説明

居眠り運転防止装置

【課題】快適かつ十分な覚醒効果を運転者に的確に呈示することで運転者の覚醒度を促進させ、居眠り運転の防止効果を高めることを課題とする。
【解決手段】運転者に能動的な刺激をもたらし、かつ運転者に受動的な刺激となる冷風を呈示するエアコン103を作動させる運転者の左脚部の動作をセンサ101で検出し、このセンサ101で検出された運転者の動作がエアコン103を作動させる作動行為であるか否かを制御装置102で判定し、判定の結果作動行為である場合には、制御装置102の制御の下にエアコン103を作動させ、運転者に受動的な刺激の冷風を呈示し、かつ能動的な刺激となる左脚部の動作をもたらしめ、運転者を覚醒させて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転者、船舶の操縦者、プラントや機械装置等のオペレータなどの居眠り状態を検出し、居眠り状態を検出した場合には覚醒を促して居眠り運転を防止する居眠り運転防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては、例えば以下に示す文献に記載されたものが知られている(特許文献1参照)。この文献に記載された技術では、運転者の覚醒度の低下が時間の経過に伴って変化する事実に基づき、心拍数データによる運転者の覚醒状態の判定と操舵角データによる運転者の覚醒度の判定とを相互に関連付けて行うことで、覚醒度の低下予兆後も車両の運転が継続されるような場合でも、きめ細かな覚醒度の判定を行い、運転者の覚醒度に応じて聴覚刺激、視覚刺激など受動的な刺激(警報)を呈示することで、運転中の覚醒度を維持するようにしている。このような技術を採用することで、運転者の個人差等に影響を受けることなく、覚醒度の低下に応じた居眠り防止の警報を段階的に発することができる。
【特許文献1】特開平6−197888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来の技術では、運転者の覚醒度がやや低下した状態、即ち眠気を自覚し始めた時や、その眠気と葛藤している時の覚醒度レベルでは、受動的な刺激呈示の受容性が低いという問題があった。それは、運転者の覚醒度がやや低下した覚醒度レベルを検出して、音量や音質を変えた警報音を呈示しても、その覚醒度レベルでは運転者自身が眠いことをある程度自覚しているために、警報を呈示することにさほど意味はないと推測される場合もある。
【0004】
また、この覚醒度レベルにおいて十分な覚醒効果が得られる刺激を呈示すると、運転者は煩わしく感じても、有難いと感じることは少ないものと推測される。このような懸念により、上記従来技術では、居眠り運転防止の警報を運転者に効果的に呈示していないおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、快適かつ十分な覚醒効果を運転者に的確に呈示することで運転者の覚醒度を促進させ、居眠り運転の防止効果を高めた居眠り運転防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、運転者に受動的な刺激を呈示する受動刺激呈示手段と、運転者に能動的な刺激をもたらし、かつ前記受動刺激呈示手段を作動させる運転者の所定の体の動作を含む運転者の動作を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された運転者の動作が前記受動刺激呈示手段を作動させる作動行為であるか否かを判定し、判定の結果作動行為である場合には、前記受動刺激呈示手段を作動させ、運転者に受動的な刺激を呈示し、かつ能動的な刺激をもたらしめ、運転者を覚醒させる制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、運転中の眠気を解消する受動的な刺激を得る際に、眠気を解消するのに適した体の動きを要求することで、体を動かす能動的な刺激と、体を動かした結果もたらされる受動的な刺激の相乗作用により、快適でかつ十分な覚醒効果を得ることができる。これにより、居眠り運転の防止効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
本発明の居眠り運転防止装置は、運転中の運転者の眠気を快適に解消する受動刺激呈示手段により呈示される受動的な刺激(エアコンによる冷風、香り、高濃度酸素空気、リズミカルな音楽、振動など)を運転者が欲して受動刺激呈示手段を作動させる際に、眠気を解消するのに適した運転者の体の動き(脚部、腕部の動き)を要求することで、運転者自ら能動的な刺激(体の動き)を得るシステム構成とし、このような構成を採用することで、運転者の体を動かす能動的な刺激と、体を動かした結果もたらされる受動的な刺激の相乗作用により、快適で、且つ十分な覚醒効果を運転者にもたらすことができる装置である。以下、この装置を実施例1〜実施例7の順に説明する。なお、実施例1〜実施例7に係わる図1〜図24において、同符号が付与されて記載された構成要素は同一機能を有するものである。
【0010】
