導電線、ナノ粒子、インク、およびパターン形成方法
アニールすると導電線を提供するように調合されたナノ粒子インクのパターン形成および直接描画を開示する。パターン形成方法としては、マイクロコンタクトプリンティングおよびDPN印刷を含むスタンプおよびチップに基づく方法が挙げられる。インク粘度、金属含有量、および密度を制御することで、良好な結果を提供することができる。低アニール温度を使用することで、バルク抵抗率と同程度の体積抵抗率を生み出すことができる。長い線を描くことができる。アドレス可能なパターン形成を実現することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2009年4月14日出願の米国仮出願第61/169,254号の優先権を主張するものであり、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
背景
小さく細い導電線は、電子機器産業を含む現代技術の重要な局面である。金属線が特に重要である。ミクロンとナノメートルとの両方のスケールの線を含む小さく細い導電線を調製しかつ特徴づけるより良い方法を見いだす必要性が存在する。しかし多くの場合では、例えば、(i) 加工可能でかつパターン形成可能であると同時に(ii) パターン形成および加工後に良好な最終特性を示すというインクの能力を含む、所望の特性の組み合わせを実現することは困難である。高アスペクト比を有する長い線、サブミクロンの線幅を有する線、連続的でありかつ高い導電率を示す線、直接描画法で調製可能な線および/またはアドレス可能である能力を有する線を作り出す他の必要性も存在する。
【発明の概要】
【0003】
概要
インク組成物を含む組成物、ならびに構造および装置を作製する方法、使用する方法が本明細書において提供される。
【0004】
一態様は、少なくとも1つのチップを設ける工程、少なくとも1つの基板を設ける工程、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含みかつ少なくとも2,500cpsの粘度を有する少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップ上に配置する工程、ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップから基板に堆積されるようにチップおよび基板を動かして互いに近づける工程を含む方法を提供する。
【0005】
別の態様は、少なくとも1つのチップまたはスタンプを設ける工程、少なくとも1つの基板を設ける工程、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含むペーストを含む少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップまたはスタンプ上に配置する工程、ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップまたはスタンプから基板に堆積されるようにチップまたはスタンプおよび基板を動かして互いに近づける工程を含む方法を提供する。
【0006】
別の態様は、少なくとも1つのチップを設ける工程、少なくとも1つの基板を設ける工程、少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップ上に配置する工程、約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する連続線を提供するように調合されているナノ粒子インクの少なくとも一部がチップから基板に堆積されるようにチップおよび基板を動かして互いに近づける工程を含む方法を提供する。
【0007】
別の態様は、少なくとも1つの基板を設ける工程、約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する連続線を提供するように調合されている少なくとも1種類のナノ粒子インクを基板上に直接描画する工程を含む方法を提供する。
【0008】
別の態様は、少なくとも1つのチップを設ける工程、少なくとも1つの基板を設ける工程、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含みかつ少なくとも45重量%のナノ粒子含有量を有する少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップ上に配置する工程、ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップから基板に堆積されるようにチップおよび基板を動かして互いに近づける工程を含む方法を提供する。
【0009】
別の態様は、金属ナノ粒子を含むインク組成物から連続金属線を少なくとも25のアスペクト比で描く工程であって、アニールすると該線が約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率を示す工程を含む、方法を提供する。
【0010】
別の態様は、(i) ナノ粒子インクがその上に配置されたチップを設ける工程;(ii) インク組成物の少なくとも一部がチップから基板上の第1の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第1の位置に近づける工程;(iii) チップを動かして基板から遠ざける工程; および(iv) 残りのインクの少なくとも一部がチップから基板上の第2の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第2の位置に近づけることでパターンを形成する工程を含む方法を提供する。
【0011】
別の態様は、(i) 少なくとも第1の電極および第2の電極を設ける工程; ならびに(ii) 少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップから第1の電極の第1の部分および第2の電極の第2の部分上に堆積することで、インクをアニールした後に第1の部分と第2の部分との両方と電気接触する連続線を設ける工程を含む方法を提供する。
【0012】
さらなる態様は、約100ミクロン未満、または約10ミクロン未満、または約1ミクロン未満、または約500nm未満、または約100nm未満の横幅を有する導電線を含む、これらの方法で生成される構造を含む。さらに、少なくとも5ミクロンの長さまたは少なくとも40ミクロンの長さである導電性の連続線を調製することができる。
【0013】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つの利点は高導電率の線である。
【0014】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つのさらなる利点は一貫した描画である。
【0015】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つのさらなる利点は連続的な導電線である。
【0016】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つのさらなる利点は、サブミクロンの線を含む小さく細い導電線である。
【0017】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つのさらなる利点は、基板の広範な改質を回避する能力である。
【0018】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つのさらなる利点は、高アスペクト比の線を調製する能力である。
【0019】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つの利点は直接描画である。
【0020】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つの利点はアドレス可能性である。
【0021】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つの利点は、特別な用途でのより良い耐久性である。
【0022】
少なくとも1つのさらなる利点は、数百nmオーダーの測定可能なトポグラフィーを含む。これはさらなる安定性、およびより優れた再現性の高い導電率データを提供することができる。トポグラフィーは、描画されたものが、所望のものであることを確認するために役立つ。
【0023】
相対的に再現性の高いサブμm、サブ50-μΩ-cmのディップペンナノリソグラフィー(登録商標)(DPN(登録商標))で作成される導電性トレースの第1の実証を含む少なくとも1つの態様も本明細書において提供される。他の態様は、本明細書に記載の方法請求項のいずれか記載の方法を含む方法により調製される物品を含む。物品は電子装置などの装置であり得る。代替的な態様では、アニールされたナノ粒子を含む連続線であって、約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率および1ミクロン未満の幅を有する線を含む物品が記載される。別の態様では、線は50x10-6 ohm-cm未満の抵抗率を有する。
【0024】
一態様では、(i) ナノ粒子インクがその上に配置されたチップを設ける工程;(ii) インク組成物の少なくとも一部がチップから基板上の第1の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第1の位置に近づける工程;(iii) チップを動かして基板から遠ざける工程; および(iv) 残りのインクの少なくとも一部がチップから基板上の第2の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第2の位置に近づけることでパターンを形成する工程を含む、パターン形成前の過剰インクの抜き取りの方法が記載されている。一態様では、各逐次抜き取りの結果として作り出されるドットが同程度のサイズを有するまで、工程(iv)の前に工程(ii)および(iii)を反復することができる。
【0025】
代替的な態様は、(i) 少なくとも第1の電極および第2の電極を設ける工程; ならびに(ii) 少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップから第1の電極の第1の部分および第2の電極の第2の部分上に堆積することで、インクをアニールした後に第1の部分と第2の部分との両方と電気接触する連続線を設ける工程を含む、2つの電極を電気的に接続する連続線を作り出す方法を記載する。チップの代わりにスタンプを用いて同一プロセスを行うことができる。あるいは、先に記載のポリマーペンリソグラフィーによってプロセスを行うこともできる。例えば、カンチレバーを使用しないポリマーペンリソグラフィーの態様によってプロセスを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】金電極を横切って描かれた線のSEM画像を示す。
【図2】複数の金電極を横切って描かれた線のSEM画像を示す。
【図3】金電極を横切って描かれた線のSEM画像を示す。
【図4】銀線のAFM分析を示す。
【図5】銀線のAFM高さ分析を示す。
【図6】銀線のI-V試験の結果を示す。
【図7】銀ナノ粒子線を作り出すために堆積に供されたc-AFM基板を示す(mm単位)。
【図8】銀ナノ粒子線を作り出すために堆積に供されたc-AFM基板を示す(ミクロン単位)。
【図9】連続的ではない銀線を図示する。
【図10】図10A〜10Dは、4つの異なる描画速度で描画速度を変動させた連続的ではない銀線を図示する。
【図11】図11A〜11Dは、4つの異なる描画速度で描画速度を変動させた連続的ではない銀線を図示する。
【図12】図12A〜12Cは、4つの異なる描画速度で描画速度を変動させた連続的ではない銀線を図示する。
【図13】図13(a)〜(b)は、DPNによって一般的基板上にAgNPインク溶液を直接堆積させる模式図を示す。(a): チップを包む粘稠ペーストのメニスカスによる必然的に高い濃度の銀ナノ粒子とAgNPインクの流れとを示す拡大斜視図。(b): 表面を横切ってチップを動かすことによる連続的銀トレースの作製を示す縮小斜視図。小さいインク「リザーバ」がカンチレバーの底面のチップの背後に形成されており、チップを包むメニスカスを供給する。スケールについては、実際のチップ/カンチレバーの寸法は以下の通りである: カンチレバーの長さ約200μm、カンチレバーの幅約50μm、カンチレバーの厚さ約0.5μm、チップの高さ(基底から頂点まで)約4μm、チップ端半径約15nm。
【図14】図14(a)〜(c)は、電極を横切って作成される連続線の特徴づけを示す。(a): 4つの電極を横切ったDPNパターン形成導電性トレースのSEM画像であり、いくつかのサブμm線幅の電極間トレースが図示される(注: 金の比較的大きい接触角に起因して、AgNPインクは金トレース上に比較的幅広い特徴として広がる)。挿入されている黒色ズームボックスは(a)に示す領域を示し、ここで500nm幅の連続トレースは電極間の4.5μm幅の間隙にまたがり、インクは約25nmの電極のステップ高さを乗り越えて連続性を明らかに維持可能である。(c): 数百のデータポイントが連続線として現れるI-V曲線データは、トレース導電率を確認し、トレース抵抗R = 108.5Ωを示し、対応する抵抗率ρ = 10.0μΩ-cmである(注: バルク銀ではρ = 1.63μΩ-cm)。抵抗率の計算は図15(c)、(e)に示すトレース高さデータを包含する。
【図15】図15(a)〜(e)は、図14に示す結果のパターン形成制御の反復性を証明する10個の別々の実験にわたる線パターン形成結果を示す。(a): 10個の別々にインク付けしたSiNチップから同一基板SiO2上に作成される一貫した線プロファイルの光学顕微鏡画像。下から上に描かれる各線トレースの開始点の直下に抜き取りドットが示される。(b)(d): 挿入されているボックス[1]および[2]に示す線のTM-AFM高さ画像、(c)(e): 120〜400nmの線厚を示すそれらの対応する線トレースプロファイル。(f): 抜き取りドットのサイズと得られる線長との間の関係を検査するプロット。ほぼ線形の相関関係は、負荷されたインクの量が大きくなるほど得られる最初の抜き取りドットが大きくなり、カンチレバー負荷が大きくなるほど続いて得られる線トレースが長くなるという直観的概念を支持する(抜き取りドットの面積および線長の測定値は図18を参照)。
【図16】図16(a)〜(c)は、別々の11組の電極から収集したAgNP導電性トレース電気性能データを示し、これは図14に示す反復性の高い電気的特徴づけの結果を補強するものである。(a): SiO2基板上の複数組のAu電極を示す、パターン未形成C-AFM基板のSEM画像。模式的な線は、DPNパターン形成AgNP導電性トレースの目的位置を、確認用I-V曲線を作成するために4点プローブ測定針を設置するための矢印指示と共に示す。(b): I-V曲線データは、すべてのパターン形成トレースの導電率を確認し、R = 0.23〜2.10Ωのトレース抵抗の範囲を示す。(c): ρ = 0.8〜86.0μΩ-cmの範囲の対応する抵抗率値を挿入図プロットに示す。本発明者らのサブμmの高さおよび幅とは対照的に、製造者が大面積で複数μm厚のパターンにわたって導電率を測定したことを考慮する場合、28.80±28.45μΩ-cmという平均は、6.0μΩ-cmというインク製造者の仕様(およびバルク銀ρ = 1.63μΩ-cm)と比較して優れている(抵抗率の計算は図15(c)、(e)に示すデータと同程度のトレース高さデータを想定する。11個のトレースのSEM画像は図19の補助情報に見られる)。
【図17】図17(a)〜(e)は、DPN導電性トレースの方法の多用性および基板普遍性を実証する結果を示す。(a): Kaptonテープ上のAgNP線の光学顕微鏡画像; (b): (a)のズームボックス区域の連続線を示すTM-AFM高さ画像; (c): (b)のトポグラフィー線トレースプロファイル。(d): マイカ上の連続AgNP線を示す光学顕微鏡画像、(e): (d)のズームボックス区域を示すTM-AFM画像、(f) 対応するトポグラフィープロファイル。
【図18】図18(a)〜(d)は、図15(f)に見られる関係を検査するために意図的に変動させた抜き取りドットの面積および線長からなる、電極間隙内の代表的AgNPトレースのSEM画像を示す。ドットおよび線の測定値は挿入図に示すものであり、これらを続いて図15(f)に示すプロットに組み入れた。
【図19】図19(a)〜(d)は、複数サンプルの測定値を示す組み合わせSEM画像およびI-V曲線を示すものであり、その組み合わせプロットを図16(b)および16(c)に示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
序論
本明細書において引用されるすべての参考文献はその全体が参照により組み入れられる。
【0028】
導電線およびナノ粒子のパターン形成は米国特許出願公開第2005/0235869号(イリノイ州スコーキー、NanoInk); およびPCT/US2008/079893号(イリノイ州スコーキー、NanoInk)に例えば記載されている。
【0029】
DPN(登録商標)印刷によるナノ粒子インクのパターン形成はWang et al., Applied Physics Letters, 93, 143105 (2008)に記載されている。
【0030】
ノズルを通じたナノ粒子インクの堆積はAhn et al., Science, 323, 1590-1593, March 20, 2009に記載されている。
【0031】
ナノ粒子インクはLi et al., Adv. Mater., 2003, 15, No. 19, 1639-1643; およびWang et al., ACSNANO, 2, 10, 2135-2142に記載されている。
【0032】
金属ナノ粒子(NP)インクは、2つの電極間の導電性トレースを作り出す多用途で低コストのオプションを提供する。2つの接合点を「ナノはんだ付け」するかまたは既存の超小型回路の異種素子を探索するこの能力は、例えば複合超小型回路の故障解析、ガスセンシングおよび太陽電池メタライゼーションなどのプリント回路製作およびフレキシブル電子機器における用途に役立つ。NP系インクは銀(Ag)、金(Au)または銅(Cu)の溶液を含み得るものであり、これらは相対的に低い温度(例えば約100〜300℃)でアニール/硬化可能であり、堆積および硬化後に低抵抗率(50-μΩ-cm未満)を示す。この単純な2段階メタライゼーションプロセスは低コストの電子機器製作に特に好適である。しかし、導電性トレース製作の一般的領域において、ユーザーが規定した特定地点での正確な直接堆積を実現すること、および0.5〜50.0μm範囲でこれらの金属トレースの寸法を確実に制御することのいずれも困難である。
【0033】
マイクロスケール導電性トレースを作り出す多くの異なるアプローチが既に存在しており、これらはドロップオンデマンド(DOD)インクジェット印刷、界面活性剤支援多光子誘導金属還元、金属パターン形成用のレーザー誘導NP成長、溶液中の金属イオンの還元、官能化ブロック共重合体パターン形成、気相還元、スクリーン印刷、直接インプリンティングおよびマイクロコンタクトプリンティング(μ-CP)を含む1a-1。しかし、これらの技術はいずれも何らかの欠点を有する。例えば、DODインクジェット印刷は、ノズル中に形成されるインク目詰まりという欠点があり、さらに、最小特徴幅(30〜60μm)が最小ノズル直径(1〜10μm)により限定され、続いてインクのレオロジーがノズルの寸法により制約される。同様に、μ-CPの解像度は光学リソグラフィーの限界により制約され、スタンプ/基板の間隙および印刷力の問題が理由の欠陥がしばしば観察される。Caoらは180nm線幅の導電性AgNP構造を実証した1eが、彼らのアプローチはレーザーおよび光還元化学薬品によって大量のエネルギーを付加し、相当な表面改質を包含し、導電性トレースを直接堆積しなかった。AgNPペーストスクリーン印刷などの他のアプローチは、所望電極の形状およびサイズを規定するメッシュスクリーンならびに該スクリーンのある種の領域を遮断するステンシルの使用を包含する。しかし、このアプローチは異なる電極用の複数のスクリーンを必要としており、直接描画でもサブμmでもなく、引用文献では石英基板上のパターン形成に限定された1j。より密接に関連するものとして、Wangらは金ナノ粒子(AuNP)サブμm線の高度に制御された堆積を実証したが、彼らのAuNPトレースは連続的でも導電性でもなかった1m。ナノ電子現象を真に探求するには、また印刷回路、フォトニクスおよび化学センサ/バイオセンサなどの分野に金属サブμmナノ粒子インク系導電性トレースを適用することでこの新分野を拡大するには、多用途でかつ非エネルギー大量消費型の他の堆積方法を実施することが必要である。さらに、望ましいナノ粒子系インク堆積方法は、既存の電子的製作方法との相補性を確保するために、表面の大規模な改質を回避すべきである。
