説明

少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された化合物を含有する液状塗装組成物、関連する複合多層被覆、方法および被覆された基材

液状塗装組成物が開示されており、これは、(a)少なくとも1種の塗膜形成樹脂、(b)少なくとも1種のつや消し剤、および(c)多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有する。また、このような組成物で基材を被覆する方法、複合多層被覆(ここで、少なくとも1層は、このような組成物から堆積される)、およびこのような組成物で少なくとも部分的に被覆された基材も開示されている。液状塗装組成物中の少なくとも1種のつや消し剤のつや消し性能を向上させる方法もまた、開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、少なくとも1種の塗膜形成樹脂、少なくとも1種のつや消し剤、および少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有する液状組成物に関する。本発明はまた、このような組成物を含有する組成物から堆積された少なくとも1層を含む複合多層被覆、このような液状組成物を含有する組成物から堆積された被覆で少なくとも部分的に被覆された基材、およびこのような液状組成物で基材を被覆する方法に関する。本発明はまた、液状塗装組成物において少なくとも1種のつや消し剤のつや消し性能を向上させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
液状塗装組成物は、多くの用途で使用される。しばしば、光沢が低い表面を必要とする場合、液状組成物から被覆を作製することが望ましい。例えば、ある種の車体および部品(例えば、車両の外部装備品(例えば、バンパー))には、しばしば、光沢のない仕上げが望ましい。低い光沢特性を有する被覆を得るために、このような被覆が堆積される液状塗装組成物には、しばしば、つや消し剤が加えられる。
【0003】
液状塗装組成物中でつや消し剤を使用することに関連する1つの問題は、そのつや消し剤が特に低光沢被覆(これは、以下で定義する)を達成するのに必要なレベルで組成物に取り込まれたとき、この組成物の粘度を著しく高め得ることである。実際、ある種の高固形分(これは、以下で定義する)塗装組成物では、低光沢被覆は、この組成物がパテ(putty)となるような組成物の粘度を高める量で、その組成物に1種またはそれ以上のつや消し剤を加えることにより達成される。この粘度の上昇は、この組成物を噴霧不可能にし得るか、そうでなければ、塗布困難にし得る。さらに、このような液状組成物は、しばしば、流動特性に乏しい。このような液状組成物から得られる被覆は、しばしば、望ましくない「凹凸」の外観を有し、そしてつや消し剤が不均一に定着することが原因で、光沢の変動を示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、当該技術分野において、固形分含量が比較的に高くかつ粘度が比較的に低く、そして良好な外観を有する低光沢被覆を生成できる塗装組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
特定の点では、本発明は、以下を含有する液状塗装組成物に関する:(a)少なくとも1種の塗膜形成樹脂、(b)少なくとも1種のつや消し剤、および(c)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物であって、ここで、該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物は、該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有しない類似の液状塗装組成物から類似の条件で堆積された被覆と比較して、少なくとも10%低い60°光沢を有する被覆を生じるのに十分な量で該組成物中に存在する。
【0006】
他の点では、本発明は、以下を含有する液状塗装組成物に関する:(a)少なくとも1種の塗膜形成樹脂、(b)少なくとも1種のつや消し剤、および(c)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物であって、ここで、該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物は、6.5(cal/cm1/2以下のHansen水素結合溶解度パラメータδを有する。
【0007】
さらに他の点では、本発明は、低光沢被覆を生成できる噴霧可能な高固形分液状塗装組成物に関し、ここで、このような液状塗装組成物は、以下を含有する:(a)少なくとも1種の塗膜形成樹脂、(b)少なくとも1種のつや消し剤、および(c)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物。
【0008】
さらに他の点では、本発明は、以下を含有する液状塗装組成物に関する:(a)少なくとも1種の塗膜形成樹脂;(b)少なくとも1種のつや消し剤;および(c)以下を含有する反応物の反応生成物を含む少なくとも1種の化合物:(i)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレート、および(ii)該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である反応性基を含む少なくとも1種の長鎖単官能性反応物。
【0009】
本発明はまた、このような組成物を含有する組成物で部分的に被覆された基材、複合多層被覆(ここで、少なくとも1層は、このような組成物を含有する組成物から堆積される)、およびこのような組成物で基材を被覆する方法に関する。
【0010】
本発明は、さらに、以下を含有する液状塗装組成物から堆積された低光沢被覆に関する:(a)少なくとも1種の塗膜形成樹脂、(b)少なくとも1種のつや消し剤、および(c)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物。
【0011】
本発明はまた、液状塗装組成物において少なくとも1種のつや消し剤のつや消し性能を向上させる方法に関し、該方法は、該組成物に、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を加える工程を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(発明の詳細な説明)
以下の詳細な説明の目的のために、本発明は、そうでないことが明白に記されている場合以外は、種々の代替的なバリエーションおよび工程順序を想定し得ることが理解できるはずである。さらに、任意の操作例または他に明記される場合以外、すべての数の表示(例えば、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量)は、いずれの場合にも、「約」との用語により修飾されるものと理解されるはずである。従って、以下の明細書および添付の特許請求の範囲で述べた数値パラメータは、他にそうでないことが示されていない限り近似値であり、これは、本発明で得られるべき所望の特性に依存して変わり得る。少なくとも、この特許請求の範囲の均等論の適用を制限しようとするのではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の数に照らして、通常の端数計算技術を適用することにより解釈すべきである。
【0013】
本発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例で述べた数値は、できるだけ正確に報告されている。しかしながら、任意の数値は、本質的に、それらのそれぞれの試験測定で見出される標準偏差から生じる一定の誤差を含む。
【0014】
また、本明細書中で列挙した任意の数値範囲は、その中に組み込まれる全ての部分範囲を含むことが意図されることが理解できるはずである。例えば、「1〜10」の範囲は、列挙した最小数である1と列挙した最大数である10との間の全ての部分範囲(これらの数を含めて)を含むと解釈され、すなわち、1に等しいかそれより大きい最小数および10に等しいかそれ未満の最大数を有する。
【0015】
特定の実施態様では、本発明は、液状塗装組成物に関する。本発明の液状塗装組成物は、以下を含有する:(a)少なくとも1種の塗膜形成樹脂、(b)少なくとも1種のつや消し剤、および(c)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物。
【0016】
本明細書中で使用する「液状塗装組成物」との用語は、被覆を生成する際に使用するのに適当な組成物を意味し、ここで、この組成物は、微粒子または粉体塗装組成物とは対照的に、液状(例えば、水媒介塗装組成物または溶媒媒介塗装組成物)である。特定の実施態様では、本発明の液状組成物は、少なくとも1種の希釈剤(例えば、有機溶媒、水、および/または水/有機溶媒混合物)を含有する。適当な有機溶媒には、例えば、アルコール、ケトン、芳香族炭化水素、グリコールエーテル、エステルまたはそれらの混合物が挙げられる。特定の実施態様では、この少なくとも1種の希釈剤は、この組成物の全重量に基づいて、5〜80重量パーセント、例えば、30〜50重量パーセントの量で本発明の液状塗装組成物中に存在している。
【0017】
本発明の液状組成物が水媒介系の形態である場合、この組成物は、しばしば、水性分散液の形態である。「分散液」との用語は、2相の透明、半透明または不透明な樹脂系を意味し、ここで、樹脂は、分散相にあり、そして水は、連続相にある。樹脂相の平均粒径は、一般に、1.0ミクロン未満、例えば、0.5ミクロン未満、または0.1ミクロン未満である。
【0018】
これらの実施態様では、その連続相は、一般に、この組成物の全重量に基づいて、10重量パーセントから50重量パーセントまで、例えば、15重量パーセントから30重量パーセントまでの範囲の量で、存在している。これらの実施態様では、この連続相は、枚挙した値を含む任意の範囲でこの液状塗装組成物中に存在し得る。
【0019】
先に述べたように、本発明の液状塗装組成物は、少なくとも1種の塗膜形成樹脂を含有する。本明細書中で使用する「塗膜形成樹脂」とは、基材の少なくとも1つの水平面において、この組成物中に存在している任意の希釈剤または担体を除去すると、あるいは周囲温度または高温で硬化すると、自己支持性の連続膜を形成できる樹脂を意味する。
【0020】
本発明の液状塗装組成物で使用され得る従来の塗膜形成樹脂には、特に、自動車用OEM塗装組成物、自動車用仕上げ塗装組成物、工業用塗装組成物、建築用塗装組成物、コイル塗装組成物、および航空宇宙用塗装組成物で典型的に使用される種類のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
特定の実施態様では、本発明の液状塗装組成物内に含有される少なくとも1種の塗膜形成樹脂は、少なくとも1種の熱硬化性塗膜形成樹脂を含む。本明細書中で使用する「熱硬化性」との用語は、硬化または架橋するとすぐに不可逆的に「固まる」樹脂を意味し、ここで、その重合体成分の重合体鎖は、共有結合により結合される。この特性は、通常、例えば、しばしば、熱または光照射により誘発される組成物成分の架橋反応と関連している。Hawley,Gessner G.,The Condensed Chemical Dictionary,Ninth Edition.,page 856;Surface Coatings,vol.2,Oil and Colour Chemists’ Association,Australia,TAFE Educational Books(1974)を参照のこと。硬化または架橋反応はまた、周囲条件下にて、実行され得る。一旦、硬化または架橋すると、硬化樹脂は、熱を加えても融解せず、そして溶媒に不溶性である。他の実施態様では、本発明の液状塗装組成物内に含有される少なくとも1種の塗膜形成樹脂は、熱可塑性樹脂を含む。本明細書中で使用する「熱可塑性」との用語は、共有結合では結合されず、それにより、加熱の際に液体の流れが起こり得、そして溶媒に溶解性である重合体成分を含有する樹脂を意味する。Saunders,K.J.,Organic Polymer Chemistry,pp.41−42.Chapman and Hall,London(1973)を参照のこと。
【0022】
本発明の液状塗装組成物で使用するのに適当な塗膜形成樹脂には、例えば、少なくとも1種類の反応性基を有する少なくとも1種の重合体と、該少なくとも1種の重合体の反応性基と反応性である反応性基を有する少なくとも1種の硬化剤との反応から形成されるものが挙げられる。本明細書中で使用する「重合体」との用語は、オリゴマーを包含することを意味し、そしてホモ重合体および共重合体の両方が挙げられるが、これらに限定されない。これらの重合体は、例えば、アクリル、飽和または不飽和ポリエステル、ポリウレタンまたはポリエーテル、ポリビニル、セルロース物質、アクリレート、シリコンベース重合体、それらの共重合体、およびそれらの混合物であり得、そして反応性基(例えば、特に、エポキシ基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、アミド基、カーバメート基およびカルボキシレート基)を含有できる。
【0023】
アクリル重合体は、もし使用するなら、典型的には、アクリル酸またはメタクリル酸、あるいはアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例えば、メタクリル酸ヒドロキシエチルまたはアクリル酸ヒドロキシプロピル)と、1種またはそれ以上の他の重合可能なエチレン性不飽和モノマー(例えば、アクリル酸のアルキルエステル(メタクリル酸メチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルを含めて)、およびビニル芳香族化合物(例えば、スチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエン)との共重合体である。反応物の比および反応条件は、しばしば、ペンダントヒドロキシルまたはカルボン酸官能性を有するアクリル重合体を生じるように、選択される。
【0024】
アクリル重合体のほかに、本発明の液状塗装組成物は、ポリエステル重合体またはオリゴマー(遊離末端ヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基を含有するものを含めて)を含有できる。このような重合体は、公知の様式で、多価アルコールとポリカルボン酸との縮合により調製され得る。適当な多価アルコールには、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールが挙げられる。
【0025】
適当なポリカルボン酸には、アジピン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸およびヘキサヒドロフタル酸が挙げられる。上述のポリカルボン酸のほかに、これらの酸の官能性同等物(例えば、これらの酸の無水物(存在する場合)または低級アルキルエステル)が使用され得る。また、少量のモノカルボン酸(例えば、ステアリン酸)が使用され得る。
【0026】
ヒドロキシル含有ポリエステルオリゴマーは、ジカルボン酸の無水物(例えば、無水ヘキサヒドロフタル酸)とジオール(例えば、ネオペンチルグリコール)とを1:2のモル比で反応させることにより調製できる。
【0027】
空気乾燥を高めることが望ましい場合、適当な乾性油脂肪酸が使用され得、これには、アマニ油、大豆油、トール油、脱水ひまし油またはキリ油由来のものが挙げられる。
【0028】
ポリウレタン重合体(例えば、末端イソシアネートまたはヒドロキシル基を含有するもの)もまた、使用され得る。使用できるポリウレタンポリオールまたはNCO末端ポリウレタンには、ポリオール(重合体ポリオールを含めて)とポリイソシアネートとを反応させることにより調製されたものが挙げられる。使用できる末端イソシアネート基あるいは第一級または第二級アミン基を含有するポリ尿素には、ポリアミン(重合体ポリアミンを含めて)とポリイソシアネートとを反応させることにより調製されたものが挙げられる。そのヒドロキシル/イソシアネートまたはアミン/イソシアネート当量比が調節され、そして反応条件は、所望の末端基が得られるように選択される。適当なポリイソシアネートの例には、米国特許第4,046,729号の5欄26行目〜6欄28行目(この内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記載されたものが挙げられる。適当なポリオールの例には、米国特許第4,046,729号の7欄52行目〜10欄35行目(この内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記載されたものが挙げられる。適当なポリアミンの例には、米国特許第4,046,729号の6欄,61行目〜7欄32行目および米国特許第3,799,854号の3欄13〜50行目(両方の内容は,本明細書中で参考として援用されている)で記載されたものが挙げられる。
【0029】
シリコンベース重合体もまた、使用できる。本明細書中で使用する「シリコンベース重合体」とは、骨格内に1個またはそれ以上の−SiO−単位を含む重合体を意味する。このようなシリコンベース重合体には、ハイブリッド重合体(例えば、骨格内に1個またはそれ以上の−SiO−単位と共に有機重合体ブロックを含むもの)を挙げることができる。
【0030】
先に述べたように、本発明の特定の液状塗装組成物は、少なくとも1種の硬化剤を使用することから形成された少なくとも1種の塗膜形成樹脂を含有できる。本発明の液状塗装組成物で使用するのに適当な硬化剤には、例えば、OH、COOH、アミドおよびカーバメート反応性基含有物質のための硬化剤として、アミノプラスト樹脂およびフェノプラスト樹脂、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。本発明の液状塗装組成物中で硬化剤として適当なアミノプラスト樹脂およびフェノプラスト樹脂の例には、米国特許第3,919,351号の5欄22行目〜6欄25行目(この内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記載されたものが挙げられる。
【0031】
適当な硬化剤には、また、OHおよび第一級および/または第二級アミノ基含有物質用の硬化剤として、ポリイソシアネートおよびブロックポリイソシアネートが挙げられる。本発明の液状塗装組成物中で硬化剤として使用するのに適当なポリイソシアネートおよびブロックイソシアネートの例には、米国特許第4,546,045号の5欄16〜38行目;および米国特許第5,468,802号の3欄48〜60行目(両方の内容は,本明細書中で参考として援用されている)で記載されたものが挙げられる。
【0032】
OHおよび第一級および/または第二級アミノ基含有物質用の硬化剤としての無水物は、当該技術分野で周知であり、また、本発明の液状塗装組成物で使用するのに適当である。適当な無水物の例には、米国特許第4,798,746号の10欄16〜50行目;および米国特許第4,732,790号の3欄41〜57行目(両方の内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記載されたものが挙げられる。
【0033】
COOH反応性基含有物質用の硬化剤としてのポリエポキシドは、当該技術分野で周知であり、また、本発明の液状塗装組成物で使用するのに適当である。適当なポリエポキシドの例には、米国特許第4,681,811号の5欄33〜58行目(この内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記載されたものが挙げられる。
【0034】
エポキシ反応性基含有物質用の硬化剤としてのポリ酸は、当該技術分野で周知であり、本発明の液状塗装組成物で使用するのに適当である。適当なポリ酸の例には、米国特許第4,681,811号の6欄45行目〜9欄54行目(この内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記載されたものが挙げられる。
【0035】
ポリオール、すなわち、1分子あたり平均して2個またはそれ以上のヒドロキシル基を有する物質は、NCO反応性基含有物質および無水物およびエステル用の硬化剤として使用でき、当該技術分野で周知であり、また、本発明の液状塗装組成物で使用するのに適当である。適当なポリオールの例には、米国特許第4,046,729号の7欄52行目〜8欄9行目;8欄29行目〜9欄66行目;および米国特許第3,919,315号の2欄64行目〜3欄33行目(両方の内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記載されたものが挙げられる。
