説明

席札

【課題】製作や、テーブルのセットに掛かるコストを抑制できるとともに、招待客がメニューやメッセージを簡単に見ることができる収納ケース付きの席札を提案すること。
【解決手段】席札1Aは、収納ケース2Aとカバーシート3Aを備える。カバーシート3Aは収納ケース2Aの開閉蓋5の内側面5bから外側面5dを経由して収納ケース2Aのケース本体20の外周面2aに至るように収納ケース2Aに巻き付けられている。カバーシート3Aにおいて開閉蓋5の内側面5bを覆う領域にはメッセージ表示部6が形成され、外側面5dを覆う領域にはゲスト名表示部7が形成され、ケース本体20を覆う領域にはメニュー表示部9が形成されている。各表示部6〜9はカバーシート3Aの一面に形成されるので、印刷が容易であり、製作コストが抑制される。また、招待客は開閉蓋5を開けるだけでメッセージが読め、席札1Aの向きを変えるだけでメニューが読める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結婚式の披露宴などのパーティで用いられる席札に関する。より詳細には、招待客に贈呈される記念品を収納可能な収納ケース付きの席札に関する。
【背景技術】
【0002】
結婚式の披露宴などのパーティでは、招待客はテーブルにセットされている席札に従って着席する。席には料理のメニューが記載されたメニューカードが配られており、招待客はメニューカードを見ながらパーティで提供される料理を楽しむことができる。
【0003】
近年、席札やメニューカードとともに、テーブル上に記念品やメッセージカードをセットしておいて、招待客を歓迎することも行われている。特許文献1、2には、記念品を収納することができるケースの表面に招待客の名前を付しておき、これをテーブルにセットすることにより席札としたものが記載されている。引用文献1の席札では、ケースの中にメニューやメッセージが記載されているカードを収納するようになっている。特許文献2の席札では、ケースの裏面に簡単なメッセージが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−87468号公報
【特許文献2】実開昭61−192775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ケースに招待客の名前を記載し、ケースに収納するカードにメニューやメッセージを記載する席札(特許文献1)では、ケースとは別にカードを用意する必要がある。また、カードとケースの双方に別々に印刷を行わなければならないので、席札の製作に掛かる印刷コストが嵩んでしまう。また、主催者が招待客毎に異なるメッセージを送りたい場合には、カードにメッセージを記載した後に、ケースに記載されている招待客の名前を確認しながらカードをケースに収納しなければならないので、席札をテーブルにセットする際の作業コストが嵩んでしまう。さらに、招待客がメニューを確認したりメッセージを読んだりする場合には、カードをケースから取り出す必要があるので、パーティの席上で招待客の手を煩わせてしまう。
【0006】
一方、ケースの表裏の面に招待客の名前とメッセージを記載した席札(特許文献2)でも、席札とは別にメニューカードを用意する必要がある。また、ケースとメニューカードの双方に対して別々に印刷を行わなければならないので、印刷コストを抑制することが難しい。さらに、席札とメニューカードを共にテーブルにセットしなければならないので、これらをテーブルにセットする際の作業コストが嵩んでしまう。
【0007】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、製作に掛かる印刷コストや、テーブルのセットに掛かる作業コストを抑制できるとともに、招待客が料理のメニューや主催者からのメッセージを簡単に見ることができる収納ケース付きの席札を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の席札は、
記念品などの物品を収納可能な収納ケースと、前記収納ケースに巻き付けた情報表示用のカバーシートとを有し、
前記収納ケースは、物品収納・取り出し用の開口部と、この開口部を封鎖している開閉蓋とを備え、当該開閉蓋は一方の縁端を中心として開閉可能であり、
前記カバーシートは、前記開閉蓋の内側面から当該開閉蓋の開閉側の縁端で外側に折り曲げられて前記開閉蓋の外側面を経由して前記収納ケースの本体側の外周面に至るように、前記収納ケースに巻き付けられており、
前記カバーシートにおいて、前記開閉蓋の内側面を覆っているシート部分には招待客へのメッセージを表示するメッセージ表示部が形成されており、前記開閉蓋の外側面を覆っているシート部分には招待客を表すゲスト名を表示するゲスト名表示部が形成されており、前記収納ケースの本体側の外周面を覆っているシート部分には、提供される料理のメニューを表示するメニュー表示部およびパーティ名を表示するパーティ名表示部のうち少なくとも前記メニュー表示部が形成されていることを特徴としている。
【0009】
本発明の席札は、ゲスト名、メッセージおよびメニューを表示する各表示部を備えているので、メッセージカード、メニューカードなどを別途用意する必要がない。従って、これらのカードに掛かるコストや、これらのカードをテーブルにセットするための作業コストを削減できる。また、収納ケースに巻き付けたカバーシートの表面に、ゲスト名、メッセージおよびメニューを表示する各表示部が形成されている。したがって、カバーシートを収納ケースに巻き付ける前の広げた状態において、その表面に各情報を簡単に印刷することができるので便利である。さらに、招待客毎にメッセージを変える場合には、これらの組み合わせが一枚のカバーシートに印刷されるので、組み合わせを間違えて配布してしまうことがない。
【0010】
