説明

幅狭流体流通孔を有する積層造形品およびその製造方法

【解決手段】 本発明では、積層造形法を利用して、前記積層造形法中に作製される少なくとも1つの幅狭流体流通孔(6)を有する造形品(2)を製造するものである。このような幅狭流体流通孔(6)は、任意の望ましい断面形状、配向、および曲率を有しうる。本発明は、少なくとも1つの幅狭流体流通孔(6)を含む造形品(2)も含み、前記造形品(2)および前記幅狭流体流通孔(6)は、積層造形法により同時に製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幅狭流体流通孔を少なくとも1つ含む積層造形品に関する。具体的には、本発明は、積層造形法中にそのような流通孔が少なくとも1つ作製されるような造形品に関する。さらに具体的には、本発明は、1つまたは複数の前記流通孔が可変形状または非直線状の中心線を有するような造形品に関する。また、本発明はこのような造形品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの製造された造形品は、造形品またはその一部分の内へ及び/又は外へ流体が流入または流出できるようにする小直径の流体流通孔を含む。例えば、発泡スチロール(expanded polystyrene、別名発泡ポリスチレン、略称EPS)など膨張した高分子ビーズから造形品を作製するための金型は、金型内に蒸気を流通させて高分子ビーズをさらに膨張させ互いに結合させるため、複数の幅狭流体流通孔を含む。射出成形金型は、射出工程中に前記金型から閉じ込められた空気が逃げられるようにする幅狭流体流通孔を含む。プラスチックシートの熱成形などに使用される減圧ツールは、ツールの表面に抗して形成される前記プラスチックシートと前記ツールとの間で減圧を行うための幅狭流体流通孔を含む。衝撃吸収装置などに使われる流体調整装置も、幅狭流体流通孔を少なくとも1つ含む。開ループ熱交換器または閉ループ熱交換器のいずれかを使用する熱交換器も、幅狭流体流通孔を含むことができるものである。
【0003】
現在、1つまたは複数の幅狭流体流通孔を作製するには、何らかの機械的、電気的、光学的、または化学的手段による打ち抜きやドリリングなど、何らかのタイプの穿孔工程を造形品に施すこと必要がある。EPSビーズ金型の場合、流通孔の作製には約0.16cm〜約0.64cmをドリリングした段付き穴と、これらの穴に圧入するためのスロット付き端面を有する円柱型ハードウェアと、金型面であって、前記ハードウェアが確実に前記金型面と同一平面に重なるように機械工作を施す金型面とが必要となる。あるいは、このような流通孔は、レーザードリリング後に金型面を手作業で浄化し、レーザードリリング工程によるばりおよび他の凹凸を除去することによっても作製しうる。このような流通孔は、放電加工、化学エッチング、または化学ドリリングでも作製しうる。
【0004】
このような流通孔作製工程は、コスト高で時間がかかる。さらに、流通孔を作製するために使用されるツールがアクセス可能な領域に、流通孔の配置は制限される。通常アクセス不能な領域に流通孔が必要な場合には、所望の領域をアクセス可能にするために造形品を切断し、取り外した部分に1つまたは複数の流通孔を作成したのち、取り外した領域を造形品に戻し再び一体化することが必要である。
【0005】
先行技術の別の難点は、造形品面に対する幅狭流体流通孔の配向が、使用する穿孔技術と、個々の幅狭流体流通孔を配置する表面部分へのアクセスのしやすさとにより制限されることである。表面形状が、湾曲した、複雑な、またはアクセスの制限されている場所では、幅狭流体流通孔は最適でない配向を有する可能性が高い。レーザーまたは化学ドリリングなどの技術が使われる場合、幅狭流体流通孔の配向は、通常、造形品面に対し略垂直に限定される。
【0006】
先行技術のさらに別の難点は、1つまたは複数の流通孔が実質的に直線状の中心線を有するように制限され、ほとんどの先行技術方法は、実質的に丸い断面形状を有した流通孔の製造のみに限定されている。
【0007】
そのため、幅狭流体流通孔を少なくとも1つ含んだ造形品を製造する方法であって、1つまたは複数の前記流通孔を作製するための穿孔技術の使用に付随したコストと問題を回避する方法が必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、先行技術固有の1若しくはそれ以上の難点を回避する少なくとも1つの幅狭流体流通孔を具備した造形品の製造方法を提供する。この目的を達するため、本発明では、積層造形法を利用して、少なくとも1つの幅狭流体流通孔を有する造形品を製造し、1つまたは複数の前記流通孔は前記積層造形法中に製造される。
【0009】
本明細書および添付の請求項における用語「積層造形法」は、有用な3次元の造形品が結果として得られる任意の工程であって、前記造形品の形状を1層ずつ順次成形する工程を含む任意の工程を指す。積層造形法は、少数の特定造形品の作製に層ごとの構築工程が採用される場合、当該技術分野では「ラピッドプロトタイピング法」としても知られている。この積層造形法は、前記造形品の物理的および/または機械的な特性を強化する1若しくはそれ以上の成形後工程を含みうる。好適な積層造形法は、3次元転写法(Three−Dimensional Printing、略称「3DP」)および粉末焼結積層造形法(Selective Laser Sintering、略称「SLS」、別称「選択的レーザー焼結」)を含む。前記3DP工程の例は、Sachsの2000年3月14日発行済み米国特許第6,036,777号などに見られる。前記SLS工程の例は、Bourellらの1991年12月31日発行済み米国特許第5,076,869号などに見られる。本発明に係る積層造形法は、金属、高分子、セラミック、または複合材料からなる造形品の製造に使用できる。
