説明

巡回補助システム、巡回補助方法、巡回補助プログラムおよびプログラム記録媒体

【課題】巡回作業の品質を向上し、見落としや経路ミスの発生を防止し、効率の良い巡回作業を支援する巡回補助システムを提供する。
【解決手段】携帯端末として位置情報取得機構を備えたバーコードスキャナ付きPHS端末20を携帯した巡回者が、点検すべき巡回場所に到着した際に、バーコードスキャナ22により当該巡回場所のバーコードを当該巡回場所を示す特定情報として読み取り、位置情報とともにサーバ10に送信する。サーバ10は特定情報と位置情報との双方から、正しい巡回場所に到着したことを確認した時点で、当該巡回場所で点検すべき項目を状態点検項目として返送する。PHS端末20は、サーバ10からの状態点検項目を出力部24に表示して、巡回者に点検を促し、点検結果を逐次入力部23から入力させて、状態点検結果としてサーバ10に送信する。サーバ10にて正常であることを確認すると、次の巡回場所をPHS端末20に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巡回補助システム、巡回補助方法、巡回補助プログラムおよびプログラム記録媒体に関し、特に、PHS端末などの携帯端末を用いる無線通信システムを利用して巡回動作を補助支援する巡回補助システム、巡回補助方法、巡回補助プログラムおよびプログラム記録媒体に関する。例えば、建物の巡回警備などを行う巡回システムに好適に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
巡回点検場所を順次巡回しながら点検していく従来の巡回システムでは、特許文献1の特開2000−207451号公報「巡回点検支援システム」や特開平2−121099号公報「巡回システム」に記載のように、巡回時計を用いて、巡回点検場所ごとに付与されている鍵によって、巡回点検場所と時間との関連付けを行う仕組みが主に利用されていた。また、現在においても、従来からの巡回時計を用いたものが多い。
【特許文献1】特開2000−207451号公報(第4−5頁)
【特許文献2】特開平2−121099号公報(第4頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、巡回時計を用いた巡回システムでは、巡回点検場所の個数についての上限値が低く、また、巡回点検場所と時間とのみのデータでは、巡回記録とはなり得るものの、得られる情報が少なく、それ以外の情報の活用は困難であった。さらには、リアルタイムでの管理も困難であった。
【0004】
一方、近年では、PHS端末や携帯電話端末やPDAや携帯ノートPCあるいは無線LAN端末などのいわゆる携帯端末を利用した無線通信システムが、通信基盤として整備されてきており、巡回者が携帯端末を携帯して巡回することにより、かかる既設の無線通信システムを利用して、巡回情報を管理するサーバとの間で情報交換を行い、巡回動作を補助支援することが可能になってきている。例えば、建物内での通信基盤としても内線PHSシステムを構築している例が多く、この既設の内線PHSシステムの通信基盤を、建物の巡回点検を行う巡回システムに利用することによって、巡回システムの支援に関する基盤整備のための費用を軽減することが可能になってきている。
【0005】
さらに、巡回場所を特定する仕組みとして、従来の巡回点検場所における鍵の代わりにバーコードやRFID(Radio Frequency Identification)タグやICタグや無線タグなどを、巡回場所を特定する情報を記録する記録媒体として利用して、各巡回場所に設置することにすれば、バーコードやRFIDタグなどの作成費用は安価であり、設置も容易であり、かつ、バーコードやRFIDタグなどに記録されている外部情報を読み取り可能な外部情報読み取り機構を携帯端末に搭載することも可能となってきているので、効果的な巡回補助システムを経済的に構築することが可能な状況になってきている。
【0006】
本発明は、かかる観点から、バーコードあるいはRFIDタグなどのような記録媒体に記録された外部情報の読み取り機構と現在位置を示す位置情報の取得機構とを搭載した携帯端末および該携帯端末の無線通信用の無線通信システムを利用して、巡回動作の補助を行うことにより、従来の巡回システムにおける問題点を解決することが可能な巡回補助システム、巡回補助方法、巡回補助プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するため、本発明による巡回補助システム、巡回補助方法、巡回補助プログラムおよびプログラム記録媒体は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0008】
(1)携帯端末を携帯した巡回者が、各巡回場所における状態を点検しながら巡回して、各巡回場所における状態点検結果を、巡回情報を管理するサーバに対して、ネットワークを介して通知する動作の補助を行う巡回補助システムにおいて、前記巡回場所ごとに、巡回場所それぞれを特定する情報を配置し、かつ、巡回者が携帯する前記携帯端末が、当該携帯端末の外部の情報を読み取ることが可能な外部情報読み取り機構と現在の位置を位置情報として取得することが可能な位置情報取得機構とを備え、前記携帯端末を携帯する巡回者が前記巡回場所に到着した際に、前記携帯端末の前記外部情報読み取り機構により、当該巡回場所を特定する情報を巡回場所特定情報として読み取り、前記位置情報取得機構により取得した位置情報とともに、前記ネットワークを介して、前記サーバに送信する巡回補助システム。
(2)上記(1)の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、前記携帯端末から前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを受信した際に、前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを用いて、巡回者が正しい巡回場所に到着しているか否かを確認する巡回補助システム。
(3)上記(2)の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、巡回者が正しい巡回場所に到着していないものと判断した場合は、前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを送信してきた送信元の前記携帯端末に、前記ネットワークを介して、再確認する情報を返送する巡回補助システム。
(4)上記(2)の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、巡回者が正しい巡回場所に到着していることを確認した場合、当該巡回場所において点検すべき項目を、状態点検項目として、前記ネットワークを介して、前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを送信してきた送信元の前記携帯端末に返送する巡回補助システム。