【0036】
ポリアミンもまた、NCO反応性基含有物質用ならびにカーボネートおよび非ヒンダードエステル用の硬化剤として使用でき、当該技術分野で周知であり、また、本発明の液状塗装組成物で使用するのに適当である。適当なポリアミンの例には、米国特許第4,046,729号の6欄61行目〜7欄26行目、および米国特許第3,799,854号の3欄13〜50行目(この内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記載されたものが挙げられる。
【0037】
望ましいとき、硬化剤の混合物が使用され得る。さらに、本発明の液状塗装組成物は、一成分組成物として調合でき、この場合、少なくとも1種の硬化剤(例えば、アミノプラスト樹脂および/またはブロックドイソシアネート化合物(例えば、上記のもの))は、他の組成物成分と混合される。この一成分組成物は、調合したとき、保存安定性であり得る。あるいは、このような組成物は、二成分組成物として調合でき、この場合、ポリイソシアネート硬化剤(例えば、上記のもの)は、塗布直前に、他の組成物成分の予め形成した混合物に加えることができる。この予め形成した混合物は、硬化剤(例えば、アミノプラスト樹脂および/またはブロックドイソシアネート化合物(例えば、上記のもの))を含有できる。
【0038】
特定の実施態様では、この少なくとも1種の塗膜形成樹脂は、30重量パーセントより多い量、例えば、40重量パーセントより多い量で、90重量パーセントより少ない量、または、いくつかの場合には、50重量パーセントより多く90重量パーセントより少ない量で本発明の液状塗装組成物中に存在し、重量パーセントは、この液状塗装組成物の全重量に基づいている。例えば、樹脂の重量パーセントは、30重量パーセントと90重量パーセントの間であり得る。少なくとも1種の硬化剤を使用するとき、それは、特定の実施態様では、70重量パーセントまで、例えば、10重量パーセントと70重量パーセントの間の量で、存在し得る;この重量パーセントもまた、この液状塗装組成物の全重量に基づいている。
【0039】
先に述べたように、本発明の液状塗装組成物は、少なくとも1種のつや消し剤を含有する。本明細書中で使用する「つや消し剤」との用語は、塗装組成物から堆積された被覆膜の光沢を低下させるためにこのような組成物に加えられる物質(例えば、顔料)を意味する。いくつかの場合では、当業者に理解されるように、低光沢被覆(これは、以下で定義する)を生成できる塗装組成物を生じるのは、塗装組成物へのつや消し剤の添加である。
【0040】
つや消し剤は、無機物質または有機物質を含有でき、それらのいずれかまたは両方は、本発明の液状塗装組成物中で使用するのに適当である。本発明の液状塗装組成物中で使用するのに適当な無機つや消し剤の例には、非晶質シリカもしくは発熱シリカ、シリカゲル、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ジルコン、酸化スズ、マグネシア、またはそれらの混合物が挙げられる。無機つや消し剤は、未処理であり得るか、または有機化合物(例えば、適当なワックス)または無機化合物で表面処理され得る。本発明の液状塗装組成物中で使用するのに適当な有機つや消し剤の例には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、および同等または類似の光学特性を有する他の重合体が挙げられる。他の適当な有機つや消し剤の例には、ステアリン酸Al、ステアリン酸Zn、ステアリン酸Caもしくはステアリン酸Mg、ワックス化合物(微粉化ポリプロピレンワックス)、および尿素−ホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。特定の実施態様では、本発明の液状塗装組成物は、シリカ(合成非晶質シリカゲル)を含む少なくとも1種のつや消し剤を含有する。
【0041】
特定の実施態様では、この少なくとも1種のつや消し剤は、150容量パーセントから50容量パーセントまで、例えば、5容量パーセントから30容量パーセントまで、あるいは、いくつかの場合では、10容量パーセントから20容量パーセントまでの量で本発明の液状塗装組成物中に存在し、容量パーセントは、この液状塗装組成物中の固形分の全容量に基づいている。このような実施態様では、この液状塗装組成物中に存在しているつや消し剤の量は、列挙された値の任意の組み合わせの間の範囲(列挙された値を含めて)であり得る。
【0042】
本発明の液状塗装組成物はまた、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有する。本明細書中で使用する「イソシアヌレート」との用語は、3個のイソシアネート基−NCOの反応により形成される環状構造を有する化合物を意味する。本明細書中で使用する「多官能性イソシアヌレート」との用語は、少なくとも2個の反応性基、いくつかの場合では、3個の反応性基(例えば、特に、ヒドロキシル、エポキシ、イソシアネート、酸、アミン、アジリジン、カーバメート、メラミン、アリルおよび/またはアセトアセテート基)を含むイソシアヌレートを意味する。適当な多官能性イソシアヌレートの非限定的な具体例には、イソシアヌル酸トリス(ヒドロキシエチル)(THEIC)、イソシアヌル酸トリグリシジル(TGIC)、イソシアヌル酸トリアリル(TAIC)、およびヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートトリマー(HDI)(例えば、Desmodur(登録商標)N−3300であって、これはBayer Polymers LLC,Pittsburgh,PAから市販されている)が挙げられ、これには、前記多官能性イソシアヌレートの混合物を含む。
【0043】
特定の実施態様では、この少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物は、0.5重量パーセントから50重量パーセントまで、例えば、1重量パーセントから35重量パーセントまで、あるいは、いくつかの場合では、2重量パーセントから15重量パーセントまでの量で本発明の液状塗装組成物中に存在しており、重量パーセントは、この組成物の樹脂固形物の全重量に基づいている。このような実施態様では、この液状塗装組成物中に存在している少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物の量は、列挙された値の任意の組み合わせの間の範囲(列挙された値を含めて)であり得る。
【0044】
本発明の液状塗装組成物の特定の実施態様では、その塗装成分の特定の構造および物理的特性は、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が液状塗装組成物に十分な量で含有されるときに、この組成物が、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有しない類似の塗装組成物から類似の条件で堆積された被覆と比較して、少なくとも10%、または、いくつかの場合では、少なくとも50%、または、さらに他の場合では、少なくとも75%低い60°光沢を有する被覆が得られる限り、重要ではない。
【0045】
本明細書中で使用する「光沢」との用語は、被覆が光を反射する性能を意味し、高い光沢値は、多い量の光が反射されることを意味する。当業者に理解されるように、光沢の測定は、BYK/Haze光沢計(これは、Gardner Instrument Company,Inc.から市販されている)を使用して、行うことができる。本明細書中で使用する「60°光沢」との用語は、このようなBYK/Haze光沢計を使用して60°の角度で測定された被覆基材の光沢を意味する。
【0046】
当業者に理解されるように、被覆の光沢は、塗装組成物それ自体だけでなく、その被覆が堆積される条件にも影響され得る。本明細書中で使用する「類似の条件で堆積される」との用語は、2つの比較できる被覆が同じまたは類似の膜厚で同じまたは類似の基材上に堆積されることを意味する。当業者はまた、熱硬化性組成物から堆積された被覆の光沢が硬化条件により影響されることを理解する。結果として、少なくとも熱硬化性組成物の場合、「類似の条件で堆積される」との用語は、2つの比較できる被覆が類似の硬化条件(例えば、硬化温度、湿度および時間)で硬化されることを意味する。本明細書中で使用する「類似の塗装組成物」との用語は、比較できる塗装組成物が、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有しないこと以外、比較される組成物と同じまたは類似の量で、同じ成分を含有することを意味する。
【0047】
本発明の液状塗装組成物の特定の実施態様は、低光沢被覆を生成できる噴霧可能な高固形分塗装組成物に関する。これらの実施態様では、その塗装成分の特定の構造および物理的特性は、多官能性イソシアネートから形成された少なくとも1種の化合物を含めて、得られた塗装組成物が噴霧可能で高固形分で低光沢被覆を生成できる限り、重要ではない。本明細書中で使用する「高固形分」との用語は、少なくとも40重量パーセント、または、いくつかの場合では、少なくとも50重量パーセントの全固形分(ここで、「固形分」とは、非揮発性物質を意味する)を含有する塗装組成物を意味し、重量パーセントは、この組成物の全重量に基づいている。本明細書中で使用する「噴霧可能」とは、スプレーガンのような装置による微粒化により基材に均一に塗布できる組成物を意味する。噴霧可能性(sprayability)とは、当業者に理解されるように、この塗装組成物のレオロジープロフィール(すなわち、粘度)の関数である。典型的には、25℃(770°F)で約2〜約300センチポアズの粘度を有する塗装組成物は、例えば、DeVilbiss(登録商標)GTI−620 High Volume Low Pressure(HVLP)重力供給式スプレーガン(これは、1.4スプレー先端、2000ヘアーキャップを備えている)を使用するとき、噴霧可能であると見なされる。本明細書中で使用する「低光沢被覆」との用語は、20以下の光沢単位の60°光沢(これは、上記のように測定した)を有する被覆を意味する。特定の実施態様では、本発明の液状塗装組成物は、20ミルまでの膜厚で塗布されるとき、低光沢被覆を生成できる。
【0048】
本発明の塗装組成物の特定の実施態様では、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物は、6.5(cal/cm1/2以下、または、いくつかの場合では、6.0(cal/cm1/2以下のHansen水素結合溶解度パラメータδHを有し、または、さらに他の場合では、このHansen水素結合溶解度パラメータは、4.0(cal/cm1/2以下である。これらの実施態様では、少なくとも1種の多官能性イソシアネートから形成された少なくとも1種の化合物の特定の構造および物理的特性は、このような化合物が列挙された値の任意の組み合わせの間の範囲(列挙された値を含めて)のHansen水素結合溶解度パラメータδHを有する限り、重要ではない。
【0049】
当業者に理解されるように、物質の溶解度パラメータは、その物質の1モル容量あたりの気化エネルギーの平方根の測定値である。測定の単位は、1立方センチメートルあたりのカロリー(「(cal/cm1/2」)であり、これは、時には、「ヒルデブランド(hildebrand)」と呼ばれている。当業者は、Hansen溶解度パラメータが3つの要素、すなわち、分散要素δ;極性要素δ;および水素結合要素δを有することを理解する。これらの3つの要素の平方の合計の平方根は、全体的なHansen溶解度パラメータδである。それゆえ、当業者に理解されるように、δは、以下のように計算される:
δ=(δ+δ+δ1/2
もし、さらに多くの情報を望むなら、Hansen溶解度パラメータの解説は、ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY,Supplement Volume,2nd ed.,1971,John Wiley & Sons,Inc.の889〜909で発見できる。
【0050】
本明細書中で報告されたHansen溶解度パラメータは、以下の方法により測定できる。もし、測定する試料が溶媒を含有するなら、その溶媒は、この物質がほぼ100%の固形物となるように、除去される。次いで、この物質は、一連のバイアル(各々は、異なる溶媒を含む)に入れられ、このバイアルは、短時間振盪される。典型的には、公知のHansen溶解度パラメータを有する20〜30種の溶媒が使用される。これらのバイアルを24時間放置し、再度、短時間振盪した後、各試験片は、以下の評点に従って、特徴付けられる:1=完全に溶解性(完全に透明)、2=殆ど溶解性(僅かに曇っている)、3=非常に膨潤(曇っている、樹脂沈殿なし)、4=膨潤(濁っている、樹脂沈殿)、5=僅かな効果(濁っている、激しい樹脂沈殿)および6=不溶性(目に見える効果なし)。次いで、非線形最小二乗手順を使用して、Hansen溶解度パラメータおよび樹脂の周りの溶解エンベロープ(solubility envelope)の半径を概算する。Hansen溶解度パラメータおよびそれらの測定のそれ以上の説明には、例えば、Hansen Solubility Parameter:A User’s Handbook,Charles M.Hansen,CRC Press LLC,Boca Raton,FIa.,2000を参照のこと。
【0051】
特定の実施態様では、本発明は、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有する液状塗装組成物に関し、ここで、その化合物は、以下を含有する反応物の反応生成物を含む:(i)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレート、および(ii)該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である反応性基を有する少なくとも1種の長鎖単官能性反応物。本明細書中で使用する「長鎖」との用語は、少なくとも4個の炭素原子、例えば、少なくとも8個の炭素原子、または、いくつかの場合では、少なくとも18個の炭素原子を有する鎖を意味する。
【0052】
これらの実施態様では、この少なくとも1種の長鎖単官能性反応物は、この少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である反応性基を有する。例えば、この少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートが酸基に対して反応性である反応性基を含む場合、この長鎖単官能性反応物は、少なくとも1種の長鎖一酸を含有し得る。適当な一酸には、カプロン酸、酪酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、n−ウンデシル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、セロチン酸、オレイン酸、エライジン酸、モンタン酸、リノール酸、リノレン酸、ラウロレイン酸、ジヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸、ならびにそれらの異性体および混合物が挙げられる。
【0053】
特定の実施態様では、本発明は、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有する液状塗装組成物に関し、ここで、少なくとも1種の化合物は、以下を含有する反応物の反応生成物を有する:上記(i)および(ii)、ならびに(iii)該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも2個の反応性基を有する少なくとも1種の多官能性反応物。
【0054】
例えば、この多官能性イソシアヌレートが酸基に対して反応性である少なくとも2個の基を含む場合、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された化合物は、ポリカルボン酸を含有する反応物から形成され得る。このような反応物は、当業者に理解されるように、その化合物の分子量を確立するのに利用され得る。本明細書中で使用する「ポリカルボン酸」との用語は、1分子あたり少なくとも2個の酸基を含む物質を意味し、ここで、1分子あたり少なくとも2個の酸基のパラメータは、二官能性の酸が三官能性またはそれより高い官能性のポリ酸と混合されたポリ酸混合物を包含する。使用され得るポリカルボン酸のうちには、カルボン酸基含有重合体(例えば、アクリル重合体、ポリエステルおよびポリウレタン)がある。
【0055】
酸官能性アクリル重合体は、当業者に公知の技術を使用して、メタクリル酸および/またはアクリル酸モノマーと他のエチレン性不飽和共重合可能モノマーとを共重合することにより生成され得る。あるいは、酸官能性アクリルは、通常の技術を使用して、環状無水物と反応されたヒドロキシ官能性アクリルから調製できる。
【0056】
特定の実施態様では、このポリカルボン酸は、結晶性物質(例えば、4個〜20個の炭素原子を含有する結晶性脂肪族物質)である。適当な結晶性酸の例には、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸およびドデカンジオン酸が挙げられる。それに加えて、カルボン酸官能性ポリエステルは、使用され得る。低分子量ポリエステルおよび半酸エステル(half−acid ester)が使用でき、これらはそれぞれ、脂肪族ポリオールと脂肪族および/または芳香族ポリカルボン酸または無水物との縮合、または脂肪族ポリオールと脂肪族および芳香族無水物との反応に基づいている。適当な脂肪族ポリオールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ジ−トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキシルジメタノール、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらのポリカルボン酸および無水物には、とりわけ、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタルフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、無水アルキルヘキサヒドロフタル酸、無水クロレンド酸などが挙げられ得る。これらのポリカルボン酸、無水物およびポリオールの混合物もまた、使用され得る。
【0057】
特定の実施態様では、特に、この液状塗装組成物が、上記のように、熱硬化性樹脂である少なくとも1種の塗膜形成樹脂を含有する場合、本発明は、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有する液状組成物に関し、ここで、少なくとも1種の化合物は、以下を含有する反応物の反応生成物を含む:上記(i)、(ii)および(iii)、ならびに(iv)該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも1個の反応性基と前記少なくとも1種の硬化剤の反応性基と反応性である少なくとも1個の反応性基とを含有する少なくとも1種の反応物(そこから、該少なくとも1種の塗膜形成樹脂が形成される)。適当な反応性基の例には、特に、エポキシ基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、アミド基、カーバメート基およびカルボキシレート基が挙げられる。
【0058】
例えば、少なくとも1種の塗膜形成樹脂が、ポリイソシアネートまたはブロックドポリイソシアネートを含有する少なくとも1種の硬化剤から形成される場合、本発明の液状塗装組成物内に含まれる少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物は、少なくとも1個のヒドロキシル反応性基、いくつかの場合では、少なくとも2個のヒドロキシル反応性基(これらは、硬化中に、この少なくとも1種の硬化剤のイソシアネート基と反応できる)を含む反応物から形成され得る。このような反応物として使用するのに適当な物質の非限定的な具体例には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(a)低分子量ヒドロキシルカルボン酸、すなわち、500未満の重量平均分子量を有するヒドロキシルカルボン酸(例えば、C〜C18ヒドロキシルカルボン酸)、および(b)低分子量ポリオール、すなわち、500未満の重量平均分子量を有するポリオール(例えば、脂肪族ジオールジオール(例えば、C〜C10脂肪族ジオール)、トリオールおよび多価アルコール);(c)ポリエステルポリオール;(d)ポリエーテルポリオール;(e)アミド含有ポリオール;(f)ポリアクリルポリオール;(g)多価ポリビニルアルコール;(h)エポキシポリオール;(i)ウレタンポリオール;および(j)このようなポリオールの混合物。特定の実施態様では、これらの有機ポリオールは、低分子量ポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよびそれらの混合物からなる群から選択される。本明細書中で使用する「ポリオール」との用語は、少なくとも2個のヒドロキシル基を有する物質を含むことを意味する。
