巨視的三次元孔なしクリーニングシート、並びにそれを用いたクリーニング用具、クリーニング方法及び製造物品
【課題】耐久性に優れ、且つ汚れを除去して捕捉する能力を高めた孔なしクリーニングシートを提供する。
【解決手段】巨視的三次元孔なしクリーニングシートであって、作業面及び裏面を有する不織材料からなる少なくとも1つの層を含み、前記作業面がランダムでない盛り上げ領域及びへこみ領域を含み、前記へこみ領域がX−Y次元に個々の盛り上げ領域を取り囲む連続模様を形成し、前記連続へこみ模様がチャネルを含み、前記作業面が少なくとも1mmの平均高低差及び750gsmを超える総孔体積を有し、前記ランダムでない盛り上げ領域が制御プロセスにより形成され、且つ前記シート内の収縮力から生じるものではないことを特徴とする孔なしクリーニングシートとする。
【解決手段】巨視的三次元孔なしクリーニングシートであって、作業面及び裏面を有する不織材料からなる少なくとも1つの層を含み、前記作業面がランダムでない盛り上げ領域及びへこみ領域を含み、前記へこみ領域がX−Y次元に個々の盛り上げ領域を取り囲む連続模様を形成し、前記連続へこみ模様がチャネルを含み、前記作業面が少なくとも1mmの平均高低差及び750gsmを超える総孔体積を有し、前記ランダムでない盛り上げ領域が制御プロセスにより形成され、且つ前記シート内の収縮力から生じるものではないことを特徴とする孔なしクリーニングシートとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参考として本明細書に組み入れられる1999年12月10日にエー・ウォング(A. Wong)らが出願した米国特許出願第60/170,245号の恩恵を要求する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ほこり、糸くず、毛髪、砂、食べ物くず、草等を除去して捕らえるのに特に適した孔なしクリーニングシートに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
乾燥ほこりのクリーニング用に不織シートを使用することは、当該技術分野では周知である。そのようなシートは、一般的に、接着剤か、絡み合わせか、他の力で結合させた繊維の複合体を用いている。例えば、共に参考として本明細書に組み入れられる米国特許第3,629,047号及び米国特許第5,114,729号を参照されたい。耐久性のある拭き取りシートを提供するために、補強手段が連続フィラメント又は網状構造体構造の形のステープルファイバと組み合わされた。例えば、全てが参考として本明細書に組み入れられる米国特許第4,808,467号、米国特許第3,494,821号及び米国特許第4,144,370号を参照されたい。また、苛酷な拭き取り作業に耐えることができる製品を提供するために、従来の不織シートは、上記力の1つ又は複数によって強く結合させた繊維を用いていた。耐久性がある材料が得られるが、そのような強い結合は、材料の粒子状ゴミを捕らえて保持する能力に悪影響を与えるであろう。
【0004】
この問題に取り組もうとして、1996年6月11日にシズノらに発行されて、参考として本明細書に組み入れられる米国特許第5,525,397号は、高分子網状層と少なくとも1つの不織層とを含み、低交絡率のシートを提供できるように、これらの2層を軽く湿式で絡み合わせたクリーニングシートを記載している。得られたシートは、複合繊維が軽く湿式で絡み合わされているので、強度及び耐久性並びに改善されたほこり収集性能を有すると言われている。397号特許に記載されているシートは、従来の不織クリーニングシートの問題の一部に取り組んでいると主張しているが、これらのシートは、少なくとも巨視的レベルではほぼ均一の坪量であるように見え、また、やはり巨視的レベルでは実質的に均一厚さである。均一の坪量を有するシートである結果、その材料は、様々な大きさ、形状等の汚れの収集及び捕捉にあまり適さない。
クリーニングシートの様々な大きさの汚れを収集して捕らえる適合性を改善するために、ザ・プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Co.)に譲渡されているPCT出願WO98/52458及びWO98/52459は、クリーニングシートに増加した巨視的三次元性を与えることによって、汚れ除去性を向上させることができることを教示している。この三次元性は、シートの本体内に収縮力を与える材料を使用することによって達成される。これらの収縮力は、シートの層を比較的ランダムな山及び谷に折り曲げる。これらの山及び谷は、シート内に様々な収集表面群を与える。しかし、これらの山及び谷は、収縮力によって形成されるので、ほぼ正弦波の形になり、従って、特定高さの表面の量が比較的少ない。
本出願人は、大きく粗い粒子を収集するためのへこみ平面によって取り囲まれた、微細ゴミ粒子の収集を増加するための盛り上げ領域の頂部表面積を増加させることによって、全体的に良好なクリーニングを行うクリーニングシートを開発できることがわかった。
【0005】
織り地状の紙を形成するために形成ベルトを使用することは周知である。1994年1月4日にトロクハン(Trokhan)に発行されて、参考として本明細書に組み入れられる米国特許第5,275,700号が、そのようなベルト、そのようなベルトの製造方法、及び強い吸収性紙ウェブの製造方法を教示している。その方法は、ペーパータオル、ティッシュ及びトイレットペーパー等の強い吸収性紙製品を製造するために使用される。その方法は、真空紙形成プロセスで形成ベルトを使用する段階を含む。この方法によって形成された紙製品は、主に湿式クリーニング及び湿潤表面のクリーニングのための吸収性が得られるように構成された閉鎖構造体構造を有する傾向にある。そのような閉鎖構造体構造は、乾式クリーニング及び粒子状ほこり、ゴミ及び汚れの除去には最適ではない。
1999年4月20日にトロクハンらに発行されて、参考として本明細書に組み入れられる米国特許第5,895,623号は、不織材料の孔あきウェブを製造するために絡み合わせプロセスで模様付き形成ベルトを使用することを開示している。孔あきウェブは、湿潤汚れの管理又はクリーニング用の吸収製品の上部シートとして使用される。孔は、表面から取り除かれたゴミ及びほこりがシートから出る通路を与える結果、ゴミ及びほこりが空中浮遊して、きれいにした表面に再付着するだけであるため、孔あきウェブはほこり取り用クリーニングシートには好まれない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故に、本発明の目的は、従来技術の問題を解決し、特に様々な種類の汚れを除去して捕捉する能力を高めた孔なしクリーニングシートを提供することである。具体的に言うと、本発明の目的は、詳細に後述する、孔を有しておらず、狭い連続へこみ領域によって取り囲まれたランダムでない盛り上げ領域を有する不織構造体構造を提供することである。
別の目的は、特にシートをロール状にしてシート切り離し用のミシン目を入れるか、シートを使用長さに切り取る手段を設けて包装し、得られる改良プロセス及び/又は利点、特に消費者に直感的には明らかでないような利点を消費者に知らせるパッケージにそれらを入れることによって、シートの消費者及びユーザに改善されたクリーニングプロセス及び望ましい利点を与えることである。別の目的は、孔なしクリーニングシートに添加物を、特に基材への汚れの付着性を改善する添加物を加えると共に、特に後述のシートに三次元構造を与えて、そのような組み合わせが特別な性能利点を有し、そのような組み合わせが改善された利点を与えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、巨視的三次元孔なしクリーニングシートであって、作業面及び裏面を有する不織材料からなる少なくとも1つの層を含み、前記作業面がランダムでない盛り上げ領域及びへこみ領域を含み、前記へこみ領域がX−Y次元に個々の盛り上げ領域を取り囲む連続模様を形成し、前記連続へこみ模様がチャネルを含み、前記作業面が少なくとも1mmの平均高低差を有し、前記ランダムでない盛り上げ領域が制御プロセスにより形成され、且つ前記シート内の収縮力から生じるものではないことを特徴とするクリーニングシートに関する。任意であるが、シートは、スクリム材料か、付着性を改善するための添加物を含むことができる。また、ハンドルと上記クリーニングシートとを含むクリーニング用具も開示されている。シートの使用方法、孔なしクリーニングシートの製品利点に関する使用説明を付けた製造物品、及びシートを製造する方法も開示されている。
本発明のシート及び同様なシート、特に本明細書で述べたように低レベルで添加物を含有するもの、特に添加物を少なくとも1つの連続部分全体にほぼ均一に加えたシートは、改良されたクリーニング処理で使用されて、詳細に後述するように、一部が消費者に直感的には明らかでない望ましい利点をシートの消費者及びユーザに与えることができる。従って、シートをロール状にしてシートの切り離しを助けるミシン目を入れるか、シートを使用長さに切り取る手段を設けて包装し、且つ/又は得られる改良プロセス及び/又は利点、特に消費者に直感的には明らかでないような利点を消費者に知らせるパッケージにそれらを入れることが望ましい。添加物を有する孔なしクリーニングシートは、そのような添加物を望ましい低レベルで、好ましくは1カ所又は複数カ所にほぼ均一に加えられたクリーニングシートを含めて、組み合わせ状態で、特別な性能利点を与え、そのような組み合わせは、特にシートが本明細書に記載された望ましい構造を有する時、改善された利点を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(発明の説明)
本明細書で使用する時、「含む」とは、本発明を実施する際に、様々な構成要素、成分及び段階を結合して用いることができることを意味する。それ故に、「含む」という用語は、もっと制限的な用語の「から本質的に成る」及び「から成る」を包含している。
本明細書で使用する時、「孔なし」とは、特に、本発明のシートが、シートの本体を裏面まで貫通した、絡み合わせ処理中に形成された構造体構造の繊維間のランダムに形成された空間より大きい空隙を作業表面上に有しないことを意味する。
本明細書で使用する時、「孔」は、シートを裏面まで貫通しない、シートの作業表面の空間ポケットを指す。
本明細書で使用する時、「巨視的三次元」とは、三次元孔なしクリーニングシートを説明するために使用される時、観察者の目とシートの平面との間の垂直距離が約12インチ(約30.48cm)である時、三次元模様が裸眼で容易に見えることを意味する。言い換えると、シートの片面又は両面が多重平面上にあり、その構造体構造を約12インチ(約30.48cm)離れた位置から見た時に、これらの平面間の距離が裸眼で見えることから、本発明の三次元構造体構造は非平面的な孔なしクリーニングシートである。反対に、「平面的」は、片面又は両面に微細な表面異常を有し、観察者の目とウェブの平面との間の垂直距離が約12インチ(約30.48cm)以上である時、その表面異常が裸眼で容易に見えない孔なしクリーニングシートに当てはまる。言い換えると、巨視的には観察者は、シートの片面又は両面が多重平面上に存在して三次元的であることが観察できないであろう。
【0009】
本明細書で使用する時、「湿式絡み合わせ」とは一般的に、ばら繊維材料(例えば、ポリエステル)の層を孔あき模様付け部材上に支持して、個々の繊維を機械的に絡み合わせることによって布を提供できるようにする十分な大きさの水圧差を加える材料形成方法を意味する。孔あき模様付け部材は、例えば、織り地スクリーン、穿孔金属板等で形成することができる。
本明細書で使用する時、「Z次元」は、本発明のクリーニングシート又はその構成要素の長さ及び幅に直交する次元を指す。Z寸法は一般的に、シートの厚さに対応する。
本明細書で使用する時、「X−Y次元」は、クリーニングシート又はその構成要素の厚さに直交する平面を指す。X及びY寸法は一般的に、それぞれシート又はシート構成要素の長さ及び幅に対応する。
【0010】
本明細書で使用する時、「層」は、主次元がX−Yである、すなわち、その長さ及び幅に沿ったクリーニングシートの部材又は構成要素を指す。層という用語は、単一の材料層又はシートに必ずしも制限されないことを理解する必要がある。従って、層は、必要形式の材料の数枚のシート又はウェブの積層又は組み合わせを含むことができる。それ故に、「層」は、「複数の層」及び「積層」を含む。
本明細書で使用する時、クリーニングシートの「作業面」は、クリーニングすべき表面と接触する(すなわち、用具の環境では、使用中に用具のハンドルから相対的に遠く離れた)面である。「裏面」は反対に、クリーニングすべき表面と接触しない(すなわち、用具の環境では、使用中に用具のハンドルから相対的に遠く離れた)クリーニングシート面を意味する。
本明細書で使用する時、「盛り上げ領域」は、湿式絡み合わせ繊維のクリーニングシートの、作業面により接近して形成された比較的平坦な領域を指す。これらの盛り上げ領域は、使用時にクリーニングすべき表面とより直接的に接触している。「へこみ領域」は、湿式絡み合わせ繊維のシートの、作業面から遠く離して形成された比較的平坦な領域を指す。これらのへこみ領域は、使用時にクリーニングすべき表面とあまり直接的に接触しない。