(5)上記(4)の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、前記巡回場所の前記状態点検項目を、前記巡回場所ごとに変更して、前記ネットワークを介して、前記携帯端末に送信することができる巡回補助システム。
(6)上記(4)または(5)の巡回補助システムにおいて、前記携帯端末は、前記サーバから前記状態点検項目を受信した際に、当該携帯端末の出力手段を用いて、受信した前記状態点検項目を表示して、当該携帯端末を携帯する巡回者に通知し、当該携帯端末の入力手段を用いて巡回者から入力された点検結果を、当該巡回場所における状態点検結果として、前記ネットワークを介して、前記サーバに送信する巡回補助システム。
(7)上記(6)の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、前記携帯端末から前記巡回場所における状態点検結果を受信した際に、受信した前記巡回場所における状態点検結果が正常か否かを確認する巡回補助システム。
(8)上記(7)の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、前記巡回場所における状態点検結果の中に正常な状態ではないものが含まれていると判断した場合は、前記巡回場所における状態点検結果を送信してきた送信元の前記携帯端末に、前記ネットワークを介して、再点検を指示する情報を返送する巡回補助システム。
(9)上記(7)の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、前記巡回場所における状態点検結果のすべてが正常な状態であると判断した場合は、前記巡回場所における状態点検結果を送信してきた送信元の前記携帯端末に、前記ネットワークを介して、巡回すべき次の巡回場所を指示する情報を返送する巡回補助システム。
(10)上記(1)ないし(9)のいずれかの巡回補助システムにおいて、前記サーバは、巡回中の巡回者が携帯する前記携帯端末の前記位置情報取得機構から現在位置を示す位置情報を、前記ネットワークを介して、必要に応じて随時取得して、巡回すべき次の巡回場所を指示する情報を、前記ネットワークを介して、位置情報を取得した前記携帯端末に返送する巡回補助システム。
(11)上記(1)ないし(10)のいずれかの巡回補助システムにおいて、前記携帯端末が、PHS端末、携帯電話端末、PDA、携帯ノートPC、あるいは、無線LAN端末のいずれかの端末種類から構成されており、前記ネットワークが、前記携帯端末を構成する端末種類に応じた無線通信を行う無線通信システムからなっている巡回補助システム。
(12)上記(1)ないし(11)のいずれかの巡回補助システムにおいて、前記携帯端末に備える前記外部情報読み取り機構が、バーコードを読み取るバーコードスキャナ、RFID(Radio Frequency Identification)タグの記録内容を読み取るRFIDタグリーダ、ICタグの記録内容を読み取るICタグリーダ、磁気タグの記録内容を読み取る磁気タグリーダのいずれかからなっている巡回補助システム。
(13)上記(1)ないし(12)のいずれかの巡回補助システムにおいて、前記携帯端末に備える前記位置情報取得機構が、当該携帯端末を構成する端末種類に応じた無線通信を行う無線通信システムにおける位置登録情報を利用して取得するか、あるいは、GPS手段を搭載して位置情報を取得するか、のいずれかの手段からなっている巡回補助システム。
(14)携帯端末を携帯した巡回者が、各巡回場所における状態を点検しながら巡回して、各巡回場所における状態点検結果を、巡回情報を管理するサーバに対して通知する動作の補助を行う巡回補助方法であって、前記巡回場所ごとに、巡回場所それぞれを特定する情報を配置し、かつ、前記携帯端末は、前記携帯端末を携帯する巡回者が前記巡回場所に到着した際に、当該巡回場所を特定する情報を巡回場所特定情報として読み取り、前記携帯端末の現在位置を示す位置情報とともに前記サーバに送信する巡回補助方法。
(15)上記(14)の巡回補助方法において、前記サーバは、前記携帯端末から前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを受信した際に、前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを用いて、巡回者が正しい巡回場所に到着しているか否かを確認する巡回補助方法。
(16)上記(15)の巡回補助方法において、前記サーバは、巡回者が正しい巡回場所に到着していることを確認した時点で、当該巡回場所において点検すべき項目を状態点検項目として、前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを送信してきた送信元の前記携帯端末に返送する巡回補助方法。
(17)上記(16)の巡回補助方法において、前記サーバは、前記巡回場所の前記状態点検項目を、前記巡回場所ごとに変更して、前記携帯端末に送信することができる巡回補助方法。
(18)上記(16)または(17)の巡回補助方法において、前記携帯端末は、前記サーバから前記状態点検項目を受信した際に、受信した前記状態点検項目を表示して、当該携帯端末を携帯する巡回者に通知し、巡回者から入力された点検結果を、当該巡回場所における状態点検結果として、前記サーバに送信する巡回補助方法。
(19)上記(18)の巡回補助方法において、前記サーバは、前記携帯端末から前記巡回場所における状態点検結果を受信した際に、受信した前記巡回場所における状態点検結果が正常か否かを確認し、前記巡回場所における状態点検結果のすべてが正常な状態であると判断した場合は、前記巡回場所における状態点検結果を送信してきた送信元の前記携帯端末に、巡回すべき次の巡回場所を指示する情報を返送する巡回補助方法。
(20)上記(14)ないし(19)のいずれかの巡回補助方法において、前記サーバは、巡回中の巡回者が携帯する前記携帯端末の前記位置情報取得機構から現在位置を示す位置情報を必要に応じて随時取得して、巡回すべき次の巡回場所を指示する情報を、位置情報を取得した前記携帯端末に返送する巡回補助方法。
(21)上記(14)ないし(20)のいずれかに記載の巡回補助方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施している巡回補助プログラム。
(22)上記(21)の巡回補助プログラムを、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録しているプログラム記録媒体。
【発明の効果】
