説明

差動デュプレクサについてのコモンモード信号減衰

差動デュプレクサからの望ましくない信号成分を減衰させるための技法が、説明される。デュプレクサは、RX+ポートとRX−ポートとにおいて差動受信信号を提供する。この差動受信信号は、望ましくないコモンモード信号を含んでおり、これは、送信信号に由来する可能性がある。コモンモード信号は、RX+ポートとRX−ポートとに結合されたインピーダンス整合回路網の中のコモンモードトラップを用いて減衰させられる。整合回路網は、RX+ポートと第1のノードとの間に結合された第1の受動回路と、RX−ポートと第2のノードとの間に結合された第2の受動回路と、第1のノードと第2のノードとの間に結合されたコモンモードトラップと、を含む。一設計においては、コモンモードトラップは、第1のノードとコモンノードとの間に結合された第1のインダクタと、第2のノードとコモンノードとの間に結合された第2のインダクタと、コモンノードと回路接地との間に結合されたキャパシタと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2007年9月10日に出願された「差動デュプレクサについてのコモンモード信号減衰(COMMON MODE SIGNAL ATTENUATION FOR A DIFFERENTIAL DUPLEXER)」という名称の米国仮出願第60/971,207号の利益を主張するものであり、その出願の全開示は本出願の全開示の一部であると考えられる。
【0002】
[I.分野]
本開示は、一般にエレクトロニクスに関し、そしてより詳細には無線通信デバイスにおけるデュプレクサからの望ましくない信号成分を減衰させるための技法に関する。
【0003】
[II.背景]
無線通信デバイス(例えば、セルラー電話)は、無線通信システムとの双方向無線通信をサポートするトランスミッタとレシーバとを有することができる。データ送信では、トランスミッタは、被変調信号を得るためにデータを用いて無線周波数(radio frequency)(RF)キャリア信号を変調することができる。トランスミッタは、さらに、送信信号を得るために被変調信号にフィルタをかけ、そしてその信号を増幅することができ、そして次いで無線システムにおいて基地局へと無線チャネルを経由してこの信号を送信することができる。データ受信では、レシーバは、基地局から信号を受信することができ、そして無線デバイスに対して基地局によって送信されるデータを回復するために受信信号を処理することができる。
【0004】
無線システムは、周波数分割二重化(frequency division duplexing)(FDD)を利用することができる。FDDでは、1つの周波数チャネルは、基地局から無線デバイスへの順方向リンク(またはダウンリンク)のために使用され、そして別の周波数チャネルは、無線デバイスから基地局への逆方向リンク(またはアップリンク)のために使用される。無線デバイスは、2つの周波数チャネル上でデータを同時に送信し、そして受信することができる可能性がある。無線デバイスは、アンテナからレシーバへとRF入力信号を経路指定するための、そしてトランスミッタからアンテナへと送信信号を経路指定するためのデュプレクサを有することができる。デュプレクサは、同じアンテナを共用するトランスミッタとレシーバとの間の分離(isolation)を提供する。理想的には、デュプレクサは、送信信号のどれもレシーバに対して結合するべきではない。実際には、デュプレクサは、送信ポートと受信ポートとの間の良好な分離を有することができず、そして比較的大量の送信信号が、レシーバに対して結合されることができる。結合された送信信号は、レシーバの性能を低下させる可能性があり、あるいはレシーバに仕様を満たさないようにさせる可能性さえもある。
【発明の概要】
【0005】
差動デュプレクサからの望ましくない信号成分を減衰させるための技法が、ここにおいて説明される。差動デュプレクサは、送信ポートにおけるトランスミッタからの送信信号を受信し、そしてアンテナポートにおいてRF出力信号を供給することができる。差動デュプレクサは、さらに、アンテナポートにおいてアンテナからシングルエンドの(single-ended)RF入力信号を受信し、そして差動受信(RX+およびRX−)ポートにおいて差動受信信号を供給することができる。差動受信信号は、送信信号および/またはRF入力信号に由来する可能性がある望ましくないコモンモード信号を含むことができる。コモンモード信号は、RX+ポートとRX−ポートとにおいて同じ位相を有する信号成分からなる。
【0006】
一態様においては、コモンモード信号は、デュプレクサのRX+ポートとRX−ポートとに結合されたインピーダンス整合回路網(impedance matching network)におけるコモンモードトラップ(common mode trap)を用いて減衰させられることができる。整合回路網は、RX+ポートと第1のノードとの間に結合された第1の受動回路と、RX−ポートと第2のノードとの間に結合された第2の受動回路と、第1のノードと第2のノードとの間に結合された分路コンポーネント(shunt circuit component)と、を含むことができる。低雑音増幅器(low noise amplifier)(LNA)は、第1のノードと第2のノードとに結合された差動入力を有することができる。分路コンポーネントは、コモンモードトラップと置換されることができる。
【0007】
一設計においては、コモンモードトラップは、第1のノードとコモンノード(common node)との間に結合された第1のインダクタと、第2のノードとコモンノードとの間に結合された第2のインダクタと、コモンノードと回路接地との間に結合されたキャパシタと、を含む。別の設計においては、コモンモードトラップは、第1のノードとコモンノードとの間に結合された第1のキャパシタと、第2のノードとコモンノードとの間に結合された第2のキャパシタと、コモンノードと回路接地との間に結合されたインダクタと、を含む。両方の設計では、RX+ポートからのコモンモード信号成分は、コモンモードトラップにおける第1の直列LC回路によって第1のノードにおいて減衰させられ、そしてRX−ポートからのコモンモード信号成分は、コモンモードトラップにおける第2の直列LC回路によって第2のノードにおいて減衰させられる。直列LC回路の共振周波数は、RX+ポートおよびRX−ポートにおいてコモンモード送信信号成分の良好な減衰を提供するために送信信号についての周波数範囲内に設定されることができる。