【0011】
本明細書で使用する時、「ランダムでない」は、盛り上げ及びへこみ領域の形成が制御プロセスによって形成されて、それらが広範囲の粒子サイズのゴミを清掃するのに最適な特定寸法を有するようにしたことを指す。これは、シートの本体内の収縮力から生じるもっとランダムな山及び谷を形成するクリーニングシートと対比される。
本明細書で使用する時、「弾性様挙動」とは、問題の要素がある方向の張力を受けた時に、その方向に測定した伸長寸法が、要素のその方向の元の弛緩寸法の少なくとも120%になるように伸長することができ、伸長張力の除去時に、それが弛緩寸法の10%以内まで戻ることを意味する。
本明細書で使用される全ての百分率、比及び比率は、指示がない限り、質量においてである。
【0012】
(クリーニングシート)
本発明は、様々な表面から様々な寸法、形状、粘ちょう度のほこり、糸くず、毛髪、草、砂、食べ物くず等を取り除くのに有用な孔なしクリーニングシート5に関する。好ましくは、孔なしクリーニングシートは、消費者パネル試験で改善されたクリーニング性能を示すであろう。
本発明の巨視的三次元クリーニングシート5は、不織材料の構造体構造7を含む。不織材料は、特にベルト状の型に載置された溶融材料を使用した成形作業及び/又はフィルム上で行われる機械的作用/修正を伴う成形作業を使用して製造することができる。構造体構造は、本質的な三次元要件がわかれば、多くの方法、例えば、スパンボンド、メルトブローン、真空カーディング等によって製造することができる。特に、他の処理(湿式載置又はペーパータオル等)と較べて非常に望ましい開放構造体構造を与えることから、当該技術分野では周知の湿式絡み合わせによって形成されるものである。
【0013】
従って、本明細書で有用な孔なしクリーニングシートは、上記特徴を有する不織構造体構造である。本発明の不織孔なしクリーニングシートを形成するのに特に適した材料には、例えば、木材パルプ、綿、ウール等の天然繊維と共に、ポリ乳酸繊維等の生分解性繊維や、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポロプロピレン)、ポリエステル、ポリアミド、合成セルロース(例えば、レーヨン(RAYON)(登録商標)、リオセル(Lyocell))、セルロースアセテート、2成分繊維等の合成繊維、及びそれらのブレンドが含まれる。本発明の湿式絡み合わせ繊維性シートを製造するのに好ましい出発原料は、合成素材であって、これは、カーディング、スパンボンド、メルトブローン、空気載置又は他の構造体構造の形にすることができる。ポリエステル、特にカーディングポリエステル繊維が好ましい。繊維の疎水性及び親水性の程度は、除去すべき汚れの種類、添加物がある場合には、含まれる添加物の種類、生分解性、入手しやすさ、及びそのような考慮点の組み合わせのいずれかに関するシートの所望目標に応じて最適化される。一般的に、生分解性が高い材料ほど親水性であるが、有効性が高い材料ほど、疎水性になりがちである。
【0014】
繊維はデニールを有し、それは一般的に当該分野では低い0.1デニールから高い約20デニールまでの範囲にわたる。本発明のクリーニングシートの製造に使用するのに好ましい繊維は、1.5デニール以上、好ましくは約3デニール以上、さらに好ましくは約6デニール以上、さらにもっと好ましくは約11デニール以上を有する。本発明の別の好ましい実施態様は、2種類以上のデニールを有する繊維を含む構造体構造を有する。
繊維は、3葉、六角形、リブ付き、リボン状等や、その組み合わせ等の成形繊維にすることができる。そのような繊維は、本明細書のクリーニングシートのほこり捕捉能力を高めることができる。
孔なしクリーニングシートは、単一繊維層から形成することができるが、好ましくは少なくとも2つの個別層の複合体である。これに関して言うと、個別の繊維層の湿式絡み合わせの前に、絡み合わせによって層を結合する前に各層をわずかに絡み合わせることが望ましいであろう。
【0015】
クリーニングシートの構造体構造7は、シートがランダムでない盛り上げ領域10及びへこみ領域15を有するように形成される。図1及び図2を参照されたい。盛り上げ及びへこみ領域の形状が、シートのクリーニング特性を決定する。盛り上げ領域は、クリーニング中の表面とより直接的に接触して、微細から小粒子までのほこり及びゴミを開放繊維構造内に収集して捕捉する。へこみ領域は、表面とさほど直接的には接触しないで、より大きい粒子のゴミを捕らえて除去するためのポケットを提供するであろう。
その結果、クリーニングシートの2側部が異なったクリーニング特性を有する。従って、各シートは、使用時にクリーニングすべき表面と接触するシート側部である作業面8と、クリーニングすべき表面から離れた、手又は用具で保持されるシート側部である裏側9とを有するであろう。
へこみ領域から盛り上げ領域までの高さ16は、平均高低差(後述の解析方法の項に記載された方法)によって表される。本発明のクリーニングシートの平均高低差は、少なくとも約1mm、好ましくは少なくとも約1.5mmでなければならない。
【0016】
孔なしクリーニングシート5は、シートの作業面上のX−Y次元に個々の盛り上げ領域10を取り囲む連続へこみ模様を形成するへこみ領域15を有する。さらに、連続模様は、幅17が約0.25mm〜約10mm、好ましくは約1mm〜約8mm、さらに好ましくは約2.5mm〜約2mmの狭いチャネルから成る。
好ましくは、作業面8上の盛り上げ領域10の面積とへこみ領域15の面積との比が、約98:2〜約50:50、好ましくは約95:5〜約50:50、さらに好ましくは約80:20〜約60:40である。
盛り上げ領域10は、へこみ領域15の連続模様の内側の模様として形成することができる。作業面が盛り上げ及びへこみ領域を有する限り、いずれの模様も使用することができる。盛り上げ領域用の好ましい模様には、
図5の丸み付き平行四辺形30、すなわち、先端に丸みを付けて、短い対角線の長さ31が約6.5mm〜約7.5mm、長い対角線の長さ32が約9.0mm〜約10.0mmである平行四辺形、
【0017】
図6の酒袋形40、すなわち、ネック幅41が約0.5mm〜約1.5mm、最大胴部幅42が約2.7mm〜約3.7mm、底部長さ43が約1.0mm〜約2.0mm、胴部高さ44が約3.2mm〜約4.2mmである酒袋に似た形状、
図7のパイピース形、すなわち、側部長さ52が約2.0mm〜約3.0mm、端部長さ51が約1.0mm〜約2.0mm、先端の角度53が約55°〜約65°であるパイピースに似た形状、及び
図8の波状矩形60、すなわち、長さ62が約4.0mm〜約5.0mm、幅61が約1.5mm〜約2.5mmである波状矩形の形状
が含まれる。
【0018】
他の好ましい模様として、商標名をつづるか、ロゴデザインに似せた形状が含まれる。
また、好ましい構造体構造は、大きい粒子を小さく潰さないで捕らえることによる利点を与える。
明らかな追加の巨視的三次元を与えると見なすには不十分である山及び谷を有する比較的小さい領域があることは、当該技術分野の専門家には明らかであろう。例えば、そのような領域は、盛り上げ又はへこみ領域内に存在する可能性がある。そのような変動及びばらつきは、製造プロセスの通常の予想される結果であり、平均高低差を測定する時に考慮されない。
【0019】
不織布は、全ての開放表面が、製造プロセスで形成される表面に孔を有する。例えば、湿式絡み合わせプロセスでは、高圧の流体流が繊維をランダムに並べるため、表面に空間ポケットが形成される。従来型クリーニングシートでは、これらの孔は、表面上の孔の総体積が約475〜約700gsmであるようなものである。本発明のクリーニングシートの作業面の孔は、孔の総体積が約750gsmを超え、好ましくは約900gsmを超え、さらに好ましくは約1000gsmを超える。
孔は、微細ほこり粒子の捕捉量を増加させるための露出繊維材料の追加表面積と、中程度の大きさのゴミ粒子を捕捉するための天然ポケットの両方を与える。従って、孔径の分布は、クリーニングシートの広範囲の大きさのゴミ粒子を捕捉する能力にとって重要である。本発明の好ましい実施態様は、約15%を超えるか、好ましくは約20%を超えるか、さらに好ましくは約25%を超える孔体積が、約70ミクロンを超える孔径を有する孔に含まれるような孔径分布を有する。本発明の好ましい実施態様は、約7.5%を超えるか、好ましくは約15%を超えるか、さらに好ましくは約20%を超えるか、さらにもっと好ましくは約25%を超える孔体積が、約70ミクロン〜約100ミクロンの孔径を有する孔に含まれるような孔径分布を有する。
【0020】
(任意のスクリム)
本発明の特に好ましい実施態様では、最終的クリーニングの一体性を高めるために、熱又は接着剤等の化学的手段による積層や、湿式絡み合わせ等によって繊維材料構造体構造7内に配置された高分子網(本明細書では「スクリム」20材料と呼ぶ)を含むことが好ましい。本明細書で有用なスクリム材料は、米国特許第4,636,419号に詳細に記載されており、この特許は参考として本明細書に組み入れられる。スクリムは、押し出しダイで直接的に形成できるが、フィブリル化又はエンボス加工に続いて伸長及び分割を行うことによって押し出しフィルムから形成することもできる。スクリムは、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン、その共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66等から形成することができる。スクリム材料は、様々な民間供給源から入手できる。本発明に有用な好ましいスクリム材料は、コンウェッド・プラスチックス(Conwed Plastics)(ミネソタ州、ミネアポリス)から入手できるポリプロピレンスクリムである。
スクリム材料20は、好ましくは、熱又は接着剤等の化学手段による積層によってクリーニングシート5の繊維構造体構造7に結合される。特に適当なスクリム材料は、ポリプロピレン/EVA樹脂、両面接着剤を有し、加熱等による収縮前のフィラメント数が3本/インチ(1.2本/cm)〜2本/インチ(0.79本/cm)であるミネソタ州、ミネアポリスのコンウェッド・プラスチックスからサーマネット(THERMANET)ブランドの強化網として入手できる熱活性化強化網である。加熱後、スクリムは約3.5〜約4.5本/インチ(約1.4〜約1.8本/cm)又は約2.5〜約3.5本/インチ(約1.0〜約1.4本/cm)のフィラメントを有することができる。
【0021】
「両面接着剤」とは、EVA接着剤(エチル−ビニルアセテート接着剤)がフィラメントの両側に存在することを意味する。EVAの活性化温度は、一般的に約85℃(約185°F)である。スクリムをシート構造体構造のポリエステル繊維に積層化する間、EVA接着剤が活性化されて、スクリムのフィラメントと構造体構造の繊維との間を接着する。理論によって制限されることなく、比較的低圧(例えば、50psi(35153.5kg/m2)未満、さらに好ましくは25psi(17576.75kg/m2)未満)で比較的短時間(例えば、約30秒未満)の加圧では、スクリムのフィラメントが構造体の不織布に連続的には接着されないと考えられている。この不連続接着と、加熱時のポリプロピレンフィラメントの収縮とによって、シートの外面の材質の向上が得られる。
【0022】
(任意の添加物)
シートの少なくとも1つ、好ましくは連続部分に均一に付着させた低レベルの添加物を、汚れ、特に粒子、特にアレルギー反応を引き起こすような粒子の付着性を改善するのに有効な量で使用することによって、汚れ付着性に対して驚くほどの管理水準が得られる。少なくとも添加物がシート上に存在する部分では、油が液状又はスプレーとして加えられる従来の散布作業と異なって、シートを使用した時に特に従来にはなかった表面に目に見えるシミを生じる危険性が非常に低くなるので、低レベルであることが、そのような使い方に重要である。
シートへの汚れの付着性を向上させる界面活性剤又は潤滑剤を含む様々な添加物でシートの繊維を処理する、特に表面処理することによって、本発明の孔なしクリーニングシートのクリーニング性能をさらに向上させることができる。使用する時、そのような添加物は、シートの汚れ付着能力を高めることができるレベルで孔なしクリーニングシートに添加される。そのような添加物は、好ましくは、少なくとも約0.01質量%、さらに好ましくは少なくとも約0.1質量%、さらに好ましくは少なくとも約0.5質量%、さらに好ましくは少なくとも約1質量%、さらにもっと好ましくは少なくとも約3質量%、さらにもっと好ましくは少なくとも約4質量%の追加レベルでクリーニングシートに加えられる。一般的に追加レベルは、約0.1〜約25質量%、さらに好ましくは約0.5〜約20質量%、さらに好ましくは約1〜約15質量%、さらに好ましくは約3〜約10質量%、さらにもっと好ましくは約4〜約8質量%、最も好ましくは約4〜約6質量%である。好ましい添加物は、ワックスか、油(例えば、鉱物油、石油ゼリー等)とワックスとの混合物である。適当なワックスには、様々な炭化水素と共に、一定の脂肪酸(例えば、飽和トリグリセリド)及び脂肪族アルコールのエステルが含まれる。それらは、天然資源(すなわち、動物、植物又は鉱物)から誘導することができるか、合成することができる。これらの様々なワックスの混合物も使用することができる。本発明に使用することができる幾つかの代表的な動物及び植物ワックスには、蜜蝋、カルナウバ、鯨蝋、ラノリン、セラックワックス、キャンデリア等が含まれる。本発明に使用することができる鉱物資源からの代表的なワックスには、パラフィン、ワセリン及び微結晶ワックス等の石油ベースのワックスや、化石、又は白色セレシンワックス、黄色セレシンワックス、白色オゾケライトワックス等の地蝋が含まれる。本発明に使用することができる代表的な合成ワックスには、ポリエチレンワックス等のエチレン高分子、「ハロワックス(Halowax)」等の塩素化ナフタレン、フィッシャー・トロプシュ(Fischer-Tropsch)合成によって製造される炭化水素タイプのワックス等が含まれる。
