説明

導電性ポリマー複合材料の製造方法

本発明は、カーボンナノチューブポリマー溶融混合物を2軸スクリュー押出機中に分散し、次いで押出すことを特徴とする、表面抵抗が減少した導電性カーボンナノチューブポリマー複合材料の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブポリマー溶融混合物を2軸スクリュー押出機中に分散し、次いで押出すことを特徴とする、熱可塑性ポリマーおよびカーボンナノチューブをベースとする、表面抵抗が減少した導電性ポリマー複合材料の製造方法に関する。カーボンナノチューブは、本明細書では略して「CNT」と称する。
【背景技術】
【0002】
同等の方法は、WO2005/014259A1から原理上知られている。該文献によれば、CNTポリマー混合物は、バッチ操作により、同期稼働円錐軸および還流チャンネルを有する小型2軸スクリュー押出機中で混合され、押出機を多重通過した後に押し出される。かかる方法は実験室規模の操作にのみ適しており、処理量は4〜15グラムである。工業規模(すなわち、1時間あたり数トンの領域での処理能力)までスケールアップすることは、基本装置が連続的大規模操作に適していないので、不可能であるか、または少なくとも極めて困難である。この場合、CNTの分散は、基本的に流体力により実施される。
【0003】
WO2001/092381A1には、CNTポリマー混合物を製造する方法が記載され、ポリマー溶融物中でのCNTの分散は流体力により行われる。該方法は、押出機、レオメーターまたは紡糸機中で実施することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/014259号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2001/092381号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の基礎を形成する課題は、例えばWO2006/050903A2に従って触媒気相堆積によって得られるような、0.5〜2mmの平均径を有する、高度に複雑に入り組んだCNT凝集体をポリマー溶融物中に分散すること、およびCNTを分離し、CNTが三次元導電性網状構造をポリマー中に形成するようにこれらをポリマー中に均質に分散することである。とりわけ、該方法は、多層カーボンナノチューブ(略してMWNTと称す)の分散に適することとなる。さらに、本発明の方法は、何ら問題を有さずに工業規模での処理能力に変更(適用)することが可能となり、すなわち、数トン規模の高処理能力にスケールアップすることが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、かかる課題は、固相中で熱可塑性ポリマーを、カーボンナノチューブ(CNT)と共に、2軸共回転2軸スクリュー押出機または環状押出機または遊星形ギア式押出機または非円錐軸を有するKO−Kneaderの主供給点に供給し、該CNTを、供給点区域において固体混合物の形成による固体間の摩擦の作用によって予備分散する場合、および該ポリマーを下流溶融区域において溶融し、該CNTを溶融区域において主に流体力の作用下でさらに分散し、さらなる区域においてポリマー溶融物中に均質に分散する場合には、序文に記載の方法に基づいて達成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明を実施するための配置を図式的に示す。
【図2】図2は、図1に従う配置に用いる2軸押出機の図式的な長手方向の描写である。
【図3】図3は、CNTポリマー複合材料の電気表面抵抗を決定するための測定配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
WO2001/092381A1に記載されているような、流体力単独の適用によるMWNTの分散は、触媒気相法から得られるMWNTに効果的ではない。
【0009】
好適な方法では、スクリュー押出機における特定機械エネルギー入力を0.1kWh/kg〜1kWh/kg、好適には0.2kWh/kg〜0.6kWh/kgの範囲の値に調節し、最少滞留時間を6秒〜90秒、好適には8秒〜30秒の範囲の値に調節する。
【0010】
エネルギー入力の増加により、CNTはより効率的に分離されるが、CNTの長さは常に減少すると考えられていた。一般的な理論を考慮すると、導電性は長さ/直径比(L/D比)の減少に伴って減少するので(一定のCNT含有量および分散度のため)、エネルギー入力の増加に伴って、導電性はまず、CNTの良好な分離により上昇するが、その後、CNTのL/D比の減少により再び降下する。しかしながら、驚くべきことに高いエネルギー入力でさえ導電性は再び降下しないことを見出した。
