説明

工程管理システム、及び工程管理方法

【課題】作業工程に基づく作業エリアの干渉を可視化する工程管理システム、及び工程管理方法を提供することを目的としている。
【解決手段】入力された作業予定情報に基づき、作業予定情報から作業期間に関する情報を含む作業工程情報及び作業を行う作業エリア情報を抽出し、抽出した作業工程情報と作業エリア情報とをリンクさせてリンク情報を生成するリンク部135と、リンク部がリンクさせたリンク情報に基づき、時刻毎の作業エリアの作業状況に関するエリア情報を生成するエリア情報生成部145と、エリア情報生成部が生成した時刻毎のエリア情報に基づき、作業エリアの時刻毎の輻輳状態を検出し、前記検出した時刻毎の輻輳状態を示す情報を端末装置に出力する輻輳状態検出部155と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工程管理システム、及び工程管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラントなどの建設やメンテナンス作業の工程管理においては、行う作業に合わせて工程表を作成し、作成した工程表を用いて作業を行っている。例えば、メンテナンス作業を複数の業者で行う場合、各業者が行う作業内容、作業を行うエリア、作業を行う日時などを、工程管理システムに各業者が入力する。そして、作業を行うエリアと日時が重複していた場合、重複した業者同士が作業エリアと作業を行う日時の調整を行うか、全体の作業の管理者が調整を行っていた。調整後、管理者は、作業内容、作業エリア、作業を行う日時、作業を担当する業者などを、工程表や作業エリアを図示した作業エリアマップなどを作成し、工程表や作業エリアマップを各作業者に配布していた。各作業者は、配布された工程表や作業エリアマップを用いて、各自の工程管理を行っていた。また、管理者も、作成した工程表や作業エリアマップを用いて工程管理を行っていた。
【0003】
例えば、B地点とC地点がA地点を挟み込んでいる通路において、作業者がB地点とC地点とを同時に占有して作業を行った場合、他の作業者は、A地点で作業を行ったり移動することができない。このため、予め作業の実施計画予定を管理システムに入力し、入力された作業の実施計画予定に基づき、時系列毎の工程表と、エリアの占有率を示すグラフチャートを別々に作成して表示画面に別々に表示する。そして、他の作業者は、この表示画面を見ながら、使用可能なエリアと日時を各自が探して、順次、作業の実施計画予定を管理システムに入力していく。これにより、例えば、A地点の作業計画のある作業者は、単にA地点で作業が行われていず作業エリアが空いているかのみではなく、関係するエリアの占有率も視覚的に確認して作業予定を組んでいた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−20728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、限られた時間内に行うメンテナンス作業の場合、多数の作業が輻輳して実施されるため、このように作成された工程表とエリアマップを用いても、それぞれの作業が干渉して作業効率が低下する場合がある。また、作業予定に基づいて作成されているため、作業に遅延や変更があった場合など、効率的に干渉が発生することを防ぐことが難しいという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、作業工程に基づく作業エリアの干渉を可視化する工程管理システム、及び工程管理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の工程管理システムは、端末装置を有する工程管理システムであって、入力された作業予定情報に基づき、前記作業予定情報から作業期間に関する情報を含む作業工程情報及び作業を行う作業エリア情報を抽出し、前記抽出した作業工程情報と作業エリア情報とをリンクさせてリンク情報を生成するリンク部と、前記リンク部がリンクさせた前記リンク情報に基づき、時刻毎の作業エリアの作業状況に関するエリア情報を生成するエリア情報生成部と、前記エリア情報生成部が生成した時刻毎のエリア情報に基づき、作業エリアの時刻毎の輻輳状態を検出し、前記検出した時刻毎の輻輳状態を示す情報を端末装置に出力する輻輳状態検出部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係る工程管理システムにおいて、前記リンク部は、前記端末装置から入力された作業工程変更指示に基づき、前記リンク情報を変更し、前記輻輳状態検出部は、前記変更されたリンク情報に基づいて作業エリアの輻輳状態を検出し、前記検出した作業エリアの輻輳状態を示す情報を端末装置に出力するようにしてもよい。
【0009】
また、本発明に係る工程管理システムにおいて、クロック部を備え、前記エリア情報生成部は、前記クロック部が出力する時刻に基づき、前記生成した時刻毎のエリア情報から、前記出力された時刻を含む予め定められた時間範囲に作業が行われているエリアのエリア情報を抽出し、前記輻輳状態検出部は、前記エリア情報生成部が抽出した予め定められた時間範囲に作業が行われているエリアのエリア情報に基づき、予め定められた時間範囲の作業エリアの輻輳状態を検出し、前記検出した時刻毎の輻輳状態を示す情報を端末装置に出力するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明に係る工程管理システムにおいて、前記作業予定情報は、作業中に火気使用の有無を示す火気作業情報、または、作業中に危険物の使用の有無を示す危険作業情報を含み、前記リンク部は、前記入力された作業予定情報から前記火気作業情報または前記危険作業情報を抽出し、前記抽出した火気作業情報、または、前記危険作業情報を、前記抽出したリンク情報にリンクしてリンク情報を更新し、前記輻輳状態検出部は、前記リンク情報生成部が更新したリンク情報と、前記エリア情報生成部が生成したエリア情報とに基づき、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記火気作業同士の輻輳状態、または、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記危険作業同士の輻輳状態、または、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記火気作業と前記危険作業との輻輳状態を検出し、前記検出した輻輳状態を示す情報を端末装置に出力するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明に係る工程管理システムにおいて、前記リンク部は、前記端末装置から入力された作業工程変更指示に基づき、前記更新したリンク情報を変更し、前記輻輳状態検出部は、前記変更されたリンク情報に基づいて、前記作業エリアの時刻毎の輻輳状態と、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記火気作業同士の輻輳状態、または、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記危険作業同士の輻輳状態、または、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記火気作業と前記危険作業との輻輳状態を検出し、前記検出した輻輳状態を示す情報を端末装置に出力するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明に係る工程管理システムにおいて、前記輻輳状態検出部は、前記リンク部がリンクした前記リンク情報に、前記火気作業情報、または、前記危険作業情報が含まれている場合、前記リンク情報と、前記クロック部が出力する時刻とに基づき、前記作業工程の開始時刻に対して予め定められた期間、または、前記作業期間の終了時刻に対して予め定められた期間、前記作業エリアの予め定められた範囲内の火気作業及び危険作業に対する警告情報を生成し、または、火気作業の搬入及び危険作業の搬入に対する警告情報を生成し、または、火気作業の搬出及び危険作業の搬出に対する警告情報を生成し、前記生成した警告情報を端末装置に出力するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明に係る工程管理システムにおいて、前記リンク部がリンクさせた前記リンク情報に基づき、フロア毎のエリア情報を生成するフロア情報生成部と、を備え、前記輻輳状態検出部は、前記リンク情報生成部が更新したリンク情報と、前記フロア情報生成部が生成したフロア情報とに基づき、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記火気作業同士の輻輳状態、または、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記危険作業同士の輻輳状態、または、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記火気作業と前記危険作業との輻輳状態を検出し、前記検出した輻輳状態を示す情報を端末装置に出力するようにしてもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明は、端末装置を有する工程管理システムにおける工程管理方法であって、リンク部が、入力された作業予定情報に基づき、前記作業予定情報から作業期間に関する情報を含む作業工程情報及び作業を行う作業エリア情報を抽出し、前記抽出した作業工程情報と作業エリア情報とをリンクさせてリンク情報を生成するリンク工程と、エリア情報生成部が、前記リンク工程がリンクさせた前記リンク情報に基づき、時刻毎の作業エリアの作業状況に関するエリア情報を生成するエリア情報生成工程と、輻輳状態検出部が、前記エリア情報生成工程が生成した時刻毎のエリア情報に基づき、作業エリアの時刻毎の輻輳状態を検出し、前記検出した時刻毎の輻輳状態を示す情報を端末装置に出力する輻輳状態検出工程と、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、リンク部が、入力された作業予定情報に基づき、入力された作業予定情報から作業工程情報及び作業エリア情報を抽出し、抽出した作業工程情報と作業エリア情報とをリンクさせてリンク情報を生成する。