図1〜図3は本発明の実施例1に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。この実施例1では、図1〜図3に示すように、上記受動刺激呈示手段をオートエアコンシステム(エアコン)103とし、運転者に能動的な刺激をもたらし、受動刺激呈示手段を作動させる運転者の所定の体の動きを左脚部の踏み込み運動としたものであり、運転者の脚部動作を検出する検出手段として機能し脚部の動きを検出するセンサ101と、制御装置102を備えて構成されている。
【0011】
センサ101は、例えば図1に示す例ではフットレスト104の踏み込み面に取り付けられ、図2に示す例では運転者の座席シート105における脚部の上部が当接する部分に取り付けられ、図3に示す例では座席シート105の背もたれの部分に取り付けられ、それぞれ運転者の左脚部の踏み込み動作を検出し、得られた検出信号を制御装置102に与える。
【0012】
制御装置102は、本装置の動作を制御する制御中枢として機能し、プログラムに基づいて各種動作処理を制御するコンピュータに必要な、CPU、記憶装置、入出力装置等の資源を備えた例えばマイクロコンピュータ等により実現される。制御装置102は、上記センサ101からの検出信号を読み込み、読み込んだ信号ならびに予め内部に保有する制御ロジック(プログラム)に基づいて、受動刺激呈示手段に指令を送り、以下に説明する運転者に刺激を呈示して運転者の覚醒作用を制御する際に必要なすべての動作を統括管理して制御する。
【0013】
制御装置102は、センサ101で得られた検出信号に基づいて、脚部の動きが予め設定された所定の動きであるか否かを判定する判定手段として機能する判定回路(図示せず)と、エアコン103のコントローラにオートエアコンの動作を制御する制御信号を送る制御信号送信回路(図示せず)を備えている。
【0014】
次に、図4のフローチャートを参照して、この実施例1における所定の体の動きの誘導と、受動刺激呈示の動作の流れを説明する。
【0015】
図4において、まず、センサ101で検出された検出信号に基づいて、予め設定された所定値A以上の踏み込み力が、予め設定された所定時間T1以上継続したか否かを判定する(ステップS401)。この判定基準値となる上記所定値Aと所定時間T1とは、筋肉には速筋と遅筋という2種類の筋肉があり、このうち遅筋は身体のバランスや動きをコントロールするための多くの神経が脳とつながっており、下半身に多い遅筋の収縮が強い刺激となって脳に伝わるので脳の活性化が効果的に促進できるという知見に基づいて決定している。
【0016】
判定の結果、運転者が乗車中に軽い(上記受動刺激を欲する程度の)眠気を感じ、快適な受動刺激を欲した時に、システムが要求する所定の体の動き、この実施例1では、図5(a)に示すように左脚部の筋肉501に力を入れ、フットレスト104を踏み続ける動き502が行われ、上記判定基準が満足された場合は、続いてエアコン103が既に作動状態にあるか否かを判定する(ステップS402)。これは、覚醒効果を狙った受動刺激として一時的に、エアコン103の制御に介入するが、その後介入前の状態に戻すための判定である。
【0017】
判定の結果、エアコン103がOFFの状態であると判定された場合は、エアコン103をONにし(ステップS403)、エアコン103が既にONの状態であると判定された場合は、エアコン使用フラグを立てる(ステップS404)。その後、エアコン103の動作を予め設定されたウォームアップモードのレベル1に切り替える(ステップS405)。
【0018】
ウォームアップモードのレベル1は、図5(b)に示すように、例えばエアコン103による送風503の吹き出し口をベンチレーターとし、設定温度を下げて冷風とし、風量が介入前より強く設定されている。
【0019】
図4に戻って、その後エアコン103の冷風による受動刺激の呈示時間を管理するタイマーをスタートさせ(ステップS406)、タイマーにより計測された時間が予め設定された所定の呈示時間に達したか否かを判定する(ステップS407)。判定の結果、所定の呈示時間が経過したと判定された場合は、タイマーをストップしてリセットする(ステップS409)。その後、エアコン使用フラグが立っているか否かを判定し(ステップS410)、エアコン使用フラグが立っていない場合は、エアコン103をOFFの状態に戻し(ステップS411)、エアコン使用フラグが立っている場合には、エアコン103をエアコン使用フラグを立てる前の動作モードに戻した後(ステップS412)、エアコン使用フラグを下ろし(ステップS413)、最初のステップS401に戻り一連の処理を繰り返し実行する。
【0020】
一方、先のステップS407における判定の結果、所定の呈示時間が経過していないと判定された場合には、次いで図5(a)に示す筋肉501で踏み続ける動き502により生じる(検出される)踏み込み力よりも更に強い踏み込み力(図6(a)に示す筋肉601で踏み続ける動作602により生じる)で踏み込みが行われ、この踏み込みは、予め設定された所定値B以上の踏み込み力が、予め設定された所定時間T2以上継続したか否かを判定する(ステップS408)。
【0021】
