説明

巻線コイル及びその製造方法

【課題】 コイルの巻線数に関わらず容易な作業で作製でき、その上、導線の損傷を引き起こすことがなく、さらに、インダクタンス値が低下せず、小型の巻線コイル及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 磁性体からなる、同一形状の板状のコア片を4個接合したコア1と、巻芯の両端に鍔を形成し、この鍔のうち一方の鍔の端面に凸状突起を設け、他方の鍔に凸状突起を嵌め込む凹状溝を設けた、同一形状のボビン体を4個接続したボビン2とを備え、コア片を巻芯にそれぞれ挿入し、コア片の短辺側の端面を、このコア片とは異なるコア片の長辺側の端部の端面に互いに接合し、コア片の接合部にコア片を構成する磁性体と同一材料を塗布し閉磁路を形成したコア1を形成するとともに、ボビン体に導体10により巻線15を施し、凸状突起を凹状溝に嵌合して、コア片とボビン体を矩形状に組み合わせた巻線コイル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、民生用や産業用電子機器等の電気回路に組み込まれて使用される巻線コイル及びその製造方法に関し、特に、複数種の軟磁性粉末と樹脂を混合した磁性体を用い棒状コアに成型し、巻線を施したボビンに挿通して閉磁路コアとした巻線コイル及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
巻線コイルは、一般的に、トロイダルコイル(円形断面単層環状コイル)を用いるが、トロイダルコイルは、リング形状をなすコアに導線を巻線して構成される。このようなトロイダルコイルは、リングコアに導線を1ターンずつ巻き付ける作業が必要であるので、多くの手間、工数がかかるという欠点がある。
【0003】
そこで、この問題を解決するため、特許文献1に記載された技術が提案されている。この技術では、図13に示すように、予め導線を巻線して筒状コイル101を形成し、この筒状コイル101の空芯部に、分割されたリングコア102のそれぞれを挿入する。この際、筒状コイル101をリング状に撓めながら、リングコア102をこの筒状コイル101の空芯部に挿入する。その後リングコア102の分割面を接合して、全体として円環形状をなすトロイダルコイルを構成していた。
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されたものは、予め導線を巻回して形成した筒状コイル101をリング状に撓ませる必要があるので、コイルの巻数が少ない場合でしか採用することができないという欠点があった。
【0005】
また、リングコア102を空芯部に挿入する際に、導線に傷が付き易いので、組立作業が容易ではなかった。
【0006】
そこで、図14に示すように、変形ボビン112を用い、分割されたリングコア113に挿通して円環形状に形成することで、コイルの巻数に関わらず簡易な巻線作業が可能でかつ、導線の損傷を引き起こすことのないトロイダルコイル111に関する技術が特許文献2に記載されている。しかし、この例では、分割されたリングコアのためインダクタンス値が低くなり、かつ、変形ボビンの形状が中空円筒形状の長辺部112aと短辺部112bとを有する略台形断面形状であることから、導線を巻回するときにボビンの中空部と直線状の軸芯を固定する必要があり、また、各ボビンを連結しリング状にするため、ある程度の大きさの内径を有するリングコアが必要であったため、形状を小さくすることが困難であった。
【0007】
【特許文献1】特開2001−068364号公報(図6)
【特許文献2】特開2004−158684号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上述べたように、従来の巻線コイルは、トロイダルコイルのリングコアに導線を1ターンずつ巻き付ける作業が必要であるので、多くの手間、工数がかかるという欠点があった。また、導線に傷が付き易いので、組立作業が容易でなく、かつ分割コイルを使用した場合、インダクタンス値が低くなるという問題があった。また、リング形状であったため、小型化の妨げとなっていた。
【0009】
