説明

層厚規制部材の再取り付け方法、現像装置、画像形成装置、及び、画像形成システム

【課題】現像装置に対し層厚規制部材を簡易な方法で再取り付けすることにある。
【解決手段】現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材、が設けられている現像装置から、該層厚規制部材を取り外すステップと、前記現像装置に記録されている情報であって、前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記長さを調整するステップと、前記長さが調整された前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けするステップと、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層厚規制部材の再取り付け方法、現像装置、画像形成装置、及び、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザビームプリンタ等の画像形成装置は既によく知られている。かかる画像形成装置は、例えば、潜像を担持するための感光体と、現像剤によって感光体に担持された潜像を現像する現像装置と、を有しており、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号等が送信されると、現像装置を感光体と対向する現像位置に位置決めし、感光体に担持された潜像を、現像装置内の現像剤で現像して現像剤像を形成し、当該現像剤像を媒体に転写して、最終的に媒体に画像を形成する。
【0003】
上記の現像装置は、感光体に担持された潜像を現像するという既述の機能等を実現するために、現像剤を担持するための現像剤担持体と、前記現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材等を有している。かかる現像装置は、現像ローラに担持され、かつ、層厚規制部材によりその層厚が規制された現像剤、で感光体に担持された潜像を現像する。
【0004】
ところで、資源の節約及び環境保護やコストの低減化等の観点から、現像装置の再利用(リユース)が、一般的に行われている。現像装置が使用されることにより現像装置内の現像剤がなくなった際に、当該現像装置は、現像装置の供給者等により回収される。そして、現像剤が、当該供給者等により再充填(リフィル)され、現像装置が再生されることとなる。
【0005】
また、かかる際には、現像剤の再充填とともに、層厚規制部材の交換が実施されることがある。層厚規制部材については、現像装置が使用されることにより、現像剤担持体に当接する当接部材、が磨耗するから、層厚規制部材の磨耗状態がチェックされた後に、層厚規制部材が適宜交換される。すなわち、当該磨耗が著しい場合には、磨耗した層厚規制部材が取り外されて、新しい層厚規制部材が再取り付けされることとなる。
【特許文献1】特開2003−270934号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現像装置を新規な現像装置として(すなわち、再利用された現像装置としてではなく)製造するときに層厚規制部材を一度現像装置に取り付けていることを考慮すれば、層厚規制部材の再取り付けの際には、その取り付け方法がより簡略化されることが要請されていた。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、現像装置に対し層厚規制部材を簡易な方法で再取り付けすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
主たる本発明は、現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材、が設けられている現像装置から、該層厚規制部材を取り外すステップと、前記現像装置に記録されている情報であって、前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記長さを調整するステップと、前記長さが調整された前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けするステップと、を有することを特徴とする層厚規制部材の再取り付け方法である。
【0009】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0011】
現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材、が設けられている現像装置から、該層厚規制部材を取り外すステップと、前記現像装置に記録されている情報であって、前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記長さを調整するステップと、前記長さが調整された前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けするステップと、を有することを特徴とする層厚規制部材の再取り付け方法。
かかる層厚規制部材の再取り付け方法によれば、現像装置に対し層厚規制部材を、より簡易な方法で再取り付けすることができる。
【0012】
また、前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体に当接する当接部材と、その一端部で前記当接部材を支持するための支持部材と、を有し、前記現像装置に記録されている情報であって、前記当接部材から前記現像剤担持体へ向かう方向における、基準位置から前記支持部材の他端部までの距離、を示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記距離を調整するステップ、を有し、前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けするステップにおいては、前記距離及び前記長さが調整された前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けすることとしてもよい。
かかる層厚規制部材の再取り付け方法によれば、現像装置に対し層厚規制部材を、より一層簡易な方法で再取り付けすることができる。
【0013】
また、前記距離を調整するステップにおいては、前記現像装置に記録されている情報であって、前記当接部材の厚みを示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記距離を調整することとしてもよい。
かかる層厚規制部材の再取り付け方法によれば、現像装置に対し層厚規制部材を、より一層簡易な方法で再取り付けすることができる。
【0014】
また、前記情報は、前記現像装置に備えられた記憶素子に記録されていることとしてもよい。
かかる場合には、現像装置を汚さないで済む点で、より望ましい。
【0015】