また、メッセージ表示部は、カバーシートにおいて開閉蓋の内側面を覆っている領域に形成されているので、招待客は開閉蓋を開くだけでメッセージを読むことができ、同時に、収納ケースに収納されている記念品も見ることができる。メッセージや記念品は、招待客が開閉蓋を開けないと見ることができないので、特定の招待客だけに送ったメッセージや記念品が、同席している他の招待客の目に触れてしまうこともない。さらに、メニュー表示部は、カバーシートにおいて収納ケースの外周面を覆っている領域に形成されているので、招待客は席札を裏返すなどの簡単な操作によりメニューを見ることができる。
【0011】
本発明において、席札を簡易に構成するためには、前記収納ケースは、ケース本体と、このケース本体に貼り付けた貼り付け板とを備えており、前記ケース本体は、底板部分と、この底板部分から起立している所定の閉鎖形状をした一定高さの外周枠板部分とを備え、当該外周枠板部分の上端が前記開口部となっており、前記貼り付け板は、前記底板部分の裏面を覆い隠す状態に貼り付けた背面板部分と、当該背面板部分の端から折り曲げられて前記外周枠板部分の一部を覆い隠す状態に貼り付けた側板部分と、当該側板部分の端から折り曲げられて前記開口部を覆い隠す状態に配置されている表面板部分とを備えており、当該表面板部分が前記開閉蓋であり、前記カバーシートは、前記貼り付け板の前記背面板部分の表面と、前記側板部分の表面と、前記表面板部分の表面および裏面とを覆い隠す状態に配置されていることが望ましい。
【0012】
また、席札を簡易に構成するためには、前記収納ケースは、所定の閉鎖形状をした一定幅の枠板と、この枠板に貼り付けた貼り付け板とを備えており、前記貼り付け板は、前記枠板の下端開口を覆い隠す状態に当該枠板の下端面に貼り付けた背面板部分と、この背面板部分の端から折り曲げられて前記枠板の一部を覆い隠す状態に当該枠板の部分に貼り付けた側板部分と、この側板部分の端から折り曲げられて前記枠板の上端開口を覆い隠す状態に配置されている表面板部分とを備え、当該表面板部分が前記開閉蓋であり、前記カバーシートは、前記貼り付け板の前記背面板部分の表面と、前記側板部分の表面と、前記表面板部分の表面および裏面とを覆い隠す状態に配置されていてもよい。
【0013】
本発明において、前記収納ケースは一定深さの正多角形柱、円柱あるいは楕円柱状のものであり、前記カバーシートにおける前記貼り付け板の前記背面板部分の表面を覆い隠しているシート部分は前記メニュー表示部であり、前記側板部分の表面を覆い隠している部分は前記パーティ名表示部とすることができる。
【0014】
また、本発明において、席札の外観をハードカバーの書籍のようにするためには、前記収納ケースは一定深さの直方体形状のものであり、前記貼り付け板は、平面に広げた場合の形状が長方形であり、前記カバーシートは、平面に広げた場合の形状が長方形であり、前記カバーシートにおける前記貼り付け板の前記背面板部分の表面を覆い隠している部分は前記メニュー表示部であり、前記側板部分の表面を覆い隠している部分は前記パーティ名表示部であることが望ましい。
【0015】
次に、本発明の席札は、
記念品などの物品を収納可能な収納ケースを有し、
前記収納ケースは、ケース本体と、このケース本体に貼り付けた貼り付け板とを備えており、
前記ケース本体は、底板部分と、この底板部分から起立している所定の閉鎖形状をした一定高さの外周枠板部分とを備え、当該外周枠板部分の上端が物品収納・取り出し用の開口部となっており、
前記貼り付け板は、前記底板部分の裏面を覆い隠す状態に貼り付けた背面板部分と、当該背面板部分の端から折り曲げられて前記外周枠板部分の一部を覆い隠す状態に貼り付けた側板部分と、当該側板部分の端から折り曲げられて前記開口部を覆い隠す状態に配置されている表面板部分とを備えており、当該表面板部分が一方の縁端を中心として開閉可能な状態で前記開口部を封鎖している開閉蓋となっており、
前記貼り付け板において、前記表面板部分の内側面には招待客へのメッセージを表示するメッセージ表示部が形成されており、前記表面板部分の外側面には招待客を表すゲスト名を表示するゲスト名表示部が形成されており、前記背面板部分から前記側板部分に至る外側面部分には、提供される料理のメニューを表示するメニュー表示部およびパーティ名を表示するパーティ名表示部のうち少なくとも前記メニュー表示部が形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の席札は、ゲスト名、メッセージおよびメニューを表示する各表示部を備えているので、メッセージカード、メニューカードなどを別途用意する必要がない。従って、これらのカードに掛かるコストや、これらのカードをテーブルにセットするための作業コストを削減できる。また、ケース本体に貼り付けた貼り付け板の内側面と外側面にゲスト名、メッセージおよびメニューを表示する各表示部が形成されている。したがって、貼り付け板をケース本体に貼り付ける前の広げた状態において、その表裏の面に各情報を簡単に印刷することができるので便利である。さらに、招待客毎にメッセージを変える場合には、これらの組み合わせが一枚の貼り付け板に印刷されるので、組み合わせを間違えて配布してしまうことがない。
【0017】
また、メッセージ表示部は、貼り付け板において開閉蓋の内側面となっている表面板部分の内側面に形成されているので、招待客は開閉蓋を開くだけでメッセージを読むことができ、同時に、収納ケースに収納されている記念品も見ることができる。メッセージや記念品は、招待客が開閉蓋を開けないと見ることができないので、特定の招待客だけに送ったメッセージや記念品が、同席している他の招待客の目に触れてしまうこともない。さらに、メニュー表示部は、貼り付け板においてケース本体の底板部分と外周枠板部分の外側面を覆っている背面板部分および側板部分の外側面に形成されているので、招待客は席札を裏返すなどの簡単な操作によりメニューを見ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ゲスト名、メッセージおよびメニューを表示する各表示部がカバーシートや貼り付け板に形成されているので、席札の他にメッセージカードやメニューカードを用意してテーブルにセットする必要がない。また、ゲスト名、メッセージおよびメニューの印刷が容易なので、席札の製作に掛かる印刷コストを抑えることができる。
