説明

導電体、半導電体、絶縁体で共用できる光電子ファイバ

本発明は、密着した所定の形状の導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料とを含むファイバの延伸技術を提供する。この結果得られるファイバは、延長したファイバの長さ全域で技術的に改良された電気的光学的特性を示す。本発明は、このようなファイバの製造に対応した処理を提供する。この処理は、たとえば、導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料とからなる複数の異なる材料のファイバプリフォームを組み立てる処理と、プリフォームをファイバに延伸する処理とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は2003年7月14日に出願された米国仮出願第60/487,125号と2004年1月27日に出願された米国仮出願第60/589,470号の利益を主張するものであり、前記両出願は、その開示内容全体を本願明細書の一部として援用する。
【0002】
(連邦政府後援の調査に関する記述)
本発明は、DARPA(米国国防総省高等研究計画局)承認の契約第DAAD19−01−0647号と、NSF(米国科学財団)承認の契約第ECS−0123460号と、NSF承認の契約第DMR02−14282号と、ONR(米国海軍研究事務所)承認の契約第N00014−02−1−0717号と、AFOSR(米国空軍科学技術事務所)承認の契約第Y77011号と、DOE(米国教育(エネルギー)省)承認の契約第DE−FG02−99ER45778号とに基づいた政府による支援を受けて行われた。米国政府は本発明に所定の権利を持つ。
【0003】
本発明は、概して、光ファイバと、光デバイスと、電子的装置と、光電子装置とに関し、特に、所望の機能を備えたファイバを製造するためのファイバ材料の選択と、ファイバ構造の設計と、ファイバ延伸技術とに関する。
【背景技術】
【0004】
マイクロスケールおよびナノスケールで指定された寸法で明確に規定された形状に導体、半導体、絶縁体を密接な接続状態で組み合わせたものは、ほとんどすべての最新の電子デバイスおよび光電子デバイスを実現する上で欠かせないものである。歴史的に、このようなデバイスは、ウェハ基準の処理を採用する各種の精密な超微細加工技術を用いて加工される。現在利用できる多数のウェア基準の処理は、特徴寸法が小さく、デバイス実装密度が高い状態で特定の導体と、半導体と、絶縁体とを組み合わせることを可能にする。ただし、超微細加工技術は、一般に、二次元の形状と二次元の正角性に限定されており、デバイスの範囲と材料被覆領域の両方またはいずれかを制限する。また、超微細加工されたデバイスおよびシステムは、概してパッケージングを必要とするとともに、通常、極めて膨大な設備投資が必要になる。
【0005】
逆に、近年のプリフォームを基準とした光ファイバの製造技術は、長く延長された材料を生産でき、かつ、明確に制御された形状と移送特性とを、そのように延長された長さ全域にわたって実現できる。また、ウェハ基準の処理と比べ、ファイバプリフォーム延伸技術は、一般に低コストで、より簡素なものである。ただし、プリフォームに基づく光ファイバの製造は、大きなファイバ特徴寸法と、もともとは光伝送を実現するために開発された比較的小型の誘電体とに限定される。したがって、広範囲への応用は、従来のファイバプリフォーム基準の延伸技術と、従来の超微細加工技術の両方の限界のせいで、依然として課題として残されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、規定の形状で密接に接触している、導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料とを含むファイバを延伸する技術を提供する。この結果得られるファイバは、延伸されたファイバの長さに沿って、技術改良された電気的光学的機能性を呈する。本発明は、このようなファイバの製造に対応した処理を提供するもので、前記処理は、複数の異なる材料、たとえば、導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料とからなるファイバプリフォームを組み立てる工程と、前記プリフォームをファイバに延伸する工程とを含む。導電率および屈折率が大幅に異なる材料を密接に連結する本発明に係る処理の能力は、サブミクロンの特性寸法を達成し、延長された長さ全体にわたって任意の横方向形状を実現し、光ファイバと同程度の長さスケールおよびコストで、電子デバイス、フォトニックデバイス、および光電子デバイスの引渡しを可能にする。
【0007】
本発明の他の特性および利点は、下記の説明と添付の図面、および請求項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に従って製造されたファイバは、長さ寸法として定義される1つの寸法が、断面寸法として定義される他の2つの寸法よりかなり大きく構成される、サポート体を用いない3次元の物理的物体であり、たとえば、図1Aのフローチャートに示す製造シーケンス10によって加工される。シーケンスの最初のステップ12の例において、導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料とをファイバプリフォームに組み立てる。このプリフォームは、マクロ的形状構成に配列された指定の材料を含み、前記マクロ的形状構成は所望のファイバ形状に対応するものであるが、必ずしも所望のファイバ形状と同一である必要はない。また、プリフォームは、長手寸法と断面寸法の比が、典型的には2から100の間であることを特徴とする。組み立て後、プリフォームは、次の処理ステップ14で固化させることができる。後述する指定の温度条件と圧力条件で実行する固化処理は、プリフォーム内に密接な材料接合を形成し、延伸処理全般に亘って要素形状の統合性を確実に維持する必要がある場合に採用される。次に、プリフォームはファイバに延伸され16、このファイバは、マクロプリフォームの断面形状の構成を維持する一方で、プリフォームの特性寸法の縮小と、断面が均一な延長ファイバ長の形成を達成する。
【0009】
前述のファイバ延伸処理によって生じるこのような顕著な寸法変化の概略を図2に示す。導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料とからなるマクロアセンブリ18は、約10mmから100mm程度の直径Dと、たとえば、100cm未満、または50cm未満というようなセンチメートル単位の長さLを持つプリフォーム19として構成される。このように構成されたプリフォーム19は、次に、ファイバ20を生成するためのファイバ延伸条件で熱処理および変形される。
【0010】
その結果得られるファイバ20は、メートル単位、たとえば、10m,20m,50m,100m、あるいはそれ以上というような長さlと、約50μmから2000μm程度の直径dを持つため、長手対断面の比が1000を超え、長さがプリフォーム長の100倍より長くなる一方で、直径はプリフォーム直径の10分の1より小さくなる。このファイバにおいて、数十ナノメートル程度の特性寸法を形成できる。したがって、本発明のファイバ延伸処理は、全長にわたってプリフォームの要素組成を維持する一方で、密接な材料接合を形成すると共に、伸張したファイバ長さ全域で要素寸法をミクロン単位またはナノ単位に縮小する。
【0011】
これにより、本発明は、光伝送と電気伝送の両方に対応した、延伸長さのファイバの製造を可能にし、ウェハ基準の超微細加工技術を用いることなく、ファイバの軸方向長さと断面全域でミクロン単位の超小型電子デバイス動作と、光電子デバイス動作を実現する。プリフォームのマクロ的組み立ては、一般的に便利で、特殊な処理技法や設備を必要としない。ただし、本発明は、特定のプリフォーム構成またはプリフォーム組み立て技術に限定されるものではない。後述するように、共延伸に適合する導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料とを採用する任意のプリフォーム構成およびプロフォーム組み立て技術を利用できる。
【0012】
図3Aに、本発明に従って製造できる、第1例のファイバ構成22を示す。この例のファイバは円形断面を持つように図示されているが、このような断面形状である必要はなく、断面のファイバ配列に含まれる要素と同様に、たとえば、長方形等の適切な断面形状を採用できる。本例のファイバには、ファイバコア領域24が設けられ、その廻りには、1以上から選択される任意の数の複数の層26,28が、表面の最終層30と共に設けられる。ファイバコア領域24は、空心として、あるいは導電性材料、半導電性材料、または絶縁材料の中実固体として配設できる。たとえば、コア領域は、光伝送に対応した半導電性材料または絶縁材料として設け、1層以上の外側の層26,28を、電気伝送に対応した導電性材料として配設することもできる。また、1層以上の外側の層は、追加あるいは代替として、光伝送と、電気光学デバイス動作と、電気的光学的絶縁とを行う半導電性かつ絶縁性の層として配設できるため、コア領域は1層以上の外側の層と協働して光電子デバイス動作を提供できる。
【0013】
また、図3Aに示すように、ファイバ22には、1つ以上の素線32と、導電性材料、半導電性材料、または絶縁材料からなる他の形状の要素34とをファイバの軸方向に沿って挿入できる。このような要素は、ファイバの1つ以上の層に組み込むことができ、また、ファイバの円周方向に並べることができる。この配置は、ファイバ円周の一部または全体に設けた素線36の配列を用いて、図3Bに例示する構成34に示すような形に拡張でき、たとえば、コア領域38を囲む他のファイバ要素と、コアと素線36とを囲む任意に追加できる1つ以上の層39,40とを用いて、所望の構成に配置できる。本発明は、素線または他の要素の特定の構成に限定されるものではない。図3Cに例示するファイバ31に示すように、コア領域33または他の指定のプリフォーム要素の廻りに素線35の多次元配列を設けることもできる。各素線は、導電性材料、半導電性材料、または絶縁材料として設けられる。
【0014】
図3Dに例示するファイバ構成80に示すように、コア領域82または他のファイバ形状の廻りに設ける材料の層は、非連続であってもよい。すなわち、連続した層の代わりに複数の個別の層領域84,85,86,88,89を設けることもできる。このような個別の層領域は、連続した層領域87,91に隣接して配設でき、かつファイバの断面上の複数の位置に設けることができ、更に、導電性、半導電性、または絶縁性いずれの材料として形成されてもよい。
【0015】
本発明が考案するのは、導電要素と、半導電要素と、絶縁要素の配列が密接に界面接触した状態で配置されるファイバ形状であり、光電子デバイス動作を可能にするものである。たとえば、図3Eに示すように、導電電極48として配置できる1つ以上の領域にコア領域46が接触して隣接するファイバ構成44を設けることができる。図の例には2つの電極を示したが、任意の個数の電極を挿入できることは理解されるであろう。詳細は後述するが、この例において、コア領域46は、隣接電極48との相互作用と該電極48による制御の少なくともいずれかの目的で選択される絶縁体や半導体などの材料で構成できる。したがって、コア領域46および隣接する領域48は、ファイバ内の光電子デバイス要素として設けられる。
【0016】
前記電極を直接取り囲む領域49は、たとえば、絶縁材料等の適切な材料で形成できる。実際、各種のプリフォーム領域および要素46,48,49は、導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料のいずれで構成してもよい。図3Eに示すように、コア領域と電極の廻りに追加の材料層50,52,54を形成してもよい。また、1層以上の層の中に1つ以上の素線材料56を組み込み、その層の中に、1つ以上の電極57と他の要素58の少なくともいずれかを同様に組み込んでもよい。
【0017】
次に、図3Fを参照しながら説明する。更に別の一例として示す、本発明が提供するファイバ構成60において、ファイバ内には、複数のコア62と、素線と、任意の形状の他の要素66,68のうちの少なくともいずれかを、ファイバ断面における所望の配置で挿入できる。複数のコア領域62と素線の両方またはそのいずれかに、たとえば、電極等の隣接領域64を、たとえば、1組以上の電極というような任意の配置で設けることができる。ファイバ素線68とコア領域は、追加の材料層70,72、または他のファイバ要素によって個別に軸方向に囲まれてもよい。最後に、ファイバは、必要に応じて1つ以上の材料層を包含でき、この材料層は、各種の要素が設けられた材料領域78を囲む。ファイバに包含される各種のコア、素線、および他の要素の間に特別な対称性は要求されない。