【0023】
鉱物油及びワックスの混合物を使用する時、構成分は、好ましくは、油対ワックスの比を質量において約1:99〜約7:3に、さらに好ましくは約1:99〜約1:1に、さらにもっと好ましくは約1:99〜約3:7に混合されるであろう。特に好ましい実施態様では、油対ワックスの比が質量において約1:1であり、添加物が質量において約5%の追加レベルで加えられる。好ましい混合物は、鉱物油及びパラフィンワックスが1:1の混合物である。
特に、巨視的三次元性及び添加物を単一のクリーニングシートに設けた時、特に向上したクリーニング性能が達成される。前述したように、添加物を有効レベルで好ましくはほぼ均一にシートの少なくとも1つの連続部分に加える時、これらの低レベルが特に望ましい。特にシートの汚れ付着性を改善する添加物を好ましい低レベルで使用することによって、驚くほど良好なクリーニング、空中のほこり除去、好ましい消費者印象、特に触覚印象が得られ、さらに添加物は、香料、殺虫剤、殺菌剤を含む抗菌剤、及び他の多くの好都合な成分、特に添加物に溶解又は分散可能なものを組み入れて付着させる手段を提供することができる。添加物が基材、パッケージ及び/又は処理される表面に悪影響を与える可能性がある場合、添加物が低レベルであることが特に望ましい。
【0024】
これらの添加物用の塗布手段は、シート構造体の「内側」にあるシート上の点に少なくとも大部分の添加物を塗布する。処理すべき表面及び/又はパッケージと接触する添加物の量を制限することによって、そうしなければ有害であるか、他の表面の機能を妨害する物質が生じる悪影響を限定するか、なくすことができることが、三次元構造体構造の特別な利点である。添加物が構造体の内側に存在することは、構造体の内側に付着する汚れが、その後の拭き取り動作によって離脱する傾向が非常に低くなる点で非常に好都合である。
【0025】
(クリーニング用具)
別の観点では、本発明は、上記孔なしクリーニングシートを含むクリーニング用具に関する。これに関して言うと、クリーニング用具は、ハンドルと、作業面及び裏面を有し、前記作業面がランダムでない盛り上げ領域及びへこみ領域を含み、前記へこみ領域がX−Y次元に個々の盛り上げ領域を取り囲む連続模様を形成し、前記連続へこみ模様がチャネルを含み、前記作業面が少なくとも1mmの平均高低差及び750gsmを超える総孔体積を有し、前記ランダムでない盛り上げ領域が制御プロセスにより形成され、且つ前記シート内の収縮力から生じるものではない不織材料とを有する着脱式クリーニングシートとを含む。
クリーニング用具のハンドルは、人間工学的に実践的なクリーニングを可能にする細長い耐久性のある材料を含む。ハンドルの長さは、用具の最終用途によって決定されるであろう。
【0026】
ハンドルは、好ましくは、クリーニングシートを着脱式に取り付けることができる支持ヘッドを一端部に含むであろう。使用しやすくするために、支持ヘッドは、周知のジョイントアセンブリを使用してハンドルに回動可能に取り付けられている。クリーニング処理中にクリーニングシートを固定しておくことができるものであれば、クリーニングシートを支持ヘッドに取り付けるためのいずれの適当な手段も使用することができる。適当な固定手段の例には、クランプ、面ファスナ(例えば、ベルクロ(VELCRO(登録商標))等が含まれる。好ましい実施態様では、苛酷なクリーニング中にシートを支持ヘッドに機械的に取り付けておくために、支持ヘッドはその上表面にシートを把持する手段を含むであろう。しかし、便利に取り外して廃棄するために、把持手段はシートを容易に解放するであろう。
本発明のクリーニング用具に有用な孔なしクリーニングシートは、上記の通りである。
【0027】
(製造方法)
また、本発明は、多重層孔なしクリーニングシートを製造するための、所望の盛り上げ及びへこみ領域模様を有する形成ベルト100上で構造体の繊維を湿式に絡み合わせる段階を含む特に好ましい方法を含む。これらのベルトは、米国特許第5,275,700号に記載されており、これは先に参考として本明細書に組み入れられ、図13,13A及び図13Bに示されている。ベルトは、縦方向の経糸103と、横方向の緯糸104と、模様枠組み110とを含むことができる。模様枠組みは、当該技術分野では周知のいずれかの方法によって経糸及び緯糸上に形成することができる。米国特許第5,275,700号を参照されたい。枠組みは、中実部分110と空隙部分115とを有し、これらはそれぞれベルト上に形成された孔なしクリーニングシートのへこみ領域及び盛り上げ領域に対応する。形成ベルトの枠組みは、厚さ105を有し、中実110及び空隙領域115を有して、湿式絡み合わせプロセスで孔なしクリーニングシート上に所望模様の盛り上げ領域を形成できるようにしている。枠組みは、厚さが約0.07mm〜約2.0mm、好ましくは0.2mm〜約1.5mm、さらに好ましくは約0.4mm〜0.9mmでなければならない。盛り上げ領域のX−Y次元が、形成ベルトの形成空隙部分の幅よりわずかに大きいことに注意されたい。理論によって制限されることなく、湿式絡み合わせ処理中、空隙に押し込まれた繊維が圧縮力を受けていると考えられている。湿式絡み合わせの後、シートを形成ベルトから取り外した時、得られた盛り上げ領域は自然に拡張し、従って盛り上げ領域が増加する。
【0028】
好ましい全体プロセスは、以下の通りにすることができる。不織繊維材料の層を準備して、所望模様を付けた形成ベルトに載置する。次に、繊維層を湿式絡み合わせ装置内で絡み合わせることによって、クリーニングシートを形成する。次に、絡み合わせシートを乾燥させる。
より好ましいプロセスは、以下の通りである。第1不織層、網状配置のフィラメント(スクリム)を含む第2層、及び第3不織層を準備する。第1層を第2層の上表面に、第2層と面接触する関係にして隣接配置する。第3層を第2層の下表面に、第2層と面接触する関係にして隣接配置する。次に、これらの3層を、所望の模様を付けた形成ベルトに載置する。次に、第1層及び第3層を湿式絡み合わせ装置内で絡み合わせて、フィラメント交差部分間に延在するフィラメント部分が第1層に未接着状態に残り、フィラメント交差部分間に延在するフィラメント部分が第3層に未接着状態に残るようにする。次に、第2層を第1層及び第3層に対して収縮させることができる。接着及び収縮の段階は、同時に行っても、順次に行ってもよい。次に、絡み合わせたシートを乾燥させる。
第2層を第1層及び第3層に断続的に接着する段階は、第1層、第2層及び第3層を比較的低圧で比較的短時間だけ高温加圧して、第2層が第1及び第3層に比較的連続的に接着されることを阻止する段階を含むことができる。
【0029】
(使用方法)
本発明の孔なしクリーニングシート及び別のクリーニング用具は、木材、ビニール、リノリウム、ノーワックス床、セラミック、フォーマイカ(FORMICA)(登録商標)、磁器等を含む全ての硬質表面基材に適合できるように構成されている。それらはまた、通常は、ほこり取りシートを使用できなかった壁、天井、室内装飾品、カーテン、敷物、衣類等の表面にも有効であることがわかっている。
孔なしクリーニングシートが、接触及び保持を含む様々な手段によって、ほこり、糸くず及び他の空中浮遊物質を表面並びに空中から減少又は除去することができる結果、シートは、同様なクリーニング目的用の他の製品及びやり方と較べて、表面又は大気中のそのような物質のレベルを大幅に減少させるであろう。この能力は、本明細書に記載した添加物を含有するシートにおいて特に明らかである。従って、この情報をパッケージ上か、パッケージに関連させて提供して、特に壁、天井、室内装飾品、カーテン、敷物、衣類等の従来では考えられないほこり付着表面でのシートの使用を促進することが重要である。
【0030】
本明細書の孔なしクリーニングシートは、ガラス表面から指紋や他の油性残留物等の残留物を除去するのにも有用である。
特にアレルギーのある消費者の場合、アレルゲンが一般的にほこりの形で存在し、吸い込まれる小粒子レベルを低下させることが特に望ましいので、本明細書のシート、特に好ましい構造体を使用することによって利益が得られる。この利益を得るには、従来のやり方のように汚れが目に見えるようになった時だけでなく、定期的にシートを使用することが重要である。
孔なしクリーニング布は、ティッシュ、トイレットペーパー、ペーパータオル又はガラス拭き雑巾等の他のクリーニング製品の基材としても使用することができる。ガラス拭き雑巾の用途の例が、1999年9月27日に出願された米国特許出願第60/156,286号に示されている。
【0031】
また、本発明は、本発明の孔なしクリーニングシートを含み、孔なしクリーニングシートを、
・粒子状汚れを接触して捕らえ、通常のほこり拭い方法と較べて空気中への汚れの拡散を最小限に抑えること、
・通常のほこり拭い方法より多くの粒子状の汚れを除去すること、
・目に見えない粒子状物質を除去すること、
・追加製品を加える必要がないこと、
・微細粒子状汚れを捕らえるために静電荷を利用すること、
・比較的大きい粒子を捕らえるために巨視的三次元構造体構造を有すること、
・表面安全性を与えること、
・空気中の粒子状物質のレベルを低下させること、
・表面上の粒子状汚れのレベルを減少させること、
・粒子状汚れを接触して捕らえ、通常のほこり拭い方法と較べて空気中への汚れの拡散を最小限に抑えることによって、それらの粒子状汚れの吸い込み及び/又はそれらの粒子状汚れの再付着を最小限に抑えること、
・通常のほこり拭い方法より多くの粒子状の汚れを除去するので、表面がきれいになること、
・追加製品を加える必要がないので、処理が簡単になること、
・粒子状汚れが一度でさらに完全に除去されるので、通常のほこり拭き方法と較べて少ない労力でよいこと、
・この処理は通常のほこり拭き方法と較べて多くの粒子状汚れを収集するので、汚れを家や他の場所から除去することができること、
・空中浮遊アレルゲンの減少が得られること、
・空中浮遊病原菌の減少が得られること、
といった利点の1つ又は複数を達成するための使用説明と組み合わせてパッケージに入れた製品も含む。
【0032】
これらは、孔なしクリーニングシートを収容したパッケージであり、パッケージは、シートの使用によってクリーニング効果が得られることを消費者に言葉及び/又は絵で知らせる情報と組み合わされる。非常に望ましい例では、クリーニングシートの使用によって大気中のほこり及び他の空中浮遊物質のレベルが低下することを消費者に知らせる情報をパッケージに付ける。シートの全利点を確実に実現できるように、布やペット等を含む従来では考えられない表面にシートを使用できることを消費者に知らせることが非常に重要である。それ故に、構成要素を使用することによって、本明細書で記載したクリーニングの改善、空気中の粒子状汚れの減少等の利点が得られることを消費者に言葉及び/又は絵で知らせる情報と組み合わせたパッケージを使用することが、重要である。情報には、消費者に知らせるための通常の全メディアでの広告、並びにパッケージ又はシート自体に付けた説明及びアイコンを含むことができる。
【0033】
本発明の孔なしクリーニングシートが、片面、すなわち、作業面で最適なほこり及びゴミ除去を行うように構成されている場合、好ましい側を使用することを消費者に指示することが望ましい。これは、折り畳んだ時に作業面が外側になるように折り畳んだクリーニングシートを包装することによって、容易に行うことができる。消費者は、別体の使用説明書か、パッケージに印刷された使用説明のいずれかによって、シートを表面に載置してから、シートを開き、手又は用具ハンドルをシート(シートの裏側)に当てて掃除を進めるように指示される。好ましくは、用具ハンドルを使用する時、シートの折り畳みは、消費者が開いた時に折ってできたくぼみがハンドルを載せる自然の床を形成するようなものにする。消費者は、シートの適当な面の使用を確認しながら、シートをハンドル上にどのように取り付けるかを容易に決定することができる。
【0034】
(試験方法)
