説明

平坦度計測方法および装置

【課題】 ワークの平坦度を高精度に計測できる方法,装置を提供する。
【解決手段】 ワークWは、基準筒面Wbと基準筒面Wbの中心軸線と直交する平坦面Wcとを有する。ワークWは、中心軸線を略中心にして回転される。第1,第2の計測手段60,70は、軸方向に離れ基準筒面Wbに対峙して配置され、ワークWが所定角度回転する度に、基準筒面Wbにおいて計測手段60,70に対峙する環状領域の位置を計測する。第3計測手段80は平坦面Wcに対峙して配置され、ワークが所定角度回転する度に、平坦面Wcの位置を計測する。計測手段60,70の位置情報から、基準筒面Wbの中心軸線と直交する基準平面を実質的に求め、第3計測手段で計測された位置情報をこの基準平面からの位置情報に補正し、この補正情報に基づき平坦度を演算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの平坦面の平坦度を高精度に計測する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された装置は、光ディスク等のワークを回転させ、このワークの平坦面に対峙して配置された計測手段から、平坦面において計測手段に対峙する環状領域の位置情報を得、これにより平坦度を計測するようになっている。
【特許文献1】特開平2−83404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、所定の厚みを有する歯車等のワークにおいて、ワークの端面(平坦面)の平坦度を、ワークの中心軸線と直交する基準平面を基準にして計測することが要求されることがある。しかし、上記特許文献1の装置を用いて厚みのあるワークの平坦度を計測する場合、ワークの中心軸線が回転軸線と高精度で一致していないため、上記基準平面に対する平坦面の平坦度を計測することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その要旨は、基準筒面と、この基準筒面の中心軸線と直交する平坦面とを有するワークにおける、当該平坦面の平坦度を高精度で計測する方法であって、
第1,第2の計測手段を、上記ワークの軸方向に離して上記基準筒面に対峙させるとともに、第3計測手段を上記ワークの平坦面に対峙させ、上記ワークを、回転軸線がワークの中心軸線と略一致するようにして回転させ、この回転に伴ない、上記第1,第2計測手段から、上記基準筒面において第1,第2計測手段に対峙する第1,第2環状領域の多数箇所の位置情報を得るとともに、第3計測手段から上記平坦面において第3計測手段に対峙する第3環状領域の多数箇所の位置情報を得、上記第1計測手段により計測した位置情報から、上記第1環状領域の中心点位置を求め、上記第2計測手段により計測した位置情報から、上記第2環状領域の中心点位置を求め、さらに、これら第1,第2環状領域の中心点位置情報から、上記基準筒面の中心軸線と直交する基準平面を実質的に求め、上記第3計測手段で計測した第3環状領域の位置情報を上記基準平面からの位置情報に補正し、この補正された位置情報から上記ワークの平坦面の平坦度を演算することを特徴とする。
【0005】
また、本発明は、基準筒面と、この基準筒面の中心軸線と直交する平坦面とを有するワークにおける、当該平坦面の平坦度を高精度で計測する装置であって、
回転軸線を上記基準筒面の中心軸線と略一致させて上記ワークを回転させる回転手段と、固定系に支持された第1,第2,第3の計測手段と、演算手段とを備え、上記第1,第2の計測手段は、互いに上記回転軸線方向に離れるとともに上記ワークの基準筒面に対峙して配置され、ワークが所定角度回転する度に、上記ワークの基準筒面において当該第1,第2の計測手段に対峙する第1,第2環状領域の位置をそれぞれ計測し、上記第3計測手段は、上記ワークの平坦面に対峙して配置され、ワークが所定角度回転する度に、上記平坦面において当該第3計測手段に対峙する第3環状領域の位置を計測し、上記演算手段は、上記第1計測手段により計測した位置情報から、上記基準筒面の第1環状領域の中心点位置を求め、上記第2計測手段により計測した位置情報から、上記基準筒面の第2環状領域の中心点位置を求め、これら第1,第2環状領域の中心点位置情報から、上記基準筒面の中心軸線と直交する基準平面を実質的に求め、さらに上記演算手段は、上記第3計測手段で計測された位置情報を上記基準平面からの位置情報に補正し、この補正された位置情報から上記ワークの平面の平坦度を演算することを特徴とする。
【0006】
上記方法まはた装置によれば、ワークの基準筒面の中心軸線が回転軸線に対して傾いていても、第1,第2計測手段からの位置情報に基づき、上記基準筒面の中心軸線と直交する基準平面を求め、第3計測手段からの位置情報を、この基準平面からの位置情報に補正するので、この基準平面に対するワークの平坦面の平坦度を高精度で計測することができる。
【0007】
