説明

導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレット、導光板、導光板の製造方法および面光源体

【課題】芳香族ポリカーボネート樹脂の特性を損なうことなく、優れた光線透過率、輝度および輝度均整度を有する導光板を提供する。
【解決手段】芳香族ポリカーボネート樹脂より形成され、粒径0.5〜1.0μmのダストの含有量が50,000個/g以下であり、且つ、粒径1.0μmを超えるダストの含有量が3,000個/g以下であり、屈折率が芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率より0.01以上小さいパラフィンワックス、ポリアルキレングリコール又はその脂肪酸エステルから成る群より選択される少なくとも1種である輝度向上剤を含有する導光板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレット及びそれから成る導光板に関し、詳しくは、機械的性質、熱的性質、電気的性質および耐候性に優れ、特に、光線透過率、輝度および良好な輝度均整度を有する導光板およびその材料として好適な導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータや携帯電話、PDA等にて使用される液晶表示装置には、装置の薄型、軽量化、省電力、高輝度・高精細化を達成するために、面状光源装置が組み込まれている。この面状光源装置には、光源と導光板とが備えられており、当該導光板は、通常、一面が一様な斜度の傾斜面を有する楔型断面の透明な板状成形体である。従来、導光板は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂などの材料から成形されていた。しかしながら、近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA等の機器の内部で発生する熱が多くなってきたため、PMMA樹脂に代って耐熱性の高い芳香族ポリカーボネート樹脂材料が使用されつつある。
【0003】
芳香族ポリカーボネート樹脂は、機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐候性に優れるが、その光線透過率はPMMA樹脂と比較して低い。従って、面光源体の導光板として芳香族ポリカーボネート樹脂を使用した場合、輝度が低くなるという問題がある。
【0004】
上記の問題の解決方法として、PMMA等のアクリル樹脂および/または脂環式エポキシ化合物などの面状光源体の輝度を向上させる物質が配合された芳香族ポリカーボネート樹脂を導光板材料に使用する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、この芳香族ポリカーボネート樹脂組成物から得られる導光板は、アクリル樹脂の添加により白濁し、光線透過率および輝度の向上が不十分であり、更に脂環式エポキシ化合物を添加しても十分な改善効果が認められない。
【0005】
また、脂肪族セグメントを有する共重合ポリエステルカーボネートと芳香族ポリカーボネートとから成り、機械的強度と流動性が改良されたポリカーボネート樹脂組成物を導光板に使用することも知られている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、この種のポリカーボネート樹脂組成物から成る導光板を備えた面状光源体の輝度は向上するものの、この種のポリカーボネート樹脂組成物は耐熱性が不十分であることから、導光板の耐熱性に問題が生じる。
【0006】
さらに、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部と、芳香族ポリカーボネート樹脂との屈折率の差が0.001以上であるPMMA等の他の熱可塑性樹脂0.001〜1質量部とから成り、厚み2mmの試料板で測定した波長320nmにおける分光光線透過率(X)と波長633nmにおける分光光線透過率(Y)との比(X)/(Y)が0.5以上である芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を使用した導光板も知られている(例えば特許文献3参照)。しかしながら、この場合においても、アクリル樹脂の添加により導光板が白濁し、光線透過率および輝度の向上が不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−158364号公報
【特許文献2】特開2001−215336号公報
【特許文献3】特開2002−060609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、芳香族ポリカーボネート樹脂の特性を損なうことなく、優れた光線透過率、輝度および輝度均整度を有する導光板、かかる導光板を得るのに好適な導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレット、上記導光板の製造方法および上記導光板を使用した面光源体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、原料の芳香族ポリカーボネート樹脂および成形工程などから混入するダストに着目し、可視光線の波長領域に近い粒径のダストの個数を制御した芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットを導光板の材料に使用すること、及び、上記特定粒径のダストの個数が制御された導光板を使用した面光源体の光線透過率、輝度および輝度均整度が優れているとの知見を得、本発明の完成に到った。
