説明

導電軸受機構および画像形成装置

【課題】低コスト且つ小型の構成で導電軸を支持しつつ電気的な接続を確実に行うこと。
【解決手段】導電軸(T2a1)を支持する軸受部(3)と、前記導電軸(T2a1)を導電させる導電部材(7)が収容される導電部材収容部(4+8)と、前記導電部材収容部(4+8)と前記軸受部(3)とを接続し且つ前記導電軸(T2a1)に接触する軸接触端子(7)が装着される軸接触端子装着口(7a)と、を有する軸受部材(2)と、前記軸接触端子(7)を前記導電軸(T2a1)に押圧する軸接触端子押圧部(9d)と、外部端子(1)に所定の押圧力で押圧される外部端子押圧部(9b)と、を有する板バネ状の前記導電部材(9)と、を備えた導電軸受機構。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性の軸を支持する導電軸受機構および前記導電軸受機構を備えたプリンタ、FAX、複写機あるいはこれら全てまたは複数の機能を有する複合機等の画像形成装置に関し、特に、導電性の軸と外部端子との間を導通させる導電部材を有する導電軸受機構および前記導電軸受機構を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置のような電子機器では、モータやローラ等の回転軸を有する部材を備えていることが多い。前記軸自体または軸に支持されたローラが回転すると、摩擦帯電等で静電気が蓄積されることがあり、放電が発生し、発火したり、電波ノイズが発生する恐れがある。このようなことを防止するために、前記軸を導電性の軸により構成し、アース(外部端子)に接続して静電気を逃がす構成が採用されている。また、軸やローラに所定の電圧を印加したい場合にも、前記軸を電源の接続端子に接続することも行われる。
【0003】
前記軸を導通させるための技術として、下記の従来技術(J01)〜(J03)が従来公知である。
(J01)特許文献1(実用新案登録第3093539号公報)、特許文献2(実用新案登録第3093726号公報)、特許文献3(実用新案登録第3093890号公報)、特許文献4(実用新案登録第3094287号公報)記載の技術
前記特許文献1〜4には、回転磁気ヘッド装置において、回転するシャフト(8)の軸端の外方に配置されたステータ(25)に、バネ(27)によりシャフト(8)の軸端に押圧されたアースブラシ(26)または板バネにより構成されたアース部材(26)を設け、シャフト(8)をアースに接続する技術が記載されている。
(J02)特許文献5(特開2000−98682号公報)記載の技術
特許文献5には、二次転写ローラ(7)の軸(32)を受けた導電軸受(30)にダンパバネ(29)を介して接続された中継板(28)に、高電圧発生ユニットの接点(23)を接点バネ(24)により押圧した状態で接触させる技術が記載されている。
【0004】
図10は従来技術の導電部材の説明図である。
(J03)図10に示す技術
図10において、従来の画像形成装置の転写ユニット01では、転写ロール02の軸02aの軸端部に、導電材料(金属等)により構成された板バネ03の先端に圧入または接着された高摺動性樹脂(フッ素樹脂等)のコンタクト(接触端子)04が接触している。前記板バネ03は、転写ユニット01のフレーム06にネジ止めされている。したがって、前記コンタクト04および板バネ03を介して、転写ロール02の軸02aが導通されている。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3093539号公報(図1)
【特許文献2】実用新案登録第3093726号公報(図1)
【特許文献3】実用新案登録第3093890号公報(図1)
【特許文献4】実用新案登録第3094287号公報(図1)
【特許文献5】特開2000−98682号公報(「0027」〜「0034」、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(従来技術の問題点)
前記従来技術(J01),(J02)では、軸を受ける軸受と、アースまたは高圧電源に電気的に接続するための導電機構とが別々に構成されていると共に、電気的に接続するための部品が多く、構成が複雑であるため、部品コストや組立(製造)コストが高くなるという問題がある。また、構成が複雑であるため、故障時に部品交換が容易ではないという問題もある。
前記従来技術(J03)では、コンタクト04が板バネ03に圧入または接着されていると共に、板バネ03がフレーム06にネジ止めされているので、組立性が良くなく、コストもかかる問題がある。特に、前記従来技術(J03)では、板バネ03およびコンタクト04の導電部材が露出しているので、手で触れたり、他の部材に接触するだけで変形し、導通がとれなくなる恐れがある。前記板バネ03およびコンタクト04を保護するためにカバーを装着することが考えられるが、この場合、ユニット01が大型化する恐れがある。
【0007】
本発明は前記事情に鑑み、次の記載内容(O01)を技術的課題とする。
(O01)低コスト且つ小型の構成で導電軸を支持しつつ電気的な接続を確実に行うこと。
【課題を解決するための手段】
【0008】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の構成要素には、後述の実施例の構成要素との対応を容易にするため、実施例の構成要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。
なお、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0009】
(第1発明)
前記技術的課題を解決するために第1発明の導電軸受機構は、
導電軸(T2a1)を支持する軸受部(3,23,BB+42a)と、前記導電軸(T2a1)を導電させる導電部材(7,9,9´,13,14,16,27,29,33,34,35,37)が収容される導電部材収容部(4+8,11+12,28,38)と、前記導電部材収容部(4+8,11+12,28,38)と前記軸受部(3,23,BB+42a)とを接続し且つ前記導電軸(T2a1)に接触する軸接触端子(7,27,37)が装着される軸接触端子装着口(7a,27a,37a)と、を有する軸受部材(2,2′,15,22,32,42)と、
前記軸接触端子(7,27,37)を前記導電軸(T2a1)に押圧する軸接触端子押圧部(9d,16b,29d,35b)と、外部端子(1)に所定の押圧力で押圧される外部端子押圧部(9b,14a,29b)と、を有する板バネ状の前記導電部材(9,9´,13,14,16,29,33,34,35)と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
(第1発明の作用)
