平角線折り曲げ装置
【課題】送り出し作業と折り曲げ作業とを繰り返すことにより形成される平角線の成形コイル全体を有効に支持すると共に、成形コイルの自重による垂れ下がりを防止し、これによって、成形後のコイルの寸法のばらつきを少なくすることができる平角線折り曲げ装置を提供する。
【解決手段】折り曲げ装置10を、平角線Wの折り曲げのガイドとなる巻治具11、平角線Wを巻治具11側に押圧して折り曲げ成形する成形治具20、成形治具20を支持し巻治具11の周囲を回動する成形治具用回動手段30を備えて構成する。又、巻治具11を構成する異形フランジ13を、平角線の幅方向一方側の幅の略半分弱を押え平角線Wを折り曲げるとき平角線Wが略水平となるように押圧する平角線押圧部13Aと、平角線押圧部13Aの上面に一体成形され、順次折り曲げられ矩形形状のコイル状となる平角線Wのコイルの底部を支持する成形コイル支持部13Bとで構成した。
【解決手段】折り曲げ装置10を、平角線Wの折り曲げのガイドとなる巻治具11、平角線Wを巻治具11側に押圧して折り曲げ成形する成形治具20、成形治具20を支持し巻治具11の周囲を回動する成形治具用回動手段30を備えて構成する。又、巻治具11を構成する異形フランジ13を、平角線の幅方向一方側の幅の略半分弱を押え平角線Wを折り曲げるとき平角線Wが略水平となるように押圧する平角線押圧部13Aと、平角線押圧部13Aの上面に一体成形され、順次折り曲げられ矩形形状のコイル状となる平角線Wのコイルの底部を支持する成形コイル支持部13Bとで構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平角線折り曲げ装置に係り、より詳しくは、断面矩形形状の平角線を、その幅方向一方側端面を内側とするとともに幅方向他方側端面を外側として所定角度折り曲げる平角線折り曲げ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トランスやモータ等用として、断面矩形形の平角線を順次折り曲げて形成された角形コイルが用いられている。この角形コイルは、断面円形状の導線である丸線のソレノイドコイルと比較して、空間の利用効率がよいうえに、大電流を流すことができ、又熱損失も少ないものであることから多用されている。
一般に、平角線をその厚み方向に折り曲げることは容易であるが、幅方向に折り曲げることは困難である。平角線を曲げ困難な幅方向に折り曲げる装置として、線材をコイリングするコイル成形装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に開示されたコイル成形装置110は、図21に示すように、治具111とローラ113とを備えて構成されている。そして、治具111の軸部112周りをローラ113が回動することにより線材W100が曲げ加工され、この曲げ加工を繰り返すことによりコイリングするようになっている。軸部112には軸114が設けられ、この軸114の上端には線材W100を押える円板状のフランジ115が設けられている。
【0004】
一方、平角線を折り曲げる折り曲げ装置において、図22に示すような巻治具構造も知られている。すなわち、線材(平角線)を、治具(巻芯)を中心にして折り曲げるとき、平角線Wを巻芯72に接触させて所定角度で折り曲げた後、一辺に相当する長さの線材を送り出す。次に二度目の折り曲げを行い、その後、もう一辺に相当する長さの線材を送り出す。更に、三度目の折り曲げ…、の一連の動作を繰返すことにより、L1およびL2の長さの長辺および短辺をもつ矩形の成形コイルWCが、巻芯72のフランジ73上面に形成されていく。ここで、フランジ73は巻芯72より大きな直径の円板状に形成されている。
以上のような成形コイルWCの成形に際しては、折り曲げ動作の後に平角線Wが所定長さL1又はL2分だけ前方に送り出されるとき、それに連れて、巻き上がった成形コイルWCも前方に押し出される。
【0005】
【特許文献1】特開2003−181579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記図22に示す巻治具構造では、巻芯72のフランジ73は、巻芯72より大きな外形寸法の円板状となっているが、矩形の成形コイルWCの外形はフランジ73よりはるかに大きい。そのため、矩形の成形コイルWCは、その一部しか巻芯72のフランジ73上面で支えられておらず、折り曲げ/線材送り出しの動作が繰返されて巻き上がった成形コイルの高さが高くなり、図23に示すように、成形コイルWCの重量が増すほどに成形コイルWCの送り方向先端の垂れ下がりが顕著になってくる。
その結果、巻芯72とベース75間の隙間に導入される平角線Wの姿勢が一定せず、従って、折り曲げ後の成形コイルWCの寸法にばらつきが生じる、という問題が生じている。
【0007】