【0019】
さらに、カバーシートや貼り付け板に形成されているメッセージ表示部は、収納ケースの開閉蓋の内側に位置しているので、招待客は開閉蓋を開くだけでメッセージを読むことができ、同時に、収納ケースに収納されている記念品も見ることができる。また、メッセージや記念品は、招待客が開閉蓋を開けないと見ることができないので、特定の招待客だけに送ったメッセージや記念品が、同席している他の招待客の目に触れてしまうこともない。さらに、メニュー表示部は、収納ケースの外側に位置しているので、招待客は席札を裏返すなどの簡単な操作によりメニューを見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は本発明を適用した実施の形態1に係る席札の正面、平面、右側面を示す等角投影図であり、(b)は背面、底面、左側面を示す等角投影図である。
【図2】実施の形態1に係る席札の開閉蓋を開けた状態を示す斜視図である。
【図3】収納ケースの分解斜視図である。
【図4】収納ケースに巻き付ける前の平面上に展開した状態のカバーを示す展開図である。
【図5】(a)は実施の形態1の変形例に係る席札の外観斜視図であり、(b)はこの席札の開閉蓋を開けた状態を示す斜視図であり、(c)は収納ケースに巻き付ける前の平面上に展開した状態のカバーを示す展開図である。
【図6】(a)は実施の形態2に係る席札の外観斜視図であり、(b)はこの席札の開閉蓋を開けた状態を示す斜視図であり、(c)は収納ケースに巻き付ける前の平面上に展開した状態のカバーを示す展開図である。
【図7】(a)は実施の形態3に係る席札の外観斜視図であり、(b)はこの席札の開閉蓋を開けた状態を示す斜視図であり、(c)は収納ケースに巻き付ける前の平面上に展開した状態のカバーを示す展開図である。
【図8】(a)はその他の実施の形態に係る席札の正面、平面、右側面を示す等角投影図であり、(b)はその背面、底面、左側面を示す等角投影図であり、(c)は開閉蓋を開けた状態を示す席札の斜視図である。
【図9】(a)はケース本体に貼り付ける前の平面上に展開した状態の貼り付け板の上面を示す展開図であり、(b)はその貼り付け板の下面を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した席札の実施の形態を説明する。
【0022】
[実施の形態1]
図1(a)は本発明を適用した実施の形態1に係る席札の正面、平面、右側面を示す等角投影図であり、図1(b)はその背面、底面、左側面を示す等角投影図である。図2は開閉蓋を開けた状態を示す席札の斜視図である。
【0023】
(全体構成)
図1に示すように、席札1Aは、収納ケース2Aと、この収納ケース2Aに巻きつけられているカバーシート3Aとを有している。収納ケース2Aは、上面に矩形板状の開閉蓋5を備えており、開閉蓋5は一方の縁端5aを中心として開閉可能になっている。収納ケース2Aの外観はハードカバーの書籍を彷彿させるものであり、開閉蓋5が書籍の表紙に相当する。図2に示すように、開閉蓋5を開くと、物品収納・取り出し用の開口部4が露出する。
【0024】
カバーシート3Aは、開閉蓋5の内側面5bから、この開閉蓋5の開閉側の縁端5cで外側に折り曲げられて開閉蓋5の外側面5dを経由して収納ケース2Aの本体側の外周面2aに至るように、収納ケース2Aに巻き付けられている。カバーシート3Aは書籍を覆うブックカバーのような美感を生じさせている。収納ケース2Aおよびカバーシート3Aは紙製である。
【0025】
カバーシート3Aにおいて、開閉蓋5の内側面5bを覆っている領域には、招待客に宛てたメッセージを表示するメッセージ表示部6が形成されており、開閉蓋5の外側面5dを覆っている領域には、招待客を表すゲスト名を表示するゲスト名表示部7が形成されている。また、カバーシート3Aにおいて、書籍の背表紙に対応する収納ケース2Aの正面を覆っている領域には、パーティの名称を表示するパーティ名表示部8が形成されており、書籍の裏表紙に相当する収納ケース2Aの底面を覆っている領域には、パーティで提供される料理のメニューを表示するメニュー表示部9が形成されている。各表示部6〜9には、それぞれ、メッセージ、ゲスト名、パーティ名、メニューが記載されている。
【0026】
(収納ケース)
図3は収納ケース2Aの分解斜視図である。収納ケース2Aは、ケース本体20と、このケース本体20に貼り付けた貼り付け板21とを備えている。ケース本体20は、矩形の底板部分22と、この底板部分22の4辺の周縁から起立している一定高さの外周枠板部分23とを備えている。貼り付け板21は、底板部分22の裏面を覆い隠す状態に貼り付けられる背面板部分24と、背面板部分24の端から折り曲げられて外周枠板部分23の一部を覆い隠す状態に貼り付けられる側板部分25と、この側板部分25の端から折り曲げられて開口部4を覆い隠す状態に配置される表面板部分26とを備えている。
【0027】
貼り付け板21は、平面上に広げた場合の形状が長方形であり、背面板部分24と側板部分25との間、側板部分25と表面板部分26との間には、谷折りの折り曲げ線27、28が形成されている。背面板部分24および表面板部分26は底板部分22よりも大きな長方形をしており、背面板部分24と表面板部分26とは同一の形状を備えている。側板部分25は外周枠板部分23の高さ寸法に対応する長さ寸法を備えた長方形をしている。
【0028】
背面板部分24は、3辺の縁部分が底板部分22から外側にはみ出すようにして底板部分22の裏面22aに接着される。側板部分25は、外周枠板部分23において底板部分22の縁に沿って延びている外側面部分23aに接着される。表面板部分26はケース本体20の上端開口である開口部4を開閉する開閉蓋5になっている。表面板部分26は、開口部4を覆い隠している状態では、側板部分25に連続していない3辺の縁部分が外周枠板部分23から外側にはみ出すように配置される。収納ケース2Aをハードカバーの書籍に見立てた場合には、表面板部分26が表紙となり、側板部分25が背表紙となり、背面板部分24が裏表紙となる。