また、現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材、が設けられている現像装置から、該層厚規制部材を取り外すステップと、前記現像装置に記録されている情報であって、前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記長さを調整するステップと、前記長さが調整された前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けするステップと、を有し、前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体に当接する当接部材と、その一端部で前記当接部材を支持するための支持部材と、を有し、前記現像装置に記録されている情報であって、前記当接部材から前記現像剤担持体へ向かう方向における、基準位置から前記支持部材の他端部までの距離、を示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記距離を調整するステップ、を有し、前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けするステップにおいては、前記距離及び前記長さが調整された前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けし、前記距離を調整するステップにおいては、前記現像装置に記録されている情報であって、前記当接部材の厚みを示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記距離を調整し、前記情報は、前記現像装置に備えられた記憶素子に記録されていることを特徴とする層厚規制部材の再取り付け方法も実現可能である。
このようにすれば、既述の総ての効果を奏するため、本発明の目的がより有効に達成される。
【0016】
次に、現像剤を担持するための現像剤担持体と、前記現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報と、を有することを特徴とする現像装置。
かかる場合には、当該現像装置に対し層厚規制部材を、より簡易な方法で再取り付けすることができる。
【0017】
また、前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体に当接する当接部材と、その一端部で前記当接部材を支持するための支持部材と、を有し、前記現像装置は、前記当接部材から前記現像剤担持体へ向かう方向における、基準位置から前記支持部材の他端部までの距離、を示す情報、を有することとしてもよい。
かかる場合には、当該現像装置に対し層厚規制部材を、より一層簡易な方法で再取り付けすることができる。
【0018】
また、前記当接部材の厚みを示す情報を有することとしてもよい。
かかる場合には、当該現像装置に対し層厚規制部材を、より一層簡易な方法で再取り付けすることができる。
【0019】
また、前記情報は、前記現像装置に備えられた記憶素子に記録されていることとしてもよい。
かかる場合には、現像装置を汚さないで済む点で、より望ましい。
【0020】
また、現像剤を担持するための現像剤担持体と、前記現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報と、を有し、前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体に当接する当接部材と、その一端部で前記当接部材を支持するための支持部材と、を有し、前記現像装置は、前記当接部材から前記現像剤担持体へ向かう方向における、基準位置から前記支持部材の他端部までの距離、を示す情報、を有し、前記当接部材の厚みを示す情報を有し、前記情報は、前記現像装置に備えられた記憶素子に記録されていることを特徴とする現像装置も実現可能である。
このようにすれば、既述の総ての効果を奏するため、本発明の目的がより有効に達成される。
【0021】
また、現像剤を担持するための現像剤担持体と、前記現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報と、を有する現像装置、を備えたことを特徴とする画像形成装置も実現可能である。
かかる場合には、当該画像形成装置に備えられた現像装置に対し層厚規制部材を、より簡易な方法で再取り付けすることができる。
【0022】
また、コンピュータ、及び、このコンピュータに接続可能な画像形成装置であって、現像剤を担持するための現像剤担持体と、前記現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報と、を有する現像装置、を備えた画像形成装置、を有する画像形成システムも実現可能である。
かかる場合には、当該画像形成システムに備えられた現像装置に対し層厚規制部材を、より簡易な方法で再取り付けすることができる。
【0023】
===画像形成装置の全体構成例===
次に、図1を用いて、画像形成装置としてレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10を例にとって、その概要について説明する。図1は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。なお、図1には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、給紙トレイ92は、プリンタ10の下部に配置されており、定着ユニット90は、プリンタ10の上部に配置されている。
【0024】
本実施の形態に係るプリンタ10は、図1に示すように、感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、クリーニングユニット75を有し、さらに、二次転写ユニット80、定着ユニット90、ユーザへの報知手段をなし液晶パネルでなる表示ユニット95、及び、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニット100を有している。
【0025】
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図1中の矢印で示すように時計回りに回転する。
【0026】
帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20上に照射する。
【0027】
YMCK現像ユニット50は、感光体20上に形成された潜像を、現像装置に収容された現像剤の一例としてのトナーT、すなわち、ブラック現像装置51に収容されたブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52に収容されたマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53に収容されたシアン(C)トナー、及び、イエロー現像装置54に収容されたイエロー(Y)トナーを用いて現像するための装置である。
【0028】
このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54が装着された状態で回転することにより、前記4つの現像装置51、52、53、54の位置を動かすことを可能としている。すなわち、このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54を4つの保持部55a、55b、55c、55dにより保持しており、前記4つの現像装置51、52、53、54は、中心軸50aを中心として、それらの相対位置を維持したまま回転可能となっている。そして、1ページ分の画像形成が終了する毎に選択的に感光体20に対向し、それぞれの現像装置51、52、53、54に収容されたトナーTにて、感光体20上に形成された潜像を順次現像する。なお、前述した4つの現像装置51,52,53,54の各々は、YMCK現像ユニット50の前記保持部に対して着脱可能となっている。また、各現像装置の詳細については後述する。
【0029】
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色トナー像を中間転写体70に転写するための装置であり、4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体70にフルカラートナー像が形成される。
