説明

導電性シート及びその製造方法

【課題】 片面に粘着層が形成されたにも拘らず、筐体などとの導通を良好に確保することのできる導電性シート、及びその製造方法の提供。
【解決手段】 シリコーンに導電性フィラーを充填してなるシート材を積層・圧着すると、充填されていた導電性フィラー同士がぶつかり、図3(A),(B)に示すようにシート材表面から導電性フィラーの一部が押し出される。この面に粘着層を形成すれば、導電性フィラーの一部がシート材の表面から粘着層へ突出し、粘着層が絶縁性であってもその粘着層を挟んで導通が確保できる。このため、携帯電話等の小型機器で筐体の隙間に挟んで使用する場合にも、粘着層を介して筐体へ容易に固定することができ、しかも、その筐体との導通を良好に確保して良好に電磁波をシールドすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材に導電性フィラーを充填してなる導電性シートに関し、詳しくは、その片面に粘着層が形成された導電性シート、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、シリコーンゴムなどの基材に、ニッケルで被覆したグラファイトなどの導電性フィラーを充填してなる導電性シートが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。このような導電性シートを、例えば金属製の筐体の隙間にガスケットとして挟み込んだ場合、その隙間を電磁波が通過するのを防止して、各種機器のノイズ対策に利用することができる。従って、この種の導電性シートは、携帯電話,液晶ディスプレイ,カーナビゲーション装置,ノート型パソコン等の各種分野で需要が高まりつつある。
【特許文献1】特開2003−59341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の導電性シートは、筐体などに固定して使用される。シリコーンゴムなどの基材には、自己粘着性(いわゆるタック性)を有するものもあるが、導電性向上のために導電性フィラーを多量に充填するとタック性は失われる。このため、この種の導電性シートは、接着剤などからなる粘着層や両面粘着テープを利用して、筐体などに固定されるのが一般的である。
【0004】
しかしながら、接着剤や両面粘着テープは絶縁性であるため、これらを使用すると筐体と導電性シートとの導通が取れず、充分な電磁波シールド効果が得られない可能性があった。テープなどを細く切って導電性シートと筐体との接触部分をできるだけ確保する工夫もなされているが、機器の小型化に伴って導電性シート自体が細く切って使用される場合があり、このような場合には充分に対応することができない。
【0005】
そこで、本発明は、片面に粘着層が形成されたにも拘らず、筐体などとの導通を良好に確保することのできる導電性シート、及びその製造方法を提供することを目的としてなされた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達するためになされた請求項1記載の発明は、基材に導電性フィラーを充填してなる導電性シートであって、上記基材に上記導電性フィラーを充填して構成され、硬化する前に互いに積層・圧着された複数のシート材と、上記積層後の最も外側のシート材表面に形成された粘着層と、を備え、上記導電性フィラーの少なくとも一部が、上記シート材表面から上記粘着層へ突出したことを特徴としている。
【0007】
このように構成された本発明では、基材に導電性フィラーを充填して構成された複数のシート材を、硬化する前に互いに積層・圧着している。こうすると、互いに積層されるシート材に充填されていた導電性フィラー同士がぶつかり、少なくとも一方の導電性フィラーの一部がシート材の表面から押し出される。本発明では、このように複数のシート材を積層してなる積層体の表面に、すなわち、前述のように導電性フィラーの少なくとも一部がシート材の表面から突出した面に、粘着層を形成している。