【0011】
本発明による方法は、ポリマーマトリックス中に均質に分散したCNTを有し、および高い導電性、高い熱伝導性および極めて優れた機械特性を有するCNTポリマー複合材料が工業規模上で経済効率のよい方法で製造することができるという優位性を有する。
【0012】
好適には、多層カーボンナノチューブを新規な方法に用いる。
【0013】
特に好適には、外径に対する長さの比が5を越える、好適には100を越えるカーボンナノチューブを用いる。
【0014】
カーボンナノチューブは凝集体の形態で特に好適に用いられ、該凝集体はとりわけ、0.5〜2mmの範囲の平均径を有する。さらに好適な方法は、カーボンナノチューブが平均径3〜100nm、好適には3〜80nmを有することを特徴とする。
【0015】
WO2006/050903A2から知られるようになったCNTは、新規な方法に特に好適に用いられる。
【0016】
熱可塑性ポリマーとして、系列ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、特にポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレート、ポリエーテル、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、フッ素化ポリマー、特にポリビニリデンフルオライド、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、特にポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリイミド、ポリアクリレート、特にポリ(メチル)メタクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、スチレンポリマー、特にポリスチレン、スチレンコポリマー、特にスチレンアクリロニトリルコポリマー、アクリレートゴム(ASA)、アクリロニトリルブタジエンスチレンブロックコポリマーおよびポリ塩化ビニルからの少なくとも1つのポリマーを好適に用いる。
【0017】
本発明は、本発明による方法によって得られるカーボンナノチューブポリマー複合材料をさらに提供する。
【0018】
本発明はまた、成形品の製造のための、本発明による方法によって得られるカーボンナノチューブポリマー複合材料の使用を提供する。
【0019】
本発明を、実施例および図面を用いてより詳細に以下に説明する。
【実施例】
【0020】
図1に示される配置は本質的に、充填漏斗2、生成物排出口3および吸引連結部品4を有する2軸スクリュー押出機1から構成される。同方向に回転する、押出機1の2つのスクリュー軸(示されていない)はモーター5によって駆動する。カーボンナノチューブポリマー複合材料(ポリマー1、添加剤(例えば抗酸化剤、UV安定剤、離型剤)、CNT、必要に応じてポリマー2)を計量スクリュー8〜11によって押出機1の供給点漏斗2に搬送する。ノズルプレート3から出る溶融ストランドを冷却し、水槽6中で固化し、次いで造粒機7で粉砕する。
【0021】
2軸スクリュー押出機1(図2参照)はとりわけ、互いにリメッシングし、および同じ方向に回転する2つのスクリュー軸(示されていない)が配置された、10個の部品から構成されるハウジングを含んでなる。CNT凝集体を含む、コンパウンドすべき成分を、ハウジング部12上に配置された供給点漏斗2によって押出機1に供給する。
【0022】
供給点区域は、好適には、スクリュー軸の直径の2倍(2Dと略す)〜0.9Dと等しいピッチを有するねじ要素からなり、ハウジング部12〜13の領域に位置する。ねじ要素を用いて、カーボンナノチューブポリマー複合材料の他の成分と共にCNT凝集体を溶融区域14、15に搬送し、CNT凝集体を、激しく混合すると同時に、固相中のポリマー顆粒と、同じく固相中のCNTパウダーとの間の摩擦力によって予備分散する。
【0023】
溶融区域は、好適には、ニーディングブロックから構成され、ハウジング部14〜15の領域に位置するが、ポリマーに応じて、ニーディングブロックと歯付混合要素の組み合わせを選択的に用いることもできる。ポリマー成分を溶融区域14、15において溶融し、予備分散CNTおよび添加剤をさらに分散し、残りの複合材料成分と激しく混合する。溶融区域14、15の領域における押出機ハウジングの加熱温度を、ポリマーの融点を超える値(部分結晶質熱可塑性プラスチックの場合)、またはガラス転移温度の値(非晶質熱可塑性プラスチックの場合)に調節する。
【0024】