この中間転写体70は、PETフィルムの表面にアルミ蒸着層を設けさらにその表層に半導電塗料を形成、積層したエンドレスのベルトであり、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。
二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の媒体に転写するための装置である。
定着ユニット90は、媒体上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を媒体に融着させて永久像とするための装置である。
【0030】
クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーTをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
制御ユニット100は、図2に示すようにメインコントローラ101と、ユニットコントローラ102とで構成され、メインコントローラ101には画像信号及び制御信号が入力され、この画像信号及び制御信号に基づく指令に応じてユニットコントローラ102が前記各ユニット等を制御して画像を形成する。
【0031】
次に、このように構成されたプリンタ10の動作について説明する。
まず、不図示のホストコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイス(I/F)112を介してプリンタ10のメインコントローラ101に入力されると、このメインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により感光体20、現像剤担持体の一例としての現像ローラ、及び、中間転写体70が回転する。感光体20は、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30により順次帯電される。
【0032】
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。また、YMCK現像ユニット50は、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像装置54が、感光体20に対向した現像位置に位置している。
【0033】
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。この際、一次転写ユニット60には、トナーTの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。なお、この間、感光体20と中間転写体70とは接触しており、また、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
【0034】
上記の処理が、第2色目、第3色目、及び、第4色目について、各々の現像装置毎に順次実行されることにより、各画像信号に対応した4色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写される。これにより、中間転写体70上にはフルカラートナー像が形成される。
【0035】
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって媒体に転写される。なお、媒体は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、転写動作を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体70に押圧されるとともに二次転写電圧が印加される。
【0036】
媒体に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット90によって加熱加圧されて媒体に融着される。
【0037】
一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75に支持されたクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーTが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーTは、クリーニングユニット75が備える残存トナー回収部に回収される。
【0038】
===制御ユニットの概要===
次に、制御ユニット100の構成について図2を参照しつつ説明する。制御ユニット100のメインコントローラ101は、インターフェイス112を介してホストコンピュータと電気的に接続され、このホストコンピュータから入力された画像信号を記憶するための画像メモリ113を備えている。ユニットコントローラ102は、装置本体の各ユニット(帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、クリーニングユニット75、二次転写ユニット80、定着ユニット90、表示ユニット95)と電気的に接続され、それらが備えるセンサからの信号を受信することによって、各ユニットの状態を検出しつつ、メインコントローラ101から入力される信号に基づいて、各ユニットを制御する。
【0039】
また、ユニットコントローラ102が備えるCPU120は、シリアルインターフェイス(I/F)121を介して、EEPROM等の不揮発性記憶素子(以下、本体側メモリ122とする)に電気的に接続されている。またCPU120には、本体側メモリ122のみならず、各現像装置51、52、53、54に設けられた後述する現像装置側メモリ51a、52a、53a、54aにもシリアルインターフェイス121を介して電気的に接続されている。
【0040】
このことにより、本体側メモリ122と現像装置側メモリ51a、52a、53a、54aとが通信可能となっている。すなわち、本体側メモリ122に記録されている情報の、現像装置側メモリ51a、52a、53a、54aへの転送や、現像装置側メモリ51a、52a、53a、54aに記録されている情報の、本体側メモリ122への転送が実現されるようになっている。
【0041】
なお、現像装置側メモリ51a、52a、53a、54aとCPU120(シリアルインターフェイス121)との電気的接続は、現像装置51、52、53、54がYMCK現像ユニット50に装着された際に現像装置側と本体側の情報転送ラインが連結されることにより、実現されることとしてもよいし、また、無線により実現されることとしてもよい。
【0042】
===現像装置の構成例===
次に、図3及び図4を用いて、現像装置の構成例について説明する。図3は、現像装置の概念図である。図4は、現像装置の主要構成要素を示した断面図である。図5は、規制ブレード560の斜視図である。図6は、ホルダー526の斜視図である。図7は、ホルダー526に、上シール部材520、規制ブレード560、及び、現像ローラ510が組み付けられている様子を示した斜視図である。図8は、ホルダー526が、ハウジング540に取付けられている様子を示した斜視図である。なお、図4に示す断面図は、図3に示す長手方向に垂直な面で現像装置を切り取った断面を表したものである。また、図4においては、図1同様、矢印にて上下方向を示しており、例えば、現像ローラ510の中心軸は、感光体20の中心軸よりも下方にある。また、図4では、イエロー現像装置54が、感光体20と対向する現像位置に位置している状態にて示されている。
【0043】