【0018】
図3Aから図3Fの例には、本発明に係るファイバとファイバ延伸処理のいくつかの特定の利点を示している。導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料とは、たとえば、光電子デバイス素子のような光学的かつ電子的機能素子の製造を実現するように選択された構成で、ファイバ断面内に配置できる。ファイバは中空領域を包含できるが、たとえば、断面に中空領域が存在しない完全に中実の断面であることを特徴としてもよい。ファイバ要素は、ファイバの外周、あるいは、中空の場合にはファイバの内周が対称である必要はない。更に、ファイバは、非対称の円筒形によって特徴付けられてもよい。ファイバは、ファイバ断面の特性中心を含まない閉ループである外周を持つ要素を包含できる。
【0019】
本発明のファイバ内での材料の順序についての特別な制限事項はない。ただし、材料領域は後述の方法で幾何的に規制されていなければならない。このような順序の制約がないため、本発明のファイバは、ファイバの断面上で、ファイバ外周に一致する経路に沿った1つ以上の材料界面と、材料組成の不連続性の少なくとも一方を提供できる。言い換えると、ファイバ断面上の経路、すなわち、経路上のすべての点がファイバの外周から一定の距離にある経路において、複数の材料界面と材料組成の不連続性の少なくともいずれかを形成できる。特定の形状では、このような経路を周方向経路と見なすことができる。この条件は、たとえば、ファイバ断面上の複数個所に位置し、その間の印加電圧に耐え得る導電性電極等を含む広範囲のファイバ形状を実現できる。
【0020】
ただし、図3Fのファイバ構成は、選択した対称性およびファイバ要素構成に適合できる。たとえば、図3Gのファイバ構成65に示すように、ファイバ要素は、たとえば、予め延伸されているファイバ要素を内蔵する2次サブファイバ配列において、特定の対称性を持つように配置できる。図3Gのファイバの例において、たとえば、1000個の延伸サブファイバ67をハイブリッドファイバとして配置でき、この延伸サブファイバ67は、それぞれ、他のサブファイバとほぼ同一であっても、あるいは異なってもよい指定の断面形状を持つ。図示の例において、ハイブリッドファイバ65内の各サブファイバ67は、コア領域62と、該コア領域に接触して隣接する電極64と、を備え、更に、電極およびコア領域の廻りに外側領域67を持つ。ただし、ハイブリッドファイバ内の各サブファイバには任意の形状を選択できることは理解されるであろう。また、ハイブリッドファイバ配列内の各サブファイバの機能は、他のサブファイバの機能を補完するように選択でき、サブファイバの要素は、電気的または他の手段で相互に接続できるため、配列内の各種サブファイバの間に素子を配置した集積回路用ハイブリッドファイバを形成できる。
【0021】
図3Aから図3Gのファイバの例において、本発明が考案した各種のファイバ構成を示した。1つ以上のファイバの例に示した特徴は、光伝送、電気伝送、および光電子デバイス動作のすべてまたはそのいくつかの所望の機能を提供するようにカスタマイズされたファイバ構成内に選択的に組み込むことができる。このファイバ構成は、選択した材料を絶縁した状態に配置しながら材料間の密接な接触を実現できるため、光伝送および電気伝送をそれぞれ同時かつ個別に行うことができ、並行して光電子デバイス動作も実現できる。各種のファイバ要素に選択する材料は、特定の用途に応じて個別に調整でき、導体−半導体、導体−絶縁体、および半導体−絶縁体の各界面がファイバ断面の全体およびファイバ外周に生じるように構成できる。
【0022】
ファイバ形状が電子伝送に適合する場合の伝送方向は、ファイバ形状が光子伝送に適合する場合の光子の伝播と同方向または逆方向のいずれにも設定できる。一般に、電子と光子の伝送方向としては、長手方向、すなわちファイバ軸の長さ方向に沿った方向と、中心領域から放射状に外縁に向かう、または外縁領域から反放射状に中心に向かう径方向とがあり、伝送はその両方またはいずれかの方向に生じる。したがって、所定のファイバ構成に組み込む材料の厚さは、詳細を後述するように、ファイバの特定の用途と、電子と光子の所望の伝送方向とに基づいて選択すると好ましい。
【0023】
いずれのファイバ構成を選択したとしても、本発明によれば、この構成において、層、領域、および要素として、あるいはそのいずれかとして配置される導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料とは、ファイバの所望の光学的機能と電気的機能の両方またはそのいずれかを実現できる指定の材料界面を持つように挿入される。各材料の導電性材料は、その材料に指定される機能に応じて選択できる。たとえば、好適な導電体は、約101/Ω・cmより高い導電率を持ち、好適な半導電性材料は、約101/Ω・cmより低くかつ10−121/Ω・cmより高い導電率を持ち、絶縁材料は、10−121/Ω・cmより低い導電率を持つことを特徴とする。これらの材料特性の例では、本発明の固有の利点である、導電率の大きさに10のオーダーの差がある材料を均質に組み込める機能が顕著に現れる。導体と、半導体と、絶縁体の伝導率の値については、明確に規定される範囲、すなわち絶対的な範囲は存在しないことは理解されるであろう。ここに例示した値は、光学的電気的ファイバ機能のための適切な導体、半導体、および絶縁体の特徴についての一般的な指針として示したものである。
【0024】
前述したように、各種選択した材料は、まず、マクロプリフォームに組み立てられ、その後で最終的なファイバ形状に延伸される。ファイバ延伸処理に固有の熱変形条件では、所定のファイバ構成に選択する導電性材料と、半導電性材料と、絶材料とが共延伸に適することが求められる。
【0025】
説明を明確にする都合上、本発明に係る共延伸の対象として適合する半導電性材料と絶縁材料の特性について最初に説明する。一般に、非晶質の材料とグラス質の材料は、プリフォームからファイバ構造への延伸に特によく適合することが知られている。ここで、非晶質の用語は、反復単位胞や結晶秩序の存在しない連続した原子ネットワークである材料形態のことを意味し、グラス質材料は、典型的には、高温の処理温度において簡単に結晶化しない。グラス質の半導電性ファイバ材料と絶縁性ファイバ材料を選択することは、多くの用途のおいて好ましく、この選択により、構造の結合性と規則性を自続させながら、妥当な速度でファイバ延伸を実現できる。グラス質材料でこのように実現できるのは、グラス質材料の粘度は、結晶質の材料とは対照的に、固体状態と液体状態の間で準連続的に変異するためである。グラス質材料を用いることによって、軟化温度から延伸温度にサイクル変化する時に、ファイバ構造は、確実に、非晶質のまま、すなわち結晶化されずに維持される。
【0026】
グラス質の半導電性材料および絶縁材料の候補となる材料の粘度を考慮すると、共延伸に適した材料は、該当するファイバ延伸温度において共存できる粘度を持つものである。すなわち、この2つの材料の共延伸を可能にするためには、共通の延伸温度が、これらの材料の各軟化点より高いものでなければならない。ファイバ材料同士で粘度が正確に一致する必要はない。つまり、各材料は延伸温度のおいて同一の粘度を持つ必要はなく、むしろ、すべての材料が共通温度で流動するのであればよい。ある種の材料の組み合わせについては、共延伸される材料すべての構造結合を実現するのに、ファイバプリフォームの体積の大部分を構成する1種類以上の材料が高粘度であれば十分であることは理解されるであろう。適切な材料とは、更に、適切な表面粘着性を持ち、粘性状態と固体状態において湿性で、熱焼入れを行っても分解しないことを特徴とするものである。
【0027】
本発明に従って特定される、本発明のファイバ共延伸処理に適した絶縁材料の類は、すなわち、非晶質の熱可塑性ポリマー絶縁体である。ガラス転移温度の高いポリマー絶縁体としては、たとえば、各種の高ガラス転移温度の非晶質ポリマー材料を利用でき、この材料は、優れた機械的靭性によって特徴付けられる各種の材料構成を形成する分野の技術を用いて処理できる。採用できる高ガラス転移温度ポリマーは、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエーテルスルホン(PES)を含む。
【0028】
絶縁材料としては、また、液晶ポリマー(LCP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、および他の熱可塑性ポリマー等の低ガラス転移ポリマーも利用できる。ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはテフロン(登録商標))および他のフッ化ポリマーやフッ化コポリマーも、これらに特徴的な低い表面粘着性特性を許容できる構成において利用できる。非晶質ポリマー材料を用いると好ましいが、たとえば、枝分かれPTFE等の一部の半晶質ポリマーも利用できることは理解されるであろう。適切なポリマー材料に必要な条件は、妥当な速度、たとえば、1mm/分より速い速度で、分解することなく、ポリマーをファイバに延伸できるファイバ延伸温度が存在することである。
【0029】
本発明のファイバ共延伸処理に利用できる半導体材料については、ガラス転移温度が低く、酸化に対して安定性を示す非晶質半導体が好ましい。非晶質半導体は、また、延伸温度における半導体とポリマー材料の接触角度によって規定される優れた湿潤特性を持つ点で好ましく、この接触角度は、約150度より小さいことが好ましい。更に、非晶質半導体は、一般に、ポリマー延伸温度において前述したポリマーと同様の粘度値であることを特徴とする。PPVやポリチオフェン等の有機半導体も、無機半導電性材料と同様に利用できる。
【0030】
半導電性のカルコゲナイドガラス類は、本発明の共延伸に特に適している。カルコゲナイドは、カルコゲン元素である硫黄、セレニウム、およびテルルのうちの1つ以上含む高インデックス無機グラスである。カルコゲナイドガラスは、カルコゲン元素の他に、次の元素:ホウ素、アルミニウム、珪素、燐、硫黄、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、インジウム、錫、アンチモン、リチウム、タリウム、鉛、ビスマス、カドミウム、ランタンと、ハロゲン化フッ素、ハロゲン化塩素、ハロゲン化ブロミド、ハロゲン化ヨウ素の1つ以上を含むことができる。カルコゲナイドガラス族の組成には、大幅に異なる各種の組成があるため、所定の組成の特性は、組成調整によって適切に改変できる。たとえば、(As40Se601−xSnの組成を用いて、所望の特徴を提供できる。
【0031】
半導電性材料は、フォトニック伝導と光電子デバイス動作の実現するために、多くの用途で、その材料特性に基づいて極めてよく選択される。たとえば、非晶質の半導電性材料は、所望の光学特性と、熱特性と、機械的特性の少なくともいずれかを達成するように組成的に調整できる。そのシナリオの一例では、中空のファイバコアを通って光子を伝播する多層のフォトニックバンドギャップ構造を製造する場合に、絶縁材料と組み合わせて半導電性材料を選択し、絶縁材料と半導電性材料をコアの廻りに交互に配置する。このような構成は、「Fiber Waveguides and Methods of Making Same(ファイバ導波路とその製造方法)」という名称で2003年10月10日に出願された米国特許出願第10/733,873号明細書に記載されており、その内容を本発明の一部としてここに援用する。この例では、カルコゲナイド半導電性材料、たとえば、AsSe、(AsSe1−x(前式のMはIn、Sn、またはBi)、(AsSe1−xSn、As−Se−Te−Sn、または他のカルコゲナイド材料等を、PES、PEI、または他の適切な非晶質ポリマーと共に用いて、所望のバンドギャップ構造を作製する。カルコゲナイド材料は、共延伸のために広範囲のポリマーと組み合わせることができ、たとえば、高ガラス転移温度ポリマーと低ガラス転移温度ポリマーは、いずれも、低ガラス転移カルコゲナイドガラスと共に利用できることは理解されるであろう。
【0032】
