説明

導電性成形品及びその製造方法

【課題】曲面に導電性を有する層が形成された立体形状を有する導電性成形品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】導電性成形品60は、立体形状を有する成形樹脂部62と、成形樹脂部62上に形成され、導電性ナノファイバー3を含み、その導電性ナノファイバー3を介して導通可能である導電パターン層6と、成形樹脂部62上の導電パターン層6が形成されていない部分に形成され、導電性ナノファイバー3を含み、導電パターン層6から絶縁された絶縁パターン層5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は導電性成形品に関し、特に射出成形、型押し成形、真空成形又は圧空成形等により形成される立体形状を有する成形品に、導電性や帯電防止性が付与された導電性成形品及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、射出成形品等に発生する静電気を逃がして塵埃の付着を防止するために、帯電防止機能を有する導電層を有した転写箔を射出成形の金型内に挟み込み、転写側に溶融樹脂を射出して成形品の表面に導電層を転写形成する方法が採られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−321497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記方法では、アンチモンドープ二酸化スズなどの導電性無機充填剤を含有しており、このような導電層は伸長性に劣る。したがって、立体形状部では導電層が断裂して導電性が低下するため導電層を形成しにくいという問題があった。また、導電層を部分的に形成している場合には、導電層が僅かに白濁しただけでもパターン見えが目立つという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、立体形状を有する成形樹脂部と、成形樹脂部上に形成され、導電性ナノファイバーを含み、その導電性ナノファイバーを介して導通可能である導電パターン層と、成形樹脂部上の導電パターン層が形成されていない部分に形成され、導電性ナノファイバーを含み、導電パターン層から絶縁された絶縁パターン層とを備えた導電性成形品である。又、絶縁パターン層は、導電性ナノファイバーシートが断線することにより導電パターン層から絶縁されていてもよい。又、絶縁パターン層は、目視により認識することができない幅の狭小溝を有し、その狭小溝により、導電パターン層から絶縁されると共に、複数の島状に形成されていてもよい。又、導電パターン層は、目視により認識することができない大きさの複数の微小ピンホールを有していてもよい。
【0006】
又、この発明は、基体シート上に導電パターン層と絶縁パターン層とを形成して導電性ナノファイバーシートを得る工程と、得られた導電性ナノファイバーシートを、立体形状を有する成形樹脂部に固着させる工程とを備えた、導電性成形品の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
この発明の導電性成形品は、導電性ナノファイバーが伸長して導電性を維持するため、立体形状部でも導電パターン層を形成できるという効果がある。又、導電パターン層を部分的に形成し導電パターン層が僅かに白濁した場合でも、パターン見えが目立つことがないという効果もある。
【0008】
又、この発明の導電性成形品は、絶縁パターン層に含まれる導電性ナノファイバーが、断線した導電性ナノファイバーであり、あるいは、絶縁パターン層に目視で認識できない巾の狭小溝が形成され、その狭小溝により絶縁パターン層が島状構造に形成されている。そのため、絶縁パターン層の外観を導電パターン層の外観に近づけることができる。
【0009】
又、この発明の導電性成形品は、導電パターン層に目視で認識できないサイズの微小ピンホールが形成されている。そのため、導電パターン層は、導電性ナノファイバーを含んでいても、光線透過率を高くヘイズ値を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】その(1)がこの発明の第1実施形態による導電性成形品の概略構成を示した断面図であり、その(2)が導電性ナノファイバーシートの概略構成を示した断面図であり、その(3)がその(2)で示した導電パターン層及び絶縁パターン層の部分拡大図である。
【図2】図1の(2)で示した導電性ナノファイバーシートの製造工程を示した図である。
【図3】その(1)が他の導電性ナノファイバーシートの概略構成を示した断面図であり、その(2)がその(1)で示したII―IIラインの断面図であり、その(3)がその(2)で示した導電パターン層及び絶縁パターン層の部分拡大図である。
【図4】図3の(2)で示した導電性ナノファイバーシートの製造工程を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。
【0012】