溶融区域14、15の下流のハウジング部16〜19の領域には、後分散区域をスクリュー軸の搬送要素の間に設ける。該後分散区域は、溶融物フローの頻繁な再配置および広い滞留時間分布を生じさせるニーディングおよび混合要素を含んでなる。このようにして、ポリマー溶融物中に特に均質なCNTの分布を得る。非常に良好な結果を歯付混合要素で得た。さらに、スクリュー混合要素、偏心ディスク、逆搬送要素などを、CNTを混合するために用いることもできる。あるいは、いくつかの後分散区域を、微細な分散を増大させるために互いの後方に配置することもできる。ポリマー中に可能なかぎり均質なCNT分布を達成する重要な要素は、いずれの場合にも、固相における予備分散、ポリマーの溶融における主分散、および液相において実施する下流の微細分散の組み合わせを確保することである。
【0025】
揮発性物質の除去は、脱気区域においてハウジング部20における脱気開口部によって生じさせ、該脱気開口部は吸引装置(示されていない)に接続する。脱気区域は、少なくとも1Dのピッチを有するねじ要素から構成される。
【0026】
最終ハウジング部21は圧力発生区域を含み、その末端で、コンパウンドおよび脱気した生成物が押出機から出る。圧力発生区域21は0.5Dおよび1.5Dの間のピッチを有するねじ要素を含んでなる。
【0027】
次いで、得られたCNTポリマー複合材料顆粒は、全ての既知の熱可塑性プラスチック処理法によってさらに処理することができる。特に、成形品を、射出成形によって製造することができる。
【0028】
電気表面抵抗の計測は図3に示されるように実施した。2つの導電性銀ストリップ23、24は、その長さBが、正方形領域(正方形)を規定するために隙間Lと同じであり、射出成形技術によって製造された直径80mmおよび厚さ2mmの円形試験体22上に取り付ける。抵抗測定装置25の電極を導電性銀ストリップ23、24上にプレスし、抵抗値を測定機器25上で読み取る。9ボルトを3×10オーム/スクエアまでの抵抗用の測定電圧として、100ボルトを3×10オーム/スクエアを越える抵抗用の電圧として用いた。
【0029】
ポリカーボネート(PC)(市販生成物:Makrolon(登録商標) 2800、製造業者:Bayer MaterialScience AG)における多層カーボンナノチューブ〔市販生成物:Baytubes(登録商標)C 150P(WO2006/050903A2に従う触媒気相堆積によって製造されたCNT)、製造業者:Bayer MaterialScience AG〕の組み込みを、ZSK 26Mc型2軸スクリュー押出機(Coperion Werner&Pfleiderer)により実施する。試験1および2において、ポリマー顆粒ならびにCNTを主供給点により計量し、漏斗2により押出機中に充填する。試験3および4(比較試験)では、ポリマーを主供給点2中に計量投入し、CNTを側面供給点(図2においてハウジング16に点線によって示されている)によりポリマー溶融物中に供給する。
【0030】
プロセスパラメーターを以下の表1に示す。
【0031】
融点は、市販の温度センサーで直接、ノズルプレート3から出る溶融ストランド中で計測する。
【0032】
特定機械エネルギー入力は、以下の方程式:
特定機械エネルギー入力=2×Pi×回転速度×軸のトルク/処理能力
により算出する。
【0033】
カーボンナノチューブポリマー複合材料に含まれる非完全分散CNT凝集体の数および直径は、CNTポリマー複合材料からの長さ5cmのストランド上において光学顕微鏡を用いて計測する。
【0034】
【表1】

【0035】
CNTを主供給点中に計量する場合(試験1および2)には、CNTをポリマー溶融物中に供給する場合(試験3および4)よりも著しく良好な分散(=全クラスサイズにおいて著しく少ないCNT残存凝集体)が得られることを明らかに示すことができる。このことから、流体力単独によるCNT凝集体の分散(比較試験3および4の場合)は不十分であるという結果となる。
【0036】
実施例2(CNT量変更)
ポリカーボネート(PC)(市販生成物:Makrolon(登録商標) 2800、製造業者:Bayer MaterialScience AG)における多層カーボンナノチューブ〔市販生成物:Baytubes(登録商標)C 150P(WO2006/050903A2に従う触媒気相堆積によって製造されたCNT)、製造業者:Bayer MaterialScience AG〕の組み込みを、本発明による方法によってZSK 26Mc型2軸スクリュー押出機(Coperion Werner&Pfleiderer)により実施する。
【0037】