平均高低差は、コネチカット州、ミドルフィールドのザイゴ(Zygo)コーポレーションのザイゴ・ニュー・ビュー(Zygo New View)2000走査白色光干渉計を使用して決定される。干渉計は、解析に以下の作動パラメータを使用して、すなわち、倍率が0.5Xの2.5Xマイケルソン対物レンズ、ザイゴ焦点白色光フィルタ素子及び通常の解像データ取得(320×240データ点)を使用し、最小変調%を1に設定し、最小面積サイズを7に設定して、標準手順で作動させる。走査長さは、サンプルの輪郭に応じて800μm〜2500μmに設定した。周波数領域解析は、通常モードで計算を行うように設定した。より広い視野に適合するために、5×4の解析マトリックスをザイゴメトロプロ(Zygo MetroPro)v7.1ソフトウェアによって10%のオーバーラップで自動的につなぎ合わせた(最終全解析面積は26.38mm×15.92mmであった)。測定をシート上の無作為位置で少なく10回繰り返し、平均高低差はこれらの測定値の平均である。
クリーニングシートの表面上で実施された孔径及び孔径分布測定は、織物研究学会(TRI)自動多孔度計を、その装置の発行説明書に従って使用して行われる。得られる測定値は、各孔を満たすために必要な水のグラム数で与えられる。当然ながら、これは、各孔のml単位の体積測定値に対応する。総孔径及び孔径分布は、表面の単位面積での測定値であり、1平方メートル当たりの水のグラム数(gsm)で表される。問題の孔径分布は、体積に基づいた孔径分布である。それは、一連の個々の孔径を有する孔に含まれる孔の体積の分布である。
【実施例】
【0035】
(代表的な実施例)
以下は、本発明の孔なしクリーニングシートの説明的な例である。
【0036】
(実施例1〜4)
本例は、本発明の孔なしクリーニングシートを形成するために、2つのカーディングポリエステルウェブを使用する場合を説明する。1.5デニールの2つのカーディングポリエステル繊維ウェブを準備する。2つのカーディングウェブの組み合わせを、短い直径長さが4.66mm、長い対角線長さが7.88mmの図5の丸み付き平行四辺形の0.43mm厚さの中実模様を有する形成ベルトの上部に載置する。次に、シートを湿式で絡み合わせて乾燥する。水流交絡処理によって、繊維が互いに絡み合うようになる一方、繊維が離れて2種類の坪量領域を生じる。次に、シートを乾燥させる。好ましい任意段階として、不織シートを質量において5%の鉱物油及びパラフィンワックスの1:1の混合物で(印刷やスプレー等によって)表面被覆する。
例2は、例1の処理を使用するが、ネック幅が1.03mm、最大胴部幅が3.3mm、底部長さが1.47mm、胴部高さが3.7mmである図6の酒袋形状の0.43mm厚さの中実模様を有する形成ベルトを使用して形成される。
例3は、例1の処理を使用するが、側部長さが2.5mm、底部長さが1.3mm、先端の角度が60°である図7のパイピースの形状の0.83mm厚さの中実模様を有する形成ベルトを使用して形成される。
例4は、例1の処理を使用するが、長さが4.0mm、幅が2.0mmである図8の波状矩形の1.4mm厚さの中実模様を有する形成ベルトを使用して形成される。
【0037】
(実施例5〜8)
例5は、本発明の孔なしクリーニングシートを形成するための、カーディングウェブ及びスクリム(すなわち、ポリプロピレンフィラメントの網)との組み合わせを示す。1.5デニールの2つのカーディングポリエステル繊維ウェブと、その間のスクリムとを準備する。2つのカーディングウェブ及びスクリムの組み合わせを、短い直径長さが4.66mm、長い対角線長さが7.88mmの図5の丸み付き平行四辺形の0.43mm厚さの中実模様を有する形成ベルトの上部に載置する。次に、シートを湿式で絡み合わせて乾燥する。水流交絡処理によって、繊維が互いに絡み合うようになると共にスクリムとも絡み合うようになる一方、繊維が離れて2種類の坪量領域を生じる。次に、シートを乾燥させる。好ましい任意段階として、不織シートを質量において5%の鉱物油及びパラフィンワックスの1:1の混合物で(印刷やスプレー等によって)表面被覆する。別の好ましい任意段階として、乾燥処理中に繊維性シートを横方向に20%まで収縮させる。
【0038】
例6は、例1の処理を使用するが、ネック幅が1.03mm、最大胴部幅が3.3mm、底部長さが1.47mm、胴部高さが3.7mmである図6の酒袋形状の0.43mm厚さの中実模様を有する形成ベルトを使用して形成される。
例7は、例1の処理を使用するが、側部長さが2.5mm、底部長さが1.3mm、先端の角度が60°である図7のパイピースの形状の0.83mm厚さの中実模様を有する形成ベルトを使用して形成される。
例8は、例1の処理を使用するが、長さが4.0mm、幅が2.0mmである図8の波状矩形の1.4mm厚さの中実模様を有する形成ベルトを使用して形成される。
【0039】
(実施例9〜16)
例9〜16は、カーディングポリエステルが1.5デニール及び6デニールの繊維からなることを除いて、例1〜8と同様に形成される。
例1〜16は全て、総孔体積が750gsmを超える。さらに、例1〜6の各々は、約15%を超える孔の孔径が約70ミクロンを超え、約7.5%を超える孔の孔径が約70ミクロン〜約100ミクロンである孔を有する作業表面を含む。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】X−Y次元に沿った本発明の孔なしクリーニングシートの、シートの盛り上げ及びへこみ領域を示す断面図である。
【図2】本発明の孔なしクリーニングシートの、シートの盛り上げ及びへこみ領域を示す概略的平面図である。
【図3】X−Y次元に沿った本発明の孔なしクリーニングシートの好ましい実施態様の、フィラメントを有するスクリム材料を含む第2層を示す断面図である。
【図4】本発明の孔なしクリーニングシートの好ましい実施態様の、シートの側部に平行及び垂直に通るフィラメントを有するスクリム材料を含む第2層を示す概略的平面図である。
【図5】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用される丸み付き平行四辺形の模様の拡大平面図である。
【図6】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用される酒袋の形状の模様の拡大平面図である。
【図7】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用されるパイピース形状の模様の拡大平面図である。
【図8】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用される波状矩形の模様の拡大平面図である。
【図9】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用される丸み付き平行四辺形の模様の平面図である。
【図10】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用される酒袋の形状の模様の平面図である。
【図11】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用されるパイピース形状の模様の平面図である。
【図12】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用される波状矩形の模様の平面図である。
【図13】本発明の好ましい孔なしクリーニングシートを形成するプロセスで使用される好ましい形成ベルトの平面図である。
【図13A】本発明の好ましい孔なしクリーニングシートを形成するプロセスで使用される形成ベルトの断面図である。
【図13B】本発明の好ましい孔なしクリーニングシートを形成するプロセスで使用される形成ベルトの断面図である。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参考として本明細書に組み入れられる1999年12月10日にエー・ウォング(A. Wong)らが出願した米国特許出願第60/170,245号の恩恵を要求する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ほこり、糸くず、毛髪、砂、食べ物くず、草等を除去して捕らえるのに特に適した孔なしクリーニングシートに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
乾燥ほこりのクリーニング用に不織シートを使用することは、当該技術分野では周知である。そのようなシートは、一般的に、接着剤か、絡み合わせか、他の力で結合させた繊維の複合体を用いている。例えば、共に参考として本明細書に組み入れられる米国特許第3,629,047号及び米国特許第5,114,729号を参照されたい。耐久性のある拭き取りシートを提供するために、補強手段が連続フィラメント又は網状構造体構造の形のステープルファイバと組み合わされた。例えば、全てが参考として本明細書に組み入れられる米国特許第4,808,467号、米国特許第3,494,821号及び米国特許第4,144,370号を参照されたい。また、苛酷な拭き取り作業に耐えることができる製品を提供するために、従来の不織シートは、上記力の1つ又は複数によって強く結合させた繊維を用いていた。耐久性がある材料が得られるが、そのような強い結合は、材料の粒子状ゴミを捕らえて保持する能力に悪影響を与えるであろう。
【0004】
この問題に取り組もうとして、1996年6月11日にシズノらに発行されて、参考として本明細書に組み入れられる米国特許第5,525,397号は、高分子網状層と少なくとも1つの不織層とを含み、低交絡率のシートを提供できるように、これらの2層を軽く湿式で絡み合わせたクリーニングシートを記載している。得られたシートは、複合繊維が軽く湿式で絡み合わされているので、強度及び耐久性並びに改善されたほこり収集性能を有すると言われている。397号特許に記載されているシートは、従来の不織クリーニングシートの問題の一部に取り組んでいると主張しているが、これらのシートは、少なくとも巨視的レベルではほぼ均一の坪量であるように見え、また、やはり巨視的レベルでは実質的に均一厚さである。均一の坪量を有するシートである結果、その材料は、様々な大きさ、形状等の汚れの収集及び捕捉にあまり適さない。
クリーニングシートの様々な大きさの汚れを収集して捕らえる適合性を改善するために、ザ・プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Co.)に譲渡されているPCT出願WO98/52458及びWO98/52459は、クリーニングシートに増加した巨視的三次元性を与えることによって、汚れ除去性を向上させることができることを教示している。この三次元性は、シートの本体内に収縮力を与える材料を使用することによって達成される。これらの収縮力は、シートの層を比較的ランダムな山及び谷に折り曲げる。これらの山及び谷は、シート内に様々な収集表面群を与える。しかし、これらの山及び谷は、収縮力によって形成されるので、ほぼ正弦波の形になり、従って、特定高さの表面の量が比較的少ない。
本出願人は、大きく粗い粒子を収集するためのへこみ平面によって取り囲まれた、微細ゴミ粒子の収集を増加するための盛り上げ領域の頂部表面積を増加させることによって、全体的に良好なクリーニングを行うクリーニングシートを開発できることがわかった。
【0005】
織り地状の紙を形成するために形成ベルトを使用することは周知である。1994年1月4日にトロクハン(Trokhan)に発行されて、参考として本明細書に組み入れられる米国特許第5,275,700号が、そのようなベルト、そのようなベルトの製造方法、及び強い吸収性紙ウェブの製造方法を教示している。その方法は、ペーパータオル、ティッシュ及びトイレットペーパー等の強い吸収性紙製品を製造するために使用される。その方法は、真空紙形成プロセスで形成ベルトを使用する段階を含む。この方法によって形成された紙製品は、主に湿式クリーニング及び湿潤表面のクリーニングのための吸収性が得られるように構成された閉鎖構造体構造を有する傾向にある。そのような閉鎖構造体構造は、乾式クリーニング及び粒子状ほこり、ゴミ及び汚れの除去には最適ではない。
1999年4月20日にトロクハンらに発行されて、参考として本明細書に組み入れられる米国特許第5,895,623号は、不織材料の孔あきウェブを製造するために絡み合わせプロセスで模様付き形成ベルトを使用することを開示している。孔あきウェブは、湿潤汚れの管理又はクリーニング用の吸収製品の上部シートとして使用される。孔は、表面から取り除かれたゴミ及びほこりがシートから出る通路を与える結果、ゴミ及びほこりが空中浮遊して、きれいにした表面に再付着するだけであるため、孔あきウェブはほこり取り用クリーニングシートには好まれない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故に、本発明の目的は、従来技術の問題を解決し、特に様々な種類の汚れを除去して捕捉する能力を高めた孔なしクリーニングシートを提供することである。具体的に言うと、本発明の目的は、詳細に後述する、孔を有しておらず、狭い連続へこみ領域によって取り囲まれたランダムでない盛り上げ領域を有する不織構造体構造を提供することである。
