局部発振器経路内の平均消費電流を低減するためのシステムおよび方法
局部発振器(LO)経路内の平均消費電流を低減するための方法が開示される。LO信号は、マスター分周器とスレーブ分周器とで受信される。マスター分周器からの出力は、入力信号と混合されて、第1の混合出力を生成する。スレーブ分周器からの出力は、入力信号と混合されて、第2の混合出力を生成する。第2の混合出力は、第1の混合出力と同位相になるように強制される。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2009年7月16日に出願した米国仮特許出願第61/226,165号、名称「Systems and Methods for Reducing Average Current Consumption in a Local Oscillator Path」に関係し、またその優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、通信システムに関する。より具体的には、本開示は、局部発振器経路内の平均消費電流を低減するためのシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信システムは世界中の多くの人々が通信するための重要な手段となっている。ワイヤレス通信システムは、多数のモバイルデバイス向けに通信を提供し、それぞれのモバイルデバイスは基地局によるサービスを受けることができる。モバイルデバイスの例として、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドデバイス、ワイヤレスモデム、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータなどが挙げられる。
【0004】
モバイルデバイスは、動作する際に使用されるさまざまなデジタル回路を備えることができる。例えば、発振器は、モバイルデバイス内の基板または集積回路上のさまざまな回路の同期をとるために使用される。さらに、モバイルデバイス内の異なる回路は、異なる周波数を使用して動作する。したがって、モバイルデバイスは、異なる目的のために複数の発振器を使用することがある。
【0005】
しかし、他の携帯用電子デバイスと同様に、モバイルデバイスも電池寿命は限られている。他のタイプの回路と同様に、発振器も動作中に電流を消費し、それ故電池寿命を縮める。したがって、ワイヤレス通信システムの動作中にモバイルデバイス内の電流の消費を低減するための改善された方法および装置があれば、これにより利益がもたらされる。
【発明の概要】
【0006】
局部発振器(LO)経路内の平均消費電流を低減するための方法が開示される。LO信号は、マスター分周器とスレーブ分周器とで受信される。マスター分周器からの出力は、入力信号と混合されて、第1の混合出力を生成する。スレーブ分周器からの出力は、入力信号と混合されて、第2の混合出力を生成する。第2の混合出力は、第1の混合出力と同位相になるように強制される。
【0007】
一構成では、強制することは、マスター分周器からの出力と分周器からの出力との位相差を決定することと、位相差がある場合に交差結合スイッチを使用してスレーブ分周器の位相を反転することとを含む。反転することは、スレーブ分周器の出力を反転すること、第2の混合出力を反転すること、またはスレーブ分周器の出力と混合される前に入力信号を反転することを含む。
【0008】
第1の混合出力と第2の混合出力とが加算される。入力信号は、無線周波信号であり、第1の混合出力および第2の混合出力はベースバンド信号である。あるいは、入力信号がベースバンド信号であり、第1の混合出力および第2の混合出力が無線周波信号である。局部発振器(LO)信号は、電圧制御発振器(VCO)によって生成される。マスター分周器からの出力は、第1の出力バッファによってバッファリングされ、スレーブ分周器からの出力は第2の出力バッファによってバッファリングされる。スレーブ分周器は、局部発振器(LO)経路に対する利得要求の変化に応じて電源が入るものとすることができる。
【0009】
完全に分割された局部発振器(LO)経路も開示される。LO経路は、マスター分周器とLO信号を受信するように構成されているスレーブ分周器とを備える。LO経路は、マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成するように構成されている第1のミキサーも備える。LO経路は、スレーブ分周器からの出力と入力信号とを混合して第2の混合出力を生成するように構成されている第2のミキサーも備える。LO経路は、第2の混合出力が第1の混合出力と同位相になるように強制するように構成されている制御モジュールも備える。
【0010】
完全に分割された局部発振器(LO)経路も開示される。LO経路は、LO信号をマスター分周器とスレーブ分周器とで受信するための手段を備える。LO経路は、マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成するための手段も備える。LO経路は、スレーブ分周器からの出力と入力信号とを混合して第2の混合出力を生成するための手段も備える。LO経路は、第2の混合出力が第1の混合出力と同位相になるように強制するための手段も備える。
【0011】
コンピュータ可読媒体も開示される。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ実行可能命令で符号化される。これらの命令は、LO信号をマスター分周器とスレーブ分周器とで受信するための命令である。これらの命令は、マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成するための命令でもある。これらの命令は、スレーブ分周器からの出力と入力信号とを混合して第2の混合出力を生成するための命令でもある。これらの命令は、第2の混合出力が第1の混合出力と同位相になるように強制するための命令でもある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】局部発振器(LO)経路内の電流を低減するための受信器を例示するブロック図。
【図2】LO経路内の電流を低減するための送信器を例示するブロック図。
【図3】LO経路を例示するブロック図。
【図4】いくつかのセグメントに部分的に分割されたLO経路を例示するブロック図。
【図5】いくつかのセグメントに完全に分割されたLO経路を例示するブロック図。
【図6】いくつかのセグメントに完全に分割されたLO経路を例示する別のブロック図。
【図7】いくつかの同期されたセグメントに完全に分割されたLO経路を例示するブロック図。
【図8】いくつかの同期されたセグメントに完全に分割されたLO経路を例示する別のブロック図。
【図9】LO経路内の平均消費電流を低減するための方法を例示する流れ図。
【図10】図9の方法に対応する手段+機能ブロックの図。
【図11】いくつかの同期されたセグメントに完全に分割されたLO経路を例示する別のブロック図。
【図12】いくつかの同期されたセグメントに完全に分割されたLO経路を例示する別のブロック図。
【図13】2つの完全に分割されたLO経路セグメントを同期するための方法の流れ図。
【図14】図13の方法に対応する手段+機能ブロックの図。
【図15】ワイヤレスデバイス内に収容されうるいくつかのコンポーネントを例示する図。
【発明の詳細な説明】
【0013】
局部発振器(LO)は、特定の信号を異なる周波数の信号に変換するためにモバイルデバイス内で使用される。例えば、LOを使用して、高周波信号がより低いベースバンド信号に変換され、また逆にも変換される。電圧制御発振器(VCO)などの発振器に加えて、LOは、1つまたは複数のバッファと分周器とミキサーとを備えるLO経路を具備する。LO経路は、発振器の出力を処理して所望の出力をもたらす。この処理は、比較的大きな電流を消費し、そのため、モバイルデバイスなどのデバイスの電池寿命を縮める可能性がある。
【0014】
従来は、動作周波数毎にLO経路1つのみを使用している。しかし、バッファの全容量が必要でない、つまり、LO経路出力上で最大より低い利得が必要であるか、または最小値より高い雑音レベルが許容されるとしても、入力バッファ、出力バッファ、および分周器が最大電流を消費することがあるため、これは不効率であると言える。いくつかの構成において、LO経路は、平均消費電流をさらに低減するように分割される。これは、分割されていないLO経路を使用するのに比べて効率が高い場合があるが、分割されたLO経路のセグメント間に、特にLO経路セグメントの間の遷移またはLO経路セグメント上の信号の追加の際に、位相同期問題が発生することがある。言い換えると、LOセグメント内の分周器は予測困難な位相を持つ出力を最初に生成する可能性があるため、同じLO経路内の異なるセグメントは、望ましくない信号キャンセルを引き起こしうる異なる位相を有する。
【0015】
したがって、本システムおよび方法は、1つまたは複数の位相検出器がLOセグメント間の位相差を検出するために使用される、完全に分割されたLO経路を実装する。さらに、交差結合スイッチが、セグメントミキサーの入力または出力の極性を変化させるために使用される。分割されたLO経路は、電流低減および利得制御を可能にする。
【0016】
図1は、局部発振器(LO)経路112内の電流を低減するための受信器100を例示するブロック図である。受信器100は、ワイヤレス通信用に設計されたモバイルデバイスまたは基地局の一部とする。受信器100は、とりわけ、低雑音増幅器(LNA)102とVCO 108とLO経路112とを備える。LNA 102は、アンテナ104で受けたワイヤレス通信信号を受信する。LNA 102は、受信された信号を使用可能なレベルまで増幅し、無線周波(RF)信号106、つまり、送信された元の信号の一表現を生成する。VCO 108は、VCO 108の入力における直流(DC)電圧レベルに基づく周波数を持つVCO信号110を出力するデバイスである。LO経路112は、LNA 102からRF信号106を、またVCO 108からVCO信号110を受信し、1つまたは複数のバッファ、分周器、ミキサー、および加算器を使用してベースバンド信号114を生成する。ベースバンド信号114は、送信デバイス上のマイクロホンが受けた実際の再構成された音声、例えば、有声音声とすることができる。そこで、受信器100は、LO経路112を使用して、ベースバンド信号114を再構成する。
【0017】
図2は、LO経路212内の電流を低減するための送信器200を例示するブロック図である。送信器200は、図1に例示されている受信器100も備えうるモバイルデバイスの一部とすることができる。送信器200は、とりわけ、VCO 208とLO経路212と駆動増幅器216と電力増幅器218とを備える。LO経路212は、VCO信号210とベースバンド信号214(例えば、有声音声)とを受信し、1つまたは複数のバッファ、分周器、ミキサー、および加算器を使用してRF信号206を生成する。言い換えると、送信器200は、LO経路212を使用して送信されるべき変調された高周波RF信号206を生成する。RF信号206がアンテナ204を介して送信される前に、この信号は、駆動増幅器216、電力増幅器218、またはその両方によって増幅される。このように、送信器200は、LO経路212を使用して、送信のためRF信号206を構成する。
【0018】
図3は、LO経路312を例示するブロック図である。LO経路312は、平均消費電流を低減するために本システムおよび方法とともに使用できる。本明細書で使用されているように、「LO経路」という用語は、少なくとも1つの分周器318とミキサー322との組み合わせを指す。LO経路312は、入力バッファ316と出力バッファ320も備える。ほかにも機能はあるがとりわけ、LO経路312は、特定の振幅で、それぞれ、ベースバンド信号114またはRF信号206を生成するために受信器100または送信器200において使用される。一構成では、LO経路312は、単一の入力バッファ316と単一の分周器318と単一の出力バッファ320と単一のミキサー322とを備える。
【0019】
LO経路312が動作しているときに、入力バッファ316および分周器318は、フルサイズでオンにされる。LO経路出力324は、異なる状況には異なる利得を必要とする、例えば、基地局から遠く離れているモバイルデバイスに対しては高い利得、基地局に近い位置にあるモバイルデバイス、高い雑音、低い雑音などに対しては低い利得を必要とする。しかし、動作モード(高い利得、低い利得など)に関係なく、部分的な動作が必要である、例えば、振幅が最大であるかまたは雑音が最低である信号がLO経路出力324では必要でない場合でも、分周器318はフルパワーで動作する能力しか持ちえない。言い換えると、ルーティングが長距離である、基板損失が大きい、装荷静電容量が大きい、また動作周波数が高いことで、駆動増幅器216と分周器318とを備えるLO経路312は、大きな電流を消費する。このLO電流を低減することが望ましい。したがって、LO経路312は、より小さなセグメントに分割される。システム要件に応じて、LO経路312は、1つのまたは全部のセグメントがオンにされた状態のモードで作動する。その結果、LO経路312のセグメントによって消費される平均電流は低減される。
【0020】
図4は、いくつかのセグメントに部分的に分割されたLO経路412を例示するブロック図である。この構成では、LO経路412は、出力バッファ420とミキサー422とを分割し、1つの入力バッファ416と1つの分周器418とを使用する。言い換えると、出力バッファ420は、第1の出力バッファ420aと第2の出力バッファ420bとに分割される。同様に、ミキサー422は、第1のミキサー422aと第2のミキサー422bとに分割される。これにより、出力バッファ420とミキサー422の平均消費電流を低減できる。しかし、入力バッファ416および分周器418は、それでも、出力バッファ420およびミキサー422の一部のみが動作するように選択された場合に大電流を消費する、つまり、入力バッファ416および分周器418は、第1の出力バッファ420aおよび第1のミキサー422aまたは第2の出力バッファ420bおよび第2のミキサー422bのみが使用される場合に必要以上に大きな電流を消費する。したがって、図4に例示されているLO経路412は、図3に例示されているLO経路312に比べて効率が高くなるが、それでも、入力バッファ内では必要以上に大きな電流を消費する。
