説明

導電性樹脂皮膜

【課題】導電性に優れた樹脂皮膜の提供。
【解決手段】触媒存在下、300℃以上、850℃未満の温度でメタンおよび二酸化炭素を含むガスを反応させることにより得られる炭素質微細繊維状体と、テトラポッド状導電性フィラーと、マトリックス樹脂とを含む導電性樹脂皮膜。テトラポッド状導電性フィラーには、テトラポッド状酸化亜鉛ウィスカーと、このウィスカーの表面を被覆し且つ酸化亜鉛よりも良導電性の外表面層とからなるものを使用することが好適であり、その外表面層の材質が銀であると好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板、アルミニウム板等の金属板を基材とするプレコートメタルの皮膜などに適用することができる導電性樹脂皮膜に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オーディオビジュアル(AV)機器、パーソナルコンピュータ周辺機器、インターネット接続機器、車載用情報端末等の電子機器の構成部材として使用されている金属板には、樹脂皮膜が形成されたプレコートメタルが採用されることがある。この皮膜には電磁波による電子機器の誤動作を防止するための導電性(電磁波シールド性)が求められ、その誤動作を十分に防止するべく、より高い導電性を有する樹脂皮膜が望まれている。
【0003】
ポリアセチレン、ポリ(パラフェニレン)、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等のπ共役高分子構造を有する樹脂はそれ自体が導電性を有することが知られており、また、カーボン系フィラー、金属系フィラー、金属酸化物系フィラー、表面に導電性樹脂皮膜が形成されたフィラー等の導電性フィラーを樹脂皮膜中に含ませて、当該皮膜に導電性を付与する方法が知られている。この中で、適用の自由度、汎用性、コスト等を考慮に入れると、導電性フィラーの活用が導電性を有する樹脂皮膜を形成するためには最も実用的である。
【0004】
近年、導電性フィラーの中で次世代型のフィラーとして注目されているのがカーボンナノチューブである。これは従来のカーボン系フィラーと比較して著しく高い導電性を有しており、市販されている代表的なカーボンナノチューブの電気抵抗値は、単繊維あたり10-4Ωという低い値を示す。しかしながら、単独では高い導電性を有するカーボンナノチューブを樹脂皮膜に含ませても、その低い嵩密度と分散性不良により、樹脂皮膜の表面導電性が予想よりも低くなってしまう場合が多々ある。それが故、カーボンナノチューブを含ませた樹脂皮膜の電磁波シールド機能には改善の余地が十分にある。また、樹脂皮膜の表面導電性には金属並の高いレベルが要求されることもあり、この要求に応えるためにも、樹脂皮膜の導電性を更に高めることが望まれる。
【0005】
また、例えば特許文献1にカーボンナノチューブ以外の公知の導電性フィラーが開示されている。当該文献に開示されているフィラーは、導電性樹脂シールドに適用できる樹脂皮膜等に含ませて使用できる酸化亜鉛ウィスカーであり、4軸方向に向けて針状酸化亜鉛が伸びたテトラポッド状のものである。そして、特許文献1は、前記テトラポッド状酸化亜鉛ウィスカーの表面に導電性材料をコーティングすることを開示すると共に、高導電性カーボンを樹脂皮膜中に併存させることも開示している。
【特許文献1】特公平7−7876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カーボンナノチューブとテトラポッド状酸化亜鉛ウィスカー等のテトラポッド状導電性フィラーとを樹脂皮膜に含ませる場合でも、上述の通り、導電性を更に高めることが望まれる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、導電性に優れた樹脂皮膜の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、カーボンナノチューブとテトラポッド状導電性フィラーとを含ませた導電性樹脂皮膜に関して鋭意検討した結果、カーボンナノチューブとして炭素質微細繊維状体を選択すれば、導電性樹脂皮膜の導電性が飛躍的に向上(表面電気抵抗が飛躍的に低減)することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明に係る導電性樹脂皮膜は、触媒存在下、300℃以上、850℃未満の温度でメタンおよび二酸化炭素を含むガスを反応させることにより得られる炭素質微細繊維状体と、テトラポッド状導電性フィラーと、マトリックス樹脂とを含むことを特徴とする。本発明に係る導電性樹脂皮膜は、炭素質微細繊維状体を20〜50質量%、テトラポッド状導電性フィラーを5〜25質量%含むものであると良い。
【0010】
前記テトラポッド状導電性フィラーは、テトラポッド状酸化亜鉛ウィスカーと、該ウィスカーの表面を被覆し且つ前記酸化亜鉛よりも良導電性の外表面層とからなるものが好適である。前記外表面層の材質は、銀が好ましい。