本発明の目的は、送り出し作業と折り曲げ作業とを繰り返すことにより形成される平角線の成形コイル全体を有効に支持すると共に、成形コイルの自重による垂れ下がりを防止し、これによって、成形後のコイルの寸法のばらつきを少なくすることができる平角線折り曲げ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の平角線折り曲げ装置は、断面矩形形状の平角線をその幅方向一方側端面を内側とするとともに他方側端面を外側として所定角度折り曲げる平角線折り曲げ装置であって、前記平角線の幅方向一方側端面と当接しかつ折り曲げのガイドとなる巻治具と、この巻治具と対向配置されるとともに前記平角線の他方側端面を前記巻治具側に押圧して前記巻治具とで挟持し、かつ前記平角線を折り曲げ成形する成形治具と、この成形治具を支持するとともに前記平角線を前記巻治具と前記成形治具とで挟持した状態で前記巻治具の周囲を回動する回動手段と、を備えて構成し、前記巻治具を、前記平角線の幅方向一方側端部が当接する巻芯と、この巻芯の同軸上上端に設けた異形フランジと、を含み構成し、この異形フランジを、前記平角線の幅方向一方側における幅の略半分弱を押えると共に、前記平角線を折り曲げるときその平角線が略水平となるように押圧する平角線押圧部と、この平角線押圧部の上面に当該平角線押圧部と一体成形されると共に、前記平角線を順次送り出しと折り曲げとの繰り返し作業により形成した矩形形状の成形コイルの略全面を支持する成形コイル支持部と、で構成したものである(請求項1)。
【0009】
この発明によれば、平角線を、順次送り出しと折り曲げとを繰り返すことにより矩形形状の成形コイルが形成されるが、この成形コイルは、異形フランジの成形コイル支持部によって支持される。成形コイル支持部は、矩形形状の成形コイルの略全面を支持するようになっているので、形成される平角線の成形コイルを容易に支持することができ、これにより、成形コイルの自重による垂れ下がりを防止することができる。そのため、完成した成形コイルの寸法のばらつきを防止することができ、精度の高い製品を得ることができる。
【0010】
ここで、前記異形フランジの前記平角線押圧部を円板状に形成すると共に前記成形コイル支持部を平面矩形形状に形成し、この矩形形状を、当該矩形形状の前記平角線の送出方向と直交する一端部を前記平角線押圧部の外周一部に略揃えると共に他端部を上記一端部から前記送出方向先端側に所定寸法延出させ、前記矩形形状の前記平角線の送出方向に沿った一端部を前記平角線押圧部の外周一部に略揃えると共に他端部を上記一端部から前記送出方向と直交する方向に延出させて形成し、かつ前記矩形形状の成形コイルの略全面を支持する構成としてもよい(請求項2)。
【0011】
このようにすれば、異形フランジの成形コイル支持部を平面矩形形状に形成し、平角線で形成される矩形形状の成形コイルに対応できる形状となっているので、成形コイルをバランスよく支持することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、平角線により形成される矩形形状の成形コイルを、異形フランジの成形コイル支持部によって支持することができる。成形コイル支持部は、矩形形状の成形コイルの略全面を支持するようになっているので、形成される平角線の成形コイルを容易に支持することができ、これにより、成形コイルの自重による垂れ下がりを防止することができる。その結果、完成した成形コイルの寸法のばらつきを防止することができ、精度の高い製品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る平角線折り曲げ装置10(以下、単に曲げ装置という)の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、図2には、上記曲げ装置10を備えた平角線折曲げ機1が示されている。図1は、平角線折曲げ機1の正面を示し、図2は、平角線折曲げ機1の平面を示す。
【0014】
まず、図1,2に基づいて平角線折曲げ機1の説明をする。
ここで、図1,2における左方を平角線Wの送出方向上流とし、右方を送出方向下流とする。
平角線折曲げ機1は、図1,2の左方に配置されたボビン装置(図示せず)から連続的に繰り出され、かつ矢印K方向に送出される平角線Wを平角線折曲げ機1にガイドする導導入口ガイドユニットAと、この導入口ガイドユニットAの平角線Wの送出方向下流位置に配置され、送出される平角線Wの幅方向の癖(凹凸)を取る幅方向癖取りユニットBと、幅方向癖取りユニットBの下流位置に配置され、平角線Wの厚み方向の癖(凹凸)を取る厚み方向癖取りユニットCと、厚み方向癖取りユニットCの下流位置に配置され、幅および厚み方向の癖が取られ平滑化された平角線Wを所定の速度に制御して送出する平角線送りユニットDと、平角線送りユニットDから送出された平角線Wをガイドする平角線ガイドユニットEと、この平角線ガイドユニットEを経由して送出された平角線Wを所定の角度に折り曲げる平角線曲げユニットF、すなわち前記曲げ装置10とを備えて構成されている。