図1の(1)を参照して、この発明の第1実施形態による導電性成形品60は、立体形状を有する成形樹脂部62と、成形樹脂部62上に形成され、導電性ナノファイバー3を含み、その導電性ナノファイバー3を介して導通可能である導電パターン層6と、成形樹脂部62上の導電パターン層6が形成されていない部分に形成され、導電性ナノファイバー3を含み、導電パターン層6から絶縁された絶縁パターン層5とを備えている。成形樹脂部62の表面は一部が外方に膨らむ曲面に構成されており、その曲面の沿って、導電パターン層6及び絶縁パターン層5が形成さている。導電パターン層6及び絶縁パターン層5は、成形樹脂部62上に直接形成される場合、図3の(2)で示したような基体シート10と一体となって成形樹脂部62上に固着される場合、図1の(1)で示したような基体シート10から剥離して剥離層61と一体となって成形樹脂部62上に転写される場合がある。
【0013】
成形樹脂部62の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリスチレン、ニトロセルロース、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ABS樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、これらの樹脂の共重合体樹脂、これらの樹脂の混合樹脂などが挙げられる。
【0014】
導電パターン層6は、少なくともアクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどのバインダー樹脂33と、導電性ナノファイバー3とからなる。導電パターン層6は、塗装やインクジェットなどの方法で設けることができる。
【0015】
導電パターン層6の厚みは数十nmから数百nmの範囲で適宜設定可能である。厚みが数十nmより薄いと層としての強度が不足し、厚みが数百nmより厚いと層としての柔軟性がなくなり加工が困難となる。
【0016】
導電性ナノファイバー3の例としては、カーボンナノファイバーのほか、金、銀、白金、銅、パラジウムなどの金属イオンを担持した前駆体表面にプローブの先端部から印加電圧又は電流を作用させ連続的にひき出して作製した金属ナノワイヤや、基板上に原料ガスを導入しCVD法により作製したグラファイトナノファイバー、ペプチド又はその誘導体が自己組織化的に形成したナノファイバーに金粒子を付加してなるペプチドナノファイバーなどが挙げられる。
【0017】
尚、導電パターン層6には目視で認識できないサイズの微小ピンホール7を形成してもよい。導電パターン層6に設ける多くの微小ピンホール7は、目視で認識できない面積1μm↑2〜10000μm↑2程度のサイズのピンホールが好ましく、導電パターン層6における微小ピンホール7の占有面積の割合を20%〜80%にするよう設けるのが好ましい。ピンホールの面積を1μm↑2未満にすることは技術的に難しくこれより小さいと光線の透過がしにくくなるからである。また、微小ピンホール7の占有面積の割合が20%未満であれば光線透過率の向上やヘイズ値を低下の程度が少なくなり、80%を超えれば導電パターン層6の表面抵抗値が高くなり導電性に問題が生じる場合があるからである。
【0018】
微小ピンホール7の形状は、円形状のほか、多角形状、楕円状、円弧状、直線状のいずれでもよく、これらの異なる形状のピンホールが混ざっているようなものであっても構わない。
【0019】
図4の(1)を参照して、微小ピンホール7の形成方法としては、成形樹脂部62上に導電性ナノファイバー3を含む導電パターン層6を全面に形成し、その導電パターン層6の一部にスポット径数十μmの炭酸ガスレーザーなどのエネルギー線を照射して導電パターン層6の導電性ナノファイバー3及びバインダー樹脂33を焼き切ることにより形成する方法があげられる。
【0020】
図4の(2)及び(3)を参照して、別の微小ピンホール7の形成方法としては、成形樹脂部62上に導電性ナノファイバー3を含む導電パターン層6を全面に形成し、その導電パターン層6の一部に塗装やインクジェットなどの方法でエッチングレジスト層11を形成後、全面をエッチングして、エッチングレジスト層11が形成されていない部分の導電パターン層6のバインダー樹脂33を除去させることにより形成する方法があげられる。
【0021】
使用するエッチングレジスト層11としては光硬化性の樹脂などが挙げられ、エッチング溶液として導電パターン層6のバインダー樹脂33を除去できるケトン、芳香族炭化水素などの有機溶剤等が好ましい。
【0022】
絶縁パターン層5は、導電性ナノファイバー3が断線しているか、又は、目視で認識できない巾の狭小溝9が形成されることを除けば、バインダー樹脂33や導電性ナノファイバー3等導電パターン層6の材質と何ら変わりがなく、厚みが同等ならば導電パターン層6とほぼ同等の光線透過率やヘイズ値を呈する。したがって、導電パターン層6と光線透過率およびヘイズ値の差が前述したように非常に小さくなるため、パターン見えが相当軽減された導電性を有する層を形成することができる
【0023】
絶縁パターン層5を導電性ナノファイバー3の断線により形成する場合、形成の際に、導電パターン層6と絶縁パターン層5との光線透過率の差が10%以下でヘイズ値の差が5%以下になるよう、厳重に光線透過率およびヘイズ値を測定管理して形成し、絶縁パターン層5の厚みはできる限り導電パターン層6の厚みと同等にするのが好ましい。
【0024】
