説明

尿素水の尿素水レベル検出装置及び尿素水の尿素水レベル検出方法

【課題】尿素水の容量に応じた警報音を鳴らすことで、レベルゲージを目視にて確認すること無く、タンク内の尿素水の容量を正確に把握することが可能な尿素水レベル検出装置及びこの装置を用いた検出方法を提供する。
【解決手段】尿素水の尿素水レベル検出装置1は、液位検出手段6により検出された検出情報に基づいて警報音を発する警報手段10と、警報手段10へ電源を供給する駆動電源30と、第1のスイッチ40と、液位検出手段6との接続を警報手段10又は運転席のパネル用回路に切換える第2のスイッチ50と、を備え、尿素水の液面レベルに応じたインターバル時間の異なる断続的な警報音を発することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されたNOxを還元浄化するための選択還元型触媒(以下SCRという。SCR:Selectve Catalytic Reduction)に対し、還元剤として添加する尿素水を貯留するタンク内の尿素水レベルを検出するための尿素水レベル検出装置及びこの装置を用いた尿素水レベル検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エンジンの排気ガスの処理装置として、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化するために尿素水を用いたSCRを使用することが実用化されている。SCRを用いた排気ガス処理装置を使用する車両においては、尿素水を貯留するためのタンクを搭載する必要がある。
タンク内の尿素水の尿素水レベルを確認する場合は、図11に示すように、タンク04の側面に設けられたレベルゲージ05を作業員が目視で確認していた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−156283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、尿素水のタンクは車体内に設置されているため、暗くてレベルゲージを読み取りづらいという問題があった。そのため、尿素水をタンクに供給する際には、一方の手で懐中電灯を把持してレベルゲージを照らしつつ、他方の手で尿素水を供給する作業を行わなければならないため、尿素水をこぼしてしまうおそれがあった。こぼれた尿素水が車体に付着すると錆の原因となるため、念入りに清掃作業を行わなければならず、点検作業の効率が低下するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、尿素水の容量に応じた警報音を鳴らすことで、レベルゲージを目視にて確認すること無く、タンク内の尿素水の尿素水レベルを正確に把握することが可能な尿素水レベル検出装置及びこの装置を用いた検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、尿素水の尿素水レベル検出装置であって、タンク内に貯留された尿素水の液面レベルを検出するための液位検出手段により検出された検出情報に基づいて警報音を発する警報手段を備え、該警報手段は前記液位検出手段により検出された前記検出情報を受信し、この検出情報に基づいて前記尿素水の前記液面レベルに応じたインターバル時間の異なる断続的な警報音を発するためのインターバル情報を出力する制御部と、
前記制御部から出力された前記インターバル情報を受信し、このインターバル情報に基づいて警報音を発する発音部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、液位検出手段により検出された検出情報に基づいて警報音を発するので、尿素水のタンクに取り付けられているレベルゲージを目視にて確認すること無く、タンク内の尿素水の尿素水レベルを把握することができる。
また、本発明によれば、断続的な警報音を発するので、連続的に警報音を発する場合よりも作業員の注意をひくことができる。
また、尿素水の液面レベルに応じたインターバル時間の異なる断続的な警報音を発するので、タンク内の尿素水の容量を警報音のインターバル時間で把握することができる。これにより、尿素水の残量が少ないときは大量の尿素水を供給し、尿素水の容量が多くなってきたら、すなわち、タンク内が満タン近くになってきたら、少しずつ尿素水を供給することができるので、タンクから溢れ出るまで尿素水を供給することを防止できる。
【0008】
また、本発明において、前記制御部は、前記インターバル情報として予め設定されたデューティー比を出力することとしてもよい。
【0009】
本発明によれば、デューティー比の変更はマイクロコンピュータ等により簡単に制御できるので、警報音を断続的に発生させるための回路を別途設ける必要が無く、コストの上昇を避けることができる。
【0010】
