説明

少なくとも2つの二重結合を備える化合物の混合物およびその使用

各々が少なくとも2つの二重結合を備える少なくとも2つの化合物の新規混合物であって、該混合物が200〜600g/モル(二重結合)のGFV(重量官能基比率)を有しており、該化合物の少なくとも2つは各々が二重結合成分として少なくとも2つの(メタ)アクリル酸エステルを含有しており、そしてGFVは:(式(I)を参照;(式中、αは混合物中の化合物(i)のモル分率に対応し、nは混合物中の化合物の数に対応してn≧2であり、Zは化合物(i)中の二重結合の数に対応し、MWは化合物(i)の分子量に対応する)を意味する混合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が少なくとも2つの二重結合を備える少なくとも2つの化合物の新規混合物であって、該混合物が200〜600g/モル(二重結合)のGFVを有しており、該化合物の少なくとも2つは各々が二重結合成分として少なくとも2つの(メタ)アクリル酸エステルを含有しており、そしてGFVは式:
【0002】
【数1】

このとき
【0003】
【数2】

(式中、αは混合物中の化合物(i)のモル分率に対応し、n≧2(nは混合物中の化合物(架橋剤成分)の数である)であり、Zは化合物(i)中の二重結合の数に対応し、MWは化合物(i)の分子量に対応する)を意味する混合物、このエステルの極めて単純化された製造方法、ならびにそのようにして得られる反応混合物の使用に関する。
【0004】
膨潤性のヒドロゲル形成性重合体、いわゆる超吸収体(超吸収性ポリマー、SAP)は現行技術から知られている。超吸収体は、イオン性であっても非イオン性であってもよい柔軟性の親水性重合体の網状組織である。これはヒドロゲルを形成しながら水溶液を吸収かつ結合することができるので、したがって好ましくはタンポン、オムツ、生理帯、尿失禁製品、幼児用トレーニングパンツ、靴の中敷およびその他の体液を吸収するための衛生製品を製造するために使用される。超吸収体は、さらに液体、特に水もしくは水溶液が吸収される他の技術分野において使用されている。これらの分野は、例えば貯蔵、包装、輸送(例えば花の輸送などの感水性物品の包装材料、衝撃保護);食品分野(魚、新鮮な生肉の輸送;鮮魚/新鮮な生肉の包装における水や血液の吸収);医薬品(絆創膏、やけど用包帯もしくは他の湿性創傷のための吸水性材料)、化粧品(薬理化学物質および薬剤用の担体材料、リウマチ用膏薬、超音波ゲル、冷却ゲル、化粧品用増粘剤、日焼け止め剤);水中油型もしくは油中水型エマルジョン用の増粘剤;繊維(手袋、スポーツウエア、繊維製品中の水分調節、靴の中敷);化学技術的使用(有機反応の触媒、機能的高分子(酵素)の固定、凝集のための接着剤、蓄熱体、濾過助剤、ポリマー積層物中の親水性成分、分散剤、液化剤);土木および建築、配管設備(粉末ダイカスト、粘土を基剤とするしっくい、振動抑制性媒質、水分を多く含む地下でのトンネル掘削における助剤、ケーブル被覆);水処理、廃棄物処理(特に水を多く含む廃棄物の凝固)、水分離(鉄分除去剤、再使用可能な砂袋);清浄化;寒天工業(洗浄、雪解け水および露水沈殿物の保持、堆肥化添加物、真菌/昆虫被害からの森林の保護、植物への有効成分の遅延性放出);防火(火花)(水は極めて高い熱容量を有しているので、SAPゲルを用いて家を被覆する、もしくは外壁をコーティングすると燃焼を防ぐことができる;例えば森林火災のような火災におけるSAPゲルの噴霧);熱可塑性ポリマーにおける共押出剤(多層フィルムの親水性化);水を吸収できるフィルムおよび熱可塑性成形体の製造(例、農業用の雨水および露水を貯蔵するフィルム);湿性フィルム内に包装できる果物や野菜の新鮮さを維持するためのSAP含有フィルム;SAPは、縮合水滴を形成することなく果物や野菜から放出された水分を貯蔵してこの水分を部分的に再び付与するので、果物や野菜は腐敗したりしなびたりすることがない;例えば肉、魚、鶏肉、果物および野菜などの食品包装のためのSAP−ポリスチロール共押出成形体;有効成分調製物の担体物質(製薬、植物保護)である。衛生製品では、超吸収体は通例は他の材料として1つの種類の液体リザーバーとして自然に衝突された液体量を一時的に貯蔵して、吸収性コアから超吸収体への体液の優れた排水を保証する特に繊維(セルロース繊維)を含んでいるいわゆる吸収性コア内にある。
【0005】
オムツの構造における現在の傾向は、セルロース繊維の割合を減らしてヒドロゲルの割合を高めたより薄い構造を製造することにある。オムツの構造がどんどん薄くなる傾向に伴って、水膨潤性の親水性ポリマーへの要求プロフィールは年を経るにつれて著明に変化してきた。高吸湿性ヒドロゲルの開発当初に重要であったのは極めて高度の膨潤能力だけであったが、後になって、超吸収体が液体を転送して分布させる能力も決定的に重要であることが明らかになった。従来型の超吸収体は液体で湿潤すると表面で強度に膨潤し、微粒子内部への液体輸送は強度に困難になる、または全く阻止されることが証明された。超吸収体のこの特性は、さらにまた「ゲルブロッキング」とも呼ばれる。衛生製品への負荷(単位表面積当たりのポリマー)がより高度になると、ポリマーは膨潤した状態ではその後の液体のための空乏層を形成しないであろう。本製品は優れた輸送特性を示すので、すべての衛生製品の最適な利用を保証することができる。したがって、極端な場合には体液の流出、いわゆる衛生製品の漏出を引き起こすゲルブロッキングの現象が阻止される。液体の転送および分布は、さらにまた最初の体液の吸収においても極めて重要である。
【0006】
例えば膨潤した状態で高いゲル強度を示すヒドロゲルは、良好な輸送特性を有している。ほんのわずかなゲル強度しか備えていないゲルは使用された圧力(体圧)下で変形し、超吸収体/セルロース繊維吸収体内の孔を塞ぎ、それによってそれ以上の液体受け入れを妨害する。ゲル強度の上昇は、通例はより高度の架橋によって達成されるが、だがそれにより製品の保持力が減少する。ゲル強度を上昇させるための洗練された方法は表面の後架橋である。この方法では、平均的架橋密度を備える乾燥した超吸収体が追加して架橋される。表面の後架橋によって超吸収体粒子のシェル内の架橋密度が上昇し、それによって圧力負荷下での吸収がより高い水準へ上昇させられる。超吸収体シェル内の吸収能力が低下している間に、超吸収体粒子の核は可動性のポリマー鎖が存在することによってシェルと比較して向上した吸収能力を示すので、その結果としてシェルの構造によってゲルブロッキングの作用を発生させることなく改善された液体転送が保証される。確実に、超吸収体の総合能力が自然にではなく時間をずらして使い尽くされることが望ましい。衛生製品は通例は尿に何度も衝突されるので、超吸収体の吸収能力は有益にも最初の使用後に使い果たされてはならない。
【0007】
親水性の高膨潤性ヒドロゲルは、特に共重合した親水性モノマーからのポリマー、適切なグラフト主鎖上の1つ以上の親水性モノマーからなるグラフトコポリマー、架橋セルロースエーテルもしくはデンプンエーテル、架橋カルボキシメチルセルロース、部分架橋ポリアルキレンオキシドまたは例えばグアール誘導体などの水溶液中で膨潤性の天然産物である。そのようなヒドロゲルは、オムツ、タンポン、生理帯およびその他の衛生製品を製造するための水溶液吸収性製品として、さらに農業栽培における保水材としても使用されている。
【0008】
例えばオムツにおける再湿潤およびAULなどの使用特性を改善するために、親水性の高膨潤性ヒドロゲルは一般に表面後架橋またはゲル後架橋される。この後架橋は当業者には自明であり、好ましくは水性ゲル相内で、または粉砕かつふるい分けされたポリマー粒子の表面後架橋として行われる。
【0009】
PCT国際特許第90/15830号では、メチレンビスアクリルアミドとジアリル酒石酸ジアミドからの架橋剤混合物について記載されている。
【0010】
PCT国際特許第02/32964号では、アクリル酸エステルグリコールとアリル化合物との架橋剤混合物について記載されている。
【0011】
独国特許第19646484号では、アリルエーテルアクリルエステルグリコールとアクリルエステルもしくはアリルアミンとの架橋剤混合物が記載されている。
【0012】
アリルは余り反応性ではなく、このため重合において頻回に粘性ゲルを生じさせる。
【0013】
PCT国際特許第93/21237号から、架橋剤としてアルコキシル化多価C−C10−炭化水素の(メタ)アクリレートが知られている。SR351、SR454、SR502、SR9035およびSR415に相当するトリメチルプロパン架橋剤が使用された。これらの架橋剤は、1TMP当たり0、3、9、15または20EO単位を有する。PCT国際特許第93/21237号によると、1TMP当たり2〜7EO単位の3倍、特に1TMP当たり4〜6EO単位の3倍が有益である。
【0014】
これらの化合物についての短所は、使用物質と副産物とを少なくとも部分的に分離するために−前記の文献で使用された架橋剤は0.1重量%未満のアクリル酸の含量を有する−費用のかかる精製作業を必要とする点である。
【0015】
阻害剤/阻害剤系ならびに場合によっては例えばベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの溶媒の存在下で適切なアルコール類を用いた(メタ)アクリル酸の酸触媒エステル化によるそのようなより高い(メタ)アクリル酸エステルの製造は一般に知られている。
【0016】
よく知られているように(メタ)アクリル酸とアルコールからのエステルの生成は平衡反応を基礎にしているので、経済的な転化率を達成するためには、通例は材料が過剰に使用される、および/または生成したエステル化水および/または標的エステルがその平衡から除去される。
【0017】
そこでより高級(メタ)アクリル酸エステルを製造する場合は、通例は反応水が除去され、たいていは(メタ)アクリル酸が過剰に使用される。
【0018】
米国特許第4,187,383号は、20〜80℃の反応温度で2〜3:1の当量過剰な有機ポリオールを用いる(メタ)アクリル酸のエステル化方法について記載している。
【0019】
この方法の短所は、低い反応温度によって反応時間が35時間までになり、反応混合物中の過剰な酸がその後の相分離を伴う中和によって除去される点にある。
【0020】
PCT国際特許第2001/14438号(ダウエント抄録第2001−191644/19号)およびPCT国際特許第2001/10920号(化学抄録誌134:163502)は、酸および重合阻害剤の存在下で3:1から50:1の比率のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルを用いて(メタ)アクリル酸をエステル化し、そして酸性触媒を不活性化した後に、pH1.5〜3.5で(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸からの残渣を共重合する方法、ならびにセメント添加物としてのそれらの使用について記載している。
【0021】
この方法の短所は、これがポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルに限定されること、触媒を不活性化しなければならないこと、そしてこのようなコポリマーは1つの官能基しか有していないために、ヒドロゲルのための架橋剤として使用することはできないことにある。
【0022】
そこでポリマーのため、特に超吸収体のためのラジカル架橋剤として使用できるまた別の化合物を利用できるようにする、そして超吸収体のためのラジカル架橋剤として使用可能な物質の製造方法を単純化するという課題が存在する。このために加水分解安定性が高い、および/または同時に超吸収体のための製造方法において極めて良好に細分化可能なゲルを生じさせる架橋剤を探し求めた。さらに、例えば製品の認可におけるように製造工程を変更した場合にできる限り追加の費用をかけずに、そしてできる限り技術的経費を発生させずに、その特性を容易に修飾することができる架橋剤を探し求めた。
【0023】
この課題は、各々が少なくとも2つの二重結合を備える少なくとも2つの化合物の新規混合物を利用可能にすることによって解決されるが、このとき該混合物は200〜600g/モル(二重結合)のGFVを有しており、そして該化合物の少なくとも2つは各々が二重結合成分として少なくとも2つの(メタ)アクリル酸エステルを含有しており、そしてGFVは式:
【0024】
【数3】

このとき
【0025】
【数4】

(式中、αは混合物中の化合物(i)のモル分率に対応する、
n≧2である、
は化合物(i)内の二重結合の数に対応する、
MWは化合物(i)の分子量に対応する)を意味する。
【0026】
GFV(重量官能基比率)は、所望の化合物混合物もしくは架橋剤混合物の二重結合官能基に対応する。そこから生じる一次連立方程式は、1つ以上の解が存在する場合は一般的場合(n−成分)に対してガウスのアルゴリズムを用いて解くことができる。そのような混合物は、混合物成分の相対比率を変えることによって容易に最適化できる。このため化合物の特定の架橋剤の特性は、例えば架橋ポリアクリレート(例、超吸収体)の製造において混合物の使用量が一定である場合は知られていて認可されている成分の単純な比率変動によっても任意に修飾することができる。これまでは、このために使用量が変化させられ、さらにそのつど特別な新規の架橋剤が新しく合成され、認可されるために極めて高額の費用がかけられた。
【0027】
2成分混合物の特別な場合については以下の単純な式が生じる:
α×MW/Z+α×MW/Z=GFV および α=1−α
そこから最後にα=(GFV−MW/Z)/(MW/Z−MW/Z)が生じる。
【0028】
この式は、MW/Z≠MW/Zである場合、およびMW/Z<GFV<MW/ZまたはMW/Z<GFV<MW/Zである場合には明らかに解くことができる。
【0029】
下限が好ましくは210、220、230もしくは240にあり、上限が好ましくは550、500、450もしくは400にある上記の混合物が好ましく、このとき該混合物は好ましくは240〜400g/モル(二重結合)のGFVを有する。特に好ましくは下限は250、260、270、280もしくは290にあり、上限は390、380、370、360もしくは350にあり、250〜350g/モル(二重結合)を有するGFVが特に好ましい。特別に好ましいのは300〜330もしくは340の範囲である。
【0030】
nが2、3もしくは4、特に好ましくは2を意味する上記の混合物が好ましい。
【0031】
2つの化合物の比率MW/Z間の相違が少なくとも50、60、70、80もしくは90g/モル(二重結合)、好ましくは少なくとも100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240g/モル(二重結合)、特に好ましくは少なくとも250、260、270、280、290、300、310、320、330、340g/モル(二重結合)、さらに格別には350、360、270、380、390もしくは400g/モル(二重結合)である上記の混合物が好ましい。
【0032】
化合物が400g/モル(二重結合)未満、好ましくは300g/モル(二重結合)未満、特に好ましくは200g/モル(二重結合)未満、特別に好ましくは150g/モル(二重結合)未満の比率MW/Zを有する上記の混合物が好ましい。
【0033】
化合物が400g/モル(二重結合)を超える、好ましくは10000g/モル(二重結合)を超える、特に好ましくは600g/モル(二重結合)を超える、そして1000g/モル(二重結合)未満の比率MW/Zを有する上記の混合物が好ましい。
【0034】
混合物の1重量%のような、過量に存在する本発明による化合物内の個別化合物の数nは、好ましくは多くとも10、例えば9、8、7もしくは6、特に好ましくは5以下、または4以下、極めて特に好ましくは3、特別には2である。
【0035】
混合物の個別成分が個別化合物のガウス形の分布として存在する場合は、上記の数値は好ましくは個別成分の平均値に該当する。
【0036】
少なくとも1つの化合物のZが2から6、好ましくは2、3もしくは4であり、特別には両方の化合物においてこの範囲内にある上記の混合物が好ましい。
【0037】
化合物が(メタ)アクリル酸を用いたポリアルコールAのエステル化によって得られ、各ポリアルコールAがヒドロキシ官能基および特に2〜50個の炭素原子を有するエステルFである上記の混合物が好ましい。
【0038】
使用できるポリアルコールの分子量は、通例は、他に特に言及しない限り、5000g/モル未満、好ましくは2500g/モル未満、特に好ましくは1500g/モル未満、極めて好ましくは1000g/モル未満、および格別には800g/モル未満である。
【0039】
好ましいポリアルコールAはポリオール、官能化ポリオール、アルコキシル化ポリオール、糖アルコール、部分アルコキシル化糖アルコール、ポリエーテロール、ポリエステロール、少なくとも部分的にアルコキシル化されたポリエステロールおよび少なくとも部分的に鹸化されたアルコキシル化ポリエステロールである。
【0040】
ポリオールの例は、トリメチロールブタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ペンタエリトリトール、グリセリン、1,2−エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−、1,3−もしくは1,4−シクロヘキサンジオール、ブト−2−エン−1,4−ジオールおよびブト−2−イン−1,4−ジオール、例えばソルビトールなどのCからC鎖を含む糖アルコールである。
【0041】
これらのポリオールは、例えばエーテル官能基(−O−)、カルボキシ官能基(−COOH)またはC−C−アルキルオキシカルボニル官能基(エステル基)などの追加の官能基も有していてよいが、このとき本文書におけるC−C−アルキルは、メチル、エチル、iso−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sek−ブチルもしくはtert−ブチルを意味する。
【0042】
このような官能化ポリオールの例は、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリトリトール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、トリメチロール酢酸、ヒドロキシピバリン酸およびこれらの上記の酸の2−ヒドロキシエチルエステルまたはC−C−アルキルエステルである。
【0043】
好ましいポリオールは式(I):
【0044】
【化1】

(式中、
、Rは互いに独立して水素、C−C10−アルキル、好ましくはC−C−アルキル、C−C10−ヒドロキシアルキル、好ましくはヒドロキシ−C−C−アルキル、カルボキシルもしくはC−C−アルコキシカルボニル、好ましくは水素、ヒドロキシメチルおよびC−C−アルキルならびに特に好ましくはヒドロキシメチルおよびC−C−アルキルを意味する)のポリオールである。
【0045】
このときアルキル残基は各々が直鎖状または分枝状であってよい。
【0046】
およびRの例は、水素、メチル、エチル、iso−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sek−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、ヒドロキシメチル、カルボキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルもしくはn−ブトキシカルボニル、好ましくは水素、ヒドロキシメチル、メチルおよびエチル、特に好ましくはヒドロキシメチル、メチルおよびエチルである。
【0047】
式(I)の特に好ましい多価アルコールは、トリメチロールブタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリトリトール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールプロピオン酸メチルエステル、ジメチロールプロピオン酸エチルエステル、ジメチロール酪酸、ジメチロール酪酸メチルエステルもしくはジメチロール酪酸エチルエステルであり、好ましくはネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールおよびジメチロールプロピオン酸であり、極めて特に好ましくはネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンおよびペンタエリトリトールであり、ならびに特別にはトリメチロールプロパンおよびペンタエリトリトールである。
【0048】
糖アルコールの例はソルビトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト、ジグリセロール、トレイトール、エリトリトール、アドニトール(リビトール)、アラビトール(リキシトール)、キシリトールおよびダルシトール(ガラクチトール)である。
【0049】
ポリエーテロールの例は、162〜2000、好ましくは162〜1458、特に好ましくは162〜1098、極めて特に好ましくは162〜738、および格別には162〜378のモル質量を備えるポリ−THF、134〜1178、好ましくは134〜888、特に好ましくは134〜598および極めて特に好ましくは134〜308のモル質量を備えるポリ−1,3−プロパンジオールおよびポリ−1,2−プロパンジオール、106〜898、好ましくは106〜458、特に好ましくは106〜400、極めて特に好ましくは106〜235のモル質量を備えるポリエチレングリコール、ならびに特別にはジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコールである。
【0050】
ポリエステロールとしては、例えば、上述したポリオールを用いた例えばポリ炭酸、好ましくは二炭酸のエステル化によって製造できるようなポリエステロールが考慮の対象となる。
【0051】
このようなポリエステロールのための出発物質は、当業者には知られている。好ましくは、ポリ炭酸として、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサン二炭酸もしくはテトラヒドロフタル酸、それらの異性体および水素化生成物ならびに上記の酸の無水物もしくはジアルキルエステルなどのエステル化誘導体、例えばC−C−アルキルエステル、好ましくはメチル−、エチル−もしくはn−ブチルエステルを使用できる。
【0052】
ヒドロキシル基を有する炭酸もしくはラクトンとしては4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタリン酸、ピバロラクトンもしくは□−カプロラクトンが考慮の対象となる。ポリオールとしては、上述した多官能アルコール、好ましくはネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ジメチロールプロピオン酸またはジメチル酪酸が考慮の対象となる。
【0053】
このようなポリエステロールの好ましい例は、式(IIIa−c):
【0054】
【化2】

