説明

干渉計光ファイバジャイロスコープ用の半導体基板

【課題】干渉計を形成する方法を提供すること。
【解決手段】この方法は、単一の半導体基板上に、リング干渉計と、光ファイバジャイロスコープを形成するものである。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
政府の権益文
米国政府は、米国海軍によって授与された契約番号N00030−05−C−0007(一次契約)およびDL−H−551019(二次契約)に基づき本発明における特定の権利を有する可能性がある。
【0002】
光ファイバジャイロスコープ(FOG)は、光ファイバを巻いた(たとえば、3.2km(2マイル)までの)コイルを含む。FOGは、光ファイバのコイルを通って反対方向に伝播する光波の位相差を求めることによって角回転を測定する。回転と反対方向にコイルを通って伝播する光波は、回転の方向に伝播する光波よりもかかる時間が短い。
【0003】
通常、ビームスプリッターを有する光学系は、2つの光ビームを受光器に向ける。姿勢角速度0では、2つのビーム間の位相ずれは180°であり、2つのビームは互いに打ち消しあい、出力光電流は最小となる。FOGでは、一つには振動、加速度、および衝撃に対する直交軸感度がないために、極めて正確な回転速度情報が得られる。通常FOGは、従来のリングレーザジャイロスコープよりも高い分解能を示し、一般に航空機、ミサイル、衛星、その他の車両などの航行用途における回転を測定するのに用いられる。
【0004】
ファイバに沿う方向(すなわちコイルの軸の周り)の姿勢角速度では、もとの位相ずれが変化する。この位相ずれの変化は、一方のビームの光路が増加し、他方のビームの光路が減少するために起こる。その結果、受光器の電流は増加した照度に応答し、増大する、これは、一般にサニャック効果として知られている。
【0005】
サニャック効果は、一般にリング干渉法と呼ばれるもので説明される。FOGと同様に、リング干渉法は、2つのビームに分割された(たとえばレーザ)光ビームを使用する。2つのビームは、反対方向の軌道をたどるようにされる。リングとして働くために、軌道は、ある領域を囲まなければならない。通常のレーザの動作時では、レーザキャビティ内の光は最初複数の周波数であり、急速に1つの周波数が他の周波数をしのぐようになる(その後、光は単色となる)。他をしのぐ周波数は、レーザキャビティ内に合致し、すなわち波長の倍数がキャビティの長さとなる。リングレーザが回転しているときは、反対に伝播する2つのレーザ光ビームの実効経路長が異なる。この時点でレーザプロセスは、レーザ光の2つの周波数を発生する。結果として生ずる2つの周波数は、常に伝播の両方向で同じサイクル数となる(すなわち定在波)。この定在波は、リングレーザが回転していないときは、局所慣性座標系に対して定常となる。定在波は、リングレーザ干渉計が回転している場合も、局所慣性座標系に対して定常となる。この特性により、リング干渉計は、機械式ジャイロスコープを電子化したものとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、リング干渉計をFOGと組み合わせるには、別々のレーザ供給源/検出器と、2つの光ビーム用の導波路を有する光ファイバのコイルを集積化する必要がある。このような組合せには、多くの機械的接続が必要になる。相互作用の増大により、信頼性が低下し、多くの使用性および性能の問題(たとえば、より頻繁な較正)を生じやすくなる。また最終製品は、一般に動作要件(たとえばエネルギー消費)のきびしい、かさばったものになる。これらの特性は、多くの現在および将来の用途には役立たない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下の説明では、電子デバイスを用いた方位の記録について述べる。具体的には、一実施形態では、干渉計を形成する方法が提供される。この方法は、単一の半導体基板上に、リング干渉計と光ファイバジャイロスコープを形成するものである。
【0008】
上記その他の特徴、態様、および利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面に関連して、よりよく理解されよう。
様々な図面中の同じ参照番号および名称は、同じ要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下の詳細な説明では、半導体基板上で、リング干渉計を光ファイバジャイロスコープと組み合わせるための少なくとも1つの実施形態について述べる。この組合せを、干渉計光ファイバジャイロスコープ(IFOG)と呼ぶ。有利には、IFOGは、同じ半導体基板上の周辺電子回路に関連するビルディングブロックとして役立つ。最終結果として、測定デバイスからの航行関連データを必要とする複数の用途向けの小型ジャイロスコープが得られる。可能な用途は、無人航行無線操縦機および弾道測定センサから、解剖学用の生理学データ記録器におよぶ。
