説明

導管内の流体の流れを制御するデバイスおよび方法

バルブ11が、軸受け17A、17Bを支持する第1のハウジング13を備え、その軸受けが流体伝達通路57を収容するステータ51に対して回転可能なロータ19に取り付けられた回転シャフト15を支持する。ロータ19は、一連のベルビルワッシャタイプのばね25によって押し付けられ、その力は、シャフト15を支持するスラスト軸受け65に、スパイダワッシャ79を押し付けるねじ山付きの荷重ナット87によって調整可能である。ロータ19は、キーピン117によってシャフト15に堅牢に連結され、そのピンは制止部129と協働して、ロータ19の回転を制限する。ロータ19の位置感知は、シャフト15に固定されたエンコーダディスク143、および第2のハウジング131に固定されたエンコーダチップ145によってもたらされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年11月10日に出願の米国仮特許出願第60/523,165号(代理人整理番号03−375)の優先権を主張するものである。これらの出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、導管内の流体の流れを制御するデバイスおよび方法に関する。そして特に、本発明の実施形態は、超高圧クロマトグラフィなどの高圧の用途に関するバルブに関する。
【背景技術】
【0003】
高圧バルブは、これまで特に分析処理およびクロマトグラフィックプロセスにおいて使用されている。より速い分離を達成し、処理能力を向上させるためにより高い圧力を加えることに関心が集まっている。しかし、超高圧では、バルブおよびその他の構成要素は信頼性が低くなる。
【0004】
本明細書では、用語、「クロマトグラフィックプロセス」は、化合物がそのような相の中または周囲に移動すると、固定相に対する化合物の親和性においての違いの結果として、1つの化合物を別の化合物から分離するプロセスを指す。
【0005】
用語、高圧クロマトグラフィは、1平方インチ当り4,000ポンド以下の圧力を使用するクロマトグラフィックプロセスを指す。超高圧クロマトグラフィは、1平方インチ当り4,000ポンドより多い圧力を使用するクロマトグラフィックプロセスを指す。
【0006】
分析処理に使用されるポンプおよび検出器はより高圧で作動されると、そのような設備の構成要素は、より高い率で故障が発生する。シール部、軸受け要素、ばね、およびモータ上の荷重は、より大きくなる。シャフトおよび軸を回転させるのに必要なトルクは、より大きくなる。荷重が増加すると、流れ制御部およびシーリングフィーチャ(sealing features)の位置合わせおよび位置決めが、バルブ性能および耐用年数にとってより重要になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
クロマトグラフィ用に非常に高い圧力で正確に高い信頼性で動作できるバルブを有することが望ましい。磨耗および劣化を受ける部品および構成要素を交換し、完全に機能的なままであるその他の要素を維持するように点検できるバルブを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、導管内の流体の流れを制御するデバイスおよび方法、および、そのようなデバイスを作製し点検する方法を対象とする。デバイスおよび方法は、クロマトグラフィの領域での特定の用途を有する。しかし、流体工学の分野の技術者は、本発明のデバイスおよび方法の広範囲の用途を認識するであろう。
【0009】
本発明の1つの実施形態が、導管内の流体の流れを制御するためのバルブなどのデバイスを対象とする。デバイスは、カートリッジハウジング、バルブシャフト、バルブシャフト軸受け、ロータ、ステータ、およびロータをステータに押し付けるための圧力手段を備える。
【0010】
カートリッジハウジングは、内壁、外壁および端部壁を有する。内壁は、実質的に円筒のチャンバを定める。チャンバは、第1の端部、第2の端部、チャンバ軸、および少なくとも1つの直径を有する。端部壁は、端部のうちの1つにあり、軸受け開口部を有する。
【0011】
バルブシャフトは、チャンバ内にある。バルブシャフトは回転可能であり、チャンバ軸と整列するバルブシャフトの回転軸を有する。バルブシャフト軸受けは、軸受け開口部に保持され、バルブシャフトを回転できるように受ける。
【0012】
ロータは、バルブシャフトに回転できるように連結され、端部壁の反対側のチャンバの端部に配置されている。ロータは、1つまたは複数の流体チャネルを有するロータ軸受け面を有する。
【0013】
ステータは、少なくとも1つのステータ外面と少なくとも1つのステータ内面を有する。ステータ内面は、ロータ軸受け面を受けるためのステータ軸受け面を有する。ロータ軸受け面とステータ軸受け面は、ロータ軸受け面がステータ軸受け面に対して回転できるように協働する。ステータは、端部壁の反対側でチャンバの端部の周囲に受けられ固定される。ステータは、少なくとも2つのステータ流体開口部を有する。各ステータ流体開口部は、ステータ外部からロータ軸受け面に延びる。ロータの前記1つまたは複数のチャネルと整列して、ロータが第1の位置を取ると、開口部が開口位置を定める。また、1つまたは複数のチャネルから外れてロータ軸受け面と整列して、ロータが第2の位置を取ると、開口部が閉鎖位置を有する。したがって、ロータおよびステータは、開口位置を定める第1の位置を有し、その位置では、流体がステータ流体開口部のうちの1つに受けられ、チャネルを通って流れ、第2のステータ流体開口部を出る。また、ステータおよびロータは閉位置を有し、その位置で流体は、ロータ軸受け面によって1つのステータ流体開口部から他のステータ流体開口部に流れるのを妨げられる。
【0014】
デバイスは、バルブシャフトおよびロータの回転が、流体が1つのバルブシャフト位置に流れるのを可能にし、流体が第2のバルブシャフト位置に流れるのを不可能にするように、前記ロータ軸受け面を前記ハウジング軸受け面に押し付けるための圧力手段を有する。圧力手段は、前記端部壁およびバルブシャフトを係合する。好ましくは、圧力手段は、シーリングおよび圧力ばねを備える。
【0015】
好ましくは、デバイスは、前記ステータをカートリッジハウジングに固定するステータ保持手段を有する。また、好ましくは、ステータ保持手段は、ロータ圧力手段およびシャフトがカートリッジハウジングチャンバに摺動可能に受けられ、ロータがシャフトに積み重ねられることができるように、ステータをカートリッジハウジングに解放可能に固定する。好ましいステータ保持手段は、クランプ、ねじ込み継手などから選択される。1つの好ましいステータ保持手段は、1つまたは複数のねじを備え、そのねじは、ステータ内で1つまたは複数のねじ開口部と協働し、カートリッジハウジング内で1つまたは複数のねじ山付きの開口部と協働する。
