説明

巡回管理装置、および、巡回管理方法

【課題】巡回業務を管理するシステムにおいて、不審者の侵入についても監視可能にする技術を提供することを目的とする。
【解決手段】所定のフロアを巡回する業務を管理する巡回管理装置100であって、巡回業務を実施する巡回モードにおいて、巡回者が携帯する巡回用携帯端末16からの特番発信を確認した場合に、巡回用携帯端末16が捕捉している基地局10の設置フロアについて巡回完了と判定する巡回判定部と、巡回判定部による判定結果を蓄積する結果蓄積部と、巡回者として指定されていない者が携帯する一般用携帯端末15からの信号を確認した場合に、異常事態とみなす異常検出部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巡回管理装置、および、巡回管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、巡回警備等の巡回業務を管理するシステムが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、巡回場所にあるICタグをICタグリーダ(携帯電話でもよい)で読み取り、読み取ったデータを遠隔地にあるデータベースサーバにインターネットを使用して転送し、警備会社等で状況を監視するシステムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、各巡回場所に、時刻、場所等のデータをバーコードで表示する装置を設置しておき、巡回者(例えば、警備員)がバーコードリーダを持って巡回して、各表示装置のデータを読み取ることにより、巡回業務をチェックするシステムが開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、巡回者の巡回場所と巡回時刻が、予定と異なる場合に、緊急事態とみなして監視センターに連絡するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−157893号公報
【特許文献2】特開平9−147276号公報
【特許文献3】特開2006−276971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の従来技術では、巡回者が予定通りに巡回場所を巡回しているか否かについては監視できるが、その巡回場所に不審者が侵入することについては監視できない。
【0008】
本発明は、巡回業務を管理するシステムにおいて、より簡易な構成で、不審者の侵入についても監視可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0010】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、所定のフロアを巡回する業務を管理する巡回管理装置であって、巡回業務を実施する巡回モードにおいて、巡回者が携帯する巡回用携帯端末からの特番発信を確認した場合に、当該巡回用携帯端末が捕捉している基地局の設置フロアについて巡回完了と判定する巡回判定部と、前記巡回判定部による判定結果を蓄積する結果蓄積部と、前記巡回者として指定されていない者が携帯する一般用携帯端末からの信号を確認した場合に、異常事態とみなす異常検出部と、を備える。
【0011】
また、別の例を挙げるならば、所定のフロアを巡回する業務を管理する巡回管理装置であって、巡回業務を実施する巡回モードにおいて、巡回者による固定電話機からの特番発信を確認した場合に、当該固定電話機の設置フロアについて巡回完了と判定する巡回判定部と、前記巡回判定部による判定結果を蓄積する結果蓄積部と、前記巡回者として指定されていない者が携帯する一般用携帯端末からの信号を確認した場合に、異常事態とみなす異常検出部と、を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、巡回業務を管理するシステムにおいて、より簡易な構成で、不審者の侵入についても監視可能にする技術を提供することができる。
【0013】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の巡回管理システム1の概略構成の一例を示す図である。
【図2】巡回対象フロアAと巡回対象フロアBに、複数の基地局10、複数の固定電話機11が設置される場合の構成例を示す図である。
【図3】収集装置200の機能構成の一例を示す図である。
【図4】内線情報テーブル500の概略データ構造の一例を示す図である。
【図5】内線で通話可能な電話機(固定電話機11と携帯端末15〜17)と、その電話機を使用するユーザの関係を説明するための図である。
【図6】フロア情報テーブル600の概略データ構造の一例を示す図である。
【図7】管理装置(サーバ)100の機能構成の一例を示す図である。
【図8】巡回者情報テーブル700の概略データ構造の一例を示す図である。
【図9】履歴情報テーブル800の概略データ構造の一例を示す図である。
【図10】巡回者が巡回用携帯端末16を用いて巡回業務を行う場合において、巡回管理システム1で実行される巡回処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図11】初期設定画面400の画面例を示す図である。
【図12】発信信号900の概略データ構造の一例を示す図である。
【図13】各巡回対象フロアの巡回状況についての表示例である。
【図14】各巡回対象フロアでの巡回結果の一覧を表示した例である。
【図15】巡回者が固定電話機11を用いて巡回業務を行う場合において、巡回管理システム1で実行される巡回処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図16】巡回者が巡回用携帯端末16を用いて巡回業務を行う場合において、巡回管理システム1で実行されるアラーム処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図17】管理装置100で実行されるアラーム処理のフロー図である。
【図18】要注意内線テーブル950の概略データ構成の一例を示す図である。
【図19】複数の建物(複数棟)にわたって巡回対象フロア(A〜C、Z)が設けられる場合について説明するための図である。
【図20】ある社員が、巡回モードOFF時(日中)に各フロア(A〜C、Z)に移動した回数を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施例では、巡回業務を管理するシステムにおいて、より簡易な構成で、不審者の侵入についても監視可能にすることができる技術の例を説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態が適用された巡回管理システム1の概略構成の一例を示す図である。
【0017】
巡回管理システム1は、警備員等の巡回者が所定のフロア(図示する例では、巡回対象フロアA、巡回対象フロアB、巡回対象フロアC)を巡回する業務(以下では「巡回業務」とよぶ)について管理するシステムである。
【0018】
図示するように、巡回管理システム1は、携帯端末(15〜17)と、各携帯端末との間の無線通信を行う基地局10(a、b、c)と、固定電話機11(a、b、c、d)と、電話交換機としての機能を有し、通話状況に関する情報を収集する収集装置200と、巡回業務を管理する管理装置100と、巡回状況等を表示する表示装置300と、を備える。
<携帯端末15〜17>
携帯端末15〜17は、社員、巡回者、守衛等に配布した、内線電話専用のPHS端末とする。
【0019】
また、社員に携帯させた携帯端末を一般用携帯端末15とし、巡回者に携帯させた携帯端末を巡回用携帯端末16とし、守衛に携帯させた携帯端末を守衛用携帯端末17とする。
<基地局10>
基地局10(a、b、c)は、電波が届く範囲(通信範囲)に存在する携帯端末(15〜17)と無線通信を行う。図示する例では、基地局10aを、巡回対象フロアAに設置された基地局とし、基地局10bを、巡回対象フロアBに設置された基地局とし、基地局10cを、巡回対象フロアCに設置された基地局とする。ここで、基地局10(a、b、c)は、携帯端末(15〜17)からデータを受信すると、収集装置200へ送信する。また、収集装置200からデータを受信すると、通信中の携帯端末(15〜17)へ送信する。
<固定電話機11>
固定電話機11(a、b、c、d)は、一般的な固定電話機であり、収集装置200を介して、内線、外線を問わず、他の電話機と通話することができる。なお、図示する例では、固定電話機11aを、巡回対象フロアAに設置された固定電話機とし、固定電話機11bを、巡回対象フロアBに設置された固定電話機とし、固定電話機11cを、巡回対象フロアCに設置された固定電話機とし、固定電話機11dを、守衛室に設置された固定電話機とする。
【0020】
また、図示する例では、各巡回対象フロア(A、B、C)には、基地局10(a、b、c)と固定電話機11(a、b、c)が1つずつ示されているが、この構成に限らない。
【0021】
図2は、巡回対象フロアAと巡回対象フロアBに、複数の基地局10、複数の固定電話機11が設置される場合の構成例を示す図である。図示する例では、巡回対象フロアAには、複数の固定電話機11aと、2つの基地局10aが設置されており、巡回対象フロアBには、複数の固定電話機11bと、1つの基地局10bが設置されている。このように、各巡回対象フロア(A、B、C)には、複数の基地局10(a、b、c)が設置されてもよいし、複数の固定電話機11(a、b、c)が設置されてもよい。また、各巡回対象フロア(A、B、C)には、基地局10(a、b、c)と固定電話機11(a、b、c)のいずれか一方だけが設置されてもよい。
<収集装置200>
収集装置200は、電話交換機としての機能を有し、各携帯端末(15〜17)や各固定電話機11(a、b、c、d)の通話状態について情報を収集する。
【0022】
図3は、収集装置200の機能構成の一例を示す図である。図示するように、収集装置200は、第1回線収容部201と、第2回線収容部202と、制御部203と、基地局収容部204と、通信部205と、記憶部206と、を有する。
【0023】
第1回線収容部201は、発呼側の固定電話機11(a、b、c、d)を収容する。すなわち、第1回線収容部201は、発呼側の固定電話機11(a、b、c、d)と信号のやりとりを行う。なお、第1回線収容部201は、内線の固定電話機(公衆交換電話網150を使用せずに組織内で通話できる電話機)に限らず、外線の電話機も収容できる。
【0024】
第2回線収容部202も、着呼側の固定電話機11(a、b、c、d)を収容する。すなわち、第2回線収容部202は、着呼側の固定電話機11(a、b、c、d)と信号のやりとりを行う。なお、第2回線収容部202についても、内線の固定電話機に限らず、外線の電話機を収容できる。
【0025】
基地局収容部204は、携帯端末(15〜17)と直接交信する基地局10を収容する。すなわち、基地局収容部204は、基地局10と信号のやりとりを行う。
【0026】
通信部205は、LAN50を介して、管理装置100と各種情報のやりとりを行う。
【0027】