判定の結果、上記要件を満足していない場合には先のステップS407に戻る一方、満足された場合には、図6(b)に示すように、エアコン103から吹き出される送風603の設定温度をさらに下げたり、風量を増量するウォームアップモードをレベル2に切り替える(ステップS414)。
【0022】
なお、この実施例1では、説明を簡素化するために、ウォームアップモードをモード1とモード2の2段階での切り替え例で説明したが、踏み込み力や踏み込み継続時間に応じた多段階制御とするようにしてもよい。このように、踏力や踏み込み時間に応じて受動刺激の強度を制御することは、人間の習慣的な動きに対するフィードバック量(受動刺激量)の期待度にも一致するので、より自然なかたちで運転者の体の動きを誘導することができる。
【0023】
その後、タイマーのリセットと再スタートを行い(ステップS415)、運転者の好みによって調整された設定温度、風量での刺激呈示を新たに所定時間行えるようにするため、先のステップS407とステップS409と同様の処理を順次実行した後(ステップS416、S417)、先のステップS410に示す処理を実行する。
【0024】
以上説明したように、この実施例1においては、運転者が眠気を催して覚醒を促す受動的な刺激を得る際に、運転者に対して能動的な刺激を要求することで、両刺激により運転者の覚醒効果が高められ、快適でかつ十分な覚醒効果を得ることができる。これにより、運転者の居眠り運転を防止する効果を向上することが可能となる。
【0025】
受動刺激を得る運転者の動作を脚部の動きとすることで、自発的な脚の運動(能動刺激)により大きな覚醒効果を得ることができる。
【0026】
受動刺激を得る際の脚部の動作を動作時間に基づいて判定することで、判定精度を高めることが可能となる。
【0027】
受動刺激を得る際の脚部の動作の動作時間に基づいて、受動刺激の呈示内容を変えることで、より多彩な方法で受動刺激を呈示することができ、覚醒効果を向上させることができる。
【0028】
脚部の動きを検出するセンサ101の取り付け部をフットレスト面としたので、能動刺激が得られる脚部の動きを簡便な方法で確実に検出することができる。あるいは、脚部の動きを検出するセンサ101の取り付け部を座席シート105としたので、脚部でも特に大きな大腿筋を動かしていることを精度良く検出することができる。もしくは、脚部の動きを検出するセンサ101の取り付け部を座席シートの背もたれの部分としたので、能動刺激が得られる脚部の動きを検出すると同時に、覚醒度低下時によく見られる運転姿勢の崩れを矯正することができる。
【実施例2】
【0029】
図7は本発明の実施例2に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。この実施例2の特徴とするところは、先の実施例1に比べて、上記受動刺激呈示手段をオートエアコンシステム(エアコン)103に代えてカーオーディオ(システム)701とし、
運転者に能動的な刺激をもたらし、受動刺激呈示手段を作動させる運転者の所定の体の動きを左脚部の踏み込み運動としたものであり、他は実施例1と同様である。
【0030】
次に、図8に示すフローチャートを参照して、上記構成における所定の体の動きの誘導と、受動刺激呈示の動作の流れを説明する。
【0031】
図8において、センサ101で検出された検出信号に基づいて、所定テンポのリズム運動が行われているか否かを判定する(ステップS801)。運転者が軽い眠気を感じ、好みのリズミカルな音楽を聞くという受動刺激を欲した時に、システムが要求する所定テンポのリズム運動とは、この実施例2では、図9(a)に示すように左脚部の筋肉901に力を入れ、左足の爪先部をフットレスト104を断続的に打ち付ける動き902として予め設定する。
【0032】
図8に戻って、このようなリズム運動が行われた場合には、オーディオ701が作動状態にあるか否かを判定する(ステップS802)。これは、覚醒効果を狙った受動刺激として一楽曲を再生することを想定しているので、その後受動刺激を呈示する前のオーディオ状態に戻すための判定である。オーディオ701がOFFの状態であると判定された場合は、オーディオ701をONにする一方(ステップS803)、オーディオ701が既にONの状態であると判定された場合には、カーオーディオ使用フラグを立てる(ステップS804)。その後、所定テンポの楽曲を選定し(ステップS805)、図9(b)に示すように選定した楽曲903を再生する(ステップS806)。
【0033】
ここで、楽曲の所定テンポとは、先のステップS801の判定基準でもあるが、その楽曲を聴いていると気分が高揚する(ワクワクする)ようなリズミカルなものが選定対象となり、予め設定される。また、事前に高揚感を感じる楽曲を、運転者の好みで複数曲設定しておいて、その中から選定されるようにしてもよい。
【0034】
次に、選定した楽曲が再生中か否かを判定する(ステップS807)。判定の結果、選定した楽曲の再生が終了していると判定された場合は、続いてオーディオ使用フラグが立っているか否かを判定し(ステップS810)、オーディオ使用フラグが立っていない場合は、オーディオ701をOFFの状態に戻す一方(ステップS811)、オーディオ使用フラグが立っている場合には、オーディオ701を受動刺激の呈示前の動作モードに切り替え(ステップS812)、オーディオ使用フラグを下ろす(ステップS813)。