【0010】
本発明は、上記の知見に基づき完成されたものであり、その第1の要旨は、粒径0.5〜1.0μmのダストの含有量が50,000個/g以下であり、且つ、粒径1.0μmを超えるダストの含有量が3,000個/g以下である芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、屈折率が芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率より0.01以上小さいパラフィンワックス、ポリアルキレングリコール又はその脂肪酸エステルから成る群より選択される少なくとも1種である輝度向上剤0.01〜1重量部を含有することを特徴とする導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットに存する。
【0011】
本発明の第2の要旨は、芳香族ポリカーボネート樹脂より形成され、粒径0.5〜1.0μmのダストの含有量が50,000個/g以下であり、且つ、粒径1.0μmを超えるダストの含有量が3,000個/g以下であり、屈折率が芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率より0.01以上小さいパラフィンワックス、ポリアルキレングリコール又はその脂肪酸エステルから成る群より選択される少なくとも1種である輝度向上剤を含有することを特徴とする導光板に存する。
【0012】
本発明の第3の要旨は、上記導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットを成形することを特徴とする上記導光板の製造方法に存する。
【0013】
本発明の第4の要旨は、上記導光板と光源とを備える面光源体に存する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットは特定粒径のダスト量が制御されているため、全光線透過率が高く、高輝度、高輝度均整度の導光板用材料として好適に使用出来る。また、本発明の導光板は、特定粒径のダスト量が制御されているため、光源と共に使用することにより、全光線透過率が高く、高輝度、高輝度均整度の高い面光源体を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】バックライト方式の面光源体の概念図
【図2】フロントライト方式の面光源体の概念図
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明の導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットについて説明する。導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットの原料となる芳香族ポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシジアリール化合物と、ホスゲン又は炭酸ジエステル等のカーボネート前駆体とを反応させて得られる重合体または共重合体である。代表的なものとして、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAと称す)から製造されるポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0017】
原料のジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの様なビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジメチルジフェニルエーテル等のジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4、4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類などが挙げられる。上記ジヒドロキシジアリール化合物は、単独で使用しても2種類以上混合して使用してもよい。上記ジヒドロキシジアリール化合物の他に、ビペラジン、ジピペリジル、ハイドロキノン、レゾルシン、4、4’−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
【0018】
ジヒドロキシジアリール化合物と反応させるカーボネート前駆体としては、ホスゲン、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート、ジメチルカーボネート又はジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート等が挙げられ、好ましくはホスゲン又はジフェニルカーボネートである。
【0019】
芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法には特に限定はなく、ホスゲンを使用する界面法、炭酸ジエステルを使用するエステル交換法など公知の方法を採用することが出来る。導光板の成形に使用される樹脂材料は、通常、ペレットの形状であるため、上記方法で得られた粉末状あるいはフレーク状の芳香族ポリカーボネートは、更にペレット化して使用する。
【0020】
本発明の導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットの原料として使用される芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、通常10,000〜30,000、好ましくは12,000〜28,000、更に好ましくは15,000〜24,000である。芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が10,000未満の場合、当該ペレットから製造した導光板は剛性が低く、実用に供し得ない。一方、芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が30,000を超える場合、流動性に劣るために射出成形が困難となる。なお、本発明において粘度平均分子量(Mv)とは、後述する様に、塩化メチレン溶液中の極限粘度(η)とSchnellの粘度式から算出される値を意味する。
【0021】
本発明の導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットにおいて、粒径0.5〜1.0μmのダストの含有量が50,000個/g以下、好ましくは30,000個/g以下であり、且つ、粒径1.0μmを超えるダストの含有量が3,000個/g以下、好ましくは2,000個/g以下である。本発明の導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットは、上記の様に可視光の波長領域(350〜800nm)に近い粒のダスト個数が規定されていることにより、導光板に成形した場合、高い光線透過率を有し、高い平均輝度および輝度均整度を有する導光板を得ることが出来る。
【0022】
導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレット中の粒径0.5〜1.0μmのダストの含有量が50,000個/gを超えると、光線透過率、平均輝度および輝度均整度が悪化する。また、粒径1.0μmを超えるダストの含有量が3,000個/gを超えると、導光板に成形した場合、光線透過率、平均輝度および輝度均整度が悪化する。ダストの含有量は少ない方がよいが、上記範囲内であれば、光線透過率、平均輝度および輝度均整度が優れた導光板用の原料として使用できる。なお、本発明におけるダストの定義およびダストの個数の測定方法ならびにダストの個数を制御する方法は後述する。
【0023】
本発明の導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットの製造方法としては、通常、ポリカーボネート樹脂粉末に、必要に応じて以下で説明する添加物を配合し、押出機などで溶融、混練してペレット状とする。この際、ペレット中のダストの量が、上記範囲内であることが必要であるため、添加剤の配合やペレット化の工程において、材料や使用機器、作業環境に十分注意する必要がある。
【0024】
次に、本発明の導光板について説明する。本発明の導光板は芳香族ポリカーボネート樹脂より形成され、粒径0.5〜1.0μmのダストの含有量が50,000個/g以下、好ましくは30,000個/g以下であり、且つ、粒径1.0μmを超えるダストの含有量が3,000個/g以下、好ましくは2,000個/g以下である。導光板中の粒径0.5〜1.0μmのダストの含有量が50,000個/gを超えると、光線透過率、平均輝度および輝度均整度が悪化する。また、粒径1.0μmを超えるダストの含有量が3,000個/gを超えると、光線透過率、平均輝度および輝度均整度が悪化する。ダストの含有量は少ない方がよいが、上記範囲内であれば、光線透過率、平均輝度および輝度均整度が優れた導光板として使用できる。
【0025】
導光板の製造方法は特に限定されないが、例えば、公知の方法、通常、射出成形法を採用し、ダスト量が制御された芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することにより製造することが出来る。特に、本発明の導光板の製造において、上述の粒径0.5〜1.0μmのダストの含有量が50,000個/g以下であり、且つ、粒径1.0μmを超えるダストの含有量が3,000個/g以下である導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットを使用することが好ましく、更に、粒径0.5〜1.0μmのダストの含有量が30,000個/g以下であり、且つ、粒径1.0μmを超えるダストの含有量が2,000個/g以下である導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットを使用することがより好ましい。
【0026】
