説明

層形成装置

【課題】安価で、かつ、適切に反射層を形成できる層形成装置を提供すること。
【解決手段】スプレー塗布装置は、互いに交差する傾斜面14および直交面15が所定方向に沿って交互に形成された被投影面12を有するスクリーン素材11の前記傾斜面14に反射層16を形成する装置であって、被投影面12を略鉛直な方向に沿った状態でスクリーン素材11を保持する保持装置と、スプレー方向が傾斜面14に対して斜め方向となるようにノズル本体41を支持するノズル傾斜装置44とを備える。このため、スプレーの際、スプレー材料が被投影面12に対して斜め方向にスプレーされるので、傾斜面14に適切に反射層16を形成することができる。また、スプレーによって反射層16を形成できるので、蒸着装置のような高価な装置を使用せずに安価に形成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン素材に反射層を形成する層形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクタなどから画像光が投射され、画像を映し出すスクリーンのうち、観察者が位置する側から画像光が投射され、当該画像光を反射する反射層を備えた反射型のスクリーンが知られている。また、このようなスクリーンの被投影面に金属膜を蒸着させて反射層を形成する蒸着装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の蒸着装置は、真空雰囲気を維持する真空チャンバと、当該真空チャンバの中に設置される蒸発源と、蒸発源に対向する位置にフィルムなどの被蒸着材料を供給する供給ローラなどからなる供給手段とを備えている。そして、当該蒸着装置では、蒸発源を加熱すると、蒸着材料が蒸発し、被蒸着材料に付着する。この蒸着装置を用いて、スクリーン素材の被投影面に反射層を形成する際には、供給手段でスクリーン素材を供給させればよく、蒸発して飛散した蒸着材料の粒子が被投影面に付着して堆積することによって、反射層を形成することができる。
【0003】
ところで、近年、スクリーンと、当該スクリーンに画像光を投射するプロジェクタとの距離を短縮して、設置場所の省スペース化を図ることが要望されている。このため、スクリーンの上方または下方から近距離で画像光を投射することが提案されている。しかしながら、平坦な被投影面を有するスクリーンでは、画像光を適切に観察者が位置する方向に反射することができないという問題がある。このため、互いに交差する第1面および第2面が交互に形成された被投影面を有し、プロジェクタに対向する第1面により観察者側に画像光を反射するスクリーンが提案されている。このようなスクリーンによれば、投射された画像光を観察者側に適切に反射することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平5−86469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような画像光を観察者側に適切に反射することができるスクリーンのスクリーン素材に反射層を形成する場合に、前述の特許文献1に記載の蒸着装置を用いると、第1面および第2面のそれぞれに蒸着材料が付着してしまう可能性がある。ここで、第2面に反射層が形成されてしまうと、当該第2面に入射した蛍光灯等の外光が、第1面を介するなどして観察者側に反射してしまい、画像のコントラストが低下してしまうという問題がある。一方、特許文献1に記載の蒸着装置は、前述のように、真空チャンバが必要になるなど高価であり、また、反射層形成に際して第2面をマスキングすると、作業工程が煩雑となるという問題がある。このため、適切に反射層を形成することができる安価な装置が要望されてきた。
【0006】
本発明の目的は、安価で、かつ、適切に反射層を形成できる層形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の層形成装置は、互いに交差する第1面および第2面が所定方向に沿って交互に形成された被投影面を有するスクリーン素材の前記第1面および前記第2面のいずれか一方の面を被形成面とし、当該被形成面に反射層を形成する層形成装置であって、前記被投影面を略鉛直な方向に沿った状態にして、かつ、前記被形成面の法線方向が上向きとなる姿勢で、前記スクリーン素材を保持する保持装置と、前記反射層を形成するスプレー材料をスプレーするノズルと、前記ノズルによるスプレー方向を前記被投影面に対して傾斜させ、かつ、前記被形成面に対向する姿勢で前記ノズルを支持する支持部材と、前記支持部材を前記被投影面に沿って移動させる移動装置とを備えることを特徴とする。
ここで、第1面および第2面としては、例えば、交互に形成される所定方向に対して直交する方向に長い領域をそれぞれ有するものでもよく、これらの領域が直線状に延びていても、円弧状などに湾曲して延びていても構わない。
【0008】
