説明

希土類焼結磁石の製造方法

【課題】 磁気特性を劣化することなく成形体強度を向上する。【解決手段】 希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、原料合金微粉に添加金属粉を添加して成形し、焼結を行う。添加金属粉は、例えばAl粉、Ni粉、Zr粉、Mn粉、Fe粉、Co粉、Cu粉、Zn粉、Ag粉、Sn粉、Bi粉から選ばれる1種または2種以上である。原料合金を粗粉砕する粗粉砕工程及び微粉砕する微粉砕工程を有する場合、微粉砕工程後に添加金属粉を添加する。あるいは、粗粉砕工程後に添加金属粉を添加する。添加金属粉の添加量は0.01質量%以上である。添加金属粉は、板状の金属粉であることが好ましく、その場合、厚さは10μm以下とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類元素、遷移金属元素及びB(ホウ素)を主成分とする希土類焼結磁石の製造方法に関するものであり、特に、粉末冶金法により希土類焼結磁石を製造するに際し、焼結前の成形体強度を改良するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
希土類焼結磁石、例えばNd−Fe−B系焼結磁石は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であること等の利点を有することから、近年、その需要は益々拡大する傾向にある。このような状況から、Nd−Fe−B系焼結磁石の磁気特性を向上するための研究開発や、品質の高い希土類焼結磁石を製造するための製造方法の改良(例えば、特許文献1や特許文献2等を参照。)等が各方面において進められている。
【0003】
例えば、特許文献1記載の発明では、特定の有機溶剤で希釈した潤滑剤を合金粉末に混合することで、潤滑剤の添加による成形体強度の低下を解消するようにしている。特許文献2記載の発明では、潤滑剤を添加するタイミングを変更することで、潤滑剤添加による配向度の向上等の効果を享受しつつ、粉砕機器の損耗を低減するようにしている。
[特許文献1]特開平9−3504号公報
[特許文献2]特開2003−68551号公報
【0004】
希土類焼結磁石の製造方法としては、前述の各特許文献にも記載されるように、粉末冶金法が知られており、低コストでの製造が可能なことから、広く用いられている。粉末冶金法では、先ず、原料合金インゴットを粗粉砕及び微粉砕し、粒径が数μm程度の原料合金微粉を得る。このようにして得られた原料合金微粉を静磁場中で磁場配向させ、磁場を印加した状態でプレス成形を行う。磁場中成形後、成形体を真空中、または不活性ガス雰囲気中で焼結し、さらに時効処理を行う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述のような粉末冶金法により希土類焼結磁石を作製する場合、焼結前の成形体が圧粉体であるために強度が弱く、そのため成形が困難であるという問題がある。また成形体強度が不足すると、成形体をハンドリングする際に割れや欠けが生じ易くなり、これを原因とした歩留まり低下が問題となる。
【0006】
したがって、希土類焼結磁石を粉末冶金法により製造する場合には、成形体強度を改善するための技術の開発が望まれるところである。成形体強度に関する記述は、先の特許文献1にも見られるが、この特許文献1記載の技術は、潤滑剤の添加による強度低下を解消するというのが主旨であり、成形性に主眼が置かれており、積極的に成形体強度を高めるという思想はない。
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、磁気特性を劣化することなく成形体強度を向上し得る技術を開発することを目的とし、これにより、磁気特性に優れた希土類焼結磁石を歩留まり良く製造し得る希土類焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上述の目的を達成するために、長期に亘り種々の検討を重ねてきた。その結果、原料合金微粉への金属粉(例えばAl粉、Ni粉、Zr粉、Mn粉)の添加が有効であるとの結論を得るに至った。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、R(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である)、T(TはFe又はFe、Coを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素)及びBを含む原料合金微粉を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、添加金属粉を添加してある前記原料合金微粉を成形し、焼結を行うことを特徴とする。添加金属粉としては、例えばAl粉、Ni粉、Zr粉、Mn粉から選ばれる1種または2種以上である。
【0009】
原料合金微粉の成形に際して添加金属粉を添加することにより、成形体強度が向上する。特に、添加金属粉を板状の金属粉としたときに、効果が高い。その理由について、詳細は不明であるが、実験的に確かめられた事実である。このとき、添加金属粉が原因の磁気特性劣化は小さい。
【0010】