本発明の導光板の形状は特に限定されるものではなく、目的および用途に応じ、平板状またはレンズ効果を有する曲面板状であってもよい。好ましくは、テーパー状の傾斜面を有する楔形の形状である。更に、本発明の好ましい態様として、楔形導光板の傾斜面にプリズム形状の凹凸パターンが形成された構造が挙げられる。かかる凹凸パターンは、射出成形の際、金型の一部の表面に形成された凹凸部を転写することによって付与される。凹凸部は金型の一部である入れ子に形成するのが簡便で好ましい。
【0027】
本発明の導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレット及び導光板に含有されるダストとは、材料である芳香族ポリカーボネート樹脂の製造原料や副資材中の不純物、樹脂の製造過程、ペレット化工程、導光板成形工程における環境や機器から混入するゴミ、ポリマー製造時および/または成形工程における局部的な過熱により生じるポリカーボネートの架橋物、焼けゴミなどに由来する物質を総称する。
【0028】
導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレット及び導光板中のダストの個数を制御する方法としては、例えば、次に列挙した公知の手段を適宜組み合わせることによって達成される。
【0029】
1)芳香族ポリカーボネート樹脂、ペレット及び導光板の一連の製造、輸送および保管環境のクリーン化。2)ダストの低減された原材料および/または副資材の使用。3)反応機器、精製機器、溶融混練機器、成形機、配管、輸送機器などの内面に特殊合金などを使用することによる、製品に接触する部分の不活性化および滞留箇所の解消。4)反応機器、精製機器、溶融混練機器などにフィルターを設置することによる原材料および樹脂中のダストの除去。5)フィルターの設置による反応機器、溶融混練機器、配管、輸送機器などへの外界からのダストの混入防止。6)反応条件、溶融混練条件、成形条件の制御による架橋化、焼けごみ等のダストの発生防止。7)反応機器、溶融混練機器、成形機への不活性ガスの吹き込みによる架橋化、焼けごみ等のダストの発生防止。8)樹脂への酸化防止剤、熱安定剤配合による溶融混練時の架橋化、焼けごみ等のダストの発生防止。9)樹脂を溶剤に溶解し、フィルターによりろ過、精製を行うことによるダスト除去。
【0030】
本発明の導光板は、輝度向上剤を含有させることにより、更に、高い輝度上昇効果および輝度均整度を達成することが出来る。また、導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットにおいても、輝度向上剤を含有させることにより、更に、高い輝度上昇効果および輝度均整度を達成することが出来る導光板用の原料とすることが出来る。ここで、輝度向上剤とは、屈折率が芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率より0.01以上小さい物質を意味する。輝度向上剤としては、芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性に優れ、芳香族ポリカーボネートの透明性や熱的特性、機械的特性を損なわないこと、輝度向上効果が充分であれば特に制限は無く、ポリオルガノシロキサン化合物、パラフィンワックス、ポリアルキレングリコール及びその脂肪酸エステルが例示される。
【0031】
上記ポリオルガノシロキサン化合物としては、少なくとも側鎖にフェニル基を有し、かつ分岐シロキサン構造を有するものが好ましい。ポリオルガノシロキサン化合物は、単一の化合物であっても、混合物であってもよく、混合物の場合は、少なくとも側鎖にフェニル基を有するポリオルガノシロキサンと、少なくとも分岐シロキサン構造を有するポリオルガノシロキサンとを併用したものであってもよい。
【0032】
また、上記ポリオルガノシロキサン化合物は、25℃における動粘度が、通常1〜200cSt、好ましくは5〜100cSt、更に好ましくは10〜50cStである。25℃における動粘度が小さ過ぎる場合、導光板成形時のガス発生量が増加し、ガスによる成形不良、例えば、未充填、ガスやけ、転写不良を発生する可能性がある。一方、動粘度が200cStを超える場合、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の色相および透過率を向上させる効果が充分に得られない。
【0033】
上記ポリオルガノシロキサン化合物は、常法の有機反応によって容易に得ることが可能であり、また市販品を使用することも出来る。具体的なポリオルガノシロキサン化合物としては、下記一般式(1)で示される構造を有することが好ましい。
【0034】
【化1】

(式(1)中、各Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を示し、Rはフェニル基を示し、mは1以上の整数を示し、nは0以上の整数を示す)
【0035】
ポリオルガノシロキサン化合物の使用量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、通常0.01〜1重量部、好ましくは0.02〜0.5重量部、更に好ましくは0.04〜0.3重量部である。ポリオルガノシロキサン化合物の使用量が少なすぎる場合、輝度向上効果が不十分であり、一方、ポリオルガノシロキサン化合物の使用量が多すぎる場合、導光板成形時のガス発生量が増加し、成形不良、ガス焼け、転写不良の原因となることがある。