【0009】
本発明の巡回補助システム、巡回補助方法、巡回補助プログラムおよびプログラム記録媒体によれば、バーコードやRFIDタグなどの記録媒体に記録された外部情報の読み取り機構と現在位置を示す位置情報の取得機構とを備えた携帯端末、該携帯端末の無線通信用の無線通信システムとして利用可能な既設の通信基盤、および、巡回場所を特定する外部情報を記録したバーコードやRFIDタグなどの記録媒体を少なくとも用いて、巡回補助システムを構築することにより、巡回作業の品質を向上させ、見落としや経路ミスの発生を防止し、効率の良い巡回作業を支援することができるという効果が得られる。
【0010】
すなわち、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。第一に、無線通信システムとしてPHS通信システムなどの既設の通信基盤を利用して、巡回者が、バーコードやRFIDタグなどに記録された外部情報の読み取り機構と現在位置を示す位置情報の取得機構とを備えた携帯端末を携帯して巡回することによって、巡回者が移動した巡回場所(巡回ポイント)に設置されているバーコードやRFIDタグなどに記録された情報(当該巡回場所を特定するデータ)を外部情報として読み取った結果のみならず、携帯端末の位置情報も含めて、巡回情報を管理するサーバへ送信することによって、サーバにて、巡回者が指定された所定の巡回場所へ到着したか否かをより確実に確認することができ、かつ、既に設置済みの無線通信システムを利用して巡回の補助を行うことができるので、巡回補助システムを経済的に実現することができる。
【0011】
第二に、サーバは、巡回者が指示された所定の巡回場所に到着していることが確認された時点で、無線通信システムとして既設の通信基盤を利用して、当該巡回場所において点検すべき状態点検項目を指示するように構成しているので、巡回場所における点検品質を向上させ、巡回者の点検漏れを確実に防止することができ、かつ、作業効率を向上させることもできる。さらに、当該巡回場所における点検結果を、サーバに返送させて、サーバにてリアルタイムに確認することを可能としており、点検結果に問題があった場合は、ただちに、当該巡回場所に留まっている巡回者に再点検を指示することができ、点検の見落としを防止することができる。
【0012】
第三に、サーバは、巡回者が現在所在する巡回場所において点検すべき点検項目のすべてについて点検結果に問題がないことが確認された時点で、無線通信システムとして既設の通信基盤を利用して、巡回者に対して次に点検すべき巡回場所を指示してくるので、巡回者の巡回経路ミスの発生を抑止することができ、効率の良い巡回を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明による巡回補助システム、巡回補助方法、巡回補助プログラムおよびプログラム記録媒体の好適実施形態例について添付図を参照して説明する。なお、以下の実施例においては、巡回者が携帯する外部情報の読み取り機構と位置情報取得機構とを備えた携帯端末として、位置情報取得機構を備えたバーコードスキャナ付きのPHS端末を用いる場合について説明することにするが、本発明は、かかる場合に限るものではない。
【0014】
例えば、外部情報の読み取り機構として、RFIDタグやICタグあるいは無線タグに記録された外部情報を読み取ることが可能なRFIDタグリーダやICタグリーダあるいは無線タグリーダを、バーコードスキャナの代わりに備えるようにしても良いし、携帯端末の種類として、携帯電話端末やPDAや携帯ノートPCあるいは各種の携帯用無線LAN端末を、PHS端末の代わりに用いるようにしても良い。また、携帯端末の位置情報取得機構として、PHS端末の通信用として利用される位置情報を取得する代わりに携帯電話端末や無線LAN端末などの通信用として利用される位置情報を取得するようにしても良いし、あるいは、GPS機構を搭載するようにしても良い。
【0015】
(本発明の特徴)
本発明の実施例の説明に先立って、まず、本発明の特徴について、その概要を説明する。本発明は、前述したように、巡回者が巡回時に携帯する外部情報の読み取り機構と位置情報取得機構とを備えた携帯端末、巡回情報を管理するサーバ、および、前記携帯端末が無線通信を行うネットワークから構成される無線通信システムを利用して効率的かつ効果的な巡回を行うための補助を行うことに、その特徴がある。
【0016】
すなわち、本発明は、次の点に主な特徴がある。前述のような構成を用いることにより、巡回者が巡回場所に到着した時点で、当該巡回場所を特定する外部情報を取得して、携帯端末からサーバに対して送信する際に、当該携帯端末の現在位置を示す位置情報も合わせて取得して、取得した位置情報を、巡回場所を特定する外部情報に含めて、サーバに送信することを可能としている。さらに、サーバは、巡回者が現在位置する地点が正しい巡回場所であることを確認した時点で、リアルタイムに、当該巡回場所で点検すべき点検項目を、サーバから携帯端末に返送してくることを可能としている。さらには、サーバが現在の巡回場所における点検結果がすべて正常であることを確認した際に、サーバから携帯端末に次の巡回場所を指示することを可能としている。
【0017】
(実施例の構成)
次に、本発明の実施例の構成について、外部情報の読み取り機構と位置情報取得機構とを備えた携帯端末として、前述したように、位置情報取得機構を備えたバーコードスキャナ付きのPHS端末を利用する場合を、図1〜図3を参照して説明する。ここに、図1は、本発明による巡回補助システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図であり、本発明の巡回補助システムの概念を説明するためのものである。図2は、本発明による巡回補助システムの主要部を説明するためのシステム構成の一例を示すシステム構成図であり、巡回情報の管理を行うサーバと巡回者が携帯するPHS端末とにおける主要部を抽出して示している。また、図3は、本発明による巡回補助システムの具体的なシステム構成の一例を示すシステム構成図であり、サーバとPHS端末との具体的なブロック構成の一例を示している。
【0018】
まず、図1のシステム構成図を用いて、本発明による巡回補助システムの概念を説明する。本発明による巡回補助システム100は、巡回情報の管理を行うサーバ10と、巡回者が携帯するバーコードスキャナ付きPHS端末20と、サーバ10とバーコードスキャナ付きPHS端末20との間のPHS通信を行うためのネットワーク30(PHS通信用ネットワーク)と、を少なくとも含んで構成されている。
【0019】