前記構成を備えた第1発明の導電軸受機構では、軸受部材(2,2′,15,22,32,42)の軸接触端子装着口(7a,27a,37a)は、導電軸(T2a1)を支持する軸受部(3,23,BB+42a)と、前記導電軸(T2a1)を導電させる導電部材(7,9,9´,13,14,16,27,29,33,34,35,37)が収容される導電部材収容部(4+8,11+12,28,38)とを接続する。前記軸接触端子装着口(7a,27a,37a)には、軸受部材(2,2′,9´,22,32,42)の導電軸(T2a1)に接触する軸接触端子(7,27,37)が装着される。
板バネ状の前記導電部材(9,9´,13,14,16,29,33,34,35)の軸接触端子押圧部(9d,16b,29d,35b)は、前記軸接触端子(7,27,37)を前記導電軸(T2a1)に押圧する。板バネ状の前記導電部材(9,13,14,16,29,33,34,35)の外部端子押圧部(9b,14a,29b)は、外部端子(1)に所定の押圧力で押圧される。
したがって、第1発明の導電軸受機構では、板バネ状の前記導電部材(9,9´,13,14,16,29,33,34,35)によって、軸接触端子(7,27,37)が前記導電軸(T2a1)に押圧され且つ、外部端子押圧部(9b,14a,29b)が外部端子(1)に押圧されるので、導電軸(T2a1)を支持しつつ前記導電軸(T2a1)と外部端子(1)との間で電気的な接続を確実に行うことができる。
また、第1発明の導電軸受機構は、前記軸受部材(2,2′,9´,22,32,42)と軸接触端子(7,27,37)と板バネ状の前記導電部材(9,9´,13,14,16,29,33,34,35)とがユニット化されているので、構成を簡素化でき、組立や故障時等の交換作業を容易に行うことができる。
【0011】
(第1発明の形態1)
第1発明の形態1の導電軸受機構は第1発明において、
前記軸接触端子押圧部(9d,29d)および前記外部端子押圧部(9b,29b)が一体的に形成された板バネにより構成された前記導電部材(9,9´,29)、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
(第1発明の形態1の作用)
前記構成を備えた第1発明の形態1の導電軸受機構では、前記導電部材(9,9´,29)は、前記軸接触端子押圧部(9d,29d)および前記外部端子押圧部(9b,29b)が一体的に形成された板バネにより構成されているので、部品点数を減らすことができ、構成を簡素化できる。
【0013】
(第1発明の形態2)
第1発明の形態2の導電軸(T2a1)受機構は第1発明において、前記軸接触端子押圧部(16b,29d)を有する第1板バネ部材(14,34)と、前記外部端子押圧部(14a)を有する第2板バネ部材(16,35)と、前記第1板バネ部材(14,34)および前記第2板バネ部材(16,35)が固定支持され且つ前記導電部材収容部(11+12,38)に支持された板バネ固定部材(13,33)と、を有する前記導電部材(13,14,16,33,34,35)、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
(第1発明の形態2の作用)
前記構成を備えた第1発明の形態2の導電軸受機構では、前記導電部材収容部(11+12,38)に支持された板バネ固定部材(13,33)は、前記軸接触端子押圧部(16b,35b)を有する第1板バネ部材(14,34)と、前記外部端子押圧部(9b,14a,29b)を有する第2板バネ部材(16,35)とを固定支持する。
したがって、前記導電軸(T2a1)の回転により発生する振動は、前記板バネ固定部材(13,33)により、吸収されるため、前記導電軸(T2a1)を支持しつつ前記導電軸(T2a1)と外部端子(1)との間の電気的な接続を安定して行うことができる。
【0015】
(第1発明の形態3)
第1発明の形態3の導電軸受機構は第1発明または第1発明の形態1および2において、
前記導電軸(T2a1)の軸方向端部に接触する前記軸接触端子(7)、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
(第1発明の形態3の作用)
前記構成を備えた第1発明の形態3の導電軸受機構では、前記軸接触端子(7)は、前記導電軸(T2a1)の軸方向端部に接触する。このため、前記軸接触端子(7)は、前記導電軸(T2a1)の荷重を受けることなく前記導電軸(T2a1)に接触することができる。
【0017】
(第1発明の形態4)
第1発明の形態4の導電軸受機構は第1発明または第1発明の形態1および2において、
前記導電軸(T2a1)の外周面に接触する前記軸接触端子(27,37)、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
(第1発明の形態4の作用)
前記構成を備えた第1発明の形態4の導電軸受機構では、前記軸接触端子(27,37)は、前記導電軸(T2a1)の外周面に接触する。このため、軸端以外の部分で前記導電軸(T2a1)を受けることができる。したがって、例えば、導電軸(T2a1)の軸端にギアを支持することもできる。
【0019】
(第1発明の形態5)
第1発明の形態5の導電軸受機構は第1発明または第1発明の形態1ないし4において、
前記導電軸(T2a1)を回転可能に支持する軸受(BB)および前記軸受(BB)を支持する軸受支持部(42a)により構成された前記軸受部(BB+42a)を有する前記軸受部材(42)、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
(第1発明の形態5の作用)
前記構成を備えた第1発明の形態5の導電軸受機構では、前記軸受(BB)により、前記導電軸(T2a1)を回転可能に支持することができる。
【0021】
(第1発明の形態6)
第1発明の形態6の導電軸受機構は第1発明または第1発明の形態1ないし4において、
すべり軸受(3,23)により構成された前記軸受部(2,2′,15,22,32)、
を備えたことを特徴とする。
【0022】
(第1発明の形態6の作用)
前記構成を備えた第1発明の形態6の導電軸受機構では、前記軸受部(2,2′,15,22,32)はすべり軸受(3,23)により構成されているので、前記導電軸(T2a1)の回転が安定して保持される。
【0023】
(第1発明の形態7)
第1発明の形態7の導電軸受機構は第1発明または第1発明の形態1ないし6において、
アースされたフレームにより構成された前記外部端子(1)、
を備えたことを特徴とする。
【0024】
(第1発明の形態7の作用)
前記構成を備えた第1発明の形態7の導電軸受機構では、前記外部端子(1)はアースされたフレームにより構成されているので、前記導電軸(T2a1)を確実にアースすることができる。