そして、前記各ユニットA〜Fは、ベース2を介して架台3に取り付けられている。
【0015】
導入口ガイドユニットAは、ボビン装置から連続的に繰り出されかつ送り込まれる平角線Wを挟み込んでガイドする一対のガイドローラA1を備えて構成されている。
このガイドローラA1は、回転軸を介して支持部材A2に回転自在に支持されており、支持部材A2はベース2に固着されている。
【0016】
幅方向癖取りユニットBは、水平面内において平角線Wの幅方向両端面と当接する複数個(本実施形態では5個)の幅方向癖取りローラB1を備えて構成されている。この幅方向癖取りローラB1は、図2に示すように、平角線Wの幅方向一方側に3個、他方側に2個が交互に配置されている。
【0017】
交互に配置された前記各幅方向癖取りローラB1のうち、2個の幅方向癖取りローラB1は、図2に矢印Hで示すように、平角線Wの幅方向に移動できるように構成され、平角線Wに対して位置調整可能となっている。そのため、平角線Wの幅方向端部との接触隙間を調整できるようになっている。
そして、これらの幅方向癖取りローラB1は、ローラ支持台C2を介してベース2に取り付けられている。
【0018】
厚み方向癖取りユニットCは、垂直面内において平角線Wの厚み方向両面(表裏面)と当接する複数個(本実施形態では5個)の厚み方向癖取りローラC1を備えて構成されている。厚み方向癖取りローラC1は、図1に示すように、平角線Wの厚み方向裏面側に3個、表面側に2個が交互に配置されている。そして、これらの厚み方向癖取りローラC1は、ローラ支持台C2を介してベース2に取り付けられている。
【0019】
交互に配置された前記各厚み方向癖取りローラC1のうち、2個の厚み方向癖取りローラC1は、図1に矢印Jで示すように、平角線Wの厚み方向下方側に移動できるように構成され、平角線Wに対して位置調整可能となっている。そのため、平角線Wの厚み方向上方側との接触隙間を調整できるようになっている。
【0020】
平角線送りユニットDは、平角線Wを送り出す一対の送りローラD1を備えている。このローラD1は、平角線Wを所定圧で挟み込んで保持し、あるいは保持を開放して平角線Wを移動フリーとすることができる。
そして、送りローラD1は、垂直面内で回転可能となっており、それぞれが互いに反対方向に回転し、平角線Wを送り出せるようになっている。又、送りローラD1は、ローラ支持台D2に支持されるとともに、カップリングD3等を介して駆動源D4に連結されている。又、送りローラD1は、前記ベース2に固着されている。
【0021】
平角線ガイドユニットEは、平角線送りユニットDから送り出される平角線Wを曲げ装置10にガイドする線材ガイド5を備えて構成されている。この線材ガイド5は、図2に示すように、平面略矩形形状に形成され、取り付けボルト6によってベース2に固定されている。
【0022】
図2,3に示すように、線材ガイド5は、曲げ装置10側先端部が突出部5Aとなっており、この突出部5Aは、上記曲げ装置10の巻治具11の小径軸部12Aを越えた位置まで延びている。
突出部5Aには挿通孔5Bがあけられ、この挿通孔5Bには、上記巻治具11の巻芯12がスライド可能に挿通されている。言い換えれば、線材ガイド5の突出部5Aが巻芯12の補強部材を兼用しており、平角線Wを折り曲げる際にかかる曲げ圧力により巻芯12が水平面内で変位する、つまり倒れるのを防止している。
【0023】
図3〜7に示すように、線材ガイド5の一方の側面側には、線材送出方向と直交するもう一つの傾斜ガイド面9Aが形成されている。この傾斜ガイド面9Aの上面は、線材ガイド5の上面とほぼ同一高さとなっている。
送出方向から略直交する方向に所定角度に折り曲げられた平角線Wは、順次折り曲げが繰返されるとともに、傾斜ガイド面9Aを滑って最終ガイド部材7の上面にガイドされ、装置上流側から送り出される平角線Wの上方に積層し、矩形形状の成形コイルを形成する。
又、傾斜ガイド面9Aの上端には、平角線Wの送出方向に沿った横溝9B(図7参照)が形成され、最終ガイド部材7の先端部7Cを受ける構造になっている。
【0024】
線材ガイド5において、前記曲げ装置10の巻治具11および成形治具20側端部には、最終ガイド部材7が取り付けられている。この最終ガイド部材7は、傾斜ガイド面5Cに沿って送られた平角線Wを覆い、かつ平角線Wを折り曲げ装置10の巻治具11と成形治具20とにガイドする構造となっている。