【0010】
本明細書および添付の請求項における用語「幅」は、流通孔の境界内部に延在し、前記流通孔の中心線に垂直な前記流通孔の断面内において前記流通孔の前記中心線を貫通する最短線を指す。本明細書および添付の請求項における用語「幅狭」は、幅が約0.25cm以下であることを指す。本発明に関しては、この幅狭流体流通孔は約0.02cm〜約0.25cmのサイズ範囲の幅を有することが好ましい。
【0011】
用語「断面形状」は、本明細書において幅狭流体流通孔に言及して使用する場合、前記流通孔の中心線に局所的に垂直な平面内で前記流通孔の境界により画成される形状を指す。
【0012】
先行技術と対照的に、本発明は、造形品を切断し再度組み立てることなく、1つまたは複数の前記幅狭流体流通孔をそれらが最も必要とされる場所に配置する自由を、造形品の設計者にもたらす。本発明は、造形品の設計者が1つまたは複数の前記流通孔の配向と複数の流通孔の配置密度との双方を最適化することも可能にする。例えば、本発明では、設計者がEPSビーズ金型の流通孔を前記金型の開口部の方向と平行に配向できるため、成形されたEPS部品の取り外しが容易になり、また流通孔内へ押し出されるEPS材料により流通孔が詰まる可能性を低減できるようになる。本発明では、設計者は、大量の換気が必要な領域内で流通孔の配置密度を高くしつつ、比較的換気が必要でない領域では流通孔の配置密度を低くすることもできる。さらに、本発明によりもたらされる柔軟性により、設計者は、コンピュータで実行されるアルゴリズムを使用して流通孔の設計と配置とアレイ(配列)密度とを最適化できるようになる。このアルゴリズムを含むコンピュータプログラムは、流通孔を造形品に組み込む電子ファイルさえも作成でき、設計基準の選択後は、ほとんど、またはまったく人間が介入することなく、造形品をすべて転写可能にしうる。
【0013】
さらに、大部分の穿孔技術では、設計者は丸い断面を有する1つまたは複数の幅狭流体流通孔を使用するように制限されるが、本発明では、四角形も含めた多種多様な断面形状の使用が可能になる。本発明は、設計者が流通孔の長手方向に沿って流通孔の断面形状および幅の双方を変更できるようにもする。また、流通孔の中心線が直線状でなければならず、また流通孔の長さが造形品の厚さだけに依存するという先行技術の制約からも設計者を解放する。その代わり、本発明では前記中心線の曲げまたは方向転換が可能になる。流通孔の断面形状、幅、長、配向、および中心線の曲率について本発明が提供するこの優れた柔軟性は、単独で、またいかなる所望の位置にもいかなるアレイ(配列)密度でも流通孔を配置できる本発明の容易性と組み合わせて、流通孔設計を流体および圧力の制御手段として使用するというかつてない機会を設計者にもたらす。
【0014】
例えば本発明では、複雑な表面に位置した複数の幅狭流体流通孔を有する可変板厚の造形品において、各流通孔がその特定位置の特性を担うように構成することにより、各流通孔を流通する流体流量が均等になるようにできる。
【0015】
本発明の異なる別の態様は、少なくとも1つの幅狭流体流通孔を含む造形品を提供することであり、その場合、前記造形品および1つまたは複数の前記幅狭流体流通孔は、積層造形法により同時に製造される。
【0016】
本発明により製造される造形品は、特に消失模型鋳造法における模型、飲料用カップ、クリスマス装飾品、梱包材、救命具、および断熱材として使用するためのEPS成形発泡造形品の製造に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この項では、現時点で好適な本発明の実施形態をいくつかを、本発明を実施する上で当業者に十分な程度に詳細に説明する。ただし、本明細書で説明する現在好適な実施形態の数が限定されているからといって、添付の請求項に記載の本発明の範囲が限定されるものでは一切ないことを理解すべきである。
【0018】
例示を明瞭および簡潔にするため、現時点で好適な実施形態の説明はEPSビーズ金型の作製に関する説明だけに限定し、使用する積層造形法は3DP法とする。当業者であれば、本発明が、1若しくはそれ以上の幅狭流体流通孔を有する任意タイプの造形品を作製する工程であって、前記1若しくはそれ以上の幅狭流体流通孔は、前記造形品の層ごとの構築中、前記造形品内に1若しくはそれ以上の幅狭流体流通孔を含める上で適用可能な任意の積層造形法のサイズおよび材料能力の範囲内であるものである、工程を含むことが理解できるであろう。
【0019】
従来のEPSビーズ成形法では、2ピースからなる閉じたEPSビーズ金型内に部分的に発泡したEPSビーズを充填する。次に、EPSビーズ金型を取り囲むチャンバ内へ蒸気を導入する。蒸気がこのEPSビーズ金型に設けられた複数の幅狭流体流通孔を通じて流通すると、部分的に発泡したEPSビーズに含まれるペンタンなどの発泡剤が前記ビーズをさらに発泡させ、これらビーズはEPSビーズ金型により画成された形状内で互いに融着する。この蒸気工程の完了後、EPSビーズ金型を取り囲むチャンバを減圧する、および/またはEPSビーズ金型の外面に水をスプレーすることにより成形品を冷却する。次に、このEPSビーズ金型を開き、成形された部品を取り外す。従来のEPSビーズ成形法は、Bishopの1995年10月3日発行済み米国特許第5,454,703号に開示されている。
【0020】