そして、エリア情報生成部が、リンク情報に基づき、時刻毎のエリア情報を生成する。輻輳状態検出部は、エリア情報生成部が生成した時刻毎のエリア情報に基づき、作業エリアの時刻毎の輻輳状態を検出し、検出した時刻毎の輻輳状態を示す情報を端末装置に出力するようにした。この結果、作業工程に基づく作業エリアの干渉を可視化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態に係る工程管理システムの概略を説明する図である。
【図2】同実施形態に係る第1実施形態に係る工程管理システムを説明する図である。
【図3】同実施形態に係る管理装置が行う作業工程情報を生成する手順の概略を説明する図である。
【図4】同実施形態に係る時刻t0〜t6におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図5】同実施形態に係る時刻t0〜t1におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図6】同実施形態に係る時刻t1〜t2におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図7】同実施形態に係る時刻t2〜t3におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図8】同実施形態に係る時刻t3〜t4におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図9】同実施形態に係る時刻t4〜t5におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図10】同実施形態に係る時刻t5〜t6におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図11】同実施形態に係る輻輳状態の回避例を説明する図である。
【図12】同実施形態に係る輻輳状態の他の回避例を説明する図である。
【図13】同実施形態に係る時刻t0〜t25におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図14】同実施形態に係る時刻t0〜t21におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図15】同実施形態に係る時刻t21〜t22におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図16】同実施形態に係る時刻t22〜t23におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図17】同実施形態に係る時刻t23〜t24におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図18】同実施形態に係る時刻t24〜t25におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図19】第2実施形態に係る設備管理データベースに格納されているデータの一例である。
【図20】同実施形態に係る作業を行うエリアの基準位置と作業を行うエリアの範囲を説明する図である。
【図21】同施形態に係るt0〜t35におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図22】同実施形態に係る時刻t0〜t31におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図23】同実施形態に係る時刻t31〜t32におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図24】同実施形態に係る時刻t32〜t33におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図25】同実施形態に係る時刻t33〜t34におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図26】同実施形態に係る時刻t34〜t35におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。
【図27】第3実施形態に係る工程管理システムの概略を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明はかかる実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内で種々の変更が可能である。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る工程管理システムの概略を説明する図である。
図1に示すように、工程管理システム1は、撮像装置10、現場端末30、ネットワーク50、端末20、端末22、管理装置100から構成されている。また、作業エリア60は、作業を行うエリアであり、各種の装置が設置されている。
【0019】
撮像装置10は、例えば例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラであり、ネットワーク50に接続可能なIP(Internet Protcol)カメラである。撮像装置10は、作業が行われる作業エリア60を撮像し、撮像した画像データを、ネットワーク50を介して管理装置100に出力する。また、図1では、撮像装置10を1台のみ設置した例を示しているが、例えば、作業エリア60の四隅に、各々1台ずつ設置しても良く、さらには、作業エリア60の予め定めた区分ごとに設置するようにしてもよい。
【0020】
現場端末30は、例えば、タッチパネル式の表示装置で、ネットワーク50に接続されている。現場端末30は、後述するように管理装置100が生成した各種の工程管理情報を、ネットワーク50を介して受信し、受信した各種の工程管理情報を表示部に表示する。現場端末30は、作業エリア60で作業を行う作業者が、後述するように、各エリアで行われている作業内容や作業日程などの確認を行うために用いられる。また、現場端末30は、作業者の操作により、作業エリアの変更や、作業日程の変更などを変更する工程情報をネットワーク50に送信する。また、現場端末30は、管理装置100が変更した工程情報をネットワーク50経由で受信し、受信した変更済みの工程管理情報を表示する。
また、現場端末30は、例えば、作業エリア60毎、もしくは、作業エリアが複数階に跨る場合、フロア毎に設置されている。また、現場端末30が複数設置されている場合、表示される工程管理情報は、例えば、予め定められた時間間隔、もしくは、作業者により変更されたタイミングで更新される。また、端末装置30は、作業者の操作に応じて、作業工程及び作業エリアの変更履歴に関する情報を管理装置100から受信し、受信した変更履歴に関する情報を表示する。
【0021】
ネットワーク50は、IPなどの有線ネットワークや、無線ネットワークである。
【0022】
端末20及び端末22は、例えば、PC(パソコン)と表示装置であり、ネットワーク50に接続されている。端末20及び端末22は、例えば、作業エリア60に設置されている各種の装置のメンテナンスを複数の業者で行う場合、作業を行う業者毎に設置され、また、メンテナンス作業の全体を管理する管理者の元にも設置されている。端末20及び端末22は、メンテナンスを行う場合、作業者の作業内容、日程(作業開始予定日時、作業終了予定日時)、作業エリア60内の作業を行う場所、メンテナンス作業に用いる機材の中に火気作業や危険物作業に該当する作業の有無等の作業内容(作業予定情報)を入力する。なお、火気物作業とは、例えば、溶接を行うためのバーナーなどを使用する作業である。危険作業とは、例えば、アルコール、アセトン、ヘキサンなどの溶剤を使用する作業である。
【0023】
管理装置100は、例えば、データベースを備えるサーバー装置やPCである。管理装置100は、例えば、作業全体を管理する管理者の元に設置されている。管理装置100は、端末20及び端末22から入力された作業内容を集計し、集計した作業内容をデータベースに格納する。また、管理装置100は、データベースに格納した作業内容を示す情報に基づき、後述するように、作業項目且つ作業者毎に作業工程と作業エリアを示す情報をリンクする。そして、管理装置100は、リンクした情報に基づき、時刻毎且つ作業エリア毎の作業工程情報を生成する。また、管理装置100は、データベースに格納した作業内容を示す情報に基づき、後述するように、火気作業及び危険物作業の有無を検出し、検出した火気作業及び危険物作業の有無を、生成した作業工程内容に反映して更新する。また、管理装置100は、生成した作業工程情報を、作業エリア60に設置されている現場端末3にネットワーク50を介して送信する。
