説明

導光パッドを用いたキーパッド

【課題】キーボタンがプリント回路基板と接触して動作信号を発生させることによる接触不良を防止したキーパッドを提供する。
【解決手段】キー操作を行うパターンシート50と、該パターンシート50上に設けられ通過する光の光量を変化させるパターン領域60と、導光パッド10と、該導光パッド10に光を入射させるように設けられた光源20と、前記導光パッド10を通過した光の光量を感知するセンサー30とから構成され、パターンシート50上の押圧位置によりセンサー30に入射する光量が異なることで操作されたキーを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーパッドに係り、より詳細には、光を発生させる光源と、光量を測定するセンサーが連結された導光パッドの上側に、文字または記号などが印刷されたパターンシートを配置した後、該パターンシートの動作による、導光パッドを通過する光量の差を感知することによって動作信号を判断することができるキーパッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
キーパッドは、携帯電話及び/または端末機などのユーザが信号を発生させるためのスィッチ装置である。図1に示すように、従来のキーパッドでは、数字及び/または文字を含む認識符号が印刷されたり刻まれたキートップ180と、フロントハウジング140の下側に位置するベース120とが連結部130を介して連結され、キートップ180とベース120が、携帯電話の外観を形成するフロントハウジング140に結合されてキーボタン100を形成し、キートップ180が、フロントハウジング140に形成された穴から外側に突出した構造を有しており、キートップ180とベース120の下側には、ドムスイッチ150が付着されたプリント回路基板160が、キートップ180と一定距離離れて結合され、キートップ180の下端には、ドームスイッチ150を押すように突起110が形成されており、キートップ180の外面に刻印された文字や記号をユーザが夜間にも識別できるように、キートップ180の背面には光源170が設けられている。
【0003】
ここで、光源170にはLEDが主に用いられ、最近では、光の均一性に優れているとともに消費電力が小さいためにキーパッドのスリム化に有利な薄膜ELシートの使用が増加してきた。
【0004】
しかしながら、このような従来のキーパッドは、光源170から発生する光が、キーパッド全体に照射されるから、キートップに形成されたボタン180とボタン180間の空間から光が漏れ、ボタン180に光を集中して照明し難いという問題点があった。
【0005】
また、従来のキーパッドは、光源170を、キーパッドのボタン180間の領域に対応する各プリント回路基板160上にそれぞれ設置してキーパッド全体を照明するしかないため、キーパッドにLEDが12個〜20個またはそれ以上必要とされ、その分、製造コストが増加する他、携帯電話及び/または端末機などに消費される電力が過多となる問題点があった。
【0006】
また、光源170の近傍は明るいが、光源170から遠ざかるにつれて暗くなる輝度ばらつきが生じる問題点もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、キーパッドの信号を発生させるボタンとプリント回路基板との接触不良などによる機械的な問題点をなくす他、使用部品、例えば、光源及びボタンなどの個数を減少させることによって、キーパッドの歩留まりを向上させ且つ製造コストを低減できるキーパッドを提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
導光パッドと、
該導光パッドに光を入射させるように設けられた光源と、
該導光パッドを通過した光の光量を感知するセンサーと、
上記導光パッドを通過する光の光量を変化させる光量変化部と、を含むキーパッドを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、キーボタンがプリント回路基板と接触して動作信号を発生させることなく、光源で発生する光の光量差を感知して該当の動作信号を判断することによって、機械的な接触不良を防止し、キーパッドに使用される部品数を減少させ、キーパッドの歩留まりを向上させかつ製造コストを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来の携帯電話キーパッドの断面図である。
【図2】本発明によるキーパッドを示す断面図である。
【図3】本発明によるキーパッドの作動様態を示す図である。
【図4】本発明によるキーパッドの凸パターンに従う光量の変化
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施例について説明する。
【0012】
本発明は、導光パッドと、該導光パッドに光を入射させるように設けられた光源と、導光パッドを通過した光の光量を感知するセンサーと、導光パッドを通過する光の光量を変化させる光量変化部と、を含むキーパッドを提供する。
【0013】