EPSビーズ金型内に蒸気を流通させる流通孔の幅は、ビーズが流通孔を塞ぐのを防ぐため、またビーズが流通孔を通じて金型の空洞内から外へ出てしまうのを防ぐため、部分的に発泡したEPSビーズのサイズより小さくなければならない。通常、部分的に発泡したEPSビーズの直径は約0.05cmオーダーである。一部この小サイズのため、また一部EPSビーズ金型の空洞内に充填された部分的に発泡した全EPSビーズが蒸気と接触する必要があるため、EPSビーズ金型の表面にはできる限り多くの幅狭流体流通孔を配置することが望ましい。しかし、EPSビーズ金型の成形面の複雑な領域または凹部になった領域には穿孔ツールが届きにくいという問題があるため、従来のEPSビーズ金型作製技術では流通孔配置の最適化が困難である。
【0021】
本発明の一態様によれば、3DP工程などの積層造形法によるEPSビーズ金型部品の製造中に、複数の幅狭流体流通孔をEPSビーズ金型の各部分に組み込むことができる。
【0022】
この3DP工程は、インクジェット転写に概念的に類似している。ただし、3DP工程では、インクの代わりに最上層である粉末床に結合剤を溶着する。この結合剤は、製造する造形品の3次元電子表現の2次元スライスに従って粉末層に転写される。このように、造形品全体が成形されるまで順次層を転写していく。前記粉末は、金属、セラミック、高分子、または複合材料を含有しうる。前記結合剤は、高分子および炭水化物の少なくとも一方を含有しうる。適切な結合剤の例は、Bourellらの1991年12月31日発行済み米国特許第5,076,869号,およびLiuらの2003年7月1日発行済み米国特許第6,585,930号に挙げられている。
【0023】
転写された前記造形品は、通常、粉末の充填密度に応じて約30体積パーセントから60を超える体積パーセントまでの粉末と、約10体積パーセントの結合剤とからなり、残りは空隙空間となる。この段階において、転写された造形品はやや脆弱である。そのため、転写された造形品の物理的および/または機械的な特性を強化するよう、転写後処理を実施する場合がある。通常、このような転写後処理には、転写した造形品を熱処理して結合剤を溶浸材で置換し、次にこの溶浸材を硬化または固化させることにより、望ましい物理特性および機械特性を有する高密度の造形品を製造する工程が含まれる。溶浸工程を使う場合は、溶浸により幅狭流体流通孔が塞がらないようにする必要がある。本発明に従い製造した造形品の流通孔を溶浸材が塞がないようにするには、積層造形品内に成形された冷却液の流路を溶浸材が閉塞させないようにする方法についてSachsらが1998年7月7日発行済み米国特許第5,775,402号で開示している技術を使用しうる。
【0024】
積層造形法に使用する造形品の3次元電子表現は、通常、コンピュータ支援設計(Computer−Aided Design、略称「CAD」)ソフトウェアを使って作成する。3次元電子表現のCADファイルは、通常、当分野で光造形(stereolithography、別称「ステレオリソグラフィ」)ファイル形式、あるいは標準三角パッチ言語(standard triangle language、略称「STL」)とも呼ばれるファイル形式(STL形式)として公知の別のファイル形式に変換される。次に、このSTL形式ファイルは適切なスライスプログラムにより処理され、造形品の3次元電子表現を、造形品の2次元スライスとして表現したSTL形式ファイルへと変換する電子ファイルが生成される。スライスの厚さは、通常、約0.008cm〜約0.03cmの範囲であるが、作製する造形品の設計基準と、使用する積層造形法とに応じてこの範囲と実質的に異なってもよい。これら種々の電子ファイルを作製するための適切なプログラムは、当業者には周知のものである。
【0025】
以下、2ピースEPSビーズ金型のうちの1ピースの作製について、本発明の一態様の実施を例示して説明する。本明細書において、EPSビーズ金型の各ピースは別個の造形品と見なされ、第2のピースは第1のピースと別個または同時に作製しうる。
【0026】
まず、前記金型ピースの3次元電子表現をCADファイルとして作成し、次にSTL形式ファイルに変換する。次に、造形品が有すべき幅狭流体流通孔のアレイ(配列)の3次元電子表現のCADファイルを作成する。次に、この流通孔アレイのCADファイルを、STL形式のファイルに変換する。
【0027】
当業者であれば、造形品および流通孔の各CADファイルを作製する際には、製造工程中に起こりうる収縮など、いかなる寸法変更も考慮できるよう、前記造形品および流通孔の寸法を調整しなければならないことは理解できるであろう。例えば、特定造形品の3DP工程による製造中の収縮に関する補正を行う場合は、最終的に0.046cmの直径を有すべき流通孔を直径0.071cmで転写するよう構成しうる。
【0028】
前記2つのSTL形式ファイルを比較し、個々の流通孔が造形品内で確実に望ましい位置になるようにする。これらのSTLファイルには任意の望ましい補正または修正を施してよい。次に、前記2つのSTL形式ファイルを、流通孔の3次元表現を造形品の3次元表現から減算処理する2項減算など、ブール演算を実行する適切なソフトウェアプログラムを使って組み合わせる。このようなプログラムの例としては、Magics RPソフトウェアがある(ベルギー、LeuvenのMaterialise NV社から入手可能)。その結果得られた電子表現にも、望ましくない領域から流通孔を除去するといった所望の補正または修正を施すことができる。
【0029】