【0025】
(第2発明)
第2発明の画像形成装置(U)は、
第1発明または第1発明の形態1ないし7に記載の導電軸受機構を備えたことを備えたことを特徴とする。
【0026】
(第2発明の作用)
前記構成を備えた第2発明の画像形成装置(U)では、第1発明または第1発明の形態1ないし7に記載の導電軸受機構を備えているので、板バネ状の導電部材(9,9´,13,14,16,29,33,34,35)により確実に電気的に接続できると共に、構成が簡素化され、小型化が可能になり、スペースを効率的に使用することができる。
【発明の効果】
【0027】
前述の本発明は、下記の効果(E01)を奏する。
(E01)低コスト且つ小型の構成で導電軸を支持しつつ電気的な接続を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0029】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の定着装置を備えた画像形成装置の全体説明図である。
図1において、実施例1の画像形成装置(デジタル複写機)Uは、プリンタ(画像形成装置本体)U1、イメージスキャナU2、自動原稿搬送装置U3を有している。
前記自動原稿搬送装置U3は、イメージスキャナU2上面のプラテンガラスPG上に支持されている。
【0030】
前記自動原稿搬送装置U3は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて載置される原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に載置された複数の各原稿Giは順次プラテンガラスPG上の複写位置(プラテンロールGR1の圧接位置)を通過して原稿排出ロールGR2から原稿排紙トレイTG2に排出されるように構成されている。
前記自動原稿搬送装置U3は、その後端部(−X端部)に設けた左右方向(Y軸方向)に延びるヒンジ軸(図示せず)により前記プラテンガラスPG上面に対して回動可能であり、原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置く場合に上方に回動される。
【0031】
前記イメージスキャナU2は、ユーザがコピースタート等の作動指令信号を入力操作するUI(ユーザインタフェース)(図1、図5参照)を有している。
前記透明なプラテンガラスPGの下方には原稿画像を読み取るための露光光学系Aが配置されている。
前記自動原稿搬送装置U3でプラテンガラスPG上面に搬送されて前記複写位置を通過する原稿または手動でプラテンガラスPG上に置かれた原稿(図示せず)からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、CCD(固体撮像素子)で電気信号に変換される。
IPS(イメージプロセッシングシステム)は、CCDから入力されるR,G,B(レッド、グリーン、ブルー)の電気信号をY,M,C,K(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)の画像データ(デジタルデータ)に変換して一時的に記憶し、前記画像データを所定のタイミングで潜像形成用の画像データとしてレーザ駆動回路DLに出力する。
レーザ駆動回路DLは、入力された画像データに応じてレーザ駆動信号をROS(潜像形成装置)のレーザダイオード(図示せず)に出力する。なお、前記UI(ユーザインタフェース)、IPSおよびレーザ駆動回路DLと、後述の現像ロールR0、転写ロールT1,2次転写ロール(シート転写部材)T2b等にバイアス電圧を印加する電源回路E等の動作はコントローラCにより制御される。
【0032】
前記IPSが出力するYMCKの4色の画像データ(レーザ駆動データ)が入力されたレーザ駆動回路DLは、入力された前記各色の画像データに応じた各色のレーザ駆動信号を所定のタイミングで、各色のROS(潜像形成装置)に出力する。
【0033】
回転可能な各像担持体(感光体)Py,Pm,Pc,Pkの表面はその回転時に帯電領域を通過する際、それぞれの帯電ロール(帯電部材)CRにより一様に帯電された後、潜像形成位置を通過する際、前記各色のROS(潜像形成装置)の出力する光ビームLによりその表面に静電潜像が形成される。前記像担持体Py,Pm,Pc,Pk表面の静電潜像はそれぞれ、各現像器(現像装置)Gy,Gm,Gc,Gkと対向する現像領域において各色YMCKのトナー像に現像される。なお、前記各現像器Gy,Gm,Gc,Gkは、各色のトナーを収容した現像容器と、前記現像容器に回転可能に支持され且つ前記像担持体Py,Pm,Pc,Pk表面の静電潜像にトナーを搬送してトナー像に現像する現像ロールR0を有している。なお、前記各色の現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像容器にはトナーカートリッジTY〜TKから各色のトナーが補給されるように構成されている。
【0034】
前記現像された各色YMCKのトナー像は、前記各像担持体Py,Pm,Pc,Pkとエンドレスの中間転写ベルト(像担持体)Bとが接触する1次転写領域Q3に搬送される。前記各1次転写領域Q3において中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写ロールT1には、コントローラCにより制御される電源回路Eから所定のタイミングで現像剤の帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。前記各像担持体Py〜Pk上のトナー像は前記各1次転写ロールT1に対向する1次転写領域Q3において中間転写ベルトBに重ねて1次転写される。1次転写後の像担持体Py,Pm,Pc,Pk表面の残留トナーは、像担持体クリーナCLpで除去される。
【0035】
前記各像担持体Py〜Pk、各色のROS(潜像形成装置)、各色の現像器Gy〜Gkによって、前記各像担持体Py〜Pk上に各色のトナー像を形成する各色のトナー像形成装置UY(Py+ROS+Gy),UM(Pm+ROS+Gm),UC(Pc+ROS+Gc),UK(Pk+ROS+Gk)が構成される。
【0036】
前記各色の像担持体Py,Pm,Pc,Pkの下方には左右一対のスライドレールSR,SRによりスライドフレームF1が前後方向(紙面に垂直な方向、すなわち、X軸方向)にスライド移動可能に支持されている。スライドフレームF1にはベルトモジュールBMのベルトフレームF2が上昇した動作位置(像担持体Py〜Pkに接触する位置)と下方に移動したメンテナンス位置(像担持体Py〜Pkから下方に離れた位置)との間で昇降可能に支持されている。前記ベルトモジュールBMが前記ベルトメンテナンス位置に下降した状態では、前記スライドフレームF1およびこれに支持されたベルトモジュールBMを、前記像担持体Py〜Pkと摩擦接触させることなく、画像形成装置本体U1に対して出入させることができるように構成されている。