【0059】
適当な低分子量ヒドロキシルカルボン酸の具体例には、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、2−ヒドロキシカプロン酸、10−ヒドロキシデカン酸、12−ヒドロキシデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−プロピオン酸、ジメチロールプロピオン酸、グルコン酸、およびリンゴ酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
適当な低分子量ポリオールの具体例には、テトラメチロールメタン、すなわち、ペンタエリスリトール;トリメチロールエタン;トリメチロールプロパン;ジ−(トリメチロールプロパン);ジメチロールプロピオン酸;1,2−エタンジオール、すなわち、エチレングリコール;1,2−プロパンジオール、すなわち、プロピレングリコール;1,3−プロパンジオール;2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、すなわち、ネオペンチルグリコール;1、2,3−プロパントリオール、すなわち、グリセリン;1,2−ブタンジオール;1,4−ブタンジオール;1,3−ブタンジオール;1、2,4−ブタントリオール;1、2,3,4−ブタントリオール;2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール;1,5−ペンタンジオール;2,4−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;2,5−ヘキサンジオール;1,2,6−ヘキサントリオール;2−メチル−1,3−ペンタンジオール;2,4−ヘプタンジオール;2−エチル−1,3−ヘキサンジオール;1,4−シクロヘキサンジオール;1−(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル)−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート;六価アルコール、すなわち、ソルビトール;ジエチレングリコール;ジプロピレングリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール;1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン;1,2−ビス(ヒドロキシエチル)−シクロヘキサン;ビスヒドロキシプロピルヒダントイン;TMP/イプシロン−カプロラクトントリオール;水素化ビスフェノールA;トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート;1モルの2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわち、ビスフェノール−A)と2モルのプロピレンオキシドとのアルキレーション生成物;500未満の数平均分子量を有するエトキシル化またはプロポキシル化トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトール、およびこのような低分子量ポリオールの混合物が挙げられる。
【0061】
ポリエステルポリオールは、公知であり、そして500〜10,000の範囲の数平均分子量を有し得る。それらは、当該技術分野で公知の低分子量ジオール、トリオールおよび多価アルコール(これらには、先に記述した低分子量ポリオール(必要に応じて、一価アルコールと組み合わせて)が挙げられるが、これらに限定されない)とポリカルボン酸とを使用する通常の技術により調製される。
【0062】
本発明の液状塗装組成物の特定の実施態様では、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された化合物は、500〜10,000(例えば、2,000〜10,000)のMw、500〜5,000(例えば、1,000〜3、500)のMn、および1.0〜3.0(例えば、1.5〜3.0)のMw/Mnを有する重合体を含有する。本明細書中で使用する「Mw」とは、直鎖ポリスチレン標準に関連してサイズ減少排除クロマトグラフィーで決定される重量平均分子量を意味する;「Mn」とは、直鎖ポリスチレン標準に関連してサイズ排除クロマトグラフィーで決定される数平均分子量を意味する。このような実施態様では、Mw、MnおよびMw/Mnの値は、列挙された値の任意の組み合わせの間の範囲(列挙された値を含めて)であり得る。
【0063】
本発明の液状塗装組成物の特定の実施態様では、この少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物は、85〜460(例えば、150〜250)のOH価を有する重合体を含有する。このような実施態様では、このOH価は、列挙された値の任意の組み合わせの間の範囲(列挙された値を含めて)であり得る。
【0064】
本発明の液状塗装組成物内に含まれ得る少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成される化合物を生成するには、種々の方法が使用され得る。例えば、限定ではなく、(当業者に理解されるように)使用する溶媒系に依存して、この液状塗装組成物内には、複数(例えば、3個)のエポキシド基を含む少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有させることが望まれ得る。このようなイソシアヌレートには、例えば、(a)TGIC、(b)Desmodur(登録商標)N−3300とエポキシアルコール(例えば、グリシドール)との反応生成物、および(c)THEICとエピクロロヒドリンとのエーテル化反応生成物が挙げられる。次いで、複数のエポキシド基を含むイソシアヌレートは、先に記述したように、反応物(ii)、(iii)および(iv)と反応でき、本発明の液状塗装組成物の特定の実施態様にて含有させることが適当である少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された化合物が得られる。
【0065】
他の非限定的な例では、再度、(当業者に理解されるように)使用する溶媒系に依存して、この液状塗装組成物内には、複数(例えば、3個)のヒドロキシ基を含む少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有させることが望まれ得る。このような多官能性イソシアヌレートの一例には、THEICがある。このような実施態様では、THEICは、反応物(ii)、(iii)および(iv)と反応でき、本発明の液状塗装組成物の特定の実施態様にて含有させることが適当である少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された化合物が得られる。
【0066】
さらに他の非限定的な例では、再度、この液状塗装組成物内には、複数(例えば、3個)のイソシアネート基を含む少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有させることが望まれ得る。このような多官能性イソシアヌレートの一例には、Desmodur(登録商標)N−3300がある。このような実施態様では、Desmodur(登録商標)N−3300は、反応物(ii)、(iii)および(iv)と反応でき、本発明の液状塗装組成物の特定の実施態様にて含有させることが適当である少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された化合物が得られる。
【0067】
これらの液状塗装組成物はまた、先に記述したものに加えて、追加成分を含有し得る。例えば、本発明の液状塗装組成物が熱硬化性樹脂を含む少なくとも1種の塗膜形成樹脂を含有する特定の実施態様では、この塗装組成物はまた、少なくとも1種の触媒を含有し得る。このような触媒は、この硬化剤とその重合体上の反応性基との反応を促進し得る。アミノプラスト硬化に適当な触媒には、酸(例えば、酸ホスフェートおよびスルホン酸または置換スルホン酸)が挙げられる。例には、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、フェニル酸ホスフェート、エチルヘキシル酸ホスフェートなどが挙げられる。イソシアネート硬化に適当な触媒には、有機スズ化合物(例えば、ジブチルスズオキシド、酸化ジオクチルスズ、ジブチルスズジラウレートなど)が挙げられる。特定の実施態様では、適当な触媒には、金属乾燥剤、例えば、金属(例えば、マンガン、セリウム、コバルト、銅、鉛、ジルコニウムなど)のオクトン酸塩、デカン酸塩、ステアリン酸塩およびノナデカン酸塩が挙げられる。特定の実施態様では、適当な触媒には、塩基性物質、例えば、第二級アミン触媒(例えば、ピペリジン、およびN−メチルドデシルアミン);第三級アミン触媒(例えば、N,N−ジメチルドデシルアミン、ピリジン、メチルジココアミンおよびN,N−ジメチルアニリン);アンモニウム化合物(臭化トリブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、および酢酸テトラブチルアンモニウムを含めて);ホスホニウム化合物(酢酸エチルトリフェニルホスホニウムおよび臭化テトラブチルホスホニウムを含めて)、ならびに他のアンモニウムおよびホスホニウム塩が挙げられる。本発明の特定の実施態様では、この触媒は、液状塗装組成物中の樹脂固形分の全重量に基づいて、約0.05〜3重量パーセント、例えば、約0.25〜約2重量パーセントの量でこの液状塗装組成物中に存在する。
【0068】
特定の実施態様では、本発明の液状塗装組成物は、塗装組成物で通常使用される補助成分を含有し得る。この組成物には、任意の成分、例えば、可塑剤、界面活性剤、チキソトロープ剤、ガス発生防止剤、有機共溶媒、流動制御剤、酸化防止剤、UV光吸収剤、および当該技術分野で通常の類似の添加剤が含有され得る。相溶性の問題を除いて、当該技術分野で公知のいずれのこのような添加剤も使用できる。これらの物質の非限定的な例は、米国特許第4,220,679号;第4,403,003号;第4,147,769号;および第5,071,904号で記載されている。多くの場合、これらの成分は、この液状塗装組成物中の樹脂固形分の全重量に基づいて、約40重量パーセントまでで存在している。
【0069】
上記成分に加えて、本発明の液状塗装組成物はまた、着色顔料(例えば、表面被覆で通常使用されるもの)を含有し、そして着色塗装として使用され得る。特定の顔料を使用することの適合性は、当業者に明らかとなる。適当な顔料には、例えば、無機顔料、有機顔料、金属顔料、金属効果(metallic−effect)顔料および錆止め顔料(それらの混合物を含めて)が挙げられる。
【0070】
適当な無機顔料の具体例には、二酸化チタン、酸化鉄、クロム酸鉛、酸化クロム、クロムグリーン、硫化カドミウム、リトポン顔料などが挙げられるが、これらに限定されない。適当な有機顔料の具体例には、特に、カーボンブラック;モノアゾ、ジアゾおよびベンゾイミダゾロンイエロー、オレンジ、レッドおよびブラウン;フタロシアニンブルーおよびグリーン;黄色から青色の範囲のアントラキノン顔料;キナクリドンイエロー、レッドおよびバイオレット;ペリレンレッドおよびブラウン;インジゴイドレッド、ブルーおよびバイオレット;チオニジゴ(thionidigo)バイオレット;イソインドリノンイエロー、オレンジおよびレッド;キノリンイエローが挙げられるが、これらに限定されない。適当な金属顔料の具体例には、特に、アルミニウム、亜鉛、鉛、青銅、銅、ステンレス鋼、およびマイカ、ニッケルおよびスズの薄片が挙げられるが、これらに限定されない。適当な錆止め顔料には、特に、酸化鉛、クロム酸亜鉛、リン酸亜鉛、含マイカ酸化鉄が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
特定の実施態様では、この顔料は、この組成物中の固形分の全重量に基づいて、約80重量パーセントまでの量で、この液状塗装組成物に取り込まれる。この金属顔料は、特定の実施態様では、この組成物中の固形分の全重量に基づいて、約0.5〜約25重量パーセントの量で、使用される。これらの実施態様では、この顔料は、枚挙した値を含む任意の範囲で、この液状塗装組成物中に存在し得る。
【0072】
上で述べたように、本発明の液状塗装組成物は、基材を被覆する方法で使用され得、該方法は、該基材に液状塗装組成物を塗布する工程、該基材上の該液状塗装組成物を、実質的に連続した塗膜の形状で合体させる工程、および該液状塗装組成物を硬化する工程を包含する。
【0073】
本発明の液状塗装組成物は、それらが接着する種々の基材に塗布でき、これらには、特に、木材、金属、ガラス、紙、石工表面(masonry surfaces)、発泡体、およびプラスチック(弾性基材を含めて)が挙げられる。結果として、本発明はまた、このような液状塗装組成物を含む組成物から堆積された被覆で少なくとも部分的に被覆された基材に関する。これらの組成物は、通常の手段(はけ塗り、浸漬、流し塗り、噴霧などを含めて)により塗布できるが、先に述べたように、それらは、特定の実施態様では、有利には、噴霧により塗布できる。空気噴霧および静電噴霧のための通常の噴霧技術および装置、ならびに手動または自動のいずれかの方法が使用できる。
【0074】
この液状塗装組成物を基材に塗布した後、この組成物は、合体されて、基材上に実質的に連続した塗膜を形成する。典型的には、その膜厚は、0.01〜20ミル(約0.25〜508ミクロン)、例えば、0.01〜5ミル(0.25〜127ミクロン)、または、いくつかの場合では、0.1〜2ミル(2.54〜50.8ミクロン)の厚さである。この塗膜は、加熱または空気乾燥により塗膜から希釈剤(すなわち、有機溶媒および/または水)を追い出すことにより、この基材の表面に形成される。いくつかの場合では、この加熱は、この組成物を溶解することなく、この塗膜に、任意の実質的に連続した被覆が形成できることを保証するのに十分な短時間にわたって行われるにすぎない。適当な乾燥条件は、特定の組成物に依存するが、一般に、約68°F〜250°F(20℃〜121℃)の温度で、約1〜5分間の乾燥時間が十分である。最適な外観を生じるために、液状塗装組成物の1層より多い被膜が塗布され得る。被膜間では、先に塗布された被膜は、フラッシュされ得、すなわち、約1〜20分間にわたって、周囲条件に晒され得る。
【0075】
先に述べたように、本発明の液状塗装組成物の特定の実施態様の1つの長所は、噴霧可能で高固形分であり得ること、および光沢が低い被覆を生成できることである。
【0076】
本発明の液状組成物は、単一被覆、クリアトップ被覆、2層系におけるベース被覆、または多層系(これは、クリアトップ塗装組成物、着色層およびベース塗装組成物を含む)の1層またはそれ以上として、あるいは下塗層として、使用され得る。
【0077】
特定の実施態様では、本発明の液状塗装組成物は、複合多層被覆(例えば、「カラー−プラス−クリア(color−plus−clear)」被覆系(これは、少なくとも1層の有色もしくは着色ベースコートおよび少なくとも1層のクリアトップコートを含む))の一部として使用され得る。結果として、本発明はまた、複合多層被覆に関し、ここで、少なくとも1つの被覆層は、本発明の液状塗装組成物を含む組成物から堆積される。特定の実施態様では、このような複合多層被覆の層の全ては、本発明の液状塗装組成物を含む組成物から堆積される。
【0078】
例えば、特定の実施態様では、クリアトップコートが堆積され得るクリア塗膜形成組成物は、本発明の液状塗装組成物を含み得る。このような実施態様では、このカラー−プラス−クリア系におけるベースコートの塗装組成物は、塗装用途で有用な任意の組成物(例えば、特に、自動車のOEM用途、自動車の再仕上げ用途、工業塗装用途、建築塗装用途、電着塗装用途、粉体塗装用途、コイル塗装用途、および航空宇宙用塗装用途で典型的に使用されるもの)を含み得る。このベースコートの塗装組成物は、典型的には、樹脂結合剤および顔料(これは、着色剤として作用する)を含有する。特に有用な樹脂結合剤には、特に、前述のアクリル重合体、ポリエステル(アルキドを含めて)およびポリウレタンが挙げられる。
【0079】
これらのベースコート組成物は、溶媒媒介または水媒介であり得る。カラー−プラス−クリア組成物中で適当な水媒介ベースコートには、米国特許第4,403,003号で開示されたものが挙げられ、これらのベースコートを調製する際に使用される樹脂組成物は、本発明の複合多層被覆の実施において使用できる。また、このベースコートの樹脂結合剤として、水媒介ポリウレタン(例えば、米国特許第4,147,679号に従って調製されるもの)が使用できる。さらに、このベースコートとして、水媒介被覆(例えば、米国特許第5,071,904号で記載されたもの)が使用できる。
【0080】
もし望ましいなら、このベースコート組成物は、調合表面塗装の技術分野で周知の追加物質を含有し得、これらには、上述のものが挙げられる。これらの物質は、この塗装組成物の全重量の40重量パーセントまでを構成できる。
【0081】
これらのベース塗装組成物は、それらが通常の手段により接着する種々の基材に塗布できるが、それらは、最も多くの場合、噴霧により塗布される。空気噴霧および静電噴霧のための通常の噴霧技術および装置、ならびに手動または自動のいずれかの方法が使用できる。
【0082】
このベースコート組成物の基材への塗布中に、この基材には、ベースコートの塗膜が形成される。典型的には、このベースコートの厚さは、約0.01〜5ミル(0.25〜127ミクロン)、好ましくは、0.1〜2ミル(2.54〜50.8ミクロン)である。
【0083】
このベースコートを基材に塗布した後、クリアコートがベースコート組成物を溶解することなくベースコートに塗布できることを保証するのに十分な時間ではあるが、このベースコートを完全に硬化するには不十分な時間にわたって、加熱または空気乾燥により、そのベースコート塗膜から溶媒を追い出すことによって、この基材の表面には、塗膜が形成される。最適な外観を生じるために、1層より多いベースコートおよび複数のクリアコートが塗布され得る。通常、被膜間では、先に塗布された被膜は、フラッシュされる。
【0084】
このベースコートで覆われた基材には、任意の通常の塗装技術(例えば、はけ塗り、噴霧、浸漬または流し塗り)により、クリアトップコートが塗布され得るが、噴霧塗布は、優れた光沢のために、好ましい。公知の噴霧技術(例えば、圧縮空気噴霧、静電噴霧、ならびに手動または自動方法)のいずれかが使用され得る。
【0085】
このベースコートにクリアコートを塗布した後、被覆された基材は、加熱され得、被覆層が硬化される。硬化操作では、溶媒が追い出され、その組成物中の塗膜形成物質が架橋される。この加熱または硬化操作は、通常、少なくとも常温(遊離ポリイソシアネート架橋剤の場合)から350°Fまで(常温〜177℃)の範囲の温度で実行されるが、もし必要なら、架橋機構を起動するために、必要に応じて、これより低いまたは高い温度が使用され得る。
【0086】
前述の記述だけでなく以下の実施例から、本発明はまた、少なくとも1種の塗膜形成樹脂および少なくとも1種のつや消し剤を含有する液状塗装組成物中の少なくとも1種のつや消し剤のつや消し性能を向上させる方法に関する。本明細書中で使用する「向上させる(enhancing)」との用語は、上げる(raise)、大きくする(make greater)、高める(heighten)、または強める(intensify)ことを意味する。本発明の方法は、この組成物に、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有させる工程を包含する。
【0087】
以下の実施例で本発明を説明するが、しかしながら、本発明をそれらの詳細に限定するとは見なされない。特に明記しない限り、以下の実施例だけでなく本明細書全体にわたって、全ての部およびパーセントは、重量基準である。
【実施例】
【0088】
以下の実施例A〜Fは、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された化合物の調製を記述する。
【0089】
(実施例A)
表1は、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された化合物を調製するのに使用される成分および量を示す。
【0090】
【表1】