添加金属粉の添加時期は、溶解鋳造した原料合金を粉砕した後、成形する前であれば任意であり、例えば粗粉砕後、あるいは微粉砕後のいずれでもよいが、なるべく粉砕が進んだ状態で添加することにより成形体強度の向上度合いが大きくなる。なお、例えばAlやZr、Ni、Mn等は、希土類焼結磁石に含まれる元素としても知られているが、本発明の目的を達成するためには、原料合金を溶解、鋳造する段階で添加しても効果はなく、溶解、鋳造した原料合金を粉砕した後、原料合金粉にAl粉、Zr粉、Ni粉、Mn粉等として添加することが必要である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の製造方法によれば、焼結前の成形体の強度を向上することができ、成形を容易なものとすることができ、成形体をハンドリングする際に割れや欠けが発生するのを抑制することができる。したがって、成形体の割れや欠け等による歩留まりの低下を減少することができ、希土類焼結磁石を効率的に製造することが可能である。また、本発明によれば、焼結後の希土類焼結磁石の磁気特性を劣化することもなく、保磁力や残留磁束密度等の磁気特性に優れた希土類焼結磁石を製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
[図1]希土類焼結磁石の製造プロセスの一例を示すフローチャートである。
[図2]希土類焼結磁石の製造プロセスの他の例を示すフローチャートである。
[図3]抗折強度の測定法を説明する概略斜視図である。
[図4]球状Al粉の顕微鏡写真である。
[図5]板状Al粉の顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0013】
1 合金化工程、2 粗粉砕工程、2a 水素粉砕工程、2b 機械的粗粉砕工程、3 微粉砕工程、4 磁場中成形工程、5 焼結・時効工程、6 加工工程、7 表面処理工程、11 成形体、12,13,14 支持具
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を適用した希土類焼結磁石の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
本発明の製造方法において、製造対象となる希土類焼結磁石は、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を主成分とするものである。磁石組成は、目的に応じて任意に選択すればよい。
【0016】
例えば、R−T−B(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である。TはFeまたはFe及びCoを必須とする遷移金属元素の1種または2種以上であり、Bはホウ素である。)系希土類焼結磁石とする場合、磁気特性に優れた希土類焼結磁石を得るためには、焼結後の磁石組成において、希土類元素Rが20〜40質量%、ホウ素Bが0.5〜4.5質量%、残部が遷移金属元素Tとなるような配合組成とすることが好ましい。ここで、Rは、希土類元素、すなわちY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb及びLuから選ばれる1種、または2種以上である。中でも、Ndは、資源的に豊富で比較的安価であることから、主成分をNdとすることが好ましい。また、Dyの含有は異方性磁界を増加させるため、保磁力Hcjを向上させる上で有効である。
【0017】
あるいは、添加元素Mを加えて、R−T−B−M系希土類焼結磁石とすることも可能である。この場合、添加元素Mとしては、Al、Cr、Mn、Mg、Si、Cu、C、Nb、Sn、W、V、Zr、Ti、Mo、Bi、Ga等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を選択して添加することができる。これら添加元素Mの添加量は、残留磁束密度等の磁気特性を考慮して、3質量%以下とすることが好ましい。添加元素Mの添加量が多すぎると、磁気特性が劣化するおそれがある。
【0018】
勿論、これら組成に限らず、希土類焼結磁石として従来公知の組成全般に適用可能であることは言うまでもない。
【0019】
上述の希土類焼結磁石を製造するには、粉末冶金法が採用される。以下、希土類焼結磁石の粉末冶金法による製造方法について説明する。
【0020】
図1は、粉末冶金法による希土類焼結磁石の製造プロセスの一例を示すものである。この製造プロセスは、基本的には、合金化工程1、粗粉砕工程2、微粉砕工程3、磁場中成形工程4、焼結・時効工程5、加工工程6、及び表面処理工程7とにより構成される。なお、酸化防止のために、焼結後までの各工程は、ほとんどの工程を真空中、あるいは不活性ガス雰囲気中(窒素雰囲気中、Ar雰囲気中等)で行うことが好ましい。
【0021】
合金化工程1では、原料となる金属、あるいは合金を磁石組成に応じて配合し、真空あるいは不活性ガス、例えばAr雰囲気中で溶解し、鋳造することにより合金化する。鋳造法としては、溶融した高温の液体金属を回転ロール上に供給し、合金薄板を連続的に鋳造するストリップキャスト法(連続鋳造法)が生産性等の観点から好適であるが、本発明はそれに限ったものではない。原料金属(合金)としては、純希土類元素、希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。凝固偏析を解消すること等を目的に、必要に応じて溶体化処理を行ってもよい。溶体化処理の条件としては、例えば真空またはAr雰囲気下、700〜1500℃領域で1時間以上保持する。
【0022】
合金はほぼ最終磁石組成である単一の合金を用いても、最終磁石組成になるように、組成の異なる複数種類の合金を混合してもよいも良い。混合は合金・原料粗粉・原料微粉のどの工程でもよいが、混合性から合金での混合が望ましい。
【0023】
粗粉砕工程2では、先に鋳造した原料合金の薄板、あるいはインゴット等を、粒径数百μm程度になるまで粉砕する。粉砕手段としては、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いることができる。