【0035】
一方、先のステップS807で選定した楽曲の再生中に、図10(a)に示す筋肉1001で踏み続ける動き1002が行われて踏み込み力がセンサ101で検出された場合には、予め設定された所定値以上の踏み込み力が、予め設定された所定時間以上継続したか否かを判定する(ステップS808)。判定の結果、上記要件が満足されている場合には、図10(b)に示すように、オーディオ701の再生音量1003を上げる(ステップS809)。このように、この実施例2においても、先の実施例1と同様に、踏力や踏み込み時間に応じて受動刺激の強度を制御することは、人間の習慣的な動きに対するフィードバック量(受動刺激量)の期待度にも一致するので、より自然なかたちで運転者の体の動きを誘導することができる。
【0036】
以上説明したように、この実施例2においても先の実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0037】
図11は本発明の実施例3に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。この実施例3の特徴とするところは、先の実施例1に比べて、上記受動刺激呈示手段をオートエアコンシステム(エアコン)103に代えて、運転者の腰部に対応して座席シート105の背もたれの部分に配置されて運転者の腰部に振動刺激を与えるシートバイブレーションシステム(振動装置)1101とし、運転者に能動的な刺激をもたらし、受動刺激呈示手段を作動させる運転者の所定の体の動きを左脚部の踏み込み運動としたものであり、他は実施例1と同様である。
【0038】
次に、図12に示すフローチャートを参照して、上記構成における所定の体の動きの誘導と、受動刺激呈示の動作の流れを説明する。図12において、まず、予め設定された所定値C以上の踏み込み力が発生したか否かを判定する(ステップS1201)。すなわち、運転者が腰部の疲れと軽い眠気を感じ、快適な受動刺激を欲した時に、システムが要求する所定の体の動き、この実施例3では、図13(a)に示すように左脚部の筋肉1301に力を入れてフットレスト104を踏み続ける動き1302を行ったか否かを判定する。
【0039】
判定の結果、上記動作が行われた場合には、振動装置1101を作動させて運転者の腰部に受動刺激を与える(ステップS1202)。この時、図13(a)に示すように左脚部の踏み込み動作によって運転者の腰部が符号1303に示すように後退してシートバックに押し付けられ、運転者の腰部が振動装置1101に密着する。これにより、図13(b)に示すように腰部への振動刺激(マッサージ効果)1305を高めることができる。また、運転者が疲れや眠気によって運転姿勢が崩れている場合には、正しい運転姿勢への矯正効果も期待できる。
【0040】
その後、踏み込み力が予め設定された所定値D以下の踏み込み力に低下したか否かを判定する(ステップS1203)。判定の結果、低下していない場合には振動装置1101の作動を継続する一方、運転者が振動によるマッサージ効果に満足して左脚部の踏み込み力を弱め、踏み込み力が低下した場合には振動装置1101の作動を停止して、運転者への受動刺激の呈示を解除する(ステップS1204)。
【0041】
以上説明したように、この実施例2においても先の実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0042】
図14は本発明の実施例4に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。この実施例4の特徴とするところは、先の実施例1に比べて、上記受動刺激呈示手段をオートエアコンシステム(エアコン)103に加えて、先の実施例2で用いたカーオーディオシステム(オーディオ)701、先の実施例3で用いたシートバイブレーションシステム(振動装置)1101、予め用意された香りを発生してベンチダクト1403から車内に供給する香り発生装置1401、高濃度の酸素を吹き出し空気に付加してベンチダクト1403から車内に供給する高濃度酸素付加空気供給装置1402の複数とし、これら複数の受動刺激呈示手段を切り換えたり組み合わせたりして受動刺激を運転者に呈示し、運転者に能動的な刺激をもたらし、受動刺激呈示手段を作動させる運転者の所定の体の動きを左脚部の踏み込み運動としたものであり、他は実施例1と同様である。
【0043】
次に、図15に示すフローチャートを参照して、上記構成における受動刺激呈示の動作の流れを説明する。図15において、まず、運転者が軽い眠気を感じ、その眠気を解消するのに何らかの受動刺激を欲した時に、システムが要求する予め設定された所定の体の動きを行ったか否かを判定する(ステップS1501)。この所定の体の動きとは、この実施例4では予め設定された所定値以上の踏み込み力で所定時間以上継続してフットレスト104を踏み込む動作である。判定の結果、所定値以上の踏み込み力が所定時間以上継続した場合には、予め指定されたウォームアップモードの上記受動刺激呈示手段が作動する(ステップS1502)。