【0034】
ディップペンナノリソグラフィー(登録商標)(DPN(登録商標))は、これらの目的を実現するために有望な候補である。このアプローチの模式図を図13に示す。DPNは、走査型プローブ技術としてのその基礎に起因して、トレースを直接描画しかつそれらを既存の表面特徴にナノスケール精度で位置合わせするという独特の能力を有する2a-b。この能力のみで、DPNは、既存の微細構造のサブnm装飾、特定地点での装置素子の機能化、またはマイクロ電子素子の装飾電気タッチアップのための唯一のアプローチとして差別化される。さらに、DPNは低コストであり、周囲環境で運用され、既存基板の物理的または化学的改質を必要としない。
【0035】
パターン形成
マイクロコンタクトプリンティングおよび他のソフトリソグラフィー法、ナノインプリントリソグラフィー、走査型プローブ法、DPN印刷、ならびにインクジェット印刷、フレキソ印刷、オフセット、スクリーン、グラビア印刷などのような印刷法を例えば含むパターン形成および印刷法が当技術分野で公知である。これらの方法の一部では、インク材料を尖ったチップまたはスタンプから基板に移す。パターンを描くために直接描画を実現することができる。
【0036】
スタンプを使用する場合、スタンプはポリジメチルシロキサンなどのシリコーンポリマーで作製されかつ堆積に使用される軟質エラストマースタンプであり得る。エラストマースタンプの使用に関連する代替的な一態様では、軟質エラストマーチップなどのポリマーチップをパターン形成に使用する。エラストマーチップを用いるパターン形成を「ポリマーペンリソグラフィー」と呼ぶ場合がある。一態様では、ポリマーペンリソグラフィーをカンチレバーなしで行うことができる。同時に複数のチップを用いてポリマーペンリソグラフィーを行うこともできる。
【0037】
一態様では、チップなしカンチレバーを堆積に使用することができる。
【0038】
一態様では、パターン形成をノズルなしで行う。
【0039】
一態様では、パターン形成をスタンプなしで行う。
【0040】
基板は、ケイ素、二酸化ケイ素、金属電極および金電極を例えば含む金属、ガラス、半導体およびポリマーを含む種々の固体であり得る。基板は絶縁性、導電性または半導電性であり得る。基板は複合材料であり得るものであり、半導体または導体などの異なる材料を表面に提示し得る。
【0041】
基板は金属線または金属電極を含み得る。例は米国特許第7,199,305号(Protosubstrates)に記載されている。
【0042】
基板は疎水性または親水性の表面を提示し得る。一態様では、表面は、水接触角が約15°〜35°または20°〜30°になる親水性を示す。
【0043】
走査型プローブ法およびDPN法は当技術分野で公知である。例えばScanning Probe Microscopies Beyond Imaging, Samori, Wiley, 2006を参照。
【0044】
DPN印刷
機器構成、材料および方法を含むDPN印刷は当技術分野で一般に公知である。例えばHaaheim et al., Ultramicroscopy, 103, 2005, 117-132を参照。本明細書に記載の各種態様の実行では、直接描画印刷およびパターン形成用のリソグラフィー、マイクロリソグラフィーおよびナノリソグラフィー機器、ペンアレイ、能動ペン、受動ペン、インク、パターン形成化合物、キット、インク吐出、ソフトウェアならびにアクセサリーをイリノイ州スコーキーのNanoInk, Inc.より得ることができる。ソフトウェアは、リソグラフィー設計および制御用ユーザーインターフェースを提供するINKCADおよびNSCRIPTORソフトウェア(イリノイ州スコーキー、NanoInk)を含む。E-Chamberを環境制御に使用することができる。ディップペンナノリソグラフィー(登録商標)MおよびDPN(登録商標)はNanoInk, Inc.の商標である。
【0045】
カンチレバー、チップおよびパターン形成化合物の使用による直接描画印刷に関連する以下の特許および同時係属中の出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられており、インク、パターン形成化合物、ソフトウェア、インク吐出装置などを含む本明細書に記載の各種態様の実行に使用することができる。
【0046】
Mirkinらの米国特許第6,635,311号、インク、チップ、基板および他の機器構成パラメータならびにパターン形成方法を含むDPN印刷の基本的局面を記載。
【0047】
Mirkinらの米国特許第6,827,979号、ソフトウェア制御、エッチング手順、ナノプロッターならびに複合および組み合わせアレイ形成を含むDPN印刷の基本的局面をさらに記載。
【0048】
2002年9月5日公開の米国特許出願公開第2002/0122873A1号(「Nanolithography Methods and Products Produced Therefor and Produced Thereby」)、DPN印刷の開口の態様および駆動力の態様を記載。
【0049】
2003年2月14日出願のEbyらの米国正規特許出願第10/366,717号(「Methods and Apparatus for Aligning Patterns on a Substrate」)、DPN印刷用の位置合わせ方法を記載(2003年10月2日に第2003/0185967号として公開)。
【0050】
2003年2月28日出願のDupeyratらの米国正規特許出願第10/375,060号(「Nanolithographic Calibration Methods」)、DPN印刷用の較正方法を記載。
【0051】
2003年4月10日公開のMirkinらの米国特許出願公開第2003/0068446号(「Protein and Peptide Nanoarrays」)、タンパク質およびペプチドのナノアレイを記載。
【0052】
2002年12月2日出願のMirkinらの米国正規特許出願第10/307,515号(「Direct-Write Nanolithographic Deposition of Nucleic Acids from Nanoscopic Tips」)、核酸パターン形成を記載(PCT/US2002/038252号、2003年6月12日公開)。
【0053】
2002年12月17日出願のMirkinらの米国正規特許出願第10/320,721号(「Patterning of Solid State Features by Direct-Write Nanolithographic Printing」)、反応性パターン形成およびゾルゲルインクを記載(2003年8月28日に第2003/0162004号として公開済み)。
【0054】
Liuらの米国特許第6,642,129号および第6,867,443号(「Parallel, Individually Addressible Probes for Nanolithography」)、能動ペンアレイを記載。
【0055】
2003年1月9日公開のSchwartzの米国特許出願公開第2003/0007242号(「Enhanced Scanning Probe Microscope and Nanolithographic Methods Using Same」)。
【0056】
2003年1月9日公開のSchwartzの米国特許出願公開第2003/0005755号(「Enhanced Scanning Probe Microscope」)。
【0057】
2003年8月11日出願の米国特許出願第10/637,641号、第2004/0101469号として公開済み、触媒ナノ構造およびカーボンナノチューブ用途を記載。
【0058】
2003年5月23日出願の米国特許出願第10/444,061号、2004年2月12日に第2004/0026681号として公開済み、および2004年1月15日公開の米国特許出願公開第2004/0008330号、それぞれタンパク質および導電性ポリマーの印刷を記載。
【0059】
2003年8月26日出願の米国特許出願第10/647,430号、現在は米国特許第7,005,378号、パターン形成化合物としての導電性材料を記載。
【0060】
2003年10月21日出願の米国特許出願第10/689,547号、2004年9月9日に第2004/0175631号として公開済み、フォトマスク修復を含むマスク用途を記載。
【0061】
2003年11月12日出願の米国特許出願第10/705,776号、2005年2月17日に第2005/0035983号として公開済み、マイクロフルイディクスおよびインク吐出ならびにインクウェルを記載。
【0062】
2004年3月1日出願の米国特許出願第10/788,414号、2005年1月13日に第2005/0009206号として公開済み、ペプチドおよびタンパク質の印刷を記載。
【0063】
2004年7月19日出願の米国特許出願第10/893,543号、2005年12月8日に第2005/0272885号として公開済み、ROMP法および組み合わせアレイを記載。
【0064】
2005年2月14日出願の米国特許出願第11/056,391号、2005年11月17日に第2005/0255237号として公開済み、スタンプチップまたはポリマーコーティングチップ用途を記載。
【0065】
2005年2月25日出願の米国特許出願第11/065,694号、2005年10月27日に第2005/0235869号として公開済み、チップなしカンチレバーおよびフラットパネルディスプレイ用途を記載。
【0066】
2006年1月19日公開の米国特許出願公開第2006/001,4001号、DPN法で作製されるナノ構造のエッチングを記載。
【0067】
2004年12月2日公開のLiu & Mirkinの国際公開公報第2004/105046号では、コンタクトプリンティング用の走査型プローブが記載されている。
【0068】
Mirkinの米国特許出願公開第2007/0129321号、ウイルスアレイを記載。
【0069】
その全体が参照により本明細書に組み入れられる2007年3月23日出願のMirkinらの米国特許出願公開第2008/0105042号に例えば記載の二次元ナノアレイも参照。Haaheimらの米国特許出願公開第2008/0309688号も参照。
【0070】
別のパターン形成機器は、例えばRozhokらの米国特許出願公開第2009/0023607号に記載されている。
【0071】
DPN法は、高スループット平行法の記載を含むGinger et al., "The Evolution of Dip-Pen Nanolithography," Angew. Chem. Int. Ed. 43, 30-45 (2004)にも記載されている。
【0072】
DPN印刷およびパターン転写法を含む直接描画方法は、例えばDirect-Write Technologies, Sensors, Electronics, and Integrated Power Sources, Pique and Chrisey (Eds) (2002)に記載されている。
【0073】
走査型プローブ顕微鏡法は例えばBottomley, Anal. Chem. 70, 425R-475R (1998)において考察されている。また、例えば米国特許第5,705,814号(Digital Instruments)に記載のプローブ交換機構を含む走査型プローブ顕微鏡は当技術分野で公知である。
【0074】
少なくとも55,000個、または少なくとも1,000,000個、または少なくとも10,000,000個を例えば含む大量のチップおよびカンチレバーを有するアレイを含む1-Dまたは2-Dアレイを使用することができる。例えばMirkinらの米国特許出願公開第2008/0105042号を参照。
【0075】
チップは、Siもしくは窒化ケイ素などの硬質チップ、またはポリマーチップなどの軟質チップであり得る。
【0076】
描画速度は、用途および使用される材料に応じて任意の好適な速度であり得る。例えばそれは0.1ミクロン/秒〜100ミクロン/秒、例えば20ミクロン/秒〜90ミクロン/秒、例えば40ミクロン/秒〜80ミクロン/秒であり得る。
【0077】
インク組成物
インク組成物は、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含み得る。インク組成物はペーストであり得る。ペーストは当技術分野で公知である。ナノ粒子は当技術分野で公知である。例えばPoole, Owens, Introduction to Nanotechnology, 2003 (Wiley); 米国特許出願公開第2008/0003363号; Li et al., Adv. Mater., 2003, 15, No. 19, 1639-1643; およびWang et al., ACSNANO, 2, 10, 2135-2142を参照。
【0078】
水性と非水性との両方の担体を含む溶媒担体は当技術分野で公知である。
【0079】
インク組成物は、良好な印刷および良好な最終特性に適応した調合パラメータを含み得る。パラメータの例としては接触角、チップのインク付け、チップ速度対サイズの制御、ナノ粒子インクの異なる源、および溶媒選択が挙げられる。溶媒パラメータとしては乾燥速度、粘度、チップおよび基板の極性に対するインクの極性、ならびに金属含有量も挙げられる。
【0080】
ペーストは、パターン形成およびチップに基づく堆積に適応した粘度を有し得る。例えば、粘度は少なくとも2,500cps、または少なくとも5,000cps、または少なくとも6,000cps、または少なくとも7,000cpsであり得る。粘度は10秒-1 (25℃)で1,500cpを超えることがある。
【0081】
金属ナノ粒子は、例えば銀、金、銅、パラジウムまたは白金、ならびにその混合物および合金などの、ナノ粒子形態であるように適応可能な任意の金属であり得る。
【0082】
平均粒径は例えば約1nm〜約100nm、または約2nm〜約75nm、または約20nm〜約50nmであり得る。
【0083】
ペーストは、パターン形成およびチップに基づく堆積に適応した密度を有し得る。例えば、密度は少なくとも2g/cc、または少なくとも2.2g/ccであり得る。
【0084】
ペーストは、パターン形成およびチップに基づく堆積に適応した金属含有量を有し得る。例えば、金属含有量は少なくとも45重量%、または少なくとも55重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%であり得る。
【0085】
特性の組み合わせが存在し得る。例えば、ペーストは少なくとも2,500cpsである粘度、少なくとも2g/ccの密度および少なくとも45重量%の金属含有量を有し得る。
【0086】
溶媒担体系は基板およびチップに適応し得る。それは水を含み得る。pHは用途に適応し得る。
【0087】
インク組成物はグリセリンを実質的にまたは完全に含まないことがある。
【0088】
ナノ粒子は、溶媒担体に十分に懸濁し、長い保存寿命を示す必要がある。
【0089】
ペーストインク用PAシリーズ(PA-010、PA-020、PA-030)を含むインクを韓国安城市InkTecより得ることができる。
【0090】
インクはシリコンウェーハ(HF洗浄)上で70°; テフロン上で110°; 無洗浄のシリコンウェーハ上で40〜50°の接触角を有し得る。
【0091】
インクは柔軟性、高い接着性、および短期焼結を示し得る。
【0092】
インクは透明電子導電性インクであり得るものであり、液相で透明性を示し得る。
【0093】
インクは、基板に化学吸着もしくは共有結合される必要がないかまたはその能力を有さないナノ粒子を含み得る。
【0094】
いくつかの態様では、インクは、マイクロ流体チャネルを含むインクウェルと共に使用できないほど十分に粘稠であり得る。
【0095】
一態様では、インク組成物は溶媒担体およびナノ粒子から本質的になる。
【0096】
一態様では、インク組成物はポリマー材料を実質的に含まない。
【0097】
一態様では、組成物はバインダー材料を含まない。一態様では、組成物はマトリックス材料を含まない。
【0098】
一態様では、インク固形分は少なくとも75重量%金属、または少なくとも85重量%金属、または少なくとも95重量%金属である。
【0099】
一態様では、インクは銀塩などの金属塩を実質的に含まない。
【0100】
ナノ粒子インク用安定剤は当技術分野で公知である。
【0101】
一態様では、インクを使用前に超音波処理またはボルテックスする必要はない。
【0102】
インク色は例えば濃緑色であり得る。
【0103】
インク組成物は、チップに適用される前には第1の組成物であり得るものであり、あるいは、チップに適用された後では第2の組成物であり得るものであり、あるいは、チップに適用され乾燥させた後では第3の組成物であり得るものであり、あるいは、基材に堆積させた後では第4の組成物であり得る。
【0104】
いくつかの態様では、インク組成物は、本明細書において記載および調合される成分から本質的になり得る。本明細書に記載の利点を損なう成分を排除するかまたは実質的に排除することができる。例えば、それらを1重量%未満、または0.1重量%未満、または0.01重量%未満に限定することができる。
【0105】
インク組成物を使用する方法
インクまたはペーストの堆積が生じ得るように、チップおよび基板を動かして互いに近づけることができる。チップを静止保持することができ、あるいは動かして線を形成することもできる。線は直線状または曲線状であり得る。
【0106】
チップはケイ素または窒化ケイ素などの無機材料を含み得る。一態様では、チップは有機コーティングなどのコーティングを含まない。
【0107】
チップを例えば約1ミクロン/秒〜約200ミクロン/秒、または約1ミクロン/秒〜約100ミクロン/秒、または約40ミクロン/秒〜約80ミクロン毎秒の速度で動かすことができる。
【0108】
所望の結果が得られるように、堆積中の温度および相対湿度を制御しかつ適応させることができる。閉鎖環境または制御環境を使用できる。周囲条件下で堆積を行うこともできる。周囲条件の一例は、約40〜50%、例えば45%の相対湿度での室温、例えば25℃であり得る。
【0109】
電極を横切って導電線を描くことができる。
【0110】
所望であれば、所望の構造のパターン形成前に過剰インクを抜き取ることができる。一態様では、この抜き取り工程は実行しない。
【0111】
良好な位置合わせを伴う高解像度描画を実現することができる。例えば一態様では、線は別の特徴に隣接して堆積され、該特徴と線とはスペーシングにより隔てられ、スペーシングは約5ミクロン未満、または約1ミクロン未満、または約500nm未満、または約250nm未満である。より短い隔離距離は例えば100nmであり得る。この空間的隔離を用いて2本の金属線を作製することができる。あるいは、別の特徴の上に線を堆積させることもできる。例えば、別の特徴の一部、例えば該特徴の実質的全体の上に線を堆積させることができる。
【0112】
パターン形成前にインク組成物をプリベーク(または予備加熱)してインクの粘度を調整することができる。用途および使用される材料に応じて、プリベークを任意の好適な温度で任意の好適な時間行うことができる。例えば、約20℃〜約200℃、例えば約40℃〜約160℃、例えば約80℃〜約120℃でそれを行うことができる。プリベーク時間は例えば約20分以下、例えば約15分以下、例えば約10分以下であり得る。種々の技術によってプリベークを行うことができる。例えば、ホットプレート上でそれを行うことができる。あるいは、「能動ペンDPN」および熱DPNを含む加熱チップ上でそれを行うこともできる。
【0113】
本明細書に記載の方法の1つの識別可能な特徴は、基板上へのインクの輸送が水メニスカスの形成に依存する必要がないということである。例えば、水メニスカスを実質的に形成せずに堆積を行うことができる。理論には拘束されないが、これはインク(例えば金属ナノ粒子インク)が既に液相に存在することが理由であり得る。1つの結果は、粘稠ペーストのメニスカスまたは得られるパターンに対する温度および相対湿度の実験パラメータの影響が最小限であり得るということである。
【0114】
アニール
DPNパターン形成後に、基板を比較的高温(例えばホットプレートで150℃)である期間(例えば10分間)加熱(または「ベーク」)することで、インク溶液をアニールまたは硬化し、任意の過剰溶媒を除去することができる。インク溶液は液体溶液、またはペーストなどの非常に粘稠な流体の形態であり得る。
【0115】