YMCK現像ユニット50には、ブラック(K)トナーを収容したブラック現像装置51、マゼンタ(M)トナーを収容したマゼンタ現像装置52、シアン(C)トナーを収容したシアン現像装置53、及び、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像装置54が設けられているが、各現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー現像装置54について説明する。
【0044】
イエロー現像装置54は、現像ローラ510、上シール部材520、トナー収容体530、ハウジング540、トナー供給ローラ550、層厚規制部材の一例としての規制ブレード560、ホルダー526、現像装置側メモリ54a(図2)、等を有している。
【0045】
現像ローラ510は、トナーTを担持して感光体20と対向する現像位置に搬送する。この現像ローラ510は、5056アルミ合金や6063アルミ合金等のアルミ合金、STKM等の鉄合金等により製造されており、必要に応じて、ニッケルメッキ、クロムメッキ等が施されている。
【0046】
現像ローラ510は、軸部510aと大径部510bとを有しており、当該軸部510aが後述するホルダー526の現像ローラ支持部526bによって軸受け576を介して支持されることにより(図7)、現像ローラ510が回転自在に支持される。図4に示すように、現像ローラ510は、感光体20の回転方向(図4において時計方向)と逆の方向(図4において反時計方向)に回転する。その中心軸は、感光体20の中心軸よりも下方にある。
【0047】
また、イエロー現像装置54が感光体20と対向している状態で、現像ローラ510と感光体20との間には空隙が存在する。すなわち、イエロー現像装置54は、感光体20上に形成された潜像を非接触状態で現像する。なお、感光体20上に形成された潜像を現像する際には、現像ローラ510と感光体20との間に交番電界が形成される。
【0048】
ハウジング540は、一体成型された複数の樹脂製のハウジング部、すなわち、上ハウジング部542と下ハウジング部544、とを溶着して製造されたものであり、その内部に、トナーTを収容するためのトナー収容体530が形成されている。トナー収容体530は、内壁から内方へ(図4の上下方向)突出させたトナーTを仕切るための仕切り壁545により、二つのトナー収容部、すなわち、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bと、に分けられている。そして、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bとは、上部が連通され、図4に示す状態で、仕切り壁545によりトナーTの移動が規制されている。しかしながら、YMCK現像ユニット50が回転する際には、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bとに収容されていたトナーが、現像位置における上部側の連通している部位側に一旦集められ、図4に示す状態に戻るときには、それらのトナーが混合されて第一トナー収容部530a及び第二トナー収容部530bに戻されることになる。すなわち、YMCK現像ユニット50が回転することにより現像装置内のトナーTは適切に撹拌されることになる。
【0049】
このため、本実施の形態では、トナー収容体530に攪拌部材を設けていないが、トナー収容体530に収容されたトナーTを攪拌するための攪拌部材を設けてもよい。また、図4に示すように、ハウジング540(すなわち、第一トナー収容部530a)は下部に開口572を有しており、現像ローラ510が、この開口572に臨ませて設けられている。
【0050】
トナー供給ローラ550は、前述した第一トナー収容部530aに設けられ、当該第一トナー収容部530aに収容されたトナーTを現像ローラ510に供給するとともに、現像後に現像ローラ510に残存しているトナーTを、現像ローラ510から剥ぎ取る。このトナー供給ローラ550は、ポリウレタンフォーム等からなり、弾性変形された状態で現像ローラ510に当接している。トナー供給ローラ550は、第一トナー収容部530aの下部に配置されており、第一トナー収容部530aに収容されたトナーTは、該第一トナー収容部530aの下部にてトナー供給ローラ550によって現像ローラ510に供給される。トナー供給ローラ550は、中心軸を中心として回転可能であり、その中心軸は、現像ローラ510の回転中心軸よりも下方にある。また、トナー供給ローラ550は、現像ローラ510の回転方向(図4において反時計方向)と逆の方向(図4において時計方向)に回転する。
【0051】
上シール部材520は、現像ローラ510にその軸方向に沿って当接して、現像位置を通過後に現像ローラ510上に残留しているトナーTのハウジング540内への移動を許容し、かつ、ハウジング540内のトナーTのハウジング540外への移動を規制する。この上シール部材520は、ポリエチレンフィルム等からなるシールである。上シール部材520は、後述するホルダー526の上シール支持部526aによって支持されており、また、その長手方向が現像ローラ510の軸方向に沿うように設けられている(図7)。上シール部材520が現像ローラ510に当接する当接位置は、現像ローラ510の中心軸よりも上方である。
【0052】
また、上シール部材520の、現像ローラ510に当接する当接面520b、とは反対側の面(当該面を、反対面520cとも呼ぶ)と、前記上シール支持部526aとの間には、モルトプレーン等の弾性体からなる上シール付勢部材524が圧縮した状態で設けられている。この上シール付勢部材524は、その付勢力で上シール部材520を現像ローラ510側へ付勢することにより、上シール部材520を現像ローラ510に押しつけている。
【0053】
規制ブレード560は、現像ローラ510にその軸方向に沿って当接部562aにて当接して、現像ローラ510に担持されたトナーTの層厚を規制し、また、現像ローラ510に担持されたトナーTに電荷を付与する。この規制ブレード560は、図4及び図5に示すように、当接部材の一例としてのゴム部562と、支持部材の一例としてのゴム支持部564と、を有している。
ゴム部562は、シリコンゴム、ウレタンゴム等からなり、現像ローラ510に当接している。
【0054】
ゴム支持部564は、薄板564aと薄板支持部564bとから構成されており、その短手方向一端部564d(すなわち、薄板564a側の端部)でゴム部562を支持する。薄板564aは、リン青銅、ステンレス等からなり、バネ性を有している。薄板564aは、ゴム部562を支持しており、その付勢力によってゴム部562を現像ローラ510に押しつけている。薄板支持部564bは、ゴム支持部564の短手方向他端部564eに配置された金属製の板金であり、当該薄板支持部564bは、前記薄板564aの、ゴム部562を支持している側とは逆側の端、を支持した状態で、当該薄板564aに取り付けられている。
そして、規制ブレード560は、薄板支持部564bの長手方向両端部564cが後述するホルダー526の規制ブレード支持部526cによって支持された状態で、当該規制ブレード支持部526cに取付けられている。
【0055】
規制ブレード560の、薄板支持部564b側とは逆側の端、すなわち、先端560aは、現像ローラ510に接触しておらず、該先端560aから所定距離だけ離れた部分(すなわち、当接部562a)が、現像ローラ510に幅を持って接触している。すなわち、規制ブレード560は、現像ローラ510にエッジにて当接しておらず、腹当たりにて当接している。また、規制ブレード560は、その先端560aが現像ローラ510の回転方向の上流側に向くように配置されており、いわゆるカウンタ当接している。なお、規制ブレード560が現像ローラ510に当接する当接位置は、現像ローラ510の中心軸よりも下方であり、かつ、トナー供給ローラ550の中心軸よりも下方である。また、当該規制ブレード560は、現像ローラ510にその軸方向に沿って当接することにより、トナー収容体530からのトナーTの漏れを防止する機能も発揮する。