本発明によれば、保持装置により、被投影面を略鉛直として、かつ、被形成面の法線方向を上向きとする姿勢で保持されたスクリーン素材の被形成面に対して、斜め方向からノズルがスプレー材料をスプレーするので、被形成面に適切に反射層を形成することができる。また、スプレーによって被形成面に反射層を形成できるので、蒸着装置のような高価な装置を使用せずに、安価に反射層を形成することができる。
また、本発明の層形成装置を用いれば、例えば、画像光を反射する反射層が被形成面に形成された反射型のスクリーンを製造することができる。このようなスクリーンを用いれば、投射された画像光を観察者側に適切に反射させることができ、スクリーンから近距離で画像光を投射することが可能となる。
【0009】
本発明の層形成装置では、前記支持部材は、前記スプレー方向を前記被投影面に対して斜め下向きにして、前記ノズルを支持することが好ましい。
本発明によれば、支持部材により、被投影面に対して斜め上方向からノズルがスプレー材料をスプレーするので、第1面および第2面のうち被形成面ではない他方の面にスプレー材料が直接当たらないようにすることができる。また、仮に、被形成面から他方の面に向かってスプレー材料が跳ね返ったとしても、その跳ね返る方向が、重力に逆らった方向となるので、これによってもスプレー材料の他方の面への付着を抑制できる。
また、例えば、第1面にのみ反射層が適切に形成されたスクリーンを用いれば、当該第2面に入射した蛍光灯等の外光が第1面を介するなどして観察者側に反射することを防止することができる。従って、高いコントラストを実現できるスクリーンを製造できる。
【0010】
本発明の層形成装置では、前記保持装置に保持された状態で、前記スクリーン素材を略水平方向に移動させる搬送装置を備え、前記移動装置は、前記支持部材を略鉛直方向に移動自在に支持することが好ましい。
本発明によれば、被投影面に沿って支持部材を移動させる装置を単一の装置で構成する場合に比べて、比較的簡単な動作を行う搬送装置および移動装置を組み合せるだけで、支持部材をスクリーン素材に対して被投影面に沿って相対的に移動させることができ、支持部材に支持されたノズルによって反射層を被形成面に沿って容易に形成することができる。
【0011】
本発明の層形成装置では、前記搬送装置によるスクリーン素材を送る動作に応じて、前記支持部材を略鉛直方向に移動させることにより、前記支持部材を前記スクリーン素材に対して前記被形成面に沿って相対的に移動させる制御装置を備えることが好ましい。
本発明によれば、制御装置により、支持部材を被投影面に対して被形成面に沿って相対的に移動させることができ、支持部材に支持されたノズルによって反射層を被形成面に沿って精度よく形成することができる。
【0012】
本発明の層形成装置では、前記制御装置は、前記移動装置および前記搬送装置を動作させて、複数の前記被形成面に対して、上方に配置された前記被形成面から順番に前記被形成面ごとに前記支持部材を前記スクリーン素材に対して相対的に移動させることが好ましい。
本発明によれば、下方側の被形成面から順に反射層を形成すると、既に反射層が形成された被形成面に対してスプレー材料が再度付着する可能性があり、各被形成面に均質な反射層を形成することが困難である。これに対し、上方側の被形成面から順に反射層を形成することにより、スプレー材料が再度付着することを抑制することができ、均質な反射層を形成しやすくすることができる。
【0013】
本発明の層形成装置では、前記第1面および前記第2面は、前記被投影面を含む平面上で、かつ、当該被投影面の領域外の仮想点を中心とする同心円状に、当該同心円の直径方向に沿って交互に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、近接投射された画像光を観察者側に効率よく反射させることにより、画像を高輝度で映し出すことができるスクリーンに、例えば、反射層を効率よく形成することができる。
【0014】
本発明の層形成装置では、前記ノズルによるスプレー対象となる前記被形成面を挟んで、前記ノズルに対向配置され、スプレーされた前記スプレー材料を吸引する吸引装置を備え、前記吸引装置は、前記支持部材により前記ノズルとともに支持されていることが好ましい。
本発明によれば、吸引装置をノズルに対向配置させたので、被形成面に付着しないでこの被形成面から飛散したスプレー材料を吸引することができ、スプレー材料の余剰分を除去することができる。従って、飛散したスプレー材料が被形成面ではない他方の面に付着することを抑制できる。また、被形成面ではない他方の面への付着が生じない程度までノズルのスプレー量を大きくすることで反射層の形成効率を高め、スクリーンの生産性を向上させることができる。
また、吸引装置をノズルとともに支持部材に支持させたので、ノズルと一体で吸引装置を移動させることができる。このため、別途、吸引装置を移動させる装置を設ける必要がなく、装置構成を簡略化させることができる。
【0015】
本発明の層形成装置では、複数の前記被形成面は、前記所定方向の一方の端部から他方の端部に向かうに従って、各被形成面と前記所定方向に沿った前記被投影面の基準面との傾斜角が大きくなるように形成され、前記支持部材は、前記傾斜角に応じて前記被形成面に対する角度を調整自在に、前記ノズルを支持することが好ましい。