【0036】
上記パラフィンワックスとしては、主成分がn−パラフィン及び/又はi−パラフィン等の飽和脂肪族炭化水素、あるいは低分子量のポリエチレンで末端に水酸基を有し、蝋状の外観を有する物質が挙げられる。上記飽和脂肪族炭化水素のGPC法で測定された分子量は、通常300〜1500、好ましくは300〜1000である。上記パラフィンワックスは、常法の有機反応によって容易に製造でき、また、市販品を使用することも出来る。
【0037】
上記パラフィンワックスの使用量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、0.01〜1重量部、好ましくは0.02〜0.7重量部、更に好ましくは0.04〜0.5重量部である。パラフィンワックスの量が少な過ぎる場合、輝度向上効果が不十分であり、一方、パラフィンワックスの量が多すぎる場合、導光板成形時のガス発生量が増加し、成形不良、ガス焼け、転写不良の原因となることがある。
【0038】
上記ポリアルキレングリコール及びその脂肪酸エステルは、下記一般式(2)で示され、常法の有機反応によって容易に得ることが出来る。
【0039】
【化2】

(式(2)中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、X及びYは水素原子または炭素数2〜23の脂肪族アシル基を示し、XとYは相互に異なっていてもよく、qは10〜400の整数を示す。)
【0040】
上記一般式(2)において、重合度qは、通常10〜400、好ましくは15〜200、更に好ましくは20〜100である。重合度qが10未満の場合、導光板成形時のガス発生量が増加し、成形不良、ガス焼け、転写不良の原因となることがある。一方、重合度qが400を超える場合、芳香族ポリカーボネートの色相および透過率を向上させる効果が充分に得られない。
【0041】
上記ポリアルキレングリコールの具体例としては、上記一般式(2)中のRが水素原子であるポリエチレングリコール、メチル基であるポリプロピレングリコールが好ましい。また、ポリアルキレングリコールの脂肪酸エステルとしては、上記一般式(2)中のRが水素原子、X及びYが炭素数18の脂肪族アシル基(ステアロイル基:C1735CO−)であるポリエチレングリコールステアレート、Rがメチル基、X及びYがステアロイル基であるポリプロピレングリコールステアレート、Rが水素原子、X及びYが炭素数22の脂肪族アシル基であるポリエチレングリコールベヘネート、Rがメチル基、X及びYが炭素数22の脂肪族アシル基であるポリプロピレングリコールベヘネートが入手し易いため好ましい。上記のポリアルキレングリコール及びポリアルキレングリコールの脂肪酸エステルは、単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、導光板を得る際の成形温度が300℃を超える様な高い場合には、耐熱性の観点から、ポリアルキレングリコールの脂肪酸エステルを使用することが好ましい。
【0042】
上記ポリアルキレングリコール及びその脂肪酸エステルの使用量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.8重量部、更に好ましくは0.08〜0.4重量部である。ポリアルキレングリコール及びその脂肪酸エステルの量が少なすぎる場合、充分な輝度向上効果が得られず、一方、使用量が多すぎる場合は、芳香族ポリカーボネート樹脂が白濁し、透過率が低下する。
【0043】
本発明の導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレット及び導光板には、光線透過率および色相の向上、焼けごみ等のダスト発生防止のため、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤としては、亜リン酸エステル、リン酸エステル等のリン系酸化防止剤が挙げられる。
【0044】
上記の亜リン酸エステルとしては、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、モノブチルジフエニルホスファイト、モノオクチルジフエニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等の亜リン酸のトリエステル、ジエステル、モノエステル等が挙げられる。
【0045】
上記のリン酸エステルとしては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(ノニルフェニル)ホスフェート、2−エチルフェニルジフェニルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフエニレンホスフォナイト等が挙げられる。
【0046】
