説明

導電コロイド構造の改良方法およびその完成品

【課題】導電コロイド構造の改良方法およびその完成品を提供する。
【解決手段】複数の導電金属線21を互いに平行するように排列し且つ固定なピッチを具する平面層を含有してなり、当該平面層の上に絶縁材料膜を定量的に被覆し、更に当該導電金属線21の薄膜の両面にそれぞれ他の絶縁材料22(シリコーンゴム)を被覆するが、その特徴は、当該導電金属線21の少なくとも一端にエッチング液を利用してシリコン分子を分解する方法で、当該他の絶縁材料22の表面の予定長度Aを暴露するように達成し、そして当該導電金属線21の暴露した予定長度Aが、快速かつ安定で、強度の無破壊とロー・コストの利点を具することにある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電コロイド構造の改良方法およびその完成品を提供するもので、特にエッチング方法により製成された完成品(導電コロイド)を指し、当該導電コロイドの導電金属線には、そのシリコーンゴム体の表面(シリコーンゴム体の部分が当該導電金属線よりも約0.05〜0.1mmの間と低い)を適量的に暴露し、且つ応用する時に、安定的に連結して導通する効果を、獲得でき、同時に当該方法は、従来の技術により招かれた諸多の欠点と悩みを有効に解決できる。
【背景技術】
【0002】
故に本発明者は、かつて一連の導電用軟性金コロイド(導電コロイドを略称)を研究して開発したことがあり、良い靭性、良い導電性、良い耐振動性、大きな完成品の可変性、組立ての簡易さ、迅速さ等の数多くの利点を具するため、市場の応用上では、益々業者の好評を受ける一方である。
【0003】
当該導電コロイドは、複数の軟性金属排列線を互いに平行し、且つ固定なピッチの平面層を具し、その平面層の上に絶縁材料膜を定量的に被覆することにより、当該絶縁材料膜とこれ等の金属排列線が一体化するように結合し、更に当該導電金属線の薄膜の両面に、それぞれ適当な厚さまでの構造に形成するように絶縁材料(例えばシリコーンゴム)を被覆する。
【0004】
但し、目前に周知に使用された金属排列線のマトリックス・タイプ導電コロイド(金線式導電コロイドを略称)の構造は、一つの集積回路(Integrated Circuit, IC)と一つのプリント回路基板との連結導通使用に応用される時に、ずっと何れも接触不良または不安定の現象を発生し、その原因を探究して以下の2種類がある。
【0005】
一、当該プリント回路基板の接点部分に一層の保護用ソルダーレジスト(Solder Resist)があるため、当該接点の窪みが同じ平面上に位置するわけではない。
【0006】
二、図1を参照するように示し、当該導電コロイド10は、一つの機械により裁断された後に、その導電金属線11とシリコーンゴム体12の表面が整然化を呈し、即ち当該導電金属線11に当該シリコーンゴム体12の表面を暴露していないことを意味する。
【0007】
以上の2種類の原因を総合し、ユーザーが当該金線式導電コロイドを使用する時に、接触不良,ショート,及び使用上の敏感度の相対的に劣ること等の欠点があるように招き、偶にもっと大きな加圧力と過度な下向きの圧縮行程を必要することにより、やっと当該集積回路が当該プリント回路基板と連結して導通でき、このように当該金線の導電コロイドの使用寿命が相対的に短くなる。
【0008】
前述の欠点を改善するために、最も適当な方式は、構造上では、当該金線の導電コロイドを改良することにより、当該導電金属線には、当該シリコーンゴム体の表面を適量的に暴露し、当該シリコーンゴム体が当該導電金属線よりも約0.05〜0.1mmの間と低くなるもので(プリント回路基板の保護用ソルダーレジスト(Solder Resist)の厚さが約0.05mm程度であるため)、この構造の改善方式に基づいて目前に従来の技術は、以下の2種類の方式を具する。
【0009】
一、電気めっき法:電気めっきを利用することにより、当該導電金属線の上下の両面が、夫々必要な長度までに増長し、但し、当該電気めっき法の欠点は、a.電気めっき層が0.05〜0.1mmまでにめっきしにくく、ハイコストとなり、更に高度を制御し難くなること、b.目前に当該集積回路と当該プリント回路基板との間に使用された作動は、非常に大きな圧力と高周波数のダイナミック加圧・釈放を耐える必要があり、例えば電気めっき増生層を採用すれば、剥離しやすくなることにある。
【0010】