【0010】
図1は、IFOGを組み込んだ電子パッケージ組立体100の一実施形態のブロック図である。電子パッケージ組立体100は、デバイス基板102、IFOG基板104、および基板論理構成要素106を含む。電子パッケージ組立体100の例には、特定用途半導体集積回路(ASIC)などの任意の論理デバイスが含まれる。デバイス基板102は、従来の半導体ウェハ製作の当業者に知られている導電材料から構成される。IFOG基板104は、デバイス基板102内にあり、通信インタフェース108に沿って基板論理構成要素106と連絡している。基板論理構成要素106には、それだけに限らないが、当業者に知られている周辺電子構成要素が含まれる。たとえば、基板論理構成要素106には、通常の半導体ウェハ製作法を用いて、1つまたは複数の半導体チップダイ基板上に形成される抵抗、トランジスタ、コンデンサ、インダクタなどが含まれる。説明を簡単にするために、図1には単一のIFOG基板104が示されていることに留意すべきである。しかしデバイス基板102は、任意の適当な数のIFOG基板104(たとえば、単一のデバイス基板102内に少なくとも1つのIFOG基板)を収容できることを理解されたい。IFOG基板104については、図2に関連して以下にさらに詳細に説明する。
【0011】
動作においては、電子パッケージ組立体100は、1つまたは複数の電子デバイス中に組み込まれる。1つまたは複数の電子デバイス(一例として、以下に図14に関連して、電子デバイス1404が示される)は、IFOG基板104によって得られる能力を用いて、位置と方位を測定する。一実装形態では、電子デバイス1404は、小型の航行支援を必要とする用途に用いるのに適したフォームファクタを保ち、最小量の電力で動作する。電子パッケージ組立体100は、低電力航行無線操縦機、弾道追跡装置、内科用の追跡支援器など、様々な電子デバイス内にパッケージングするのに適している。干渉計光ファイバジャイロスコープ用に必要な構成要素をIFOG基板104内に組み込むことにより、別々の構成要素(たとえば、別々の長さの光ファイバを有する別々の光源および検出器)を混成システムまたはデバイスに集積化せずに済む。
【0012】
図2は、IFOG基板104の一実施形態の断面図200である。IFOG基板104は、光源202、光検出器204、導波路結合器206、およびリング干渉計導波路208を含む。図2の実施形態の例では、導波路結合器206は、光集積回路(IOC)210と210をさらに含む。一実装形態では、IOC 210と210はそれぞれ、単一の光ビームを少なくとも2つの別々で反対の方向に向けるためのビームスプリッターとして働く。光源導波路212は、光源202をIOC 210に結合する。光検出器導波路214は、IOC 210を光検出器204に結合する。IOC 210は、リング干渉計導波路208の各端部に結合される、一実装形態では、(図2に示されるように)IOC 210は、IOC 210の鏡像である。導波路結合器206の他の実装形態も可能である。光源202(光検出器204)は、以下に図5(9)、6(10)、7(11)、および8(12)に関連してさらに述べるように、標準の半導体ウェハ製作プロセスを用いて、IFOG基板104内に製作される。図2の実施形態の例では、導波路結合器206、リング干渉計導波路208、光源導波路212、および光検出器導波路214が、少なくとも1つの連続ファイバ等価光導波路を形成する。一実装形態では、少なくとも1つの連続ファイバ等価光導波路は、光ファイバからは構成されない。
【0013】
図2の実施形態の例では、リング干渉計導波路208は、形状がリング干渉計となるように適合された、ある長さの同心コイルからなる。ある長さのリング干渉計導波路208の同心コイルが、上述の少なくとも1つの連続ファイバ等価光導波路の少なくとも一部となる。一実装形態では、ある長さのリング干渉計導波路208の同心コイルは、(図2に示されるように)導波路結合器206と結合するために、1つまたは複数の半導体基板層内に位置する。他の実装形態では、ある長さのリング干渉計導波路208の同心コイルは(光源202、導波路結合器206、光源導波路212、および光検出器導波路214と共に)、特定の平面(たとえばx−y平面)内に位置し、光検出器204は、単一の半導体基板層の別の平面(たとえばz平面)内に位置する。
【0014】
導波路結合器206、リング干渉計導波路208、光源導波路212、および光検出器導波路214は、1つまたは複数の電子ビームエッチングプロセスによって形成される。少なくとも1つの電子ビームエッチングプロセスについては、図3および4に関連して以下にさらに詳細に述べる。線AAに沿ったIFOG基板104の断面図は、以下で図13に関連してさらに詳細に示される。