別の目的は、特にシートをロール状にしてシート切り離し用のミシン目を入れるか、シートを使用長さに切り取る手段を設けて包装し、得られる改良プロセス及び/又は利点、特に消費者に直感的には明らかでないような利点を消費者に知らせるパッケージにそれらを入れることによって、シートの消費者及びユーザに改善されたクリーニングプロセス及び望ましい利点を与えることである。別の目的は、孔なしクリーニングシートに添加物を、特に基材への汚れの付着性を改善する添加物を加えると共に、特に後述のシートに三次元構造を与えて、そのような組み合わせが特別な性能利点を有し、そのような組み合わせが改善された利点を与えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、巨視的三次元孔なしクリーニングシートであって、作業面及び裏面を有する不織材料からなる少なくとも1つの層を含み、前記作業面がランダムでない盛り上げ領域及びへこみ領域を含み、前記へこみ領域がX−Y次元に個々の盛り上げ領域を取り囲む連続模様を形成し、前記連続へこみ模様がチャネルを含み、前記作業面が少なくとも1mmの平均高低差を有し、前記ランダムでない盛り上げ領域が制御プロセスにより形成され、且つ前記シート内の収縮力から生じるものではないことを特徴とするクリーニングシートに関する。任意であるが、シートは、スクリム材料か、付着性を改善するための添加物を含むことができる。また、ハンドルと上記クリーニングシートとを含むクリーニング用具も開示されている。シートの使用方法、孔なしクリーニングシートの製品利点に関する使用説明を付けた製造物品、及びシートを製造する方法も開示されている。
本発明のシート及び同様なシート、特に本明細書で述べたように低レベルで添加物を含有するもの、特に添加物を少なくとも1つの連続部分全体にほぼ均一に加えたシートは、改良されたクリーニング処理で使用されて、詳細に後述するように、一部が消費者に直感的には明らかでない望ましい利点をシートの消費者及びユーザに与えることができる。従って、シートをロール状にしてシートの切り離しを助けるミシン目を入れるか、シートを使用長さに切り取る手段を設けて包装し、且つ/又は得られる改良プロセス及び/又は利点、特に消費者に直感的には明らかでないような利点を消費者に知らせるパッケージにそれらを入れることが望ましい。添加物を有する孔なしクリーニングシートは、そのような添加物を望ましい低レベルで、好ましくは1カ所又は複数カ所にほぼ均一に加えられたクリーニングシートを含めて、組み合わせ状態で、特別な性能利点を与え、そのような組み合わせは、特にシートが本明細書に記載された望ましい構造を有する時、改善された利点を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(発明の説明)
本明細書で使用する時、「含む」とは、本発明を実施する際に、様々な構成要素、成分及び段階を結合して用いることができることを意味する。それ故に、「含む」という用語は、もっと制限的な用語の「から本質的に成る」及び「から成る」を包含している。
本明細書で使用する時、「孔なし」とは、特に、本発明のシートが、シートの本体を裏面まで貫通した、絡み合わせ処理中に形成された構造体構造の繊維間のランダムに形成された空間より大きい空隙を作業表面上に有しないことを意味する。
本明細書で使用する時、「孔」は、シートを裏面まで貫通しない、シートの作業表面の空間ポケットを指す。
本明細書で使用する時、「巨視的三次元」とは、三次元孔なしクリーニングシートを説明するために使用される時、観察者の目とシートの平面との間の垂直距離が約12インチ(約30.48cm)である時、三次元模様が裸眼で容易に見えることを意味する。言い換えると、シートの片面又は両面が多重平面上にあり、その構造体構造を約12インチ(約30.48cm)離れた位置から見た時に、これらの平面間の距離が裸眼で見えることから、本発明の三次元構造体構造は非平面的な孔なしクリーニングシートである。反対に、「平面的」は、片面又は両面に微細な表面異常を有し、観察者の目とウェブの平面との間の垂直距離が約12インチ(約30.48cm)以上である時、その表面異常が裸眼で容易に見えない孔なしクリーニングシートに当てはまる。言い換えると、巨視的には観察者は、シートの片面又は両面が多重平面上に存在して三次元的であることが観察できないであろう。
【0009】
本明細書で使用する時、「湿式絡み合わせ」とは一般的に、ばら繊維材料(例えば、ポリエステル)の層を孔あき模様付け部材上に支持して、個々の繊維を機械的に絡み合わせることによって布を提供できるようにする十分な大きさの水圧差を加える材料形成方法を意味する。孔あき模様付け部材は、例えば、織り地スクリーン、穿孔金属板等で形成することができる。
本明細書で使用する時、「Z次元」は、本発明のクリーニングシート又はその構成要素の長さ及び幅に直交する次元を指す。Z寸法は一般的に、シートの厚さに対応する。
本明細書で使用する時、「X−Y次元」は、クリーニングシート又はその構成要素の厚さに直交する平面を指す。X及びY寸法は一般的に、それぞれシート又はシート構成要素の長さ及び幅に対応する。
【0010】
本明細書で使用する時、「層」は、主次元がX−Yである、すなわち、その長さ及び幅に沿ったクリーニングシートの部材又は構成要素を指す。層という用語は、単一の材料層又はシートに必ずしも制限されないことを理解する必要がある。従って、層は、必要形式の材料の数枚のシート又はウェブの積層又は組み合わせを含むことができる。それ故に、「層」は、「複数の層」及び「積層」を含む。
本明細書で使用する時、クリーニングシートの「作業面」は、クリーニングすべき表面と接触する(すなわち、用具の環境では、使用中に用具のハンドルから相対的に遠く離れた)面である。「裏面」は反対に、クリーニングすべき表面と接触しない(すなわち、用具の環境では、使用中に用具のハンドルから相対的に遠く離れた)クリーニングシート面を意味する。
本明細書で使用する時、「盛り上げ領域」は、湿式絡み合わせ繊維のクリーニングシートの、作業面により接近して形成された比較的平坦な領域を指す。これらの盛り上げ領域は、使用時にクリーニングすべき表面とより直接的に接触している。「へこみ領域」は、湿式絡み合わせ繊維のシートの、作業面から遠く離して形成された比較的平坦な領域を指す。これらのへこみ領域は、使用時にクリーニングすべき表面とあまり直接的に接触しない。
【0011】
本明細書で使用する時、「ランダムでない」は、盛り上げ及びへこみ領域の形成が制御プロセスによって形成されて、それらが広範囲の粒子サイズのゴミを清掃するのに最適な特定寸法を有するようにしたことを指す。これは、シートの本体内の収縮力から生じるもっとランダムな山及び谷を形成するクリーニングシートと対比される。
本明細書で使用する時、「弾性様挙動」とは、問題の要素がある方向の張力を受けた時に、その方向に測定した伸長寸法が、要素のその方向の元の弛緩寸法の少なくとも120%になるように伸長することができ、伸長張力の除去時に、それが弛緩寸法の10%以内まで戻ることを意味する。
本明細書で使用される全ての百分率、比及び比率は、指示がない限り、質量においてである。
【0012】
(クリーニングシート)
本発明は、様々な表面から様々な寸法、形状、粘ちょう度のほこり、糸くず、毛髪、草、砂、食べ物くず等を取り除くのに有用な孔なしクリーニングシート5に関する。好ましくは、孔なしクリーニングシートは、消費者パネル試験で改善されたクリーニング性能を示すであろう。
本発明の巨視的三次元クリーニングシート5は、不織材料の構造体構造7を含む。不織材料は、特にベルト状の型に載置された溶融材料を使用した成形作業及び/又はフィルム上で行われる機械的作用/修正を伴う成形作業を使用して製造することができる。構造体構造は、本質的な三次元要件がわかれば、多くの方法、例えば、スパンボンド、メルトブローン、真空カーディング等によって製造することができる。特に、他の処理(湿式載置又はペーパータオル等)と較べて非常に望ましい開放構造体構造を与えることから、当該技術分野では周知の湿式絡み合わせによって形成されるものである。
【0013】
従って、本明細書で有用な孔なしクリーニングシートは、上記特徴を有する不織構造体構造である。本発明の不織孔なしクリーニングシートを形成するのに特に適した材料には、例えば、木材パルプ、綿、ウール等の天然繊維と共に、ポリ乳酸繊維等の生分解性繊維や、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポロプロピレン)、ポリエステル、ポリアミド、合成セルロース(例えば、レーヨン(RAYON)(登録商標)、リオセル(Lyocell))、セルロースアセテート、2成分繊維等の合成繊維、及びそれらのブレンドが含まれる。本発明の湿式絡み合わせ繊維性シートを製造するのに好ましい出発原料は、合成素材であって、これは、カーディング、スパンボンド、メルトブローン、空気載置又は他の構造体構造の形にすることができる。ポリエステル、特にカーディングポリエステル繊維が好ましい。繊維の疎水性及び親水性の程度は、除去すべき汚れの種類、添加物がある場合には、含まれる添加物の種類、生分解性、入手しやすさ、及びそのような考慮点の組み合わせのいずれかに関するシートの所望目標に応じて最適化される。一般的に、生分解性が高い材料ほど親水性であるが、有効性が高い材料ほど、疎水性になりがちである。
【0014】
繊維はデニールを有し、それは一般的に当該分野では低い0.1デニールから高い約20デニールまでの範囲にわたる。本発明のクリーニングシートの製造に使用するのに好ましい繊維は、1.5デニール以上、好ましくは約3デニール以上、さらに好ましくは約6デニール以上、さらにもっと好ましくは約11デニール以上を有する。本発明の別の好ましい実施態様は、2種類以上のデニールを有する繊維を含む構造体構造を有する。
繊維は、3葉、六角形、リブ付き、リボン状等や、その組み合わせ等の成形繊維にすることができる。そのような繊維は、本明細書のクリーニングシートのほこり捕捉能力を高めることができる。
孔なしクリーニングシートは、単一繊維層から形成することができるが、好ましくは少なくとも2つの個別層の複合体である。これに関して言うと、個別の繊維層の湿式絡み合わせの前に、絡み合わせによって層を結合する前に各層をわずかに絡み合わせることが望ましいであろう。
【0015】
クリーニングシートの構造体構造7は、シートがランダムでない盛り上げ領域10及びへこみ領域15を有するように形成される。図1及び図2を参照されたい。盛り上げ及びへこみ領域の形状が、シートのクリーニング特性を決定する。盛り上げ領域は、クリーニング中の表面とより直接的に接触して、微細から小粒子までのほこり及びゴミを開放繊維構造内に収集して捕捉する。へこみ領域は、表面とさほど直接的には接触しないで、より大きい粒子のゴミを捕らえて除去するためのポケットを提供するであろう。
その結果、クリーニングシートの2側部が異なったクリーニング特性を有する。従って、各シートは、使用時にクリーニングすべき表面と接触するシート側部である作業面8と、クリーニングすべき表面から離れた、手又は用具で保持されるシート側部である裏側9とを有するであろう。
へこみ領域から盛り上げ領域までの高さ16は、平均高低差(後述の解析方法の項に記載された方法)によって表される。本発明のクリーニングシートの平均高低差は、少なくとも約1mm、好ましくは少なくとも約1.5mmでなければならない。
【0016】
孔なしクリーニングシート5は、シートの作業面上のX−Y次元に個々の盛り上げ領域10を取り囲む連続へこみ模様を形成するへこみ領域15を有する。さらに、連続模様は、幅17が約0.25mm〜約10mm、好ましくは約1mm〜約8mm、さらに好ましくは約2.5mm〜約2mmの狭いチャネルから成る。
好ましくは、作業面8上の盛り上げ領域10の面積とへこみ領域15の面積との比が、約98:2〜約50:50、好ましくは約95:5〜約50:50、さらに好ましくは約80:20〜約60:40である。
盛り上げ領域10は、へこみ領域15の連続模様の内側の模様として形成することができる。作業面が盛り上げ及びへこみ領域を有する限り、いずれの模様も使用することができる。盛り上げ領域用の好ましい模様には、
図5の丸み付き平行四辺形30、すなわち、先端に丸みを付けて、短い対角線の長さ31が約6.5mm〜約7.5mm、長い対角線の長さ32が約9.0mm〜約10.0mmである平行四辺形、
【0017】
図6の酒袋形40、すなわち、ネック幅41が約0.5mm〜約1.5mm、最大胴部幅42が約2.7mm〜約3.7mm、底部長さ43が約1.0mm〜約2.0mm、胴部高さ44が約3.2mm〜約4.2mmである酒袋に似た形状、
図7のパイピース形、すなわち、側部長さ52が約2.0mm〜約3.0mm、端部長さ51が約1.0mm〜約2.0mm、先端の角度53が約55°〜約65°であるパイピースに似た形状、及び
図8の波状矩形60、すなわち、長さ62が約4.0mm〜約5.0mm、幅61が約1.5mm〜約2.5mmである波状矩形の形状
が含まれる。
【0018】
他の好ましい模様として、商標名をつづるか、ロゴデザインに似せた形状が含まれる。