前記スライドフレームF1を前後移動させる構成およびベルトモジュールBMを昇降させる構成は、従来公知(例えば、特開平8−171248号公報参照)であり、従来公知の種々の構成を採用することが可能である。
【0037】
前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、ベルト駆動ロールRd、テンションロールRt、ウォーキングロールRw、複数のアイドラロール(フリーロール)RfおよびバックアップロールT2aを含むベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)と、前記4個の1次転写ロールT1とを有している。そして、前記中間転写ベルトBは前記ベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)により矢印Ya方向に回転移動可能に支持されている。
【0038】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写ロール(シート転写部材)T2bが配置されており、中間転写ベルトBおよび2次転写ロールT2bの対向する領域には2次転写領域(シート転写領域)Q4が形成される。前記2次転写ロールT2bにはコントローラCにより制御される電源回路Eから所定のタイミングで現像剤の帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。前記2次転写ロールT2bに対向して配置された前記バックアップロールT2aはアース(接地)されており、前記2次転写ロールT2bに2次転写電圧が印加されたときには、前記2次転写ロールT2bおよびバックアップロールT2a間には2次転写電界が形成される。前記バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bにより2次転写器T2が構成される。
前記4個の1次転写ロールT1および中間転写ベルトBを含むベルトモジュールBMと、2次転写器T2等により、トナー像形成装置(UY,UM,UC,UK)の像担持体Py〜Pk表面に形成されたトナー像を記録シートSに転写する転写装置(BM+T2)が構成されている。
【0039】
プリンタ(画像形成装置本体)U1の下部には、シートSを収容した給紙トレイTR1〜TR3および給紙用搬送路SH1が設けられている。また、前記給紙用搬送路SH1には手差トレイTR4から給紙できるように構成されている。前記給紙トレイTR1〜TR3に収容されたシートSは、所定のタイミングでピックアップロールRpにより取り出され、さばきロールRsで1枚づつ分離されて、搬送ロールRaによりレジロールRrに搬送される。また、手差トレイTR4から給紙されたシートは搬送ロールRaによりレジロールRrに搬送される。前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、前記中間転写ベルトBに1次転写された多重トナー像または単色トナー像が2次転写領域Q4に移動するのにタイミングを合わせて、2次転写領域Q4に搬送される。
前記2次転写領域Q4を記録シートSが通過する際、2次転写ロールT2bに前記2次転写電圧が印加されるので、前記中間転写ベルトBに重ねて1次転写されたカラートナー像は、前記2次転写領域Q4において一括して記録シートSに2次転写される。
2次転写後の中間転写ベルトBはベルトクリーナCLbにより残留トナーが除去される。
【0040】
トナー像が2次転写された前記記録シートSは、転写後シートガイドSG、シート搬送ベルトHBにより定着領域Q5に搬送され、定着領域Q5を通過する際に、加熱ロールFhと加圧ロールFpとにより構成された定着装置Fにより加熱定着される。トナー像が定着された記録シートSは、シート排出路SH2または両面記録用搬送路SH3に搬送される。シート排出路SH2に搬送されたシートは前記排紙トレイTRhに排出され、シート反転路SH3に搬送されたシートは表裏反転された後、シート循環路SH4から前記レジロールRrに再送される。
前記符号Rp,Rs,Rr,SG,BH,SH1,SH2,SH3,SH4等で示された要素によりシート搬送装置SHが構成されている。
【0041】
図2は、実施例1の導電軸受機構の要部拡大図である。
図3は、実施例1の軸受け部材の後面図である。
図4は、実施例1の板ばねの説明図であり、図4Aは板ばねの上面図、図4Bは図4Aの矢印IVBからみた図である。
図2、図3において画像形成装置Uの後部には、ロール支持フレーム1が配置されている。前記ロール支持フレーム1には軸受け装着孔1aが形成されている。前記軸受け装着孔1aには、樹脂で構成された軸受け部材2が装着されている。前記軸受部材2の前端部外周には、前記フレーム1の前面に係止されるフランジ部FLが形成されている。
前記軸受け部材2の前面には、円筒凹部形状のすべり軸受け部3が形成されている。前記すべり軸受け部3は、前記バックアップロールT2aの軸T2a1の軸方向後端部を回転可能に支持している。
【0042】
図2、図3において、前記軸受け部材2の後面には、直方体状のコンタクト収容凹部4が形成されている。前記コンタクト収容凹部4の前壁4aには、円筒凹部形状のすべり軸受け部3の軸の中心に対応し、前記すべり軸受け部3に貫通する接触導電部材貫通孔6が形成されている。前記接触導電貫通孔6には、前記接触導電部材貫通孔6の軸の中心に対応した軸を持ち、前記転写ロールの軸RTa後面と接触する接触部7aを有する導電性のコンタクト(接触導電端子)7が装着されている。
前記コンタクト収容凹部4の上部には、前記コンタクト収容凹部4に連続して形成され、且つ、コンタクト収容凹部4よりも前後方向(X軸方向)に長い直方体状の板ばね装着凹部8が形成されている。前記板ばね装着凹部8の側壁8aには、前後方向(X軸方向)に延びる一対のガイド溝8bが形成されている。前記板ばね装着凹部8の前端部上面には、前記軸受け部材2の上壁2aを貫通する板ばね貫通孔8cが形成されている。前記コンタクト収容凹部4および板ばね装着凹部8により、導電部材収容部(4+8)が構成されている。
【0043】
図4において、前記導電部材収容部(4+8)には、導電性の板ばね9が支持されている。前記板ばね9は、左右方向(Y軸方向)に突出する被ガイド部9a1,9a1が形成された中央部9aを有する。前記板ばね9の前記中央部9aの前側(X側)端部には、円弧状のフレーム接触部9bが形成されている。前記板ばね9の前記フレーム接触部9bとは逆の先端部には、下方に折り曲げられた折り曲げ部9cが形成されており、折り曲げ部9cの下端部には、円弧状のコンタクト支持部9dが形成されている。