【0021】
図5は、いくつかのセグメントに完全に分割されたLO経路512を例示するブロック図である。言い換えると、図5に例示されているLO経路512は、図4の部分的に分割されたLO経路412のさらに詳しく例示されているものである。一構成では、LO経路512は、1つのマスター分周器518と複数のスレーブ分周器ユニット526a〜gとを備える。8個のスレーブ分周器ユニット526が例示されているが、本システムおよび方法は、特定の数のスレーブ分周器ユニット526に限定されない。マスター分周器518は、それぞれ、基準信号をそれぞれのスレーブ分周器ユニット526に出力する。マスター分周器518は、優れた位相雑音を持つ高い性能を必要としないものである。例えば、マスター分周器518は、マスタークロック位相を供給しながら節電する従来の低電力分周器である。それに加えて、スレーブ分周器ユニット526の1つは、マスター分周器518として活動し、それぞれのスレーブ分周器ユニット526に送られるべき基準信号を発生する。
【0022】
各電力制御装置528a〜gは、スレーブ分周器ユニット526の位相がマスター分周器518から出力される基準信号に同期するまでスレーブ分周器ユニット526を動作させるようにオンにする。デジタル(または電圧)制御発振器508(例えば、VCO 108)からの発振信号は、それぞれのスレーブ分周器ユニット526に入力され、各位相を基準信号に同期させるためにスレーブ分周器ユニット526によって使用される。それに加えて、利得スイッチング制御ユニット530は、LO経路512のセグメントのそれぞれに対して利得スイッチングを実行する。
【0023】
スレーブ分周器ユニット526がマスター分周器518からの基準信号に同期させられた後、各スレーブ分周器ユニット526は、各電力制御装置528を使用して遅延電源オンにされる。その後、マスター分周器518は、節電のため低電力状態に切り換えられる。次いで、例えば、同期したスレーブ分周器ユニット(複数可)526は、生成されたクロック信号を各ミキサーユニット522a〜gに出力する。生成されたクロック信号は、受信器100、送信器200、または他のモジュール内でさまざまな用途に使用される。
【0024】
それぞれの電源オンにされたスレーブ分周器ユニット526は、マスター分周器518によって生成される一定基準信号と同期するので(つまり、同位相になる)、それぞれのスレーブ分周器ユニット526が互いにも同位相になるという結果が得られる。
【0025】
図6は、いくつかのセグメントに完全に分割されたLO経路612を例示する別のブロック図である。この構成では、入力バッファ616、分周器618、出力バッファ620、およびミキサー622は、より小さなコンポーネントに分割される。言い換えると、それぞれのLO経路612セグメントは、完全に機能するLO経路612であり、入力バッファ616と分周器618と出力バッファ620とミキサー622と交差結合スイッチ(図示せず)とを備える。例えば、第1のセグメントは、第1の入力バッファ616aと第1の分周器618aと第1の出力バッファ620aと第1のミキサー622aとを備える。同様に、第2のセグメントは、第2の入力バッファ616bと第2の分周器618bと第2の出力バッファ620bと第2のミキサー622bとを備える。あるいは、LOは、2つより多いセグメントに分割される。分周器618のそれぞれは、同じ比による分周、例えば、25%、50%などによる分周が可能である。
【0026】
この完全に分割されたLO経路612は、LOがセグメントのいくつかのみを電源オンにし他のセグメントを電源オフにした状態で動作するため動作モードに入っているときに使用される平均LO電流を低減することができる。言い換えると、図5に例示されているマスター分周器518は、少なくとも一定期間、複数のセグメントのうちの1つのセグメントのみが必要な場合であってもフルパワーで動作する必要がある。対照的に、図6に例示されているLO経路612内の第2のセグメントが、特定の動作モードに対しては不要な場合、第2の分周器618bはまったく電源オンにされず、その結果、LO経路612内の平均電流が低減される。LO経路612内のそれぞれのセグメントは、異なる特性を有していてもよい。例えば、第1のセグメント内のコンポーネントは、LO経路612の合計サイズの2/3であってよく、第2のセグメント内のコンポーネントは、LO経路612の合計サイズの1/3であってよい。これらの比は、それぞれのセグメントの負荷(入力静電容量)および/またはそれぞれのセグメントの消費電流を大まかに近似する。セグメント出力(複数可)は加算され、LO経路出力624を生成する。したがって、1つまたは複数のセグメントが選択的にオンにされ、これにより所望のLO経路出力624を生成する。言い換えると、稼働セグメントの数は、利得、雑音、直線性などのシステム要件と動作環境のプロセス変動に応じて決定される。したがって、図6に例示されているLO経路612は、図5に例示されているLO経路512と図4に例示されているLO経路412と図3に例示されているLO経路312とに比べて平均消費電流を低減することができる。それに加えて、図5に例示されているマスター分周器518は、動作のセグメントを増減するときに分周器518の出力位相を変化させないために図6に例示されている分周器618に比べて比較的大きなものにする必要がある。
【0027】
LO経路612内の平均消費電流を低減することに加えて、完全に分割された構成は、同期問題も引き起す。第1の分周器618aは、第2の分周器618bと異なる位相で開始する。その結果、第1のミキサー622aの出力信号および第2のミキサー622bの出力信号が、意図せず互いにキャンセルし合う。これは、2つの状況において問題となる。第1に、例えば、動作モード要件が変化したためモバイルデバイスが第1のセグメントから第2のセグメントへ遷移しようとしている場合、モバイルデバイスは基地局に近づいており、より低い利得を必要とする。この状況では、第1のセグメントの位相は、遷移を通じて第2のセグメント内に維持されなければならない、つまり、LO位相は利得が変化するときに保持されていなければならない。しかし、第2のセグメントが開始するときに、初期位相は、予測しがたい。第2に、モバイルデバイスが第1のセグメントを使用しており、第2のセグメント追加する場合、第2のセグメントも第1のセグメントと同位相でなければならない。したがって、動作中に新しいセグメントに遷移するとき、または新しいセグメントの追加の際に位相を維持するために、分周器618a〜bは同期される。
【0028】
図7は、いくつかの同期されたセグメント732a〜nに完全に分割されたLO経路712を例示するブロック図である。LO経路712は、それぞれが入力バッファ716a〜nと分周器718a〜nと出力バッファ720a〜nとミキサー722a〜nとを備えるn個のセグメント732に分割される。VCO 708の出力は、VCOバッファ734によってバッファリングされ、次いで、セグメント732に供給されうる。それぞれのセグメント732は、所望の動作モードに応じて、個別に、または他のセグメント732と一緒に動作するように選択される。複数のセグメント732がオンになっている場合、動作しているセグメント732の出力が加算され、LO経路出力724を生成する。
【0029】
それに加えて、同期スイッチ736が分周器718の位相を同期し、セグメント732の間の遷移時に、または動作中にセグメント732を追加するときに、位相跳躍を回避するために使用される。スイッチ736は、複数の分周器718の内部ノードをリンクすることによって実装される。例えば、第1のスイッチ736aは、第1の分周器718aと第2の分周器718bの内部ノードをリンクする。同様に、第2のスイッチ736bは、第2の分周器718bと第nの分周器718nの内部ノードをリンクする。第1の分周器718baと第nの分周器718nの内部ノードをリンクする第3のスイッチ(図示せず)もある。内部ノードをリンクすることで、第2の分周器718bの位相が第1の分周器718aの位相と一致するように強制することができる。しかし、これらの同期スイッチ736は、分周器718に負荷を与える可能性がある。さらに、最高動作周波数が、スイッチ736に関係する寄生容量のせいで低下する可能性がある。
【0030】
図8は、いくつかの同期されたセグメント832に完全に分割されたLO経路812を例示する別のブロック図である。この構成では、セグメント832は、位相検出器838によって制御される交差結合スイッチ842を使用して同期される。それぞれのセグメント832a〜bは、VCO信号810を受信し、入力バッファ816a〜bと分周器818a〜bと出力バッファ820a〜bとミキサー822a〜bとを使用して、セグメント832の出力を生成する。前のように、それぞれのセグメント832は、1つまたは複数のセグメントがオンにされるモードで動作する。それぞれの動作しているセグメント832のセグメント出力が加算器846を使用して加算され、出力フィルタ849によりフィルタ処理されて、LO経路出力824、例えば、ベースバンド信号114を生成する。しかし、上述のように、セグメント出力は、同期が実行されていない場合に互いに位相外れになる可能性がある。
【0031】
LO経路セグメント832は同じ差分VCO信号810を使用して動作するため、2つのセグメント832に対する位相差は、180度または0度であり、ほかはない。2つのセグメント832が互いに位相外れである(つまり、位相差が180度である)場合、セグメント832出力は破壊的に加算され、不正なLO経路出力824が生じる。したがって、それぞれのLO経路セグメント832は、交差結合スイッチ842を備える。交差結合スイッチ842は、動作したときに、差分信号を反転するか、または差分信号を変化しないようにしておくことができるデバイスである。さらに、交差結合スイッチ842をオフにして何も通らないようにすることもできる。言い換えると、第1の交差結合スイッチ842aは、コマンドが送られたときに、ミキサー822の入力または出力、例えば、セグメント832の出力、RF信号806a〜b、出力バッファ820の出力などの極性を反転する。低周波信号(例えば、ベースバンド信号114)上の交差結合スイッチ842を備えると、その結果、性能が改善される。
【0032】
例示することを目的として、モバイルデバイスが第1のセグメント832aを使用しており、次いで第2のセグメント832bに遷移するか、または第2のセグメント832bを追加すると仮定する。前のように、LO経路812は、多数のセグメント832を備え、これらの組み合わせが一緒に使用される、つまり、動作中にセグメント832の1つはまたは複数がオンにされる。電源オンにする第1のセグメント832aは、本明細書では、「マスター」セグメント832aと称される、つまり、後続のスレーブセグメント832bが同期しなければならないセグメント832aである。その後、第2のセグメント832bがオンにされると(つまり、すでに電源オンにされているマスターセグメント832aに同期しなければならない位相を持つスレーブセグメント832b)、マスターセグメント832aおよびスレーブセグメント832bのLO信号の相対位相は、位相検出器838によって測定する。マスターセグメント832aおよびスレーブセグメント832b内のLO信号が同位相である場合、スレーブセグメント832bのLO信号の極性はそのまま変化なしである。そうでなければ、位相差が180度である場合、スレーブセグメント832bの極性は、ミキサー822bの後の第2の交差結合スイッチ842bによってフリップされる。位相検出器838は、同位相成分(I)または直角成分(Q)またはその両方を入力として使用して、スレーブセグメント832bの出力とマスターセグメント832aの出力との位相差を測定する。IとQの両方が、同時に制御されうる。位相検出器838の一例は、排他的OR(XOR)論理ゲートまたはXOR関数である。ローパスフィルタ(LPF)848は、位相検出器838の出力上の雑音を減衰させる。
【0033】
位相検出器838の出力とシステムからの制御信号844、例えば、モバイルデバイスまたは他のデバイス上のプロセッサから送られた利得制御または電流節約情報とに基づき交差結合スイッチ842を制御するために、交差結合スイッチ制御モジュール840が使用される。制御モジュール840は、システムレベルで、局所状態機械によって、または局所静的論理ゲートを使用して実装される。例えば、制御モジュール840は、位相差がない場合にはスレーブセグメント832bを変更しないか(「THROUGH」)、または位相差がある場合にはスレーブセグメント832bの極性を反転する(「CROSS_COUPLE」)ことができる。以下に制御アルゴリズム例が示されている。
【数1】
【0034】
マスターセグメント842に対応する交差結合スイッチ842は、セグメント832がオンである限りオフにすることはできない。したがって、交差結合スイッチ842をオフにすると、制御モジュール840は、まず最初に、交差結合スイッチ842がマスターセグメント842に対応しているかどうかをチェックする。そうした場合、制御モジュール840は、交差結合スイッチ842をオフにする前に別のセグメント832をマスターセグメントとして指定する。しかし、オフにされるべき交差結合スイッチ842がオンである唯一のセグメント832に対応している場合、マスターセグメントとして指定できる他のセグメント832はない。
【0035】