【0016】
本発明によれば、被形成面に対するノズルのスプレー方向を傾斜角に応じて可変としたので、傾斜角が変化するように被形成面が形成されている場合であっても、被形成面にスプレー方向を適切に対向させた状態を維持でき、反射層をむらなく形成することができる。
また、例えば、画像光の光源に近い側から遠い側に向かって大きくなる傾斜角で形成された第1面に反射層を形成することにより、反射層によって近接投影された画像光を観察者側に効率良く反射することができるスクリーンが得られるが、本発明の層形成装置を用いれば、このような画像をさらに高輝度で映し出すことができるスクリーンに、反射層を効率よく形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。
[スプレー塗布装置の全体構成]
図1は、本実施形態に係るスプレー塗布装置1の側面図であり、図2は、スプレー塗布装置1の平面断面図である。
スプレー塗布装置1は、高輝度スクリーン(以下、「スクリーン」と略す場合がある)の素材である布状のスクリーン素材に対してスプレー材料をスプレーして、例えば、主にアルミニウムからなる金属層である反射層をスクリーン素材の被投影面に形成する層形成装置である。なお、本実施形態では、スクリーン素材は、その幅方向(スクリーンの横寸法の方向)に複数のスクリーン素材11を連続させて巻かれたロール状のロール材10として、スプレー塗布装置1に取り付けられる。スプレーの際には、巻かれた状態のスクリーン素材11が、一度伸ばされて平坦な状態でスプレーされ、再びロール状に巻き取られるようになっている。
【0018】
このスプレー塗布装置1は、図1および図2に示すように、内部にロール材10を設置する装置本体2、ロール材10を保持する保持装置3、ロール材10を伸ばして平坦な状態で移動させる搬送装置8と、スプレー材料をスプレーするスプレー部4、スプレー部4を被投影面12に沿って移動させる移動装置5と、これら各装置を制御する制御装置7(図5参照)とを備える。
【0019】
装置本体2は、略直方体形の下部支持構造21および上部支持構造22を有する。下部支持構造21は、支持板211と、これを支える4本の支柱212とを有し、支持板211の下面に固定された搬送装置8である2つの供給用モータ81と回収用モータ82とを収納している。上部支持構造22は、支持板211上面に立設された4本の支柱221と、これに支持された天板222とを有する。支持板211と天板222との間には、保持装置3および移動装置5が設けられている。
【0020】
[保持装置および搬送装置の構成]
保持装置3は、スクリーン素材11を略鉛直な方向に沿った状態で保持するものであり、図2にも示すように、供給用ローラ31と、第1送り用ローラ33と、第2送り用ローラ34と、回収用ローラ32とを有する。これらのローラは、この順番で、支持板211上の仮想の略長方形の各頂点に相当する4つの位置に立設され、各ローラの回転中心軸を略鉛直方向にした状態で支持板211と天板222とによって軸支されている。
【0021】
供給用ローラ31は、ロール材10の供給側ロール部10Aを回転自在に支持するとともに、供給側ロール部10Aの外周からスクリーン素材11を平坦状に伸ばして第1送り用ローラ33へ送るためのものであり、供給側ロール部10Aの芯部となるローラ本体311と、ローラ本体311の両端に設けられた被軸受部312と、供給側ロール部10Aの自重を受ける台部313とを有する。
【0022】
第1送り用ローラ33および第2送り用ローラ34は、スクリーン素材11にスプレーするため、ロール材10の被スプレー部10Bを平坦な状態で支持しながら案内するためのものである。この第1送り用ローラ33および第2送り用ローラ34は、外周面にてスクリーン素材11を案内するローラ本体331,341と、ローラ本体331,341の両端に設けられた被軸受部332,342と、スクリーン素材11の上下方向の位置を規制する台部333,343とをそれぞれ有する。そして、第1送り用ローラ33は、供給用ローラ31から送られるスクリーン素材11を第2送り用ローラ34に向かって案内する。第2送り用ローラ34は、第1送り用ローラ33から送られるスクリーン素材11を回収用ローラ32に向かって案内する。
【0023】
回収用ローラ32は、第2送り用ローラ34から送られるスクリーン素材11を再びロール状に巻き取りながらロール材10の回収側ロール部10Cを回転自在に支持するためのものである。この回収用ローラ32は、巻き取られた回収側ロール部10Cの芯部となるローラ本体321と、ローラ本体321の両端に設けられた被軸受部322と、回収側ロール部10Cの自重を受ける台部323とを有する。
また、スプレーされたスクリーン素材11を回収用ローラ32で回収する際に、反射層を乾燥させるためのヒータ35が、バックアップガイド36に内蔵された状態で、ロール材10の被スプレー部10Bに対して、スプレー部4とは反対側となる位置に設けられている。バックアップガイド36は、被スプレー部10Bに面する平坦なガイド面を有し、熱伝達性を有する材料で形成され、ヒータ35の熱をスクリーン素材11に伝達させるようになっている。