本発明のファイバに採用する導電性材料は、共延伸に選択した半導電性材料および絶縁材料との互換性に基づいて選択する。選択する導電性材料は、指定のファイバ延伸温度において溶融するか、あるいは熱変形できる十分な延性を持つものでなければならない。所望のファイバ延伸温度より低い溶融温度を持つ導電性材料を用いることは、多くの用途について好ましい。また、導電性材料は、ファイバ延伸温度において半導体と絶縁材料に対する導電性材料の接触角度が約150度より小さくなるように、半導体と絶縁材料の表面を十分に湿潤させ、表面がむき出しの導電性材料の場合に接着増進剤の挿入を避けられるようにすることが好ましい。
【0033】
高ガラス転移温度ポリマー絶縁材料とカルコゲナイド半導電性材料とを選択した場合、導電性材料の好ましい選択肢は、溶融温度の低い金属または合金である。たとえば、錫、インジウム、ビスマス、カドミウム、リチウム、または溶融温度の低い他の金属は、Snベースの合金や他の指定の合金と同様に、3種類の組み合わせ材料のうちの1つとして特に適している。また、選択した合金を合成して、所望の溶融温度、導電性、および他の特性を生成してもよい。たとえば、Sn−Ag合金、Sn−Sb合金、Sn−Cu合金、および他の合金を利用できる。更に、適切な非晶質のガラス質金属や他の適切な金属組成を用いることもできる。
【0034】
これらの考慮事項および例から理解されるであろうが、各種の候補材料の共延伸についての互換性を確認するのに実験的検証が必要になる場合もある。問題の材料の延伸温度を決定したら、材料を延伸できる共通の温度範囲を推測し、選択した延伸温度範囲全域での材料の粘度を検査して粘度の互換性を確認するとよい。前述したように、各種材料の粘度は、ファイバ延伸温度において同一である必要はないが、すべての材料は延伸温度において少なくとも流動性を持つ必要があり、導体についてはその延伸温度で溶融することが好ましい。また、既に説明したように、ファイバプリフォームの体積の大部分を占める材料は、高粘度を特徴とすることが好ましいことは理解されるであろう。
【0035】
たとえば、高ガラス転移温度ポリマーと、カルコゲナイド半導体と、金属とを含む材料トリオについての適切な基準は、選択した延伸温度において、すべての材料が約10ポアズより低い粘度を持ち、選択した前記延伸温度で金属が好ましく溶融することである。たとえば、ファイバプリフォーム体積の大部分をポリマー材料が占める場合は、ファイバ延伸温度において、約10ポアズから約10ポアズの間のポリマー粘度を受容できるが、約10ポアズから10ポアズの間の粘度であるとより好ましい。このシナリオの例では、ファイバプリフォームに含まれる半導電性材料と導電性材料に関して、約10より低い粘度を受容でき、約10の粘度であると好ましい。
【0036】
本発明のファイバは、単一の導電性材料の選択、単一の半導電性材料の選択、および単一の絶縁材料の選択に限定されないことは理解されるであろう。むしろ、指定のファイバ構成および用途の要件に応じて、3つの材料類から任意の数の共延伸互換材料を採用できる。また、個別の材料層と、領域と、要素と、をそれぞれ異なる厚さ、異なる寸法、異なる組成で挿入できる。たとえば、各種の材料を包含させることで、光信号の伝送速度を調整できる。このようなシナリオの1つにおいて、光伝送層の隣に光学的欠陥層を挿入してその各層の厚さを調整することで、ファイバの他の要素を通過する電子の伝播速度と同程度の光伝播速度を実現できる。
【0037】
同様に、各種の導電性材料も、特定の動作に対応して調整した寸法で挿入できる。たとえば、電子伝導用のファイバに金属の層または素線を組み込む場合、前記金属は、適切な印加電圧バイアスにおいて、指定の用途に有効な導電率を達成できる十分な厚さであることが好ましい。前記金属の厚さは、指定の用途と必要な導電方向とに基づいて好ましく選択する。導体のオーム単位の抵抗Rは、導体の抵抗率ρおよび長さlに比例し、導体の断面積Aに反比例することから、R=ρl/Aとして記述される。したがって、放射導電のために、ファイバの金属層に対して放射方向に電位差が印加される場合、極めて薄い金属層であっても十分に大きな電流を伝導できるが、ファイバの長さに沿って軸方向に導電が生じる場合は、たとえば、10mのファイバ区分に沿った適切な導電のために、25ミクロンの厚さの金属層が求められる。一般に、いずれの導体構成を選択したとしても、導体の特徴として、単位長さ当たりの抵抗が約1KΩ/cmより小さく、効果的に電子伝導を実現できることが好ましい。導電性材料の組成および形状の各種の組み合わせは、指定の用途に合わせて導電特性を調整するように採用できる。
【0038】
ファイバプリフォームへの材料の組み立ては、前述した考慮事項に基づいて、指定の材料に適合する処理を実行し、所望の材料構成を生成することによって行われる。本発明は、特定のプリフォーム組み立て技術を必要としない。むしろ、各種の技術を用いて、延伸後の所望のファイバに直接的に対応する構成を持つプリフォームを製造できる。
【0039】
本発明によれば、各種のプリフォーム要素を個別に供給または製造する、あるいは供給および製造して、プリフォーム配列内に一緒に組み込むことができる。導体について最初に検討すると、市販のロッド、素線、箔、シート、および導電性材料からなる他の商品を採用できる。熱蒸着、Eビーム蒸着、スパッタリング、化学蒸着(CVD)、および他の物理的蒸着技術を採用して、単独または複数の導電性材料層を有するプリフォーム要素に被膜を形成できる。ただし、選択した特定の蒸着技術および蒸着パラメータによっては、蒸着したフィルムがすべてファイバ共延伸処理に適合するとは限らないことは理解されるであろう。たとえば、蒸着された導電性材料は、延伸処理に適合する延性を持つと共に十分な厚さを持たなければならない。
【0040】
どのような形状の導電性材料を採用したとしても、その導電性材料がファイバ延伸温度で溶融する金属または合金であれば、本発明に従って、前記金属または合金は、前記延伸温度で溶融しないプリフォーム内の材料によって形状的に包囲された状態に配置される。このような金属の封じ込めは、延伸処理において、金属が液体の状態にあるとしても、所望の金属構成がファイバ内で確実に維持されるようにする。
【0041】
また、本発明によれば、導電性材料は、プリフォームの固化温度およびファイバ延伸温度を含む高温において容易に酸化することが認識されている。酸化した導電性材料は、溶融しない、または不均一に流動する可能性があり、その結果、延伸ファイバ内に不均一性または動作不能な導電要素が生じることになる。この状態を避けるため、本発明によれば、各種プリフォーム形状について、導電要素表面の酸化の抑制と、前記表面からの酸化物の除去の少なくともいずれかを行うことが好ましい。
【0042】
本発明は、延伸ファイバ内で導電性材料の酸化を抑制する各種の技術を提供する。この技術の最初の例では、プリフォーム内の導電性材料を囲む界面、たとえば、金属要素の廻りの界面において、好ましくは、表面湿潤化促進剤である抗酸化、すなわち酸化防止剤を組み込む。このことは、たとえば、プリフォームの組み立て中に導電性材料の表面に酸化防止剤を物理的に塗布することによって実現できる。特に適した酸化防止剤はフラックスで、一般的なフラックスは、カルボン酸含有合成流体や天然ロジンフラックスである。これらの化合物は、金属または他の導電性材料によるプリフォーム材料の湿潤化を強化および促進するように働いて、導電性材料の毛細管破壊を防ぐ。これにより、必要な表面湿潤化要件を通常では提示しない導電性材料を利用できるようになる。適切なフラックスの例としては、オハイオ州クレバーランドのSuperior Flux and Mfg. Co.社製のSuperior No.312フラックスまたはSuperior 340フラックスがある。フラックスは導電性材料の表面に直接塗布でき、また、それに加えて、あるいはその代用として、プリフォーム構成内で導電性材料の表面に隣接することになる他の材料の表面に塗布することもできる。
【0043】
延伸ファイバ内で導電要素の酸化を抑止する他の技術では、要素に酸化防止剤を追加することで、1つ以上のプリフォーム要素に酸化防止剤を適用できる。酸化防止剤は、たとえば、導電性材料の要素に隣接して配置されることになるポリマー材料に追加できる。酸化防止剤の成分は、隣接する導電性材料との相互作用の影響を受けて、ポリマー表面に向かって好ましく離脱するか、またはポリマー表面に自然に定着する。あるいは、別の選択肢として、材料それ自体に酸化抑止特性または酸化物の成長抑制特性が備わっているポリマー、半導体、または他の材料を選択して、プリフォーム内で導体要素に隣接して利用できる。導電要素とその隣接材料の間に、酸化抑止材料と成長抑制バッファ層材料の両方またはそのいずれかを組み込むこともできる。いずれの酸化抑止技術を採用したとしても、酸化防止剤は、プリフォーム固化温度またはファイバ延伸温度で分解しないことが好ましい。
【0044】
金属素線の封入の一例において、金属プリフォーム要素を封入してその要素の酸化を抑止する必要があることを考慮し、ポリマーが塗布された金属素線を、市販の金属ワイヤから製造する。このようなシナリオの1つにおいて、たとえば、直径5mmのSnワイヤは、前述したようなフラックス層で被覆され、その後、たとえば、ペンシルバニア州レニーに所在のWestlake Plastics Co.社から市販されている、たとえば、7.5mm厚のPESフィルムの層が巻きつけられる。別のワイヤ被覆技術、たとえば、浸漬被覆なども利用できる。巻きつけられたワイヤの端部は、ポリマー材料を用いて、たとえば、浸漬被覆法によって塗被される。この用途に、たとえば、20%のPES、80%のN,N−ジメチルアセトアミドからなるポリマー溶液を利用できる。ポリマー溶液は、後に、ワイヤ上に凝固されるが、これは、たとえば、180℃で構造体を加熱することによって、あるいは、後で実行される構造体の固化によって達成される。ポリマー被覆ワイヤを固化することは、金属材料とポリマー材料の緊密な接合を確実なものにする上で好ましく、固化は、たとえば、約260℃の真空乾燥炉で実行できる。
【0045】
加熱ステップまたは固化処理の結果ポリマー溶液が凝固することで、ワイヤはポリマー層と共に封入される。所定の用途のために縮小した直径が必要な場合は、この時点で、ポリマー被覆ワイヤを延伸し、所望の直径の金属素線を形成できる。PESで被膜されたSnワイヤの例では、約305℃の延伸温度は、鉛直の管状炉内で延伸条件に応じて約500μmから約1.5mmの間の外径を持つポリマー被覆金属素線を製造する。ここで、金属素線は、後述する方法でファイバプリフォーム配列内に組み込める。ただし、後述するように、一部の用途において要望がある場合、ポリマーまたは他の絶縁材料内に要素を封入せずに、金属ワイヤまたは他の要素を所望の直径に延伸できる。
【0046】
絶縁性のファイバプリフォーム要素に関して、他のグラス質の絶縁材料と比べて、ポリマー材料のプリフォームの組み立ておよび延伸は比較的容易であることから、ポリマー絶縁材料は多くのファイバ用途において好ましいものである。ポリマー絶縁材料は、市販のものから容易に入手でき、また、所望の構成に作製することもできる。たとえば、Westlake Plastics Co.社から入手できる市販のポリマーロッド、ポリマー管、ポリマーシート、ポリマーフィルム等を利用できる。ポリマーロッドとポリマー管は、圧延ポリマーフィルムを加熱固化して製造できる。ポリマーの層は、プラズマ促進化学蒸着等の化学蒸着技術、スピン塗布法、前述の浸漬被膜法、圧延鋳造法、押出し成形法、および他の技法を用いて製造できる。前述したように、液体ポリマーは、プリフォームのコア材料、素線、ワイヤ、ロッド、他の材料層、およびプリフォーム要素の塗膜に利用できる。
【0047】
化学蒸着および物理蒸着の技術を利用して、ポリマー以外の絶縁材プリフォーム要素も作製できる。本発明は、絶縁材料をポリマー材料にのみ限定しない。候補となる絶縁材が、ファイバ延伸に適合する形態を特徴とするものであれば、そのような絶縁材料は、ポリマー材料に追加して、あるいはその代用として利用することができる。
【0048】
同様に、化学蒸着および物理蒸着の技術を用いて、非晶質半導電性材料のプリフォーム要素を作製できる。前述したように、多くの用途において、カルコゲナイドガラス半導体は、共延伸でのポリマー絶縁体との適合性という点で好ましい。ロッド、管、シート、フィルム、および他の半導電性構造をファイバプリフォームに利用できる。各種の半導体ガラス構造物は、たとえば、マサチューセッツ州のワードヒル(Ward Hill)にあるAlfa Aesar社から市販されているものを入手でき、また、特定の必要な組成および形状に合成することもできる。
【0049】