バーコードスキャナ付きPHS端末20を携帯する巡回者は、サーバ10からの指示にしたがって巡回場所を順次点検しながら巡回していく。巡回者が巡回場所Aに到達すると、当該巡回場所Aに設置されている(巡回場所Aの入口などのしかるべき場所に貼付されている)バーコード2Aをバーコードスキャナ付きPHS端末20によって読み取るとともに、巡回者が携帯するバーコードスキャナ付きPHS端末20の位置情報を、当該巡回者の位置情報として取得して、読み取ったバーコードデータと取得した巡回者の位置情報とを含む形で、PHSメール形式に編集して、当該巡回場所Aに設置されているPHSアンテナ1Aからネットワーク30を介して、サーバ10に対してメール送信する。
【0020】
巡回場所Aのバーコード2Aと巡回者の位置情報とを含むメールをバーコードスキャナ付きPHS端末20から受信したサーバ10は、バーコード2Aと巡回者の位置情報とから、メールの送信場所の確認を行い、巡回場所Aから正しくメールが送信されてきていることを確認する。正しく送信されてきていることが確認できた場合は、サーバ10は、巡回場所Aにおいて点検すべき事項を状態点検項目として編集した返信メールを作成して、ネットワーク30を介して、さらに、巡回場所AのPHSアンテナ1Aを経由して、巡回者が携帯するバーコードスキャナ付きPHS端末20に対して送信する。
【0021】
サーバ10からの巡回場所Aの状態点検項目を含む返信メールをバーコードスキャナ付きPHS端末20にて受信した巡回者は、該状態点検項目にしたがって、巡回場所Aにおける点検を順次行い、その点検結果を巡回場所Aにおける状態点検結果として含むメールを作成して、PHSアンテナ1Aからネットワーク30を介して、サーバ10に対してメール送信する。
【0022】
巡回場所Aにおける状態点検結果を含むメールをバーコードスキャナ付きPHS端末20から受信したサーバ10は、巡回場所Aの点検結果の確認を行い、巡回場所Aに異常がないことが確認されると、その次に巡回すべき点検場所Bを指示する返信メールを作成して、ネットワーク30を介して、さらに、巡回場所AのPHSアンテナ1Aを経由して、巡回場所Aにいる巡回者が携帯するバーコードスキャナ付きPHS端末20に対して送信する。
【0023】
サーバ10からの次の巡回場所Bを指示する返信メールをバーコードスキャナ付きPHS端末20にて受信した巡回者は、サーバ10から指示されている次の巡回場所Bに移動して、巡回場所Aにおける場合と同様の情報交換をサーバ10との間で行うことによって、巡回場所Bにおける点検作業を行う。以降、巡回者は、サーバ10からの指示にしたがい、指示された次の巡回場所に移動し、巡回点検作業を繰り返す動作を、サーバ10に登録されている所定の巡回場所すべての巡回を完了するまで繰り返す。
【0024】
次に、図2のシステム構成図を用いて、サーバ10とバーコードスキャナ付きPHS端末20との間でメールの送受信を行うためにそれぞれに搭載されている主要な構成要素について説明する。図2に示すように、サーバ10には、ネットワーク30を介してPHSメール形式のメールを無線信号により送受信する無線部11と、バーコードスキャナ付きPHS端末20から受け取ったメールに含まれている内容(バーコードデータ、位置情報、状態点検結果など)を確認して判断する判断部12とが少なくとも備えられている。
【0025】
一方、バーコードスキャナ付きPHS端末20には、ネットワーク30を介してPHSメール形式のメールを無線信号により送受信する無線部21と、巡回場所A,B,…に設置されているバーコード2A,2B,…を読み取るバーコードスキャナ22とが少なくとも備えられている。
【0026】
次に、図3のシステム構成図を用いて、サーバ10とバーコードスキャナ付きPHS端末20との具体的なブロック構成例について、さらに説明する。図3に示すように、サーバ10は、前述した無線部11、判断部12の他に、キーボードなどからなる入力部13、CRTやLCDなどからなる出力部14、各種情報を記憶する記憶部15、および、サーバ10全体の動作を制御する制御部16を含んで構成されている。
【0027】
一方、バーコードスキャナ付きPHS端末20も、サーバ10とほぼ同様の構成からなっており、前述した無線部21の他に、バーコードスキャナ22やキー、ボタンからなる入力部23、LCDなどからなる出力部24、各種情報を記憶する記憶部25、および、バーコードスキャナ付きPHS端末20全体の動作を制御する制御部26を含んで構成されている。
【0028】
ここで、サーバ10、バーコードスキャナ付きPHS端末20の制御部16、制御部26それぞれは、プログラムの実行が可能なCPUを含んで構成されており、巡回補助プログラムとして作成された制御手順にしたがって動作させることも可能である。
【0029】
(実施例の動作の説明)
次に、図1〜図3に例示した本発明による巡回補助システムの動作の一例について、図4〜図8に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。図4は、本発明の一実施例である巡回補助システム100のバーコードスキャナ付きPHS端末20の動作の一例を示す説明するフローチャートであり、点検すべき巡回場所に到着した巡回者が携帯するバーコードスキャナ付きPHS端末20を操作することにより、サーバ10に対して読み取ったバーコードデータと位置情報とを送信する動作の一例を示すものである。図5は、本発明の一実施例である巡回補助システム100のサーバ10の動作の一例を示す説明するフローチャートであり、バーコードスキャナ付きPHS端末20からバーコードデータと位置情報とを含むPHSメールを受信したサーバ10の動作の一例を示している。
【0030】
また、図6は、本発明の一実施例である巡回補助システム100のバーコードスキャナ付きPHS端末20における図4の次の動作の一例を示す説明するフローチャートであり、バーコードスキャナ付きPHS端末20が、サーバ10から受信した巡回場所における状態点検項目に基づいて点検した結果を、状態点検結果として、サーバ10に対して送信する動作の一例を示すものである。図7は、本発明の一実施例である巡回補助システム100のサーバ10における図5の次の動作の一例を示す説明するフローチャートであり、バーコードスキャナ付きPHS端末20から巡回場所における状態点検結果を受信したサーバ10の動作の一例を示している。
【0031】
また、図8は、本発明の一実施例である巡回補助システム100のバーコードスキャナ付きPHS端末20における図6の次の動作の一例を示す説明するフローチャートであり、次に移動すべき巡回場所を指示する情報をサーバ10から受信したバーコードスキャナ付きPHS端末20の動作の一例を示している。
【0032】
まず、図4のフローチャートを用いて、点検すべき巡回場所Aに到着した巡回者のバーコードスキャナ付きPHS端末20は、PHSアンテナA1に待ち受け、PHSアンテナA1の位置情報を取得し、ネットワーク30を介してサーバ10等から送信される無線信号を待ち受ける動作を開始する(ステップS01)。