前記板ばね9は、前記板ばね装着凹部8に挿入された際に、前記被ガイド部9a1,9a1が前記ガイド溝8bにガイドされ支持される。
このとき、前記フレーム接触部9bは、前記板ばね貫通孔8cを貫通して上方に突出し、前記ロール支持フレーム1の軸受け装着孔1aの表面に接触する。前記コンタクト支持部9cは、前記コンタクト7の後面(−X面)に接触し、前記板ばね9の弾性力で前記コンタクト7を前方に押圧する。
前記フレーム、フランジ部、軸受け部材、軸受け部、コンタクト収容凹部、接触導電貫通孔、コンタクト、板ばね装着凹部、板ばねにより、実施例1の導電軸受け機構が構成されている。
【0044】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた本発明の実施例1では、板ばね9は、前記ガイド溝8bに支持されながら軸受け部材2の後面から前方向(X方向)に挿入される。このとき、前記板ばね9の円弧状のフレーム接触部9bは、前記板ばね装着凹部8の前端部上面に形成された板ばね貫通孔8cに貫通し、前記板ばね貫通孔8bに引っ掛かる。これにより、前記板ばね9は位置決めされ、前記板ばね9のコンタクト支持部9dは、コンタクト(接触導電端子)7の後面を前方に押圧する。
このため、板ばね9の円弧状のコンタクト支持部9dがコンタクト7を確実に前方に押し込むので、前記コンタクト7は、すべり軸受け部3に支持されたバックアップロールT2aの軸T2a1の後方端面と接触したまま保持される。
したがって、前記コンタクト7および板ばね9により、実施例1の導電軸受け機構はバックアップロールT2aと画像形成装置Uのフレーム1とを確実に導通しアース(接地)することが可能である。
【0045】
実施例1の導電軸受け機構では、軸受け部材2と、アース可能な部材としての画像形成装置Uに電気的に接続するための導電機構であるコンタクト7や板ばね9と、がユニット化されている。したがって、構成が簡素化され、故障時等の交換作業を容易に行うことができる。
また、構成が簡素化されることで前記導電軸受け機構の小型化が可能になり、スペースを効率的に使用することができるので、部品コストや組立コストを低く抑えることができる。
【0046】
前記板ばね9は、ガイド溝8bにガイドされ、板ばね貫通孔8cにより位置決めされる。このため、本発明では、ネジやカシメを使用したり、接着等の工具等を必要とする作業を行わずに、軸受け部材2を容易に組み立てることができる。したがって、部品コストや組立コストを低く抑えることができる。
さらに、実施例1の導電軸受機構では、導電部材である前記板ばね9は、前記軸受け部材2の内部に配置される。このため、前記板ばね9は前記軸受け部材2の外部に露出しないので、作業者の手や他の部材と接触して生じる前記板ばね9の変形による導通の遮断を防止することができる。
また、実施例1の導電軸受機構では、コンタクト7が軸T2a1の軸端に接触しているので、コンタクト7がバックアップロールT2aの荷重を受けることなく接触でき、荷重が作用する場合に比べて磨耗や破損等を低減することができる。
【0047】
(実施例2)
図5は、実施例2の導電軸受け機構の要部拡大図であり、図5Aは導電軸受機構の拡大図、図5Bは板ばねの上面図である。
本発明の実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図5において、実施例2の軸受け部材2′の板ばね装着凹部8の側壁8aには、ガイド溝8b1´が形成されている。前記ガイド溝8b1´の中央部下面(−Z面)には、後側下方向(−X側−Z方向)に向かって延びる左右一対の抜け止め溝8b2´が形成されている。前記抜け止め溝8b2´では、先端部に近づくほど狭く形成されている。
【0048】
実施例2において、板ばね9´は、実施例1と同様に導電部材収容部(4+8)に支持されている。実施例2の板ばね9´の中央部9a´には、左右対称な一対のL字形状の被ガイド部9a1´,9a1´が形成されている。前記被ガイド部9a1´,9a1´は、板ばね状に構成されており、先端部は、中央部9a´に対して後側下方向(−X側−Z方向)に延びている(図5A参照)。
図5において、前記板ばね9´は、前記板ばね装着凹部8に挿入される際に、前記被ガイド部9a1´,9a1´が前記ガイド溝8b´1にガイドされ、支持される。このとき、板ばね状の前記被ガイド部9a1´,9a1´の先端部が、板ばねの弾性復元力により前記抜け止め溝8b2´に嵌り込み、前記板ばね9´は抜け止めされる。
【0049】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた本発明の実施例2では、板ばね装着凹部8´への装着時において、板ばね9´の中央部9a´に形成された被ガイド部9a1´,9a1´の後側端部(−X側端部)は、前記抜け止め部8b2´に嵌り込むので、前記板ばね9´は抜け止めされ、確実に位置決めされる。したがって、実施例2は、実施例1に比べてより確実にバックアップロールT2aと画像形成装置Uのフレーム1とを導通しアース(接地)することが可能である。
また、実施例2は、前記板ばねガイド溝8b1´および板ばね9´の構成を除いては前記実施例1と同様の構成を有するので、前記実施例1と同様の作用を奏する。
【0050】
(実施例3)
図6は、実施例3の導電軸受け機構の要部拡大図である。
本発明の実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図6において、フレーム軸受けの装着孔1aには、樹脂で構成された軸受け部材15が装着されている。前記軸受け部材15の上部には、上面が開放された板ばね固定部材収容部11が形成されている。前記板ばね固定部材収容部11の後側下部には、前記板ばね固定部材収容部11に連続して形成され、且つ、下方に延び板ばね固定部材収容部11よりも前後方向(X側方向)に短い直方体状のコンタクト収容部12が形成されている。前記コンタクト収容部12の前壁には、実施例1と同様の接触導電部材貫通孔6が形成されている。
前記板ばね固定部材収容部11とコンタクト収容部12とにより、導電部材収容部(11+12)が形成されている。
【0051】
前記板ばね固定部材収容部11の内部には、金属製の板ばね固定部材13が、前記板ばね固定収容部11の側壁11aにより固定支持されている。前記固定部材13は上面側の第1板ばね部材支持面13aと、第2板ばね部材支持面13bとを有する。前記上面部13aには、第1板ばね部材14がネジ止めにより固定支持されている。
前記第1板ばね部材14の円弧状の外部端子押圧部14aは、上方に突出し、ロール支持フレーム1の軸受け装着孔1a表面に接触する。
【0052】
