座標(図の方向で左側)には、第二の電磁アクチュエータ25ないし第二のシャットオフニードル23の制御ストロークが記載され、その閉位置SGと開位置SOが記入されている。第二の縦座標(図の方向で右側)のデータには、制御装置から第二の電磁アクチュエータ25へ送られる第二の電流パルスI2が含まれている。
【0053】
示されたグラフを時系列で観察することで、第二の電磁アクチュエータ25によって作動されたシャットオフニードル23が当初は閉位置SGにあることが認識できる。続いて、時間的なパルス長Lを有する第二の開電流パルスIO2が、制御装置から第二の電磁アクチュエータ25へ送られる。このパルス長は制御装置内で定義され、0.1〜0.5秒の長さである。その際、この第二の開電流パルスIO2は、開時間デルタTOの分だけ、第一の電磁アクチュエータ15に送られた第一の開電流パルスIO1に対して時間をずらして送られる。これは、具体的には、時間的に第一の開電流パルスIO1の前に送られる。
【0054】
第二の開電流パルスIO2のパルス長Lの間に、第二のシャットオフニードル23が開位置SOへ動く。第二のシャットオフニードル23は、制御装置が第二の閉電流パルスIS2を第二の電磁アクチュエータ25へ送るまで、この位置に留まる。第二の閉電流パルスIS2も同じく時間的パルス長Lを有する。その際、第二の閉電流パルスIS2は、第一の電磁アクチュエータ15に送られた第一の閉電流パルスIS1に対して閉時間デルタTSの分だけ時間をずらされる。これは、具体的には、時間的に第一の閉電流パルスIS1の後に送られる。
【0055】
時間をずらした電流パルスI1、I2によってシャットオフニードル13、23の位置SO、SGを時間的に正確にする設計により、各キャビティが1つの金型内で完全に充填されることが可能となり、よって、最適な射出成形部品が製造され得る。このようにして、例えば分配器の不完全なバランシングを修正したり、あるいは、バランシングをシャットオフニードル13、23を制御するのみで実施したりすることができる。
【0056】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、多様な方法で改変が可能である。具体的には、3つ以上のニードルシャットオフノズルおよび/またはキャビティが設けられてもよい。
【0057】
請求項および明細書の記載、ならびに図面から明らかになるすべての特徴および利点は、構造上の細部、空間的配置、および手順工程も含み、それ自体およびさまざまな組み合わせも本発明の本質を成し得る。
【符号の説明】
【0058】
1 射出成形装置
10 第一のキャビティ
11 第一のゲート開口部
12 第一のニードルシャットオフノズル
13 第一のシャットオフニードル
14 第一のアンカー
141 第一のアンカー磁石
15 第一の電磁アクチュエータ
16 第一の永久磁石
17 第一のソレノイド
171 第一の鉄心
172 第二の鉄心
173 第一のコイル巻線
174 第二のコイル巻線
18 第一のセンサ
19 第一のノズル供給路
20 第二のキャビティ
21 第二のゲート開口部
22 第二のニードルシャットオフノズル
23 第二のシャットオフニードル
24 第二のアンカー
25 第二の電磁アクチュエータ
26 第二の永久磁石
27 第二のソレノイド
28 第二のセンサ
29 第二のノズル供給路
30 制御装置
31 非作動化装置
32 表示装置
33 操作ユニット
40 分配器
50 ストローク止め
51 開ストッパ
52 閉ストッパ
60 筐体
A 回転軸
f1 第一の永久磁石の磁場
f2 第二の永久磁石の磁場
F1 第一の電磁場
F2 第二の電磁場
I1 第一の電流パルス
I2 第二の電流パルス
IO1 第一の開電流パルス
IO2 第二の開電流パルス
IS1 第一の閉電流パルス
IS2 第二の閉電流パルス
L パルス長
M 流動性物質
N 磁石のN極
S 磁石のS極
SG 閉位置
SO 開位置
t 時間
TS 閉時間デルタ
TO 開時間デルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形装置(1)内の複数のニードルシャットオフノズル(12、22)を作動させる方法であって、
・前記射出成形装置(1)は少なくとも2つのキャビティ(10、20)を備え、各キャビティ(10、20)は少なくとも1つのニードルシャットオフノズル(12、22)を備え、
・各ニードルシャットオフノズル(12、22)はシャットオフニードル(13、23)を備え、該シャットオフニードルは、それぞれ割り当てられた前記キャビティ(10、20)に配置されたゲート開口部(11、21)を開閉するために、電磁アクチュエータ(15、25)を使用して開位置(SO)および閉位置(SG)に移動することができ、
・各電磁アクチュエータ(15、25)は少なくとも1つのソレノイド(17、27)を備え、
・各シャットオフニードル(13、23)は、前記開位置(SO)および前記閉位置(SG)において、少なくとも1つの永久磁石(16、26)によって軸方向における位置が保持され、
・前記射出成形装置(1)の制御装置(30)は、前記ニードルシャットオフノズル(12、22)の各電磁アクチュエータ(15、25)のために個別に電流パルス(I1、I2)を生成し、