【0033】
次に、巡回場所に設置されているバーコードをバーコードスキャナ付きPHS端末20の入力部23に配置されているバーコードスキャナ22によって読み取り、記憶部25に記憶するとともに、制御部26にその旨を通知する(ステップS02)。
【0034】
バーコードスキャナ付きPHS端末20の制御部26は、記憶部25に記憶されているバーコードデータ(巡回場所を特定するデータ)を読み出すとともに、当該バーコードスキャナ付きPHS端末20の現在の所在場所を位置情報として検知して、読み出したバーコードデータに位置情報を付加したPHSメール形式に編集して(ステップS03)、無線部21から、ネットワーク30を介して、サーバ10にメール送信する(ステップS04)。しかる後、バーコードスキャナ付きPHS端末20は、サーバ10からのメール返信が受信されるまで待機する状態に移行する。
【0035】
次に、図5のフローチャートを用いて、バーコードデータと位置情報とを含むPHSメールをバーコードスキャナ付きPHS端末20から受信したサーバ10の動作について説明する。図4に示すステップS04において、バーコードスキャナ付きPHS端末20から送信された、巡回場所を示すバーコードデータとバーコードスキャナ付きPHS端末20の現在位置を示す位置情報とを含むPHSメールをサーバ10の無線部11にて受信すると、受信したバーコードデータと位置情報とを記憶部15に記憶して、その旨を制御部16に通知する(ステップS11)。
【0036】
サーバ10の制御部16は、記憶部15に記憶されたバーコードデータを読み出して、判断部12を駆動して、読み出したバーコードデータ(すなわちバーコードスキャナ付きPHS端末20から受信したバーコードデータ)が、点検すべき巡回場所を正しく示しているか否かを判定する(ステップS12)。
【0037】
判断部12における判定結果として、バーコードデータが点検すべき巡回場所を正しく示していなかった場合(ステップS12のNO)、制御部16は、送信元のバーコードスキャナ付きPHS端末20を携帯する巡回者に対して巡回場所の再確認を促すメッセージを生成して、PHSメール形式で、無線部11から、ネットワーク30を介して、送信元のバーコードスキャナ付きPHS端末20にメール送信する(ステップS16)。しかる後、サーバ10は、ネットワーク30を介してバーコードスキャナ付きPHS端末20等から送信される無線信号を待ち受ける状態に復帰する。
【0038】
一方、判断部12における判定結果として、バーコードデータが点検すべき巡回場所を正しく示していた場合(ステップS12のYES)、制御部16は、記憶部15にバーコードデータと対にされて記憶されている位置情報を読み出して、判断部12を駆動して、読み出した位置情報(すなわちバーコードスキャナ付きPHS端末20から受信した当該バーコードスキャナ付きPHS端末20の現在位置を示す情報)が、バーコードデータが特定する巡回場所と同一の点検すべき巡回場所を正しく示しているか否かを判定する(ステップS13)。
【0039】
判断部12における判定結果として、位置情報が、バーコードデータが特定する巡回場所と同一の点検すべき巡回場所を正しく示していなかった場合(ステップS13のNO)、ステップS16に移行して、前述したように、制御部16は、送信元のバーコードスキャナ付きPHS端末20を携帯する巡回者に対して巡回場所の再確認を促すメッセージを生成して送信する動作を行う。しかる後、サーバ10は、ネットワーク30を介してバーコードスキャナ付きPHS端末20等から送信される無線信号を待ち受ける状態に復帰する。
【0040】
一方、判断部12における判定結果として、位置情報が、バーコードデータが特定する巡回場所と同一の点検すべき巡回場所を正しく示していた場合(ステップS13のYES)、制御部16は、巡回者が正しい巡回場所に到達しているものと判断して、現在の巡回場所で巡回者が点検すべき項目を記憶部15から読み出して、状態点検項目として生成して(ステップS14)、PHSメール形式で、無線部11から、ネットワーク30を介して、送信元のバーコードスキャナ付きPHS端末20にメール送信する(ステップS15)。しかる後、サーバ10は、ネットワーク30を介してバーコードスキャナ付きPHS端末20等から送信される無線信号を待ち受ける状態に復帰する。
【0041】
次に、図6のフローチャートを用いて、現在位置している巡回場所における状態点検項目を含むPHSメールをサーバ10から受信したバーコードスキャナ付きPHS端末20の動作について説明する。図5に示すステップS15において、サーバ10から送信された、現在位置している巡回場所における状態点検項目を含むPHSメールを、バーコードスキャナ付きPHS端末20の無線部21にて受信すると、受信した状態点検項目を記憶部25に記憶して、その旨を制御部26に通知する(ステップS21)。バーコードスキャナ付きPHS端末20の制御部26は、受信した状態点検項目をLCDなどからなる出力部24に画面表示して、巡回者に通知する(ステップS22)。
【0042】
巡回者は、出力部24に表示された状態点検項目にしたがって、巡回場所の点検を行い、点検結果を、バーコードスキャナ付きPHS端末20のキーなどの入力部23を用いて入力することにより、各状態点検項目に対応付けて、記憶部25に順次記憶していく(ステップS23)。すべての状態点検項目に対する点検が終了すると、制御部26は、各状態点検項目に対応付けて記憶された点検結果を、記憶部25から読み出して、状態点検結果として纏めて、PHSメール形式で、無線部21から、ネットワーク30を介して、サーバ10にメール送信する(ステップS24)。しかる後、バーコードスキャナ付きPHS端末20は、サーバ10からのメール返信が受信されるまで待機する状態に移行する。
【0043】
次に、図7のフローチャートを用いて、巡回場所における状態点検結果を含むPHSメールをバーコードスキャナ付きPHS端末20から受信したサーバ10の動作について説明する。図6に示すステップS24において、バーコードスキャナ付きPHS端末20から送信された、状態点検結果を含むPHSメールをサーバ10の無線部11にて受信すると、受信した状態点検結果を記憶部15に記憶して、その旨を制御部16に通知する(ステップS31)。サーバ10の制御部16は、記憶部15に記憶された状態点検結果を読み出して、判断部12を駆動して、読み出した状態点検結果が、問題なく正常であることを示しているか否かを判定する(ステップS32)。
【0044】