【0056】
また、規制ブレード560のゴム部562の長手方向外側には、端部シール574(図7)が設けられている。当該端部シール574は、不織布により形成されており、現像ローラ510の軸方向端部にて、当該現像ローラ510の周方向に沿って当接して、その周面とハウジング540との間からのトナーTの漏れを防止する機能を発揮する。
【0057】
ホルダー526は、現像ローラ510等の種々の部材を組み付けるための金属製の部材であり、図6に示すように、その長手方向(すなわち、現像ローラ510の軸方向)に沿った上シール支持部526aと、前記長手方向(前記軸方向)において上シール支持部526aの外側に設けられ、前記長手方向(前記軸方向)と交差する現像ローラ支持部526bと、当該現像ローラ支持部と交差し、前記上シール支持部526aの長手方向端部に対向する規制ブレード支持部526cと、を有している。
【0058】
そして、図7に示すように、上シール部材520は、その短手方向端部520a(図4)にて、上シール支持部526aによって支持されており、また、現像ローラ510は、その軸方向端部510cにて、現像ローラ支持部526bにより支持されている。
【0059】
さらに、規制ブレード560は、その長手方向両端部564cにて、規制ブレード支持部526cにより、支持されている。規制ブレード560は、規制ブレード支持部526cにネジ止めされることにより、ホルダー526に固定されている。なお、規制ブレード560の、ホルダー526に対する位置調整のために、前記長手方向両端部564cと規制ブレード支持部526cとの間には、必要に応じて、一又は複数のスペーサー570(図10)が設けられている。
【0060】
このように、上シール部材520と、現像ローラ510と、規制ブレード560とが組付けられたホルダー526は、図8に示すように、ホルダー526とハウジング540との間からのトナーTの漏れを防止するためのハウジングシール546(図4)を介して、前述したハウジング540に取り付けられている。
【0061】
このように構成されたイエロー現像装置54において、トナー供給ローラ550がトナー収容体530に収容されているトナーTを現像ローラ510に供給する。現像ローラ510に供給されたトナーTは、現像ローラ510の回転に伴って、規制ブレード560の当接位置に至り、該当接位置を通過する際に、層厚が規制されるとともに、電荷が付与される。層厚が規制され、電荷が付与された現像ローラ510上のトナーTは、現像ローラ510のさらなる回転によって、感光体20に対向する現像位置に至り、該現像位置にて交番電界下で感光体20上に形成された潜像の現像に供される。現像ローラ510のさらなる回転によって現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTは、上シール部材520を通過して、上シール部材520によって掻き落とされることなく現像装置内に回収される。さらに、未だ現像ローラ510に残存しているトナーTは、前記トナー供給ローラ550によって剥ぎ取られうる。
【0062】
なお、イエロー現像装置54は、さらに、前述した現像装置側メモリ54a(図2)を備えている。当該現像装置側メモリ54aは、種々の情報を記録可能なEEPROM等の不揮発性記憶素子である。当該現像装置側メモリ54aは、当該種々の情報を記録するための記憶領域を有している。本実施の形態に係る現像装置側メモリ54aにおいては、当該情報として、イエロー現像装置54のID情報、製造年月日情報、仕向地情報、製造ライン情報、対応機種名、トナー残量情報、後に詳述する規制ブレード関連情報等が、前記記憶領域に記録されている。
【0063】
===規制ブレード560の再取り付け方法===
背景技術の項で説明したとおり、資源の節約及び環境保護やコストの低減化等の観点から、現像装置の再利用(リユース)が、一般的に行われている。現像装置が使用されることにより現像装置内のトナーがなくなった際に、当該現像装置は、現像装置の供給者等により回収される。そして、トナーが、当該供給者等により再充填(リフィル)され、現像装置が再生されることとなる。
【0064】
また、かかる際には、トナーの再充填とともに、規制ブレードの交換が実施されることがある。規制ブレードについては、現像装置が使用されることにより、前述したゴム部が磨耗するから、規制ブレードの磨耗状態がチェックされた後に、規制ブレードが適宜交換される。すなわち、当該磨耗が著しい場合には、磨耗した規制ブレードが取り外されて、新しい規制ブレードが再取り付けされることとなる。
【0065】
ここでは、現像装置の再利用等のために、上述した現像装置51、52、53、54(より具体的には、前述したホルダー526)から規制ブレード560を取り外して、新しい規制ブレード560を再取り付けする方法について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、規制ブレード560の再取り付け方法を示すフローチャートである。図10は、規制ブレード560の取り付け位置を調整する手順を説明するための説明図である。なお、以下では、ブラック現像装置51、マゼンタ現像装置52、シアン現像装置53、及び、イエロー現像装置54のうち、イエロー現像装置54を例に挙げて、説明する。
【0066】
先ず、規制ブレード560が設けられているイエロー現像装置54から、規制ブレード560を取り外す(ステップS2)。かかる際には、規制ブレード560の取り外しを容易にするために、以下の手順が実施される。すなわち、初めに、イエロー現像装置54を、規制ブレード560及び現像ローラ510が取り付けられているホルダー526と、ハウジング540とに、分解する。次に、当該ホルダー526から、現像ローラ510を取り外す。そして、現像ローラ510が取り外されたホルダー526から、規制ブレード560を取り外す。
【0067】
次に、規制ブレード560が取り外されたホルダー526(すなわち、図6に示されたホルダー526)に新しい規制ブレード560(すなわち、図5に示された規制ブレード560)を取り付ける手順が実施されるが、当該取り付けの前に、ホルダー526に対する新しい規制ブレード560の取り付け位置が調整される。当該取り付け位置の調整としては、二種類の調整、すなわち、規制ブレード560の先端560aから当接部562aまでの長さ(以下、当該長さを、突き出し量とも呼ぶ)、の調整と、前記ゴム部562から現像ローラ510へ向かう方向における、基準位置からゴム支持部564の短手方向他端部564eまでの距離、の調整と、が実施される。
【0068】
なお、当該調整を行う際には、イエロー現像装置54の現像装置側メモリ54aに記録されている前述した規制ブレード関連情報、が用いられる。当該規制ブレード関連情報は、例えば、イエロー現像装置54に設けられていた規制ブレード560(すなわち、ステップS2で取り外された規制ブレード560)に関する情報であり、イエロー現像装置54が、新規な現像装置として(すなわち、再利用された現像装置としてではなく)製造された際に、製造者により現像装置側メモリ54aの所定の記憶領域に記録される。本実施の形態においては、当該規制ブレード関連情報として、前記突き出し量を示す情報と、前記距離を示す情報と、前記ゴム部562の厚みを示す情報と、が現像装置側メモリ54aに記録されている。