また、管理装置100は、現場端末30が出力する変更する工程情報を、ネットワーク50を介して受信し、受信した変更する工程情報に基づき、作業工程内容を変更してネットワーク50を介して現場端末30に送信する。
【0024】
次に、管理装置100について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る工程管理システムを説明する図である。
図2に示すように、工程管理システム1は、撮像装置10、端末装置(現場端末)30、作業内容入力装置(端末1、2)20及び22により構成されている。なお、撮像装置10、端末装置30、作業内容入力装置20及び22と、管理装置100とは、図1で説明したようにネットワーク50を介して接続されている。
また、管理装置100は、画像取得部110、作業内容データ取得部115、設備管理データベース120、建屋データベース125、火気・危険物作業検出部130、リンク部135、作業工程情報生成部140、エリア情報生成部145、フロア情報生成部150、輻輳状態検出部155、表示データ生成部160、作業工程データ編集部165、履歴記憶部170、クロック部175を備えている。
【0025】
画像取得部110は、撮像装置10が出力する画像データを、ネットワーク50を介して取得し、取得した画像データをデジタルデータに変換する。例えば、撮像装置10の撮影タイミングが30fps(フレーム/秒)の場合、画像取得部110は、撮像装置60が撮像した画像を33[msec]毎に取得する。また、画像取得部110は、変換した画像データを表示データ生成部160に出力する。
なお、撮像装置10が出力する画像情報がデジタル信号の場合、画像取得部110は、取得した画像情報を、変換せずにそのまま表示データ生成部160に出力する。
【0026】
作業内容データ取得部115は、作業者が作業内容入力装置20及び22から入力した作業内容を示す情報を、ネットワーク50を介して取得する。作業内容データ取得部115は、取得した作業内容を示す情報を設備管理データベース120に格納する。
【0027】
設備管理データベース120には、作業内容を示す情報が格納されている。メンテナンスを行う場合、設備管理データベース120には、作業者の作業内容、日程(作業開始予定日時、作業終了予定日時)、作業エリア60内の作業を行う場所、メンテナンス作業に用いる機材の中に火気作業や危険物作業に該当する作業の有無等の作業内容などが関連付けられて格納されている。
【0028】
建屋データベース125には、作業を行う建物の各フロアの3次元座標系のデータ、例えば作業を行う建物のCAD(Computer Aided Design)データが格納されている。
【0029】
火気・危険物作業検出部130は、設備管理データベース120に格納されている作業内容を示す情報を読み出し、読み出した作業内容を示す情報から作業内容毎に火気または危険物を扱う作業の有無を検出する。火気・危険物作業検出部130は、作業内容毎に火気または危険物を扱う作業が有りの場合、建屋データベース125に格納されている建物の各フロアの3次元座標系のデータを読み出す。なお、作業エリアに関する情報とは、後述するように、作業エリアを3次元座標系で表現した座標値である。
火気・危険物作業検出部130は、リンク部135が出力するリンクされた情報と、読み出した建物の各フロアの3次元座標系のデータと、クロック部175が出力する時間情報に基づき、火気または危険物が、予め定められた距離以上離れているか否かを判定する。火気・危険物作業検出部130は、火気または危険物が、予め定められた距離以上離れていない場合、火気または危険物に対する警告情報をリンク部135に出力する。また、火気・危険物作業検出部130は、火気または危険物が、予め定められた距離以上離れている場合でも、作業開始の前後、例えば機材の搬入時または搬出時に火気または危険物が、予め定められた距離以上保つように、火気または危険物に対する警告情報をリンク部135に出力する。
【0030】
リンク部135は、設備管理データベース120に格納されている作業内容を示す情報を読み出し、読み出した作業内容を示す情報から作業内容毎に作業工程と作業エリアを抽出する。リンク部135は、抽出した作業内容毎の作業工程と作業エリアとをリンクし、リンクした情報を火気・危険物作業検出部130に出力する。リンク部135は、火気・危険物作業検出部130が出力する火気または危険物に対する警告情報に基づき、リンクした作業内容毎の作業工程と作業エリアの情報に気または危険物の使用の有無を示す情報を埋め込んで更新する。リンク部135は、リンクした情報を作業工程情報生成部140、エリア情報生成部145、フロア情報生成部150、輻輳状態検出部155に出力する。
なお、火気・危険物作業検出部130とリンク部135とを合わせて、リンク部とも言う。
【0031】
作業工程情報生成部140は、リンク部135が出力するリンクされた情報、クロック部175が出力する時間情報を用いて、作業工程表を示す情報を生成し、生成した作業工程表を示す情報を表示データ生成部160に出力する。なお、作業工程表とは、例えば、作業内容毎に、作業が行われる作業エリアと、作業期間(作業開始予定日時、作業終了予定日時)、作業者の代表名などが関連付けられた表形式の工程管理表である。
【0032】
エリア情報生成部145は、建屋データベース125に格納されている建物の各フロアの3次元座標系のデータを読み出す。エリア情報生成部145は、リンク部135が出力するリンクされた情報、クロック部175が出力する時間情報、読み出した建物の各フロアの3次元座標系のデータを用いて、後述するように、時刻毎のエリアマップを示す情報を生成し、生成したエリアマップを示す情報を、輻輳状態検出部155と表示データ生成部160に出力する。なお、エリアマップとは、例えば、作業エリア60の中で、複数の作業者が作業を行う場合、各作業者が作業を行うエリアとして作業内容入力装置20及び22から入力された情報に基づく、各作業者が作業を行うエリアの区分図である。
【0033】
フロア情報生成部150は、建屋データベース125に格納されている建物の各フロアの3次元座標系のデータを読み出す。フロア情報生成部150は、リンク部135が出力するリンクされた情報、クロック部175が出力する時間情報、読み出した建物の各フロアの3次元座標系のデータを用いて、フロア毎のエリアマップを示す情報を生成し、生成したフロア毎のエリアマップを示す情報を、輻輳状態検出部155と表示データ生成部160に出力する。なお、フロア毎のエリアマップとは、例えば、作業を行うフロアが複数ある場合、フロア毎に生成した各作業者が作業を行うエリアの区分図である。
【0034】
輻輳状態検出部155は、エリア情報生成部145が出力するエリアマップを示す情報と、フロア情報生成部150が出力するフロア毎のエリアマップを示す情報と、クロック部175が出力する時間情報に基づき、後述するように作業エリア同士の輻輳状態を検出する。輻輳状態検出部155は、検出した輻輳状態を示す情報を表示データ生成部160に出力する。
【0035】
表示データ生成部160には、画像取得部110が出力する画像データ、作業工程情報生成部140が出力する作業工程表を示す情報、エリア情報生成部145が出力するエリアマップを示す情報、フロア情報生成部150が出力するフロア毎のエリアマップを示す情報、輻輳状態検出部155が出力する輻輳状態を示す情報が入力される。また、表示データ生成部160には、ネットワーク50を介して端末装置30から表示内容を示す情報が入力される。なお、表示内容を示す情報とは、作業工程表の表示、エリアマップの表示、フロアマップの表示、作業状況の画像データの表示を指示する情報である。
表示データ生成部160は、端末装置30から入力された表示内容を示す情報に応じて、入力された画像データ、作業工程表を示す情報、エリアマップを示す情報、フロア毎のエリアマップ、及び輻輳状態を示す情報に基づき、表示データを生成し、生成した表示データを、ネットワーク50を介して端末装置30に送信する。
また、表示データ生成部160は、端末装置30からの指示により、画像取得部110が出力する画像データを、ネットワーク50を介して端末装置30に送信する。例えば、作業者が、他の作業エリアの現在の作業状況を確認したい場合、端末装置30に表示されているエリアマップから、画像を見たい作業エリアをタッチパンネルにより選択する。この場合、例えば、選択された作業エリアを示す情報を表示データ生成部160が受信し、選択された作業エリアに基づく映像データを、ネットワーク50を介して端末装置30に送信する。
【0036】
作業工程データ編集部165は、端末装置30が出力する作業工程または作業エリアの変更指示に基づき、設備管理データベース120に格納されている作業内容を示す情報を変更して更新する。また、作業工程データ編集部165は、設備管理データベース120に格納されている作業内容を示す情報を更新した場合、作業工程と作業エリアの変更履歴に関する情報を履歴記憶部170に記憶させる。
【0037】
履歴記憶部170は、作業工程データ編集部165が出力する作業工程と作業エリアの変更履歴に関する情報が記憶されている。履歴記憶部170は、端末装置30が出力する変更履歴の表示指示に基づき、記憶されている作業工程と作業エリアの変更履歴に関する情報を、ネットワーク50を介して端末装置30に出力する。