すなわち、図7に詳細を示すように、最終ガイド部材7は、平角線Wを覆うカバー状に形成され、内面に平角線Wをガイドするガイド溝7Aが形成されている。又、最終ガイド部材7の上面の一部には、傾斜面7Bが形成されている。傾斜面7Bは、最終ガイド部材7において前記傾斜ガイド面9Aの先端部7Cから平角線W側に向かって高くなる傾斜となっている。この傾斜面7Bは、傾斜ガイド面9Aとほぼ同じ傾斜に形成され、かつ傾斜ガイド面9Aとほぼ連続している。
【0025】
以上のような傾斜面7Bには、水平状態で順次折り曲げられた平角線Wを積層して矩形形状の成形コイルにする際に、平角線Wの最終ガイド部材7にさしかかった部位が乗り上げ、この動作を繰返すことにより、平角線Wが矩形形状に積層される。
ここで、折り曲げられた平角線Wは、線材ガイド5の上面と、最終ガイド部材7における傾斜面7Bと水平面との交点とで支持されている。つまり、わずかに傾いた状態で積層されていくようになっている。
さらに、最終ガイド部材7の先端部7Cは、前記傾斜ガイド面9Aの横溝9B内に係合するようになっている。
このような最終ガイド部材7は、上面からねじ込まれた小ねじ19により、線材ガイド5に固着されている。
【0026】
前記曲げ装置10は、図8,9に詳細を示すように、平角線Wを折り曲げる際の折り曲げのガイドとなる前記巻治具11と、この巻治具11との間で平角線Wを折り曲げ成形する成形治具20と、平角線Wを巻治具11と成形治具20とで挟み込んだ状態で当該成形治具20を所定角度回動させる回動手段30とを備えて構成されている。
【0027】
巻治具11は、略垂直に立設された巻芯12と、この巻芯12の上端部に設けられ平角線Wの幅半分弱を押圧し、かつガイドする異形フランジ13とで形成され、巻芯12の下端は、巻芯移動手段である巻治具開閉シリンダ40と連結されている。
【0028】
巻芯12は上部の小径軸部12Aと下部の大径軸部12Bとで構成され、線材ガイド部材5の下面に近い位置まで大径軸部12Bが延びて形成されている。
【0029】
異形フランジ13は、図10にも示すように、巻芯12の上端に設けられた平角線押圧部13Aと、この平角線押圧部13Aの上面に、当該平角線押圧部13Aと一体に形成された成形コイル支持部13Bとで構成されている。
【0030】
平角線押圧部13Aは、前記小径軸部12Aの直径より大きな直径の円板状に形成され、平角線Wを折り曲げるとき、図4に示すように、矢印M方向に下降し、平角線Wを押圧して、当該平角線Wを略水平状態、すなわち線材ガイド5の上面と平行となるようにし、かつ折り曲げるときガイドする機能を有している。
又、平角線押圧部13Aは、平角線Wを押し当てるとき、平角線Wの幅方向一方側における幅の略半分弱を押えるように外形寸法が設定されている。
【0031】
前記成形コイル支持部13Bは、平角線押圧部13Aと略同一厚さの板状部材となっており、図10に示すように、平面矩形形状に形成されている。
すなわち、成形コイル支持部13Bの矩形形状は、その長辺が、平角線Wの送出方向と直交する一端部M1を平角線押圧部13Aの外周から外側(図10中、左側)に所定寸法延出すると共に、他端部M2を上記一端部M1から送出方向先端側に所定寸法延出して形成されている。
又、矩形形状の短辺が、平角線Wの送出方向に沿った一端部N1を平角線押圧部13Aの外周一部に略揃えると共に、他端部N2を上記一端部N1から送出方向と直交する方向に所定寸法延出させて形成されている。
その結果、以上のような矩形形状の成形コイル支持部13Bは、図11に示すように、前記矩形形状の成形コイルWCの略全面を支持することができる平面部を有している。
【0032】
従って、平角線Wを送り出し作業と折り曲げ作業とを繰り返すことで形成される矩形形状の成形コイルWCを、図12に示すように、成形コイルWCが自重で垂れ下がることなく支持することができる。
【0033】
なお、一端部M1、N1を平角線押圧部13Aの外周一部に略揃えるとは、図10に示すように、一端部N1の端面が、平角線押圧部13Aの外周一部に揃えられている場合と、一端部M1の端面が平角線押圧部13Aの外周一部から外側にわずかに突出している場合とを含む概念である。
又、図10は、平角線Wと成形治具20と巻治具11の特に異形フランジ13との相互関係を示しており、線材ガイド5等は省略してある。
【0034】
巻芯12の大径軸部12Bは、図8,9に示すように、その一部が巻芯ガイド部材14に挿入されている。巻芯ガイド部材14の上部にはフランジ14Aが形成され、このフランジ14Aは、取り付けボルト18によって線材ガイド5に取り付けられている。
又、巻芯ガイド部材14の下部において外周には雄ねじ14Bが切られ、この雄ねじ14Bは、次に述べる支持部材15の内径に切られた雌ねじ15Bに螺合され、これにより、巻芯ガイド部材14は支持部材15に支持されている。
【0035】
