説明

少なくとも二つの活性流体のための供給瓶

本発明は、第一活性流体用の第一収容容器(1)と第二活性流体用の少なくとも一つの、好ましくは正確に一つの第二収容容器(2)とを備えた供給瓶であって、
収容容器(1,2)がどちらも分離して構成されかつ互いに連結しているか、あるいは互いに形状一体に構成されており、収容容器(1;2)が各々活性流体用の出口(3;4)を備え、出口(3;4)が活性流体がどちらも塗布領域の共通塗布域(5)内で塗布可能であるように互いに隣接した状態で設けられており、収容容器(1,2)が圧搾可能な容器として構成されており、出口(3;4)が各々少なくとも一つの、好ましくは正確に一つの排出ノズル(6;7)を備え、従って活性流体が排出ノズル(6;7)を出た後すぐに互いに混合される供給瓶に関する。この供給瓶は、排出ノズル(6;7)がノズル管路(16;17)を備え、排出ノズル(6;7)のノズル管路(16;17)が互いに傾斜しているか、あるいは好ましくはさらに互いに平行に整向されていること、 排出ノズル(6;7)のノズル管路(16;17)が各々横断面狭隘部(18)を備えていること、そして 横断面狭隘部(18)が互いに反対を向いたノズル管路(16;17)の側において、流入側から出発してノズル管路(16;17)の中央部に向けて整向された状態で傾斜し、従って流入側に傾斜部(18‘)を備えていることにより改善されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念の特徴を備えた、少なくとも二つの、好ましくは正確に二つの活性流体のための供給瓶に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の理論に関する出発点は少なくとも二つの活性流体、好ましくは正確に二つの活性流体のための供給瓶であり、この供給瓶は同出願人の前に公開されていない出願から公知である(特許文献1及び特許文献2)。これにより特許文献1及び特許文献2の出願の基礎の開示内容は、関連付けにより本特許出願の開示内容に含まれる。
【0003】
ここにある特許出願の優先データに対して公表されていない、先に述べた従来技術は、第一活性流体のための第一収容容器と、少なくとも一つの、好ましくは正確に一つの第二活性流体のための収容容器を備えた供給瓶に関する。この場合収容容器はどちらも別々に構成されていてかつ互いに連結されているか、あるいは互いに形状一体に構成されているかのどちらかであり、その際収容容器は各々活性流体用の出口を備え、出口は両活性流体が塗布領域の塗布域全体に塗布可能であるように互いに隣接して設けられている。
【0004】
この従来技術は、互いに分離して貯蔵されるべきかあるいは貯蔵されねばならない活性流体の使用が、幾つかの使用領域から、特に洗浄面の領域から公知であることから出発している。これらの活性流体は塗布する少し前かあるいは塗布する際に、塗布領域、例えば床、便器の表面等に当る。例えばそのために塩素含有の漂白剤、洗浄剤、脱石灰剤及び消毒薬が必要である(例、特許文献3)。さらに話題にしている様式の活性流体は例えば浴室の表面に塗布されるかあるいは別の衛生上の影響を受けやすい領域の表面に塗布される。
【0005】
活性流体は特に互いに保存性がよくない場合に様々な収容容器内に保管される。しかしながら一緒に塗布しなければならない活性流体を個別に保管するための別の理由、例えば活性流体の異なる機能を伝えねばならない異なる着色、異なる感光性等が知られている。
【0006】
前に論じた従来技術(特許文献3及び特許文献4)から出発している、互いに保管性がよくない、少なくとも二つの異なった活性流体用の供給瓶は、二つの互いに分離していて、かつ収容容器を形成している部屋を有するなボトルを備え、このボトルは上側端部において両収容体内の活性流体のための直接ならんで並置している出口を備えている。一方の収容体内には第一水溶液が入っており、第二収容体内には第二水溶液が入っている。この場合両水溶液内の成分濃度は、一定量の第一水溶液が一定量の第二水溶液と混合した際にこの従来技術にあって所望される酸性の漂白溶液が結果であるように選択されている。
【0007】
前に説明した公表されている従来技術の供給瓶は、ポンプ装置を備え、このポンプ装置は供給瓶の両収容容器の出口に取付けられていてもよい。ポンプ装置内では活性流体が互いに一緒なっており、かつ共通のスプレー噴射において出口から放出される。従って活性流体は出口ノズルを出る前に互いに混合される。
【0008】