ペーストは相対的に低温のアニーリングに適応し得る。例えば、堆積された材料を100℃〜約200℃、または約120℃〜約170℃でアニールすることができる。アニール時間は例えば約0.5分〜約20分、例えば約1分〜約10分、例えば約2分〜約5分であり得る。ホットプレート、放射線装置、オーブンなどの任意の好適な装置でアニールを行うことができる。
【0116】
形成される構造および特徴づけ
種々の形状および線を形成することができる。ドットまたは線を基板上に形成することができる。線は直線状または曲線状であり得る。三角形、正方形、円形、長方形、格子、アレイなどの複雑な幾何形状を高解像度で調製することができる。
【0117】
基板上の同一点で必要に応じてプロセスを反復することで、金属ナノ粒子の密度を増加させかつ/または線高さを増加させることができる。しかし一態様では、アドレスおよび指定される点または区域を含む基板上の一定の点または区域において1回のみ堆積を行う。
【0118】
AFMおよびSEMを使用して構造を特徴づけることができる。特に、アニール後の構造を特徴づけることができる。
【0119】
線の線幅はサブミクロンの範囲であり得る。一態様では、線幅は例えば10nm〜2ミクロン、または50nm〜1ミクロン、または100nm〜750nm、または200nm〜700nm、または300nm〜600nm、または400nm〜500nmであり得る。
【0120】
線の高さは例えば約100nm〜約1ミクロン、または約120〜400nm、または約200nm〜約750nm、または約250nm〜約500nmであり得る。
【0121】
線の長さは例えば少なくとも5ミクロンの長さ、または少なくとも25ミクロンの長さ、または少なくとも40ミクロンの長さ、または少なくとも60ミクロンの長さ、または少なくとも80ミクロンの長さ、または少なくとも100ミクロンの長さ、または少なくとも120ミクロンの長さ、または少なくとも150ミクロンの長さであり得る。
【0122】
アスペクト比は例えば少なくとも2、または少なくとも5、または少なくとも10、または少なくとも20、または少なくとも50、または少なくとも100、または少なくとも200、または少なくとも300、または少なくとも400、または少なくとも500であり得る。アスペクト比の上限は例えば1,000であり得る。
【0123】
体積抵抗率を含む抵抗率を測定することができる。本明細書における抵抗率は電気抵抗率を一般に意味する。抵抗率の例としては10-4 ohm-cm(「Ω-cm」)未満、または5x10-5 ohm-cm未満、または3x10-5 ohm-cm未満、または2x10-5 ohm-cm未満、または10-5 ohm-cm未満、または5x10-6 ohm-cm未満、または3x10-6 ohm-cm未満、または2x10-6 ohm-cm未満、または10-6 ohm-cm未満が挙げられる。一態様では、抵抗率は1.1x10-5 ohm-cm未満である。別の態様では、抵抗率は50x10-6 ohm-cm未満である。
【0124】
過剰インクの抜き取り
用途および使用される材料に応じて、場合によって過剰量のインク組成物がチップ上に堆積されることがある。そのような場合、パターン形成工程を開始する前に過剰インクを除去することが望ましいことがある。
【0125】
一態様では、パターン形成前に過剰インクを抜き取る方法が記載される。本方法は以下の工程を含む: (i) ナノ粒子インクがその上に配置されたチップを設ける工程;(ii) インク組成物の少なくとも一部がチップから基板上の第1の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第1の位置に近づける工程;(iii) チップを動かして基板から遠ざける工程; および(iv) 残りのインクの少なくとも一部がチップから基板上の第2の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第2の位置に近づけることでパターンを形成する工程。一態様では、各逐次抜き取りの結果として作り出されるドットが同程度のサイズを有するまで、工程(iv)の前に工程(ii)および(iii)を反復することができる。第1または第2の位置は、第1および第2の各電極上の任意の好適な位置であり得る。
【0126】
特に、パターン形成前の抜き取り中のチップの最初の着地後に、チップ/カンチレバー上に負荷されたインクの量に応じて、チップから基板への少量のインクの移動の結果としてドットなどのパターンが形成される。一連の「抜き取りドット」を作り出す基板上へのインクの反復逐次移動を抜き取りプロセスが含む場合、所与のチップからの抜き取りドットは一貫したサイズに接近し、それを維持する。
【0127】
インク組成物がチップ上に配置される前に、チップを洗浄して汚染を除去することができる。任意の好適な洗浄方法を使用できる。例えば、酸素プラズマ、溶媒、または熱もしくは放射線などのエネルギー源を用いてチップを洗浄することができる。
【0128】
本明細書に記載の抜き取り方法は、力フィードバックを必要としないという1つの利点がある。特定の理論には拘束されないが、いくつかの理由で力フィードバックを必要としない:この種類の物理吸着DPNパターン形成は大部分が力に依存せず、AgNPインクメニスカスからの接触を断つために必要なZ距離は、力フィードバック中に典型的に利用可能なZ範囲よりも大きい。一態様では、抜き取り後に、同一のZ圧電アクチュエータ制御(モータ)を使用してパターン形成が行われることに留意されたい。さらに、圧電スキャナの90μm限界よりも長い線を作り出すために、広範囲ステージモータがサンプルをチップの下で動かすことを可能にすることができる。
【0129】
用途
用途としては例えばプリンテッドエレクトロニクス、RFIDタグアンテナ、フレキシブル回路、スマートカード回路、スマートラベル、無鉛はんだ、ナノ回路修復、食品保存、またはそれらの改変が挙げられる。他の用途としては例えばLCD、OLED、OTFT、FPCB、PCB、PDP、フレキシブルディスプレイ、EMIシェルター、センサ、バイオアレイ、抗菌消毒、マイクロ燃料電池、メンブレンスイッチおよび太陽電池が挙げられる。
【0130】
本明細書に記載の直接描画方法は、回路修復、センサ素子機能化、故障解析、ガスセンシングおよびプリンタブルエレクトロニクスなどの用途に使用される金属材料の特定地点での堆積を行うことができる。回路修復は、複数の電極を横切って導電性の(かつ連続的な)線を作り出すことで行うことができる。1つの場合では、電極の一部は別の電極との電気接触を失っている可能性がある。例えば一態様では、複数の電極が見られる。ナノ粒子系インクをチップまたはスタンプから第1および第2の電極上に堆積させることで、第1の電極の一部および第2の電極の一部と電気接触する線をインクにより形成することができる。あるいは、先に記載のポリマーペンリソグラフィーによってインクを堆積させることもできる。電気接触は、電極上への堆積の直後にインクにより形成することができ、あるいは、インクをアニールして連続導電線を形成した後に形成することができる。
【0131】
以下の実施例の使用によりさらなる説明を示す。
【実施例】
【0132】
非限定的実施例
実施例1
以下を特徴とする銀ナノ粒子インクInk TEC-PA-010をInkTecより得た。
・粘度: 7,000〜7,500cps (Brookfield DV-II + PRO (スピンドル: 15,200rpm、25℃)
・密度: 2.2g/cc (25℃)
・金属含有量: 55±10重量% (TGA分析)
・色: 濃緑色(目視)
このインクはハイブリッドナノ銀ペーストである。それはフラットまたはロータリースクリーン法で印刷することができる。性能パラメータとしては以下が挙げられる。
・硬化温度: 140℃ X 5分(赤外線および循環熱オーブン)
・印刷層の厚さ: 1〜2ミクロン
・面積抵抗率: 40〜50 mohm/平方
・体積抵抗率: 6.0 X 10-6 ohm-cm未満
・接着(PET): クラス5B〜4B (ASTM D3359等級)
・基板: PET、PI、PPなど
・硬度: 2H、鉛筆硬度
【0133】
インクをバイアル内に置いた。バイアルを手で数回振盪させて相分離の回避を促進した。ピペットを使用してシリコンウェーハ上にあるインクを均一に塗り広げた。
【0134】
使用される機器の上にチップを装着した。機器のチャック上にSiウェーハを銀ナノ粒子インクと共に固定した。チップを動かして表面に近づけた。チップが近づいた時点で、圧電を印加してチップを下に動かすことでその上に銀ナノ粒子インクをインク付けした。チップがインクに浸り、反射が変化したことから、色変化が観察された。チップを30秒間浸されたままにした。次に、チップ上に配置されたインクを含む表面からチップを上昇させた。
【0135】
インクをパターン形成するために使用した機器はNSCRIPTOR(商標)および/またはDPN5000(商標)(イリノイ州スコーキー、NanoInk)を含んだ。
【0136】
インクをパターン形成するために使用したチップはA型およびM型窒化ケイ素チップであった。単一チップとチップの一次元アレイの両方を使用した。
【0137】
チップを酸素プラズマで30秒間洗浄することで、チップが親水性であって疎水性ではないことを確実にした。
【0138】
より再現可能な手順を行うには閉鎖環境が有用であることがわかり、気流に対する閉鎖は蒸発を減少させることができる。したがって、パターン形成のためのインクの使用において、パターン形成機器のチャンバドアを閉鎖したまま保持した。チャンバドアを閉鎖する場合、インクは一日中使用できる。ドアを閉鎖しない場合、インクは2〜3時間で乾燥する。
【0139】
描画速度は0.1ミクロン/秒〜100ミクロン/秒であった。最良の描画速度は約40ミクロン/秒〜80ミクロン/秒であった。描画速度が遅すぎた場合、線は短く非連続的であった。
【0140】
基板の例はSi (HF洗浄後)、SiO2 (c-AFM)表面およびKaptonテープであった。c-AFM基板は二酸化ケイ素表面上の一連の高さ25nmの金電極であった(図7および8参照)。
【0141】
アニール条件は、開放フード内または周囲条件下にて150℃で20分間とした。
【0142】
線をSEMおよびAFMで特徴づけることで、線が連続的であることを確実にした。電気的測定では、金電極を有するc-AFM基板上に線を描画した。Agilent 4156cシステムおよび2点プローブの使用によりI-V曲線を作成した。11個のサンプルを測定用に調製した。1つのプローブ上に-3V〜3Vの電圧を印加した一方、他のプローブを接地した。電流を発生させたところ、銀線の平均抵抗率は約11x10-6 ohm-cmであった。これは、インク製造者が報告したバルク抵抗率6x10-6 ohm-cmと比較して優れていた。
【0143】
図1〜3は、金電極の上および隣に描いた銀線のSEM画像を示す。図1は、銀ナノ粒子線の線幅が0.6ミクロンであり、長さが6ミクロンであることを示す。2つの金電極を横切ってSiOx (c-AFM)基板上で好結果の描画を行った。図2は、銀ナノ粒子線の線幅が0.5ミクロンであり、長さが45ミクロンであることを示す。4つの金電極を横切ってSiOx (c-AFM)基板上で好結果の描画を行った。銀線の抵抗率は1.1x10-5 ohm-cmであった。図3は、銀ナノ粒子線の線幅が0.5ミクロンであり、長さが4.5ミクロンであったことを示す(c-AFM基板)。
【0144】
図4は、金電極の上および隣に描いた銀ナノ粒子線のAFM分析を示す。図5は、金電極の上および隣に描いた銀ナノ粒子線のAFM高さ分析を示す。
【0145】
図6は、I-V試験の結果を示す。
【0146】
図7および8はc-AFM基板を示す。
【0147】
比較例
図9〜12は、比較的低粘度で比較的低金属含有量のインクを種々の描画条件下で使用した非連続線の例を図示する。これらの結果は、ナノ粒子の島が目視可能であり連続線が形成されない(非連続線が形成される)というWang et al., ACSNANO, 2, 10, 2135-2142に見られる結果と一般に同様である。良好な導電率は得られなかった。
【0148】
実施例2
本実施例では、特定の位置で材料を直接描画することで、異なる基板上に測定可能なトポグラフィーのこれらの導電性銀(Ag)線トレースを製作しかつ特徴づけるというDPN独自の能力を利用する方法が記載される。銀ナノ粒子(AgNP)系インク懸濁液を使用して特定の金電極間にサブμm導電性トレースをパターン形成し、次に4点電流-電圧(I-V)測定を使用してAgMPトレースを特徴づけた。
【0149】
以下に示すように、DPNによるサブμm AgNP導電性トレースパターン形成の反復性の高い寸法制御を本明細書において実証する。サブμm金属トレースを作り出すためのこのアプローチは魅力的である。というのも、このプロセスは要求適応性が高く、多用途パターンの作製を可能にし、特定の基板向けではなく、厳格な運用条件を必要としないためである。いくつかの性質が理由で銀をNP系インクとして選択した: 低バルク抵抗率(約1.6μΩ-cm)、プラズモン材料としての確定した用途3a〜c、ポリアニリン系複合材料における潜在的用途3d、および半導体製作設備における材料許容性(多くのプロセスを汚染することがある金とは対照的)。銀は大腸菌(escherichia coli)を迅速に検出することにも使用されており3e、ペロブスカイトのガスセンシング性を向上させることがわかっている3f。さらに、いくつかの基本的研究は、各種AgNPインクの導電率を具体的に特徴づけ、それらの電気的性能に対する熱硬化の影響を調査し、AgNPの形態に対する界面活性剤付加の影響を定量化し、AgNPの可逆的サイズ調節を示した4a〜e。
【0150】
同時に、DPNは多種多様な基板上に多種多様なインクをパターン形成することがわかっており、近年の文献にはDPNの徹底的な考察が存在する5a〜b。本実施例では、以前の研究6を改良して、500nmまでの統計的に強固な線プロファイル制御によってパターン形成したサブμmでサブ50-μΩ-cmのAgNPトレースを実証した。AgNP線トレースは優れた導電率を伴ってオーム接点を形成することがわかり(11個の別々のサンプルにわたって測定された平均抵抗率は28.80μΩ-cm)、パターン形成多用途性はKaptonとマイカとの両方の上にAgNPトレースを印刷することで強調した。NanoInkのNSCRIPTOR(商標)およびDPN5000(商標)システム(イリノイ州スコーキー)の両方を使用して市販AgNP系インク(韓国、InkTec)を直接描画した。パターン形成は、基板に改質を加えずに行った。
【0151】
基板上での特定地点でのAgNP導電性トレース描画のプロセスを図18および19に示す。具体的には、図18は、図15(f)に見られる関係を検査するために意図的に変動させた抜き取りドットの面積および線長からなる、電極間隙内の代表的AgNPトレースのSEM画像を示す。ドットおよび線の測定値は挿入図に示すものであり、これらを続いて図15(f)に示すプロットに組み入れた。図19は、複数サンプルの測定値を示す組み合わせSEM画像およびI-V曲線を示すものであり、その組み合わせプロットを図16(b)および16(c)に示す。
【0152】
基板:
本研究の1つの目標は、化学的/物理的に感受性のあるマイクロ電子装置の特定の特徴上への直接描画の現実世界での適用を反映させるために、表面の改質を最小限にして導電性トレースを描画することにあった。SiO2 (C-AFM基板)、ケイ素単独、Kaptonおよびマイカ基板上にパターン形成したインハウスの金電極を、本研究を通じて使用した。SiO2上Au電極のステップ高さは約25nmであると測定された。アセトンおよびイソプロピルアルコール中で各5分間超音波処理してC-AFM基板を洗浄した。続いて基板を脱イオン水ですすぎ、N2で乾燥させた。パターン形成前に、C-AFM基板を3分間酸素プラズマ洗浄して有機汚染を除去した。Siのみの基板ではRCA (SC1)洗浄も使用し、AgNPインクを試験および確認するプロセスにこれらを使用した。Kapton基板を脱イオン水ですすいで表面汚染を除去した後、N2で乾燥させた。マイカ基板はDPNパターン形成前に新たに切断した。
【0153】
インク:
市販の親水性AgNPインク(韓国、InkTec、TEC-PA-010)を本試験でのAgNP源として使用した。このインクはその高AgNP濃度が理由で選択した。均一な懸濁のために、AgNP溶液をパターン形成前に30分間ボルテックスして相分離を回避した。また、パターン形成前にインク溶液上での「プリベーク」を行って、その粘度を改変しかつそれをDPN印刷に好適にした(C-AFM基板パターン形成のプリベーク条件はホットプレート上60℃、7分間とした)。
【0154】
DPNパターン形成 - プローブおよび機器構成:
窒化ケイ素(Si3N4)プローブ(NanoInk、A型、E型およびF型)を20秒間酸素プラズマ洗浄して、インク付け前に有機汚染を除去した。次にチップを、SiO2表面上にマイクロピペットで堆積させた液滴に直接浸漬させることでAgNPインクによりコーティングし、パターン形成ツール(イリノイ州スコーキー、NanoInk、NSCRIPTORおよびDPN5000システム)のX-Y-Zステージモータによって座標化した。カンチレバーをインク溶液に接触させるとすぐにその上で指標となる色変化が観察された。次にこれらの同一のモータはチップを動かしてパターン形成用基板に近づけた。カンチレバーが基板の約20μm以内に来ると、Z圧電は少しずつ逐次起動してチップを表面に向かって下に動かした。パターン形成プロセスはこの最初の正確に較正された着地で始まる。過剰のAgNPインクは、第1の接点に「抜き取りドット」を作り出し、直後にZ圧電を使用して引き取ることで除去した。これらの抜き取りドットを慎重にモニタリングすることが、均一な線幅のAgNPパターンを描画するために重要であることがわかった。
【0155】
最初の着地後に、チップ/カンチレバー上に負荷されたインクの量に応じて、所与のチップからの抜き取りドットを一貫したサイズに近づけ、その後それを維持することができる。本実施例では、次に同一の手動Z圧電起動を使用して、所与の基板上でかつ/または所与の電極を横切って、線パターン形成を開始した。いくつかの理由で力フィードバックを必要としなかった:この種類の物理吸着DPNパターン形成は大部分が力に依存せず、AgNPインクメニスカスからの接触を断つために必要なZ距離は、力フィードバック中に典型的に利用可能なZ範囲よりも大きい。さらに、圧電スキャナの90μm限界よりも長い線を作り出すために、広範囲ステージモータがサンプルをチップの下で動かすことを可能にした。DPNパターン形成後、基板をホットプレート上にて150℃で10分間ベークすることでAgNP溶液を硬化させ、任意の過剰溶媒を除去した。得られたAgトレースの横寸法およびトポグラフィーを、NSCRIPTORおよびDPN5000(イリノイ州スコーキー、NanoInk)の両方のAFMモードを使用する交互接触(タッピングモード)原子間力顕微鏡イメージング(TM-AFM、走査速度約1Hz)と走査型電子顕微鏡法(SEM、Hitachi S4800)の両方によって評価した。
【0156】
電気的測定:
電気的特徴づけに適したパターンを製作するために、C-AFM基板上の少なくとも4つの金電極を横切って連続的AgNPトレースをDPNでパターン形成した。プローブと電極との間の接触抵抗を回避するために、トレースの電流-電圧特性を、Keithley 2400ソースメーターと、光学顕微鏡とマイクロポジショナーを装着した4つの針状プローブとを含む4点プローブシステムを用いて測定した。例示的プローブ位置を図16(a)に示す。典型的には、シリコンウェーハの厚さtwがウェーハダイの直径よりもはるかに小さい(すなわちtw<<dw)場合、面積抵抗率は下記式に従って計算される:
式中、プローブ間の距離dpがウェーハの直径dwよりもはるかに小さい(すなわちdp<<dw)場合、相関係数(CF)はπ/ln(2)に等しい。AgNPトレースの抵抗率は下記式に従って計算される:
式中、hおよびwはそれぞれAgNPトレースのトポグラフィー高さおよび線幅である(TM-AFMで測定)。平均AgNPトレース高さhは約500nmであると測定された。電極を横切る例示的な500nmの線幅wは図14(b)に示す。トレース長さ(I)をSEMによって測定し、測定線幅(w)を同時に確証した。これらのパラメータに基づいて、I-V曲線データを11の個々のAgNPトレースについて得て(図16(b))、28.80μΩ-cmの平均抵抗率を計算した(図16(c))。これに比べ、バルクAg抵抗率は1.63μΩ-cmであり、AgNPインク製造者の仕様は「6.0μΩ-cm未満」である。熱ベークプロセスの差に基づいてAgNP抵抗率が5μΩ-cm未満〜最大20μΩ-cmで変動することがわかったことを考慮すると、この変動は許容誤差内であった3a〜b。
【0157】