【0008】
本開示の様々な態様および特徴は、以下でさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、無線通信デバイスのブロック図を示している。
【図2】図2は、差動デュプレクサの4つのポートの間の結合を示している。
【図3】図3は、デュプレクサについてのインピーダンス整合回路網を示している。
【図4】図4は、コモンモードトラップを有するインピーダンス整合回路網を示している。
【図5】図5は、コモンモードトラップの直列LCインピーダンスのプロットを示している。
【図6】図6は、コモンモードトラップを有する別のインピーダンス整合回路網を示している。
【図7】図7は、コモンモードトラップを有するさらに別のインピーダンス整合回路網を示している。
【詳細な説明】
【0010】
図1は、無線通信デバイス100の一設計のブロック図を示している。この設計においては、無線デバイス100は、アンテナ102と、トランシーバ110と、データプロセッサ160と、コントローラ/プロセッサ170と、メモリ172と、を含む。トランシーバ110は、無線通信システムとの双方向無線通信をサポートする差動デュプレクサ112と、レシーバ120と、トランスミッタ140と、を含む。一般に、無線デバイス100は、任意の数の通信システムと周波数帯域とのための任意の数のレシーバと、任意の数のトランスミッタと、を含むことができる。
【0011】
トランシーバ110内において、デュプレクサ112は、アンテナ102に結合されたアンテナ(Ant)ポートと、レシーバ120に結合された差動受信(RX+およびRX−)ポートと、トランスミッタ140に結合された送信(TX)ポートと、を有する。受信パス上で、アンテナ102は、基地局から順方向リンク信号を受信し、そしてデュプレクサ112のAntポートに対してシングルエンドのRF入力信号を供給する。デュプレクサ112は、AntポートからRX+ポートとRX−ポートとに対してRF入力信号を結合し、そして差動受信信号をレシーバ120へと供給する。レシーバ120内において、差動受信信号は、インピーダンス整合回路網122を通過させられ、LNA124によって増幅され、そしてRFからベースバンドへとダウンコンバータ126によってダウンコンバートされる。ダウンコンバータ126は、同相(I)および直角位相(Q)のダウンコンバートされた信号を供給し、これらの信号は、可変ゲイン増幅器(variable gain amplifier)(VGA)によって増幅され、低域通過フィルタ130によってフィルタがかけられ、そして増幅器(Amp)132によって増幅される。増幅器132は、IおよびQのアナログ入力信号IinおよびQinをデータプロセッサ160へと供給する。
【0012】
送信パス上で、データプロセッサ160は、送信されるべきデータを処理し、そしてIおよびQのアナログ出力信号IoutおよびQoutをトランスミッタ140に対して供給する。トランスミッタ140内において、IおよびQのアナログ出力信号は、増幅器142によって増幅され、低域通過フィルタ144によってフィルタがかけられ、VGA146によって増幅され、そしてアップコンバータ148によってベースバンドからRFへとアップコンバートされる。アップコンバートされた信号は、帯域通過フィルタ150によってフィルタがかけられ、そしてさらに、送信信号を得るために電力増幅器(power amplifier)(PA)152によって増幅される。デュプレクサ112は、送信信号をTXポートからAntポートへと経路指定し、そしてRF出力信号をアンテナ102へと供給する。
【0013】
局部発振器(local oscillator)(LO)ジェネレータ158は、周波数ダウンコンバージョンのために使用される差動受信LO信号を生成し、そしてこのLO信号をダウンコンバータ126へと供給する。LOジェネレータ158はまた、周波数アップコンバージョンのために使用される差動送信LO信号を生成し、そしてこのLO信号をアップコンバータ148へと供給する。送信および受信のLO信号の周波数は、それぞれデータの送信および受信のために使用される周波数チャネルの中心周波数によって決定されることができる。
【0014】
図1は、一例のトランシーバ設計を示している。一般に、レシーバ120とトランスミッタ140とにおける信号の調整(conditioning)は、1段または複数段の増幅器、フィルタ、ミキサなどによって実行されることができる。これらの回路ブロックは、図1に示されるコンフィギュレーションから異なるように構成されることができる。さらに、図1に示されてはいない他の回路ブロックもまた、トランスミッタとレシーバとの中の信号を調整するために使用されることができる。図1におけるいくつかの回路ブロックはまた、省略されることもできる。トランシーバ110の全部または一部分は、1つまたは複数のRF集積回路(RFIC)、混成信号ICなどの形でインプリメントされることができる。
【0015】
データプロセッサ160は、データの送信および受信のための様々な処理ユニットを含むことができる。コントローラ/プロセッサ170は、無線デバイス100におけるオペレーションを制御することができる。メモリ172は、無線デバイス100についてのプログラムコードとデータとを記憶することができる。データプロセッサ160、コントローラ/プロセッサ170、および/またはメモリ172は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits)(ASIC)および/または他のICの形でインプリメントされることができる。
【0016】