【0016】
好ましくは、デバイスは、ロータピンをさらに備え、ロータはロータピン開口部を有し、ステータはステータピン開口部を有し、シャフトはシャフトピン開口部を有する。ロータのチャネルを前記ステータ流体開口部と整列させるために、ロータピンは、ロータ開口部を貫通し、シャフトピン開口部内に、またステータピン開口部に延びる。
【0017】
好ましくは、ロータおよびシャフトはキー止めされる。たとえば、キー止め部(keying)は、端部ハブを有するシャフトを備え、前記ロータが前記ロータシャフトと共に回転するように、端部ハブがロータをキー止めするための手段を有することができる。キー止め部は、ロータおよび端部ハブから選択される群のうちの少なくとも1つにおける位置を有する少なくとも1つのキー開口部を備える。キー開口部は、ロータと関連付けられたキーピン、およびキー開口部を備えない端部ハブと協働しそれを受け、あるいはキー開口部はロータおよび端部ハブのキー開口を貫通して延びる。
【0018】
好ましくは、前記ロータおよび前記シャフトから選択される群のうちの少なくとも1つが、ハウジングに対するロータの角度回転を防止するための制止手段を有する。これは、ロータを第1のおよび/または第2の位置に配置する手段を提供する。1つの制止手段がカートリッジハウジングの円筒形の壁から突出する制止要素を備える。ロータおよびシャフトのうちの少なくとも1つが、回転を防止するために制止要素に当接する制止当接面を有する。好ましくは、キーピンが制止当接面を有し、カートリッジハウジングが円筒形の壁から突出する制止要素を有する。また、好ましくは、当接面がカートリッジハウジングを貫通してチャンバ内に延びる整列ピンである。
【0019】
好ましくは、ロータおよびシャフトから選択される群のうちの少なくとも1つが位置感知手段を有する。位置感知手段は、ロータが第1の位置または第2の位置にあるとき信号を生成する。また、さらにより好ましくは、位置感知手段が、ロータが第1の位置にあるとき第1の信号を生成し、前記ロータが第2の位置にあるとき第2の信号を生成する。位置感知手段は、制御手段と接続するためのものである。当分野の技術者は、適切なメモリ、およびソフトウェアを有するコンピュータプロセッシングユニット、CPUなどの制御手段に気付くであろう。制御手段は、ロータの位置を決定する信号を受け取る。
【0020】
好ましい位置感知手段が、ハウジング、ならびにシャフトおよびロータから選択される群のうちの少なくとも1つと関連付けられた光センサおよび発光装置を備える。たとえば、シャフトおよびロータが、発光装置によって照射された場合にバーコードリーダの性質を持つ光センサによって検知可能なマーキングを有する。好ましい発光装置および光センサが、カートリッジハウジングの外部に固定され、カートリッジハウジングは、ロータまたはシャフトを照射した後に、光がチャンバに入りチャンバを出ることができるように、発光装置および光センサと連絡する少なくとも1つのウインドウ手段を有する。
【0021】
好ましくは、圧力手段は少なくとも1つのばねおよび密封手段を備える。好ましくは、前記ばねは前記シャフトを実質的に取り囲む浮動ばねである。本明細書では、「浮動している」は、ばねがシャフトまたはハウジングに固定されず、回転に影響しないことを意味する。1つの好ましいばねは、ベルビル(belleville)アセンブリである。ベルビルアセンブリは、円錐形を有する積み重ねられたばねワッシャを備え、そのばねワッシャは、圧縮されると円筒形の壁およびシャフトに内方向および外方向の密封力を働かせる。好ましくは、アセンブリは、ロータをステータからねじることのない回転を可能にするスラスト軸受けを備える。
【0022】
好ましくは、シャフトは、ばね、またはベルビルアセンブリを受けるためのばねハブを有する。
【0023】
好ましくは、圧力手段は調整可能である。本発明の1つの実施形態は、荷重調整スパイダ(adjustment load spider)を備える調整手段を特徴として備える。荷重調整スパイダは、カートリッジハウジングの端部壁でスパイダ開口部と協働する脚部を有する。脚部および開口部は、協働するねじ山を有する。あるいは、その代わりに、調整手段は荷重調整スパイダを備え、ハウジングの端部壁は荷重ナット開口部を有する。ハウジングは、ばねの圧縮を調整するためにスパイダと連係している荷重ナットを受けるための手段を有する。たとえば、ハウジングは荷重ナット嵌凹部を有し、荷重ナット嵌凹部は前記荷重ナットを受けるためのねじ山を有する。荷重ナットは、ハウジングの端部壁のスパイダ開口部を通るスパイダの脚部を介してチャンバに保持されるばねの圧縮を調整するために、締め付けられまたは緩められる。圧力手段は、実質的に閉鎖されたシステムを4,000psi以上の範囲の圧力に維持するために、ロータおよびステータに圧力を働かせる。本デバイスのいくつかの実施形態を用いて、40,000psiまでの圧力が実現できる。
【0024】
好ましくは、シャフトは、動力シャフト上に協働する歯付きカプリングを受けるための歯付きカプリングを有する。また、好ましくは、動力シャフトは、モータから動力を受けるための動力伝達手段と関連付けられている。本発明の1つの実施形態は、第1の区画および第2の区画を有する第2のハウジングを特徴として備える。第1の区画は、第1のハウジングを保持する。第2の区画は、少なくとも1つの内壁、1つの外壁、および1つの端部壁を備える。内壁は円筒形のチャンバを定め、端部壁はチャンバを終端させる。端部壁は、動力シャフトを受けるための開口部を有する。チャンバは、伝動装置の様式でモータから動力シャフトに回転力を伝達するような構造にされ配置にされた1つまたは複数の歯車を収容する。
【0025】
好ましくは、デバイスはさらに、動力シャフトを回転させるための伝動装置に連結されるモータを備える。
【0026】
好ましくは、シャフト感知手段は、エンコーダディスクおよびエンコーダを備える。エンコーダは、第2ハウジングの内壁に固定され、エンコーダディスクは、動力シャフトに受けられる。エンコーダディスクは、動力シャフトの位置を相関させる位置決めの表示を有する。好ましくは、エンコーダディスクは、そのようなエンコードされたディスクが軸方向に定位置に置かれることができるように、そのようなエンコーダチップが内壁に嵌合されると、エンコーダチップと協働するような寸法にされた窪み(indent)を有する。