【0024】
前記粗粉砕工程2は、複数の粉砕手段を組み合わせた複数工程により構成することも可能である。図2は、粗粉砕工程2を、水素粉砕工程2aと、機械的粗粉砕工程2bの2工程とした例である。水素粉砕工程2aは、鋳造した原料合金に水素を吸蔵させ、相によって水素吸蔵量が異なることを利用して、自己崩壊的に粉砕する工程である。これにより、粒径数mm程度の大きさに粉砕することができる。機械的粗粉砕工程2bは、先にも述べたようなブラウンミル等の機械的手法を利用して粉砕する工程であり、前記水素粉砕工程2aにより数mm程度の大きさに粉砕された原料合金粉を、粒径数百μm程度になるまで粉砕する。粗粉砕性を向上させるために、水素粉砕工程を組み合わせた粗粉砕を行うことが効果的である。水素粉砕工程2aを行う場合、機械的粗粉砕工程2bは省略することも可能である。
【0025】
前述の粗粉砕工程2が終了した後、通常、粗粉砕した原料合金粉に粉砕助剤を添加する。粉砕助剤としては、例えば脂肪酸系化合物等を使用することができるが、特に、脂肪酸アミドを粉砕助剤として用いることで、良好な磁気特性を有する希土類焼結磁石を得ることができる。粉砕助剤の添加量としては、0.03〜0.4質量%とすることが好ましい。この範囲内で粉砕助剤を添加した場合、焼結後の残留炭素の量を低減することができ、希土類焼結磁石の磁気特性を向上させる上で有効である。
【0026】
粗粉砕工程2の後、微粉砕工程3を行うが、この微粉砕工程3は、例えばジェットミルを使用して行われる。微粉砕の際の条件は、用いる気流式粉砕機に応じて適宜設定すればよく、原料合金粉を平均粒径が1〜10μm程度、例えば3〜6μmとなるまで微粉砕する。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)を狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粉体の粒子を加速し、粉体の粒子同士の衝突や、ターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。ジェットミルは、一般的に、流動層を利用するジェットミル、渦流を利用するジェットミル、衝突板を用いるジェットミル等に分類される。
【0027】
微粉砕工程3の後、磁場中成形工程4において、原料合金微粉を磁場中にて成形する。具体的には、微粉砕工程3にて得られた原料合金微粉を電磁石を配置した金型内に充填し、磁場印加によって結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。磁場中成形は、縦磁場成形、横磁場成形のいずれであってもよい。この磁場中成形は、例えば800〜1500kA/mの磁場中で、130〜160MPa前後の圧力で行えばよい。
【0028】
次に焼結・時効工程5において、焼結及び時効処理を実施する。すなわち、原料合金微粉を磁場中成形後、成形体を真空または不活性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、例えば1000〜1150℃で5時間程度焼結すればよく、焼結後、急冷することが好ましい。焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことが好ましい。この時効処理は、得られる希土類焼結磁石の保磁力Hcjを制御する上で重要な工程であり、例えば不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で時効処理を施す。時効処理としては、2段時効処理が好ましく、1段目の時効処理工程では、800℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温〜200℃の範囲内にまで急冷する第1急冷工程を設ける。2段目の時効処理工程では、550℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温まで急冷する第2急冷工程を設ける。600℃近傍の熱処理で保磁力Hcjが大きく増加するため、時効処理を一段で行う場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
【0029】
前記焼結・時効工程5の後、加工工程6及び表面処理工程7を行う。加工工程6は、所望の形状に機械的に成形する工程である。表面処理工程7は、得られた希土類焼結磁石の酸化を抑えるために行う工程であり、例えばメッキ被膜や樹脂被膜を希土類焼結磁石の表面に形成する。
【0030】
以上の製造プロセスにおいて、本発明では、原料合金微粉に成形助剤として添加金属粉を添加し、磁場中成形工程4において成形するようにする。添加金属粉としては、Al、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Ag、Sn、Bi等、任意の金属粉を用いることができ、これらの中から1種、または2種以上を選択して使用すればよい。中でも、Al粉、Ni粉、Zr粉、Mn粉が好ましく、これらから選択される1種、あるいは2種以上を成形助剤として添加することが好適である。
【0031】
添加金属粉の添加時期は、合金化工程1により原料合金を溶解鋳造し、粉砕した後、磁場中成形工程4において磁場中成形するまでの間であればよい。例えば、図1に示す製造プロセスの場合、微粉砕工程3の後(図中、添加時期A)、あるいは粗粉砕工程2の後(図中、添加時期B)、である。図2に示す製造プロセスの場合、微粉砕工程3の後(図中、添加時期A)、機械的粗粉砕工程2bの後(図中、添加時期B)、あるいは水素粉砕工程2aの後(図中、添加時期C)である。
【0032】