【0038】
クロック部175は、例えば時計であり、管理者により予め日時が実時間合わせて調整されている。クロック部175は、時間情報を火気・危険物作業検出部130、作業工程情報生成部140、エリア情報生成部145、フロア情報生成部150、輻輳状態検出部155に出力する。
【0039】
次に、管理装置100が行う作業工程情報を生成する手順の概略を、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る管理装置が行う作業工程情報を生成する手順の概略を説明する図である。以下、本実施形態では、作業エリア60において、メンテナンスを行う場合について説明する。また、作業エリア60は、1階と2階の2フロアあり、各フロアの複数の作業エリア60がある場合について説明する。
【0040】
図3に示すように、管理装置100の作業内容データ取得部115は、端末20及び端末22から入力された作業内容を示す情報を取得し、取得した作業内容を示す情報を設備管理データベース120に格納する。なお、作業内容とは、作業者の名前または企業名、作業内容(作業項目)、日程(作業開始予定日時、作業終了予定日時)、作業エリア60内の作業を行う場所、メンテナンス作業に用いる機材の中に火気作業や危険物作業に該当する作業の有無等である。
【0041】
次に、リンク部135は、設備管理データベース120に格納されている作業内容を読み出し、読み出した作業内容から、同一作業内容の作業工程と作業エリアとをリンクしてリンク情報を生成する。
次に、作業工程情報生成部140は、リンク部135が生成したリンク情報に基づき、後述するような表形式で表示する作業工程情報を生成する。
また、エリア情報生成部145は、リンク部135が生成したリンク情報と建屋データベースに格納されている作業エリアの情報とに基づき、後述するような作業時刻毎且つ作業エリア毎のエリア情報を生成する。
また、フロア情報生成部150は、リンク部135が生成したリンク情報と建屋データベースに格納されているフロアの情報とに基づき、後述するような作業時刻毎且つ作業エリア毎且つフロア毎のエリア情報を生成する。
【0042】
次に、輻輳状態検出部155は、エリア情報生成部145が生成したエリア情報に基づき、後述するように、作業時間、作業エリアの輻輳状態を検出する。
なお、輻輳状態とは、例えば、同一時刻に同一作業エリアに、2つ以上の作業内容の予約が入っている状態である。
より具体的な例として、作業者Aの作業予定は、作業エリアAを使用し、作業開始予定日時が6月1日10時30分、作業終了予定日時が6月3日18時である。また、作業者Bの作業予定は、作業エリアAを使用し、作業開始予定日時が6月3日10時、作業終了予定日時が6月5日15時である。このように、6月1日10時から6月1日18時まで作業エリアAでの作業予約が重なっている状態が、輻輳状態である。
【0043】
また、輻輳状態検出部155は、火気・危険物作業検出部115が検出した火気・危険物作業を示す情報と、エリア情報生成部145が生成したエリア情報と、フロア情報生成部150が生成したフロア情報とに基づき、同じフロア内の予め定められた範囲内のエリアで火気・危険物作業が輻輳している状態を検出する。また、輻輳状態検出部155は、異なるフロア間の予め定められた範囲内のエリアで火気・危険物作業が輻輳している状態を検出する
なお、火気・危険物作業が輻輳している状態とは、例えば、予め定められた範囲内且つ同一時刻に、予め定められた溶剤が使用されたり、置かれている状態である。予め定められた範囲は、同じフロア内に限らず、異なるフロアも含む。
より具体的な例として、作業者Aの作業予定は、1階の作業エリアAで溶剤Aを使用し、作業開始予定日時が6月1日10時30分、作業終了予定日時が6月3日18時である。また、作業者Bの作業予定は、2階の作業エリアBで溶剤Bを使用し、作業開始予定日時が6月3日10時、作業終了予定日時が6月5日15時である。溶剤Aと溶剤Bを同一時刻に使用する場合は、予め定めた範囲以上離れていることが必要であり、かつ、作業エリアAと作業Bとが予め定めた範囲以上離れていない場合、6月1日10時から6月1日18時まで作業エリアAの作業予約と作業エリアBでの作業予約とが重なっている状態が、火気・危険物作業が輻輳している状態である。
【0044】
次に、表示データ生成部160は、作業工程生成部140が生成した作業工程情報、エリア情報生成部145が生成したエリア情報、フロア情報生成部150が生成したフロア情報、輻輳状態生成部155が生成した輻輳状態を示す情報を用いて、端末装置30に表示する画像情報を生成し、生成した画像情報を、ネットワーク50を介して端末装置30に送信する。
【0045】
次に、作業者は、作業エリア60に設置されている端末装置30を操作して、例えば、当日に行われる作業内容を確認する。また、作業者は、予定していた作業内容に変更がある場合、端末装置30を操作して作業内容の変更を行う。この場合、画面には、時刻毎且つ作業エリア毎の作業内容が可視化されて表示されるので、他の作業者の作業内容と輻輳しないように作業工程内容の変更を行うことができる。また、例えば、異なる作業者が、同時に変更を行い、輻輳状態が変更により生じてしまった場合でも、端末装置30には、リアルタイムで可視化された作業工程内容が表示されるので、輻輳してしまった作業者同士で作業エリアや作業時間を調整することがしやすくなる。
また、端末装置60には、時刻毎の可視化された作業工程内容が表示されるので、現在時刻以外の、例えば明日の予定なども、その場で確認することができる。例えば、当初の予定では輻輳状態が発生していなかった場合でも、他の作業者の都合により、作業後半の工程が変更になった場合なども、端末装置30を通じて把握することができる。また、これらの情報は、作業者または作業者の企業に設置されている端末20及び22でも確認することができる。そして、例えば、メンテナンス作業全体の管理者は、作業工程内容に変更が生じた場合でも、リアルタイムで変更内容を把握することができるので、作業内容の優先順位などに応じて輻輳状態が生じている作業者間の作業工程を調整させることができる。
【0046】
また、作業者は、例えば、作業予定期間が5日であり、4日で作業が完了した場合、端末装置30から作業が完了したことを入力して、作業工程内容を更新する。これにより、他の作業者は、作業エリアが予定より早まって空いたことを知ることができるので、他の業者の作業を予定開始日時より早めることができ、メンテナンス全体の日程を短縮できる。
また、作業者は、例えば10時から18時まで行う予定だった作業が16時で終了した場合、その日の作業終了時刻を端末装置30から入力することで、作業工程内容を更新する。これにより、他の業者は、その作業エリアが16時以降から使用できることを知ることができるので、18時から予定していた作業を16時から開始することができる。このため、他の業者の作業を予定開始日時より早めることができ、メンテナンス全体の日程を短縮できる。
【0047】
次に、エリア情報と作業工程情報の具体的な例を、図4〜図10を用いて説明する。
図4は、本実施形態に係る時刻t0〜t6におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図4(a)は、時刻t0〜t6におけるエリアマップであり、図4(b)は、時刻t0〜t6における作業工程表である。
図5は、本実施形態に係る時刻t0〜t1におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図5(a)は、時刻t0〜t1におけるエリアマップであり、図5(b)は、時刻t0〜t1における作業工程表である。
図6は、本実施形態に係る時刻t1〜t2におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図6(a)は、時刻t1〜t2におけるエリアマップであり、図6(b)は、時刻t1〜t2における作業工程表である。
図7は、本実施形態に係る時刻t2〜t3におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図7(a)は、時刻t2〜t3におけるエリアマップであり、図7(b)は、時刻t2〜t3における作業工程表である。
図8は、本実施形態に係る時刻t3〜t4におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図8(a)は、時刻t3〜t4におけるエリアマップであり、図8(b)は、時刻t3〜t4における作業工程表である。
図9は、本実施形態に係る時刻t4〜t5におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図9(a)は、時刻t4〜t5におけるエリアマップであり、図9(b)は、時刻t4〜t5における作業工程表である。
図10は、本実施形態に係る時刻t5〜t6におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図10(a)は、時刻t5〜t6におけるエリアマップであり、図10(b)は、時刻t5〜t6における作業工程表である。
【0048】
図4(a)〜図10(a)において、符号60は、エリアマップであり、符号61〜68は、各々作業エリアである。また、これらの作業エリア61〜68のうち、メンテナンスを行うエリアは、作業エリア61〜64である。これら4つの作業エリア61〜64を、作業者1〜4が行う。図4(b)〜図10(b)において、作業工程表の横軸は時間を表し、各行は作業者1〜4が行う各作業工程を表している。