制御部203は、各機能部(201、202、204、205)を介して取得した情報を解釈し、装置全体を制御する。
【0028】
ここで、制御部203は、呼制御部231と、端末位置管理部232と、特番処理部233と、異常処理部234と、を有する。
【0029】
呼制御部231は、固定電話機11や携帯端末(15〜17)との発着信などを制御する。また、呼制御部231は、公衆交換電話網150を介して通話する外線の電話機との発着信も制御できる。
【0030】
端末位置管理部232は、携帯端末(15〜17)の現在位置を管理する。例えば、端末位置管理部232は、携帯端末(15〜17)が捕捉している基地局10を特定し、特定した基地局10に割り当てられている識別番号(ID)を、携帯端末(15〜17)の現在位置として記憶しておく。
【0031】
特番処理部233は、固定電話機11からの特番を受信した場合には、その特番を発信してきた固定電話機11が設置されている巡回対象フロア(A〜C)を特定し、巡回を完了したフロアとして記録する。また、特番処理部223は、巡回用携帯端末16からの特番を受信した場合には、その特番を発信してきた巡回用携帯端末16が位置している(すなわち、巡回用携帯端末16が捕捉している基地局10が設置されている)巡回対象フロア(A〜C)を特定し、巡回を完了したフロアとして記録する。
【0032】
異常処理部234は、巡回対象フロア(A〜C)に不審者(すなわち、巡回者として指定されていない者)が侵入した場合に、管理装置100から送信された通知先の電話機を呼び出す。また、異常処理部234は、異常事態が発生したフロアについての情報を音声(トーキ)にて知らせる。
【0033】
記憶部206は、内線電話の通話状態に関する情報を保持する内線情報テーブル500と、巡回対象フロア(A〜C)での巡回業務について管理するための情報を保持するフロア情報テーブル600と、を記憶する。
【0034】
図4は、内線情報テーブル500の概略データ構造の一例を示す図である。図示するように、内線情報テーブル500は、内線で通話可能な電話機(固定電話機11と携帯端末15〜17)ごとのレコード509からなる。各レコード509には、内線ID501と、内線番号502と、氏名503と、内線プレゼンス504と、内線状態505と、所属フロア506と、端末種別507と、位置情報508と、が対応付けて格納される。
【0035】
内線ID501には、内線で通話可能な電話機(固定電話機11と携帯端末15〜17)の識別番号が含まれる。例えば、内線ID501は、「N0001」、「N0002」といった形式の文字列からなる。
【0036】
内線番号502には、内線で通話可能な電話機(固定電話機11と携帯端末15〜17)に割り当てられた内線の電話番号が含まれる。例えば、内線番号502は、「3000」、「1000」といった形式の文字列からなる。
【0037】
氏名503には、内線で通話可能な電話機(固定電話機11と携帯端末15〜17)を使用できるユーザの名前が含まれる。例えば、氏名503は、「社員A」、「社員B」といった形式の文字列からなる。
【0038】
図5は、内線で通話可能な電話機(固定電話機11と携帯端末15〜17)と、その電話機を使用するユーザの関係を説明するための図である。
【0039】
図示する例にあるように、巡回対象フロアAには、社員A〜Lが使用するデスクが配置され、各デスクには固定電話機11が設置される。そして、各固定電話機11には、それぞれ異なる内線番号(1000〜1011)が割り当てられる。従って、例えば、社員Aが使用するデスクには、内線番号「1000」の固定電話機11が設置される。
【0040】
ここで、社員A〜Lの氏名503と、その社員A〜Lが使用するデスクに設置された固定電話機11の内線番号502と、が対応付けられて、内線情報テーブル500に格納されている。
【0041】
なお、巡回対象フロアAには、複数の基地局10aが設置される。例えば、図5の紙面の左側に設置された基地局10aは、社員A〜Fが使用するデスクが並べられている範囲(点線で囲まれた領域)に位置する携帯端末15〜17と通信可能である。また、紙面の右側に設置された基地局10aは、社員G〜Lが使用するデスクが並べられている範囲(点線で囲まれた領域)に位置する携帯端末15〜17と通信可能である。
【0042】
図4に戻り、内線プレゼンス504は、特番発信により巡回者から通知された巡回結果を含む。例えば、内線プレゼンス504は、「異常なし」、「異常なし(在)」、「再確認要」、「異常あり」、「緊急」、「未巡回」といった形式の文字列からなる。
【0043】
内線状態505には、内線で通話可能な電話機(固定電話機11と携帯端末15〜17)の通話状況を示すデータが含まれる。例えば、内線状態505は、「空き」、「通話中」といった形式の文字列からなる。
【0044】
所属フロア506には、内線で通話可能な電話機(固定電話機11と携帯端末15〜17)が所属しているフロアを示すデータが含まれる。例えば、所属フロア506は、「フロアA」、「フロアB」といった形式の文字列からなる。
【0045】
端末種別507には、内線で通話可能な電話機(固定電話機11と携帯端末15〜17)の種別を示すデータが含まれる。すなわち、端末種別507は、例えば、「PHS」、「固定電話機」といった形式の文字列からなる。
【0046】
位置情報508には、内線で通話可能な電話機(固定電話機11と携帯端末15〜17)が位置しているフロアを特定するためのデータが含まれる。例えば、携帯端末15〜17であれば、その携帯端末15〜17が捕捉している基地局10の識別番号(「E1001−0001」等)が、位置情報508となる。なお、固定電話機11の場合には、所属フロア506を参照すれば、位置しているフロアを特定可能なため、位置情報508は必要ない。
【0047】
図6は、フロア情報テーブル600の概略データ構造の一例を示す図である。図示するように、フロア情報テーブル600は、巡回対象フロアとして指定されているフロアごとのレコード610からなる。各レコード610には、フロアID601と、フロア名602と、開始時刻603と、終了時刻604と、チェック(時刻)605と、通知先606と、基地局ID607と、巡回結果608と、アラームレベル609と、が対応付けて格納される。
【0048】
フロアID601には、巡回対象フロアとして指定されているフロアの識別番号が含まれる。例えば、フロアID601は、「F001」、「F002」といった形式の文字列からなる。
【0049】
フロア名602には、巡回対象フロアとして指定されているフロアの名称が含まれる。例えば、フロア名602は、「フロアA」、「フロアB」といった形式の文字列からなる。
【0050】
開始時刻603には、巡回者による巡回業務(巡回モード)の開始時刻を示すデータが含まれる。例えば、開始時刻603は、「23:00」といった形式の文字列からなる。
【0051】
終了時刻604には、巡回者による巡回業務(巡回モード)の終了時刻を示すデータが含まれる。例えば、終了時刻604は、「7:00」といった形式の文字列からなる。
【0052】
チェック(時刻)605には、巡回業務の開始時刻603から終了時刻604までの間に、複数回の巡回が行われる場合において、各巡回の開始時刻を示すデータが含まれる。例えば、チェック1(時刻)には、1回目の巡回についての開始時刻を示すデータが含まれ、チェック2(時刻)には、2回目の巡回についての開始時刻を示すデータが含まれる。
【0053】
通知先606には、巡回対象フロアへ不審者が侵入したことを検出した場合に、その旨を通知する通知先の電話番号が含まれる。例えば、通知先606は、「0090−XXX」、「5000」といった形式の文字列からなる。なお、通知先606は、巡回対象フロアごとに複数の電話番号を登録可能とし、緊急度に応じて異なる電話番号を登録可能とする。例えば、通知先1は、緊急度が低い場合の通知先であり、通知先2は、緊急度が中程度の場合の通知先(例えば、巡回者)であり、通知先3は、緊急度が高い場合の通知先(例えば、守衛)であり、通知先4は、緊急度が極めて高い場合の通知先(警備会社や警察)である。
【0054】
基地局ID607は、巡回対象フロアごとに設置された基地局10の識別番号を示すデータを含む。例えば、基地局ID607は、「E1001−0001」、「E2001−0001」といった形式の文字列からなる。
【0055】
巡回結果608には、巡回対象フロアごとの最新の巡回結果が含まれる。例えば、巡回結果608は、「異常なし」、「異常なし(在)」、「再確認要」、「異常あり」、「緊急」、「未巡回」といった形式の文字列からなる。
【0056】
アラームレベル609には、巡回対象フロアへ不審者が侵入したことを検出した場合に、その旨を通知(「警報」も含む)する緊急度を示すデータが含まれる。例えば、アラームレベル609は、「低」、「中」、「高」、「緊急」といった形式の文字列からなる。
【0057】
以上のように構成される収集装置200は、例えば、不図示の、CPUと、RAM等の主記憶装置と、HDD等の外部記憶装置と、通信ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置と、CD−ROMやDVD−ROM等の可搬性を有する可搬型記憶媒体から情報を読み出す読取装置と、キーボードやマウス、ICタグリーダ等の入力装置と、ディスプレイ等の出力装置と、を備えた一般的なコンピュータ、及び、一般的な電話交換機で実現される。
【0058】
例えば、図3に示す記憶部206は、外部記憶装置により実現可能であり、通信部205は、通信装置により実現可能であり、各収容部(201、202、204)は、電話交換機で実現可能であり、制御部203は、外部記憶装置に記憶されている所定のプログラムを主記憶装置にロードしてCPUが実行することで実現可能である。
【0059】
この所定のプログラムは、読取装置を介して可搬型記憶媒体から、或いは、通信装置を介してネットワークから、外部記憶装置に記憶され、それから、主記憶装置上にロードされてCPUにより実行されるようにしてもよい。また、読取装置を介して可搬型記憶媒体から、或いは、通信装置を介してネットワークから、主記憶装置上に直接ロードされ、CPUにより実行されるようにしてもよい。
<管理装置(サーバ)100>
図1に戻り、管理装置(サーバ)100は、収集装置200で収集された情報を用いて、巡回者による巡回業務を管理する。図示するように、管理装置100は、LAN50を介して、収集装置200や表示装置300と通信可能に接続される。
【0060】
図7は、管理装置(サーバ)100の機能構成の一例を示す図である。図示するように、管理装置100は、制御部101と、通信部102と、記憶部103と、を有する。
【0061】
制御部101は、通信部102を介して取得した情報を解釈し、装置全体を制御する。
【0062】
ここで、制御部101は、内線状態管理部111と、フロア情報管理部112と、位置情報管理部113と、異常検出部114と、タイマ処理部115と、データ検索部116と、を有する。
【0063】
内線状態管理部111は、内線の通話状態に関する情報(例えば、内線状態505)を収集装置200から取得し、管理する。
【0064】