添加金属粉の添加時期は、基本的にはこれらのいずれであってもよいが、原料合金の粉砕が進んでから添加する方が効果が高い。最も効果が高いのは、成形直前の原料合金微粉に添加する場合である。したがって、例えば、図1の製造プロセスにおいては、粗粉砕工程2の後(添加時期B)に添加するよりも、微粉砕工程3の後(添加時期A)に添加する方が効果が高い。同様に、図2に示す製造プロセスにおいては、水素粉砕工程2aの後(添加時期C)に添加するよりも、機械的粗粉砕工程2aの後(添加時期B)に添加する方が効果が高く、さらに、機械的粗粉砕工程2aの後(添加時期B)に添加するより微粉砕工程3の後(添加時期A)に添加する方が効果が高い。
【0033】
添加金属粉は公知の混合方法で混合すればよく、例えば、Vミキサー、リボンミキサー等、均一に混合されればどのような方法を採用しても良い。
【0034】
添加金属粉の添加量としては、原料合金微粉に対して0.01質量%以上とすることが好ましく、0.02質量%以上とすることがより好ましい。添加金属粉の添加量が0.01質量%未満であると、十分な効果を得ることが難しくなる。ただし、磁気特性の劣化を考慮すると、0.5質量%以下とすることが好ましい。添加金属粉の添加量が0.5質量%を越えると、磁気特性の劣化が問題となるおそれがある。
【0035】
添加金属粉の最適添加量は、添加金属粉の種類によって異なり、例えばAl粉の最適添加量は、0.15質量%以上、0.3質量%以下である。Ni粉の最適添加量は、0.02質量%〜0.08質量%である。Zr粉の最適添加量は、0.15質量%〜0.3質量%である。Mn粉の最適添加量は、0.02質量%〜0.25質量%である。
【0036】
添加する添加金属粉の平均粒径等は任意であり、例えば、使用する添加金属粉の平均粒径は、原料合金微粉の粒径に応じて適宜選定すればよい。好ましくは、添加金属粉の平均粒径が50μm以下であり、10μm以下であることがより好ましい。
【0037】
使用する添加金属粉の形状も任意であるが、板状である場合に効果が高い。したがって、例えば鱗片状等、所定の厚みを持った平板状の金属粉を用いることが好ましい。このような板状の粉体は、例えば粉体を顕微鏡等で観察することにより、容易に判別することができる。前記板状の金属粉において、板状比(板面径/板厚)や粒径、厚さは任意であるが、好ましくは板状比2〜15である。板面径は、50μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。中でも重要なのは、板状粉の厚さであり、板状の金属粉の厚さは10μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。厚さの薄い板状の粉体を用いることで、より一層の効果が発揮される。
【0038】
添加した添加金属粉は、焼結後には原料合金と合金化して取り込まれ、所定の添加量以下であれば得られる希土類焼結磁石の特性に影響を及ぼすことはない。
【実施例】
【0039】
次に、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
【0040】
希土類焼結磁石の作製
原料合金の組成としては、Nd24.5質量%、Pr6.0質量%、Dy1.8質量%、Co0.5質量%、Al0.2質量%、Cu0.07質量%、B1.0質量%、残部Feとした。原料となる金属あるいは合金を前記組成となるように配合し、ストリップキャスト法により原料合金薄板を溶解、鋳造した。
【0041】
得られた原料合金薄板を水素粉砕した後、ブラウンミルにて機械的粗粉砕を行い、原料合金粗粉を得る。原料合金粗粉に粉砕助剤として、オレイン酸アミド0.1質量%を添加した。次いで、気流式粉砕機(ジェットミル)を使用して高圧窒素ガス雰囲気中で微粉砕を行い、平均粒径D50=4.1μmの原料合金微粉を得た。
【0042】
この原料合金微粉に添加金属粉を添加し、乳鉢で混合した。得られた各粉体を磁場中成形し、所定の形状の成形体を得た。磁場中成形では、前記粉体を1200kA/mの磁場中において、成形圧147MPaで成形した。磁場方向はプレス方向と垂直な方向である。
【0043】
磁場中成形した成形体を、焼結し、時効処理を行って試料1〜9を作製した。焼結は、焼結温度1030℃とし、真空中において4時間焼結した。時効は、2段時効処理とし、1段目は900℃、1時間、2段目は530℃、1時間とした。
【0044】
評価
前記希土類焼結磁石の作製において、先ず、磁場中成形により成形された成形体の抗折強度を測定した。抗折強度は、日本工業規格JIS R 1601に準じて行った。すなわち、図3に示すように、成形体11を丸棒状の2本の支持具12,13の上に載置し、成形体11上の中央位置にやはり丸棒状の支持具14を配置して荷重を加えた。成形体11のチップサイズは、20mm×18mm×6mmとした。また、抗折圧を加える方向は、プレス方向とした。
【0045】
また、作製した各希土類焼結磁石について、保磁力Hcj及び残留磁束密度Brを測定した。測定は、B−Hトレーサーを用いて行った。
【0046】
Al粉(球状粉)添加による成形体強度及び磁気特性への影響
先の希土類焼結磁石の作製に従い、添加金属粉として球状Al粉を用いるとともに、球状Al粉の添加量を表1に示すように変え、試料1−1〜試料1−11を作製した。使用した球状Al粉の顕微鏡写真を図4に示す。なお、試料1−1〜試料1−9で使用したAl粉の粒径は20μm、試料10,11で使用したAl粉の粒径は40μmである。各試料における球状Al粉の添加量、磁石Al組成、成形体の抗折強度(成形体強度)、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表1に示す。
【0047】