Invista Inc.(Wichita,Kansas)から市販されているCorfree M−2ドデカン酸
Perstorp Polyols,Inc.(Toledo,Ohio)から市販されている
Vantico Inc.(Los Angeles,California)から市販されているAraldite PT810
Synthron Inc.(Morgantown,North Carolina)から市販されているActiron 32−057
Crompton Corp.(Middlebury,Connecticut)から市販されているHystrene 9022
Unichema Chemie B.V.(Netherlands)から市販されているPrisorine 3505イソステアリン酸
Dow Chemical Co.から市販されている
Dow Chemical Co.から市販されている。
【0091】
攪拌機、冷却器、熱電対および窒素ブランケットを備え付けたガラス製反応器に、チャージIを加えた。チャージIを、窒素ブランケット下にて、30分間にわたって、100℃まで加熱した。100℃に達した後、チャージIの温度を30分間ごとに10℃上げて、1.5時間で130℃に到達させた。3未満の酸価に達するまで、0.5時間ごとに、試料を取り出した。次いで、20分間にわたって、チャージII(これは、予め混合し、そして160°Fのホットルームに入れた)を加えた。一旦、チャージIIの全てを加えると、反応器の内容物を1時間混合した。3未満の酸価が測定されるまで、反応器の内容物を試料採取し、酸価が3未満になった時点で、反応器の内容物を120℃未満まで冷却し、そしてチャージIIIを加えることにより70%固形分まで薄めた。生成物を15分間混合し、次いで、酢酸n−ブチル:エチレングリコールブチルエーテルの4:1溶媒ブレンドを使用して、65%固形分まで薄めた。最終生成物は、0.01の酸価、2404のエポキシド当量重量、および241のOH価、3191のMw、および1121のMnを有していた。この最終生成物は、10.58の分散成分Hansen溶解度パラメータδ、1.52の極性成分Hansen溶解度パラメータδ、5.87の水素結合成分Hansen溶解度パラメータδを有していた。結果として、全体的なHansen溶解度パラメータδは、12.13であった。
【0092】
(実施例B)
表2は、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された化合物を調製するのに使用される成分および量を示す。
【0093】
【表2】