フロア情報管理部112は、巡回対象フロアで使用される電話機について管理する。具体的には、フロア情報管理部112は、内線で通話可能な電話機(固定電話機11と携帯端末15〜17)に割り当てられている内線番号502と、その電話機が所属しているフロアを示す所属フロア506と、を対応付けておく。また、フロア情報管理部112は、ユーザからの指示に基づき、巡回業務の開始時刻603や終了時刻604等の情報を記憶しておく。
【0065】
位置情報管理部113は、収集装置200と連携して、携帯端末(15〜17)の現在位置を管理する。例えば、位置情報管理部113は、携帯端末(15〜17)が捕捉している基地局10に割り当てられている識別番号(ID)を収集装置200から受信して、携帯端末(15〜17)の現在位置として記憶しておく。
【0066】
異常検出部114は、巡回対象フロア(A〜C)へ侵入した不審者(すなわち、巡回者として指定されていない者)が携帯する一般用携帯端末15の所属フロアを特定し、異常事態であるか否か判定する。
【0067】
タイマ処理部115は、現在時刻を取得して、巡回業務の開始時刻や終了時刻を検出する。
【0068】
データ検索部116は、収集装置200や表示装置300から、各種データの出力を要求された場合に、要求されたデータを記憶部103から検索する。
【0069】
通信部102は、LAN50を介して、収集装置100や表示装置300と各種情報のやりとりを行う。
【0070】
記憶部103は、収集装置200で保持されている内線情報テーブル500と同様の内線情報テーブル550と、収集装置200で保持されているフロア情報テーブル600と同様のフロア情報テーブル650と、を記憶する。
【0071】
さらに、記憶部103は、巡回者に関する情報を保持する巡回者情報テーブル700と、巡回者による巡回履歴に関する情報を保持する履歴情報テーブル800と、を記憶する。
【0072】
図8は、巡回者情報テーブル700の概略データ構造の一例を示す図である。図示するように、巡回者情報テーブル700は、巡回者(各巡回対象フロアを巡回する者)として指定された者ごとのレコード705からなる。各レコード705には、巡回者ID701と、巡回者名702と、巡回者内線703と、位置情報704と、が対応付けて格納される。
【0073】
巡回者ID701には、巡回者として指定されている者の識別番号が含まれる。例えば、巡回者ID701は、「J001」、「J002」といった形式の文字列からなる。
【0074】
巡回者名702には、巡回者として指定されている者の氏名が含まれる。例えば、巡回者名701は、「巡回者A」、「巡回者B」といった形式の文字列からなる。
【0075】
巡回者内線703には、巡回者が携帯する巡回用携帯端末16に割り当てられている内線の電話番号が含まれる。例えば、巡回者内線703は、「5000」、「5001」といった形式の文字列からなる。
【0076】
位置情報704には、巡回者が携帯する巡回用携帯端末16の位置しているフロアを特定するためのデータが含まれる。例えば、位置情報704は、巡回用携帯端末16が捕捉している基地局10の識別番号(「E1001−0001」等)からなる。
【0077】
図9は、履歴情報テーブル800の概略データ構造の一例を示す図である。図示するように、履歴情報テーブル800は、巡回履歴ごとのレコード807からなる。各レコード807には、履歴ID801と、巡回者名802と、巡回時刻803と、巡回結果804と、巡回フロアID805と、アラームレベル806と、が対応付けて格納される。なお、各レコード807は、巡回者が巡回した順序で格納される。
【0078】
履歴ID801には、巡回者による巡回履歴の識別番号が含まれる。例えば、履歴ID801は、「R001」、「R002」といった形式の文字列からなる。
【0079】
巡回者名802には、実際に各巡回対象フロアを巡回した者(巡回者)の氏名が含まれる。例えば、巡回者名802は、「巡回者A」といった形式の文字列からなる。
【0080】
巡回時刻803には、巡回者が各巡回対象フロアを巡回した時刻が含まれる。例えば、巡回時刻803は、「2011/01/30 23:12:10」といった形式の文字列からなる。
【0081】
巡回結果804には、巡回者が巡回した各巡回対象フロアでの巡回結果が含まれる。例えば、巡回結果804は、「異常なし」、「異常なし(在)」、「再確認要」、「異常あり」、「緊急」、「未巡回」といった形式の文字列からなる。
【0082】
巡回フロアID805には、巡回者が巡回した各巡回対象フロアの識別番号が含まれる。例えば、巡回フロアID805は、「F001」、「F002」といった形式の文字列からなる。
【0083】
アラームレベル806には、巡回対象フロアへ不審者が侵入したことを検出した場合に、その旨を通知する緊急度を示すデータが含まれる。例えば、アラームレベル806は、「低」、「中」、「高」、「緊急」といった形式の文字列からなる。
【0084】
以上のように構成される管理装置100は、例えば、不図示の、CPUと、RAM等の主記憶装置と、データベースやHDD等の外部記憶装置と、通信ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置と、CD−ROMやDVD−ROM等の可搬性を有する可搬型記憶媒体から情報を読み出す読取装置と、キーボードやマウス、ICタグリーダ等の入力装置と、ディスプレイ等の出力装置と、を備えた一般的なコンピュータで実現される。
【0085】
例えば、図7に示す記憶部103は、外部記憶装置により実現可能であり、通信部102は、通信装置により実現可能であり、制御部101は、外部記憶装置に記憶されている所定のプログラムを主記憶装置にロードしてCPUが実行することで実現可能である。
【0086】
この所定のプログラムは、読取装置を介して可搬型記憶媒体から、或いは、通信装置を介してネットワークから、外部記憶装置に記憶され、それから、主記憶装置上にロードされてCPUにより実行されるようにしてもよい。また、読取装置を介して可搬型記憶媒体から、或いは、通信装置を介してネットワークから、主記憶装置上に直接ロードされ、CPUにより実行されるようにしてもよい。
<表示装置300>
図1に戻り、表示装置300は、管理装置100で保持された巡回結果等を表示する装置である。表示装置300は、図示するように、例えば、守衛室に設置され、LAN50等を介して、管理装置100や収集装置200と通信可能に接続される。
【0087】
表示装置300は、例えば、不図示の、CPUと、RAM等の主記憶装置と、HDD等の外部記憶装置と、通信ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置と、CD−ROMやDVD−ROM等の可搬性を有する可搬型記憶媒体から情報を読み出す読取装置と、キーボードやマウス、ICタグリーダ等の入力装置と、ディスプレイ等の出力装置と、を備えた一般的なコンピュータで実現される。
【0088】
本実施形態が適用された巡回管理システム1は、以上のような構成からなる。ただし、巡回管理システム1の構成はこれに限定されない。
【0089】
また、上記した各構成要素は、巡回管理システム1の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。巡回管理システム1の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0090】
次に、上記構成からなる巡回管理システム1の特徴的な動作について説明する。
【0091】
(巡回用携帯端末16を用いた巡回処理)
図10は、巡回者が巡回用携帯端末16を用いて巡回業務を行う場合において、巡回管理システム1で実行される巡回処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0092】
なお、収集装置200の制御部203は、各携帯端末(15〜17)や各固定電話機11(a、b、c、d)の通話状態についての情報を定期的に収集しており、本巡回処理に先立って、最新の内線情報テーブル500(主に、内線プレゼンス504、内線状態505、位置情報507)を記憶部206に保持しているものとする。
【0093】
また、本巡回処理に先立ち、管理装置100のフロア情報管理部112は、ディスプレイ等の出力装置に、巡回業務についての初期設定を行うための画面(以下では「初期設定画面400」とよぶ)を表示して、巡回業務についての初期設定をユーザから受け付けておく。
【0094】
図11は、初期設定画面400の画面例を示す図である。
【0095】
図示するように、初期設定画面400には、巡回対象フロアのレイアウト欄410が設けられる。例えば、レイアウト欄410には、基地局10やデスクが設置された巡回対象フロアの画像が表示され、各デスクを使用する会社員の氏名、各デスクに設置された固定電話機11の内線番号、当該巡回対象フロアに所属する会社員が携帯する一般用携帯端末15の内線番号、等が表示される。
【0096】
なお、基地局10やデスクの配置は予め管理装置100(収集装置200でもよい)に登録されている。また、各デスクを使用する会社員の氏名(氏名503)、各電話機の内線番号(内線番号502)等についても、予め内線情報テーブル550に登録されている。従って、フロア情報管理部112は、これらの登録されたデータを内線情報テーブル550から読み出すことによって、初期設定画面400に、図示するようなレイアウト欄410を表示することができる。
【0097】
また、初期設定画面400には、表示する巡回対象フロアを切り替えるための他フロアボタン420が設けられる。他フロアボタン420がタッチされると、フロア情報管理部112は、レイアウト欄410に表示する巡回対象フロアを切り替える(例えば、巡回対象フロアAから巡回対象フロアBへ切り替える)。
【0098】
また、初期設定画面400には、巡回業務の開始時刻を入力するための開始時刻入力欄431と、巡回業務の終了時刻を入力するための終了時刻入力欄432と、が設けられる。さらに、初期設定画面400には、巡回業務の開始時刻から終了時刻までの間に、複数回の巡回が行われる場合において、各巡回の開始時刻を入力するためのチェック時刻入力欄440も設けられる。
【0099】
なお、開始時刻入力欄431に入力されたデータ(値)は、フロア情報テーブル650の開始時刻603(各レコード610で共通)に格納される。また、終了時刻入力欄432に入力されたデータ(値)は、フロア情報テーブル650の終了時刻604(各レコード610で共通)に格納される。また、チェック時刻入力欄440に入力されたデータ(値)は、それぞれ、フロア情報テーブル650のチェック(時刻)605(各レコード610で共通)に格納される。
【0100】
また、初期設定画面400には、巡回対象フロアへ不審者が侵入した場合の通知先を入力するための通知先入力欄(451〜454)が設けられる。
【0101】
ここで、通知先入力欄(低)451には、緊急度が低い場合の通知先が入力される。例えば、「未入力」とすることによって、電話による通知は行わないようにすることができる。
【0102】
また、通知先入力欄(中)452には、緊急度が中程度の場合の通知先が入力される。例えば、巡回者が携帯している巡回用携帯端末16の内線番号を入力することによって、再巡回を促すことができる。