このファイル組み合わせ工程の結果、望ましい幅狭流体流通孔アレイを含む造形品の3次元電子ファイルが得られる。本明細書ではこのような電子ファイルを「流通孔付き造形品3Dファイル」(3−D vented−article file)と呼ぶ。次に従来のスライスプログラムを使い、この流通孔付き造形品3Dファイルを、2次元スライスとして表現された前記造形品を有する電子ファイルに変換する。本明細書ではこのような電子ファイルを「流通孔付き造形品2Dスライスファイル」(vented article 2−D slice file)と呼ぶ。この流通孔付き造形品2Dスライスファイルについては、誤りがないかチェックし、また望ましい任意の補正または修正を施すことができる。次に、この流通孔付き造形品2Dスライスファイルが3DP工程機器で使用されて前記造形品の転写バージョンが作製されたのち、物理的および/または機械的な特性を改善するためさらに処理される。このような3DP工程機器の例としてはProMetal(登録商標)Model RTS 300 ユニットがあり、これはExtrude Hone Corporation社(米国、Irwin、PA 15642)から利用入手可能である。
【0030】
以上の段落で開示した、1つまたは複数の望ましい幅狭流体流通孔を含む造形品の電子表現を作成する方法であって、造形品を層ごとに作製する際に積層造形法機器で使用可能な方法は、このような電子表現を作成する多数の方法の単なる1つであることを理解すべきである。実際に使用する特定の方法は設計者の裁量次第であり、造形品の複雑度およびサイズ、造形品に設ける幅狭流体流通孔の数、利用できるコンピュータ処理設備、そして1つまたは複数の電子ファイル処理に利用できる計算時間長といった要因に依存する。例えば、単純な造形品が幅狭流体流通孔を1つだけ包含する場合は、この造形品の3次元電子表現を含む初期CADファイルに前記流通孔を含めると作業を迅速化しうる。他では、流通孔アレイおよび造形品のSTLファイルを組み合わせる前に相互比較する工程だけを排除することが望ましい場合もある。当業者であれば、一部の積層造形法ではスライス工程が利用者に明白でない(意識されない)ことがあり、その場合、利用者がオブジェクトの3次元表現のCADファイルまたはSTLファイルを処理機器に入力するだけで、造形品を層ごとに構築するための2次元スライス生成に必要な追加演算が前記機器により自動的に実行される場合もあることが理解できるであろう。その場合でも、このような工程での前記スライス演算は実行される。1つまたは複数の幅狭流体流通孔を有する造形品の電子表現を作成する上で積層造形法機器において利用可能な考えうる変形形態は、すべて本発明の企図内であることを理解すべきである。
【0031】
本発明において、設計者は、コンピュータで実行されるアルゴリズムを使用して流通孔の設計と配置とアレイ密度とを最適化することができる。このアルゴリズムを含むコンピュータプログラムは、上記の方法などで流通孔を造形品に組み込むための電子ファイルを作成する際にも使用することもできる。また、造形品が転写されるようにする目的でも使用しうる。このように、本発明のこの態様では、設計基準を選択さえすれば人間がほとんど、またはまったく介入することなく設計基準から造形品転写までのすべてが行えるようになる。このようなアルゴリズムおよびそれに関連して実行するソフトウェアの設計は、流体力学、造形品設計、機械自動化、およびコンピュータプログラミングの原理を総合すれば当業者の技能内である。
【0032】
本発明の異なる別の態様では、少なくとも1つの幅狭流体流通孔を含む造形品を提供し、その場合、前記造形品および1つまたは複数の前記幅狭流体流通孔は、積層造形法により同時に製造される。このような造形品の例としては、これに限定されるものではないが、EPSビーズ金型およびその一部、流通孔付き射出成形金型、真空成形ツール、熱伝導装置、衝撃吸収装置などに使用される流体調整装置などがある。
【0033】
本発明の異なる別の態様は、各幅狭流体流通孔の幾何学的形状に関してほぼ無制限の柔軟性を可能にする。例えば図2は、種々の流通孔構成を有した、本発明に係る造形品の壁の断面を一部示したものである。この造形品の壁10は厚さが変化し、幅狭流体流通孔例12〜32は、それぞれ異なる幾何学的構成を有する。本発明に従って作製された流通孔は、分岐孔20、22、24、および26を有する流通孔例18で例示したように分岐させることさえ可能である。
【0034】
分岐した流通孔は、これに限定されるものではないが、幹−分岐孔関係が1対nまたはn対1の流通孔を含みうる。さらに本発明に従って作製された流通孔は、流通孔例16および28で例示したように非直線状の中心線を有しうる。
【0035】
さらに、幅狭流体流通孔に望ましいいかなる断面形状も本発明によれば達成可能である。ほどんどの先行技術では断面形状が実質的に丸い単一断面形状に限定されるが、本発明において、設計者はこの制約を免れるだけでなく、異なる断面形状の流通孔を造形品内で使用することも可能になる。また本発明者は、流通孔の断面形状を丸くせず、むしろ六角形や正方形など多角形にした方が、電子ファイルのサイズと、流通孔単独の表現または(100以上といった多数の流通孔を有する造形品の場合)造形品の一部としての流通孔の表現を含む前記電子ファイルの処理時間とが、実質的に削減されるという驚くべき結果が見出された。
【0036】
例えば図3を参照すると、本発明に係る造形品の流通孔付きの平坦な表面40について小さい部分が示されている。この流通孔付き表面40は、幅狭流体流通孔42〜50を5つ含んでいる。流通孔42は丸い断面形状を有し、流通孔44は三角形の断面形状を有し、流通孔46は正方形の断面形状を有し、流通孔48は長方形の断面形状を有し、さらに流通孔50は六角形の断面形状を有している。
【0037】