ポリマー顆粒およびCNTを押出機の主供給点2により計量する。次いで、得られる顆粒を、試験体中に射出成形し、その電気表面抵抗を図3に示すように計測する。長さBが隙間Lと同じである2つの導電性銀ストリップを、射出成形技術により製造した円形板(試験体)上にプレスする。次いで、抵抗測定機器の電極を伝導性銀ストリップ上にプレスし、抵抗値を測定機器上で読み取った。9ボルトを3×10オーム/スクエアまでの抵抗用の測定電圧として、100ボルトを3×10オーム/スクエアを越える抵抗用の電圧として用いた。
【0038】
純粋なMakrolon(登録商標) 2800の表面抵抗は、製造業者のデータシートによれば1016オーム/スクエアである。
【0039】
プロセスパラメーターおよび計測表面抵抗を以下の表2に示す。
【0040】
最少滞留時間を以下のように決定した:
【0041】
まず、純粋PCを、透明ストランドがノズル3から出るまで押し出した。次いで、PC顆粒に加えてca.0.5gCNTを押出機の主供給点2に計量投入し、ノズルプレート3から出る溶融ストランドが変色し始めるまで時間をストップウォッチで計測した。該時間が最少滞留時間である。
【0042】
【表2】

【0043】
実施例3(エネルギー入力変更)
ポリカーボネート(PC)(市販生成物:Makrolon(登録商標) 2800、製造業者:Bayer MaterialScience AG)における多層カーボンナノチューブ〔市販生成物:Baytubes(登録商標)C 150P(WO2006/050903A2に従う触媒気相堆積によって製造されたCNT)、製造業者:Bayer MaterialScience AG〕の組み込みを、本発明による方法によってZSK 26Mc型2軸スクリュー押出機(Coperion Werner&Pfleiderer)により実施する。
【0044】
ポリマー顆粒およびCNTを押出機の主供給点2により計量投入する。次いで、得られた顆粒を試験体中に射出成形し、その電気表面抵抗を図3に示すように計測する。
【0045】
プロセスパラメーターおよび測定表面抵抗を以下の表3に示す。
【0046】
【表3】

【0047】
抵抗は、まず、エネルギー入力の増加に伴って減少するが、その後、高いエネルギー入力で、CNT粉砕に起因して予期されるようにあまり上昇せず、低いエネルギー入力(試験9)についての水準未満の状態であることを示すことができる。
【0048】
実施例4(CNT量の変形)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)(市販生成物:Pocan(登録商標) B 1600、製造業者:Lanxess Deutschland GmbH)における多層カーボンナノチューブ〔市販生成物:Baytubes(登録商標)C 150P(WO2006/050903A2に従う触媒気相堆積によって製造されたCNT)、製造業者:Bayer MaterialScience AG〕の組み込みを、本発明による方法によってZSK 26Mc型2軸スクリュー押出機(Coperion Werner&Pfleiderer)により実施する。
【0049】
ポリマー顆粒およびCNTを押出機の主供給点2によって計量投入する。次いで、得られた顆粒を試験体中に射出成形し、その電気表面抵抗を図3に示すように計測する。
【0050】
純粋なPocan(登録商標) B 1600の表面抵抗は、Campus Datenbankによれば>1015オーム/スクエアである。
【0051】
プロセスパラメーターおよび測定表面抵抗を以下の表4に示す。
【0052】
【表4】

【0053】
実施例5(CNT量の変形)
ポリアミド6(PA6)(市販生成物:Durethan(登録商標) B 29、製造業者:Lanxess Deutschland GmbH)における多層カーボンナノチューブ〔市販生成物:Baytubes(登録商標)C 150P(WO2006/050903A2に従って触媒気相堆積によって製造されたCNT)、製造業者:Bayer MaterialScience AG〕の組み込みを、本発明による方法によってZSK 26Mc型2軸スクリュー押出機(Coperion Werner&Pfleiderer)により実施する。
【0054】
ポリマー顆粒およびCNTを押出機の主供給点2によって計量投入する。次いで、得られた顆粒を試験体中に射出成形し、その電気表面抵抗を図3に示すように計測する。
【0055】
用いたDurethan(登録商標) B 29の表面抵抗と同程度である、純粋なDurethan(登録商標) B 30の表面抵抗は、Campus Datenbankによれば>1013オーム/スクエアである。
【0056】