好ましくは、上記演算手段は、上記基準平面からの位置情報の最小値と最大値の差に基づき平坦度を数値化する。これにより、平坦度を単純な数値で評価することができる。
【0008】
好ましくは、上記固定系は垂直に起立する支持シャフトを備え、この支持シャフトに上記第1,第2計測手段が設けられ、上記回転手段は、上記支持シャフトに回転可能に支持された筒状の回転体と、この回転体を回転させる回転駆動手段とを備え、この回転体の上面がワークの設置面として提供され、さらにクランプ機構が装備され、このクランプ機構は上記回転体に設けられて上記ワークをクランプする。
これによれば、ワークをしっかりとクランプしながら回転させることができ、しかも、ワークを設置する回転体が筒状をなして支持シャフトを中心にして回転するので、ワークを高精度で回転させることができ、ひいては平坦度をより一層高精度で計測することができる。
【0009】
好ましくは、上記ワークが環状をなし、その内周面が上記基準筒面として提供され、上記第1,第2計測手段は、上記回転体に設置されたワークの内側に配置され、上記クランプ機構は、上記回転体の外周に設けられて上記ワークの外周をクランプする。
これによれば、環状ワークの内側の空間を、第1,第2計測手段を配置することにより有効活用するため、計測装置を小型化することができる。
【0010】
好ましくは、上記クランプ機構は、中間部が上記回転体の外周に回動可能に支持された複数のクランクアームと、上記回転体の外周に昇降可能に設けられた昇降筒と、この昇降筒とクランプアームの下端部とを連結する複数のリンクと、上記昇降筒を上方へ付勢することにより、クランプアームの上端部を上記ワークの外周に押し付けるバネとを有し、上記固定系には上記昇降筒を押し下げてクランプアームを開くクランプ解除手段が設けられている。
これによれば、クランプ機構は摺接抵抗を受けることなくワークをクランプしながら回転体とともに回転することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、厚みのあるワークの平坦面の平坦度を、ワークの中心軸線と直交する基準面に対して高精度に計測することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態をなす計測装置を、図面を参照しながら説明する。図1,図2に示すように、本実施形態では計測対象となるワークWは歯車である。このワークWは、環状をなし、外歯車部を形成してなる外周面Waと内歯車部を形成してなる内周面Wbとを有している。外歯車部の歯は軸線と平行をなし、内歯車部の歯は捩れている。内歯車部の歯は、例えば約5°間隔で形成され、外歯車部の歯の間隔はそれより大きい。
【0013】
上記外歯車部の外接面は円筒面をなし、内歯車部の内接面も円筒面をなす。したがって、本実施形態のワークWの外周面Waと内周面Wbはともに実質的に円筒面(筒面)であると言える。本実施形態では、ワークWの内周面Wbが、後述の基準筒面として提供される。
【0014】
上記ワークWは、さらに一対の端面Wc,Wdを有している。図2に示すように、これら端面Wc,Wdはそれぞれ同心をなす環状の平坦面と、その間の段差を有している。本実施形態では端面Wc,Wdの外側の環状の平坦面の平坦度が計測される。なお、以下の説明では、端面Wc,Wdに言及する場合には、計測対象となる環状の平坦面を指す。
【0015】
図1に示すように、計測装置は固定系1と回転系2を備えている。固定系1は、ベース10と、このベース10の上面に固定されたハウジング11と、下端がベース10に固定されて垂直に起立する支持シャフト12と、この支持シャフト12から離れてハウジング11の上壁に垂直に固定された支柱13とを備えている。支持シャフト12はハウジング11の上壁を貫通して上方に大きく突出しており、その中間部および上端部に、水平をなす一対の支持テーブル14,15が固定されている。
【0016】
上記回転系2は、上記支持シャフト12と同軸をなす回転筒21を備えている。この回転筒21は、上下に離れたベアリング22により支持シャフト12に回転可能に支持されている。上記回転筒21の上端部は拡径されている。図2に良く示されているように、回転筒21の上端面には、環状の設置テーブル23が固定され、この設置テーブル23の上面が上記ワークWを載せる設置面23aとなっている。これら回転筒21と設置テーブル23により、回転体20が構成されている。
【0017】
上記回転筒の下端部には筒状のアタッチメント24が固定されており、このアタッチメント24の外周にはプーリ25が固定されている。
一方、ハウジング11の上壁にはステッピングモータ26(回転駆動手段)が固定されており、このステッピングモータ26の出力軸に設けたプーリ(図示しない)と上記プーリ25との間にはタイミングベルト27が掛け渡されている。後述するように、このモータ26の駆動により、上記回転体20が所定角度ずつ間欠回転するようになっている。