また、本発明において、前記制御部は、
前記検出情報とパターンIDとを組み合わせたパターンテーブルと、複数のデューティー比と上記パターンIDとを組み合わせたデューティー比テーブルと、を格納した記憶部と、
前記検出情報を受信し、ここで受信した前記検出情報に合致するパターンIDを前記記憶部の前記パターンテーブルにて特定し、特定したパターンIDに対応するデューティー比を前記記憶部のデューティー比テーブルより読み出す処理を実行する演算部と、
を備えることとしてもよい。
【0011】
本発明によれば、尿素水の液面レベルに応じたデューティー比を設定することができるので、尿素水の液面レベルに応じて様々なインターバル時間の警報音を発生させることができる。
【0012】
また、本発明において、前記警報手段を駆動するための電源を供給する駆動電源と、
前記駆動電源から前記警報手段への電力供給をオフするオフ状態と、前記駆動電源から前記警報手段への電力供給をオンするオン状態とに切換え操作自在なスイッチと、
を更に備えることとしてもよい。
【0013】
本発明によれば、駆動電源を備えることにより、尿素水レベル検出装置を設置した車両等から電源を供給できない場合でも警報手段を駆動させることができる。
【0014】
さらに、本発明は、尿素水の尿素水レベル検出方法であって、タンク内に貯留された尿素水の液面レベルを検出するための液位検出手段により検出された検出情報に基づいて、前記尿素水の液面レベルに応じたインターバル時間の異なる断続的な警報音を発することを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、液位検出手段により検出された検出情報に基づいて警報音を発するので、尿素水のタンクに取り付けられているレベルゲージを目視にて確認すること無く、尿素水レベルを把握することができる。
また、尿素水の液面レベルに応じたインターバル時間の異なる断続的な警報音を発するので、タンク内の尿素水の容量を警報音のインターバル時間で把握することができる。これにより、尿素水の容量が少ないときは大量の尿素水を供給し、尿素水の容量が多くなってきたら、すなわち、タンク内が満タン近くになってきたら、少しずつ尿素水を供給することができるので、タンクから溢れ出るまで尿素水を供給することを防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、尿素水の容量に応じた警報音を鳴らすことで、レベルゲージを目視にて確認すること無く、タンク内の尿素水の尿素水レベルを正確に把握することが可能な尿素水の尿素水レベル検出装置及びこの装置を用いた尿素水レベル検出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態にかかる尿素水の尿素水レベル検出装置を搭載したバスの一例を示す図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】リッドを開いた状態を示す図である。
【図4】尿素水の尿素水レベル検出装置の構成例を示す概略図である。
【図5】尿素水の尿素水レベル検出装置のブロック回路図である。
【図6】パターンテーブルの一例を示す図である。
【図7】液面レベルテーブルの一例を示す図である。
【図8】デューティーテーブルの一例を示す図である。
【図9】デューティー比の切換えられた音鳴動信号の一例を示す図である。
【図10】尿素水の尿素水レベル検出装置の処理フロー例を示す図である。
【図11】従来例として示す尿素水を貯留する尿素水タンクの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明にかかる尿素水の尿素水レベル検出装置をバスに適用した場合の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0019】
図1は、本実施形態にかかる尿素水の尿素水レベル検出装置1を搭載したバス2の一例を示す図であり、図2は、図1のA部拡大図である。また、図3は、リッド3を開いた状態を示す図である。
図1〜図3に示すように、尿素水の尿素水レベル検出装置1は、尿素水のタンク4に取り付けられた液位検出手段6により検出された検出情報に基づいて警報音を発するものである。
尿素水のタンク4は、バス2の後部に配置されたエンジン5やマフラー(図示しない)の近傍に設置されており、車体の側壁に設けられたリッド3を開くことにより、車体の外側から尿素水を供給できるようになっている。
【0020】
図4は、尿素水の尿素水レベル検出装置1の構成例を示す概略図である。また、図5は、尿素水の尿素水レベル検出装置1のブロック回路図である。