上記のリン系酸化防止剤の中でも、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましく、ペンタエリスリトール系、中でもビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイトが特に好ましい。なお、リン系酸化防止剤は、単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。リン系酸化防止剤の使用量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、通常0.005〜0.2重量部、好ましくは0.01〜0.1重量部である。
【0047】
また、本発明の導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレット及び導光板には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂、難燃剤、耐衝撃性改良剤、スリップ剤、滑剤、離型剤、防曇剤、着色剤などの導光板製造に常用される添加剤を配合することが出来る。
【0048】
本発明の面光源体は、本発明の導光板と光源とを備えて成る。例えば、楔形の導光板の厚肉端部に光源を配置して、携帯電話、携帯端末、カメラ、時計、ノートパソコン、ディスプレイ、照明、信号、自動車のテールランプ、電磁調理器の火力表示などに使用されるエッジ式の面光源体が構成される。光源としては、蛍光ランプの他、冷陰極管、LED、その他有機EL等の自己発光体を使用することが出来る。
【0049】
本発明の面光源体を液晶表示装置に使用する場合、バックライト方式またはフロントライト方式の何れも採用することが出来る。一例として、図1にバックライト方式の面光源体の概念図、図2にフロントライト方式の面光源体の概念図を示す。
【0050】
図1に示すバックライト方式の場合は、導光板(1)の第1面(11)に対向して反射部材(4)が配置される。また、導光板(1)の第2面(12)に対向して液晶表示素子(パネル)(3)が配置される。光源(2)から射出された光は、導光板(1)の端部から入射し、第1面(11)に設けられた凹凸部に衝突して散乱し、第1面(11)から射出され、反射部材(4)にて反射し、第1面(11)に再び入射し、第2面(12)から射出され、液晶表示素子(3)を照射する。液晶表示素子(3)と第2面(12)との間には、例えば、拡散シート(5)やプリズムシート(図示せず)を配置してもよい。なお、導光板に凹凸部を設けない場合は、複数のプリズムシートを使用して光に指向性を付与する。
【0051】
図2に示すフロントライト方式の場合は、第2面(12)に対向して液晶表示素子(3)が配置されている。光源(2)から射出された光は、導光板(1)の端部から導光板に入射し、第1面(11)に設けられた凹凸部に衝突して散乱し、第2面(12)から射出され、位相差フィルム(又は偏光フィルム)(6)を通過し、液晶表示素子(3)を通過する。そして、液晶表示素子(3)から射出された光は、液晶表示素子(3)の外側に配置された反射部材(4)によって反射し、液晶表示素子(3)を再び通過し、位相差フィルム(又は偏光フィルム)(6)を通過し、更には、導光板(1)を通過し、第1面(11)から射出される。この光が、液晶表示素子(3)に表示された画像などとして認識される。通常、第2面(12)の表面には、反射防止層(図示せず)が形成される。
【実施例】
【0052】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。以下に、各実施例および比較例において使用した原料について説明する。
【0053】
芳香族ポリカーボネート樹脂:
ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート(三菱ガス化学社製「ユーピロンH−4000F」フレークを以下の方法で処理してダストを除去した後、スクリュー径40mmのベント付単軸押出機を使用し、シリンダー温度250℃で溶融、混練、押出しを行い、得られたストランドをカットして導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットを製造した。なお、これらの芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は16,000、屈折率(nD)は1.58(25℃)である。
【0054】
PC1:メチレンクロライドに「ユーピロンH−4000F」フレークを溶解し、12%の樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を孔径5μmのフィルターでろ過した。さらに、孔径3μmのフィルターでろ過し、更に、孔径1μmのフィルターで2回ろ過し、ろ液を加熱して溶媒を蒸発除去し、得られた樹脂フレークをクリーンルーム内でペレット化した。
【0055】
PC2:メチレンクロライドに「ユーピロンH−4000F」フレークを溶解し、12%の樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を孔径5μmのフィルターでろ過した。さらに、孔径3μmのフィルター、次いで孔径1μmのフィルターでろ過し、ろ液を加熱して溶媒を蒸発除去し、得られた樹脂フレークをクリーンルーム内でペレット化した。
【0056】