本発明の目的は、コイルの巻線数に関わらず容易な作業で作製でき、その上、導線の損傷を引き起こすことがなく、さらに、インダクタンス値が低下せず、小型の巻線コイル及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、磁性体からなる、同一形状の棒状又は板状の4個のコア片と、巻芯の両端に鍔を形成し、前記鍔のうち一方の鍔の端面と他方の鍔に互いに嵌合する係止部を設けた、同一形状の4個のボビン体とを備え、前記コア片を前記巻芯にそれぞれ挿入し、前記コア片の短辺側の端面を前記コア片とは異なるコア片の長辺側の端部の端面に互いに接合し、前記コア片の接合部に前記磁性体と同一材料を塗布し閉磁路コアを形成するとともに、前記ボビン体に巻線を施し、前記係止部を嵌合して、前記コア片と前記ボビン体を矩形状に組み合わせたことを特徴とする巻線コイルが得られる。
【0011】
また、本発明によれば、前記コア片は、複数種の軟磁性材料と樹脂を混合した磁性体を圧縮成型または箱状の型に注型後、硬化させて棒状又は板状に成型したことを特徴とする上記の巻線コイルが得られる。
【0012】
また、本発明によれば、同一形状の4個のコア片と同一形状の4個のボビン体を矩形状に組み合わせた巻線コイルの製造方法であって、複数種の軟磁性材料と樹脂を混合した磁性体を圧粉成型または箱状の型に注型後硬化させて棒状又は板状に前記コア片を成型する工程と、前記ボビン体の巻芯の両端に鍔を形成し、前記鍔のうち一方の鍔の端面と他方の鍔に互いに嵌合する係止部を設け、巻芯に巻線を施した後、前記係止部を嵌合する工程と、前記コア片を前記巻芯にそれぞれ挿入し、前記コア片の短辺側の端面を前記コア片とは異なるコア片の長辺側の端部の端面に互いに接合し、前記コア片の接合部に前記磁性体と同一材料を塗布し閉磁路コアを形成する工程を含むことを特徴とする巻線コイルの製造方法が得られる。
【0013】
即ち、本発明によれば、複数種の軟磁性材料と非磁性樹脂を含む磁性体を圧粉成型または箱状の型に注型後硬化させて棒状又は板状にコア片を成型し、前記棒状又は板状のコア片を挿通させるに充分な内径を有したボビン体に導線に絶縁被覆を施した丸線や平角線(導体)を所定の巻数を巻線した後、ボビン体のそれぞれに前記棒状又は板状のコア片を挿通し、これらのコア片の接合部分に、コア片と同一材料の、複数種の軟磁性材料と非磁性樹脂を含む磁性体を塗布後硬化させ一体型のコアにより閉磁路コイルを形成する巻線コイルを実現することが可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明による巻線コイルは、互いに嵌合する係止部として、例えば、対辺する位置の一方には凸状突起と、もう一方には凹状溝が設けたボビン体を用い、各々のボビン体は凸状突起と凹状溝とを嵌合し固定でき、機械による自動巻きにて加工できることにより、リング状のコイルに巻線を施すような手作業による工程が削除できる。
【0015】
また、本発明の巻線コイルでは、各ボビン体を連結し矩形状にするため、リングコアのように、ある程度の内径の確保を必要としなくてすみ、形状を小さくすることが可能となり、小型化を実現できる。
【0016】
また、本発明の巻線コイルでは、棒状又は板状コアの先端付近にL字型にもう一つのコアを設置し、さらにそのコアの先端に他のコアを設置し、さらに別のコアを設置することで閉磁路コイルを形成することにより、同一形状のコアで組み立て可能で、さらに内径部分の空間が大きく設けられていることにより、巻線コイルに電流が流れた際の発熱を緩和できる。
【0017】
さらに、本発明では、複数種の軟磁性材料と非磁性樹脂を含む磁性体を圧粉成型または箱状の型に注型後硬化させて棒状又は板状にコア片を成型し、ボビンに導体を所定の巻数を巻線した後、ボビン体のそれぞれにコア片を挿通し、コア片の接合部にはコア片と同種の磁性体を塗布し硬化させて閉磁路コアとする。これにより、インダクタンスの低下を防止することができる。
【0018】