同様に両収容容器の間でのクロスコンタミネーションが十分確実に回避できる類似の供給瓶が特許文献5及び特許文献6から公知である。これらの供給瓶の場合、ポンプ噴射機構は全く設けられておらず、出口が単純に開口していて、噴出口(Ausgiesern)を備え、閉鎖キャップを用いて再度閉鎖することができる。しかしながらこの供給瓶は噴射塗布には適していない。
【0009】
特に便所の便器の清掃用に、可撓性の合成樹脂でできた収容容器と出口ノズルとを備えた活性流体用の供給瓶が公知であり(特許文献7)、この場合便所の便器内、特に内側縁部の下方で、活性流体を最適に塗布するために、出口ノズルは曲げられた配量管として構成されている。
【0010】
本発明の出発点を形成している従来技術の理論の根底をなす問題は二つの活性流体用の少なくとも二つの収容容器を備えた供給瓶を提供することであり、この供給瓶はコストをかけずに製造可能であり、操作者により簡単に取扱い可能であり、この場合二つの活性流体を互いに分離した状態であるが塗布域内で当るように塗布することが可能になる。
【0011】
前に指摘した問題提起は本発明の出発点を形成する従来技術の供給瓶の場合、収容容器が押し潰し可能な容器として構成されていること、及び出口が各々少なくとも一つの正確には一つの排出ノズルを備えていることにより解決され、この場合活性流体は噴射ノズルを出た後互いに混合される。
【0012】
本発明の出発点を形成する従来技術の理論による収容容器は、圧搾可能な容器として構成されている。従って操作者の手により収容容器を圧搾することにより、活性流体を各々個別に設けられた噴射ノズルから噴出させるために、必要不可欠な内圧が収容容器内に発生する。従って活性流体は噴射ノズルを出た後塗布域内で混合する。これにより塗布する際に両活性流体から所望の塗布すべき製品、特に所望の作用を塗布域内において発揮する洗浄剤、漂白剤等が生じる。
【0013】
本発明の出発点を形成する従来技術の理論による供給瓶により、特にポンプ噴霧装置を使用せずに、構造的にきわめて簡単でかつ使い勝手が良い解決手段を備えた前に説明した結果が得られる。従ってこの供給瓶は量産品として使用するために、特に全ての種類の洗浄剤に、特に便器清掃にも適している。しかしながら多数のその他の使用の場合にとっても、この供給瓶は例えば繊維用洗剤(洗濯機内の洗剤等)と、繊維前処理剤(漂白剤等)と、繊維後処理剤(柔軟仕上げ剤等)の配量、及び手作業あるいは機械による食器用洗剤と食器用補助洗剤(リンス剤、脱石灰剤等)の配量、そしてついには全ての種類の表面洗浄剤及び表面処理剤の配量にも使用できる。
【0014】
本発明の出発点を形成する従来技術の理論の意味での活性流体とは、ゲル状物質からペースト状物質を経由した、低粘性から高粘性までの、液状でありかつそれ以外の流動性の媒体全てであると理解できる。この場合一方においては各々該当する塗布するための活性流体の粘性が重要であり、他方においては活性流体の擬液性も重要である(擬液性、すなわち機械的な酷使の終了後、場合によっては著しい時間的な遅延を伴って再度硬化し、従って機械的な力の作用に依存した粘度を有する特定の活性流体が機械的な力が作用した際に液化する現象の概念を説明するために非特許文献1を参照のこと)。
【0015】
本発明の出発点を形成する従来技術の理論の好ましい形態と更なる発展形態は従属請求項の対象である。
【0016】
好ましくかつ独立した意味は本発明の出発点を形成する従来技術の形態に付随し、これに関しては噴射ノズルの形態と寸法、及び活性流体の特性、特に粘性および/または擬液性は−操作者の手による圧力が平均的である場合−流体流れが一定の予め算出された間隔をおいてオーバーラップするように互いに調節されているのが肝心である。このことは噴射ノズルの形態が巧みであることにより、噴射ノズルから噴射する活性流体の流れがある程度互いに円弧状に流れ、かつ流出する圧力に依存して排出ノズルからの多少異なる間隔を互いに当てるという意味である。その時にここには塗布領域の塗布域が存在する。横断面狭隘部を備えたこの形態は、特にさらに活性流体が同様な擬液性の活性流体であるときに特別な意味を有する。
【0017】
さらにその間に二つの活性流体用の収容容器を備えた供給瓶に関する刊行物が公表されており(特許文献8)、この刊行物は前に公表された従来技術として少なくとも特許文献1の請求項1の供給瓶の特徴を全て備えている。排出ノズルのノズル管路内の横断面狭隘部はここには使用されていない。
【0018】
同様にしてその間に別の出版物(特許文献9)が公表されており、この出版物は相応する検証が行われる場合、場合によっては古いが前には公表していない従来技術を示してある。さらにこれには二つの活性流体用の収容容器を備えた本発明に類するような供給瓶が示してある。
【0019】