インク付け窒化ケイ素(SiN)プローブを特定のチップ速度でSiO2基板を横切って動かすことで、導電性AgNPトレースを作り出した(模式図を図13(b)に示す)。このAgNPインク溶液の粘度を理由として、チップ速度を、表面へのインク輸送が最適に進行するその「スイートスポット」範囲について特徴づけた。この範囲1400〜1600μm/秒が典型的な金上チオールDPNチップ速度(0.5〜5.0μm/s)よりもおよそ4桁大きく2a、このことが迅速なプロトタイプ技術としてのこのインク系の多用途性および適用可能性の信頼性をさらに高めることに留意されたい。インク付けAgNPチップから基板へのインク流の動力学(図13(a)に示す)は、表面張力およびインク粘度により制御される。しかし、ナノ粒子を懸濁させる溶媒に起因してAgNPの表面に対する親和性が非常に限定されることから、表面上のAgNPインクの組織化および配向は実質的に物理吸着で動かされる現象である。このことは、種々の基板にこのインク系をより幅広く適用可能にすることから、このインク系の利点であるとわかる。これらの物理吸着インクは基板汎用性がより高い傾向があるため、複数の基板(SiO2、Si、マイカおよびKapton)にわたるこの導電性トレース印刷の多用途性が本明細書において実証される。
【0158】
このAgNPインクは既に液相であることから、輸送プロセスが水メニスカスに依存しないと考えられ、温度および相対湿度の実験パラメータが粘稠ペーストのメニスカスまたは得られたパターンに実質的に影響を及ぼさなかったということに留意されたい。結局、DPN中のインク粘度、AgNP濃度およびAgNP懸濁の適切な調整が、連続的かつ導電性の銀トレースを導く重要な要因であり得るものであり、最適に満たないAgNPの濃度または懸濁は、非連続トレース、またはDPN中のチップからのインク輸送の欠如のいずれかを導くことがある。
【0159】
導電性銀トレースの走査型電子顕微鏡(SEM)画像は図14(a)〜(b)に見られる。図14(a)に示す全体的な電極構成は多くの潜在的パターン形成地点を提供する。図14(b)は、金電極間の4.5μm間隙にまたがる500nm幅の導電性銀トレースのSEMクローズアップを示す。特に、トレースは困難なしに約25nmの電極ステップ高さを乗り越えて連続性を維持した。この連続性トレースのI-V挙動は図14(c)に見られ、トレースは導電性が高く、抵抗R = 108.5Ωおよび対応する抵抗率p = 10.0μΩ-cmである。バルク銀p = 1.63μΩ-cmであることを考慮すると、これは有望な結果である。本発明者らのトレースのサブgmスケールは単独でバルクと比べてわずかに異なる電気的性能を示唆する。さらに、DODインクジェット印刷用導電性インクは広く変動する製造仕様を有しており、それらが得ることのできる抵抗率はアニール条件に基づいて実質的に変動する(5未満〜20μΩ-cm)ことがわかった3a〜b。本明細書に記載の実施例におけるサブμmスケールでは、予想される範囲の電気的挙動が、直接描画方法のさらなる利点と共に観察された。
【0160】
本実施例の目標は、1つのサブμmトレースの電気的挙動を実証することだけでなく、方法の強固さを確認することにもあった。その目的のために、図15は反復性の堆積およびそれに続く特徴づけを示す。10個の別々のSiNプローブを調製し、名目上同一に、但し異なる時間にインク付けし、本明細書に記載のパターン形成方法を使用して10個の連続的な隣接するトレースを同一SiO2基板上に作成した(図15(a))。これは、最初の抜き取りドットの挙動をモニタリングすることで、一貫した線プロファイルの連続トレースを生成することが容易であることを示す。1500μm/秒という所定のチップ速度では、特徴の幅はチップおよびカンチレバーからの粘稠AgNPインクの動的消耗により制御される。徐々に細く描画することで、トレースはそれらの上半部で確実にサブgmになり(図15(b)および15(d)に示す)、全体的な線長は一貫して100μmを超える(注: マイクロ回路電極の間隙は多くの場合約40μmである)。
【0161】
再浸漬させた後に同様の挙動で描画を続けるために、これらのプローブを独立して確認した。すべてのトレースは相当な高さを示し(図15(c)および15(e))、これらのデータを引き続く抵抗率の計算に組み入れた。さらに、データは最初の抜き取りドットの面積と得られる線長との間のほぼ線形の関係を明らかにする(図15(f))。したがって、最初の抜き取りドットのサイズをモニタリングすることで、一貫した線プロファイルを確実にするだけでなく、その全体的なサイズおよび長さを要求に適応させることもできる。
【0162】
AgNP DPN方法の電気的信頼性も実証した。図16(a)は、模式的な線を伴うパターン未形成C-AFM基板のSEM画像を示すものであり、模式的な線は、DPNパターン形成AgNP導電性トレースの典型的位置を、4点プローブ測定針を設置するための矢印指示と共に示す。図16(b)は、別々の11組の電極から作成したI-V曲線データであって、R = 0.23〜2.10Ωの抵抗の範囲を包含するデータを示す。先に記載のように、対応する抵抗率の範囲はρ = 0.8〜86.0μΩ-cmであると導出された(図16(c)挿入図においてプロット)。さらに、図16(c)は、28.80±28.45μΩ-cmという平均を示すものであり、これは6.0μΩ-cmというインク製造者の仕様およびバルク銀ρ = 1.63μΩ-cmと比較して優れている。図15のデータとの組み合わせで、図16(a)〜(c)は、一貫し連続的でかつサブ50-μΩ-cmの導電性トレースを作成する堅固な方法を示す。
【0163】
最後に、この方法の多用途性および適用可能性を実証するために、Kaptonテープとマイカとの両方の上に連続トレースを印刷した。図17(a)および17(d)は、硬化後のトレースの光学画像を示し、対応するTM-AFM高さ画像は図17(b)および17(e)に見られる。図17(c)および17(f)は、AgNPインクが、異なる基板上に存在するにもかかわらず、以前のSiO2トレースと同等の線幅および線高さを有する連続トレースを形成したことを示す。
【0164】
ガスセンシングから回路素子故障解析までの用途の多様な集合に有用なアプローチである、DPNを使用して導電性銀トレースを直接堆積させる信頼可能な方法を実証してきた。DPNは、2つの特定の電極間に導電性トレースを作り出すための、かつ導電性材料を用いる既存の微細構造のサブμm装飾のための、新たな解決策を提供する。本方法は、寸法パターン制御(500nmまで)および電気的性能(平均28.80μΩ-cm)の統計的に強固な記録を与えた。本方法の多用途性はさらなる基板(Kapton、マイカ)上でも示された。
【0165】
参考文献
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2009年4月14日出願の米国仮出願第61/169,254号の優先権を主張するものであり、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
背景
小さく細い導電線は、電子機器産業を含む現代技術の重要な局面である。金属線が特に重要である。ミクロンとナノメートルとの両方のスケールの線を含む小さく細い導電線を調製しかつ特徴づけるより良い方法を見いだす必要性が存在する。しかし多くの場合では、例えば、(i) 加工可能でかつパターン形成可能であると同時に(ii) パターン形成および加工後に良好な最終特性を示すというインクの能力を含む、所望の特性の組み合わせを実現することは困難である。高アスペクト比を有する長い線、サブミクロンの線幅を有する線、連続的でありかつ高い導電率を示す線、直接描画法で調製可能な線および/またはアドレス可能である能力を有する線を作り出す他の必要性も存在する。
【発明の概要】
【0003】
概要
インク組成物を含む組成物、ならびに構造および装置を作製する方法、使用する方法が本明細書において提供される。
【0004】
一態様は、少なくとも1つのチップを設ける工程、少なくとも1つの基板を設ける工程、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含みかつ少なくとも2,500cpsの粘度を有する少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップ上に配置する工程、ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップから基板に堆積されるようにチップおよび基板を動かして互いに近づける工程を含む方法を提供する。
【0005】
別の態様は、少なくとも1つのチップまたはスタンプを設ける工程、少なくとも1つの基板を設ける工程、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含むペーストを含む少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップまたはスタンプ上に配置する工程、ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップまたはスタンプから基板に堆積されるようにチップまたはスタンプおよび基板を動かして互いに近づける工程を含む方法を提供する。
【0006】
別の態様は、少なくとも1つのチップを設ける工程、少なくとも1つの基板を設ける工程、少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップ上に配置する工程、約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する連続線を提供するように調合されているナノ粒子インクの少なくとも一部がチップから基板に堆積されるようにチップおよび基板を動かして互いに近づける工程を含む方法を提供する。
【0007】
別の態様は、少なくとも1つの基板を設ける工程、約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する連続線を提供するように調合されている少なくとも1種類のナノ粒子インクを基板上に直接描画する工程を含む方法を提供する。
【0008】
別の態様は、少なくとも1つのチップを設ける工程、少なくとも1つの基板を設ける工程、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含みかつ少なくとも45重量%のナノ粒子含有量を有する少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップ上に配置する工程、ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップから基板に堆積されるようにチップおよび基板を動かして互いに近づける工程を含む方法を提供する。
【0009】
別の態様は、金属ナノ粒子を含むインク組成物から連続金属線を少なくとも25のアスペクト比で描く工程であって、アニールすると該線が約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率を示す工程を含む、方法を提供する。
【0010】
別の態様は、(i) ナノ粒子インクがその上に配置されたチップを設ける工程;(ii) インク組成物の少なくとも一部がチップから基板上の第1の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第1の位置に近づける工程;(iii) チップを動かして基板から遠ざける工程; および(iv) 残りのインクの少なくとも一部がチップから基板上の第2の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第2の位置に近づけることでパターンを形成する工程を含む方法を提供する。
【0011】
別の態様は、(i) 少なくとも第1の電極および第2の電極を設ける工程; ならびに(ii) 少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップから第1の電極の第1の部分および第2の電極の第2の部分上に堆積することで、インクをアニールした後に第1の部分と第2の部分との両方と電気接触する連続線を設ける工程を含む方法を提供する。
【0012】
さらなる態様は、約100ミクロン未満、または約10ミクロン未満、または約1ミクロン未満、または約500nm未満、または約100nm未満の横幅を有する導電線を含む、これらの方法で生成される構造を含む。さらに、少なくとも5ミクロンの長さまたは少なくとも40ミクロンの長さである導電性の連続線を調製することができる。
【0013】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つの利点は高導電率の線である。
【0014】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つのさらなる利点は一貫した描画である。
【0015】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つのさらなる利点は連続的な導電線である。
【0016】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つのさらなる利点は、サブミクロンの線を含む小さく細い導電線である。
【0017】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つのさらなる利点は、基板の広範な改質を回避する能力である。
【0018】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つのさらなる利点は、高アスペクト比の線を調製する能力である。
【0019】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つの利点は直接描画である。
【0020】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つの利点はアドレス可能性である。
【0021】
少なくとも1つの態様における少なくとも1つの利点は、特別な用途でのより良い耐久性である。
【0022】
少なくとも1つのさらなる利点は、数百nmオーダーの測定可能なトポグラフィーを含む。これはさらなる安定性、およびより優れた再現性の高い導電率データを提供することができる。トポグラフィーは、描画されたものが、所望のものであることを確認するために役立つ。
【0023】
相対的に再現性の高いサブμm、サブ50-μΩ-cmのディップペンナノリソグラフィー(登録商標)(DPN(登録商標))で作成される導電性トレースの第1の実証を含む少なくとも1つの態様も本明細書において提供される。他の態様は、本明細書に記載の方法請求項のいずれか記載の方法を含む方法により調製される物品を含む。物品は電子装置などの装置であり得る。代替的な態様では、アニールされたナノ粒子を含む連続線であって、約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率および1ミクロン未満の幅を有する線を含む物品が記載される。別の態様では、線は50x10-6 ohm-cm未満の抵抗率を有する。
【0024】
一態様では、(i) ナノ粒子インクがその上に配置されたチップを設ける工程;(ii) インク組成物の少なくとも一部がチップから基板上の第1の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第1の位置に近づける工程;(iii) チップを動かして基板から遠ざける工程; および(iv) 残りのインクの少なくとも一部がチップから基板上の第2の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第2の位置に近づけることでパターンを形成する工程を含む、パターン形成前の過剰インクの抜き取りの方法が記載されている。一態様では、各逐次抜き取りの結果として作り出されるドットが同程度のサイズを有するまで、工程(iv)の前に工程(ii)および(iii)を反復することができる。
【0025】
代替的な態様は、(i) 少なくとも第1の電極および第2の電極を設ける工程; ならびに(ii) 少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップから第1の電極の第1の部分および第2の電極の第2の部分上に堆積することで、インクをアニールした後に第1の部分と第2の部分との両方と電気接触する連続線を設ける工程を含む、2つの電極を電気的に接続する連続線を作り出す方法を記載する。チップの代わりにスタンプを用いて同一プロセスを行うことができる。あるいは、先に記載のポリマーペンリソグラフィーによってプロセスを行うこともできる。例えば、カンチレバーを使用しないポリマーペンリソグラフィーの態様によってプロセスを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】金電極を横切って描かれた線のSEM画像を示す。
【図2】複数の金電極を横切って描かれた線のSEM画像を示す。
【図3】金電極を横切って描かれた線のSEM画像を示す。
【図4】銀線のAFM分析を示す。
【図5】銀線のAFM高さ分析を示す。
【図6】銀線のI-V試験の結果を示す。
【図7】銀ナノ粒子線を作り出すために堆積に供されたc-AFM基板を示す(mm単位)。
【図8】銀ナノ粒子線を作り出すために堆積に供されたc-AFM基板を示す(ミクロン単位)。
【図9】連続的ではない銀線を図示する。
【図10】図10A〜10Dは、4つの異なる描画速度で描画速度を変動させた連続的ではない銀線を図示する。
【図11】図11A〜11Dは、4つの異なる描画速度で描画速度を変動させた連続的ではない銀線を図示する。
【図12】図12A〜12Cは、4つの異なる描画速度で描画速度を変動させた連続的ではない銀線を図示する。
【図13】図13(a)〜(b)は、DPNによって一般的基板上にAgNPインク溶液を直接堆積させる模式図を示す。(a): チップを包む粘稠ペーストのメニスカスによる必然的に高い濃度の銀ナノ粒子とAgNPインクの流れとを示す拡大斜視図。(b): 表面を横切ってチップを動かすことによる連続的銀トレースの作製を示す縮小斜視図。小さいインク「リザーバ」がカンチレバーの底面のチップの背後に形成されており、チップを包むメニスカスを供給する。スケールについては、実際のチップ/カンチレバーの寸法は以下の通りである: カンチレバーの長さ約200μm、カンチレバーの幅約50μm、カンチレバーの厚さ約0.5μm、チップの高さ(基底から頂点まで)約4μm、チップ端半径約15nm。
【図14】図14(a)〜(c)は、電極を横切って作成される連続線の特徴づけを示す。(a): 4つの電極を横切ったDPNパターン形成導電性トレースのSEM画像であり、いくつかのサブμm線幅の電極間トレースが図示される(注: 金の比較的大きい接触角に起因して、AgNPインクは金トレース上に比較的幅広い特徴として広がる)。挿入されている黒色ズームボックスは(a)に示す領域を示し、ここで500nm幅の連続トレースは電極間の4.5μm幅の間隙にまたがり、インクは約25nmの電極のステップ高さを乗り越えて連続性を明らかに維持可能である。(c): 数百のデータポイントが連続線として現れるI-V曲線データは、トレース導電率を確認し、トレース抵抗R = 108.5Ωを示し、対応する抵抗率ρ = 10.0μΩ-cmである(注: バルク銀ではρ = 1.63μΩ-cm)。抵抗率の計算は図15(c)、(e)に示すトレース高さデータを包含する。
【図15】図15(a)〜(e)は、図14に示す結果のパターン形成制御の反復性を証明する10個の別々の実験にわたる線パターン形成結果を示す。(a): 10個の別々にインク付けしたSiNチップから同一基板SiO2上に作成される一貫した線プロファイルの光学顕微鏡画像。下から上に描かれる各線トレースの開始点の直下に抜き取りドットが示される。(b)(d): 挿入されているボックス[1]および[2]に示す線のTM-AFM高さ画像、(c)(e): 120〜400nmの線厚を示すそれらの対応する線トレースプロファイル。(f): 抜き取りドットのサイズと得られる線長との間の関係を検査するプロット。ほぼ線形の相関関係は、負荷されたインクの量が大きくなるほど得られる最初の抜き取りドットが大きくなり、カンチレバー負荷が大きくなるほど続いて得られる線トレースが長くなるという直観的概念を支持する(抜き取りドットの面積および線長の測定値は図18を参照)。