支持部材15は、略丸パイプ状に形成されるとともに下部にフランジ15Aを有しており、このフランジ15Aを介して支持部材15が前記巻治具開閉シリンダ40と接続されている。
【0036】
支持部材15の内径空間部にはカップリング16が収容されており、このカップリング16の上部に巻芯12の前記大径軸部12Bが連結されている。又、カップリング16の下部に前記巻治具開閉シリンダ40のロッド40Aが連結されている。
【0037】
従って、巻治具開閉シリンダ40を駆動させ、ロッド40Aを上下動させることにより、巻芯12および異形フランジ13が上下移動する。そして、図4〜6に詳細を示すように、異形フランジ13は、巻治具11と成形治具20とで平角線Wを折り曲げるとき下降して、異形フランジ13の平角線押圧部13Aによって平角線Wが略水平となるように押し当てると共に、折り曲げるときガイドする機能を有している。
又、平角線Wの移動時、つまり送出時には、平角線Wが傷つかないように異形フランジ13が上昇するようになっている。
【0038】
前記巻芯ガイド部材14の外周、かつ雄ねじ14Bの上方には、上下に間隔をあけて2個の軸受31,31が装着されている。これらの軸受31,31は、軸受箱であるハウジング32に内嵌されるとともに、巻芯ガイド部材14の異形フランジ14Aの下面段付き部と、支持部材15の上端面と、各軸受31,31の間に介在されるスペーサー33とによって位置決めされている。
【0039】
ハウジング32の外周にはブラケット34が嵌め込まれている。ブラケット34は、図2に平面形状を示すように、長さ方向一方側端部が半円形状の外形に形成されている。そして、半円形部に丸穴があけられ、この丸穴に前記ハウジング32が嵌着されている。
【0040】
ブラケット34の上面には、本体部35を介して前記成形治具20を保持する成形治具ホルダ(以下、単にホルダという)36が取り付けられている。ホルダ36は、角板状部材で形成されており、本体部35に形成された溝に嵌合取付けされ、図8には示されていないシリンダによって、平角線Wに対して、その送出方向と直角方向に摺動可能な構造となっている。
そして、ここにおいて、前記軸受31,31、ハウジング32、スペーサー33、ブラケット34およびホルダ36を含み前記回動手段30が構成されている。
【0041】
前記ハウジング32のフランジ32Aの下面には、前記回動手段30を所定角度回動させる駆動手段である駆動プーリ38が、取り付けボルト39によって取り付けられている。駆動プーリ38は、図示しない駆動源であるモータ等にベルトで連結されており、モータ等の駆動により回動させることができるようになっている。
【0042】
従って、駆動プーリ38を回動させることにより、回動手段30および成形治具20が巻治具11をガイドとして回動することになる。その結果、巻治具11と成形治具20とで平角線Wを挾持した状態で成形治具20が巻治具11を中心に回動するので、平角線Wを折り曲げることができる。
そして、図2に実線で示すように、巻治具11に対して、成形治具20が、平角線Wの送出方向と直交する方向に位置しているとき、この位置が、成形治具20による折り曲げ開始の初期位置Sとなっている。
【0043】
前記成形治具20は、図4に詳細を示すように、前記ホルダ36の巻治具11側先端部に装着されている。
成形治具20は、ホルダ36に挿入される軸部21Aを有する成形本体部21と、軸部21Aを含む成形本体部21をホルダ36に固定するナット22とを含み構成されている。成形本体部21の上部には、間隔をあけて2枚のフランジ21B,21Cが設けられ、これらのフランジ21B,21Cと成形本体部21の外径との間は、それらで形成される凹溝21Dとなっている。
【0044】
凹溝21Dの幅寸法(フランジ21B,21C間の寸法)は、送られてくる前記平角線Wが余裕をもって挿通できる大きさに形成されている。又、凹溝21Dの深さ寸法は、平角線Wの幅方向の例えば半分程度を挿通させ、かつガイドできる大きさに形成されている。
【0045】
ここで、図4〜6に基づいて、巻治具11の異形フランジ13と、成形治具20のフランジ21B,21Cおよび凹溝21Dとの、上下方向の位置関係を説明する。
ホルダ36に固定された成形本体部21の上部のフランジ21B,21Cに対して、巻治具11の異形フランジ13は、前述のように上下方向に移動可能である。この異形フランジ13が、図4,5に示すように、最大限上方に位置するとき、異形フランジ13における平角線押圧部13Aの下面は上記フランジ21Bの下面より所定寸法高い位置にあるように設定されている。
すなわち、平角線Wの上面と異形フランジ13の平角線押圧部13Aの下面との間には、線送り、つまり平角線Wを容易に送り出すために最大限の隙間S1が形成されている。
そして、平角線Wを送り出すとき、成形治具20は、図5に矢印N1で示すように巻治具11の異形フランジ13から後退している。