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成に加え、上記複数のシート材が、支持層を挟んで積層・圧着されたことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の構成に加え、上記導電性フィラーの平均粒径が10〜100μmであり、上記各シート材にその導電性フィラーが75〜325重量部(基材100重量部に対して)充填されたことを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、上記導電性フィラーが、導電性を付与したグラファイトであることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、基材に導電性フィラーが充填された導電性シートを製造する導電性シートの製造方法であって、上記基材に導電性フィラーを充填する第1工程と、該第1工程により導電性フィラーを充填された上記基材をシート状に成形する第2工程と、該第2工程によりシート状に成形された上記基材を硬化する前に複数積層して圧着する第3工程と、該第3工程により積層・圧着された上記基材の少なくとも片側表面に粘着層を形成する第4工程と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
本発明では、第1工程で導電性フィラーを充填し、第2工程でシート状に成形した基材を、硬化する前に第3工程で複数積層して圧着している。この工程により、互いに積層されるシート状の基材に充填されていた導電性フィラー同士がぶつかり、少なくとも一方の導電性フィラーの一部がシート状の基材表面から押し出される。第4工程では、このように導電性フィラーの少なくとも一部が表面から突出している基材の表面に、粘着層を形成する。
【発明の効果】
【0011】
上記のように、請求項1記載の発明では、導電性フィラーの少なくとも一部が、シート材表面から粘着層へ突出している。このため、片面に粘着層が形成されたにも拘らず、その粘着層を介して筐体などとの導通を良好に確保することができる。従って、本発明の導電性シートは、携帯電話,液晶ディスプレイ,カーナビゲーション装置,ノート型パソコン等の小型機器で筐体の隙間に挟んで使用する場合にも、筐体への固定が容易で、しかも、その筐体との導通を良好に確保して良好に電磁波をシールドすることができる。
【0012】
請求項2記載の発明では、上記複数のシート材が支持層を挟んで積層・圧着されている。この場合も、前述のように、少なくとも一部の導電性フィラーの一部がシート材の表面から押し出され、導通を確保することができる。また、本発明では、支持層によって導電性シートの機械的強度を向上させることができる。更に、支持層を設けたことにより導電性シート自体の伸びが抑制されるため、導電性シート自体の体積抵抗率が安定する。
【0013】
従って、本発明では、請求項1記載の発明の効果に加えて、機械的強度を向上させることにより、細く切って使用した場合にも貼り直し等の作業時に破れるのを良好に防止することができ、しかも、導電性シート自体の伸びを抑制することにより安定した導電性が得られるといった効果が生じる。
【0014】
請求項3記載の発明では、導電性フィラーの平均粒径を10〜100μmとすると共に、上記各シート材にその導電性フィラーを75〜325重量部(基材100重量部に対して)充填しているので、前述のように導電性フィラーの一部がシート材の表面から押し出される現象が一層発生し易くなる。このため、本発明では、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、導電性フィラーをシート材表面から粘着層へ一層良好に突出させ、その粘着層を介した筐体などとの導通を一層良好に確保することができるといった効果が生じる。
【0015】
請求項4記載の発明では、導電性フィラーとして導電性を付与したグラファイトを使用している。グラファイトは、その表面が粗くごつごつしているため、前述のように導電性フィラーの一部がシート材の表面から押し出される現象が一層発生し易くなる。このため、本発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、導電性フィラーをシート材表面から粘着層へ一層良好に突出させ、その粘着層を介した筐体などとの導通を一層良好に確保することができるといった効果が生じる。なお、グラファイトに導電性を付与する方法としては、カルボニル法や純流動床化学的気相成長法(CVD法)によりグラファイト表面をニッケルで被覆する方法が考えられる。また導電性を確保するために銀,金,ステンレス等を表面に被覆する方法も考えられる。
【0016】