【0015】
動作においては、IFOG基板104は、光源202を活動化するための電力を受け取る。光源202は、光源導波路212に沿って、導波路結合器206中に光ビームを放出する。IOC 210は、放出された光ビームを、(図示のように)リング干渉計導波路208を時計(CW)方向および反時計方向(CCW)に通過する2つのビームに分割する。リング干渉計導波路208は、面積ベクトル
【0016】
【数1】

【0017】
によって表される光路を包含する。導波路結合器206は、IOC 210内で、リング干渉計導波路208の少なくとも1つの戻り光ビームから、先に放出された光ビームを分離する。光検出器204が、光検出器導波路214上の、少なくとも1つの戻り光ビームを検出した後、IFOG基板104は、回転速度ベクトル
【0018】
【数2】

【0019】
を確立する。リング干渉計導波路208を透過した後、少なくとも1つの戻り光ビームは、以下の式1で示される位相ずれ(位相差)を受ける。
【0020】
【数3】

【0021】
上記式1に関して、ΔΦRは光源202から放出された光ビームと、少なくとも1つの戻り光ビームとの位相差、ωは光源202から放出された光ビームの角周波数、cは真空中の光速度を表す。ΔΦRは、面積ベクトル
【0022】
【数4】

【0023】
とベクトル的に組み合わされた、回転速度ベクトル
【0024】
【数5】

【0025】
に比例する。一実装形態では、位相差は、図14の電子デバイス1404の方位を計算するのに用いられる。ある長さのリング干渉計導波路208の同心コイルにより、面積ベクトル
【0026】
【数6】

【0027】
の大きさに基づいてIFOG基板104の感度(すなわち、測定分解能)が制御される。IFOG基板104は、大規模半導体ウェハ集積用に適している。IFOG基板104の各主要構成要素の構造については、図3〜12に関連して以下にさらに詳細に述べる。
【0028】
図3は、少なくとも1つの半導体基板層を含む基板構造300を用いて部分的に形成された状態で示される、IFOG基板104用の導波路206の一実施形態の断面図である。基板構造300は、IFOG基板104、導波路結合器206(リング干渉計導波路208)、およびトラフ開口302を含む。図3の実施形態の例では、気相成長ガラス酸化物により、電子ビームエッチングを用いて、導波路結合器206(リング干渉計導波路208)およびトラフ開口302が生成される。気相成長ガラス酸化物プロセスでは、基板構造300は、1つまたは複数の揮発性物質に露出される。1つまたは複数の揮発性物質は、基板構造300と十分に反応(たとえば分解)して、導波路結合器206(リング干渉計導波路208)およびトラフ開口302を生成する。導波路結合器206(リング干渉計導波路208)は、電子ビームエッチングプロセスによって生成された複数の同心コイルの円形のガラストラフとして形成される。電子ビームエッチングプロセスにより、基板構造300がエッチングプロセスによって修正されるので、マスクなしで導波路結合器206(リング干渉計導波路208)の直接像を形成することが可能になる。
【0029】
図4は、少なくとも1つの半導体基板層上に形成された、封入された導波路206を含む基板構造400の断面図である。基板構造400は、キャッピング材料402をさらに含む。図3に関連して上述したように、導波路結合器206(リング干渉計導波路208)は、気相成長ガラス酸化物および電子ビームエッチングプロセスによってIFOG基板104上で完全に丸くされる。導波路結合器206(リング干渉計導波路208)は、キャッピング材料402で密封される。図4の実施形態の例では、キャッピング材料402は、N−Pドーピング材料、金属層などで構成される。
【0030】
図5は、化合物接合と少なくとも1つの半導体基板層を含む基板構造500を用いて部分的に形成された状態で示される、IFOG基板104用の光源202の一実施形態の断面図である。基板構造500は、少なくとも1つのフィールド酸化物層502と、少なくとも1つの半導体基板層504をさらに含む。少なくとも1つのフィールド酸化物層502は、光源202が製作されるとき、少なくとも1つのドープ層として働く。
【0031】
図6は、図5の少なくとも1つの半導体基板層504上に形成された追加のマスキング層を有する、基板構造600の断面図である。基板構造600は、少なくとも1つの半導体二酸化物層602と、少なくとも1つのマスキング層604をさらに含む。少なくとも1つの半導体二酸化物層602と、少なくとも1つのマスキング層604は、IFOG基板104上の光源202の位置を画定する、一連のパターニングおよび層形成作業中に堆積される。