図9は、LO経路812内の平均消費電流を低減するための方法900を例示する流れ図である。方法900は、図1に示されているような受信器100、図2に示されているような送信器200、または他のモジュール内のLO経路812において実行される。上の説明と同様に、第1の分周器818aは、マスター分周器818aと称され、第2の分周器818bは、スレーブ分周器818bと称されるが、多くの異なる組み合わせも可能であり、例えば、LO経路812内の2つより多いセグメント832が複数のスレーブ分周器818bを備える。マスター分周器818aおよびスレーブ分周器818bは、LO信号を受信する(950)。第1のミキサー822aは、マスター分周器818aからの出力と入力信号とを混合(952)して第1の混合出力を生成する。例えば、第1のミキサー822aは、マスター分周器818aの出力と受信器100内のRF信号806aとを混合(952)してベースバンド信号114を生成する。あるいは、第1のミキサー822aは、マスター分周器818aの出力と送信器200内のベースバンド信号214とを混合(952)してRF信号206を生成する。第2のミキサー822bは、スレーブ分周器818bからの出力と入力信号とを混合(954)して第2の混合出力を生成する。例えば、第2のミキサー822bは、スレーブ分周器818bの出力と受信器100内のRF信号806bとを混合(954)してベースバンド信号114を生成する。あるいは、第2のミキサー822bは、スレーブ分周器818bの出力と送信器200内のベースバンド信号214とを混合(954)してRF信号206を生成する。ミキサー822は、受信器100または送信器200内の変調/復調プロセスの一部である。
【0036】
第2の混合出力は、第1の混合出力と同位相になるように強制される(956)。この強制956は、制御モジュール840によって制御される交差結合スイッチ842により実行される。交差結合スイッチ842は、ミキサー822の入力または出力のどれかに配置される。制御モジュール840は、異なるセグメント832内の信号同士の位相差を検出するように設計されている位相検出器838から入力を受け取る。加算器846は、第1の混合出力と第2の混合出力とを加算する(958)。言い換えると、第1のセグメント832aおよび第2のセグメント832bの同期出力が加算され(958)、LO経路出力824を生成する。第1の混合出力が第2の混合出力と同位相になるように強制する(956)ことによって、2つのセグメント832の出力は、意図せずに破壊的に足し合わされることがなくなる。
【0037】
上述の図9の方法900は、図10に例示されている手段+機能ブロック1000に対応するさまざまなハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネント(複数可)および/またはモジュール(複数可)によって実行される。言い換えると、図9に例示されている950から958までのブロックは、図10に例示されている1050から1058までの手段+機能ブロックに対応している。
【0038】
図11は、いくつかの同期されたセグメント1132a〜bに完全に分割されたLO経路1112を例示する別のブロック図である。図11に例示されている入力バッファ1116a〜b、分周器1118a〜b、出力バッファ1120a〜b、ミキサー1122a〜b、加算器1146、ローパスフィルタ1148、出力フィルタ1149、位相検出器1138、制御モジュール1140、およびVCO信号1110は、図8に例示されている入力バッファ816a〜b、分周器818a〜b、出力バッファ820a〜b、ミキサー822a〜b、加算器846、ローパスフィルタ848、出力フィルタ849、位相検出器838、制御モジュール840、およびVCO信号810と似た動作をする。しかし、この構成では、交差結合スイッチ1142a〜bは、受信器100に対してはRF信号1106a〜b、または送信器200内のミキサー1122に入力されるベースバンド信号214上のものである。言い換えると、極性は、仮にそうだとしても、ミキサー1122へのRF入力経路上で切り換えられる。これは、LO経路出力1124の雑音性能を潜在的に低下させる。
【0039】
図12は、いくつかの同期されたセグメント1232a〜bに完全に分割されたLO経路1212を例示する別のブロック図である。図12に例示されている入力バッファ1216a〜b、分周器1218a〜b、出力バッファ1220a〜b、ミキサー1222a〜b、RF信号1206a〜b、加算器1246、ローパスフィルタ1248、出力フィルタ1249、位相検出器1238、制御モジュール1240、およびVCO信号1210は、図8に例示されている入力バッファ816a〜b、分周器818a〜b、出力バッファ820a〜b、ミキサー822a〜b、RF信号806a〜b、加算器846、ローパスフィルタ848、出力フィルタ849、位相検出器838、制御モジュール840、およびVCO信号810と似た動作をする。しかし、この構成では、交差結合スイッチ1242a〜bは、出力バッファ1220または分周器1218の後のLO経路1212上にある。言い換えると、極性は、仮にそうだとしても、ミキサー1222へのLO入力上で切り換えられうる。これは、LO経路出力1224における位相雑音を潜在的に低下させる。さらに、LO経路1212は、位相検出器1138が交差結合スイッチ1142の前にある以前の構成とは反対に交差結合スイッチ1242の後に位相検出器1238を備える。
【0040】
図13は、2つの完全に分割されたLO経路セグメント832を同期するための方法1300の流れ図である。方法1300は、制御モジュール840によって実行される。制御モジュール840は、オンにされているマスター分周器818aを決定する(1362)。上述のように、マスター分周器818aは、その後オンにされる他の分周器818と一致しなければならない位相を持つパワーオン分周器であり、つまり、マスター分周器818aはオンにする最初の分周器である。制御モジュール840は、オンにされるべきスレーブ分周器818bを決定する(1366)。LO経路812の構成および所望の動作モードに応じて複数のスレーブ分周器818bがある。制御モジュール840は、マスター分周器818aの出力とスレーブ分周器818bの出力との位相差を決定する(1368)。これは、位相検出器838を使用することも含んでよい。位相検出器838は、マスター分周器818aの出力または出力バッファ820aの出力のところでマスター分周器818aの位相を測定する。同様に、位相検出器838は、スレーブ分周器818bの出力または出力バッファ820bの出力のところでスレーブ分周器818bの位相を測定する。制御モジュール840は、位相差が180度に近い場合に、交差結合スイッチ842bを使用してスレーブ分周器818bからの出力の位相を反転する(1370)。位相差は、誤差を5度として180度または0度である、例えば、175〜185度または355〜5度である。したがって、マスター分周器818aから位相外れになっている180度に近いスレーブ分周器818bの極性を反転する(1370)ことで、セグメント832の位相を同期させることができる。
【0041】
上述の図13の方法1300は、図14に例示されている手段+機能ブロック1400に対応するさまざまなハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネント(複数可)および/またはモジュール(複数可)によって実行される。言い換えると、図13に例示されている1362から1370までのブロックは、図14に例示されている1462から1470までの手段+機能ブロックに対応している。
【0042】
図15は、ワイヤレスデバイス1501内に収容されるいくつかのコンポーネントを例示している。ワイヤレスデバイス1501は、モバイルデバイスまたは基地局である。特に、ワイヤレスデバイス1501は、LO経路812が複数のセグメントに完全に分割されている、図1に例示されているような受信器100および/または図2に例示されている送信器200を備えるモバイルデバイスである。
【0043】
ワイヤレスデバイス1501は、プロセッサ1503を備える。プロセッサ1503は、汎用のシングルチップマイクロプロセッサもしくはマルチチップマイクロプロセッサ(例えば、ARM)、専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP))、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイなどとすることができる。プロセッサ1503は、中央演算処理装置(CPU)と称することができる。図15のワイヤレスデバイス1501には単一のプロセッサ1503だけが示されているけれども、代替的構成では、複数のプロセッサの組み合わせ(例えば、ARMとDSP)も使用することが可能である。
【0044】
ワイヤレスデバイス1501は、メモリ1505も備える。メモリ1505は、電子情報を格納する機能を有するのであればどのような電子コンポーネントでもよい。メモリ1505は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、磁気ディスク記憶媒体、光学式記憶媒体、RAM内のフラッシュメモリデバイス、プロセッサに搭載されたオンボードメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタなどとして、これらの組み合わせを含めて、具現化される。
【0045】
データ1507および命令1509は、メモリ1505内に格納する。命令1509は本明細書で開示されている方法を実装するためにプロセッサ1503によって実行可能である。命令1509を実行することは、メモリ1505内に格納されているデータ1507の使用を伴う。
【0046】
ワイヤレスデバイス1501は、ワイヤレスデバイス1501とリモートロケーションとの間の信号の送信と受信とを可能にする送信器1511と受信器1513とを備える。送信器1511および受信器1513は、トランシーバ1515と総称される。アンテナ1517は、トランシーバ1515に電気的に結合される。ワイヤレスデバイス1501は、複数の送信器、複数の受信器、複数のトランシーバ、および/または複数のアンテナを備える(図示せず)。
【0047】
電源バス、制御信号バス、ステータス信号バス、データバスなどを含み、1つまたは複数のバスによってワイヤレスデバイス1501のさまざまなコンポーネントが1つに結合される。わかりやすくするために、さまざまなバスは、図15ではバスシステム1519として示されている。
【0048】
上記の説明では、参照番号がときにはさまざまな用語に関連して使用されている。参照番号に関連して用語が使用されている場合、これはいくつもの図のうちの1つまたは複数に示されている特定の要素を参照することが意図されている。用語が参照番号なしで使用されている場合、これは特定の図に限定することなく一般的に用語を参照することが意図されている。
【0049】
「決定すること」という言い回しは、さまざまなアクションを包含しており、したがって、「決定すること」は、計算すること、コンピューティング、処理すること、導出すること、調査すること、検索すること(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造体で検索すること)、確認すること、および同様のアクションを含む。また、「決定すること」は、受信する(受け取る)こと(例えば、情報を受信する(受け取る)こと)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)、および同様なアクションを含む。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、確定すること、および同様のアクションを含む。
【0050】
「に基づく」という言い回しは、特に断りのない限り、「にのみ基づく」を意味しない。言い換えると、「に基づく」という言い回しは、「にのみ基づく」と「に少なくとも基づく」の両方を記述するものである。
【0051】
「プロセッサ」という用語は、汎用プロセッサ、中央演算処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、状態機械などを包含するように広い意味で解釈されなければならない。状況によっては、「プロセッサ」は、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを指すものである。「プロセッサ」という用語は、処理デバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連係する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または他のそのような構成を指すものである。
【0052】
「メモリ」という用語は、電子情報を格納する機能を有するどのような電子コンポーネントをも包含するように広い意味で解釈されなければならない。「メモリ」という用語は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気または光データ記憶装置、レジスタなどのさまざまな種類のプロセッサ可読媒体を指すものである。メモリは、プロセッサがメモリから情報を読み込み、および/またはメモリに情報を書き込むことができる場合にプロセッサと電子的通信を行っていると言われる。プロセッサと一体になっているメモリは、プロセッサと電子的通信を行っている。
【0053】
「命令」および「コード」という用語は、あらゆる種類のコンピュータ可読ステートメント(複数可)を含むように広い意味で解釈されなければならない。例えば、「命令」および「コード」という用語は、1つまたは複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、プロシージャなどを指すものである。「命令」および「コード」は、単一のコンピュータ可読ステートメントまたは多数のコンピュータ可読ステートメントを含む。
【0054】