本発明の出発点を形成し、かつ前に公表されていない従来技術は、流体流れが排出ノズルから一定でかつ予め算出された間隔をおいてオーバーラップする所望の効果が得られるように、どのようにして横断面狭隘部排出ノズルのノズル管路内に設けられ、かつ形成されているか様々な提案に関連している。
【特許文献1】独国特許出願公開第10238431号明細書
【特許文献2】国際特許出願公開第2004/018319号明細書
【特許文献3】国際特許出願公開第98/21308号明細書
【特許文献4】米国特許第5398846号明細書
【特許文献5】国際特許出願公開第91/04923号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第6901644号明細書(PCT出願)
【特許文献7】欧州特許第0911616号明細書
【特許文献8】米国特許第6583103号明細書
【特許文献9】国際特許出願公開第2004/045968号明細書
【非特許文献1】1999年シュトゥットガルトのゲオルグティーメ出版社発行レンプ・レキシコン・ケミー第10版第6巻第4533頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の根底をなす課題は、排出ノズルのノズル管路内に横断面狭隘部を設けかつ形成することに関して提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
先に述べた課題は、本発明の理論により本請求項1の上位概念の特徴を備えた供給瓶の場合、本請求項1の特徴的部分の特徴により解決される。
【0022】
本特許出願の請求項1の理論の特に好ましい形態及びさらなる発展形態は本従属請求項の対象である。
【0023】
本発明の理論により設けられたノズル管路の横断面狭隘部の配設と構造は、製造技術的に特に容易に置き換えることが可能である。さらに製造成形金型内の傾斜部の角度を対応して変更することにより、流体流れの集束点を供給瓶の使用領域に応じて変更することも可能である。
【0024】
このことは噴射ノズルのノズル管路のその他の寸法が、すでに特許文献1と特許文献2に記載されているように、粘性と所望の配分量に応じて変更可能であることに左右される。
【0025】
請求項8はすべてひっくるめて関連付けることにより特許文献1と特許文献2の特許請求の範囲を全て本発明の特許請求範囲に含める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明のための出発点を形成する従来技術の開示内容に引き続いて本発明の理論の実施例を図に基づき詳しく説明する。
【実施例】
【0027】
本発明の出発点を形成する従来技術の対象は、図1に示したような供給瓶である。左側には第一活性流体用の第一収容容器1が、そして右側には第二活性流体用の第二収容容器2が見てとれる。さらに二つよりも多くの収容容器1,2、例えば三つの活性流体用の三つの収容容器あるいはそれどころか四つの活性流体用の四つの収容容器が設けられていてもよいことが原則的に重要である。これらの活性流体は塗布領域内で互いに当らねばならない。
【0028】
活性流体が互いに保存性がよくない活性流体であることがよくあるが、このことは不可避的な前提条件ではまったくない。上記の説明を参照することができる。同様に本願の、特に好ましいこのような活性流体の特性の意味における活性流体の用語の定義に関しても上記の説明を参照することができる。
【0029】
収容容器1,2はどちらも個別に構成されており、かつ例えば固着またはロックすることにより、またはその他の接続部材により互いに接続されているか、あるいは図示した実施例におけるように互いに同一材料で構成されているかのどちらかである。その限りでは、ここで選択できる様々な種類に関して冒頭で述べた従来技術を参照してもよい。実際には収容容器1,2が互いに一体化して構成されている供給瓶であるのが好ましい。このことは後でさらに説明する。
【0030】
図3および4は収容容器1,2それ自体を示す。収容容器が各々、各活性流体用の出口3,4を備えていることがわかる。出口3,4は、活性流体がどちらも広い塗布領域の図11に示した共通の塗布域5内で塗布できるように互いに近接して設けられている。明細書の全般的部分は、両収容容器から流出する活性流体がこのように外部で混合することの特別な意味を詳細に示している。
【0031】
以下に本発明の出発点の理論による供給瓶を形成する従来技術を、二つの活性流体用のただ二つの収容容器1,2だけがあるかのように常に説明する。冒頭で述べたさらに多くの収容容器が使用できると言ったことは、この場合記憶に残っていなければならない。なぜなら構造はこのような多数容器供給瓶でもよいからである。
【0032】