このように、保持装置3は、ロール材10から伸ばされたスクリーン素材11の被投影面12を、第1送り用ローラ33と第2送り用ローラ34との間にて略鉛直な方向に沿った状態にして、スクリーン素材11を保持する。
なお、ロール材10は、供給用ローラ31に装着される際、後述する傾斜面14(図4参照)の法線方向が水平方向よりも上向きとなるように、スクリーン素材11の上下方向が設定されている。
【0024】
搬送装置8は、供給用ローラ31を回転駆動する供給用モータ81と、回収用ローラ32を回転駆動する回収用モータ82とを有し、供給用ローラ31および回収用ローラ32をそれぞれ正転および逆転の両方向に回転させる。このため、搬送装置8は、供給用ローラ31および回収用ローラ32を駆動させることにより、スクリーン素材11を第1送り用ローラ33と第2送り用ローラ34との間にて略水平方向に移動させることができるようになっている。また、必要に応じて、スクリーン素材11を第1送り用ローラ33から第2送り用ローラ34へ前進または後退させることができる。
【0025】
[スクリーン素材の形状]
ここで、本実施形態のスプレー対象であるスクリーン素材11の形状を説明する。
図3には、1面分のスクリーン素材11の正面図を示す。
スクリーン素材は、図3に示すように、縦寸法(高さ寸法)より大きい横寸法(幅寸法)を有する被投影面12を有し、この被投影面12の全面に複数の傾斜面14および複数の直交面15が形成されている。これらの傾斜面14および直交面15は、仮想点C2を中心とする同心円状に当該同心円の直径方向に沿って交互に連続して配列されている。この仮想点C2は、被投影面12を含む平面上、かつ、被投影面12の領域外に設定された設計上の点である。
【0026】
図4は、図3にて仮想点C2を通る面で切断した場合のスクリーン素材11の断面図である。
傾斜面14は、図4に示すように、スクリーンの基準面17に対して傾斜しており、基準面17に対して第1傾斜角θ1で交差している。また、直交面15は、基準面17に直交しており、基準面17に対して第2傾斜角θ2(θ2=90°)で交差している。そして、これらの傾斜面14および直交面15によって突条部13が形成されている。なお、基準面17とは、傾斜面14および直交面15が交互に形成される同心円の直径方向に沿った面を示す。
このように、スクリーン素材11の縦断面は、複数の突条部13が同心円の直径方向に沿って並んだ鋸歯状となっている。また、傾斜面14については、仮想点C2から遠ざかる方向に一方の端部から他方の端部に向かうに従って、第1傾斜角θ1が所定の比率で大きくなるように形成されている。
【0027】
以上のようなスクリーン素材11の傾斜面14および直交面15は、本発明の第1面および第2面に相当し、第1傾斜角θ1は、本発明の傾斜角に相当する角度である。なお、直交面15と基準面17とがなす第2傾斜角θ2は、本実施形態では90°としたが、これに限らず、少なくとも傾斜面14と基準面17とがなす第1傾斜角θ1よりも大きく設定されていればよい。
そして、傾斜面14および直交面15のいずれか一方の面が反射層16の被形成面とされる。本実施形態では、傾斜面14を被形成面とし、傾斜面14に反射層16が形成され、いずれか他方の面である直交面15には反射層16が形成されないようになっている。
本実施形態では、このようなスクリーン素材11を幅方向に複数連続させた状態で製造されたロール材10を使用する。ロール材10において、各スクリーン素材11の間には、切断代19(図8参照)が設けられている。
【0028】
以降、スプレー塗布装置1のスプレー部および吸引装置について説明する。
[スプレー部の構成]
図4は、図1のスプレー部4およびこのスプレー部4に支持された吸引装置6を拡大して示す側面図である。
スプレー部4は、ノズル本体のスプレー方向を調整可能なノズル傾斜角調整機能を備える。すなわち、スプレー部4は、後述する移動装置5に連結されたノズル傾斜装置44と、ノズル傾斜装置44に支持されスプレー方向N1に向けられたノズル本体41と、内部にスプレー材料を充填する容器45とを有する。ノズル本体41は、容器45内のスプレー材料をスプレーして反射層を形成するもので、本発明のノズルに相当する。
【0029】
ノズル傾斜装置44は、ノズル本体41のスプレー方向N1を変化させる装置であり、本発明の支持部材に相当する。ノズル傾斜装置44は、旋回ロッド53の先端部に着脱自在に連結された把持具43と、下面に所定の曲率の凹面444が形成された固定部441と、凹面444と同じ曲率の凸面445を有する可動部442と、固定部441に対して可動部442を回動させる傾斜用サーボモータ(図中、一点鎖線で示す)443とを備える。固定部441は、凹面444を凸面445に沿って摺動させることで、可動部442を曲率半径R1の中心点C1周りに回動可能に支持している。なお、中心点C1は、旋回軸P上に設定されている。
【0030】