【0048】
この表1から明らかなように、球状Al粉を添加することによって、成形体の抗折強度が向上している。成形体の抗折強度の向上は、球状Al粉の添加量が多いほど大きくなっている。したがって、磁場中成形に際しては、球状Al粉の添加が有効であることがわかる。一方、磁気特性については、球状Al粉の添加量が0.5質量%以下の範囲では、特に問題となるようなレベルの低下は見られない。ただし、球状Al粉の添加が0.5質量%を越えると、次第に残留磁束密度Brの劣化が大きくなっている。
【0049】
Al粉の添加時期についての検討
先の作製方法に従い、球状Al粉の添加時期を変えて希土類焼結磁石を作製した。球状Al粉の添加量は0.20質量%である。球状Al粉の添加時期は、水素粉砕後(試料1−12)、ブラウンミルによる粗粉砕後(試料1−13)、ジェットミルによる微粉砕後(試料1−14)とした。また、比較のため、球状Al粉の添加量に相当する量のAlを合金組成に加えた試料(試料1−15)も作製した。そして、これら試料についても、同様に成形体強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を測定した。結果を表2に示す。
【0050】


【0051】
この表2から明らかなように、球状Al粉を添加することで、いずれの場合にも成形体強度の向上が見られるが、粉砕工程の後段で添加する程、その効果が大きくなっている。すなわち、試料1−12よりも試料1−13の方が成形体強度の向上が大きく、試料1−13よりも試料1−14の方が成形体強度の向上が大きい。Alを合金組成に加えた試料1−15は、球状Al粉を添加していない試料1−1と成形体強度は変わらず、成形体強度に関しては効果が認められない。また、Alの添加工程が異なっていても同一Al組成であれば磁気特性に変化はない。
【0052】
原料合金組成へのAl添加と成形時Al粉添加の比較
Al粉を添加金属粉として添加した場合と、合金組成として添加した場合の磁気特性の相違について調べた。作製した試料は、原料合金Al組成を0.2質量%とし球状Al粉の添加量を0質量%とした試料1−16、原料合金Al組成を0.2質量%とし球状Al粉の添加量を0.2質量%とした試料1−17、原料合金Al組成を0質量%とし球状Al粉の添加量を0.2質量%とした試料1−18、及び原料合金Al組成を0質量%とし球状Al粉の添加量を0質量%とした試料1−19の4種類である。なお、試料1−16は試料1−1と同一であり、試料1−17は試料1−6と同一であるが、他の試料との比較のため、ここでは異なる試料番号を付してある。各試料における原料合金Al組成、Al粉の添加量、成形体強度、保磁力Hcj及び残留磁束密度Brを表3に示す。
【0053】