【0029】
(カバー)
図4は収納ケース2Aに巻き付ける前の平面上に展開した形状のカバーシート3Aを示す展開図である。カバーシート3Aは、長方形をしており、その幅寸法は貼り付け板21の幅寸法と同一である。カバーシート3Aの表面には、左側から、接着代10、メニュー表示部9、パーティ名表示部8、ゲスト名表示部7、メッセージ表示部6が形成されている。
【0030】
(席札の製作方法)
ここで、図3、4を参照しながら席札1Aを製作する手順を説明する。まず、カバーシート3Aのメッセージ表示部6、ゲスト名表示部7、パーティ名表示部8およびメニュー表示部9に、それぞれ、メッセージ、ゲスト名、パーティ名およびメニューを記載する。
【0031】
次に、カバーシート3Aの右側のメッセージ表示部6が開閉蓋5となる表面板部分26の内側面5bを覆うようにして、貼り付け板21に貼り付ける。さらに、カバーシート3Aを開閉蓋5の開閉側の縁端5cとなる表面板部分26の縁端で外側に折り返し、貼り付け板21の外周面に貼り付けながら、収納ケース2Aに巻き付ける。すると、ゲスト名表示部7が開閉蓋5となる表面板部分26の外側面5dを覆い、パーティ名表示部8が側板部分25の外側面25aを覆い、メニュー表示部9が背面板部分24の外側面24aを覆った状態になる。ここで、接着代10は背面板部分24の縁端から外側に突出するので、背面板部分24の内側面24bに向けて折り返して、接着する。
【0032】
(席札の使用方法)
席札1Aを使用する際には、収納ケース2Aに、ナプキン、ハンカチ、石鹸、菓子、玩具、ギフト券、飾り物などの小物を記念品として収納し、開閉蓋5を閉じる。パーティ会場では、開閉蓋5を上に向けた状態にしてテーブルにセットする。或いは、開閉蓋5をテーブルの外周側に向けた状態にしてセットする。
【0033】
(本形態による効果)
本例の席札1Aは、ハードカバーの書籍を彷彿させる外観を備えているので、高級感がある。また、テーブルにセットすると、書籍の表紙に相当する場所にゲスト名が記載されているので、ゲスト名が見易く、パーティ会場に到着した招待客が自席を把握しやすい。
【0034】
また、本例によれば、自席に着いた招待客は、テーブルの上に置かれた書籍の表紙をめくるような自然な動作で開閉蓋5を開いて主催者からのメッセージを読むことができ、同時に、収納ケース2Aに収納されている記念品を見ることができる。また、メッセージや記念品は、招待客が開閉蓋5を開かなければ見ることができないので、特定の招待客だけに送ったメッセージや記念品が同席している他の招待客の目に触れてしまうこともない。
【0035】
さらに、招待客が料理のメニューを確認したいときには、メニュー表示部9は、カバーシート3Aにおいて収納ケース2Aの外周面2aを覆っている領域に記載されているので、招待客は席札を裏返すなどの簡単な操作によりメニューを見ることができる。従って、パーティの席上で、招待客の手を煩わせることがない。
【0036】
また、本例によれば、席札1Aが、ゲスト名、メッセージおよびメニューを表示する各表示部6〜9を備えているので、席札1Aの他に、メッセージカードやメニューカードを用意する必要がない。従って、これらのカードに掛かるコストや、これらのカードをテーブルにセットするための作業コストを削減することができる。
【0037】
さらに、ゲスト名、メッセージおよびメニューを表示する各表示部6〜9は、収納ケース2Aに巻き付けられているカバーシート3Aに形成されており、収納ケース2Aには形成されていない。従って、シート状のカバーシート3Aに印刷を行うだけで、各表示部6〜9にゲスト名、メッセージおよびメニューを表示することができる。また、収納ケース2Aに巻き付けたカバーシート3Aの表面に、ゲスト名、メッセージおよびメニューを表示する各表示部6〜9が形成されている。したがって、カバーシート3Aを収納ケース2Aに巻き付ける前の広げた状態において、その表面に各情報を簡単に印刷することができるので便利である。さらに、招待客毎にメッセージを変える場合には、これらの組み合わせが一枚のカバーシート3Aに印刷されるので、組み合わせを間違えて配布してしまうことがない。
【0038】
[実施の形態1の変形例]
実施の形態1において、収納ケース2Aをケース本体20と貼り付け板21とから形成する替わりに、矩形の閉鎖形状をした一定幅の枠板と貼り付け板21とから形成することもできる。この場合には、貼り付け板21は、背面板部分24を、枠板の下端開口を覆い隠す状態にして、この枠板の下端面に貼り付ければよい。
【0039】
また、収納ケースおよびカバーシートを紙製としてあるが、これらの一方または双方をプラスチック製としてもよい。
【0040】
次に、収納ケースの形状を変更することにより、席札の外観を実施の形態1とは異なるものにしてもよい。収納ケースとしては、例えば、一定深さの正多角形柱、円柱あるいは楕円柱状のものなどを採用できる。
【0041】
図5(a)は実施の形態1の変形例に係る席札の外観斜視図であり、図5(b)はこの席札の開閉蓋を開けた状態を示す斜視図であり、図5(c)は収納ケースに巻き付ける前の平面上に展開した状態のカバーを示す展開図である。なお、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0042】
図5(a)に示すように、席札1Bは、収納ケース2Bと、この収納ケース2Bに巻きつけられているカバーシート3Bとを有している。本例の席札1Bは、収納ケース2Bを一定深さの円柱状としたものであり、その外観は宝石箱を想起させる。
【0043】
図5(b)に示すように、収納ケース2Bは、ケース本体40と、貼り付け板41とを備えている。ケース本体40は、円形の底板部分42、および、この底板部分42の周縁から起立している一定高さの外周枠板部分43を備えている。貼り付け板41は、底板部分22の裏面を覆い隠す状態に貼り付けられている背面板部分44と、背面板部分44の端から折り曲げられて外周枠板部分43の一部分を覆い隠す状態に貼り付けられている側板部分45と、この側板部分45の端から折り曲げられて開口部4を覆い隠す状態に配置されている表面板部分46とを備えている。背面板部分44および表面板部分46は底板部分42よりも大きな円形である。側板部分45は外周枠板部分43の高さ寸法に対応する長さ寸法を備えた長方形である。