判断部12における判定結果として、巡回場所における状態点検結果として問題があり、正常であることを示していなかった場合(ステップS22のNO)、制御部16は、送信元のバーコードスキャナ付きPHS端末20を携帯する巡回者に対して巡回場所の状態の再点検を促すメッセージを生成して、PHSメール形式で、無線部11から、ネットワーク30を介して、送信元のバーコードスキャナ付きPHS端末20にメール送信する(ステップS35)。しかる後、サーバ10は、ネットワーク30を介してバーコードスキャナ付きPHS端末20等から送信される無線信号を待ち受ける状態に復帰する。なお、再点検を促すメッセージを受信したバーコードスキャナ付きPHS端末20では、図6のフローチャートに示す巡回場所の点検動作を再度行うことになる。
【0045】
一方、判断部12における判定結果として、巡回場所における状態点検結果が問題なく正常であることを示していた場合(ステップS32のYES)、制御部16は、次に巡回すべき巡回場所を記憶部15から読み出して、次の巡回場所を指示する情報を設定して(ステップS33)、PHSメール形式で、無線部11から、ネットワーク30を介して、送信元のバーコードスキャナ付きPHS端末20にメール送信する(ステップS34)。しかる後、サーバ10は、ネットワーク30を介してバーコードスキャナ付きPHS端末20等から送信される無線信号を待ち受ける状態に復帰する。
【0046】
次に、図8のフローチャートを用いて、サーバ10から、次の巡回場所を指示する情報を含むPHSメールを受信したバーコードスキャナ付きPHS端末20の動作について説明する。図7に示すステップS34において、サーバ10から送信された、次の巡回場所を指示する情報を含むPHSメールをバーコードスキャナ付きPHS端末20の無線部21にて受信すると、受信した次の巡回場所を記憶部25に記憶して、その旨を制御部26に通知する(ステップS41)。バーコードスキャナ付きPHS端末20の制御部26は、受信した次の巡回場所をLCDなどからなる出力部24に画面表示して、巡回者に通知する(ステップS42)。
【0047】
巡回者は、出力部24に表示された次の巡回場所の指示にしたがって、移動を開始する。(ステップS43)。
【0048】
(本実施例における効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施例による巡回補助システムにおいては、次のような効果が得られる。
【0049】
第一に、PHS通信システムという既設の通信基盤を利用して、巡回者が現在位置を示す位置情報の取得機構を備えたバーコードスキャナ付きPHS端末20を携帯して巡回することによって、巡回者が移動した巡回場所(巡回ポイント)に設置されているバーコード(巡回場所を特定するデータ)を外部情報として読み取った結果のみならず、バーコードスキャナ付きPHS端末20の位置情報も含めて、巡回情報を管理するサーバへ送信することによって、サーバ10にて、巡回者が指定された所定の巡回場所へ到着したか否かを、より確実に確認することができ、かつ、既に設置済みのPHS通信システムを利用して巡回の補助を行うことができるので、巡回補助システムを経済的に実現することができる。
【0050】
第二に、サーバ10は、巡回者が指示された所定の巡回場所に到着していることが確認された時点で、PHS通信システムという既設の通信基盤を利用して、当該巡回場所において点検すべき状態点検項目を指示するように構成しているので、巡回者が到着した時点における当該巡回場所の状況に応じて適宜最適な項目を点検すべき項目として指示することができ、巡回場所における点検品質を向上させ、巡回者の点検漏れを確実に防止することが可能であり、かつ、作業効率を向上させることもできる。さらに、当該巡回場所における点検結果を、サーバ10に返送させて、サーバ10にてリアルタイムに確認することを可能としており、点検結果に問題があった場合は、ただちに、当該巡回場所に留まっている巡回者に再点検を指示することができ、点検の見落としを防止することができる。
【0051】
第三に、サーバ10は、巡回者が現在所在する巡回場所において点検すべき点検項目のすべてについて点検結果に問題がないことが確認された時点で、PHS通信システムという既設の通信基盤を利用して、巡回者に対して次に点検すべき巡回場所を指示してくるので、巡回者の巡回経路ミスの発生を抑止することができ、効率の良い巡回を行うことができる。
【0052】
(本発明の他の実施例)
次に、本発明の他の実施例について説明する。
【0053】
前述した実施例においては、巡回場所を特定するために各巡回場所に設置されている情報としてバーコードを用い、外部情報の読み取り可能な携帯端末の一例として、PHS端末に外部情報として当該バーコードの内容の読み取りが可能なバーコードスキャナを備えている場合について説明したが、本発明は、かかる場合に限るものではない。例えば、各巡回場所を特定するために巡回場所に設置されている情報(携帯端末から見て外部に存在するいわゆる外部情報)の保管媒体を、RFID(Radio Frequency Identification)タグやICタグや、あるいは、無線タグのような記録媒体に記録しておくようにしても良いし、かかる記録媒体は、非接触型のタグのみならず、場合によっては、接触型のタグを用いても良い。
【0054】
巡回場所に設置されている情報をRFIDタグやICタグや、あるいは、無線タグに記録する場合は、巡回者が携帯する携帯端末には、RFIDタグやICタグや、あるいは、無線タグを読み取り可能なRFIDタグリーダやICタグリーダや、あるいは、無線タグリーダを、前述のバーコードスキャナの代わりに搭載するようにすれば良い。
【0055】
また、巡回者が携帯する携帯端末の種類として、前述の実施例では、PHS通信を行うPHS端末の場合について説明したが、PHS端末の代わりに、携帯電話端末、PDA、携帯型ノートPC、あるいは、無線LAN端末などの無線通信が可能な各種の端末のいずれかを用いるようにしても良い。
【0056】
また、携帯端末の現在の位置すなわち当該携帯端末を携帯する巡回者の現在の位置を取得する位置情報取得機構として、前述の実施例では、PHS端末に関する位置登録情報を利用する場合を想定しているが、本発明は、かかる場合のみに限るものではなく、例えば、使用する携帯端末の種類に応じて、携帯電話端末やPDAや携帯ノートPCに関する位置登録情報を利用しても良いし、いずれの携帯端末の種類であっても、無線LAN端末に関する位置登録情報を利用しても良いし、あるいは、GPS機能を携帯端末に搭載するようにしても良い。さらには、巡回場所に設置されるバーコードやRFIDタグなどの記録媒体に記録されている外部情報として、巡回場所を特定するための情報のみならず、位置情報そのものも付加して設定しておき、巡回者が携帯する携帯端末により読み取って、巡回場所を特定する情報とともに、位置情報を含めて、サーバに送信するようにしても良い。
【0057】
また、前述の実施例においては、巡回場所の状態点検項目に関する点検のみを行っている場合について説明したが、巡回者は、例えば、前述した実施例の図3におけるバーコードスキャナ付きPHS端末20のキーなどの入力部23を用いて、巡回場所におけるその他の情報を入力して、サーバに送信することも可能であり、例えば要注意事項や日報等の報告書を兼ねることもできる。