【図16】図16(a)〜(c)は、別々の11組の電極から収集したAgNP導電性トレース電気性能データを示し、これは図14に示す反復性の高い電気的特徴づけの結果を補強するものである。(a): SiO2基板上の複数組のAu電極を示す、パターン未形成C-AFM基板のSEM画像。模式的な線は、DPNパターン形成AgNP導電性トレースの目的位置を、確認用I-V曲線を作成するために4点プローブ測定針を設置するための矢印指示と共に示す。(b): I-V曲線データは、すべてのパターン形成トレースの導電率を確認し、R = 0.23〜2.10Ωのトレース抵抗の範囲を示す。(c): ρ = 0.8〜86.0μΩ-cmの範囲の対応する抵抗率値を挿入図プロットに示す。本発明者らのサブμmの高さおよび幅とは対照的に、製造者が大面積で複数μm厚のパターンにわたって導電率を測定したことを考慮する場合、28.80±28.45μΩ-cmという平均は、6.0μΩ-cmというインク製造者の仕様(およびバルク銀ρ = 1.63μΩ-cm)と比較して優れている(抵抗率の計算は図15(c)、(e)に示すデータと同程度のトレース高さデータを想定する。11個のトレースのSEM画像は図19の補助情報に見られる)。
【図17】図17(a)〜(e)は、DPN導電性トレースの方法の多用性および基板普遍性を実証する結果を示す。(a): Kaptonテープ上のAgNP線の光学顕微鏡画像; (b): (a)のズームボックス区域の連続線を示すTM-AFM高さ画像; (c): (b)のトポグラフィー線トレースプロファイル。(d): マイカ上の連続AgNP線を示す光学顕微鏡画像、(e): (d)のズームボックス区域を示すTM-AFM画像、(f) 対応するトポグラフィープロファイル。
【図18】図18(a)〜(d)は、図15(f)に見られる関係を検査するために意図的に変動させた抜き取りドットの面積および線長からなる、電極間隙内の代表的AgNPトレースのSEM画像を示す。ドットおよび線の測定値は挿入図に示すものであり、これらを続いて図15(f)に示すプロットに組み入れた。
【図19】図19(a)〜(d)は、複数サンプルの測定値を示す組み合わせSEM画像およびI-V曲線を示すものであり、その組み合わせプロットを図16(b)および16(c)に示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
序論
本明細書において引用されるすべての参考文献はその全体が参照により組み入れられる。
【0028】
導電線およびナノ粒子のパターン形成は米国特許出願公開第2005/0235869号(イリノイ州スコーキー、NanoInk); およびPCT/US2008/079893号(イリノイ州スコーキー、NanoInk)に例えば記載されている。
【0029】
DPN(登録商標)印刷によるナノ粒子インクのパターン形成はWang et al., Applied Physics Letters, 93, 143105 (2008)に記載されている。
【0030】
ノズルを通じたナノ粒子インクの堆積はAhn et al., Science, 323, 1590-1593, March 20, 2009に記載されている。
【0031】
ナノ粒子インクはLi et al., Adv. Mater., 2003, 15, No. 19, 1639-1643; およびWang et al., ACSNANO, 2, 10, 2135-2142に記載されている。
【0032】
金属ナノ粒子(NP)インクは、2つの電極間の導電性トレースを作り出す多用途で低コストのオプションを提供する。2つの接合点を「ナノはんだ付け」するかまたは既存の超小型回路の異種素子を探索するこの能力は、例えば複合超小型回路の故障解析、ガスセンシングおよび太陽電池メタライゼーションなどのプリント回路製作およびフレキシブル電子機器における用途に役立つ。NP系インクは銀(Ag)、金(Au)または銅(Cu)の溶液を含み得るものであり、これらは相対的に低い温度(例えば約100〜300℃)でアニール/硬化可能であり、堆積および硬化後に低抵抗率(50-μΩ-cm未満)を示す。この単純な2段階メタライゼーションプロセスは低コストの電子機器製作に特に好適である。しかし、導電性トレース製作の一般的領域において、ユーザーが規定した特定地点での正確な直接堆積を実現すること、および0.5〜50.0μm範囲でこれらの金属トレースの寸法を確実に制御することのいずれも困難である。
【0033】
マイクロスケール導電性トレースを作り出す多くの異なるアプローチが既に存在しており、これらはドロップオンデマンド(DOD)インクジェット印刷、界面活性剤支援多光子誘導金属還元、金属パターン形成用のレーザー誘導NP成長、溶液中の金属イオンの還元、官能化ブロック共重合体パターン形成、気相還元、スクリーン印刷、直接インプリンティングおよびマイクロコンタクトプリンティング(μ-CP)を含む1a-1。しかし、これらの技術はいずれも何らかの欠点を有する。例えば、DODインクジェット印刷は、ノズル中に形成されるインク目詰まりという欠点があり、さらに、最小特徴幅(30〜60μm)が最小ノズル直径(1〜10μm)により限定され、続いてインクのレオロジーがノズルの寸法により制約される。同様に、μ-CPの解像度は光学リソグラフィーの限界により制約され、スタンプ/基板の間隙および印刷力の問題が理由の欠陥がしばしば観察される。Caoらは180nm線幅の導電性AgNP構造を実証した1eが、彼らのアプローチはレーザーおよび光還元化学薬品によって大量のエネルギーを付加し、相当な表面改質を包含し、導電性トレースを直接堆積しなかった。AgNPペーストスクリーン印刷などの他のアプローチは、所望電極の形状およびサイズを規定するメッシュスクリーンならびに該スクリーンのある種の領域を遮断するステンシルの使用を包含する。しかし、このアプローチは異なる電極用の複数のスクリーンを必要としており、直接描画でもサブμmでもなく、引用文献では石英基板上のパターン形成に限定された1j。より密接に関連するものとして、Wangらは金ナノ粒子(AuNP)サブμm線の高度に制御された堆積を実証したが、彼らのAuNPトレースは連続的でも導電性でもなかった1m。ナノ電子現象を真に探求するには、また印刷回路、フォトニクスおよび化学センサ/バイオセンサなどの分野に金属サブμmナノ粒子インク系導電性トレースを適用することでこの新分野を拡大するには、多用途でかつ非エネルギー大量消費型の他の堆積方法を実施することが必要である。さらに、望ましいナノ粒子系インク堆積方法は、既存の電子的製作方法との相補性を確保するために、表面の大規模な改質を回避すべきである。
【0034】
ディップペンナノリソグラフィー(登録商標)(DPN(登録商標))は、これらの目的を実現するために有望な候補である。このアプローチの模式図を図13に示す。DPNは、走査型プローブ技術としてのその基礎に起因して、トレースを直接描画しかつそれらを既存の表面特徴にナノスケール精度で位置合わせするという独特の能力を有する2a-b。この能力のみで、DPNは、既存の微細構造のサブnm装飾、特定地点での装置素子の機能化、またはマイクロ電子素子の装飾電気タッチアップのための唯一のアプローチとして差別化される。さらに、DPNは低コストであり、周囲環境で運用され、既存基板の物理的または化学的改質を必要としない。
【0035】
パターン形成
マイクロコンタクトプリンティングおよび他のソフトリソグラフィー法、ナノインプリントリソグラフィー、走査型プローブ法、DPN印刷、ならびにインクジェット印刷、フレキソ印刷、オフセット、スクリーン、グラビア印刷などのような印刷法を例えば含むパターン形成および印刷法が当技術分野で公知である。これらの方法の一部では、インク材料を尖ったチップまたはスタンプから基板に移す。パターンを描くために直接描画を実現することができる。
【0036】
スタンプを使用する場合、スタンプはポリジメチルシロキサンなどのシリコーンポリマーで作製されかつ堆積に使用される軟質エラストマースタンプであり得る。エラストマースタンプの使用に関連する代替的な一態様では、軟質エラストマーチップなどのポリマーチップをパターン形成に使用する。エラストマーチップを用いるパターン形成を「ポリマーペンリソグラフィー」と呼ぶ場合がある。一態様では、ポリマーペンリソグラフィーをカンチレバーなしで行うことができる。同時に複数のチップを用いてポリマーペンリソグラフィーを行うこともできる。
【0037】
一態様では、チップなしカンチレバーを堆積に使用することができる。
【0038】
一態様では、パターン形成をノズルなしで行う。
【0039】
一態様では、パターン形成をスタンプなしで行う。
【0040】
基板は、ケイ素、二酸化ケイ素、金属電極および金電極を例えば含む金属、ガラス、半導体およびポリマーを含む種々の固体であり得る。基板は絶縁性、導電性または半導電性であり得る。基板は複合材料であり得るものであり、半導体または導体などの異なる材料を表面に提示し得る。
【0041】
基板は金属線または金属電極を含み得る。例は米国特許第7,199,305号(Protosubstrates)に記載されている。
【0042】
基板は疎水性または親水性の表面を提示し得る。一態様では、表面は、水接触角が約15°〜35°または20°〜30°になる親水性を示す。
【0043】
走査型プローブ法およびDPN法は当技術分野で公知である。例えばScanning Probe Microscopies Beyond Imaging, Samori, Wiley, 2006を参照。
【0044】
DPN印刷
機器構成、材料および方法を含むDPN印刷は当技術分野で一般に公知である。例えばHaaheim et al., Ultramicroscopy, 103, 2005, 117-132を参照。本明細書に記載の各種態様の実行では、直接描画印刷およびパターン形成用のリソグラフィー、マイクロリソグラフィーおよびナノリソグラフィー機器、ペンアレイ、能動ペン、受動ペン、インク、パターン形成化合物、キット、インク吐出、ソフトウェアならびにアクセサリーをイリノイ州スコーキーのNanoInk, Inc.より得ることができる。ソフトウェアは、リソグラフィー設計および制御用ユーザーインターフェースを提供するINKCADおよびNSCRIPTORソフトウェア(イリノイ州スコーキー、NanoInk)を含む。E-Chamberを環境制御に使用することができる。ディップペンナノリソグラフィー(登録商標)MおよびDPN(登録商標)はNanoInk, Inc.の商標である。
【0045】
カンチレバー、チップおよびパターン形成化合物の使用による直接描画印刷に関連する以下の特許および同時係属中の出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられており、インク、パターン形成化合物、ソフトウェア、インク吐出装置などを含む本明細書に記載の各種態様の実行に使用することができる。
【0046】
Mirkinらの米国特許第6,635,311号、インク、チップ、基板および他の機器構成パラメータならびにパターン形成方法を含むDPN印刷の基本的局面を記載。
【0047】
Mirkinらの米国特許第6,827,979号、ソフトウェア制御、エッチング手順、ナノプロッターならびに複合および組み合わせアレイ形成を含むDPN印刷の基本的局面をさらに記載。
【0048】
2002年9月5日公開の米国特許出願公開第2002/0122873A1号(「Nanolithography Methods and Products Produced Therefor and Produced Thereby」)、DPN印刷の開口の態様および駆動力の態様を記載。
【0049】
2003年2月14日出願のEbyらの米国正規特許出願第10/366,717号(「Methods and Apparatus for Aligning Patterns on a Substrate」)、DPN印刷用の位置合わせ方法を記載(2003年10月2日に第2003/0185967号として公開)。
【0050】
2003年2月28日出願のDupeyratらの米国正規特許出願第10/375,060号(「Nanolithographic Calibration Methods」)、DPN印刷用の較正方法を記載。
【0051】
2003年4月10日公開のMirkinらの米国特許出願公開第2003/0068446号(「Protein and Peptide Nanoarrays」)、タンパク質およびペプチドのナノアレイを記載。
【0052】
2002年12月2日出願のMirkinらの米国正規特許出願第10/307,515号(「Direct-Write Nanolithographic Deposition of Nucleic Acids from Nanoscopic Tips」)、核酸パターン形成を記載(PCT/US2002/038252号、2003年6月12日公開)。
【0053】
2002年12月17日出願のMirkinらの米国正規特許出願第10/320,721号(「Patterning of Solid State Features by Direct-Write Nanolithographic Printing」)、反応性パターン形成およびゾルゲルインクを記載(2003年8月28日に第2003/0162004号として公開済み)。
【0054】
Liuらの米国特許第6,642,129号および第6,867,443号(「Parallel, Individually Addressible Probes for Nanolithography」)、能動ペンアレイを記載。
【0055】
2003年1月9日公開のSchwartzの米国特許出願公開第2003/0007242号(「Enhanced Scanning Probe Microscope and Nanolithographic Methods Using Same」)。
【0056】
2003年1月9日公開のSchwartzの米国特許出願公開第2003/0005755号(「Enhanced Scanning Probe Microscope」)。
【0057】
2003年8月11日出願の米国特許出願第10/637,641号、第2004/0101469号として公開済み、触媒ナノ構造およびカーボンナノチューブ用途を記載。
【0058】
2003年5月23日出願の米国特許出願第10/444,061号、2004年2月12日に第2004/0026681号として公開済み、および2004年1月15日公開の米国特許出願公開第2004/0008330号、それぞれタンパク質および導電性ポリマーの印刷を記載。
【0059】
2003年8月26日出願の米国特許出願第10/647,430号、現在は米国特許第7,005,378号、パターン形成化合物としての導電性材料を記載。
【0060】
2003年10月21日出願の米国特許出願第10/689,547号、2004年9月9日に第2004/0175631号として公開済み、フォトマスク修復を含むマスク用途を記載。
【0061】
2003年11月12日出願の米国特許出願第10/705,776号、2005年2月17日に第2005/0035983号として公開済み、マイクロフルイディクスおよびインク吐出ならびにインクウェルを記載。
【0062】
2004年3月1日出願の米国特許出願第10/788,414号、2005年1月13日に第2005/0009206号として公開済み、ペプチドおよびタンパク質の印刷を記載。
【0063】
2004年7月19日出願の米国特許出願第10/893,543号、2005年12月8日に第2005/0272885号として公開済み、ROMP法および組み合わせアレイを記載。
【0064】
2005年2月14日出願の米国特許出願第11/056,391号、2005年11月17日に第2005/0255237号として公開済み、スタンプチップまたはポリマーコーティングチップ用途を記載。
【0065】
2005年2月25日出願の米国特許出願第11/065,694号、2005年10月27日に第2005/0235869号として公開済み、チップなしカンチレバーおよびフラットパネルディスプレイ用途を記載。
【0066】
2006年1月19日公開の米国特許出願公開第2006/001,4001号、DPN法で作製されるナノ構造のエッチングを記載。
【0067】
2004年12月2日公開のLiu & Mirkinの国際公開公報第2004/105046号では、コンタクトプリンティング用の走査型プローブが記載されている。
【0068】
Mirkinの米国特許出願公開第2007/0129321号、ウイルスアレイを記載。
【0069】
その全体が参照により本明細書に組み入れられる2007年3月23日出願のMirkinらの米国特許出願公開第2008/0105042号に例えば記載の二次元ナノアレイも参照。Haaheimらの米国特許出願公開第2008/0309688号も参照。
【0070】
別のパターン形成機器は、例えばRozhokらの米国特許出願公開第2009/0023607号に記載されている。
【0071】
DPN法は、高スループット平行法の記載を含むGinger et al., "The Evolution of Dip-Pen Nanolithography," Angew. Chem. Int. Ed. 43, 30-45 (2004)にも記載されている。
【0072】
DPN印刷およびパターン転写法を含む直接描画方法は、例えばDirect-Write Technologies, Sensors, Electronics, and Integrated Power Sources, Pique and Chrisey (Eds) (2002)に記載されている。
【0073】
走査型プローブ顕微鏡法は例えばBottomley, Anal. Chem. 70, 425R-475R (1998)において考察されている。また、例えば米国特許第5,705,814号(Digital Instruments)に記載のプローブ交換機構を含む走査型プローブ顕微鏡は当技術分野で公知である。
【0074】
少なくとも55,000個、または少なくとも1,000,000個、または少なくとも10,000,000個を例えば含む大量のチップおよびカンチレバーを有するアレイを含む1-Dまたは2-Dアレイを使用することができる。例えばMirkinらの米国特許出願公開第2008/0105042号を参照。
【0075】
チップは、Siもしくは窒化ケイ素などの硬質チップ、またはポリマーチップなどの軟質チップであり得る。
【0076】
描画速度は、用途および使用される材料に応じて任意の好適な速度であり得る。例えばそれは0.1ミクロン/秒〜100ミクロン/秒、例えば20ミクロン/秒〜90ミクロン/秒、例えば40ミクロン/秒〜80ミクロン/秒であり得る。
【0077】
インク組成物
インク組成物は、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含み得る。インク組成物はペーストであり得る。ペーストは当技術分野で公知である。ナノ粒子は当技術分野で公知である。例えばPoole, Owens, Introduction to Nanotechnology, 2003 (Wiley); 米国特許出願公開第2008/0003363号; Li et al., Adv. Mater., 2003, 15, No. 19, 1639-1643; およびWang et al., ACSNANO, 2, 10, 2135-2142を参照。
【0078】
水性と非水性との両方の担体を含む溶媒担体は当技術分野で公知である。
【0079】
インク組成物は、良好な印刷および良好な最終特性に適応した調合パラメータを含み得る。パラメータの例としては接触角、チップのインク付け、チップ速度対サイズの制御、ナノ粒子インクの異なる源、および溶媒選択が挙げられる。溶媒パラメータとしては乾燥速度、粘度、チップおよび基板の極性に対するインクの極性、ならびに金属含有量も挙げられる。
【0080】
ペーストは、パターン形成およびチップに基づく堆積に適応した粘度を有し得る。例えば、粘度は少なくとも2,500cps、または少なくとも5,000cps、または少なくとも6,000cps、または少なくとも7,000cpsであり得る。粘度は10秒-1 (25℃)で1,500cpを超えることがある。
【0081】
金属ナノ粒子は、例えば銀、金、銅、パラジウムまたは白金、ならびにその混合物および合金などの、ナノ粒子形態であるように適応可能な任意の金属であり得る。
【0082】
平均粒径は例えば約1nm〜約100nm、または約2nm〜約75nm、または約20nm〜約50nmであり得る。
【0083】
ペーストは、パターン形成およびチップに基づく堆積に適応した密度を有し得る。例えば、密度は少なくとも2g/cc、または少なくとも2.2g/ccであり得る。
【0084】
ペーストは、パターン形成およびチップに基づく堆積に適応した金属含有量を有し得る。例えば、金属含有量は少なくとも45重量%、または少なくとも55重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%であり得る。
【0085】
特性の組み合わせが存在し得る。例えば、ペーストは少なくとも2,500cpsである粘度、少なくとも2g/ccの密度および少なくとも45重量%の金属含有量を有し得る。