【0044】
背面板部分44は、その外周の一部分が底板部分42の外周の一部分と重ねられるようにして底板部分42の裏面42aに接着されている。従って、背面板部分44の外周縁は、底板部分42の外周と重なっている一部分を除いて底板部分42からはみ出している。側板部分45は、外周枠板部分43において背面板部分44の外周と底板部分42の外周とが重なっている部分の上方に位置している外周面部分43aに接着されている。表面板部分46はケース本体40の上端開口である開口部4を開閉する開閉蓋5になっている。表面板部分46が開口部4を覆っている状態では、表面板部分46の周縁は、側板部分45が連続している周縁部分を除いて外周枠板部分43から外側にはみ出している。
【0045】
図5(c)に示すように、カバーシート3Bは、左側から、背面板部分44と対応する平面形状を備える第1円形部分50、側板部分45と対応する平面形状を備える矩形部分51、表面板部分46と対応する平面形状を備える第3円形部分52および第4円形部分53を備えている。第1円形部分50にメニュー表示部9が形成され、第3円形部分52にゲスト名表示部7が形成され、第4円形部分53にメッセージ表示部6が形成されている。なお、本例では、カバーシート3Bにパーティ名表示部は形成されていない。また、カバーシート3Bは接着代を備えていない。
【0046】
席札1Bを製作する際には、カバーシート3Bのメッセージ表示部6、ゲスト名表示部7およびメニュー表示部9に、それぞれ、メッセージ、ゲスト名およびメニューを記載する。しかる後に、メッセージ表示部6が宝石箱の開閉蓋5となる表面板部分46の内側面5bを覆うようにして、カバーシート3Bを貼り付け板41に貼り付ける。さらに、開閉蓋5の開閉側の縁端5cとなる表面板部分46の縁端で外側に折り返して、カバーシート3Aを貼り付け板41の外周面41aに貼り付けながら、収納ケース2Aに巻き付ける。すると、ゲスト名表示部7が宝石箱の開閉蓋5となる表面板部分46の外側面5dを覆い、メニュー表示部9が宝石箱の底に相当する背面板部分44の外側面44aを覆った状態になる。
【0047】
本例の席札1Bは、外観および美感の点で実施の形態1に係る席札1Aとは相違するが、実施の形態1に係る席札1Aと同様の作用効果を得ることができる。
【0048】
[実施の形態2]
図6(a)は実施の形態2に係る席札の外観斜視図であり、図6(b)はこの席札の開閉蓋を開けた状態を示す斜視図であり、図6(c)は収納ケースに巻き付ける前の平面上に展開した状態のカバーを示す展開図である。なお、実施の形態1と対応する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0049】
図6(a)に示すように、本例の席札1Cは円柱形状をしている。席札1Cは、中空の円柱形状の収納ケース2Cと、この収納ケース2Cに巻き付けられているカバーシート3Cとを有している。収納ケース2Cおよびカバーシート3Cは紙製である。
【0050】
収納ケース2Cは、軸線に平行な平面で2つに分割されており、容量の大きい一方の側がケース本体60とされ、容量の小さい他方の側が開閉蓋61とされている。開閉蓋61は、一方の縁端61aを中心として開閉可能になるようにして、ケース本体60に取り付けられている。図6(b)に示すように、開閉蓋61を開くと、ケース本体60に形成されている記念品収納・取り出し用の開口部62が露出する。開閉蓋61の内側には矩形の平板63が取り付けられており、開閉蓋61の内側面61bは平面となっている。
【0051】
カバーシート3Cは、開閉蓋61の内側面61bから、開閉蓋の開閉側の縁端61cで外側に折り曲げられて開閉蓋61の外側面61dを経由して、ケース本体60の本体側の外周面60aを覆うように収納ケース2Cに巻き付けられている。カバーシート3Cにおいて、開閉蓋61の内側面61bを覆っている領域には、メッセージ表示部6が形成されており、開閉蓋61の外側面61bを覆っている領域には、ゲスト名表示部7が形成されている。また、カバーシート3Cにおいて、ケース本体60の外周面60aを覆っている領域には、パーティ名表示部8、メニュー表示部9が隣接して形成されている。さらに、本例では、メニュー表示部9に隣接して、新郎新婦の新居の住所や地図を記載するための住所表示部11が形成されている。各表示部6〜9、11には、それぞれ、メッセージ、ゲスト名、パーティ名、メニュー、住所が記載されている。
【0052】
図6(c)に示すように、カバーシート3Cは、長方形であり、その幅寸法は収納ケース2Cの高さ寸法と同一である。カバーシート3Cの表面には、左側から、接着代10、住所表示部11、メニュー表示部9、パーティ名表示部8、ゲスト名表示部7およびメッセージ表示部6が形成されている。
【0053】
席札1Cを製作する際には、カバーシート3Cのメッセージ表示部6、ゲスト名表示部7、パーティ名表示部8、メニュー表示部9および住所表示部11に、それぞれ、メッセージ、ゲスト名、パーティ名、メニューおよび住所を記載する。しかる後に、カバーシート3Cの右側のメッセージ表示部6が開閉蓋61の内側面61bを覆うようにして、カバーシート3Cを平板63に貼り付ける。さらに、開閉蓋61の開閉側の縁端61cで外側に折り返して、カバーシート3Cを開閉蓋61の外側面61dおよびケース本体60の外周面60aに貼り付けながら、巻き付ける。すると、ゲスト名表示部7が開閉蓋61の外側面61bを覆い、パーティ名表示部8、メニュー表示部9、住所表示部11がケース本体60の外周面60aを覆った状態になる。また、接着代10がケース本体60の開口部62の縁から突出するので、この接着代10を開口部62の内側面62aに向けて折り返して、接着する。
【0054】
