説明

帯電ロール用クリーニングロール、帯電装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法

【課題】帯電ロール表面の異物を効率的に除去し、さらに長期に渡って良好なクリーニング性能を維持可能であり、帯電部材表面への転写残トナーや異物の付着及び蓄積による汚染に起因する、色点等の画像欠陥の発生を防止することが可能な帯電ロール用クリーニングロール、帯電装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】芯体と、前記芯体の外周面上に設けられ、圧力損失が1mmHO以上10mmHO以下である弾性層と、を有することを特徴とする帯電ロール用クリーニングロール、該帯電ロール用クリーニングロールを有する帯電装置、該帯電装置を備えるプロセスカートリッジ及び画像形成装置、該帯電装置を用いる画像形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電ロール用クリーニングロール、帯電装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置においては、先ず、無機又は有機材料からなる光導電性感光体からなる像保持体表面に帯電手段を用い一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光等で静電濳像を形成した後、帯電したトナーで前記静電濳像を現像して可視化したトナー像が形成される。そして、該トナー像を中間転写体を介して、あるいは直接記録紙等の被転写体に静電的に転写し、記録材に定着することにより所要の再生画像が得られる。
【0003】
近年、電子写真方式の画像形成装置では、被帯電体としての前記像保持体表面を均一に帯電させる帯電手段として、帯電ロールが多用されている。帯電ロールは、電圧が印加された状態で像保持体に接触し、像保持体との間の微少な間隙にて放電し像保持体表面を帯電させる。前記帯電ロールは、像保持体を均一に帯電させるために、抵抗、形状が厳密に制御されている。
【0004】
帯電ロールを用いた電子写真用画像形成装置においては、像保持体表面に付着した転写残トナー、キャリア、紙粉等の異物が帯電ロール表面に付着し帯電ロールを汚染することを防ぐ、帯電ロールをクリーニングするクリーニングロールとして、弾性層として、ロール形状のスポンジ材を有するクリーニングロールを帯電ロールに接触させて汚れを除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、クリーニングロールの弾性層として、連続気泡構造(メラミン材料)のスポンジ材が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
【特許文献1】特開平2−272594号公報
【特許文献2】特開2003−66807号公報
【特許文献3】特開2004−361916号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、帯電ロール表面の異物を効率的に除去し、さらに長期に渡って良好なクリーニング性能を維持可能であり、帯電ロール表面への転写残トナーや異物の付着及び蓄積による汚染に起因する、色点等の画像欠陥の発生を防止することが可能な帯電ロール用クリーニングロール、帯電装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、
請求項1に係る発明は、芯体と、前記芯体の外周面上に設けられ、圧力損失が1mmHO以上10mmHO以下である弾性層と、を有することを特徴とする帯電ロール用クリーニングロールである。
【0007】
請求項2に係る発明は、帯電ロールと、クリーニングロールと、を有し、前記クリーニングロールが請求項1に記載の帯電ロール用クリーニングロールであることを特徴とする帯電装置である。
【0008】
請求項3に係る発明は、画像形成装置本体に脱着可能であり、像保持体を帯電する帯電手段と、前記像保持体、前記像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により、トナー像として現像する現像手段、及び、前記像保持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段からなる群より選ばれる少なくとも一つと、を備え、前記帯電手段が請求項2に記載の帯電装置であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0009】
請求項4に係る発明は、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体表面を露光する露光手段と、前記像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により、トナー像として現像する現像手段と、前記像保持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備え、前記帯電手段が請求項2に記載の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
請求項5に係る発明は、前記クリーニングロールの表面電位Vaと帯電ロールの表面電位Vbとの差の絶対値|Vb−Va|が、100V以下であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項6に係る発明は、像保持体を請求項2に記載の帯電装置を用いて帯電する帯電工程と、帯電した前記像保持体表面を露光する露光工程と、前記像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により、トナー像として現像する現像工程と、前記像保持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写工程と、を有し、前記クリーニングロールの表面電位Vaと帯電ロールの表面電位Vbとの差の絶対値|Vb−Va|を、100V以下にすることを特徴とする画像形成方法である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、帯電ロール表面の異物を効率的に除去し、さらに長期に渡って良好なクリーニング性能を維持可能であり、帯電ロール表面への転写残トナーや異物の付着及び蓄積による汚染に起因する、色点等の画像欠陥の発生を防止することが可能な帯電ロール用クリーニングロールを提供することができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、帯電ロール表面への転写残トナーや異物の付着及び蓄積による汚染に起因する、色点等の画像欠陥の発生を防止することが可能な帯電装置を提供することができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、帯電ロール表面への転写残トナーや異物の付着及び蓄積による汚染に起因する、色点等の画像欠陥の発生を防止することが可能なプロセスカートリッジを提供することができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、帯電ロール表面への転写残トナーや異物の付着及び蓄積による汚染に起因する、色点等の画像欠陥の発生を防止することが可能な画像形成装置を提供することができる。
請求項5に係る発明によれば、クリーニングロールの研磨粉起因の色点の発生をより抑制できる。
【0016】
請求項6に係る発明によれば、帯電ロール表面への転写残トナーや異物の付着及び蓄積による汚染とクリーニングロールの研磨粉に起因する、色点等の画像欠陥の発生を防止することが可能な画像形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<帯電ロール用クリーニングロール>