PC3:メチレンクロライドに「ユーピロンH−4000F」フレークを溶解し、12%の樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を孔径5μmのフィルターでろ過した。さらに、孔径3μmのフィルターでろ過し、ろ液を加熱して溶媒を蒸発除去し、得られた樹脂フレークをクリーンルーム内でペレット化した。
【0057】
PC4:メチレンクロライドに「ユーピロンH−4000F」フレークを溶解し、12%の樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を孔径5μmのフィルターでろ過した。ろ液を加熱して溶媒を蒸発除去し、得られた樹脂フレークをクリーンルーム内でペレット化した。
【0058】
PC5:クリーンルーム内で「ユーピロンH−4000F」フレークをペレット化した。
【0059】
PC6:メチレンクロライドに「ユーピロンH−4000F」フレークを溶解し、12%の樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を孔径5μmのフィルターでろ過した。ろ液を加熱して溶媒を蒸発除去し、得られた樹脂フレークを通常の室内でペレット化した。
【0060】
以上で得られた「PC1」〜「PC6」について、ペレット化前の樹脂フレーク中のダスト量およびペレット化条件を下記表1に纏めて示す。なお、表中のダスト1及びダスト2は、後述の評価方法に従って求めた。
【0061】
【表1】

【0062】
酸化防止剤:旭電化工業社製「アデカスタブAS2112」(リン系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト)
【0063】
輝度向上剤:信越化学工業社製「KF56」(ジメチルジフェニルシロキサン(分岐タイプフェニルシロキサン含有)、nD=1.50(25℃)、動粘度=15cSt)
【0064】
輝度向上剤:東レ・ダウコーニングシリコーン社製「SH556」(メチルフェニルシロキサン(分岐タイプフェニルシロキサン含有)、nD=1.46(25℃)、動粘度=22cSt)
【0065】
輝度向上剤:日本油脂社製「NKL−9520」(ポリプロピレングリコールジステアレート(重合度30〜40)、nD=1.44(25℃))
【0066】
輝度向上剤:日本精鑞社製「155WAX」(パラフィンワックス、nD=1.43(80℃))
【0067】
各実施例および比較例において使用した評価方法は以下の通りである。
【0068】
(1)粘度平均分子量:
ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液(濃度0.5g/ml)を調製し、ウベローデ粘度計を使用し、容積法により25℃の極限粘度[η]を測定した。下記のSchnellの式より、粘度平均分子量を算出した。
【0069】
[数1]
[η]=1.23×10−4×(Mv)0.83
【0070】
(2)ダスト:
孔径0.05μmのフィルターでろ過した塩化メチレン100mlに、1gのポリカーボネート樹脂ペレット又は導光板の小片を溶解して試料溶液を調製する。HIAC/ROYCO社製の液体微粒子カウンターに上記試料溶液を通液し、光散乱法および光遮断法によりダスト数を測定した。粒径が0.5〜1.0μmのダストをダスト1、粒径が1.0μmを超えるダストをダスト2として、試料1g中のダストの個数をそれぞれ求めた。なお、塩化メチレンに溶解する前にポリカーボネート樹脂ペレット又は導光板の表面がダストで汚染された恐れがある場合、粒径0.5〜1.0μmのダストが10個/g以下である純水で超音波洗浄を行った後、塩化メチレンに溶解した。
【0071】
(3)全光線透過率:
射出成形機(日本製鋼所社製「J50」)を使用し、300℃の温度で導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットをプレート(90mm×50mm×3mm厚)に成形した。濁度計(日本電色工業社製「NDH−2000型」)を使用し、得られたプレートの全光線透過率を測定した。
【0072】
(4)平均輝度および輝度均整度:
暗室内において、凹凸パターン形成面が下面側となる様に導光板を配置し、且つ厚肉端部に冷陰極管を配置し、エッジ式のフロントライト方式の面光源体を作成した。次いで、凹凸パターン非形成面側の上方30cmの位置に輝度計(トプコン社製「トプコンBM−7」)を設置し、輝度を測定した。平均輝度は、幅3水準、長さ3水準の合計9箇所による測定値を平均して求めた。また、輝度均整度は下記式により算出した。
【0073】
[数2]
輝度均整度(%)=(輝度最小値/輝度最大値)×100
【0074】
実施例1〜4、参考例1〜2及び比較例1:
表2又は表3に示す処方でポリカーボネート樹脂および安定剤を配合し、上記表1に示す環境でペレット化して得られたペレットについて、120℃で5〜7時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した。このペレットを射出成形して、幅40mm、長さ60mm、薄肉部0.7mm、厚肉部0.9mmで、傾斜面にプリズム形状の凹凸パターンを形成して成る楔型断面形状の導光板を成形した。プリズム形状は、ピッチ200μm、深さ5μmの金型によって付与した。射出成形機としては、ソディックプラステック社製「ソディックTR100EH」を使用し、金型温度80℃、シリンダー温度300℃の条件で成形を行った。また射出成形工程はクリーンルーム内で実施した。