【0032】
図7は、図5の少なくとも1つの半導体基板層504上に形成された少なくとも1つの追加のドープ層を有する、基板構造700の断面図である。基板構造700は、供給源P−N接合702をさらに含む。供給源P−N接合702は、基板層600上に行われる少なくとも1つのドーピング作業中に形成される。少なくとも1つのドーピング作業により、基板構造700内に電子が豊富(N型)または正孔が豊富(P型)な複数のくぼみが生成される。複数のくぼみは、電気的に活性な領域を形成する。
【0033】
図8は、図5の少なくとも1つの半導体基板層504上に形成された追加の金属被覆層を有する、基板構造800の断面図である。基板構造800は、802および802として示される金属被覆層802をさらに含む。図8の実施形態の例では、基板構造800は、光源202と光源導波路212を表し、光源導波路212は、キャッピング材料402によって封入される。金属被覆層802は、IFOG基板104の少なくとも1つの設計パターンでは、光源202用の電気的接続をもたらす追加の層形成作業中に形成される。図8の実施形態の例では、光源202は、IFOG基板104上のレーザダイオードを含む。
【0034】
動作においては、電流は、金属被覆層802から金属被覆層802へ、基板構造800を通過する。電流は、P層からN層へ供給源P−N接合702を通って流れ、電気エネルギーを解放して複数の光子を生成する。複数の光子は、(図示のように)光源導波路212中にレーザ光を放出する。光源202から放出されたレーザ光は、図2に関連して上述したように光検出器204へ伝達される。
【0035】
図9は、化合物接合と少なくとも1つの半導体基板層を含む基板構造900を用いて部分的に形成された状態で示される、IFOG基板104用の光検出器204の一実施形態の断面図である。基板構造900は、少なくとも1つのフィールド酸化物層902と、少なくとも1つの半導体層904をさらに含む。少なくとも1つのフィールド酸化物層902は、光検出器204が製作されるとき、少なくとも1つのドープ層として働く。
【0036】
図10は、図9の少なくとも1つの半導体基板層904上に形成された少なくとも1つの追加のマスキング層を有する、基板構造1000の断面図である。基板構造1000は、少なくとも1つの半導体二酸化物層1002と、少なくとも1つのマスキング層1004をさらに含む。少なくとも1つの半導体二酸化物層1002と、少なくとも1つのマスキング層1004は、IFOG基板104上の光検出器1002の位置を画定する、一連のパターニングおよび層形成作業中に堆積される。
【0037】
図11は、図9の少なくとも1つの半導体基板層904上に形成された少なくとも1つの追加のドープ層を有する、基板構造1100の断面図である。基板構造1100は、検出器P−N接合1102をさらに含む。検出器P−N接合1102は、基板層1000上に行われる少なくとも1つのドーピング作業中に形成される。少なくとも1つのドーピング作業により、基板構造1100内に電子が豊富(N型)または正孔が豊富(P型)な複数のくぼみが生成される。複数のくぼみは、電気的に活性な領域を形成する。
【0038】
図12は、図9の少なくとも1つの半導体基板層904上に形成された追加の金属被覆層を有する、基板構造1200の断面図である。基板構造1200は、1202および1202として示される金属被覆層1202をさらに含む。この実施形態の例では、基板構造1200は、光検出器204と光検出器導波路214を表し、光検出器導波路214は、キャッピング材料402によって封入される。金属被覆層1202は、IFOG基板104の少なくとも1つの設計パターンでは、光検出器204用の電気的接続をもたらす追加の層形成作業中に形成される。この実施形態の例では、光検出器204は、IFOG基板104上の光ダイオードを含む。
【0039】
動作においては、光検出器204は、(図示のように)光検出器導波路214からの戻りレーザ光を検出する。光検出器導波路214からの戻りレーザ光は、検出器P−N接合1102に流入し、図8に関連して先に述べた複数の光子を吸収する。光検出器204は、金属被覆層1202を通って金属被覆層1202へ通過する光電流(すなわち電流)を生成する。この実施形態の例では、組立体100は、少なくとも1つのIFOG測定用の光電流を処理する。
【0040】