本発明の帯電ロール用クリーニングロール(以下、「本発明のクリーニングロール」という場合がある。)は、芯体と、前記芯体の外周面上に設けられ、圧力損失が1mmHO以上10mmHO以下である弾性層と、を有することを特徴とする。
【0018】
(芯体)
前記芯体は、快削鋼、ステンレス鋼等を材質とするものが挙げられ、摺動性等の用途に応じて材質及び表面処理方法は適時選択するのが好ましい。防錆の観点からメッキ処理するのが好ましい。導電性を有さない材質の場合、メッキ処理等一般的な処理により加工して導電化処理を行ってもよいし、そのまま使用してもよい。
【0019】
(弾性層)
前記弾性層は、圧力損失が1mmHO以上10mmHO以下であることを特徴とする。本発明者らは、弾性層の圧力損失を1mmHO以上10mmHO以下にすると、弾性層のトナーや外添剤等を捕獲性能が高く、かつロール内に捕獲したトナーや外添剤をためずに吐き出し効果があることを見つけ出した。その結果、帯電ロール表面の異物を効率的に除去し、さらに長期に渡って良好なクリーニング性能を維持可能であり、帯電部材表面への転写残トナーや異物の付着及び蓄積による汚染に起因する、色点等の画像欠陥の発生を防止することが可能となることを見つけ出した。尚、圧力損失の規定で用いている「mmHO」は、1mmHO=9.8Paである。
【0020】
前記圧力損失は、3mmHO以上7mmHO以下であることが好ましい。前記圧力損失が1mmHO未満であると、従動性能力が不足となってしまい、10mmHOを超えると、汚れのクリーニング性能不足となってしまう。
【0021】
前記圧力損失は、図1に示す測定ダクト1及びU字管マノメーター2を用いて測定したものである。測定ダクト1は内径4mmの測定部3、空気導入部4、空気排出部5からなる。測定部3には、U字管マノメーター2と連結する連結部6を2箇所設けてある。尚、2箇所の連結部の距離の測定ダクトの長手方法の距離は、試料7の厚み方向長さより長い必要がある。
【0022】
圧力損失の測定は、弾性層を金型で所定の寸法に抜き出し作製して、直径4mm厚さ10mmの円柱状の試料7を採取する。採取した試料7は、厚みを5ポイント測定し、その平均を平均厚みとする。厚みを測定した試料7を、測定ダクト1の2箇所連結部6の間に入るように測定部3に挿入する。試料7の挿入後、空気導入部4に、風速2mm/sの空気を送り込み、そのときのU字管マノメーター2の上流側静圧8及び下流側静圧9を測定し、その差を圧力損失とする。
【0023】
前記弾性層の圧力損失を1mmHO以上10mmHO以下にする制御は、後述するように、弾性層を発泡させて、セルを形成させ、該セルを除膜工程により粉砕してセル膜を除去し、連泡構造とすることによりなされる。
【0024】
前記弾性層は、クリーニング性能の点で、セル数が13(個/25mm)以上50(個/25mm)以下であることが好ましく、20(個/25mm)以上40(個/25mm)以下であることがより好ましく、20(個/25mm)以上30(個/25mm)以下であることが更に好ましい。セル数は、発泡体を形成する際に使用される発泡剤・整泡剤の種類によって制御できる。尚、セル数は、断面顕微鏡写真を観察して単位長さあたりのセル数をカウントして求めた。
【0025】
また、前記弾性層は、圧縮永久歪の点で、密度が25(Kg/m)以上40(kg/m)以下であることが好ましく、30(kg/m)以上40(kg/m)以下であることがより好ましく、30(kg/m)以上35(kg/m)以下であることが更に好ましい。弾性層の密度は、発泡剤等の量を変えることにより、発泡倍率を調整することにより制御できる。尚、前記発泡倍率は、得られた筒状の弾性層の質量を体積で除することにより求めた。具体的には、発泡した弾性層の重量/ウレタン発泡樹脂外形から求められる嵩体積である。
【0026】
前記弾性層は、クリーニング性能の点で、JIS K6400−2 D法で計った硬さが200N以上450N以下であることが好ましく、300N以上400N以下であることがより好ましい。
【0027】
前記弾性層は、クリーニング性能の点で、セル径が200μm以上1000μm以下であることが好ましく、300μm以上500μm以下であることがより好まし。尚、セル径は、レーザー顕微鏡などで表面観察し測定する。なおセル柱とセル柱の最大と最小の平均値をセル径とした。
【0028】
前記弾性層は、の点で、引っ張り強度が50kPa以上200kPa以下であることが好ましく、100kPa以上150以下であることがより好まし。
【0029】
−弾性層の材料−
前記弾性層を形成する樹脂の材料は、前記圧力損失の規定を満たすものであれば特に限定されず、ポリウレタン、エピクロルヒドリンゴム、EPDM、SBR、NBR、シリコンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられるが、擦れによる帯電ロールの表面に傷を付けない点、また、長期に渡り千切れや破損が生じないようにする為に引き裂き、引っ張りに強い点でポリウレタンが好ましい。
前記ポリウレタンとしては、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタンの何れでも構わない。
【0030】
前記ポリエーテル系ポリウレタンは、例えば、少なくとも、ポリエーテルポリオール、イソシアネートを用いて得られたものである。該ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレンポリオール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリエチレンアジペートグリコール(PEAG)、ポリブチレンアジペートグリコール(PBAG)、ポリブシhレンアゼラエートグリコール(PBAZG)、ポリカプロラクトングリコール(PCLG)が挙げられる。
尚、ポリエーテルポリオールは、1種単独で用いてもよいし、複数種併用してもよい。
【0031】
前記ポリエステル系ポリウレタンは、例えば、少なくとも、ポリエステルポリオールイソシアネートを用いて得られたものである。該ポリエステルポリオールとしては、二塩基酸とヒドロキシル化合物を脱水縮合して得られる主要なアジペート系ポリオールとして、エチレングリコールアジペート、ジエチレングリコールアジペート、ブチレングリコールアジペート、トリメチロールプロパン/ジエチレングリコールアジペートなどが挙げられる。
【0032】
縮合系ポリエステルポリオールとしては、例えばアジピン酸,グルタル酸,コハク酸,セバシン酸,ピメリン酸,スベリン酸などのジカルボン酸と、エチレングリコール;ジエチレングリコール;1,4−ブタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;プロピレングリコール;ネオペンチルグリコールなどのジオールやトリメチロールエタン,トリメチロールプロパンなどのトリオールとの縮合により得られるものが挙げられる。
また、アルキレン基(例えばヘキシレン基)やキシリレン基等がカーボネート結合を介して主鎖に並ぶ構造を有するポリカーボネートジオールなどのポリカーボネート系ポリオールも、縮合系ポリエステルポリオールとして用いることができる。
【0033】
尚、ポリエステルポリオールは、1種単独で用いてもよいし、複数種併用してもよい。
ポリエステルポリオールの使用量としては、弾性層を構成する固形分全質量に対し、68質量%以上80質量%以下が好ましく、より好ましくは70質量%以上78重量%以下である。
【0034】
前記イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、トリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンエステルトシイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等を用いることができる。これらのイソシアネートは単独でも2種以上を混合して用いても良い。
【0035】
イソシアネートは、1種単独で用いてもよいし、複数種併用してもよい。