上記回転体20と上記モータ26により、ワークWを回転させる回転手段が構成されている。
【0018】
ワークWは、回転体20の設置面23aに載せられた状態で、クランプ機構30によりクランプされるようになっている。
このクランプ機構30は、複数本例えば4本のクランプアーム31と、昇降筒32と、クランプアーム31と同数のリンク33と、圧縮コイルバネ34(バネ)とを備えている。複数のクランプアーム31は周方向に等間隔で配置され、回転筒20の上端拡径部の外周にブラケット37を介して回転可能に支持されている。昇降筒32は、回転筒20の外周に昇降可能に支持されている。リンク33は昇降筒32の上端とクランクアーム31の下端に掛け渡され、これらに回転可能に連結されている。
【0019】
上記圧縮コイルバネ34は、昇降筒32の下端面と、昇降筒32の下方において回転筒21の外周に固定された受けリング38との間に配置されている。図1の左半分に示すように、昇降筒32は圧縮コイルバネ34により上方に付勢され、そのため、クランプアーム31の下端部はリンク33により径方向,外方向に押され、それに伴い、クランプアーム31の上端部は径方向,内方向に押され、ワークWの外周面Waをクランプするようになっている。
【0020】
ハウジング11には、クランプ解除手段40が設けられている。このクランプ解除手段40は、ハウジング11の上壁に固定された4つの作動シリンダ41と、この作動シリンダ41の垂直に延びるロッド41aの上端に固定された係止ブロック45とを備えている。係止ブロック45は、昇降筒32の下端に形成された環状の鍔32aの上方に位置する爪45aを有している。
【0021】
図1の右半分に示すように、作動シリンダ41が縮んだ状態にある時には、係止ブロック45の爪45aが昇降筒32の鍔32aに係止して、昇降筒32を圧縮コイルバネ34に抗して下方に押す。そのため、クランプアーム31の下端部がリンク33により径方向,内方向に引かれ、それに伴い、クランプアーム31の上端部が径方向,外方向に変位し、ワークWの外周から離れ、ワークWのクランプ状態が解除される。
【0022】
図2に示すように、上記クランクアーム31の上端部には、回転筒20の径方向,内方向に突出する押さえ部材35が設けられている。この押さえ部材35の先端部35aは球形状をなしており、上記クランプ状態において、この押さえ部材35の先端部35aが、ワークWの外周面Waの谷部に嵌るようになっている。
【0023】
図2,図3に示すように、固定系1の上側の支持テーブル15には、モータ26の初期位置に対してワークWを位置決めするための位置決め機構50が設けられている。この位置決め機構50は移動台51を備えている。この移動台51は平面略U字形をなし、基部51aと、この基部51aの両端から図において左方向に延びる一対の側片部51bとを有している。移動台51は、一対の側片部51bに設けたリニアガイド52(図2において一部のみ示す)を介して支持テーブル15に支持され、このリニアガイド52に案内されて、図2,図3における左右方向(支持シャフト12の径方向)に直線的に移動可能になっている。
【0024】
上記移動台51の基部51aの下面にはブラケット53が固定されている。このブラケット53は、図2,図3において右から見て略U字形をなし、水平部53aと、この水平部53aの両端から垂直に上方に延びる垂直部53bとを有している。この垂直部53bの上端が上記移動台51の基部51aの下面に固定されている。
【0025】
図3に示すように、上記支持テーブル15には、ブラケット53の一対の垂直部53bとの干渉を避けるために切欠15bが形成されている。図2に示すように、上記ブラケット53の水平部53aはこの支持テーブル15の下方に位置している。
【0026】
上記ブラケット53の水平部53aの中央には,移動台51の移動方向に沿って外方に突出する位置決め部材54が設けられている。この位置決め部材54の先端部54aは球形状をなしており、ワークWの内周面Wbに対峙するようになっている。
【0027】
図2,図3に示すように、位置決め機構50は、圧縮コイルバネ55と作動シリンダ56とを備えている。この圧縮コイルバネ55は、支持テーブル15の断面非円形の凸部15aと移動台51の基部51aの対峙する面に形成された穴15h,51hに収容されている。
【0028】
作動シリンダ56は、支持テーブル15の上面に固定されており、移動台51の移動方向に延びるロッド56aを有している。このロッド56aの先端に設けられた爪56xが、移動台51の一方の側片部51bに設けられた爪51xに引っ掛かっている。
【0029】
上記作動シリンダ56が圧縮コイルバネ55に抗して縮んだ状態にある時には、図2、図3に示すように、移動台51が後退位置にあり、位置決め部材54がワークWの内周面Wbから離れている。作動シリンダ56が伸びた状態にある時には、圧縮コイルバネ55により移動台51は前進位置にあり、位置決め部材54の球形状の先端部54aが、ワークWの内周面Wbの谷部に入り込み、位置決めをなすようになっている。