本明細書で説明されている関数は、コンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令として格納されうる。「コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータによってアクセスできる利用可能な媒体であればどのような媒体も指すものでもよい。例えば、限定はしないが、コンピュータ可読媒体として、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、または他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造体の形態で所望のプログラムコードを搬送または格納するために使用することができ、またコンピュータによってアクセスできる他の媒体が挙げられる。本明細書で使用されているような、「Disk」と「Disc」(両方とも日本語ではディスク)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびBlu−ray(登録商標)ディスクを含み、「Disk」は通常磁気的にデータを再現し、「Disc」はレーザーを使って光学的にデータを再現する。
【0055】
ソフトウェアまたは命令は、伝送媒体上で送信することもできる。例えば、ソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア線、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、ラジオ、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用してウェブサイト、サーバー、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア線、DSL、または赤外線、ラジオ、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、伝送媒体の定義に含まれる。
【0056】
本明細書で説明されている方法は、説明されている方法を実現するための1つまたは複数のステップもしくはアクションを含む。方法ステップおよび/またはアクションは、請求項の範囲から逸脱することなく互いに入れ換えて使用できる。言い換えると、説明されている方法の適切な運用にステップまたはアクションの特定の順序が必要でない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、請求項の範囲から逸脱することなく修正されうる。
【0057】
さらに、図9および13で例示されているような、本明細書で説明されている方法と技術とを実行するためのモジュールおよび/または他の適切な手段は、デバイスによってダウンロードされ、および/またはデバイスによって他の何らかの方法で取得されうることは理解されるであろう。例えば、デバイスは、本明細書で説明されている方法を実行するための手段の転送を円滑に行えるようにするためにサーバーに結合されうる。あるいは、本明細書で説明されているさまざま方法は、記憶手段(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクなどの物理的記憶媒体など)を介して提供されるものとしてよく、これにより、デバイスは記憶手段をデバイスに結合もしくは提供した後さまざまな方法を取得することができる。さらに、本明細書で説明されている方法と技術とをデバイスに提供するための他の好適な技術も利用することができる。
【0058】
請求項は、上に例示されている正確な構成とコンポーネントとに限定されないことは理解されるであろう。さまざまな修正、変更、および変形が、請求項の範囲から逸脱することなく本明細書で説明されているシステムと方法と装置の配置構成と動作と詳細とに施されうる。
【関連出願】
【0001】
本出願は、2009年7月16日に出願した米国仮特許出願第61/226,165号、名称「Systems and Methods for Reducing Average Current Consumption in a Local Oscillator Path」に関係し、またその優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、通信システムに関する。より具体的には、本開示は、局部発振器経路内の平均消費電流を低減するためのシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信システムは世界中の多くの人々が通信するための重要な手段となっている。ワイヤレス通信システムは、多数のモバイルデバイス向けに通信を提供し、それぞれのモバイルデバイスは基地局によるサービスを受けることができる。モバイルデバイスの例として、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドデバイス、ワイヤレスモデム、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータなどが挙げられる。
【0004】
モバイルデバイスは、動作する際に使用されるさまざまなデジタル回路を備えることができる。例えば、発振器は、モバイルデバイス内の基板または集積回路上のさまざまな回路の同期をとるために使用される。さらに、モバイルデバイス内の異なる回路は、異なる周波数を使用して動作する。したがって、モバイルデバイスは、異なる目的のために複数の発振器を使用することがある。
【0005】
しかし、他の携帯用電子デバイスと同様に、モバイルデバイスも電池寿命は限られている。他のタイプの回路と同様に、発振器も動作中に電流を消費し、それ故電池寿命を縮める。したがって、ワイヤレス通信システムの動作中にモバイルデバイス内の電流の消費を低減するための改善された方法および装置があれば、これにより利益がもたらされる。
【発明の概要】
【0006】
局部発振器(LO)経路内の平均消費電流を低減するための方法が開示される。LO信号は、マスター分周器とスレーブ分周器とで受信される。マスター分周器からの出力は、入力信号と混合されて、第1の混合出力を生成する。スレーブ分周器からの出力は、入力信号と混合されて、第2の混合出力を生成する。第2の混合出力は、第1の混合出力と同位相になるように強制される。
【0007】
一構成では、強制することは、マスター分周器からの出力と分周器からの出力との位相差を決定することと、位相差がある場合に交差結合スイッチを使用してスレーブ分周器の位相を反転することとを含む。反転することは、スレーブ分周器の出力を反転すること、第2の混合出力を反転すること、またはスレーブ分周器の出力と混合される前に入力信号を反転することを含む。
【0008】
第1の混合出力と第2の混合出力とが加算される。入力信号は、無線周波信号であり、第1の混合出力および第2の混合出力はベースバンド信号である。あるいは、入力信号がベースバンド信号であり、第1の混合出力および第2の混合出力が無線周波信号である。局部発振器(LO)信号は、電圧制御発振器(VCO)によって生成される。マスター分周器からの出力は、第1の出力バッファによってバッファリングされ、スレーブ分周器からの出力は第2の出力バッファによってバッファリングされる。スレーブ分周器は、局部発振器(LO)経路に対する利得要求の変化に応じて電源が入るものとすることができる。
【0009】
完全に分割された局部発振器(LO)経路も開示される。LO経路は、マスター分周器とLO信号を受信するように構成されているスレーブ分周器とを備える。LO経路は、マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成するように構成されている第1のミキサーも備える。LO経路は、スレーブ分周器からの出力と入力信号とを混合して第2の混合出力を生成するように構成されている第2のミキサーも備える。LO経路は、第2の混合出力が第1の混合出力と同位相になるように強制するように構成されている制御モジュールも備える。
【0010】
完全に分割された局部発振器(LO)経路も開示される。LO経路は、LO信号をマスター分周器とスレーブ分周器とで受信するための手段を備える。LO経路は、マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成するための手段も備える。LO経路は、スレーブ分周器からの出力と入力信号とを混合して第2の混合出力を生成するための手段も備える。LO経路は、第2の混合出力が第1の混合出力と同位相になるように強制するための手段も備える。
【0011】
コンピュータ可読媒体も開示される。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ実行可能命令で符号化される。これらの命令は、LO信号をマスター分周器とスレーブ分周器とで受信するための命令である。これらの命令は、マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成するための命令でもある。これらの命令は、スレーブ分周器からの出力と入力信号とを混合して第2の混合出力を生成するための命令でもある。これらの命令は、第2の混合出力が第1の混合出力と同位相になるように強制するための命令でもある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】局部発振器(LO)経路内の電流を低減するための受信器を例示するブロック図。
【図2】LO経路内の電流を低減するための送信器を例示するブロック図。
【図3】LO経路を例示するブロック図。
【図4】いくつかのセグメントに部分的に分割されたLO経路を例示するブロック図。
【図5】いくつかのセグメントに完全に分割されたLO経路を例示するブロック図。
【図6】いくつかのセグメントに完全に分割されたLO経路を例示する別のブロック図。
【図7】いくつかの同期されたセグメントに完全に分割されたLO経路を例示するブロック図。
【図8】いくつかの同期されたセグメントに完全に分割されたLO経路を例示する別のブロック図。
【図9】LO経路内の平均消費電流を低減するための方法を例示する流れ図。
【図10】図9の方法に対応する手段+機能ブロックの図。
【図11】いくつかの同期されたセグメントに完全に分割されたLO経路を例示する別のブロック図。
【図12】いくつかの同期されたセグメントに完全に分割されたLO経路を例示する別のブロック図。
【図13】2つの完全に分割されたLO経路セグメントを同期するための方法の流れ図。
【図14】図13の方法に対応する手段+機能ブロックの図。
【図15】ワイヤレスデバイス内に収容されうるいくつかのコンポーネントを例示する図。
【発明の詳細な説明】
【0013】
局部発振器(LO)は、特定の信号を異なる周波数の信号に変換するためにモバイルデバイス内で使用される。例えば、LOを使用して、高周波信号がより低いベースバンド信号に変換され、また逆にも変換される。電圧制御発振器(VCO)などの発振器に加えて、LOは、1つまたは複数のバッファと分周器とミキサーとを備えるLO経路を具備する。LO経路は、発振器の出力を処理して所望の出力をもたらす。この処理は、比較的大きな電流を消費し、そのため、モバイルデバイスなどのデバイスの電池寿命を縮める可能性がある。
【0014】
従来は、動作周波数毎にLO経路1つのみを使用している。しかし、バッファの全容量が必要でない、つまり、LO経路出力上で最大より低い利得が必要であるか、または最小値より高い雑音レベルが許容されるとしても、入力バッファ、出力バッファ、および分周器が最大電流を消費することがあるため、これは不効率であると言える。いくつかの構成において、LO経路は、平均消費電流をさらに低減するように分割される。これは、分割されていないLO経路を使用するのに比べて効率が高い場合があるが、分割されたLO経路のセグメント間に、特にLO経路セグメントの間の遷移またはLO経路セグメント上の信号の追加の際に、位相同期問題が発生することがある。言い換えると、LOセグメント内の分周器は予測困難な位相を持つ出力を最初に生成する可能性があるため、同じLO経路内の異なるセグメントは、望ましくない信号キャンセルを引き起こしうる異なる位相を有する。
【0015】
したがって、本システムおよび方法は、1つまたは複数の位相検出器がLOセグメント間の位相差を検出するために使用される、完全に分割されたLO経路を実装する。さらに、交差結合スイッチが、セグメントミキサーの入力または出力の極性を変化させるために使用される。分割されたLO経路は、電流低減および利得制御を可能にする。
【0016】
図1は、局部発振器(LO)経路112内の電流を低減するための受信器100を例示するブロック図である。受信器100は、ワイヤレス通信用に設計されたモバイルデバイスまたは基地局の一部とする。受信器100は、とりわけ、低雑音増幅器(LNA)102とVCO 108とLO経路112とを備える。LNA 102は、アンテナ104で受けたワイヤレス通信信号を受信する。LNA 102は、受信された信号を使用可能なレベルまで増幅し、無線周波(RF)信号106、つまり、送信された元の信号の一表現を生成する。VCO 108は、VCO 108の入力における直流(DC)電圧レベルに基づく周波数を持つVCO信号110を出力するデバイスである。LO経路112は、LNA 102からRF信号106を、またVCO 108からVCO信号110を受信し、1つまたは複数のバッファ、分周器、ミキサー、および加算器を使用してベースバンド信号114を生成する。ベースバンド信号114は、送信デバイス上のマイクロホンが受けた実際の再構成された音声、例えば、有声音声とすることができる。そこで、受信器100は、LO経路112を使用して、ベースバンド信号114を再構成する。
【0017】