【0046】
又、図6に示すように、平角線Wを折り曲げるに際して、送出方向に沿って(図6で紙面直交方向)送られてくる平角線Wを異形フランジ13により略水平に押し下げたとき、異形フランジ13の平角線押圧部13Aが最大限下方の位置にあり、このとき、前記フランジ21Bの下面と平角線Wの上面とが当接し合っている。又、フランジ21B,21C間の凹溝21Dの幅寸法は、前述のように、平角線Wの厚み寸法よりも所定寸法大きな寸法に形成されている。
【0047】
これに対して、異形フランジ13における平角線押圧部13Aの下面と平角線Wの上面との間は、巻芯側の折り曲げ部Rの線材膨らみによる皮膜剥離を防止するため、前記隙間S1より小さな隙間S2となっている。
そして、平角線Wを折り曲げるときの状態は、図6に矢印N2で示すように、成形治具20が巻治具11の異形フランジ13側に前進している。
【0048】
送出方向に送られてくる平角線Wに対して、異形フランジ13を押し下げて異形フランジ13の平角線押圧部13Aにより平角線Wを略水平にし、成形治具20により平角線Wを所定角度折り曲げた後に、異形フランジ13は上昇する。この異形フランジ13の下面は、前述のように、上方位置にあるときも、下方位置にあるときも、平角線Wの上面との間で隙間を形成するようになっており、上方位置にあるとき隙間S1、下方位置にあるとき隙間S2が形成されている。
【0049】
又、曲げ装置10の前記巻治具11の近傍位置には、平角線Wを折り曲げ、スプリングバック後の位置を測定する変位測定器(図略)が配置されている。
【0050】
この変位測定器によるスプリングバック量の測定は次のように行われる。
すなわち、所定位置まで送られてきた平角線Wを、巻芯12を折り曲げの中心として、回動手段30の回動に連れて回動する成形治具20により、最初の折り曲げとして、所定角度、例えば90度に折り曲げる。
【0051】
次いで、変位測定器により、最初の折り曲げ位置からスプリングバックにより戻った位置の測定部位までの距離を測定する。
【0052】
変位測定器により得られたスプリングバック位置の距離情報は、図示しない制御装置により、予め測定しておいた適正な線材位置との間で変位差が演算され、さらに変位差が角度に換算される。そして、この変位差の角度を設定折り曲げ角度に加算して折り曲げ補正角度が決定される。
【0053】
平角線Wを折り曲げ、順次積層する工程にあっては、最初の折り曲げでの変位差を測定し、その変位差を基に上述のように折り曲げ補正角度を決定した後、次回以降は折り曲げ補正角度で折り曲げることで、折り曲げ角度が一定した成形コイルとすることができる。
【0054】
次に、平角線折り曲げ機1による平角線Wの折り曲げ手順を、図13〜17を参照しながら、図18のフローチャートに基づいて説明する。
【0055】
平角線Wの折り曲げの開始に際して、まず、ステップ(ST)1で、線材送りユニットDから、平角線Wの送出方向と直交する位置に配列された巻治具11と成形治具20とを結ぶ線を所定距離越える位置まで平角線Wを送り込む。
【0056】
ステップ2で、図13に示すように、巻治具11を平角線W側に下降させ平角線Wを押圧して略水平の状態とし、かつ巻治具11と成形治具20とで平角線Wを挟持した状態で、巻治具11を中心として、回動手段30および成形治具20を回動させて、所定の角度、例えば90度回動させ、1回目の折り曲げ加工として、平角線Wを90度に折り曲げる。このときの折り曲げは、スプリングバック量を測定、検出するためのものである。
【0057】
ステップ3で、図13に示すように、変位測定器により、折り曲げた平角線Wのスプリングバック位置までの距離を測定する。
このとき、回動手段30は逆方向に回動されて成形治具20が初期位置Sまで戻され、かつ、平角線Wから離れている。
【0058】
ステップ4で、図示しない制御装置により、変位測定器からの距離情報と、予め測定した線材の適正位置との変位差に基づいて、折り曲げ補正角度を演算する。
【0059】
ステップ5で、図14に示すように、平角線Wを矢印K方向に所定寸法送り出す。
【0060】
ステップ6で、図15に示すように、ステップ2と同様の動作により、成形治具20を今度は折り曲げ補正角度で回動させて平角線Wの2回目の折り曲げを行う。
【0061】
ステップ7で、図15に示すように、平角線Wが折り曲げ補正角度の許容範囲内で折り曲げられているか否かを判定する。
この判定は、変位測定器(図略)を使用して行う。すなわち、平角線Wの適性スプリングバック位置までの距離の測定値が、予め定数として制御装置に入力されており、折り曲げ補正角度で折り曲げた後、スプリングバック後に距離を測定し、その距離と記憶されている距離とが一致しているとき、折り曲げ補正角度が正確であると判定される。