席札1Cを使用する際には、収納ケース2Cに記念品を収納し、開閉蓋61を閉じる。パーティ会場では、開閉蓋61をテーブルの外周側に向けた状態にしてセットする。
【0055】
実施の形態2に係る席札1Cは、外観および美感の点で実施の形態1に係る席札1Aとは相違しているが、実施の形態1に係る席札1Aと同様の作用効果を得ることができる。
【0056】
なお、メニュー表示部9、パーティ名表示部8および住所表示部11の形成位置は相互に入れ替えることができる。また、パーティ名表示部8および住所表示部11を省略することもできる。さらに、収納ケース2Cの形状は円筒形状に限られるものではない。収納ケース2Cを多角柱形状とした場合でも、同様に構成することができる。
【0057】
[実施の形態3]
図7(a)は実施の形態3に係る席札の外観斜視図であり、図7(b)はこの席札の開閉蓋を開けた状態を示す斜視図であり、図7(c)は収納ケースに巻き付ける前の平面上に展開した状態のカバーを示す展開図である。
【0058】
図7(a)に示すように、本例の席札1Dは四角錘形状をしている。席札1Dは、四角錘形状の収納ケース2Dと、この収納ケース2Dに巻き付けられているカバーシート3Dとを有している。収納ケース2Dおよびカバーシート3Dは紙製である。
【0059】
収納ケース2Dは、四角錘形状のケース本体70と、このケース本体70に取付けられている二等辺三角形の開閉蓋71を備えている。ケース本体70は、四角錘の外周を構成している3枚の二等辺三角形の第1〜第3側板72〜74と、各側板72〜74の底辺の縁に取り付けられて四角錘の底を構成している正方形の底板75を備えている。図7(b)に示すように、第1側板72と第3側板74との間には二等辺三角形の開口部76が形成されており、開閉蓋71はこの開口76を封鎖するようにして第1側板72に取り付けられている。開閉蓋71は一方の縁端71aを中心として開閉可能になっており、開閉蓋71が開くと開口部76が露出する。開閉蓋71と各側板72〜74とは同一形状である。
【0060】
カバーシート3Dは、開閉蓋71の内側面71bから、開閉蓋71の開閉側の縁端71cで外側に折り曲げられて開閉蓋71の外側面71dを経由して、ケース本体70の本体側の外周面70aを覆うように収納ケース2Dに巻き付けられている。カバーシート3Dにおいて、開閉蓋71の内側面71aを覆っている二等辺三角形の領域には、メッセージ表示部6が形成されており、開閉蓋71の外側面71dを覆っている二等辺三角形の領域には、ゲスト名表示部7が形成されている。また、カバーシート3Dにおいて、開閉蓋71に隣接している第1側板72を覆っている二等辺三角形の領域にはパーティ名表示部8が形成され、開閉蓋71の反対側に位置する第2側板73を覆っている二等辺三角形の領域にはメニュー表示部9が形成され、第2側板73に隣接する第3側板74を覆っている二等辺三角形の領域には住所表示部11が形成されている。各表示部6〜9、11には、それぞれ、メッセージ、ゲスト名、パーティ名、メニュー、住所が記載されている。
【0061】
図7(c)に示すように、カバーシート3Dは、扇型をしており、左側から、細長い矩形の接着代10と第1〜第5二等辺三角形部分81〜85を備えている。各二等辺三角形部分81〜85は、開閉蓋71および各側板72〜74の平面形状と対応する形状であり、斜辺が接するようにして連続している。第1二等辺三角形部分81には住所表示部11が形成され、第2二等辺三角形部分82にはメニュー表示部9形成され、第3二等辺三角形部分83にはパーティ名表示部8形成され、第4二等辺三角形部分84にはゲスト名表示部7形成され、第5二等辺三角形部分85にはメッセージ表示部6が形成されている。
【0062】
席札1Dを製作する際には、カバーシート3Dのメッセージ表示部6、ゲスト名表示部7、パーティ名表示部8、メニュー表示部9および住所表示部11に、それぞれ、メッセージ、ゲスト名、パーティ名メニューおよび住所を記載する。しかる後に、メッセージ表示部6が開閉蓋71の内側面71bを覆うようにしてカバーシート3Dを開閉蓋71に貼り付ける。さらに、開閉蓋71の開閉側の縁端71cで外側に折り返して、カバーシート3Dを開閉蓋71の外側面71dおよびケース本体70の外周面70aに貼り付けながら、巻き付ける。すると、ゲスト名表示部7が開閉蓋71の外側面71dを覆い、パーティ名表示部8が第1側板72の外側面を覆い、メニュー表示部9が第2側板73の外側面を覆い、住所表示部11が第3側板74の外側面を覆った状態になる。また、接着代10が第3側板74の端から外側に突出するので、接着代10を開口部76の内側面76aに向けて折り返して、接着する。
【0063】
席札1Dを使用する際には、収納ケース2Dに記念品を収納し、開閉蓋71を閉じる。パーティ会場では、開閉蓋71をテーブルの外周側に向けた状態にしてセットする。
【0064】
実施の形態3に係る席札1Dは、外観および美感の点で実施の形態1に係る席札1Aとは相違しているが、実施の形態1に係る席札1Aと同様の作用効果を得ることができる。
【0065】
なお、メニュー表示部9、パーティ名表示部8および住所表示部11の位置は相互に入れ替えることができる。また、パーティ名表示部8および住所表示部11を省略することもできる。さらに、収納ケース2Dの形状は四角錘形状に限られるものではない。収納ケース2Dを多角錘形状、或いは、円錐形状とした場合でも、同様に構成することができる。
【0066】
(その他の実施の形態)
収納ケースとしてケース本体と貼り付け板とを備えるものを採用している場合には、シートカバーを省略し、ゲスト名表示部7、パーティ名表示部8およびメニュー表示部9などを、貼り付け板に直接形成することもできる。
【0067】
図8(a)は本実施の形態に係る席札の正面、平面、右側面を示す等角投影図であり、図8(b)はその背面、底面、左側面を示す等角投影図であり、図8(c)は開閉蓋を開けた状態を示す席札の斜視図である。図9(a)はケース本体に貼り付ける前の平面上に展開した状態の貼り付け板の上面を示す展開図であり、図9(b)はその貼り付け板の下面を示す展開図である。なお、本形態は実施の形態1と同様の構成を備えているので、対応する構成には同一の符号を付してある。