図6において、前記板ばね固定部材13の下面の第2板ばね部材支持面13bには、第2板ばね部材16が固定支持されている。前記第2板ばね部材16は、前記第2板ばね部材支持面13bの後方で下方に折り曲げられた折り曲げ部16aを有し、前記折り曲げ部16aの下端部には、円弧状のコンタクト支持部(軸接触端子押圧部)16bが形成されている。
前記コンタクト支持部16bは実施例1のコンタクト支持部9dと同様に形成されており、前記接触導電部貫通孔6に装着されたコンタクト(接触導電端子)7の後面に接触し、前記コンタクト7を前方に押圧する。
前記板ばね固定部材13と第1板ばね部材14と第2板ばね部材16とにより、実施例2の板ばね状の導電部材(13+14+16)が構成されている。
【0053】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた本発明の実施例3では、板ばね状の導電部材(13+14+16)のコンタクト支持部16bは、コンタクト(接触導電端子)7の後面を前方に押圧する。このため、第2板ばね部16の円弧状のコンタクト支持部16bがコンタクト7を確実に前方に押し込むので、前記コンタクト7は、すべり軸受け部3に支持されたバックアップロールT2aの軸T2a1の後方端面と接触したまま保持される。
前記第1板ばね部材14の円弧状の外部端子押圧部14aは、上方に突出し、ロール支持フレーム1の軸受け装着孔1a表面に接触する。
したがって前記コンタクト7および板ばね状の導電部材(13+14+16)により、実施例2の導電軸受け機構はバックアップロールT2aと画像形成装置Uのフレーム1とを確実に導通しアース(接地)することが可能である。
【0054】
実施例3の導電軸受け機構では、軸受け部材2と、アース可能な部材としての画像形成装置Uに電気的に接続するための導電機構であるコンタクト7や板ばね状の導電部材(13+14+16)と、がユニット化されている。したがって、故障時等の交換作業を容易に行うことができる。
また、前記導電軸受け機構の小型化が可能になり、スペースを効率的に使用することができる さらに、前記構成により、導電部材である前記板ばね状の導電部材(13+14+16)は、前記軸受け部材15の内部に配置される。このため、実施例3の前記板ばね状の導電部材(13+14+16)は前記軸受け部材15の外部に露出しないので、作業者の手や他の部材と接触して生じる前記板ばね状の導電部材(13+14+16)の変形による導通の遮断を防止することができる。
【0055】
さらに、実施例3の導電軸受機構では、導電部材(13+14+16)は、第1板バネ14と第2板バネ16とが固定部材13に支持されているので、バックアップロールT2aの回転時の振動が、第2板バネ16に伝わっても、固定部材13で吸収できる。よって、振動の悪影響が低減され、バックアップロールT2aとフレーム1とを安定して電気的に接続することができる。
【0056】
(実施例4)
図7は、実施例4の導電軸受機構の説明図であり、図7Aは導電軸受け機構の拡大図、図7Bは板ばねの上面図である。
本発明の実施例4の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例4は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図7において、実施例4の軸受け部材22のすべり軸受け部23は、実施例1のすべり軸受部3と異なり、軸T2a1が前後方向(X軸方向)に貫通可能に構成されている。前記すべり軸受け部23を貫通したバックアップロールT2aの軸T2a1は、後部の外周面が前記軸貫通孔23に回転可能に支持され且つ、後端が後部(−X部)に突出している。
【0057】
実施例4の軸受け部材22は、前記実施例1の軸受け部材22においてコンタクト収容凹部4が省略され、前後方向(X軸方向)に延びる直方体の板ばね収容凹部28のみを有する。前記を板ばね装着凹部28の側壁28aには、前後方向(X軸方向)に延びるガイド溝28bが形成されている。前記板ばね装着凹部28の前端部上面には、前記軸受け部材22の上壁22aを貫通する板ばね貫通孔28cが形成されている。前記板ばね装着凹部28の前端部下面には、上下方向(Z軸方向)に貫通する接触導電貫通孔26が形成されている。前記接触導電貫通孔26には、下面が前記バックアップロールの軸T2a1の外周面と接触する接触部27aを有する導電性のコンタクト(接触導電端子)27が装着されている。
【0058】
図7において、実施例2の前記板ばね収容凹部28には、前方向にU字形状に折り曲げられた板ばね29が装着されている。
前記板ばね29は、左右両側(Y軸方向)に突出する被ガイド部29a1,29a1が形成された中央部29aを有する。前記板ばね29の前記中央部29aの上側端部(Z側端部)には、円弧状のフレーム接触部29bが形成されている。前記板ばね29の前記フレーム接触部29bとは逆の下側先端部には、円弧状のコンタクト支持部29dが形成されている。
前記板ばね29は、前記板ばね装着凹部28に挿入された際に、前記被ガイド部29a1,29a1が前記ガイド溝28bにガイドされ支持される。
このとき、前記フレーム接触部29bは、前記板ばね貫通孔28cを貫通して上方に突出し、前記ロール支持フレーム1の軸受け装着孔1aの表面に接触する。前記コンタクト支持部29cは、前記コンタクト27の上面(Z面)に接触し、前記板ばね29の弾性力で前記コンタクト27を下方に押圧する。
【0059】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた本発明の実施例3では、前記すべり軸受け部23には、バックアップロールT2aの軸T2a1が、前記軸貫通孔23の後部(−X部)に突出し、前記ロール貫通孔23aに外周面を担持された状態で回転可能に貫通し、支持されている。このため、前記バックアップロールT2aの軸T2a1の後端部(−X端部)には、ギア等の他部材を取り付けることができる。
板ばね29は、実施例1の板ばねと同様に、前記ガイド溝28bに支持されながら軸受け部材22の後面から前方向(X方向)奥に挿入されて装着され、フレーム接触部29bがフレーム1に押圧され、コンタクト支持部29dは、コンタクト(接触導電端子)27の上面を下方に押圧する。
【0060】
このため、前記コンタクト27は、すべり軸受け部23に支持されたバックアップロールT2aの軸T2a1の外周面と接触した状態で保持され、且つ、前記フレーム接触部29bがフレーム1と確実に接触する。したがって、前記実施例1と同様に、実施例3の導電軸受機構も、バックアップロールT2aとフレーム1とを確実に導通できると共に、ユニット化による小型化、構成の簡素化を実現できる。また、実施例3の導電軸受機構では、前記コンタクト27は、軸T2a1の外周面に上方から接触しているので、軸T2a1の荷重が作用しない。したがって、軸T2a1の回転に伴う、コンタクト27の磨耗や破損を低減することができる。