【0044】
ここで、図16を参照して上記指定のウォームアップモードについて具体的に説明する。モード1〜モード10は、図16に示すような受動刺激呈示手段の組み合わせとして設定され、モード1は例えば楽曲1、エアコン103の風量は弱、設定温度は高めとし、モード2はモード1に加えて高濃度酸素とペパーミントの香りを付加させたものとして予め設定しておく。なお、ウォームアップモードの設定数や組み合わせ方は、運転者の好みにより自由に設定できるようにすることで、更に運転者にとって受容性の高いシステムにすることができる。
【0045】
図15に戻って、次に、先のステップS1501で踏み込み運動が判定される毎に、図16に示すウォームアップモードをインクリメントして(ステップS1503)、刺激の呈示内容を変更する。その後、設定されたウォームアップモードが最後までインクリメントされたか否かを判定し(ステップS1504)、設定された最後のモードであると判定された場合には、ウォームアップモードを最初のモード1に戻す(ステップS1505)。
【0046】
なお、制御装置102にウォームアップモードをランダムに選定する機能を付加することで、図15のステップS1503〜ステップS1505で示す処理を実行する代わりに、図17のフローチャートのステップS1701に示すように、ウォームアップモードをランダムに選定するようにすれば、刺激呈示の意外性という面での覚醒効果を期待することができる。
【0047】
次に、図18、図19を参照して、この実施例4の変形例について説明する。この変形例の特徴とするところは、運転者に能動的な刺激をもたらす動きを数種類設定し、その動きに応じて受動刺激呈示方法を変更するようにしたことにある。図18、19では、図の下部に能動刺激として運転者に要求する左脚部の動きによる踏力を縦軸に、経過時間を横軸に記載している。また、同図の上部に左脚部の運動の結果、呈示される受動刺激の動作状態を記載している。
【0048】
この図18、図19を参照して具体的な動作の流れを説明する。図18では、運転者が予め設定された所定の踏力P1以上で予め設定された所定のテンポのリズム運動を予め設定された所定の時間Tr継続することによって、受動刺激としてリズミカルな楽曲1801が再生される。
【0049】
その後、運転者が所定の踏力P2(>P1)で、所定時間Ta(<Tr)以上に亘って踏み込み動作を継続すると、エアコン103を作動させ(図18の符号1802)冷風が送り出される。その際に、運転者がさらに強い冷風刺激を欲すれば、エアコン作動中に、上記踏力P2を越える踏力で所定の時間Taf継続して踏み込み運動を行えば、エアコン103の風量をさらに増量しかつ設定温度をさらに下げ、更に強い刺激を呈示する。
【0050】
一方、図19では、運転者が所定の踏力P2以上で所定の時間Ta以上に亘って踏み込みを運動を継続すると、エアコン103を作動させ(図19の符号1901)冷風が送り出される。その際に、運転者が冷風による刺激ではなく、振動装置1101による振動刺激を欲している場合は、踏力を一旦弱めることなく、更に強い踏力P3(>P2)で踏み込みを行い、その踏力P3を維持している予め設定された所定の時間Tbにおいて振動装置1101による振動刺激1902を呈示する。
【0051】
その後、運転者が音楽による受動刺激を欲すれば、予め設定された所定の踏力P1以上で予め設定された所定のテンポのリズム運動を予め設定された所定の時間Tr継続することによって、受動刺激としてリズミカルな楽曲1903が再生される。
【0052】
このように、実施例4ならびにその変形例では、複数の受動刺激呈示手段を設けて、複数の異なる受動刺激を呈示可能とすることで、より快適に覚醒効果を与えることができる。また、能動刺激効果のある体の動きと、複数の受動刺激の呈示手段を組み合わせることによって、より快適で、かつ高い覚醒効果を得ることができる。
【実施例5】
【0053】
図20は本発明の実施例5に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。この実施例5の特徴とするところは、先の実施例1に比べて、運転者に能動的な刺激をもたらし、受動刺激呈示手段を作動させる運転者の所定の体の動きを左脚部の踏み込み運動に代えて両腕部のハンドル2002側への押し込み動作としたものであり、他は実施例1と同様である。
【0054】
図20において、この実施例5では、先の実施例1に示すセンサ101に代えて、運転者の両腕部の動きを検出する検出手段として機能するセンサ2001を座席シート105の背もたれ部分に設け、このセンサ2001で両腕部の動作が検出され、検出結果が制御装置102に与えられ、制御装置102は、センサ2001で検出された両腕部の動作が受動刺激呈示手段を作動させる予め設定された押し込み動作であるか否かを判定し、設定された動作であると判定された場合には、エアコン103を作動させる。
【0055】