【0103】
また、通知先入力欄(高)453には、緊急度が高い場合の通知先が入力される。例えば、守衛室に設置された固定電話機11dの内線番号や、守衛が携帯する守衛用携帯端末17の内線番号、を入力することによって、異常事態が発生したことを素早く守衛に通知することができる。
【0104】
また、通知先入力欄(緊急)454には、緊急度が極めて高い場合の通知先が入力される。例えば、警備会社や警察への通報用電話番号を、外線発信用の特番を含めて入力することによって、異常事態が発生したことを素早く外部機関に通知することができる。
【0105】
なお、通知先入力欄(451〜454)に入力された電話番号は、それぞれ、フロア情報テーブル650の通知先606に(表示中の巡回対象フロアのフロア名602に対応付けて)格納される。
【0106】
また、初期設定画面400には、各欄(431〜454)に入力された内容を確定するためのOKボタン460が設けられる。
【0107】
以上のような初期設定画面400を用いて、フロア情報管理部112は、図10に示す巡回処理の開始に先立ち、初期設定を完了しておくことができる。
【0108】
また、管理装置100のフロア情報管理部112は、巡回者からの巡回結果を受信する毎に、フロア情報テーブル650(主に巡回結果608)を更新しており、図10に示す巡回処理に先立って、最新のフロア情報テーブル650を記憶部103に保持しているものとする。
【0109】
そして、本巡回処理を開始すると、管理装置100の内線状態管理部111は、最新の内線情報テーブル500に格納されているデータを、収集装置200に対して要求する(S1)。
【0110】
具体的には、内線状態管理部111は、通信部102を介して、内線情報テーブル500を要求するための命令を、収集装置200に対して出力する。
【0111】
次に、収集装置200の制御部201は、内線状態管理部111からの要求に応答して、記憶部206から内線情報テーブル500を読み出し、管理装置100へ送信する(S2)。
【0112】
もちろん、S2において、制御部201は、内線情報テーブル500に含まれている全てのデータを送信する必要はなく、内容が変更されたデータだけを送信するようにしてもよい。
【0113】
それから、管理装置100の内線状態管理部102は、収集装置200から送信された内線情報テーブル500を受信し、受信した内線情報テーブル500に基づいて、記憶部103に格納されている内線情報テーブル550を更新する(S3)。
【0114】
具体的には、内線状態管理部102は、収集装置200から受信した内線情報テーブル500に含まれるデータを、記憶部103に格納されている内線情報テーブル550に上書きする。
【0115】
こうして、管理装置100で保持される内線情報テーブル550と、収集装置200で保持される内線情報テーブル500は、同期される。
【0116】
次に、管理装置100のフロア情報管理部112は、記憶部103から最新のフロア情報テーブル650を読み出し、収集装置200へ送信する(S4)。
【0117】
もちろん、S4において、フロア情報管理部112は、フロア情報テーブル650に含まれている全てのデータを送信する必要はなく、内容が変更されたデータだけを送信するようにしてもよい。
【0118】
それから、収集装置200の制御部203は、管理装置100から送信されたフロア情報テーブル650を受信し、受信したフロア情報テーブル650に基づいて、記憶部206に格納されているフロア情報テーブル600を更新する(S5)。
【0119】
具体的には、制御部203は、管理装置100から受信したフロア情報テーブル650に含まれるデータを、記憶部206に格納されているフロア情報テーブル600に上書きする。
【0120】
こうして、収集装置200で保持されるフロア情報テーブル600と、管理装置100で保持されるフロア情報テーブル650は、同期される。
【0121】
なお、図10には示していないが、本巡回処理では、巡回管理システム1は、上記のS1からS5の処理を繰り返し実行する。そのため、管理装置100と収集装置200の間では、同期した内線情報テーブル(500、550)を保持できるとともに、同期したフロア情報テーブル(600、650)も保持することができる。
【0122】
ところで、管理装置100のタイマ処理部115は、定期的に現在時刻を取得している。そして、取得した現在時刻が、巡回業務の開始時刻(フロア情報テーブル650の開始時刻603)となった場合には、巡回モードをONにする命令を収集装置200に出力する(S6)。
【0123】
巡回モードがONになると、収集装置200の制御部201は、過去の巡回結果をクリアする(S7)。
【0124】
具体的には、制御部201は、内線情報テーブル500に含まれる全ての内線プレゼンス504を「未巡回」にするとともに、フロア情報テーブル600に含まれる全ての巡回結果608を「未巡回」にする。
【0125】
ところで、携帯端末(15〜17)は、常時、通信可能な基地局10を探索しており、捕捉できた基地局10に対しては、その携帯端末(15〜17)に割り当てられている内線番号を送信する(S8)。
【0126】
従って、巡回者が巡回対象フロア(図示する例では「フロアA」)に移動すると、その巡回者が携帯する巡回用携帯端末16は、通信可能な基地局10aに対して、内線番号を送信する。
【0127】
このとき、巡回用携帯端末16が捕捉している基地局10aは、巡回用携帯端末16から受信した内線番号に、自基地局10の位置情報(具体的には、自基地局10aの識別番号)を付加して、収集装置200へ転送する。また、収集装置200は、転送された内線番号と位置情報を、管理装置100へ転送する。
【0128】
管理装置100では、その内線番号と位置情報を受信すると、受信したデータに基づいて、巡回者情報テーブル700を更新する。
【0129】
具体的には、管理装置100の位置情報管理部113は、巡回用携帯端末16から受信した内線番号(すなわち、巡回者番号703)を有するレコード705を巡回者情報テーブル700から抽出し、その内線番号とともに受信した位置情報(基地局の識別番号)を位置情報704として格納する。
【0130】
また、収集装置200では、その内線番号と位置情報を受信すると、受信したデータに基づいて、巡回者(巡回用携帯端末16)が位置しているフロアを特定する(S9)。
【0131】
具体的には、収集装置200の特番処理部233は、受信した位置情報(すなわち、基地局ID607)を有するレコード610をフロア情報テーブル600から抽出し、そのレコード610に対応付けられているフロア(フロアID601やフロア名602)を、巡回者が位置しているフロアとして特定する。
【0132】
それから、巡回者は、巡回対象フロアでの巡回結果を収集装置200と管理装置100へ通知するため、巡回携帯端末16を用いて特番発信を行う(S10)。
【0133】
このとき、収集装置200は、巡回用携帯端末16からの発信信号900を受信すると、巡回用携帯端末16が捕捉している基地局10の設置フロアについて巡回完了と判定し、応答信号を巡回用携帯端末16へ返す(S11)。
【0134】
図12は、S10で巡回用携帯端末16から発信される発信信号900の概略データ構造の一例を示す図である。
【0135】
図示するように、発信信号900には、命令識別番号901と、巡回結果902と、巡回者特定番号503と、が含まれている。
【0136】
命令識別番号901には、収集装置200または管理装置100に対する各種命令に割り当てた番号であり、巡回を完了したことを示す特番(例えば、「#01」等の番号)も含まれる。
【0137】
巡回結果902には、巡回者によって実行された巡回の結果を示す番号であり、例えば、「異常なし」、「異常なし(在)」、「再確認要」、「異常あり」、「緊急」、「巡回対象外」といった結果に割り当てた番号(例えば、「01」等の番号)からなる。
【0138】
巡回者特定番号503は、巡回者を特定可能とする番号である。ただし、本実施形態のように巡回用携帯端末16を用いて巡回業務を行う場合には、巡回用携帯端末16の内線番号で巡回者を特定できるため、発信信号900に巡回者特定番号503を含めなくてもよい。
【0139】
そして、収集装置200の制御部203は、S10で受信した発信信号900に基づいて、内線情報テーブル500の内線プレゼンス504を更新する(S12)。
【0140】
具体的には、制御部203は、S9で特定されたフロア(具体的には、フロアID601)に対応する所属フロア506を内線情報テーブル500から検索する。そして、制御部203は、検索した所属フロア506に対応付けられている内線プレゼンス504に対し、S10で受信した発信信号900に含まれる巡回結果902を上書きする。
【0141】
また、制御部203は、S10で受信した発信信号900に基づいて、フロア情報テーブル600の巡回結果608を更新する(S13)。
【0142】
具体的には、制御部203は、S9で特定されたフロア(例えば、フロアID601)に対応付けられている巡回結果608に対し、S10で受信した発信信号900に含まれる巡回結果902を上書きする。
【0143】
以上のS9〜S13の処理を実行することにより、収集装置200内で管理されている巡回結果(内線プレゼンス504、巡回結果608)は更新される。
【0144】
また、収集装置200の制御部203は、S12やS13で更新された巡回結果(内線プレゼンス504、巡回結果608)を、通信部205を介して、管理装置200へ通知する(S14)。
【0145】
具体的には、制御部203は、記憶部206の内線情報テーブル500とフロア情報テーブル600を、管理装置200へ送信する。
【0146】
それから、収集装置200の制御部203は、巡回用携帯端末16との通信を切断するための切断信号を出力する(S15)。
【0147】
ところで、管理装置100の制御部101は、収集装置200から通知された巡回結果(主に、内線プレゼンス504、巡回結果608)について、同期処理を行う(S16)。
【0148】
具体的には、制御部101は、収集装置200から受信した内線プレゼンス504を、記憶部103に格納されている内線情報テーブル550に上書きする。これとともに、制御部101は、収集装置200から受信した巡回結果608を、記憶部103に格納されているフロア情報テーブル650に上書きする。
【0149】
次に、管理装置100の制御部101は、履歴情報テーブル800を更新する(S17)。
【0150】
具体的には、制御部101は、履歴ID801、巡回者名802、巡回時刻803、巡回結果804、巡回フロアID805を含むレコード807を、履歴情報テーブル800に追加する。
【0151】
これにより、巡回者による巡回業務の履歴を残しておくことができる。
【0152】
なお、巡回者名802には、S8で受信した巡回用携帯端末16の内線番号(すなわち、巡回者内線703)に対応付けられている巡回者名702が追加される。また、巡回時刻803には、S14で巡回結果を受信した時刻が追加される。また、巡回結果804には、S14で受信した巡回結果(特に、巡回結果608)が追加される。また、巡回フロアID805には、S9で特定されたフロア(例えば、フロアID601)が追加される。