なお、ステップ7で、折り曲げ補正角度の許容範囲内で折り曲げられていないと判定された場合(NO)、折り曲げは終了する。
【0062】
ステップ8で、ステップ7において平角線Wが折り曲げ補正角度の許容範囲内で折り曲げられていると判定された場合(YES)、線材送りユニットDから、図16に示すように、平角線Wを矢印K方向に所定寸法送り出す。
【0063】
ステップ9で、図17に示すように、所定寸法送り出された平角線Wを、成形治具20を折り曲げ補正角度で回動させて3回目の折り曲げを行う。
このとき、平角線Wの折り曲げ先端が最終ガイド部材7の傾斜上面7Bにガイドされて乗り上げる。
【0064】
ステップ10で、ステップ1、ステップ8と同様の動作により平角線Wを矢印K方向に所定寸法送り出す。
このとき、成形治具20は平角線Wから離れている。
【0065】
ステップ11で、ステップ10において所定寸法送り出された平角線Wを、ステップ2、ステップ9と同様の動作により、成形治具20を折り曲げ補正角度で回動させて4回目の折り曲げを行う。
【0066】
ステップ12で、以上の1回目から4回目までの折り曲げを所定回数繰り返す。
【0067】
ステップ13で、折り曲げを所定回数繰り返した後で、予め決められた所定の巻き数に達したか否か、つまり所定の積層となっているか否かを判定する。
所定の巻き数に達している(YES)と判定されたら(例えば図12の状態)、折り曲げ工程が終了する。
この場合、平角線Wを所定の部位、例えば巻治具11と初期位置の成形治具20とを結ぶ線の手前で切断し、矩形形状に形成された成形コイルWCを、折り曲げ装置10から取り出す。
所定の巻き数に達していない(NO)と判定されたら、ステップ11に戻り、所定の巻き数に達するまで折り曲げ加工を繰返す。
【0068】
前述のステップ1乃至ステップ13のいずれにおいても、平角線Wを順次折り曲げて形成された成形コイルWCの略全面が、成形コイル支持部13Bの上面に載せられ、かつ支持される。
【0069】
以上のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)平角線Wを、順次送り出しと折り曲げとを繰り返すことにより矩形形状の成形コイルWCが形成されるが、この成形コイルWCは、異形フランジ13の成形コイル支持部13Bによって支持される。成形コイル支持部13Bは、矩形形状の成形コイルWCの略全面を支持するようになっているので、形成される平角線の成形コイルWCを容易に支持することができ、これにより、成形コイルWCの自重による垂れ下がりを防止することができる。そのため、完成した成形コイルWCの寸法のばらつきを防止することができ、精度の高い製品を得ることができる。
【0070】
(2)異形フランジ13の成形コイル支持部13Bが平面矩形形状に形成されており、平角線Wで形成される矩形形状の成形コイルWCに対応できる形状となっているので、成形コイルWCをバランスよく支持することができる。
【0071】
(3)異形フランジ13が、円板状の平角線押圧部13Aと、平面矩形形状の成形コイル支持部13Bとから成り、両者13A、13Bが同一部材で一体加工されているので、製作が容易である。
【0072】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0073】
例えば、前記実施形態では、平角線Wの折り曲げを、平角線Wの送出方向の手前側(図2において下方側)に折り曲げるものとしたが、これに限らない。図19に示すように、本実施形態と反対側に折り曲げるような機械の構成としてもよい。
この図19においては、折り曲げる方向が前記実施形態と異なるだけであり、使用部材は同一なので、同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0074】
又、前記実施形態では、平角線Wの折り曲げを、平角線Wの送出方向の手前側(図2において下方側)に折り曲げると共に、その平角線Wを支持できる大きさの異形フランジ13の成形コイル支持部13Bとしたが、これに限らない。例えば、図20に示すように、成形治具20側に張り出し部を有する大きな面積を有する成形コイル支持部13Cとしてもよい。
この成形コイル支持部13Cは、平角線Wを前記変形形態と同じように、本実施形態と反対側に折り曲げ成形する場合に、予め、反対側に積層される成形コイルWCを支持することができる面積に形成されているものである。このため、折り曲げ方向が手前側、向こう側のどちらであっても、1つの成形コイル支持部13Cで対応することができる。
【0075】
更に、前記実施形態では、平角線Wが常温の雰囲気下で線材ガイド5を経由して折り曲げ装置10に送られているが、平角線Wを予熱した状態で送るようにしてもよい。