【0011】
本発明に係る導電性樹脂皮膜を形成する対象は、例えば、金属板である。
【発明の効果】
【0012】
カーボンナノチューブとして炭素質微細繊維状体を選定し、これをテトラポッド状導電性フィラーと組み合わせることによって、炭素質微細繊維状体とテトラポッド状導電性フィラーとの間の導電性向上に関する相乗効果を発揮するので、本発明に係る導電性樹脂皮膜は極めて優れた導電性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る導電性樹脂皮膜は、炭素質微細繊維状体、テトラポッド状導電性フィラー、マトリックス樹脂を含む。
【0014】
(炭素質微細繊維状体)
炭素質微細繊維状体は、カーボンナノチューブの一種であり、300℃以上、850℃未満の温度でメタンおよび二酸化炭素を含むガス(以下、「メタンおよび二酸化炭素を含むガス」を「原料ガス」と称することがある。)を反応させることにより得られるものである。前記反応においては触媒を存在させることが必要であり、ニッケル、コバルト、鉄などの遷移金属および遷移金属の酸化物から選択された一種または二種以上を触媒として使用する。この触媒の活性を高めるために、シリカなどの担体に触媒を担持させる等、触媒活性を高めるための公知の手段をとっても良い。なお、原料ガスから炭素質微細繊維状体が生成するときの反応式は、次の通りである。
CO2+CH4 → 2C+2H2
【0015】
例えば流動層反応器を使用し、炭素質微細繊維状体を得るための反応を行なわせる。反応圧力および反応器内への原料ガス導入量は、適宜に設定されるべきものであり、例えば、反応圧が1〜200kPa、触媒に対する反応器内への原料ガス導入量が10〜60L/g・hrであると良い。
【0016】
以上の反応条件等により炭素質微細繊維状体を得ることができる。また、炭素質微細繊維状体を得るための方法、および当該方法に使用される装置については、特開2002−211909号公報、特開2002−201013号公報、特開2004−18290号公報、特開2004−19018号公報、特開2004−19019号公報、特開2004−360099号公報等に開示されている。
【0017】
本発明に係る炭素質微細繊維状体の特徴としては、嵩密度が高いこと、および導電性樹脂皮膜材料である塗料に用いられている溶剤との相溶性が良く、導電性樹脂皮膜への充填添加量を多くできること等がある。しかしながら塗料への分散性が良く、充填添加量が増やせることなどの特徴を有しているこの炭素質微細繊維状体であっても、これを単独で導電性樹脂皮膜に含ませた場合には、金属並みに低い表面電気抵抗を実現できない。つまり、炭素質微細繊維状体を単独で使用して表面電気抵抗を極めて低くするためには、当該繊維状体が導電性樹脂皮膜表面に高い密度である程度露出すると共に導電性樹脂皮膜の被形成面に接することが必要となってくる。この状況を実現すれば導電性に非常に優れた樹脂皮膜になると推測されるが、そのためには大過剰の炭素質微細繊維状体を使用しなければならず、導電性樹脂皮膜形成のために使用する塗料の粘度が極端に高くなって、その皮膜形成が非常に困難になる。しかし、本発明のようにテトラポッド状導電性フィラーを使用すれば、炭素質微細繊維状体が導電性フィラー間の導電配線機能を発揮し、その繊維状体に欠けていた導電性樹脂皮膜表面と当該皮膜の被形成面との導電部材の露出等はテトラポッド状導電性フィラーが役割を果たす。その結果として、本発明に係る導電性樹脂皮膜は、非常に高い表面導電性を有することになる。
【0018】
なお、炭素質微細繊維状体を他のカーボンナノチューブに替えた場合には、本発明に係る導電性樹脂皮膜の表面導電性を実現できないことは後記実施例と比較例との対比で明らかにする通りである。
【0019】
上述の原料ガスの反応により得られる炭素質微細繊維状体であれば、その窒素吸着によって測定される比表面積等の値は特に限定されない。概ね、カーボンブラックの分析として適用されるJIS K6217−2に基づいて決定される比表面積が50〜200m2/gであると良い。また、嵩密度が0.2〜12.0g/cm3の炭素質微細繊維状体であると良い。
【0020】
導電性樹脂皮膜中における炭素質微細繊維状体の量は、テトラポッド状導電性フィラー間の導電配線としての機能を十分に発揮させるためには、導電性樹脂皮膜における固形分換算で20質量%以上であると好ましく、更に、導電性樹脂皮膜の被形成面を完全に隠蔽して当該皮膜の意匠性を十分とするためには30質量%以上である。一方で、炭素質微細繊維状体の量が過剰であると、導電性樹脂皮膜形成のための塗料の粘度が上昇して塗布容易な実用的塗料を調製できないため、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。
【0021】
(テトラポッド状導電性フィラー)