【0153】
以上のS8〜S17の処理が、1つの巡回対象フロア(図示する例では「フロアA」)に巡回者が巡回したときに行われる。
【0154】
ところで、履歴情報テーブル800の更新後においては、いつでも、ユーザからの要求に基づき、履歴情報テーブル800に含まれる情報を提供できる。
【0155】
例えば、守衛室に設置された表示装置300から、各巡回対象フロアの巡回状況についての情報が要求されると(S18)、管理装置100のデータ検索部116は、記憶部103に格納されている履歴情報テーブル800を読み出し、通信部102を介して、表示装置300へ送信する(S19)。これとともに、データ検索部116は、履歴情報テーブル800に含まれる巡回フロアID805で特定されるフロア名(フロアID601に対応付けられているフロア名602)を、表示装置300へ送信する。
【0156】
図13は、各巡回対象フロアの巡回状況についての表示例である。表示装置300は、S19で履歴情報テーブル800を受信すると、図示するように、フロア名371と、最終巡回時刻372と、巡回結果372と、アラーム状況374と、を巡回対象フロアごとに表示する(図示する表示装置画面1000)。
【0157】
フロア名371の領域には、例えば、履歴情報テーブル800に含まれる巡回フロアID805で特定されるフロア名が表示される(ただし、同一の巡回フロアID805を有するレコード807が複数ある場合には、最新の巡回時刻803を有するレコード807から選択される)。また、最終巡回時刻372の領域には、履歴情報テーブル800に含まれる巡回時刻803が表示される。また、巡回結果373の領域には、履歴情報テーブル800に含まれる巡回結果804が表示される。また、アラーム状況374の領域には、履歴情報テーブル800に含まれるアラームレベル806が表示される。
【0158】
また、表示装置300は、同画面(表示装置画面1000)上にOKボタン370を設けており、OKボタン370がタッチされると、各巡回対象フロアの巡回状況について表示を終了する。
【0159】
図10に戻り、巡回者が他の巡回対象フロア(図示する例では「フロアB」)へ移動した場合、巡回者が携帯する巡回用携帯端末16は、新たに捕捉した基地局10bに対して、内線番号を送信する(S20)。
【0160】
このとき、基地局10bは、上述した基地局10aと同様に、巡回用携帯端末16から受信した内線番号に、自基地局10bの位置情報(識別番号)を付加して、収集装置200へ転送する。また、収集装置200は、転送された内線番号と位置情報を、管理装置100へ転送する。
【0161】
それ以降の処理(S21〜S29)については、データを中継する基地局が異なるだけで、S9〜S17と同様の処理が行われるため、説明を省略する。
【0162】
そして、管理装置100のタイマ処理部115は、取得した現在時刻が、巡回業務の終了時刻(フロア情報テーブル650の終了時刻606)となった場合には、巡回モードをOFFにする命令を収集装置200に出力する(S30)。
【0163】
巡回モードがOFFになってからは、いつでも、ユーザからの要求に基づき、各巡回対象フロアでの巡回結果の一覧を提供できる。
【0164】
例えば、守衛室に設置された表示装置300から、巡回結果の一覧が要求されると(S31)、管理装置100のデータ検索部116は、記憶部103に格納されている履歴情報テーブル800を読み出し、通信部102を介して、表示装置300へ送信する(S32)。これとともに、データ検索部116は、履歴情報テーブル800に含まれる巡回フロアID805で特定されるフロア名(フロアID601に対応付けられているフロア名602)を、表示装置300へ送信する。
【0165】
図14は、各巡回対象フロアでの巡回結果の一覧を表示した例である。表示装置300は、S32で履歴情報テーブル800を受信すると、図示するように、巡回者381と、巡回時刻382と、巡回フロア383と、巡回結果384と、を巡回対象フロアごとに表示する(図示する表示装置画面1000)。
【0166】
ここで、巡回者381の領域には、例えば、履歴情報テーブル800に含まれる巡回者名802が表示される。また、巡回時刻382には、履歴情報テーブル800に含まれる巡回時刻803が表示される。また、巡回フロア383には、例えば、履歴情報テーブル800に含まれる巡回フロアID805で特定されるフロア名が表示される。また、巡回結果384の領域には、履歴情報テーブル800に含まれる巡回結果804が表示される。
【0167】
また、表示装置300は、同画面(表示装置画面1000)上にOKボタン380を設けており、OKボタン380がタッチされると、巡回結果の一覧の表示を終了する。
【0168】
以上の処理(巡回用携帯端末16を用いた巡回処理)により、PHS端末のような巡回用携帯端末16を携帯した巡回者の巡回業務を管理することができる。また、その巡回結果を効率よく蓄積(収集)することができる。
【0169】
なお、上記した各処理単位は、巡回管理システム1を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。巡回管理システム1が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
(固定電話機11を用いた巡回処理)
次に、巡回用携帯端末16の代わりに、固定電話機11を用いて巡回業務が行われる場合の巡回処理について説明する。
【0170】
図15は、巡回者が固定電話機11を用いて巡回業務を行う場合において、巡回管理システム1で実行される巡回処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0171】
なお、巡回用携帯端末16を用いた巡回処理と同様に、巡回処理の開始に先立ち、管理装置100では最新のフロア情報テーブル650を保持しており、収集装置200では、最新の内線情報テーブル500を保持しているものとする。
【0172】
また、本巡回処理を開始してから、巡回モードをONにし(S38)、過去の巡回結果をクリアする処理(S39)までは、巡回用携帯端末16を用いた巡回処理(S1〜S7)と同様であるため、説明を省略する。
【0173】
ところで、巡回者は、1つの巡回対象フロア(図示する例では「フロアA」)に移動すると、固定電話機11を用いた巡回業務を行う。
【0174】
具体的には、巡回者は、巡回したことを収集装置200と管理装置100へ通知するため、固定電話機11aをオフフックする。
【0175】
このとき、固定電話機11aは、収集装置200に対して、内線番号を通知する(S40)。
【0176】
そして、収集装置200は、固定電話機11aから通知された内線番号を、管理装置100へ転送する。
【0177】
管理装置100では、その内線番号を受信すると、受信した内線番号に基づいて、巡回者(固定電話機11a)が設置されているフロアを特定する(S41)。
【0178】
具体的には、収集装置200の特番処理部233は、受信した内線番号(すなわち、内線番号502)を有するレコード509を内線情報テーブル500から抽出し、そのレコード509に対応付けられているフロア(所属フロア506)を、巡回者が位置しているフロアとして特定する。
【0179】
それから、巡回者は、巡回対象フロアでの巡回結果を収集装置200と管理装置100へ通知するため、固定電話機11aを用いて特番発信を行う(S42)。
【0180】
このとき、収集装置200は、固定電話機11aからの発信信号900を受信すると、固定電話機11aの設置フロアについて巡回完了と判定し、応答信号を固定電話機11aへ返す(S43)。
【0181】
なお、固定電話機11aから発信される発信信号900は、巡回用携帯端末16から発信される発信信号900と同様の信号でよい(図12)。
【0182】
そして、収集装置200の制御部203は、S42で受信した発信信号900に基づいて、内線情報テーブル500の内線プレゼンス504を更新する。(S44)。
【0183】
具体的には、制御部203は、S41で特定されたフロア(具体的には、フロアID601)に対応付けられている内線プレゼンス504に対し、S42で受信した発信信号900に含まれる巡回結果902を上書きする。
【0184】
また、制御部203は、S42で受信した発信信号900に基づいて、フロア情報テーブル600の巡回結果608を更新する(S45)。
【0185】
具体的には、制御部203は、S41で特定されたフロア(例えば、フロア名602)に対応付けられている巡回結果608に対し、S42で受信した発信信号900に含まれる巡回結果902を上書きする。
【0186】
以上のS40〜S45の処理を実行することにより、収集装置200内で管理されている巡回結果(内線プレゼンス504、巡回結果608)は更新される。
【0187】
続くS46〜S48までの処理は、巡回用携帯端末16を用いた巡回処理(S14〜S16)と同様であるため、説明を省略する。
【0188】
S48の処理が終了すると、管理装置100の制御部101は、履歴情報テーブル800を更新する(S49)。
【0189】
具体的には、制御部101は、履歴ID801、巡回者名802、巡回時刻803、巡回結果804、巡回フロアID805を含むレコード807を、履歴情報テーブル800に追加する。
【0190】
巡回者名802には、S38で受信した固定電話機11aの内線番号(すなわち、内線番号502)に対応付けられている氏名503が追加される。また、巡回時刻803には、S42で巡回結果を受信した時刻が追加される。また、巡回結果804には、S42で受信した巡回結果(特に、巡回結果608)が追加される。また、巡回フロアID805には、S41で特定されたフロア(例えば、フロア名602に対応付けられたフロアID601)が追加される。
【0191】
また、巡回者が他の巡回対象フロア(図示する例では「フロアB」)へ移動した場合、移動先の巡回対象フロアに設置された固定電話機11bがオフフックされると、その固定電話機11bは、内線番号を収集装置200へ通知する(S52)。
【0192】
このとき、収集装置200は、通知された内線番号を、管理装置100へ転送する。
【0193】
それ以降の処理(S53〜S61)については、固定電話機11aと同様の処理(S41〜S49)が行われるため、説明を省略する。
【0194】
そして、管理装置100のタイマ処理部115は、取得した現在時刻が、巡回業務の終了時刻(フロア情報テーブル650の終了時刻606)となった場合には、巡回モードをOFFにする命令を収集装置200に出力する(S62)。
【0195】
また、巡回用携帯端末16を用いた巡回処理(S18、S19、S31、S32)と同様に、固定電話機11を用いた巡回処理でも、ユーザからの要求に基づき、履歴情報テーブル800に含まれる情報(S50、S51)や、各巡回対象フロアでの巡回結果の一覧(S63、S64)を提供できる。
【0196】
以上の処理(固定電話機11を用いた巡回処理)により、各巡回対象エリアに設置された固定電話機11を用いて巡回者の巡回業務を管理することができる。また、その巡回結果を効率よく蓄積(収集)することができる。
【0197】