プロセスパラメーターおよび測定表面抵抗を以下の表5に示す。
【0057】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性カーボンナノチューブポリマー複合材料の製造方法であって、カーボンナノチューブおよび熱可塑性ポリマーを、2軸スクリュー押出機または環状押出機または遊星形ギア式押出機または同方向に回転する非円錐軸を有するKo−Kneader中で混合し、次いで押し出すこと、
a)固相中で前記ポリマーおよび必要に応じて添加剤と共にカーボンナノチューブをスクリュー押出機(1)の主供給点(2)に供給し、供給点区域(12、13)において、固体混合物の形成による固体間の摩擦力によってカーボンナノチューブを予備分散し、溶融区域(14、15)において主に流体力によってさらに分散し、および
b)得られる混合物を、スクリュー押出機(1)の少なくとも1つのさらなる区域(16、17、18、19)においてさらに後分散し、カーボンナノチューブをポリマー溶融物中に均質に分散する
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
スクリュー押出機(1)における特定機械エネルギー入力を、0.1kWh/kg〜1kWh/kgの範囲の値に調節し、および最少滞留時間を、6秒〜90秒の範囲の値に調節することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
スクリュー押出機(1)における特定機械エネルギー入力を、特に0.2kWh/kg〜0.6kWh/kgの範囲の値に調節し、および最少滞留時間を、特に8秒〜30秒の範囲の値に調節することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
多層カーボンナノチューブを用いることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
外径に対する長さの比が5を越える、好適には100を越えるカーボンナノチューブを用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
カーボンナノチューブを凝集体として用いることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
カーボンナノチューブは、3〜100nm、好適には3〜80nmの平均径を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
熱可塑性ポリマーは、系列ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、特にポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレート、ポリエーテル、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、フッ素化ポリマー、特にポリビニリデンフルオライド、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、特にポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリイミド、ポリアクリレート、特にポリ(メチル)メタクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、スチレンポリマー、特にポリスチレン、スチレンコポリマー、特にスチレンアクリロニトリルコポリマー、アクリレートゴム(ASA)、アクリロニトリルブタジエンスチレンブロックコポリマーおよびポリ塩化ビニルからの少なくとも1つのポリマーであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の方法によって得られる、カーボンナノチューブポリマー複合材料。
【請求項10】
成形品の製造のための、請求項9に記載のカーボンナノチューブポリマー複合材料の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−530925(P2010−530925A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513705(P2010−513705)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004611
【国際公開番号】WO2009/000408
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】