【0049】
作業者が、端末装置30を操作して、時刻t0〜t6におけるエリアマップ60を端末装置30に表示させた場合、図4(a)のエリアマップ60が表示され、時刻t0〜t6における作業工程を表示させた場合、図4(b)のような作業工程表が表示される。
図4(a)に示すように、作業者1〜4が予め作業内容入力装置20から入力された作業内容に基づき作成された時刻t0〜t6におけるエリアマップ60は、作業エリア61と作業エリア62との間で重なっている。また、時刻t0〜t6におけるエリアマップ60は、作業エリア62と作業エリア63との間で重なっている。
【0050】
次に、作業者が端末装置30を操作して、時刻t0〜t1におけるエリアマップ60を端末装置30に表示させた場合、図5(a)のエリアマップ60が表示され、時刻t0〜t1における作業工程を表示させた場合、図5(b)のような作業工程表が表示される。
図5(a)及び図5(b)に示すように、時刻t0〜t1におけるエリアマップ60と作業工程表は、作業者1のみが、作業エリア61で作業していることを表している。この場合、輻輳状態は発生していないことを表している。
【0051】
次に、作業者が端末装置30を操作して、時刻t1〜t2におけるエリアマップ60を端末装置30に表示させた場合、図6(a)のエリアマップ60が表示され、時刻t1〜t2における作業工程を表示させた場合、図6(b)のような作業工程表が表示される。
図6(a)及び図6(b)に示すように、時刻t1〜t2におけるエリアマップ60と作業工程表は、作業者1が作業エリア61で作業し、作業者4が作業エリア64で作業していることを表している。この場合にも、輻輳状態は発生していないことを表している。
【0052】
次に、作業者が端末装置30を操作して、時刻t2〜t3におけるエリアマップ60を端末装置30に表示させた場合、図7(a)のエリアマップ60が表示され、時刻t2〜t3における作業工程を表示させた場合、図7(b)のような作業工程表が表示される。
図7(a)及び図7(b)に示すように、時刻t2〜t3におけるエリアマップ60と作業工程表は、作業者1が作業エリア61で作業し、作業者3が作業エリア63で作業し、作業者4が作業エリア64で作業していることを表している。この場合にも、輻輳状態は発生していないことを表している。
【0053】
次に、作業者が端末装置30を操作して、時刻t3〜t4におけるエリアマップ60を端末装置30に表示させた場合、図8(a)のエリアマップ60が表示され、時刻t3〜t4における作業工程を表示させた場合、図8(b)のような作業工程表が表示される。
図8(a)及び図8(b)に示すように、時刻t3〜t4におけるエリアマップ60と作業工程表は、作業者2が作業エリア62で作業し、作業者3が作業エリア63で作業し、作業者4が作業エリア64で作業していることを表している。この場合、作業エリア62と作業エリア63との間で重なっている作業エリア70において、輻輳状態が発生していることを表している。
すなわち、輻輳状態検出部155は、例えば図8(a)のように、エリアマップの情報を端末装置30に送信する場合に、検出した輻輳状態を示すため、輻輳状態が生じている作業エリアの表示状態を、作業が予約されている(または行われている)作業エリアとは異なる表示を行う。例えば、輻輳状態が発生している作業エリア70を点滅させて表示させたり、作業エリア70を他の作業エリアとは異なる色で表示させたり、あるいは、作業エリア70に矢印などでコメントをつなげて表示してもよい。または、輻輳状態検出部155は、例えば図8(b)のように、作業工程表の情報を端末装置30に送信する場合に、検出した輻輳状態を示すため、輻輳状態が生じている期間の作業工程の表示状態を、作業が予約されている(または行われている)作業工程とは異なる表示を行う。
このように、輻輳状態が発生している場合、例えば、作業者3が新たな干渉(輻輳)が発生しない期間に、作業日程を端末装置30から変更する。または、輻輳状態が発生している作業者2と作業者3とが、新たな干渉(輻輳)が発生しない期間に、お互いの作業日程を端末装置30から変更する。
【0054】
次に、作業者が端末装置30を操作して、時刻t4〜t5におけるエリアマップ60を端末装置30に表示させた場合、図9(a)のエリアマップ60が表示され、時刻t4〜t5における作業工程を表示させた場合、図9(b)のような作業工程表が表示される。
図9(a)及び図9(b)に示すように、時刻t4〜t5におけるエリアマップ60と作業工程表は、作業者2が作業エリア62で作業し、作業者4が作業エリア64で作業していることを表している。この場合にも、輻輳状態は発生していないことを表している。
【0055】
次に、作業者が端末装置30を操作して、時刻t5〜t6におけるエリアマップ60を端末装置30に表示させた場合、図10(a)のエリアマップ60が表示され、時刻t5〜t6における作業工程を表示させた場合、図10(b)のような作業工程表が表示される。
図10(a)及び図10(b)に示すように、時刻t5〜t6におけるエリアマップ60と作業工程表は、作業者4のみが作業エリア64で作業していることを表している。この場合にも、輻輳状態は発生していないことを表している。
【0056】
次に、時刻t3〜t4の輻輳状態の回避方法の例について、図11と図12を用いて説明する。
図11は、本実施形態に係る輻輳状態の回避例を説明する図である。図12は、本実施形態に係る輻輳状態の他の回避例を説明する図である。
まず、作業者3は、作業を開始する前に、端末装置30から図4〜図10に示した時刻t0〜t6のエリアマップと作業工程表の確認を行う。そして、作業者3は、時刻t3〜t4において、輻輳状態が生じていることを確認する。
このような場合、図11に示すように、作業エリア62と作業エリア63との間で輻輳状態が生じているため、作業者3は、作業を行うエリアを、作業エリア63から、作業エリア62と干渉しない作業エリア63aに端末装置30により変更する。このような場合、作業者3は、作業エリアの範囲の変更を端末装置30のタッチパネルの画面上で、例えば、ドラッグして行う。
また、図12に示すように、作業者3は作業エリア63のまま、作業期間を、時刻t3〜t4から時刻t11〜t3に移動させて端末装置30により変更する。
【0057】
次に、輻輳状態が生じた場合に、作業期間を変更した後のエリアマップと作業工程の例について、図13〜図18を用いて説明する。
図13は、本実施形態に係る時刻t0〜t25におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図13(a)は、時刻t0〜t25におけるエリアマップであり、図13(b)は、時刻t0〜t25における作業工程表である。
図14は、本実施形態に係る時刻t0〜t21におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図14(a)は、時刻t0〜t21におけるエリアマップであり、図14(b)は、時刻t0〜t21における作業工程表である。
図15は、本実施形態に係る時刻t21〜t22におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図15(a)は、時刻t21〜t22におけるエリアマップであり、図15(b)は、時刻t21〜t22における作業工程表である。
図16は、本実施形態に係る時刻t22〜t23におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図16(a)は、時刻t22〜t23におけるエリアマップであり、図16(b)は、時刻t22〜t23における作業工程表である。
図17は、本実施形態に係る時刻t23〜t24におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図17(a)は、時刻t23〜t24におけるエリアマップであり、図17(b)は、時刻t23〜t24における作業工程表である。
図18は、本実施形態に係る時刻t24〜t25におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図18(a)は、時刻t24〜t25におけるエリアマップであり、図18(b)は、時刻t24〜t25における作業工程表である。
【0058】
図13(a)〜図18(a)において、符号60は、エリアマップであり、符号61〜68は、各々作業エリアである。また、これらの作業エリア61〜68のうち、メンテナンスを行うエリアは、作業エリア61〜64である。これら4つの作業エリア61〜64を、作業者1〜4が行う。図13(b)〜図18(b)において、作業工程表の横軸は時間を表し、各行は作業者1〜4が行う各作業工程を表している。
【0059】
図13(a)の時刻t0〜t25のエリアマップは、図4(a)の時刻t0〜t6におけるエリアマップと同じである。一方、図13(b)の時刻t0〜t25の作業工程表は、図4(a)の時刻t0〜t6におけるエリアマップと異なっている。図4(b)の作業工程表との差異は、作業者3の作業エリア63の作業期間である。この変更状態は、図12で説明した内容と同じである。
このように作業者3が、作業エリア63で行う作業期間を変更した場合、時刻t0〜t25の全てに期間において、輻輳状態が生じていない。すなわち、図14に示したように、時刻t0〜t21においては、作業者1が作業エリア61で作業を行うため輻輳状態は生じていない。