たとえば、本発明によれば、カルコゲナイドガラス構造物は、密封アンプルメルトクエンチ技法を用いて化学的に合成できる。一例のシナリオにおいて、AsおよびSe等の純粋な元素を、窒素雰囲気下で石英管内に載置する。この管は、始め、片側端部が開放状態にある。管の開放端に真空ラインを接続し、真空下で管を予熱して要素を溶融し、閉じ込められたガスおよび表面の酸化物を除去する。約1℃/分の加熱増加率で1時間の間330℃まで加熱し、その後、1℃/分の低下率で室温まで十分に冷却する。Mg等の酸素吸着剤を管に添加して、部分的に管内の酸素の圧力を降下させてもよい。
【0050】
次に、管は、たとえば、高温トーチを利用して、たとえば、10−5Torrの真空化で封止する。封止した管は、次いで揺動炉内で加熱し、含有する要素に対応する所定の加熱スケジュールで物理的に要素を混合する。たとえば、As−Se混合物は、24時間の間、鉛直に保持しながら約2℃/分の速度で800℃まで加熱でき、その後、混合および均質化を向上させるために6時間揺動する。ガラス流体は、次に、たとえば、600℃まで炉内で冷却してから水中で急冷する。次に、混合物を30分アニールして、ガラス転移温度、たとえば、約180℃まで冷まし、次いで室温まで徐々に冷却する。この合成技術を用いて、たとえば、ロッド、管、および他の構造体として、機械的に強固な半導電性構造を製造できる。ガラスが合成された後は、室温では酸素による影響を受けない。したがって、プリフォームへの組み込み、または他の処理に関して、前記構造体を大気中で容易に処理できる。
【0051】
導電性、半導電性、および絶縁性のプリフォーム要素の他に、犠牲要素をプリフォーム内に挿入してプリフォーム形状を画定しやすくすることができる。その犠牲要素は、その後、プリフォームをファイバに延伸する前に除去する。たとえば、穴部を必要とするプリフォーム内の位置に石英管またはロッドを埋め込み、プリフォームの固化後に石英管またはロッドに化学的エッチングを行うこともできる。同様に、テフロン(登録商標)製ロッドまたは管をプリフォームに挿入し、固化後、挿入したロッドまたは管を機械的に取り除くこともできる。この技術は、ファイバ延伸前に、プリフォームアセンブリ内に間隙または空間を画定する、極めて洗練された方法を提供する。
【0052】
前述した例のようなプリフォーム構築ブロック、および前述した処理と同様の適切な製造処理を用いて、各種のプリフォーム形状を組み立てることで、最終的なファイバ構造において、伝送およびデバイス動作を含む光学的電気的機能性を実現できる。半導電性、絶縁性、または導電性のロッド、素線、および他の幾何的要素は、指定の材料層を用いて被覆できる。各種の材料層は任意の順序で構成できる。ただし、金属については、延伸温度で溶融しない材料によって形状的に包囲されていなければならないという制約がある。ドリル加工、鋳造法、射出成形法、または他の技法を利用して、プリフォームの層または領域内の材料要素の形状関係を規定してもよい。
【0053】
ここで、図3A〜3Gに対応するファイバ形状と同様のファイバ形状を製造する特定のプリフォームアセンブリについて検討する。プリフォーム内には、前述したように、導電性材料からなるワイヤ、素線、またはロッドを配設できる。導電要素をプリフォーム層に配置する際、たとえば、要素、特にポリマーが塗布された要素を層または他の要素に「接着する」働きを持つ液体ポリマーの溶液を利用して、配置できる。図3A〜3Cを参照すると、個別の各素線または素線の配列は、この技術によって、内側の層または内側の他の要素の廻りに配置できる。PES絶縁層の組成としては、前述したAlfa Aesar社から入手できる、20%のPESと、80%のN,N−ジメチルアセトアミドからなるポリマー溶液は、最終被膜用素線媒体および液体添加媒体の両方に利用できる。前述したように、加熱ステップまたは熱固化処理の間に液体ポリマー溶液は、プリフォームおよびファイバの一部である中実のPES領域へと固化する。
【0054】
導電性の素線、ワイヤ、ロッド、または他の要素を必ずしもポリマー被膜で被覆する必要はないことは理解されるであろう。ただし、このように被覆することは、プリフォームアセンブリ内に導電性材料を幾何的に閉じ込める便利な技術である。別の選択肢として、被覆されていない複数の導電性の素線を、層、たとえば、ポリマー層に配置でき、その複数の素線それぞれの間に、切断したポリマーフィルムの細片を嵌め込み、更にその素線の配列にポリマーの層を被せる。他の材料を用いて金属を包囲することもできるが、その材料は、所望のファイバ機能と協働しつつ、延伸処理の際に金属を形状低に包囲できるものでなければならない。
【0055】
絶縁材料として高ガラス転移温度ポリマーを用いる多くの用途において、プリフォーム構造のアセンブリ内にポリマー材料からなる複数の層を設けると、特に有利である。たとえば、前述したフォトニックバンドギャップ構造では、ポリマーフィルムの片側または両側に半導体層を蒸着し、次いで、そのフィルムを円筒形の多層構造に丸めることで、半導電性材料の層と導電性材料の層を交互に設けることができる。また、前述したように、ポリマーフィルムは、導電性素線等の各プリフォーム要素の廻りに巻くことができ、更に、図3Aから図3Gに示した構造と同様の要素アセンブリの廻りにポリマーフィルムを巻いて、絶縁性のファイバ領域および外側の層を形成することもできる。
【0056】
ポリマーフィルムの片側または両側への半導体層の蒸着は、熱蒸着、化学蒸着、スパッタリング、または他の適切な蒸着技法で実現できる。カルコゲナイドガラス等の半導体が、たとえば、前述した化学的合成処理によって合成されている場合は、合成した原料をポリマーフィルム上に熱蒸着する従来の熱蒸着技法は、特に便利な蒸着技法である。ポリマーフィルムは、その表面の質および厚さが極めて均一であることが好ましく、また、蒸着処理に先立って、たとえば、アルコール等で洗浄されると好ましい。熱蒸着は、従来の熱フィラメント蒸着技法を用いて実行でき、たとえば、約10−4Torrより低い気圧下で実行すると好ましい。たとえば、Ladd Research Industires Model 3000等の従来の真空蒸着器を利用できる。ポリマーフィルムの両側は、必要に応じて、指定の材料で被覆できる。
【0057】
ポリマーフィルムと、そのフィルム上に前述の方法で蒸着した材料とから構成された多層プリフォーム構造を組み立てる場合は、心金または他のプリフォーム構造の廻りに、被覆ポリマーフィルムを複数回巻く、あるいは、転がして、所望の数の層を形成する。たとえば、光伝送用のフォトニックバンドギャップ構造の作製では、AsSeを塗膜したPESフィルムを複数回転がして、半導電性の層と絶縁性の層が交互に位置する20以上の層を形成する。このシナリオにおいて、PESフィルムとAsSe層の厚さは、特に、光伝送の所望の波長で最大のフォトニックバンドギャップを達成できるように選択する。詳細は後述するが、最終的なファイバ構造の各層に求められる厚さは、選択した延伸条件に基づいてプリフォーム内の各材料の厚さを規定する。
【0058】
フォトニックバンドギャップ構造を用いて、バンドギャップ材料によって囲まれた中央の空洞コアに光子を通す場合、ガラスロッド、中空ガラス管、テフロン(登録商標)製のロッドや管、または他の構造物等の犠牲プリフォームの廻りに半導体被覆ポリマーフィルムを巻くことができ、後に、ファイバ延伸ステップの前にプリフォームから前記犠牲プリフォームを除去できる。代替構成内に被覆ポリマーフィルムを採用する場合は、選択した他のプリフォーム要素、たとえば、ポリマー、半導体、または導電性ロッド、金属箔を含むプリフォーム材料の他の層、半導電性の層、または他のプリフォーム要素の廻りに被覆フィルムを巻くことができる。これにより、図3A〜3Gに示す多層構造を実現できる。
【0059】
また、図3A〜3Gに示すように、導電要素は、たとえば、図3Eに示す半導電性コア46に隣接する電極48のように、プリフォーム内で直接半導電要素に隣接するように構成できる。プリフォームアセンブリ技術の一例において、この構造を製造する上で、ポリマーフィルムの利用は特に好ましい。金属製電極に半導体コアを接触させるシナリオを考慮した場合、半導体コアには、市販されているもの、または前述した方法で化学的に合成したものを利用できる。
【0060】
ここで、PESまたは他のポリマーフィルムは、所望の長さと、半導体ロッドの長さに対応する幅、好ましくは、前記ロッドより若干長い幅と、所望の厚さ、たとえば、125μmの厚さと、を持つように設けられる。フィルムは、たとえば、アルコール等で洗浄してから、たとえば、150℃で3時間焼成し、アルコールを除去すると好ましい。
【0061】
電極は、ポリマーフィルムと組み合わせて形成でき、たとえば、薄い箔を利用して、たとえば、約25μmから約1mmの間の所望の厚さに形成できる。適切な箔としては、たとえば、ペンシルバニア州デボンにあるGoodfellow Corporation社から市販されているもの入手するか、あるいは、たとえば、金属ロッドを所望の厚さの箔にプレス整形することで作製できる。この箔は、ポリマーフィルムに用いた方法で洗浄および乾燥すると好ましい。また、前述したように、たとえば、フラックス等の酸化抑制剤を用いて箔を被覆することも好ましい。
【0062】
導電性電極は、所望の電極形状に箔を切断して整形する。たとえば、ファイバの長手方向の軸に沿って伸びる長方形として電極を構成する場合は、その形状に対応する長方形の薄い箔片を切り取る。箔片は、半導体ロッドより僅かに短い長さに切り取り、後述する方法で、プリフォーム内に箔の形状を閉じ込められるようにすると好ましい。箔片の幅は、電極に要求される特定の機能に基づいて設定し、たとえば、5mmの幅の箔片を利用できる。
【0063】
プリフォーム構成内への箔片の組み込みでは、電極の形状および電極の所望の配置に対応するフィルム位置でポリマーフィルムを断片的に除去する。フィルムの断片は、フィルムの全厚さ、あるいはフィルム厚さの一部について除去できる。半導体ロッドの周囲に等間隔に2つの電極を配置する場合、電極の幅をω、ロッドの外周をP=πd(前式のdはロッドの直径)とすると、2つの電極は、距離(P−2ω)/2だけ離してフィルム上に配置される。同様の計算を行って、フィルムに任意の数の電極を配置することで、最終的なファイバ形状における所望の電極構成を達成できる。この箔の電極は、フィルムを除去した位置に挿入し、必要な場合は、その上に追加のフィルム層を重ねる。フィルムと電極のアセンブリは、次に、電極の箔材料がロッドに接触するように注意しながら、ロッドまたは他の要素の廻りに巻きつける。
【0064】
ポリマーフィルムが金属の箔または他の導電要素よりも薄い場合は、複数のポリマーフィルム層を採用し、所望の電極位置においてその各層から該当する量の材料を除去することが好ましい。ポリマーフィルムを利用する代わりに、1つ以上のポリマー製の管または他の構造物を利用して、電極要素のプリフォーム内への組み込みを支援することもできる。たとえば、ポリマー管の断片を除去して、管内に箔片を配置し、ロッドまたは他のプリフォーム要素に管を滑り込ませて重ねることができる。多くの用途において、金属電極の配置および他のプリフォーム要素上へのポリマー電極構成の組み立てが簡単であるという点で、ポリマー管を好ましく利用できる。
【0065】
箔または他の導電性材料の延長部分は、プリフォーム要素に巻きつけるポリマーフィルムまたは他の材料に任意の形状で貼ることができるが、その配置構成によって導電性材料の閉じ込めを達成できなければならない。たとえば、図3Eに示したような前述の半導体−金属−絶縁体という配置構成において、電極48は、半径方向において半導電性材料46と絶縁材料49の間に挟まれている。図3Dのファイバの例において、導電性の層の離散的な区画84,85,86,88,89は、隣接する材料層87,91の間に挟まれると共に、各導電性区画の間に配置された材料領域によっても挟まれている。このような包囲は、所望の導電区画の位置においてポリマーフィルムの領域を除去し、そのフィルム領域に金属の箔を挿入する前述のポリマーフィルム−箔アセンブリによって実現できる。
【0066】
また、電極の箔は、ポリマーフィルムの全長を延長させることなく、電極の長手方向端部においてポリマーによって確実に包囲されるものであることは、上記において示唆したとおりである。これ以外の場合は、プリフォームの端部に封入材料を貼ると好ましい。既に説明したように、このような封入に特に好ましく便利な技法は、液体のポリマー溶液を塗布し、この溶液を後の加熱または熱固化のステップで乾燥させる方法である。
【0067】