本発明によるキーパッドは、携帯電話及び/または端末機などに採用され、プリント回路基板(PCB)の上部に位置した状態で、携帯電話及び/または端末機などのハウジングに連結して設置され、数字及び/または文字を含む認識符号が印刷されたり刻まれていたりするものを意味するが、より具体的には、数字及び/または文字を含む認識符号の刻印されたキーをユーザが押す場合、押されたキーに該当する作動信号を感知するものを意味する。
【0014】
本発明は、様々な変更が可能であり、様々な実施例が可能であるが、以下では、特定の実施例及び図面に基づいて本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、下記の詳細な説明に限定されるものではなく、ここに開示された思想及び技術範囲と一致する最も広い範囲を有するものとして理解しなければならない。
【0015】
一方、本明細書で使った用語は、単に特定の実施例を説明するためのもので、本発明を限定するためのものではない。単数の表現は、文脈上、明示しないかぎり、複数の表現を含む。本明細書で、“含む”または“有する”などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを表すもので、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除するものとして理解してはならない。
【0016】
以下、本発明について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、下記の説明は、本発明を具体的に説明するための一例に過ぎず、本発明の範囲を限定するためのものではない。
【0017】
図2は、本発明によるキーパッドを示す断面図であり、図3は、本発明によるキーパッドの作動様態を示す図であり、図4は、本発明によるキーパッドの凸パターンによる光量の変化を示す図である。
【0018】
図2乃至図4に示すように、本発明によるキーパッドは、導光パッド10と、導光パッド10に光を入射させる光源20と、導光パッド10を通過した光の光量を感知するセンサー30と、導光パッド10を通過する光の光量を変化させる光量変化部と、を含んで構成される。
【0019】
ここで、光源20から導光パッド10に入射した光が導光パッド10で全反射されてセンサー30に出射されるように本発明のキーパッドを構成することが好ましい。
【0020】
そして、光量変化部は、タッチされる場合、導光パッド10の一部領域を通過する光の全反射を解除することで、センサー30で感知される光量を変化させる役割を果たす。
【0021】
ここで、光量変化部は、導光パッド10に一体に形成することができる。
【0022】
また、光量変化部は、導光パッド10と離隔して配置され、タッチされる場合、導光パッド10に接触して、導光パッド10を通過する光の全反射を解除することで、センサー30で感知される光量を変化させることもできる。
【0023】
したがって、光量変化部の所定領域がタッチされた場合、光量変化部の所定領域に対応する導光パッド10の領域では光の全反射が解除され、センサー30に入力される光の光量が変化する。
【0024】
この場合、全反射の解除された光が導光パッド10の外部に漏洩されるように本発明のキーパッドを構成すると良い。
【0025】
したがって、センサー30で感知される光量は変化し、この変化した光量から所定領域がタッチされたことがわかる。
【0026】
そして、光源20は、導光パッド10の一方の側に配置され、センサー30は、導光パッド10の一方の側と対向する他方の側に配置され、光源20から入射した光が導光パッド10を通過し、この導光パッド10を通過した光をセンサー30で感知する。
【0027】
また、図2に示すように、光量変化部は、パターンの形成されたパターンシート50とすることができる。
【0028】
この場合、パターンシート50は、導光パッド10の上側に配置することが好ましい。
【0029】
なお、本発明によるキーパッドは、導光パッド10の下側に反射板40をさらに設けることができる。
【0030】
そして、光源20とセンサー30との間に導光パッドを位置させると良い。
【0031】
導光パッド10は、透明な材料からなることが好ましい。
【0032】
以下、上記の光量変化部をパターンシート50とした本発明のキーパッドについて説明する。
【0033】
本発明による導光パッド10において、光源20から導光パッド10の側面を通じて入射した光が、導光パッド10の上面で全反射して導光パッド10に沿ってセンサー30の方に進行するようにする。
【0034】
そして、本発明による導光パッド10は、その内部にティント(tint)剤を含み、光源20から入射する光が容易に散乱することができる。この場合、散乱する光は、キーパッドの背景照明とすることができる。
【0035】
ここで、ティント剤は、光を散乱させうる材料であれば良く、当業界でティント剤と通称されるあらゆる材料及び光散乱材料も含むことができる。
【0036】
本発明による光源20は、特に限定されず、携帯電話及び/または端末機などに使用される通常の光源20、例えば、LEDとすることができる。
【0037】