差動デュプレクサ112は、シングルエンドのデュプレクサに優るある種の利点を提供することができる。第1に、差動デュプレクサ112は、差動受信信号をLNA124に対して供給することができ、これは、バラン(balun)または何らかの他の回路が、シングルエンドから差動への変換を実行する必要性を回避することができる。第2に、差動デュプレクサ112は、デュプレクサのRX+ポートとRX−ポートとにおける送信信号のよりよい拒絶を提供することができる可能性がある。
【0017】
図2は、差動デュプレクサ112の4つのポートの間の結合を示している。デュプレクサ112のAntポート、TXポート、RX+ポートおよびRX−ポートは、それぞれポート1、2、3および4と称されることもできる。トランスミッタ140からの送信信号VTXは、TXポートから、S21の複合ゲイン(complex gain)でAntポートへと、S23の複合ゲインでRX+ポートへと、そしてS24の複合ゲインでRX−ポートへと、結合される。アンテナ102からのRF入力信号VRFinは、Antポートから、S13の複合ゲインでRX+ポートへと、そしてS14の複合ゲインでRX−ポートへと、結合される。RX+ポートにおける受信信号VRX+は、Antポートから結合されるRF入力信号と、TXポートから結合される送信信号VTXとから成る。RX−ポートにおける受信信号VRX−はまた、Antポートから結合されるRF入力信号と、TXポートから結合される送信信号VTXとから成る。
【0018】
理想的には、ゲインS21は、大きい(1(unity)に近い)ものであるべきであり、そしてゲインS23およびS24は、非常に小さい、またはゼロであるべきである。この場合には、送信信号の大部分は、Antポートに結合されることになり、そして送信信号のほんのわずかが、RX+ポートまたはRX−ポートに結合されることになる。理想的には、ゲインS13とS14とは、大きい(1に近い)ものであり、そして逆位相を有するべきである。この場合には、RF入力信号の大部分は、RX+ポートとRX−ポートとに結合されることになる。
【0019】
RX+ポートとRX−ポートとにおける差動受信信号は、差動モード信号VDMとコモンモード信号VCMとに分解されることができる。差動モード信号は、RX+ポートとRX−ポートとにおいて逆位相を有する信号成分を有する。コモンモード信号は、RX+ポートとRX−ポートとにおいて同じ位相を有する信号成分を有する。差動モード信号とコモンモード信号とは、RF入力信号と送信信号とからの信号成分を含むことができる。
【0020】
TXからRXの分離(TX-to-RX isolation)は、デュプレクサ112の主要パラメータであり、そしてレシーバ120の線形性要件に対する強い影響を有する。TXからRXの分離は、TXポートからRX+ポートおよびRX−ポートへと結合される送信信号の量を決定する。一般に、より高いTXからRXの分離は、より少ない送信信号の結合または漏れをもたらし、これは、次いでレシーバ120の線形性要件を緩和することができる。これらの線形性要件は、二次のインターセプトポイント(second-order intercept point)(IP2)、三次のインターセプトポイント(IP3)、三重ビート(triple beat)、ゲイン圧縮などの観点から与えられることができる。
【0021】
差動デュプレクサ112では、TXポートにおける送信信号の一部は、RX+ポートおよびRX−ポートに結合されることができる。Antポートが終端処理される(terminated)場合、そのときにはVRX+信号は、TXポートからRX+ポートへと結合される送信信号成分だけを含むことになり、そしてVRX−信号は、TXポートからRX−ポートへと結合される送信信号成分だけを含むことになる。TXポートからRX+ポートへのゲインS23の振幅および位相は、TXポートからRX−ポートへのゲインS24の振幅および位相にマッチしていても、あるいはマッチしていなくてもよい。それ故に、VRX+は、VRX−にマッチしていても、あるいはマッチしていなくてもよい。
【0022】
差動モード信号VDMは、RX+ポートとRX−ポートとにおいて逆位相を有する信号成分を含んでいる。Antポートが、終端処理される場合、そのときには差動モード信号VDMは、次式:
【数1】

【0023】
のように表されることができる。
【0024】
コモンモード信号VCMは、RX+ポートとRX−ポートとにおいて同じ位相を有する信号成分を含んでいる。Antポートが、終端処理される場合、そのときにはコモンモード信号VCMは、次式:
【数2】

【0025】
のように表されることができる。
【0026】
RX+ポートとRX−ポートとにおける送信信号成分が、同じ大きさと位相とを有する場合、そのときにはデュプレクサ112は、送信信号の無限の差動モード減衰を提供する。RX+ポートとRX−ポートとにおける送信信号成分が、同じ大きさであるが、但し逆位相を有する場合、そのときにはデュプレクサ112は、送信信号の無限のコモンモード減衰を提供する。一般に、RX+ポートにおける送信信号成分は、RX−ポートにおける送信信号成分の大きさと位相とに対して、どのような大きさと位相とを有することもできる。
【0027】
送信信号についての差動モード減衰(differential mode attenuation)(DMA)の量と、コモンモード減衰(common mode attenuation)(CMA)の量とは、次式:
【数3】

【0028】
のようにデシベルの単位で与えられることができる。
【0029】
理想的には、差動デュプレクサ112は、非常に高いDMAと非常に高いCMAとの両方を提供すべきであり、その結果、少量の送信信号だけが、RX+ポートとRX−ポートとに現れる。しかしながら、差動デュプレクサ112は、大きな送信信号成分が、RX+ポートとRX−ポートとに存在するときでさえ、非常に高いDMA、または非常に高いCMAのいずれかを有することができる。高いDMAは、大きな送信信号成分が、同じ位相を有するときに、得られることができ、そして高いCMAは、大きな送信信号成分が、逆位相を有するときに、得られることができる。任意の形態(コモンモードか、差動モードか、あるいは両方の組合せか)における大きな送信信号成分は、レシーバ120についてのジャマー(jammers)としての機能を果たす可能性がある。ジャマーは、望ましい信号の帯域幅の外側にある大振幅の望ましくない信号である。しかしながら、レシーバ120の非線形性は、ジャマーに起因した相互変調ひずみを生成する可能性があり、そして相互変調ひずみは、望ましい信号帯域幅の範囲に入り、性能を低下させる可能性がある。それ故に、レシーバ120は、送信信号からのジャマーの存在下で小さな望ましい信号を受信することができる必要があることになる。