導電要素の他に、付加的なプリフォーム要素を加えて配置できる。たとえば、図3Eに示すように、プリフォームには、追加の材料層50,52,54を組み込むことができ、この材料層は、素線または他の要素56,57,58,66,68と、コア62を含むこともある。図3Fに示すように、この配置を拡張して、たとえば、指定の数の隣接する電極64を有する等の指定の構成で、複数のロッド62を含むプリフォームを作製できる。ポリマーフィルムの層は、ロッドと電極の各組にそれぞれ巻きつけることができ、また、たとえば、前述したように液体のポリマー溶液を用いて、ポリマーフィルムの層同士と、たとえば、中央のポリマー支持構造とに貼り付けることができる。
【0068】
このプリフォームの組み立て処理は、プリフォーム内へのファイバ要素の配置に援用できるので、この処理を用いて図3Gに示すようなハイブリッドファイバ配列を製造できる。本発明が提供する本処理において、1つ以上のプリフォームを組み立てて、1つ以上のサブファイバに延伸する。このサブファイバは、次に、ファイバ断片に切断され、所望の配列、または他のハイブリッド配置構造内に並べられる。このハイブリッド配置構造は、この後、配列要素を含むハイブリッドファイバに延伸される。
【0069】
ハイブリッドファイバ配列に含まれる各ハイブリッドファイバ要素は、各種選択したプリフォーム内に配置した各種の導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料とを用いて前述した方法で作製できる。このプリフォームは、次に、後述する延伸処理の技法でサブファイバに延伸される。図3Gに示すファイバの例において、たとえば、AsSeロッド等の半導電性ロッドであるロッドを含むプリフォームでは、そのロッドに接触して隣接配設されるSn要素等の金属性電極64と、前述のロッドと電極の廻りの、たとえば、PES等のポリマー材料67とが配置される。ここで、ポリマーフィルム内で切り取った開口部内にSn箔を組み込む前述の処理を利用できる。完成したプリフォームは、たとえば、約数メートルの長さのサブファイバに延伸され、各断片が、たとえば、15cmの長さを持つ多数の断片、たとえば、1000個のサブファイバ断片に切断される。
【0070】
ハイブリッドファイバ用プリフォームの組み立てにおいて、切断された各サブファイバ断片は、たとえば、配列に並べられる。このような配列を形成する一例の技法において、サブファイバ断片は、たとえば、石英またはテフロン(登録商標)製の管等の中空の犠牲管要素の内部に挿入される。この例において、各サブファイバ断片は、サブファイバ断片の端部まで伸びる電極を含むため、サブファイバの管をたとえば、液体のポリマー溶液の中に浸して電極の端部を被覆し、ハイブリッドファイバの延伸時に電極の端部を幾何的に閉じ込めることが好ましい。次に、この配置構成は、後述の方法で固化されるが、必要な場合、犠牲石英管は、たとえば、液体HFエッチング処理によってプリフォームから除去またはエッチングされる。固化処理の結果、サブファイバ断片の配置構成は、一体のハイブリッド構造として互いに融解し、電極は、サブファイバの端部でポリマーによって被覆される。
【0071】
ハイブリッドプリフォーム構造は、次に、後述する延伸条件でハイブリッドファイバ構造に延伸される。サブファイバ要素を用いる現在の例において、ファイバ配列内の各サブファイバ断片は、最初の延伸後、たとえば、約400μmの直径である。ハイブリッドファイバの延伸処理は、各サブファイバの直径を更に縮小するもので、たとえば、延伸縮小率が20であるとすると、直径400μmの各サブファイバ断片は、20μmの直径に縮小される。このように、本方法に採用する2重の延伸処理の結果として、ハイブリッドファイバに含まれる各サブファイバ断片は、非常に微小なファイバ形状に形成される。
【0072】
前述のプリフォームアセンブリ技法に加え、本発明は、プリフォームの製造に関してドリル加工、鋳造、型成型、および他の技法を提案する。たとえば、ポリマーボディ内に穴をドリル加工し、ドリル加工した領域に導電性または半導電性の素線や他の要素を嵌め込む。導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料とをすべて配置構造内に挿入し、これら3種類の材料の共延伸を可能にするすべてのプリフォームアセンブリ技法を利用できる。
【0073】
選択したプリフォームアセンブリ技術とその結果得られる配置構造によって異なるが、組み立てたプリフォームは、ファイバ延伸処理の前に熱固化させると好ましい。固化は、加熱および真空条件化で1つ以上のプリフォーム材料を互いに溶融させ、プリフォーム内の空気溜りを実質的に排除する処理である。この処理により、プリフォームアセンブリは、最終的なファイバ内で隣接する材料層の間に密接な界面接触を生成できるため、この処理は、ファイバ延伸処理のあいだ自続する構造安定性を持つプリフォームを提供する。
【0074】
固化処理の具体的な条件は、指定のプリフォームに組み込む特定の材料に基づいて選択する。プリフォームに、たとえば、高ガラス転移温度ポリマーを用いる場合、固化温度はプリフォームのガラス転移温度より高いことが好ましい。プリフォームは、プリフォーム内に含まれる隣接する要素にポリマーが溶融する十分な時間、高温に維持される。この温度は、プリフォームの直径および材料に基づいて選択する。PESポリマー要素と、AsSe半導電要素と、Sn金属要素とを含むプリフォームを採用した場合、250℃〜280℃、たとえば、約260℃の固化温度は、約10−3の圧力下でこの構造を十分に固化する。
【0075】
ほとんどの固化温度において、金属のプリフォーム要素は固化処理の際に融解するが、前述した閉じ込め層の配置によって、意図する形状内に留められる。固化温度によっては、半導電性のプリフォーム要素が軟化したり、あるいは固体のまま残ることがある。必要な条件は、固化の過程で隣接する材料と溶融できる材料を少なくとも1つ以上含むことである。前述したPES−AsSe−Snの例では、PESポリマーを軟化させ、隣接のプリフォーム要素に溶融できる固化温度が設定される。
【0076】
固化処理は、垂直回転式ゾーン精製炉(vertical rotating zone refinement furnace)内で好ましく実行できる。このような炉では、プリフォームの長手方向の軸が鉛直に保持されるため、ゾーン精製の加熱処理が、プリフォームの長手方向に沿って実行される。固化は、プリフォームの底部からプリフォームの最上部まで上に向かって進行することが好ましい。プリフォームの長手方向に沿って徐々に固化される各プリフォーム区画に対応する加熱時間は、前述したように、プリフォームの直径と材料要素に基づいて決定される。
【0077】
プリフォーム構造内には、既に説明したように、単に最終的なファイバ形状内に設けられる空間を規定するだけの目的でプリフォーム内に組み込まれる1つ以上の犠牲要素が存在する。中空のファイバコアまたは他の領域を必要とする位置において、プリフォーム内に、たとえば、心金、ロッド、管を挿入できる。プリフォーム内に犠牲要素を挿入する場合は、その要素のガラス転移温度より低い温度で固化処理を実行し、固化処理の際に犠牲要素の構造の一体性を保持し、プリフォーム自体が崩壊しないようにすることが好ましい。
【0078】
プリフォーム材料の多くの配置構成について、妥当な固化温度と気圧に耐え得ることに加え、固化後にプリフォームから簡単に除去できる犠牲要素を構成できる。たとえば、テフロン(登録商標)製の管、ロッド、または他の要素は、プリフォーム内に容易に挿入かつ除去できる。表面の粘着性が低く、固化処理に耐え得る材料は、すべて優れた犠牲要素材料である。テフロン(登録商標)製または他の犠牲要素は、固化処理の直後に、プリフォームが高温で若干膨張している間に除去されると好ましい。これにより簡単に除去を実現できる。プリフォームが冷え、それに伴って収縮した後は、単に機械的な力を加えるだけで要素を除去することは、不可能ではないが、難しくなる。
【0079】
別の選択肢として、固化したプリフォームから化学的エッチングを用いて除去できる犠牲要素を採用することもできる。固化処理に耐え得る、たとえば、ガラス、石英、または他のエッチング可能な材料を利用できる。このようなシナリオでは、固化処理の後、プリフォームは、選択的に犠牲要素に作用するエッチング剤に晒される。たとえば、フッ化水素酸や他の酸の漕を用いて、犠牲要素のウェット化学エッチングを実行できる。プリフォーム内の犠牲材料への接触および選択的な作用が可能であれば、プラズマエッチング技術等のドライエッチング技術も利用できる。
【0080】
プリフォームが固化したら、必要に応じてプリフォームから犠牲要素を除去し、プリフォームからファイバへの延伸を行うことができる。ファイバ延伸は、ファイバ延伸塔、または他の適切な延伸装置内で実行する。このような装置では、プリフォームの端部を保持しながらプリフォームを炉内に降ろすため、プリフォーム上部を下に送る機構が設けられている。3つの温度区分、すなわち、高温、中温、低温の区分を実現できる垂直延伸炉を好ましく採用できる。炉の下には、延伸ファイバを巻き上げるスプーラ付きのキャプスタンを設ける。測定装置、たとえば、オハイオ州デイトン所在のBeta LaserMike社製のレーザ直径モニタ等の測定装置、コロラド州アルヴァーダのTension Measurement,Inc.社のModel SM9649P等のファイバテンション測定装置や他の監視装置を挿入できる。
【0081】
延伸炉の温度区分と、プリフォーム下方送り速度と、キャプスタン速度とを、プリフォーム材料および構成に基づいて選択し、導電性材料、半導電性材料、および絶縁材料からなる各要素の所望のファイバ構成への共延伸を実現する。炉の最上区画の温度には、プリフォーム材料を軟化させるが流動はさせない温度を選択する。炉の中央区画の温度には、延伸温度として、ファイバフォーム内にプリフォームを流動させる温度を選択する。前述したように、延伸温度には、絶縁材料と半導電性材料のガラス転移温度より高い温度を選択するが、この温度は、ほとんどの材料の組み合わせにおいて、導電性材料の溶融温度よりも高いものである。過度に高い延伸温度を採用すると、プリフォームは破滅的に変形することになり、過度に低い延伸温度を採用すると、プリフォームに歪みと膨張が生じることになる。プリフォーム構造の配置構成は、延伸温度において保持されなければならない。
【0082】
したがって、指定したプリフォームアセンブリについて、延伸温度の実験的検証が必要になる場合もある。前述したように、ポリマー、金属、およびカルコゲナイド材料の延伸温度に関する適切な基準は、延伸温度において材料はすべて約10ポアズよりも低い粘度を持ち、金属は溶融することである。PESポリマーの絶縁要素と、AsSeの半導電要素と、Snの導電要素のプリフォームでは、約180℃〜250℃の間、たとえば、約190℃の最上区画温度と、約280℃〜315℃の間、たとえば、300℃の延伸区画温度と、延伸区画の近傍であるため調整せず、それ故に約100℃である最下区画温度と、を採用すると、プリフォームを適切にファイバに延伸できる。
【0083】
多くの用途において、延伸処理の際に、均一なプリフォームの加熱を確実に実現すると好ましい。たとえば、分散フィラメント加熱を用いて均一に加熱した炉は、延伸処理に特によく適合する。また、延伸温度区画内で横方向の中央部にプリフォームが保持されると更に好ましい。炉の温度制御の欠乏、または、延伸区画を下に向かって通過する際のプリフォームの横方向の心ずれによってプリフォームの温度分布が不均一になった場合は、温度および粘度が異なる局部プリフォーム領域が生じる可能性がある。プリフォーム内の局部的な粘度の変化は、材料、特に、溶融した金属が他のプリフォーム領域へと流動する毛管効果を生み、意図したファイバ形状を歪める可能性がある。前述した金属要素の物理的な閉じ込めは、このような状態を防ぐ上で重要であるが、一般に、意図するファイバ形状を保持するにはプリフォームを均一に加熱することが好ましい。
【0084】
プリフォームの下方送り速度と、キャプスタン延伸速度の組み合わせは、指定の延伸温度での延伸処理によって作製されるファイバの直径を規定する。フィードバックループに直径監視システムを構成して、直径の設定値と制御アルゴリズムに基づいて行われる直径監視装置による制御、たとえば、キャプスタン速度の制御を実現できる。直径20cm、長さ30mmのPES−AsSe−Snプリフォームの延伸に用いる、前述の延伸炉区画温度では、約0.002mm/秒〜0.004mm/秒の間の下方送り速度と、約0.7m/秒〜3m/秒の間のキャプスタン速度とで、約1200μmと500μmの間の直径および数百メートルの長さを持つファイバを製造できる。ここで判るように、延伸速度が遅くなると、結果的に得られるファイバの直径は大きくなる。ファイバ内で、プリフォームの層は、略20分の1から100分の1の厚さに縮小される。本発明に従ってプリフォームを複数回延伸でき、それに応じて、最終結果のファイバ形状を縮小できる。