このような構成において、運転席を上部から見た図21(a)に示すように、運転者が両腕でハンドル2002を押し込む動作2101を継続して行うと、その反作用で運転者の体が座席シート105の背もたれ部分に押しつけられ、これがセンサ2001で検出され、同図(b)に示すように、エアコン103から運転者に冷風2102が送り出される。
【0056】
以上説明したように、この実施例5においても先の実施例1と同様の効果を得ることができることに加えて、より多彩な体の動きを要求することで、能動的刺激のマンネリ化を防止することができる。
【実施例6】
【0057】
図22は本発明の実施例6に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。この実施例6の特徴とするところは、先の実施例5に比べて、運転者に能動的な刺激をもたらす運転者の所定の体の動きを両腕部のハンドル側への押し込み運動に代えて、両腕部のヘッドレスト抱え込み運動としたものであり、他は実施例5と同様である。
【0058】
図22において、この実施例6では、先の実施例5に示すセンサ2001に代えて、運転者の両腕部の動きを検出する検出手段として機能するセンサ2201をヘッドレスト2202に設け、このセンサ2201で両腕部の動作が検出され、検出結果が制御装置102に与えられ、制御装置102は、センサ2201で検出された両腕部の動作が受動刺激呈示手段を作動させる予め設定されたヘッドレスト抱え込み動作であるか否かを判定し、設定された動作であると判定された場合には、エアコン103を作動させる。
【0059】
このような構成において、運転席を上部から見た図23(a)に示すように、運転者が両腕でヘッドレスト2202を抱え込む動作2301を継続して行うと、この動作がセンサ2201で検出され、同図(b)に示すように、エアコン103から運転者に冷風2302が送り出される。
【0060】
以上説明したように、この実施例6においても先の実施例5と同様の効果を得ることが
できる。
【実施例7】
【0061】
次に、この発明の実施例7について説明する。この実施例7の特徴とするところは、先の実施例1〜実施例6で説明した脚部の動きを検出するセンサ、腕部の動きを検出するセンサ、ならびに複数の受動刺激呈示手段に加えて、車両の走行状態を検出する手段、ならびに受動刺激抑制手段を設け、運転者が明らかに覚醒効果を求めていないと推定される運転状況においての受動刺激の誤呈示を防止するようにしたことにある。なお、受動的な刺激を要求する際の運転者の能動的な刺激、ならびに受動刺激の呈示方法は、先の実施例1〜6のいずれか1つの実施例と同様である。
【0062】
図24はこの実施例7に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。図24において、この装置は、運転者の脚部の動きを検出する手段と、腕部の動きを検出する手段と、複数の受動刺激呈示手段と、車両の走行状態を検出する車両走行状態検出手段と、脚部または腕部の動きを検出する検出手段で検出された脚部または腕部の動きが所定の動きであるか否かを判定した結果、ならびに車両の走行状態に基づいて複数の受動刺激呈示手段の動作を制御する制御装置2406を備えて構成されている。
【0063】
運転者の脚部の動きを検出する手段として機能する脚部の動き検出センサ2401は、例えば先の実施例1で説明したセンサ101で構成され、運転者の腕部の動きを検出する手段として機能する腕部の動き検出センサ2402は、例えば先の実施例5で説明したセンサ2001で構成される。
【0064】
複数の受動刺激呈示手段は、それぞれ先の実施例1〜6で触れたオートエアコンシステム(エアコン)103、カーオーディオシステム701、シートバイブレーションシステム(振動装置)1101、香り発生装置1401、高濃度酸素付加空気供給装置1402で構成されている。
【0065】
車両走行状態検出手段は、車速を検出する車速センサ2403、舵角を検出する舵角センサ2404、ならびに地図情報を備えて経路案内等を行うナビゲーションシステム2405で構成され、これらにより検出された検出結果は制御装置2406に与えられる。
【0066】
制御装置2406は、先の実施例1〜6で説明した制御装置102が備えている機能に加えて、車両走行状態検出手段で検出された検出結果に基づいて、パーキングや信号待ち等の車両停止状態、渋滞走行、高速道路走行等の車両走行状態を検出し、これらの検出結果ならびにセンサ2401、2402で検出された検出結果により判定された判定結果に基づいて、複数の受動刺激呈示手段の動作を制御する。
【0067】
次に、図25に示すフローチャートを参照して、上記構成における受動刺激呈示の抑制、抑制解除の動作を説明する。図25において、まず、車速センサ2403やナビゲーションシステム2405を用いて車両停止状態か否かを判定する(ステップS2501)。判定の結果、車両が停止状態にないと判定された場合は、腕部の動き検出センサ2402で腕部の動きが検出された場合であっても受動刺激の呈示抑制を行う(ステップS2504)。これは、車両走行中において両腕は、常に如何なる変化にも対応できるようにハンドルを両手で保持している必要があるため、両腕による運動を誘導することを抑制している。