(式中、
、Rは上述した意味を有する、および
Yは、直鎖状もしくは分枝状の、場合によっては置換された2〜20個の炭素原子を備えるアルキレン基、または場合によっては置換された6〜12個の炭素原子または単一結合を備えるシクロアルキレン基もしくはアリレン基を意味する)のポリエステロールである。
【0055】
Yの例は、単一結合、メチレン、1,2−エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、1,6−へキシレン、1,7−ヘプチレン、1,8−オクチレン、cis−1,2−エテニレン、trans−1,2−エテニレン、1,2−、1,3−もしくは1,4−フェニレン、1,2−シクロヘキス−1−エニレン、1,2−、1,3−もしくは1,4−シクロヘキシレン、4−カルボキシ−1,2−フェニレン、2−カルボキシ−1,4−フェニレンもしくは1−カルボキシ−2,4−フェニレンである。
【0056】
好ましいY基は1,2−エチレン、1,4−ブチレンおよび1,2−、1,3−もしくは1,4−フェニレンである。
【0057】
当然ながら、製造方法に条件付けられて、通例は追加して低オリゴマーおよび高オリゴマーを含んでいてよい混合物が存在する。
【0058】
また別の好ましい実施形態では、エステルFを製造するためのポリアルコールAとして少なくとも部分的に鹸化されたポリエステロールの反応混合物が使用される。
【0059】
このためには例えば上述したポリエステロールは、適切な塩基を用いて少なくとも部分的に鹸化され、そして引き続いて場合によっては反応混合物中に残留している塩基性構成要素を分離した後に炭酸Bを用いてエステル化される。
【0060】
適切な塩基は、例えば固体、溶液または懸濁液として、好ましくは10〜50重量%の溶液の形状、特に好ましくは20〜40重量%の水溶液の形状にある例えばNAOH、KOH、Ca(OH)、石灰乳、NaCOもしくはKCOである。
【0061】
鹸化、すなわちポリエステロール中に含有されているエステル基の反応は、出発化合物中のエステル基に対して例えば少なくとも10%まで、好ましくは少なくとも25%まで、特に好ましくは少なくとも50%まで、極めて特に好ましくは少なくとも75%まで、および格別には少なくとも90%まで行われる。
【0062】
例えば炭酸の塩基性塩のような塩基性構成要素を反応混合物から除去しなければならない場合は、これは例えばイオン交換体、例えば酸性もしくは強酸性イオン交換体を介して行うことができる。
【0063】
反応混合物は、引き続いて酸性化され、上述したように炭酸Bを用いてエステル化される。
【0064】
ポリエステル(メタ)アクリレートは、多段階で、または例えば欧州特許出願第279 303号に記載されているように(メタ)アクリル酸、ポリ炭酸およびポリオールから一段階で製造することもできる。
【0065】
同様に、少なくとも1つのアルキレンオキシドを用いてポリオールもしくはポリエステロールを反応させることによって得られるアルコキシル化ポリオールおよびポリエステロールをポリアルコールとして使用できる。
【0066】
本発明によるとさらに式VII:
−(O(CH(R10)CH(R10)O)−C(=O)−R (VII)
(式中、
は多価の、直鎖状もしくは分枝状C−C10−アルキル残基である、
は互いに独立して直鎖状もしくは分枝状C−C10−アルキル残基である、
10は互いに独立して水素もしくはメチルである、
xは互いに独立して2以上の正の整数である、および
yは互いに独立してx=2に対しては3〜8の数であり、x=3以上に対しては2〜7の数である)の化合物を含有する反応混合物もまた製造することができる。
【0067】
基礎になるエステル化すべきアルコールはこのとき式VIIa:
−(O(CH(R10)CH(R10)O)−H) (VIIa)
(式中、R、R10、xおよびyは上記に定義したとおりである)を有する。
【0068】
式(VII)の化合物は、ヒドロキシル基1つに付き2〜8アルキレンオキシド単位を用いてアルコキシル化されており、それらの末端にある各アルキレンオキシド鎖のヒドロキシル基は2〜10個の炭素原子を有する不飽和炭酸もしくはそれらのエステルを用いてエステル化されている、通例は2〜10個の炭素原子を有する多価アルコールVIIaである。好ましくは、出発アルコールは、好ましくは2〜4個のヒドロキシル基を有する、3〜6個の炭素原子を有する多価アルコールである。特に好ましくは、出発アルコールは、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリトール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールもしくはブチレングリコールである。出発アルコールとして極めて特に好ましいのは、トリメチロールプロパン、グリセリンおよびペンタエリトリトールである。
【0069】
適切なアルキレンオキシドは、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、iso−ブチレンオキシド、ビニルオキシランおよび/またはスチロールオキシドである。アルキレンオキシド鎖は、好ましくはエチレンオキシド−、プロピレンオキシド−および/またはブチレンオキシドユニットから合成することができる。そのような鎖は、アルキレンオキシドの1つの種から、またはアルキレンオキシドの1つの混合物から合成できる。混合物が使用される場合は、様々なアルキレンオキシドが統計的に、または個別の種の1つ以上のブロックとして存在することができる。好ましくはアルキレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシドとして、または1つの混合物からであり、特に好ましいのはエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドであり、極めて特に好ましくはエチレンオキシドである。したがって好ましくはアルキレンオキシドユニット当たりの1つの残基Rは水素でもう1つの残基は他のメチルもしくは水素であり、特に好ましくは両方の残基Rが水素である。
【0070】
各鎖内のアルキレンオキシドユニットの好ましい数は鎖の数に依存する。
【0071】
エステル化剤は、2〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝状のエチレン性不飽和炭酸もしくはそのエステル、好ましくは2〜4個および特に好ましくは2〜3個の炭素原子を有するエチレン性不飽和炭酸、極めて好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、もしくはそのエステル、特別にはアクリル酸である。
【0072】
式VIIの化合物は、この式によって記載される化合物の混合物、および製造工程の副産物として存在することが多い。
【0073】
これらの化合物VIIの中でも、ヒドロキシル基1つにつき6倍までに、特に好ましくは4倍までにエトキシル化された化合物が特に好ましく、および下記で化合物VIIbと呼ぶ4倍にエトキシル化された化合物が極めて特に好ましい。これらは上昇した加水分解安定性を有する。
【0074】
同様に、ヒドロキシル基1つにつき
− x=2に対して8倍以上、特に好ましくは10倍以上、極めて特に好ましくは12倍以上、および格別には少なくとも15倍に、もしくは
− x=3以上に対しては、以下の化合物VIIcでは、7倍以上、特に好ましくは9倍以上、極めて特に好ましくは12倍以上、および格別には少なくとも15倍にエトキシル化された化合物VIIが好ましいが、それはこれらが通例上昇した水溶性を有するからである。
【0075】
さらにまたx=2yに対しては0、1もしくは2の数値、そしてx=3yに対しては0もしくは1の数値を推定できるような化合物が考えられる。
【0076】
特別には化合物VIIbおよびVIIcからの混合物が有益であり、例えば10:90から90:10、好ましくは20:80から80:20、特に好ましくは30:70から70:30および極めて特に好ましくは40:60から60:40のVIIb:VIIcの重量比を備える混合物が有益である。だが混合比は、まず第一に重合体の所望の最終生成物の特性によって決定される。
【0077】
このようなアルコキシル化ポリオールの好ましい例は、式(I)のポリオールのアルコキシル化生成物(IIa)、(IIb)もしくは(IIc):
【0078】
【化3】

(式中、
、Rは上記の意味を有する、
k、l、m、qは互いに独立して各々1〜10、好ましくは1〜5、特に好ましくは3〜5の整数および格別には4である、および
各Xは、i=1〜k、1〜l、1〜mおよび1〜qに対して互いに独立して−CH−CH−O−、−CH−CH(CH)−O−、−CH(CH)−CH−O−、−CH−C(CH−O−、−C(CH−CH−O−、−CH−CHVin−O−、−CHVin−CH−O−、−CH−CHPh−O−および−CHPh−CH−O−基から、好ましくは−CH−CH−O−、−CH−CH(CH)−O−および−CH(CH)−CH−O−基から選択することができ、そして特に好ましくは−CH−CH−O−基である、
このとき、Phはフェニルであり、Vinはビニルである)である。
【0079】
好ましくは、1〜5倍、特に好ましくは3〜5倍、および極めて特に好ましくは4倍にエトキシル化、プロポキシル化もしくは混合エトキシル化およびプロポキシル化された、および格別には単にエトキシル化されたネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンまたはペンタエリトリトールである。
【0080】
これらの中で特に好ましいのは、そのような式(IIb)の多価アルコールである。
【0081】
同様に、1〜20倍、好ましくは1〜10倍、特に好ましくは2〜10倍、極めて特に好ましくは2〜5倍、特別には3〜5倍および格別には3〜4倍にアルコキシル化、好ましくはエトキシル化、プロポキシル化、もしくは混合したエトキシル化−プロポキシル化および特に好ましくはエトキシル化されたグリセリン(本明細書では例外的にグリセリン1モル当たりのアルコキシ基のモル数で計算されている)である。
【0082】
このとき上記のアルコキシル化度は各々が平均アルコキシル化度に関連している。
【0083】
アルコキシル化ポリオールの数平均分子量Mは、好ましくは1000g/モル以下、好ましくは800g/モル以下、および極めて特に好ましくは550g/モル以下である。
【0084】
数平均分子量および重量平均分子量MおよびMは、標準物質としてポリスチロールおよび溶離剤としてテトラヒドロフランが使用されたゲル透過クロマトグラフィー測定に関連してしている。この方法は、「分析者用ポケットブック第4版第433〜442頁、ベルリン、1984」に記載されている。
【0085】
アルコキシル化糖アルコールの例は、糖アルコールから、例えば上記に挙げた糖アルコールから、例えば上記に記載したアルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドならびに極めて特に好ましくはエチレンオキシドを用いたアルコキシル化によって得られる化合物である。
【0086】
それについての例は
− 統計平均において糖アルコール1モル当たり2〜30倍、好ましくは2〜20倍、特に好ましくは3〜10倍、および格別には3、4、5、6、7もしくは8倍にアルコキシル化された上述したテトロール、
− 統計平均において糖アルコール1モル当たり3〜35倍、好ましくは3〜28倍、特に好ましくは4〜20倍、および格別には4、5、6、7、8、9もしくは10倍にアルコキシル化された上述したペントール、
− 統計平均で糖アルコール1モル当たり4〜50倍、好ましくは6〜40倍、特に好ましくは7〜30倍、極めて特に好ましくは8〜20倍および格別には10〜15倍にアルコキシル化されている高級糖アルコールである。
【0087】
好ましいアルコキシル化糖アルコールは、糖アルコールの少なくとも1つのヒドロキシル基がアルコキシル化されていない糖アルコールである。
【0088】
アルコキシル化ポリエステロールの好ましい例は、式(IVa−c):
【0089】
【化4】

(式中、
、R、Yは上記の意味を有し、
k、l、m、q、r、sは互いに独立して各々1〜30、好ましくは1〜20、特に好ましくは1〜10および格別には1〜5の整数である、および
各Xはi=1〜k、1〜l、1〜mおよび1〜q、1〜rおよび1〜sに対して互いに独立して−CH−CH−O−、−CH−CH(CH)−O−、−CH(CH)−CH−O−、−CH−C(CH−O−、−C(CH−CH−O−、−CH−CHVin−O−、−CHVin−CH−O−、−CH−CHPh−O−および−CHPh−CH−O−基から、好ましくは−CH−CH−O−、−CH−CH(CH)−O−および−CH(CH)−CH−O−基から選択することができ、そして特に好ましくは−CH−CH−O−基である、
このとき、Phはフェニル、Vinはビニルを意味する)のポリエステロールである。
【0090】
好ましくは非アルコキシル化もしくは1〜10倍、特に好ましくは2〜5倍にエトキシル化、プロポキシル化もしくは混合エトキシル化およびプロポキシル化されたアジピン酸、フタル酸、テレフタル酸もしくはイソフタル酸を用いてエステル化されたネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンもしくはペンタエリトリトールである。
【0091】
アルキレンオキシドを用いてのアルコールの反応は、当業者には知られている。考えられる実施形態は、Houben−Weyl、「有機化学の方法、第4版(Methoden der Organischen Chemie, 4. Auflage)」、1979, Thieme Verlag Stuttgart, Hrsg. Heinz Kropf、第6/1a巻、第1部、第373〜385頁の中に見いだされる。
【0092】
混合アルコキシル化アルコールが使用される場合は、その中に含有される様々なアルコキシ基は相互に例えば0.05〜20:1、好ましくは0.1〜10:1および特に好ましくは0.2〜5:1のモル分率で存在していてよい。
【0093】
本発明によって使用できるポリアルコールの粘度については、約80℃までの温度で問題なくポンプで送り込めなければならない、好ましくは1000mPas未満、好ましくは800mPas未満、および極めて特に好ましくは500mPas未満の粘度を有していなければならないという以外に特別な要求は出されない。
【0094】
エステル化においてポリアルコールとして三価以上のポリアルコールを使用する場合は、本発明による使用のためにはポリアルコールを部分的にのみエステル化するラジカル架橋剤が重要な可能性がある。これは、n価ポリアルコールではn個のヒドロキシル基中少なくとも2個だけが炭酸Bを用いてエステル化されることを意味している。
【0095】
エステル化度は、n=3に対しては少なくとも2、n=4に対しては少なくとも2、好ましくは少なくとも2.5およびより好ましくは少なくとも3である、n=5以上に対しては少なくとも2、好ましくは少なくとも3および特に好ましくは少なくとも4である。
【0096】
そのような場合に所望のエステル化度へ使用しなければならない化学量論的に過剰な炭酸Bを計算すると、上述したモル過剰のn倍のポリアルコールでは2のエステル化度に対して例えば2/n倍が生じる。当然ながら、エステル化は、所望のエステル化度が達成されたら、例えば冷却または希釈によって停止させることができる。
【0097】
本発明によって使用できるエチレン性不飽和炭酸Bは、少なくとも1つのカルボキシル基(−COOH)、好ましくは1つ、および少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する化合物である。
【0098】
本発明によって使用できる炭酸は、脂肪族、脂環式もしくは芳香族、好ましくは脂肪族もしくは脂環式および極めて特に好ましくは脂肪族の直鎖状もしくは分枝状であってよく、さらに場合によっては官能基で置換されていてよい。
【0099】
通例、炭酸は3〜10個、好ましくは3〜5個および特に好ましくは3〜4個の炭素原子を有する。
【0100】
エチレン性不飽和炭酸Bの例は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、その無水物を含むマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、酢酸ビニル、酢酸アリルまたはクロトン酸である。
【0101】
好ましい炭酸Bはα,β−不飽和炭酸である。
【0102】
特に好ましくは、本明細書で(メタ)アクリル酸と呼んでいるメタクリル酸およびアクリル酸は、極めて特に好ましくはアクリル酸である。
【0103】
ポリアルコールのまた別の好ましいエステルを以下の式:
【0104】
【化5】

(式中、AOは各AOに対して互いに独立してEOもしくはPOを意味するが、
このときEOはO−CH−CH−を意味する、
POは互いに独立してO−CH−CH(CH)−もしくはO−CH(CH)−CH−を意味する、
p1+p2+p3は0〜5の整数、好ましくは0もしくは3、4もしくは5である、
、R、Rは互いに独立してHもしくはCHである)に記載する。
【0105】
EOないしPO単位は、ポリエーテルが発生するが、過酸化物は発生しないように組み込まれる。
【0106】
AOがEOもしくはPO、特別にはEOを意味する上記のエステルFが好ましい。
【0107】
p1、p2+p3=3またはp1=p2=p3=0であるエステルFが、特に好ましい。
【0108】
さらに少なくとも1つのAOがPOであり、そして少なくとももう1つのAOがEOを意味する上記のエステルFが特に好ましい。
【0109】
さらに、本発明の課題は式Ib:
【0110】
【化6】

(式中、EOはO−CH−CH−を意味する、
POは互いに独立してO−CH−CH(CH)−もしくはO−CH(CH)−CH−を意味する、
m1+m2+m3+n1+n2+n3は3、4もしくは5である、
m1+m2+m3は1、2、3、もしくは4である、
、R、Rは互いに独立してHもしくはCHである)のエステルFによって解決される。
【0111】
または、さらに式Ic:
【0112】
【化7】

(式中、EOはO−CH−CH−を意味する、
POは互いに独立してO−CH−CH(CH)−もしくはO−CH(CH)−CH−を意味する、
m1+m2+m3+n1+n2+n3は3、4もしくは5である、
m1+m2+m3は1、2、3、もしくは4である、
、R、Rは互いに独立してHもしくはCHである)のエステルFによって解決される。
【0113】
上記のエステルでは、m1+m2+m3+n1+n2+n3もしくはp1+p2+p3が同様に3であるエステルFが好ましい。
【0114】
上記のエステルでは、m1+m2+m3+n1+n2+n3もしくはp1+p2+p3が同様に5であるエステルFが好ましい。
【0115】
総計して3POが存在するエステルFが特に好ましい。
【0116】
グリセリンの3本のアルコキシ鎖には少なくとも1POが存在するエステルFが極めて特に好ましい。
【0117】
特にR、RおよびRがHを意味する場合にR、RおよびRが同一であるエステルFが極めて特に好ましい。
【0118】
さらに、以下のエステル:
【0119】
【化8】

または
【0120】
【化9】

(式中、式Idまたは1eではEOはO−CH−CH−を意味する、
POは互いに独立してO−CH−CH(CH)−もしくはO−CH(CH)−CH−を意味する、
n1+n2+n3は28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59もしくは60である、
m1+m2+m3は4、5、6、7、8、9、10、11、12もしくは13である、
、R、Rは互いに独立してHもしくはCHを意味する)が好ましい。
【0121】
EOないしPO単位は、ポリエーテルが発生するが、過酸化物は発生しないように組み込まれる。
【0122】
上記の意味を備える、n1、n2、n3が互いに独立して9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20を意味するエステルFが好ましい。
【0123】
上記の意味を備える、n1、n2、n3が互いに独立して9、10もしくは11を意味するエステルFが特に好ましい。
【0124】
上記の意味を備える、n1、n2、n3が互いに独立して15、16、17、18、19もしくは20を意味するエステルFが特に好ましい。
【0125】
上記の意味を備える、n1+n2+n3が同様に28、29、30、31もしくは32であるエステルFが好ましい。
【0126】
上記の意味を備える、n1+n2+n3が同様に45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59もしくは60であるエステルFが好ましい。
【0127】
上記の意味を備える、n1+n2+n3が同様に30であるエステルFが特に好ましい。
【0128】
上記の意味を備える、n1+n2+n3が同様に50であるエステルFが特に好ましい。
【0129】
上記の意味を備える、n1=n2=n3=10であるエステルFが特に好ましい。
【0130】
上記の意味を備える、n1=n2=17およびn3=16であるエステルFが特に好ましい。
【0131】
さらに上記の意味を備える、m1、m2、m3が互いに独立して1、2、3、4もしくは5を意味するエステルFが特に好ましい。
【0132】
上記の意味を備える、m1、m2、m3が互いに独立して1、2もしくは3を意味するエステルFが特に好ましい。
【0133】
上記の意味を備える、m1、m2、m3が互いに独立して2、3、4もしくは5を意味するエステルFが特に好ましい。
【0134】
上記の意味を備える、m1+m2+m3が同様に4、5もしくは6であるエステルFが好ましい。
【0135】
上記の意味を備える、m1+m2+m3が同様に7、8、9、10、11、12もしくは13であるエステルFが好ましい。
【0136】
上記の意味を備える、m1+m2+m3が同様に5であるエステルFが特に好ましい。
【0137】
上記の意味を備える、m1+m2+m3が同様に10であるエステルFが特に好ましい。
【0138】
上記の意味を備える、m=m=3およびm=4であり、i、k、lはすべてが相違していて1、2、3からなる群から選択されるエステルFが特に好ましい。
【0139】
上記の意味を備える、m=m=2およびm=1であり、i、k、lはすべてが相違していて1、2、3からなる群から選択されるエステルFが特に好ましい。
【0140】
特にR、RおよびRがHを意味する場合はR、RおよびRが同一であるエステルFが極めて特に好ましい。
【0141】
さらに、次のエステル:
【0142】
【化10】

(式中、EOはO−CH−CH−を意味する、
POは互いに独立してO−CH−CH(CH)−もしくはO−CH(CH)−CH−を意味する、
n1、n2、n3は互いに独立して4、5もしくは6である、
n1+n2+n3は14、15もしくは16である、
m1、m2、m3は互いに独立して1、2もしくは3を意味する、
m1+m2+m3は4、5もしくは6である、
、R、Rは互いに独立してHもしくはCHを意味する)が好ましい。
【0143】
EOないしPO単位は、ポリエーテルが発生するが、過酸化物は発生しないように組み込まれる。
【0144】
上記の意味を備える、n1+n2+n3が同様に15であるエステルFが好ましい。
【0145】
上記の意味を備える、n1=n2=n3=5であるエステルFが特に好ましい。
【0146】
さらに上記の意味を備える、m1+m2+m3が同様に5であるエステルFが好ましい。
【0147】
さらに上記の意味を備える、m1=m2=2およびm3=1であるエステルFが好ましい。
【0148】
特にR、RおよびRがHを意味する場合はR、RおよびRが同一であるエステルFが極めて特に好ましい。
【0149】
さらに、次のエステル:
【0150】
【化11】