【0030】
差動デュプレクサ112は、市販のデュプレクサとすることができ、そして比較的高いDMAを有するが、但し比較的劣ったCMAを有する可能性がある。劣ったCMAに起因した、レシーバ120の入力における比較的大きなコモンモード(CM)送信信号成分の存在は、差動モード(DM)送信信号成分の存在ほども害になる可能性がある。特に、大きなCM信号成分は、IP2、IP3、三重ビート、ゲイン圧縮などについての線形性要件に合格することを困難にする可能性がある。これらの線形性要件は、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)(CDMA)システムでは特に厳しい可能性がある。
【0031】
CM送信信号成分は、よい性能を達成するために減衰させられるべきである。バランまたは変圧器は、デュプレクサ112のRX+ポートとRX−ポートとに結合され、CM送信信号成分を減衰させるために使用されることができる。しかしながら、これは、コストを増大させ、そしてバランを取り除くという、差動デュプレクサを使用するための主要な理由の1つを駄目にしてしまうことになる。代わりに、真に差動のLNAと、後続の回路ブロックとを有する真に差動のレシーバが、使用されることもできる。この場合には、コモンモードゲインは、差動モードゲインよりもずっと小さくすることができる。CM信号成分の大きさは、CM信号成分が、レシーバを通して伝搬するにつれて、減少することができる。しかしながら、そのような真に差動のレシーバは、より複雑になり、より高くつき、より多くの電力を消費するなどの可能性がある。
【0032】
一態様においては、デュプレクサ112のRX+ポートとRX−ポートとからのコモンモード信号は、整合回路網112の中のコモンモードトラップを用いて減衰させられることができる。コモンモードトラップは、受動回路コンポーネントを用いてインプリメントされることができ、そしておのおのがキャパシタ(「C」)と直列に結合されたインダクタ(「L」)を有する直列LC回路を含むことができる。コモンモードトラップは、デュプレクサ112の差動性能に最小限度に影響を及ぼしながら、広範囲の周波数上でCM送信信号成分、ならびに他のCM信号成分を減衰させることができる可能性がある。
【0033】
図3は、図1におけるインピーダンス整合回路網122の一設計であるインピーダンス整合回路網122aの概略図を示している。この設計においては、整合回路網122aは、キャパシタ322aおよび322bと、インダクタ324とを含む。キャパシタ322aは、Cの値を有し、そしてデュプレクサ112のRX+ポートと、ノードAとの間に結合される。キャパシタ322bも、Cの値を有し、そしてデュプレクサ112のRX−ポートと、ノードBとの間に結合される。インダクタ324は、Lの値を有し、そしてノードAとノードBとの間に結合される。キャパシタ322aおよび322bは、直列回路コンポーネントであり、そしてインダクタ324は、分路コンポーネントである。キャパシタ322aおよび322bの値と、インダクタ324の値とは、ノードAとノードBとに結合されたLNA124の差動入力との、デュプレクサ112のRX+ポートとRX−ポートとについての望ましいインピーダンス整合を得るために選択されることができる。
【0034】
図4は、図1におけるインピーダンス整合回路網122の別の設計であるインピーダンス整合回路網122bの概略図を示している。整合回路網122bは、デュプレクサ112のRX+ポートとRX−ポートとからのコモンモード信号を減衰させるコモンモードトラップを含んでいる。図4に示される設計においては、整合回路網122bは、キャパシタ422a、422bおよび426と、インダクタ424bおよび424bと、を含む。キャパシタ422aは、Cの値を有し、そしてRX+ポートとノードAとの間に結合される。キャパシタ422bも、Cの値を有し、そしてRX−ポートとノードBとの間に結合される。インダクタ424aは、L/2の値を有し、そしてノードAとコモンノードCとの間に結合される。インダクタ424bも、L/2の値を有し、そしてノードBとコモンノードCとの間に結合される。キャパシタ426は、CCMの値を有し、そしてコモンノードCと回路接地との間に結合される。
【0035】
図4における整合回路網122bは、実質的にインピーダンス整合のための、図3における整合回路網122aと同じ回路コンポーネントを含んでいる。整合回路網122aにおける分路インダクタ324は、おのおのインダクタ324のインダクタンスの半分を有する2つのインダクタ424aと424bとに分割されている。コモンノードCは、インダクタ424aと424bとの中心ポイントにあり、そして仮想接地である。それ故に、キャパシタ426などの回路コンポーネントは、整合回路網122bの差動性能を変更せずに、コモンノードCに結合されることができる。
【0036】
コモンモードトラップは、インダクタ424aおよび424bと、キャパシタ426とを用いてインプリメントされる。コモンモードトラップは、(i)インダクタ424aとキャパシタ426とによって形成され、そしてノードAにおけるCM信号成分を減衰させるために使用される第1の直列LC回路と、(ii)インダクタ424bとキャパシタ426とによって形成され、そしてノードBにおけるCM信号成分を減衰させるために使用される第2の直列LC回路と、を含む。キャパシタ426は、両方の直列LC回路によって共用される。2つの直列LC回路は、全く同じであるべきであり、あるいはできる限り厳密に整合させられるべきである。
【0037】