第一に収容容器1,2は圧縮可能な容器として構成されていること、および出口3,4が各々少なくとも一つの好ましくはぴったり一つの排出ノズル6,7を備えていることが重要であり、従って活性流体はまず排出ノズル6,7を出た後互いに混合される。排出ノズル6,7は差当り図6において、次いでその他の点では図8と概略的に示した図11において認識される。
【0033】
要求される供給瓶の形態により、収容容器1,2から出る活性流体の圧搾に対する圧力は、操作者の手によりもたらされる。活性流体は圧力により排出ノズル6,7を離れ、排出ノズルには活性流体が両収容容器1,2の出口3,4から戻って流れ込む。第一に排出ノズル6,7を離れた後、操作者により加えられる圧力に依存して、ある一定の間隔をおいて活性流体の流れは出会い、塗布領域に塗布されるべき製品に対して活性流体は混合する。
【0034】
さらに図示した実施例は収容容器1,2が復帰特性を備えた材料から成っていること、および/または元の形状への復帰を助ける造形を備えていることだけを示す。特に収容容器1,2を弾性的に復帰可能な合成樹脂材料から製造することが望ましい。このような収容容器1,2用の材料とは、例えばポリオレフィン、特にポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE),アクリル(PVC)あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)、特にグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)である。これについては冒頭ですでに説明した特許文献7の合成樹脂製洗浄ビンを参照することができる。このような材料は今問題にしている用途の場合にも適している。
【0035】
収容容器1,2の形態が前もって説明されている場合、使用される材料と関連した収容体1,2の特殊な幾何学構造により、最適な圧縮性が活性流体のための一様な逆吸引効果と結びつけることができるのは興味深い。排出ノズル6,7から収容容器1,2内へ戻る活性流体に関する一様でかつ効果的な逆吸引効果は、活性流体配量を終了する際の排出ノズル6,7の外側端部におけるすっきりした製品分離にとって意味がある。
【0036】
相応する復帰特性を備えた合成樹脂製容器の使用は全体的にコストがかからず、それは別にして予備混合しなくてもさらに先に説明した所望な方法で活性流体を効果的に配量することができる。
【0037】
図示した供給瓶の実施例から収容容器1,2は具体的に容積が同じでかつ形状が左右逆で同じであることがわかる。収容容器1,2の造形、壁厚および材料選択により、活性流体の所望の配量が、この場合言葉を変えれば、収容容器1,2から(得られることが)達せられる場合に、原理的には様々な容積を備えていることも可能であろう。家事の使用範囲における収容容器1,2の代表的容積は50ml〜1500mlの間であり、この場合好ましい範囲は収容容器1,2にとって300ml〜500mlの間にある。このことは使用状況により固有であり、かつ活性流体に左右されるのは当然である。
【0038】
図示してありかつ好ましい実施例は、特に図4においても、しかしながら図6においても、収容容器1,2が各々完全な容器として構成されており、かつ少なくとも一つの、好ましくは収容容器1,2間に形成されたちょうど一つの連結ウェブ8を介してのみ互いに連結されていることがわかる。連結ウェブ8は互いに向かい合った収容容器1,2の内側に沿って一体的に形成されているのが好ましく、特に例えば収容容器1,2を用いたブロー成形法においては同時に成形されているのが好ましい。連結ウェブ8がほぼ中心に設けられており、−場合によっては中断を伴い−収容体1,2の全長にわたり延在していると特に実用的である。従って連結ウェブ8は収容体1,2の互いに向かい合った壁部分のための補強部材を形成し、この補強部材を安定させ、同時に操作者の手により加えられる圧力に対抗するための支持部を構成する。全体として収容容器1;2は、いずれにせよ大部分が操作者の手により握り締められうるこのような横断面を共通に備えている。
【0039】
ブロー成形法はすでに収容容器1,2を製造するための実用的な方法としてすでに述べてきた。特にブロー成形法の相応する変更の場合、互いに一体に構成された収容容器1,2が異なる光透過率および/または異なる染色を備えていると上手くゆく。一体構成を無視して一方の収容容器を不透明に構成し、他方の収容容器を透明に構成すること、あるいは収容容器が多数である場合に収容容器を様々な染色に構成することは特に望ましい。相当数の活性流体は感光性であることがわかっている。組合わせる際の各々の活性流体と一緒に使用すべき活性流体は感光性がより小さい。ここでは感光性の活性流体のために使用される収容容器の不透明な染色が問題を取り除く。