【0075】
得られた導光板に対し、平均輝度および輝度均整度を測定した。さらに、導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットに対し、全光線透過率を測定した。これらの評価結果を表2及び表3に示す。
【0076】
【表2】

【0077】
【表3】

【0078】
実施例5〜8及び参考例3:
表4に示す処方でポリカーボネート、安定剤および輝度向上剤を配合し、上記表1に示す環境でペレット化して得られたペレットについて、120℃で5〜7時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した。実施例1と同様の方法により得られたペレットを射出成形し、楔型断面形状の導光板を成形した。得られた導光板に対し、平均輝度を測定した。さらに、導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットに対し、全光線透過率を測定した。これらの評価結果を表4に示す。
【0079】
【表4】

【0080】
表2及び表3から明らかな様に、ダスト量を本発明の規定内に制御した実施例1〜4の導光板は、何れも、全光線透過率90%以上、平均輝度が1350以上であり、1,400を超える平均輝度をも達成し得る。またその輝度均整度は何れも80%以上である。参考例1では、導光板のダスト量が本発明の規定より大きいため、平均輝度は1350であるものの、輝度均整度は75%である。参考例2でも導光板のダスト量が本発明の規定より大きいため、平均輝度および輝度均整度が劣る。比較例1の導光板は、平均輝度、輝度均整度共に更に劣る。
【0081】
導光板の平均輝度は大きいほど好ましく、実施例で採用した測定法による場合は、平均輝度30cd/cmの差が明確な差異を示す。また視認性向上のため、輝度均整度が1%でも大きいことが要求される。
【0082】
また、表4から明らかな様に、ダスト量の制御と共に、輝度向上剤を使用することにより、実施例5〜8の導光板は、平均輝度および輝度均整度が共に大きく向上する。参考例3では、導光板のダスト量が本発明の規定より大きいため、輝度向上剤を使用することにより平均輝度および輝度均整度は向上するものの、その程度は、実施例5〜8に比し僅かである。
【符号の説明】
【0083】
1:導光板
2:光源
3:液晶表示素子
4:反射部材
5:拡散シート
6:位相差フィルム
11:導光板の第1面
12:導光板の第2面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒径0.5〜1.0μmのダストの含有量が50,000個/g以下であり、且つ、粒径1.0μmを超えるダストの含有量が3,000個/g以下である芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、屈折率が芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率より0.01以上小さいパラフィンワックス、ポリアルキレングリコール又はその脂肪酸エステルから成る群より選択される少なくとも1種である輝度向上剤0.01〜1重量部を含有することを特徴とする導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレット。
【請求項2】
芳香族ポリカーボネート樹脂より形成され、粒径0.5〜1.0μmのダストの含有量が50,000個/g以下であり、且つ、粒径1.0μmを超えるダストの含有量が3,000個/g以下であり、屈折率が芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率より0.01以上小さいパラフィンワックス、ポリアルキレングリコール又はその脂肪酸エステルから成る群より選択される少なくとも1種である輝度向上剤を含有することを特徴とする導光板。
【請求項3】
請求項1に記載の導光板用芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットを成形することを特徴とする請求項2に記載の導光板の製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載の導光板と光源とを備える面光源体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−13650(P2010−13650A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−188923(P2009−188923)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【分割の表示】特願2004−217609(P2004−217609)の分割
【原出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(594137579)三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 (609)
【Fターム(参考)】