図15に示したように、時刻t21〜t22においては、作業者1が作業エリア61で作業を行い、作業者3が作業エリア63で作業を行うため輻輳状態は生じていない。
図16に示したように、時刻t22〜t23においては、作業者1が作業エリア61で作業を行い、作業者3が作業エリア63で作業を行い、作業者4が作業エリア64で作業を行うため輻輳状態は生じていない。
図17に示したように、時刻t23〜t24においては、作業者2が作業エリア62で作業を行い、作業者4が作業エリア64で作業を行うため輻輳状態は生じていない。
図18に示したように、時刻t24〜t25においては、作業者4が作業エリア64で作業を行うため輻輳状態は生じていない。
【0060】
以上のように、本実施形態によれば、作業者が予め作業内容入力端子20及び22から入力された作業内容を示す情報を管理装置100の設備管理データベースに格納する。そして、リンク部135は、格納されている作業内容を示す情報から抽出した作業工程情報と作業エリア情報とをリンクする。そして、管理装置100の作業工程情報生成部140とエリア情報生成部145と輻輳状態検出部155は、リンクされた情報を用いて、時刻毎且つ作業毎の作業工程表、時刻毎且つ作業毎のエリアマップ、時刻毎且つ作業毎のフロア毎のエリアマップを生成して、作業エリアに設置されている端末装置30に表示するようにした。このため、作業者は、端末装置30により、現在行われている可視化された作業内容や作業エリアをリアルタイムで把握できる。また、作業者は、作業予定の変更を端末装置30から適時入力できるので、他の作業者は作業工程や作業エリアの変更をリアルタイムで把握することができる。この結果、作業者は、可視化された作業状況をリアルタイムで確認できるので、状況に応じて作業を前倒しすることができ、あるいは、他の作業者の作業工程の変更を予め知ることができ、作業の待ち時間などを減らすことができるので、作業にかかる日数を短縮できる。
【0061】
なお、本実施形態では、端末装置30は、作業エリア全体のエリアマップと、作業エリア全体の作業工程表を切り替えて表示する例を説明したが、例えば、作業者が確認したい作業エリアのみの作業工程表を表示するようにしてもよい。この場合、例えば、端末装置30には、最初に作業エリア全体のエリアマップが表示され、作業者が作業工程表を見たい作業エリアの範囲をタッチパネル上でドラッグして選択するか、あるいは作業エリアをタッチして選択するようにしてもよい。同様に、端末装置30には、先に作業エリア全体の作業工程が表示され、作業者はエリアマップの見たい作業をタッチパネルで選択し、選択された作業のエリアマップのみを端末装置30に表示するようにしてもよい。この場合、端末装置30で、選択された情報はネットワーク50を介して管理装置100に送信され、管理装置100の表示データ生成部160が端末装置30からの指示に基づいて表示データを切り替える。
また、作業エリアの作業状況を画像データで確認したい場合、端末装置30から、確認した作業エリアまたは作業工程を選択して、管理装置100に送信する。管理装置100は、選択された作業エリアまたは作業工程に応じた画像データを端末装置30に送信する。端末装置30は、受信した画像データを、画面全体、または、表示画面の一部にエリアマップまたは作業工程と重ねて表示するようにしてもよい。また、端末装置30が表示する画像データは、静止画でも動画であってもよい。
【0062】
また、本実施形態では、フロア情報生成部150が、フロア毎のエリアマップを生成する例を説明したが、フロア情報生成部150が生成するフロア毎のエリアマップも時刻毎のエリアマップであってもよい。この場合、管理装置100は、2フロア分のフロアマップの画像データを生成し、端末装置30は、この2フロア分のエリアマップを時刻毎に表示することで、異なるフロア間の作業状況や作業予定が把握しやすくなる。
【0063】
また、本実施形態では、管理装置100が生成したエリアマップ、作業工程表、フロア毎のエリアマップ、輻輳状態を示す情報を端末装置30に送信して、端末装置30で作業工程を変更する例を説明した。エリアマップ、作業工程表、フロア毎のエリアマップ、輻輳状態を示す情報は、ネットワーク50に接続されている作業内容入力装置20及び22に送信してもよく、これらの情報を作業内容入力装置20及び22で変更してもよい。
【0064】
[第2実施形態]
第1実施形態では、作業エリアの輻輳状態を検出し、作業工程を変更する例を説明した。第2実施形態では、作業エリアの輻輳に加えて、火気や危険物を作業エリアに持ち込んで作業する場合の輻輳状態について説明する。
図19は、本実施形態に係る設備管理データベースに格納されているデータの一例である。図20は、本実施形態に係る作業を行うエリアの基準位置と作業を行うエリアの範囲を説明する図である。
なお、管理装置100の構成は、第1実施形態で説明した図2と同じである。
【0065】
図19に示すように、設備管理データベースのデータは、件名(作業名)、作業種類、工期(作業開始予定日時、作業終了予定日時)、連絡先(住所、電話番号)、作業を行うエリアの基準位置、作業を行うエリアの範囲、及び備考が関連付けられて格納されている。
作業種類は、火気や危険物の使用の有無の属性である。作業を行うエリアの基準位置(x、y、z)、作業を行うエリアの範囲(a、b、c)とは、図20に示すように、作業エリア全体を予めxyz平面座標系で定義しておき、作業者が作業を行うエリア301を作業内容入力装置20及び22から入力したものである。作業エリアは、図20に示すように、作業を行うエリアを三次元で表現している。作業を行うエリアを3次元で表現する理由は、例えば、作業に脚立を用いる場合、高さ方向であるy軸方向の輻輳状態も考慮する必要があるからである。
また、作業内容は、作業者毎に1つの件名を入力するのではなく、例えば、火気を用いて作業する作業1、火気を用いないで作業する作業2、脚立を使用して作業する作業3のように、作業内容や使用する作業エリアが異なる場合、すべてを場合分けして作業内容入力装置20及び22から、各作用者が入力する。
【0066】
次に、火気や危険物を考慮した工程管理の例を、図21〜図26を用いて説明する。
図21は、本実施形態に係るt0〜t35におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図21(a)は、時刻t0〜t35におけるエリアマップであり、図35(b)は、時刻t0〜t35における作業工程表である。
図22は、本実施形態に係る時刻t0〜t31におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図22(a)は、時刻t0〜t31におけるエリアマップであり、図22(b)は、時刻t0〜t31における作業工程表である。
図23は、本実施形態に係る時刻t31〜t32におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図23(a)は、時刻t31〜t32におけるエリアマップであり、図23(b)は、時刻t31〜t32における作業工程表である。
図24は、本実施形態に係る時刻t32〜t33におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図24(a)は、時刻t32〜t33におけるエリアマップであり、図24(b)は、時刻t32〜t33における作業工程表である。
図25は、本実施形態に係る時刻t33〜t34におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図25(a)は、時刻t33〜t34におけるエリアマップであり、図25(b)は、時刻t33〜t34における作業工程表である。
図26は、本実施形態に係る時刻t34〜t35におけるエリアマップと作業工程表を説明する図である。図26(a)は、時刻t34〜t35におけるエリアマップであり、図26(b)は、時刻t34〜t35における作業工程表である。
【0067】
図21(a)〜図26(a)において、符号60は、エリアマップであり、符号61〜68は、各々作業エリアである。また、これらの作業エリア61〜68のうち、メンテナンスを行うエリアは、作業エリア61〜64である。これら4つの作業エリア61〜64を、作業者1〜4が行う。図21(b)〜図26(b)において、作業工程表の横軸は時間を表し、各行は作業者1〜4が行う各作業工程を表している。
【0068】
作業者が、端末装置30を操作して、時刻t0〜t35におけるエリアマップ60を端末装置30に表示させた場合、図21(a)のエリアマップ60が表示され、時刻t0〜t35における作業工程を表示させた場合、図21(b)のような作業工程表が表示される。
図21(a)に示すように、作業者1〜4が予め作業内容入力装置20から入力された作業内容に基づき作成された時刻t0〜t35におけるエリアマップ60は、作業エリア61と作業エリア62との間で重なっている。また、時刻t0〜t35におけるエリアマップ60は、作業エリア62と作業エリア63との間で重なっている。
また、作業エリア61の作業種類には、危険物の使用が設定され、作業エリア62の作業種類には、火気の使用が設定されている。作業エリア63の作業種類には、危険物の使用が設定され、作業エリア64の作業種類には、火気の使用が設定されている。