【0040】
さらに操作者による操作に関して、図に示した供給瓶は、収容容器1,2において操作者の手により握られるべき保持領域9が特殊な縁部形状および/または表面形態により形成されていることを特徴としている。このことは図1及び2においてよくわかる。グリップの窪みは、供給瓶をここから手で握る目的で公式に配置してある。供給瓶は操作者の手に対する確定された位置を有しており、この位置は縁部形状10,11により予め設定されている。表面形態としては、例えば波状起伏部、別の染色等も考慮の対象になる。
【0041】
寸法に関しては操作性を妨げないように、収容容器1,2を極端に大きくさせないことが適切であることがわかった。好ましい寸法は、収容容器1,2の操作者の手により握られるべき保持領域の横断面が約18〜30cm、好ましくは約20〜28cm、特に約22〜26cm、さらには特に約24cmの外周長を備えていることがわかる。
【0042】
さらに上記において収容容器1,2を備えた供給瓶によって何が遂行されるかはすでに説明してきた。図6、図7及び図11に関連して、排出ノズル6,7の構造と寸法、及び活性流体の特性が、操作者の手による圧力が平均的である場合、液体の流れが一定の間隔をおいてオーバーラップするように互いに調節されていることが説明できる。特にこのことは図示した供給瓶の実施例にあっては液体流が約50〜300mm、好ましくは約100〜250mm、特に約150mmの間隔をおいてオーバーラップすることを意味する。従ってこれはほぼ排出ノズル6,7と塗布領域との間の距離である。これは家事における掃除の時に維持しなければならないような寸法的に通常の距離に相当する。
【0043】
活性流体の粘度に関しては、1〜100000mPasの、好ましくは約10000mPasまでの、特に約1000mPasまでの範囲の粘度を有する活性流体を使用することが望ましい。このようなデータは、20回転/分、20℃、スピンドル3の条件でブルックフィールド粘度計LVT−IIIを用いて測定された粘度に基づいている。
【0044】
明細書の全般的部分にすでに論じられた類の水溶液は度々使用されてきた(これについては特許文献10及び特許文献11を参照のこと。これらの特許文献の開示内容は本特許出願の開示内容の点で関連付けにより収容される)。活性流体の少なくとも一つが擬液性活性流体である場合に、本願発明の出発点を形成する従来技術の理論に意義があることは上記においてすでに指摘してきた。しかしながら特に使用される活性流体は全て擬液性であるべきであり、好ましくはほぼ同じ擬液性を備えた擬液性であるべきである。その点で擬液性活性流体の複雑な関係を説明するために、先に挙げたレンプの引用文献を参照するとい。
【0045】
図3と4は出口3,4を備えた収容容器1,2を示す。この場合出口3,4は互いに平行に整向されている。さらに活性流体の流れの予備整向はすでに収容容器1,2の出口3,4がいくぶん互いに傾斜した状態で整向していることにより行われていてもよい。製造技術的に、図示した平行な整向にはむろん長所がある。
【0046】
確かにここで具体的に実現されていないブロー成形法により、収容容器1,2の出口3,4において排出ノズル6,7を一体に成形することも原理的には可能である。この変形は図示した実施例においては当然選択されていない。図示した実施例においてはむしろ、排出ノズル6,7はここでは形状が安定した合成樹脂からできた分離したノズルヘッド12内に設けられているかあるいは形成されており、出口3;4のノズルヘッド12は収容容器1;2上に装着されている。ノズルヘッド12は図においては各々参照符号12により確認されている。この場合図示した実施例において、ノズルヘッド12は収容容器1;2上でカチッと係止していることが重要である。さらにノズルヘッド12は別の方法で収容容器1;2と連結している。カチッとした係止はもちろん特に簡単でかつ合理的な製造技術として望ましい。
【0047】
収容容器1,2の各々上にノズルヘッド12を係止させるために、収容容器1;2の出口3;4において相応する係止連結手段をこれに合うノズルヘッド12の係止連結手段のために使用することが望ましい。このような係止連結手段は、構造が適合する場合従来技術から知られている。原則的に例えばネジ連結のような他の連結技術も使用できる。
【0048】
図示しておりかつ好ましい実施例は、ただ特に両収容容器1;2のノズルヘッド12が共通のノズルヘッド12内に統合されていることだけが特徴である。この共通のノズルヘッド12は図7,8及び9、ならびに10において認められる。このことは製造技術的にきわめて有用であり、かつ両収容容器1;2の連結に実によく適合している。