また、好ましい構造体構造は、大きい粒子を小さく潰さないで捕らえることによる利点を与える。
明らかな追加の巨視的三次元を与えると見なすには不十分である山及び谷を有する比較的小さい領域があることは、当該技術分野の専門家には明らかであろう。例えば、そのような領域は、盛り上げ又はへこみ領域内に存在する可能性がある。そのような変動及びばらつきは、製造プロセスの通常の予想される結果であり、平均高低差を測定する時に考慮されない。
【0019】
不織布は、全ての開放表面が、製造プロセスで形成される表面に孔を有する。例えば、湿式絡み合わせプロセスでは、高圧の流体流が繊維をランダムに並べるため、表面に空間ポケットが形成される。従来型クリーニングシートでは、これらの孔は、表面上の孔の総体積が約475〜約700gsmであるようなものである。本発明のクリーニングシートの作業面の孔は、孔の総体積が約750gsmを超え、好ましくは約900gsmを超え、さらに好ましくは約1000gsmを超える。
孔は、微細ほこり粒子の捕捉量を増加させるための露出繊維材料の追加表面積と、中程度の大きさのゴミ粒子を捕捉するための天然ポケットの両方を与える。従って、孔径の分布は、クリーニングシートの広範囲の大きさのゴミ粒子を捕捉する能力にとって重要である。本発明の好ましい実施態様は、約15%を超えるか、好ましくは約20%を超えるか、さらに好ましくは約25%を超える孔体積が、約70ミクロンを超える孔径を有する孔に含まれるような孔径分布を有する。本発明の好ましい実施態様は、約7.5%を超えるか、好ましくは約15%を超えるか、さらに好ましくは約20%を超えるか、さらにもっと好ましくは約25%を超える孔体積が、約70ミクロン〜約100ミクロンの孔径を有する孔に含まれるような孔径分布を有する。
【0020】
(任意のスクリム)
本発明の特に好ましい実施態様では、最終的クリーニングの一体性を高めるために、熱又は接着剤等の化学的手段による積層や、湿式絡み合わせ等によって繊維材料構造体構造7内に配置された高分子網(本明細書では「スクリム」20材料と呼ぶ)を含むことが好ましい。本明細書で有用なスクリム材料は、米国特許第4,636,419号に詳細に記載されており、この特許は参考として本明細書に組み入れられる。スクリムは、押し出しダイで直接的に形成できるが、フィブリル化又はエンボス加工に続いて伸長及び分割を行うことによって押し出しフィルムから形成することもできる。スクリムは、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン、その共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66等から形成することができる。スクリム材料は、様々な民間供給源から入手できる。本発明に有用な好ましいスクリム材料は、コンウェッド・プラスチックス(Conwed Plastics)(ミネソタ州、ミネアポリス)から入手できるポリプロピレンスクリムである。
スクリム材料20は、好ましくは、熱又は接着剤等の化学手段による積層によってクリーニングシート5の繊維構造体構造7に結合される。特に適当なスクリム材料は、ポリプロピレン/EVA樹脂、両面接着剤を有し、加熱等による収縮前のフィラメント数が3本/インチ(1.2本/cm)〜2本/インチ(0.79本/cm)であるミネソタ州、ミネアポリスのコンウェッド・プラスチックスからサーマネット(THERMANET)ブランドの強化網として入手できる熱活性化強化網である。加熱後、スクリムは約3.5〜約4.5本/インチ(約1.4〜約1.8本/cm)又は約2.5〜約3.5本/インチ(約1.0〜約1.4本/cm)のフィラメントを有することができる。
【0021】
「両面接着剤」とは、EVA接着剤(エチル−ビニルアセテート接着剤)がフィラメントの両側に存在することを意味する。EVAの活性化温度は、一般的に約85℃(約185°F)である。スクリムをシート構造体構造のポリエステル繊維に積層化する間、EVA接着剤が活性化されて、スクリムのフィラメントと構造体構造の繊維との間を接着する。理論によって制限されることなく、比較的低圧(例えば、50psi(35153.5kg/m2)未満、さらに好ましくは25psi(17576.75kg/m2)未満)で比較的短時間(例えば、約30秒未満)の加圧では、スクリムのフィラメントが構造体の不織布に連続的には接着されないと考えられている。この不連続接着と、加熱時のポリプロピレンフィラメントの収縮とによって、シートの外面の材質の向上が得られる。
【0022】
(任意の添加物)
シートの少なくとも1つ、好ましくは連続部分に均一に付着させた低レベルの添加物を、汚れ、特に粒子、特にアレルギー反応を引き起こすような粒子の付着性を改善するのに有効な量で使用することによって、汚れ付着性に対して驚くほどの管理水準が得られる。少なくとも添加物がシート上に存在する部分では、油が液状又はスプレーとして加えられる従来の散布作業と異なって、シートを使用した時に特に従来にはなかった表面に目に見えるシミを生じる危険性が非常に低くなるので、低レベルであることが、そのような使い方に重要である。
シートへの汚れの付着性を向上させる界面活性剤又は潤滑剤を含む様々な添加物でシートの繊維を処理する、特に表面処理することによって、本発明の孔なしクリーニングシートのクリーニング性能をさらに向上させることができる。使用する時、そのような添加物は、シートの汚れ付着能力を高めることができるレベルで孔なしクリーニングシートに添加される。そのような添加物は、好ましくは、少なくとも約0.01質量%、さらに好ましくは少なくとも約0.1質量%、さらに好ましくは少なくとも約0.5質量%、さらに好ましくは少なくとも約1質量%、さらにもっと好ましくは少なくとも約3質量%、さらにもっと好ましくは少なくとも約4質量%の追加レベルでクリーニングシートに加えられる。一般的に追加レベルは、約0.1〜約25質量%、さらに好ましくは約0.5〜約20質量%、さらに好ましくは約1〜約15質量%、さらに好ましくは約3〜約10質量%、さらにもっと好ましくは約4〜約8質量%、最も好ましくは約4〜約6質量%である。好ましい添加物は、ワックスか、油(例えば、鉱物油、石油ゼリー等)とワックスとの混合物である。適当なワックスには、様々な炭化水素と共に、一定の脂肪酸(例えば、飽和トリグリセリド)及び脂肪族アルコールのエステルが含まれる。それらは、天然資源(すなわち、動物、植物又は鉱物)から誘導することができるか、合成することができる。これらの様々なワックスの混合物も使用することができる。本発明に使用することができる幾つかの代表的な動物及び植物ワックスには、蜜蝋、カルナウバ、鯨蝋、ラノリン、セラックワックス、キャンデリア等が含まれる。本発明に使用することができる鉱物資源からの代表的なワックスには、パラフィン、ワセリン及び微結晶ワックス等の石油ベースのワックスや、化石、又は白色セレシンワックス、黄色セレシンワックス、白色オゾケライトワックス等の地蝋が含まれる。本発明に使用することができる代表的な合成ワックスには、ポリエチレンワックス等のエチレン高分子、「ハロワックス(Halowax)」等の塩素化ナフタレン、フィッシャー・トロプシュ(Fischer-Tropsch)合成によって製造される炭化水素タイプのワックス等が含まれる。
【0023】
鉱物油及びワックスの混合物を使用する時、構成分は、好ましくは、油対ワックスの比を質量において約1:99〜約7:3に、さらに好ましくは約1:99〜約1:1に、さらにもっと好ましくは約1:99〜約3:7に混合されるであろう。特に好ましい実施態様では、油対ワックスの比が質量において約1:1であり、添加物が質量において約5%の追加レベルで加えられる。好ましい混合物は、鉱物油及びパラフィンワックスが1:1の混合物である。
特に、巨視的三次元性及び添加物を単一のクリーニングシートに設けた時、特に向上したクリーニング性能が達成される。前述したように、添加物を有効レベルで好ましくはほぼ均一にシートの少なくとも1つの連続部分に加える時、これらの低レベルが特に望ましい。特にシートの汚れ付着性を改善する添加物を好ましい低レベルで使用することによって、驚くほど良好なクリーニング、空中のほこり除去、好ましい消費者印象、特に触覚印象が得られ、さらに添加物は、香料、殺虫剤、殺菌剤を含む抗菌剤、及び他の多くの好都合な成分、特に添加物に溶解又は分散可能なものを組み入れて付着させる手段を提供することができる。添加物が基材、パッケージ及び/又は処理される表面に悪影響を与える可能性がある場合、添加物が低レベルであることが特に望ましい。
【0024】
これらの添加物用の塗布手段は、シート構造体の「内側」にあるシート上の点に少なくとも大部分の添加物を塗布する。処理すべき表面及び/又はパッケージと接触する添加物の量を制限することによって、そうしなければ有害であるか、他の表面の機能を妨害する物質が生じる悪影響を限定するか、なくすことができることが、三次元構造体構造の特別な利点である。添加物が構造体の内側に存在することは、構造体の内側に付着する汚れが、その後の拭き取り動作によって離脱する傾向が非常に低くなる点で非常に好都合である。
【0025】
(クリーニング用具)
別の観点では、本発明は、上記孔なしクリーニングシートを含むクリーニング用具に関する。これに関して言うと、クリーニング用具は、ハンドルと、作業面及び裏面を有し、前記作業面がランダムでない盛り上げ領域及びへこみ領域を含み、前記へこみ領域がX−Y次元に個々の盛り上げ領域を取り囲む連続模様を形成し、前記連続へこみ模様がチャネルを含み、前記作業面が少なくとも1mmの平均高低差及び750gsmを超える総孔体積を有し、前記ランダムでない盛り上げ領域が制御プロセスにより形成され、且つ前記シート内の収縮力から生じるものではない不織材料とを有する着脱式クリーニングシートとを含む。
クリーニング用具のハンドルは、人間工学的に実践的なクリーニングを可能にする細長い耐久性のある材料を含む。ハンドルの長さは、用具の最終用途によって決定されるであろう。
【0026】
ハンドルは、好ましくは、クリーニングシートを着脱式に取り付けることができる支持ヘッドを一端部に含むであろう。使用しやすくするために、支持ヘッドは、周知のジョイントアセンブリを使用してハンドルに回動可能に取り付けられている。クリーニング処理中にクリーニングシートを固定しておくことができるものであれば、クリーニングシートを支持ヘッドに取り付けるためのいずれの適当な手段も使用することができる。適当な固定手段の例には、クランプ、面ファスナ(例えば、ベルクロ(VELCRO(登録商標))等が含まれる。好ましい実施態様では、苛酷なクリーニング中にシートを支持ヘッドに機械的に取り付けておくために、支持ヘッドはその上表面にシートを把持する手段を含むであろう。しかし、便利に取り外して廃棄するために、把持手段はシートを容易に解放するであろう。
本発明のクリーニング用具に有用な孔なしクリーニングシートは、上記の通りである。
【0027】
(製造方法)
また、本発明は、多重層孔なしクリーニングシートを製造するための、所望の盛り上げ及びへこみ領域模様を有する形成ベルト100上で構造体の繊維を湿式に絡み合わせる段階を含む特に好ましい方法を含む。これらのベルトは、米国特許第5,275,700号に記載されており、これは先に参考として本明細書に組み入れられ、図13,13A及び図13Bに示されている。ベルトは、縦方向の経糸103と、横方向の緯糸104と、模様枠組み110とを含むことができる。模様枠組みは、当該技術分野では周知のいずれかの方法によって経糸及び緯糸上に形成することができる。米国特許第5,275,700号を参照されたい。枠組みは、中実部分110と空隙部分115とを有し、これらはそれぞれベルト上に形成された孔なしクリーニングシートのへこみ領域及び盛り上げ領域に対応する。形成ベルトの枠組みは、厚さ105を有し、中実110及び空隙領域115を有して、湿式絡み合わせプロセスで孔なしクリーニングシート上に所望模様の盛り上げ領域を形成できるようにしている。枠組みは、厚さが約0.07mm〜約2.0mm、好ましくは0.2mm〜約1.5mm、さらに好ましくは約0.4mm〜0.9mmでなければならない。盛り上げ領域のX−Y次元が、形成ベルトの形成空隙部分の幅よりわずかに大きいことに注意されたい。理論によって制限されることなく、湿式絡み合わせ処理中、空隙に押し込まれた繊維が圧縮力を受けていると考えられている。湿式絡み合わせの後、シートを形成ベルトから取り外した時、得られた盛り上げ領域は自然に拡張し、従って盛り上げ領域が増加する。
【0028】
好ましい全体プロセスは、以下の通りにすることができる。不織繊維材料の層を準備して、所望模様を付けた形成ベルトに載置する。次に、繊維層を湿式絡み合わせ装置内で絡み合わせることによって、クリーニングシートを形成する。次に、絡み合わせシートを乾燥させる。