可動部442には、可動側金具446が固定されている。また、ノズル本体41には、可動側金具446にねじ止めされたノズル側金具447が取り付けられている。ノズル側金具447のねじ孔448が、スプレー方向N1に沿った長孔に形成されているため、ノズル本体41をスプレー方向N1に移動可能とし、噴霧口42からスプレー方向N1に配置されるスクリーン素材11の傾斜面14までの間隔(スプレー距離)を調整可能としている。
【0031】
スプレー方向N1は、傾斜用サーボモータ443による可動部442の回動に応じて変化する。すなわち、被投影面12の基準面17の法線18とスプレー方向N1とがなす角度(以降、ノズル傾斜角度と呼ぶ)θNが変化して、ノズル本体41が被投影面12に対して斜め下向きとなる。このθNの範囲は、45°〜85°となっている。すなわち、スプレー方向N1と基準面17との交差角は、最小値が5°、最大値が45°となっている。また、ノズル本体41は、そのスプレー方向N1を中心点C1に向けて支持されているため、可動部442の姿勢に関わらず、常に中心点C1を向いて斜め下向きとなるようになっている。このような構成によって、ノズル傾斜装置44は、スクリーン素材11表面の傾斜面14に反射層16を形成する際に、傾斜面14の第1傾斜角θ1に応じてノズル傾斜角度θNを調整可能にノズル本体41を支持するようになっている。
【0032】
[吸引装置の構成]
吸引装置6は、スプレーされたスプレー材料Mの余剰分を吸引する装置であり、固定部441に取り付けられた吸引ダクト61と、吸引ダクト61に接続される図示しない真空ポンプとを有する。吸引ダクト61は、旋回軸Pと平行に延設され、その下端部に、ノズル本体41の噴霧口42に対向して開口された吸引口62を有する。このように吸引装置6は、ノズル本体41とともにノズル傾斜装置44に支持され、移動装置5によりノズル本体41と一体で移動可能に支持されている。
【0033】
ここで、スクリーン素材11に対するノズル傾斜角度θNの設定範囲について説明する。ノズル本体41は、傾斜面14に対向して配置される。ノズル傾斜角度θNは、噴霧口42が傾斜面14に対向するような角度に設定されており、具体的には、90°から第2傾斜角θ2を引いた角度(90°−θ2)を超え、かつ、90°未満(90°−θ2<θN<90°)の範囲内で設定されている。
スプレーされたスプレー材料Mは、スプレー方向N1に対して、所定の広がり角度(以降、ノズル本体41のスプレー角度と呼ぶ)θAで拡散してスプレーされる。このため、ノズル傾斜角度θNからスプレー角度θAの半分の角度を引いた角度(θN−θA/2)が、90°から第2傾斜角θ2を引いた角度(90°−θ2)を超え、かつ、90°未満(90°−θ2<θN−θA/2<90°)の範囲内で設定された方がより好ましい。
【0034】
[移動装置の構成]
移動装置5は、図1および図2に示すように、略鉛直方向に配置されたレール51と、レール51に支持され略鉛直方向に案内されるスライダ52と、スライダ52に回転自在に支持される旋回ロッド53とを有し、旋回ロッド53に取り付けられたスプレー部4を被投影面12に沿って略鉛直方向に移動させる装置である。
レール51は、第1送り用ローラ33および第2送り用ローラ34に渡されたスクリーン素材11に対向する位置に立設され、両端部を支持板211と天板222とによって支持されている。レール51には、スライダ52を略鉛直方向に移動させるアクチュエータ(図5参照)54が内蔵されている。
【0035】
旋回ロッド53は、対向位置にある被投影面12に略直交する旋回軸Pを中心に旋回可能に設けられている。スライダ52は、旋回ロッド53を駆動させる旋回用サーボモータ(図5参照)55を内蔵している。この旋回用サーボモータ55の駆動力によって旋回ロッド53が回転されると、スプレー部4が旋回軸P周りに旋回するようになっている。
【0036】
[制御装置の構成]
図5は、スプレー塗布装置1の制御装置7の構成を説明するブロック図である。
制御装置7は、移動装置5、スプレー部4、吸引装置6および搬送装置8の駆動を制御するもので、主制御手段70と、スクリーン素材11の形状データを主制御手段70に入力する入力手段71と、その形状データを記憶する記憶手段72と、主制御手段70によって統括制御される搬送制御手段77、移動制御手段73、傾斜角制御手段74、スプレー制御手段75および吸引制御手段76とを有する。
【0037】
搬送制御手段77は、搬送装置8に、供給用ローラ31および回収用ローラ32を駆動させる。すなわち、搬送制御手段77は、搬送装置8に、ロール材10として巻かれたスクリーン素材11を連続的に第1送り用ローラ33に供給させ、第1送り用ローラ33から第2送り用ローラ34を経由してスクリーン素材11を回収させる。
また、搬送制御手段77は、スプレーする際に、第1送り用ローラ33と第2送り用ローラ34との間に渡されたスクリーン素材11を、形状データに基づいて、水平方向に前進および後退させるようになっている。
【0038】