図2を参照して、導電性ナノファイバー3を断線させる方法としては、エネルギー線として数十μmのスポット径のYAGレーザーなどを使い、導電性ナノファイバーに適度のエネルギー(熱)を加えることによって導電性ナノファイバー3の一部を焼き切る方法や、酸やアルカリの水溶液等のエッチング溶液に浸すことにより、エッチングレジスト層11が形成されていない部分の導電性ナノファイバー3の一部を腐食させる方法などがあげられる。
【0025】
絶縁パターン層5を目視で認識できない巾の狭小溝9により形成する場合、形成の際に、絶縁パターン層5における狭小溝9の占有面積の割合を、できる限り導電パターン層6における微小ピンホール7の占有面積の割合と同等にし、絶縁パターン層5の厚みはできる限り導電パターン層6の厚みと同等にするのが好ましい。
【0026】
狭小溝9は、目視で認識できない0.1μm〜10μm程度の巾が好ましい。狭小溝9の巾を0.1μm未満にすることは技術的に難しいだけでなく、トンネル電流により短絡することがあるからである。又、10μmを超える巾にすると照明で照らされた場合に溝が光って見えてしまう場合があるからである。狭小溝9を形成する方法は、微小ピンホール7の形成方法と同じでよい。
【0027】
狭小溝9の形状は、格子状のほか、ハニカム状、ランダム状、その他の形状いずれでもよく、これらの異なる形状の溝が混ざっているようなものであっても構わない。また、狭小溝9によって囲まれて形成される絶縁パターン層5の島状パターンは、円形状のほか、多角形状、楕円状、円弧状のいずれでもよく、これらの異なる形状が混ざっているようなものであっても構わない。島状パターンのサイズは、ナノオーダーからミリオーダーのいずれでもよく、これらの異なるサイズの形状が混ざっているようなものであっても構わない。
【0028】
尚、これまでは塗装やインクジェットなどの方法で、直接成形樹脂部62上に導電パターン層6や絶縁パターン層5を形成する方法を示してきたが、導電パターン層6や絶縁パターン層5を基体シート10上に形成して導電性ナノファイバーシート1,2を作製し、この導電性ナノファイバーシートを成形樹脂部62上に固着させて導電性成形品60を製造してもよい。
【0029】
この場合、導電パターン層6や絶縁パターン層5を形成する方法として、塗装やインクジェットなどの方法以外に、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の汎用の各種印刷手法やコーターなどによる方法を用いることができる。
【0030】
基体シート10の材質としては、アクリル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニルなどの樹脂フィルムが挙げられる。基体シート10の厚みは5〜800μmの範囲で適宜設定可能である。5μm未満では、層としての強度が不足して剥離する際に破れたりするので取り扱いが困難となり、800μmを越える厚みでは、基体シートに剛性がありすぎて加工が困難となる。なお、導電性ナノファイバーシート1を転写シートとして活用する場合には、上記樹脂フィルム上にシリコン、メラミン、アクリルなどの樹脂を塗布して離型性のある基体シートとしておくのが好ましい。
【0031】
又、導電パターン層6や絶縁パターン層5と基体シート10との間に、剥離層61やアンカー層等を設けてもよいし、導電パターン層6や絶縁パターン層5上にアンカー層や接着層等を設けてもよい。さらに、基体シート10上には、例えば3〜10mm角くらいのサイズの位置検知マーク25を形成するのが好ましい。この位置検知マーク25を光学的方法により読み取れば、基体シート10上の所定の位置に微小ピンホール7や狭小溝9を形成することができるからである。
【0032】
上記導電性ナノファイバーシート1,2を用いて導電性成形品60を製造する方法としては、例えば次のような成形同時加飾法が挙げられる。すなわち、導電性ナノファイバーシート1,2を可動型と固定型とからなる射出成形金型内にセットして型締めし、溶融した射出成形樹脂を射出成形金型内に充填し、冷却後、前記射出成形金型を開いて導電性成形品を取り出す方法である。
【0033】
あるいは、次のような熱接着(熱転写)法が挙げられる。すなわち、導電性ナノファイバーシート1を成形樹脂部62の上面にセットし、シリコンラバーからなる熱ロールを備えた転写機を用いて基体シート10の背面から温度80〜260℃程度、圧力50〜200kg/m↑2程度の条件で押圧する方法である。
【実施例1】
【0034】
基体シート10として厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にメラミン樹脂からなるインキで剥離層11を形成し、ウレタン樹脂からなるインキで5mm角の位置検知マーク25を形成した。
【0035】
次に、平均直径0.2μm、平均長さ10μmの銀ナノワイヤからなる導電性ナノファイバー3をアクリル樹脂からなるバインダー樹脂33中に分散させたインキを用いてグラビア印刷をし、熱風乾燥して導電パターン層6を形成した。次に、位置検知マーク25を光学的方法により読み取って所望の位置に炭酸ガスレーザー照射機の先端50を配置し、レーザー照射光51により熱を加えて導電パターン層6のバインダー樹脂33を焼き切り(図4の(1)参照)、多数の微小ピンホール7からなる導電パターン層6と狭小溝12を有する絶縁パターン層5とを含む導電性ナノファイバーシート2を形成した(図3参照)。