攪拌機、冷却器、熱電対および窒素ブランケットを備え付けたガラス製反応器に、チャージIを加えた。チャージIを、窒素ブランケット下にて、2時間にわたって、120℃まで加熱した。120℃に達した後、チャージIの温度を、必要に応じて、130℃まで上げて、反応を完結させた。一旦、その温度になると、反応器内容物を混合し、そして0.5時間後、試料採取した。一旦、3未満の酸価に達すると、チャージIIを加えた。一旦、チャージIIの全てを加えると、反応器の内容物を1時間混合した。3未満の酸価が測定されるまで、反応器の内容物を試料採取し、酸価が3未満になった時点で、反応器内容物を冷却し、そして金属缶に入れた。最終生成物は、0.16の酸価、1564のエポキシド当量重量、および349のOH価、3207のMw、および1407のMnを有していた。この最終生成物は、8.65の分散成分Hansen溶解度パラメータδ、4.10の極性成分Hansen溶解度パラメータδ、2.50の水素結合成分Hansen溶解度パラメータδを有していた。結果として、全体的なHansen溶解度パラメータδは、9.89であった。
【0094】
(実施例C)
表3は、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された化合物を調製するのに使用される成分および量を示す。
【0095】
【表3】

攪拌機、冷却器、熱電対および窒素ブランケットを備え付けたガラス製反応器に、チャージIを加え、そして窒素ブランケット下にて、120℃まで加熱した。別の容器にて、チャージIIをブレンドし、次いで、2時間にわたって、チャージIに徐々に加えた。3未満の酸価が測定されるまで、反応器内容物を試料採取し、酸価が3未満になった時点で、チャージIIIを加えることによりこれらの内容物を50%固形分まで薄めた。この最終生成物は、0.03の酸価、2348のエポキシド当量重量、および124のOH価、4164のMw、および2656のMnを有していた。この最終生成物は、8.75の分散成分Hansen溶解度パラメータδ、6.00の極性成分Hansen溶解度パラメータδ、3.50の水素結合成分Hansen溶解度パラメータδを有していた。結果として、全体的なHansen溶解度パラメータδは、11.17であった。
【0096】
(実施例D)
表4は、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された化合物を調製するのに使用される成分および量を示す。
【0097】
【表4】