両図に示すように、尿素水の尿素水レベル検出装置1は、液位検出手段6により検出された検出情報に基づいて警報音を発する警報手段10と、警報手段10へ電源を供給する駆動電源30と、第1のスイッチ40と、液位検出手段6との接続を警報手段10又は運転席のパネル用回路(図示しない)に切換える第2のスイッチ50と、を備えている。
【0021】
液位検出手段6は、タンク4内の尿素水の液面レベルを検出するセンサーであって、本実施形態では、尿素水の液面レベルに応じて可動するフロート8の位置によって抵抗値が変化するリードスイッチ式レベルセンサーを用いた。具体的には、液面レベルが高い(すなわち容量が多い)場合には、抵抗値は高くなり、液面レベルが低い(すなわち容量が少ない)場合には、抵抗値は小さくなる。
液位検出手段6は、尿素水の液面レベルに応じた抵抗値を検出情報として出力する。
なお、本実施形態では、液位検出手段6として、リードスイッチ式レベルセンサーを用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、超音波や光電式のセンサーを用いてもよい。要は、液面レベルに応じた検出情報を出力できるものであればよい。
【0022】
第1のスイッチ40は、駆動電源30から警報手段10への電力供給のオンオフを切換えるためのものであり、本実施形態では、リッド3の開閉によって機械的に接点を開閉可能なリミットスイッチを用いた。これにより、リッド3を開くと接点が閉じて駆動電源30から警報手段10へ電力を供給するオン状態になり、リッド3を閉じると接点が開いて駆動電源30から警報手段10への電力の供給を停止するオフ状態になる。
なお、本実施形態では、第1のスイッチ40として、リミットスイッチを用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、電磁式のスイッチを用いてもよい。要は、警報手段10への電力供給のオンオフ状態を切換えることができる機能を有するスイッチであればよい。
また、本実施形態では、リッド3の開閉によって警報手段10への電力供給のオンオフを切換える場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、タンク4用供給口の蓋7の開閉によって警報手段10への電力供給のオンオフを切換えることとしてもよい。
【0023】
第2のスイッチ50は、液位検出手段6を警報手段10又は運転席のパネル用回路(図示しない)の何れか一方と接続するためのものであり、本実施形態では、磁力でスイッチが切換わる電磁スイッチを用いた。バス2を運行させるために、メインキーを運転席の鍵穴に挿入してオン状態(バスのエンジンは駆動できないが、電気系統を使用できる状態等)にすると、第2スイッチの電磁コイルに電流が流れて磁力により接点が運転席のパネル用回路に接続して、液位検出手段6の検出情報は運転席のパネルへ出力される。一方、バス2の運行を停止してメインキーをオフ状態(バスのエンジンは駆動できず、電気系統も使用できない状態)にすると、電磁コイルに電流が流れなくなり磁力がなくなって、接点が警報手段10側の回路に接続して、液位検出手段6の検出情報は警報手段10へ出力される。すなわち、バス2が停止した状態のときにのみ尿素水の容量を尿素水レベル装置1にて確認することができる。これにより、尿素水の供給を行う際は、バス2が必ず停止した状態なので、安全に供給作業を実施することができる。
なお、本実施形態では、第2のスイッチ50として、電磁スイッチを用いたが、これに限定されるものではなく、警報手段10又は運転席のパネル用回路の何れか一方との接続を切換えることができる機能を有するスイッチであればよい。
【0024】
警報手段10は、液位検出手段6により検出された検出情報を受信する制御部11と、警報音を発する発音部20と、を備えている。
【0025】
制御部11は、A/D変換器12と、記憶部13と、CPUなどの演算部14と、メモリ15と、を備えており、検出情報を受信して演算処理し、その演算処理結果に応じて発音部20を動作させる。制御部11としては、例えば、マイクロコンピュータを適用できる。
【0026】
A/D変換器12は、液位検出手段6からアナログデータを受信してデジタルデータに変換し、変換後のデジタルデータを演算部14へ出力する。
【0027】
演算部14は、A/D変換器12に接続されており、A/D変換器12によりA/D変換された検出情報を受信する。この検出情報に基づいて、記憶部13に保持している各テーブル18、19、20やプログラム16(詳細は後述する)をメモリ15に読み出して所定の処理を実行する。
【0028】
記憶部13は、演算部14に接続されており、発音部20のインターバル時間を制御するプログラム16を格納したROMから構成される。
さらに、記憶部13には、図6、図7、図8にそれぞれ示すようなパターンテーブル17、液面レベルテーブル18、及びデューティー比テーブル19が格納されている。
図6に示すように、パターンテーブル17には、所定の範囲の抵抗値毎に対応付けしたパターンIDが格納されている。