【0049】
ノズルヘッド12は硬質の合成樹脂から製造することが望ましく、従って供給瓶の収容容器1;2が圧搾される際に、ノズルヘッド12はほんのわずかに変形するにすぎない。
【0050】
ノズルヘッド12のための、以下に説明すべき多数の実施形態が可能である。ノズルヘッド12は先に挙げた図ならびに図5及び6において認められる。ノズルヘッド12は断面図において、図8,9,10において特に良好に認められる。ノズルヘッド12内の活性流体の流れにとって、排出ノズル6;7がノズルヘッド12内で、特に出口3;4の中心線に対して非対称に、他の排出ノズル7;6の方向にずらされた状態で設けられていることが有利であることがわかった。このことは図8においてとりわけはっきりわかる。収容容器1;2の各々から来る活性流体の流れは、所望の間隔をおいた平行に流出する活性流体に至るまで案内される。
【0051】
その際ここでは確実に層流になる構造的解決手段が認められる。すなわちノズルヘッド12は収容容器1;2の出口3;4から排出ノズル6;7に向かって先細りになっている流入容積空間13を備えている。この流入容積空間13は図8及び9において特に容易に理解できる。
【0052】
図示しておりかつ好ましい実施例は、排出ノズル6;7の側方の中心からの間隔が、外側で約5〜30mm、好ましくは約15〜20mmであるような寸法を示している。
【0053】
図1及び2、ならびに図10から、ここに図示した供給瓶に関しても排出ノズル6;7が好ましくは形状安定した合成樹脂製の着脱可能な閉鎖キャップ14により閉鎖可能であることがわかる。この場合閉鎖キャップ14は排出ノズル6;7内に入る閉鎖栓15を備えている。この技術はクロスコンタミネーションを防止するためにすでに実証されている(先の特許文献5と対比のこと)。
【0054】
図示しておりかつ好ましい実施例から、図1において特に容易に認められるように、閉鎖キャップ14にとってもこの閉鎖キャップが両収容容器1;2の排出ノズル6;7のために共通に統合されているのが重要であることがわかる。このことは、ノズルヘッド12においてすでに有効であると説明したのと同じように製造技術的に有効である。閉鎖キャップ14がノズルヘッド12のような類似のあるいは同じ合成樹脂材料でできていることは実用的である。
【0055】
図から排出ノズル6;7がノズル管路16あるいは17を備えていることは自明であることがわかる。この場合排出ノズル6;7のノズル管路16,17は互いに対して傾斜した状態にあることもありえる。それであれば流出する活性流体の流れは共通の塗布域5に向けてすでに整向されていることになるだろう。しかしながら 図示しておりかつこの点で好ましい実施例により、排出ノズル6;7のノズル管路16,17は互いに平行に整向されていることがわかる。例えば製造上の公差の範囲内でのほんのわずかな傾斜が受入れられるのは当然である。
【0056】
とりわけさらに互いに平行に整向されたノズル管路16;17を備えた図に示してありかつ最後に説明した実施例の場合、排出ノズル6;7のノズル管路16;17が各々流れ横断面全体に対して非対称に設けられた横断面狭隘部18を備えているのは特に有効である。
【0057】
各ノズル管路16;17内の横断面狭隘部18により、ある一定の程度の渦(Drall)が活性流体の流れに付与され、従って排出ノズル6;7の出口領域において各々特定の方向転換が行われ、ついで活性流体の流れは塗布域において、操作者の手が収容容器1;2に圧力を加えることにある程度依存する距離をおいて混合するように当る。
【0058】
従って活性流体の流れの集束は、ノズル管路16,17の整向によってではなく流れに干渉することによって達せられる。それに加えて、変更されていないノズル管路16,17の場合に生じるであろうような散布効果によって得られる単に部分的オーバーラップではなく、塗布領域における活性流体の流れの完全なオーバーラップが達せられる。
【0059】
本発明の特に好ましい最後に説明した本発明の実施形態にはたださらに説明が必要である。
【0060】
図11は互いに近接したノズル管路16,17における本願発明の出発点を形成する従来技術の理論に従って、上側には横断面狭隘部18の作用原理を、下側には横断面狭隘部18の配設の原理を示す。図示しておりかつ好ましい実施例において、ノズル管路16,17の横断面狭隘部18が角のある移行部分により構成されていることがここでは第一に認められる。このことは結果的に様々な流速がノズル管路16;17の流れ横断面にわたって生じることを流れ技術的に伴う。横断面狭隘部18から離れた状態では、活性流体は比較的円滑に流れ、高い流速を層流の状態で維持する。これに反して横断面狭隘部18では、たしかに最も狭い横断面においては基本的に高い流速が生じるが、狭くなった箇所を離れると、乱流の発生と結びついて激しい流速が再度生じる。これにより全体的に活性流体の流れの挙動は先に論じた渦状になる。