当業者であれば、本発明の企図内の造形品は他の方法で作製された幅狭流体流通孔を有する造形品と区別できることが理解できるであろう。例えば一部のケースでは、このような造形品は、他のいかなる製造手段でも実現しえない1つまたは複数の流通孔の配置および配向により区別しうる。これは、先行技術による流通孔の配置および配向が穿孔ツールのアクセスしやすさにより制限されているのに対し、本発明では流通孔を造形品のどこにでも配置でき、またいかなる方向にも配向できるためである。このような造形品は、1つまたは複数の流通孔の断面形状によっても区別しうる。これは、大部分の先行技術方法では流通孔の断面形状が丸い形状に実質的に限定されるのに対し、本発明によれば四角形を含めいかなる形状も可能なためである。このような造形品は個々の流通孔の壁の質感によっても区別しうる。これは、穿孔手段で作製した流通孔の壁は、使用した流通孔成形方法の痕跡を呈するのに対し、本発明に従い作製した流通孔の壁は、造形品製造で使用される層ごとの構築工程に特徴的な質感を呈するためである。
【0038】
幅狭流体流通孔を含む造形品であって、前記造形品および前記流通孔が積層造形法により同時に作製された造形品の例を図1Aに示す。この図に示した造形品は4気筒エンジンヘッドの消失模型模型の作製に使用するEPSビーズ金型の上半分である。この金型の半分2は複雑な金型表面4を有し、転写段階では長さ74.6cm、幅49.4cm、厚さ4.6cmである。この金型の半分2は、27,000個を超える幅狭流体流通孔6を含んでいる。前記流通孔6は、それぞれ四角形の断面を有し、幅は0.05cmである。図1Bは、これらの流通孔6をよりわかりやすく例示するため、前記金型の半分2の前記金型表面4の小部分の拡大図を示したものである。これらの流通孔6は、すべてこのEPSビーズ金型の開口部方向8、すなわち図1Aのページへ向かう方向に配向されている。転写されたこの金型の半分2は、−170メッシュ/+325メッシュの粒子サイズを有するグレード420のステンレス鋼粉末および転写結合剤を使った3DP工程で作製されたものである。この転写結合剤ProMetal(登録商標)SBC−1は、Extrude Hone Corporation社(米国、Irwin、PA 15642)から入手可能な炭水化物/アクリル結合剤である。
【0039】
次に、物理的および機械的な特性を強化するため、この転写された造形品を90重量パーセントの銅と10重量パーセントのスズ青銅合金とで溶浸した。この溶浸工程中、転写された前記造形品をこの転写された造形品への溶浸材源より高くして溶浸の毛管力と前記溶浸材の静的出口圧力とで平衡をとるよう制御することにより、前記溶浸材が実質的に前記流通孔内へ流れ込まないようにした。この高さ制御技術により、前記流通孔6を前記溶浸材で閉塞することなく、あるいは前記流通孔6を小さくすることなく、前記造形品を完全に溶浸することが可能になった。この高さ制御技術の代わりに、またはそれに加え、前記流通孔が塞がらないよう、また前記溶浸材により小さくならないように使用できる異なる別の技術は、前記流通孔6の内面積が溶浸材により多少狭まることを想定して前記流通孔6を大型化することである。
【0040】
前記金型表面4は、比較的わずかな仕上げ作業で望ましい表面に仕上げることができた。
【0041】
以上、本明細書に示し説明した本発明の実施形態はわずか少数であるが、当業者であれば、付随の請求項に説明されている本発明の要旨を逸脱しない範囲で、多数の変更および修正が可能であることが明確に理解されるであろう。本明細書で言及したすべての米国特許は、言及によりその全体を本明細書に組み込まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明の特徴および利点の重要度は、添付の図面を参照することでより理解されるであろう。ただし、これらの図面は例示目的のみで設計されたものであり、本発明の限定の定義として設計されたものではないことを理解すべきである。
【図1A】図1Aは、本発明に従って作製された幅狭流体流通孔を有するEPSビーズ金型の半分の上面図。
【図1B】図1Bは、図1AのEPSビーズ金型の流通孔付き金型表面の小部分の上面図。
【図2】図2は、本発明の実施形態に従った種々の幅狭流体流通孔構成を有する造形品壁の断面図。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従った種々の断面形状の幅狭流体流通孔を有する造形品の平面の上面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの幅狭流体流通孔を有する造形品を製造するために、積層造形法を使用する方法であり、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は非円形断面形状を有し、前記積層造形法により前記造形品内に製造される方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、多角形断面形状を有するものである。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、四角形断面形状および六角形断面形状のうち少なくとも一方を有するものである。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、その中心線に沿って幅が変化するものである。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、その中心線に沿って断面形状が変化するものである。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、非直線状の中心線を有するものである。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、この方法は、さらに、