タンク4内の尿素水の容量が多くなるにつれて、すなわち満タンに近づくにつれて、容量が少ない場合よりも抵抗値の範囲を狭くして、尿素水の液面レベルを細かく検出できるようにした。
また、図7に示すように、液面レベルテーブル18には、尿素水のタンク内の容量が液面レベル(%表示)として、上記パターン毎に格納されている。
タンク4内の尿素水の容量が多くなるにつれて、すなわち満タンに近づくにつれて、容量が少ない場合よりも液面レベルの範囲を狭くして、尿素水の液面レベルを細かく検出できるようにした。
また、図8に示すように、デューティー比テーブル19には、発音部20の発音時間を制御するためのデューティー比が、上記パターンID毎に格納されている。
【0029】
メモリ15は、演算部14に接続されており、演算部14における演算処理結果等を一時的に格納することが可能なRAMから構成される。
また、液位検出手段6により検出された検出情報が演算部14によりメモリ15に格納される。これにより、検出情報を自動的に記録することができる。
【0030】
次に、演算部14が上記プログラム16を利用して実行する処理について説明する。
【0031】
演算部14は、受信した検出情報(すなわち抵抗値)に合致するパターンIDを記憶部13のパターンテーブル17にて特定し、特定したパターンIDに対応する液面レベルを記憶部13の液面レベルテーブル18より読み出す。
【0032】
続いて、演算部14は、液面レベルが100%未満の場合は、上記で特定したパターンIDに対応するデューティー比をデューティー比テーブル19より読み出し、このデューティー比(インターバル情報に相当)を発音部20に出力する。
また、液面レベルが100%の場合は、音を連続して発生させるための連続発音情報(インターバル情報に相当)を発音部20に出力する。
【0033】
発音部20は、発音体駆動回路21と、音を発生させる発音体22と、を備えており、尿素水のレベルに応じて警報音を発生させる。
【0034】
発音体駆動回路21は、演算部14に接続されており、デューティー比や連続発音情報を受信する。
発音体駆動回路21が、デューティー比を受信した場合は、このデューティー比にしたがって、警報音を発生させるための音鳴動信号のデューティー比を切換える。音鳴動信号のデューティー比を変化させることにより、発音体22の発する警報音のインターバル時間を調整することができるからである。そして、デューティー比の切換えられた音鳴動信号を発音体22に出力する。
発音体22は、発音体駆動回路21に接続されており、音鳴動信号を受信し、設定されたデューティー比にしたがって警報音を発生させる。デューティー比の切換えられた音鳴動信号の一例を図9に示す。
図9(a)に示すように、デューティー比が90%の場合は、ピー、ピー、ピー、とほとんど連続した警報音が発生する。
また、図9(b)に示すように、デューティー比が50%の場合は、警報音が発生する時間と無音時間とがほとんど同じ長さになる。
そして、図9(c)に示すように、デューティー比が30%の場合は、ピッ、ピッ、ピッ、と断続的な警報音が発生する。
すなわち、液面レベルが高いときは、液面レベルが低いときよりも、連続的に警報音が発生するように設定されている。
【0035】
発音体駆動回路21が連続発音情報を受信した場合は、音鳴動信号のデューティー比を切換えること無く、そのまま音鳴動信号を発音体22に出力する。この音鳴動信号は、連続的に発音体22の警報音を発生させることが可能な信号である。
音鳴動信号を受信した発音体22は、連続的に警報音を発生させる。
【0036】
次に、本実施形態の尿素水の尿素水レベル検出装置1によって警報音を発生させるための処理フローについて説明する。
【0037】
図10は、尿素水の尿素水レベル検出装置1の処理フロー例を示す図である。
本図に示すように、まず、第1のスイッチ40を入れて、尿素水レベル検出装置1を作動させる(ステップs100)。尿素水レベル検出装置1が作動したらステップs105へ移行する。
【0038】
ステップs105では、尿素水レベル検出装置1の演算部14が、液位検出手段6により出力された検出情報(すなわち抵抗値)を受信して、メモリ15に格納する。
検出情報は、所定の時間間隔(例えば、0.2秒間隔)で液位検出手段6から出力されているので、演算部14は、予め設定した測定時間MT(例えば、1秒)の間、連続して複数の検出情報(例えば、5つ)を受信し、その測定時間終了後、受信したすべての検出情報の平均値を算出し、この平均値をタンク4内の液面レベルを検出するための判定値とする。
判定値の算出は、演算部14が、記憶部13に格納されたプログラム16を読み出して実行することで実現される。また、算出された判定値はメモリ15に格納される。
【0039】
