説明

少なくとも一つの長尺物体の保持装置

【課題】 僅かな所要スペースを特徴とする対象物体の保持の装置を提供する。
【解決手段】 長尺の対象物体を保持する装置は、少なくとも1つの底部側壁部分(4,9)と、相互に対向する側方壁部分(5,10)と,底部側壁部分(4,9)の一つまたはその各々に対向する少なくとも1つの揺動自在なカバー部分(6,11)とを有し、壁部分(4,5,9,10)、およびカバー部分(6,9)の一つまたはその各々は、受容スペース(7)を囲む。
少なくとも1つのカバー部分(6,11)には、受容スペース(7)内に延び第2端を壁部分(4,5,9,10)の1つに結合した接続部分(8,12)の第1端が結合される。所与の引出力において対象物体の確実な保持のため、僅かな所要スペースが必要であるに過ぎない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの底部側壁部分と、相互に対向する側方壁部分と、底部側壁部分の一つまたはその各々に対向する少なくとも一つの弾性的(可撓性:federnd)カバー部分とを有し、少なくとも一つの長尺物体を保持する装置であって、壁部分、およびカバー部分の一つまたはその各々が、受容スペースの縁側に設けてある形式の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような装置は、例えば、DE19634309A1から公知である。この公知の装置の場合、一つの底部側壁部分、相互に対向する2つの側方壁部分および、それぞれ壁部分に結合された2つの弾性的に変形可能のカバー部分は,長尺物体としての配線(コードないしケーブル)をさし込むことができる受容スペースを囲む。2つのカバー部分は、受容スペースの方向へ折曲げられ、その端面側端部で、さし込まれた配線に当接し、かくして、配線が保持される。この折曲げによって、多くの用途において十分な確保が達成される。
【特許文献1】DE19634309A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、僅かな所要スペースを特徴とする冒頭に述べた種類の装置を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、冒頭に述べた種類の装置において、本発明にもとづき、少なくとも一つのカバー部分に、受容スペース内に延在し第2端を壁部分の一つに結合した接続部分の第1端を結合することによって解決される。
【0005】
本発明にもとづき接続部分を設けたことによって、接続部分を結合したカバー部分の一つまたはその各々は、得られた対象をさし込み方向へさし込む際、更に自由に弾性変形(揺動)し、他方、接続部分の一つまたはその各々がさし込み方向とは逆方向へ移動した際、接続部分に結合されたカバー部分の受容スペース外への移動は、引張強度および結合強度の枠内において阻止され、従って、所与の保持力において、極めて僅かな所要スペースが生ずる。
【0006】
僅かな所要スペースにも拘わらず対象を特に確実に保持するため、それぞれ接続部分を結合した2つのカバー部分が設けてある。
【0007】
強度上の理由から、更に、カバー部分の一つまたはその各々の第2端を底部側壁部分と側方壁部分との間の移行(つなぎ)範囲において結合するのが有利である。
【0008】
高い安定性のため、カバー部分の一つまたはその各々の第2端を底部側壁部分と側方壁部分との間の移行範囲において結合するのが有利である。
【0009】
対象物体の自由なさし込みを保証するため、接続部分の一つまたはその各々は、カバー部分の一つまたはその各々の弾性変形(揺動)時にカバー部分に隣接する側方壁部分の方向において受容スペースの内部へ移動するよう構成するのが目的に適う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
添付の図面を参照した本発明の好ましい実施例の以下の説明から、更なる目的に適った実施例および利点が知られよう。
【0011】
図面に、長尺対象物体(図示してない)を基部、例えば、自動車の車体(同じく図示してない)に保持するための本発明に係る装置のプラスチックから製造した実施例を示した。図示して説明した実施例は、それ自体は公知の固定脚1(アンカー脚部)と、固定脚1をさし込むため基部に設けた切欠き(孔部)を被うカバーディスク2とを有する。
【0012】
固定脚1とは反対のカバーディスク2の側には、長い対象物体の例としてのパイプを保持するためのパイプホルダ3が設けてある。パイプホルダ3は、弾性的に変形可能(揺動自在:federnd)の第1底部側壁部分4と、剛な第1側方壁部分5と、弾性的に変形可能の第1カバー部分6を有し、これらの部分は、相互に結合され、受容スペース7の1方の側に設けてある。
【0013】
第1カバー部分6の、第1側方壁部分5とは反対(対向)側の縁範囲(縁端部)には、受容スペース7内に延びる弾性的に可撓性の第1接続部分8の第1端が結合されており、図示の実施例の場合、接続部分の第2端は、第1底部側壁部分4と第1側方壁部分5との間の移行範囲(つなぎ箇所)に結合されている。
【0014】