【0069】
以下、規制ブレード560の取り付け位置の調整について、図10を用いて、より具体的に説明する。
【0070】
先ず、前記ゴム部562から現像ローラ510へ向かう方向(当該方向を、図10中、記号Xで示す)における、基準位置(当該位置を、図10中、記号Bで示す)からゴム支持部564の短手方向他端部564eまでの距離h、を調整する(ステップS4)。かかる際には、現像装置側メモリ54aに記録されている前記距離hoを示す情報及び前記厚みtoを示す情報に基づいて、イエロー現像装置54に再取り付けされる規制ブレードの前記距離hが調整される。すなわち、再取り付けされる規制ブレード560の前記厚みtが前記厚みtoと等しい場合には、前記距離hが現像装置側メモリ54aに記録されている前記距離hoになるように、規制ブレード560の取り付け位置を調整する。一方、再取り付けされる規制ブレード560の前記厚みtが前記厚みtoよりも大きい(小さい)場合には、その差Δtを算出し、前記距離hが、現像装置側メモリ54aに記録されている前記距離hoよりもΔtだけ大きい(小さい)値になるように、規制ブレード560の取り付け位置を調整する。
【0071】
なお、規制ブレード560の取り付け位置の調整は、規制ブレード560の長手方向両端部564cと、ホルダー526の規制ブレード支持部526cとの間にスペーサー570を挿入することにより行われる。すなわち、ここでは、ホルダー526に対する規制ブレード560の高さが調整されることとなる。
【0072】
また、前記基準位置は、どの位置でも構わない。本実施の形態においては、当該基準位置を、現像ローラ支持部526bの、軸受け576が嵌合する穴、の中心に対応する位置(図10中、記号Bで示される位置)としているが、例えば、規制ブレード支持部526cの最上部(図10中、記号B´で示される位置)としてもよい。
【0073】
次に、突き出し量を調整する(ステップS6)。図10に示されるように、当該突き出し量を調整するために、前述した方向Xに交差する方向(当該方向を、図10中、記号Yで示す)において、規制ブレード560の取り付け位置が調整される。そして、ステップS4と同様、かかる際には、現像装置側メモリ54aに記録されている突き出し量を示す情報に基づいて、イエロー現像装置54に再取り付けされる規制ブレード560の突き出し量が調整される。本実施の形態においては、当該突き出し量を示す情報の一例として、方向Yにおける基準位置Bから規制ブレード560の先端560aまでの距離lo、が現像装置側メモリ54aに記録されている。そして、当該距離lが現像装置側メモリ54aに記録されている前記距離loになるように、新しい規制ブレード560の取り付け位置を調整する。
【0074】
このように、方向Xにおける基準位置Bからゴム支持部564の短手方向他端部564eまでの距離hと、規制ブレード560の突き出し量とが、調整された規制ブレード560は、ホルダー526の規制ブレード支持部526cにネジ止めされることにより、最終的に、当該ホルダー526に固定される。そして、新しい規制ブレード560が固定されたホルダー526に現像ローラ510を取り付けて、現像ローラ510が取り付けられた当該ホルダー526をハウジング540に取り付けることにより、規制ブレード560の再取り付けが完了する(ステップS8)。
【0075】
上述したとおり、本実施の形態に係る規制ブレード560の再取り付け方法においては、現像装置に記録されている情報であって、規制ブレード560の突き出し量、を示す情報、に基づいて、現像装置に再取り付けされる規制ブレード560の前記突き出し量を調整するステップを有しているから、規制ブレード560の当該再取り付け方法が、より簡略化されることとなる。すなわち、規制ブレード560の突き出し量の調整の際に、現像装置に記録されている前記突き出し量を示す情報を用いることで、現像装置を新規な現像装置として(すなわち、再利用された現像装置としてではなく)製造する際に規制ブレード560を現像装置に取り付ける場合と比較して、より簡易に規制ブレード560を取り付けることができる。
【0076】
さらに、本実施の形態に係る規制ブレード560の再取り付け方法においては、現像装置に記録されている情報であって、ゴム部562から現像ローラ510へ向かう方向における、基準位置からゴム支持部564の短手方向他端部564eまでの距離、を示す情報と、ゴム部562の厚みを示す情報と、に基づいて、現像装置に再取り付けされる規制ブレード560の前記距離を調整するステップを有しているから、規制ブレード560の当該再取り付け方法が、より一層簡略化されることとなる。
【0077】
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る層厚規制部材の再取り付け方法等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0078】
上記実施の形態においては、画像形成装置として中間転写型のフルカラーレーザビームプリンタを例にとって説明したが、本発明は、中間転写型以外のフルカラーレーザビームプリンタ、モノクロレーザビームプリンタ、複写機、ファクシミリなど、各種の画像形成装置に適用可能である。
【0079】
また、感光体についても、円筒状の導電性基材の外周面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ローラに限られず、ベルト状の導電性基材の表面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ベルトであってもよい。
【0080】
また、上記実施の形態に係る規制ブレード560の再取り付け方法においては、現像装置に記録されている情報であって、ゴム部562から現像ローラ510へ向かう方向における、基準位置からゴム支持部564の短手方向他端部564eまでの距離、を示す情報と、ゴム部562の厚みを示す情報と、に基づいて、現像装置に再取り付けされる規制ブレード560の前記距離を調整するステップを有することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ゴム部562の厚みを示す情報を用いることなく、前記距離を示す情報のみに基づいて当該距離を調整することとしてもよい。
【0081】
例えば、ゴム部562を精度良く製造することができる場合には、前述した厚みtは、現像装置側メモリ54aに記録されている前記厚みtoと等しくなる可能性が高い。したがって、このような場合等に、ゴム部562の厚みを示す情報を用いることなく、前記距離を示す情報のみに基づいて当該距離を調整するとすれば、規制ブレード560の位置調整に係る精度を落とすことなく、規制ブレード560の再取り付け方法が、より簡略化される。なお、当然のことながら、かかる場合には、現像装置が、ゴム部562の厚みを示す情報、を有している必要はない。
【0082】
また、現像装置に再取り付けされる規制ブレード560の前記距離を調整するステップを有さないこととしてもよい。すなわち、上記実施の形態に係る前記再取り付け方法においては、規制ブレード560の位置調整として、ステップS4に示されるX方向の位置調整と、ステップS6に示されるY方向の位置調整が行われることとしたが、当該二つの位置調整のうち後者のみを行うこととしてもよい。
【0083】