(式中、AOは各AOに対して互いに独立して−O−CHR−CHR−もしくは−CHR−CHR−O−である、RおよびRは互いに独立してH、直鎖状もしくは分枝状C−C−アルキルである、
p1は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、もしくは35である、
p2は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、もしくは35である、
nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、447、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70,71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100である、
、Rは互いに独立してHもしくはCHである、
このとき少なくとも(AO)p1中の1つのAOについては、(AO)p2中の少なくとも1つのAOについてと同様にRおよびRはどちらも同時にHを意味することはない)が好ましい。
【0151】
AO単位は、ポリエーテルが発生するが過酸化物は発生しないように組み込まれる。
【0152】
上記の意味を備える、全AOに対してRおよびRが互いに独立して同一の意味が推定される、すなわち例えば1つだけのアルキレンオキシド、例えばプロピレンオキシドを用いてのエチレングリコールもしくはポリエチレングリコールのアルコキシル化によって得られるエステルFが好ましい。
【0153】
上記の意味を備える、RもしくはRがHを意味するエステルFが好ましい。
【0154】
上記の意味を備える、RもしくはRが互いに独立してCH、CHCH、(CH−CHもしくは(CH−CH、好ましくはCHを意味するエステルFが好ましい。
【0155】
さらに上記の意味を備える、p1が1、2、3、4もしくは5、特に好ましくは1、2もしくは3、特に1を意味する、または14〜27の間の1つの数を意味するエステルFが好ましい。
【0156】
さらに上記の意味を備える、p2が1、2、3、4もしくは5、特に好ましくは1、2もしくは3、特に1を意味する、または14〜27の数を意味するエステルFが好ましい。
【0157】
上記の意味を備える、nは2〜50の間の、好ましくは5〜30の間の、特に10〜26の間の1つの数を意味するエステルFが好ましい。
【0158】
上記の意味を備える、ジオール成分である(AO)p1−[−O−CH−CH−]−O−(AO)p2が300〜500の間の、特に約400の平均分子量を有するエステルFが好ましい。
【0159】
上記の意味を備える、ジオール成分である(AO)p1−[−O−CH−CH−]−O−(AO)p2が2000〜4000の間の、特に好ましくは約2500〜3500の間の平均分子量を有するエステルFが好ましい。
【0160】
上記の意味を備える、(AO)p1および(AO)p2に関しては相互に対称性に構築されるエステルFが好ましい。対称性とは、p1およびp2がほぼ同様である、つまりp1とp2との差の絶対値が3以下、好ましくは2以下、特に好ましくは1以下、特別には同様に0であると理解されている。
【0161】
上記の意味を備える、(AO)p1および(AO)p2に関しては相互に構造が類似であるように構築されるエステルFが好ましい。構造が類似であるというのは、各々の(AO)p1−および(AO)p2−成分が(ポリ)エチレングリコールの同時の合成によって製造されることを意味する、したがってどちらも相違するアルコキシド(統計的(AO)p−成分)の混合物から、または連続的合成(ブロック(AO)p−成分)のどちらかから得られる。特別には、すべてのAOが同一の意味を有しており、このとき好ましくはプロピレンオキシドから発生するようなジオール成分が好ましい。
【0162】
上記の意味を備える、RもしくはRが同一であり、好ましくはHであるエステルFが好ましい。
【0163】
本発明によると、上記の意味を備える上述した式のエステルFは水溶液吸収性ヒドロゲル形成ポリマーを製造するために、特別には分子内架橋剤として使用できる。その他の好ましい分子内架橋剤は、ジ(メタ)アクリレート、特別には2、3、4もしくは5個、特に2もしくは3個のプロピレングリコールユニットを備えるポリプロピレングルコールのジアクリレートである。
【0164】
上記の混合物では、混合物は好ましくは以下の式:
【0165】
【化12】

または
【0166】
【化13】

(式中、AOは各AOに対して互いに独立して−O−CHR−CHR−もしくは−CHR−CHR−O−である、RおよびRは互いに独立してH、直鎖状もしくは分枝状C−C−アルキルである、
およびRは互いに独立してH、直鎖状もしくは分枝状C−C−アルキルである、
nは1、2もしくは3である、
Pは0、1もしくは2である、
P2は0、1もしくは2である、
P3は0、1もしくは2である、
P4は0、1もしくは2である、
、R、R、Rは互いに独立してHもしくはCHである)によって表すことができる。
【0167】
さらに混合物中のエステルは好ましくは以下の式:
【0168】
【化14】