図2は、LO経路212内の電流を低減するための送信器200を例示するブロック図である。送信器200は、図1に例示されている受信器100も備えうるモバイルデバイスの一部とすることができる。送信器200は、とりわけ、VCO 208とLO経路212と駆動増幅器216と電力増幅器218とを備える。LO経路212は、VCO信号210とベースバンド信号214(例えば、有声音声)とを受信し、1つまたは複数のバッファ、分周器、ミキサー、および加算器を使用してRF信号206を生成する。言い換えると、送信器200は、LO経路212を使用して送信されるべき変調された高周波RF信号206を生成する。RF信号206がアンテナ204を介して送信される前に、この信号は、駆動増幅器216、電力増幅器218、またはその両方によって増幅される。このように、送信器200は、LO経路212を使用して、送信のためRF信号206を構成する。
【0018】
図3は、LO経路312を例示するブロック図である。LO経路312は、平均消費電流を低減するために本システムおよび方法とともに使用できる。本明細書で使用されているように、「LO経路」という用語は、少なくとも1つの分周器318とミキサー322との組み合わせを指す。LO経路312は、入力バッファ316と出力バッファ320も備える。ほかにも機能はあるがとりわけ、LO経路312は、特定の振幅で、それぞれ、ベースバンド信号114またはRF信号206を生成するために受信器100または送信器200において使用される。一構成では、LO経路312は、単一の入力バッファ316と単一の分周器318と単一の出力バッファ320と単一のミキサー322とを備える。
【0019】
LO経路312が動作しているときに、入力バッファ316および分周器318は、フルサイズでオンにされる。LO経路出力324は、異なる状況には異なる利得を必要とする、例えば、基地局から遠く離れているモバイルデバイスに対しては高い利得、基地局に近い位置にあるモバイルデバイス、高い雑音、低い雑音などに対しては低い利得を必要とする。しかし、動作モード(高い利得、低い利得など)に関係なく、部分的な動作が必要である、例えば、振幅が最大であるかまたは雑音が最低である信号がLO経路出力324では必要でない場合でも、分周器318はフルパワーで動作する能力しか持ちえない。言い換えると、ルーティングが長距離である、基板損失が大きい、装荷静電容量が大きい、また動作周波数が高いことで、駆動増幅器216と分周器318とを備えるLO経路312は、大きな電流を消費する。このLO電流を低減することが望ましい。したがって、LO経路312は、より小さなセグメントに分割される。システム要件に応じて、LO経路312は、1つのまたは全部のセグメントがオンにされた状態のモードで作動する。その結果、LO経路312のセグメントによって消費される平均電流は低減される。
【0020】
図4は、いくつかのセグメントに部分的に分割されたLO経路412を例示するブロック図である。この構成では、LO経路412は、出力バッファ420とミキサー422とを分割し、1つの入力バッファ416と1つの分周器418とを使用する。言い換えると、出力バッファ420は、第1の出力バッファ420aと第2の出力バッファ420bとに分割される。同様に、ミキサー422は、第1のミキサー422aと第2のミキサー422bとに分割される。これにより、出力バッファ420とミキサー422の平均消費電流を低減できる。しかし、入力バッファ416および分周器418は、それでも、出力バッファ420およびミキサー422の一部のみが動作するように選択された場合に大電流を消費する、つまり、入力バッファ416および分周器418は、第1の出力バッファ420aおよび第1のミキサー422aまたは第2の出力バッファ420bおよび第2のミキサー422bのみが使用される場合に必要以上に大きな電流を消費する。したがって、図4に例示されているLO経路412は、図3に例示されているLO経路312に比べて効率が高くなるが、それでも、入力バッファ内では必要以上に大きな電流を消費する。
【0021】
図5は、いくつかのセグメントに完全に分割されたLO経路512を例示するブロック図である。言い換えると、図5に例示されているLO経路512は、図4の部分的に分割されたLO経路412のさらに詳しく例示されているものである。一構成では、LO経路512は、1つのマスター分周器518と複数のスレーブ分周器ユニット526a〜gとを備える。8個のスレーブ分周器ユニット526が例示されているが、本システムおよび方法は、特定の数のスレーブ分周器ユニット526に限定されない。マスター分周器518は、それぞれ、基準信号をそれぞれのスレーブ分周器ユニット526に出力する。マスター分周器518は、優れた位相雑音を持つ高い性能を必要としないものである。例えば、マスター分周器518は、マスタークロック位相を供給しながら節電する従来の低電力分周器である。それに加えて、スレーブ分周器ユニット526の1つは、マスター分周器518として活動し、それぞれのスレーブ分周器ユニット526に送られるべき基準信号を発生する。
【0022】
各電力制御装置528a〜gは、スレーブ分周器ユニット526の位相がマスター分周器518から出力される基準信号に同期するまでスレーブ分周器ユニット526を動作させるようにオンにする。デジタル(または電圧)制御発振器508(例えば、VCO 108)からの発振信号は、それぞれのスレーブ分周器ユニット526に入力され、各位相を基準信号に同期させるためにスレーブ分周器ユニット526によって使用される。それに加えて、利得スイッチング制御ユニット530は、LO経路512のセグメントのそれぞれに対して利得スイッチングを実行する。
【0023】
スレーブ分周器ユニット526がマスター分周器518からの基準信号に同期させられた後、各スレーブ分周器ユニット526は、各電力制御装置528を使用して遅延電源オンにされる。その後、マスター分周器518は、節電のため低電力状態に切り換えられる。次いで、例えば、同期したスレーブ分周器ユニット(複数可)526は、生成されたクロック信号を各ミキサーユニット522a〜gに出力する。生成されたクロック信号は、受信器100、送信器200、または他のモジュール内でさまざまな用途に使用される。
【0024】
それぞれの電源オンにされたスレーブ分周器ユニット526は、マスター分周器518によって生成される一定基準信号と同期するので(つまり、同位相になる)、それぞれのスレーブ分周器ユニット526が互いにも同位相になるという結果が得られる。
【0025】
図6は、いくつかのセグメントに完全に分割されたLO経路612を例示する別のブロック図である。この構成では、入力バッファ616、分周器618、出力バッファ620、およびミキサー622は、より小さなコンポーネントに分割される。言い換えると、それぞれのLO経路612セグメントは、完全に機能するLO経路612であり、入力バッファ616と分周器618と出力バッファ620とミキサー622と交差結合スイッチ(図示せず)とを備える。例えば、第1のセグメントは、第1の入力バッファ616aと第1の分周器618aと第1の出力バッファ620aと第1のミキサー622aとを備える。同様に、第2のセグメントは、第2の入力バッファ616bと第2の分周器618bと第2の出力バッファ620bと第2のミキサー622bとを備える。あるいは、LOは、2つより多いセグメントに分割される。分周器618のそれぞれは、同じ比による分周、例えば、25%、50%などによる分周が可能である。
【0026】
この完全に分割されたLO経路612は、LOがセグメントのいくつかのみを電源オンにし他のセグメントを電源オフにした状態で動作するため動作モードに入っているときに使用される平均LO電流を低減することができる。言い換えると、図5に例示されているマスター分周器518は、少なくとも一定期間、複数のセグメントのうちの1つのセグメントのみが必要な場合であってもフルパワーで動作する必要がある。対照的に、図6に例示されているLO経路612内の第2のセグメントが、特定の動作モードに対しては不要な場合、第2の分周器618bはまったく電源オンにされず、その結果、LO経路612内の平均電流が低減される。LO経路612内のそれぞれのセグメントは、異なる特性を有していてもよい。例えば、第1のセグメント内のコンポーネントは、LO経路612の合計サイズの2/3であってよく、第2のセグメント内のコンポーネントは、LO経路612の合計サイズの1/3であってよい。これらの比は、それぞれのセグメントの負荷(入力静電容量)および/またはそれぞれのセグメントの消費電流を大まかに近似する。セグメント出力(複数可)は加算され、LO経路出力624を生成する。したがって、1つまたは複数のセグメントが選択的にオンにされ、これにより所望のLO経路出力624を生成する。言い換えると、稼働セグメントの数は、利得、雑音、直線性などのシステム要件と動作環境のプロセス変動に応じて決定される。したがって、図6に例示されているLO経路612は、図5に例示されているLO経路512と図4に例示されているLO経路412と図3に例示されているLO経路312とに比べて平均消費電流を低減することができる。それに加えて、図5に例示されているマスター分周器518は、動作のセグメントを増減するときに分周器518の出力位相を変化させないために図6に例示されている分周器618に比べて比較的大きなものにする必要がある。
【0027】
LO経路612内の平均消費電流を低減することに加えて、完全に分割された構成は、同期問題も引き起す。第1の分周器618aは、第2の分周器618bと異なる位相で開始する。その結果、第1のミキサー622aの出力信号および第2のミキサー622bの出力信号が、意図せず互いにキャンセルし合う。これは、2つの状況において問題となる。第1に、例えば、動作モード要件が変化したためモバイルデバイスが第1のセグメントから第2のセグメントへ遷移しようとしている場合、モバイルデバイスは基地局に近づいており、より低い利得を必要とする。この状況では、第1のセグメントの位相は、遷移を通じて第2のセグメント内に維持されなければならない、つまり、LO位相は利得が変化するときに保持されていなければならない。しかし、第2のセグメントが開始するときに、初期位相は、予測しがたい。第2に、モバイルデバイスが第1のセグメントを使用しており、第2のセグメント追加する場合、第2のセグメントも第1のセグメントと同位相でなければならない。したがって、動作中に新しいセグメントに遷移するとき、または新しいセグメントの追加の際に位相を維持するために、分周器618a〜bは同期される。
【0028】
図7は、いくつかの同期されたセグメント732a〜nに完全に分割されたLO経路712を例示するブロック図である。LO経路712は、それぞれが入力バッファ716a〜nと分周器718a〜nと出力バッファ720a〜nとミキサー722a〜nとを備えるn個のセグメント732に分割される。VCO 708の出力は、VCOバッファ734によってバッファリングされ、次いで、セグメント732に供給されうる。それぞれのセグメント732は、所望の動作モードに応じて、個別に、または他のセグメント732と一緒に動作するように選択される。複数のセグメント732がオンになっている場合、動作しているセグメント732の出力が加算され、LO経路出力724を生成する。
【0029】
それに加えて、同期スイッチ736が分周器718の位相を同期し、セグメント732の間の遷移時に、または動作中にセグメント732を追加するときに、位相跳躍を回避するために使用される。スイッチ736は、複数の分周器718の内部ノードをリンクすることによって実装される。例えば、第1のスイッチ736aは、第1の分周器718aと第2の分周器718bの内部ノードをリンクする。同様に、第2のスイッチ736bは、第2の分周器718bと第nの分周器718nの内部ノードをリンクする。第1の分周器718baと第nの分周器718nの内部ノードをリンクする第3のスイッチ(図示せず)もある。内部ノードをリンクすることで、第2の分周器718bの位相が第1の分周器718aの位相と一致するように強制することができる。しかし、これらの同期スイッチ736は、分周器718に負荷を与える可能性がある。さらに、最高動作周波数が、スイッチ736に関係する寄生容量のせいで低下する可能性がある。
【0030】
図8は、いくつかの同期されたセグメント832に完全に分割されたLO経路812を例示する別のブロック図である。この構成では、セグメント832は、位相検出器838によって制御される交差結合スイッチ842を使用して同期される。それぞれのセグメント832a〜bは、VCO信号810を受信し、入力バッファ816a〜bと分周器818a〜bと出力バッファ820a〜bとミキサー822a〜bとを使用して、セグメント832の出力を生成する。前のように、それぞれのセグメント832は、1つまたは複数のセグメントがオンにされるモードで動作する。それぞれの動作しているセグメント832のセグメント出力が加算器846を使用して加算され、出力フィルタ849によりフィルタ処理されて、LO経路出力824、例えば、ベースバンド信号114を生成する。しかし、上述のように、セグメント出力は、同期が実行されていない場合に互いに位相外れになる可能性がある。
【0031】
LO経路セグメント832は同じ差分VCO信号810を使用して動作するため、2つのセグメント832に対する位相差は、180度または0度であり、ほかはない。2つのセグメント832が互いに位相外れである(つまり、位相差が180度である)場合、セグメント832出力は破壊的に加算され、不正なLO経路出力824が生じる。したがって、それぞれのLO経路セグメント832は、交差結合スイッチ842を備える。交差結合スイッチ842は、動作したときに、差分信号を反転するか、または差分信号を変化しないようにしておくことができるデバイスである。さらに、交差結合スイッチ842をオフにして何も通らないようにすることもできる。言い換えると、第1の交差結合スイッチ842aは、コマンドが送られたときに、ミキサー822の入力または出力、例えば、セグメント832の出力、RF信号806a〜b、出力バッファ820の出力などの極性を反転する。低周波信号(例えば、ベースバンド信号114)上の交差結合スイッチ842を備えると、その結果、性能が改善される。