【0086】
溶媒担体系は基板およびチップに適応し得る。それは水を含み得る。pHは用途に適応し得る。
【0087】
インク組成物はグリセリンを実質的にまたは完全に含まないことがある。
【0088】
ナノ粒子は、溶媒担体に十分に懸濁し、長い保存寿命を示す必要がある。
【0089】
ペーストインク用PAシリーズ(PA-010、PA-020、PA-030)を含むインクを韓国安城市InkTecより得ることができる。
【0090】
インクはシリコンウェーハ(HF洗浄)上で70°; テフロン上で110°; 無洗浄のシリコンウェーハ上で40〜50°の接触角を有し得る。
【0091】
インクは柔軟性、高い接着性、および短期焼結を示し得る。
【0092】
インクは透明電子導電性インクであり得るものであり、液相で透明性を示し得る。
【0093】
インクは、基板に化学吸着もしくは共有結合される必要がないかまたはその能力を有さないナノ粒子を含み得る。
【0094】
いくつかの態様では、インクは、マイクロ流体チャネルを含むインクウェルと共に使用できないほど十分に粘稠であり得る。
【0095】
一態様では、インク組成物は溶媒担体およびナノ粒子から本質的になる。
【0096】
一態様では、インク組成物はポリマー材料を実質的に含まない。
【0097】
一態様では、組成物はバインダー材料を含まない。一態様では、組成物はマトリックス材料を含まない。
【0098】
一態様では、インク固形分は少なくとも75重量%金属、または少なくとも85重量%金属、または少なくとも95重量%金属である。
【0099】
一態様では、インクは銀塩などの金属塩を実質的に含まない。
【0100】
ナノ粒子インク用安定剤は当技術分野で公知である。
【0101】
一態様では、インクを使用前に超音波処理またはボルテックスする必要はない。
【0102】
インク色は例えば濃緑色であり得る。
【0103】
インク組成物は、チップに適用される前には第1の組成物であり得るものであり、あるいは、チップに適用された後では第2の組成物であり得るものであり、あるいは、チップに適用され乾燥させた後では第3の組成物であり得るものであり、あるいは、基材に堆積させた後では第4の組成物であり得る。
【0104】
いくつかの態様では、インク組成物は、本明細書において記載および調合される成分から本質的になり得る。本明細書に記載の利点を損なう成分を排除するかまたは実質的に排除することができる。例えば、それらを1重量%未満、または0.1重量%未満、または0.01重量%未満に限定することができる。
【0105】
インク組成物を使用する方法
インクまたはペーストの堆積が生じ得るように、チップおよび基板を動かして互いに近づけることができる。チップを静止保持することができ、あるいは動かして線を形成することもできる。線は直線状または曲線状であり得る。
【0106】
チップはケイ素または窒化ケイ素などの無機材料を含み得る。一態様では、チップは有機コーティングなどのコーティングを含まない。
【0107】
チップを例えば約1ミクロン/秒〜約200ミクロン/秒、または約1ミクロン/秒〜約100ミクロン/秒、または約40ミクロン/秒〜約80ミクロン毎秒の速度で動かすことができる。
【0108】
所望の結果が得られるように、堆積中の温度および相対湿度を制御しかつ適応させることができる。閉鎖環境または制御環境を使用できる。周囲条件下で堆積を行うこともできる。周囲条件の一例は、約40〜50%、例えば45%の相対湿度での室温、例えば25℃であり得る。
【0109】
電極を横切って導電線を描くことができる。
【0110】
所望であれば、所望の構造のパターン形成前に過剰インクを抜き取ることができる。一態様では、この抜き取り工程は実行しない。
【0111】
良好な位置合わせを伴う高解像度描画を実現することができる。例えば一態様では、線は別の特徴に隣接して堆積され、該特徴と線とはスペーシングにより隔てられ、スペーシングは約5ミクロン未満、または約1ミクロン未満、または約500nm未満、または約250nm未満である。より短い隔離距離は例えば100nmであり得る。この空間的隔離を用いて2本の金属線を作製することができる。あるいは、別の特徴の上に線を堆積させることもできる。例えば、別の特徴の一部、例えば該特徴の実質的全体の上に線を堆積させることができる。
【0112】
パターン形成前にインク組成物をプリベーク(または予備加熱)してインクの粘度を調整することができる。用途および使用される材料に応じて、プリベークを任意の好適な温度で任意の好適な時間行うことができる。例えば、約20℃〜約200℃、例えば約40℃〜約160℃、例えば約80℃〜約120℃でそれを行うことができる。プリベーク時間は例えば約20分以下、例えば約15分以下、例えば約10分以下であり得る。種々の技術によってプリベークを行うことができる。例えば、ホットプレート上でそれを行うことができる。あるいは、「能動ペンDPN」および熱DPNを含む加熱チップ上でそれを行うこともできる。
【0113】
本明細書に記載の方法の1つの識別可能な特徴は、基板上へのインクの輸送が水メニスカスの形成に依存する必要がないということである。例えば、水メニスカスを実質的に形成せずに堆積を行うことができる。理論には拘束されないが、これはインク(例えば金属ナノ粒子インク)が既に液相に存在することが理由であり得る。1つの結果は、粘稠ペーストのメニスカスまたは得られるパターンに対する温度および相対湿度の実験パラメータの影響が最小限であり得るということである。
【0114】
アニール
DPNパターン形成後に、基板を比較的高温(例えばホットプレートで150℃)である期間(例えば10分間)加熱(または「ベーク」)することで、インク溶液をアニールまたは硬化し、任意の過剰溶媒を除去することができる。インク溶液は液体溶液、またはペーストなどの非常に粘稠な流体の形態であり得る。
【0115】
ペーストは相対的に低温のアニーリングに適応し得る。例えば、堆積された材料を100℃〜約200℃、または約120℃〜約170℃でアニールすることができる。アニール時間は例えば約0.5分〜約20分、例えば約1分〜約10分、例えば約2分〜約5分であり得る。ホットプレート、放射線装置、オーブンなどの任意の好適な装置でアニールを行うことができる。
【0116】
形成される構造および特徴づけ
種々の形状および線を形成することができる。ドットまたは線を基板上に形成することができる。線は直線状または曲線状であり得る。三角形、正方形、円形、長方形、格子、アレイなどの複雑な幾何形状を高解像度で調製することができる。
【0117】
基板上の同一点で必要に応じてプロセスを反復することで、金属ナノ粒子の密度を増加させかつ/または線高さを増加させることができる。しかし一態様では、アドレスおよび指定される点または区域を含む基板上の一定の点または区域において1回のみ堆積を行う。
【0118】
AFMおよびSEMを使用して構造を特徴づけることができる。特に、アニール後の構造を特徴づけることができる。
【0119】
線の線幅はサブミクロンの範囲であり得る。一態様では、線幅は例えば10nm〜2ミクロン、または50nm〜1ミクロン、または100nm〜750nm、または200nm〜700nm、または300nm〜600nm、または400nm〜500nmであり得る。
【0120】
線の高さは例えば約100nm〜約1ミクロン、または約120〜400nm、または約200nm〜約750nm、または約250nm〜約500nmであり得る。
【0121】
線の長さは例えば少なくとも5ミクロンの長さ、または少なくとも25ミクロンの長さ、または少なくとも40ミクロンの長さ、または少なくとも60ミクロンの長さ、または少なくとも80ミクロンの長さ、または少なくとも100ミクロンの長さ、または少なくとも120ミクロンの長さ、または少なくとも150ミクロンの長さであり得る。
【0122】
アスペクト比は例えば少なくとも2、または少なくとも5、または少なくとも10、または少なくとも20、または少なくとも50、または少なくとも100、または少なくとも200、または少なくとも300、または少なくとも400、または少なくとも500であり得る。アスペクト比の上限は例えば1,000であり得る。
【0123】
体積抵抗率を含む抵抗率を測定することができる。本明細書における抵抗率は電気抵抗率を一般に意味する。抵抗率の例としては10-4 ohm-cm(「Ω-cm」)未満、または5x10-5 ohm-cm未満、または3x10-5 ohm-cm未満、または2x10-5 ohm-cm未満、または10-5 ohm-cm未満、または5x10-6 ohm-cm未満、または3x10-6 ohm-cm未満、または2x10-6 ohm-cm未満、または10-6 ohm-cm未満が挙げられる。一態様では、抵抗率は1.1x10-5 ohm-cm未満である。別の態様では、抵抗率は50x10-6 ohm-cm未満である。
【0124】
過剰インクの抜き取り
用途および使用される材料に応じて、場合によって過剰量のインク組成物がチップ上に堆積されることがある。そのような場合、パターン形成工程を開始する前に過剰インクを除去することが望ましいことがある。
【0125】
一態様では、パターン形成前に過剰インクを抜き取る方法が記載される。本方法は以下の工程を含む: (i) ナノ粒子インクがその上に配置されたチップを設ける工程;(ii) インク組成物の少なくとも一部がチップから基板上の第1の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第1の位置に近づける工程;(iii) チップを動かして基板から遠ざける工程; および(iv) 残りのインクの少なくとも一部がチップから基板上の第2の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第2の位置に近づけることでパターンを形成する工程。一態様では、各逐次抜き取りの結果として作り出されるドットが同程度のサイズを有するまで、工程(iv)の前に工程(ii)および(iii)を反復することができる。第1または第2の位置は、第1および第2の各電極上の任意の好適な位置であり得る。
【0126】
特に、パターン形成前の抜き取り中のチップの最初の着地後に、チップ/カンチレバー上に負荷されたインクの量に応じて、チップから基板への少量のインクの移動の結果としてドットなどのパターンが形成される。一連の「抜き取りドット」を作り出す基板上へのインクの反復逐次移動を抜き取りプロセスが含む場合、所与のチップからの抜き取りドットは一貫したサイズに接近し、それを維持する。
【0127】
インク組成物がチップ上に配置される前に、チップを洗浄して汚染を除去することができる。任意の好適な洗浄方法を使用できる。例えば、酸素プラズマ、溶媒、または熱もしくは放射線などのエネルギー源を用いてチップを洗浄することができる。
【0128】
本明細書に記載の抜き取り方法は、力フィードバックを必要としないという1つの利点がある。特定の理論には拘束されないが、いくつかの理由で力フィードバックを必要としない:この種類の物理吸着DPNパターン形成は大部分が力に依存せず、AgNPインクメニスカスからの接触を断つために必要なZ距離は、力フィードバック中に典型的に利用可能なZ範囲よりも大きい。一態様では、抜き取り後に、同一のZ圧電アクチュエータ制御(モータ)を使用してパターン形成が行われることに留意されたい。さらに、圧電スキャナの90μm限界よりも長い線を作り出すために、広範囲ステージモータがサンプルをチップの下で動かすことを可能にすることができる。
【0129】
用途
用途としては例えばプリンテッドエレクトロニクス、RFIDタグアンテナ、フレキシブル回路、スマートカード回路、スマートラベル、無鉛はんだ、ナノ回路修復、食品保存、またはそれらの改変が挙げられる。他の用途としては例えばLCD、OLED、OTFT、FPCB、PCB、PDP、フレキシブルディスプレイ、EMIシェルター、センサ、バイオアレイ、抗菌消毒、マイクロ燃料電池、メンブレンスイッチおよび太陽電池が挙げられる。
【0130】
本明細書に記載の直接描画方法は、回路修復、センサ素子機能化、故障解析、ガスセンシングおよびプリンタブルエレクトロニクスなどの用途に使用される金属材料の特定地点での堆積を行うことができる。回路修復は、複数の電極を横切って導電性の(かつ連続的な)線を作り出すことで行うことができる。1つの場合では、電極の一部は別の電極との電気接触を失っている可能性がある。例えば一態様では、複数の電極が見られる。ナノ粒子系インクをチップまたはスタンプから第1および第2の電極上に堆積させることで、第1の電極の一部および第2の電極の一部と電気接触する線をインクにより形成することができる。あるいは、先に記載のポリマーペンリソグラフィーによってインクを堆積させることもできる。電気接触は、電極上への堆積の直後にインクにより形成することができ、あるいは、インクをアニールして連続導電線を形成した後に形成することができる。
【0131】
以下の実施例の使用によりさらなる説明を示す。
【実施例】
【0132】
非限定的実施例
実施例1
以下を特徴とする銀ナノ粒子インクInk TEC-PA-010をInkTecより得た。
・粘度: 7,000〜7,500cps (Brookfield DV-II + PRO (スピンドル: 15,200rpm、25℃)
・密度: 2.2g/cc (25℃)
・金属含有量: 55±10重量% (TGA分析)
・色: 濃緑色(目視)
このインクはハイブリッドナノ銀ペーストである。それはフラットまたはロータリースクリーン法で印刷することができる。性能パラメータとしては以下が挙げられる。
・硬化温度: 140℃ X 5分(赤外線および循環熱オーブン)
・印刷層の厚さ: 1〜2ミクロン
・面積抵抗率: 40〜50 mohm/平方
・体積抵抗率: 6.0 X 10-6 ohm-cm未満
・接着(PET): クラス5B〜4B (ASTM D3359等級)
・基板: PET、PI、PPなど
・硬度: 2H、鉛筆硬度
【0133】
インクをバイアル内に置いた。バイアルを手で数回振盪させて相分離の回避を促進した。ピペットを使用してシリコンウェーハ上にあるインクを均一に塗り広げた。
【0134】
使用される機器の上にチップを装着した。機器のチャック上にSiウェーハを銀ナノ粒子インクと共に固定した。チップを動かして表面に近づけた。チップが近づいた時点で、圧電を印加してチップを下に動かすことでその上に銀ナノ粒子インクをインク付けした。チップがインクに浸り、反射が変化したことから、色変化が観察された。チップを30秒間浸されたままにした。次に、チップ上に配置されたインクを含む表面からチップを上昇させた。
【0135】
インクをパターン形成するために使用した機器はNSCRIPTOR(商標)および/またはDPN5000(商標)(イリノイ州スコーキー、NanoInk)を含んだ。
【0136】
インクをパターン形成するために使用したチップはA型およびM型窒化ケイ素チップであった。単一チップとチップの一次元アレイの両方を使用した。
【0137】
チップを酸素プラズマで30秒間洗浄することで、チップが親水性であって疎水性ではないことを確実にした。
【0138】
より再現可能な手順を行うには閉鎖環境が有用であることがわかり、気流に対する閉鎖は蒸発を減少させることができる。したがって、パターン形成のためのインクの使用において、パターン形成機器のチャンバドアを閉鎖したまま保持した。チャンバドアを閉鎖する場合、インクは一日中使用できる。ドアを閉鎖しない場合、インクは2〜3時間で乾燥する。
【0139】
描画速度は0.1ミクロン/秒〜100ミクロン/秒であった。最良の描画速度は約40ミクロン/秒〜80ミクロン/秒であった。描画速度が遅すぎた場合、線は短く非連続的であった。
【0140】
基板の例はSi (HF洗浄後)、SiO2 (c-AFM)表面およびKaptonテープであった。c-AFM基板は二酸化ケイ素表面上の一連の高さ25nmの金電極であった(図7および8参照)。
【0141】
アニール条件は、開放フード内または周囲条件下にて150℃で20分間とした。
【0142】
線をSEMおよびAFMで特徴づけることで、線が連続的であることを確実にした。電気的測定では、金電極を有するc-AFM基板上に線を描画した。Agilent 4156cシステムおよび2点プローブの使用によりI-V曲線を作成した。11個のサンプルを測定用に調製した。1つのプローブ上に-3V〜3Vの電圧を印加した一方、他のプローブを接地した。電流を発生させたところ、銀線の平均抵抗率は約11x10-6 ohm-cmであった。これは、インク製造者が報告したバルク抵抗率6x10-6 ohm-cmと比較して優れていた。
【0143】
図1〜3は、金電極の上および隣に描いた銀線のSEM画像を示す。図1は、銀ナノ粒子線の線幅が0.6ミクロンであり、長さが6ミクロンであることを示す。2つの金電極を横切ってSiOx (c-AFM)基板上で好結果の描画を行った。図2は、銀ナノ粒子線の線幅が0.5ミクロンであり、長さが45ミクロンであることを示す。4つの金電極を横切ってSiOx (c-AFM)基板上で好結果の描画を行った。銀線の抵抗率は1.1x10-5 ohm-cmであった。図3は、銀ナノ粒子線の線幅が0.5ミクロンであり、長さが4.5ミクロンであったことを示す(c-AFM基板)。
【0144】
図4は、金電極の上および隣に描いた銀ナノ粒子線のAFM分析を示す。図5は、金電極の上および隣に描いた銀ナノ粒子線のAFM高さ分析を示す。
【0145】
図6は、I-V試験の結果を示す。
【0146】
図7および8はc-AFM基板を示す。
【0147】
比較例
図9〜12は、比較的低粘度で比較的低金属含有量のインクを種々の描画条件下で使用した非連続線の例を図示する。これらの結果は、ナノ粒子の島が目視可能であり連続線が形成されない(非連続線が形成される)というWang et al., ACSNANO, 2, 10, 2135-2142に見られる結果と一般に同様である。良好な導電率は得られなかった。
【0148】
実施例2
本実施例では、特定の位置で材料を直接描画することで、異なる基板上に測定可能なトポグラフィーのこれらの導電性銀(Ag)線トレースを製作しかつ特徴づけるというDPN独自の能力を利用する方法が記載される。銀ナノ粒子(AgNP)系インク懸濁液を使用して特定の金電極間にサブμm導電性トレースをパターン形成し、次に4点電流-電圧(I-V)測定を使用してAgMPトレースを特徴づけた。
【0149】
以下に示すように、DPNによるサブμm AgNP導電性トレースパターン形成の反復性の高い寸法制御を本明細書において実証する。サブμm金属トレースを作り出すためのこのアプローチは魅力的である。というのも、このプロセスは要求適応性が高く、多用途パターンの作製を可能にし、特定の基板向けではなく、厳格な運用条件を必要としないためである。いくつかの性質が理由で銀をNP系インクとして選択した: 低バルク抵抗率(約1.6μΩ-cm)、プラズモン材料としての確定した用途3a〜c、ポリアニリン系複合材料における潜在的用途3d、および半導体製作設備における材料許容性(多くのプロセスを汚染することがある金とは対照的)。銀は大腸菌(escherichia coli)を迅速に検出することにも使用されており3e、ペロブスカイトのガスセンシング性を向上させることがわかっている3f。さらに、いくつかの基本的研究は、各種AgNPインクの導電率を具体的に特徴づけ、それらの電気的性能に対する熱硬化の影響を調査し、AgNPの形態に対する界面活性剤付加の影響を定量化し、AgNPの可逆的サイズ調節を示した4a〜e。
【0150】
同時に、DPNは多種多様な基板上に多種多様なインクをパターン形成することがわかっており、近年の文献にはDPNの徹底的な考察が存在する5a〜b。本実施例では、以前の研究6を改良して、500nmまでの統計的に強固な線プロファイル制御によってパターン形成したサブμmでサブ50-μΩ-cmのAgNPトレースを実証した。AgNP線トレースは優れた導電率を伴ってオーム接点を形成することがわかり(11個の別々のサンプルにわたって測定された平均抵抗率は28.80μΩ-cm)、パターン形成多用途性はKaptonとマイカとの両方の上にAgNPトレースを印刷することで強調した。NanoInkのNSCRIPTOR(商標)およびDPN5000(商標)システム(イリノイ州スコーキー)の両方を使用して市販AgNP系インク(韓国、InkTec)を直接描画した。パターン形成は、基板に改質を加えずに行った。
【0151】
基板上での特定地点でのAgNP導電性トレース描画のプロセスを図18および19に示す。具体的には、図18は、図15(f)に見られる関係を検査するために意図的に変動させた抜き取りドットの面積および線長からなる、電極間隙内の代表的AgNPトレースのSEM画像を示す。ドットおよび線の測定値は挿入図に示すものであり、これらを続いて図15(f)に示すプロットに組み入れた。図19は、複数サンプルの測定値を示す組み合わせSEM画像およびI-V曲線を示すものであり、その組み合わせプロットを図16(b)および16(c)に示す。