または
【0169】
【化15】

(式中、AOは各AOに対して互いに独立して−O−CHR−CHR−もしくは−CHR−CHR−O−であり、RおよびRは互いに独立してH、直鎖状もしくは分枝状C−C−アルキルである、
およびRは互いに独立してH、直鎖状もしくは分枝状C−C−アルキルである、
nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
p1は7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
p2は7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
p3は7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
p4は7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
、R、R、Rは互いに独立してHもしくはCHである)の1つによって表すことができる。
【0170】
AOが各AOに対して互いに独立してEOもしくはPOを意味しており、EOはO−CH−CH−を意味しており、POは互いに独立してO−CH−CH(CH)−もしくはO−CH(CH)−CH−を意味しており、RおよびRは互いに独立してHもしくはCHを意味するような混合物が特に好ましい。特別には、AOがEOおよびPOからのブロックポリマーを意味し、POユニットが末端に存在してアクリル酸を用いてエステル化されているような混合物が好ましい。
【0171】
特別には、式Ig、Ih、IiもしくはIjによって表される群から選択されるエステルと式Ik、Il、ImもしくはInによって表される群から選択されるエステルとの混合物が好ましい。
【0172】
さらに、該混合物の成分としては以下のエステルが好ましい:ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオール−1EO−ジアクリレート、ブタンジオール−2EO−ジアクリレート、ブタンジオール−1EO−1PO−ジアクリレート、ブタンジオール−2PO−ジアクリレート、ブタンジオール−3EO−ジアクリレート、ブタンジオール−2EO−1POジアクリレート、ブタンジオール−1EO−2PO−ジアクリレート、ブタンジオール−3PO−ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパン−3EO−トリアクリレート、トリメチロールプロパン−3EO−ジアクリレート、トリメチロールプロパン−2EO−1PO−トリアクリレート、トリメチロールプロパン−2EO−1PO−ジアクリレート、トリメチロールプロパン−1EO−2PO−トリアクリレート、トリメチロールプロパン−1EO−2PO−ジアクリレート、トリメチロールプロパン−3PO−トリアクリレート、トリメチロールプロパン−3PO−ジアクリレート、トリメチロールプロパン−4EO−トリアクリレート、トリメチロールプロパン−4EO−ジアクリレート、トリメチロールプロパン−1PO−3EO−トリアクリレート、トリメチロールプロパン−1PO−3EO−ジアクリレート、トリメチロールプロパン−2EO−2PO−トリアクリレート、トリメチロールプロパン−2EO−2PO−ジアクリレート、トリメチロールプロパン−1EO−2PO−トリアクリレート、トリメチロールプロパン−1EO−3PO−ジアクリレート、トリメチロールプロパン−4PO−トリアクリレート、トリメチロールプロパン−4PO−ジアクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリン−3EO−トリアクリレート、グリセリン−3EO−ジアクリレート、グリセリン−2EO−1PO−トリアクリレート、グリセリン−2EO−1PO−ジアクリレート、グリセリン−1EO−2PO−トリアクリレート、グリセリン−1EO−2PO−ジアクリレート、グリセリン−3PO−トリアクリレート、グリセリン−3PO−ジアクリレート、グリセリン−4EO−トリアクリレート、グリセリン−4EO−ジアクリレート、グリセリン−1PO−3EO−トリアクリレート、グリセリン−1PO−3EO−ジアクリレート、グリセリン−2EO−2PO−トリアクリレート、グリセリン−2EO−2PO−ジアクリレート、グリセリン−1EO−2PO−トリアクリレート、グリセリン−1EO−3PO−ジアクリレート、グリセリン−4PO−トリアクリレート、グリセリン−4PO−ジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトール−3EO−トリアクリレート、ペンタエリトリトール−3EO−ジアクリレート、ペンタエリトリトール−2EO−1PO−トリアクリレート、ペンタエリトリトール−2EO−1PO−ジアクリレート、ペンタエリトリトール−1EO−2PO−トリアクリレート、ペンタエリトリトール−1EO−2PO−ジアクリレート、ペンタエリトリトール−3PO−トリアクリレート、ペンタエリトリトール−3PO−ジアクリレート、ペンタエリトリトール−4EO−トリアクリレート、ペンタエリトリトール−4EO−ジアクリレート、ペンタエリトリトール−1PO−3EO−トリアクリレート、ペンタエリトリトール−1PO−3EO−ジアクリレート、ペンタエリトリトール−2EO−2PO−トリアクリレート、ペンタエリトリトール−2EO−2PO−ジアクリレート、ペンタエリトリトール−1EO−2PO−トリアクリレート、ペンタエリトリトール−1EO−3PO−ジアクリレート、ペンタエリトリトール−4PO−トリアクリレート、ペンタエリトリトール−4PO−ジアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトール−5EO−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−3EO−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−4EO−1PO−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−2EO−1PO−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−3EO−2PO−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−1EO−2PO−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−3PO−2EO−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−3PO−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−4EO−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−1EO−4PO−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−5PO−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−1PO−3EO−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−2EO−2PO−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−1EO−3PO−テトラアクリレート、ペンタアクリトリトール−4PO−テトラアクリレート。
【0173】
1つの成分が下記の化合物の1つによって表されるエステル混合物が特に好ましい:グリセリン−3EO−トリアクリレート(G3EOTA)、グリセリン−3PO−トリアクリレート(G3POTA)、グリセリントリアクリレート(GTA)、トリメチロールプロパン−3EO−トリアクリレート(TMP3EOTA)、トリメチロールプロパン−3PO−トリアクリレート(TMP3POTA)およびトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)。もう1つの成分は、好ましくは最初に5POおよび引き続いて30EOを用いてアルコキシル化され、引き続きアクリル酸を用いて完全にエステル化されているトリメチルプロパン(TMP5PO30EOTA)、ならびに最初に5POおよび引き続いて30EOを用いてアルコキシル化され、引き続きアクリル酸を用いて完全にエステル化されているトリメチルプロパン(TMP30EO5POTA)である。
【0174】
下記の:
G3EOTAとTMP30EO5POTA、G3POTAとTMP30EO5POTA、GTAとTMP30EO5POTAの混合物が極めて特に好ましい。
【0175】
これらの架橋剤は、特に好ましくは式Imの化合物と組み合わされる。また別の実施形態は、ポリアルコールからの個別エステルの製造に対してもポリアルコールの混合物からのエステル混合物の製造に対しても当てはまる。以下では、代わりにエステルFについて記載する。
【0176】
また別の課題は、以下のステップ:
a) ポリアルコールAと(メタ)アクリル酸とを、少なくとも1種のエステル化触媒Cおよび少なくとも1種の重合阻害剤Dならびに場合によっては水を用いて共沸点化合物を形成する溶媒Eの存在下で反応させて、エステルFを生成させるステップと、
b) 場合によっては反応混合物からa)で発生した水の少なくとも一部分を除去するステップであって、このときb)をa)の途中および/または後に実施できるステップと、
f) 場合によっては反応混合物を中和するステップと、
h) 溶媒Eが使用された場合には、場合によってはこの溶媒を蒸留によって除去するステップと、
i) この反応条件下で不活性のガスを用いてストリッピングするステップと、を含む(メタ)アクリル酸を用いてポリアルコールAのエステルFを製造する方法によって解決される。
【0177】
このとき好ましくは
− ポリアルコールA中のエステル化されるべき各ヒドロキシル基についてポリアルコールAに対する(メタ)アクリル酸のモル過剰比は少なくとも1.05:1である、
− 最終ステップ後に得られた反応混合物中で得られる、場合によっては中和された(メタ)アクリル酸は本質的には反応混合物中に残留する。
【0178】
(メタ)アクリル酸は、本発明ではメタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸とアクリル酸との混合物であると理解されている。アクリル酸が好ましい。
【0179】
エステルFが純粋形であることが所望の場合は、エステルFは知られている分離方法によって精製できる。
【0180】
Aに対する(メタ)アクリル酸の(ポリアルコールA中のエステル化されるべき各ヒドロキシル基に対する)モル過剰比は少なくとも1.05:1、好ましくは少なくとも1.1:1、特に好ましくは少なくとも1.25:1、極めて特に好ましくは少なくとも1.5:1および格別には少なくとも2.5:1である。
【0181】
好ましい実施形態では、例えば10:1以上、好ましくは20:1以上、特に好ましくは40:1以上、極めて特に好ましくは100:1以上、特別には150:1以上、および格別には200:1以上過剰な(メタ)アクリル酸が使用される。
【0182】
このように得られたエステル化生成物は、本質的にはそれ以上の精製を行わずに、特別には(メタ)アクリル酸の過剰およびヒドロゲル中でのラジカル架橋剤としてのエステル化触媒Cの含量の本質的な分離を行わずに使用することができる。
【0183】
架橋は、本明細書では、他に特別に言及しない限り、ラジカル架橋(直鎖状もしくは弱架橋ポリマーのゲル架橋、分子内架橋、交差架橋)であると理解されている。この架橋は、ラジカルもしくはカチオン重合メカニズムまたはその他の、例えばミカエリス添加、エステル化もしくはエステル交換メカニズムを介して、好ましくはラジカル重合によって行うことができる。
【0184】
水溶液吸収性のヒドロゲル形成性ポリマーは、好ましくは少なくとも自重、好ましくは自重の10倍、特別には自重の20倍の蒸留水を吸収するポリマーであり、この吸収は好ましくは0.7psiの圧力下でも達成される。
【0185】
本発明によって使用できるポリアルコールAは、少なくとも2個、好ましくは3個、特に好ましくは3〜10個、極めて特に好ましくは3〜6個、および格別には3〜4個のヒドロキシル官能基(−OH)を有する化合物である。
【0186】
ポリアルコールは、脂肪族、脂環式もしくは芳香族、好ましくは脂肪族もしくは脂環式および極めて特に好ましくは脂肪族の直鎖状もしくは分枝状であってよく、さらに場合によっては官能基で置換されていてもよい。
【0187】
通例は、ポリアルコールは2〜50個、および好ましくは3〜40個の炭素原子を有する。
【0188】
アルキレンオキシドを用いてのポリアルコールの反応は、当業者には知られている。考えられる実施形態は、Houben−Weyl、「有機化学の方法、第4版(Methoden der Organischen Chemie, 4. Auflage)」、1979, Thieme Verlag Stuttgart, Hrsg. Heinz Kropf、第6/1a巻、第1部、第373〜385頁の中に見いだされる。
【0189】
ポリアルコールAを製造するためには、例えば最初にポリオールが望ましいポリエチレンポリオールを得るためにEOと反応させられ、次に引き続いてPOを用いて反応される。
【0190】
これは例えば約72gのグリコール(ポリオールの例)または適切な量のポリエチレングリコールを、0.5gのKOHを含む45%水溶液中のと一緒にオートクレーブ内に置き、一緒に80℃および減圧(約20mbar)で脱水させることによって行うことができる。次に145〜155℃で適切な量のプロピレンオキシドを添加し、この温度において高圧下で反応させる。この反応は、それ以上の圧力変化が観察されなくなると終了する。次にさらに30分間、150℃で後攪拌する。引き続いて、適切な量のプロピレンオキシドを120〜130℃で長時間にわたり高圧で添加し、同様に反応させる。不活性ガスを用いてパージして60℃へ冷却した後、触媒をピロリン酸ナトリウムの添加および引き続いての濾過によって分離する。
【0191】
さらに市販で得られるアルコキシル化グリコール、例えばジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコールもしくはPO−EO−POタイプのトリブロックコポリマー、例えば1720型、1740型、2035型、2510型、2520型、2525型もしくは3110型のPluronic(登録商標)RPEポリマーを使用することもできる。
【0192】
本発明によって使用できる使用できるポリアルコールの粘度については、約80℃までの温度で問題なくポンプで送り込めなければならない、好ましくは1000mPas未満、好ましくは800mPas未満、および極めて特に好ましくは500mPas未満の粘度を有していなければならないという以外に特別な要求は出されない。
【0193】
本発明によって使用できるエステル化触媒Cは、硫酸、アリールスルホン酸もしくはアルキルスルホン酸またはそれらの混合物である。アリールスルホン酸の例は、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸もしくはドデシルベンゼンスルホン酸であり、アルキルスルホン酸の例は、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸もしくはトリフルオロメタンスルホン酸である。強酸性イオン交換体もしくはゼオライトもまたエステル化触媒として使用できる。硫酸およびイオン交換体が好ましい。
【0194】
本発明により使用できる重合阻害剤Dは、アルキルフェノールなどのフェノール類、例えばo−、m−もしくはp−クレゾール(メチルフェノール)、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、6−tert−ブチル−2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−メチル−4−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェノール、もしくは2,2’−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−オキシジフェニル、3,4−メチレンジオキシジフェノール(ゴマ油)、3,4−ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ピロカテキン(1,2−ジヒドロキシベンゼン)、2−(1’−メチルシクロヘキス−1’−イル)−4,6−ジメチルフェノール、2−もしくは4−(1’−フェニル−エト−1’−イル)−フェノール、2−tert−ブチル−6−メチルフェノール、2,4,6−トリス−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、ノニルフェノール[11066−49−2]、オクチルフェノール[140−66−9]、2,6−ジメチルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールC、ビスフェノールS、3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェノールA、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ビーエーエスエフ(BASF)社製のKoresin(登録商標)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル、4−tert−ブチルピロカテキン、2−ビドロキシベンジルアルコール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,4,5−トリメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、6−イソプロピル−m−クレゾール、n−オクタデシル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−tris−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ビドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシエチル−イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチルベンジル)−イソシアヌレートもしくはペンタエリトリトール−テトラキス−[β−(3,5,−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチル−フェノール、6−sek−ブチル−2,4−ジニトロフェノール、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)社製のIrganox(登録商標)565、1141、1192、1222および1425、3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシルエステル、3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヘキサデシルエステル、3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクチルエステル、3−チア−1,5−ペンタンジオール−ビス−[(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)プロピオネート]、4,8−ジオキサ−1,11−ウンデカンジオール−ビス−[(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,8−ジオキサ−1,11−ウンデカンジオール−ビス−[(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,9−ノナンジオール−ビス[(3’−5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,7−ヘプタンジアミン−ビス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド]、1,1−メタンジアミン−ビス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド]、3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヒドラジド、3−(3’,5’−ジ−メチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヒドラジド、ビス(3−tert−ブチル−5−エチル−2−ヒドロキシ−フェン−1−イル)メタン、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェン−1−イル)メタン、ビス[3−(1’−メチルシクロヘキス−1’−イル)−5−メチル−2−ヒドロキシ−フェン−1−イル]メタン、ビス(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチル−フェン−1−イル)メタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェン−1−イル)エタン、ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェン−1−イル)スルフィド、ビス(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチル−フェン−1−yl)スルフィド、1,1−ビス−(3,4−ジメチル−2−ヒドロキシ−フェン−1−yl)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−3−メチル−2−ヒドロキシ−フェン−1−yl)−ブタン、1,3,5−トリス[1’−(3”,5”−ジ−tert−ブチル−4”−ヒドロキシ−フェン−1”−イル)−メト−1’−イル]−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,1,4−トリス(5’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−2’−メチル−フェン−1’−イル)ブタン、例えばパラ−アミノフェノールなどのアミノフェノン、例えばパラーニトロソフェノール、p−ニトロソ−o−クレゾールなどのニトロソフェノール、例えば2−メトキシフェノール(グアイアコール、ピロカテキンモノメチルエーテル)、2−エトキシフェノール、2−イソプロポキシフェノール、4−メトキシフェノール(ヒドロキノンモノメチルエーテル)、モノ−もしくはジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノールなどのアルコキシフェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンジルアルコール、2,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシベンジルアルコール(シリンガアルコール)、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(バニリン)、4−ヒドロキシ−3−エトキシベンズアルデヒド(エチルバニリン)、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(イソバニリン)、1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)エタノン(アセトバニロン)、オイゲノール、ジヒドロオイゲノール、イソオイゲノール、例えばα−、β−、γ−、δ−およびε−トコフェロール、トコール、α−トコフェロールヒドロキノンなどのトコフェロール、ならびに2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ヒドロキシベンゾフラン(2,2−ジメチル−7−ヒドロキシクマラン)、例えばヒドロキノンもしくはヒドロキノンモノメチルエーテル、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2−メチル−p−ヒドロキノン、2,3−ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、4−メチルピロカテキン、tert−ブチルヒドロキノン、3−メチルピロカテキン、ベンゾキノン、2−メチル−p−ヒドロキノン、2,3−ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、3−メチルピロカテキン、4−メチルピロカテキン、tert−ブチルヒドロキノン、4−エトキシフェノール、4−ブトキシフェノール、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、p−フェノキシフェノール、2−メチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、テトラメチル−p−ベンゾキノン、ジエチル−1,4−シクロヘキサンジノン−2,5−ジカルボキシレート、フェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−3−ベンジル−p−ベンゾキノン、2−イソプロピル−5−メチル−p−ベンゾキノン(チモキノン)、2,6−ジイソプロピル−p−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−3−ヒドロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−ベンゾキノン、エンベリン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、2−アミノ−5−メチル−p−ベンゾキノン、2,5−ビスフェニルアミノ−1,4−ベンゾキノン、5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アニリノ−1,4−ナフトキノン、アントラキノン、N,N−ジメチルインドアニリン、N,N−ジフェニル−p−ベンゾキノンジイミン、1,4−ベンゾキノンジオキシム、Coerulignon、3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルジフェノキノン、p−ローゾール酸(アウリン)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ベンジリデンベンゾキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノンなどのキノン類およびヒドロキノン類、
例えば4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4,4’,4”,−トリス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル)−ホスフィット、3−オキソ−2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジン−N−オキシル、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−メトキシピペリジン、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−トリメチルシロキシピペリジン、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−2−エチルヘキサノエート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ステアレート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ベンゾエート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−(4−tert−ブチル)ベンゾエート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−スクシネート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−アジペート、1,10−デカン二酸−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)エステル、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−n−ブチルマロネート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)フタレート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−イソフタレート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−テレフタレート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサヒドロテレフタレート、N,N’−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−アジピンアミド、N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−カプロラクタム、N−(1−オキシル−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ドデシルスクシンイミド、2,4,6−トリス−[N−ブチル−N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−トリアジン、N,N’−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N’−ビス−ホルミル−1,6−ジアミノヘキサン、4,4’−エチレンビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン)などのN−オキシル、例えばフェニレンジアミン、N,ニトロソ−ジフェニルアミン、ニトロソ−ジエチルアニリン、N,N’−ジアルキル−パラ−フェニレンジアミンなどの芳香族アミンであるが、このときアルキル残基は同一であっても相違していてもよく、各々が互いに独立して1〜4個の炭素原子から構成されていて直鎖状もしくは分枝状であってよく、例えばN,N’−ジ−iso−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジ−iso−プロピル−p−フェニレンジアミン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)社製のIrganox 5057、N,N’−ジ−iso−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジ−iso−プロピル−p−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン(ビーエーエスエフ(BASF)社製のKerobit(登録商標)BPD)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(バイエル(Bayer)社製のVulkanox(登録商標)4010)、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、イモイノジベンジル(Imoinodibenzyl)、N,N’−ジフェニルベンジジン、N−フェニルテトラアニリン、アクリドン、3−ヒドロキシジフェニルアミン、4−ヒドロキシジフェニルアミン、例えばN,N−ジエチルヒドロキシルアミンなどのヒドロキシルアミン、例えば尿素もしくはチオ尿素などの尿素誘導体、例えばトリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル、次リン酸もしくは亜リン酸トリエチルなどのリン含有化合物、例えばジフェニルスルフィドなどの硫黄含有化合物、フェノチアジンまたは例えば−銅、−マンガン、−セリウム、−ニッケル、−クロム、−クロリド、−ジチオカルバメート、−スルフェート、−サリチレートもしくは−アセテートなどの金属塩、またはそれらの混合物である。上記のフェノール類およびキノン類が好ましく、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、6−tert−ブチル−2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、亜リン酸トリフェニル、次リン酸、CuClおよびグアイアコールが特に好ましく、ヒドロキノンおよびヒドロキノンモノメチルエーテルが極めて特に好ましい。
【0195】
ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキノン、および場合によっては亜リン酸トリフェニルおよび/または次リン酸と組み合わせたアルキルフェノールが特に好ましい。
【0196】
場合によっては亜リン酸トリフェニルおよび/または次リン酸と組み合わせた、α−トコフェロール(ビタミンE)、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、もしくはδ−トコフェロールが極めて特に好ましい。
【0197】
安定剤としては、エステル化反応中に、最終生成物の酸価が同一である場合は、ヒドロキノンモノメチルエーテルと比較して弱い暗色に抵触した生成物混合物を生じさせる立体障害フェノールだけを使用するのが極めて特に好ましい。最も好ましいそのような安定剤の例はα−トコフェロールである。
【0198】
安定化をさらに強固にするためには、酸素含有ガス、好ましくは空気または空気と窒素(希薄空気)からなる混合気が存在していてよい。
【0199】
上述した安定剤の中では、好気性である、つまりそれらの完全な阻害作用を発揮するために酸素の存在を必要とする安定剤が好ましい。
【0200】
本発明によって使用できる溶媒Eは、所望の場合は、特別には反応水の共沸性除去に適合するような溶媒であり、特に脂肪族、脂環式および芳香族炭化水素またはそれらの混合物である。
【0201】
主として、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエンまたはキシレンが使用される。シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびトルエンが特に好ましい。
【0202】
エステル化のためには、当業者に知られている多価アルコールの製造方法および/または加工方法、例えば最初に言及した、または独国特許第199 41 136号、独国特許第38 43 843号、独国特許第38 43 854号、独国特許第199 37 911号、独国特許第199 29 258号、欧州特許出願第331 845号、欧州特許第554 651号または米国特許第4,187,383号に記載の方法を使用できる。
【0203】
一般に、エステル化は下記のように実施できる:
エステル化装置は攪拌式反応器から、好ましくは回転式蒸発装置を備えた反応器ならびに凝縮器および相分離管が装備された蒸留装置から構成される。
【0204】
反応器は、例えば二重壁加熱装置または/および内部に存在する加熱蛇管を備えた反応器である。主として、外側にある熱交換器および自然循環またはポンプを使用する強制循環、特に好ましくは機械的補助手段なしで循環気流が達成される自然循環を用いる反応器が使用される。
【0205】
当然ながら、反応は複数の反応ゾーン、例えば2〜4基、好ましくは2〜3基の反応器からなる反応器カスケードにおいても実施することができる。
【0206】
適切な回転式蒸発装置は当業者には知られており、例えばR. Billet、「蒸発装置技術(Verdampfertechnik)」、HTB−Verlag, Bibliographisches Institut Mannheim, 1965, 53.などに記載されている。回転式蒸発装置の例は、チューブバンドル式熱交換器、プレート式熱交換器などである。
【0207】
当然ながら、循環内には複数の熱交換器が存在していてよい。
【0208】
蒸留装置はそれ自体はよく知られているタイプである。このとき、蒸留装置は、場合によってはスプラッシュガードが装備されている単純な蒸留装置、または精留カラムであってよい。カラム設備としては、例えば段、パッキンおよび/または充填物などの基本的にすべての一般的な設備が考慮の対象となる。段については、鐘状段、ふるい段、弁段、トールマン(Thormann)段および/またはデュアルフロー段が好ましく、充填物については、リング、コイル、サドル体またはネットを備える充填物が好ましい。
【0209】
通例は、5〜20段の理論段数で十分である。
【0210】
凝縮器および分離管は従来型のタイプである。
【0211】
(メタ)アクリル酸およびアルコキシル化グリコールは、エステル化するステップa)において通例は上記に記載したようにモル過剰で使用される。使用する過剰比は、所望であれば約3000:1であってよい。
【0212】
エステル化触媒Cとしては上述した触媒が考慮の対象となる。
【0213】
これらは、エステル化混合物に対して通例は0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは1〜4重量%および極めて特に好ましくは2〜4重量%の量で使用される。
【0214】
必要な場合は、エステル化触媒はイオン交換体を用いて反応混合物から除去することができる。このときイオン交換体は反応混合物中に直接入れ、引き続いて濾過できる、または反応混合物をイオン交換体充填物に通して導くことができる。
【0215】
好ましくは、エステル化触媒は反応混合物中に放置しておかれる。だが触媒がイオン交換体である場合は、好ましくは例えば濾過によって除去する。
【0216】
安定化をさらに強固にするためには、酸素含有ガス、好ましくは空気または空気と窒素(希薄空気)からなる混合気が存在していてよい。
【0217】
この酸素含有ガスは好ましくはカラムのサンプ領域および/または循環式蒸発器内へ添加され、および/または反応混合気によっておよび/または反応混合気に通して導かれる。
【0218】
重合阻害剤(混合物)D(上述したとおり)は、エステル化混合物に対して0.01〜1重量%、好ましくは0.02〜0.8重量%、特に好ましくは0.05〜0.5重量%の総量で使用される。
【0219】
重合阻害剤(混合物)Dは、例えば抽出物または生成物中の水溶液または溶液として使用できる。
【0220】
b) 反応において発生する反応水はエステル化するステップa)中または後に分流することができるが、このときこのプロセスは水を用いて共沸点混合物を形成する溶媒によって強化することができる。
【0221】
反応水の共沸性除去のための溶媒Eとしては、所望の場合は、上述した化合物が適合する。
【0222】
溶媒の存在下でエステル化を実施するのが好ましい。
【0223】
使用される溶媒の量は、アルコキシル化グリコールおよび(メタ)アクリル酸の合計量に対して10〜200重量%、好ましくは20〜100重量%、特に好ましくは30〜100重量%である。
【0224】
だがこの場合には、例えば独国特許第1 38 43 854号第2頁第18行〜第4頁第45行に記載されているように、上述の安定剤を用いることだけが相違する共留剤なしでの実施も考えられる。
【0225】
反応混合物中に含有されている水が共沸点混合物を形成する溶媒を介して除去されない場合は、例えば独国特許第38 43 843号に記載されているように、これを不活性ガス、好ましくは酸素含有ガス、特に好ましくは空気もしくは希薄空気を用いたストリッピングを介して除去することが可能である。
【0226】
エステル化するステップa)の反応温度は、一般に40〜160℃、好ましくは60〜140℃、および特に好ましくは80〜120℃である。この温度は、反応の経過において一定である、または上昇することがあるが、好ましくは反応の経過において上昇する。この場合は、エステル化の最終温度は出発温度より約5〜30℃高い。エステル化の温度は、独国特許第199 41 136号および書類整理記号100 63 175.4を付した独国特許出願に記載されたように、反応混合物中の溶媒濃度の変動によって決定かつ調節することができる。
【0227】
溶媒を使用する場合は、この溶媒は反応器に装備された蒸留装置を通して反応混合物から蒸留することができる。
【0228】
留出物は自由裁量で除去できる、または凝縮後に、相分離装置に導くことができる。このようにして得られた水相は通例は排水され、有機相は蒸留装置内へ還流として導くことができる、および/または直接的に反応ゾーンへ導くことができる、および/または書類整理記号100 63 175. 4を付した独国特許出願に記載されているように循環式蒸発器内へ導くことができる。
【0229】
還流として使用する場合は、独国特許第199 41 136号に記載されているように、有機相はエステル化における温度制御のために使用できる。
【0230】
エステル化するステップa)は常圧でも、さらに過剰圧もしくは負圧でも実施できるが、好ましくは標準圧で作業される。
【0231】
反応時間は、通例は2〜20時間、好ましくは4〜15時間、および特に好ましくは7〜12時間になる。
【0232】
個別の反応成分を添加する順序は、本発明によると本質的ではない。すべての成分は事前に混合して装填し、引き続いて加熱できる、または1つ以上の成分は全く、もしくは部分的しか装填せず、加熱後に始めて添加してもよい。
【0233】
使用できる(メタ)アクリル酸はその組成において限定されておらず、例えば以下の成分を有することができる:
(メタ)アクリル酸 90〜99.9重量%
酢酸 0.05〜3重量%
プロピオン酸 0.01〜1重量%
ジアクリル酸 0.01〜5重量%
水 0.05〜5重量%
カルボニル含有物 0.01〜0.3重量%
阻害剤 0.01〜0.1重量%
マレイン酸(マレイン酸無水物) 0.001〜0.5重量%
使用される粗(メタ)アクリル酸は、通例は200〜600ppmのフェノチアジンまたは匹敵する安定化を可能にする量での他の安定剤である。カルボニル含有物という表現は、本明細書ではアセトンおよび低級アルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、2−および3−フルフラルならびにベンズアルデヒドであると理解されている。
【0234】
粗(メタ)アクリル酸は、本明細書では、プロパン/プロペン/アクロレインの反応ガスの吸収後、もしくは吸収剤中のイソブタン/イソブテン/メタクロレイン酸化および引き続いての吸収剤の分離後に生じる、あるいは反応ガスの分留凝縮によって得られる(メタ)アクリル酸含有混合物であると理解されている。
【0235】
当然のことであるが、下記の純度を備える純粋(メタ)アクリル酸もまた使用できる:
(メタ)アクリル酸 99.7〜99.99重量%
酢酸 50〜1000重量ppm
プロピオン酸 10〜500重量ppm
ジアクリル酸 10〜500重量ppm
水 50〜1000重量ppm
カルボニル含有物 1〜500重量ppm
阻害剤 1〜300重量ppm
マレイン酸(マレイン酸無水物)1〜200重量ppm
使用される純粋(メタ)アクリル酸は、通例は100〜300ppmのヒドロキノンモノメチルエーテルまたは匹敵する安定化を可能にする量での他の貯蔵用安定剤である。例えば、純粋(メタ)アクリル酸はさらにビタミンEもしくは他の立体障害フェノールを用いて安定化させることができる。
【0236】
純粋もしくは予備精製(メタ)アクリル酸は、その純度が少なくとも99.5重量%であり、本質的にアルデヒド性成分、他のカルボニル含有成分および高沸点成分を含有していない(メタ)アクリル酸であると理解されている。
【0237】
存在する場合は装備されたカラムを介して分離される、通例は0.1〜10重量%の(メタ)アクリル酸を含有していてよい凝縮液のエステル化中に蒸留される水相は、分離かつ排水される。有益には、その中に含有される(メタ)アクリル酸は抽出剤、好ましくは場合によってはエステル化において使用された溶媒、例えばシクロヘキサンを用いて、10〜40℃および1:5〜30、好ましくは1:10〜20の比率の水相対抽出剤を用いて抽出し、エステル化ステップへ戻すことができる。
【0238】
循環をさらに強化するためには、不活性ガス、好ましくは酸素含有ガス、特に好ましくは空気または空気および窒素の混合気(希薄空気)を、反応混合物の容積に対して例えば0.1〜1m/mh、好ましくは0.2〜0.8m/mhおよび特に好ましくは0.3〜0.7m/mhの量で循環内へ、反応混合物を通して、またはそれの上方に導くことができる。
【0239】
エステル化するステップa)の経過は、排出された水量の追跡および/または反応器内の炭酸濃度の減少によって追跡することができる。
【0240】
反応は、例えば理論上予測できる水量の90%、好ましくは少なくとも95%および特に好ましくは少なくとも98%が溶媒によって排出されている限り、終了させることができる。
【0241】
反応の終了は、例えば本質的にそれ以上反応水が共留剤を介して除去されなくなることによって確認できる。(メタクリル)酸が反応水と一緒に排出される場合は、その比率は例えば水相のアリコートを逆滴定することによって測定することができる。
【0242】
反応水の除去は、(メタクリル)酸が例えば少なくとも3:1、好ましくは少なくとも5:1および極めて特に好ましくは少なくとも10:1のように高度に化学量論的に過剰で使用された場合は、放棄することができる。この場合は、反応混合物中で発生した水量の本質的部分が残留する。反応中または反応後には、設定された温度において揮発性によって決定される水の部分だけが反応混合物から除去され、発生した反応水を分離するための対策はそれ以上実施されない。そこで反応混合物中で発生する反応水の例えば少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも20重量%、特に好ましくは少なくとも30重量%、極めて特に好ましくは少なくとも40重量%および格別には反応混合物中で発生する反応水の少なくとも50重量%が残留していてよい。
【0243】
c) エステル化するステップの終了後には、反応混合物は通常は10〜30℃へ冷却させることができ、そして場合によっては、水の共沸性除去のために場合によって使用される溶媒もしくはその他の溶媒であってよい溶媒の添加によって任意の目標エステル濃度に調整できる。
【0244】
また別の実施形態では、反応は適切な希釈剤Gを用いて停止させ、例えば粘度を低下させるために、反応物を例えば10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは20〜60重量%、極めて特に好ましくは30〜50重量%および格別には約40重量%へ希釈することができる。
【0245】
このとき、希釈後に本質的に均質な溶液が形成されることが重要である。
【0246】
これは、好ましくはヒドロゲルの製造における使用前の相当に短期間以内に、例えば24時間以内に、好ましくは20時間以内に、特に好ましくは12時間以内に、極めて特に好ましくは6時間以内に、そして特別には3時間以内に実施される。
【0247】
希釈剤Gは水、水と1種以上の水に無制限に溶解性の有機溶媒との混合物または水と1種以上の単官能もしくは多官能アルコール、例えばメタノールおよびグリセリンとの混合物からなる群から選択される。これらのアルコールは、好ましくは1、2もしくは3個のヒドロキシル基を有しており、好ましくは1〜10、特に4個までの炭素原子を有する。第1級および第2級アルコールが好ましい。
【0248】
好ましいアルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリン、1,2−プロパンジオールもしくは1,3−プロパンジオールである。
【0249】
d) 必要な場合は、反応混合物は例えば10〜100℃、好ましくは20〜80℃および特に好ましくは30〜60℃の温度において例えば0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜25重量%、特に好ましくは1〜10重量%の量で例えば活性炭もしくは金属酸化物、例えば酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化ホウ素またはそれらの混合物などを用いた処理によって脱色することができる。
【0250】
これは反応混合物への粉末状または顆粒状の脱色剤の添加およびそれに続く濾過によって、または任意の適切な成形体の形状にある脱色剤の充填物に通しての反応混合物の導入によって行うことができる。
【0251】
反応混合物の脱色は、加工方法の任意の場所で、例えば粗反応混合物の段階で、または場合によっては行われる前洗浄、中和、洗浄もしくは溶媒除去後に行うことができる。
【0252】
反応混合物はさらに前洗浄するステップe)および/または中和するステップf)および/または後洗浄するステップg)を、好ましくは中和するステップf)だけを受けさせることができる。場合によっては、中和するステップf)および前洗浄するステップe)の順序は入れ替えることができる。
【0253】
洗浄するステップe)およびg)の水相および/または中和するステップf)から得られた(メタ)アクリル酸および/または触媒Cは、溶媒を用いた酸性化および抽出によって少なくとも部分的に回収して再使用することができる。
【0254】
前洗浄もしくは後洗浄するステップe)もしくはg)のためには、反応混合物は洗浄液、例えば水もしくは5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、特に好ましくは5〜15重量%の生理食塩液、塩化カリウム水溶液、塩化アンモニウム水溶液、硫酸ナトリウム水溶液、硫酸アンモニウム水溶液、好ましくは水もしくは生理食塩液を用いて洗浄装置内で処理される。
【0255】
反応混合物対洗浄液の量の比率は、通常は1:0.1〜1、好ましくは1:0.2〜0.8、特に好ましくは1:0.3〜0.7である。
【0256】
洗浄または中和は、例えば攪拌容器中または他の従来型の装置中、例えばカラムもしくはミキサー沈降器装置中で実施することができる。
【0257】
方法技術的には本発明による方法における洗浄または中和のためには、例えば「ウルマンの工業化学百科事典第6版、1999年、電子版、章:液−液抽出装置(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 6th ed, 1999 Electronic Release, Kapitel:Liquid−Liquid Extraction−Apparatus)に記載されているようなそれ自体は知られているすべての抽出および洗浄の方法および装置を使用できる。例えば、この装置は一段もしくは多段、好ましくは一段の抽出、ならびに直流もしくは向流運転方法、好ましくは向流運転方法で作動する装置であってよい。
【0258】
好ましくは、ふるい段もしくは充填されたもしくは充填体カラム、攪拌容器もしくはミキサー沈降器装置、ならびにパルス式カラムもしくは回転式取付具を備えたカラムが使用される。
【0259】
予備洗浄するステップe)は、好ましくは金属塩、好ましくは阻害剤として銅または銅塩を用いる場合に使用される。
【0260】
後洗浄するステップg)はf)において中和された反応混合物からの微量の塩基または塩を除去するために有益なことがある。
【0261】
中和するステップf)のために、まだ少量の触媒および主要な量の過剰な(メタ)アクリル酸を含有している可能性がある、場合によっては予備洗浄された反応混合物は、場合によっては5〜15重量%の食塩、塩化カリウム、塩化アンモニウムもしくは硫酸アンモニウムを添加できる、例えばアルカリ金属酸化物もしくはアルカリ土類金属酸化物、アルカリ水酸化物、アルカリ炭酸塩もしくはアルカリ炭酸水素塩、好ましくはナトロン濾液、苛性カリ溶液、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、石灰乳、アンモニア、アンモニア水もしくは炭酸カリウムなどの塩基の5〜25重量%、好ましくは5〜20重量%、特に好ましくは5〜15重量%の水溶液、特に好ましくはナトロン濾液もしくはナトロン濾液−生理食塩液を用いて中和することができる。中和度は、酸性基を含有するモノマーに対して、好ましくは5〜60モル%、より好ましくは10〜40モル%、特に好ましくは20〜30モル%である。この中和は、重合前および/または重合中、好ましくは重合前に行うことができる。他の好ましい中和度は、50〜100モル%、特に好ましくは55〜80モル%、特別には60〜75モル%である。好ましくは、純粋アクリル酸中の架橋剤溶液は中和度を調整するためにアクリル酸塩液を用いて重合の直前に混合される。
【0262】
塩基の添加は、装置内の温度が60℃を超えて上昇しない、好ましくは20〜35℃の間にあり、そしてpH値は4〜13、好ましくは4.5〜10である方法で行われる。中和熱の除去は、主として内部にある冷却装置を用いた容器の冷却によって、または二重壁冷却を介して行われる。
【0263】
反応混合物対中和液の量の比率は、通常は1:0.1〜1、好ましくは1:0.2〜0.8、特に好ましくは1:0.3〜0.7である。
【0264】
装置に関しては上述したことが該当する。
【0265】
h) 反応混合物中に溶媒が含まれる場合は、これは蒸留によって本質的に除去することができる。好ましくは、場合によっては含まれる溶媒は洗浄および/または中和後に反応混合物から除去され、所望の場合は、これは洗浄もしくは中和の前に行うこともできる。
【0266】
それに加えて、反応混合物には、溶媒の分離後にその100〜500ppm、好ましくは200〜500ppmおよび特に好ましくは200〜400ppmが目標エステル(残渣)内に含有されているような量で貯蔵安定剤、好ましくはヒドロキノンモノメチルエーテルが添加される。ヒドロキノンモノメチルエーテルの代わりに、さらに上述した立体障害フェノールを好ましくは単独で、または他の安定剤との混合物中で使用することができる。
【0267】
蒸留による主要量の溶媒の分離は、低圧下、例えば20〜700mbar、好ましくは30〜500mbarおよび特に好ましくは50〜150mbarならびに40〜80℃の温度で、例えば二重壁加熱装置および/または内蔵式加熱装置を備える攪拌容器中で行われる。
【0268】
当然ながら、蒸留は流下薄膜型もしくは薄膜型蒸発器中でも実施できる。そのために、反応混合物は、低圧下、例えば20〜700mbar、好ましくは30〜500mbarおよび特に好ましくは50〜150mbarならびに40〜80℃の温度で好ましくは装置を通して多数回循環させられる。
【0269】
有益には、不活性ガス、好ましくは酸素含有ガス、特に好ましくは空気または空気および窒素の混合気(希薄空気)が、反応混合物の容積に対して例えば0.1〜1m/mh、好ましくは0.2〜0.8m/mhおよび特に好ましくは0.3〜0.7m/mhの量で蒸留装置内へ導入することができる。
【0270】
残渣中の残留溶媒含量は、蒸留後には通例は5重量%未満、好ましくは0.5〜5%および特に好ましくは1〜3重量%に達する。
【0271】
分離された溶媒は濃縮され、好ましくは再使用される。
【0272】
必要な場合は、蒸留に追加して、またはその代わりに溶媒をストリッピングするステップi)を実施できる。
【0273】
さらに、まだ少量の溶媒量を含有している目標エステルは50〜90℃へ、好ましくは80〜90℃へ加温され、残留している溶媒量は適切な装置内で適切なガスを用いて除去される。場合によって、強化するために真空を適用することもできる。
【0274】
適切な装置は通例の付属品、例えば段、充填物もしくは調整されたパッキン好ましくは充填物を有する、例えばそれ自体は知られている構造タイプのカラムである。カラム設備としては、例えば段、パッキンおよび/または充填体などの基本的にすべての一般的な設備が考慮の対象となる。段については、鐘状段、ふるい段、弁段、トールマン(Thormann)段および/またはデュアルフロー段が好ましく、充填物については、リング、コイル、サドル体、ラシヒ(Raschig)リング、イントス(Intos)リングもしくはポール(Pall)リング、バレル(Barrel)サドルもしくはインタロックス(Intalox)サドル、Top−Pakなど、またはネットを備える充填物が好ましい。
【0275】
この場合には、さらにまたスプラッシュガードとして例えばデミスターを装備できる流下薄膜型、薄膜型もしくはWischfilm型蒸発器、例えばLuwa蒸発器、Rotafilm蒸発器もしくはSambay蒸発器も考えられる。
【0276】
適切なガスは、特別には50〜100℃に温度調節されているような、ストリッピング条件下で不活性のガス、好ましくは酸素含有ガス、特に好ましくは空気もしくは空気と窒素の混合気(希薄空気)もしくは水蒸気である。
【0277】
ストリッピングガス量は、反応混合気の容積に対して例えば5〜20m/mh、特に好ましくは10〜20m/mhおよび極めて特に好ましくは10〜15m/mhである。
【0278】
必要な場合は、エステルはこの加工方法の任意の時期において、好ましくは洗浄/中和後に、および場合よっては溶媒除去が実施された後に、沈殿した微量の塩ならびに場合によっては含まれている脱色剤を除去するために濾過するステップj)を受けさせることができる。
【0279】
考えられる実施形態では、水を用いて共沸物を形成する溶媒を含まずに少なくとも1種のエステル化触媒Cおよび少なくとも1種の重合阻害剤Dの存在下で、上述した少なくとも10:1のモル過剰で(メタクリル)酸を用いてアルコキシル化グリコールをエステル化するステップa)が実施される。
【0280】
過剰に使用された(メタクリル)酸は好ましい実施形態では本質的には分離されない、すなわち反応混合物からは設定された温度では揮発性によって決定される(メタクリル)酸の部分だけが分離されるので、例えば蒸留的、精留的、抽出的、例えば洗浄、吸収性、例えば活性炭もしくはイオン交換体を通しての導入、および/または化学的ステップ、例えばエポキシド基を備える炭酸の捕捉などの炭酸を分離するためのそれ以上の対策は実施されない。
【0281】
好ましくは反応混合物中に含有される(メタクリル)酸は、反応終了後に反応混合物中に含有される(メタクリル)酸に対して、75重量%以下、特に好ましくは50重量%以下、極めて特に好ましくは25重量%以下、特別には10重量%以下、および格別には5重量%以下まで反応混合物から分離される。特に好ましい実施形態では、ステップb)を放棄できるので、その結果として設定温度では揮発性によって決定される反応水の部分および(メタクリル)酸だけが反応混合物から除去される。これは、好ましくは本質的には完全な凝縮によって妨害することができる。
【0282】
さらに、使用されたエステル化触媒Cもまた本質的に反応混合物中に残留している。
【0283】
このように得られる反応混合物は、好ましくは少なくとも25mg/g(KOH/反応混合物)、より好ましくは少なくとも35mg/g(KOH/反応混合物)、特に好ましくは少なくとも45mg/g(KOH/反応混合物)のDIN EN 3682による酸価数を有する。範囲としては、25〜80mg/g(KOH/反応混合物)が特に好ましく、および35〜50mg/g(KOH/反応混合物)が極めて特に好ましい。
【0284】
予備洗浄または後洗浄するステップe)またはg)は、好ましくは放棄され、単に濾過するステップj)だけが重要なことがある。
【0285】
引き続いてステップc)では反応混合物を希釈できるが、この場合には好ましくは6時間以内、特に好ましくは3時間以内にヒドロゲルに反応される。好ましくは、ステップf)で中和することができる。
【0286】
この場合、ステップc)、j)およびf)の順序が好ましい。
【0287】
本発明は、その上に
− 上述したエステル化方法の1つによって得られる、少なくとも1種のエステルFと、
− (メタクリル)酸と、および
− 希釈剤Gと、を含有する物質混合物に関する。
【0288】
その他の成分として
− プロトン化形もしくは非プロトン化系のエステル化触媒Cと、
− 重合阻害剤Dと、ならびに
− 場合によっては、エステル化において溶媒が使用された場合は溶媒Eと、を含有することができる。
【0289】
物質混合物は、場合によっては中和して、上記のf)に挙げたようなpH値を有していてよい。
【0290】
物質混合物が中和されると、(メタクリル)酸の少なくとも一部がその水溶性アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩もしくはアンモニウム塩に転換される。
【0291】
最も好ましい物質混合物は
− 0.1〜40重量%、特に好ましくは0.5〜20重量%、極めて特に好ましくは1〜10重量%、特別には2〜5重量%およびさらに格別には2〜4重量%の物質混合物中のエステルFと、
− 0.5〜99.9重量%、特に好ましくは0.5〜50重量%、極めて特に好ましくは1〜25重量%、特別には2〜15重量%およびさらに格別には3〜8重量%、または4〜6重量%で物質混合物中のモノマーMと、
− 0〜10重量%、特に好ましくは0.02〜5重量%、極めて特に好ましくは0.05〜2.5重量%および格別には0.1〜1重量%のエステル化触媒Cと、
− 0〜5重量%、特に好ましくは0.01〜1.0重量%、極めて特に好ましくは0.02〜0.75重量、特別には0.05〜0.5重量%およびさらに格別に0.075〜0.25重量%の重合阻害剤Dと、
− 合計が常に100重量%となるという条件で、0〜10重量%、特に好ましくは0〜5重量%、極めて特に好ましくは0.05〜1.5重量%および格別には0.1〜0.5重量%の溶媒Eと、ならびに
− 場合によっては100重量%までの希釈剤Gと、を含有している。
【0292】
上述した方法によって得られる反応混合物および本発明による物質混合物は
− 水吸収性ヒドロゲルのラジカル架橋剤として、
− ポリマー分散剤を製造するための出発物質として、
− ポリアクリレート(ヒドロゲル以外)を製造するための出発物質として、
− ラッカー原料として、または
− セメント添加物として使用できる。
【0293】
水吸収性ヒドロゲルのラジカル架橋剤として使用するためには、特に少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、さらにより好ましくは少なくとも5重量%、特に好ましくは少なくとも10重量%、極めて特に好ましくは少なくとも20重量%および格別には少なくとも30重量%の水溶性(25℃の蒸留水に)であるような本発明による物質混合物が適合する。
【0294】
k) これらが通過させられる限りにおいてその加工ステップを含むエステル化からの反応混合物、例えばf)からの反応混合物、もしくはf)が放棄された場合はb)から、もしくはb)が放棄された場合はa)からの反応混合物は、場合によっては酸性基を有していないが親水性モノマーMと共重合可能である追加のモノエチレン性不飽和化合物Nと置換することができ、次に水吸収性ヒドロゲルを製造するために少なくとも1種のラジカル重合開始剤Kおよび場合によっては少なくとも1種のグラフティングベースLの存在下で重合させることができる。
【0295】
有益には、
l) k)からの反応混合物を後架橋することができる。
【0296】
これらの親水性高膨潤性ヒドロゲルを製造するステップk)のために適切な親水性モノマーMは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロルアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、その無水物を含むマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、アリルスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシプロピルスルホ酸、2−ヒドロキシ−3−メタクリル−オキシプロピルスルホン酸、アリルホスホン酸、スチロールスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸などの重合可能な酸類、ならびにそれらのアミド、ヒドロキシアルキルエステルおよびアミノ基含有もしくはアンモニウム基含有エステルおよびアミドである。これらのモノマーは、単独で、または相互に混合して使用できる。さらに水溶性N−ビニルアミドもしくはジアリルジメチルアンモニウムクロリドがある。好ましい親水性モノマーは式V:
【0297】
【化16】