本実施形態では、危険物同士、火気同士、及び危険物と火気が、予め定めた距離、例えば5[m]以上離れている必要があると設定してある。このため、管理装置100の輻輳状態検出部155は、この定めてある距離以内に危険物同士、火気同士、及び危険物と火気を使用する作業がある状態を輻輳状態と検出する。
【0069】
次に、作業者が端末装置30を操作して、時刻t0〜t31におけるエリアマップ60を端末装置30に表示させた場合、図22(a)のエリアマップ60が表示され、時刻t0〜t31における作業工程を表示させた場合、図22(b)のような作業工程表が表示される。図22(b)に示すように、作業者1の作業では、時刻t0〜t33の期間、危険物を用いて作業することが設定されている。一方、作業者3の作業では、時刻t31〜t33の期間、危険物を用いて作業することが設定されている。このため、時刻t31〜t41の期間Δt、危険物同士が定められた距離5[m]以上離れている必要がある。したがって、図22(b)に示すように、表示データ生成部160は、輻輳状態検出部155が検出した輻輳状態を示す情報に基づき、作業工程表に時刻t31〜t41を警告ゾーンであることを加えて、端末装置30に表示する。
【0070】
次に、作業者が端末装置30を操作して、時刻t31〜t32におけるエリアマップ60を端末装置30に表示させた場合、図23(a)のエリアマップ60が表示され、時刻t31〜t32における作業工程を表示させた場合、図23(b)のような作業工程表が表示される。図23(a)及び図23(b)に示すように、時刻t31〜t32の期間、作業者1、2及び4が、火気または危険物を使用して作業を行っている。
図23(a)に示すように、作業者3が作業を行う作業エリア63と、作業者4が作業を行う作業エリア64との距離402は5[m」以上離れているため、遠隔OKであると輻輳状態検出部155は検出する。しかしながら、作業者3が作業を行うために機材を持ち込む場合など、危険物と火気との距離が5[m」以内にならないように警告しておく必要がある。このため、作業工程表では、作業期間や作業エリアの輻輳状態が生じていなくても、時刻41〜t31の期間、端末装置30に警告ゾーンとして表示する。
一方、作業者1が作業を行う作業エリア61と、作業者4が作業を行う作業エリア64との距離401は5[m」以上離れていないため、警告発生箇所有りと輻輳状態検出部155は検出する。このため、時刻t31〜t32の期間の表示を行った場合、図23(b)に示すように、時刻t32〜t42の期間が警告ゾーンであることを、端末装置30に表示する。
【0071】
次に、作業者が端末装置30を操作して、時刻t32〜t33におけるエリアマップ60を端末装置30に表示させた場合、図24(a)のエリアマップ60が表示され、時刻t32〜t33における作業工程を表示させた場合、図24(b)のような作業工程表が表示される。図24(a)及び図24(b)に示すように、時刻t32〜t33の期間、作業者1、3および4が、火気または危険物を使用して作業を行っている。
まず、図24(a)に示すように、作業者3が作業を行う作業エリア63と、作業者4が作業を行う作業エリア64との距離402は5[m」以上離れているため、遠隔OKであると輻輳状態検出部155は検出する。
次に、作業者1が作業を行う作業エリア61と、作業者4が作業を行う作業エリア64との距離401は5[m」以上離れていないため、警告発生箇所有りと輻輳状態検出部155は検出する。このため、時刻t32〜t33の期間の表示を行った場合、図24(b)に示すように、時刻t32〜t33の期間が警告ゾーンであることを、端末装置30に表示する。また、作業者4が作業を行うために機材を持ち込む場合など、危険物と火気との距離が5[m」以内にならないように警告しておく必要があるため、時刻t43〜t32の期間が警告ゾーンであることを、端末装置30に表示する。
次に、作業者1が作業を行う作業エリア61と、作業者2が作業を行う作業エリア62との距離411は5[m」以上離れていないが、作業期間が輻輳していない。しかしながら、作業期間が輻輳していなくても、作業者2が作業を行うために機材を持ち込む場合など、危険物と火気との距離が5[m」以内にならないように警告しておく必要がある。このため、時刻t33〜t44の期間の表示を行った場合、図24(b)に示すように、時刻t33〜t44の期間が警告ゾーンであることを、端末装置30に表示する。
次に、作業者2が作業を行う作業エリア62と、作業者3が作業を行う作業エリア63との距離412は5[m」以上離れていないが、作業期間が輻輳していない。しかしながら、作業期間が輻輳していなくても、作業者2が作業を行うために機材を搬入する場合、または、作業者3が機材を搬出する場合など、危険物と火気との距離が5[m」以内にならないように警告しておく必要がある。このため、時刻t33〜t44の期間の表示を行った場合、図24(b)に示すように、時刻33〜t44の期間が警告ゾーンであることを、端末装置30に表示する。
【0072】
次に、作業者が端末装置30を操作して、時刻t33〜t34におけるエリアマップ60を端末装置30に表示させた場合、図25(a)のエリアマップ60が表示され、時刻t33〜t34における作業工程を表示させた場合、図25(b)のような作業工程表が表示される。図25(a)及び図25(b)に示すように、時刻t33〜t34の期間、作業者2および4が火気または危険物を使用して作業を行っている。
作業者1が作業を行う作業エリア61と、作業者2が作業を行う作業エリア62との距離411は5[m」以上離れていないが、作業期間が輻輳していない。この場合も、機材の搬入または搬出時に対する警告として、図25(b)に示すように、時刻t45〜t33の期間が警告ゾーンであることを、端末装置30に表示する。

次に、作業者2が作業を行う作業エリア62と、作業者3が作業を行う作業エリア63との距離412は5[m」以上離れていないが、作業期間が輻輳していない。この場合も、機材の搬入または搬出時に対する警告として、図25(b)に示すように、時刻t45〜t33の期間が警告ゾーンであることを、端末装置30に表示する。
また、作業者1及び3の作業完了予定時刻がt33であるため、作業者1及び3の機材の搬出時、作業者2に対する機材の搬入時の警告として、図25(b)に示すように、時刻t45〜t33の期間が警告ゾーンであることを、端末装置30に表示する。
【0073】
次に、作業者が端末装置30を操作して、時刻t34〜t35におけるエリアマップ60を端末装置30に表示させた場合、図26(a)のエリアマップ60が表示され、時刻t34〜t35における作業工程を表示させた場合、図26(b)のような作業工程表が表示される。図26(a)及び図26(b)に示すように、時刻t34〜t35の期間、作業者4のみが、火気または危険物を使用して作業を行っている。
図26(b)に示すように、時刻t34に作業者2の作業が終了する予定になっている。このため、作業者2に対する搬出時の警告として、時刻t47〜t34の期間、端末装置30に警告ゾーンとして表示する。
【0074】
以上のように、第1実施形態に加えて、管理装置100の火気・危険物作業検出部130が、火気または危険物を作業に使用しているか否かも検出する。そして、管理装置100は、検出した結果に基づき作業工程表及びエリアマップに可視化した警告情報を表示するようにした。この結果、予め作業エリアの調整や、作業工程の調整を行うことで、火気または危険物が予め定められた距離以内に配置されたり使用されたりすることを防ぐことができる。また、作業に使用する機材の搬入時や搬出時にも、どのエリアで火気や危険物が使用されているかに基づき、警告情報を端末装置30上に表示するようにした。この結果、作業に使用する機材の搬入時や搬出時にも、火気または危険物が予め定められた距離以内に近づくことを防ぐことができる。
【0075】
[第3実施形態]
第1実施形態では、作業が終了した時、作業員が端末装置30から作業終了を入力して作業内容を更新する例を説明した。本実施形態では、作業開始や作業終了も管理する管理装置について説明する。
図27は、本実施形態に係る工程管理システムの概略を説明する図である。図27に示すように、工程管理システム1aは、センサーネット510、アクセスポイント520、ゲート通過検知装置530を備えている。また、管理装置100aは、ネットワーク50を介して、端末20及び22、撮像装置10、センサーネット510、アクセスポイント520、ゲート通過検知装置530をからの信号を受信する。
【0076】
センサーネット510は、作業エリア内の温度や放射線量などを計測し、計測した温度や放射線量などを示す情報を管理装置100aにネットワーク50を介して送信する。または、センサーネット510は、計測した温度や放射線量などを示す情報を、アクセスポイント520を介して送信する。
アクセスポイント530は、例えば、無線ネットワークである。アクセスポイント530は、センサーネット510が計測した温度や放射線量などを示す情報を受信し、受信した温度や放射線量などを示す情報ネットワーク50を介して送信する。
ゲート通過検知装置530は、作業エリアの出入り口等に設置され、作業者が保有しているICタグなど備えるIDカードなどからの信号を検知して、作業者の入退場を検知する。ゲート通過検知装置530は、検知した作業者の入退場を示す情報を、管理装置100aにネットワーク50を介して送信する。
【0077】