【0061】
さらに横断面狭隘部18が本願の出発点を形成する従来技術に従って、圧力下で生じる活性流体の流れがこのような渦を有し、この活性流体の流れが互いに合流するように互いに向かい合ったノズル管路16;17の側に設けられていることが図11において認められる。
【0062】
本発明の出発点を形成する従来技術によれば横断面狭隘部18の作用にとって、この作用がノズル管路16;17の全長にわたって生じるのではなく、この長さの短い部分に限定されている場合に長所であることがわかった。従ってノズル管路16;17の横断面狭隘部18の長さは全体的にはノズル管路16;17の長さのほんの一部であることが望ましい。特別な寸法において、縦横比は約1:2〜1.4、好ましくは約1:2.5〜1:3であるのが望ましい。
【0063】
特にここでは目で見えるところにある家事における使用範囲、及び希液性の、好ましくは擬液性の活性流体の用途にとって、ノズル管路16;17の全長は約2〜6mm、好ましくは約3〜5mm、特に約4mmであるのが望ましい。相応するように、ノズル管路16;17の直径は約1.0〜4.0mm、好ましくは約1.5〜3.5mm、特に約2.0〜2.5mmであるのが妥当である。
【0064】
本発明の理論に関する出発点として参照され、かつ前に公表されていない従来技術は、活性流体の適切な組合わせと活性流体の製法に関しており、この活性流体の適切な組合わせと活性流体の製法を、本願発明の出発点を形成する従来技術に従ったこのような供給瓶を用いて適用することができる。これについては、特許文献1と特許文献2の開示内容、及びこれらの特許文献でさらにそれに関して挙げた前に公表された、活性流体等の詳細に関する出版物等を参照する。同様に本出願の範囲においても同じように重要であり、かつ引用例を介して本出願の出願書類に掲載される実施例を参照する。
【0065】
本発明の理論による供給瓶の場合、ただ図12だけが図11に似た部分を示している。ここにおいては、排出ノズル6;7がノズル管路16;17を備え、排出ノズル6;7のノズル管路16;17が互いにほぼ平行に整向されていること、
排出ノズル6;7のノズル管路16;17が各々横断面狭隘部18を備えていること、
横断面狭隘部18がノズル管路16;17内で取囲むように設けられていること、
横断面狭隘部18が、互いに向かい合った稜のある移行部を備えたノズル管路16;17の側に形成されていること、そして
互いに反対を向いたノズル管路16;17の側の横断面狭隘部18が、流入側から出発して、ノズル管路16;17の中央部に向けて傾斜した状態で整向されており、従って流入側に傾斜部18‘を備えていることがよくわかる。図示した実施例において、各ノズル管路16;17の傾斜部18‘は横断面狭隘部18のほぼ半分にわたり延在しており、しかもここでは正確に対称に延在している。さらに原則的に本理論は排出ノズル6;7のノズル管路16;17が互いに傾斜した状態で整向されているその場合に相応した方法においても通用する。しかしながらノズル管路16;17の整向が実質的に平行であると設計は特に容易である。
【0066】
好ましい形態によれば、傾斜部18‘はノズル管路16;17の中心線に対して5°〜85°の、好ましくは約10°〜60°の、特に35°の傾斜角度を有している。図示した実施例において、傾斜部18‘の傾斜角度は約40°である。
【0067】
最後に、図示しておりかつ好ましい実施例において横断面狭隘部18全体は傾斜部18‘を除くことにより、ノズル管路16;17の流れ横断面に対して対称に設けられていることがわかる。このことはここでは横断面狭隘部18全体が傾斜部18‘を除くことにより、円形のノズル管路16;17内で環状に形成されていることにより達成されている。
【0068】
各ノズル管路16;17内における横断面狭隘部18の様々に描かれた輪郭の協働により、流体の放出イメージはさらに強くなり、最善な状態になり、かつ良好に予測がつくようになる。
【0069】
【特許文献10】米国特許第5911909号明細書
【特許文献11】米国特許第5972239号明細書
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の出発点を形成する従来技術の理論による供給瓶の実施形態の斜視図である。
【図2】図1の供給瓶を側面から見た図である。
【図3】図1の供給瓶の、ノズルヘッドが無い状態の図2に対応した図である。