二、レーザー・デスミア法:レーザー・エネルギーを利用してその表面のシリコーンゴムを焼却し、即ち表層を切断することを意味し、但し、当該レーザー・デスミア法の欠点は、a.レーザーの工数が長く、コストが高くなること、b.レーザーにより深度を制御しにくく、よくエネルギーが大き過ぎて焼き過ぎることが容易なので、あまり深い深層のシリコーンゴムの老化を招き、シリコーンゴムのの物性が劣り、当該導電金属線と当該シリコーンゴムとの結合度を破壊して剥離することにある。
【0011】
故に新たな技術を研究して前述の欠点を避けることが出来れば、ひいては産業の発展と進歩を促進できる。
【発明の概要】
【0012】
前述の記載に鑑み、従来の金線導電コロイドは、構造上では、技術方式を改良しても、何れも改良された金線導電コロイドが、構造上では、非常に安定な効果を獲得できず、ひいては諸多の欠点と悩み等を招き、従って、本発明者は、数年来でこの課題に従事する関連の経験に基づき、長い間に努力した研究と実験を経って、且つ関連する学理に対応し、ついに本発明の一種の「導電コロイド構造の改良方法およびその完成品」を開発して設計する。
【0013】
本発明の目的は、新たな導電コロイド構造の改良方法およびその完成品を提供することにあり、当該方法を介して獲得された導電コロイドは、その導電金属線の少なくとも一端が、その他の絶縁材料(シリコーンゴム)の表面の予定長度(例えばシリコーンゴム体の部分が当該金属配列線よりも約0.05〜0.1mmの間と低い)を暴露するように達成でき、且つ当該導電金属線の暴露した予定長度が、迅速さと安定さ、強度の無破壊、高度(長度)の精確平均制御の容易さとロー・コストの利点を具し、従って本発明は、関連する産業に対し、極めて応用価値性を具する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ひいては審査官は、本発明の技術手段および作動過程に対し、より認識かつ了解できるように寄与するため、実施例を挙げ、図面に対応し、下記のように詳細に説明する。
【0015】
本発明は、「導電コロイド構造の改良方法およびその完成品」で、特に導電コロイドが、複数の軟性金属排列線(例えば銅めっきニッケル線又は銅めっき金線)を互いに平行し、且つ固定なピッチの平面層を具し、その平面層の上に絶縁材料膜(例えばポリエチレンテレフタレート膜(PET膜))を定量的に被覆することにより、当該絶縁材料膜とこれ等の金属排列線が一体化するように結合し、更に当該導電金属線の薄膜の両面に、それぞれ適当な厚さまでの構造に形成するように絶縁材料(例えばシリコーンゴム)を被覆する。
【0016】
前述の当該導電コロイドの基本構造により、つまり下記のように本発明の技術特徴を実施でき、図2を参照するように示し、当該方法が以下のステップを含む。
【0017】
ステップ1.先ず整然に裁断された金属排列線の導電コロイドをエッチング槽の中に差し入れるが、
ステップ2.エッチング液を利用して当該金属排列線の導電コロイドのシリコーンゴム体を分解し、且つ分解時間を制御した後に取り出すが、
ステップ3.取り出した後に、それを洗浄槽に浸漬し、分解したシリコン分子を除去することにより、エッチングの必要な深度を達成し、当該金属排列線に当該シリコーンゴム体の少なくとも一表面を自然に暴露し、このように一回の処理ステップを終了する。
【0018】
前述の金属排列線の導電コロイドのエッチングの必要な深度は、そのシリコーンゴム体の部分が当該金属排列線よりも約0.05〜0.1mmの間と低くなることが出来る(プリント回路基板の保護用ソルダーレジスト(Solder Resist)の厚さが約0.05mm程度であるため)。
【0019】
図3を参照するように示し、これが本発明の前述の改良方法により獲得された完成品で、図中からはっきり了解できるように、当該完成品は、即ち導電コロイド2で、それが複数の導電金属線21(例えば銅めっきニッケル線又は銅めっき金線)を互いに平行するように排列し且つ固定なピッチを具する平面層を含有してなり、当該平面層の上に絶縁材料膜(例えばポリエチレンテレフタレート膜(PET膜))を定量的に被覆し、更に当該導電金属線21の薄膜の両面にそれぞれ他の絶縁材料22(例えばシリコーンゴム)を被覆するが、その特徴は、当該導電金属線21の少なくとも一端(上下の両端であってもよい)に、当該他の絶縁材料22の表面の予定長度Aを暴露し、その中でも当該他の絶縁材料22は、その予定長度Aが当該導電金属線21よりも約0.05〜0.1mmの間と低くなることにある(プリント回路基板の保護用ソルダーレジスト(Solder Resist)の厚さが約0.05mm程度であるため)。