【0068】
図8に示すように、席札1Eは収納ケース2Eを有している。収納ケース2Eは、上面に矩形板状の開閉蓋5を備えており、開閉蓋5は一方の縁端5aを中心として開閉可能になっている。収納ケース2Eの外観はハードカバーの書籍を彷彿させるものであり、開閉蓋5が書籍の表紙に相当する。
【0069】
開閉蓋5を開くと開口部4が露出する。開閉蓋5の内側面5bにはメッセージ表示部6が形成されており、開閉蓋5の外側面5dにはゲスト名表示部7が形成されている。書籍の背表紙に対応する収納ケース2Eの正面の外側面にはパーティ名表示部8が形成されており、書籍の裏表紙に相当する収納ケース2Eの底面にはメニュー表示部9が形成されている。各表示部6〜9には、それぞれ、メッセージ、ゲスト名、パーティ名、メニューが記載されている。
【0070】
収納ケース2Eは、収納ケース2Aと同様の構成を備えている。すなわち、図3に示すように、ケース本体20と、このケース本体20に貼り付けた貼り付け板21とを備えている。ケース本体20は、矩形の底板部分22と、この底板部分22の4辺の周縁から起立している一定高さの外周枠板部分23とを備えている。貼り付け板21は、底板部分22の裏面を覆い隠す状態に貼り付けられる背面板部分24と、背面板部分24の端から折り曲げられて外周枠板部分23の一部を覆い隠す状態に貼り付けられる側板部分25と、この側板部分25の端から折り曲げられて開口部4を覆い隠す状態に配置される表面板部分26とを備えている。
【0071】
貼り付け板21は、平面上に広げた場合の形状が長方形であり、背面板部分24と側板部分25との間、側板部分25と表面板部分26との間には、谷折りの折り曲げ線27、28が形成されている。背面板部分24および表面板部分26は底板部分22よりも大きな長方形をしており、背面板部分24と表面板部分26とは同一の形状を備えている。側板部分25は外周枠板部分23の高さ寸法に対応する長さ寸法を備えた長方形をしている。
【0072】
背面板部分24は、3辺の縁部分が底板部分22から外側にはみ出すようにして底板部分22の裏面22aに接着される。側板部分25は、外周枠板部分23において底板部分22の縁に沿って延びている外側面部分23aに接着される。表面板部分26はケース本体20の上端開口である開口部4を開閉する開閉蓋5になっている。表面板部分26は、開口部4を覆い隠している状態では、側板部分25に連続していない3辺の縁部分が外周枠板部分23から外側にはみ出すように配置される。収納ケース2Eをハードカバーの書籍に見立てた場合には、表面板部分26が表紙となり、側板部分25が背表紙となり、背面板部分24が裏表紙となる。
【0073】
ここで、本例では、貼り付け板21に、ゲスト名表示部7、パーティ名表示部8およびメニュー表示部9が形成されている。すなわち、図9(a)に示すように、表面板部分26の上面(内側面)にはメッセージ表示部6が形成されている。図9(b)に示すように、表面板部分26、側板部分25、背面板部分24の下面(外側面)には、それぞれゲスト名表示部7、パーティ名表示部8およびメニュー表示部9が形成されている。
【0074】
席札1Eを製作する場合には、平面上に展開した貼り付け板21の上下の面に印刷を行い、メッセージ表示部6、ゲスト名表示部7、パーティ名表示部8およびメニュー表示部9に、それぞれメッセージ、ゲスト名、パーティ名およびメニューを記載する。しかる後に、メッセージ表示部6が形成されている上面がケース本体20の側を向くようにして、貼り付け板21の側板部分25および背面板部分24をケース本体20に貼り付ける。これにより、開閉蓋5の内側面5bにメッセージ表示部6が位置し、開閉蓋5の外側面5dにゲスト名表示部7が位置し、収納ケース2Eの正面にパーティ名表示部8が位置し、収納ケース2Eの底面にメニュー表示部9が位置する。
【0075】
(本形態による効果)
本例の席札1Eは、ハードカバーの書籍を彷彿させる外観を備えているので、高級感がある。また、テーブルにセットすると、書籍の表紙に相当する場所にゲスト名が記載されているので、ゲスト名が見易く、パーティ会場に到着した招待客が自席を把握しやすい。
【0076】
また、本例によれば、自席に着いた招待客は、テーブルの上に置かれた書籍の表紙をめくるような自然な動作で開閉蓋5を開いて主催者からのメッセージを読むことができ、同時に、収納ケース2Eに収納されている記念品を見ることができる。また、メッセージや記念品は、招待客が開閉蓋5を開かなければ見ることができないので、特定の招待客だけに送ったメッセージや記念品が同席している他の招待客の目に触れてしまうこともない。さらに、招待客が料理のメニューを確認したいときには、招待客は席札を裏返すなどの簡単な操作によりメニューを見ることができる。従って、パーティの席上で、招待客の手を煩わせることがない。
【0077】
また、本例によれば、席札1Eが、ゲスト名、メッセージおよびメニューを表示する各表示部6〜9を備えているので、席札1Eの他に、メッセージカードやメニューカードを用意する必要がない。従って、これらのカードに掛かるコストや、これらのカードをテーブルにセットするための作業コストを削減することができる。
【0078】
さらに、ゲスト名、メッセージおよびメニューを表示する各表示部6〜9は、平面上に展開することができる貼り付け板21の上下の面に形成されている。従って、各表示部6〜9にゲスト名、メッセージおよびメニューを印刷することが容易である。さらに、招待客毎にメッセージを変える場合には、これらの組み合わせが一枚の貼り付け板21に印刷されるので、組み合わせを間違えて配布してしまうことがない。
【0079】
なお、本例においても、収納ケース2Eをケース本体20と貼り付け板21とから形成する替わりに、矩形の閉鎖形状をした一定幅の枠板をケース本体として、これに貼り付け板21を貼り付けることにより収納ケース2Eを構成してもよい。また、収納ケースとしては、例えば、一定深さの正多角形柱、円柱あるいは楕円柱状のものなどを採用できる。