なお、上記した各処理単位は、巡回管理システム1を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。巡回管理システム1が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
(アラーム処理)
次に、巡回用携帯端末16を用いた巡回業務が行われている間に、巡回対象フロアに不審者が侵入した場合のアラーム処理について説明する。
【0198】
図16は、巡回者が巡回用携帯端末16を用いて巡回業務を行う場合において、巡回管理システム1で実行されるアラーム処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0199】
なお、上述した巡回処理と同様に、本アラーム処理の開始に先立ち、管理装置100では最新のフロア情報テーブル650を保持しており、収集装置200では、最新の内線情報テーブル500を保持しているものとする。
【0200】
また、本アラーム処理を開始してから、巡回モードをONにし(S70)、過去の巡回結果をクリアする処理(S71)までは、巡回用携帯端末16を用いた巡回処理(S1〜S7)と同様であるため、説明を省略する。
【0201】
巡回者として指定されている者が巡回対象フロアAに侵入(移動)してきた場合、上述した巡回処理(S8〜17)と同様に処理される(S72〜S81)。
【0202】
しかし、巡回者として指定されていない者が巡回対象フロアAに侵入(移動)してきた場合には、上記の巡回処理とは異なる処理が行われる。
【0203】
例えば、図示するように、巡回用携帯端末16ではない一般用携帯端末15を携帯する者(巡回対象フロアAに所属する者)が、所属しているフロア(巡回対象フロアA)に侵入してきた場合、その一般用携帯端末15の内線番号は、基地局10aに送信される(S82)。
【0204】
このとき、一般用携帯端末15を捕捉している基地局10aは、一般用携帯端末15から受信した内線番号に、自基地局10aの位置情報(具体的には、自基地局10aの識別番号)を付加して、収集装置200へ転送する。また、収集装置200は、転送された内線番号と位置情報を、管理装置100へ転送する。
【0205】
管理装置100では、その内線番号が巡回者情報テーブル700に登録されていないことがわかると、巡回者として指定されていない者が巡回対象フロアAに侵入したものとみなし、その侵入者(一般携帯端末15)が位置しているフロアを特定する(S83)。
【0206】
具体的には、管理装置100の異常検出部114は、受信した位置情報(すなわち、基地局ID607)を有するレコード610をフロア情報テーブル650から抽出し、そのレコード610に対応付けられているフロア(フロアID601やフロア名602)を、侵入者が位置しているフロアとして特定する。
【0207】
それから、異常検出部114は、S83で特定されたフロアへの侵入者について判断し、異常事態であるか否か判定する(S84)。
【0208】
具体的には、異常検出部114は、S83で特定されたフロアへの侵入者が、当該フロアに所属している者(在席者)である場合には、その時点では異常事態ではなく、緊急度は低いと判定する。
【0209】
その後、フロア情報管理部112は、フロア情報テーブル650を更新する(S85)。
【0210】
具体的には、フロア情報管理部112は、S83で特定されたフロア(例えば、フロアID601)に対応付けられている巡回結果608に対し、S84で判断された内容を上書きする。これとともに、フロア情報管理部112は、S83で特定されたフロアに対応付けられているアラームレベル609に対し、S84で判定された緊急度を上書きする。
【0211】
こうして、巡回者として指定されていない者が巡回対象フロアAに侵入した場合には、侵入者が携帯する一般用携帯端末15からの情報に基づき、最新の巡回結果に更新することができる。
【0212】
そのため、本実施形態の巡回管理システム1では、巡回者が予定通りに巡回対象フロアを巡回しているか否かについて監視しているだけでなく、不審者の侵入についても監視していることになる。
【0213】
また、巡回用携帯端末16ではない一般用携帯端末15を携帯する者(巡回対象フロアBに所属する者)が、所属していない他のフロア(巡回対象フロアA)に侵入してきた場合にも、その一般用携帯端末15の内線番号は、基地局10aに送信される(S86)。
【0214】
このとき、一般用携帯端末15を捕捉している基地局10aは、一般用携帯端末15から受信した内線番号に、自基地局10aの位置情報(具体的には、自基地局10aの識別番号)を付加して、収集装置200へ転送する。また、収集装置200は、転送された内線番号と位置情報を、管理装置100へ転送する。
【0215】
そして、管理装置100では、上述したS83〜S85と同様の処理が行われる(S87〜S89)。
【0216】
なお、S88では、異常検出部114は、S87で特定されたフロアへの侵入者が、当該フロアに所属していない者であり、しばらくしてそのフロアから出ていった場合には、異常事態とみなし、緊急度を中程度と判定する。
【0217】
また、異常検出部114は、S87で特定されたフロアへの侵入者が、当該フロアに所属していない者であり、しばらくしてもそのフロアから出ていかない場合には、異常事態とみなし、緊急度は高いと判定する。
【0218】
そして、異常検出部114は、S88で異常事態とみなしているため、異常事態が発生したことを収集装置200へ通知する(S90)。
【0219】
具体的には、異常検出部114は、S88で判定された緊急度に対応するアラームレベル609を特定し、特定したアラームレベル(緊急度)に応じた通知先606を、収集装置200に対して送信する。
【0220】
ここで、例えば、アラームレベル(緊急度)が中程度の場合には、異常検出部114は、フロア情報テーブル650から通知先2に格納されているデータを読み出し、収集装置200に送信する。また、アラームレベル(緊急度)が高い場合には、異常検出部114は、フロア情報テーブル650から通知先3、または通知先4に格納されているデータを読み出し、収集装置200に対して送信する。
【0221】
そして、収集装置200の異常処理部234は、管理装置100から送信された通知先606の電話機を呼び出す(S91)。
【0222】
これに対して、通知先606の電話機が応答すると(S92)、異常処理部234は、異常事態が発生したフロアについての情報を音声(トーキ)にて知らせる(S93)。
【0223】
それから、異常処理部234は、切断信号を通知先606の電話機に送信し(S94)、通話を終了する。
【0224】
以上の処理(アラーム処理)により、巡回対象エリアへの不審者による侵入を監視し、侵入者がいる場合にはアラームを通知することができる。
【0225】
なお、上記した各処理単位は、巡回管理システム1を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。巡回管理システム1が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0226】
また、以下に、管理装置100で実行される上記アラーム処理(ただし、巡回モードON後)の詳細について説明する。
【0227】
図17は、管理装置100で実行されるアラーム処理のフロー図である。
【0228】
図示するように、本アラーム処理を開始すると、管理装置100の位置情報管理部113は、通信部102を介して、携帯端末(15〜17)の位置情報、すなわち、その携帯端末(15〜17)が捕捉している基地局10の識別番号を、収集装置200から取得(受信)する(S101)。
【0229】
ただし、固定電話機11を用いた巡回業務の場合には、S101の処理は省略してもよい。
【0230】
また、内線状態管理部111は、通信部102を介して、携帯端末(15〜17)の内線番号、又は固定電話機11の内線番号、を収集装置200から取得(受信)する(S102)。
【0231】
なお、収集装置200は、携帯端末(15〜17)の内線番号については、基地局10を介して携帯端末(15〜17)から得ることができ、固定電話機11の内線番号については、固定電話機11のオフフックにより得ることができる。
【0232】
それから、巡回者は、巡回対象フロアでの巡回結果を収集装置200と管理装置100へ通知するため、巡回用携帯端末16、又は固定電話機11を用いて特番発信を行うことにより巡回業務を行う。
【0233】
ここで、管理装置100の異常検出部114は、S102で受信した内線番号に対応付けられている電話機の操作者が、巡回者として指定されている者(巡回実施者)であるか否か判別する(S103)。
【0234】
例えば、巡回用携帯端末16を用いて巡回業務が行われる場合には、異常検出部114は、記憶部103から巡回者情報テーブル700を読み出し、S102で受信した内線番号に一致する巡回者内線703を検索する。そして、異常検出部114は、一致する巡回者内線703がある場合には、S102で内線番号を送信してきた携帯端末の操作者は、巡回実施者と判定する。一方、異常検出部114は、一致する巡回者内線703がない場合には、S102で内線番号を送信してきた携帯端末の操作者は、巡回実施者ではないと判定する。
【0235】
また、固定電話機11を用いて巡回業務が行われる場合には、異常検出部114は、記憶部103から内線情報テーブル550を読み出し、S102で受信した内線番号に一致する内線番号502を検索する。それから、異常検出部114は、記憶部103から巡回者情報テーブル700を読み出し、内線情報テーブル550から検索した内線番号502に対応付けられている氏名503を検索する。そして、異常検出部114は、一致する巡回者名702がある場合には、S102で内線番号を送信してきた固定電話機11の操作者は、巡回実施者と判定する。一方、異常検出部114は、一致する巡回者名702がない場合には、S102で内線番号を送信してきた携帯端末の操作者は、巡回実施者ではないと判定する。
【0236】
S103で巡回実施者と判定された場合には(S103;Yes)、位置情報管理部113は、巡回者情報テーブル700を更新する(S114)。
【0237】
具体的には、位置情報管理部113は、巡回用携帯端末16から受信した内線番号(すなわち、巡回者番号703)を有するレコード705を巡回者情報テーブル700から抽出し、その内線番号とともに受信した位置情報(基地局の識別番号)を位置情報704として格納する。
【0238】
ただし、固定電話機11を用いて巡回業務が行われる場合には、S114の処理は省略してもよい。
【0239】
S114の処理後、制御部101は、本フローを終了する。なお、図示していないが、S114の処理後には、制御部101は、図16に示すシーケンス図で説明したS80、S81等の処理を行って、発信信号900に含まれる巡回結果について記憶しておく。
【0240】
一方、S103で巡回実施者ではないと判定された場合には(S103;No)、制御部101は、処理をS104に移行する。
【0241】
処理がS104に移行すると、異常検出部114は、巡回実施者ではない者(侵入者)が存在している巡回対象フロアを特定する(S105)。
【0242】