イソシアネートの使用量としては、弾性層を構成する固形分全質量に対し、16質量%以上28質量%以下であり、望ましくは18質量%以上26質量%以下である。
【0036】
前記弾性層は、必要に応じて、整泡剤、触媒、硬化剤、架橋剤、発泡剤、難燃剤、劣化防止剤、可塑剤、整泡剤、導電剤などのその他添加剤を用いることができる。例えば、整泡剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が好適に挙げられる。
【0037】
前記アニオン界面活性剤としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;などが挙げられる。
【0038】
前記カチオン界面活性剤としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;などが挙げられる。
【0039】
なお、整泡剤は、1種単独で用いてもよいし、複数種併用してもよい。
整泡剤の使用量としては、弾性層を構成する固形分全質量に対し、1.4質量%以上1.6質量%が好ましく、より好ましくは1.4質量%以上1.5質量%である。
【0040】
触媒としては、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のアミン系触媒;ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート等の有機金属触媒;などが用いられる。
【0041】
なお、触媒は、1種単独で用いてもよいし、複数種併用してもよい。
触媒の使用量としては、弾性層を構成する固形分全質量に対し、質量0.47質量%以上0.97質量%が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上0.95質量%である。触媒を用いない場合、クリーニングロールに、未反応のポリマーが残留し、帯電ロールとの接触部において、ブリードすることにより、画像欠陥が生ずる場合がある。
【0042】
前記導電剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボン導電剤や、テトラエチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等のようなアンモニウム系化合物などのイオン導電剤などを用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても、また複数同時に用いてもよい。
【0043】
次に、代表としてポリウレタン発泡体の製造方法について説明する。ポリウレタン発泡体の製造方法については特に制限はなく、常法によればよいが、その一例を示せば次のとおりである。ポリオール及び所望により用いられるイオン導電剤や他の導電性付与剤、架橋反応触媒などを均質に混合したのち、加熱して反応硬化させることにより、ポリウレタンが得られる。原料を混合する際の温度や時間については特に制限はないが、混合温度は、通常10〜90℃、好ましくは20〜60℃の範囲であり、混合時間は、通常10秒〜20分間、好ましくは30秒〜5分間程度である。
また、加熱して反応硬化させる際、従来公知の方法により、発泡させることにより、ポリウレタンフォームからなる高分子材料を作製することができる。ここで、発泡方法については特に制限はなく、発泡剤を用いる方法、機械的な攪拌により気泡を混入する方法など、いずれの方法をも用いることができる。
【0044】
本発明のクリーニングロールは、金型にウレタンを注入して発泡させる方法、スラブ成型後、所望の形状に研削等により加工する方法および公知の手法、いずれの場合を用いて製造してもよい。
【0045】
−除膜工程−
以上のように発泡させることにより形成されたセルは、セル膜を粉砕して、連泡構造とすることにより、弾性層の圧力損失を1mmHO以上10mmHO以下にする制御することができる。
本発明における除膜工程は、セルを粉砕するものであり、例えば、得られた発泡体を、密閉容器内に入れ、かつ可燃性ガスを注入し、火花等で着火し、爆発を起こし、その結果、気泡内の膜が爆破の衝撃によって粉砕する工程が挙げられる。ここで用いる可燃性ガスとしては、酸素と乾燥空気とメタンガス、プロパンガス、アセチレンガスが用いられる。除膜工程の詳細については特開2003−277540号公報に記載してある。
【0046】
また、本発明のクリーニングロールは、弾性層表面の後述する帯電ロールに接触する部分の表面形状加工を熱線カットにより行うことが好ましい。通常クリーニングロールの表面形状加工は研磨することにより行うが、この方法だと、研磨粉がクリーニングロールに残り、帯電ロールへ移行する場合がある。この結果、色点として画質欠陥を引き起こす場合がある。しかし表面形状加工を熱線カットにより行うことにより、研磨粉が発生せず、色点として画質欠陥を引き起こすことがない。
【0047】
前記熱線カットとは、熱線に電圧を印加することにより、熱線を加熱し、加熱した熱線を弾性層の帯電ロールに接触する部分等の所望の部分に接触させ、接触させた部分を切り取り、弾性層の表面形状加工を行うことである。
【0048】
また、本発明のクリーニングロールは、弾性層が芯体の軸方向に螺旋形状を有していることが好ましい。螺旋形状を有している弾性層を形成する方法として、下記方法(1)〜(3)の方法が挙げられる。
前記方法(1)は、ウレタンフォーム等の板状の発泡体を成形し、これを所望の大きさ(例えば、3mm×10mm×400mm)にカットし、このカットした発泡体12を芯体11に巻きつける。芯体11に巻きつけた発泡体12の外径研磨加工することにより弾性層を形成してクリーニングロールを作製する方法である。この方法では図2の(A)に示すようにスパイラル上に溝加工を施すことが好ましい。
【0049】
前記方法(2)は、前記方法(1)において、カットした発泡体12を図2の(B)に示すように、溝を形成するように(間隔があくように)芯体11に巻きつけて弾性層を形成してクリーニングロールを作製する方法である。
【0050】
前記方法(3)は、複数のウレタンフォーム等の円柱状の発泡体を成形し、この複数の円柱状の発泡体12に芯体11を挿入して、円柱状の発泡体12を弾性層とするクリーニングロールを作製する方法である。この方法では、図2の(C)に示すように、円柱状の発泡体は、芯体の軸と直行する方向からみたときに、平行四辺形の形状であることが好ましい。また、複数の円柱状の発泡体は、それぞれ間隔を明けて溝を形成することが好ましい。
【0051】
前記の(1)〜(3)の方法では、上述の弾性層表面の研磨粉の発生を抑制することができこのましい。また、溝を有していると、異物の掻き取り力が向上し好ましい。
上記のように溝を有して場合、溝ではない弾性層の部分の面積は、溝ではない弾性層の部分の面積と溝の面積との合計の1/4以上(より好ましくは2/3以上)であることが、クリーニング性が向上する点で好ましい。
【0052】
<帯電装置>
本発明の帯電装置は、帯電ロールと、クリーニングロールと、を有し、該クリーニングロールが既述の本発明のクリーニングロールであることを特徴とする。本発明の帯電装置は、例えば、図3に示すように、被帯電部材(例えば像保持体)を帯電させるための帯電ロール21Aと、帯電ロール21Aの外周面に接して配設されるクリーニングロール21Bとを有している。そして、クリーニングロール21Bとして、既述の本発明のクリーニングロールを適用している。なお、図中、21は帯電装置を示す。
【0053】
以下、本発明の帯電ロールの説明をするが、所定の帯電性能を有する物であれば、以下の構成に限定される物ではない。
本発明の帯電ロールは、少なくとも、支持シャフト、弾性層、若しくは弾性層の代わりに樹脂層から構成される。弾性層は単層構成からなるものであってよく、幾つもの機能を持った複数の異なる層からなる積層構成であってもよい。更には、弾性層の上に表面処理を行ってもよい。
【0054】