より好ましいプロセスは、以下の通りである。第1不織層、網状配置のフィラメント(スクリム)を含む第2層、及び第3不織層を準備する。第1層を第2層の上表面に、第2層と面接触する関係にして隣接配置する。第3層を第2層の下表面に、第2層と面接触する関係にして隣接配置する。次に、これらの3層を、所望の模様を付けた形成ベルトに載置する。次に、第1層及び第3層を湿式絡み合わせ装置内で絡み合わせて、フィラメント交差部分間に延在するフィラメント部分が第1層に未接着状態に残り、フィラメント交差部分間に延在するフィラメント部分が第3層に未接着状態に残るようにする。次に、第2層を第1層及び第3層に対して収縮させることができる。接着及び収縮の段階は、同時に行っても、順次に行ってもよい。次に、絡み合わせたシートを乾燥させる。
第2層を第1層及び第3層に断続的に接着する段階は、第1層、第2層及び第3層を比較的低圧で比較的短時間だけ高温加圧して、第2層が第1及び第3層に比較的連続的に接着されることを阻止する段階を含むことができる。
【0029】
(使用方法)
本発明の孔なしクリーニングシート及び別のクリーニング用具は、木材、ビニール、リノリウム、ノーワックス床、セラミック、フォーマイカ(FORMICA)(登録商標)、磁器等を含む全ての硬質表面基材に適合できるように構成されている。それらはまた、通常は、ほこり取りシートを使用できなかった壁、天井、室内装飾品、カーテン、敷物、衣類等の表面にも有効であることがわかっている。
孔なしクリーニングシートが、接触及び保持を含む様々な手段によって、ほこり、糸くず及び他の空中浮遊物質を表面並びに空中から減少又は除去することができる結果、シートは、同様なクリーニング目的用の他の製品及びやり方と較べて、表面又は大気中のそのような物質のレベルを大幅に減少させるであろう。この能力は、本明細書に記載した添加物を含有するシートにおいて特に明らかである。従って、この情報をパッケージ上か、パッケージに関連させて提供して、特に壁、天井、室内装飾品、カーテン、敷物、衣類等の従来では考えられないほこり付着表面でのシートの使用を促進することが重要である。
【0030】
本明細書の孔なしクリーニングシートは、ガラス表面から指紋や他の油性残留物等の残留物を除去するのにも有用である。
特にアレルギーのある消費者の場合、アレルゲンが一般的にほこりの形で存在し、吸い込まれる小粒子レベルを低下させることが特に望ましいので、本明細書のシート、特に好ましい構造体を使用することによって利益が得られる。この利益を得るには、従来のやり方のように汚れが目に見えるようになった時だけでなく、定期的にシートを使用することが重要である。
孔なしクリーニング布は、ティッシュ、トイレットペーパー、ペーパータオル又はガラス拭き雑巾等の他のクリーニング製品の基材としても使用することができる。ガラス拭き雑巾の用途の例が、1999年9月27日に出願された米国特許出願第60/156,286号に示されている。
【0031】
また、本発明は、本発明の孔なしクリーニングシートを含み、孔なしクリーニングシートを、
・粒子状汚れを接触して捕らえ、通常のほこり拭い方法と較べて空気中への汚れの拡散を最小限に抑えること、
・通常のほこり拭い方法より多くの粒子状の汚れを除去すること、
・目に見えない粒子状物質を除去すること、
・追加製品を加える必要がないこと、
・微細粒子状汚れを捕らえるために静電荷を利用すること、
・比較的大きい粒子を捕らえるために巨視的三次元構造体構造を有すること、
・表面安全性を与えること、
・空気中の粒子状物質のレベルを低下させること、
・表面上の粒子状汚れのレベルを減少させること、
・粒子状汚れを接触して捕らえ、通常のほこり拭い方法と較べて空気中への汚れの拡散を最小限に抑えることによって、それらの粒子状汚れの吸い込み及び/又はそれらの粒子状汚れの再付着を最小限に抑えること、
・通常のほこり拭い方法より多くの粒子状の汚れを除去するので、表面がきれいになること、
・追加製品を加える必要がないので、処理が簡単になること、
・粒子状汚れが一度でさらに完全に除去されるので、通常のほこり拭き方法と較べて少ない労力でよいこと、
・この処理は通常のほこり拭き方法と較べて多くの粒子状汚れを収集するので、汚れを家や他の場所から除去することができること、
・空中浮遊アレルゲンの減少が得られること、
・空中浮遊病原菌の減少が得られること、
といった利点の1つ又は複数を達成するための使用説明と組み合わせてパッケージに入れた製品も含む。
【0032】
これらは、孔なしクリーニングシートを収容したパッケージであり、パッケージは、シートの使用によってクリーニング効果が得られることを消費者に言葉及び/又は絵で知らせる情報と組み合わされる。非常に望ましい例では、クリーニングシートの使用によって大気中のほこり及び他の空中浮遊物質のレベルが低下することを消費者に知らせる情報をパッケージに付ける。シートの全利点を確実に実現できるように、布やペット等を含む従来では考えられない表面にシートを使用できることを消費者に知らせることが非常に重要である。それ故に、構成要素を使用することによって、本明細書で記載したクリーニングの改善、空気中の粒子状汚れの減少等の利点が得られることを消費者に言葉及び/又は絵で知らせる情報と組み合わせたパッケージを使用することが、重要である。情報には、消費者に知らせるための通常の全メディアでの広告、並びにパッケージ又はシート自体に付けた説明及びアイコンを含むことができる。
【0033】
本発明の孔なしクリーニングシートが、片面、すなわち、作業面で最適なほこり及びゴミ除去を行うように構成されている場合、好ましい側を使用することを消費者に指示することが望ましい。これは、折り畳んだ時に作業面が外側になるように折り畳んだクリーニングシートを包装することによって、容易に行うことができる。消費者は、別体の使用説明書か、パッケージに印刷された使用説明のいずれかによって、シートを表面に載置してから、シートを開き、手又は用具ハンドルをシート(シートの裏側)に当てて掃除を進めるように指示される。好ましくは、用具ハンドルを使用する時、シートの折り畳みは、消費者が開いた時に折ってできたくぼみがハンドルを載せる自然の床を形成するようなものにする。消費者は、シートの適当な面の使用を確認しながら、シートをハンドル上にどのように取り付けるかを容易に決定することができる。
【0034】
(試験方法)
平均高低差は、コネチカット州、ミドルフィールドのザイゴ(Zygo)コーポレーションのザイゴ・ニュー・ビュー(Zygo New View)2000走査白色光干渉計を使用して決定される。干渉計は、解析に以下の作動パラメータを使用して、すなわち、倍率が0.5Xの2.5Xマイケルソン対物レンズ、ザイゴ焦点白色光フィルタ素子及び通常の解像データ取得(320×240データ点)を使用し、最小変調%を1に設定し、最小面積サイズを7に設定して、標準手順で作動させる。走査長さは、サンプルの輪郭に応じて800μm〜2500μmに設定した。周波数領域解析は、通常モードで計算を行うように設定した。より広い視野に適合するために、5×4の解析マトリックスをザイゴメトロプロ(Zygo MetroPro)v7.1ソフトウェアによって10%のオーバーラップで自動的につなぎ合わせた(最終全解析面積は26.38mm×15.92mmであった)。測定をシート上の無作為位置で少なく10回繰り返し、平均高低差はこれらの測定値の平均である。
クリーニングシートの表面上で実施された孔径及び孔径分布測定は、織物研究学会(TRI)自動多孔度計を、その装置の発行説明書に従って使用して行われる。得られる測定値は、各孔を満たすために必要な水のグラム数で与えられる。当然ながら、これは、各孔のml単位の体積測定値に対応する。総孔径及び孔径分布は、表面の単位面積での測定値であり、1平方メートル当たりの水のグラム数(gsm)で表される。問題の孔径分布は、体積に基づいた孔径分布である。それは、一連の個々の孔径を有する孔に含まれる孔の体積の分布である。
【実施例】
【0035】
(代表的な実施例)
以下は、本発明の孔なしクリーニングシートの説明的な例である。
【0036】
(実施例1〜4)
本例は、本発明の孔なしクリーニングシートを形成するために、2つのカーディングポリエステルウェブを使用する場合を説明する。1.5デニールの2つのカーディングポリエステル繊維ウェブを準備する。2つのカーディングウェブの組み合わせを、短い直径長さが4.66mm、長い対角線長さが7.88mmの図5の丸み付き平行四辺形の0.43mm厚さの中実模様を有する形成ベルトの上部に載置する。次に、シートを湿式で絡み合わせて乾燥する。水流交絡処理によって、繊維が互いに絡み合うようになる一方、繊維が離れて2種類の坪量領域を生じる。次に、シートを乾燥させる。好ましい任意段階として、不織シートを質量において5%の鉱物油及びパラフィンワックスの1:1の混合物で(印刷やスプレー等によって)表面被覆する。
例2は、例1の処理を使用するが、ネック幅が1.03mm、最大胴部幅が3.3mm、底部長さが1.47mm、胴部高さが3.7mmである図6の酒袋形状の0.43mm厚さの中実模様を有する形成ベルトを使用して形成される。
例3は、例1の処理を使用するが、側部長さが2.5mm、底部長さが1.3mm、先端の角度が60°である図7のパイピースの形状の0.83mm厚さの中実模様を有する形成ベルトを使用して形成される。
例4は、例1の処理を使用するが、長さが4.0mm、幅が2.0mmである図8の波状矩形の1.4mm厚さの中実模様を有する形成ベルトを使用して形成される。
【0037】
(実施例5〜8)
例5は、本発明の孔なしクリーニングシートを形成するための、カーディングウェブ及びスクリム(すなわち、ポリプロピレンフィラメントの網)との組み合わせを示す。1.5デニールの2つのカーディングポリエステル繊維ウェブと、その間のスクリムとを準備する。2つのカーディングウェブ及びスクリムの組み合わせを、短い直径長さが4.66mm、長い対角線長さが7.88mmの図5の丸み付き平行四辺形の0.43mm厚さの中実模様を有する形成ベルトの上部に載置する。次に、シートを湿式で絡み合わせて乾燥する。水流交絡処理によって、繊維が互いに絡み合うようになると共にスクリムとも絡み合うようになる一方、繊維が離れて2種類の坪量領域を生じる。次に、シートを乾燥させる。好ましい任意段階として、不織シートを質量において5%の鉱物油及びパラフィンワックスの1:1の混合物で(印刷やスプレー等によって)表面被覆する。別の好ましい任意段階として、乾燥処理中に繊維性シートを横方向に20%まで収縮させる。
【0038】
例6は、例1の処理を使用するが、ネック幅が1.03mm、最大胴部幅が3.3mm、底部長さが1.47mm、胴部高さが3.7mmである図6の酒袋形状の0.43mm厚さの中実模様を有する形成ベルトを使用して形成される。
例7は、例1の処理を使用するが、側部長さが2.5mm、底部長さが1.3mm、先端の角度が60°である図7のパイピースの形状の0.83mm厚さの中実模様を有する形成ベルトを使用して形成される。
例8は、例1の処理を使用するが、長さが4.0mm、幅が2.0mmである図8の波状矩形の1.4mm厚さの中実模様を有する形成ベルトを使用して形成される。
【0039】
(実施例9〜16)
例9〜16は、カーディングポリエステルが1.5デニール及び6デニールの繊維からなることを除いて、例1〜8と同様に形成される。
例1〜16は全て、総孔体積が750gsmを超える。さらに、例1〜6の各々は、約15%を超える孔の孔径が約70ミクロンを超え、約7.5%を超える孔の孔径が約70ミクロン〜約100ミクロンである孔を有する作業表面を含む。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】X−Y次元に沿った本発明の孔なしクリーニングシートの、シートの盛り上げ及びへこみ領域を示す断面図である。
【図2】本発明の孔なしクリーニングシートの、シートの盛り上げ及びへこみ領域を示す概略的平面図である。
【図3】X−Y次元に沿った本発明の孔なしクリーニングシートの好ましい実施態様の、フィラメントを有するスクリム材料を含む第2層を示す断面図である。
【図4】本発明の孔なしクリーニングシートの好ましい実施態様の、シートの側部に平行及び垂直に通るフィラメントを有するスクリム材料を含む第2層を示す概略的平面図である。
【図5】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用される丸み付き平行四辺形の模様の拡大平面図である。
【図6】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用される酒袋の形状の模様の拡大平面図である。
【図7】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用されるパイピース形状の模様の拡大平面図である。
【図8】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用される波状矩形の模様の拡大平面図である。
【図9】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用される丸み付き平行四辺形の模様の平面図である。
【図10】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用される酒袋の形状の模様の平面図である。