【0030】
図1に示すように、計測装置は、さらに第1,第2,第3の計測手段60,70,80と、コンピュータを含む制御・演算手段90(演算手段)とを備えている。
第1計測手段60と第2計測手段70は、後述する回転軸線100方向(ワークWの軸方向)に離れて配置されており、ワークWが所定角度回転する毎に、ワークWの内周面Wbにおいてこれら計測手段60,70が対峙する第1,第2の環状領域の位置を、それぞれ計測するものである。
第3計測手段80は、ワークWが所定角度回転する毎に、ワークWの端面Wc,Wdのうち上側に位置する端面Wcにおいて第3計測手段80が対峙する第3環状領域の位置を、計測するものである。
【0031】
上記第1計測手段60は、図2,図4に示すように、下側の支持テーブル14の上面に設けられている。詳述すると、第1計測手段60は、上記支持テーブル14の上面にリニアガイド62を介して支持された移動台61を備えている。この移動台61はリニアガイド62により、図2,図4において左右方向(支持シャフト12の径方向)に直線的に移動可能である。なお、移動台61には左右方向に延びる逃がし穴61aが形成されており、この逃がし穴61aを上記支持シャフト12が貫通している。
【0032】
図4に示すように、第1計測手段60は、さらに引張りコイルバネ63と作動シリンダ64とを備えている。引張りコイルバネ63の一端は支持テーブル14の上面に連結され、他端は移動台61に連結されており、この引張りコイルバネ63により、移動台61は左方向に付勢されている。作動シリンダ64は支持テーブル14の上面に固定されており、そのロッド64aが右方向に延びている。
【0033】
上記移動台61の左端部上面には支持板部61aが設けられ、右端部上面には当て板部61bが設けられている。
上記支持板部61bの中央には左方向に突出する当接部材65が設けられている。この当接部材65は、ワークWの内周面Wbに対峙するとともにこの内周面Wbと等しい曲率半径の円弧面からなる当接面65aを有している。
【0034】
図4に示すように、上記当て板部61bは、移動台61の移動方向と直交する方向に水平に延び、その一端部には、上述した作動シリンダ64のロッド64aの先端が対峙している。
上記当て板部61bの他端には、当接部材66が挿入固定されている。この当接部材66は平坦な当接面66aを有しており、この当接面66aに、位置センサ67が対峙している。この位置センサ67は支持テーブル14の上面に固定されており、その先端に接触子67aを有している。この接触子67aは、図示しないバネにより常に突出方向に付勢されており、押圧された時に移動台61の移動方向に後退する。
【0035】
図4に示すように、上記作動シリンダ64のロッド64aが伸び状態にある時、引張りコイルバネ63に抗して移動台64が右方向に移動され、移動台64が後退位置に維持される。この時、当接面65aはワークWの内周面Wbから離れ、当接面66aも位置センサ67の接触子67aから離れている。
【0036】
作動シリンダ64が縮んだ時、引張りコイルバネ63により移動台61が左方向に移動され、当接面65aがワークWの内周面Wbに当たる。この時、当接面66aが接触子66を後退させる。この後退量の情報は、上記ワークWの内周面Wbにおいて当接面65aに対峙する第1環状領域の位置情報を表している。本実施形態では、位置センサ67による出力値が、支持シャフト12の中心軸線換言すればワークWの回転軸線100からの距離を示すように、制御・演算手段90で設定している。
【0037】
上記第2計測手段70は、図2に示すように、上側の支持テーブル15の下面に設けられており、第1計測手段60と同一構成要素を備えている。詳述すると、第2計測手段70は、上記支持テーブル15の下面にリニアガイド72を介して支持された移動台71を備えている。この移動台71はリニアガイド72により、第1計測手段60の移動台61と同方向に直線的に移動可能である。なお、移動台71には左右方向に延びる逃がし穴71aが形成されており、この逃がし穴71aを上記支持シャフト12が貫通している。
【0038】
上記移動台71の左端部上面には、支持板部71aが設けられ、右端部上面には当て板部71bが設けられている。
上記支持板部71bの中央には外方に突出する当接部材75が設けられている。この当接部材75は、ワークWの内周に対峙するとともにこの内周面Wbと等しい曲率半径の円弧面からなる当接面75aを有している。
第1,第2の計測手段60,70の当接面65a,75aは、周方向位置が一致している。換言すれば、回転軸線100と平行な1つの直線上にある。
【0039】