テトラポッド状導電性フィラーは、マトリックス樹脂よりも導電性に優れる材質(例えば、酸化亜鉛ウィスカー)のフィラーであり、この構成部材が4軸伸長方向に位置する形状のものである。そのフィラーの先端形状は、針状など、特に限定されない。
【0022】
テトラポッド状導電性フィラーは、テトラポッド状の基材と、当該基材の外表面を被覆し且つ基材よりも良電導性の外表面層とからなるものが好適である。外表面層の材質としては、例えばテトラポッド状基材が酸化亜鉛ウィスカーである場合、銀、ニッケル、銅等が挙げられ、銀が好適である。外表面層の形成は、無電解メッキ等の公知のメッキ方法で行なうと良い。
【0023】
上記フィラーの寸法が限定されることはないが、4軸方向の夫々の長さが2〜50μmであると良く、夫々の径が0.2〜3μmであると良い。
【0024】
以上に詳述したテトラポッド状導電性フィラーは市販されており、例えば松下電器産業株式会社製「パナテトラ」が挙げられる。
【0025】
上述の炭素質微細繊維状体の量範囲内で、導電性樹脂皮膜の優れた導電性を発揮させるためのテトラポッド状導電性フィラー量は、導電性樹脂皮膜における固形分換算で5質量%以上であり、10質量%以上が好ましい。一方で、当該フィラーの量が過剰であると、導電性樹脂皮膜形成のための塗料粘度が非実用的な程度まで上昇するので、25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
【0026】
(マトリックス樹脂)
本発明に係る樹脂皮膜におけるマトリックス樹脂は、公知の樹脂皮膜に適用されるマトリックス樹脂から任意に選択したものを使用することができる。例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、およびこれら樹脂の混合物または変性した樹脂が挙げられる。樹脂皮膜を形成した金属板を曲げ加工して電子機器の筐体等に使用する場合、曲げ加工性、皮膜密着性、耐食性等の特性が良好なことが望まれることを考慮すると、有機溶剤可溶型(非晶性)のポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂をメラミン樹脂等で架橋してもよく、この架橋剤の使用量は、例えば、樹脂皮膜を100質量%としたときに0.5〜30質量%である。
【0027】
(導電性樹脂皮膜の形成方法)
導電性樹脂皮膜を形成するには、後記の塗料を調製し、これを導電性樹脂皮膜の形成対象物に塗布し、乾燥すると良い。
【0028】
塗料は、炭素質微細繊維状体、テトラポッド状導電性フィラー、およびマトリックス樹脂を配合して調製される。塗料の調製では、必要に応じて架橋剤等も配合する。また、各塗料原料の混合の容易化や塗料の塗布を容易化するために、有機溶剤を適宜に使用する。適宜に選択した有機溶剤を使用してよく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル;シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素;2−ブタノン、シクロヘキサノン等のケトン;が挙げられる。塗布適正を考慮した有機溶剤の使用量は、塗料の粘度がフォードカップNo.4で30〜100秒程度になる量、または塗料中の固形分濃度が5〜45%程度になる量であると良い。
【0029】
上記塗料には、本発明に係る樹脂皮膜の効果を阻害しない範囲で、艶消し剤、体質顔料、防錆剤、沈降防止剤、ワックス等の導電性樹脂皮膜分野で用いられる公知の添加剤を配合しても良い。
【0030】
塗料の塗布では、バーコーター法、ロールコーター法、スプレー法、カーテンフローコーター法等の公知の塗布方法から選択した任意の方法を使用できる。塗布した塗料の乾燥は特に限定されることのない乾燥態様を採ることができる。
【0031】
なお、乾燥を経て形成された導電性樹脂皮膜表面に、必要に応じて、耐疵付き性や耐指紋性等を高めるために更に別の樹脂皮膜を形成しても良いが、この場合、本発明に係る導電性樹脂皮膜の導電性を低下させることがない薄膜(例えば、厚み0.2〜1.5μm)にすることが重要である。
【0032】
形成された導電性樹脂皮膜の厚みは特に限定されないが、一般的には8〜10μmであると良い。また、以上の方法によって形成された樹脂皮膜の表面抵抗値を、100Ω以下にも設定可能である。
【0033】
導電性樹脂皮膜を金属板表面上に形成する場合、その金属板としては、例えば、アルミニウム板、銅板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板が挙げられる。また、金属板には、耐食性向上、樹脂皮膜との密着性向上等を目的としてクロメート処理やリン酸塩処理等の公知の表面処理(下地処理)がなされたもの、環境を考慮したノンクロメート処理がなされたものを使用しても良い。
【0034】