移動制御手段73は、形状データに基づいて、移動装置5(具体的にはアクチュエータ54、旋回用サーボモータ55)を制御する。同様に、傾斜角制御手段74は、ノズル傾斜装置44の傾斜用サーボモータ443を制御する。スプレー制御手段75は、スクリーン素材11に対するノズル本体41の位置に応じて、ノズル本体41のスプレー動作の始動、停止を制御する。吸引制御手段76は、スプレー制御手段75に連動して吸引装置6(真空ポンプ)の吸引動作の始動、停止を制御する。
【0039】
[スプレー塗布装置の動作]
まず、スプレー方向N1(ノズル傾斜角度θN)の調整方法について説明する。
図6は、傾斜面14の第1傾斜角θ1に応じてノズル傾斜角度θN(スプレー方向N1)を変化させた状態を示す側面図である。
傾斜角制御手段74(図5参照)は、記憶手段72の形状データを参照して第1傾斜角θ1に対応するノズル傾斜角度θNを演算し、ノズル傾斜装置44を駆動させて、ノズル本体41のスプレー方向N1(ノズル傾斜角度θN)を傾斜面14の第1傾斜角θ1に応じて調整する。
【0040】
次に、ノズル本体41を被投影面12に対して同心円状の傾斜面14に沿って相対移動させて、被投影面12に反射層を形成する方法について、図7、図8に基づいて、説明する。
図7および図8は、例えば、60インチ型のスクリーン素材11に反射層を形成する際の、スクリーン素材11に対するノズル本体41の位置およびスプレー方向N1について説明する概念図である。
スクリーン素材11に対して、ノズル本体41を同心円に沿って相対移動させる際には、搬送制御手段77および移動制御手段73(図5参照)が、記憶手段72の形状データから必要な情報(スクリーン素材11の縦横寸法、仮想点C2の座標、同心円の半径寸法Rなど)を参照して、同心円に沿ったノズル本体41の位置座標を演算し、搬送装置8および移動装置5を駆動させる。
【0041】
例えば、図7で示した状態から、スクリーン素材11を送りつつ、ノズル本体41を上方向に移動させ、図8に示すように、傾斜面14とノズル本体41とを常に対向させた状態でスプレーする。この際、ノズル傾斜装置44の旋回軸P(図1参照)は、スプレー対象となる同じ傾斜面14上に常に配置される。このようにして、ノズル本体41を同じ傾斜面14の同心円に沿って移動させながらスプレーすることができる。
【0042】
一方、図7に示すように、傾斜面14の中央部をスプレーする場合、ノズル本体41のスプレー方向N1を被投影面12に対する平面視で略下向きにしている。これに対して、図8に示すように、同じ傾斜面14の中央部よりも端部側をスプレーする場合、ノズル傾斜装置44によりノズル本体41を旋回軸P周りに回転させて、スプレー方向N1を変化させている。このように、ノズル傾斜装置44が、ノズル本体41を旋回軸P回りに適宜回転させ、被投影面12に対する平面視で常にスプレー方向N1を仮想点C2から同心円の外側へ向けている。このため、傾斜面14が同心円状に形成されていても、ノズル本体41を第1面に適切に対向させることができる。
【0043】
また、被投影面12に反射層を形成する際には、複数の傾斜面14に対して、上方に配置された仮想点C2に近い傾斜面14から、仮想点C2から遠くなる下側の傾斜面14へと一面ごとに順番に、傾斜面14に沿ってノズル本体41を被投影面12に対して相対移動させながらスプレーする。
【0044】
以上のように、搬送装置8によるスクリーン素材11を略水平方向に送る動作と、移動装置5によるノズル傾斜装置44を略鉛直方向に移動させる動作とを組み合せることにより、ノズル傾斜装置44をスクリーン素材11に対して同じ傾斜面14に沿って相対的に移動させることができる。このため、ノズル本体41は、被投影面12に対して、その噴霧口42を傾斜面14に向けた姿勢で支持された状態で、突条部13の傾斜面14の同心円の円弧に沿った方向(図4では紙面に対する直交方向)に相対的に移動される。また、ノズル傾斜装置44によって、そのノズル傾斜角度θNを第1傾斜角θ1に応じて変化させることができる。
このようにして、スプレー材料による反射層16(図4参照)を傾斜面14に形成することができる。
【0045】
以上の本実施形態のスプレー塗布装置1によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)被投影面12を略鉛直な方向に沿った状態に保持し、かつ、傾斜面14の法線方向が上向きとなる姿勢でスクリーン素材11を保持する保持装置3を設け、スプレー方向が傾斜面14に対して斜め下向きとなるようにノズル本体41を支持するノズル傾斜装置44を設けたので、スプレーの際、スプレー材料が直交面15に直接当たらないようにすることができ、傾斜面14に適切に反射層16を形成することができる。仮に、傾斜面14から直交面15に向かってスプレー材料が跳ね返ったとしても、その跳ね返る方向が、重力に逆らった方向となるので、これによってもスプレー材料の直交面15への付着を抑制できる。また、スプレーによって傾斜面14に反射層16を形成できるので、蒸着装置のような高価な装置を使用せずに、安価に反射層16を形成することができる。
【0046】