【0027】
好ましくは、デバイスの第2ハウジングは動力シャフト感知手段を収容する。動力シャフト感知手段は、動力シャフトの回転位置に反応して、1つまたは複数の信号を生成する。
【0028】
好ましくは、デバイスは、バルブの動作を記録するメモリ手段を有する。メモリデバイスは、行われた動作の数を監視して、日常の保守の順番になると通知するようにコンピュータと連絡することが可能である。
【0029】
本発明のさらなる実施形態は、導管内の流体の流れを制御するためのデバイスを作製する方法を含む。この方法は、内壁、外壁および端部壁を有するカートリッジハウジングを提供するステップを含む。内壁は実質的に円筒のチャンバを定める。チャンバは、第1の端部、第2の端部、チャンバ軸、および少なくとも1つの直径を有する。端部壁は、端部のうちの1つにあり、軸受け開口部を有する。この方法はさらに、バルブシャフト軸受けを軸受け開口部に嵌入させるステップを含む。次に、圧力手段がバルブシャフトの周りに嵌合される。またバルブシャフトは、チャンバ内に回転できるように配置される。バルブシャフトは回転可能であり、チャンバ軸と整列するバルブシャフト回転軸を有する。圧力手段は、バルブシャフトおよびロータの回転が、1つのバルブシャフト位置で流体が流れることができるようにし、第2のバルブシャフト位置で流体が流れることができないようにするように、ロータ軸受け面をステータ軸受け面に押し付けるためのものである。圧力手段は、前記端部壁および前記バルブシャフトを係合する。好ましくは、圧力手段はシーリングおよび圧力ばねを備える。次に、ロータは、端部壁の反対側のチャンバの端部のところに配置され、バルブシャフトに回転できるように連結されている。ロータは、1つまたは複数のチャネルを有するロータ軸受け面を有する。ステータは、カートリッジハウジングに嵌合されている。ステータは、少なくとも1つのステータ外面および少なくとも1つのステータ内面を有する。ステータ内面は、ロータ軸受け面を受けるためのステータ軸受け面を有する。ロータ軸受け面およびステータ軸受け面は、ロータ軸受け面がステータ軸受け面に対して回転できるように協働する。ステータは、端部壁の反対側のチャンバの端部の周囲に受けられ固定される。ステータは、少なくとも2つのステータ流体開口部を有する。各ステータ流体開口部は、ステータ外部からロータ軸受け面に延びる。前記1つまたは複数の、ロータのチャネルと整列して、ロータが第1の位置を取ると、開口部が開口位置を定める。また、ロータが第2の位置を取ると、1つまたは複数のチャネルから外れてロータ軸受け面と整列して、開口部は閉鎖位置を有する。したがって、ロータおよびステータは、開口位置を定める第1の位置を有し、その位置では流体がステータ流体開口部のうちの1つに受けられ、チャネルを通って流れ、第2のステータ流体開口部を出る。また、ステータおよびロータは、閉鎖位置を有し、その場所では、ロータ軸受け面によって、流体が一方のステータ流体開口部から、他方のステータ流体開口部に流れるのを防がれる。
【0030】
好ましくは、この方法は、前記ステータをカートリッジハウジングに固定するステータ保持手段を使用する。また、好ましくは、ロータ圧力手段およびシャフトがカートリッジハウジングチャンバに摺動可能に受けられ、ロータがシャフトに積み重ねられるようにできるように、ステータ保持手段は、カートリッジハウジングにステータを解放可能に固定する。したがって、デバイスは点検のために解体することができる。
【0031】
好ましくは、この方法はさらにロータピンを嵌合することを含む。この実施形態では、ロータはロータピン開口部を有し、ステータはステータピン開口部を有し、シャフトがシャフトピン開口部を有する。ロータのチャネルをステータ流体開口部と整列させるために、ロータピンがロータ開口部を貫通し、シャフトピン開口部内に、またステータピン開口部に延びる。
【0032】
好ましくは、この方法はさらに、キーを嵌合させることにより、ロータおよびバルブシャフトを固定するステップを含む。たとえば、キー止め部は、端部ハブを有するシャフトを備え、前記ロータが前記ロータと共に回転するように、端部ハブはロータをキー止めするための手段を有することができる。好ましくは、キー止め部は、ロータおよび端部ハブから選択される群のうちの少なくとも1つにおける位置を有する少なくとも1つのキー開口部を備える。キー開口部は、ロータと関連付けられたキーピンおよびキー開口部を備えない端部ハブと協働しそれを受け、あるいはロータおよび端部ハブのキー開口部を貫通して延びる。
【0033】
好ましくは、この方法は制止手段を嵌合するステップを含む。前記ロータおよび前記シャフトから選択される群のうちの少なくとも1つが、ハウジングに対するロータの角度回転を防止するための制止手段を有する。これは、ロータを第1のおよび/または第2の位置に配置する手段を提供する。1つの制止手段がカートリッジハウジングの円筒形の壁から突出する制止要素を備える。ロータおよびシャフトのうちの少なくとも1つが、回転を防止するために制止要素に当接する制止当接面を有する。好ましくは、キーピンが制止当接面を有し、カートリッジハウジングが円筒形の壁から突出する制止要素を有する。また、好ましくは、当接面がカートリッジハウジングを貫通してチャンバ内に延びる当接ピンである。
【0034】
好ましくは、この方法はさらに、以下の1つまたは複数の、位置感知手段、制御手段、伝達手段、およびモータ手段を嵌合するステップを含む。
【0035】
本発明のさらなる実施形態は、導管内の流体の流れを制御する方法を対象としている。この方法は、導管内でカートリッジハウジング、バルブシャフト、バルブシャフト軸受け、ロータ、ステータ、および上記のようにステータをロータに押し付けるための圧力手段を有するデバイスを提供するステップを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の、これらのおよびその他の特徴および利点は、図面および以下の詳細な説明を研究すると、当分野の技術者には明らかになるであろう。
【0037】
本発明の実施形態は、導管内の流体の流れを制御するデバイスおよび方法として、また、そのようなデバイスを作製し修理する方法として詳細に説明される。デバイスおよび方法は、クロマトグラフィの領域での特定の用途を有する。しかし、流体工学の分野の技術者は、クロマトグラフィおよび分析プロセス以外の領域での本発明のデバイスおよび方法の広範囲の用途を認識するであろう。確かに、本発明の実施形態は、バルブが使用されるならどの場所でも用途を有する。
【0038】