【0085】
ファイバプリフォームと結果的なファイバの引き抜き比は正確なものではなく、具体的には、プリフォーム層の厚さの引き抜き比は、必ずしも、ファイバの外形の引き抜き比と正確には対応しない。これは多数の要因によるもので、たとえば、プリフォーム内の中空コアまたは他の中空領域の縮小等の要因が含まれる。層と外径の引き抜き比の関係は、直径が大きくテンションが低い延伸手法では1:1に近いことが判明している。高温でテンションの低い延伸手法は、たとえば、中空領域の部分的な崩壊のせいで、外径の引き抜き比から予測されるよりも厚い層を持つファイバを生成する傾向がある。ただし、このような効果は、正確に再現できることが判明しているので、実験履歴に基づいた予測が可能である。
【0086】
ファイバ延伸動作の完了時には、光伝送と、分離かつ独立した電気伝送と、光電子デバイス動作とを実現できるファイバが作製される。したがって、導電性ファイバ要素と半導電性ファイバ要素は、伝送とデバイス動作の少なくとも一側面の機能を担うように設けられ、絶縁性ファイバ要素は、電気的と光学的の少なくともいずれかの絶縁を実現し、かつ伝送またはデバイス動作の少なくとも一側面の機能を担うように設けることができる。
【0087】
導電性プリフォーム材料と、半導電性プリフォーム材料と、絶縁性プリフォーム材料とを用いることは好ましいが、延伸処理によって得られるファイバは、特性寸法と延伸ファイバ断面の要素寸法の縮小で付与されるものとは異なる材料の導電性を呈する場合があることは理解されるであろう。たとえば、ファイバ延伸条件と、延伸の結果生じる構造および寸法の少なくともいずれかの変化とによって、半導電性または金属製のプリフォーム材料が絶縁性になったり、あるいは、絶縁性のプリフォーム材料が導電性になることがある。また、プリフォーム内に設けられる材料のエネルギバンド構造は、ファイバ延伸と、その結果生じる寸法変化の少なくともいずれかによって変質し、それに応じて、所定のファイバの特性寸法の縮小で付与される材料の導電性が変化することがある。また、ファイバ延伸時に材料の導電性を調整する1つ以上の構成要素をプリフォーム内に組み込めることも理解されるであろう。たとえば、ポリマー等のプリフォーム材料内に、カーボンファイバ等の導電性フィラメントを挿入でき、これにより、延伸時にファイバの間隔を縮小させることで、ポリマーの導電性を変更できる。
【0088】
本発明は、これらおよび他の現象を利用して、導電性、半導電性、および絶縁性に限定されない材料で構成されたプリフォームから、導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料とからなる延伸ファイバを製造することを提案するものである。対応する処理フロー11は、図1Bのフローチャートに示した。最初の処理ステップ13において、複数の異なる材料を含むファイバプリフォームを組み立てる。次に、前述したように、密接な界面を形成する必要がある場合は、組み立てたファイバプリフォームを固化する(15)。最後に、導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料からなるファイバへとファイバプリフォームを延伸する(17)。本発明は、延伸ファイバにおいて導電性、半導電性、および絶縁性の材料特性を達成するものであるので、この所望の結果が得られるのであれば、プリフォームにおいて、材料とファイバの導電性が1対1で対応する必要はないことは理解されるであろう。本発明によれば、プリフォーム材料のエネルギバンド構造の変化と、プリフォーム材料要素の寸法、構造、および他の変化と、ファイバ延伸処理による影響を受ける他の現象と、を利用し、導電性、半導電性、および絶縁性のファイバ形状を作製できる。
【実施例1】
【0089】
図4を参照して説明する。光子と電子の両方を伝導するファイバ90を、本発明に従って製造した。中空のファイバコア92として光子伝導領域を設け、その廻りに、半導電性材料と絶縁材料の層を交互に構成した多層フォトニックバンドギャップ構造94を設けた。このバンドギャップ構造は、光子伝送に対応した波長でフォトニックバンドギャップを示した。バンドギャップ構造の廻りに、それぞれがSnコアとポリマークラッドを有する60個の円筒素線96を設け、その素線の廻りに、追加のポリマー補強材料98を設けた。
【0090】
この例のバンドギャップ構造は、全方位反射鏡であるが、本発明のファイバはこのような構成に限定されるものではなく、バンドギャップ構造が多層または1Dのフォトニックバンドギャップ構造である必要はなく、代わりに、複数の方向に周期性を持つ2Dまたは3Dのフォトニックバンドを採用する構造を示してもよい。図示したバンドギャップ構造において、光子が伝送される波長は、この構造の誘電性ミラーの周期長によって制御される。周期長が変化すると、伝送波長が変化する。
【0091】
この形状のファイバプリフォームは、パイレックス(登録商標)管の廻りに、AsSeの層で両端を被覆したPEIフィルムを巻いて組み立てた。具体的には、厚さ8μmのPEIフィルムの両端に、2.6μmの厚さのAsSeの層を蒸着した。半導電性材料は、前述した方法で化学的に合成した。高純度のAsとSeの要素は、窒素雰囲気下で石英管内に配置した。この管は、真空下において1℃/分の速度で1時間、330℃まで加熱して、表面の酸化物、Asを除去してから、1℃/分の速度で室温まで冷却した。次に、約10−5Torrの真空下で管を封止した。その結果得られたアンプルは、揺動炉において2℃/分の速度で700℃まで加熱し、10時間垂直に保持し、その後、12時間揺動して、混合度と均質性を向上させた。次に、550℃まで液体を冷却し、大気中および水中でクエンチングを行った。そして、30分かけて約180℃までアニールした後、室温まで徐々に冷却した。合成されたカルコゲナイド半導体を、PEIフィルムの両側に熱蒸着して、2つの半導電性の層がポリマーフィルムの厚さの4分の1となるように構成した。
【0092】
被覆したポリマーフィルムは、ここで、16mmの外径を持つパイレックス(登録商標)管の廻りに巻きつけた。この管の直径は、ポリマー絶縁体と半導体層の厚さと、ファイバの内側コアの必要な寸法と、所望のバンドギャップ波長とを鑑みて選択した。PEI層は、材料ペアの最外周の層として設けた。AsSe/PEI層のペアを8組、管の廻りに巻いた。次に、前述した方法で、ポリマー被覆Sn素線を作製した。直径5mmのSnワイヤには、それぞれ、7.5mmの厚さのPEIフィルムの層を巻いた。巻き終わったワイヤの端部は、20%のPESと、80%のN,N−ジメチルアセトアミドからなるポリマー溶液で被覆した。
【0093】
続いて、各ポリマー被覆金属素線をPEI層に貼り付けたが、この貼り付けは、20%のPESと80%のN,N−ジメチルアセトアミドからなるポリマー溶液をPEIフィルムに塗布し、その素線をフィルムに貼ることで実行した。次に、金属素線の廻りに追加のPEI層を巻いた。この結果得られたプリフォームは、続いて、260℃の温度、10−3Torrの気圧で固化させた。固化後、プリフォームを液体HFの漕に浸し、または3時間、パイレックス(登録商標)管を選択的にエッチングした。
【0094】
犠牲パイレックス(登録商標)管を除去して完成したプリフォームは、ここで、192℃の最上区分温度と、302℃の延伸温度と、0.003mm/分の下方送り速度と、1m/分のキャプスタン速度の条件下で延伸した。これにより、プリフォームは、厚さ150nmのAsSe層と、厚さ280nmのPEI層と、直径約8μmのSn金属ワイヤと、を含むファイバに延伸された。
【0095】
図5は、3種類の異なる外径、すなわち、980μm、1030μm、および1090μmの外径について実験により測定した、図4に示す2重の電子−光子伝導ファイバ構成の光伝送スペクトルのグラフである。光伝送の測定は、InGaAs検出器付きのBruker Tensor 37FTIR分光計を用いて近赤外領域で実行した。ファイバの両端を金の厚い層で被覆して、中空のコアのみへの光結合を保障し、電気伝導実験を容易に行えるようにした。これらのファイバは、基本および2次のフォトニックバンドギャップに対応する伝送ピークを示し、この基本と2次のフォトニックバンドギャップは、直径980μmのファイバで、それぞれ1.62μmと0.8μmのところに位置する。前述したように、フォトニックバンドギャップの位置は、最終的なファイバ径によって制御される多層ミラー構造の格子周期によって決定される。
【0096】
図6は、電流を、図4に示したファイバの金属素線に印加される電圧の関数として示したグラフである。素線の電流は、印加電圧において直接測定した。ファイバの電子輸送特性は、測定範囲においてオーミックであることが判明した。また、このファイバ構造に採用したPEIおよびPESポリマーは高ガラス転移温度であるので、ファイバへの電気接点は、従来のはんだ付けを用いて実現できた。
【0097】
図4のファイバのフォトニックバンド構造と理論的な光伝送は、放射状に出射する線束についての一般式を用いて、円筒形のファイバから予測した。図7Aのグラフは、その結果得られる帯域図を表している。濃い網掛け領域は、出射線束の減衰解を持つバンドギャップ領域に対応する。バンドギャップ外の薄い網掛け領域は、光が放射モードと結合する領域に対応する領域で、この放射モードは、ミラー構造を通って伝送され、そのため、中空のファイバコア内の伝送に局在化されない。
【0098】
これらの高オーバーモードファイバ(high over-moded fibers)の光伝送特性は、ファイバ半径の二乗に反比例する小さなインターモーダル分離(intermodal separation)によって設定される。このように、250λ、すなわち400μmのファイバコア半径は、〜10モードを持つことが予測されるため、全スケールのバンド構造において伝播モードの分散曲線を個別に観察することは困難である。グラフに挿入した画像は、光線近傍の導波モードの区分を拡大化したもので、その画像内で、角度運動量が1で、最初に伝播する3つのファイバモードの分散曲線は、光の色付きストリップから観察でき、このストリップは出射線束内の極小を示し、それゆえに、中空コア内の場の強力な閉じ込めを示している。
【0099】
図7Bは、漏洩モード技法に基づいて、ファイバについて計算した伝送スペクトルを示すグラフである。この計算スペクトルは、図5の測定スペクトルのグラフに呼応し、1次と2次のフォトニックバンドギャップに対応する波長において高い伝送を示している。
【0100】
図8を参照しながら説明する。500μmの直径を持ち、AsSeのカルコゲナイドガラスからなる半導電性コア領域102と、直接そこに接触し、半径方向の厚さが65μmで、周方向の長さが180μmの2つのSn金属電極104と、がファイバ長手方向の全長に亘って形成されたファイバを、本発明に従って製造した。金属電極の廻りにはPESの層を設けた。
【0101】
ファイバプリフォームは、前述した方法で、化学的に合成したAsSeカルコゲナイドガラス製コアを用いて作製した。長方形に切り取ったSn箔から金属電極を形成し、PESフィルムを切り抜いた領域にその金属電極を挿入した。次に、ガラス製コアの廻りにSn−PES構造を巻きつけ、そのアセンブリに追加のPES層を巻きつけた。
【0102】
このプリフォームは、10−3Torrの気圧、260℃の温度で固化させた。次に、190℃〜230℃の間の最上区画温度、および290℃と295℃の間の延伸区画温度の条件下で、プリフォームを延伸した。0.003mm/分の下方送り速度と、1m/分のキャプスタン速度とを用いた。
【0103】
実験的試験において、電子−正孔対が半導電性コア102の表面に光誘電生成されることから、ファイバの電気抵抗は照光時に劇的に減少することが判明した。この実例は、光検出装置としてのファイバの動作を立証した。このような電荷が生成された後、電子と正孔の対は、金属電極間に印加された電圧によって生成される電界によって分離されて、反対の電極へと押し流される。
【0104】