【図4】図3に対応して示した供給瓶を幅の狭い側から見た図である。
【図5】排出ノズルのための閉鎖キャップが取り除かれた状態の、図2による供給瓶の側面図である。
【図6】図5のように閉鎖キャップがない状態の、供給瓶を背面から見た図である。
【図7】図6の供給瓶の配量ヘッドを側面から見た図である。
【図8】図7の配量ヘッドの断面図である。
【図9】図8の断面図に対して垂直な図7の配量ヘッドの断面図である。
【図10】閉鎖キャップかぶされた状態の配量ヘッドの図9に対応する図である。
【図11】本発明の出発点を形成する従来技術の理論による供給瓶の実施形態において活性流体の噴出イメージを示す図である。
【図12】本発明の理論による供給瓶の実施形態の上側部分を示す、図11に似ているが、ただし実際には多少図8に似た図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一活性流体用の第一収容容器(1)と第二活性流体用の少なくとも一つの、好ましくは正確に一つの第二収容容器(2)とを備えた供給瓶であって、
両収容容器(1,2)がどちらも分離して構成されかつ互いに連結しているか、あるいは互いに形状一体に構成されており、
収容容器(1;2)が各々活性流体用の出口(3;4)を備え、出口(3;4)が、活性流体がどちらも塗布領域の共通塗布域(5)内で塗布可能であるように互いに隣接した状態で設けられており、
収容容器(1,2)が圧搾可能な容器として構成されており、
出口(3;4)が各々少なくとも一つの、好ましくは正確に一つの排出ノズル(6;7)を備え、従って活性流体が排出ノズル(6;7)を出た後すぐに互いに混合される供給瓶において、
排出ノズル(6;7)がノズル管路(16;17)を備え、排出ノズル(6;7)のノズル管路(16;17)が互いに傾斜しているか、あるいは好ましくはさらに互いに平行に整向されていること、
排出ノズル(6;7)のノズル管路(16;17)が各々横断面狭隘部(18)を備えていること、そして
横断面狭隘部(18)が互いに反対を向いたノズル管路(16;17)の側において、流入側から出発してノズル管路(16;17)の中央部に向けて整向された状態で傾斜し、従って流入側に傾斜部(18‘)を備えていることを特徴とする供給瓶。
【請求項2】
傾斜部(18‘)が横断面狭隘部(18)のほぼ半分にわたり好ましくは対称に延びていることを特徴とする請求項1記載の供給瓶。
【請求項3】
傾斜部(18‘)がノズル管路(16;17)の中心軸線に対して、5°〜85°の、好ましくは約10°〜60°の、特に30°〜45°の傾斜角度を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の供給瓶。
【請求項4】
横断面狭隘部(18)がノズル管路(16;17)内で取囲むように設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の供給瓶。
【請求項5】
横断面狭隘部(18)が互いに向かい合った稜のある移行部を備えたノズル管路(16;17)の側に形成されていることを特徴とする請求項4記載の供給瓶。
【請求項6】
横断面狭隘部(18)が全体的に、傾斜部(18‘)を組入れることによりノズル管路(16;17)の流れ横断面全体に対して対称に設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の供給瓶。
【請求項7】
横断面狭隘部(18)が、全体的に傾斜部(18‘)を組入れることにより円形のノズル管路(16;17)内で環状に形成されていることを特徴とする請求項6記載の供給瓶。
【請求項8】
特許文献1および/または特許文献2の請求項の一つあるいは複数の特徴的な部分の特徴を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の供給瓶。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−522044(P2007−522044A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552533(P2006−552533)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001280
【国際公開番号】WO2005/077766
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(397040937)ヘンケル・コマンデイトゲゼルシャフト・アウフ・アクティーン (9)
【Fターム(参考)】