例えば、ゴム部562を精度良く製造することができ、かつ、規制ブレード560の再取り付けの際に、現像装置に取り付けられていたスペーサー570を再利用する場合には、前述した距離hと厚みtは、ステップS4に示されるX方向の位置調整を行わなくても、現像装置側メモリ54aに記録されている前記距離ho及び前記厚みtoと等しくなる可能性が高い。したがって、このような場合等に、ステップS4に示されるX方向の位置調整を省略することとすれば、規制ブレード560の位置調整に係る精度を落とすことなく、規制ブレード560の再取り付け方法が、より簡略化される。なお、当然のことながら、かかる場合には、現像装置が、ゴム部562から現像ローラ510へ向かう方向における、基準位置からゴム支持部564の短手方向他端部564eまでの距離、を示す情報と、ゴム部562の厚みを示す情報、を有している必要はない。
【0084】
また、上記実施の形態においては、情報が、現像装置に備えられた現像装置側メモリ51a、52a、53a、54aに記録されていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、現像装置に筆記具やスタンプ等により情報が書き込まれていることとしてもよい。
ただし、現像装置を汚さないで済む点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0085】
また、上記実施の形態においては、新しい規制ブレード560の、現像装置への再取り付け、を例に挙げて、規制ブレード560の再取り付け方法を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、規制ブレードが現像装置から取り外された後に、規制ブレードの磨耗状態がチェックされ、規制ブレードの交換が必要ないと判断された際に、当該規制ブレードを現像装置に再取り付けする場合にも、本発明を適用することができる。
【0086】
また、上記実施の形態においては、現像装置の再利用(リユース)の目的で、規制ブレード560を現像装置に再取り付けする例について、規制ブレード560の再取り付け方法を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、現像装置を新規に製造する際に規制ブレードを現像装置に再取り付けする必要が生じた場合にも、本発明を適用することができる。
【0087】
===画像形成システム等の構成===
次に、本発明に係る実施の形態の一例である画像形成システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0088】
図11は、画像形成システムの外観構成を示した説明図である。画像形成システム700は、コンピュータ702と、表示装置704と、プリンタ706と、入力装置708と、読取装置710とを備えている。コンピュータ702は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置704は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ706は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置708は、本実施形態ではキーボード708Aとマウス708Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置710は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置710AとCD−ROMドライブ装置710Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0089】
図12は、図11に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ702が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ802と、ハードディスクドライブユニット804等の外部メモリがさらに設けられている。
【0090】
なお、以上の説明においては、プリンタ706が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710と接続されて画像形成システムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像形成システムが、コンピュータ702とプリンタ706から構成されても良く、画像形成システムが表示装置704、入力装置708及び読取装置710のいずれかを備えていなくても良い。
【0091】
また、例えば、プリンタ706が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ706が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0092】
このようにして実現された画像形成システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】図1のプリンタ10の制御ユニットを示すブロック図である。
【図3】現像装置の概念図である。
【図4】現像装置の主要構成要素を示した断面図である。
【図5】規制ブレード560の斜視図である。
【図6】ホルダー526の斜視図である。
【図7】ホルダー526に、上シール部材520、規制ブレード560、及び、現像ローラ510が組み付けられている様子を示した斜視図である。
【図8】ホルダー526が、ハウジング540に取付けられている様子を示した斜視図である。
【図9】規制ブレード560の再取り付け方法を示すフローチャートである。
【図10】規制ブレード560の取り付け位置を調整する手順を説明するための説明図である。
【図11】画像形成システムの外観構成を示した説明図である。
【図12】図11に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0094】
10 レーザビームプリンタ 20 感光体
30 帯電ユニット 40 露光ユニット
50 YMCK現像ユニット 50a 中心軸
51 ブラック現像装置 51a 現像装置側メモリ
52 マゼンタ現像装置 52a 現像装置側メモリ
53 シアン現像装置 53a 現像装置側メモリ
54 イエロー現像装置 54a 現像装置側メモリ
55a、55b、55c、55d 保持部
60 一次転写ユニット 70 中間転写体
75 クリーニングユニット 76 クリーニングブレード
80 二次転写ユニット 90 定着ユニット
92 給紙トレイ 94 給紙ローラ
95 表示ユニット 96 レジローラ
100 制御ユニット 101 メインコントローラ
102 ユニットコントローラ 112 インターフェイス
113 画像メモリ 120 CPU
121 シリアルインターフェイス 122 本体側メモリ
510 現像ローラ 510a 軸部
510b 大径部 510c 軸方向端部
520 上シール部材 520a 短手方向端部
520b 当接面 520c 反対面
524 上シール付勢部材
526 ホルダー 526a 上シール支持部
526b 現像ローラ支持部 526c 規制ブレード支持部
530 トナー収容体
530a 第一トナー収容部 530b 第二トナー収容部
540 ハウジング
542 上ハウジング部 544 下ハウジング部
545 仕切り壁 546 ハウジングシール
550 トナー供給ローラ
560 規制ブレード 560a 先端
562 ゴム部 562a 当接部
564 ゴム支持部 564a 薄板
564b 薄板支持部 564c 長手方向両端部
564d 短手方向一端部 564e 短手方向他端部
570 スペーサー 572 開口
574 端部シール 576 軸受け
700 画像形成システム 702 コンピュータ
704 表示装置 706 プリンタ