導管内の流体の流れを制御するためのバルブなどのデバイスを対象とする、本発明の実施形態は、図面に対して詳細に説明される。次に図1を参照すると、本発明の特徴を実施するデバイス11が示される。デバイス11は、カートリッジハウジング13、バルブシャフト15、バルブシャフト軸受け17AおよびB、ロータ19、ステータ21、およびロータ19をステータ21に押し付けるための圧力手段25を備える。
【0039】
カートリッジハウジング13は、内壁27、外壁29および端部壁31を有する。内壁27は、実質的に円筒のチャンバ33を定める。チャンバ33は、第1の端部35、第2の端部37、チャンバ軸41、および少なくとも1つの直径43を有する。端部壁31は、端部37のうちの1つにあり、軸受け開口部39を有する。
【0040】
バルブシャフト15は、チャンバ33内に保持される。バルブシャフト15は回転可能であり、チャンバ軸41と整列するバルブシャフトの回転軸を有する。バルブシャフト軸受け17Aは、軸受け開口部39に保持され、バルブシャフト15を回転できるように受ける。バルブシャフト軸受け7Bは、端部壁27の反対側のチャンバ33の端部35に保持される。
【0041】
バルブシャフト15は、バルブシャフト軸受け17AおよびBに保持される。ロータ19は、端部壁27の反対側のチャンバ33の端部35のところに配置されて、回転のために、ステータ21に近接してバルブシャフト15に固定されている。図2を手短に参照すると、ロータ19は、1つまたは複数のチャネル47を有するロータ軸受け面45を有し、チャネルのうちの1つのみが示される。
【0042】
ステータ21は、少なくとも1つのステータ外面51と少なくとも1つのステータ内面53を有する。ステータ内面53は、ロータ軸受け面45を受けるためのステータ軸受け面55を有する。ロータ軸受け面45とステータ軸受け面55は、ロータ軸受け面45がステータ軸受け面55に対して回転できるように協働する。
【0043】
ステータ21は、端部壁31の反対側でチャンバ33の端部35の周囲に受けられ固定される。ステータ21は、少なくとも2つのステータ流体開口部57を有し、そのうちの1つのみが図1に示される。各ステータ流体開口部57は、ステータ外部51からロータ軸受け面55に延びる。ロータ19の前記1つまたは複数のチャネル47と整列して、ロータ19が第1の位置を取ると、開口部57が開口位置を定める。この第1の位置は、図2に示され、円57aがチャネル47の端部で開口部57を表す。
【0044】
円57bによって図2に示されるような、開口部57が1つまたは複数のチャネルと連絡していないロータ軸受け面45と整列して、ロータが第2の位置を取ると、開口部57が閉位置になる。したがって、ロータ19およびステータ21は、開口位置を定める第1の位置を有し、その位置では、流体がステータ流体開口部57のうちの1つに受けられ、チャネル47を通って流れ、第2のステータ流体開口部57を出る。また、ステータ21およびロータ19は閉位置を有し、そこで流体は、ロータ軸受け面45によって1つのステータ流体開口部57から他のステータ流体開口部57に流れるのを妨げられている。
【0045】
デバイス11は、バルブシャフト15およびロータ19の回転が、1つのバルブシャフト位置で流体が流れるのを可能にし、第2のバルブシャフト位置で流体が流れるのを不可能にするように、前記ロータ軸受け面45をステータ軸受け面55に押し付けるための圧力手段25を有する。圧力手段25は、端部壁31およびバルブシャフト15を係合する。好ましくは、圧力手段25は、軸受けおよびばねを備える。好ましくは、ばねは浮動しており、実質的にシャフトを取り囲んでいる。本明細書では、「浮動している」は、ばねがシャフトまたはハウジングに固定されず、回転に影響しないことを意味する。1つの好ましいばねおよびシールは、ベルビルアセンブリ(belleville assembly)61である。ベルビルアセンブリ61は、積み重ねばねワッシャ63を備える。各ばねワッシャ63は、圧縮されると、バルブシャフト15に内方向の力を働かせ、荷重ナット77に外方向の密封力を働かせる円錐形を有する。ベルビルアセンブリがロータ19上で耐え、再アサートする(reassert)ことができる圧縮の量は、チャンバ33のワッシャ63の数および配置によって制御される。好ましくは、ベルビルアセンブリ63は、過度の摩擦のないバルブシャフト15の回転を可能にするスラスト軸受け65を備える。
【0046】
バルブシャフト15は、ベルビルアセンブリ61のばねワッシャ63を受けるショルダ部71を有する。
【0047】
好ましくは、圧力手段21は、調整可能である。本発明の1つの実施形態は、荷重調整ナット87および荷重スパイダ79を備える調整手段77を特徴として備える。荷重調整ナット87は、カートリッジハウジング13のねじ山と協働するねじ山を有する。スパイダワッシャ79は、カートリッジハウジング13の端部壁31にスロット81と協働する脚部を有する。あるいは、示されるように、調整手段77は、荷重調整スパイダ79を備え、ハウジング13の端部壁31は荷重ナット開口部85を有する。カートリッジハウジング13は、ベルビルアセンブリ61の圧縮を調整するために、荷重調整スパイダ79と連係する荷重ナット87を受けるためのねじ山付きの荷重ナット陥凹部(recess)85を有する。荷重ナット87は、チャンバに保持されるばね63の圧縮を調整するために締め付けられまたは緩められる。圧力手段は、実質的に閉鎖されたシステムを4,000psi以上の範囲の圧力に維持するために、ロータ19およびステータ21に圧力を働かせる。本デバイス11のいくつかの実施形態を用いて、40,000psiまでの圧力が実現できる。
【0048】
ステータ保持手段95は、ステータ21をカートリッジハウジング13に解放可能に固定する。ステータ保持手段95は、クランプ(図示されない)、ねじ込み継手などから選択される。図示されるように、ステータ保持手段95は、1つまたは複数のねじを備え、そのねじは、ステータ21内で1つまたは複数のねじ開口部97と協働し、カートリッジハウジング13内で1つまたは複数のねじ山付きの開口部99と協働する。ステータ保持手段は、圧力手段25およびバルブシャフト15がカートリッジハウジングチャンバ33に摺動可能に受けられ、ロータ19がバルブシャフト15に積み重ねられることができるように、ステータ21をカートリッジハウジング13に解放可能に固定する。
【0049】
ロータピン103がロータピン開口部105およびシャフトピン開口部109に受けられる。ロータ19のチャネル47を前記ステータ流体開口部57と整列させるために、ロータピン103がロータ開口部105を通って延び、シャフトピン開口部109に入る。