図9Aは、光検出器ファイバの光応答のグラフである。この光応答は、横川製のピコアンペア測定器と、ヒューレットパッカード製の4140B DC電圧源とを使用して測定した。石英−タングステン−ハロゲン灯からの白色光を用いてファイバを照光し、これを測定して、最大2オーダーの大きさに拡張した導電率を生成した。図10Aに示すI−Vのグラフの直線的な振る舞いは、この構造内のオーミック動作を示すもので、金属−半導体接合部におけるショットキー効果は、測定範囲内では観測されなかった。なお、この光検出器ファイバは、抵抗検出モードの他に容量検出モードでも動作できることを付記しておく。
【0105】
図9Bは、光検出器ファイバの導電率の光照射強度に対する依存度のグラフで、この依存度は、測定範囲において直線的であることが判明した。印加電圧によって生成される電界線を、有限要素技法を用いてシミュレーションして、図9Aに挿入して示した。
【0106】
光検出器ファイバの応答は、金属−半導体−金属の光検出器(DMSM)と類似するが、その構成よりも優れた利点を提供する。特に、本発明は、広範囲の用途に対応した光検出器ファイバの調整を実現できる。たとえば、図3Gのハイブリッドファイバ配列は、光検出器ファイバの配列として構成できる。他の構成に配置して、光検出器ファイバの光応答の拡張と活用の少なくとも一方を実現できる。
【0107】
光検出器ファイバの光電感度はファイバの直径に反比例して増減することが判明した。したがって、要素直径の小さいファイバがより高い光電感度を示すことは理解されるであろう。図10Aは、光検出器ファイバの抵抗Rを、ファイバの直径の関数として示したグラフである。単純なスケーリング変数から判るように、ファイバの寸法が減少しても、暗抵抗Rは変化しない。ただし、照光時には、直径とは独立した、照射光の透過度によってのみ決定される厚さを持つファイバ外周に沿って導電性の層が形成される。この層の抵抗は、その長さと共に直線的に増減するため、ファイバの直径に比例し、その結果、照光されたファイバの抵抗直径の1次依存が観察される。
【0108】
また、光検出器ファイバの光生成電流も、ファイバの照光部の長さに依存することが判明した。図10Bは、抵抗を、照光ファイバ長さの関数として示したグラフである。この結果は、光検出器ファイバが真の分散特性を呈することを示す。この光検出機能は、光検出器ファイバの長さに沿って連続的で、これは、一般に、ミクロンのスケールを規制する点状の要素である従来の光検出要素とは対照的である。AsSeガラスの電子移動度端は、650nmの波長に相当するため、このファイバ構成は、近傍のIR範囲と同様に可視範囲に対しても効果的な光検出器となる。この検出範囲は、コアガラスの組成を選択的に変更することで容易に拡張できる。
【0109】
寸法および形状の正確な制御を組み合わせて実行して、小さい特性寸法を実現しながらファイバの拡張長さに沿った軸方向の均一性を維持し、同時に、導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料の間の密接な接触および接着を達成できる能力は、電子および光の用途に対応した広範囲の機能性ファイバへの道を開く。言うまでもないが、当業者であれば、本発明が寄与する範囲および精神から逸脱することなく各種の変更および追加を行えることは理解されるであろう。したがって、ここで付与されることを要求する保護は、厳密に本発明の範囲に係る請求項の内容と、その等価物に及ぶものであることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1A】本発明によって提供されるファイバプリフォームの組み立ておよび延伸の処理ステップを示すフローチャートである。
【図1B】本発明によって提供されるファイバプリフォームの組み立ておよび延伸の処理ステップを示すフローチャートである。
【図2】本発明に係るファイバプリフォームと、前記プリフォームを延伸して製造する対応ファイバと、を模式的に示す図である。
【図3A】本発明の処理で実現できるファイバ形状の例を示す模式的断面図である。
【図3B】本発明の処理で実現できるファイバ形状の例を示す模式的断面図である。
【図3C】本発明の処理で実現できるファイバ形状の例を示す模式的断面図である。
【図3D】本発明の処理で実現できるファイバ形状の例を示す模式的断面図である。
【図3E】本発明の処理で実現できるファイバ形状の例を示す模式的断面図である。
【図3F】本発明の処理で実現できるファイバ形状の例を示す模式的断面図である。
【図3G】本発明の処理で実現できるファイバ形状の例を示す模式的断面図である。
【図4】本発明によって提供される、光伝送および電気伝送用のファイバの模式的断面図である。
【図5】図4のファイバについて測定した光伝送を、伝送波長の関数として示すグラフである。
【図6】図4のファイバについて測定した導電電流を、印加電圧の関数として示すグラフである。
【図7A】図4のファイバについて計算したフォトニックバンド構造を示すグラフである。
【図7B】図4のファイバについて計算したHE11モード伝送スペクトルを、波長の関数として示すグラフである。
【図8】本発明によって提供される光検出用ファイバの模式的断面図である。
【図9A】図8のファイバについて測定した電流−電圧特性を示すグラフである。
【図9B】図8のファイバについて測定したファイバ抵抗を、照射強度の関数として示すグラフである。
【図10A】図8のファイバについて測定したファイバ抵抗を、所定のファイバ照光に対するファイバ直径の関数として示すグラフである。
【図10B】図8のファイバについて測定したファイバ抵抗を、所定のファイバ照光に対する照光ファイバ長さの関数として示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性材料と、半導電性材料と、絶縁材料と、を含むファイバプリフォームの組み立てと、
前記プリフォームのファイバへの延伸と、
を含むファイバの製造方法。
【請求項2】
複数の異なる材料を含むファイバプリフォームの組み立てと、
導電性材料と、絶縁材料と、半導電性材料とを含むファイバへの前記プリフォームの延伸と、
を含むファイバの製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、更に、前記プリフォームからファイバに延伸する前に、前記ファイバプリフォームを固化することを含む方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記ファイバプリフォームを固化することは、前記ファイバプリフォームを真空化で加熱することを含む方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載の方法であって、前記ファイバの延伸は、前記材料の粘度が約10ポアズより低い状態にある延伸温度での延伸である方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載の方法であって、前記ファイバの延伸は、前記導電性材料の特徴溶融温度より高い延伸温度での延伸である方法。
【請求項7】
請求項1または2に記載の方法であって、前記ファイバの延伸は、約280℃と約315℃の間の延伸温度での延伸である方法。
【請求項8】
請求項1または2に記載の方法であって、前記ファイバの延伸は、約10メートルを超える長さを持つファイバを延伸することを含む方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記ファイバの延伸は、約20メートルを超える長さを持つファイバを延伸することを含む方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記ファイバの延伸は、約50メートルを超える長さを持つファイバを延伸することを含む方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記ファイバの延伸は、約100メートルを超える長さを持つファイバを延伸することを含む方法。
【請求項12】
請求項1または2に記載の方法であって、ファイバプリフォームの組み立ては、約100cmより短い長さを持つプリフォームを組み立てることを含む方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、ファイバプリフォームの組み立ては、約50cmより短い長さを持つプリフォームを組み立てることを含む方法。
【請求項14】
請求項1または2に記載の方法であって、前記ファイバの延伸は、前記ファイバプリフォームの特徴長さの少なくとも100倍を超える長さを持つファイバを延伸することを含む方法。
【請求項15】
請求項1または2に記載の方法であって、前記ファイバの延伸は、前記ファイバプリフォームの特徴的直径の少なくとも10分の1より小さい直径を持つファイバを延伸することを含む方法。
【請求項16】
請求項1または2に記載の方法であって、更に、
前記ファイバを複数のサブファイバに切断することと、
前記サブファイバをハイブリッドファイバプリフォームに組み立てることと、
前記ハイブリッドファイバプリフォームをハイブリッドファイバに延伸することと、
を含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、ハイブリッドファイバプリフォームに組み立てることは、異なる断面を持つサブファイバを前記プリフォーム内に挿入することを含む方法。
【請求項18】
請求項1または2に記載の方法であって、前記絶縁材料はポリマー絶縁材料を含む方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記ポリマー絶縁材料は高ガラス転移温度材料を含む方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、前記ポリマー絶縁材料はポリエーテルイミドを含む方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法であって、前記ポリマー絶縁材料はポリエーテルスルホンを含む方法。
【請求項22】
請求項18に記載の方法であって、前記ポリマー絶縁材料はポリメタクリル酸メチルを含む方法。
【請求項23】
請求項18に記載の方法であって、前記ポリマー絶縁材料はポリマーロッドを含む方法。
【請求項24】
請求項18に記載の方法であって、前記ポリマー絶縁材料はポリマー管を含む方法。
【請求項25】
請求項18に記載の方法であって、前記ポリマー絶縁材料はポリマー層を含む方法。
【請求項26】
請求項1または2に記載の方法であって、前記絶縁材料は光伝送要素を含む方法。
【請求項27】
請求項1または2に記載の方法であって、前記絶縁材料は、導電要素に接触して隣接する光電子デバイス要素を含む方法。
【請求項28】
請求項1または2に記載の方法であって、前記導電性材料は金属を含む方法。
【請求項29】
請求項1に記載の方法であって、更に、前記プリフォームをファイバに延伸する前に、前記導電性材料に酸化抑制剤を塗布することを含む方法。
【請求項30】
請求項1に記載の方法であって、更に、前記プリフォームをファイバに延伸する前に、前記導電性材料に湿潤化促進剤を塗布することを含む方法。
【請求項31】
請求項1に記載の方法であって、更に、前記プリフォームをファイバに延伸する前に、前記導電性材料にフラックスを塗布することを含む方法。
【請求項32】
請求項1または2に記載の方法であって、前記導電性材料は金属を含む方法。
【請求項33】
請求項1または2に記載の方法であって、前記導電性材料は合金を含む方法。
【請求項34】
請求項32に記載の方法であって、前記金属はSnを含む方法。
【請求項35】
請求項32に記載の方法であって、前記金属は少なくとも1つの金属素線を含む方法。
【請求項36】
請求項32に記載の方法であって、前記金属は金属の箔を含む方法。
【請求項37】
請求項32に記載の方法であって、前記金属は金属の層を含む方法。
【請求項38】
請求項1または2に記載の方法であって、前記導電性材料は電気伝送要素を含む方法。
【請求項39】
請求項1または2に記載の方法であって、前記導電性材料は電極要素を含む方法。
【請求項40】
請求項1または2に記載の方法であって、前記導電性材料は、半導電要素に接触して隣接する光電子デバイス要素を含む方法。
【請求項41】
請求項1または2に記載の方法であって、前記導電性材料は、半導電性材料と絶縁材料の少なくとも1つによって形状的に包囲される導電要素を含む方法。
【請求項42】
請求項1または2に記載の方法であって、前記半導電性材料は半導電性カルコゲナイドガラスを含む方法。
【請求項43】