【0054】
例えば、試料1−16と試料1−18の結果を比べて見ると明らかなように、磁石Al組成が同じとなるこれら試料では、保磁力Hcjや残留磁束密度Brはほぼ同じ値となっている。成形体強度は、球状Al粉として添加した場合の方が大きい。このように、合金と同じ量となるような成形時添加であれば(すなわち原料合金Al組成がゼロで必要量成形時添加であれば)、成形体強度以外の特性は変化しない。したがって、球状Al粉の成形時添加が有利であることがわかる。
【0055】
Al粉(板状粉)添加による成形体強度及び磁気特性への影響
添加金属粉として板状Al粉を表4に示す添加量で添加し、試料1−20〜試料1−28を作製した。図5に、使用した板状Al粉の顕微鏡写真を示す。なお、使用した板状Al粉の板面径は40μm、厚さは3μmである。各試料における板状Al粉の添加量、成形体の抗折強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表4に示す。
【0056】

【0057】
この表4から明らかなように、板状Al粉を添加することによって、成形体の抗折強度が向上しているが、その効果は粒状Al粉を添加した場合に比べて高いことがわかる。
【0058】
板状Al粉における厚さの検討
添加金属粉として板状Al粉を0.20質量%添加した。板状Al粉の厚さを変えた試料1−29〜試料1−33を作製した。各試料における板状Al粉の厚さ、成形体の抗折強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表5に示す。
【0059】


【0060】
この表5から明らかなように、板状Al粉の厚さを10μm以下とすることで、より一層の抗折強度の向上が認められる。したがって、板状Al粉の厚さを10μm以下とすることが有効であることがわかる。
【0061】
Ni粉(球状粉)添加による成形体強度及び磁気特性への影響
先の希土類焼結磁石の作製に従い、添加金属粉として球状Ni粉(粒径2μm)を用いるとともに、球状Ni粉の添加量を表1に示すように変え、試料2−1〜試料2−9を作製した。各試料における球状Ni粉の添加量、成形体の抗折強度(成形体強度)、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表6に示す。
【0062】

【0063】
この表6から明らかなように、球状Ni粉を添加することによって、成形体の抗折強度が向上している。成形体の抗折強度の向上は、球状Ni粉の添加量0.05質量%付近でピークとなっており、それ以上の添加量では、若干低下する傾向にある。一方、磁気特性については、球状Ni粉の添加量が多いほど磁気特性、特に保磁力Hcjが向上している。これらのことから、球状Ni粉の添加量は、0.02質量%以上とすることが好ましく、0.02質量%〜0.08質量%とすることがより好ましいことがわかる。
【0064】
Ni粉の添加時期についての検討
先の作製方法に従い、球状Ni粉の添加時期を変えて希土類焼結磁石を作製した。球状Ni粉の添加量は0.05質量%である。球状Ni粉の添加時期は、水素粉砕後(試料2−10)、ブラウンミルによる粗粉砕後(試料2−11)、ジェットミルによる微粉砕後(試料2−12)とした。また、比較のため、Ni粉の添加量に相当する量のNiを合金組成に加えた試料(試料2−13)も作製した。そして、これら試料についても、同様に抗折強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を測定した。結果を表7に示す。
【0065】

【0066】
この表7から明らかなように、Ni粉を添加することで、いずれの場合にも成形体強度の向上が見られるが、粉砕工程の後段で添加する程、その効果が大きくなっている。すなわち、試料2−10よりも試料2−11の方が成形体強度の向上が大きく、試料2−11よりも試料2−12の方が成形体強度の向上が大きい。Niを合金組成に加えた試料2−13は、Ni粉を添加していない試料2−1と成形体強度が変わらず、成形体強度に関しては効果が認められない。
【0067】
Ni粉(板状粉)添加による成形体強度及び磁気特性への影響
添加金属粉として板状Ni粉を表8に示す添加量で添加し、試料2−14〜試料2−22を作製した。なお、使用した板状Ni粉の板面径は10μm、厚さは2μmである。各試料における板状Ni粉の添加量、成形体の抗折強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表8に示す。
【0068】


【0069】
この表8から明らかなように、板状Ni粉を添加することによって、成形体の抗折強度が向上しているが、その効果は粒状Ni粉を添加した場合に比べて高いことがわかる。
【0070】
板状Ni粉における厚さの検討
添加金属粉として板状Ni粉を0.05質量%添加した。板状Ni粉の厚さを変えた試料2−23〜試料2−27を作製した。各試料における板状Ni粉の厚さ、成形体の抗折強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表9に示す。
【0071】