【符号の説明】
【0080】
1A、1B、1C、1D、1E 席札
2A、2B、2C、2D、1E 収納ケース
3A、3B、3C、3D カバー(カバーシート)
4、62、76 開口部
5、61、71 開閉蓋
6 メッセージ表示部
7 ゲスト名表示部
8 パーティ名表示部
9 メニュー表示部
10 接着代
11 住所表示部
20、40 ケース本体
21、41 貼り付け板
22、42 底板部分
23、43 外周枠板部分
24、44 背面板部分
25、45 側板部分
26、46 表面板部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記念品などの物品を収納可能な収納ケースと、前記収納ケースに巻き付けた情報表示用のカバーシートとを有し、
前記収納ケースは、物品収納・取り出し用の開口部と、この開口部を封鎖している開閉蓋とを備え、当該開閉蓋は一方の縁端を中心として開閉可能であり、
前記カバーシートは、前記開閉蓋の内側面から当該開閉蓋の開閉側の縁端で外側に折り曲げられて前記開閉蓋の外側面を経由して前記収納ケースの本体側の外周面に至るように、前記収納ケースに巻き付けられており、
前記カバーシートにおいて、前記開閉蓋の内側面を覆っているシート部分には招待客へのメッセージを表示するメッセージ表示部が形成されており、前記開閉蓋の外側面を覆っているシート部分には招待客を表すゲスト名を表示するゲスト名表示部が形成されており、前記収納ケースの本体側の外周面を覆っているシート部分には、提供される料理のメニューを表示するメニュー表示部およびパーティ名を表示するパーティ名表示部のうち少なくとも前記メニュー表示部が形成されていることを特徴とする席札。
【請求項2】
請求項1に記載の席札において、
前記収納ケースは、ケース本体と、このケース本体に貼り付けた貼り付け板とを備えており、
前記ケース本体は、底板部分と、この底板部分から起立している所定の閉鎖形状をした一定高さの外周枠板部分とを備え、当該外周枠板部分の上端が前記開口部となっており、
前記貼り付け板は、前記底板部分の裏面を覆い隠す状態に貼り付けた背面板部分と、当該背面板部分の端から折り曲げられて前記外周枠板部分の一部を覆い隠す状態に貼り付けた側板部分と、当該側板部分の端から折り曲げられて前記開口部を覆い隠す状態に配置されている表面板部分とを備えており、当該表面板部分が前記開閉蓋であり、
前記カバーシートは、前記貼り付け板の前記背面板部分の表面と、前記側板部分の表面と、前記表面板部分の表面および裏面とを覆い隠す状態に配置されていることを特徴とする席札。
【請求項3】
請求項1に記載の席札において、
前記収納ケースは、所定の閉鎖形状をした一定幅の枠板と、この枠板に貼り付けた貼り付け板とを備えており、
前記貼り付け板は、前記枠板の下端開口を覆い隠す状態に当該枠板の下端面に貼り付けた背面板部分と、この背面板部分の端から折り曲げられて前記枠板の一部を覆い隠す状態に当該枠板の部分に貼り付けた側板部分と、この側板部分の端から折り曲げられて前記枠板の上端開口を覆い隠す状態に配置されている表面板部分とを備え、当該表面板部分が前記開閉蓋であり、
前記カバーシートは、前記貼り付け板の前記背面板部分の表面と、前記側板部分の表面と、前記表面板部分の表面および裏面とを覆い隠す状態に配置されていることを特徴とする席札。
【請求項4】
請求項2または3に記載の席札において、
前記収納ケースは一定深さの正多角形柱、円柱あるいは楕円柱状のものであり、
前記カバーシートにおける前記貼り付け板の前記背面板部分の表面を覆い隠しているシート部分は前記メニュー表示部であり、前記側板部分の表面を覆い隠している部分は前記パーティ名表示部であることを特徴とする席札。
【請求項5】
請求項2または3に記載の席札において、
前記収納ケースは一定深さの直方体形状のものであり、
前記貼り付け板は、平面に広げた場合の形状が長方形であり、
前記カバーシートは、平面に広げた場合の形状が長方形であり、
前記カバーシートにおける前記貼り付け板の前記背面板部分の表面を覆い隠している部分は前記メニュー表示部であり、前記側板部分の表面を覆い隠している部分は前記パーティ名表示部であることを特徴とする席札。
【請求項6】
記念品などの物品を収納可能な収納ケースを有し、
前記収納ケースは、ケース本体と、このケース本体に貼り付けた貼り付け板とを備えており、
前記ケース本体は、底板部分と、この底板部分から起立している所定の閉鎖形状をした一定高さの外周枠板部分とを備え、当該外周枠板部分の上端が物品収納・取り出し用の開口部となっており、
前記貼り付け板は、前記底板部分の裏面を覆い隠す状態に貼り付けた背面板部分と、当該背面板部分の端から折り曲げられて前記外周枠板部分の一部を覆い隠す状態に貼り付けた側板部分と、当該側板部分の端から折り曲げられて前記開口部を覆い隠す状態に配置されている表面板部分とを備えており、当該表面板部分が一方の縁端を中心として開閉可能な状態で前記開口部を封鎖している開閉蓋となっており、
前記貼り付け板において、前記表面板部分の内側面には招待客へのメッセージを表示するメッセージ表示部が形成されており、前記表面板部分の外側面には招待客を表すゲスト名を表示するゲスト名表示部が形成されており、前記背面板部分から前記側板部分に至る外側面部分には、提供される料理のメニューを表示するメニュー表示部およびパーティ名を表示するパーティ名表示部のうち少なくとも前記メニュー表示部が形成されていることを特徴とする席札。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−188619(P2010−188619A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35536(P2009−35536)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(509047971)カンタスジャパン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】