図13は、図2(IFOG基板104)の線AAに沿った基板構造1300の一実施形態の断面図である。基板構造1300は、光源(供給源ダイオード)202、光検出器(検出器ダイオード)204、およびリング干渉計導波路208を含む。図3〜12に関連して上述したように、基板構造1300は、1つまたは複数の標準の半導体ウェハプロセス(たとえば、1つまたは複数のシリコンウェハ製作法)を用いて製作される。基板構造1300を製作する他の方法は、1つまたは複数の異種半導体材料の、1つまたは複数の層から構成されるヘテロ接合を含む。1つまたは複数の異種半導体材料は、等しくないバンドギャップ(すなわち接合間のエネルギー差)を有する。一実装形態では、アルミニウムガリウム砒素−ガリウム砒素−アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs−GaAs−AlGaAs)の並びによって二重へテロ接合が形成される。ヘテロ接合では、最新のレーザダイオード(たとえば、供給源ダイオード600および検出器ダイオード1200)の特性は、理想的ダイオードの特性にほぼ近い。さらに、ダイオード電流対電圧応答を規定する、供給源ダイオード600と検出器ダイオード1200のダイオードモデルパラメータは、異種半導体材料の1つまたは複数の層の、厚さとバンドギャップを調整することによって調節が可能である。
【0041】
図14は、電子デバイスを用いてデータを記録するためのシステム1400の一実施形態のブロック図である。システム1400は、領域1402、電子デバイス1404、基地局1408、およびユーザ1412を含む。この実施形態の例では、基地局1408は、ディスプレイ1410をさらに含む。電子デバイス1404は、図1に関連して先に述べたように、少なくとも1つのIFOG基板104を備える電子パッケージ組立体100を含む。電子デバイス1404の例としては、それだけには限らないが、小型カメラ、小型航行無線操縦機、および基地局1408に領域1402の周囲またはその内側の航行関連データを供給するのに適した微小リモートセンサが含まれる。一実装形態では、電子デバイス1404は、領域1402内を自由に移動するために適した大きさ(たとえば、普通のイエバエまたはマルハナバチの大きさ)を有する。電子デバイス1404は、電源内蔵式であり、絶えず航行関連データを記録しながら、領域1402全体を移動する。航行関連データの一例としては、電子デバイス1404によって決定される位置推定値がある。航行関連データの別の例としては、領域1402内の動きに関する属性(たとえば、移動距離、速度、加速度、位置など)の推定値がある。
【0042】
電子デバイス1404は、無線伝送リンク1406に沿って、航行関連データを送信する。無線伝送リンク1406は、電子デバイス1404と基地局1408の間の安全な無線通信伝送を含む。電子デバイス1404と基地局1408の間の無線伝送リンク1406上の通信は、電子デバイス1404が基地局1408に十分近いときに生じる。一実装形態では、ディスプレイ1410は、航行関連データをリアルタイムでユーザ1412に表示する。他の実装形態では、航行関連データを伝える他の方法としては、データベース、ネットワークサーバなどが含まれる。
【0043】
ここで述べた方法および技法は、ディジタル電子回路内に、あるいはプログラマブルプロセッサ(たとえば専用プロセッサ、またはコンピュータなどの汎用プロセッサ)ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せを用いて、実装することができる。これらの技法を実施した装置は、適当な入出力機器、プログラマブルプロセッサ、およびプログラマブルプロセッサが実行するためのプログラム命令を有形に実施する記憶媒体を含むことができる。これらの技法を実施したプロセスは、入力データを演算し、適当な出力を発生させることによって所望の機能を行うための命令プログラムを実行するプログラマブルプロセッサによって行うことができる。これらの技法は、有利には、データ記憶システム、少なくとも1つの入力機器、および少なくとも1つの出力機器からデータおよび命令を受け取り、かつそれらにデータおよび命令を送出するように結合された少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行される、1つまたは複数のプログラム内に実装することができる。一般に、プロセッサは、リードオンリメモリおよび/またはランダムアクセスメモリから命令およびデータを受け取る。コンピュータプログラム命令およびデータを有形に実施するのに適した記憶装置には、例として、EPROM,EEPROM、およびフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにDVDを含めた、すべての形の不揮発性メモリが含まれる。上記のいずれも、図1の電子パッケージ組立体100によって補完され、あるいはそれに組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】干渉計光ファイバジャイロスコープを組み込んだ電子パッケージ組立体の一実施形態のブロック図である。
【図2】干渉計光ファイバジャイロスコープの一実施形態のブロック図である。