【0152】
基板:
本研究の1つの目標は、化学的/物理的に感受性のあるマイクロ電子装置の特定の特徴上への直接描画の現実世界での適用を反映させるために、表面の改質を最小限にして導電性トレースを描画することにあった。SiO2 (C-AFM基板)、ケイ素単独、Kaptonおよびマイカ基板上にパターン形成したインハウスの金電極を、本研究を通じて使用した。SiO2上Au電極のステップ高さは約25nmであると測定された。アセトンおよびイソプロピルアルコール中で各5分間超音波処理してC-AFM基板を洗浄した。続いて基板を脱イオン水ですすぎ、N2で乾燥させた。パターン形成前に、C-AFM基板を3分間酸素プラズマ洗浄して有機汚染を除去した。Siのみの基板ではRCA (SC1)洗浄も使用し、AgNPインクを試験および確認するプロセスにこれらを使用した。Kapton基板を脱イオン水ですすいで表面汚染を除去した後、N2で乾燥させた。マイカ基板はDPNパターン形成前に新たに切断した。
【0153】
インク:
市販の親水性AgNPインク(韓国、InkTec、TEC-PA-010)を本試験でのAgNP源として使用した。このインクはその高AgNP濃度が理由で選択した。均一な懸濁のために、AgNP溶液をパターン形成前に30分間ボルテックスして相分離を回避した。また、パターン形成前にインク溶液上での「プリベーク」を行って、その粘度を改変しかつそれをDPN印刷に好適にした(C-AFM基板パターン形成のプリベーク条件はホットプレート上60℃、7分間とした)。
【0154】
DPNパターン形成 - プローブおよび機器構成:
窒化ケイ素(Si3N4)プローブ(NanoInk、A型、E型およびF型)を20秒間酸素プラズマ洗浄して、インク付け前に有機汚染を除去した。次にチップを、SiO2表面上にマイクロピペットで堆積させた液滴に直接浸漬させることでAgNPインクによりコーティングし、パターン形成ツール(イリノイ州スコーキー、NanoInk、NSCRIPTORおよびDPN5000システム)のX-Y-Zステージモータによって座標化した。カンチレバーをインク溶液に接触させるとすぐにその上で指標となる色変化が観察された。次にこれらの同一のモータはチップを動かしてパターン形成用基板に近づけた。カンチレバーが基板の約20μm以内に来ると、Z圧電は少しずつ逐次起動してチップを表面に向かって下に動かした。パターン形成プロセスはこの最初の正確に較正された着地で始まる。過剰のAgNPインクは、第1の接点に「抜き取りドット」を作り出し、直後にZ圧電を使用して引き取ることで除去した。これらの抜き取りドットを慎重にモニタリングすることが、均一な線幅のAgNPパターンを描画するために重要であることがわかった。
【0155】
最初の着地後に、チップ/カンチレバー上に負荷されたインクの量に応じて、所与のチップからの抜き取りドットを一貫したサイズに近づけ、その後それを維持することができる。本実施例では、次に同一の手動Z圧電起動を使用して、所与の基板上でかつ/または所与の電極を横切って、線パターン形成を開始した。いくつかの理由で力フィードバックを必要としなかった:この種類の物理吸着DPNパターン形成は大部分が力に依存せず、AgNPインクメニスカスからの接触を断つために必要なZ距離は、力フィードバック中に典型的に利用可能なZ範囲よりも大きい。さらに、圧電スキャナの90μm限界よりも長い線を作り出すために、広範囲ステージモータがサンプルをチップの下で動かすことを可能にした。DPNパターン形成後、基板をホットプレート上にて150℃で10分間ベークすることでAgNP溶液を硬化させ、任意の過剰溶媒を除去した。得られたAgトレースの横寸法およびトポグラフィーを、NSCRIPTORおよびDPN5000(イリノイ州スコーキー、NanoInk)の両方のAFMモードを使用する交互接触(タッピングモード)原子間力顕微鏡イメージング(TM-AFM、走査速度約1Hz)と走査型電子顕微鏡法(SEM、Hitachi S4800)の両方によって評価した。
【0156】
電気的測定:
電気的特徴づけに適したパターンを製作するために、C-AFM基板上の少なくとも4つの金電極を横切って連続的AgNPトレースをDPNでパターン形成した。プローブと電極との間の接触抵抗を回避するために、トレースの電流-電圧特性を、Keithley 2400ソースメーターと、光学顕微鏡とマイクロポジショナーを装着した4つの針状プローブとを含む4点プローブシステムを用いて測定した。例示的プローブ位置を図16(a)に示す。典型的には、シリコンウェーハの厚さtwがウェーハダイの直径よりもはるかに小さい(すなわちtw<<dw)場合、面積抵抗率は下記式に従って計算される:
式中、プローブ間の距離dpがウェーハの直径dwよりもはるかに小さい(すなわちdp<<dw)場合、相関係数(CF)はπ/ln(2)に等しい。AgNPトレースの抵抗率は下記式に従って計算される:
式中、hおよびwはそれぞれAgNPトレースのトポグラフィー高さおよび線幅である(TM-AFMで測定)。平均AgNPトレース高さhは約500nmであると測定された。電極を横切る例示的な500nmの線幅wは図14(b)に示す。トレース長さ(I)をSEMによって測定し、測定線幅(w)を同時に確証した。これらのパラメータに基づいて、I-V曲線データを11の個々のAgNPトレースについて得て(図16(b))、28.80μΩ-cmの平均抵抗率を計算した(図16(c))。これに比べ、バルクAg抵抗率は1.63μΩ-cmであり、AgNPインク製造者の仕様は「6.0μΩ-cm未満」である。熱ベークプロセスの差に基づいてAgNP抵抗率が5μΩ-cm未満〜最大20μΩ-cmで変動することがわかったことを考慮すると、この変動は許容誤差内であった3a〜b。
【0157】
インク付け窒化ケイ素(SiN)プローブを特定のチップ速度でSiO2基板を横切って動かすことで、導電性AgNPトレースを作り出した(模式図を図13(b)に示す)。このAgNPインク溶液の粘度を理由として、チップ速度を、表面へのインク輸送が最適に進行するその「スイートスポット」範囲について特徴づけた。この範囲1400〜1600μm/秒が典型的な金上チオールDPNチップ速度(0.5〜5.0μm/s)よりもおよそ4桁大きく2a、このことが迅速なプロトタイプ技術としてのこのインク系の多用途性および適用可能性の信頼性をさらに高めることに留意されたい。インク付けAgNPチップから基板へのインク流の動力学(図13(a)に示す)は、表面張力およびインク粘度により制御される。しかし、ナノ粒子を懸濁させる溶媒に起因してAgNPの表面に対する親和性が非常に限定されることから、表面上のAgNPインクの組織化および配向は実質的に物理吸着で動かされる現象である。このことは、種々の基板にこのインク系をより幅広く適用可能にすることから、このインク系の利点であるとわかる。これらの物理吸着インクは基板汎用性がより高い傾向があるため、複数の基板(SiO2、Si、マイカおよびKapton)にわたるこの導電性トレース印刷の多用途性が本明細書において実証される。
【0158】
このAgNPインクは既に液相であることから、輸送プロセスが水メニスカスに依存しないと考えられ、温度および相対湿度の実験パラメータが粘稠ペーストのメニスカスまたは得られたパターンに実質的に影響を及ぼさなかったということに留意されたい。結局、DPN中のインク粘度、AgNP濃度およびAgNP懸濁の適切な調整が、連続的かつ導電性の銀トレースを導く重要な要因であり得るものであり、最適に満たないAgNPの濃度または懸濁は、非連続トレース、またはDPN中のチップからのインク輸送の欠如のいずれかを導くことがある。
【0159】
導電性銀トレースの走査型電子顕微鏡(SEM)画像は図14(a)〜(b)に見られる。図14(a)に示す全体的な電極構成は多くの潜在的パターン形成地点を提供する。図14(b)は、金電極間の4.5μm間隙にまたがる500nm幅の導電性銀トレースのSEMクローズアップを示す。特に、トレースは困難なしに約25nmの電極ステップ高さを乗り越えて連続性を維持した。この連続性トレースのI-V挙動は図14(c)に見られ、トレースは導電性が高く、抵抗R = 108.5Ωおよび対応する抵抗率p = 10.0μΩ-cmである。バルク銀p = 1.63μΩ-cmであることを考慮すると、これは有望な結果である。本発明者らのトレースのサブgmスケールは単独でバルクと比べてわずかに異なる電気的性能を示唆する。さらに、DODインクジェット印刷用導電性インクは広く変動する製造仕様を有しており、それらが得ることのできる抵抗率はアニール条件に基づいて実質的に変動する(5未満〜20μΩ-cm)ことがわかった3a〜b。本明細書に記載の実施例におけるサブμmスケールでは、予想される範囲の電気的挙動が、直接描画方法のさらなる利点と共に観察された。
【0160】
本実施例の目標は、1つのサブμmトレースの電気的挙動を実証することだけでなく、方法の強固さを確認することにもあった。その目的のために、図15は反復性の堆積およびそれに続く特徴づけを示す。10個の別々のSiNプローブを調製し、名目上同一に、但し異なる時間にインク付けし、本明細書に記載のパターン形成方法を使用して10個の連続的な隣接するトレースを同一SiO2基板上に作成した(図15(a))。これは、最初の抜き取りドットの挙動をモニタリングすることで、一貫した線プロファイルの連続トレースを生成することが容易であることを示す。1500μm/秒という所定のチップ速度では、特徴の幅はチップおよびカンチレバーからの粘稠AgNPインクの動的消耗により制御される。徐々に細く描画することで、トレースはそれらの上半部で確実にサブgmになり(図15(b)および15(d)に示す)、全体的な線長は一貫して100μmを超える(注: マイクロ回路電極の間隙は多くの場合約40μmである)。
【0161】
再浸漬させた後に同様の挙動で描画を続けるために、これらのプローブを独立して確認した。すべてのトレースは相当な高さを示し(図15(c)および15(e))、これらのデータを引き続く抵抗率の計算に組み入れた。さらに、データは最初の抜き取りドットの面積と得られる線長との間のほぼ線形の関係を明らかにする(図15(f))。したがって、最初の抜き取りドットのサイズをモニタリングすることで、一貫した線プロファイルを確実にするだけでなく、その全体的なサイズおよび長さを要求に適応させることもできる。
【0162】
AgNP DPN方法の電気的信頼性も実証した。図16(a)は、模式的な線を伴うパターン未形成C-AFM基板のSEM画像を示すものであり、模式的な線は、DPNパターン形成AgNP導電性トレースの典型的位置を、4点プローブ測定針を設置するための矢印指示と共に示す。図16(b)は、別々の11組の電極から作成したI-V曲線データであって、R = 0.23〜2.10Ωの抵抗の範囲を包含するデータを示す。先に記載のように、対応する抵抗率の範囲はρ = 0.8〜86.0μΩ-cmであると導出された(図16(c)挿入図においてプロット)。さらに、図16(c)は、28.80±28.45μΩ-cmという平均を示すものであり、これは6.0μΩ-cmというインク製造者の仕様およびバルク銀ρ = 1.63μΩ-cmと比較して優れている。図15のデータとの組み合わせで、図16(a)〜(c)は、一貫し連続的でかつサブ50-μΩ-cmの導電性トレースを作成する堅固な方法を示す。
【0163】
最後に、この方法の多用途性および適用可能性を実証するために、Kaptonテープとマイカとの両方の上に連続トレースを印刷した。図17(a)および17(d)は、硬化後のトレースの光学画像を示し、対応するTM-AFM高さ画像は図17(b)および17(e)に見られる。図17(c)および17(f)は、AgNPインクが、異なる基板上に存在するにもかかわらず、以前のSiO2トレースと同等の線幅および線高さを有する連続トレースを形成したことを示す。
【0164】
ガスセンシングから回路素子故障解析までの用途の多様な集合に有用なアプローチである、DPNを使用して導電性銀トレースを直接堆積させる信頼可能な方法を実証してきた。DPNは、2つの特定の電極間に導電性トレースを作り出すための、かつ導電性材料を用いる既存の微細構造のサブμm装飾のための、新たな解決策を提供する。本方法は、寸法パターン制御(500nmまで)および電気的性能(平均28.80μΩ-cm)の統計的に強固な記録を与えた。本方法の多用途性はさらなる基板(Kapton、マイカ)上でも示された。
【0165】
参考文献
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのチップを設ける工程、
少なくとも1つの基板を設ける工程、
少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップ上に配置する工程であって、該インクが、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含み、かつ少なくとも2,500cpsの粘度を有する、工程
ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップから基板に堆積されるようにチップおよび基板を動かして互いに近づける工程
を含む、方法。
【請求項2】
インクが少なくとも5,000cpsの粘度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
インクが少なくとも6,000cpsの粘度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
インクが少なくとも7,000cpsの粘度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
金属ナノ粒子が銀ナノ粒子である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
インクが少なくとも2g/ccの密度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
インクが40重量%を超える金属含有量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
インクが少なくとも45重量%の金属含有量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
インクが少なくとも55重量%の金属含有量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
インクが少なくとも2,500cpsの粘度、少なくとも2g/ccの密度、および少なくとも45重量%の金属含有量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項11】
ナノ粒子が銀ナノ粒子を含み、ならびに、インクがペーストであり、かつ少なくとも5,000cpsの粘度、少なくとも2g/ccの密度、および少なくとも45重量%の金属含有量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
チップを基板に沿って動かして少なくとも40ミクロンの長さである線を形成する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
チップを基板に沿って動かして約1ミクロン未満の線幅を有する線を形成する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
チップを基板に沿って動かして線を形成する工程、および約100℃〜約200℃の温度で線をアニールする工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
チップを基板に沿って動かして線を形成する工程、および約120℃〜約170℃の温度で線をアニールする工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
チップを基板に沿って動かして線を形成する工程、および線をアニールして2 X 10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する導電線を形成する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
チップを基板に沿って動かして線を形成する工程、および線をアニールして1.1 X 10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する導電線を形成する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項18】
インクがグリセリンを実質的にまたは完全に含まない、請求項1記載の方法。
【請求項19】
インクが反応性インクではない、請求項1記載の方法。
【請求項20】
チップがナノスコピックチップである、請求項1記載の方法。
【請求項21】
チップが走査型プローブ顕微鏡チップまたはAFMチップである、請求項1記載の方法。
【請求項22】
チップがポリマーチップである、請求項1記載の方法。
【請求項23】
チップが中実チップである、請求項1記載の方法。
【請求項24】
チップが中空チップである、請求項1記載の方法。
【請求項25】
チップが親水性チップである、請求項1記載の方法。
【請求項26】
チップを基板に沿って約1ミクロン/秒〜約100ミクロン/秒の速度で動かす工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項27】
チップを基板に沿って約40ミクロン/秒〜約80ミクロン/秒の速度で動かす工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項28】
インク溶媒の蒸発を最小化する制御された環境で堆積が生じる、請求項1記載の方法。
【請求項29】
基板がケイ素、酸化ケイ素、ポリイミド、ITOまたはマイカを含む、請求項1記載の方法。
【請求項30】
基板が複数の導電線を含み、かつ堆積が該線の少なくとも2つの間の導電性を提供する、請求項1記載の方法。
【請求項31】
少なくとも1つのチップまたはスタンプを設ける工程、
少なくとも1つの基板を設ける工程、
少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップまたはスタンプ上に配置する工程であって、該インクが、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含むペーストを含む、工程、
ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップまたはスタンプから基板に堆積されるようにチップまたはスタンプおよび基板を動かして互いに近づける工程
を含む、方法。
【請求項32】
スタンプがポリマースタンプである、請求項31記載の方法。
【請求項33】
スタンプがエラストマースタンプである、請求項31記載の方法。
【請求項34】
スタンプがシリコーンスタンプである、請求項31記載の方法。
【請求項35】
スタンプがマイクロコンタクトプリンティングスタンプである、請求項31記載の方法。
【請求項36】
スタンプが親水処理されている、請求項31記載の方法。
【請求項37】
スタンプがナノパターンを含む、請求項31記載の方法。
【請求項38】
スタンプが少なくとも1つの線パターンを含む、請求項31記載の方法。
【請求項39】
チップよりむしろスタンプが使用され、かつインクがスタンプでの使用に適応している、請求項31記載の方法。
【請求項40】
スタンプよりむしろチップが使用され、かつインクがチップでの使用に適応している、請求項31記載の方法。
【請求項41】
少なくとも1つのチップを設ける工程、
少なくとも1つの基板を設ける工程、
少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップ上に配置する工程、
ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップから基板に堆積されるようにチップおよび基板を動かして互いに近づける工程であって、該インクが、アニール後に約1.1 x 10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する連続線を提供するように調合されている、工程
を含む、方法。
【請求項42】
インクが粘度制御用に調合される、請求項41記載の方法。
【請求項43】
インクが密度制御用に調合される、請求項41記載の方法。
【請求項44】
インクが金属含有量制御用に調合される、請求項41記載の方法。
【請求項45】
インクがグリセリンを含まないように調合される、請求項41記載の方法。