図示しないが、第2計測手段70は、第1計測手段60の張りコイルバネ63,作動シリンダ64,当接部材66,位置センサ67に相当する部材を有しているが、同一構成であるので図示および説明を省略する。第2計測手段70の位置センサも第1計測手段60と同様に、ワークWの内周面Wbにおいて当接面75aに対峙する第2環状領域の位置を、回転軸線100からの距離として出力する。
【0040】
上記ワークWの内周面Wbの第1,第2の環状領域は、回転軸線100と直交し上記当接面65a,75aを通る2つの平面(水平面)が、ワークWの内周面Wbと交差する線状の領域である。
【0041】
上記第3計測手段80は、図1に示すように固定系1の支柱13に設けられており、支柱13に回動可能に支持された筒81と、筒81の上端部に回動不能かつ昇降可能に支持された台82と、この台82から支持シャフト12に向かって突出した支持部材83と、この支持部材83に支持された位置センサ84とを備えている。
【0042】
位置センサ84は垂直に支持されており、その下端に接触子84aを有している。この接触子84aは図示しないバネにより常に突出方向すなわち下方に付勢されており、押された時に上方へ後退可能である。
【0043】
上記筒81は、退避位置と計測位置との間において、手動で約90°回動可能である。筒81が図1に示す計測位置にある時、位置センサ84はワークWの上方に位置する。この筒81の計測位置はロックレバー85によりロックされる。筒81が退避位置にある時、位置センサ84はワークWから離れる。これによりワークWの設置および取り外しが可能となる。
【0044】
上記支持部材83は、調節機構86により支持シャフト12の径方向に位置調整可能である。これにより、位置センサ84の接触子84aをワークWの端面Wcに正確に対峙させることができる。
【0045】
上記筒81にはカム87が回動可能に設けられている。他方、上記台82には下方に垂直に延びるフォロア88が固定されており、このフォロア88の下端部がカム87に接している。台82は自重および必要に応じてバネにより下方に付勢されており、カム88の手動操作により、フォロア87が上下動し、ひいては位置センサ84が上下動するようになっている。
【0046】
位置センサ84は、その接触子84aがワークWの端面に当たって上方へ後退した量の情報を出力する。この後退量の情報は、上記ワークWの端面Wcにおいて、接触子84aに対峙する環状領域(第3環状領域)の位置情報を表している。本実施形態では、位置センサ67による出力値は、仮想平面(図5において符号PL1で示す)からの高さ(回転軸線100方向の位置)を表すように制御・演算手段90で設定している。仮想平面PL1より高い時には正の値となり、低い時には負の値となる。
【0047】
上記仮想平面PL1は、水平な設置面23aを含む仮想平面PL0からワークWの高さHだけ高い位置にある。これら仮想平面PL0,PL1は回転軸線100と直交している。したがって、図5に破線で示すように、ワークWの中心軸線Wxが回転軸線100と一致して回転され、ワークWの端面が完全な平坦面をなし、ワークWが理想形である場合には、位置センサ67で計測される高さはゼロ値となる。
【0048】
次に、上記構成をなす計測装置の作用を説明する。作動シリンダ41を縮ませてクランプ機構30を開いた状態にするとともに、筒81を退避位置にし位置センサ84を設置テーブル83の上方から外す。この状態で、ワークWを設置テーブル23の設置面23aに載せる。位置決め機構50の作動シリンダ56が縮んでいるので、位置決め部材56が後退位置にあり、第1計測手段60の作動シリンダ64および第2計測手段70の作動シリンダが伸びているので、当接部材65,75も後退位置にあり、ワークWのセットが支障なく行なわれる。
【0049】
上記のようにワークWをセットした後で、筒81を計測位置まで回してロックレバー85でロックする。これにより位置センサ84はワークWの端面Waの上方に位置することになる。この時、位置センサ84の接触子84aはワークWの端面Wcから離れている。
【0050】
次に、クランプ機構30の作動シリンダ41を伸ばすことにより、圧縮コイルバネ34の力で、4つのクランプアーム31を閉じて、ワークWの外周をクランプする。これにより、ワークWは回転体20と一体化する。
【0051】
次に、位置決め機構50の作動シリンダ56を伸ばすことにより、圧縮バネ55の力で位置決め部材54の先端部54aをワークWの内歯車部Wbの谷部に入り込ませて、ワークWとモータ26との位置決めを行なう。
【0052】
次に、第1計測手段60の作動シリンダ64および第2計測手段70の作動シリンダを縮めることにより、当接部材65,75の当接面65a,75aをワークWの内周面Wbに当てる。これにより、第1計測手段60の当接面66aが位置センサ67の接触子67aに当たり、第2計測手段70でも同様の状態となる。
また、カム87をレバー操作により回して第3計測手段80の位置センサ84を下降させることにより、その接触子84aがワークWの端面Wcに当たるようにする。
【0053】