【0058】
また、巡回者は、PHS端末などの携帯端末を携帯して巡回しているので、前述の実施例とは異なり、或る巡回場所から次の巡回場所に移動するまでの間も含めて、携帯端末の電源を巡回中は投入状態のままとして、ネットワークを介して、現在位置を位置情報として常時取得可能とし、かつ、サーバ等から送信されてくる無線信号を常時受信可能な待ち受け状態に設定しておくようにしても良い。この結果、サーバは、PHS通信システムなどの無線通信システムを利用することにより、携帯端末に関する位置情報として、巡回者の現在位置を必要に応じて随時取得することができるので、巡回者の巡回中に、当該巡回者の携帯端末に対してリアルタイムに指示を通知することにより、例えば、巡回経路を変更させることも可能であり、柔軟な巡回作業を行う場合にも対応することができる。さらに、サーバにて、巡回時のデータを集中して管理することができるため、効率が良い巡回スケジュールを作成して、巡回者に指示することも可能になる。
【0059】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることは、当業者には容易に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明による巡回補助システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】本発明による巡回補助システムの主要部を説明するためのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図3】本発明による巡回補助システムの具体的なシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図4】本発明の一実施例である巡回補助システムのバーコードスキャナ付きPHS端末の動作の一例を示す説明するフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例である巡回補助システムのサーバの動作の一例を示す説明するフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例である巡回補助システムのバーコードスキャナ付きPHS端末における図4の次の動作の一例を示す説明するフローチャートである。
【図7】本発明の一実施例である巡回補助システムのサーバにおける図5の次の動作の一例を示す説明するフローチャートである。
【図8】本発明の一実施例である巡回補助システムのバーコードスキャナ付きPHS端末における図6の次の動作の一例を示す説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1A PHSアンテナ
1B PHSアンテナ
2A バーコード
2B バーコード
10 サーバ
11 無線部
12 判断部
13 入力部
14 出力部
15 記憶部
16 制御部
20 バーコードスキャナ付きPHS端末
21 無線部
22 バーコードスキャナ
23 入力部
24 出力部
25 記憶部
26 制御部
30 ネットワーク
100 巡回補助システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を携帯した巡回者が、各巡回場所における状態を点検しながら巡回して、各巡回場所における状態点検結果を、巡回情報を管理するサーバに対して、ネットワークを介して通知する動作の補助を行う巡回補助システムにおいて、前記巡回場所ごとに、巡回場所それぞれを特定する情報を配置し、かつ、巡回者が携帯する前記携帯端末が、当該携帯端末の外部の情報を読み取ることが可能な外部情報読み取り機構と現在の位置を位置情報として取得することが可能な位置情報取得機構とを備え、前記携帯端末を携帯する巡回者が前記巡回場所に到着した際に、前記携帯端末の前記外部情報読み取り機構により、当該巡回場所を特定する情報を巡回場所特定情報として読み取り、前記位置情報取得機構により取得した位置情報とともに、前記ネットワークを介して、前記サーバに送信することを特徴とする巡回補助システム。
【請求項2】
請求項1に記載の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、前記携帯端末から前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを受信した際に、前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを用いて、巡回者が正しい巡回場所に到着しているか否かを確認することを特徴とする巡回補助システム。
【請求項3】
請求項2に記載の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、巡回者が正しい巡回場所に到着していないものと判断した場合は、前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを送信してきた送信元の前記携帯端末に、前記ネットワークを介して、再確認する情報を返送することを特徴とする巡回補助システム。
【請求項4】
請求項2に記載の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、巡回者が正しい巡回場所に到着していることを確認した場合、当該巡回場所において点検すべき項目を、状態点検項目として、前記ネットワークを介して、前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを送信してきた送信元の前記携帯端末に返送することを特徴とする巡回補助システム。
【請求項5】
請求項4に記載の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、前記巡回場所の前記状態点検項目を、前記巡回場所ごとに変更して、前記ネットワークを介して、前記携帯端末に送信することができることを特徴とする巡回補助システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の巡回補助システムにおいて、前記携帯端末は、前記サーバから前記状態点検項目を受信した際に、当該携帯端末の出力手段を用いて、受信した前記状態点検項目を表示して、当該携帯端末を携帯する巡回者に通知し、当該携帯端末の入力手段を用いて巡回者から入力された点検結果を、当該巡回場所における状態点検結果として、前記ネットワークを介して、前記サーバに送信することを特徴とする巡回補助システム。
【請求項7】