Albermarle Corp.(Richmond,Virginia)から市販されているADMA 12
攪拌機、冷却器、熱電対および窒素ブランケットを備え付けたガラス製反応器に、チャージIを加えた。チャージIを、窒素ブランケット下にて、30分間にわたって、100℃まで加熱した。100℃に達した後、チャージIの温度を30分間ごとに10℃上げて、1.5時間で130℃に到達させた。3未満の酸価に達するまで、0.5時間ごとに、試料を取り出した。次いで、20分間にわたって、チャージII(これは、予め混合し、そして160°Fのホットルームに入れた)を加えた。一旦、チャージIIの全てを加えると、反応器の内容物を1時間混合した。3未満の酸価が測定されるまで、反応器の内容物を試料採取し、酸価が3未満になった時点で、反応器の内容物を120℃未満まで冷却し、そしてチャージIIIを加えることにより70%固形分まで薄めた。生成物を15分間混合し、そして金属缶に入れた。この最終生成物は、9.61の分散成分Hansen溶解度パラメータδ、6.81の極性成分Hansen溶解度パラメータδ、6.79の水素結合成分Hansen溶解度パラメータδを有していた。結果として、全体的なHansen溶解度パラメータδは、12.06であった。
【0098】
(実施例E)
表5は、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された化合物を調製するのに使用される成分および量を示す。
【0099】
【表5】

攪拌機、冷却器、熱電対および窒素ブランケットを備え付けたガラス製反応器に、チャージIおよびIIを加え、そして窒素ブランケット下にて、120℃まで加熱した。別の容器にて、チャージIIIをブレンドし、次いで、2時間にわたって、チャージIおよびIIに徐々に加えた。反応器内容物を一定温度で保持し、そして3未満の酸価が測定されるまで、試料採取した。最終生成物は、886のエポキシド当量重量、および106のOH価を有していた。この最終生成物は、8.75の分散成分Hansen溶解度パラメータδ、6.00の極性成分Hansen溶解度パラメータδ、3.50の水素結合成分Hansen溶解度パラメータδを有していた。結果として、全体的なHansen溶解度パラメータδは、11.17であった。
【0100】
(実施例F)
表6は、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された化合物を調製するのに使用される成分および量を示す。
【0101】
【表6】

10 Nissan Chemical America Corp.(Houston,Texas)から市販されている
11 Crompton Corp.(Middlebury,Connecticut)から市販されているWeston TDP
12 Atofina Chemicals Inc.(Philadelphia,Pennsylvania)から市販されているFascat 4201。
【0102】
表6に示した順序で、攪拌機、冷却器、熱電対および窒素ブランケットを備え付けたガラス製反応器に、チャージIを加えた。スコーチを避けるために、チャージIを、窒素ブランケット下にて、230℃までゆっくりと加熱した。230℃に達した4時間後、試料を取り出して、酸価を調べた。次いで、3未満の酸価が測定されるまで、定期的に試料を取り出し、酸価が3未満になった時点で、反応器内容物を安全な温度まで冷却した。
【0103】
(塗装実施例)
以下の実施例1〜5は、本発明の特定の実施態様に従った液状塗装組成物の調製を記述する。比較例1C〜6Cは、比較塗装組成物の調製を記述する。比較例1C〜4Cは、少なくとも1種のつや消し剤を含有しないこと以外は、それらの対応する実施例1〜4と類似している。比較例5Cは、その組成物内に少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有しないこと以外は、実施例1〜4と類似の組成物の調製を記述している。比較例6Cは、少なくとも1種のつや消し剤または少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有しないこと以外は、実施例1〜4と類似の組成物の調製を記述している。
【0104】
(実施例1〜4)
表7および8で示した成分および量(グラム)を使用して、実施例1〜4の塗装組成物を生成した。Cowles分散攪拌機を備え付けた適当な混合容器を使用して、プレミックス1(表7)を調製した。この容器に、成分1a、1bおよび1cを加えた。次いで、Cowlesブレード攪拌下にて、成分1dを加えた。次いで、Cowlesブレードかき混ぜ下にて、順に、成分1e、1fおよび1gを加えた。次いで、この容器の内容物を、高速攪拌下にて、10〜15分間混合した。次に、成分1h、1iおよび1jを順に加えた。次いで、成分1kを加え、次いで、この容器の内容物を、5〜10分間にわたって、ゆっくりと混合した。次いで、プレミックス1を成分2と混合した。一旦、混合すると、成分3および4を加え、次いで、混合した。その組成物を基材に塗布する際に、成分5を加えた。
【0105】
【表7】

13 Dow Chemical Co.から市販されている低分子量直鎖ポリカプロラクトンポリオール
14 BASF Corp.から市販されている溶媒
15 16重量パーセントの溶媒(24%鉱油および76%酢酸オキシ−ヘキシル)中の84重量パーセントのアクリル樹脂(21%アクリル酸ヒドロキシエチル、2%メタクリル酸n−ブチルおよび77%アクリル酸n−ブチル)の溶液
16 BYK Chemieから市販されている湿潤剤
17 Grace Davisonから市販されているつや消しシリカ
18 Luzenac America,Inc.から市販されている微結晶タルク
19 Hoechst Celanese Chem.Co.から市販されている溶媒
20 Ciba Specialty Chemicalsから市販されているUV吸収剤
21 Ciba Specialty Chemicalsから市販されているヒンダードアミン光安定剤
22 Air Products & Chemicals Inc.から市販されている。
【0106】
【表8】