具体的には、異常検出部114は、S101で受信した位置情報(すなわち、基地局ID)を有するレコード610をフロア情報テーブル650から抽出し、そのレコード610に対応付けられているフロア(フロアID601やフロア名602)を、侵入者が存在しているフロアとして特定する。
【0243】
その後、異常検出部114は、巡回対象フロアへの侵入者が要注意人物であるか否か判別する(S105)。
【0244】
図18は、S105の処理で利用される要注意内線テーブル950の概略データ構成の一例を示す図である。図示するように、要注意内線テーブル950は、要注意人物として登録されている者ごとのレコード956からなる。各レコード956には、内線ID951と、内線番号952と、氏名953と、登録日954と、アラーム回数955と、が対応付けて格納される。
【0245】
内線ID951には、要注意人物として登録されている者が携帯する携帯端末の識別番号が含まれる。例えば、内線ID951は、「N901」、「N902」といった形式の文字列からなる。
【0246】
内線番号952には、要注意人物として登録されている者が携帯する携帯端末に割り当てられている内線番号が含まれる。例えば、内線番号952は、「2000」、「1015」といった形式の文字列からなる。
【0247】
氏名953には、要注意人物として登録されている者の氏名が含まれる。例えば、氏名953は、「社員S」、「社員P」といった形式の文字列からなる。
【0248】
登録日954には、要注意人物として登録された日時が含まれる。例えば、登録日954は、「2011/01/30」といった形式の文字列からなる。
【0249】
アラーム回数955には、巡回対象フロアで不審者とみなされた回数が含まれる。例えば、アラーム回数955は、「12」、「13」といった形式の文字列からなる。
【0250】
例えば、S105では、異常検出部114は、記憶部103から要注意内線テーブル950を読み出し、S102で受信した内線番号に一致する内線番号952を検索する。そして、異常検出部114は、一致する内線番号952がある場合には、S102で内線番号を送信してきた携帯端末の操作者は、要注意人物と判定する。一方、異常検出部114は、一致する内線番号952がない場合には、S102で内線番号を送信してきた携帯端末の操作者は、要注意人物ではないと判定する。
【0251】
S105で要注意人物と判定された場合には(S105;Yes)、異常検出部114は、緊急の対応を要する異常事態とみなし、フロア情報テーブル650の巡回結果608を「緊急」に更新する(S115)。
【0252】
これとともに、異常検出部114は、フロア情報テーブル650のアラームレベル609を「高」に更新する(S116)。なお、S115、S116の処理は、上記のシーケンス図(図16)に示すS89の処理に対応している。
【0253】
その後、制御部101は、処理をS112に移行する。
【0254】
一方、S105で要注意人物ではないと判定された場合には(S105;No)、異常検出部114は、S104で特定されたフロアについて、巡回実施済みであるか否か判別する(S106)。
【0255】
具体的には、異常検出部114は、記憶部103からフロア情報テーブル650を読み出し、S104で特定されたフロアに対応する巡回結果608を参照して、巡回実施済みであるか否か判別する。
【0256】
ここで、異常検出部114は、その巡回結果608が巡回実施済みではない(例えば、「未巡回」)ことを示している場合には(S106;No)、S104で特定されたフロアは巡回前であるため、そのまま本フローを終了する。
【0257】
一方、異常検出部114は、巡回結果608が巡回実施済み(例えば、「異常なし」)であることを示している場合には(S106;Yes)、処理をS107に移行する。
【0258】
処理がS107に移行すると、異常検出部114は、S104で特定された巡回対象フロアへの侵入者が、その巡回対象フロアに所属する者であるか否か判別する(S107)。
【0259】
具体的には、異常検出部114は、記憶部103から内線情報テーブル550を読み出し、S102で受信した内線番号に対応する内線番号502を検索する。それから、異常検出部114は、検索した内線番号502に対応付けられている所属フロア506と、S104で特定された巡回対象フロアと、を比較する。このとき、異常検出部114は、比較した両フロアが一致していれば、巡回対象フロアへの侵入者は、その巡回対象フロアに所属する者であると判定する。一方、異常検出部114は、比較した両フロアが一致していなければ、巡回対象フロアへの侵入者は、その巡回対象フロアに所属する者ではないと判定する。
【0260】
ここで、S104で特定された巡回対象フロアへの侵入者が、その巡回対象フロアに所属する者であると判定された場合には(S107;Yes)、異常検出部114は、異常事態が発生したわけではなく、所属する者が在席しているものとみなし、フロア情報テーブル650の巡回結果608を「異常なし(在)」に更新する(S117)。
【0261】
これとともに、異常検出部114は、フロア情報テーブル650のアラームレベル609を「低」に更新する(S118)。なお、S117、S118の処理は、上記のシーケンス図(図16)に示すS85の処理に対応している。
【0262】
その後、制御部101は、処理をS112に移行する。
【0263】
一方、S104で特定された巡回対象フロアへの侵入者が、その巡回対象フロアに所属する者ではないと判定された場合には(S107;No)、異常検出部114は、侵入者の様子を確認するために、フロア情報テーブル650の巡回結果608を「再確認要」に更新する(S108)。
【0264】
そして、異常検出部114は、S104で特定された巡回対象フロアへの侵入者が、所定時間(例えば、5分)経過する前に(S110;No)、その巡回対象フロアから退出した場合(通過した場合)には(S109;Yes)、巡回対象フロア内は安全とみなし、フロア情報テーブル650の巡回結果608を元の値に戻す(S119)。
【0265】
ただし、巡回対象フロア内の物品等が盗難にあったおそれ等もあるため、異常検出部114は、フロア情報テーブル650のアラームレベル609を「中」に更新する(S120)。なお、S119、S120の処理は、上記のシーケンス図(図16)に示すS89の処理に対応している。
【0266】
その後、制御部101は、処理をS112に移行する。
【0267】
なお、S109で侵入者が巡回対象フロアから退出したか否かの判断は、異常検出部114が、上記のS101、S102の処理を再実行して行う。例えば、異常検出部114は、S104で特定された巡回対象フロアから侵入者と同一の内線番号を取得できない場合に、侵入者のその巡回フロアから退出したと判断する。
【0268】
また、異常検出部114は、S104で特定された巡回対象フロアへの侵入者が、所定時間経過しても(S110;Yes)、その巡回対象フロアにとどまっている場合には(S109;No)、異常検出部114は、異常事態が発生しているものとみなし、フロア情報テーブル650の巡回結果608を「異常あり」に更新する(S111)。
【0269】
これとともに、異常検出部114は、フロア情報テーブル650のアラームレベル609を「高」に更新する(S111)。なお、S111の処理は、上記のシーケンス図(図16)に示すS89の処理に対応している。
【0270】
その後、制御部101は、処理をS112に移行する。
【0271】
処理がS112に移行すると、異常検出部114は、異常事態が発生したことを通知するための通知先が設定されているか否か判別する(S112)。
【0272】
具体的には、異常検出部114は、記憶部103からフロア情報テーブル650を読み出し、S104で特定されたフロアに対応するアラームレベル609と通知先606を参照して、通知先が設定されているか否か判別する。例えば、アラームレベル609が「低」の場合、通知先1に値(例えば、電話番号)が格納されていれば、通知先が設定されていると判定される。また、アラームレベル609が「中」の場合、通知先2に値が格納されていれば、通知先が設定されていると判定される。また、アラームレベル609が「高」の場合、通知先3又は通知先4に値が格納されていれば、通知先が設定されていると判定される。
【0273】
ここで、異常検出部114は、通知先が設定されていないと判定された場合には(S112;No)、通知不可とみなし、そのまま本フローを終了する。
【0274】
一方、異常検出部114は、通知先が設定されていると判定された場合には(S112;Yes)、アラームレベル609に応じた通知先に対して、異常事態が発生したことを通知する(S113)。
【0275】
具体的には、異常検出部114は、S118でアラームレベル609が「低」に更新された場合には、記憶部103からフロア情報テーブル650を読み出し、S104で特定されたフロアに対応する通知先1を、収集装置200に対して送信する。
【0276】
また、異常検出部114は、S120でアラームレベル609が「中」に更新された場合には、記憶部103からフロア情報テーブル650を読み出し、S104で特定されたフロアに対応する通知先2を、収集装置200に対して送信する。
【0277】
また、異常検出部114は、S111で巡回結果608が「異常あり」、かつ、アラームレベルが「高」に更新された場合には、記憶部103からフロア情報テーブル650を読み出し、S104で特定されたフロアに対応する通知先3を、収集装置200に対して送信する。
【0278】
また、異常検出部114は、S115で巡回結果608が「緊急」、かつ、アラームレベルが「高」に更新された場合には、記憶部103からフロア情報テーブル650を読み出し、S104で特定されたフロアに対応する通知先4を、収集装置200に対して送信する。
【0279】
このとき、収集装置200の異常処理部234は、異常検出部114から送信された通知先(1〜4)の電話機を呼び出す。
【0280】
こうして、本実施形態の異常検出部114は、緊急度に応じて異なる通知先に、異常事態が発生したこと等を通知することができる。
【0281】
S113の処理を終えると、制御部101は、本フローを終了する。
【0282】
以上のアラーム処理を管理装置100が実行することにより、巡回対象エリアへの不審者による侵入を監視することができる。また、巡回対象エリアへの侵入者の所属や、滞在時間に応じて、異常事態の通知先を変更できるため、無関係の部署の社員が一定時間以上とどまっている場合には、あらかじめ設定されている通知先を呼び出し、管理者や巡回者に対し再度巡回を促すようアラーム通知することが可能となる。これは昨今の社内の人間による機密情報漏洩を未然に防ぐという効果もある。
【0283】
また、本実施形態では社内に設置されている収集装置(電話交換機)200と管理装置(サーバ)100を連携し、各フロアに設置されている固定電話機11をチェックポイントとして、電話機から特番発信することで巡回情報を通知している。そのため、バーコードリーダやICタグリーダ等の専用端末を必要とせず、巡回者が携帯する巡回用形態端末16または巡回対象フロアに設置されている固定電話機11で巡回情報をサーバに蓄積することができる。