【0068】
続いて、車両走行状態検出手段の検出結果に基づいて車両が渋滞路を走行しているか否かを判定し(ステップS2505)、判定の結果、渋滞路を走行していないと判定された場合には、引き続いて高速道路を制限速度内のほぼ一定の速度で単調に走行しているか否かを判定する(ステップS2506)。判定の結果、高速道路を単調に走行していないと判定された場合には、脚部の動き検出センサ2402で脚部の動きが検出された場合であっても、受動刺激の呈示も抑制する(ステップS2507)。これは、単調な走行以外の走行では、脚部は常に如何なる変化にも対応できるように動作可能な状態に保持している必要があるため、脚部による運動を誘導することを抑制している。
【0069】
一方、先のステップS2501でパーキングや、信号待ち等で比較的長い時間、車両が停止状態にあると判定された場合は、腕部、脚部の両方の動き検出による受動刺激の呈示抑制を解除し(ステップS2502、S2503)、また先のステップS2505、ステップS2506で渋滞走行中または単調な高速走行中であると判定された場合は、脚部の動き検出による受動刺激の呈示抑制を解除する(ステップS2503)。
【0070】
以上説明したように、この実施例7においては、先の実施例1〜6のいずれかの実施例で得られる効果に加えて、車両の走行状態に基づいて、運転者が覚醒効果を得ようとしている状況を推定し、その状況下に限定して刺激を呈示することが可能となり、運転者に的確に刺激を呈示することができる。
【0071】
以上説明した実施例1〜7においては、所定の体の動きにより覚醒効果を得ているが、実験データを示す図26,図27を参照して、所定の体の動きと覚醒度維持効果との相関関係について説明する。
【0072】
図26、図27は、台上実験において被験者に集中力を必要とする割には、覚醒度低下を招き易いタスクを行わせ、その間における覚醒度レベルの変化を調べたものである。覚醒度レベルは、相関が高いことが確認されている閉眼率の変化(覚醒度が低下すると大きくなる)を用いて評価基準とした。
【0073】
図26ならびに図27は、横軸の▲マークで示す経過時間でタスク成績が下がったときに、図26は所定の体の動きとして左足で車両のフットレストを10kgf程度の踏力で、約1秒間程度の踏み込み運動をさせたもので、図27は同条件において、車両のエアコンのスイッチを入れる等の単なるスイッチ操作を模擬した動きをさせた場合の閉眼率の変化を表したものである。
【0074】
このような実験結果においては、被験者に所定の動きを要求し誘導できれば、大きな覚醒効果があることが分かる。この実験例は、体の動きによる能動刺激として覚醒効果が大きい一例を示したものであり、この実験データは実施日は異なるものの、同一被験者、同一時間帯において行い、その効果を比較したものである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施例1に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例1に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例1に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例1に係る動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例1に係る作用の様子を示す図である。
【図6】本発明の実施例1に係る他の作用の様子を示す図である。
【図7】本発明の実施例2に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の実施例2に係る動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例2に係る作用の様子を示す図である。
【図10】本発明の実施例2に係る他の作用の様子を示す図である。
【図11】本発明の実施例3に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。
【図12】本発明の実施例3に係る動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施例3に係る作用の様子を示す図である。
【図14】本発明の実施例4に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。
【図15】本発明の実施例4に係る動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施例4に係るウォームアップモードの組み合わせ例を示す図である。
【図17】本発明の実施例4に係る他の動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施例4の変形例に係る能動的刺激と受動的刺激との関係を示す図である。
【図19】本発明の実施例4の変形例に係る能動的刺激と受動的刺激との他の関係を示す図である。