(式中、
は水素、メチルもしくはエチルである、
は−COOR基、スルホニル基もしくはホスホニル基、1つの(C−C)−アルキルアルコールを用いてエステル化されたホスホニル基もしくは式VI:
【0298】
【化17】

(式中、
は水素、メチル、エチル、もしくはカルボキシル基である、
は水素、アミノもしくはヒドロキシ−(C−C)−アルキル基である、および
はスルホニル基、ホスホニル基もしくはカルボキシル基を意味する)の基である)の化合物である。
【0299】
(C−C)−アルキルアルコールの例は、メタノール、エタノール、n−プロパノールもしくはn−ブタノールである。
【0300】
特に好ましい親水性モノマーはアクリル酸およびメタクリル酸、特にアクリル酸である。
【0301】
特性を最適化するためには、酸性基を有していないが、酸性基を有するモノマーと共重合可能である追加のモノエチレン性不飽和化合物Nを使用することが重要なことがある。これには例えばモノエチレン性不飽和カルボン酸のアミドおよびニトリル、例えばアクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチルビニルアセトアミド、アクリルニトリルおよびメタクリルニトリルが属する。その他の適切な化合物は、例えばビニルホルメート、ビニルアセテートもしくはビニルプリピオネートなどの飽和C−からC−カルボン酸のビニルエステル、例えばエチルビニルエーテルもしくはブチルビニルエーテルなどのアルキル基に少なくとも2個の炭素原子を備えるアルキルビニルエーテル、モノエチレン性不飽和C−からC−カルボン酸のエステル、例えば一価C−からC18−アルコールおよびアクリル酸、メタクリル酸もしくはマレイン酸からのエステル、マレイン酸の半エステル、例えばマレイン酸モノメチルエステル、N−ビニルピロリドンもしくはN−ビニルカプロラクタムなどのN−ビニルラクタム、アルコール1モルにつき2〜200モルのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを用いて置換されている、例えば10〜25個の炭素原子を備えるアルコールの、アルコキシル化一価飽和アルコールのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、ならびにポリエチレングリコールもしくはポリプロピレングリコールのモノアクリル酸エステルおよびモノメタクリル酸エステルであるが、このときポリアルキレングリコールのモル質量(M)は例えば2000まで達してよい。さらに、適切なモノマーは例えばエチルスチロールもしくはtert−ブチルスチロールのようなスチロールおよびアルキル置換スチロールである。
【0302】
これらの酸性基を全く有していないモノマーは、他のモノマーとの混合物において、例えば任意の比率にあるビニルアセテートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとの混合物においても使用できる。これらの酸性基を有していないモノマーは、0〜50重量%、好ましくは20重量%未満の量で反応混合物に添加される。
【0303】
好ましくは、架橋(コ)ポリマーは、場合によっては重合の前もしくは後にそのアルカリ塩もしくはアンモニウム塩に転換される、酸性基を有するモノエチレン性不飽和モノマー、およびそれらの総重量に対して0〜40重量%からの酸性基を有するモノエチレン性不飽和モノマーから構成される。
【0304】
(メタ)アクリル酸含有(コ)ポリマー、ポリアクリル酸および超吸収体の製造、試験および使用はこれまでに何度も記載されているのでしたがって十分に知られており、例えば「現代の超吸収性ポリマーテクノロジー(Modern Superabsorbent Polymer Technology)」、F.L. Buchholz and A.T. Graham, Wiley−VCH, 1998または「ウルマンの技術化学ハンドブック第35巻、2003年(Ullmann’s Handbuch der technischen Chemie Band 35 2003)の中のMarkus Frank、「超吸収剤(Superabsorbents)」を参照されたい。
【0305】
好ましくは、そのようなヒドロゲルは、酸性基を有するモノエチレン性不飽和モノマーMもしくはそれらの塩の架橋重合または共重合によって得られるヒドロゲルである。
【0306】
得ることができるポリマーは、改良された鹸化指数(VSI)が顕著である。
【0307】
後架橋のための方法では、出発ポリマーは後架橋剤を用いて処理され、好ましくは温度上昇によって処理中もしくは処理後に後架橋および乾燥させられるが、このとき架橋剤は好ましくは不活性溶媒中に含有されている。不活性溶媒は、反応において出発ポリマーとも後架橋剤とも本質的に反応しない溶媒であると理解されている。好ましくは、そのような溶媒は90%超、好ましくは95%超、特に好ましくは99%超、特別には99.5%超が出発ポリマーもしくは後架橋剤と化学的に反応しない。
【0308】
好ましくは後架橋するステップl)および乾燥するステップm)については、温度範囲は30〜250℃、特別には50〜200℃、極めて特に好ましくは100〜180℃の範囲内である。表面後架橋溶液の塗布は、好ましくは適切なスプレーミキサー内でのポリマー上へのスプレーによって行われる。スプレーに引き続いて、ポリマー粉末は熱乾燥させられるが、このとき架橋反応は乾燥の前にも乾燥中にも発生させることができる。好ましくは、架橋剤溶液の吹き付けは、反応ブレンダーまたは、例えばLoedigeブレンダー、BEPEXブレンダー、NAUTAブレンダー、SHUGGIブレンダーもしくはPROCESSALLなどの混合装置および乾燥装置内で行われる。その上に、流動床乾燥機もまた使用することができる。
【0309】
乾燥は、ジャケットの加熱または暖気の通気によってブレンダー内でのみ行うことができる。同様に適切であるのは、例えば箱形乾燥器、回転炉、もしくは加熱可能なウォームなどの直列接続乾燥器である。さらにまた例えば共沸性蒸留もまた乾燥方法として利用できる。反応混合器または乾燥器内でのこの温度における好ましい滞留時間は60分間未満、特に好ましくは30分間未満である。
【0310】
好ましくは上述した方法であるが、このとき出発ポリマーはポリマーアクリル酸もしくはポリアクリレート、特別にはラジカル重合を介して得られ、それらにおいて多官能エチレン性不飽和ラジカル架橋剤が使用されたポリマーアクリル酸もしくはポリアクリレートである。
【0311】
ラジカル架橋剤、さらにエステルF、および希釈剤Gを出発ポリマーの質量に対して0.1〜20重量%、特に0.5〜10重量%の比率で含む物質混合物が使用されるような方法が好ましい。
【0312】
ラジカル架橋剤が出発ポリマーの質量に対して0.01〜5.0重量%、好ましくは0.02〜3.0重量%、極めて特に好ましくは0.03〜2.5重量%、特別には0.05〜1.0重量%および特に0.1〜0.75重量%の用量で使用されるような方法が好ましい。
【0313】
本発明の対象は、さらに上述した方法によって製造されたポリマーおよび衛生製品、包装材料および不織布におけるそれらの使用、ならびに特にラッカーおよび顔料における架橋した、もしくは熱処理によって架橋可能なポリマーを製造するための上述した物質混合物の使用である。
【0314】
このとき使用しなければならない親水性の高膨潤性ヒドロゲル(出発ポリマー)は、特に(共)重合した親水性モノマーMからのポリマー、適切なグラフト主鎖L上の1つ以上の親水性モノマーMからなるグラフト(コ)ポリマー、架橋セルロースエーテルもしくはデンプンエーテル、または例えばグアール誘導体などの水溶液中で膨潤性の天然産物である。これらのヒドロゲルは当業者に知られており、例えば米国特許第4,286,082号、独国特許第27 06 135号、米国特許第4,340,706号、独国特許第37 13 601号、独国特許第28 40 010号、独国特許出願第43 44 548号、独国特許出願第40 20 780号、独国特許出願第40 15 085号、独国特許出願第39 17 846号、独国特許出願第38 07 289号、独国特許出願第35 33 337号、独国特許出願第35 03 458号、独国特許出願第42 44 548号、独国特許出願第42 19 607号、独国特許出願第40 21 847号、独国特許出願第38 31 261号、独国特許出願第35 11 086号、独国特許出願第31 18 172号、独国特許出願第30 28 043号、独国特許出願第44 18 881号、欧州特許出願第0 801 483号、欧州特許出願第0 455 985号、欧州特許出願第0 467 073号、欧州特許出願第0 312 952号、欧州特許出願第0 205 874号、欧州特許出願第0 499 774号、独国特許出願第26 12 846号、独国特許出願第40 20 780号、欧州特許出願第0 20 5674号、米国特許第5 145 906号、欧州特許出願第0 530 438号、欧州特許出願第0 670 073号、米国特許第4,057,521号、米国特許第4,062,817号、米国特許第4,525,527号、米国特許第4,295,987号、米国特許第5,011,892号、米国特許第4,076,663号または米国特許第4,931,497号に記載されている。特に適切であるのは、例えばPCT国際特許第01/38402号に記載されているような製造工程からの高膨潤性ヒドロゲル、ならびに独国特許第198 54 575号に記載されているような無機−有機ハイブリッド高膨潤性ヒドロゲルである。上述した特許文書の内容物、特にそれらの方法によって製造されたヒドロゲルは、明示的に本開示の構成要素である。
【0315】
オレフィン不飽和酸のグラフト共重合によって得られる親水性ヒドロゲルのための適切なグラフト主鎖は、天然起源または合成起源であってよい。例は、デンプン、セルロースもしくはセルロース誘導体ならびにその他の多糖類およびオリゴ糖、ポリアルキレンオキシド、特にポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシド、ならびに親水性ポリエステルである。
【0316】
水吸収性ポリマーは、水溶性ポリマーマトリックス上でのアクリル酸またはアクリレートのラジカルグラフト共重合を通して得られる。適切な水溶性ポリマーマトリックスは、例えば、しかし排他的ではなくアルギネート、ポリビニルアルコール、および例えばデンプンなどの多糖類である。本発明による意味におけるグラフト共重合では、多官能エチレン性不飽和ラジカル架橋剤が使用される。
【0317】
水吸収性ポリマーは、一方ではポリマーアクリル酸もしくはポリアクリレートからのおよび他方ではケイ酸塩、アルミニウム塩、もしくはアルミノケイ酸塩からの無機−有機ハイブリッドポリマーであってよい。特別には、ラジカル重合を通して得られ、そして多官能エチレン性不飽和ラジカル架橋剤が使用された場合およびそれらの製造工程において水溶性ケイ酸塩もしくは水溶性アルミニウム塩またはその両方の混合物が使用されたポリマーアクリル酸もしくはポリアクリレートを使用できる。
【0318】
好ましいヒドロゲルは、特別にはポリアクリレート、ポリメタクリレートならびに米国特許第4,931,497号、米国特許第5,011,892号および米国特許第5,041,496号に記載されたグラフトポリマーである。極めて特に好ましいヒドロゲルは、ポリアクリレートを基剤とするPCT国際特許出願第01/38402号および独国特許第198 545 75号に記載されたハイブリッド有機−無機ヒドロゲルである。
【0319】
本発明によって製造された、ラジカル架橋剤としてヒドロゲル中に使用可能な物質は、単独で、または他の架橋剤、例えば内面もしくは外面架橋剤と組み合わせて使用することができ、例えば下記である:
適切なその他の架橋剤は、特にメチレンビスアクリルアミドもしくはメチレンビスメタクリルアミド、ポリオールのエステル不飽和モノカルボン酸もしくはポリカルボン酸、例えばジアクリレート、トリアクリレートもしくはテトラアクリレート、例えばブタンジオールジアクリレートもしくはエチレングリコールジアクリレートもしくはエチレングリコールメタクリレートならびにトリメチロールプロパントリアクリレートもしくはグリセリンジアクリレートおよびグリセリントリアクリレートもしくはペンタエリトリトールテトラアクリレートおよびアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、リン酸のアリルエステルなどのアリル化合物ならびに例えば欧州特許出願第0 343 427号に記載されているようなビニルリン酸誘導体である。だが本発明による方法ではまた別の架橋剤としてのポリアリルエーテルの使用下およびアクリル酸の酸性ホモ重合によって製造されるヒドロゲルが特に好ましい。適切な架橋剤は、ペンタエリトリトールトリアリルエーテルおよびペンタエエリトリトールテトラアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、モノエチレングリコールジアリルエーテル、グリセロールジアリルエーテルおよびトリアリルエーテル、ソルビトールを基剤とするポリアリルエーテル、ならびにそれらのエトキシル化変異体である。さらに特に好ましい架橋剤は、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートのエトキシル化誘導体、例えばSartomer SR 9035、ならびにグリセリンジアクリレートおよびグリセリントリアクリレートのエトキシル化誘導体である。当然ながら、上記の架橋剤の混合物もまた使用できる。
【0320】
特に好ましいのは、本発明による架橋剤F中にまた別の架橋剤を分散させることのできる架橋剤の組み合わせである。このような架橋剤の組み合わせの例は、本発明による架橋剤Fとジプロピレングリコールジアクリレートもしくはトリプロピレングリコールジアクリレートおよびプロポキシル化グリセリントリアクリレートとの組み合わせである。そのような架橋剤の組み合わせのまた別の例は、本発明による架橋剤とブタンジオールジアクリレートもしくはトリメチロールプロパントリアクリレートもしくはペンタエリトリトールトリアリルエーテルとの組み合わせである。
【0321】
極めて特に好ましいのは、ラジカル架橋剤として本発明による架橋剤Fを用いて製造されるヒドロゲルである。
【0322】
水吸収性ポリマーは、好ましくはポリマーアクリル酸もしくはポリアクリレートである。この水吸収性ポリマーの製造は、文献から知られている方法によって実施できる。架橋コモノマーを含有する(0.001〜10モル%)ポリマーが好ましく、ラジカル重合を介して得られ、多官能エチレン性不飽和ラジカル架橋剤が使用されたポリマーが極めて特に好ましい。本発明によるエステル混合物は、好ましくはモノマーの総量に対して好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%の各エステル成分Fを使用することを許容する。全エステル成分の合計が2重量%未満、好ましくは1重量%未満であるのが特に好ましい。
【0323】
親水性の高膨潤性ヒドロゲルは、それ自体はよく知られている重合方法によって製造できる。いわゆるゲル重合の方法による水溶液中での重合が好ましい。このとき上述したように1種以上の親水性モノマーおよび場合によっては適切なグラフト主鎖Lの希釈した、好ましくは水性の、特に好ましくは15〜50重量%の水溶液はラジカル重合開始剤の存在下で好ましくは機械的な完全な混合を行わずにトロムスドルフ・ノリッシュ(Trommsdorff−Norrish)効果(Makromol. Chem. 1, 169(1947))を利用して重合される。重合反応は0℃〜150℃、好ましくは10℃〜100℃の温度範囲で、標準圧力でも、高圧下もしくは低圧下でも実施することができる。慣例通り、重合は不活性雰囲気中、主として窒素下でも実施することができる。重合を誘発するために、エネルギー豊富な電磁放射線または通例の化学的重合開始剤K、例えば有機過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、tert−ブチルヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、クモールヒドロペルオキシド、アゾジイソブチロニトリルなどのアゾ化合物ならびに例えば(NH、KもしくはHなどの無機ペルオキシ化合物を援用することができる。
【0324】
それらは、場合によっては例えばアスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウムおよび硫酸第二鉄もしくは酸化還元系などの還元剤、および例えば独国特許第1 301 566号に記載されているような還元された成分として脂肪族および芳香族スルフィン酸、例えばベンゾールスルフィン酸およびトルオールスルフィン酸、もしくは例えばスルフィン酸、アルデヒドおよびアミノ化合物からのマンニッヒ付加物などのこれらの酸の誘導体と組み合わせて使用できる。重合体の品質特性は、50〜130℃、好ましくは70〜100℃の温度範囲内での重合体ゲルの多段階後加熱によってさらに改善することができる。
【0325】
得られたゲルは使用されたモノマーに対して0〜100モル%、好ましくは25〜100モル%、および特に好ましくは50〜85モル%まで中和されるが、このとき通例の中和剤、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物または適切なアルカリ金属炭酸塩、特に好ましくは水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムを使用できる。水酸化ナトリウムを使用する場合は、特に好ましくは膜電気分解によって得られる品質が使用される。
【0326】
通例は、中和は水溶液として、または好ましくは固体としての中和剤の混合によって達成される。ゲルはこのために例えばミートグラインダーを用いて機械的に破砕され、そして中和剤は吹き付けられ、ふりかけられ、または注ぎ出され、そして次に細心の注意を払って混入される。
【0327】
このため、得られたゲル質量はさらに何回も均質化することができる。中和されたゲル質量は、次にバンド乾燥器またはローラードライヤーを用いて残留水分含量が好ましくは10重量%未満、特別には5重量%未満になるまで乾燥させられる。
【0328】
重合自体は、さらにまた文献に記載されたまた別の方法によって実施することもできる。特別には、アクリル酸の中和は、上記のステップf)に記載したように、重合の前に実施することもできる。中和が重合前、重合中、または重合後に行われたかどうかとは無関係に、2000ppm未満、極めて特に好ましくは1000ppm未満、そして最も好ましくは500ppm未満のダイマー含量を備えるアクリル酸を使用するのが特に好ましい。膜電気分解からの水酸化ナトリウムを使用するのが極めて特に好ましい。これは他の方法に比較して高い純度(例えば低い塩化物含量および微量水銀の非存在)が際だっている。当然ながら、アマルガム法または隔膜法からの水酸化ナトリウムもまた使用できる。重合は、次に当業者に知られているバンド反応器または捏和反応器内で連続的またはさらに不連続的に実施することもできる。バンド反応器内で重合を実施する場合は、電磁放射線、好ましくはUV線を用いた開始、あるいはまた酸化還元開始剤系を用いた開始が特に好ましい。極めて特に好ましいのは、2つの重合開始方法:電磁放射線および化学的酸化還元開始剤系の同時の組み合わせである。
【0329】
n)乾燥させたヒドロゲルは、この後で粉砕されてふるいにかけられるが、このとき粉砕のためには通例はローラークラッシャー、ピンミルもしくは振動ミルを使用できる。ふるいにかけたヒドロゲルの好ましい粒径は、好ましくは45〜1000μm、好ましくは45〜850μm、特に好ましくは200〜850μm、および極めて特に好ましくは300〜850μmの範囲内にある。また別の特に好ましい範囲は、150〜850μm、特別には150〜700μm、および特に好ましくは200〜600μm、および極めて特に好ましくは150〜550μmである。また別の特別な範囲は200〜800μmおよび特に好ましい範囲は250〜650μm、極めて特に好ましい範囲は300〜600μmである。特に好ましい範囲は200〜500μm、100〜450μmならびに150〜400μmである。これらの範囲内には、好ましくは粒子の80重量%、特別には粒子の90重量%が存在する。粒径分布は、確立されたふるい方法を用いて、または好ましくは光学的方法(写真撮影)を用いて測定することができる。
【0330】
本発明の対象は、さらに少なくとも親水性モノマーMを共重合形で含有しており、(メタクリル)酸とともにポリオールのエステルFを用いて架橋されている架橋ヒドロゲルである。エステルは、本発明によって、または最新技術において知られている方法で、好ましくは本発明によって製造することができる。
【0331】
エステルFとしては、上述したような化合物を使用できる。
【0332】
本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーのCRC値[g/g]は、本明細書に記載した方法によって測定することができ、好ましくは10より大きく、特別には11、12、13、14、15、16、18、20、22、24以上、特に好ましくは25、特別には26、27、28、29、より特別には30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45以上である。
【0333】
本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーのAUL−0.7psi値[g/g]は、本明細書に記載した方法によって測定することができ、好ましくは8より大きく、特別には9、10、11、12、13、14以上、特に好ましくは15、特別には16、17、18、19以上、特に好ましくは20より大きく、特別には21、22、23、24、25、26、27、28以上である。
【0334】
本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーのAUL−0.5psi値[g/g]は、本明細書に記載した方法によって測定することができ、好ましくは8より大きく、特別には9、10、11、12、13、14以上、特に好ましくは15、特別には16、17、18、19以上、特に好ましくは20より大きく、特別には21、22、23、24、25、26、27、28以上である。
【0335】
本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーの鹸化指数VSIは本明細書に記載の方法によって測定することができ、好ましくは10より小さく、特別には9.5、9、もしくは8.5以下、特に好ましくは8より小さく、特別には7.5、7、6.5、6、5.5以下、特に好ましくは5より小さく、特別には4.5、4、3.5以下である。
【0336】
本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーの残留架橋剤含量は、本明細書に記載の方法によって測定することができ、好ましくは30ppmより小さく、特に好ましくは20ppmより小さく、しかし極めて特に好ましくは10ppmより小さく、特別には9.5ppm、9ppm、もしくは8.5ppm以下、特に好ましくは8ppmより小さく、特別には7.5ppm、7ppm、6.5ppm、6ppm、5.5ppm以下、特に好ましくは5ppmより小さく、特別には4.5ppm、4ppm、3.5ppm以下である。混合物中に複数の架橋剤を使用する場合は、この最大値は混合物中の個別架橋剤に関連している。
本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーの投入および使用
本発明は、さらに衛生製品における:
(P)液体透過性のトップシートと、
(Q)本質的に液体不透過性のボトム層と、
(R)(P)と(Q)との間に存在する、
10〜100重量%の本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーおよび0〜90重量%の親水性繊維材料、
好ましくは20〜100重量%の本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーおよび0〜80重量%の親水性繊維材料、
より好ましくは30〜100重量%の本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーおよび0〜70重量%の親水性繊維材料、
さらにより好ましくは40〜100重量%の本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーおよび0〜60重量%の親水性繊維材料、
いっそう好ましくは50〜100重量%の本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーおよび0〜50重量%の親水性繊維材料、
特に好ましくは60〜100重量%の本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーおよび0〜40重量%の親水性繊維材料、
特に好ましくは70〜100重量%の本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーおよび0〜30重量%の親水性繊維材料、
特別に好ましくは80〜100重量%の本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーおよび0〜20重量%の親水性繊維材料、
最も好ましくは90〜100重量%の本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーおよび0〜10重量%の親水性繊維材料、を含有するコアと、
(S)場合によってはコア(R)のすぐ上方および下方にあるティシュー層と、および
(T)場合によっては(P)と(R)との間に存在する吸収層と、を含む上述したヒドロゲル形成性ポリマーの使用に関する。
【0337】
パーセントについての表示は、本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーの10〜100重量%では11、12、13、14、15、16、17、18、19からそのつど100重量%のおよびその間にあるすべての%表示(例、12.2%)が可能であり、そして適切な親水性繊維材料の0〜そのつど89重量%では88、87、86、85、83、82、81重量%およびその間にある%表示(例、87.8%)が可能であると理解しなければならない。コア内にその他の材料が存在する場合は、それに相応してポリマーおよび繊維の%値が減少する。同様のことは好ましい範囲についても該当するので、例えば極めて好ましい場合には本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーに対する81、82、83、84、85、86、87、88、89重量%およびそれに相応して繊維材料の19、18、17、16、15、14、13、12、11重量%が存在していてよい。そこで本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーは好ましい範囲20、21、22、23、24、25、26、27、28、29〜100重量%で、本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーはより好ましい範囲30、31、32、33、34、35、36、37、38、39〜100重量%で、本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーはさらにより好ましい範囲40、41、42、43、44、45、46、47、48、49〜100重量%で、本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーはさらにより好ましい範囲50、51、52、53、54、55、56、57、58、59〜100重量%で、本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーは特別に好ましい範囲60、61、62、63、64、65、66、67、68、69〜100重量%で、本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーは特別に好ましい範囲70、71、71、72、73、74、75、76、77、78、79〜100重量%および本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーは最も好ましい範囲90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100重量%で存在していてよい。
【0338】
衛生製品は、成人用の尿失禁パッドおよび尿失禁パンツであるとも乳幼児用オムツであるとも理解することができる。
【0339】
液体透過性トップシート(P)は、皮膚と直接接触する層である。このための材料は、通例の合成繊維もしくは半合成繊維またはポリエステル、ポリオレフィン、レーヨンもしくは綿のような天然繊維から構成される。不織材料は、通例はポリアクリレートなどの結合剤によって結合できる繊維である。好ましい材料は、ポリエステル、レーヨンおよびそれらの混合物、ポリエチレンおよびポリプロピレンである。液体透過性層の例は、PCT国際特許出願第99/57355号、欧州特許出願第102 388 3号に記載されている。
【0340】
液体不透過性層(Q)は、通例はポリエチレンもしくはポリプロピレン製のフィルムから構成される。だが、液体不透過性フィルムに加工できる他のすべての材料も使用できる。液体不透過性は、この関係では濃縮液体に対する非透過性を意味する。同時に、このフィルムは液体の蒸気に対する透過性を示すことができ、そしてしばしば現代のオムツの構造には通例は水もしくは尿である基礎にある濃縮液体に対する最高の不透過性を備える高い蒸気透過性を統合することができる。
【0341】
コア(R)は、本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーとともに親水性繊維材料を含有している。親水性は、水溶液が繊維を通って迅速に分布することであると理解できる。通例は、繊維材料はセルロース、改質セルロース、レーヨン、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルである。特に好ましいのは化学パルプなどのセルロース繊維であろう。繊維は、通例は1〜200μm、好ましくは10〜100μmの直径を有する。さらに、繊維は1mmの最小長を有している。