【0050】
ロータ19およびシャフト15は、一致して回転するためにキー止めされる。図1に示されるように、バルブシャフト15が一体型端部ハブ111を有する。端部ハブ111は、少なくとも1つのハブキー開口部113を有し、ロータ19は少なくとも1つのロータキー開口部115を有する。ハブキー開口部113およびロータキー開口部は、協働してキーピン117を受ける。あるいは、ロータ19および端部ハブ111は、嵌め合いノブおよび窪みまたは歯などのその他のキー止め手段を有する。
【0051】
図1に示されるように、ロータ19およびバルブシャフト15はカートリッジハウジング13に対して角度回転するのを妨げるための抑止手段129を有する。抑止手段129は、第1および/または第2の位置にロータ19を配置するのを容易にする。抑止手段129は、カートリッジハウジング13の円筒壁33から突出する抑止ピンを備える。ロータ19およびバルブシャフト15は、回転を防止するためのストップピン129に当接する抑止当接面を有する。キーピン113は、ストップピン129と協働するような構造にされ配列にされた抑止当接面を有する。好ましくは、ストップピン129は、ハウジング内でカートリッジアセンブリ11の角度配置をもたらすために、カートリッジハウジング13を通って外部に延びる。
【0052】
バルブシャフト15は、図3で最もよく分かるように、動力シャフト121上に、協働する歯付きカプリング119を受けるための歯付きカプリング117を有する。動力シャフト121は、モータ170から動力を受けるための動力伝達手段123と関連付けられている。図示されるように、デバイス11はさらに、第1の区画133および第2の区画135を有する第2のハウジング131を備える。第1の区画133は、カートリッジハウジング13を保持する。ロータ19は、ハウジング131に向いた位置になっている。図3で最もよく分かるように、センタリングリング83が第2のハウジング131内でカートリッジアセンブリ11の中心位置を与える。第2の区画135は、伝動装置の様式でモータ171から動力シャフト121に回転力を伝達するような構造にされ配置にされた、1つまたは複数の歯車123を収容するための円筒形のチャンバ137を定める。
【0053】
抑止ピン115は、第2のハウジング131でカートリッジハウジング13の装着を容易にするために、第2のハウジング131内でセンタリンググルーブ146と協働する。センタリングリング139およびリングばね139aが第2のハウジング131内でカートリッジハウジング13をセンタリングし整列させる。センタリングリング139は、ねじ山(図示されない)またはねじ、およびねじ山付きの開口部(図示されない)を協働させることによって第2のハウジング131に固定されている。
【0054】
第2のハウジングは、動力シャフト、ロータ、またはバルブシャフト感知手段を収容する。図3は、動力シャフト121の回転位置に反応して1つまたは複数の信号を生成するための動力シャフト感知手段141を示す。動力シャフト感知手段141は、エンコーダディスク143、およびエンコーダチップ145を備える。エンコーダチップ145は、エンコーダチップ支持部147に装着されている。動力シャフト感知手段141は、エンコーダカバー149によってカートリッジハウジング13の残りの部分から遮蔽される。次に図6を参照すると、エンコーダディスク143が、動力シャフト121上にエンコーダディスク143の軸方向の挿入を可能にするような寸法にされ、エンコーダチップ145の下の位置に回転される窪み143aを有する。
【0055】
あるいは、ロータ19およびバルブシャフト15がロータ19の位置を決定するための手段を有する。図4を参照すると、デバイス11が第2のハウジング133と関連付けられた光センサおよび発光装置151を有して図示されている。光センサおよび発光装置151は、カートリッジハウジング13内の開口部を貫通して延びる光ファイバのペア153と協働して、バルブシャフト15上のマーキング(図示せず)を照射して読み取る。あるいは、光センサおよび発光装置151および光ファイバのペア153は、ロータ19上のマーキング(図示されない)と協働する。当分野で知られたバーコードタイプのマーキングの形でのマーキングは、発光装置によって照射されると、光センサによって検出可能になる。
【0056】
光センサおよび発光装置151は、ロータ19が第1の位置にあるとき1つの信号を生成し、ロータが第2の位置にあるとき第2の信号を生成する。位置感知手段141、光センサおよび発光装置151は、制御手段と接続している(図示されない)。当分野の技術者は、適切なメモリ、およびソフトウェアを有するコンピュータプロセッシングユニット、CPUなどの制御手段に気付くであろう。制御手段は、ロータの位置を決定するための信号を受け取る。
【0057】
次に図5を参照すると、デバイス11がケーブル163によって取り付けられたメモリディスク161を有する。メモリディスク161は、行われた動作の数を更新し監視して、日常の保守の順番になると通知するようにコンピュータと連絡することが可能である。メモリディスク161は、Dallas Semi conductor社などのいくつかの取り扱い業者によって販売されている。
【0058】
本発明のさらなる実施形態は、導管内の流体の流れを制御するためのデバイス11を作製する方法を含む。この方法は、内壁27、外壁29および端部壁31を有するカートリッジハウジング13を提供するステップを含む。内壁27は実質的に円筒のチャンバ33を定める。チャンバ33は、第1の端部35、第2の端部37、チャンバ軸41、および少なくとも1つの直径43を有する。端部壁29は、端部37のうちの1つにあり、軸受け開口部39を有する。この方法はさらに、バルブシャフト軸受け17を軸受け開口部39に嵌入させるステップを含む。次に、圧力手段25がバルブシャフトの周りに嵌合され、バルブシャフト15がチャンバ33内に配置される。バルブシャフト15は、回転可能であり、チャンバ軸41と整列するバルブシャフト回転軸を有する。圧力手段25は、端部壁31、荷重ナット87、およびバルブシャフト15を係合する。次に、ロータ19が、端部壁31の反対側のチャンバ33の端部35のところに配置され、バルブシャフト15に回転できるように連結されている。ロータ19は、1つまたは複数のチャネル47を有するロータ軸受け面45を有する。ステータ21は、カートリッジハウジング13に嵌合されている。ステータ21は、ロータ軸受け面45を受けるためのステータ軸受け面55を有する。ロータ軸受け面45およびステータ軸受け面55は、ロータ軸受け面45がステータ軸受け面55に対して回転できるように協働する。ステータ21は、端部壁31の反対側のチャンバ33の端部の周囲に受けられ固定される。カートリッジハウジング13は、第2のハウジング133およびモータ171に嵌合されている。