第1〜第3の計測手段60,70,80を上記のように計測状態にした後、制御・演算手段90の制御により、モータ26を間欠駆動させて、ワークWを所定角度Θ毎に間欠回転させて、1回転させる。なお、角度Θは360°/N(Nは整数)である。本実施形態では、Nは、ワークWの内周面Wbの歯数と同数にしている。
【0054】
制御・演算手段90は、上記ワークWが所定角度Θ回転して一時停止する度に、計測手段60,70,80から出力される第1〜第3環状領域の位置情報を読み込み、この位置情報(各環状領域毎にN個の位置情報)に基づいて端面Wcの平坦度を演算する。以下、図5,図6を参照しながら詳述する。
【0055】
前述したように、図5に示すように、ワークWが理想形でありワークWの上下端面Wc,Wdが完全な平坦面をなし、ワークWの中心軸線200が回転軸線100と一致する場合には、ワークWは、破線で示す位置にある。しかし、実際にはワークWは図5において実線で示すように、その中心軸線200が回転軸線100から偏倚しかつ傾いている。なお、中心軸線200は、本実施形態では内周面Wbの中心軸線を意味する。
【0056】
図5において、ワークWの中心軸線200の偏倚量,傾斜量は著しく誇張して示してある。この偏倚,傾斜はクランプ機構30によるワークWのクランプの状態,ワークの下端面Wdの僅かな歪みや中心軸線200に対する僅かな傾き等により生じる。図5において、ワークWは不完全な形で示しており、その内周面Wbと上下端面Wc,Wdのみを示している。
【0057】
上記のように、ワークWの中心軸線200が回転軸線100に対して軸振れした状態で回転されると、第3計測手段80の位置センサ84からの出力値は、この軸振れに対応する出力分を含んでしまい、高精度に平坦度を検出することができない。以下、その理由を図5を参照しながら説明する。
【0058】
理解を容易にするために、実際の計測装置とは逆に、ワークWが静止されていて第3計測手段80が端面Wcに沿って逆方向に360°回ることを想定する。実線で示すようにワークWの中心軸線200が回転軸線100に対して左に傾いている場合には、端面Wcの左側で低くなり、右側で高くなる。このような場合、たとえ端面Wcが中心軸線200と直交した基準平面に対して歪みが全くなくても、この軸振れに起因した出力値の変化を出力してしまう。また、端面Wcに歪みがあっても、偶然に上記軸振れによる出力分で相殺することにより、出力値の変化が小さくなってしまうこともある。
【0059】
そこで、制御・演算手段90では、軸振れに伴なう出力分をキャンセルし、平坦度を高精度に計測するようにしている。
まず、ワークWが静止していて第3計測手段80が所定角度Θ毎に計測を行なうものとして、三次元空間における回転軸線100に対するワークWの中心軸線200の位置を求める。
【0060】
上記中心軸線200を求める際に、前述した第1,第2計測手段60、70の位置情報が用いられる。図6を参照しながら説明すると、この位置情報はワークWの内周面Wbの第1,第2環状領域と回転軸線100との間の距離を表している。図6においてn回目の計測点Pnでの計測距離がDnで示されている。なお、図6には計測点間の角度Θを実際より遥かに大きく示している。
【0061】
第1計測手段60の距離情報Dnと角度情報から、計測点PnのX,Y座標(Pn(x),Pn(y))を求める。なお、この座標平面において、回転軸線は座標(0,0)で表される。
【0062】
そして、第1環状領域の中心点G1の座標を重点演算法を用いて求める。重点演算法は、第1環状領域の中心点G1を第1環状領域によって囲まれる面積の重心として求めるものである。詳述すると、図6に示すように、上記座標平面を角度Θで分割し、隣接する計測点Pn,Pn+1と座標(0,0)を結ぶ三角形の重心のx座標Gn(x),y座標Gn(y)を、下記式から求める。
Gn(x)={Pn(x)+Pn+1(x)}/3 …(1)
Gn(y)={Pn(y)+Pn+1(y)}/3 …(2)
また、上記三角形の面積を下記式から求める。
Sn=Dn・Dn+1・sinΘ/2 …(3)
【0063】
次に、N個の三角形の重心のx座標,y座標,面積からワークWの内周面Wbの第1環状領域の重心点G1のx座標G1(x)およびy座標G1(y)を下記式より求める。
G1(x)=(Gx・S+Gx・S …Gx・S)/(S+S …S)…(4)
G1(y)=(Gy・S+Gy・S …Gy・S)/(S+S …S)…(5)
【0064】
同様にして、第2計測手段70の位置情報に基づき、ワークWの内周面Wbにおける第2環状領域の重心点G2のx座標G2(x)およびy座標G2(y)を求める。
【0065】
上記重心点G1,G2の座標平面は、ともに回転軸線100と直交するが、高さが異なる。この重心点G1,G2のZ座標の情報を加えて、三次元空間に重心点G1,G2を位置させた時、これら重心点G1,G2を通る直線が、ワークWの内周面Wbの中心軸線200である。
【0066】