【0342】
オムツの構成および形状は一般に知られており、例えばPCT国際特許第95/26 209号第66頁第34行〜第69頁第11行、独国特許出願第196 04 601号、欧州特許出願第0 316 518号および欧州特許出願第0 202 127号に記載されている。一般に、オムツおよびその他の衛生製品はPCT国際特許第00/65084号、特に第6〜15頁に、PCT国際特許第00/65348号、特に第4〜17頁に、PCT国際特許第00/35502号、特に第3〜9頁に、独国特許第19737434号、PCT国際特許第第98/8439号に記載されている。女性用生理用品のための衛生製品は以下の参考文献に記載されている。本発明による水溶液吸収性のヒドロゲル形成性ポリマーはそこに使用できる。女性用生理用品についての参考文献:PCT国際特許第95/24173号:「臭気を制御するための吸収製品(Absorption Article for Controlling Odour)」、PCT国際特許第91/11977号:「体液の臭気の制御(Body Fluid 0dour Control)」、欧州特許第389023号:「吸収性サニタリー製品(Absorbent Sanitary Articles)」、PCT国際特許第94/25077号:「臭気制御材料(Odour Control Material)」、PCT国際特許第97/01317号:「吸収性衛生製品(Absorbent Hygienic Article)」、PCT国際特許第99/18905号、欧州特許第834297号、米国特許第5,762,644号、米国特許第5,895,381号、PCT国際特許第98/57609号、PCT国際特許第2000/065083号、PCT国際特許第2000/069485号、PCT国際特許第2000/069484号、PCT国際特許第2000/069481号、米国特許第6,123,693号、欧州特許第1104666号、PCT国際特許第2001/024755号、PCT国際特許第2001/000115号、欧州特許第105373号、PCT国際特許第2001/041692号、欧州特許第1074233号。タンポンは下記の文書に記載されている:PCT国際特許第98/48753号、PCT国際特許第98/41179号、PCT国際特許第97/09022号、PCT国際特許第98/46182号、PCT国際特許第98/46181号、PCT国際特許第2001/043679号、PCT国際特許第2001/043680号、PCT国際特許第2000/061052号、欧州特許第1108408号、PCT国際特許第2001/033962号、独国特許第200020662号、PCT国際特許第2001/001910号、PCT国際特許第2001/001908号、PCT国際特許第2001/001909号、PCT国際特許第2001/001906号、PCT国際特許第2001/001905号、PCT国際特許第2001/24729号。尿失禁製品は以下の文書に記載されている:「尿失禁患者のためのディスポーザブル吸収製品(Disposable Absorbent Article for Incontinent Individuals)」:欧州特許第311344号明細書第3〜9頁;「ディスポーザブル吸収製品(Disposable Absorbent Article)」:欧州特許第850623号;「吸収製品(Absorbent Article)」:PCT国際特許第95/26207号;「吸収製品(Absorbent Article)」:欧州特許第894502号;「乾燥重ね合わせ繊維構造(Dry Laid Fibrous Structure)」:欧州特許第850616号;PCT国際特許第98/22063号;PCT国際特許第97/49365号;欧州特許第903134号;欧州特許第887060号;欧州特許第887059号;欧州特許第887058号;欧州特許第887057号;欧州特許第887056号;欧州特許第931530号;PCT国際特許第99/25284号;PCT国際特許第98/48753号。女性用生理用品および尿失禁製品は以下の文書に記載されている:「生理用品(Catamenial Device)」:PCT国際特許第93/22998号明細書第26〜33頁;「体液用の吸収性部材(Absorbent Members for Body Fluids)」:PCT国際特許第95/26209号明細書第36〜69頁;「ディスポーザブル吸収製品(Disposable Absorbent Article)」:PCT国際特許第98/20916号明細書第13〜24頁;「改良された複合吸収性構造(Improved Composite Absorbent Structures)」:欧州特許第306262号明細書第3〜14頁;「体内老廃物吸収製品(Body Waste Absorbent Article)」:PCT国際特許第99/45973号。これらの参考文献およびその中に記載された参考文献は、これにより本発明の開示の中に組み込まれる。
【0343】
本発明によるヒドロゲル形成性ポリマーは、特に卓越した水および水溶液の吸収材料として適合するので、これらは有益には農業・造園における水保持材として、濾過助剤として、および格別にはオムツ、タンポンもしくは生理帯などの衛生製品における吸引性成分として使用できる。
本発明による高膨潤性ヒドロゲルの貯蔵および固定
上述した高膨潤性ヒドロゲルに追加して、本発明による吸収性組成には、高膨潤性ヒドロゲルを含有している、またはそれに固定されている組成物が存在する。高膨潤性ヒドロゲルを取り込むことができ、さらに吸収層内に統合され得る各組成物が適当である。多数のそのような組成物は既に知られており、文献の中に詳細に記載されている。高膨潤性ヒドロゲルを組み込むための組成物は、例えばセルロース繊維混合物(エアーレイドウェブ、ウェットレイドウェブ)もしくは合成ポリマー繊維(メルトブローンウェブ、スパンボンデッドウェブ)、またはセルロース繊維と合成繊維からの混合繊維製品から構成される繊維マトリックスであってよい。可能性のある繊維材料については、次の章において詳述する。エアーレイドウェブの製造工程は、例えばPCT国際特許第98/28478号に詳述されている。さらに、開孔を備える発泡体などは高膨潤性ヒドロゲルを組み込むために役立つことができる。
【0344】
あるいは、そのような組成物は2つの個別層の融合によって発生させることができ、言い換えると高膨潤性ヒドロゲルを含有する多数の房が形成される。そのような房システムは欧州特許出願第0 615 736号第7頁第26行以下に記載されている。
【0345】
この場合には、少なくとも2つの層のうちの1つが透水性である。第2層は透水性であっても非透水性であってもよい。層材料としては、ティシューもしくはその他の組織、閉鎖もしくは開孔フォーム、穿孔フィルム、エラストマーもしくは繊維材料の織物を投入できる。吸収性組成が複数の層の組成物から構成される場合は、層材料はそれらの孔径が高膨潤性ヒドロゲルを保持するために十分に小さい多孔性構造を示すであろう。吸収性組成の組成物についての上記の例は、それらの間に高膨潤性ヒドロゲルが組み込まれて固定される少なくとも2つの層からなるラミネートも含んでいる。
【0346】
一般には、いわゆる乾燥完全性および湿潤完全性を改善するために吸収性コアの内部にヒドロゲル粒子を固定する可能性が存在する。乾燥完全性および湿潤完全性は、それらが湿った状態でも乾燥した状態でも外部からの力の作用に抵抗し、高膨潤性ポリマーの移動または流出を生じさせない、吸収性組成の中にそのような高膨潤性ヒドロゲルを組み込む能力であると理解されている。力の作用は、衛生製品を装着している場合の運動の経過において発生する、あるいは特に尿失禁の場合に衛生製品が受ける体重負荷のような特に機械的負荷であると理解できる。固定するためには、当業者に知られている多数の可能性がある。熱処理、接着剤の添加、熱可塑性樹脂、結合材料による固定などの例は、PCT国際特許第95/26 209号第37頁第36行〜第41頁第14行に記載されている。したがって上述の部分は本発明の構成要素である。湿潤強度を上昇させる方法は、PCT国際特許出願第2000/36216号に見いだされる。
【0347】
さらに、例えばポリマーフィルムから構成される担体材料からの吸収性組成を高膨潤性ヒドロゲル粒子上に固定させることができる。固定は、片側で実施することも両側で実施することもできる。担体材料は、透水性であっても非透水性であってもよい。
【0348】
上記の吸収性組成の組成物では、組成物および高膨潤性ヒドロゲルの総重量に基づいて10〜100重量%、好ましくは20〜100重量%、より好ましくは30〜100重量%、さらにより好ましくは40〜100重量%、はるかに好ましくは50〜100重量%、特に好ましくは60〜100重量%、特別に好ましくは70〜100重量%、抜群に好ましくは80〜100重量%、および最も好ましくは90〜100重量%の重量比率を備える高膨潤性ヒドロゲルが組み込まれる。
吸収性組成の繊維材料
本発明による吸収性組成の構造は、網状繊維製品もしくはマトリックスとして使用される多様な繊維材料を基礎としている。本発明には天然起源(改質または非改質)の繊維も合成繊維も含まれる。
【0349】
本発明に使用できる繊維の例について詳述した概観は、PCT国際特許第95/26 209号第28頁第9行〜第36頁第8行に記載されている。したがって上述の部分は本発明の構成要素である。
【0350】
セルロース繊維の例は、例えばコットンタイプのフリースパルプおよび化学パルプなどの通例は吸収製品に使用されるセルロース繊維が含まれる。材料(針葉樹または広葉樹)、製造方法、例えば化学パルプ、半化学パルプ、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)および漂白方法は特別には限定されない。そこで例えば、綿、亜麻、羊毛、黄麻、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどの天然セルロース繊維が使用される。
【0351】
適切な合成繊維は、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、例えばORLON(登録商標)、ポリ酢酸ビニル、ポリエチル酢酸ビニルなどのポリアクリル化合物、溶解性もしくは不溶性ポリビニルアルコールから製造される。合成繊維の例には、ポリエチレン繊維(PULPEUX(登録商標))、ポリプロピレン繊維およびポリエチレン−ポリプロピレン−二成分繊維などのポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(DACRON(登録商標)もしくはKODEL(登録商標))などのポリエステル繊維、コポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチル酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル、ポリアミド、コポリアミド、ポリスチロールおよび上記のポリマーのコポリマー、ならびにポリエチレンテレフタレート−ポリエチレン−イソフタレート−コポリマー、ポリ酢酸エチルビニル/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、コポリエステル/ポリエステル、ポリアミド繊維(ナイロン)、ポリウレタン繊維、ポリスチロール繊維およびポリアクリルニトリル繊維からの二成分繊維などが含まれる。好ましくは、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維およびそれらの二成分繊維である。さらに好ましいのは、液体吸収後にはそれらの抜群の形状安定性のためにシェル−コアタイプおよび並列タイプのポリオレフィンからの熱付着性二成分繊維である。
【0352】
上記の合成繊維は、好ましくは熱可塑性繊維と組み合わせて使用される。熱処理では、後者の一部が存在する繊維材料のマトリックス内へ移動するので、冷却すると結合箇所および新たな硬化要素が生じる。さらに、熱可塑性繊維の添加は熱処理が実施された後には現在の孔サイズの拡大を意味する。この方法では、吸収層を形成中の熱可塑性繊維の連続的添加によって、カバーシートのための熱可塑性繊維の割合を上昇させることが可能であり、それによって全く同様に孔径の連続的上昇が生じる。熱可塑性繊維は、190℃より低い、好ましくは75℃〜175℃の間にある融点を有する多数の熱可塑性ポリマーから形成することができる。これらの温度では、まだセルロース繊維の損傷を予想できない。
【0353】
上述した合成繊維の長さおよび直径は、特別には限定されず、一般には好ましくは1〜200mmの長さおよび0.1〜100デニール(9,000メートル当たりのグラム数)を備える任意の繊維を使用できる。好ましい熱可塑性繊維は、3〜50mmの長さ、特に好ましくは6〜12mmの長さを有する。熱可塑性繊維の好ましい直径は、1.4〜10デシテックス、特に好ましくは1.7〜3.3デシテックス(10000メートル当たりのグラム数)である。形状は特別には限定されず、それらの例は繊維状、細い円筒形状、カットヤーン状/スリットヤーン状、ステープルファイバー状および連続フィラメント状を含んでいる。
【0354】
本発明による吸収性組成にある繊維は、親水性、疎水性もしくはその両方の組み合わせであってよい。出版物「接触角度、湿潤可能性および粘着(Kontaktwinkel, Benetzbarkeit und Adhasion)」、American Chemical Society(1964)におけるRobert F.の定義によると、液体と繊維(もしくはその表面)との接触角度が90度未満である場合、または液体が同一表面へ自然に広がる傾向がある場合は、繊維は親水性であると呼ばれる。どちらの経過も通例は共存する。これとは逆に、90度を超える接触角度が形成され、広がりが観察されない場合は繊維は疎水性と呼ばれる。
【0355】
好ましくは、親水性繊維材料が使用される。特別に好ましくは、身体側が弱親水性であり、高膨潤性ヒドロゲルの周囲領域では最強度に親水性である繊維材料が使用される。製造工程では、親水性が相違する層を使用することによって、発生した液体がヒドロゲルへ方向付けられる勾配が発生し、そこで最終的には吸収が行われる。
【0356】
本発明による吸収性組成において使用するために適切な親水性繊維は、例えばセルロース繊維、改質セルロース繊維、レーヨン、例えばポリエチレンテレフタレート(DACRON(登録商標))などのポリエステル繊維、および親水性ナイロン(HYDROFIL(登録商標))である。適切な親水性繊維は、さらにまた、例えばポリオレフィン類(例えば、ポリエチレンもしくはポリプロピレン、ポリアミド、ポリスチロール、ポリウレタンなど)と界面活性剤もしくはシリカとから得られる熱可塑性繊維の処理などの疎水性繊維の親水性化によっても得られる。だが費用の理由および入手可能性の理由からはセルロース繊維が好ましい。
【0357】
高膨潤性ヒドロゲル粒子は、上述した繊維材料に組み込まれる。これは様々な方法で、例えばヒドロゲル材料および繊維が一緒に一緒にマトリックスの形状にある吸収層に構成される、またはそこで接着剤または層の積層化によって最終的に固定される繊維混合物からなる層内へ高膨潤性ヒドロゲルを沈着させることによって行われる。
【0358】
このとき液体吸収性および液体分布性繊維マトリックスは、合成繊維もしくはセルロース繊維もしくは合成繊維とセルロース繊維との混合物から構成することができるが、このとき合成繊維(0〜100):セルロース繊維(100〜0)の混合比率は変動してよい。使用されたセルロース繊維は、衛生製品の形状安定性を高めるために追加して化学的に硬化させることができる。
【0359】
セルロース繊維の化学的硬化は、様々な方法で達成できる。1つには、繊維の硬化は繊維材料への適切なコーティング剤の添加によって達成できる。そのような添加は、例えばポリアミド・エピクロロヒドリン・コーティング剤(Kymene(登録商標)557 H、Hercules社、米国デラウェア州ウィルミントン)、ポリアクリルアミド・コーティング剤(米国特許第3,556,932号に記載されている、またはMarke Pareze(登録商標)631 NC、American Cyanamid社、米国コネチカット州スタンフォードの市販製品として)、メラミン・ホルムアルデヒド・コーティング剤およびポリエチレンイミン・コーティング剤を含んでいる。
【0360】
セルロース繊維の化学的硬化は化学反応によっても実施できる。そこで例えば適切な架橋剤物質の添加は、繊維の内部で発生する架橋を引き起こすことができる。適切な架橋剤物質は、モノマーを架橋させるために使用される典型的な物質である。これに含まれるのは、C−Cジアルデヒド、酸性官能基を備えるC−Cモノアルデヒド、および格別にはC−Cポリカルボン酸であるが、それらに限定されない。この系列からの特定の物質は、例えばグルタルアルデヒド、グリオキサール、グリオキシル酸、ホルムアルデヒドおよびクエン酸である。これらの物質は、個別セルロース鎖内または個別セルロース繊維内の2つの隣接するセルロース鎖間の少なくとも2つのヒドロキシル基と反応する。架橋によって繊維が硬化され、繊維はこの処理によってより大きな形状安定性を得る。これらの繊維は、親水性の特性に追加して硬化と弾性の統一の取れた組み合わせを示す。この物理的特性は、液体および圧縮力と同時に接触した場合にキャピラリー構造を保持し、早期の虚脱を防止することを可能にする。
【0361】
化学的架橋セルロース繊維は知られており、PCT国際特許第91/11162号、米国特許第3,224,926号、米国特許第3,440,135号、米国特許第3,932,209号、米国特許第4,035,147号、米国特許第4,822,453号、米国特許第4,888,093号、米国特許第4,898,642号および米国特許第5,137,537号に記載されている。化学的架橋は、最終的には衛生製品全体の改良された形状安定性に反映される繊維材料の硬化を引き起こす。個別層は、当業者に知られている方法、例えば熱処理による溶融、溶融接着剤、ラテックス結合剤の添加などによって一緒に結合される。
吸収性組成の製造方法
吸収性組成は、高膨潤性ヒドロゲルを含有する組成物、および上記の組成物中に存在する、もしくはそこに固定されている高膨潤性ヒドロゲルから合成される。
【0362】
例えばそれを用いて片側または両側に高膨潤性ヒドロゲルが固定されている担体材料から構成される吸収性組成を得る方法の例は知られており、本発明に含まれているが、それらに限定されない。
【0363】
それらを用いて例えば合成繊維(a)とセルロース繊維(b)からの繊維材料混合物に組み込まれた高膨潤性ヒドロゲル(c)から構成され、このとき合成繊維:セルロース繊維の混合比率は(100〜0):(0〜100)で変動してよい吸収性組成を得る方法の例は、(1)(a)、(b)および(c)が同時に混合される方法、(2)(c)中で(a)および(b)の混合物が混合される方法、(3)(b)および(c)からの混合物が(a)と混合される方法、(4)(a)および(c)からの混合物が(b)に混ぜ入れられる方法、(5)(b)および(c)が混合され、(a)が連続的に添加される方法、(6)(a)および(c)が混合され、(b)が連続的に添加される方法、および(7)(b)および(c)が別々に(a)の中に混ぜ入れられる方法を含んでいる。これらの例の中で、方法(1)および(5)が好ましい。この方法で使用される装置は、特別には限定されず、通例の、当業者に知られている装置を使用できる。
【0364】
適切に製造された吸収性組成は、結果として湿性状態における抜群の形状安定性を備える吸収層が生じる加熱処理を任意で受けさせることができる。加熱処理のための方法は、特別には限定されない。その例は、高温空気の供給または赤外線照射による加熱処理を含んでいる。加熱処理における温度は、60℃〜230℃、好ましくは100℃〜200℃、特に好ましくは100℃〜180℃の範囲内にある。
【0365】
加熱処理の所要時間は、合成繊維の種類、それらの量および衛生製品の製造速度に左右される。一般には、加熱処理の所要時間は、0.5秒間〜3分間、好ましくは1秒間〜1分間である。
【0366】
吸収性組成は、一般には例えば液体透過性上層および液体不透過性の下層を備えている。さらに、脚帯(Beinabschluesse)および接着テープが貼付されて衛生製品が完成する。透過性上層および不透過性下層の材料および種類、ならびに脚帯および接着テープは当業者には知られており、特別には限定されない。これについての例は、PCT国際特許第95/26 209号に見いだされる。
【0367】
本発明の長所は、架橋剤として使用可能なエステルFはその製造後に浄化する必要がないこと、特別には(メタ)アクリル酸ではなくアクリル酸を分離しなければならないことで、これは通例はヒドロゲルを製造するためのモノマーであるからである。
実験の部
本明細書で使用したppmおよびパーセント(%)の表示は、他に特に明記していない限り、重量%および重量ppmに関連している。
【0368】
以下では本発明による方法を実施例によって詳細に説明する。
【0369】
実施例
超吸収体架橋剤としてのアクリレート−粗エステルの製造
実施例では、アクリル酸を用いてポリオールもしくはポリオール混合物をエステル化することにより超吸収体架橋剤を製造したが、このとき水は共沸性蒸留によって分離した。実施例で使用したエステル化触媒は硫酸であった。実施例では、ヒドロキノンモノメチルエーテル、亜リン酸トリフェニルおよび次亜リン酸から構成される安定剤混合物と一緒に反応物を添加溶剤としてのメチルシクロヘキサン中に入れた。この反応混合物を次に共沸性蒸留が始まるまで約98℃へ加熱した。共沸性蒸留中に反応混合物中の温度は上昇した。分離された水の量を測定した。蒸留は、少なくとも理論量の水が分離された時点で停止した。引き続いて、真空蒸留下で添加溶剤を除去した。生成物を冷却し、超吸収体製造において架橋剤として使用した。
【0370】
エステル化で分離された水はアクリル酸も含有しており、添加溶剤の真空蒸留中にもアクリル酸が除去されるため、転換および転換収率は正確に測定しなかった。粗エステルもまた遊離アクリル酸も含有していたが、これは触媒と一緒に滴定した(酸価)。すべての量の表示は、他に特に明記していない限り、重量部である。
エステルの製造
酸価はDIN EN 3682によって測定した。
【0371】
実施例1
エステルFのための基剤としてのアルコキシル化グリコールの製造
a) トリメチロールプロパン−30EO−5PO
トリメチロールプロパン77gを45% KOH水溶液0.5gと一緒にオートクレーブに入れ、80℃および減圧(約20mbar)下で脱水した。次に145〜155℃でエチレンオキシド759gを添加し、このままの温度で圧力を上昇させて反応させた。この反応は、それ以上の圧力変化が観察されなくなると終了した。次にさらに30分間、約150℃で後攪拌した。引き続いて、プロピレンオキシド167gを120〜130℃で長時間かけて高圧下で添加し、同様に反応させた。不活性ガスを用いてパージして60℃へ冷却した後、ピロリン酸ナトリウムの添加およびその後の濾過によって触媒を分離した。
【0372】
b) 同様にTMP−15EOを製造した。
【0373】
c) トリプロピレングリコールは市販で得られるジオール成分である。
【0374】
d) グリセリン−3EOは実施例1a)と同様に製造した。
【0375】
e) トリメチロールプロパン−3EOは実施例1a)と同様に製造した。
【0376】
f) トリメチロールプロパン−1PO−3EOは、最初は実施例1a)と同様に製造し、120〜130℃ではプロピレンオキシドを添加し、次に145〜155℃でエチレンオキシドを添加した。
【0377】
g) グリセリン−30EO−5POは実施例1a)と同様に製造した。
【0378】
h) ブタンジオールは市販で得られる。
【0379】
実施例2
アクリル酸エステルの製造
a) トリメチロールプロパン−30EO−5PO−トリアクリレート(TMP30EO5POTA)
216部のアクリル酸および5部の硫酸を用いて約30倍にエトキシル化および5倍にプロポキシル化したトリメチロールプロパンの1427部(実施例1a)による)を345部のメチルシクロヘキサン中でエステル化した。賦形剤として、2部のヒドロキノンモノメチルエーテル、および2部のα−トコフェロールを添加した。真空蒸留によって添加溶剤を除去する前に44部の水を分離した。この生成物をK300−フィルタに通して精製した。酸価を測定した。96部のアクリル酸を添加することによって粘度を調整した。ほとんど無色の生成物(ヨウ素色番号0−1)の粘度は約300mPasであった。
【0380】
b) 同様にTMP−15EO−トリアクリレート(TMP15EOTA)を製造した。
【0381】
c) トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)は、Laromer TPGDA(BASF社)として市販で得られる。上記の実施例と全く同様に製造することもできる。
【0382】
d) 同様にグリセリン−3EO−トリアクリレート(G3EOTA)を製造した。
【0383】
e) 同様にトリメチロールプロパン−3EO−トリアクリレート(TMP3EOTA)を製造した。
【0384】
f) 同様にトリメチロールプロパン−1PO−3EO−トリアクリレート(TMP1P03EOTA)を製造した。
【0385】
g) 同様にグリセリン−3OEO−5PO−トリアクリレート(G30EO5POTA)を製造した。
【0386】
h) ブタンジオールジアクリレート(BDDA)は市販で得られる(BASF社)。
【0387】
以下の実施例で使用する架橋剤混合物は、調製したアクリレートエステルを上述した重量比率で単純に混合することによって製造することができる。あるいは、基礎にあるポリエーテルを混合し、上述したように一緒にエステル化することもできる。
ヒドロゲルの製造
表面架橋の等級を測定するためには、乾燥させたヒドロゲルを以下の試験方法を用いて試験することができる。
試験方法
a) 遠心分離保持能力(CRC、Centrifuge Retention Capacity)
この方法で、ティーバッグ中のヒドロゲルの自由膨潤能力を測定した。CRCを測定するために、0.2000±0.0050gの乾燥したヒドロゲル(顆粒分画106〜850μm)を60×85mmのサイズのティーバッグに量り入れ、開口部を溶接した。このティーバッグを過剰の0.9重量%の生理食塩液中に30分間入れた(少なくとも0.83L/1gの生理食塩液/ポリマー粉末)。引き続いて、このティーバッグを250gで3分間にわたり遠心分離した。液体量の測定は、遠心したティーバッグを精確に測定することによって実施した。
【0388】
b) 圧力下での吸収(負荷下吸収能(AUL))(0.7psi)。
【0389】
AUL 0.7psiを測定するためのメジャーリングセルは、下面にはメッシュ幅36μmを備えるステンレス製フィルタが装着された内径60mmおよび高さ50mmを備えるプレキシガラス製シリンダーである。メジャーリングセルには、さらに直径59mmのプラスチック製プレートおよびプラスチック製プレートと一緒にメジャーリングセルに組み込めるおもりが含まれる。プラスチック製プレートおよびおもりの重量は合わせて1345gになる。AUL 0.7psiの測定を実施するために、空のプレキシガラス製シリンダーおよびプラスチック製プレートの重量を測定し、Wと記録した。次に0.900±0.005gのヒドロゲル形成性ポリマー(粒径分布150〜800μm)をプレキシガラス製シリンダー内で精確に量り入れ、ステンレス製フィルタ上にできる限り一様に分布させた。続いて、プラスチック製プレートをプレキシガラス製シリンダーへはめ込み、ユニット全体を計量した。この重量をWと記録した。ここでおもりをプレキシガラス製シリンダー内のプラスチック製プレートへ配置した。直径200mmおよび高さ30mmを備えるペトリ皿の中央に直径120mm、高さ10mmおよび有孔率0を備えるセラミック製フィルタプレート(Duran社、Schott工場)を置き、フィルタプレートの表面を湿らさずに液体の表面がフィルタプレート表面で隔離されるまで0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液を充填した。引き続き、直径90mmおよび<20μmの孔径を備える円形濾紙(シュライヒャー&シュール(Schleicher & Schuell)社製のS & S 589 Schwarzband)をセラミック製フィルタプレート上に載せた。ヒドロゲル形成性ポリマーを含有するプレキシガラス製シリンダーには濾紙上にプラスチック製プレートおよびおもりを配置し、そこに60分間放置した。この時間の経過後、濾紙のペトリ皿から完全ユニットを取り出し、続いておもりをプレキシガラス製シリンダーから取り除いた。膨潤したヒドロゲルを含有するプレキシガラス製シリンダーをプラスチック製プレートと一緒に計量し、その重量をWと記録した。
【0390】
負荷下吸収能(AUL)は以下のように計算した:
AUL 0.7psi[g/g]=[W−W]/[W−W
低圧下で同様にAUL 0.5psiも測定した。
c) 16時間後の抽出可能率の測定(16時間抽出可能率)は、欧州特許出願第1 811 636号第13頁第1〜19行に記載されているように実施した。
【0391】
実施例3
実施例2からのアクリル酸エステルおよびその混合物を使用した超吸収体の製造
実施例A(比較実施例)
レーディゲ(Loedige)社製のプローシェアミキサーVT 5R−MK型(容積5L)内に脱イオン水180g、アクリル酸220g、37.3重量%のアクリル酸ナトリウム溶液(100モル%中和されている)2201gならびに架橋剤トリメチロールプロパン−15EO−トリアクリレート(=アクリル酸モノマーに対して0.60重量%)5.1gを入れ、20分間にわたり窒素ガスを噴霧して不活性化させた。次に約23℃で過硫酸ナトリウム2,112g、アスコルビン酸0.045g、ならびに過酸化水素0.126gを添加すること(希釈した水溶液)によって重合を開始させた。重合開始後、制御装置を用いて加熱ジャケットの温度を反応器内の反応温度へ一致させた。これをミキサー内で攪拌かつしっかりと混合しながら重合させた。最後に得られた砕けやすいゲルを次に160℃で約3時間にわたり換気式乾燥庫内で乾燥させた。続いて粉砕し、300〜850μmへふるいにかけた。最後に、得られたヒドロゲルを特性解析した。
【0392】
以下のまた別の実施例を実施例3Aと同様に製造した:
第1表
【0393】
【表1】