【図3】少なくとも1つの半導体基板層を含む基板構造を用いて部分的に形成された状態で示される、干渉計光ファイバジャイロスコープ用の導波路の一実施形態の断面図である。
【図4】少なくとも1つの半導体基板層上に形成された、封入された導波路を含む、図3の基板構造の断面図である。
【図5】化合物接合と少なくとも1つの半導体基板層を含む基板構造を用いて部分的に形成された状態で示される、干渉計光ファイバジャイロスコープ用の光源の一実施形態の断面図である。
【図6】少なくとも1つの半導体基板層上に形成された少なくとも1つの追加のマスキング層を有する、図5の基板構造の断面図である。
【図7】少なくとも1つの半導体基板層上に形成された少なくとも1つの追加のドープ層を有する、図6の基板構造の断面図である。
【図8】少なくとも1つの半導体基板層上に形成された追加の金属被覆層を有する、図7の基板構造の断面図である。
【図9】化合物接合と少なくとも1つの半導体基板層を含む基板構造を用いて部分的に形成された状態で示される、干渉計光ファイバジャイロスコープ用の光検出器の一実施形態の断面図である。
【図10】少なくとも1つの半導体基板層上に形成された少なくとも1つの追加のマスキング層を有する、図9の基板構造の断面図である。
【図11】少なくとも1つの半導体基板層上に形成された少なくとも1つの追加のドープ層を有する、図10の基板構造の断面図である。
【図12】少なくとも1つの半導体基板層上に形成された追加の金属被覆層を有する、図11の基板構造の断面図である。
【図13】図2の基板構造の一実施形態の断面図である。
【図14】電子デバイスを用いて方位を記録するためのシステムの一実施形態のブロック図である。
【符号の説明】
【0045】
100 電子パッケージ組立体
102 デバイス基板
102 基板
104 IFOG基板
104 リング干渉計
106 基板論理構成要素
108 通信インタフェース
200 断面図
202 光源
204 光検出器
206 導波路結合器
208 リング干渉計導波路
208 ファイバ等価光導波路
210、210 光集積回路(IOC)
212 光源導波路
214 光検出器導波路
300 基板構造
302 トラフ開口
400 基板構造
402 キャッピング材料
500 基板構造
502 フィールド酸化物層
504 半導体基板層
600 基板構造
602 半導体二酸化物層
604 マスキング層
700 基板構造
702 供給源P−N接合
800 基板構造
802、802 金属被覆層
900 基板構造
902 フィールド酸化物層
904 半導体層
1000 基板構造
1002 半導体二酸化物層
1004 マスキング層
1100 基板構造
1102 検出器P−N接合
1200 基板構造
1202、1202 金属被覆層
1300 基板構造
1400 システム
1402 領域
1404 電子デバイス
1404 ジャイロスコープ
1406 無線伝送リンク
1408 基地局
1410 ディスプレイ
1412 ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(102)内に形成されたリング干渉計(104)と、
前記同じ基板(102)内に形成され、前記リング干渉計と連絡した光ファイバジャイロスコープとを含む、ジャイロスコープ(1404)。
【請求項2】
前記リング干渉計(104)が、
少なくとも1つのファイバ等価光導波路(208)と、
前記少なくとも1つのファイバ等価光導波路(208)に結合された光源(202)と、
前記同じ少なくとも1つのファイバ等価光導波路(208)に結合された光検出器(204)と
をさらに含み、前記光源(202)および前記光検出器(204)は、1つまたは複数の光集積回路(210)を用いて、前記少なくとも1つのファイバ等価光導波路(208)に結合される、請求項1に記載のジャイロスコープ(1404)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのファイバ等価光導波路(208)が、電子ビームエッチングによって生成される一連の同心コイルをさらに含む、請求項2に記載のジャイロスコープ(1404)。
【請求項4】
ある長さの前記一連の同心コイルが、前記リング干渉計(104)の感度を制御する、請求項3に記載のジャイロスコープ(1404)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2008−20435(P2008−20435A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−105978(P2007−105978)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】