差動モード信号VDMでは、RX+ポートにおけるDM信号成分は、RX−ポートにおけるDM信号成分と同じ大きさを有するが、但し逆位相を有する。キャパシタ422aとインダクタ424aとは、キャパシタ422bとインダクタ424bと同じ値を有するので、RX+ポートからのDM信号成分は、コモンノードCにおいてRX−ポートからのDM信号成分と同じ大きさを有するが、但し逆位相を有する。それ故に、RX+ポートとRX−ポートとからのDM信号成分は、コモンノードCにおいて互いに相殺し、このコモンノードCは、差動モード信号に対する仮想接地である。キャパシタ426は、差動モード信号に影響を及ぼさない。
【0038】
コモンモード信号VCMでは、RX+ポートにおけるCM信号成分は、RX−ポートにおけるCM信号成分と同じ大きさと位相とを有する。キャパシタ422aとインダクタ424aとは、キャパシタ422bとインダクタ424bと同じ値を有するので、RX+ポートからのCM信号成分は、コモンノードCにおいてRX−ポートからのCM信号成分と同じ大きさと位相とを有する。それ故に、RX+ポートとRX−ポートとからのCM信号成分は、コモンノードCにおいて一緒に加わる。キャパシタ426は、ノードAとノードBとにおいてCM信号成分についての低インピーダンスを提供するために使用されることができる。
【0039】
直列LC回路の共振周波数fは、次式:
【数4】

【0040】
のように表されることができる。式(5)に示されるように、共振周波数は、インダクタ424aとキャパシタ426との値によって決定され、そしてキャパシタ422aの値には依存しない。インダクタ424aの値は、望ましいインピーダンス整合によって決定されることができる。次いでキャパシタ426の値は、共振周波数が、望ましい周波数にあるように選択されることができる。
【0041】
図5は、直列LCインピーダンスZLCのプロットを示しており、この直列LCインピーダンスは、図4においてノードAを見るインダクタ424aとキャパシタ426とによって形成された直列LC回路のインピーダンスである。この例においては、共振周波数fは、835MHzに設定され、これは、セルラー帯域についての824MHzから849MHzまでの送信周波数範囲のおおよそ中心である。直列LCインピーダンスは、共振周波数fにおいて最小値を有し、そしてその共振周波数から次第により大きな周波数オフセットについて単調に増大する。
【0042】
ノードAにおけるCM信号成分は、共振周波数において最も減衰させられることができる。共振周波数は、トランスミッタからのCM送信信号成分を減衰させるために、送信周波数範囲の中心に、あるいは特定の送信周波数にあるように選択されることができる。共振周波数はまた、何らかの他の周波数にあることもでき、この周波数は、送信周波数範囲の外側にあることもできる。
【0043】
直列LCインピーダンスは、かなり低いものと、例えば、比較的広範囲の周波数上で約数十オームと、することができる。LNA124の入力インピーダンスは、数百オームとすることができる。したがって、直列LCインピーダンスは、LNA入力インピーダンスよりもずっと小さくすることができる。さらに、インダクタ424aとキャパシタ426とは、比較的大きな品質ファクタ(Q)を有する外部ディスクリート回路コンポーネントとすることができる。したがって、直列LCインピーダンスは、広範囲の周波数上でLNA入力インピーダンスと比較して低く、そして例えば、図5に示されるように送信周波数範囲辺りにはないようにすることができる。それ故に、広帯域コモンモード減衰は、直列LC回路を用いて達成されることができる。
【0044】
図4は、デュプレクサ112のRX+ポートとRX−ポートとからのCM信号成分を減衰させるための直列LC回路からなるコモンモードトラップの一設計を示している。一般に、直列LC回路は、整合回路網の中の任意の分路コンポーネントに基づいて形成されることができる。整合回路網の中の分路コンポーネント(例えば、LまたはC)のタイプに応じて、1つまたは複数の相補回路コンポーネント(例えば、CまたはL)が、DM信号成分に対してトランスペアレントでありながら、CM信号成分について低インピーダンスを提供するために整合回路網に追加されることができる。
【0045】
図6は、図1におけるインピーダンス整合回路網122のさらに別の設計であるインピーダンス整合回路網122cの概略図を示している。整合回路網122cは、デュプレクサ112のRX+ポートとRX−ポートとからのCM信号成分を減衰させることもできる。図6に示される設計においては、整合回路網122cは、受動回路622aおよび622bと、インダクタ624bおよび624bと、キャパシタ626と、を含む。受動回路622aは、Zのインピーダンスを有し、そしてRX+ポートとノードAとの間に結合される。受動回路622bも、Zのインピーダンスを有し、そしてRX−ポートとノードBとの間に結合される。受動回路622aと622bとは、おのおの1つまたは複数のインダクタ、キャパシタ、抵抗などを備えることができる。インダクタ624aは、L/2の値を有し、そしてノードAとコモンノードCとの間に結合される。インダクタ624bも、L/2の値を有し、そしてノードBとコモンノードCとの間に結合される。インダクタ624aと624bとは、ノードAとノードBとの間にLの結合された値を有する。キャパシタ626は、CCMの値を有し、そしてコモンノードCと回路接地との間に結合される。
【0046】
コモンモードトラップは、インダクタ624aとキャパシタ626とによって形成された第1の直列LC回路と、インダクタ624bとキャパシタ626とによって形成された第2の直列LC回路と、を含む。キャパシタ626の値は、直列LC回路についての望ましい共振周波数を得るように選択されることができる。式(5)に示されるように、各直列LC回路の共振周波数は、受動回路622aまたは622bのインピーダンスZに依存してはいない。
【0047】