【0061】
(実施例5)
図8は、実施例5の導電軸受機構の要部拡大図である。
本発明の実施例5の説明において、前記実施例4の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例5は、下記の点で前記実施例3,4と相違しているが、他の点では前記実施例3,4と同様に構成されている。
図8において、実施例5のすべり軸受け部材32は、実施例4のすべり軸受け部23と同様に構成されたすべり軸受け部23を有する。
また、前記軸受け部材32は、前記実施例4と同様に形成された前後方向(X軸方向)に延びる直方体の板ばね収容凹部38を有する。
【0062】
図8において、実施例5の前記板ばね収容凹部38の内部には、実施例3の板ばね固定部材と同様に構成された金属製の板ばね固定部材33が、固定支持されており、前記板ばね固定部材33の上面側の第1板ばね部材支持面33aの前記上面部33aには、第1板ばね部材34がネジ止めにより固定支持されている。
【0063】
図8において、前記板ばね固定部材33の下面の第2板ばね部材支持面33bには、第2板ばね部材35が固定支持されている。前記第2板ばね部材35の前端部には、円弧状のコンタクト支持部(軸接触端子押圧部)35bが形成されている。
前記コンタクト支持部35bは実施例4のコンタクト支持部29dと同様に形成されており、前記接触導電部貫通孔36に装着されたコンタクト(接触導電端子)37の上面に接触し、前記コンタクト37を下方に押圧する。
前記板ばね固定部材33と第1板ばね部材34と第2板ばね部材35とにより、実施例5の板ばね状の導電部材(33+34+35)が構成されている。
【0064】
(実施例5の作用)
前記構成を備えた本発明の実施例5では、板ばね状の導電部材(33+34+35)のコンタクト支持部35bは、コンタクト(接触導電端子)37の上面を下方に押圧する。このため、第2板ばね部35の円弧状のコンタクト支持部35bがコンタクト37を確実に下方に押し込むので、前記コンタクト37は、すべり軸受け部3に支持されたバックアップロールT2aの軸T2a1の外周面と接触したまま保持される。また、前記第1板ばね部材34の前側先端部は、板ばね貫通孔28cを貫通して上方に突出し、前記ロール支持フレーム1の軸受け装着孔1aの表面に接触する。
したがって、実施例5は、前記実施例4と同様にバックアップロールT2aとフレーム1とを確実に導通できる。また、実施例3と同様に、固定部材33を有する導電部材により、振動による悪影響を低減でき、安定して導通できる。
【0065】
(実施例6)
図9は、実施例6の導電軸受機構の要部拡大図である。
本発明の実施例6の説明において、前記実施例4の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例6は、下記の点で前記実施例4と相違しているが、他の点では前記実施例4と同様に構成されている。
図9において、実施例6の軸受け部材42は、実施例4のすべり軸受部23に替えて、前側に形成された軸受支持部42aと、軸受支持部42aの後方に形成され且つ前記バックアップロールT2aの軸T2a1が貫通する円筒状の軸貫通部42bとを有する。前記軸受支持部42aには、バックアップロールT2aの軸T2a1の外周面を支持するボールベアリング(転がり軸受)BBが支持されている。したがって、実施例6では、前記バックアップロールT2aの軸T2a1は、前記ボールベアリングBBに回転可能に支持されており、ボールベアリングBBおよび軸受支持部42aにより軸受部(BB+42a)が構成されている。
【0066】
また、実施例6の軸受部材42では、フランジ部FLが省略されており、上壁42aの貫通板ばね貫通孔8c′の部分に、フレーム1が嵌合することにより軸受部材42が装着されるように構成されている。したがって、先ず、軸受部材42をフレーム1に装着した後で、ボールベアリングBBにおよび軸T2a1を前側から挿入し、ボールベアリングBBをベアリング固定部材44で固定することで、軸T2a1をフレーム1に電気的に接続した状態で固定できる。なお、実施例6の軸受け部42では、バックアップロールT2aの軸T2a1をボールベアリングBBに圧入した後に、前記バックアップロールT2aの軸T2a1とボールベアリングBBとを一体的に前記軸受け部材42に挿入、装着している。
また、実施例6の軸受け部材42には実施例3と同様のコンタクト(接触導電端子)27、板ばね29が設けられており、前記軸受け部材42とコンタクト(接触導電端子)27と板ばね29およびボールベアリングBBとにより、実施例6の導電軸受け機構(27+29+42+BB)が構成されている。
【0067】
(実施例6の作用)
前記構成を備えた本発明の実施例6では、板ばね29は、実施例1の板ばねと同様に、前記ガイド溝28bに支持されながら軸受け部材42の後面から前方向(X方向)奥に挿入されて装着され、フレーム接触部29bがフレーム1に押圧され、コンタクト支持部29dは、コンタクト(接触導電端子)27の上面を下方に押圧する。
このため、前記コンタクト27は、ボールベアリングBBに支持されたバックアップロールT2aの軸T2a1の外周面と接触した状態で保持され、且つ、前記フレーム接触部29bがフレーム1と確実に接触する。
したがって、実施例6は、前記実施例4と同様にバックアップロールT2aとフレーム1とを確実に導通できる。
また、ボールベアリングBBと軸受け部材42をユニット化でき、ボールベアリングBBと軸受け部材42を別個にフレーム1に装着する場合に比べて、軸受け装着孔1aを共通化できる。
【0068】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置としての複写機を例示したが、これに限定されず、FAXやプリンタあるいはこれらすべてまたは複数の機能を備えた複合機とすることも可能である。また、カラーの画像形成装置に限定されず、モノクロの画像形成装置により構成することも可能であり、いわゆるロータリ式の画像形成装置に限定されず、タンデム式等の画像形成装置にも適用可能である。
【0069】
(H02)前記実施例において、バックアップロールT2aの導電軸受機構を例示したが、これに限定されず、電気的に接続が必要な軸受部分に組み込むことが可能である。したがって、アースされる感光体Py、Pm,Pc,Pkや静電気が溜まる可能性のある回転ロール(例えば、駆動ロールRd等)等の軸受として使用することが可能である。
(H03)前記実施例において、外部端子として、アースされたフレーム1を例示したが、これに限定されず、バイアスが印加される回転ロールの軸受として使用する場合には、外部端子としての電源端子に接続することも可能である。例えば、転写ロールT1、T2bや現像ロール等の導電軸受機構として使用することも可能である。