【0032】
例示することを目的として、モバイルデバイスが第1のセグメント832aを使用しており、次いで第2のセグメント832bに遷移するか、または第2のセグメント832bを追加すると仮定する。前のように、LO経路812は、多数のセグメント832を備え、これらの組み合わせが一緒に使用される、つまり、動作中にセグメント832の1つはまたは複数がオンにされる。電源オンにする第1のセグメント832aは、本明細書では、「マスター」セグメント832aと称される、つまり、後続のスレーブセグメント832bが同期しなければならないセグメント832aである。その後、第2のセグメント832bがオンにされると(つまり、すでに電源オンにされているマスターセグメント832aに同期しなければならない位相を持つスレーブセグメント832b)、マスターセグメント832aおよびスレーブセグメント832bのLO信号の相対位相は、位相検出器838によって測定する。マスターセグメント832aおよびスレーブセグメント832b内のLO信号が同位相である場合、スレーブセグメント832bのLO信号の極性はそのまま変化なしである。そうでなければ、位相差が180度である場合、スレーブセグメント832bの極性は、ミキサー822bの後の第2の交差結合スイッチ842bによってフリップされる。位相検出器838は、同位相成分(I)または直角成分(Q)またはその両方を入力として使用して、スレーブセグメント832bの出力とマスターセグメント832aの出力との位相差を測定する。IとQの両方が、同時に制御されうる。位相検出器838の一例は、排他的OR(XOR)論理ゲートまたはXOR関数である。ローパスフィルタ(LPF)848は、位相検出器838の出力上の雑音を減衰させる。
【0033】
位相検出器838の出力とシステムからの制御信号844、例えば、モバイルデバイスまたは他のデバイス上のプロセッサから送られた利得制御または電流節約情報とに基づき交差結合スイッチ842を制御するために、交差結合スイッチ制御モジュール840が使用される。制御モジュール840は、システムレベルで、局所状態機械によって、または局所静的論理ゲートを使用して実装される。例えば、制御モジュール840は、位相差がない場合にはスレーブセグメント832bを変更しないか(「THROUGH」)、または位相差がある場合にはスレーブセグメント832bの極性を反転する(「CROSS_COUPLE」)ことができる。以下に制御アルゴリズム例が示されている。
【数1】
【0034】
マスターセグメント842に対応する交差結合スイッチ842は、セグメント832がオンである限りオフにすることはできない。したがって、交差結合スイッチ842をオフにすると、制御モジュール840は、まず最初に、交差結合スイッチ842がマスターセグメント842に対応しているかどうかをチェックする。そうした場合、制御モジュール840は、交差結合スイッチ842をオフにする前に別のセグメント832をマスターセグメントとして指定する。しかし、オフにされるべき交差結合スイッチ842がオンである唯一のセグメント832に対応している場合、マスターセグメントとして指定できる他のセグメント832はない。
【0035】
図9は、LO経路812内の平均消費電流を低減するための方法900を例示する流れ図である。方法900は、図1に示されているような受信器100、図2に示されているような送信器200、または他のモジュール内のLO経路812において実行される。上の説明と同様に、第1の分周器818aは、マスター分周器818aと称され、第2の分周器818bは、スレーブ分周器818bと称されるが、多くの異なる組み合わせも可能であり、例えば、LO経路812内の2つより多いセグメント832が複数のスレーブ分周器818bを備える。マスター分周器818aおよびスレーブ分周器818bは、LO信号を受信する(950)。第1のミキサー822aは、マスター分周器818aからの出力と入力信号とを混合(952)して第1の混合出力を生成する。例えば、第1のミキサー822aは、マスター分周器818aの出力と受信器100内のRF信号806aとを混合(952)してベースバンド信号114を生成する。あるいは、第1のミキサー822aは、マスター分周器818aの出力と送信器200内のベースバンド信号214とを混合(952)してRF信号206を生成する。第2のミキサー822bは、スレーブ分周器818bからの出力と入力信号とを混合(954)して第2の混合出力を生成する。例えば、第2のミキサー822bは、スレーブ分周器818bの出力と受信器100内のRF信号806bとを混合(954)してベースバンド信号114を生成する。あるいは、第2のミキサー822bは、スレーブ分周器818bの出力と送信器200内のベースバンド信号214とを混合(954)してRF信号206を生成する。ミキサー822は、受信器100または送信器200内の変調/復調プロセスの一部である。
【0036】
第2の混合出力は、第1の混合出力と同位相になるように強制される(956)。この強制956は、制御モジュール840によって制御される交差結合スイッチ842により実行される。交差結合スイッチ842は、ミキサー822の入力または出力のどれかに配置される。制御モジュール840は、異なるセグメント832内の信号同士の位相差を検出するように設計されている位相検出器838から入力を受け取る。加算器846は、第1の混合出力と第2の混合出力とを加算する(958)。言い換えると、第1のセグメント832aおよび第2のセグメント832bの同期出力が加算され(958)、LO経路出力824を生成する。第1の混合出力が第2の混合出力と同位相になるように強制する(956)ことによって、2つのセグメント832の出力は、意図せずに破壊的に足し合わされることがなくなる。
【0037】
上述の図9の方法900は、図10に例示されている手段+機能ブロック1000に対応するさまざまなハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネント(複数可)および/またはモジュール(複数可)によって実行される。言い換えると、図9に例示されている950から958までのブロックは、図10に例示されている1050から1058までの手段+機能ブロックに対応している。
【0038】
図11は、いくつかの同期されたセグメント1132a〜bに完全に分割されたLO経路1112を例示する別のブロック図である。図11に例示されている入力バッファ1116a〜b、分周器1118a〜b、出力バッファ1120a〜b、ミキサー1122a〜b、加算器1146、ローパスフィルタ1148、出力フィルタ1149、位相検出器1138、制御モジュール1140、およびVCO信号1110は、図8に例示されている入力バッファ816a〜b、分周器818a〜b、出力バッファ820a〜b、ミキサー822a〜b、加算器846、ローパスフィルタ848、出力フィルタ849、位相検出器838、制御モジュール840、およびVCO信号810と似た動作をする。しかし、この構成では、交差結合スイッチ1142a〜bは、受信器100に対してはRF信号1106a〜b、または送信器200内のミキサー1122に入力されるベースバンド信号214上のものである。言い換えると、極性は、仮にそうだとしても、ミキサー1122へのRF入力経路上で切り換えられる。これは、LO経路出力1124の雑音性能を潜在的に低下させる。
【0039】
図12は、いくつかの同期されたセグメント1232a〜bに完全に分割されたLO経路1212を例示する別のブロック図である。図12に例示されている入力バッファ1216a〜b、分周器1218a〜b、出力バッファ1220a〜b、ミキサー1222a〜b、RF信号1206a〜b、加算器1246、ローパスフィルタ1248、出力フィルタ1249、位相検出器1238、制御モジュール1240、およびVCO信号1210は、図8に例示されている入力バッファ816a〜b、分周器818a〜b、出力バッファ820a〜b、ミキサー822a〜b、RF信号806a〜b、加算器846、ローパスフィルタ848、出力フィルタ849、位相検出器838、制御モジュール840、およびVCO信号810と似た動作をする。しかし、この構成では、交差結合スイッチ1242a〜bは、出力バッファ1220または分周器1218の後のLO経路1212上にある。言い換えると、極性は、仮にそうだとしても、ミキサー1222へのLO入力上で切り換えられうる。これは、LO経路出力1224における位相雑音を潜在的に低下させる。さらに、LO経路1212は、位相検出器1138が交差結合スイッチ1142の前にある以前の構成とは反対に交差結合スイッチ1242の後に位相検出器1238を備える。
【0040】
図13は、2つの完全に分割されたLO経路セグメント832を同期するための方法1300の流れ図である。方法1300は、制御モジュール840によって実行される。制御モジュール840は、オンにされているマスター分周器818aを決定する(1362)。上述のように、マスター分周器818aは、その後オンにされる他の分周器818と一致しなければならない位相を持つパワーオン分周器であり、つまり、マスター分周器818aはオンにする最初の分周器である。制御モジュール840は、オンにされるべきスレーブ分周器818bを決定する(1366)。LO経路812の構成および所望の動作モードに応じて複数のスレーブ分周器818bがある。制御モジュール840は、マスター分周器818aの出力とスレーブ分周器818bの出力との位相差を決定する(1368)。これは、位相検出器838を使用することも含んでよい。位相検出器838は、マスター分周器818aの出力または出力バッファ820aの出力のところでマスター分周器818aの位相を測定する。同様に、位相検出器838は、スレーブ分周器818bの出力または出力バッファ820bの出力のところでスレーブ分周器818bの位相を測定する。制御モジュール840は、位相差が180度に近い場合に、交差結合スイッチ842bを使用してスレーブ分周器818bからの出力の位相を反転する(1370)。位相差は、誤差を5度として180度または0度である、例えば、175〜185度または355〜5度である。したがって、マスター分周器818aから位相外れになっている180度に近いスレーブ分周器818bの極性を反転する(1370)ことで、セグメント832の位相を同期させることができる。
【0041】
上述の図13の方法1300は、図14に例示されている手段+機能ブロック1400に対応するさまざまなハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネント(複数可)および/またはモジュール(複数可)によって実行される。言い換えると、図13に例示されている1362から1370までのブロックは、図14に例示されている1462から1470までの手段+機能ブロックに対応している。
【0042】
図15は、ワイヤレスデバイス1501内に収容されるいくつかのコンポーネントを例示している。ワイヤレスデバイス1501は、モバイルデバイスまたは基地局である。特に、ワイヤレスデバイス1501は、LO経路812が複数のセグメントに完全に分割されている、図1に例示されているような受信器100および/または図2に例示されている送信器200を備えるモバイルデバイスである。
【0043】
ワイヤレスデバイス1501は、プロセッサ1503を備える。プロセッサ1503は、汎用のシングルチップマイクロプロセッサもしくはマルチチップマイクロプロセッサ(例えば、ARM)、専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP))、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイなどとすることができる。プロセッサ1503は、中央演算処理装置(CPU)と称することができる。図15のワイヤレスデバイス1501には単一のプロセッサ1503だけが示されているけれども、代替的構成では、複数のプロセッサの組み合わせ(例えば、ARMとDSP)も使用することが可能である。
【0044】
ワイヤレスデバイス1501は、メモリ1505も備える。メモリ1505は、電子情報を格納する機能を有するのであればどのような電子コンポーネントでもよい。メモリ1505は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、磁気ディスク記憶媒体、光学式記憶媒体、RAM内のフラッシュメモリデバイス、プロセッサに搭載されたオンボードメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタなどとして、これらの組み合わせを含めて、具現化される。
【0045】
データ1507および命令1509は、メモリ1505内に格納する。命令1509は本明細書で開示されている方法を実装するためにプロセッサ1503によって実行可能である。命令1509を実行することは、メモリ1505内に格納されているデータ1507の使用を伴う。
【0046】
ワイヤレスデバイス1501は、ワイヤレスデバイス1501とリモートロケーションとの間の信号の送信と受信とを可能にする送信器1511と受信器1513とを備える。送信器1511および受信器1513は、トランシーバ1515と総称される。アンテナ1517は、トランシーバ1515に電気的に結合される。ワイヤレスデバイス1501は、複数の送信器、複数の受信器、複数のトランシーバ、および/または複数のアンテナを備える(図示せず)。
【0047】
電源バス、制御信号バス、ステータス信号バス、データバスなどを含み、1つまたは複数のバスによってワイヤレスデバイス1501のさまざまなコンポーネントが1つに結合される。わかりやすくするために、さまざまなバスは、図15ではバスシステム1519として示されている。
【0048】