a)粉末層を提供する工程と、
b)前記粉末層の予め選択された領域で前記粉末を結合させることにより、前記造形品の層を転写する工程と
を有する方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、前記粉末は、金属、セラミック、高分子、および複合材料からなる群から選択される1つを少なくとも含有するものである。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、約0.02cm〜約0.25cm範囲の幅を有するものである。
【請求項10】
請求項1記載の方法であって、この方法は、さらに、
前記造形品内に位置決めされた少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔を伴う前記造形品の電子表現を作成する工程を有するものである。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、この方法は、さらに、
a)アルゴリズムを提供する工程と、
b)コンピュータで前記アルゴリズムを実行する工程であって、
i)少なくとも1つの前記小直径流体流通孔を設計する工程と、
ii)少なくとも1つの前記小直径流体流通孔用に位置を選択する工程と、
iii)前記造形品の表面の少なくとも一部について、複数の前記小直径流体流通孔用にアレイ密度を選択する工程と、
iv)少なくとも1つの前記小直径流体流通孔の電子表現を、前記造形品の電子表現に組み込む工程と、
v)層ごとに前記造形品が転写されるようにする工程と
のうち少なくとも1つを実行するために、コンピュータで前記アルゴリズムを実行する工程と
を有するものである。
【請求項12】
請求項1記載の方法であって、この方法は、さらに、
a)前記造形品の表現を含む第1の電子ファイルを作成する工程であって、少なくとも1つの前記流体流通孔は前記造形品の前記表現において不在である工程と、
b)前記不在の少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔の表現を含む第2の電子ファイルを作成する工程と、
c)前記第1の電子ファイルを前記第2の電子ファイルと組み合わせて、前記造形品内に位置決めされた前記不在の少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔を伴う前記造形品の表現を含む第3の電子ファイルを作成する工程と
を有するものである。
【請求項13】
請求項1記載の方法において、前記造形品はEPSビーズ金型のコンポーネントである。
【請求項14】
請求項13記載の方法であって、この方法は、さらに、
a)前記造形品を使用して模型を作製する工程と、
b)消失模型鋳造法で前記模型を使用する工程と
を有するものである。
【請求項15】
請求項1記載の方法において、前記造形品は、射出成形金型、真空成形ツール、熱伝導装置、および流体調整装置からなる群から選択される少なくとも1つコンポーネントである。
【請求項16】
請求項1記載の方法であって、この方法は、さらに、
EPSビーズ成形法、射出成形法、真空成形法、熱伝導装置、および流体調整装置からなる群から選択される少なくとも1つにおいて、前記造形品を使用する工程を有するものである。
【請求項17】
請求項1記載の方法であって、この方法は、さらに、
少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔を配向する工程であって、前記幅狭流体流通孔の末端が終端する表面に対し、実質的に法線方向でない方向に配向する工程を有するものである。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、前記造形品は複数の幅狭流体流通孔を有し、また使用中の開口部の方向を有するマルチピース金型のコンポーネントであり、前記配向する工程は、前記開口部の方向と平行に配向された中心線を有するよう少なくとも1つの前記複数の幅狭流体流通孔を配向する工程を有するものである。
【請求項19】
請求項1記載の方法であって、この方法は、さらに、
前記造形品を溶浸材で溶浸する工程を有するものである。
【請求項20】
請求項19記載の方法において、前記溶浸材は金属である。
【請求項21】
請求項20記載の方法において、前記溶浸材は青銅である。
【請求項22】
請求項1記載の方法において、前記積層造形法は3次元転写工程である。
【請求項23】
請求項22記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、多角形断面形状を有するものである。
【請求項24】
請求項22記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、その中心線に沿って幅が変化するものである。
【請求項25】
請求項22記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、その中心線に沿って断面形状が変化するものである。
【請求項26】
請求項22記載の方法であって、この方法は、さらに、
a)金属粉末を含有する粉末層を提供する工程と、
b)前記粉末層上に結合剤を溶着して前記粉末層の予め選択された領域内の前記金属粉末を結合させることにより、前記造形品の層を転写する工程と
を有するものである。
【請求項27】
請求項22記載の方法において、前記結合剤は、高分子および炭水化物の少なくとも一方を含有するものである。