前記支持シャフトの材質としては、快削鋼、ステンレス鋼等を使用し、摺動性等の用途に応じて材質及び表面処理方法は適時選択するのが好ましい。また、防錆の観点からメッキ処理するのが好ましい。導電性を有さない材質の場合、メッキ処理等一般的な処理により加工して導電化処理を行っても良いし、そのまま使用しても良い。
【0055】
所定の帯電性能を得る為に帯電ロールにおける弾性層は導電性弾性層とするが、前記導電性弾性層は、例えば、弾性を有するゴム等の弾性材、導電性弾性層の抵抗を調整するカーボンブラックやイオン導電材等の導電材、必要に応じて軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカおよび炭酸カルシウム等の充填剤等、通常ゴムに添加され得る材料を加えてもよい。通常ゴムに添加される材料を添加した混合物を、導電性の支持シャフトの周面に被覆することにより形成される。
また、抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックやイオン導電剤のような、電子及び/又はイオンを電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等を用いることができる。また、前記導電性弾性層を構成する弾性材は発泡体であってもかまわない。
【0056】
前記導電性弾性層を構成する弾性材としては、例えばゴム中に導電剤を分散させることによって形成される。該ゴムとしては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、天然ゴム等、及びこれらのブレンドゴムが挙げられる。中でも、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムおよびこれらのブレンドゴムが好ましく用いられる。これらのゴム材は発泡したものであっても無発泡のものであってもよい。
【0057】
前記導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末を挙げることができる。
【0058】
また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;を挙げることができる。
【0059】
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は特に制限はないが、前記電子導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、1〜60質量部の範囲であることが好ましく、一方、前記イオン導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、0.1〜5.0質量部の範囲であることが好ましい。
【0060】
帯電ロールの表面には、トナー等の異物による汚染の防止のためなどに表面層を形成させてもよい。表面層の材料としては、樹脂、ゴム等の何れを用いてもよく特に限定するものではない。ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロン、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
【0061】
このうち外添剤汚れの観点から、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロンが好ましく用いられる。共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、の内のいずれか1種または複数種を重合単位として含むものであって、この共重合体に含まれる他の重合単位としては、6ナイロン、66ナイロン等が挙げられる。ここで、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロンよりなる重合単位が共重合体中に含まれる割合は、質量比で合わせて10%以上であるのが好ましい。前記重合単位が10%以上の場合は、調液性および表面層塗布時における成膜性に優れるとともに、特に繰り返し使用時における樹脂層の磨耗や樹脂層への異物付着が少なく、ロールの耐久性が優れ、環境による特性の変化も少なくなる。
【0062】
以上の表面層の材料(高分子材料)は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、当該高分子材料の数平均分子量は、1,000〜100,000の範囲であることが好ましく、10,000〜50,000の範囲であることがより好ましい。
【0063】
前記表面層には導電性材料を含有させ、抵抗値を調整することができる。該導電性材料としては、粒径が3μm以下であるものが好ましい。
また、抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックや導電性金属酸化物粒子、あるいはイオン導電剤のような、電子及び/又はイオンを電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等を用いることができる。
【0064】
導電剤のカーボンブラックとしては、具体的に、デグサ社製の「スペシャルブラック350」、同「スペシャルブラック100」、同「スペシャルブラック250」、同「スペシャルブラック5」、同「スペシャルブラック4」、同「スペシャルブラック4A」、同「スペシャルブラック550」、同「スペシャルブラック6」、同「カラーブラックFW200」、同「カラーブラックFW2」、同「カラーブラックFW2V」、キャボット社製「MONARCH1000」、キャボット社製「MONARCH1300」、キャボット社製「MONARCH1400」、同「MOGUL−L」、同「REGAL400R」等が挙げられる。
【0065】
前記カーボンブラックはpH4.0以下であることが好ましい。pH4.0以下のカーボンブラックは、一般的なカーボンブラックに比べ、表面に存在する酸素含有官能基の効果により、樹脂組成物中への分散性がよく、前記pH4.0以下のカーボンブラックを配合することにより、帯電均一性をよくすることができ、さらに抵抗値の変動を小さくすることができる。
【0066】
前記抵抗値を調整するための導電性粒子である導電性金属酸化物粒子は、酸化錫、アンチモンがドープされた酸化錫、酸化亜鉛、アナターゼ型酸化チタン、ITO等の導電性を有した粒子で、電子を電荷キャリアとする導電剤あれば何れも用いることができ、特に限定されるものではない。これらは、単独で用いても2種類以上を併用することができる。また、本発明を阻害しない限り、何れの粒径であってもよいが、抵抗値調整および強度の点より、好ましくは酸化錫、アンチモンドープがされた酸化錫、アナターゼ型酸化チタンであり、更に、酸化錫、アンチモンドープがされた酸化錫が好ましい。
このような導電性材料によって抵抗制御を行うことにより、表面層の抵抗値は環境条件によって変化せず、安定な特性が得られる。
【0067】
さらに、前記表面層には、フッ素系あるいはシリコーン系の樹脂が用いられている。特に、フッ素変性アクリレートポリマーで構成されることが好ましい。また、表面層の中に微粒子を添加してもよい。これにより、表面層が疎水性となって帯電ロールへの異物の付着が防止されるように作用する。また、アルミナやシリカのような絶縁性の粒子を添加して、帯電ロールの表面に凹凸を付与し、感光体ドラムとの摺擦時の負担を小さくして帯電ロールと感光体ドラム相互の耐磨耗性を向上させることも可能である。
【0068】
前記記載の帯電ロールの外径としては8〜16mmが好ましい。画像形成装置の小型化の観点からφ14mm以下が好ましく、φ8mm以下では帯電ロール周面1ヶ所当たりの外添剤に接触する回数が増え、また放電回数が増えるので、長期安定性に対して不利となる。また、外径の測定方法としては市販のノギスやレーザー方式外径測定装置を用いて測定することが出来る。
【0069】