本発明によるセンサー30は、光源20が位置する導光パッド10の一方の側と対向する他方の側に設けられて、導光パッド10を通過してきた光の光量を感知する。
【0038】
このセンサー30によって感知された光量、すなわち、光量値は、キーパッドを備えている携帯電話及び/または端末機の回路(図示せず)に伝達され、伝達された光量値に基づいて定められた信号、具体的には動作信号が発生することとなる。
【0039】
本発明による反射板40は、導光パッド10の下部に設けられて、導光パッド10に入射する光及び/またはパターンシートの作動によって反射される光を、上面に反射させる役割を担うものであり、このような役割を果たす当業界で周知の反射板40であればいずれも使用可能である。
【0040】
本発明によるパターンシート50は、導光パッド10の側面から入射する光を、拡散及び/または散乱させて、導光パッド10の上面、すなわち、垂直方向に発光させるシートである。
【0041】
このために、パターンシート50は、表面に多数のパターン領域が形成されている透明フィルムまたは透明シートとすることができる。
【0042】
そして、パターンシート50の多数のパターン領域は、凸パターン、凹パターン、及びこれらの組み合わせパターンのいずれか一つとすることができる。
【0043】
例えば、多数のパターン領域は、シートに文字または記号などが印刷されたパターンとすることができる。
【0044】
また、パターン領域は、パターンシート50から突出し、該パターンシート50を押す時、パターン領域が導光パッド10に接触するように構成されることが好ましい。
【0045】
すなわち、パターン領域が導光パッド10に接触すると、導光パッド10を通過する光の全反射を解除させ、センサー30に進行する光の量が増加または減少することから、キーパッドのタッチ領域を認知することができる。
【0046】
さらに、図3には、パターン領域のパターンが凸パターン60である場合を示す。
【0047】
一方、多数の凸パターン60は、パターンシート50の下側に、それぞれ異なるパターンの密度を有するように形成されることができる。
【0048】
また、それぞれ密度の異なる多数の凸パターン60は、その密度がセンサー30が位置する方向を基準に順次に増加または減少するように形成されることもできる。
【0049】
好ましくは、光源20からセンサー30に進行する方向に多数の凸パターン60の密度が増加または減少するように形成する。
【0050】
すなわち、多数の凸パターン60の密度が増加または減少すると、センサー30で感知される光の光量に基づいてどの凸パターン60でタッチされたのか感知し易くなる。
【0051】
また、パターンシート50は、フレキシブルな材料からなり、部分的変形が可能である。これにより、外力によってパターンシート50を押す場合、パターンシート50の下面に形成されたパターン、具体的には凸パターン60が下向きに変形されながら導光パッド10と接触する。
【0052】
前述したように、パターンシート50は、外力が及ばない状態では、導光パッド10と離隔されたまま維持されることができる。
【0053】
このような構成を有する本発明によるキーパッドの作用について説明すると、下記の通りである。
【0054】
まず、携帯電話及び/または端末機などの所望の作動のために、キーパッドの上側に設けられたパターンシート50に表示された該当キーを押すと、該当のキーの下側に設けられた凸パターン60が導光パッド10の該当の部分を押し、凸パターン60が導光パッド10の該当面を変化させることで、全反射条件が不均一になる。
【0055】
その後、凸パターン60によって導光パッド10の全反射条件が不均一になった部分で光の散乱が発生し、散乱した光は、導光パッド10の下部の反射板40によって反射されて、キーパッドの該当のキー部分を明るくすると同時に、押された凸パターン60の密度に対応する光がセンサー30に入射されて光量が感知される。
【0056】
次に、光量を感知したセンサー30は、その光量値を回路に送信し、該当の信号に応じて携帯電話及び/または端末機などを作動させる。
【0057】
この時、パターンシート50に形成される凸パターン60の密度に応じて、センサー40に入射する光量の差を感知し、この光量の差を数値化して光量値に換算し、該当の信号に基づいて携帯電話及び/または端末機などの作動を実現することとなる。
【0058】
一例として、図3に示すように、キーパッドの操作のために多数の凸パターン60のうちいずれか一つを押す場合、押された凸パターン60の下側、すなわち、導光パッド10で光が散乱し、反射板40によって反射される構成とすることができる。
【0059】
他の例として、図4に示すように、パターンシート50に順に設けられた凸パターン60のそれぞれを62、64、66及び68とすれば、該当の凸パターンの密度差によって、それぞれの凸パターン62、64、66、68を押す場合、散乱する光量がグラフのように段階的に変わり、センサー30に入射する光量値の差を換算し、ユーザの作動するキーに該当する信号を判断できるようにする構成も可能である。
【0060】
ここで、図4の凸パターン62,64,66,68を(a)、(b)、(c)、(d)とすれば、凸パターン62,64,66,68のそれぞれを押した場合、同図の下部のグラフのように凸パターン62、64、66、68の光量が表示される。