【0072】
この表9から明らかなように、板状Ni粉の厚さを10μm以下とすることで、より一層の抗折強度の向上が認められる。したがって、板状Ni粉の厚さを10μm以下とすることが有効であることがわかる。
【0073】
Zr粉(球状粉)添加による成形体強度及び磁気特性への影響
先の希土類焼結磁石の作製に従い、添加金属粉として球状Zr粉(粒径15μm)を用いるとともに、球状Zr粉の添加量を表10に示すように変え、試料3−1〜試料3−9を作製した。各試料における球状Zr粉の添加量、成形体の抗折強度(成形体強度)、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表10に示す。
【0074】

【0075】
この表10から明らかなように、Zr粉を添加することによって、成形体の抗折強度が向上している。成形体の抗折強度の向上は、Zr粉の添加量が多いほど大きくなっている。したがって、磁場中成形に際しては、Zr粉の添加が有効であることがわかる。一方、磁気特性については、Zr粉の添加量が0.5質量%以下の範囲では、特に問題となるようなレベルの低下は見られない。ただし、Zr粉の添加が0.5質量%を越えると、次第に磁気特性の劣化が大きくなっている。
【0076】
Zr粉の添加時期についての検討
先の作製方法に従い、Zr粉の添加時期を変えて希土類焼結磁石を作製した。なお、ここでは板状Zr粉を使用した。板状Zr粉の板面径は15μm1厚さは3μmである。また、板状Zr粉の添加量は0.20質量%である。板状Zr粉の添加時期は、水素粉砕後(試料3−10)、ブラウンミルによる粗粉砕後(試料3−11)、ジェットミルによる微粉砕後(試料3−12)とした。また、比較のため、Zr粉の添加量に相当する量のZrを合金組成に加えた試料(試料3−13)も作製した。そして、これら試料についても、同様に抗折強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を測定した。結果を表11に示す。
【0077】


【0078】
この表11から明らかなように、Zr粉を添加することで、いずれの場合にも成形体強度の向上が見られるが、粉砕工程の後段で添加する程、その効果が大きくなっている。すなわち、試料3−10よりも試料3−11の方が成形体強度の向上が大きく、試料3−11よりも試料3−12の方が成形体強度の向上が大きい。Zrを合金組成に加えた試料3−13は、Zr粉を添加していない試料3−1と成形体強度が変わらず、成形体強度に関しては効果が認められない。
【0079】
Zr粉(板状粉)添加による成形体強度及び磁気特性への影響
添加金属粉として板状Zr粉を表12に示す添加量で添加し、試料3−14〜試料3−22を作製した。なお、使用した板状Zr粉の板面径は15μm、厚さは3μmである。各試料における板状Zr粉の添加量、成形体の抗折強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表12に示す。
【0080】

【0081】
この表12から明らかなように、板状Zr粉を添加することによって、成形体の抗折強度が向上しているが、その効果は粒状Zr粉を添加した場合に比べて高いことがわかる。
【0082】
板状Zr粉における厚さの検討
添加金属粉として板状Zr粉を0.20質量%添加した。板状Zr粉の厚さを変えた試料3−23〜試料3−27を作製した。各試料における板状Zr粉の厚さ、成形体の抗折強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表13に示す。
【0083】

【0084】
この表13から明らかなように、板状Zr粉の厚さを10μm以下とすることで、より一層の抗折強度の向上が認められる。したがって、板状Zr粉の厚さを10μm以下とすることが有効であることがわかる。
【0085】
Mn粉(角形粉)添加による成形体強度及び磁気特性への影響
先の希土類焼結磁石の作製に従い、添加金属粉として角形Mn粉を用いるとともに、角形Mn粉の添加量を表14に示すように変え、試料4−1〜試料4−9を作製した。各試料における角形Mn粉の添加量、成形体の抗折強度(成形体強度)、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表14に示す。
【0086】