前記記載の帯電ロールのマイクロ硬度(高分子計器株式会社製マイクロゴム硬度計MD−1型を用いて23℃の条件下において測定した値)は45〜60°が好ましい。前記マイクロ硬度60°より硬くなると、クリーニングロールを取付けた場合でも像保持体とのNip安定性が確保出来なくなる為に画質濃度ムラが発生する場合があり、結果として可塑剤がブリードし、画質劣化等の問題を引起してしまう場合がある。一方、45°より柔らかくなると、クリーニングロールが無くても像保持体との接触安定性が確保出来るが、低硬度化にする為には可塑剤添加量を増量する方法、シリコーンゴムのような低硬度の材料を使用する必要があり、コストアップになる場合がある。尚、帯電ロールのマイクロ硬度は高分子計器株式会社製MD−1型硬度計にて測定した値を用いている。
【0070】
<画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ>
本発明の画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体表面を露光する露光手段と、前記像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により、トナー像として現像する現像手段と、前記像保持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備え、前記帯電手段が既述の本発明の帯電装置であることを特徴とし、後述するように前記現像手段におけるクリーニングロールの表面電位Vaと帯電ロールの表面電位Vbとの差の絶対値|Vb−Va|が、100V以下であることが好ましい。
【0071】
また、本発明の画像形成方法は、像保持体を既述の本発明の帯電装置を用いて帯電する帯電工程と、帯電した前記像保持体表面を露光する露光工程と、前記像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により、トナー像として現像する現像工程と、前記像保持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写工程と、を有し、前記現像手段におけるクリーニングロールの表面電位Vaと帯電ロールの表面電位Vbとの差の絶対値|Vb−Va|を、100V以下にすることを特徴とする。
【0072】
更に、本発明のプロセスカートリッジは、画像形成装置本体に脱着可能であり、像保持体を帯電する帯電手段と、前記像保持体、前記像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により、トナー像として現像する現像手段、及び、前記像保持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段からなる群より選ばれる少なくとも一つと、を備え、前記帯電手段が既述の本発明の帯電装置であることを特徴とする。
【0073】
本発明の画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法の一例を図4〜6を用いて説明する。尚、以下の図において、同一の構成要素に対しては、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
図4に示す画像形成装置30は、タンデム方式のフルカラーの画像形成装置である。この画像形成装置30の内部には、感光体ドラム(像保持体)32や帯電ロール34や現像器(現像手段)等が、イエロー(38Y)、マゼンタ(38M)、シアン(38C)、及び黒(38K)が各色毎にカートリッジ(本発明のプロセスカートリッジ、図5の状態)として備えられている。この感光体ドラム32としては、例えば、表面にOPC等よりなる感光体層が被覆された直径が約25mmの導電性円筒体からなるものが用いられ、図示しないモータにより、約150mm/secのプロセススピードで回転駆動される。
【0074】
感光体ドラム32の表面は、感光体ドラム32の横に配置された帯電ロール34によって所定の電位に帯電された後(帯電工程)、帯電ロール34の下方に配置された露光装置(露光手段)36から出射されるレーザービームLBによって画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される(露光工程)。
露光装置としては、例えば、半導体レーザー及び走査装置の組み合わせ、光学系により構成されたレーザー走査書き込み装置、あるいは、LEDヘッドなど、従来公知の露光手段を使用することができる。均一で、解像度の高い露光像を作るという望ましい態様を実現させるためには、レーザー走査書き込み装置又はLEDヘッドを使うことが好ましい。
【0075】
この感光体ドラム32上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器(現像手段)39Y、39M、39C、39Kによって現像され、所定の色のトナー像となる(現像工程)。
【0076】
例えば、フルカラーの画像を形成する場合、各色の感光体ドラム32の表面には、帯電・露光・現像の各工程が、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応して行なわれ、各色の感光体ドラム32の表面には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応したトナー像が形成される。
【0077】
前記現像工程では、トナーを含む現像剤により静電潜像を現像してトナー像を形成する。該トナーについて説明する。かかるトナーとしては、平均形状係数SF1(SF1=(ML/A)×(π/4)×100、ここでMLは粒子の最大長を表し、Aは粒子の投影面積を表す)が110以上135以下であることがより好ましい。平均形状係数(SF1)は、スライドガラス上に載置したトナー粒子の像を、ビデオカメラを通じて、光学顕微鏡により測定し、画像解析装置(LUZEXIII、NIRECO社製)に取り込み、トナーの最大長(ML)、および投影面積(A)を算出し、これらの値を前記式に代入して形状係数が求められる。なお平均形状係数は、任意の100個のトナー粒子における前記式より算出された形状係数の平均値である。平均形状係数はトナーの丸さ度合いを示すものであり、形状が丸いほどクリーニングブレードをすり抜ける転写残トナーが増え、帯電ロールの汚染を増加させてしまうことがある。また反対に不定形過ぎると、転写性が低下し、転写残トナーの増えることによって帯電ロールの汚染を増加させてしまうことがある。
【0078】
さらに、トナーとしては、体積平均粒子径が5μm以上10μm以下であることが好ましい。この体積平均粒径が小さ過ぎるとクリーニングブレードをすり抜ける転写残トナーが増え、帯電ロールの汚染を増加させてしまうことがある。同時にトナーの流動性の悪化や、キャリアから十分な帯電能を付与されにくくなるりやすく、背景部へのカブリが生じたり、濃度再現性が低下しやすくなることもある。また体積平均粒径が大き過ぎる場合には、結果的に粒径分布も拡大してトナー帯電量分布が不均一となり、逆極性トナーが増えることによって、帯電ロールの汚染を増加させてしまう問題が生じ易くなるとともに、微細なドットの再現性や階調性が悪化することがある。
【0079】
トナーは、前記平均形状係数及び体積平均粒子径を満足する範囲のものであれば特に製造方法により限定されるものではないが、例えば、結着樹脂、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を加えて混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により製造されるトナーが使用される。
【0080】
また、前記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法等、公知の方法を使用することができる。なお、トナーの製造方法としては、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
【0081】
トナー母粒子は、結着樹脂、着色剤及び離型剤からなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を含有して構成される。