また、投射された画像光を観察者側に適切に反射させることができ、スクリーンから近距離で画像光を投射することが可能なスクリーンに、反射層16を形成することができる。このようなスクリーンを用いれば、直交面15に外光が入射しても傾斜面14や観察者に向かって反射するおそれがなく、画像のコントラストの低下を防止できる。
【0047】
(2)また、搬送装置8によって、ロール状のロール材10を用いることができるので、スクリーン素材11に反射層16を形成する作業を効率よく行うことができる。このため、スプレー塗布装置1をスクリーンの製造ライン上に配置して、スクリーンを効率よく製造することができる。
【0048】
(3)特に、被投影面12に沿ってノズル本体41を移動させる装置を単一の装置で構成する場合に比べて、比較的簡単な動作を行う搬送装置8および移動装置5を組み合せるだけで、ノズル本体41を被投影面12に対して傾斜面14に沿って相対的に移動させることができ、反射層16を傾斜面14に沿って容易に精度よく形成することができる。
【0049】
(4)近接投射された画像光を観察者側に効率よく反射させることにより、画像を高輝度で映し出すことができるスクリーンに、例えば、反射層16を効率よく形成することができる。
【0050】
(5)下方側の傾斜面14から順に反射層16を形成すると、既に反射層16が形成された傾斜面14に対してスプレー材料が再度付着する可能性があり、各傾斜面14に均質な反射層16を形成することが困難である。これに対し、上方側の傾斜面14から順に反射層16を形成することにより、スプレー材料が再度付着することを抑制することができ、均質な反射層16を形成しやすくすることができる。
【0051】
(6)ノズル本体41に対向する吸引装置6をノズル傾斜装置44に支持させて、移動装置5によって吸引装置6をノズル本体41と一体で移動するようにしたので、傾斜面14に付着しないで傾斜面14から飛散したスプレー材料が吸引装置6で除去される。従って、飛散したスプレー材料が直交面15に付着することを防止できるとともに、直交面15への付着が生じない程度までノズル本体41のスプレー量を大きくすることで反射層16の形成効率を高め、ひいてはスクリーンの生産性を向上させることができる。
【0052】
(7)スプレー部4にノズル傾斜装置44を具備させて、スプレー方向N1を第1傾斜角θ1に応じて可変としたので、第1傾斜角θ1が変化するように傾斜面14が形成されていても、傾斜面14にスプレー方向を適切に対向させた状態を維持でき、突条部13の並設方向に沿って第1傾斜角θ1が変化するように傾斜面14が形成されたスクリーンに対して、反射層16をむらなく形成することができる。
【0053】
さらに、第1傾斜角θ1が画像光の光源に近い側から遠い側に向かって大きくなるように傾斜面14が形成されたスクリーンを生産することにより、近接投影された画像光が反射層16によって被投影面12に直交する方向に効率良く反射されるので、画像をさらに高輝度で映し出すことができる。
【0054】
[実施形態の変形]
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、第1面としての傾斜面が同心円状に形成された場合を説明したが、本発明の層形成装置は、少なくとも互いに交差する第1面および第2面が所定方向に沿って交互に形成された被投影面を有するスクリーン素材の第1面に反射層を形成する際に、その効果を発揮できるので、第1面および第2面としては、同心円状のものに限らず、平行な縞状に形成されていてもよい。
また、前記実施形態では、第1面を傾斜面とし、第2面を直交面として説明したが、第1面および第2面については前記実施形態の傾斜面および直行面に限られるものではない。また、第1面を被形成面として第1面に反射層を形成し、第2面には反射層を形成しない場合を説明したが、これに限られず、第2面に反射層を形成し、第1面には反射層を形成しない場合であってもよい。
【0055】
また、前記実施形態では、支持部材としてノズル傾斜装置の場合について説明したが、支持部材としてはノズル本体を傾斜させる機能を有するものに限られず、少なくともノズル本体を支持できるものであればよい。
また、前記実施形態では、スプレー塗布装置は、吸引装置を備える構成を例示したが、吸引装置がない構成としてもよい。
前記実施形態では、第1面の傾斜角が大きくなるように形成されたスクリーン素材について説明したが、傾斜角が一定の第1面を有するスクリーン素材であってもよい。
【0056】
また、前記実施形態では、ノズル本体を被投影面に沿って移動させる装置の構成として、搬送装置と移動装置とを組み合せた構成について説明したが、これに限らず、本発明の移動装置としては、少なくともノズル本体を被投影面に沿って移動させるものであればよい。
なお、前記実施形態では、反射層を形成する場合の説明をしたが、本発明の層形成装置は、スクリーン素材の第1面に、例えば、表面を保護する保護層や、色彩を付する目的でコーティングされる層など、各種の層を形成する場合に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、スクリーンに反射層を形成する層形成装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態に係る層形成装置の側面図。