請求項5記載の発明では、導電性フィラーの少なくとも一部が突出している基材の表面に粘着層を形成するため、得られた導電性シートは、片面に粘着層が形成されたにも拘らず、その粘着層を介して筐体などとの導通を良好に確保することができる。従って、本発明の方法で製造された導電性シートは、携帯電話,液晶ディスプレイ,カーナビゲーション装置,ノート型パソコン等の小型機器で筐体の隙間に挟んで使用する場合にも、筐体への固定が容易で、しかも、その筐体との導通を良好に確保して良好に電磁波をシールドすることができる。
【0017】
また、導電性フィラーの一部を基材の表面から突出させる方法も、シート状に成形された上記基材を硬化前に複数積層するだけでよいので、本発明の方法によれば上記のような導電性シートを容易に製造することができる。なお、基材を硬化させる工程は、第3工程と第4工程との間に実施してもよく、基材の種類によっては省略してもよく、粘着層の種類によっては第4工程の後に実施してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。本願出願人は、次のようにして導電性シートを作成した。先ず、下記の表1に示す配合により、基材としてのシリコーンゴムに導電性フィラー及び加硫剤を混練した(第1工程)。混練方法としては、ニーダーを用いる方法の他、二本ロール,ミキサ等も使用できる。
【0019】
【表1】

【0020】
なお、ニッケルコートグラファイト40%とは、グラファイト60重量%に対してニッケルを40重量%コーティングしたもので、平均粒径74μm、見掛け密度1.8kg/cm3 である。
【0021】
上記混練物を更に有機溶剤(トルエンまたはキシレン)で膨潤後撹拌し液状にし、基材2(PET,PI,織布など)の上に所定の厚みになるようにコーティングした。コーティング後、有機溶剤のみを乾燥させ、図1に示すようなシート材としての未加硫シート1を得た(第2工程)。上記工程を2回繰り返すことにより、図1(A)に示すように、未加硫シート1を基材2と共に巻回してなる2つのドラム5,6を得た。なお、図1(A)に示すように、ドラム5,6はぞれぞれ基材2が外側になるように巻回した。
【0022】
このドラム5,6から基材2及び未加硫シート1を繰り出し、図1(B)に示すように、未加硫シート1同士が対向するように重ねてプレス盤4で挟み、積層・圧着した(第3工程)。このように、2枚の未加硫シート1を積層・圧着することにより、未加硫シート1に充填されていた導電性フィラー同士がぶつかり、未加硫シート1表面から導電性フィラーの一部が押し出される。
【0023】
図2(A),(B)は、マットタイプの基材2を用いて上記積層・圧着を行った場合の、基材2を剥がした状態における未加硫シート1の表面状態を表すSEM像(200倍)であり、(A)は平面視、(B)は断面視である。図2(A),(B)のSEM像から、導電性フィラーの一部が未加硫シート1の表面から70μm程度突出していることが分かる。エンボスタイプの基材2を用いた場合は、図2(C),(D)に示すように若干突出の程度は小さくなるが、同様に導電性フィラーの少なくとも一部が未加硫シート1の表面から5μm程度突出する。すなわち、上記製造方法では、導電性フィラーの一部が未加硫シート1の表面から5〜70μm突出する。
【0024】
次に、このように積層圧着された未加硫シート1を170℃の雰囲気中に挿入して2時間加硫を行った。続いて、このようにして得られた約0.5mmの未加硫シート1の片面に、図3(A)に示すように粘着層12を形成して導電性シート10を得た(第4工程)。なお、粘着層12としては、シリコーン系粘着層(商品名「SD4570」:東レダウコーニングシリコーン製)を使用した。
【0025】
また、2枚の未加硫シート1を直接積層・圧着したものの代わりに、図3(B)に示すようにガラスクロス,アルミ箔,導電布等の支持層13を挟んで未加硫シート1を積層・圧着したものを使用してもよい。この場合、導電性シート10の機械的強度を向上させることにより、細く切って使用した場合にも貼り直し等の作業時に破れるのを良好に防止することができる。また、この場合、支持層13によって導電性シート10自体の伸びを抑制することができるので、導電性シート10自体の導電性を安定化することができる。
【0026】
なお、図3(A),(B)は説明のために模式化した断面図(断面模式図)である。従って、導電性フィラーの突出及び突出した導電性フィラーの分布状況、突出量は導電フィラーの平均粒径及び充填量によって変化する。また、未加硫シート1から突出した導電フィラーは、実際には図3(A),(B)に示すようなきれいに並んだ状態とはなっていない。更に、上記各実施の形態の導電性シート10は、細かく切った状態で製品化される場合は粘着層12の表面に剥離紙が貼着されるが、導電性シート10を長いままロール状に巻回して製品化する場合は、剥離紙を省略することも可能である。