708 入力装置
708A キーボード 708B マウス
710 読取装置
710A フレキシブルディスクドライブ装置
710B CD−ROMドライブ装置
802 内部メモリ
804 ハードディスクドライブユニット
T トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材、が設けられている現像装置から、該層厚規制部材を取り外すステップと、
前記現像装置に記録されている情報であって、前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記長さを調整するステップと、
前記長さが調整された前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けするステップと、
を有することを特徴とする層厚規制部材の再取り付け方法。
【請求項2】
請求項1に記載の層厚規制部材の再取り付け方法において、
前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体に当接する当接部材と、その一端部で前記当接部材を支持するための支持部材と、を有し、
前記現像装置に記録されている情報であって、前記当接部材から前記現像剤担持体へ向かう方向における、基準位置から前記支持部材の他端部までの距離、を示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記距離を調整するステップ、
を有し、
前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けするステップにおいては、前記距離及び前記長さが調整された前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けすることを特徴とする層厚規制部材の再取り付け方法。
【請求項3】
請求項2に記載の層厚規制部材の再取り付け方法において、
前記距離を調整するステップにおいては、前記現像装置に記録されている情報であって、前記当接部材の厚みを示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記距離を調整することを特徴とする層厚規制部材の再取り付け方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の層厚規制部材の再取り付け方法において、
前記情報は、前記現像装置に備えられた記憶素子に記録されていることを特徴とする層厚規制部材の再取り付け方法。
【請求項5】
現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材、が設けられている現像装置から、該層厚規制部材を取り外すステップと、
前記現像装置に記録されている情報であって、前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記長さを調整するステップと、
前記長さが調整された前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けするステップと、
を有し、
前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体に当接する当接部材と、その一端部で前記当接部材を支持するための支持部材と、を有し、
前記現像装置に記録されている情報であって、前記当接部材から前記現像剤担持体へ向かう方向における、基準位置から前記支持部材の他端部までの距離、を示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記距離を調整するステップ、
を有し、
前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けするステップにおいては、前記距離及び前記長さが調整された前記層厚規制部材を前記現像装置に再取り付けし、
前記距離を調整するステップにおいては、前記現像装置に記録されている情報であって、前記当接部材の厚みを示す情報、に基づいて、前記現像装置に再取り付けされる前記層厚規制部材、の前記距離を調整し、
前記情報は、前記現像装置に備えられた記憶素子に記録されていることを特徴とする層厚規制部材の再取り付け方法。
【請求項6】
現像剤を担持するための現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、
前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報と、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項6に記載の現像装置において、
前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体に当接する当接部材と、その一端部で前記当接部材を支持するための支持部材と、を有し、
前記現像装置は、
前記当接部材から前記現像剤担持体へ向かう方向における、基準位置から前記支持部材の他端部までの距離、を示す情報、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項7に記載の現像装置において、
前記当接部材の厚みを示す情報を有することを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の現像装置において、
前記情報は、前記現像装置に備えられた記憶素子に記録されていることを特徴とする現像装置。
【請求項10】
現像剤を担持するための現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、
前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報と、
を有し、
前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体に当接する当接部材と、その一端部で前記当接部材を支持するための支持部材と、を有し、
前記現像装置は、
前記当接部材から前記現像剤担持体へ向かう方向における、基準位置から前記支持部材の他端部までの距離、を示す情報、
を有し、
前記当接部材の厚みを示す情報を有し、
前記情報は、前記現像装置に備えられた記憶素子に記録されていることを特徴とする現像装置。
【請求項11】
現像剤を担持するための現像剤担持体と、前記現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報と、を有する現像装置、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
コンピュータ、及び、
このコンピュータに接続可能な画像形成装置であって、現像剤を担持するための現像剤担持体と、前記現像剤担持体に当接部にて当接して該現像剤担持体に担持された現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、前記層厚規制部材の先端から前記当接部までの長さ、を示す情報と、を有する現像装置、を備えた画像形成装置、
を有する画像形成システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2006−65099(P2006−65099A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248937(P2004−248937)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】