本実施形態では、中心軸線200の三次元空間での位置を、2つの点P,Qの三次元座標として求める。上記点Qは、上記重心点G1,G2を通る直線と前述した仮想平面PL0との交点である。上記点Pは、上記重心点G1,G2を通る直線上において、上記点QからワークWの高さ分だけ離れた点である。
【0067】
次に、上記点Pを通り中心軸線200と直交する基準平面PL3を求める。この基準平面PL3は、計測角度Θ離れた直線の集合であってもよい。
【0068】
次に、第3計測手段80による計測箇所毎の補正分ΔMを求める。この補正分ΔMは、図5において、基準平面PL3に対する点Rの高さで表される。点Rは、前述した仮想平面PL1と第3計測手段80の接触子84を通る垂直線とが交わる点である。補正分ΔMは、基準平面PL3より点Rが高い時にプラス,低い時にマイナスとなる。ΔMの絶対値は、点Rと点Sとの距離で表される。点Sは、点Rを通る基準平面PL3の法線と、この基準平面PL3とが交わる点である。
【0069】
次に、下記式に示すように、各計測箇所毎の第3計測手段80で計測された端面Wcの位置、換言すれば面振れ量M’に上記補正分ΔMを加えて、各計測箇所毎の真の面振れ量Mを求める。
M=M’+ΔM …(6)
ここで、面振れ量M’は、計測位置が仮想平面PL1より低い場合にマイナス,高い場合にプラスで表される。
【0070】
図5に示すように、中心軸線200が左側に傾いていると、左側の計測箇所では面振れ量M’が過度に低くなるが、上記のように補正分ΔMを加算することにより、相殺することができる。
【0071】
上記のようにして、計測箇所毎の真の面振れ量M(基準平面PL3に対する高さ)を求めることができる。なお、厳密には真の面振れ量Mを求める際に、第3計測手段80による面振れ量M’にcosΘ’を乗じた量(ただしΘ’は中心軸線200の回転軸線100に対する傾き角度)に上記補正分ΔMを加えるべきであるが、傾き角度Θ’が微小であるので、上記(6)式でも高精度の面振れ量Mを求めることができる。
【0072】
最後に、各計測箇所毎の面振れ量Mの最大値と最小値の差を、平坦度として演算する。そして、この差が閾値を超えた場合には、検査対象となっているワークWの端面Wcが十分な平坦度をもたないと判断する。
【0073】
上記のようにして端面Wcの平坦度を検出したら、計測手段60,70,80を非計測位置にし、クランプ機構30によるクランプ状態を解除する。その後で、ワークWを反転させて他の端面Wdの平坦度の計測を同様にして行なう。
【0074】
ワークの形状は、上記実施形態に制約されず、例えば図7(A),(B)に示すように、種々採用可能である。ちなみに図7(A)に示すワークでは、内周面または外周面を基準筒面として提供し、上端面,中間の平坦面,下端面の平坦度を計測する。図7(B)に示すワークでは、下面に形成された凹部の内周面,円筒面からなる下部外周面,円錐面からなる上部外周面のいずれかを基準筒面として提供し、上端面,中間の平坦面,下端面の平坦度を計測する。円錐面の一部も本発明の基準筒面とすることができる。また、正多角形の外周面,内周面も基準筒面として利用可能である。
【0075】
本発明は上記実施形態に制約されず、種々の態様が可能である。例えば、上記第1実施形態において、ワークWの内周面をクランプし、外周面を基準筒面としてその位置を第1,第2計測手段で計測してもよい。
ワークが軸方向に長い場合には、ワークの基準筒面を3つ以上の計測手段で計測し、各環状領域の中心に基づき、最小2乗法により中心軸線を決定してもよい。
【0076】
基準平面は、ワークの中心軸線と直交すればよく、高さは任意に設定できる。
上記実施形態では計測手段は接触式であったが、非接触式であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施形態をなす計測装置の概略構成の側面図であり、左半分はワークのクランプ状態を要部を断面にして示し、右半分はワークの非クランプ状態を示す。
【図2】同計測装置の上部の構成を詳細に示す拡大断面図である。
【図3】同計測装置の位置決め機構を示す拡大平面図である。
【図4】同計測装置の第1計測手段の拡大平面図である。
【図5】本発明の原理を説明する概略図であり、ワークの軸振れを誇張して示す。
【図6】第1計測手段の計測値から第1環状領域の重心点を求める演算を説明する概略図であり、計測角度を誇張して示す。
【図7】(A),(B)は、ワークの他の態様を例示する斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
1 固定系
2 回転系
12 支持シャフト
20 回転体
23a 設置面
26 モータ(回転駆動手段)
30 クランプ機構
31 クランプアーム
32 昇降筒
33 リンク
34 圧縮コイルバネ(バネ)
40 クランプ解除手段
60 第1計測手段
70 第2計測手段
80 第3計測手段
90 制御・演算手段(演算手段)
100 回転軸線