【0087】
この表14から明らかなように、Mn粉を添加することによって、成形体の抗折強度が向上している。成形体の抗折強度の向上は、Mn粉の添加量0.10質量%付近でピークとなっており、それ以上の添加量では、若干低下する傾向にある。したがって、Mn粉の添加量は、0.02質量%以上とすることが好ましく、0.02質量%〜0.25質量%とすることがより好ましいことがわかる。
【0088】
Mn粉の添加時期についての検討
先の作製方法に従い、角形Mn粉の添加時期を変えて希土類焼結磁石を作製した。角形Mn粉の添加量は0.10質量%である。角形Mn粉の添加時期は、水素粉砕後(試料4−10)、ブラウンミルによる粗粉砕後(試料4−11)、ジェットミルによる微粉砕後(試料4−12)とした。また、比較のため、Mn粉の添加量に相当する量のMnを合金組成に加えた試料(試料4−13)も作製した。そして、これら試料についても、同様に抗折強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を測定した。結果を表15に示す。
【0089】

【0090】
この表15から明らかなように、Mn粉を添加することで、いずれの場合にも成形体強度の向上が見られるが、粉砕工程の後段で添加する程、その効果が大きくなっている。すなわち、試料4−10よりも試料4−11の方が成形体強度の向上が大きく、試料4−11よりも試料4−12の方が成形体強度の向上が大きい。Mnを合金組成に加えた試料4−13は、Mn粉を添加していない試料4−1と成形体強度が変わらず、成形体強度に関しては効果が認められない。
【0091】
Mn粉(板状粉)添加による成形体強度及び磁気特性への影響
添加金属粉として板状Mn粉を表16に示す添加量で添加し、試料4−14〜試料4−22を作製した。なお、使用した板状Mn粉の厚さは、3μmである。各試料における板状Mn粉の添加量、成形体の抗折強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表16に示す。
【0092】

【0093】
この表16から明らかなように、板状Mn粉を添加することによって、成形体の抗折強度が向上しているが、その効果は粒状Mn粉を添加した場合に比べて高いことがわかる。
【0094】
板状Mn粉における厚さの検討
添加金属粉として板状Mn粉を0.10質量%添加した。板状Mn粉の厚さを変えた試料4−23〜試料4−27を作製した。各試料における板状Mn粉の厚さ、成形体の抗折強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表17に示す。
【0095】

【0096】
この表17から明らかなように、板状Mn粉の厚さを10μm以下とすることで、より一層の抗折強度の向上が認められる。したがって、板状Mn粉の厚さを10μm以下とすることが有効であることがわかる。
【0097】
各種金属粉の添加による成形体強度及び磁気特性への影響
先の希土類焼結磁石の作製に従い、添加金属粉として表18に示す金属粉を用いて試料5−1〜試料5−8を作製した。添加金属粉の添加量は0.1質量%、粒径は10〜20μm(球状粉)とした。各試料における金属粉の種類、添加量、成形体の抗折強度(成形体強度)、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表18に示す。
【0098】

【0099】
この表18から明らかなように、各種金属粉を添加することによって、成形体の抗折強度が向上している。したがって、磁場中成形に際しては、金属粉の添加が有効であることがわかる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
R(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である)、T(TはFe又はFe、Coを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素)及びBを含む原料合金微粉を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、
添加金属粉を添加してある前記原料合金微粉を成形し、焼結を行うことを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。
【請求項2】
原料合金を粗粉砕する粗粉砕工程及び微粉砕する微粉砕工程を有し、前記微粉砕工程後に添加金属粉を添加することを特徴とする請求項1記載の希土類焼結磁石の製造方法。
【請求項3】
原料合金を粗粉砕する粗粉砕工程及び微粉砕する微粉砕工程を有し、前記粗粉砕工程後に添加金属粉を添加することを特徴とする請求項1記載の希土類焼結磁石の製造方法。
【請求項4】
原料合金を粗粉砕する粗粉砕工程及び微粉砕する微粉砕工程を有するとともに、前記粗粉砕工程は水素粉砕工程と機械的粗粉砕工程とを有し、前記水素粉砕工程後に添加金属粉を添加することを特徴とする請求項1記載の希土類焼結磁石の製造方法。
【請求項5】
前記添加金属粉は、Al粉、Ni粉、Zr粉、Mn粉、Fe粉、Co粉、Cu粉、Zn粉、Ag粉、Sn粉、Bi粉から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の希土類焼結磁石の製造方法。
【請求項6】
前記添加金属粉は、板状の金属粉であることを特徴とする請求項1記載の希土類焼結磁石の製造方法。
【請求項7】
前記板状の金属粉の厚さが10μm以下であることを特徴とする請求項5記載の希土類焼結磁石の製造方法。
【請求項8】
前記板状の金属粉の厚さが3μm以下であることを特徴とする請求項5記載の希土類焼結磁石の製造方法。

【国際公開番号】WO2005/043558
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【発行日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515145(P2005−515145)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016010
【国際出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】