パイプホルダ3は、更に、弾性的変形可能な第2底部側壁部分9と、剛な第2側方壁部分10と、弾性的に変形可能な第2カバー部分11を有し、これらの部分は、相互に結合され、受容スペース7の他の側に設けてある。
【0015】
第2側方壁部分10とは反対側の第2カバー部分11の縁範囲には、受容スペース7内に延びる弾性的に可撓性の第2接続部分12の第1端が結合されており、図示の実施例の場合、接続部分の第2端は、第2底部側壁部分9と第2側方壁部分10との間の移行範囲に結合されている。
【0016】
底部側壁部分4,9と側方壁部分5,10との間の移行範囲には、壁部分4,5,9,10を脚部分1に支持する結合構造体13の、接続部分8,12の第2端に対向する2つの端部が形成されている。
【0017】
弾性的に変形可能な両カバー部分6,11の、各側方壁部分5,10とは反対側の双方の端部は、相互に離して配設され、保持すべき長い対象物体をさし込むための自由空間を形成する。更に、弾性的に変形可能なカバー部分6,11の、各側方壁部分5,10とは反対側の双方の端部は、底部側壁部分4,9の方向へ折曲げられ、即ち、長尺対象物体を案内するロート状斜面を形成する。
【0018】
接続部分8,12は、隣接する側方壁部分5,10の方向壁の方向へ僅かに湾曲されており、従って、カバー部分6,11の弾性変形(揺動)時に、隣接する側方壁部分5,10の方向へ反り、受容スペース7内への対象物体の導入を妨げることはない。対象物体の寸法・形状に依存して両底部側壁部分4,9も(両者を結合する)結合構造体13の方向へ弾性変形(揺動)することになるさし込み操作の終了後、両接続部分8,12が少なくとも部分的に再び緩和(復原)されて、両カバー部分6,11の自由端面が対象物体に当接する。
【0019】
さて、極めて僅かな所要スペースにも拘わらず、大きい負荷時にも、さし込み方向とは逆方向への受容スペース7からの対象物体の不測の移動は、今や、両接続部分8,12の引張強度および接続部分8,12の端部の結合強度の枠内において、確実に阻止される。しかしながら、対象物体を除去するためには、更に、カバー部分6,11を壁部分4,9の方向へ移動することができ、かくして、保持された対象物体を除去のため解放することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】長尺の対象物体を保持するための本発明に係る装置の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
1 固定脚
2 カバーディスク
3 パイプホルダ
4,9 底部側壁部分
5,10 側方壁部分
6,11 カバー部分
7 受容スペース(空間)
8,12 接続部分
13 結合構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの底部側壁部分(4,9)と、相互に対向する側方壁部分(5,10)と、底部側壁部分(4,9)の1つまたはその各々に対向する少なくとも1つの弾性的に変形可能なカバー部分(6,11)とを有し、少なくとも1つの長い対象物件を保持する装置であって、
壁部分(4,5,9,10)、およびカバー部分(6,11)の1つまたはその各々が、受容スペース(7)の縁側に設けてある形式のものにおいて、
少なくとも1つのカバー部分(6,11)には、受容スペース(7)内に延在し第2端を壁部分(4,5,9,10)の1つに結合した接続部分(8,12)の第1端が結合されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記接続部分(8,12)をそれぞれ結合した2つのカバー部分(6,11)が存在することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記接続部分(8,12)の1つまたはその各々の第1端が、当該のカバー部分(6,11)の外縁端範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記カバー部分(6,11)の1つまたはその各々の第2端が、底部側壁部分(4,9)と側方壁部分(5,10)との間の移行範囲に結合されていることを特徴とする請求項1−3の1つに記載の装置。
【請求項5】
前記接続部分(8,12)の1つまたはその各々が、前記カバー部分(8,11)の1つまたはその各々の四方への弾性的変形時にカバー部分に隣接する側方壁部分(5,10)の方向へ受容スペース(7)内へ移動するよう構成されていることを特徴とする請求項1−4の1つに記載の装置。

【図1】
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【公表番号】特表2008−545930(P2008−545930A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513946(P2008−513946)
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003067
【国際公開番号】WO2006/128512
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(507046288)アー ライモント エ カンパニュイ (71)
【Fターム(参考)】