23 PPG Industries,Inc.から市販されている
24 PPG Industries,Inc.から市販されている
25 PPG Industries,Inc.から市販されている
26 PPG Industries,Inc.から市販されている。
【0107】
(比較例1C〜6C)
表9(プレミックス1)および10で示した成分および量(グラム)を使用して、比較例1C〜6Cの塗装組成物を生成した。これらの塗装組成物は、実施例1〜4について上記の様式と同じ様式で、生成した。
【0108】
【表9】

26 上記表7で記述したものと同じ。
【0109】
【表10】


【0110】
(実施例5)
表11(プレミックス1)および12で示した成分および量(グラム)を使用して、実施例5の塗装組成物を生成した。これらの塗装組成物は、実施例1〜4について上記の様式と同じ様式で、生成した。
【0111】
【表11】

27 70重量パーセントのポリエステル樹脂組成物(47.98%Cardura E−10(これは、Resolution Performance Productsから市販されている)、38.64%無水フタル酸、10.60%トリメチロールプロパン、0.72%プロピレンイミン、0.38%テトラエチレンペンタミン、および1.68%Desmodur(登録商標)N−3390(これは、Bayer Corp.から市販されている))および30重量パーセントの溶媒(20.6%芳香族溶媒−100型、79%メチルエーテルプロピレングリコールアセテート、および0.4%Desmodur(登録商標)N−3390)の溶液。
28 3M Corp.から市販されているシリカ−アルミナセラミック
29 Perstorp Polyols,Inc.から市販されている
30 Chitec Chemical Co.から市販されている
31 Ciba Specialty Chemicals,Inc.から市販されているヒンダードアミン光安定剤
32 DeGussa,Inc.から市販されているワックス被覆二酸化ケイ素。
【0112】
【表12】


【0113】
(試験基材)
DeVilbiss高容量−低圧(HVLP)スプレーガン(これは、このガンにて、35psiの圧力で、1.4スプレー先端を備えている)を使用して、裸の鋼鉄Q−Panel(登録商標)に、各塗装組成物を塗布した。各パネルに、このガンを2回通過させ、通過の間に、10分間フラッシュして、溶媒を蒸発させた。これらの塗装組成物を、室温で、少なくとも24時間硬化させた後、光沢値を測定した。結果は、表13で報告する。
【0114】
【表13】