図7は、図1におけるインピーダンス整合回路網122のさらに別の設計であるインピーダンス整合回路網122dの概略図を示している。整合回路網122dは、デュプレクサ112のRX+ポートとRX−ポートとからのCM信号成分を減衰させることもできる。図7に示される設計においては、整合回路網122dは、受動回路722aおよび722bと、キャパシタ724bおよび724bと、インダクタ726と、を含む。受動回路722aは、Zのインピーダンスを有し、そしてRX+ポートとノードAとの間に結合される。受動回路722bも、Zのインピーダンスを有し、そしてRX−ポートとノードBとの間に結合される。受動回路722aと722bとは、おのおの1つまたは複数のインダクタ、キャパシタ、抵抗などを備えることができる。キャパシタ724aは、2Cの値を有し、そしてノードAとコモンノードCとの間に結合される。キャパシタ724bも、2Cの値を有し、そしてノードBとコモンノードCとの間に結合される。キャパシタ724aと724bとは、ノードAとノードBとの間にCの結合された値を有する。インダクタ726は、LCMの値を有し、そしてコモンノードCと回路接地との間に結合される。
【0048】
コモンモードトラップは、キャパシタ724aとインダクタ726とによって形成された第1の直列LC回路と、キャパシタ724bとインダクタ726とによって形成された第2の直列LC回路と、を含む。インダクタ726の値は、直列LC回路についての望ましい共振周波数を得るように選択されることができる。
【0049】
ここにおいて説明されるコモンモードトラップは、分路コンポーネントを有する様々な整合回路網のために使用されることができる。これらの整合回路網は、異なるトポロジを有することができ、そして図6および7の中のインピーダンスZは、任意の関数によって定義されることができる。分路コンポーネントは、インダクタ、またはキャパシタとすることができる。分路コンポーネントは、Lの値を有するインダクタである場合、そのときにはこのインダクタは、図6に示されるようにL/2の値を有する2つのインダクタへと分割されることができる。次いで、キャパシタが、コモンノードCと回路接地との間に追加されることができる。分路コンポーネントが、Cの値を有するキャパシタである場合、そのときにはこのキャパシタは、図7に示されるように2Cの値を有する2つのキャパシタへと分割されることができる。次いで、インダクタは、コモンノードCと回路接地との間に追加されることができる。
【0050】
一般に、インピーダンス整合回路網は、デュプレクサの差動受信ポートからLNAへと差動受信信号を結合することができる。差動受信信号は、差動モード信号と、コモンモード信号と、を備えることができる。インピーダンス整合回路網は、コモンモード信号を減衰させるためのコモンモードトラップを備えることができる。コモンモードトラップは、送信周波数範囲内に、あるいは何らかの他の周波数に位置する共振周波数を有することができる。
【0051】
一設計においては、装置は、第1のノード(例えば、ノードA)とコモンノード(例えば、ノードC)との間に結合された第1の回路コンポーネントと、第2のノード(例えば、ノードB)とコモンノードとの間に結合された第2の回路コンポーネントと、コモンノードと回路接地との間に結合された第3の回路コンポーネントと、を含む。第1、第2および第3の回路コンポーネントは、デュプレクサの差動受信ポートからの第1および第2のノードにおいて受信されるコモンモード信号についての低インピーダンスパス(low impedance path)を提供する。LNAは、第1および第2のノードに結合された差動入力を有することができる。
【0052】
一設計においては、例えば、図6に示されるように、第1および第2の回路コンポーネントは、インダクタとすることができ、そして第3の回路コンポーネントは、キャパシタとすることができる。別の設計においては、例えば、図7に示されるように、第1および第2の回路コンポーネントは、キャパシタとすることができ、そして第3の回路コンポーネントは、インダクタとすることができる。第1および第3の回路コンポーネントは、第1の共振周波数を有することができる。第2および第3の回路コンポーネントは、第1の共振周波数にマッチする第2の共振周波数を有することができる。デュプレクサは、送信ポートからアンテナポートへと送信周波数範囲内の送信信号を結合することができる。第1および第2の共振周波数は、送信周波数範囲内にあることができる。
【0053】
第1の受動回路(例えば、回路622aまたは722a)は、第1のノードと、デュプレクサの第1の受信ポートとの間に結合されることができる。第2の受動回路(例えば、回路622bまたは722b)は、第2のノードと、デュプレクサの第2の受信ポートとの間に結合されることができる。第1および第2の受信ポートは、デュプレクサの差動受信ポートに対応することができる。第1および第2の受動回路と第1および第2の回路コンポーネントとは、デュプレクサの差動受信ポートについてのインピーダンス整合回路網の一部分とすることができる。
【0054】
ここにおいて説明されるコモンモードトラップは、上記に注記された利点に加えて様々な利点を提供することができる。第1に、直列LC回路は、LOジェネレータ158からノードAおよびBへと結合されるCM LO信号成分を減衰させることができる可能性がある。アンテナ102におけるLO信号の最大量についての仕様が存在し得る。直列LC回路によるCM LO信号の減衰は、この仕様を満たす際に助けとなり得る。第2に、直列LC回路は、受信周波数範囲を含むことができる広範囲の周波数上でデュプレクサの「差動性」を改善することができる。LNA124の差動入力における信号成分の間の位相差は、直列LC回路を用いて180°により近いものとすることができる。
【0055】