続いて、演算部14は、算出した判定値に合致するパターンIDを記憶部13のパターンテーブル17にて特定し、特定したパターンIDに対応する液面レベルを記憶部13の液面レベルテーブル18より読み出す。液面レベルを読み出したらステップs110へ移行する。
【0040】
ステップs110では、演算部14が、タンク4内の尿素水の液面レベルが満水状態か否かを判定する。
演算部14が、液面レベルテーブル18より読み出した液面レベルが100%未満の場合は、満水ではないと判定して、ステップs105で特定したパターンIDに対応するデューティー比を記憶部13のデューティー比テーブル19より読み出し、このデューティー比(インターバル情報に相当)を発音部20に出力する。続いて、ステップs115へ移行する。
一方、液面レベルテーブル18より読み出した液面レベルが100%の場合は、満水であると判定して、ステップs130へ移行する。
以下の説明では、先に、ステップs115以降のフローについて説明し、その後、ステップs130以降のフローについて説明する。
【0041】
ステップs115では、演算部14が、ステップs105でメモリ15に格納した複数の検出情報及び判定値をすべて消去してリセットする。続いて、ステップs120へ移行する。
【0042】
ステップs120では、発音部20が、デューティー比を受信し、このデューティー比にしたがって、液面レベルに応じた断続音を発生させる。
上述したように、デューティー比が90%の場合は、ピー、ピー、ピー、とほとんど連続した警報音を発生させて、デューティー比が30%の場合は、ピッ、ピッ、ピッ、と断続的な警報音を発生させる。また、デューティー比が70%の場合は、デューティー比が90%の場合よりもやや無音時間が長くなるように警報音を発生させて、デューティー比が50%の場合は、デューティー比が30%の場合よりもやや無音時間が短くなるように音を発生させる。すなわち、液面レベルが高いときは、液面レベルが低いときよりも、連続的に警報音を発生させる。
発音部20が警報音を発生させたら、再び、ステップs105へ移行する。
【0043】
次に、ステップs130以降のフローについて説明する。
【0044】
ステップs130では、演算部14が、ステップs110にて液面レベルが満水状態であると判定した上記測定時間MT(例えば、1秒)を、ステップs110にて液面レベルが満水状態であると判定した回数(例えば、6回)分積算して、満水状態の積算時間(例えば、1秒×6回=6秒)を算出する。但し、ステップs110にて液面レベルが満水状態であると判定した場合が連続しているときにのみ測定時間MTを積算する。例えば、ある時刻T1に、ステップs110にて液面レベルが満水状態であると判定し、時刻T2(T1+1秒後)に、ステップs110にて液面レベルが満水状態でないと判定し、時刻T3(T2+1秒後)に、ステップs110にて液面レベルが満水状態であると判定した場合には、時刻T1の測定時間MT(1秒)と時刻T3の測定時間MT(1秒)とを積算しないものとする。
液面レベルが満水であると判定した測定時間MTを積算することにより、判定結果の精度を向上することができる。積算時間を算出したら次のステップs135へ移行する。
【0045】
ステップs135では、演算部14が、タンク4内の尿素水が満水レベルに近い状態であるとして連続音を発するか又はタンク4内の尿素水がすでに満水であるとして警報音の発生を停止するかを判定する。
ステップs130で算出した積算時間が5秒未満の場合は、尿素水が満水レベルに近い状態であると判定して、演算部14が、警報音を連続的に発する連続発音情報(インターバル情報に相当)を発音部20に出力する。続いて、ステップs140へ移行する。
一方、ステップs130で算出した積算時間が5秒以上の場合は、尿素水がすでに満水状態であると判定して、演算部14が、警報音を発生させるための信号を発音部20に出力することを停止する。続いて、ステップs150へ移行する。
【0046】
ステップs140では、発音部20が、連続発音情報を受信し、この連続発音情報にしたがって、警報音を連続的に発生させる。発音部20が警報音を発生させたら、再び、ステップs105へ移行する。
【0047】
また、ステップs150では、発音部20が、警報音を発生させるための信号を受信できないので、警報音の発生を停止する。発音部20が警報音の発生を停止させたら、再び、ステップs105へ移行する。
【0048】
上述したステップs105からステップs150までを尿素水の供給作業中に連続して行う。これにより、尿素水の供給作業中は、常に尿素水の液面レベルを警報音で検出することができる。一方、警報音が停止したら、直ちに尿素水の供給作業を停止する。
【0049】
上記で説明した構成からなる尿素水の尿素水レベル検出装置1によれば、液位検出手段6により検出された検出情報に基づいて警報音を発するので、尿素水のタンク4に取り付けられているレベルゲージを目視にて確認すること無く、タンク4内の尿素水の尿素水レベルを正確に把握することができる。