(H04)前記実施例において、導電軸受機構は、軸の一端部に設ければ十分であるが、両端部に設けることも可能である。
(H05)前記実施例において、回転する軸T2a1に限定されず、固定軸を支持することも可能である。
(H06)前記実施例6において、導通軸受け機構の組み立てる際に、まず、前記ボールベアリングBBにバックアップロールT2aの軸T2a1を圧入したあとで軸受部材42に挿入、装着したが、軸受け部材42にボールベアリングBBを装着した後にバックアップロールT2aの軸T2a1を装着することも可能である。
(H07)前記実施例において、画像形装置本体内部に固定支持されたバックアップロールT2aの軸T2a1に導電軸受け機構が設けられたが、これに限定されず、画像形成装置本体に対して、開放位置と閉塞位置との間を開閉可能な開閉カバーに支持されたシート搬送ロール等に導電軸受け機構を設けることも可能である。なお、前記開閉カバーのシート搬送ロールに設けられた前記導電軸受け機構を有する画像形成装置では、前記開閉カバー開放位置に移動した状態でも前記シート搬送ロールの軸に帯電した静電気を除去できるように、前記導電軸受け機構のフレーム1を、画像形成装置本体内部に配置されているアース(接地)されたフレームに導通させるような構成にすることが望ましい
(H08)前記実施例2において、板ばね9´の中央部9a´に形成された、先端部が中央部9a´に対して後側下方向(−X側−Z方向)に延びるL字形状の板ばね状の被ガイド部9a1´,9a1´を有する板ばね9´が使用されているが、前記板ばね9´を実施例1の導電軸受け機構に使用することも可能である。この場合、板ばね9´が実施例1の導電軸受機構の板ばね装着凹部8に挿入、装着された状態で、被ガイド部9a1´,9a1´が前記板ばね装着凹部8の下面に接触し、摩擦力を発生させるため、板ばね9´は、従来の実施例1よりも安定して支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は本発明の実施例1の定着装置を備えた画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は、実施例1の導電軸受け機構の要部拡大図である。
【図3】図3は、実施例1の軸受け部材の後面図である。
【図4】図4は、実施例1の板ばねの説明図であり、図4Aは板ばねの上面図、図4Bは図4Aの矢印IVBからみた図である。
【図5】図5は、実施例2の導電軸受け機構の要部拡大図であり、図5Aは導電軸受機構の拡大図、図5Bは板ばねの上面図である。
【図6】図6は、実施例3の導電軸受け機構の要部拡大図である。
【図7】図7は、実施例4の説明図であり、図7Aは導電軸受け機構の拡大図、図7Bは板ばねの上面図である。
【図8】図8は、実施例5の導電軸受け機構の要部拡大図である。
【図9】図9は、実施例6の導電軸受け機構の要部拡大図である。
【図10】図10は従来技術の導電部材の説明図である。
【符号の説明】
【0071】
1・・・外部端子、
2,2′,22,32,42・・・軸受部材、
3,23・・・すべり軸受、
3,23,BB+42a・・・軸受部、
7,9,13,14,16,27,29,33,34,35,37・・・導電部材、
4+8,11+12,28,38・・・導電部材収容部、
42a・・・軸受支持部、
7,9,13,14,16,27,29,33,34,35,37・・・導電部材、
7,27,37・・・軸接触端子、
7a,27a,37a・・・軸接触端子装着口、
9,13,14,16,29,33,34,35・・・板バネ状の導電部材、
9b,14a,29b・・・外部端子押圧部、
9d,16b,29d,35b・・・軸接触端子押圧部、
14,34・・・第1板バネ部材、
16,35・・・第2板バネ部材、
BB・・・軸受、
T2a1・・・導電軸。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電軸を支持する軸受部と、前記導電軸を導電させる導電部材が収容される導電部材収容部と、前記導電部材収容部と前記軸受部とを接続し且つ前記導電軸に接触する軸接触端子が装着される軸接触端子装着口と、を有する軸受部材と、
前記軸接触端子を前記導電軸に押圧する軸接触端子押圧部と、外部端子に所定の押圧力で押圧される外部端子押圧部と、を有する板バネ状の前記導電部材と、
を備えたことを特徴とする導電軸受機構。
【請求項2】
前記軸接触端子押圧部および前記外部端子押圧部が一体的に形成された板バネにより構成された前記導電部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の導電軸受機構。
【請求項3】
前記軸接触端子押圧部を有する第1板バネ部材と、前記外部端子押圧部を有する第2板バネ部材と、前記第1板バネ部材および前記第2板バネ部材が固定支持され且つ前記導電部材収容部に支持された板バネ固定部材と、を有する前記導電部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の導電軸受機構。
【請求項4】
前記導電軸の軸方向端部に接触する前記軸接触端子、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の導電軸受機構。
【請求項5】
前記導電軸の外周面に接触する前記軸接触端子、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の導電軸受機構。
【請求項6】
前記導電軸を回転可能に支持する軸受および前記軸受を支持する軸受支持部により構成された前記軸受部を有する前記軸受部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の導電軸受機構。
【請求項7】
すべり軸受により構成された前記軸受部、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の導電軸受機構。
【請求項8】
アースされたフレームにより構成された前記外部端子、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の導電軸受機構。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の導電軸受機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−307710(P2007−307710A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−136010(P2006−136010)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】