【0020】
前述の叙述から了解できるように、本発明の導電コロイド2の改良方法およびその完成品は、従来の技術と異なる鍵が、下記の通りである。
【0021】
一、本発明の導電金属線21は、全て上下の両端を自然に暴露するが、その強度が破壊されず、従来の技術の強度の破壊剥落とは異なる。
【0022】
二、本発明は、エッチング液を利用してシリコン分子を分解する方法が温和で、ただ当該他の絶縁材料22(例えばシリコーンゴム)の表面接触部分に至るだけで、従ってその内層へ余りに深く入り込まず、コロイドの物性および構造がまだ変化されないが、従来の技術のシリコーンゴム体12の物性の劣化、金属排列線11の結合度の破壊剥落とは異なる。
【0023】
三、本発明の導電金属線21は、当該他の絶縁材料22の表層に上下の両端を全て自然に暴露し、その高度(長度)が制御しやすく且つ精確に平均し、従来の技術の高度の制御の不容易さ及びその招かれた欠点とは異なる。
【0024】
四、本発明の方法は、快速で且つロー・コストであるが、従来の技術の方法の高難度、長消耗時間、ハイコストとは異なる。
【0025】
故に、本発明の改良方法およびその完成品は、実に新規性、進歩性と実用性を具する。
【0026】
故に前述の詳細な説明は、ただ本発明に対し、より好ましい実行可能な実施例の説明のみで、但し当該実施例が本発明の特許請求の範囲を限定するように用いられるものではなく、例えば他に本発明により掲示された技術精神をまだ脱逸しない下で、完成された同等な変化および潤色の変更が何れも本発明により含有された特許請求の範囲中に含まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来の完成品および部分断面斜視模式図である。
【図2】本発明の改良方法フローの模式図である。
【図3】図2のフロー完成後の完成品の斜視および部分断面模式図である。
【符号の説明】
【0028】
A 予定長度
2 導電コロイド
10 導電コロイド
11 金属排列線
12 シリコーンゴム体
21 導電金属線
22 他の絶縁材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電コロイド構造の改良方法は、当該方法が以下のステップを含むが、
整然に裁断された金属排列線の導電コロイドをエッチング槽の中に差し入れること、
エッチング液を利用して当該金属排列線の導電コロイドのシリコーンゴム体を分解し、且つ分解時間を制御した後に取り出すこと、
取り出した後に、それを洗浄槽に浸漬し、分解したシリコン分子を除去することにより、エッチングの必要な深度を達成し、当該金属排列線に当該シリコーンゴム体の少なくとも一表面を暴露することを特徴とする導電コロイド構造の改良方法。
【請求項2】
当該金属排列線の導電コロイドのエッチングの必要な深度は、そのシリコーンゴム体の部分が当該金属排列線よりも0.05〜0.1mmの間と低いことを特徴とする請求項1に記載の導電コロイド構造の改良方法。
【請求項3】
導電コロイド構造の改良完成品は、複数の導電金属線を互いに平行するように排列し且つ固定なピッチを具する平面層を含有してなり、当該平面層の上に絶縁材料膜を定量的に被覆し、更に当該導電金属線の薄膜の両面にそれぞれ他の絶縁材料を被覆する導電コロイド構造の改良完成品において、当該導電金属線の少なくとも一端に当該他の絶縁材料の表面の予定長度を暴露することを特徴とする導電コロイド構造の改良完成品。
【請求項4】
当該他の絶縁材料は、その予定長度が当該導電金属線よりも0.05〜0.1mmの間と低いことを特徴とする請求項3に記載の導電コロイド構造の改良完成品。
【請求項5】
当該他の絶縁材料は、シリコーンゴムであることを特徴とする請求項4に記載の導電コロイド構造の改良完成品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−29501(P2011−29501A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175516(P2009−175516)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(509211996)遠行科技股▲分▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】