【0061】
以上では具体的な実施例に挙げて本発明を説明してきたが、本発明の属する技術分野における当業者には、本発明がその技術的思想や必須特徴を逸脱しない限度内で他の様々な形態に実施できるということが理解できる。したがって、以上の実施例はいずれも例示的なものであり、限定的なものとして理解してはならない。本発明の範囲は上記の詳細な説明に限定されず、添付の特許請求の範囲及びその等価概念から導出されるいずれの変更または変形形態も本発明の範囲に含まれるものと解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光パッドと、
前記導光パッドに光を入射させるように設けられた光源と、
前記導光パッドを通過した光の光量を感知するセンサーと、
前記導光パッドを通過する光の光量を変化させる光量変化部と、
を含むキーパッド。
【請求項2】
前記光量変化部は、
タッチされる場合、前記導光パッドの一部領域を通過する光の全反射を解除させて、前記センサーで感知される光量を変化させることを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項3】
前記光量変化部は、
前記導光パッドと離隔して配置され、
タッチされる場合、前記導光パッドに接触して、前記導光パッドを通過する光の全反射を解除させることを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項4】
前記光源は、前記導光パッドの一方の側に配置され、
前記センサーは、前記導光パッドの一方の側に対向する他方の側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項5】
前記光量変化部は、パターンの形成されているパターンシートであることを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項6】
前記パターンシートは、前記導光パッドの上側に配置されることを特徴とする請求項5に記載のキーパッド。
【請求項7】
前記導光パッドの下側に、反射板がさらに設けられることを特徴とする請求項6に記載のキーパッド。
【請求項8】
前記パターンシートは、表面に多数のパターン領域が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のキーパッド。
【請求項9】
前記パターンシートの多数のパターン領域は、凸パターン、凹パターン、及びこれらの組み合わせパターンのいずれか一つからなることを特徴とする請求項8に記載のキーパッド。
【請求項10】
前記多数のパターン領域は、前記パターンシートから突出し、前記パターンシートを押す時、前記パターン領域が前記導光パッドに接触するように構成されることを特徴とする請求項8に記載のキーパッド。
【請求項11】
前記多数のパターン領域は、パターンの密度が互いに異なるように形成されていることを特徴とする請求項8に記載のキーパッド。
【請求項12】
前記多数のパターン領域は、前記センサーが位置している方向を基準に順次に密度が増加または減少するように形成されたことを特徴とする請求項8に記載のキーパッド。
【請求項13】
前記多数のパターン領域は、前記光源から前記センサーに進行する方向に前記多数のパターン領域の密度が増加または減少するように形成されたことを特徴とする請求項8に記載のキーパッド。
【請求項14】
前記光源と前記センサーとの間に前記導光パッドが配置されていることを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項15】
前記パターンシートは、フレキシブルな材料からなり、部分的変形が可能であることを特徴とする請求項5に記載のキーパッド。
【請求項16】
前記パターンシートは、導光パッドと離隔した状態を維持し、外力によって導光パッドの上面に部分的に接触することを特徴とする請求項5に記載のキーパッド。
【請求項17】
前記導光パッドが、透明なシリコンからなることを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項18】
前記透明なシリコン中にティント(tint)剤が含まれていることを特徴とする請求項17に記載のキーパッド。
【請求項19】
前記光源がLEDであることを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項20】
前記光源から前記導光パッドに入射した光は、前記導光パッドで全反射されて前記センサーに出射されることを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−9220(P2011−9220A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144232(P2010−144232)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(508375996)エルジー イノテック カンパニー,リミティド (38)
【Fターム(参考)】