導電性樹脂皮膜が形成された金属板は、例えば、オーディオビジュアル機器、パーソナルコンピュータ周辺機器、インターネット接続機器、車載用情報端末等の電子機器や電子部品の構成部材として用いることができる。より具体的には、CD、LD、DVD、CD−ROM、CD−RAM、PDP、LCD等の情報記録製品;パソコン、カーナビ、カーオーディオビジュアル等の電気・電子・通信関連製品;プロジェクター、テレビ、ビデオ、ゲーム機等のオーディオビジュアル機器;コピー機、プリンター等の複写機;エアコン室外機等の電源ボックスカバー、制御ボックスカバー、自動販売機、冷蔵庫等である。本発明に係る樹脂皮膜は導電性(電磁波シールド性)に優れるので、電子機器の誤動作防止が可能となる。
【実施例】
【0035】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0036】
(導電性樹脂皮膜形成用塗料)
実施例、比較例(比較例3を除く)、参考例では、ビヒクルであるプレコート用ポリエステル樹脂(三井化学社製「アルマテックス HMP90S」、固形分含量50質量%)に、後記の製法で得た炭素質微細繊維状体と、硝酸銀を用いた無電解メッキで銀メッキ処理されたテトラポッド状酸化亜鉛ウィスカー(松下電器産業社製「パナテトラ」、当該ウィスカー中の銀メッキ層含有量:36.2質量%)とを、後記表1の通りの導電性樹脂皮膜成分量となるように添加して塗料を調製し、2−ブタノン:トルエン=1:1(質量比)の溶剤を塗料に混合して固形分濃度を調整した。比較例3では、炭素質微細繊維状体に替えて、市販のカーボンナノチューブ(昭和電工社製気相法炭素繊維「VGCF−H」、窒素吸着による比表面積25m2/g、嵩密度0.04g/cm3)を使用した。
【0037】
(炭素質微細繊維状体)
触媒が存在する流動層反応器内で原料ガスを反応させることにより炭素質微細繊維状体を得た。ここで、原料ガスには、二酸化炭素とメタンとのモル比が1:1である混合ガスを使用し、触媒には金属ニッケルを使用し、当該金属ニッケルを平均粒径が15μmのシリカ担体に担持させて使用した。また、反応条件は、温度を550℃、反応圧を40kPa、流動層反応器への原料ガス導入量を触媒に対して30L/g・hrとした。
【0038】
(導電性樹脂皮膜の形成)
縦10cm、横15cm、厚み0.5mmの電気亜鉛メッキ鋼板に調製した塗料をバーコーターで塗布後、260℃、60秒間の焼き付け乾燥を行なった。電気亜鉛メッキ鋼板の表面に形成された導電性樹脂皮膜の厚みは、10μmであった。
【0039】
(導電性の評価)
三和電気計器社製絶縁抵抗計「MG1000」を用いて、テスターの端子間隔を5cm、導電性樹脂皮膜表面への圧力を端子の自重のみとして当該皮膜表面の電気抵抗を5点測定した。導電性の評価では、測定した表面電気抵抗の平均値を採用した。
【0040】
【表1】

【0041】
表1から以下のことを確認できる。
(1)実施例1と、比較例1および2との対比から、炭素質微細繊維状体とテトラポッド状導電性フィラーを併用しなければ優れた導電性(表面固有抵抗)を実現できないこと。
(2)実施例3と比較例3との対比から、カーボンナノチューブの中でも炭素質微細繊維状体を使用すれば、導電性が飛躍的に向上すること。
(3)実施例5と参考例によれば、テトラポッド状導電性フィラーを5質量%以上にすると、導電性が飛躍的に向上すること。
(4)実施例4では本発明の効果(導電性に優れること)を実現しているものの、炭素質微細繊維状体が30質量%未満、かつ、導電性フィラーが25質量%以上であったため、目視で確認した意匠性が悪いものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒存在下、300℃以上、850℃未満の温度でメタンおよび二酸化炭素を含むガスを反応させることにより得られる炭素質微細繊維状体と、テトラポッド状導電性フィラーと、マトリックス樹脂とを含むことを特徴とする導電性樹脂皮膜。
【請求項2】
前記炭素質微細繊維状体を20〜50質量%、前記テトラポッド状導電性フィラーを5〜25質量%含む請求項1に記載の導電性樹脂皮膜。
【請求項3】
前記テトラポッド状導電性フィラーが、テトラポッド状酸化亜鉛ウィスカーと、該ウィスカーの表面を被覆し且つ前記酸化亜鉛よりも良導電性の外表面層とからなるものである請求項1または2に記載の導電性樹脂皮膜。
【請求項4】
前記外表面層の材質が、銀である請求項3に記載の導電性樹脂皮膜。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性樹脂皮膜が形成された金属板。

【公開番号】特開2009−235201(P2009−235201A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81680(P2008−81680)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】