【0082】
トナー母粒子に使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体及び共重合体、ジカルボン酸類とジオール類との共重合によるポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0083】
特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。さらに、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることもできる。
【0084】
また、着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
【0085】
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
【0086】
また、帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用することが好ましい。また、トナーとしては、磁性材料を内包する磁性トナー及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
【0087】
本発明に用いるトナーとしては、前記トナー母粒子及び前記外添剤をヘンシェルミキサー又はVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー母粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
【0088】
本発明に用いるトナーには滑性粒子を添加してもよい。滑性粒子としては、グラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用できる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を併用して使用できる。但し、体積平均粒径としては0.1μm以上10μm以下の範囲が好ましく、前記化学構造のものを粉砕して、粒径をそろえてもよい。トナーへの添加量は望ましくは0.05質量%以上2.0質量%以下、より望ましくは0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲である。
【0089】
本発明に用いるトナーには、電子写真感光体表面の付着物、劣化物除去の目的等で、無機粒子、有機粒子、該有機粒子に無機粒子を付着させた複合粒子等を加えることができる。
【0090】
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。
【0091】
また、前記無機粒子を、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート等のチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等で処理を行ってもよい。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩によって疎水化処理したものも好ましく使用される。
【0092】
有機粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。
【0093】
粒子径としては、体積平均平均粒子径で望ましくは5nm以上1000nm以下、より望ましくは5nm以上800nm以下、さらに望ましくは5nm以上700nm以下でのものが使用される。体積平均粒子径が、前記下限値未満であると、研磨能力に欠ける傾向があり、他方、前記上限値を超えると、電子写真感光体表面に傷を発生しやすくなる傾向がある。また、上述した粒子と滑性粒子との添加量の和が0.6質量%以上であることが好ましい。
【0094】
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等の為、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を用い、更に付着力低減や帯電制御の為、それより大径の無機酸化物を添加することが好ましい。これらの無機酸化物粒子は公知のものを使用できるが、精密な帯電制御を行なう為にはシリカと酸化チタンを併用することが好ましい。また、小径無機粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を上げる効果が大きくなる。さらに、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩や、ハイドロタルサイト等の無機鉱物を添加することも放電精製物を除去するために好ましい。
【0095】
また、電子写真用カラートナーはキャリアと混合して使用してもよいが、キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉又はそれ等の表面に樹脂コーティングを施したものが使用される。また、キャリアとの混合割合は、適宜設定することができる。
【0096】
感光体ドラム32上に順次形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、転写装置(転写手段)により、感光体ドラム32の外周に用紙搬送ベルト40上を搬送される記録用紙(被転写体)44へ転写される(転写工程)。用紙搬送ベルト40はロール60、62により張架され、記録用紙44はトレー48からピックアップロール50、及び一対のロール52、54により用紙搬送ベルト40まで搬送される。転写装置としては、具体的には例えば、電圧を印加した導電性又は半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、像保持体と記録用紙との間に電界を作り、帯電したトナーの粒子で形成されたトナー像を転写する手段や、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などで記録用紙の裏面をコロナ帯電して、帯電したトナーの粒子で形成されたトナー像を転写する手段など、従来公知の手段を使用することができる。
【0097】
さらに、感光体ドラム32上からトナー像が転写された記録用紙44は、定着装置(定着手段)74へと搬送され、この定着装置74によって加熱及び加圧されてトナー像が記録用紙44上に定着される。その後、片面プリントの場合には、トナー像が定着された記録用紙44は、排出ロール76によって画像形成装置30の上部に設けられた排出トレイ78上にそのまま排出される。
【0098】
定着装置としては、例えば加熱ロールと加圧ロールとで構成される加熱加圧によりトナー像を定着する熱定着器や、フラッシュランプ等による光照射によりトナー像を加熱して定着する光定着器などが利用できる。
加熱ロール又は加圧ロール等のロール表面を形成する材料は、トナーを付着させない目的で、例えばトナーに対して離型性の優れた材料、シリコーンゴムやフッ素系樹脂などであることが好ましい。
【0099】
―方、両面プリントの場合には、定着装置74により第一面(表面)にトナー像が定着された記録用紙44を、排出ロール76によって排出トレイ78上にそのまま排出せずに、排出ロール76によって記録用紙44の後端部を狭持した状態で、排出ロール76を逆転させるとともに、記録用紙44の搬送径路を両面用の用紙搬送路80に切り替え、この両面用の用紙搬送路80に配設された搬送ロール82によって、記録用紙44の表裏を反転した状態で、再度、用紙搬送ベルト40上へ搬送して、記録用紙44の第二面(裏面)に感光体ドラム32上からトナー像を転写する。そして、記録用紙44の第二面(裏面)のトナー像を定着装置74によって定着させ、記録媒体44を排出トレイ78上に排出する。
【0100】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム32の表面は、感光体ドラム32が1回転する毎に、感光体ドラム32の斜め上方に配置されたクリーニングブレード90によって、残留トナーや紙粉などが除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。