請求項6に記載の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、前記携帯端末から前記巡回場所における状態点検結果を受信した際に、受信した前記巡回場所における状態点検結果が正常か否かを確認することを特徴とする巡回補助システム。
【請求項8】
請求項7に記載の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、前記巡回場所における状態点検結果の中に正常な状態ではないものが含まれていると判断した場合は、前記巡回場所における状態点検結果を送信してきた送信元の前記携帯端末に、前記ネットワークを介して、再点検を指示する情報を返送することを特徴とする巡回補助システム。
【請求項9】
請求項7に記載の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、前記巡回場所における状態点検結果のすべてが正常な状態であると判断した場合は、前記巡回場所における状態点検結果を送信してきた送信元の前記携帯端末に、前記ネットワークを介して、巡回すべき次の巡回場所を指示する情報を返送することを特徴とする巡回補助システム。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の巡回補助システムにおいて、前記サーバは、巡回中の巡回者が携帯する前記携帯端末の前記位置情報取得機構から現在位置を示す位置情報を、前記ネットワークを介して、必要に応じて随時取得して、巡回すべき次の巡回場所を指示する情報を、前記ネットワークを介して、位置情報を取得した前記携帯端末に返送することを特徴とする巡回補助システム。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の巡回補助システムにおいて、前記携帯端末が、PHS端末、携帯電話端末、PDA、携帯ノートPC、あるいは、無線LAN端末のいずれかの端末種類から構成されており、前記ネットワークが、前記携帯端末を構成する端末種類に応じた無線通信を行う無線通信システムからなっていることを特徴とする巡回補助システム。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の巡回補助システムにおいて、前記携帯端末に備える前記外部情報読み取り機構が、バーコードを読み取るバーコードスキャナ、RFID(Radio Frequency Identification)タグの記録内容を読み取るRFIDタグリーダ、ICタグの記録内容を読み取るICタグリーダ、磁気タグの記録内容を読み取る磁気タグリーダのいずれかからなっていることを特徴とする巡回補助システム。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載の巡回補助システムにおいて、前記携帯端末に備える前記位置情報取得機構が、当該携帯端末を構成する端末種類に応じた無線通信を行う無線通信システムにおける位置登録情報を利用して取得するか、あるいは、GPS手段を搭載して位置情報を取得するか、のいずれかの手段からなっていることを特徴とする巡回補助システム。
【請求項14】
携帯端末を携帯した巡回者が、各巡回場所における状態を点検しながら巡回して、各巡回場所における状態点検結果を、巡回情報を管理するサーバに対して通知する動作の補助を行う巡回補助方法であって、前記巡回場所ごとに、巡回場所それぞれを特定する情報を配置し、かつ、前記携帯端末は、前記携帯端末を携帯する巡回者が前記巡回場所に到着した際に、当該巡回場所を特定する情報を巡回場所特定情報として読み取り、前記携帯端末の現在位置を示す位置情報とともに前記サーバに送信することを特徴とする巡回補助方法。
【請求項15】
請求項14に記載の巡回補助方法において、前記サーバは、前記携帯端末から前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを受信した際に、前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを用いて、巡回者が正しい巡回場所に到着しているか否かを確認することを特徴とする巡回補助方法。
【請求項16】
請求項15に記載の巡回補助方法において、前記サーバは、巡回者が正しい巡回場所に到着していることを確認した時点で、当該巡回場所において点検すべき項目を状態点検項目として、前記巡回場所特定情報と前記位置情報とを送信してきた送信元の前記携帯端末に返送することを特徴とする巡回補助方法。
【請求項17】
請求項16に記載の巡回補助方法において、前記サーバは、前記巡回場所の前記状態点検項目を、前記巡回場所ごとに変更して、前記携帯端末に送信することができることを特徴とする巡回補助方法。
【請求項18】
請求項16または17に記載の巡回補助方法において、前記携帯端末は、前記サーバから前記状態点検項目を受信した際に、受信した前記状態点検項目を表示して、当該携帯端末を携帯する巡回者に通知し、巡回者から入力された点検結果を、当該巡回場所における状態点検結果として、前記サーバに送信することを特徴とする巡回補助方法。
【請求項19】
請求項18に記載の巡回補助方法において、前記サーバは、前記携帯端末から前記巡回場所における状態点検結果を受信した際に、受信した前記巡回場所における状態点検結果が正常か否かを確認し、前記巡回場所における状態点検結果のすべてが正常な状態であると判断した場合は、前記巡回場所における状態点検結果を送信してきた送信元の前記携帯端末に、巡回すべき次の巡回場所を指示する情報を返送することを特徴とする巡回補助方法。
【請求項20】
請求項14ないし19のいずれかに記載の巡回補助方法において、前記サーバは、巡回中の巡回者が携帯する前記携帯端末の前記位置情報取得機構から現在位置を示す位置情報を必要に応じて随時取得して、巡回すべき次の巡回場所を指示する情報を、位置情報を取得した前記携帯端末に返送することを特徴とする巡回補助方法。
【請求項21】
請求項14ないし20のいずれかに記載の巡回補助方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする巡回補助プログラム。
【請求項22】
請求項21に記載の巡回補助プログラムを、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録していることを特徴とするプログラム記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−117039(P2008−117039A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297434(P2006−297434)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】