ここにおいて説明されるコモンモードトラップは、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(Time Division Multiple Access)(TDMA)システム、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access)(FDMA)システム、直交FDMA(Orthogonal FDMA)(OFDMA)システム、単一キャリアFDMA(Single-Carrier FDMA)(SC−FDMA)システムなど、様々な無線通信システムにおける無線デバイスのために使用されることができる。無線デバイスは、CDMAではユニバーサル地上波無線アクセス(Universal Terrestrial Radio Access)(UTRA)やcdma2000など、様々な無線技術をサポートすることができる。UTRAは、広帯域CDMA(Wideband-CDMA)(W−CDMA)と、低チップレート(Low Chip Rate)(LCR)と、を含む。cdma2000は、IS−2000規格と、IS−95規格と、IS−856規格とをカバーする。無線デバイスは、OFDMAでは進化UTRA(Evolved UTRA)(E−UTRA)やウルトラモバイルブロードバンド(Ultra Mobile Broadband)(UMB)などの無線技術をサポートすることもできる。無線デバイスは、セルラー帯域(これは、824MHzから849MHzの送信範囲と、869MHzから894MHzの受信範囲とを有する)、パーソナル通信サービス(Personal Communication Services)(PCS)帯域(これは、1850MHzから1910MHzの送信範囲と、1930MHzから1990MHzの受信範囲とを有する)、IMT−2000帯域(これは、1920MHzから1980MHzの送信範囲と、2110MHzから2170MHzの受信範囲とを有する)、様々なUMTS帯域など、様々な周波数帯域において動作することができる。
【0056】
ここにおいて説明されるコモンモードトラップは、プリント回路基板(printed circuit board)(PCB)上のディスクリート回路コンポーネント(例えば、インダクタおよびキャパシタ)を用いてインプリメントされることができ、そしてICまたはRFICの外部にあることができる。これらのディスクリート回路コンポーネントは、適切な値の市販のコンポーネントとすることができ、この値はデュプレクサによってカバーされる周波数帯域に依存する可能性がある。コモンモードトラップは、IC、RFIC、混成信号IC、ASICなどの内部にインプリメントされることもできる。コモンモードトラップは、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)、N−チャネルMOS(N−MOS)、P−チャネルMOS(P−MOS)、バイポーラ接合トランジスタ(bipolar junction transistor)(BJT)、バイポーラ−CMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)など、様々なICプロセス技術を用いて製造される他の回路ブロック(例えば、LNA)と組み合わせて使用されることができる。コモンモードトラップは、これらのICプロセス技術のうちのどれを用いて製造されることもできる。
【0057】
ここにおいて説明されるコモンモードトラップをインプリメントする装置は、スタンドアロンデバイスとすることもでき、あるいはより大きなデバイスの一部分とすることもできる。デバイスは、(i)スタンドアロンIC、(ii)データおよび/または命令を記憶するためのメモリICを含むことができる1組の1つまたは複数のIC、(iii)RFレシーバ(RFR)やRFトランスミッタ/レシーバ(RTR)などのRFIC、(iv)移動局モデム(mobile station modem)(MSM)などのASIC、(v)他のデバイス内に埋め込まれることができるモジュール、(vi)プリント回路基板、(vii)レシーバ、セルラー電話、無線デバイス、ハンドセット、またはモバイルユニット、(viii)などとすることができる。
【0058】
本開示の上記説明は、任意の当業者が本開示を作り、あるいは使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正は、当業者に対して簡単に明らかになり、そしてここにおいて定義される包括的な原理は、本開示の範囲を逸脱することなく他の変形に対しても適用されることができる。したがって、本開示は、ここにおいて説明される例および設計だけに限定されるようには意図されず、ここにおいて開示される原理および新規特徴と整合した最も広い範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のノードとコモンノードとの間に結合された第1の回路コンポーネントと、
第2のノードと前記コモンノードとの間に結合された第2の回路コンポーネントと、
前記コモンノードと回路接地との間に結合された第3の回路コンポーネントと、
を備え、前記の第1、第2および第3の回路コンポーネントは、デュプレクサの差動受信ポートから前記の第1および第2のノードにおいて受信されるコモンモード信号についての低インピーダンスパスを提供する、装置。
【請求項2】
前記の第1および第2の回路コンポーネントは、インダクタを備え、そして前記第3の回路コンポーネントは、キャパシタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記の第1および第2の回路コンポーネントは、キャパシタを備え、そして前記第3の回路コンポーネントは、インダクタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のノードと、前記デュプレクサの第1の受信ポートとの間に結合された第1の受動回路と、
前記第2のノードと、前記デュプレクサの第2の受信ポートとの間に結合された第2の受動回路と、
をさらに備え、前記の第1および第2の受信ポートは、前記デュプレクサの前記差動受信ポートに対応する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記の第1および第2の回路コンポーネントは、インダクタを備え、前記第3の回路は、キャパシタを備え、そして前記の第1および第2の受動回路は、キャパシタを備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記の第1および第2の受動回路と、前記の第1および第2回路コンポーネントとは、前記デュプレクサの前記差動受信ポートについてのインピーダンス整合を提供する、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記の第1および第2のノードに結合された差動入力を有する低雑音増幅器(LNA)、
をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記の第1および第3の回路コンポーネントは、第1の共振周波数を有し、そして前記の第2および第3の回路コンポーネントは、前記第1の共振周波数にマッチする第2の共振周波数を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記デュプレクサは、送信ポートからアンテナポートへと送信周波数範囲の中の送信信号を結合し、そして前記の第1および第2の共振周波数は、前記送信周波数範囲内にある、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記デュプレクサは、セルラー帯域またはパーソナル通信サービス(PCS)帯域の中で動作する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記の第1、第2および第3の回路コンポーネントは、無線周波数集積回路(RFIC)の外部のディスクリート回路コンポーネントである、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記の第1、第2および第3の回路コンポーネントは、無線周波数集積回路(RFIC)内にインプリメントされる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
異なる受信ポートを有するデュプレクサと、
第1の差動受信ポートと第1のノードとの間に結合された第1の受動回路と、
第2の差動受信ポートと第2のノードとの間に結合された第2の受動回路と、
前記第1のノードとコモンノードとの間に結合された第1の回路コンポーネントと、
前記第2のノードと前記コモンノードとの間に結合された第2の回路コンポーネントと、
前記コモンノードと回路接地との間に結合された第3の回路コンポーネントと、
を備え、前記の第1、第2および第3の回路コンポーネントは、前記デュプレクサの前記差動受信ポートからの前記の第1および第2のノードにおいて受信されるコモンモード信号についての低インピーダンスパスを提供する、無線通信デバイス。
【請求項14】
前記の第1および第2の回路コンポーネントは、インダクタを備え、そして前記第3の回路コンポーネントは、キャパシタを備える、請求項13に記載の無線通信デバイス。
【請求項15】
前記の第1および第2の回路コンポーネントは、キャパシタを備え、そして前記第3の回路コンポーネントは、インダクタを備える、請求項13に記載の無線通信デバイス。
【請求項16】
前記の第1および第2のノードに結合された差動入力を有する低雑音増幅器(LNA)、
をさらに備える請求項13に記載の無線通信デバイス。
【請求項17】
前記LNAは、無線周波数集積回路(RFIC)の中にインプリメントされ、そして前記デュプレクサと、前記の第1および第2の受動回路と、前記の第1、第2および第3の回路コンポーネントとは、前記RFICの外部にある、請求項16に記載の無線通信デバイス。
【請求項18】
デュプレクサの差動受信ポートから低雑音増幅器(LNA)へと差動受信信号を結合するためのインピーダンス整合回路網、
を備え、前記差動受信信号は、差動モード信号とコモンモード信号とを備え、前記インピーダンス整合回路網は、前記コモンモード信号を減衰させるためのコモンモードトラップを備える、装置。
【請求項19】
前記デュプレクサは、送信ポートからアンテナポートへと送信周波数範囲の中の送信信号を結合し、そして前記コモンモードトラップは、前記送信周波数範囲内の共振周波数を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記LNAは、前記デュプレクサからの前記差動モード信号を増幅する、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
デュプレクサの差動受信ポートからの差動受信信号をインピーダンス整合回路網を通して低雑音増幅器(LNA)に対して結合することと、なお前記差動受信信号は、差動モード信号とコモンモード信号とを備える;
前記インピーダンス整合回路網内のコモンモードトラップを用いて前記コモンモード信号を減衰させることと;
を備える方法。
【請求項22】
前記コモンモードトラップの共振周波数を前記デュプレクサについての送信周波数範囲内にあるように設定すること、
をさらに備える請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記LNAを用いて前記差動モード信号を増幅すること、
をさらに備える請求項21に記載の方法。
【請求項24】
デュプレクサの差動受信ポートからの差動受信信号をインピーダンス整合回路網を通して低雑音増幅器(LNA)に対して結合するための手段と、なお前記差動受信信号は、差動モード信号とコモンモード信号とを備える;
前記インピーダンス整合回路網内のコモンモードトラップを用いて前記コモンモード信号を減衰させるための手段と;
を備える装置。
【請求項25】
前記コモンモードトラップの共振周波数を前記デュプレクサについての送信周波数範囲内にあるように設定するための手段、
をさらに備える請求項24に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−539798(P2010−539798A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524964(P2010−524964)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/075881
【国際公開番号】WO2009/036080
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】