【0059】
好ましくは、この方法は、前記ステータ21をカートリッジハウジング13に固定するステータ保持手段95を使用する。また、好ましくは、ステータ保持手段95は、カートリッジハウジング13にステータ21を解放可能に固定し、圧力手段25およびバルブシャフト15がチャンバ33から摺動可能に受けられおよび/または取外されることを可能にする。したがって、デバイスは点検のために解体することができる。
【0060】
好ましくは、この方法はさらにロータピン103および当接ピン115を嵌合することを含む。また、好ましくは、スパイダ79は圧力手段25内で適切な圧力を生成するように調整される。また、最後に、位置感知手段、伝達歯車123、およびモータ170を有する第2のハウジング133が、カートリッジハウジング13に固定されている。
【0061】
本発明のさらなる実施形態は、導管内の流体の流れを制御する方法を対象としている。この方法は、デバイス11の動作と関連して説明されている。この方法は、カートリッジハウジング13、バルブシャフト15、バルブシャフト軸受け17、ロータ19、ステータ21、および上述のようにステータをロータに押し付けるための圧力手段25を有するデバイス11を導管に提供するステップを含む。
【0062】
ステータ21は、少なくとも2つのステータ流体開口部57を有する。各ステータ流体開口部57は、ステータ外部51からロータ軸受け面45に延びる。ロータ19の前記1つまたは複数のチャネル47と整列して、ロータ19が第1の位置を取ると、開口部57が開口位置を定める。また、ロータが第2の位置を取ると、1つまたは複数のチャネル47から外れてロータ軸受け面45と整列して、開口部57は、閉鎖位置を有する。したがって、ロータ19およびステータ21は、開口位置を定める第1の位置を有し、その位置では流体がステータ流体開口部57のうちの1つに受けられ、チャネル47を通って流れ、第2のステータ流体開口部57を出る。また、ステータ21およびロータ19は、閉鎖位置を有し、その場所では、ロータ軸受け面45によって、流体が一方のステータ流体開口部57から、他方のステータ流体開口部57に流れるのを妨げられる。
【0063】
このように、本発明を好ましい実施形態に関して、本発明がそのような説明に限定されず、添付の特許請求の範囲の主題を包含するものであることの理解と共に説明してきた。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の特徴を実施するデバイスの四半分区域の切断図である。
【図2】本発明の特徴を実施するロータを示す図である。
【図3】本発明の特徴を実施するデバイスの四半分区域の切断図である。
【図4】本発明の特徴を実施するデバイスの四半分区域の切断図である。
【図5】本発明の特徴を実施するデバイスの四半分区域の部分切断図である。
【図6】本発明の特徴を実施するデバイスの切断図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導管内の流体の流れを制御するためのデバイスであって、
a.少なくとも1つの内壁と外壁を有する第1のハウジングであって、前記少なくとも1つの内壁が実質的に円筒形のチャンバを定め、前記チャンバが、第1の端部、第2の端部、チャンバ軸、および少なくとも1つの直径を有し、前記第1の端部および第2の端部のうちの少なくとも1つが軸受け開口部を備える端部壁を有する第1のハウジングと、
b.前記チャンバ内に配置されたバルブシャフトであって、前記バルブシャフトが前記チャンバ軸と整列するバルブシャフト回転軸を有し、前記バルブシャフトが前記バルブシャフト回転軸の周りで回転することができるバルブシャフトと、
c.前記軸受け開口部に保持され、回転できるように前記シャフトを受けるバルブシャフト軸受けと、
d.前記端部壁の反対側の、前記第1の端部および第2の端部のうちの1つに配置された、前記シャフトに共に回転できるように連結されたロータであって、前記ロータが1つまたは複数のチャネルを有するロータ軸受け面を含むロータと、
e.少なくとも1つのステータ外面および少なくとも1つのステータ内面を有するステータであって、前記ステータ内面がステータ軸受け面を有し、前記ステータ軸受け面がロータ軸受け面を受け、前記ロータ軸受け面を前記ステータ軸受け面に対して回転可能にし、前記ステータが前記軸受け開口部の反対側の前記チャンバの前記端部の周りに取り外し可能に受けられ、前記ステータが少なくとも2つのステータ流体開口部を有し、前記各ステータ流体開口部が、前記ステータ外部から前記ロータ軸受け面に延び、ロータが第1の位置を取ると、前記1つまたは複数のチャネルと整列して開口位置を定め、ロータが第2の位置を取ると、1つまたは複数のチャネルから外れてロータ軸受け面と整列して閉鎖位置を定め、前記第1の位置が、流体が前記ステータ流体開口部のうちの1つに受けられ前記チャネルを通って流れ、第2のステータ流体開口部を出る開口位置、および流体がロータ軸受け面によって、一方のステータ流体開口部から他方のステータ流体開口部に流れるのを妨げられる閉鎖位置を定めるステータと、
f.バルブシャフトおよびロータの回転が、1つのバルブシャフト位置で流体が流れることを可能にし、第2のバルブシャフト位置で流体が流れることを不可能にするように、前記ステータ軸受け面に前記ロータ軸受け面を押し付けるための圧力手段であって、前記圧力手段が前記端部壁および前記バルブシャフトを係合する圧力手段とを備えるデバイス。
【請求項2】
前記ステータを前記ハウジングに固定する、ステータ保持手段をさらに備える請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ステータ保持手段が、前記ロータ圧力手段およびシャフトが前記ステータ開口部によって摺動可能に受けられることができるように、前記ステータを前記ハウジングに解放可能に固定する請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ステータ保持手段が1つまたは複数のねじであり、前記ステータが1つまたは複数の前記ハウジング内のねじ山付きの開口部と協働する1つまたは複数のねじ開口部を有する請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