【0036】
この得られた導電性ナノファイバーシート2を可動型14と固定型15とからなる射出成形金型内にセットして型締めした。型締め後、溶融したアクリル系樹脂からなる透明射出成形樹脂8を射出成形金型内に充填した。成形条件は、樹脂温度240℃、金型温度55℃、樹脂圧力約300kg/cm↑2とした。冷却後、前記射出成形金型を開いて、導電性ナノファイバーシートが成形樹脂部62の表面に固着した導電性成形品60を取り出した。(図1参照)。
【0037】
製造された導電性成形品60の導電パターン層6の一部の部分に形成された微小ピンホール7は円形状で、平均の面積が200μm↑2程度で外観上存在が判別できないサイズであり、導電パターン層6の総面積の40%程度を占有していて、光線透過率が90%、ヘイズ値も2%と良好であり、微小ピンホール7を形成しない場合に比べて光線透過率が1%向上し、ヘイズ値も2%低下することができた。一方、表面抵抗値の上昇は2倍程度に留まっていた。
【0038】
又、製造された導電性成形品60の絶縁パターン層5の部分に形成された狭小溝9はピッチ30μmの格子状で、平均の巾が5μm程度で外観上存在が判別できない巾であり、絶縁パターン層5の総面積の37%程度を占有していて、光線透過率が90%、ヘイズ値も2%と良好であり、狭小溝9を形成しない場合に比べて光線透過率が1%向上し、ヘイズ値も2%低下することができた。一方、絶縁抵抗値は1×10↑8Ω以上と、十分な絶縁抵抗の範囲であった。
【実施例2】
【0039】
導電性ナノファイバーシート1の作成において、位置検知マーク25を光学的方法により読み取って所望の位置にYAGレーザー照射機50の先端を配置し、レーザー照射光51により熱を加えて、導電性ナノファイバー3の一部を焼き切り、導電パターン層6の一部を絶縁パターン層5に変化させた(図2の(1)及び(2)参照)。他は実施例1と同様にして導電性ナノファイバーシート1を作成した。
【0040】
この作成された導電性ナノファイバーシート1を用い、位置決め機構を有する送り装置を使用して、可動型14と固定型15とからなる射出成形金型内にセットして型締めした。型締め後、溶融したアクリル系樹脂からなる透明射出成形樹脂を射出成形金型内に充填した。成形条件は、樹脂温度240℃、金型温度55℃、樹脂圧力約300kg/cm↑2とした。冷却後、前記射出成形金型を開いて樹脂成形品を取り出し、基体シート10を剥離したところ、基体シート10と剥離層61との境界面で剥離が起こり、導電性成形品60が得られた。(図1の(1)参照)。
【0041】
この方法によって得られた導電性成形品60の絶縁パターン層5の光線透過率は91%であり、ヘイズ値が2%と、光線透過率およびヘイズ値の差がほとんどなく、外観上導電パターン層6がどこにあるのか判別できないようなパターン見えのない導電性成形品60であった。
【符号の説明】
【0042】
1,2 導電性ナノファイバーシート
3 導電性ナノファイバー
5 絶縁パターン層
6 導電パターン層
7 微小ピンホール
9 狭小溝
10 基体シート
11 エッチングレジスト層
20 フォトマスク
25 位置検知マーク
33 バインダー樹脂
50 レーザー照射機の先端
51 レーザー照射光
60 導電性成形品
61 剥離層
62 成形樹脂部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体形状を有する成形樹脂部と、
前記成形樹脂部上に形成され、導電性ナノファイバーを含み、その導電性ナノファイバーを介して導通可能である導電パターン層と、
前記成形樹脂部上の前記導電パターン層が形成されていない部分に形成され、前記導電性ナノファイバーを含み、前記導電パターン層から絶縁された絶縁パターン層とを備えた、導電性成形品。
【請求項2】
前記絶縁パターン層は、前記導電性ナノファイバーシートが断線することにより前記導電パターン層から絶縁されている、請求項1記載の導電性成形品。
【請求項3】
前記絶縁パターン層は、目視により認識することができない幅の狭小溝を有し、その狭小溝により、前記導電パターン層から絶縁されると共に、複数の島状に形成された、請求項1記載の導電性成形品。
【請求項4】
前記導電パターン層は、目視により認識することができない大きさの複数の微小ピンホールを有する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の導電性成形品。
【請求項5】
基体シート上に導電パターン層と絶縁パターン層とを形成して導電性ナノファイバーシートを得る工程と、
前記得られた導電性ナノファイバーシートを、立体形状を有する成形樹脂部に固着させる工程とを備えた、導電性成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−258112(P2010−258112A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104563(P2009−104563)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】