上記の説明では、参照番号がときにはさまざまな用語に関連して使用されている。参照番号に関連して用語が使用されている場合、これはいくつもの図のうちの1つまたは複数に示されている特定の要素を参照することが意図されている。用語が参照番号なしで使用されている場合、これは特定の図に限定することなく一般的に用語を参照することが意図されている。
【0049】
「決定すること」という言い回しは、さまざまなアクションを包含しており、したがって、「決定すること」は、計算すること、コンピューティング、処理すること、導出すること、調査すること、検索すること(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造体で検索すること)、確認すること、および同様のアクションを含む。また、「決定すること」は、受信する(受け取る)こと(例えば、情報を受信する(受け取る)こと)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)、および同様なアクションを含む。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、確定すること、および同様のアクションを含む。
【0050】
「に基づく」という言い回しは、特に断りのない限り、「にのみ基づく」を意味しない。言い換えると、「に基づく」という言い回しは、「にのみ基づく」と「に少なくとも基づく」の両方を記述するものである。
【0051】
「プロセッサ」という用語は、汎用プロセッサ、中央演算処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、状態機械などを包含するように広い意味で解釈されなければならない。状況によっては、「プロセッサ」は、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを指すものである。「プロセッサ」という用語は、処理デバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連係する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または他のそのような構成を指すものである。
【0052】
「メモリ」という用語は、電子情報を格納する機能を有するどのような電子コンポーネントをも包含するように広い意味で解釈されなければならない。「メモリ」という用語は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気または光データ記憶装置、レジスタなどのさまざまな種類のプロセッサ可読媒体を指すものである。メモリは、プロセッサがメモリから情報を読み込み、および/またはメモリに情報を書き込むことができる場合にプロセッサと電子的通信を行っていると言われる。プロセッサと一体になっているメモリは、プロセッサと電子的通信を行っている。
【0053】
「命令」および「コード」という用語は、あらゆる種類のコンピュータ可読ステートメント(複数可)を含むように広い意味で解釈されなければならない。例えば、「命令」および「コード」という用語は、1つまたは複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、プロシージャなどを指すものである。「命令」および「コード」は、単一のコンピュータ可読ステートメントまたは多数のコンピュータ可読ステートメントを含む。
【0054】
本明細書で説明されている関数は、コンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令として格納されうる。「コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータによってアクセスできる利用可能な媒体であればどのような媒体も指すものでもよい。例えば、限定はしないが、コンピュータ可読媒体として、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、または他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造体の形態で所望のプログラムコードを搬送または格納するために使用することができ、またコンピュータによってアクセスできる他の媒体が挙げられる。本明細書で使用されているような、「Disk」と「Disc」(両方とも日本語ではディスク)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびBlu−ray(登録商標)ディスクを含み、「Disk」は通常磁気的にデータを再現し、「Disc」はレーザーを使って光学的にデータを再現する。
【0055】
ソフトウェアまたは命令は、伝送媒体上で送信することもできる。例えば、ソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア線、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、ラジオ、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用してウェブサイト、サーバー、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア線、DSL、または赤外線、ラジオ、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、伝送媒体の定義に含まれる。
【0056】
本明細書で説明されている方法は、説明されている方法を実現するための1つまたは複数のステップもしくはアクションを含む。方法ステップおよび/またはアクションは、請求項の範囲から逸脱することなく互いに入れ換えて使用できる。言い換えると、説明されている方法の適切な運用にステップまたはアクションの特定の順序が必要でない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、請求項の範囲から逸脱することなく修正されうる。
【0057】
さらに、図9および13で例示されているような、本明細書で説明されている方法と技術とを実行するためのモジュールおよび/または他の適切な手段は、デバイスによってダウンロードされ、および/またはデバイスによって他の何らかの方法で取得されうることは理解されるであろう。例えば、デバイスは、本明細書で説明されている方法を実行するための手段の転送を円滑に行えるようにするためにサーバーに結合されうる。あるいは、本明細書で説明されているさまざま方法は、記憶手段(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクなどの物理的記憶媒体など)を介して提供されるものとしてよく、これにより、デバイスは記憶手段をデバイスに結合もしくは提供した後さまざまな方法を取得することができる。さらに、本明細書で説明されている方法と技術とをデバイスに提供するための他の好適な技術も利用することができる。
【0058】
請求項は、上に例示されている正確な構成とコンポーネントとに限定されないことは理解されるであろう。さまざまな修正、変更、および変形が、請求項の範囲から逸脱することなく本明細書で説明されているシステムと方法と装置の配置構成と動作と詳細とに施されうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局部発振器(LO)経路内の平均消費電流を低減するための方法であって、
マスター分周器とスレーブ分周器とでLO信号を受信することと、
前記マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成することと、
前記スレーブ分周器からの出力と前記入力信号とを混合して第2の混合出力を生成することと、
前記第2の混合出力を前記第1の混合出力と同位相になるように強制することとを備える方法。
【請求項2】
前記強制することは、
前記マスター分周器からの出力と前記スレーブ分周器からの出力との位相差を決定することと、
位相差がある場合に交差結合スイッチを使用して前記スレーブ分周器の前記位相を反転することとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反転することは前記スレーブ分周器からの前記出力を反転することを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記反転することは前記第2の混合出力を反転することを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記反転することは、前記入力信号を、前記スレーブ分周器からの前記出力と混合される前に反転することを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の混合出力と前記第2の混合出力とを加算することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記入力信号は、無線周波信号であり、前記第1の混合出力および前記第2の混合出力はベースバンド信号である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記入力信号は、ベースバンド信号であり、前記第1の混合出力および前記第2の混合出力は無線周波信号である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記局部発振器(LO)信号は、電圧制御発振器(VCO)によって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記マスター分周器からの前記出力は、第1の出力バッファによってバッファリングされており、前記スレーブ分周器からの前記出力は、第2の出力バッファによってバッファリングされている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記スレーブ分周器は、前記局部発振器(LO)経路に対する利得要求の変化に応じて電源が入る、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
完全に分割された局部発振器(LO)経路であって、
マスター分周器とLO信号を受信するように構成されているスレーブ分周器と、
前記マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成するように構成されている第1のミキサーと、
前記スレーブ分周器からの出力と前記入力信号とを混合して第2の混合出力を生成するように構成されている第2のミキサーと、
前記第2の混合出力を前記第1の混合出力と同位相になるように強制するように構成されている制御モジュールとを備える、局部発振器(LO)経路。
【請求項13】
前記マスター分周器からの出力と前記スレーブ分周器からの出力との位相差を決定するように構成されている位相検出器と、
位相差がある場合に前記スレーブ分周器の前記位相を反転するように構成されている交差結合スイッチとをさらに備える、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項14】
前記交差結合スイッチは、前記スレーブ分周器からの前記出力を反転するようにさらに構成される、請求項13に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項15】
前記交差結合スイッチは、前記第2の混合出力を反転するようにさらに構成される、請求項13に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項16】
前記交差結合スイッチは、前記入力信号を、前記スレーブ分周器からの前記出力と混合される前に反転するようにさらに構成される、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項17】
前記第1の混合出力と前記第2の混合出力とを加算するように構成されている加算器をさらに備える、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項18】
前記入力信号は、無線周波信号であり、前記第1の混合出力および前記第2の混合出力はベースバンド信号である、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項19】
前記入力信号は、ベースバンド信号であり、前記第1の混合出力および前記第2の混合出力は、無線周波信号である、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項20】
前記LO信号を生成するように構成されている電圧制御発振器(VCO)をさらに備える、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項21】
前記マスター分周器からの前記出力をバッファリングするように構成されている第1の出力バッファと前記スレーブ分周器からの前記出力をバッファリングするように構成されている第2の出力バッファとをさらに備える、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項22】
前記スレーブ分周器は、前記LO経路に対する利得要求の変化に応じて電源が入る、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項23】
完全に分割された局部発振器(LO)経路であって、
マスター分周器とスレーブ分周器とでLO信号を受信するための手段と、
前記マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成するための手段と、
前記スレーブ分周器からの出力と前記入力信号とを混合して第2の混合出力を生成するための手段と、
前記第2の混合出力を前記第1の混合出力と同位相になるように強制するための手段とを備える局部発振器(LO)経路。
【請求項24】
前記マスター分周器からの出力と前記スレーブ分周器からの出力との位相差を決定するための手段と、