【図11】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用されるパイピース形状の模様の平面図である。
【図12】本発明の孔なしクリーニングシートの盛り上げ領域を形成するのに使用される波状矩形の模様の平面図である。
【図13】本発明の好ましい孔なしクリーニングシートを形成するプロセスで使用される好ましい形成ベルトの平面図である。
【図13A】本発明の好ましい孔なしクリーニングシートを形成するプロセスで使用される形成ベルトの断面図である。
【図13B】本発明の好ましい孔なしクリーニングシートを形成するプロセスで使用される形成ベルトの断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巨視的三次元孔なしクリーニングシートであって、
作業面及び裏面を有する不織材料からなる少なくとも1つの層を含み、前記作業面がランダムでない盛り上げ領域及びへこみ領域を含み、前記へこみ領域がX−Y次元に個々の盛り上げ領域を取り囲む連続模様を形成し、前記連続へこみ模様がチャネルを含み、前記作業面が少なくとも1mmの平均高低差及び750gsmを超える総孔体積を有し、前記ランダムでない盛り上げ領域が制御プロセスにより形成され、且つ前記シート内の収縮力から生じるものではないことを特徴とする孔なしクリーニングシート。
【請求項2】
前記不織材料の層は、天然繊維、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、合成セルロース、生分解性繊維、2成分繊維及びそれらのブレンドからなる群から選択された繊維の湿式絡み合わせによって形成される請求項1に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項3】
前記不織材料の層は、湿式絡み合わせによるカーディングポリエステル繊維から製造される請求項2に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項4】
前記不織材料の層は、2.0デニールを超えるデニールを有する繊維から製造される請求項1〜3のいずれか一項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項5】
前記不織材料の層は、2種類以上の異なったデニール測定値を有する繊維から製造される請求項1〜4のいずれか一項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項6】
前記作業面の平均高低差は、少なくとも1.5mmである請求項1〜5のいずれか一項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項7】
15%を超える孔体積が70ミクロンを超える孔径を有する孔に含まれるような孔径分布である請求項1〜6のいずれか一項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項8】
前記チャネルの幅は、0.25mm〜10mmである請求項1〜7のいずれか1項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項9】
前記チャネルは、1mm〜8mmの幅を有する請求項8に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項10】
スクリムをさらに含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項11】
前記スクリムは、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチルビニルアセテート及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリオレフィンから誘導される請求項10に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項12】
シートの少なくとも0.01質量%のレベルで適用される、前記クリーニングシートへの汚れの付着性を改善する添加物をさらに含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項13】
前記添加物は、鉱物油及びワックスの混合物である請求項12に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項14】
前記添加物は、シートの少なくとも1質量%のレベルで適用される請求項12に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項15】
前記添加物は、シートの1質量%〜15質量%のレベルで適用される請求項14に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項16】
前記添加物は、前記連続模様に適用される請求項15に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項17】
前記クリーニングシートは、不織材料の単一の層から製造される請求項1〜16のいずれか一項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項18】
前記使い捨て孔なしクリーニングシートは、届きにくい場所に容易に届くようにするために、軽量用具に取り付けることができる請求項1〜17のいずれか1項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項19】
a.ハンドルと、
b.着脱式クリーニングシートと
を含み、前記クリーニングシートは、請求項1〜18のいずれか1項に記載のシートであることを特徴とするクリーニング用具。
【請求項20】
クリーニングすべき表面を請求項1〜18のいずれか一項に記載のクリーニングシートの作業面と接触させる段階を含むことを特徴とする表面のクリーニング方法。
【請求項21】
折り畳んだ時に作業面が外側になるように折り畳まれており、シートを表面に載置してから、シートの折り畳みを開き、手又は用具ハンドルをシートに当てて掃除を進めるという使用説明と組み合わせてパッケージに入れられた、請求項1〜18のいずれか一項に記載の孔なしクリーニングシートを含むことを特徴とする製造物品。
【請求項1】
巨視的三次元孔なしクリーニングシートであって、
作業面及び裏面を有する不織材料からなる少なくとも1つの層を含み、前記作業面がランダムでない盛り上げ領域及びへこみ領域を含み、前記へこみ領域がX−Y次元に個々の盛り上げ領域を取り囲む連続模様を形成し、前記連続へこみ模様がチャネルを含み、前記作業面が少なくとも1mmの平均高低差及び750gsmを超える総孔体積を有し、前記ランダムでない盛り上げ領域が制御プロセスにより形成され、且つ前記シート内の収縮力から生じるものではないことを特徴とする孔なしクリーニングシート。
【請求項2】
前記不織材料の層は、天然繊維、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、合成セルロース、生分解性繊維、2成分繊維及びそれらのブレンドからなる群から選択された繊維の湿式絡み合わせによって形成される請求項1に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項3】
前記不織材料の層は、湿式絡み合わせによるカーディングポリエステル繊維から製造される請求項2に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項4】
前記不織材料の層は、2.0デニールを超えるデニールを有する繊維から製造される請求項1〜3のいずれか一項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項5】
前記不織材料の層は、2種類以上の異なったデニール測定値を有する繊維から製造される請求項1〜4のいずれか一項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項6】
前記作業面の平均高低差は、少なくとも1.5mmである請求項1〜5のいずれか一項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項7】
15%を超える孔体積が70ミクロンを超える孔径を有する孔に含まれるような孔径分布である請求項1〜6のいずれか一項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項8】
前記チャネルの幅は、0.25mm〜10mmである請求項1〜7のいずれか1項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項9】
前記チャネルは、1mm〜8mmの幅を有する請求項8に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項10】
スクリムをさらに含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項11】
前記スクリムは、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチルビニルアセテート及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリオレフィンから誘導される請求項10に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項12】
シートの少なくとも0.01質量%のレベルで適用される、前記クリーニングシートへの汚れの付着性を改善する添加物をさらに含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項13】
前記添加物は、鉱物油及びワックスの混合物である請求項12に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項14】
前記添加物は、シートの少なくとも1質量%のレベルで適用される請求項12に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項15】
前記添加物は、シートの1質量%〜15質量%のレベルで適用される請求項14に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項16】
前記添加物は、前記連続模様に適用される請求項15に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項17】
前記クリーニングシートは、不織材料の単一の層から製造される請求項1〜16のいずれか一項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項18】
前記使い捨て孔なしクリーニングシートは、届きにくい場所に容易に届くようにするために、軽量用具に取り付けることができる請求項1〜17のいずれか1項に記載の孔なしクリーニングシート。
【請求項19】
a.ハンドルと、
b.着脱式クリーニングシートと
を含み、前記クリーニングシートは、請求項1〜18のいずれか1項に記載のシートであることを特徴とするクリーニング用具。
【請求項20】
クリーニングすべき表面を請求項1〜18のいずれか一項に記載のクリーニングシートの作業面と接触させる段階を含むことを特徴とする表面のクリーニング方法。
【請求項21】
折り畳んだ時に作業面が外側になるように折り畳まれており、シートを表面に載置してから、シートの折り畳みを開き、手又は用具ハンドルをシートに当てて掃除を進めるという使用説明と組み合わせてパッケージに入れられた、請求項1〜18のいずれか一項に記載の孔なしクリーニングシートを含むことを特徴とする製造物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図13A】
【図13B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図13A】
【図13B】
【公開番号】特開2006−320728(P2006−320728A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−178648(P2006−178648)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【分割の表示】特願2001−542801(P2001−542801)の分割
【原出願日】平成12年12月8日(2000.12.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【分割の表示】特願2001−542801(P2001−542801)の分割
【原出願日】平成12年12月8日(2000.12.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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