【0027】
次に、上記のようにして得られた図3(A)に示すタイプの導電性シート10の物性を調べた。圧縮抵抗試験の結果を図4(A),(B)に示す。図4(A)に示すように導電性シート10は、66mm×2mmのものも45mm×4mmのものも極めて優れた導電性を呈した。これは、導電性フィラーが未加硫シート1の表面から粘着層12へ突出し、粘着層12が絶縁性であってもその粘着層12を挟んで導通が確保できるためと思われる。また、導電性フィラーが未加硫シート1の表面から突出する際、その未加硫シート1の表面に形成されていた酸化皮膜を破るため、上記導電性向上効果は一層顕著になる。
【0028】
従って、導電性シート10は、携帯電話,液晶ディスプレイ,カーナビゲーション装置,ノート型パソコン等の小型機器で筐体の隙間に挟んで使用する場合、粘着層12を介して筐体へ容易に固定することができ、しかも、粘着層12が絶縁性であっても筐体との導通を良好に確保して良好に電磁波をシールドすることができる。
【0029】
また、導電性シート10に加わる圧縮力は図4(B)に示すようにほぼ直線的に変化した。この実験結果から、導電性シート10が良好な弾性を有していることが分かる。更に、迅速熱伝計 QTM-500(京都電子工業株式会社)で測定した導電性シート10の熱伝導率は2.0W/mKであり、4探針測定法(JIS K7194に準拠)の低抵抗率計 Loresta-GP MCP-T600 (三菱化学株式会社)で測定した体積抵抗率は1.4×10-1Ω・cmであり、ボールタック試験の結果は80mmであった。なお、熱伝導率,体積抵抗率,及びローリングボールタック(ASTMD3121に準拠)は、130mm×75mmの試料を用いて測定した。
【0030】
次に、導電性フィラーの充填量を変化させて体積抵抗率の変化を測定した。結果を表2及び図5に示す。
【0031】
【表2】

【0032】
表2及び図5から明らかなように、導電性フィラー(ニッケルコートグラファイト)の充填量が大きくなるに従って導電性シート10の体積抵抗率は低下するが、その体積抵抗率は充填量が100重量部を超えると飽和する。これは、この充填量に達すると、導電性シート10の基材の中で導電性フィラー同士がつながり合ってネットワークを形成するいわゆるパーコレーション現象が発生しているためと考えられる。また、このパーコレーション現象が発生する充填量では、前述した2枚の未加硫シート1の積層・圧着時に導電性フィラーが玉突き状にぶつかり、導電性フィラーの一部が未加硫シート1の表面から押し出される現象が、一層発生し易くなるものと推定される。従って、この場合、粘着層12を挟んだ導通も一層良好に確保することができる。
【0033】
この結果、導電性フィラーを未加硫シート1の表面から粘着層12へ一層良好に突出させるためには、導電性フィラーの充填量を75〜325重量部(より望ましくは100重量部以上)とするのが望ましいことが分かった。なお、導電性フィラーの平均粒径が10〜100μmの範囲内であれば、望ましい体積%は同様となるものと思われる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、未加硫シート1の成形方法としては、コーティングの他、プレス成形,カレンダ成形等、種々の方法が適用できる。また、導電性フィラーや基材は上記以外にも種々のものが使用できる。但し、グラファイトはその表面が粗くごつごつしているため、前述のように導電性フィラーの一部が未加硫シート1の表面から押し出される現象が、一層発生し易くなる。従って、導電性フィラーとしては、グラファイトに導電性を付与したものを使用するのが望ましい。
【0035】
また、2枚の未加硫シート1を積層・圧着する方法も、種々考えられる。例えば、図6に示すように、ドラム5,6から繰り出した未加硫シート1及び基材2を未加硫シート1同士が対向するようにガイドローラ24で案内した後、ラミネートロール25によって積層・圧着してもよい。また、図7に示すように、ドラム5,6から繰り出した未加硫シート1及び基材2を、未加硫シート1同士が対向するように1つの巻取りロール26によって巻き取ってもよい。
【0036】