【0101】
図6に示すように、感光体ドラム32の横には、感光体ドラム32と接触するように帯電ロール34が配置されている。この帯電ロール34は、導電性シャフト34Aの周囲に弾性層34Bが形成された物であり、シャフト34Aは回転可能に支持されている。帯電ロール34の感光体ドラム32と反対側の下方部には、帯電ロール34の表面に接触する帯電ロールの清掃ロール(本発明のクリーニングロール)100が設けられて、帯電装置(本発明の帯電装置)が構成されている。この清掃ロール100は、シャフト(芯体)100Aの周囲に弾性層100Bが形成された物であり、シャフト100Aは回転可能に支持されている。
【0102】
更に、帯電ロール34の導電性シャフト34Aと清掃ロール100のシャフト100Aは絶縁物で挟まれており、同電位ではない仕様になっている。
本発明においては、帯電ロール34の導電性シャフト34Aと清掃ロール100のシャフト100Aへのバイアス印加は別々に行っており、清掃ロール100の表面電位をVa、帯電ロール34の表面電位をVbとしたときに、VaとVbとの差の絶対値|Vb−Va|が100V以下になるように制御している。VaとVbとの差の絶対値|Vb−Va|を100V以下に制御することにより、清掃ロール100の研磨粉が帯電ロール34に移行せず、色点の発生を抑制できる。
【0103】
前記VaとVbとの差の絶対値|Vb−Va|は、100V以下であることが好ましく、50V以下であることがより好ましい。尚、清掃ロール100の表面電位、及び帯電ロール34の表面電位は、各々の高圧電源により各々に制御を行う仕様となっている。
【0104】
帯電ロール34は、シャフト34Aの両端へ所定の荷重Fをかけて感光体ドラム32へ押し付けており、弾性層34Bの周面に沿って弾性変形して感光体ドラム32に接触している。
更に、清掃ロール100は、シャフト100Aの両端へ所定の荷重F’をかけて帯電ロール34へ押し付けており、弾性層100Bが帯電ロール34の周面に沿って弾性変形して帯電ロール34に接触させていることにより、帯電ロール34の撓みを抑えて、帯電ロール34と感光体ドラム32の軸方向のニップ均一性を保っている。
【0105】
感光体ドラム32は、図示しないモータによって矢印X方向に回転駆動され、感光体ドラム32の回転により帯電ロール34が矢印Y方向に従動回転する。また、帯電ロール34の回転により清掃ロール100が矢印Z方向に従動回転する。その為、回転した際も上記ニップ均一性を保つ事が出来る。
【0106】
本発明の画像形成方法、画像形成装置及びロセスカートリッジは、本発明のクリーニングロールを用いているので、帯電ロール表面の異物を効率的に除去し、さらに長期に渡って良好なクリーニング性能を維持可能であり、帯電部材表面への転写残トナーや異物の付着及び蓄積による汚染に起因する、色点等の画像欠陥の発生を防止することが可能となる。
【実施例】
【0107】
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0108】
(実施例1)
JIS K6400−2 D法で計った硬さ350N、密度30kg/m、セル数13個/25mm、セル径500μm、引っ張り強度100KPaのウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名:MF−13)を用いて、以下の手順でクリーニングロールを作製した。この連泡構造としたウレタンフォームを、15mm×10mm×350mmの大きさにカットして、SUS303からなる外径φ5mm、長さ230mmの芯材を前記角材に挿入してから、外径研磨し、弾性層の軸方向長さ220mm,外径φ8mmのクリーニングロール(1)を得た。
【0109】
尚、クリーニングロール(1)の既述の方法で測定した圧力損失は1.4mmHOであった。また、圧力損失の大きさを簡易的に調べるため、以下の評価Aを実施した。その結果を表1に示す。
【0110】
クリーニングロールの外径に等しい内径かあるいはそれ以下の内径のチューブに、クリーニングロールを挿入し、片側から、1kg/cmのAirを通過させた。このとき、クリーニングロールの圧力損失が大きすぎる(圧力損失が概ね10mmHOを超える)と、クリーニングロールはチューブから抜ける。一方、クリーニングロールの通気性が良い(圧力損失が概ね10mmHO以下)と、空気がぬけるためクリーニングロールはチューブから抜けない。
【0111】
(実施例2)
JIS K6400−2 D法で計った硬さ350N、密度30kg/m、セル数20個/25mm、セル径400μm、引っ張り強度100kPaのウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名:CFH−20)を用いて、以下の手順でクリーニングロールを作製した。この連泡構造としたウレタンフォームを15mm×10mm×350mmの大きさにカットして、SUS303からなる外径φ5mm、長さ230mmのシャフトをウレタンフォームに挿入した後、外径研磨を行い、弾性層の軸方向長さ220mm,外径φ8mmのクリーニングロール(2)を得た。尚、クリーニングロール(2)の既述の方法で測定した圧力損失、及び評価Aの結果は表1に示す。
【0112】
(実施例3)
JIS K6400−2 D法で計った硬さ350N、密度30kg/m、セル数30個/25mm、セル径400μm、引っ張り強度100KPaのウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名:MF−30)を、用いて、以下の手順でクリーニングロールを作製した。この連泡構造としたウレタンフォームを15mm×10mm×350mmの大きさにカットして、SUS303からなる外径φ5mm、長さ230mmのウレタンフォームに挿入したのち、外径研磨を行い、弾性層の軸方向長さ220mm,外径φ8mmのクリーニングロール(3)を得た。尚、クリーニングロール(3)の既述の方法で測定した圧力損失、及び評価Aの結果は表1に示す。
【0113】
(実施例4)
JIS K6400−2 D法で計った硬さ350N、密度30kg/m、セル数40個/25mm、セル径250μm、引っ張り強度150KPaのウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名:CFH−40)を用いて、以下の手順でクリーニングロールを作製した。この連泡構造としたウレタンフォームを15mm×10mm×350mmの大きさにカットして、SUS303からなる外径φ5mm、長さ230mmのウレタンフォームに挿入したのち、外径研磨を行い、弾性層の軸方向長さ220mm,外径φ8mmのクリーニングロール(4)を得た。尚、クリーニングロール(4)の既述の方法で測定した圧力損失、及び評価Aの結果は表1に示す。弾性ローラ素材を得た。
【0114】
(比較例1)
JIS K6400−2 D法で計った硬さ150N、密度30kg/m、セル数8個/25mm、セル径250μm、引っ張り強度45Kpaのウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名:MF−8)を、用いて、以下の手順でクリーニングロールを作製した。この連泡構造としたウレタンフォームを15mm×10mm×350mmの大きさにカットして、SUS303からなる外径φ5mm、長さ230mmのウレタンフォームに挿入したのち、外径研磨を行い、弾性層の軸方向長さ220mm,外径φ8mmのクリーニングロール(5)を得た。尚、クリーニングロール(5)の既述の方法で測定した圧力損失、及び評価Aの結果は表1に示す。
【0115】
(比較例2)