32 60°光沢は、Gardner Instrument Company,Inc.から市販されているBYK/Haze光沢計を使用して測定し、60°の視角で決定した。
33 85°光沢は、Gardner Instrument Company,Inc.から市販されているBYK/Haze光沢計を使用して測定し、85°の視角で決定した。
【0115】
前述の説明で開示された概念から逸脱することなく、本発明に対して変更を行い得ることは、当業者が容易に理解する。このような変更は、請求項がその言葉で特に明記しない限り、上記請求項の範囲内に含まれると見なされる。従って、本明細書中で詳細に記述された特定の実施態様は、例示にすぎず、添付の特許請求の範囲の全幅およびそれらのいずれかおよび全ての同等物で示される本発明の範囲を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
(a)少なくとも1種の塗膜形成樹脂;
(b)少なくとも1種のつや消し剤;および
(c)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物
を含有する液状塗装組成物であって、ここで、該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物は、該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有しない類似の液状塗装組成物から類似の条件で堆積された被覆と比較して、少なくとも10%低い60°光沢を有する被覆を生じるのに十分な量で該組成物中に存在する、組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種の塗膜形成樹脂が、少なくとも1種の熱硬化性塗膜形成樹脂を含む、請求項1に記載の液状塗装組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種の塗膜形成樹脂が、少なくとも1種類の反応性基を有する少なくとも1種の重合体と、該少なくとも1種の重合体の該少なくとも1種類の反応性基と反応性である反応性基を有する少なくとも1種の硬化剤との反応から形成される、請求項2に記載の液状塗装組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、非晶質シリカもしくは発熱シリカ、シリカゲル、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ジルコン、酸化スズ、マグネシア、またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の液状塗装組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、シリカを含む、請求項4に記載の液状塗装組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、合成非晶質シリカゲルを含む、請求項4に記載の液状塗装組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸Al、ステアリン酸Zn、ステアリン酸Caもしくはステアリン酸Mg、微粉化ポリプロピレンワックス、尿素−ホルムアルデヒド縮合物、またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の液状塗装組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートが、イソシアヌル酸トリス(ヒドロキシエチル)、イソシアヌル酸トリグリシジル、イソシアヌル酸トリアリル、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートトリマー、またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の液状塗装組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、1重量パーセントから50重量パーセントまでの量で前記液状塗装組成物中に存在し、重量パーセントが、該組成物中の樹脂固形分の全重量に基づいている、請求項1に記載の液状塗装組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物は、該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有しない類似の液状塗装組成物から類似の条件で堆積された被覆と比較して、少なくとも50%低い60°光沢を有する被覆を生じるのに十分な量で該組成物中に存在する、請求項1に記載の液状塗装組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物は、該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有しない類似の液状塗装組成物から類似の条件で堆積された被覆と比較して、少なくとも75%低い60°光沢を有する被覆を生じるのに十分な量で該組成物中に存在する、請求項10に記載の液状塗装組成物。
【請求項12】
前記液状塗装組成物が、低光沢被覆を生成できる噴霧可能な高固形分組成物である、請求項1に記載の液状塗装組成物。
【請求項13】
前記液状塗装組成物が、前記液状塗装組成物の全重量に基づいて、少なくとも50重量パーセントの全固形分を含む、請求項12に記載の液状塗装組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、6.5(cal/cm1/2以下のHansen水素結合溶解度パラメータを有する、請求項1に記載の液状塗装組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、6.0(cal/cm1/2以下のHansen水素結合溶解度パラメータを有する、請求項14に記載の液状塗装組成物。
【請求項16】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、4.0(cal/cm1/2以下のHansen水素結合溶解度パラメータを有する、請求項15に記載の液状塗装組成物。
【請求項17】
前記多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、以下:(i)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレート、および(ii)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である反応性基を有する少なくとも1種の長鎖単官能性反応物、を含有する反応物の反応生成物を含む、請求項1に記載の液状塗装組成物。
【請求項18】
前記少なくとも1種の長鎖単官能性反応物が、少なくとも18個の炭素原子を含有する、請求項17に記載の液状塗装組成物。
【請求項19】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、以下:(iii)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも2個の反応性基を有する少なくとも1種の多官能性反応物、をさらに含有する反応物の反応生成物を含む、請求項17に記載の液状塗装組成物。
【請求項20】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、以下:(i)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレート、(ii)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である反応性基を有する少なくとも1種の長鎖単官能性反応物、(iii)該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも2個の反応性基を有する少なくとも1種の多官能性反応物、および(iv)該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも1個の反応性基と前記少なくとも1種の硬化剤の反応性基と反応性である少なくとも1個の反応性基とを含有する少なくとも1種の反応物、を含有する反応物の反応生成物を含む、請求項3に記載の液状塗装組成物。
【請求項21】
前記多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、1,500〜10,000のMwを有する重合体を含有する、請求項1に記載の液状塗装組成物。
【請求項22】
前記多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、1.5〜3.0のMw/Mnを有する重合体を含有する、請求項1に記載の液状塗装組成物。
【請求項23】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートが、3個のエポキシド基を含む、請求項1に記載の液状塗装組成物。
【請求項24】
請求項1に記載の液状塗装組成物を含有する組成物を堆積させた被覆で少なくとも部分的に被覆された、基材。
【請求項25】
複合多層被覆であって、該複合多層被覆の少なくとも1層が、請求項1に記載の液状塗装組成物を含有する組成物から堆積される、複合多層被覆。
【請求項26】
基材を被覆する方法であって、以下の工程:
(a)該基材の少なくとも一部に、請求項1に記載の液状塗装組成物を含有する組成物を塗布する工程、
(b)該基材上の該液状塗装組成物を、実質的に連続した塗膜の形状で合体させる工程、および
(c)該液状塗装組成物を硬化する工程
を包含する、方法。
【請求項27】
以下:
(a)少なくとも1種の塗膜形成樹脂;
(b)少なくとも1種のつや消し剤;および
(c)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物
を含有する液状塗装組成物であって、
ここで、該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物は、6.5(cal/cm1/2以下のHansen水素結合溶解度パラメータを有する、液状塗装組成物。
【請求項28】
前記少なくとも1種の塗膜形成樹脂が、少なくとも1種類の反応性基を有する少なくとも1種の重合体と、該少なくとも1種の重合体の該少なくとも1種類の反応性基と反応性である反応性基を有する少なくとも1種の硬化剤との反応から形成された少なくとも1種の熱硬化性塗膜形成樹脂を含む、請求項27に記載の液状塗装組成物。
【請求項29】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、非晶質シリカもしくは発熱シリカ、シリカゲル、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ジルコン、酸化スズ、マグネシア、またはそれらの混合物を含む、請求項27に記載の液状塗装組成物。
【請求項30】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、シリカを含む、請求項29に記載の液状塗装組成物。
【請求項31】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、合成非晶質シリカゲルを含む、請求項30に記載の液状塗装組成物。
【請求項32】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸Al、ステアリン酸Zn、ステアリン酸Caもしくはステアリン酸Mg、微粉化ポリプロピレンワックス、尿素−ホルムアルデヒド縮合物、またはそれらの混合物を含む、請求項27に記載の液状塗装組成物。
【請求項33】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートが、イソシアヌル酸トリス(ヒドロキシエチル)、イソシアヌル酸トリグリシジル、イソシアヌル酸トリアリル、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートトリマー、またはそれらの混合物を含む、請求項27に記載の液状塗装組成物。
【請求項34】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を含有しない類似の液状塗装組成物から類似の条件で堆積された被覆と比較して、少なくとも50%低い60°光沢を有する被覆を生じるのに十分な量で該組成物中に存在する、請求項27に記載の液状塗装組成物。
【請求項35】
前記組成物が、低光沢被覆を生成できる噴霧可能な高固形分組成物である、請求項27に記載の液状塗装組成物。
【請求項36】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、6.0(cal/cm1/2以下のHansen水素結合溶解度パラメータを有する、請求項27に記載の液状塗装組成物。
【請求項37】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、4.0(cal/cm1/2以下のHansen水素結合溶解度パラメータを有する、請求項36に記載の液状塗装組成物。
【請求項38】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、以下:(i)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレート、および(ii)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である反応性基を有する少なくとも1種の長鎖単官能性反応物、を含有する反応物の反応生成物を含む、請求項27に記載の液状塗装組成物。
【請求項39】
前記少なくとも1種の長鎖単官能性反応物が、少なくとも18個の炭素原子を含有する、請求項38に記載の液状塗装組成物。
【請求項40】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、以下:(iii)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも2個の反応性基を有する少なくとも1種の多官能性反応物、をさらに含有する反応物の反応生成物を含む、請求項38に記載の液状塗装組成物。
【請求項41】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、以下:(i)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレート、(ii)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である反応性基を有する少なくとも1種の長鎖単官能性反応物、(iii)該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも2個の反応性基を有する少なくとも1種の多官能性反応物、および(iv)該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも1個の反応性基と前記少なくとも1種の硬化剤の反応性基と反応性である少なくとも1個の反応性基とを含有する少なくとも1種の反応物、を含有する反応物の反応生成物を含む、請求項28に記載の液状塗装組成物。
【請求項42】
請求項27に記載の液状塗装組成物を含有する組成物を堆積させた被覆で少なくとも部分的に被覆された、基材。
【請求項43】
複合多層被覆であって、該複合多層被覆の少なくとも1層が、請求項27に記載の液状塗装組成物を含有する組成物から堆積される、複合多層被覆。
【請求項44】
基材を被覆する方法であって、以下の工程:
(a)該基材の少なくとも一部に、請求項27に記載の液状塗装組成物を含有する組成物を塗布する工程、
(b)該基材上の該液状塗装組成物を、実質的に連続した塗膜の形状で合体させる工程、および
(c)該液状塗装組成物を硬化する工程
を包含する、方法。
【請求項45】
以下:
(a)少なくとも1種の塗膜形成樹脂;
(b)少なくとも1種のつや消し剤;および
(c)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物
を含有する液状塗装組成物であって、
ここで、該液状塗装組成物は、
(i)低光沢被覆を生成でき、
(ii)高固形分組成物であり、そして
(iii)噴霧可能である、
液状塗装組成物。
【請求項46】
前記組成物が、20ミルまでの膜厚で塗布されるとき、低光沢被覆を生成できる、請求項45に記載の液状塗装組成物。
【請求項47】
前記少なくとも1種の塗膜形成樹脂が、少なくとも1種類の反応性基を有する少なくとも1種の重合体と、該少なくとも1種の重合体の該少なくとも1種類の反応性基と反応性である反応性基を有する少なくとも1種の硬化剤との反応から形成された少なくとも1種の熱硬化性塗膜形成樹脂を含む、請求項45に記載の液状塗装組成物。
【請求項48】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、非晶質シリカもしくは発熱シリカ、シリカゲル、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ジルコン、酸化スズ、マグネシア、またはそれらの混合物を含む、請求項45に記載の液状塗装組成物。
【請求項49】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、シリカを含む、請求項48に記載の液状塗装組成物。
【請求項50】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、合成非晶質シリカゲルを含む、請求項49に記載の液状塗装組成物。
【請求項51】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸Al、ステアリン酸Zn、ステアリン酸Caもしくはステアリン酸Mg、微粉化ポリプロピレンワックス、尿素−ホルムアルデヒド縮合物、またはそれらの混合物を含む、請求項45に記載の液状塗装組成物。
【請求項52】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートが、イソシアヌル酸トリス(ヒドロキシエチル)、イソシアヌル酸トリグリシジル、イソシアヌル酸トリアリル、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートトリマー、またはそれらの混合物を含む、請求項45に記載の液状塗装組成物。
【請求項53】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、6.5(cal/cm1/2以下のHansen水素結合溶解度パラメータを有する、請求項45に記載の液状塗装組成物。
【請求項54】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、6.0(cal/cm1/2以下のHansen水素結合溶解度パラメータを有する、請求項53に記載の液状塗装組成物。
【請求項55】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、以下:(i)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレート、および(ii)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である反応性基を有する少なくとも1種の長鎖単官能性反応物、を含有する反応物の反応生成物を含む、請求項45に記載の液状塗装組成物。
【請求項56】
前記少なくとも1種の長鎖単官能性反応物が、少なくとも18個の炭素原子を含有する、請求項55に記載の液状塗装組成物。
【請求項57】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、以下:(iii)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも2個の反応性基を有する少なくとも1種の多官能性反応物、をさらに含有する反応物の反応生成物を含む、請求項55に記載の液状塗装組成物。
【請求項58】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物が、以下:(i)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレート、および(ii)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である反応性基を有する少なくとも1種の長鎖単官能性反応物、(iii)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも2個の反応性基を有する少なくとも1種の多官能性反応物、および(iv)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも1個の反応性基と前記少なくとも1種の硬化剤の反応性基と反応性である少なくとも1個の反応性基とを含有する少なくとも1種の反応物、を含有する反応物の反応生成物を含む、請求項47に記載の液状塗装組成物。
【請求項59】
請求項45に記載の液状塗装組成物を含有する組成物を堆積させた被覆で少なくとも部分的に被覆された、基材。
【請求項60】
複合多層被覆であって、該複合多層被覆の少なくとも1層が、請求項45に記載の液状塗装組成物を含有する組成物から堆積される、複合多層被覆。
【請求項61】
基材を被覆する方法であって、以下の工程:
(a)該基材の少なくとも一部に、請求項45に記載の液状塗装組成物を含有する組成物を塗布する工程、
(b)該基材上の該液状塗装組成物を、実質的に連続した塗膜の形状で合体させる工程、および
(c)該液状塗装組成物を硬化する工程
を包含する、方法。
【請求項62】
以下:
(a)少なくとも1種の塗膜形成樹脂;
(b)少なくとも1種のつや消し剤;ならびに
(c)以下:
(i)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレート、および
(ii)該少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である反応性基を含む少なくとも1種の長鎖単官能性反応物
を含有する反応物の反応生成物を含む少なくとも1種の化合物
を含有する、液状塗装組成物。
【請求項63】
前記少なくとも1種の塗膜形成樹脂が、少なくとも1種類の反応性基を有する少なくとも1種の重合体と、該少なくとも1種の重合体の該少なくとも1種類の反応性基と反応性である反応性基を有する少なくとも1種の硬化剤との反応から形成された少なくとも1種の熱硬化性塗膜形成樹脂を含む、請求項62に記載の液状塗装組成物。
【請求項64】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、非晶質シリカもしくは発熱シリカ、シリカゲル、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ジルコン、酸化スズ、マグネシア、またはそれらの混合物を含む、請求項62に記載の液状塗装組成物。
【請求項65】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、シリカを含む、請求項64に記載の液状塗装組成物。
【請求項66】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、合成非晶質シリカゲルを含む、請求項65に記載の液状塗装組成物。
【請求項67】
前記少なくとも1種のつや消し剤が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸Al、ステアリン酸Zn、ステアリン酸Caもしくはステアリン酸Mg、微粉化ポリプロピレンワックス、尿素−ホルムアルデヒド縮合物、またはそれらの混合物を含む、請求項62に記載の液状塗装組成物。
【請求項68】
前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートが、イソシアヌル酸トリス(ヒドロキシエチル)、イソシアヌル酸トリグリシジル、イソシアヌル酸トリアリル、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートトリマー、またはそれらの混合物を含む、請求項62に記載の液状塗装組成物。
【請求項69】
前記少なくとも1種の化合物(c)が、6.5(cal/cm1/2以下のHansen水素結合溶解度パラメータを有する、請求項62に記載の液状塗装組成物。
【請求項70】
前記少なくとも1種の化合物(c)が、6.0(cal/cm1/2以下のHansen水素結合溶解度パラメータを有する、請求項69に記載の液状塗装組成物。
【請求項71】
前記少なくとも1種の長鎖単官能性反応物が、少なくとも18個の炭素原子を含有する、請求項62に記載の液状塗装組成物。
【請求項72】
前記少なくとも1種の化合物(c)が、以下:(iii)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも2個の反応性基を有する少なくとも1種の多官能性反応物、をさらに含有する反応物の反応生成物を含む、請求項62に記載の液状塗装組成物。
【請求項73】
前記少なくとも1種の化合物(c)が、以下:(i)少なくとも1種の多官能性イソシアヌレート、および(ii)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である反応性基を有する少なくとも1種の長鎖単官能性反応物、(iii)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも2個の反応性基を有する少なくとも1種の多官能性反応物、および(iv)前記少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートの反応性基と反応性である少なくとも1個の反応性基と前記少なくとも1種の硬化剤の反応性基と反応性である少なくとも1個の反応性基とを含有する少なくとも1種の反応物、を含有する反応物の反応生成物を含む、請求項63に記載の液状塗装組成物。
【請求項74】
請求項62に記載の液状塗装組成物を含有する組成物を堆積させた被覆で少なくとも部分的に被覆された、基材。
【請求項75】
複合多層被覆であって、該複合多層被覆の少なくとも1層が、請求項62に記載の液状塗装組成物を含有する組成物から堆積される、複合多層被覆。
【請求項76】
基材を被覆する方法であって、以下の工程:
(a)該基材の少なくとも一部に、請求項62に記載の液状塗装組成物を含有する組成物を塗布する工程、
(b)該基材上の該液状塗装組成物を、実質的に連続した塗膜の形状で合体させる工程、および
(c)該液状塗装組成物を硬化する工程
を包含する、方法。
【請求項77】
基材の少なくとも一部に堆積された被覆であって、ここで、該被覆は、以下:
(a)少なくとも1種の塗膜形成樹脂;
(b)少なくとも1種のつや消し剤;および
(c)イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物
を含有する噴霧可能な高固形分液状塗装組成物を含む組成物から堆積され、
ここで、該被覆は低光沢被覆である、被覆。
【請求項78】
少なくとも1種の塗膜形成樹脂と少なくとも1種のつや消し剤とを含有する液状塗装組成物において少なくとも1種のつや消し剤のつや消し性能を向上させる方法であって、該方法は、少なくとも1種の多官能性イソシアヌレートから形成された少なくとも1種の化合物を該組成物に含有させる工程を包含する、方法。

【公表番号】特表2008−518089(P2008−518089A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539096(P2007−539096)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/038721
【国際公開番号】WO2006/047666
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】