【0284】
この場合、どちらの端末を利用しても内線電話を利用していることで通話料金が発生することもなく、仮に携帯端末を紛失した場合でも、社外では収集装置(構内交換機)200に接続できないため内線として使用されることが無く、情報漏えいの心配も無い。
【0285】
なお、上記した各処理単位は、管理装置100を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。管理装置100が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0286】
また、上記の実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。多くの代替物、修正、変形例は当業者にとって明らかである。
【0287】
例えば、上記実施形態では、図1や図5に示すように、1つの建物(1棟)に複数の巡回対象フロア(A〜C)を設けている。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、複数の建物(複数棟)にわたって巡回対象フロアを設けてもよい。
【0288】
図19は、複数の建物(複数棟)にわたって巡回対象フロア(A〜C、Z)が設けられる場合について説明するための図である。
【0289】
図示するように、第1棟に巡回対象フロア(A〜C)を設け、第1棟とは異なる第2棟に巡回対象フロアZを設けてもよい。
【0290】
そして、上記実施形態では、アラーム処理のS109において(図17)、侵入者が巡回対象フロア外に退出した場合と、侵入者が巡回対象フロアにしばらく滞在する場合と、で異常事態を通知する緊急度を異ならせている。
【0291】
これを変形し、例えば、アラーム処理のS109において、侵入者が同建物(同エリア)外に退出した場合と、侵入者が同建物(同エリア)内にしばらく滞在する場合と、で異常事態を通知する緊急度を異ならせてもよい。
【0292】
一般的には、建物毎に業務が関連していることが多く、同建物(棟)内では社員の行き来は頻繁にあるが、異なる建物(棟)間では社員の行き来は少なくなる。
【0293】
そのため、S109で侵入者が建物(同エリア)外に退出した場合と、侵入者が建物(同エリア)内にしばらく滞在する場合と、で異常事態を通知する緊急度を異ならせることにより、関連性のない業務を行う社員の侵入に対して厳しく監視することができる。
【0294】
また、図20は、ある社員(例えば、フロアAに所属している社員)が、巡回モードOFF時(日中)に各フロア(A〜C、Z)に移動した回数を示すグラフである。
【0295】
図示するように、フロアAに所属している社員は、巡回モードOFF時においては、同建物内(第1棟のフロアA〜C)へは数回移動しているが、他建物(第2棟の建物Z)へは一度も移動していない。
【0296】
このように、巡回管理システム1では、各社員の巡回モードOFF時の行動パターンを記憶しておき、その行動パターンに応じて、異常事態を通知する緊急度を異ならせてもよい。
【0297】
例えば、異常検出部114は、巡回モードOFF時に移動してきたことのある社員が、巡回モードON時に侵入してきた場合には、アラームレベル609を「低」とし、巡回モードOFF時に一度も移動してきたことのない社員が、巡回モードON時に侵入してきた場合には、アラームレベル609を「中」又は「高」とするようにしてもよい。
【0298】
こうして、普段の業務とは異なる行動をしている社員の侵入に対して厳しく監視することができる。
【0299】
また、上記実施形態のS111〜S113では、異常検出部114は、異常事態を検出すると、通知先3を収集装置200へ送信して、守衛等を呼び出す。
【0300】
しかし、異常事態を検出してから、守衛等が到着するまでに、有事が発生してしまう場合もあり得る。
【0301】
そこで、巡回管理システム1では、アラームレベル609が「高」に設定された場合には、不審者が侵入しているフロアに設定されたいずれかの固定電話機11がオフフックされると、通知先4を収集装置200へ送信して、外部の警備会社や警察等を直接呼び出すようにしてもよい。
【0302】
こうして、巡回対象フロアで不審者に遭遇してしまった場合でも、机上の固定電話機11を落とすといった簡単な方法で、即座に緊急事態を外部(警備会社や警察等)に通知することができる。
【0303】
また、アラームレベル609が「高」に設定されていない場合であっても、不審者が侵入しているフロアに設定されたいずれかの固定電話機11がオフフックされると、通知先2を収集装置200へ送信して、巡回者に再巡回を促してもよい。
【0304】
そして、再巡回を実施する場合に、巡回者が巡回中に不審者と遭遇してしまい一刻も早く通報が必要となることがある。このような場合にも、不審者が侵入しているフロアに設定されたいずれかの固定電話機11がオフフックして、通知先4を呼び出すことで、警察や警備会社等へ異常事態を知らせることができる。
【0305】
また、上記実施形態では、携帯端末(15〜17)を一般的なPHS端末として説明しているが、これに限定されない。
【0306】
なお、例えば、上記した実施例および変形例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0307】
また、上記実施例の構成の一部を他の変形例の構成に置き換えることが可能であり、また、上記実施例の構成に他の変形例の構成を加えることも可能である。また、上記実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0308】
また、上記の各構成、機能、処理部、等は、それらの一部又は全部を、例えば、集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0309】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0310】
1 巡回管理システム
10 基地局
11 固定電話機
15 一般用携帯端末
16 巡回用携帯端末
17 守衛用携帯端末
100 管理装置(サーバ)
101 制御部(管理装置)
102 通信部(管理装置)
103 記憶部(管理装置)
111 内線状態管理部
112 フロア情報管理部
113 位置情報管理部
114 異常検出部
115 タイマ処理部
116 データ検索部
200 収集装置(電話交換機)
201 第1回線収容部
202 第2回線収容部
203 制御部(収集装置)
204 基地局収容部
205 通信部(収集装置)
206 記憶部(収集装置)
300 表示装置
400 初期設定画面
500 内線情報テーブル(収集装置)
550 内線情報テーブル(管理装置)
600 フロア情報テーブル(収集装置)
650 フロア情報テーブル(管理装置)
700 巡回者情報テーブル
800 履歴情報テーブル
900 発信信号
950 要注意内線テーブル
1000 表示装置画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のフロアを巡回する業務を管理する巡回管理装置であって、
巡回業務を実施する巡回モードにおいて、
巡回者が携帯する巡回用携帯端末からの特番発信を確認した場合に、当該巡回用携帯端末が捕捉している基地局の設置フロアについて巡回完了と判定する巡回判定部と、
前記巡回判定部による判定結果を蓄積する結果蓄積部と、
前記巡回者として指定されていない者が携帯する一般用携帯端末からの信号を確認した場合に、異常事態とみなす異常検出部と、を備える、
ことを特徴とする巡回管理装置。
【請求項2】
所定のフロアを巡回する業務を管理する巡回管理装置であって、
巡回業務を実施する巡回モードにおいて、
巡回者による固定電話機からの特番発信を確認した場合に、当該固定電話機の設置フロアについて巡回完了と判定する巡回判定部と、
前記巡回判定部による判定結果を蓄積する結果蓄積部と、
前記巡回者として指定されていない者が携帯する一般用携帯端末からの信号を確認した場合に、異常事態とみなす異常検出部と、を備える、
ことを特徴とする巡回管理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の巡回管理装置であって、
前記異常検出部は、
前記一般用携帯端末が所属しているフロアに応じて、アラームレベルを異ならせる、
ことを特徴とする巡回管理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の巡回管理装置であって、
前記異常検出部は、
前記一般用携帯端末が、所属しているフロアに侵入した場合には、アラームレベルを低レベルに設定する、
ことを特徴とする巡回管理装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の巡回管理装置であって、
前記異常検出部は、
前記一般用携帯端末が、所属していないフロアを通過した場合には、アラームレベルを中レベルに設定する、
ことを特徴とする巡回管理装置。
【請求項6】
請求項3乃至5に記載の巡回管理装置であって、
前記異常検出部は、
前記一般用携帯端末が、所属していないフロアに所定時間を超えて滞在した場合には、アラームレベルを高レベルに設定する、
ことを特徴とする巡回管理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の巡回管理装置であって、
前記異常検出部は、
アラームレベルが高レベルに設定された場合には、前記一般用携帯端末が滞在したフロアに設置された固定電話機をオフフックすることで、あらかじめ登録されている緊急の通知先に緊急事態を通報させる命令を出力する、
ことを特徴とする巡回管理装置。
【請求項8】
所定のフロアを巡回する業務を管理する巡回管理方法であって、
巡回業務を実施する巡回モードにおいて、
巡回者が携帯する巡回用携帯端末からの特番発信を確認した場合に、当該巡回用携帯端末が捕捉している基地局の設置フロアについて巡回完了と判定する巡回判定ステップと、
前記巡回判定ステップでの判定結果を蓄積する結果蓄積ステップと、
前記巡回者として指定されていない者が携帯する一般用携帯端末からの信号を確認した場合に、異常事態とみなす異常検出ステップと、を行う、
ことを特徴とする巡回管理方法。
【請求項9】
所定のフロアを巡回する業務を管理する巡回管理方法であって、
巡回業務を実施する巡回モードにおいて、
巡回者による固定電話機からの特番発信を確認した場合に、当該固定電話機の設置フロアについて巡回完了と判定する巡回判定ステップと、
前記巡回判定ステップでの判定結果を蓄積する結果蓄積ステップと、
前記巡回者として指定されていない者が携帯する一般用携帯端末からの信号を確認した場合に、異常事態とみなす異常検出ステップと、を行う、
ことを特徴とする巡回管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−25709(P2013−25709A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162444(P2011−162444)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】