【図20】本発明の実施例5に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。
【図21】本発明の実施例5に係る作用の様子を示す図である。
【図22】本発明の実施例6に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。
【図23】本発明の実施例6に係る作用の様子を示す図である。
【図24】本発明の実施例7に係る居眠り運転防止装置の構成を示す図である。
【図25】本発明の実施例7に係る動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図26】本発明に係る運転者の所定の体の動きと覚醒度変化との関係の実験結果を示す図である。
【図27】本発明に係る運転者の所定の体の動きと覚醒度変化との関係の実験結果を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
101、2001,2201…センサ
102,2406…制御装置
103…オートエアコンシステム
104…フットレスト
105…座席シート
701…カーオーディオシステム
1101…振動装置
1401…香り発生装置
1402…高濃度酸素付加空気供給装置
1403…ベンチダクト
2002…ハンドル
2202…ヘッドレスト
2401…脚部の動き検出センサ
2402…腕部の動き検出センサ
2403…車速センサ
2404…舵角センサ
2405…ナビゲーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者に受動的な刺激を呈示する受動刺激呈示手段と、
運転者に能動的な刺激をもたらし、かつ前記受動刺激呈示手段を作動させる運転者の所定の体の動作を含む運転者の動作を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された運転者の動作が前記受動刺激呈示手段を作動させる作動行為であるか否かを判定し、判定の結果作動行為である場合には、前記受動刺激呈示手段を作動させ、運転者に受動的な刺激を呈示し、かつ能動的な刺激をもたらしめ、運転者を覚醒させる制御手段と
を有することを特徴とする居眠り運転防止装置。
【請求項2】
運転者が運転する車両の走行状態を検出する車両走行状態検出手段を備え、
前記制御手段は、前記車両走行状態検出手段で検出された前記車両の走行状態に基づいて、前記受動刺激呈示手段による受動刺激の呈示を抑制する
ことを特徴とする請求項1に記載の居眠り運転防止装置。
【請求項3】
運転者に能動的な刺激をもたらし、かつ前記受動刺激呈示手段を作動させる運転者の前記所定の体の動作は、運転者の脚部の所定の踏み込み動作である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の居眠り運転防止装置。
【請求項4】
運転者に能動的な刺激をもたらし、かつ前記受動刺激呈示手段を作動させる運転者の前記所定の体の動作は、運転者の腕部の所定の動作である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の居眠り運転防止装置。
【請求項5】
前記制御手段は、運転者の脚部または腕部の動作の時間、回数、動作力の少なくとも1つ以上に基づいて作動行為を判定すること
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の居眠り運転防止装置。
【請求項6】
前記制御手段は、運転者の脚部または腕部の動作の時間、回数、動作力の少なくとも1つ以上に基づいて作動行為を判定し、作動行為に応じて受動刺激の呈示内容を変える
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の居眠り運転防止装置。
【請求項7】
前記検出手段は、運転者の脚部が置かれるフットレスト面に設置されている
ことを特徴とする請求項3に記載の居眠り運転防止装置。
【請求項8】
前記検出手段は、運転者が着座する座席シートに設置されている
ことを特徴とする請求項3または4に記載の居眠り運転防止装置。
【請求項9】
前記検出手段は、運転者の頭部を指示するヘッドレストに設置されている
ことを特徴とする請求項4に記載の居眠り運転防止装置。
【請求項10】
前記受動刺激呈示手段は、オートエアコンシステム、香り発生装置、カーオーディオシステム、高濃度酸素付加空気供給装置、運転者の座席シートに組み込まれた振動装置の少なくとも1つ以上からなる
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の居眠り運転防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2009−31840(P2009−31840A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−192031(P2007−192031)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】