【0394】
これらのヒドロゲルの特性を第2表にまとめた。
【0395】
第2表
【0396】
【表2】

【0397】
第2表から明らかなように、比較実施例の架橋剤の特性は本発明によって計算した多数の他の架橋剤の量を用いて同様の方法で得られる。
【0398】
さらに実施例3Iは本発明による方法と同様に混合比率を変化させることによって架橋剤の強度を調整することができる。これは、構成要素の適切な混合によって架橋剤の総添加量を一定に保持し、架橋の強度を成分比率によってのみ制御できるという点で技術的に有利に利用できる。これは、モノマー溶液内への架橋剤の混合がサイズ基準において一定の質量流量を用いて最適に調整できるために、技術的長所である。
後架橋:
乾燥した標準の基本ポリマー粉末へそのつど使用したポリマーに対して0.12重量%のN−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリジノン、3.35重量%の水および1.65重量%のプロパンジオール−1,2からなる溶液を攪拌しながら均質に噴霧した。
【0399】
開始時サイズはそのつど1.2kgであり、噴霧は二成分ノズルを用いて窒素を用いて溶液を飛散させることによって実施した。使用容積5Lを備えるレーディゲ(Loedige)社製のプローシェアミキサを使用した。
【0400】
次に湿った粉末を180℃に設定した乾燥庫内で60分間乾燥させた。その後、さらに850マイクロメートルでふるいにかけて凝集体を除去した。
【0401】
乾燥には約100gのポリマーしか必要としなかった。
【0402】
この後架橋ポリマーの特性を測定した。
【0403】
第3表
【0404】
【表3】