JIS K6400−2 D法で計った硬さ250N、密度57kg/m、セル数55個/25mm、セル径250μm、引っ張り強度150KPaのウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名:MF−55)を、用いて、以下の手順でクリーニングロールを作製した。この連泡構造としたウレタンフォームを15mm×10mm×350mmの大きさにカットして、SUS303からなる外径φ5mm、長さ230mmのウレタンフォームに挿入したのち、外径研磨を行い、弾性層の軸方向長さ220mm,外径φ8mmのクリーニングロール(6)を得た。尚、クリーニングロール(6)の既述の方法で測定した圧力損失、及び評価Aの結果は表1に示す。
【0116】
(比較例3)
JIS K6400−2 D法で計った硬さ350N、密度70kg/m、セル数60個/25mm、セル径420μm、引っ張り強度200Kpaのウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名:EP−70)を用いて、以下の手順でクリーニングロールを作製した。この連泡構造としたウレタンフォームを15mm×10mm×350mmの大きさにカットして、SUS303からなる外径φ5mm、長さ230mmのウレタンフォームに挿入したのち、外径研磨を行い、弾性層の軸方向長さ220mm,外径φ8mmのクリーニングロール(8)を得た。尚、クリーニングロール(8)の既述の方法で測定した圧力損失、及び評価Aの結果は表1に示す。
【0117】
画質評価−その1(10000枚目の画像評価)
富士ゼロックス(株)製DocuPrintC1100改造機(清掃ロールと帯電ロールの電位を別々に制御できるように改造したもの)を準備した。このプリンターの接触帯電器用クリーニングロールとして、得られたクリーニングロール(1)〜(8)をそれぞれ搭載し、搭載したクリーニングロールの表面電位Vaを−1000に、帯電ロールの表面電位Vbを−1000に調整して、10℃/15%RH環境下で連続10000枚の画像形成を行い、10000枚目の画像を下記基準により目視評価した。その結果を表1に示す。
○:筋状の汚れ発生なし。
△:僅かな筋状の汚れ発生(実用上問題なし)。
×:筋状の汚れ起因の画像劣化発生あり。
【0118】
画質評価−その2(200000枚目の画像評価)
画質評価−その1において、画像形成を連続200000枚行い、200000枚目の画像を以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。
○:筋状の汚れ発生なし。
△:僅かな筋状の汚れ発生(実用上問題なし)。
×:筋状の汚れ起因の画像劣化発生あり200,000枚目まで付着粒子起因の画質欠陥
φ0.2mm以下及びφ0.2mm超える黒点(色点)の発生はなかった。
【0119】
従動性評価
感光体と帯電ロールとクリーニングロールが配置できる簡易ベンチを用い、感光体を駆動させることで、帯電ロールならびにクリーニングロールがそれぞれギヤなどを用いずに回転(従動)するか/しないかを測定した。それぞれの帯電ロールとクリーニングロールの食込み量(帯電ロールの半径r1とクリーニングロールの半径r2の和(r1+r2)から実際の帯電ロールとクリーニングロール軸間距離Xを引いた値((r1+r2)−X))は、0.3mmと0.5mmで一定とした。尚、感光体を駆動させるプロセススピードは、50mm/s、150mm/s、250mm/s、350mm/sの4水準を実施した。全ての条件で従動する場合を○、従動しない場合を×、途中で従動しなくなる場合やスリップした従動の場合を△とした。その結果を表1に示す。
【0120】
【表1】

【0121】
表1より、実施例1〜4は、画質評価、従動性評価共良好であった。一方、比較例1〜4は、画質評価、従動性評価共不良であった。
【0122】
(実施例5〜14)
実施例3において、DocuPrint C1100改造機に搭載したクリーニングロールの表面電位Va、及び帯電ロールの表面電位Vbを表2に示す値に変更したこと以外、実施例3と同様にして、画像形成し、同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0123】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】圧力損失の測定方法を説明するための図である。
【図2】本発明のクリーニングロールにおける弾性層の形状の一例を説明するための図である。
【図3】本発明の帯電装置の構成の一例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。
【図5】本発明の画像形成装置に用いるカートリッジの一例を示す概略構成図である。
【図6】本発明の帯電装置の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
【0125】
11…芯体、12…発泡体、21…帯電装置、30…画像形成装置、32…感光体ドラム、34…帯電ロール、74…定着装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯体と、
前記芯体の外周面上に設けられ、圧力損失が1mmHO以上10mmHO以下である弾性層と、
を有することを特徴とする帯電ロール用クリーニングロール。
【請求項2】
帯電ロールと、クリーニングロールと、を有し、
前記クリーニングロールが請求項1に記載の帯電ロール用クリーニングロールであることを特徴とする帯電装置。
【請求項3】
画像形成装置本体に脱着可能であり、
像保持体を帯電する帯電手段と、
前記像保持体、前記像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により、トナー像として現像する現像手段、及び、前記像保持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段からなる群より選ばれる少なくとも一つと、
を備え、
前記帯電手段が請求項2に記載の帯電装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項4】
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体表面を露光する露光手段と、
前記像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により、トナー像として現像する現像手段と、
前記像保持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、
を備え、
前記帯電手段が請求項2に記載の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記クリーニングロールの表面電位Vaと帯電ロールの表面電位Vbとの差の絶対値|Vb−Va|が、100V以下であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
像保持体を請求項2に記載の帯電装置を用いて帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体表面を露光する露光工程と、
前記像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により、トナー像として現像する現像工程と、
前記像保持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写工程と、
を有し、
前記クリーニングロールの表面電位Vaと帯電ロールの表面電位Vbとの差の絶対値|Vb−Va|を、100V以下にすることを特徴とする画像形成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−156995(P2009−156995A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333307(P2007−333307)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】