【請求項46】
アニールが200℃未満の温度で行われる、請求項41記載の方法。
【請求項47】
アニールが30分未満の時間行われる、請求項41記載の方法。
【請求項48】
アニールが約100℃〜約150℃の温度で行われる、請求項41記載の方法。
【請求項49】
線が少なくとも5ミクロンの長さである、請求項41記載の方法。
【請求項50】
線が少なくとも40ミクロンの長さである、請求項41記載の方法。
【請求項51】
少なくとも1つの基板を設ける工程、
少なくとも1種類のナノ粒子インクを基板上に直接描画する工程であって、該インクが、アニール後に約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する連続線を提供するように調合されている、工程
を含む、方法。
【請求項52】
ナノ粒子インクを基板に移すためのチップまたはスタンプの使用を含む、請求項51記載の方法。
【請求項53】
インクの粘度が少なくとも2,500cpsである、請求項51記載の方法。
【請求項54】
少なくとも1つのチップを設ける工程、
少なくとも1つの基板を設ける工程、
少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップ上に配置する工程であって、該インクが、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含み、かつ少なくとも45重量%のナノ粒子含有量を有する、工程、
ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップから基板に堆積されるようにチップおよび基板を動かして互いに近づける工程
を含む、方法。
【請求項55】
金属ナノ粒子を含むインク組成物から連続金属線を少なくとも25のアスペクト比で描く工程であって、アニールすると該線が約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率を示す工程を含む、方法。
【請求項56】
線が別の特徴に隣接して堆積され、該特徴と線とがスペーシングにより隔てられ、かつスペーシングが約5ミクロン未満である、請求項55記載の方法。
【請求項57】
線が別の特徴に隣接して堆積され、該特徴と線とがスペーシングにより隔てられ、かつスペーシングが約1ミクロン未満である、請求項55記載の方法。
【請求項58】
線が別の特徴に隣接して堆積され、該特徴と線とがスペーシングにより隔てられ、かつスペーシングが約500nm未満である、請求項55記載の方法。
【請求項59】
線が別の特徴に隣接して堆積され、該特徴と線とがスペーシングにより隔てられ、かつスペーシングが約250nm未満である、請求項55記載の方法。
【請求項60】
線が別の特徴の上に堆積される、請求項55記載の方法。
【請求項61】
請求項1記載の方法を含む方法により調製される物品。
【請求項62】
電極装置である、請求項61記載の物品。
【請求項63】
電子装置である、請求項61記載の物品。
【請求項64】
(i) ナノ粒子インクがその上に配置されたチップを設ける工程;
(ii) インク組成物の少なくとも一部がチップから基板上の第1の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第1の位置に近づける工程;
(iii) チップを動かして基板から遠ざける工程; および
(iv) 残りのインクの少なくとも一部がチップから基板上の第2の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第2の位置に近づけることで、パターンを形成する工程
を含む、方法。
【請求項65】
工程(iv)の前に工程(ii)および(iii)を反復する工程をさらに含む、請求項64記載の方法。
【請求項66】
インクをチップ上に配置する工程をさらに含む、請求項64記載の方法。
【請求項67】
インクをチップ上に配置する工程の前にチップを洗浄する工程をさらに含む、請求項66記載の方法。
【請求項68】
インクをチップ上に配置する工程の前にインク組成物をプリベークする工程をさらに含む、請求項66記載の方法。
【請求項69】
インクをチップ上に配置する工程の前にインク組成物を加熱チップ上でプリベークする工程をさらに含む、請求項66記載の方法。
【請求項70】
工程(iii)〜(iv)が、z圧電制御アクチュエータを用いて行われる、請求項64記載の方法。
【請求項71】
工程(iv)が、水メニスカスを実質的に形成せずに行われる、請求項64記載の方法。
【請求項72】
(i) 少なくとも第1の電極および第2の電極を設ける工程; ならびに
(ii) 少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップから第1の電極の第1の部分および第2の電極の第2の部分上に堆積することで、インクをアニールした後に第1の部分と第2の部分の両方と電気接触する連続線を設ける工程
を含む、方法。
【請求項73】
アニールすると、線が約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する、請求項72記載の方法。
【請求項74】
アニールすると、線が1ミクロン未満の幅を有する、請求項72記載の方法。
【請求項75】
チップがポリマーチップである、請求項72記載の方法。
【請求項76】
アニールされたナノ粒子を含む連続線を含む物品であって、該線が、約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率および1ミクロン未満の幅を有する、物品。
【請求項77】
線が50x10-6 ohm-cm未満の抵抗率を有する、請求項76記載の物品。
【請求項78】
線がディップペンナノリソグラフィーで作製される、請求項76記載の物品。
【請求項79】
ナノ粒子が銀を含む、請求項76記載の物品。
【請求項1】
少なくとも1つのチップを設ける工程、
少なくとも1つの基板を設ける工程、
少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップ上に配置する工程であって、該インクが、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含み、かつ少なくとも2,500cpsの粘度を有する、工程
ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップから基板に堆積されるようにチップおよび基板を動かして互いに近づける工程
を含む、方法。
【請求項2】
インクが少なくとも5,000cpsの粘度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
インクが少なくとも6,000cpsの粘度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
インクが少なくとも7,000cpsの粘度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
金属ナノ粒子が銀ナノ粒子である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
インクが少なくとも2g/ccの密度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
インクが40重量%を超える金属含有量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
インクが少なくとも45重量%の金属含有量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
インクが少なくとも55重量%の金属含有量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
インクが少なくとも2,500cpsの粘度、少なくとも2g/ccの密度、および少なくとも45重量%の金属含有量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項11】
ナノ粒子が銀ナノ粒子を含み、ならびに、インクがペーストであり、かつ少なくとも5,000cpsの粘度、少なくとも2g/ccの密度、および少なくとも45重量%の金属含有量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
チップを基板に沿って動かして少なくとも40ミクロンの長さである線を形成する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
チップを基板に沿って動かして約1ミクロン未満の線幅を有する線を形成する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
チップを基板に沿って動かして線を形成する工程、および約100℃〜約200℃の温度で線をアニールする工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
チップを基板に沿って動かして線を形成する工程、および約120℃〜約170℃の温度で線をアニールする工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
チップを基板に沿って動かして線を形成する工程、および線をアニールして2 X 10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する導電線を形成する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
チップを基板に沿って動かして線を形成する工程、および線をアニールして1.1 X 10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する導電線を形成する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項18】
インクがグリセリンを実質的にまたは完全に含まない、請求項1記載の方法。
【請求項19】
インクが反応性インクではない、請求項1記載の方法。
【請求項20】
チップがナノスコピックチップである、請求項1記載の方法。
【請求項21】
チップが走査型プローブ顕微鏡チップまたはAFMチップである、請求項1記載の方法。
【請求項22】
チップがポリマーチップである、請求項1記載の方法。
【請求項23】
チップが中実チップである、請求項1記載の方法。
【請求項24】
チップが中空チップである、請求項1記載の方法。
【請求項25】
チップが親水性チップである、請求項1記載の方法。
【請求項26】
チップを基板に沿って約1ミクロン/秒〜約100ミクロン/秒の速度で動かす工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項27】
チップを基板に沿って約40ミクロン/秒〜約80ミクロン/秒の速度で動かす工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項28】
インク溶媒の蒸発を最小化する制御された環境で堆積が生じる、請求項1記載の方法。
【請求項29】
基板がケイ素、酸化ケイ素、ポリイミド、ITOまたはマイカを含む、請求項1記載の方法。
【請求項30】
基板が複数の導電線を含み、かつ堆積が該線の少なくとも2つの間の導電性を提供する、請求項1記載の方法。
【請求項31】
少なくとも1つのチップまたはスタンプを設ける工程、
少なくとも1つの基板を設ける工程、
少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップまたはスタンプ上に配置する工程であって、該インクが、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含むペーストを含む、工程、
ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップまたはスタンプから基板に堆積されるようにチップまたはスタンプおよび基板を動かして互いに近づける工程
を含む、方法。
【請求項32】
スタンプがポリマースタンプである、請求項31記載の方法。
【請求項33】
スタンプがエラストマースタンプである、請求項31記載の方法。
【請求項34】
スタンプがシリコーンスタンプである、請求項31記載の方法。
【請求項35】
スタンプがマイクロコンタクトプリンティングスタンプである、請求項31記載の方法。
【請求項36】
スタンプが親水処理されている、請求項31記載の方法。
【請求項37】
スタンプがナノパターンを含む、請求項31記載の方法。
【請求項38】
スタンプが少なくとも1つの線パターンを含む、請求項31記載の方法。
【請求項39】
チップよりむしろスタンプが使用され、かつインクがスタンプでの使用に適応している、請求項31記載の方法。
【請求項40】
スタンプよりむしろチップが使用され、かつインクがチップでの使用に適応している、請求項31記載の方法。
【請求項41】
少なくとも1つのチップを設ける工程、
少なくとも1つの基板を設ける工程、
少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップ上に配置する工程、
ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップから基板に堆積されるようにチップおよび基板を動かして互いに近づける工程であって、該インクが、アニール後に約1.1 x 10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する連続線を提供するように調合されている、工程
を含む、方法。
【請求項42】
インクが粘度制御用に調合される、請求項41記載の方法。
【請求項43】
インクが密度制御用に調合される、請求項41記載の方法。
【請求項44】
インクが金属含有量制御用に調合される、請求項41記載の方法。
【請求項45】
インクがグリセリンを含まないように調合される、請求項41記載の方法。
【請求項46】
アニールが200℃未満の温度で行われる、請求項41記載の方法。
【請求項47】
アニールが30分未満の時間行われる、請求項41記載の方法。
【請求項48】
アニールが約100℃〜約150℃の温度で行われる、請求項41記載の方法。
【請求項49】
線が少なくとも5ミクロンの長さである、請求項41記載の方法。
【請求項50】
線が少なくとも40ミクロンの長さである、請求項41記載の方法。
【請求項51】
少なくとも1つの基板を設ける工程、
少なくとも1種類のナノ粒子インクを基板上に直接描画する工程であって、該インクが、アニール後に約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する連続線を提供するように調合されている、工程
を含む、方法。
【請求項52】
ナノ粒子インクを基板に移すためのチップまたはスタンプの使用を含む、請求項51記載の方法。
【請求項53】
インクの粘度が少なくとも2,500cpsである、請求項51記載の方法。
【請求項54】
少なくとも1つのチップを設ける工程、
少なくとも1つの基板を設ける工程、
少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップ上に配置する工程であって、該インクが、少なくとも金属ナノ粒子および少なくとも1種類の溶媒担体を含み、かつ少なくとも45重量%のナノ粒子含有量を有する、工程、
ナノ粒子インクの少なくとも一部がチップから基板に堆積されるようにチップおよび基板を動かして互いに近づける工程
を含む、方法。
【請求項55】
金属ナノ粒子を含むインク組成物から連続金属線を少なくとも25のアスペクト比で描く工程であって、アニールすると該線が約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率を示す工程を含む、方法。
【請求項56】
線が別の特徴に隣接して堆積され、該特徴と線とがスペーシングにより隔てられ、かつスペーシングが約5ミクロン未満である、請求項55記載の方法。
【請求項57】
線が別の特徴に隣接して堆積され、該特徴と線とがスペーシングにより隔てられ、かつスペーシングが約1ミクロン未満である、請求項55記載の方法。
【請求項58】
線が別の特徴に隣接して堆積され、該特徴と線とがスペーシングにより隔てられ、かつスペーシングが約500nm未満である、請求項55記載の方法。
【請求項59】
線が別の特徴に隣接して堆積され、該特徴と線とがスペーシングにより隔てられ、かつスペーシングが約250nm未満である、請求項55記載の方法。
【請求項60】
線が別の特徴の上に堆積される、請求項55記載の方法。
【請求項61】
請求項1記載の方法を含む方法により調製される物品。
【請求項62】
電極装置である、請求項61記載の物品。
【請求項63】
電子装置である、請求項61記載の物品。
【請求項64】
(i) ナノ粒子インクがその上に配置されたチップを設ける工程;
(ii) インク組成物の少なくとも一部がチップから基板上の第1の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第1の位置に近づける工程;
(iii) チップを動かして基板から遠ざける工程; および
(iv) 残りのインクの少なくとも一部がチップから基板上の第2の位置に堆積されるようにチップを動かして基板上の第2の位置に近づけることで、パターンを形成する工程
を含む、方法。
【請求項65】
工程(iv)の前に工程(ii)および(iii)を反復する工程をさらに含む、請求項64記載の方法。
【請求項66】
インクをチップ上に配置する工程をさらに含む、請求項64記載の方法。
【請求項67】
インクをチップ上に配置する工程の前にチップを洗浄する工程をさらに含む、請求項66記載の方法。
【請求項68】
インクをチップ上に配置する工程の前にインク組成物をプリベークする工程をさらに含む、請求項66記載の方法。
【請求項69】
インクをチップ上に配置する工程の前にインク組成物を加熱チップ上でプリベークする工程をさらに含む、請求項66記載の方法。
【請求項70】
工程(iii)〜(iv)が、z圧電制御アクチュエータを用いて行われる、請求項64記載の方法。
【請求項71】
工程(iv)が、水メニスカスを実質的に形成せずに行われる、請求項64記載の方法。
【請求項72】
(i) 少なくとも第1の電極および第2の電極を設ける工程; ならびに
(ii) 少なくとも1種類のナノ粒子インクをチップから第1の電極の第1の部分および第2の電極の第2の部分上に堆積することで、インクをアニールした後に第1の部分と第2の部分の両方と電気接触する連続線を設ける工程
を含む、方法。
【請求項73】
アニールすると、線が約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率を有する、請求項72記載の方法。
【請求項74】
アニールすると、線が1ミクロン未満の幅を有する、請求項72記載の方法。
【請求項75】
チップがポリマーチップである、請求項72記載の方法。
【請求項76】
アニールされたナノ粒子を含む連続線を含む物品であって、該線が、約1.1x10-5 ohm-cm未満の抵抗率および1ミクロン未満の幅を有する、物品。
【請求項77】
線が50x10-6 ohm-cm未満の抵抗率を有する、請求項76記載の物品。
【請求項78】
線がディップペンナノリソグラフィーで作製される、請求項76記載の物品。
【請求項79】
ナノ粒子が銀を含む、請求項76記載の物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2012−524411(P2012−524411A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506138(P2012−506138)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/030928
【国際公開番号】WO2010/120809
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508311352)ナノインク インコーポレーティッド (16)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/030928
【国際公開番号】WO2010/120809
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508311352)ナノインク インコーポレーティッド (16)
【Fターム(参考)】
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