これらの場合も、2枚の未加硫シート1が積層・圧着され、続いて熱を加えて加硫することによって上記と同様の導電性シート10が得られる。また、図7に示すように巻取りロール26を使用する場合、既に積層・圧着されて巻き取られている未加硫シート1が更に押圧されるので、未加硫シート1同士を一層強固に圧着することができる。
【0037】
更に、これらの場合も、図示しない他のドラムから前述の支持層13を繰り出しながら、上記2枚の未加硫シート1の間に挟み込めば、図3(B)に例示したような導電性シート10を得ることができる。
【0038】
また更に、上記実施の形態では、同様に構成した2枚の未加硫シート1を積層・圧着しているが、互いに構成の異なる未加硫シート1を積層・圧着してもよい。例えば、互いに積層・圧着される未加硫シート1の厚さが異なる場合、薄い方の未加硫シート1の方が、表面から導電性フィラーが突出し易くなる。また、互いに積層・圧着される未加硫シート1の基材の配合を変えることにより、一方の基材を他方の基材より軟らかくした場合、軟らかい方の未加硫シート1の方が表面から導電性フィラーが突出し易くなる。これらの場合、導電性フィラーが突出し易い側に粘着層12を形成することにより、その導電性フィラーの突出によって粘着層12や酸化皮膜の影響を一層良好に排除して、筐体等との導通を一層良好に確保することができる。また、本発明の導電性シートは、3枚以上のシート材(未加硫シート1)を積層・圧着して製造してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明が適用された導電性シートの製造工程を表す説明図である。
【図2】その導電性シートを構成する未加硫シートの表面状態を表すSEM像である。
【図3】その導電性シートの構成を表す断面模式図である。
【図4】その導電性シートの物性を表す説明図である。
【図5】その導電性シートの体積抵抗率の、導電性フィラーの配合に応じた変化を表すグラフである。
【図6】上記導電性シートの製造工程の変形例を表す説明図である。
【図7】上記導電性シートの製造工程の他の変形例を表す説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1…未加硫シート 2…基材 5,6…ドラム
10…導電性シート 12…粘着層 13…支持層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に導電性フィラーを充填してなる導電性シートであって、
上記基材に上記導電性フィラーを充填して構成され、硬化する前に互いに積層・圧着された複数のシート材と、
上記積層後の最も外側のシート材表面に形成された粘着層と、
を備え、上記導電性フィラーの少なくとも一部が、上記シート材表面から上記粘着層へ突出したことを特徴とする導電性シート。
【請求項2】
上記複数のシート材が、支持層を挟んで積層・圧着されたことを特徴とする請求項1記載の導電性シート。
【請求項3】
上記導電性フィラーの平均粒径が10〜100μmであり、上記各シート材にその導電性フィラーが75〜325重量部(基材100重量部に対して)充填されたことを特徴とする請求項1または2記載の導電性シート。
【請求項4】
上記導電性フィラーが、導電性を付与したグラファイトであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性シート。
【請求項5】
基材に導電性フィラーが充填された導電性シートを製造する導電性シートの製造方法であって、
上記基材に導電性フィラーを充填する第1工程と、
該第1工程により導電性フィラーを充填された上記基材をシート状に成形する第2工程と、
該第2工程によりシート状に成形された上記基材を硬化する前に複数積層して圧着する第3工程と、
該第3工程により積層・圧着された上記基材の少なくとも片側表面に粘着層を形成する第4工程と、
を備えたことを特徴とする導電性シートの製造方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−7537(P2006−7537A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186774(P2004−186774)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000242231)北川工業株式会社 (268)
【出願人】(000106955)シバタ工業株式会社 (81)
【Fターム(参考)】