請求項42に記載の方法であって、前記半導電性材料は(As40Se601−xSnを含む方法。
【請求項44】
請求項42に記載の方法であって、前記カルコゲナイドガラスはAsSeを含む方法。
【請求項45】
請求項1または2に記載の方法であって、前記半導電性材料は光伝送要素を含む方法。
【請求項46】
請求項1または2に記載の方法であって、前記半導電性材料は、導電要素に接触して隣接する光電子デバイス要素を含む方法。
【請求項47】
請求項1または2に記載の方法であって、前記半導電性材料は半導電性ロッドを含む方法。
【請求項48】
請求項1または2に記載の方法であって、前記半導電性材料は半導電性の層を含む方法。
【請求項49】
請求項1または2に記載の方法であって、プリフォームの組み立ては、ロッドの廻りに金属の層を巻くことを含む方法。
【請求項50】
請求項1または2に記載の方法であって、プリフォームの組み立ては、管の廻りに金属の層を巻くことを含む方法。
【請求項51】
請求項1または2に記載の方法であって、プリフォームの組み立ては、絶縁材料の層に半導電性材料を蒸着することを含む方法。
【請求項52】
請求項1または2に記載の方法であって、プリフォームの組み立ては、プリフォーム要素の廻りに、半導電性材料の層で被覆された絶縁材料の層を巻くことを含む方法。
【請求項53】
請求項1または2に記載の方法であって、プリフォームの組み立ては、プリフォーム要素の廻りに、金属箔の層を巻くことを含む方法。
【請求項54】
請求項53に記載の方法であって、更に、前記箔および前記箔に隣接する材料の少なくとも1つに対して、酸化抑制剤と湿潤化促進剤のうちの少なくとも1つを塗布することを含む方法。
【請求項55】
請求項1または2に記載の方法であって、プリフォームの組み立ては、プリフォーム要素の廻りにポリマーフィルムを巻くことを含む方法。
【請求項56】
請求項1または2に記載の方法であって、プリフォームの組み立ては、プリフォーム要素の隣に少なくとも1つの導電性素線を配置することを含む方法。
【請求項57】
請求項56に記載の方法であって、更に、導電性素線および導伝性素線に隣接する材料の少なくとも1つに対して、酸化抑制剤と湿潤化促進剤のうちの少なくとも1つを塗布することを含む方法。
【請求項58】
請求項56に記載の方法であって、更に、導電性素線とプリフォーム要素の少なくとも1つの廻りに、ポリマーフィルムを巻くことを含む方法。
【請求項59】
請求項56に記載の方法であって、少なくとも1つの導電性素線を配置することは、プリフォーム要素の少なくとも一部に流体のポリマー溶液を塗布し、
前記プリフォーム要素の前記ポリマー溶液が塗布された部分に前記素線を配置することを含む方法。
【請求項60】
請求項1または2に記載の方法であって、プリフォームの組み立ては、ポリマーフィルム内に少なくとも1つの導電性電極を配置し、プリフォーム要素の廻りに前記ポリマーフィルムを巻くことを含む方法。
【請求項61】
請求項60に記載の方法であって、更に、前記導電性電極および該電極に隣接する材料の少なくとも1つに対して、酸化抑制剤と湿潤化促進剤のうちの少なくとも1つを塗布することを含む方法。
【請求項62】
請求項60に記載の方法であって、前記プリフォーム要素は、半導電性ロッドを含む方法。
【請求項63】
請求項1または2に記載の方法であって、プリフォームの組み立ては、ポリマー管の側壁に少なくとも1つの導電性電極を配置し、プリフォーム要素の廻りに前記ポリマー管を配置することを含む方法。
【請求項64】
請求項63に記載の方法であって、更に、前記導電性電極および該電極に隣接する材料の少なくとも1つに対して、酸化抑制剤と湿潤化促進剤のうちの少なくとも1つを塗布することを含む方法。
【請求項65】
請求項63に記載の方法であって、前記プリフォーム要素は、半導電性ロッドを含む方法。
【請求項66】
請求項1または2に記載の方法であって、プリフォームの組み立ては、プリフォーム要素内に少なくとも1つの開口部を形成し、前記開口部内に前記材料のうちの少なくとも1つを配置することを含む方法。
【請求項67】
請求項1または2に記載の方法であって、プリフォームの組み立ては、前記材料と共に犠牲プリフォーム要素を並べて中空のファイバ領域を画定し、ファイバへの延伸に先立って前記犠牲プリフォーム要素を除去することを含む方法。
【請求項68】
請求項67に記載の方法であって、前記犠牲プリフォーム要素はロッドを含む方法。
【請求項69】
請求項67に記載の方法であって、前記犠牲プリフォーム要素は管を含む方法。
【請求項70】
請求項67に記載の方法であって、更に、前記プリフォームから前記犠牲プリフォーム要素を除去する前に、真空下で前記プリフォームを熱固化させることを含む方法。
【請求項71】
請求項67に記載の方法であって、犠牲プリフォーム要素の除去は、前記犠牲プリフォーム要素を選択的に化学エッチングすることを含む方法。
【請求項72】
導電性材料と、絶縁材料と、半導電性材料と、を含むファイバ。
【請求項73】
請求項72に記載のファイバであって、前記材料は、予め選択した光学的機能要素と電子的機能要素とを構成するように配置されるファイバ。
【請求項74】
請求項72に記載のファイバであって、前記材料は、完全に中実のファイバ断面を持つように設けられるファイバ。
【請求項75】
請求項72に記載のファイバであって、前記材料は、ファイバの外側外周の特徴的対称性を共有しないファイバ要素を含むファイバ。
【請求項76】
請求項72に記載のファイバであって、前記材料は、ファイバの内側外周の特徴的対称性を共有しないファイバ要素を含むファイバ。
【請求項77】
請求項72に記載のファイバであって、更に、前記ファイバの断面の特徴中心を含まない閉ループである外周を持つ少なくとも1つのファイバ要素を含むファイバ。
【請求項78】
請求項72に記載のファイバであって、更に、前記ファイバの断面において円周上の経路に沿って少なくとも1つの材料界面を含むファイバ。
【請求項79】
請求項72に記載のファイバであって、更に、前記ファイバの断面において、特徴的なファイバの外周と一致する経路に沿って少なくとも1つの材料界面を含むファイバ。
【請求項80】
請求項79に記載のファイバであって、更に、前記ファイバの断面において、特徴的なファイバの内周と一致する経路に沿って少なくとも1つの材料界面を含むファイバ。
【請求項81】
請求項72に記載のファイバであって、更に、前記ファイバの断面において、円周上の経路に沿った材料組成内に少なくとも1つの不連続部分を含むファイバ。
【請求項82】
請求項72に記載のファイバであって、更に、前記ファイバの断面において、特徴的なファイバの外周と一致する経路に沿った材料組成内に少なくとも1つの不連続部分を含むファイバ。
【請求項83】
請求項72に記載のファイバであって、更に、前記ファイバの断面において、特徴的なファイバの内周と一致する経路に沿った材料組成内に少なくとも1つの不連続部分を含むファイバ。
【請求項84】
請求項72に記載のファイバであって、更に、ファイバ断面の複数箇所に配置される電極を含み、該電極は、その間に印加される電圧バイアスに耐え得るものであるファイバ。
【請求項85】
請求項72に記載のファイバであって、前記ファイバは非対称の円柱形によって特徴付けられたファイバ断面を含むファイバ。
【請求項86】
請求項72に記載のファイバであって、更に、複数のサブファイバを含み、前記サブファイバは、それぞれ、導電性材料と、絶縁材料と、半導電性材料とを含むファイバ。
【請求項87】
請求項86に記載のファイバであって、前記サブファイバは、実質的に同一の断面であることを特徴とするファイバ。
【請求項88】
請求項86に記載のファイバであって、前記複数のサブファイバのうちの少なくとも2つのサブファイバは、異なる断面であることを特徴とするファイバ。
【請求項89】
請求項86に記載のファイバであって、前記複数のサブファイバのうちの少なくとも2つのサブファイバは互いに電気的に接続されているファイバ。
【請求項90】
請求項72に記載のファイバであって、長さが約10メートルより長いことを特徴とするファイバ。
【請求項91】
請求項90に記載のファイバであって、長さが約20メートルより長いことを特徴とするファイバ。
【請求項92】
請求項91に記載のファイバであって、長さが約50メートルより長いことを特徴とするファイバ。
【請求項93】
請求項92に記載のファイバであって、長さが約100メートルより長いことを特徴とするファイバ。
【請求項94】
請求項72に記載のファイバであって、前記導電性材料と、前記絶縁材料と、前記半導電性材料とは、前記ファイバの延伸プリフォームに対応する形状関係で配置されるファイバ。
【請求項95】
請求項72に記載のファイバであって、前記絶縁材料はポリマー絶縁材料を含むファイバ。
【請求項96】
請求項95に記載のファイバであって、前記ポリマー絶縁材料は高ガラス転移温度材料を含むファイバ。
【請求項97】
請求項95に記載のファイバであって、前記ポリマー絶縁材料はポリエーテルイミドを含むファイバ。
【請求項98】
請求項95に記載のファイバであって、前記ポリマー絶縁材料はポリエーテルスルホンを含むファイバ。
【請求項99】
請求項95に記載のファイバであって、前記ポリマー絶縁材料はポリメタクリル酸メチルを含むファイバ。
【請求項100】
請求項95に記載のファイバであって、前記ポリマー絶縁材料はポリマーロッドを含むファイバ。
【請求項101】
請求項95に記載のファイバであって、前記ポリマー絶縁材料はポリマー管を含むファイバ。
【請求項102】
請求項95に記載のファイバであって、前記ポリマー絶縁材料はポリマー層を含むファイバ。
【請求項103】
請求項72に記載のファイバであって、前記絶縁材料は光伝送要素を含むファイバ。
【請求項104】
請求項72に記載のファイバであって、前記絶縁材料は導電要素に接触して隣接する光電子デバイス要素を含むファイバ。
【請求項105】
請求項72に記載のファイバであって、前記導電性材料は金属を含むファイバ。
【請求項106】
請求項72に記載のファイバであって、前記導電性材料は合金を含むファイバ。
【請求項107】
請求項105に記載のファイバであって、前記金属はSnを含むファイバ。
【請求項108】
請求項105に記載のファイバであって、前記金属は少なくとも1つの金属素線を含むファイバ。
【請求項109】
請求項105に記載のファイバであって、前記金属は金属の層を含むファイバ。
【請求項110】
請求項72に記載のファイバであって、前記導電性材料は電気伝送要素を含むファイバ。
【請求項111】
請求項72に記載のファイバであって、前記導電性材料は電極要素を含むファイバ。
【請求項112】
請求項72に記載のファイバであって、前記導電性材料は半導電要素に接触して隣接する光電子デバイス要素を含むファイバ。
【請求項113】
請求項72に記載のファイバであって、前記導電性材料は、前記半導電性材料と前記絶縁材料の少なくとも1つによって形状的に包囲される導電要素を含むファイバ。
【請求項114】
請求項72に記載のファイバであって、前記半導電性材料は半導電性カルコゲナイドガラスを含むファイバ。
【請求項115】
請求項114に記載のファイバであって、前記半導電性材料は(As40Se601−xSnを含むファイバ。
【請求項116】
請求項114に記載のファイバであって、前記カルコゲナイドガラスはAsSeを含むファイバ。
【請求項117】
請求項72に記載のファイバであって、前記半導電性材料は光伝送要素を含むファイバ。
【請求項118】
請求項72に記載のファイバであって、前記半導電性材料は、導電要素に接触して隣接する光電子デバイス要素を含むファイバ。
【請求項119】
請求項72に記載のファイバであって、前記半導電性材料は半導電性ロッドを含むファイバ。
【請求項120】
請求項72に記載のファイバであって、前記半導電性材料は半導電性の層を含むファイバ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【公表番号】特表2007−534972(P2007−534972A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520286(P2006−520286)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/022501
【国際公開番号】WO2005/049513
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー (233)
【Fターム(参考)】