また、本発明では、常圧注型の成型が可能であり従来の加圧成型と比べて柔軟性のあるコア形状での製造が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における巻線コイルの外観斜視図である。図2は、本発明の第1の実施の形態における巻線コイルの平面図である。図3は、本発明の第1の実施の形態におけるコアの接合状態を示す平面図である。図4は、本発明の第1の実施の形態におけるコアの製造工程を示したフローチャートである。図5は、本発明の第1の実施の形態におけるボビンを説明する展開図であり、図5(a)は、平面図、図5(b)は、左側面図、図5(c)は、正面図、図5(d)は、右側面図、図5(e)は、底面図である。図6は、本発明の第1の実施の形態におけるボビンの凹凸部の嵌合状態を示す平面図である。図7は、本発明の第1の実施の形態における自動巻線機の軸芯をボビンにセットする状態を示す斜視図である。図8は、本発明の第1の実施の形態における自動巻線機でのボビンへ導体を巻回する方法を説明する斜視図である。図9は、本発明の第1の実施の形態における導体を巻回したボビンの組み立て後の状態を示す斜視図である。
【0021】
図1、図2に示すように、本発明の巻線コイルは、4個の棒状又は棒状のコア片を接合したコア1と、導体10がそれぞれの巻枠に巻回され、4個のボビン体を組み合わせたボビン2とからなり、巻線の端部をピン端子5に接続、固定した構成である。なお、ここで、ピン端子5は巻線の端部を接続する端子のみ示している。
【0022】
図3に示すように、コア1は、棒状又は板状のコア片を4個を組み合わせたもので、それぞれの短辺を長辺の端部に接合し、この接合部11に磁性体を塗布し硬化させ閉磁路コアを構成している。
【0023】
最初に、コアの製造方法について、図4に示すその工程のフローチャートを参照して簡単に説明する。ここでは常圧注型の成型について説明する。コアに関しては、本出願人が先に提案した特願2006−014699に記載された材料を用いることできる。
【0024】
図4に示すように、磁性体からなるコアは、まず、第一磁性粉末とカップリング剤をそれぞれ秤量する(ステップS1)。次にこれらを混合し、第一磁性粉末とカップリング剤をなじませる(ステップS2)。第二磁性粉末、第三磁性粉末を秤量する(ステップS3)。さらに、ステップS2の複合材料と第二磁性粉末、第三磁性粉末を混合する(ステップS4)。その後、樹脂粉末を秤量する(ステップS5)。これをステップS4の複合材料に混合する(ステップS6)。次いで、ステップS6の複合材料を加熱し樹脂成分を溶かし流動性を出す(ステップS7)。前記加熱した複合材料を成型用の型に注型する(ステップS8)。注型した複合材料を加熱し硬化させる(ステップS9)。自然冷却後、硬化させた磁性体を型より取り出し、棒状又は板状コアが完成する。
【0025】
コアの材料は、複数種の軟磁性粉末と樹脂との混合物が固化された複合材料であり、複数種の粉末の体積百分率が複合材料の全体積に対して60〜90vol%である複合材料において、複数種の粉末の大部分を占める第一磁性粉末の平均粒径D1に対する第二磁性粉末の平均粒径D2の比率D2/D1が1/400〜1/20の範囲となるような第二磁性粉末が複合材料の全体積に対して1.0vol%以上含まれている。また、第一磁性粉末の平均粒径D1に対する第三磁性粉末の平均粒径D3の比率D3/D1が1/20〜1/2の範囲となるような第三磁性粉末が複合材料の全体積に対して1.0vol%以上含まれている。第二磁性粉末を球状とすることもできる。また、第一磁性粉末の材質としては、Fe−Si系合金、Fi−Si−Al系合金、鉄系アモルファス合金、コバルト系アモルファス合金の少なくとも一つを用いるのが良い。第一磁性粉末としては、例えば、Fe−Si系合金等、第二磁性粉末として、同じくFe−Si系合金等、第三磁性粉末として、Fe−Cr−Si系合金等、樹脂として、熱硬化性エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0026】
図5及び図6に示すように、ボビン2は、可撓性材料にて形成された複数のボビン体は、前記棒状コアを挿通させるに充分な内径を有し巻芯(中空部7)を設けており、かつ互いに嵌合する係止部として、例えば、対辺する位置の一方には凸状突起3と、もう一方には凹状溝4が設けられており、各々のボビン体は凸状突起3と凹状溝4とを嵌合し固定できる形状である。また、ピン端子5は、同一の鍔の左右両側に設けられピン端子植設部に、上下端で先端が突出がするように形成されている。係止部の例として、一方の鍔の端面に凸状突起、他方の鍔に、この突起を嵌め込むことができる凹状溝を設けた例を示したが、一方の鍔に凹状溝、他方の鍔に凸状突起を設けても良く、また、突起、溝の形状も、この実施の形態の形状に限られない。