位相差がある場合に交差結合スイッチを使用して前記スレーブ分周器の前記位相を反転するための手段とをさらに備える、請求項23に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項25】
反転するための前記手段は前記スレーブ分周器からの前記出力を反転するための手段を備える、請求項24に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項26】
反転するための前記手段は前記第2の混合出力を反転するための手段を備える、請求項24に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項27】
反転するための前記手段は、前記入力信号を、前記スレーブ分周器からの前記出力と混合される前に反転するための手段を備える、請求項24に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項28】
前記スレーブ分周器は前記LO経路に対する利得要求の変化に応じて電源が入る、請求項23に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項29】
コンピュータ実行可能命令で符号化されたコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令の実行は、
マスター分周器とスレーブ分周器とでLO信号を受信することと、
前記マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成することと、
前記スレーブ分周器からの出力と前記入力信号とを混合して第2の混合出力を生成することと、
前記第2の混合出力を前記第1の混合出力と同位相になるように強制することとを行うためであるコンピュータ可読媒体。
【請求項30】
前記マスター分周器からの出力と前記スレーブ分周器からの出力との位相差を決定し、
位相差がある場合に交差結合スイッチを使用して前記スレーブ分周器の前記位相を反転するためのコンピュータ実行可能命令をさらに備える、請求項29に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項31】
反転するための前記命令は、前記スレーブ分周器からの前記出力を反転するための命令を備える、請求項29に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項32】
反転するための前記命令は、前記第2の混合出力を反転するための命令を備える、請求項29に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項33】
反転するための前記命令は、前記入力信号を、前記スレーブ分周器からの前記出力と混合される前に反転するための命令を備える、請求項29に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項34】
前記スレーブ分周器は、前記LO経路に対する利得要求の変化に応じて電源が入る、請求項29に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項1】
局部発振器(LO)経路内の平均消費電流を低減するための方法であって、
マスター分周器とスレーブ分周器とでLO信号を受信することと、
前記マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成することと、
前記スレーブ分周器からの出力と前記入力信号とを混合して第2の混合出力を生成することと、
前記第2の混合出力を前記第1の混合出力と同位相になるように強制することとを備える方法。
【請求項2】
前記強制することは、
前記マスター分周器からの出力と前記スレーブ分周器からの出力との位相差を決定することと、
位相差がある場合に交差結合スイッチを使用して前記スレーブ分周器の前記位相を反転することとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反転することは前記スレーブ分周器からの前記出力を反転することを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記反転することは前記第2の混合出力を反転することを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記反転することは、前記入力信号を、前記スレーブ分周器からの前記出力と混合される前に反転することを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の混合出力と前記第2の混合出力とを加算することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記入力信号は、無線周波信号であり、前記第1の混合出力および前記第2の混合出力はベースバンド信号である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記入力信号は、ベースバンド信号であり、前記第1の混合出力および前記第2の混合出力は無線周波信号である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記局部発振器(LO)信号は、電圧制御発振器(VCO)によって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記マスター分周器からの前記出力は、第1の出力バッファによってバッファリングされており、前記スレーブ分周器からの前記出力は、第2の出力バッファによってバッファリングされている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記スレーブ分周器は、前記局部発振器(LO)経路に対する利得要求の変化に応じて電源が入る、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
完全に分割された局部発振器(LO)経路であって、
マスター分周器とLO信号を受信するように構成されているスレーブ分周器と、
前記マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成するように構成されている第1のミキサーと、
前記スレーブ分周器からの出力と前記入力信号とを混合して第2の混合出力を生成するように構成されている第2のミキサーと、
前記第2の混合出力を前記第1の混合出力と同位相になるように強制するように構成されている制御モジュールとを備える、局部発振器(LO)経路。
【請求項13】
前記マスター分周器からの出力と前記スレーブ分周器からの出力との位相差を決定するように構成されている位相検出器と、
位相差がある場合に前記スレーブ分周器の前記位相を反転するように構成されている交差結合スイッチとをさらに備える、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項14】
前記交差結合スイッチは、前記スレーブ分周器からの前記出力を反転するようにさらに構成される、請求項13に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項15】
前記交差結合スイッチは、前記第2の混合出力を反転するようにさらに構成される、請求項13に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項16】
前記交差結合スイッチは、前記入力信号を、前記スレーブ分周器からの前記出力と混合される前に反転するようにさらに構成される、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項17】
前記第1の混合出力と前記第2の混合出力とを加算するように構成されている加算器をさらに備える、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項18】
前記入力信号は、無線周波信号であり、前記第1の混合出力および前記第2の混合出力はベースバンド信号である、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項19】
前記入力信号は、ベースバンド信号であり、前記第1の混合出力および前記第2の混合出力は、無線周波信号である、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項20】
前記LO信号を生成するように構成されている電圧制御発振器(VCO)をさらに備える、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項21】
前記マスター分周器からの前記出力をバッファリングするように構成されている第1の出力バッファと前記スレーブ分周器からの前記出力をバッファリングするように構成されている第2の出力バッファとをさらに備える、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項22】
前記スレーブ分周器は、前記LO経路に対する利得要求の変化に応じて電源が入る、請求項12に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項23】
完全に分割された局部発振器(LO)経路であって、
マスター分周器とスレーブ分周器とでLO信号を受信するための手段と、
前記マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成するための手段と、
前記スレーブ分周器からの出力と前記入力信号とを混合して第2の混合出力を生成するための手段と、
前記第2の混合出力を前記第1の混合出力と同位相になるように強制するための手段とを備える局部発振器(LO)経路。
【請求項24】
前記マスター分周器からの出力と前記スレーブ分周器からの出力との位相差を決定するための手段と、
位相差がある場合に交差結合スイッチを使用して前記スレーブ分周器の前記位相を反転するための手段とをさらに備える、請求項23に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項25】
反転するための前記手段は前記スレーブ分周器からの前記出力を反転するための手段を備える、請求項24に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項26】
反転するための前記手段は前記第2の混合出力を反転するための手段を備える、請求項24に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項27】
反転するための前記手段は、前記入力信号を、前記スレーブ分周器からの前記出力と混合される前に反転するための手段を備える、請求項24に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項28】
前記スレーブ分周器は前記LO経路に対する利得要求の変化に応じて電源が入る、請求項23に記載の局部発振器(LO)経路。
【請求項29】
コンピュータ実行可能命令で符号化されたコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令の実行は、
マスター分周器とスレーブ分周器とでLO信号を受信することと、
前記マスター分周器からの出力と入力信号とを混合して第1の混合出力を生成することと、
前記スレーブ分周器からの出力と前記入力信号とを混合して第2の混合出力を生成することと、
前記第2の混合出力を前記第1の混合出力と同位相になるように強制することとを行うためであるコンピュータ可読媒体。
【請求項30】
前記マスター分周器からの出力と前記スレーブ分周器からの出力との位相差を決定し、
位相差がある場合に交差結合スイッチを使用して前記スレーブ分周器の前記位相を反転するためのコンピュータ実行可能命令をさらに備える、請求項29に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項31】
反転するための前記命令は、前記スレーブ分周器からの前記出力を反転するための命令を備える、請求項29に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項32】
反転するための前記命令は、前記第2の混合出力を反転するための命令を備える、請求項29に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項33】
反転するための前記命令は、前記入力信号を、前記スレーブ分周器からの前記出力と混合される前に反転するための命令を備える、請求項29に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項34】
前記スレーブ分周器は、前記LO経路に対する利得要求の変化に応じて電源が入る、請求項29に記載のコンピュータ可読媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2012−533942(P2012−533942A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520800(P2012−520800)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/042193
【国際公開番号】WO2011/009001
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/042193
【国際公開番号】WO2011/009001
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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