ロータピンをさらに備え、前記ロータがロータピン開口部を有し、前記ハウジングのステータがステータピン開口部を有し、前記シャフトがシャフトピン開口部を有し、前記ロータの前記チャネルを前記ステータ流体開口部と整列させるように、前記ロータピンが前記ロータ開口部を貫通し、前記シャフトピン開口部内に、また前記ステータピン開口部に延びる請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ロータおよびシャフトがキー止めされた請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記シャフトが端部ハブを有し、前記ロータが前記ロータのシャフトと共に回転するように、前記端部ハブが前記ロータをキー止めするための手段を有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
キー止めするための前記手段が、ロータおよび端部ハブから選択される群のうちの1つにおける位置を有する少なくとも1つのキー開口部を備え、前記キー開口部がロータと関連付けられたキーピン、およびキー開口部を備えない端部ハブと協働しそれを受ける請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ロータおよび前記シャフトから選択される群のうちの少なくとも1つが、ハウジングに対するロータの角度回転を防止するための制止手段を有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記制止手段が前記ハウジングの円筒形の壁から突出する制止要素を備え、前記ロータおよび前記シャフトのうちの少なくとも1つが、回転を防止するために前記制止要素に当接する制止当接面を有する請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記キーピンが制止当接面を有し、前記ハウジングが円筒形の壁から突出する制止要素を有する請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
前記当接面がハウジングを貫通して前記チャンバ内に延びる整列ピンである請求項9に記載のデバイス。
【請求項13】
前記ロータおよびシャフトのうちの少なくとも1つが位置感知手段を有し、前記位置感知手段が、前記ロータが前記第1の位置にあるとき1つの信号を生成し、前記ロータが第2の位置にあるとき第2の信号を生成する請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記位置感知手段と連係する制御手段をさらに備え、前記制御手段が前記信号を受けて前記ロータの位置を決定する請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記位置感知手段が、前記ハウジングと関連付けられた光センサおよび発光装置を備え、前記シャフトおよびロータのうちの少なくとも1つが、前記発光装置によって照射された場合に前記光センサによって検知可能なマーキングを有する請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記発光装置および光センサが前記ハウジングの外部に固定され、前記ハウジングが前記発光装置および光センサと連絡する少なくとも1つのウインドウ手段を有する請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記圧力手段が少なくとも1つのばねを備える請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記ばねが、前記シャフトを実質的に取り囲む浮動ばねである請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記ばねが2つのばね端部を有し、前記シャフトがばねハブを有し、前記ばねハブが前記ばね端部のうちの1つを受けるためのものである請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記圧力手段が少なくとも1つのスラスト軸受けアセンブリをさらに備え、前記スラスト軸受けアセンブリ、および前記ハウジングと前記ロータの間に置かれたばねが、前記ハウジングに対する、前記ばねを拘束しないシャフトの回転を可能にする請求項18に記載のデバイス。
【請求項21】
前記ハウジングおよびロータのうちの少なくとも1つが、前記ばね上の圧縮力を調整するばね調整手段を有する請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記調整手段が荷重調整スパイダを備え、前記荷重調整スパイダがねじ山を有し、前記ハウジングの前記端部壁が、ばね圧縮の調整を可能にするように前記荷重調整スパイダを受けそれと協働する、ねじ山を有するスパイダ開口部を有する請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記調整手段が荷重調整スパイダを備え、前記ハウジングの前記端部壁がスパイダ開口部を有し、前記ハウジングが、前記ばねの圧縮を調整するために前記スパイダと連係する荷重ナットを受けるための手段を有する請求項21に記載のデバイス。
【請求項24】
前記ハウジングが荷重ナット嵌凹部を有し、前記荷重ナット嵌凹部が前記荷重ナットを受けるためのねじ山を有する請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記シャフトが、動力シャフト上に、協働する歯付きカプリングを受けるための歯付きカプリングを有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項26】
モータと連結するための動力シャフトをさらに備え、前記動力シャフトが、前記シャフトの歯付きカプリングに受けられる、協働する歯付きカプリングを有する請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
モータから動力を受けるための伝達装置をさらに備える請求項25に記載のデバイス。
【請求項28】
第1の区画および第2の区画を有する第2のハウジングをさらに備え、前記第1の区画が前記第1のハウジングを保持し、前記第2の区画が少なくとも1つの内壁、少なくとも1つの外壁、および少なくとも1つの端部壁を備え、前記内壁が円筒形のチャンバを定め、前記端部壁が前記チャンバを終端させ、前記端部壁が動力シャフトを受ける開口部を有し、1つまたは複数の歯車を収容する前記チャンバが、モータから前記動力シャフトに回転力を伝達する構造にされ配置にされた請求項1に記載のデバイス。