200 中心軸線
W ワーク
Wa 外周面
Wb 内周面(基準筒面)
Wc,Wd 端面(平坦面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準筒面と、この基準筒面の中心軸線と直交する平坦面とを有するワークにおける、当該平坦面の平坦度を高精度で計測する方法であって、
第1,第2の計測手段を、上記ワークの軸方向に離して上記基準筒面に対峙させるとともに、第3計測手段を上記ワークの平坦面に対峙させ、
上記ワークを、回転軸線がワークの中心軸線と略一致するようにして回転させ、この回転に伴ない、上記第1,第2計測手段から、上記基準筒面において第1,第2計測手段に対峙する第1,第2環状領域の多数箇所の位置情報を得るとともに、第3計測手段から上記平坦面において第3計測手段に対峙する第3環状領域の多数箇所の位置情報を得、
上記第1計測手段により計測した位置情報から、上記第1環状領域の中心点位置を求め、
上記第2計測手段により計測した位置情報から、上記第2環状領域の中心点位置を求め、
さらに、これら第1,第2環状領域の中心点位置情報から、上記基準筒面の中心軸線と直交する基準平面を実質的に求め、
上記第3計測手段で計測した第3環状領域の位置情報を上記基準平面からの位置情報に補正し、この補正された位置情報から上記ワークの平坦面の平坦度を演算することを特徴とする平坦度計測方法。
【請求項2】
基準筒面と、この基準筒面の中心軸線と直交する平坦面とを有するワークにおける、当該平坦面の平坦度を高精度で計測する装置であって、
回転軸線を上記基準筒面の中心軸線と略一致させて上記ワークを回転させる回転手段と、固定系に支持された第1,第2,第3の計測手段と、演算手段とを備え、
上記第1,第2の計測手段は、互いに上記回転軸線方向に離れるとともに上記ワークの基準筒面に対峙して配置され、ワークが所定角度回転する度に、上記ワークの基準筒面において当該第1,第2の計測手段に対峙する第1,第2環状領域の位置をそれぞれ計測し、
上記第3計測手段は、上記ワークの平坦面に対峙して配置され、ワークが所定角度回転する度に、上記平坦面において当該第3計測手段に対峙する第3環状領域の位置を計測し、
上記演算手段は、上記第1計測手段により計測した位置情報から、上記基準筒面の第1環状領域の中心点位置を求め、上記第2計測手段により計測した位置情報から、上記基準筒面の第2環状領域の中心点位置を求め、これら第1,第2環状領域の中心点位置情報から、上記基準筒面の中心軸線と直交する基準平面を実質的に求め、
さらに上記演算手段は、上記第3計測手段で計測された位置情報を上記基準平面からの位置情報に補正し、この補正された位置情報から上記ワークの平面の平坦度を演算することを特徴とする平坦度計測装置。
【請求項3】
上記演算手段は、上記基準平面からの位置情報の最小値と最大値の差に基づき平坦度を数値化することを特徴とする請求項2に記載の平坦度計測装置。
【請求項4】
上記固定系は垂直に起立する支持シャフトを備え、この支持シャフトに上記第1,第2計測手段が設けられ、
上記回転手段は、上記支持シャフトに回転可能に支持された筒状の回転体と、この回転体を回転させる回転駆動手段とを備え、この回転体の上面がワークの設置面として提供され、
さらに、クランプ機構が装備され、このクランプ機構は上記回転体に設けられて上記ワークをクランプすることを特徴とする請求項2または3に記載の平坦度計測装置。
【請求項5】
上記ワークが環状をなし、その内周面が上記基準筒面として提供され、上記第1,第2計測手段は、上記回転体に設置されたワークの内側に配置され、上記クランプ機構は、上記回転体の外周に設けられて上記ワークの外周をクランプすることを特徴とする請求項4に記載の平坦度計測装置。
【請求項6】
上記クランプ機構は、中間部が上記回転体の外周に回動可能に支持された複数のクランクアームと、上記回転体の外周に昇降可能に設けられた昇降筒と、この昇降筒とクランプアームの下端部とを連結する複数のリンクと、上記昇降筒を上方へ付勢することにより、クランプアームの上端部を上記ワークの外周に押し付けるバネとを有し、
上記固定系には上記昇降筒を押し下げてクランプアームを開くクランプ解除手段が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の平坦度計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−47021(P2007−47021A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−231827(P2005−231827)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(591254589)大研工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】