管理装置100aは、ゲート通過検知装置530を、例えば作業者1が入場して通過した場合、作業エリア1の作業が開始されたとして作業工程表やエリアマップを更新する。また、管理装置100aは、ゲート通過検知装置530を、作業者1が退場して通過した場合、作業エリア1の作業が終了されたとして作業工程表やエリアマップを更新する。なお、各作業者は、例えばICタグなど備えるIDカードなどを保持している。
このように、自動的に、作業者の入退場を検知することで、作業エリアが実際に使われているか、使われていないかを、他の作業者や作業全体の管理者は、リアルタイムで把握することができる。他の作業者は、使用したい作業エリアに空きがある場合、予定していた作業を前倒して行うことができるため、作業の日程を短縮できる。
【0078】
以上のように、本実施形態によれば、作業者の入退場をゲート通過検知装置530が自動的に検知して管理装置100aに送信するようにしたので、作業工程や作業エリアの状況を可視化してリアルタイムに変更して更新することができる。この結果、他の作業者は、使用したい作業エリアに空きがある場合、予定していた作業を前倒して行うことができるため、作業の日程を短縮できる。また、センサーネット510が、温度や放射線量などを計測して管理装置100aに送信するようにしたので、輻輳状態検出部155が検出した輻輳状態を示す情報に加え、作業エリアで実際に生じている状況をリアルタイムで検知できる。この結果、例えば、作業全体の管理者は、状況に応じて、作業工程や作業エリアなどを随時調整することができる。
【0079】
なお、本実施形態の工程管理システムは、プラントの建築、プラントのメンテナンス以外にも、メンテナンス時に設備を停止して点検を行う工場や、原子力発電所などのメンテナンス等にも用いることができる。
【0080】
なお、実施形態の図2の管理装置100の各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体、USB(Universal Serial Bus) I/F(インタフェース)を介して接続されるUSBメモリー、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、サーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0081】
1、1a・・・工程管理システム、10・・・撮像装置、20、22・・・端末、
30・・・現場端末、50・・・ネットワーク、100、100a・・・管理装置、
110・・・画像取得部、115・・・作業内容データ取得部、
120・・・設備管理データベース、125・・・建屋データベース、
130・・・火気・危険物作業検出部、135・・・リンク部、
140・・・作業工程情報生成部、145・・エリア情報生成部、
150・・フロア情報生成部、155・・・輻輳状態検出部、
160・・・表示データ生成部、165・・・作業工程データ編集部、
170・・・履歴記憶部、175・・・クロック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置を有する工程管理システムであって、
入力された作業予定情報に基づき、前記作業予定情報から作業期間に関する情報を含む作業工程情報及び作業を行う作業エリア情報を抽出し、前記抽出した作業工程情報と作業エリア情報とをリンクさせてリンク情報を生成するリンク部と、
前記リンク部がリンクさせた前記リンク情報に基づき、時刻毎の作業エリアの作業状況に関するエリア情報を生成するエリア情報生成部と、
前記エリア情報生成部が生成した時刻毎のエリア情報に基づき、作業エリアの時刻毎の輻輳状態を検出し、前記検出した時刻毎の輻輳状態を示す情報を端末装置に出力する輻輳状態検出部と、
を備えることを特徴とする工程管理システム。
【請求項2】
前記リンク部は、
前記端末装置から入力された作業工程変更指示に基づき、前記リンク情報を変更し、
前記輻輳状態検出部は、
前記変更されたリンク情報に基づいて作業エリアの輻輳状態を検出し、前記検出した作業エリアの輻輳状態を示す情報を端末装置に出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の工程管理システム。
【請求項3】
クロック部を備え、
前記エリア情報生成部は、
前記クロック部が出力する時刻に基づき、前記生成した時刻毎のエリア情報から、前記出力された時刻を含む予め定められた時間範囲に作業が行われているエリアのエリア情報を抽出し、
前記輻輳状態検出部は、前記エリア情報生成部が抽出した予め定められた時間範囲に作業が行われているエリアのエリア情報に基づき、予め定められた時間範囲の作業エリアの輻輳状態を検出し、前記検出した時刻毎の輻輳状態を示す情報を端末装置に出力する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の工程管理システム。
【請求項4】
前記作業予定情報は、
作業中に火気使用の有無を示す火気作業情報、または、作業中に危険物の使用の有無を示す危険作業情報を含み、
前記リンク部は、
前記入力された作業予定情報から前記火気作業情報または前記危険作業情報を抽出し、前記抽出した火気作業情報、または、前記危険作業情報を、前記抽出したリンク情報にリンクしてリンク情報を更新し、
前記輻輳状態検出部は、
前記リンク情報生成部が更新したリンク情報と、前記エリア情報生成部が生成したエリア情報とに基づき、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記火気作業同士の輻輳状態、または、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記危険作業同士の輻輳状態、または、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記火気作業と前記危険作業との輻輳状態を検出し、前記検出した輻輳状態を示す情報を端末装置に出力する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の工程管理システム。
【請求項5】
前記リンク部は、
前記端末装置から入力された作業工程変更指示に基づき、前記更新したリンク情報を変更し、
前記輻輳状態検出部は、
前記変更されたリンク情報に基づいて、前記作業エリアの時刻毎の輻輳状態と、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記火気作業同士の輻輳状態、または、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記危険作業同士の輻輳状態、または、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記火気作業と前記危険作業との輻輳状態を検出し、前記検出した輻輳状態を示す情報を端末装置に出力する
ことを特徴とする請求項4に記載の工程管理システム。
【請求項6】
前記輻輳状態検出部は、
前記リンク部がリンクした前記リンク情報に、前記火気作業情報、または、前記危険作業情報が含まれている場合、前記リンク情報と、前記クロック部が出力する時刻とに基づき、前記作業工程の開始時刻に対して予め定められた期間、または、前記作業期間の終了時刻に対して予め定められた期間、
前記作業エリアの予め定められた範囲内の火気作業及び危険作業に対する警告情報を生成し、または、火気作業の搬入及び危険作業の搬入に対する警告情報を生成し、または、火気作業の搬出及び危険作業の搬出に対する警告情報を生成し、前記生成した警告情報を端末装置に出力する
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の工程管理システム。
【請求項7】
前記リンク部がリンクさせた前記リンク情報に基づき、フロア毎のエリア情報を生成するフロア情報生成部と、
を備え、
前記輻輳状態検出部は、
前記リンク情報生成部が更新したリンク情報と、前記フロア情報生成部が生成したフロア情報とに基づき、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記火気作業同士の輻輳状態、または、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記危険作業同士の輻輳状態、または、予め定められた空間の範囲且つ時刻毎の前記火気作業と前記危険作業との輻輳状態を検出し、前記検出した輻輳状態を示す情報を端末装置に出力する
ことを特徴とする請求項4または請求項6に記載の工程管理システム。
【請求項8】
端末装置を有する工程管理システムにおける工程管理方法であって、
リンク部が、入力された作業予定情報に基づき、前記作業予定情報から作業期間に関する情報を含む作業工程情報及び作業を行う作業エリア情報を抽出し、前記抽出した作業工程情報と作業エリア情報とをリンクさせてリンク情報を生成するリンク工程と、
エリア情報生成部が、前記リンク工程がリンクさせた前記リンク情報に基づき、時刻毎の作業エリアの作業状況に関するエリア情報を生成するエリア情報生成工程と、
輻輳状態検出部が、前記エリア情報生成工程が生成した時刻毎のエリア情報に基づき、作業エリアの時刻毎の輻輳状態を検出し、前記検出した時刻毎の輻輳状態を示す情報を端末装置に出力する輻輳状態検出工程と、
を含むことを特徴とする工程管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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