【図2】前記実施形態における層形成装置の断面平面図。
【図3】前記実施形態におけるスクリーン素材の正面図。
【図4】前記実施形態における層形成装置のノズルの拡大側面図。
【図5】前記実施形態における層形成装置の制御装置のブロック図。
【図6】前記実施形態における層形成装置の動作を示す側方から見た図。
【図7】前記実施形態における層形成装置のスプレー時の状態を説明する概念図。
【図8】前記実施形態における層形成装置のスプレー時の状態を説明する概念図。
【符号の説明】
【0059】
1…スプレー塗布装置(層形成装置)、3…保持装置、5…移動装置、6…吸引装置、7…制御装置、8…搬送装置、11…スクリーン素材、12…被投影面、14…傾斜面(第1面)、15…直交面(第2面)、16…反射層、41…ノズル本体(ノズル)、44…ノズル傾斜装置(支持部材)、θ1…第1傾斜角(傾斜角)、C2…仮想点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交差する第1面および第2面が所定方向に沿って交互に形成された被投影面を有するスクリーン素材の前記第1面および前記第2面のいずれか一方の面を被形成面とし、当該被形成面に反射層を形成する層形成装置であって、
前記被投影面を略鉛直な方向に沿った状態にして、かつ、前記被形成面の法線方向が上向きとなる姿勢で、前記スクリーン素材を保持する保持装置と、
前記反射層を形成するスプレー材料をスプレーするノズルと、
前記ノズルによるスプレー方向を前記被投影面に対して傾斜させ、かつ、前記被形成面に対向する姿勢で前記ノズルを支持する支持部材と、
前記支持部材を前記被投影面に沿って移動させる移動装置とを備えることを特徴とする層形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の層形成装置において、
前記支持部材は、前記スプレー方向を前記被投影面に対して斜め下向きにして、前記ノズルを支持することを特徴とする層形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の層形成装置において、
前記保持装置に保持された状態で、前記スクリーン素材を略水平方向に移動させる搬送装置を備え、
前記移動装置は、前記支持部材を略鉛直方向に移動自在に支持することを特徴とする層形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の層形成装置において、
前記搬送装置によるスクリーン素材を送る動作に応じて、前記支持部材を略鉛直方向に移動させることにより、前記支持部材を前記スクリーン素材に対して前記被形成面に沿って相対的に移動させる制御装置を備えることを特徴とする層形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の層形成装置において、
前記制御装置は、前記移動装置および前記搬送装置を動作させて、複数の前記被形成面に対して、上方に配置された前記被形成面から順番に前記被形成面ごとに前記支持部材を前記スクリーン素材に対して相対的に移動させることを特徴とする層形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の層形成装置において、
前記第1面および前記第2面は、前記被投影面を含む平面上で、かつ、当該被投影面の領域外の仮想点を中心とする同心円状に、当該同心円の直径方向に沿って交互に形成されていることを特徴とする層形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の層形成装置において、
前記ノズルによるスプレー対象となる前記被形成面を挟んで、前記ノズルに対向配置され、スプレーされた前記スプレー材料を吸引する吸引装置を備え、
前記吸引装置は、前記支持部材により前記ノズルとともに支持されていることを特徴とする層形成装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の層形成装置において、
複数の前記被形成面は、前記所定方向の一方の端部から他方の端部に向かうに従って、各被形成面と前記所定方向に沿った前記被投影面の基準面との傾斜角が大きくなるように形成され、
前記支持部材は、前記傾斜角に応じて前記被形成面に対する角度を調整自在に、前記ノズルを支持することを特徴とする層形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−85926(P2010−85926A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−257736(P2008−257736)
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】