【0027】
図1及び図2に示すように、巻線15は、導線に絶縁被覆を施した導体(丸線や平角線)を用いて所定のターン数をボビン2に巻回してなる。巻線の導体10の材質は例えば、Cu、Au、Ag、Fe、Pt、Sn、Ni、Pb、Al、Coまたはそれらの合金等を用いることができ、好ましくはCuを用いる。前記巻線15を構成する導体の両端末を所定の寸法をもって絶縁被覆を取り除き端子を形成し巻線15が形成される。
【0028】
次に、本発明の巻線コイルの製造方法を説明する。図7に示すように、先ず、ボビン体2a,2b,2c,2dを自動巻線機の直線状の軸芯8に挿通する。このとき、ボビン体2dの中空部最端に位置する自動巻線機の直線状の軸芯8にはスプリング機構を設けた球状のボール(玉)が埋め込みストッパ9としており、ボビン体2a,2b,2c,2dの位置を固定している。
【0029】
次いで、図8に示すように前記導線の端部をボビン体2aに設けているピン端子5の上部に巻回し仮固定を行った後、自動巻線を回転させ所定の巻回数をボビンの巻枠内に巻回する。
【0030】
さらに、ボビン体2bに巻線する際、ボビン体2aの巻線最端部をボビン体2bに設けられた導体溝6(図5)に引っ掛けたのち、ボビン体2bの巻線を開始する。この際、ボビン体2aからボビン体2bへはある程度の余裕分14で引き回し、導体を渡らせる。
【0031】
次に、ボビン体2c,2dの巻線も前記ボビン体2a,2bと同様に巻線を行い、ボビン体2dの所定巻線を完了後の導体端部をボビン体2dに設けているピン端子5の上部に巻回し仮固定を行い、その後、前記ボビン体2a、2dのピン端子5の固定部をはんだ等により、ピン端子5と導体10を電気的および機械的に固定接続させコイルが完成する。
【0032】
次に、図9に示すように、巻線完了後のボビン体2aの中空部に、板状コア片を挿通させ先端付近にL字型にもう一つのコア片をボビン体2bに挿通し、さらにそのコア片の先端に他のコア片をボビン体2cに挿通し、さらに別のコア片をボビン体2dに挿通し、コイルが完成する。この際、ボビン体2a,2b,2c,2dは、対辺する位置の一方の凸状突起3(図5)と、もう一方の凹状溝4(図5)を嵌合することにより各々のボビンが固定できる。
【0033】
次に、前記コイルの各コア片の接合部11(図3)に複数種の軟磁性材料と非磁性樹脂を含む磁性体を塗布し加熱硬化させコア片を一体とした閉磁路コイルが完成する。
【0034】
本発明では、板状コアを複数種の軟磁性材料と非磁性樹脂を含む磁性体としたが、他の軟磁性材料(例えばFe、Fe−Ni−Mo(スーパーマロイ)、Fe−Al−Si(センダスト)、Fe−Co、Fe−Si、Fe−P等)を使用してもよい。
【0035】
また、本発明では、各コア片の接合部11に前記複数種の軟磁性材料と非磁性樹脂を含む磁性体を塗布し加熱硬化し固着としたが、その他の接着剤(エポキシ系またはアクリル系、またはフェノール系)またはワニス含浸等の固着でもよい。
【0036】
また、より強固に各コア片を固着させる場合は、金具等のホルダーを用いても良い。
【0037】
上記の例では、図1に示すボビン2に設けられているピン端子5に巻線の導体10を接続して外部接続端子としたが、図10に示すように、巻線した導体10をボビン2内に貫通させ外部接続端子23としてもよい。
【0038】
(実施の形態2)
本発明の他の実施の形態を説明する。図11は、本発明の第2の実施の形態における巻線コイルの平面図である。図12は、本発明の第2の実施の形態におけるコアの接合状態を示す平面図である。
【0039】