【請求項28】
請求項26記載の方法において、前記金属粉末はステンレス鋼粉末を含有するものである。
【請求項29】
請求項22記載の方法であって、この方法は、さらに、
前記造形品を溶浸材で溶浸する工程を有するものである。
【請求項30】
請求項29記載の方法において、前記溶浸材は金属を含有するものである。
【請求項31】
請求項1記載の方法において、前記積層造形法は粉末焼結積層造形法である。
【請求項32】
請求項31記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、多角形断面形状を有するものである。
【請求項33】
請求項31記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、その中心線に沿って幅が変化するものである。
【請求項34】
請求項31記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、その中心線に沿って断面形状が変化するものである。
【請求項35】
請求項31記載の方法であって、この方法は、さらに、
a)金属粉末および結合剤を含有する粉末層を提供する工程と、
b)レーザービームで前記粉末層をスキャンして、前記粉末層の予め選択された領域内の前記結合剤が前記金属粉末を結合させるようにすることにより、前記造形品の層を転写する工程と
を有するものである。
【請求項36】
請求項31記載の方法であって、この方法は、さらに、
前記造形品を溶浸材で溶浸する工程を有するものである。
【請求項37】
請求項36記載の方法において、前記溶浸材は金属を含有するものである。
【請求項38】
請求項1記載の方法により製造される造形品。
【請求項39】
請求項3記載の方法により製造される造形品。
【請求項40】
請求項6記載の方法により製造される造形品。
【請求項41】
請求項7記載の方法により製造される造形品。
【請求項42】
請求項9記載の方法により製造される造形品。
【請求項43】
請求項13記載の方法により製造される造形品。
【請求項44】
請求項17記載の方法により製造される造形品。
【請求項45】
請求項18記載の方法により製造される造形品。
【請求項46】
少なくとも1つの幅狭流体流通孔を有する造形品を製造するために、積層造形法を使用する方法であり、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔が非直線状の中心線を有し、前記積層造形法により前記造形品内に製造される方法。
【請求項47】
請求項46記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、非円形断面形状を有するものである。
【請求項48】
請求項47記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、多角形断面形状を有するものである。
【請求項49】
請求項48記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、四角形断面形状および六角形断面形状のうち少なくとも一方を有するものである。
【請求項50】
請求項46記載の方法であって、この方法は、さらに、
a)粉末を含有する粉末層を提供する工程と、
b)前記粉末層の予め選択された領域で前記粉末を結合させることにより、前記造形品の層を転写する工程と
を有するものである。
【請求項51】
請求項50記載の方法において、前記粉末は、金属、セラミック、高分子、および複合材料からなる群から選択される1つを少なくとも含有するものである。
【請求項52】
請求項46記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、約0.02cm〜約0.25cm範囲の幅を有するものである。
【請求項53】
請求項46記載の方法であって、この方法は、さらに、
前記造形品内に位置決めされた少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔を伴う前記造形品の電子表現を作成する工程を有するものである。
【請求項54】
請求項53記載の方法であって、この方法は、さらに、
a)アルゴリズムを提供する工程と、
b)コンピュータで前記アルゴリズムを実行する工程であって、
i)少なくとも1つの前記小直径流体流通孔を設計する工程と、
ii)少なくとも1つの前記小直径流体流通孔用に位置を選択する工程と、
iii)前記造形品の表面の少なくとも一部について、複数の前記小直径流体流通孔用にアレイ密度を選択する工程と、
iv)少なくとも1つの前記小直径流体流通孔の電子表現を、前記造形品の電子表現に組み込む工程と、
v)層ごとに前記造形品が転写されるようにする工程と
のうち少なくとも1つを実行するために、コンピュータで前記アルゴリズムを実行する工程と
を有するものである。
【請求項55】
請求項46記載の方法であって、この方法は、さらに、
a)前記造形品の表現を含む第1の電子ファイルを作成する工程であって、少なくとも1つの前記流体流通孔は前記造形品の前記表現において不在である工程と、
b)前記不在の少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔の表現を含む第2の電子ファイルを作成する工程と、
c)前記第1の電子ファイルを前記第2の電子ファイルと組み合わせて、前記造形品内に位置決めされた前記不在の少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔を伴う前記造形品の表現を含む第3の電子ファイルを作成する工程と