【0405】
また別の実験では、300〜850μmの粒径を備える分画を製造し、エチレングリコールジグリシジルエーテル(ポリマーに対して0.10重量%)を用いて表面を後架橋させた。装置および全賦形剤の使用量は、上記に記載したものと正確に同一であった。だが湿ったポリマーは150℃の換気式乾燥庫内で1時間乾燥させた。
【0406】
様々な架橋剤を一定条件下で比較できるように様々な性能データを集めた。
【0407】
第4表
【0408】
【表4】

【0409】
上記の表から、本発明による2種の架橋剤からの混合は、個別架橋剤成分を使用する場合に比較して、そしてさらに類似のGFVを備える単独の類似架橋剤と比較して有利であることは明らかである。
【0410】
したがって例えば抽出可能率における約9の数値は、個別成分の1.0重量%超またはさらに2.0重量%超の架橋剤成分および類似の個別架橋剤の約1.0重量%に比較してすでに0.5重量%の本発明による架橋剤の組み合わせにおいて達成される。架橋剤混合物のCRC値およびAUL値は同様に、抽出可能率が同一の場合も類似の個別架橋剤のCRC値およびAUL値より優れている。
【0411】
また別の実験では、本発明を例証するために6種の混合物を製造した。実施例Aに記載したように、純粋架橋剤の代わりに同一量のそれらの混合物各々を使用してヒドロゲル形成性ポリマーを製造した。後架橋は、上記に記載したように300〜850μm分画を使用してエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いて実施した。
【0412】
第5表
【0413】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が少なくとも2つの二重結合を備える少なくとも2つの化合物の混合物であって、該混合物が200〜600g/モル(二重結合)のGFVを有しており、そして該化合物の少なくとも2つは各々が二重結合成分として少なくとも2つの(メタ)アクリル酸エステルを含有しており、そしてGFVは:
【数1】

このとき
【数2】

(式中、
αは混合物中の該化合物(i)のモル分率に対応する、
nは混合物中の該化合物の数に対応し、nは≧2である、
は該化合物(i)中の二重結合の数に対応する、
MWは化合物(i)の分子量に対応する)を意味する混合物。
【請求項2】
該混合物が240〜400g/モル(二重結合)のGFV、好ましくは250〜350g/モル(二重結合)のGFVを有する、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
nが2、3もしくは4、好ましくは2を意味する、請求項1または2に記載の混合物。
【請求項4】
2種の化合物の比率MW/Z間に少なくとも50g/モル(二重結合)、好ましくは少なくとも100g/モル(二重結合)、特に好ましくは少なくとも250g/モル(二重結合)の相違がある、請求項1から3のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項5】
該化合物が400g/モル(二重結合)未満、好ましくは300g/モル(二重結合)未満、特に好ましくは200g/モル(二重結合)未満、特別には150g/モル(二重結合)未満の比率MW/Zを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項6】
該化合物が400g/モル(二重結合)超、好ましくは10000g/モル(二重結合)超、特に好ましくは600g/モル(二重結合)超、そして1000g/モル(二重結合)未満の比率MW/Zを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項7】
少なくとも1つの化合物のZが2から6、好ましくは2、3もしくは4である、請求項1から6のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項8】
該化合物が(メタ)アクリル酸を用いたポリアルコールAのエステル化によって得られ、各ポリアルコールAがヒドロキシ官能基および特に2〜50個の炭素原子を有するエステルFである、請求項1から7のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項9】
化合物が下記の式:
【化1】

または
【化2】

(式中、
AOは各AOに対して互いに独立して−O−CHR−CHR−もしくは−CHR−CHR−O−であり、RおよびRは互いに独立してH、直鎖状もしくは分枝状C−C−アルキルである、
およびRは互いに独立してH、直鎖状もしくは分枝状C−C−アルキルである、
nは1、2もしくは3である、
P1は0、1もしくは2である、
P2は0、1もしくは2である、
P3は0、1もしくは2である、
P4は0、1もしくは2である、
、R、R、Rは互いに独立してHもしくはCHである)で表される、請求項1から8のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項10】
化合物が下記の式:
【化3】

または
【化4】

(式中、AOは各AOに対して互いに独立して−O−CHR−CHR−もしくは−CHR−CHR−O−であり、RおよびRは互いに独立してH、直鎖状もしくは分枝状C−C−アルキルである、
およびRは互いに独立してH、直鎖状もしくは分枝状C−C−アルキルである、
nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
p1は7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
p2は7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
p3は7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
p4は7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
、R、R、Rは互いに独立してHもしくはCHである)で表される、請求項1から9のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項11】
AOが各AOに対して互いに独立してEOもしくはPO
(式中、EOはO−CH−CH−を意味する、
POは互いに独立してO−CH−CH(CH)−もしくはO−CH(CH)−CH−を意味する、
およびRは互いに独立してHもしくはCHである)を意味する、請求項9または10に記載の混合物。
【請求項12】
ポリアルコールAからのアルコール混合物から出発して請求項1から11のいずれか一項に記載のエステルFからのエステル混合物を製造する方法であって:
a) ポリアルコールAと(メタ)アクリル酸とを、少なくとも1種のエステル化触媒Cおよび少なくとも1種の重合阻害剤Dならびに場合によっては水を用いて共沸点化合物を形成する溶媒Eの存在下で反応させて、エステルFからのエステル混合物を生成するステップと、
b) 場合によっては反応混合物からステップa)で発生した水の少なくとも一部分を除去するステップであって、このときステップb)をステップa)の途中および/または後に実施できるステップと、
f) 場合によっては反応混合物を中和するステップと、
h) 溶媒Eが使用された場合には、場合によってはこの溶媒を蒸留によって除去するステップと、及び/又は
i) この反応条件下で不活性のガスを用いてストリッピングするステップと、を含む方法。
【請求項13】
以下の
− ポリアルコールAに対する(メタ)アクリル酸のモル過剰が少なくとも5*Zモル%である、および
− 最終ステップ後に得られた反応混合物中に含まれる、場合によっては中和された(メタ)アクリル酸が本質的に反応混合物中に残存する、ことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
最終ステップ後に得られたエステル混合物を含有する反応混合物からメタ(アクリル酸)が75重量%以上は分離されないことを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
最終ステップ後に得られたエステル混合物を含有する反応混合物がDIN EN(ドイツ工業規格、欧州規格)3682による少なくとも25mg(KOH/g)の酸価を有することを特徴とする、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
最終ステップ後に得られたエステル混合物を含有する反応混合物が少なくとも0.5重量%の(メタ)アクリル酸含量を有することを特徴とする、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
反応させるステップa)において(メタ)アクリル酸対アルコール混合物Aのモル比率が少なくとも5*Z:1であることを特徴とする、請求項12から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
架橋ヒドロゲルを製造する方法であって:
k) 請求項1から11のいずれか一項に記載のエステルFからのエステル混合物と(メタ)アクリル酸、場合によっては追加のモノエチレン性不飽和化合物N、ならびに場合によっては少なくとも1つのまた別の共重合可能な親水性モノマーMとを少なくとも1種のラジカル重合開始剤Kおよび場合によっては少なくとも1種のグラフト主鎖Lの存在下で重合させるステップと、
l) 場合によってはステップk)から得られた反応混合物を後架橋させるステップと、
m) ステップk)もしくはl)から得られた反応混合物を乾燥させるステップと、および
n) 場合によってはステップk)、l)もしくはm)から得られた反応混合物を粉砕する、および/または篩別するステップと、を含む方法。
【請求項19】
架橋ヒドロゲルを製造する方法であって、請求項12から17のいずれか一項によるステップa)からi)を含み、さらに追加して:
k) 実施される限りはステップa)からi)の1つからの反応混合物と、場合によっては追加してモノエチレン性不飽和化合物N、ならびに場合によっては少なくとも1つのまた別の共重合可能な親水性モノマーMとを少なくとも1種のラジカル重合開始剤Kおよび場合によっては少なくとも1種のグラフト主鎖Lの存在下で重合させるステップと、
l) 場合によってはステップk)から得られた反応混合物を後架橋させるステップと、
m) ステップk)もしくはl)から得られた反応混合物を乾燥させるステップと、および
n) 場合によってはステップk)、l)もしくはm)から得られた反応混合物を粉砕する、および/または篩別するステップと、を含む方法。
【請求項20】
請求項18または19のいずれか一項に記載の方法によって得られるポリマー。
【請求項21】
請求項1から11のいずれか一項に記載のエステルFからのエステル混合物と架橋させた、少なくとも1つの親水性モノマーを共重合形で含有する架橋ヒドロゲル。
【請求項22】
請求項12から15のいずれか一項に記載の方法によって得られるような、エステルFを含有する反応混合物からのエステル混合物と架橋させた、少なくとも1つの親水性モノマーを共重合形で含有する架橋ヒドロゲル。
【請求項23】
衛生製品、包装材料および不織布における請求項20から22のいずれか一項に記載のポリマーの使用。
【請求項24】
合計が必ず100重量%内になるという前提条件付きで
− 0.1〜40重量%の請求項1から11のいずれか一項に記載のエステルFからの少なくとも1つのエステル混合物、および(メタ)アクリル酸と、
− 0.5〜99.9重量%の少なくとも1つの親水性モノマーMと、
− 0〜10重量%の少なくとも1つのエステル化触媒Cと、
− 0〜5重量%の少なくとも1つの重合阻害剤Dと、および
− 0〜10重量%の1種の溶媒Eと、を含有する物質混合物。
【請求項25】
追加して:
− 100重量%までの希釈剤Gと、を含む、請求項24に記載の物質混合物。
【請求項26】
請求項24または25に記載の物質混合物から得られる架橋ヒドロゲルであって、追加して:
l) 場合によっては得られた反応混合物を後架橋させるステップと、
m) 直接得られた、またはステップl)から得られた反応混合物を乾燥させるステップと、および
n) 場合によっては直接得られた、またはステップl)もしくはm)から得られた反応混合物を粉砕する、および/または篩別するステップと、を含む架橋ヒドロゲル。
【請求項27】
請求項12から17のいずれか一項によって得られる反応混合物または請求項24または25に記載の物質混合物の:
− 水吸収性ヒドロゲルのラジカル架橋剤として、
− ポリマー分散剤を製造するための出発物質として、
− ポリアクリレートを製造するための出発物質として、
− ラッカー原料として、または
− セメント添加物として、の使用。
【請求項28】
請求項20、21、22または26に記載の架橋ヒドロゲルであって、残留架橋剤含量が10ppm未満、好ましくは8ppm未満、特に好ましくは5ppm未満である、架橋ヒドロゲル。
【請求項29】
水溶液吸収性のヒドロゲル形成性ポリマーを製造するための、請求項1から11のいずれか一項に記載のエステルFからのエステル混合物の使用。
【請求項30】
各エステル成分Fがモノマーの総量に対して2重量%未満、好ましくは1重量%で存在する、請求項29記載のエステル混合物の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が少なくとも2つの二重結合を備える少なくとも2つの化合物の混合物であって、該混合物が240〜600g/モル(二重結合)のGFVを有しており、そして該化合物の少なくとも2つは各々が二重結合成分として少なくとも2つの(メタ)アクリル酸エステルを含有しており、そしてGFVは:
【数1】

このとき
【数2】

(式中、
αは混合物中の該化合物(i)のモル分率に対応する、
nは混合物中の該化合物の数に対応し、nは≧2である、
は該化合物(i)中の二重結合の数に対応する、
MWは化合物(i)の分子量に対応する)を意味する混合物。
【請求項2】
該混合物が240〜400g/モル(二重結合)のGFV、好ましくは250〜350g/モル(二重結合)のGFVを有する、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
nが2、3もしくは4、好ましくは2を意味する、請求項1または2に記載の混合物。
【請求項4】
2種の化合物の比率MW/Z間に少なくとも50g/モル(二重結合)、好ましくは少なくとも100g/モル(二重結合)、特に好ましくは少なくとも250g/モル(二重結合)の相違がある、請求項1から3のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項5】
該化合物が400g/モル(二重結合)未満、好ましくは300g/モル(二重結合)未満、特に好ましくは200g/モル(二重結合)未満、特別には150g/モル(二重結合)未満の比率MW/Zを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項6】
該化合物が400g/モル(二重結合)超、好ましくは10000g/モル(二重結合)超、特に好ましくは600g/モル(二重結合)超、そして1000g/モル(二重結合)未満の比率MW/Zを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項7】
少なくとも1つの化合物のZが2から6、好ましくは2、3もしくは4である、請求項1から6のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項8】
該化合物が(メタ)アクリル酸を用いたポリアルコールAのエステル化によって得られ、各ポリアルコールAがヒドロキシ官能基および特に2〜50個の炭素原子を有するエステルFである、請求項1から7のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項9】
化合物が下記の式:
【化1】

または
【化2】

(式中、
AOは各AOに対して互いに独立して−O−CHR−CHR−もしくは−CHR−CHR−O−であり、RおよびRは互いに独立してH、直鎖状もしくは分枝状C−C−アルキルである、
およびRは互いに独立してH、直鎖状もしくは分枝状C−C−アルキルである、
nは1、2もしくは3である、
P1は0、1もしくは2である、
P2は0、1もしくは2である、
P3は0、1もしくは2である、
P4は0、1もしくは2である、
、R、R、Rは互いに独立してHもしくはCHである)で表される、請求項1から8のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項10】
化合物が下記の式:
【化3】

または
【化4】

(式中、AOは各AOに対して互いに独立して−O−CHR−CHR−もしくは−CHR−CHR−O−であり、RおよびRは互いに独立してH、直鎖状もしくは分枝状C−C−アルキルである、
およびRは互いに独立してH、直鎖状もしくは分枝状C−C−アルキルである、
nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
p1は7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
p2は7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
p3は7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
p4は7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20である、
、R、R、Rは互いに独立してHもしくはCHである)で表される、請求項1から9のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項11】
AOが各AOに対して互いに独立してEOもしくはPO
(式中、EOはO−CH−CH−を意味する、
POは互いに独立してO−CH−CH(CH)−もしくはO−CH(CH)−CH−を意味する、
およびRは互いに独立してHもしくはCHである)を意味する、請求項9または10に記載の混合物。
【請求項12】
ポリアルコールAからのアルコール混合物から出発して請求項1から11のいずれか一項に記載のエステルFからのエステル混合物を製造する方法であって:
a) いてポリアルコールAと(メタ)アクリル酸とを、少なくとも1種のエステル化触媒Cおよび少なくとも1種の重合阻害剤Dならびに場合によっては水を用いて共沸点化合物を形成する溶媒Eの存在下で反応させて、エステルFからのエステル混合物を生成させるステップと、
b) 場合によっては反応混合物からステップa)で発生した水の少なくとも一部分を除去するステップであって、このときステップb)をステップa)の途中および/または後に実施できるステップと、
f) 場合によっては反応混合物を中和するステップと、
h) 溶媒Eが使用された場合には、場合によってはこの溶媒を蒸留によって除去するステップと、及び/又は
i) この反応条件下で不活性のガスを用いてストリッピングするステップと、を含む方法。
【請求項13】
240〜600g/モル(二重結合)のGFVを有するエステルFからのエステル混合物を製造する方法又は請求項12に記載の方法であって、
− ポリアルコールAに対する(メタ)アクリル酸のモル過剰が少なくとも5*Zモル%である、および
− 最終ステップ後に得られた反応混合物中に含まれる、場合によっては中和された(メタ)アクリル酸が本質的に反応混合物中に残存する、ことを特徴とする方法。
【請求項14】
240〜600g/モル(二重結合)のGFVを有するエステルFからのエステル混合物を製造する方法又は請求項12または13に記載の方法であって、最終ステップ後に得られたエステル混合物を含有する反応混合物からメタ(アクリル酸)が75重量%以上は分離されないことを特徴とする方法。
【請求項15】
240〜600g/モル(二重結合)のGFVを有するエステルFからのエステル混合物を製造する方法又は請求項12から14のいずれか一項に記載の方法であって、最終ステップ後に得られたエステル混合物を含有する反応混合物がDIN EN(ドイツ工業規格、欧州規格)3682による少なくとも25mg(KOH/g)の酸価を有することを特徴とする方法。
【請求項16】
240〜600g/モル(二重結合)のGFVを有するエステルFからのエステル混合物を製造する方法又は請求項12から15のいずれか一項に記載の方法であって、最終ステップ後に得られたエステル混合物を含有する反応混合物が少なくとも0.5重量%の(メタ)アクリル酸含量を有することを特徴とする方法。
【請求項17】
240〜600g/モル(二重結合)のGFVを有するエステルFからのエステル混合物を製造する方法又は請求項12から16のいずれか一項に記載の方法であって、反応させるステップa)において(メタ)アクリル酸対アルコール混合物Aのモル比率が少なくとも5*Z:1であることを特徴とする方法。
【請求項18】
架橋ヒドロゲルを製造する方法であって:
k) 240〜600g/モル(二重結合)のGFVを有するエステルFからのエステル混合物又は請求項1から11のいずれか一項に記載のエステルFからのエステル混合物と(メタ)アクリル酸、場合によっては追加のモノエチレン性不飽和化合物N、ならびに場合によっては少なくとも1つのまた別の共重合可能な親水性モノマーMとを少なくとも1種のラジカル重合開始剤Kおよび場合によっては少なくとも1種のグラフト主鎖Lの存在下で重合させるステップと、
l) 場合によってはステップk)から得られた反応混合物を後架橋させるステップと、
m) ステップk)もしくはl)から得られた反応混合物を乾燥させるステップと、および
n) 場合によってはステップk)、l)もしくはm)から得られた反応混合物を粉砕する、および/または篩別するステップと、を含む方法。
【請求項19】
架橋ヒドロゲルを製造する方法であって、請求項12から17のいずれか一項によるステップa)からi)を含み、さらに追加して:
k) 実施される限りはステップa)からi)の1つからの反応混合物と、場合によっては追加してモノエチレン性不飽和化合物N、ならびに場合によっては少なくとも1つのまた別の共重合可能な親水性モノマーMとを少なくとも1種のラジカル重合開始剤Kおよび場合によっては少なくとも1種のグラフト主鎖Lの存在下で重合させるステップと、
l) 場合によってはステップk)から得られた反応混合物を後架橋させるステップと、
m) ステップk)もしくはl)から得られた反応混合物を乾燥させるステップと、および
n) 場合によってはステップk)、l)もしくはm)から得られた反応混合物を粉砕する、および/または篩別するステップと、を含む方法。
【請求項20】
請求項18または19のいずれか一項に記載の方法によって得られるポリマー。
【請求項21】
240〜600g/モル(二重結合)のGFVを有するエステルFからのエステル混合物又は請求項1から11のいずれか一項に記載のエステルFからのエステル混合物と架橋させた、少なくとも1つの親水性モノマーを共重合形で含有する架橋ヒドロゲル。
【請求項22】
請求項12から15のいずれか一項に記載の方法によって得られるような、エステルFを含有する反応混合物からのエステル混合物と架橋させた、少なくとも1つの親水性モノマーを共重合形で含有する架橋ヒドロゲル。
【請求項23】
衛生製品、包装材料および不織布における請求項20から22のいずれか一項に記載のポリマーの使用。
【請求項24】
合計が必ず100重量%内になるという前提条件付きで
− 0.1〜40重量%の240〜600g/モル(二重結合)のGFVを有するエステルFからの少なくとも1つのエステル混合物又は請求項1から11のいずれか一項に記載のエステルFからの少なくとも1つのエステル混合物、および(メタ)アクリル酸と、
− 0.5〜99.9重量%の少なくとも1つの親水性モノマーMと、
− 0〜10重量%の少なくとも1つのエステル化触媒Cと、
− 0〜5重量%の少なくとも1つの重合阻害剤Dと、および
− 0〜10重量%の1種の溶媒Eと、を含有する物質混合物。
【請求項25】
追加して:
− 100重量%までの希釈剤Gと、を含む、請求項24に記載の物質混合物。
【請求項26】
請求項24または25に記載の物質混合物から得られる架橋ヒドロゲルであって、追加して:
l) 場合によっては得られた反応混合物を後架橋させるステップと、
m) 直接得られた、またはステップl)から得られた反応混合物を乾燥させるステップと、および
n) 場合によっては直接得られた、またはステップl)もしくはm)から得られた反応混合物を粉砕する、および/または篩別するステップと、を含む架橋ヒドロゲル。
【請求項27】
請求項12から17のいずれか一項によって得られる反応混合物または請求項24または25に記載の物質混合物の:
− 水吸収性ヒドロゲルのラジカル架橋剤として、
− ポリマー分散剤を製造するための出発物質として、
− ポリアクリレートを製造するための出発物質として、
− ラッカー原料として、または
− セメント添加物として、の使用。
【請求項28】
請求項20、21、22または26に記載の架橋ヒドロゲルであって、残留架橋剤含量が10ppm未満、好ましくは8ppm未満、特に好ましくは5ppm未満である、架橋ヒドロゲル。
【請求項29】
水溶液吸収性のヒドロゲル形成性ポリマーを製造するための、請求項1から11のいずれか一項に記載のエステルFからのエステル混合物の使用。
【請求項30】
各エステル成分Fがモノマーの総量に対して2重量%未満、好ましくは1重量%で存在する、請求項29記載のエステル混合物の使用。

【公表番号】特表2006−522047(P2006−522047A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504915(P2006−504915)
【出願日】平成16年3月30日(2004.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003348
【国際公開番号】WO2004/087635
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】