・前記電流パルス(I1、I2)は定義されて前記制御装置(30)に保存されたパルス長(L)を有し、
・電流パルス(I1、I2)が流れた電磁アクチュエータ(15、25)のソレノイド(17、27)は電磁場(F)を生成し、その結果前記シャットオフニードル(13、23)と前記永久磁石(16、26)の間の力を上回り、前記シャットオフニードル(13、23)は前記閉位置(SG)から前記開位置(SO)へ、または前記開位置(SO)から前記閉位置(SG)へ動かされ、
・前記電流パルス(I1、I2)が少なくとも2つの電磁アクチュエータ(15、25)に時間をずらして送られる
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
電磁アクチュエータ(15、25)のための前記電流パルス(I1、I2)は、シャットオフニードル(13、23)を閉位置(SG)から開位置(SO)にするための開電流パルス(IO1、IO2)、または反対の電流方向でシャットオフニードル(13、23)を開位置(SO)から閉位置(SG)にするための閉電流パルス(IS1、IS2)であり、前記開電流パルス(IO1、IO2)および/または前記閉電流パルス(IS1、IS2)が時間をずらして前記電磁アクチュエータ(15、25)に送られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記開電流パルス(IO1、IO2)は、定義されて前記制御装置(30)に保存された開時間デルタ(TO)、および/または前記閉電流パルス(IS1、IS2)は定義されて前記制御装置(30)に保存された閉時間デルタ(TS)の分だけ時間をずらして前記電磁アクチュエータ(15、25)に送られることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記電流パルス(I1、I2)は、定義されて前記制御装置(30)に保存された開時間デルタ(TO)および/または閉時間デルタ(TS)の分だけ時間をずらして前記電磁アクチュエータ(15、25)に送られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記開時間デルタ(TO)および/または前記閉時間デルタ(TS)は、制御装置(30)内で、前記シャットオフニードル(13、23)が開位置(SO)にあるときに理想的な量の流動性物質(M)が前記キャビティ(10、20)に充填されるよう設定されることを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記開時間デルタ(TO)および/または前記閉時間デルタ(TS)は、少なくとも1/100秒の精度で前記制御装置(30)に保存されていることを特徴とする、請求項3〜5のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
センサ(18、28)を使用して前記キャビティ(10、20)内の充填レベル測定が行われ、前記開時間デルタ(TO)および/または前記閉時間デルタ(TS)が制御装置(30)によって計算されおよび/または調節されることを特徴とする、請求項3〜6のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
異なった射出シナリオのために別々の開時間デルタ(TO)および/または閉時間デルタ(TS)は前記制御装置(30)内に保存されており、前記射出シナリオの中の1つが選択されることを特徴とする、請求項3〜7のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
各シャットオフニードル(13、23)は連動するアンカー(14、24)を備え、該アンカーが前記永久磁石(16、26)および前記ソレノイド(17、27)と対応することを特徴とする、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
各アンカー(14、24)はアンカー磁石(241)を備え、該アンカー磁石が前記永久磁石(16、26)および前記ソレノイド(17、27)と対応することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ニードルシャットオフノズル(11、21)は、ノズル供給路(19、29)を介して、および該ノズル供給路が共通の分配器(40)を介して、接続されていることを特徴とする、請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−82224(P2013−82224A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−220565(P2012−220565)
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【出願人】(512255147)ギュンター ハイスカナルテヒニク ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】