を有するものである。
【請求項56】
請求項46記載の方法において、前記造形品はEPSビーズ金型のコンポーネントである。
【請求項57】
請求項56記載の方法であって、この方法は、さらに、
a)前記造形品を使用して模型を作製する工程と、
b)消失模型鋳造法で前記模型を使用する工程と
を有するものである。
【請求項58】
請求項46記載の方法において、前記造形品は、射出成形金型、真空成形ツール、および流体調整装置からなる群から少なくとも1つ選択されるコンポーネントである。
【請求項59】
請求項46記載の方法であって、この方法は、さらに、
EPSビーズ成形法、射出成形法、真空成形法、および流体調整装置からなる群から選択される少なくとも1つにおいて、前記造形品を使用する工程を有するものである。
【請求項60】
請求項46記載の方法であって、この方法は、さらに、
前記造形品を溶浸材で溶浸する工程を有するものである。
【請求項61】
請求項60記載の方法において、前記溶浸材は金属である。
【請求項62】
請求項61記載の方法において、前記溶浸材は青銅である。
【請求項63】
請求項46記載の方法において、前記積層造形法は3次元転写工程である。
【請求項64】
請求項63記載の方法であって、この方法は、さらに、
a)金属粉末を含有する粉末層を提供する工程と、
b)前記粉末層上に結合剤を溶着して前記粉末層の予め選択された領域内の前記金属粉末を結合させることにより、前記造形品の層を転写する工程と
を有するものである。
【請求項65】
請求項64記載の方法において、前記結合剤は、高分子および炭水化物の少なくとも一方を含有するものである。
【請求項66】
請求項63記載の方法であって、この方法は、さらに、
前記造形品を溶浸材で溶浸する工程を有するものである。
【請求項67】
請求項46記載の方法において、前記積層造形法は粉末焼結積層造形法である。
【請求項68】
請求項67記載の方法であって、この方法は、さらに、
a)金属粉末および結合剤を含有する粉末層を提供する工程と、
b)レーザービームで前記粉末層をスキャンして、前記粉末層の予め選択された領域内の前記結合剤が前記金属粉末を結合させるようにすることにより、前記造形品の層を転写する工程と
を有するものである。
【請求項60】
請求項67記載の方法であって、この方法は、さらに、
前記造形品を溶浸材で溶浸する工程を有するものである。
【請求項70】
請求項69記載の方法において、前記溶浸材は金属を含有するものである。
【請求項71】
請求項46記載の方法により製造される造形品。
【請求項72】
請求項47記載の方法により製造される造形品。
【請求項73】
請求項48記載の方法により製造される造形品。
【請求項74】
請求項50記載の方法により製造される造形品。
【請求項75】
請求項56記載の方法により製造される造形品。
【請求項76】
請求項58記載の方法により製造される造形品。
【請求項77】
少なくとも1つの幅狭流体流通孔を有する造形品を製造するために、積層造形法を使用する方法であり、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は分岐しており、前記積層造形法により前記造形品内に製造される方法。
【請求項78】
請求項77記載の方法により製造される造形品。
【請求項79】
少なくとも1つの幅狭流体流通孔を有する造形品を製造するために、積層造形法を使用する方法であり、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は多角形断面形状を有し、前記積層造形法により前記造形品内に製造される方法。
【請求項80】
請求項79記載の方法において、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔は、四角形断面形状を有するものである。
【請求項81】
少なくとも1つの幅狭流体流通孔を有する造形品を製造するために、積層造形法を使用する方法であり、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔はその中心線に沿って幅が変化し、前記積層造形法により前記造形品内に製造される方法。
【請求項82】
少なくとも1つの幅狭流体流通孔を有する造形品を製造するために、積層造形法を使用する方法であり、少なくとも1つの前記幅狭流体流通孔はその中心線に沿って断面形状が変化し、前記積層造形法により前記造形品内に製造される方法。
【請求項83】
請求項79記載の方法により製造される造形品。
【請求項84】
請求項80記載の方法により製造される造形品。
【請求項85】
請求項81記載の方法により製造される造形品。
【請求項86】
請求項82記載の方法により製造される造形品。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−504977(P2007−504977A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526256(P2006−526256)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/029236
【国際公開番号】WO2005/025779
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(505251967)エクス ワン コーポレーション (3)
【出願人】(506085099)ジェネラル モーターズ コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】