【0050】
また、尿素水の容量に応じたインターバル時間の異なる断続的な警報音を発するので、タンク4内の尿素水の容量を警報音のインターバル時間で把握することができる。これにより、インターバル時間が長いときは、尿素水の容量が少ないときなので、大量の尿素水を供給し、インターバル時間が短くなってきたら尿素水の容量が多くなってきて、タンク4内が満タン近くになってきたことなので、少しずつ尿素水を供給することができる。したがって、タンク4から溢れ出るまで尿素水を供給することを防止できる。
【0051】
また、デューティー比の変更はマイクロコンピュータ等により簡単に制御できるので、警報音断続的に発生させるための回路を別途設ける必要が無く、コストの上昇を避けることができる。
【0052】
また、駆動電源30を備えることにより、バスから電源を供給できない場合等でも警報手段10を駆動させることができる。
【0053】
なお、本実施形態では、バス2に尿素水の尿素水レベル検出装置1を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、尿素水を貯留するタンク4を備えた機器類には、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 尿素水レベル検出装置
2 バス
3 リッド
4 タンク
5 エンジン
6 液位検出手段
7 蓋
8 フロート
10 警報手段
11 制御部
12 A/D変換器
13 記憶部
14 演算部
15 メモリ
16 プログラム
17 パターンテーブル
18 液面レベルテーブル
19 デューティー比テーブル
20 発音部
21 発音体駆動回路
22 発音体
30 駆動電源
40 第1のスイッチ
50 第2のスイッチ
51 レベルゲージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク内に貯留された尿素水の液面レベルを検出するための液位検出手段により検出された検出情報に基づいて警報音を発する警報手段を備え、該警報手段は、
前記液位検出手段により検出された前記検出情報を受信し、この検出情報に基づいて前記尿素水の前記液面レベルに応じたインターバル時間の異なる断続的な警報音を発するためのインターバル情報を出力する制御部と、
前記制御部から出力された前記インターバル情報を受信し、このインターバル情報に基づいて警報音を発する発音部と、
を備えることを特徴とする尿素水の尿素水レベル検出装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記インターバル情報として予め設定されたデューティー比を出力することを特徴とする請求項1に記載の尿素水の尿素水レベル検出装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記検出情報とパターンIDとを組み合わせたパターンテーブルと、複数のデューティー比と上記パターンIDとを組み合わせたデューティー比テーブルと、を格納した記憶部と、
前記検出情報を受信し、ここで受信した前記検出情報に合致するパターンIDを前記記憶部の前記パターンテーブルにて特定し、特定したパターンIDに対応するデューティー比を前記記憶部のデューティー比テーブルより読み出す処理を実行する演算部と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の尿素水の尿素水レベル検出装置。
【請求項4】
前記警報手段を駆動するための電源を供給する駆動電源と、
前記駆動電源から前記警報手段への電力供給をオフするオフ状態と、前記駆動電源から前記警報手段への電力供給をオンするオン状態とに切換え操作自在なスイッチと、
を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一項に記載の尿素水の尿素水レベル検出装置。
【請求項5】
タンク内に貯留された尿素水の液面レベルを検出するための液位検出手段により検出された検出情報に基づいて、前記尿素水の液面レベルに応じたインターバル時間の異なる断続的な警報音を発することを特徴とする尿素水の尿素水レベル検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−127193(P2012−127193A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276482(P2010−276482)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(303002158)三菱ふそうトラック・バス株式会社 (1,037)
【Fターム(参考)】