図11のコア12は、個々のコア片が一方の辺が角から三角形に切り取られた変形台形になっており、図12に示すように、各コア片は切り取られていない辺を他のコア片の面に接合して矩形状にすることにより、コア体積を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施の形態における巻線コイルの外観斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における巻線コイルの平面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるコアの接合状態を示す平面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるコアの製造工程を示したフローチャート。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるボビンを説明する展開図。図5(a)は、平面図、図5(b)は、左側面図、図5(c)は、正面図、図5(d)は、右側面図、図5(e)は、底面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるボビンの凹凸部の嵌合状態を示す平面図。
【図7】本発明の第1の実施の形態における自動巻線機の軸芯をボビンにセットする状態を示す斜視図。
【図8】本発明の第1の実施の形態における自動巻線機でのボビンへ導体を巻回する方法を説明する斜視図。
【図9】本発明の第1の実施の形態における導体を巻回したボビンの組み立て後の状態を示す斜視図。
【図10】本発明の第1の実施の形態における巻線コイルの外部接続端子の他の例を示す斜視図。
【図11】本発明の第2の実施の形態における巻線コイルの平面図。
【図12】本発明の第2の実施の形態におけるコアの接合状態を示す平面図。
【図13】従来のトロイダルコイルの構成を示す平面図。
【図14】従来の他の例のトロイダルコイルの構成を示す平面図。
【符号の説明】
【0041】
1 コア
2 ボビン
2a,2b,2c,2d ボビン体
3 凸状突起
4 凹状溝
5 ピン端子
6 導体溝
7 中空部
8 軸芯
9 ストッパ
10 導体
11 接合部
12 コア
13 導体端部
14 (引き回した導体の)余裕分
15 巻線
23 外部接続端子
101 筒状コイル
102 リングコア
111 トロイダルコイル
112 (変形)ボビン
112a 長辺部
112b 短辺部
113 リングコア
114 導線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体からなる、同一形状の棒状又は板状の4個のコア片と、巻芯の両端に鍔を形成し、前記鍔のうち一方の鍔の端面と他方の鍔に互いに嵌合する係止部を設けた、同一形状の4個のボビン体とを備え、前記コア片を前記巻芯にそれぞれ挿入し、前記コア片の短辺側の端面を前記コア片とは異なるコア片の長辺側の端部の端面に互いに接合し、前記コア片の接合部に前記磁性体と同一材料を塗布し閉磁路コアを形成するとともに、前記ボビン体に巻線を施し、前記係止部を嵌合して、前記コア片と前記ボビン体を矩形状に組み合わせたことを特徴とする巻線コイル。
【請求項2】
前記コア片は、複数種の軟磁性材料と樹脂を混合した磁性体を圧縮成型または箱状の型に注型後、硬化させて棒状又は板状に成型したことを特徴とする請求項1記載の巻線コイル。
【請求項3】
同一形状の4個のコア片と同一形状の4個のボビン体を矩形状に組み合わせた巻線コイルの製造方法であって、複数種の軟磁性材料と樹脂を混合した磁性体を圧粉成型または箱状の型に注型後硬化させて棒状又は板状に前記コア片を成型する工程と、前記ボビン体の巻芯の両端に鍔を形成し、前記鍔のうち一方の鍔の端面と他方の鍔に互いに嵌合する係止部を設け、巻芯に巻線を施した後、前記係止部を嵌合する工程と、前記コア片を前記巻芯にそれぞれ挿入し、前記コア片の短辺側の端面を前記コア片とは異なるコア片の長辺側の端部の端面に互いに接合し、前記コア片の接合部に前記磁性体と同一材料を塗布し閉磁路コアを形成する工程を含むことを特徴とする巻線コイルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−28315(P2008−28315A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201949(P2006−201949)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】