【請求項29】
前記動力シャフトを回転させるために前記伝達装置に連結されたモータに保持されたモータをさらに備える請求項26に記載のデバイス。
【請求項30】
前記第2のハウジングが動力シャフト感知手段を収容し、前記動力シャフトの回転位置に感応して、前記動力シャフト感知手段が1つまたは複数の信号を生成する請求項26に記載のデバイス。
【請求項31】
前記カートリッジハウジングを前記第2のハウジングに整列させ保持するためのセンタリングリングをさらに備える請求項26に記載のデバイス。
【請求項32】
前記第1のハウジングがバルブの動作を記録するメモリ手段を有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項33】
導管内の流体の流れを制御するためのデバイスを作製する方法であって、
a.少なくとも1つの内壁および外壁を有する第1のハウジングであって、前記少なくとも1つの内壁が実質的に円筒形のチャンバを定め、前記チャンバが第1の端部、第2の端部、チャンバ軸、および少なくとも1つの直径を有し、前記第1の端部および第2の端部のうちの少なくとも1つが軸受け開口部を備える端部壁を有する第1のハウジングと、
b.前記チャンバ内に配置されたバルブシャフトであって、前記バルブシャフトが前記チャンバ軸と整列するバルブシャフト回転軸を有し、前記バルブシャフトが前記バルブシャフト回転軸の周りで回転することができるバルブシャフトと、
c.前記軸受け開口部に保持され、回転できるように前記シャフトを受けるバルブシャフト軸受けと、
d.前記端部壁の反対側の、前記第1の端部および第2の端部のうちの1つに配置された、前記シャフトに共に回転できるように連結されたロータであって、前記ロータが1つまたは複数のチャネルを有するロータ軸受け面を含むロータと、
e.少なくとも1つのステータ外面および少なくとも1つのステータ内面を有するステータであって、前記ステータ内面がステータ軸受け面を有し、前記ステータ軸受け面がロータ軸受け面を受け、前記ロータ軸受け面を前記ステータ軸受け面に対して回転可能にし、前記ステータが前記軸受け開口部の反対側の前記チャンバの前記端部の周りに取り外し可能に受けられ、前記ステータが少なくとも2つのステータ流体開口部を有し、前記各ステータ流体開口部が、前記ステータ外部から前記ロータ軸受け面に延び、ロータが第1の位置を取ると、前記1つまたは複数のチャネルと整列して開口位置を定め、ロータが第2の位置を取ると、1つまたは複数のチャネルから外れてロータ軸受け面と整列して閉鎖位置を定め、前記第1の位置が、流体が前記ステータ流体開口部のうちの1つに受けられ前記チャネルを通って流れ、第2のステータ流体開口部を出る開口位置、および流体がロータ軸受け面によって、一方のステータ流体開口部から他方のステータ流体開口部に流れるのを妨げられる閉鎖位置を定めるステータと、
f.バルブシャフトおよびロータの回転が、1つのバルブシャフト位置で流体が流れることを可能にし、第2のバルブシャフト位置で流体が流れることを不可能にするように、前記ステータ軸受け面に前記ロータ軸受け面を押し付けるための圧力手段であって、前記圧力手段が前記端部壁および前記バルブシャフトを係合する圧力手段とを提供し組立てるステップを含む方法。
【請求項34】
導管内の流体の流れを制御する方法であって、
a.少なくとも1つの内壁と外壁を有する第1のハウジングであって、前記少なくとも1つの内壁が実質的に円筒形のチャンバを定め、前記チャンバが、第1の端部、第2の端部、チャンバ軸、および少なくとも1つの直径を有し、前記第1の端部および第2の端部のうちの少なくとも1つが軸受け開口部を備える端部壁を有する第1のハウジングと、
b.前記チャンバ内に配置されたバルブシャフトであって、前記バルブシャフトが前記チャンバ軸と整列するバルブシャフト回転軸を有し、前記バルブシャフトが前記バルブシャフト回転軸の周りで回転することができるバルブシャフトと、
c.前記軸受け開口部に保持され、回転できるように前記シャフトを受けるバルブシャフト軸受けと、
d.前記端部壁の反対側の、前記第1の端部および第2の端部のうちの1つに配置された、前記シャフトに共に回転できるように連結されたロータであって、前記ロータが1つまたは複数のチャネルを有するロータ軸受け面を含むロータと、
e.少なくとも1つのステータ外面および少なくとも1つのステータ内面を有するステータであって、前記ステータ内面がステータ軸受け面を有し、前記ステータ軸受け面がロータ軸受け面を受け、前記ロータ軸受け面を前記ステータ軸受け面に対して回転可能にし、前記ステータが前記軸受け開口部の反対側の前記チャンバの前記端部の周りに取り外し可能に受けられ、前記ステータが少なくとも2つのステータ流体開口部を有し、前記各ステータ流体開口部が、前記ステータ外部から前記ロータ軸受け面に延び、ロータが第1の位置を取ると、前記1つまたは複数のチャネルと整列して開口位置を定め、ロータが第2の位置を取ると、1つまたは複数のチャネルから外れてロータ軸受け面と整列して閉鎖位置を定め、前記第1の位置が、流体が前記ステータ流体開口部のうちの1つに受けられ、前記チャネルを通って流れ、第2のステータ流体開口部を出る開口位置、および流体がロータ軸受け面によって一方のステータ流体開口部から他方のステータ流体開口部に流れるのを妨げられる閉鎖位置を定めるステータと、
f.バルブシャフトおよびロータの回転が、1つのバルブシャフト位置で流体が流れることを可能にし、第2のバルブシャフト位置で流体が流れることを不可能にするように、前記ステータ軸受け面に前記ロータ軸受け面を押し付けるための圧力手段であって、前記圧力手段が前記端部壁および前記バルブシャフトを係合する圧力手段とを備えるデバイスを前記導管内に配置するステップを含み、流体の流れが第1または第2の位置を取るロータによって制御されるようになる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−516394(P2007−516394A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539856(P2006−539856)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/037640
【国際公開番号】WO2005/047826
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(504438255)ウオーターズ・インベストメンツ・リミテツド (80)
【Fターム(参考)】