すなわち、線材ガイド5の特に上面を、図略の加熱手段により所定温度に加熱しておくことで、平角線Wが折り曲げ装置10に順次送出される間、予熱されることになる。その結果、巻治具11と成形治具20とで平角線Wを折り曲げるとき、折り曲げ加工が容易となる。
【0076】
又、前記実施形態では、異形フランジ13を、平角線押圧部13Aと成形コイル支持部13Bとを同一部材で一体に形成してあるが、これに限らない。
平角線押圧部13Aと成形コイル支持部13Bとを別部材で形成すると共に、両者13A、13Bを点溶接等で一体的にしてもよい。このようにすれば、特に、両者13A、13Bの形状差が大きいとき、別加工後に一体化した方が製作が容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、断面矩形形状の平角線を、その幅方向一方側端面を内側とするとともに、他方側端面を外側として順次折り曲げて積層し、例えば矩形形状の成形コイルを形成する際に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の平角線折り曲げ装置を備えた平角線折り曲げ機を示す正面図である。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】線材ガイドの上面部の側面拡大図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面拡大図である。
【図5】前記平角線折り曲げ機を構成する平角線折り曲げ装置の平角線を折り曲げる前の巻芯の異形フランジと成形治具と平角線相互の位置関係を示す断面拡大図である。
【図6】前記平角線折り曲げ装置により平角線を折り曲げる際に成形治具が回動した位置にある状態を示す縦断面図である。
【図7】図3のVII−VII線に沿った部分の断面拡大図である。
【図8】前記平角線折り曲げ装置の成形治具が回動した位置にある状態を示す縦断面図である。
【図9】前記平角線折り曲げ装置の成形治具が初期位置にある状態を示す縦断面図である。
【図10】前記平角線折り曲げ装置の異形フランジと成形治具と巻治具との相互関係を示す平面図である。
【図11】前記平角線折り曲げ装置の異形フランジと成形コイルとの相互関係を示す平面図である。
【図12】図11におけるXII矢視図である。
【図13】前記平角線折り曲げ装置による平角線の1回目の折り曲げ状態を示す概略平面図である。
【図14】平角線の次の折り曲げに向けて送り出す状態を示す概略平面図である。
【図15】平角線の2回目の折り曲げ状態を示す概略平面図である。
【図16】平角線の次の折り曲げに向けて送り出す状態を示す概略平面図である。
【図17】平角線の3回目の折り曲げ状態を示す概略平面図である。
【図18】平角線の折り曲げ手順を示す図である。
【図19】前記平角線折り曲げ装置による折り曲げの変形形態を示す平面図である。
【図20】前記平角線折り曲げ装置による折り曲げの他の変形形態を示す平面図である。
【図21】従来の平角線折り曲げ装置を示す縦断面図である。
【図22】一般的な平角線折り曲げ装置の巻治具の異形フランジと成形コイルとの関係を示す側面図である。
【図23】図22から平角線の折り曲げが進んだときの状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0079】
1…平角線折り曲げ機
5…平角線ガイドユニットを構成する線材ガイド部材
5A…突出部
5C…傾斜ガイド面
10…平角線折り曲げ装置
11…巻治具
12…巻芯
13…異形フランジ
13A…平角線押圧部
13B…成形コイル支持部
20…成形治具
30…回転部材
40…巻治具開閉シリンダ
【技術分野】
【0001】
本発明は、平角線折り曲げ装置に係り、より詳しくは、断面矩形形状の平角線を、その幅方向一方側端面を内側とするとともに幅方向他方側端面を外側として所定角度折り曲げる平角線折り曲げ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トランスやモータ等用として、断面矩形形の平角線を順次折り曲げて形成された角形コイルが用いられている。この角形コイルは、断面円形状の導線である丸線のソレノイドコイルと比較して、空間の利用効率がよいうえに、大電流を流すことができ、又熱損失も少ないものであることから多用されている。
一般に、平角線をその厚み方向に折り曲げることは容易であるが、幅方向に折り曲げることは困難である。平角線を曲げ困難な幅方向に折り曲げる装置として、線材をコイリングするコイル成形装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に開示されたコイル成形装置110は、図21に示すように、治具111とローラ113とを備えて構成されている。そして、治具111の軸部112周りをローラ113が回動することにより線材W100が曲げ加工され、この曲げ加工を繰り返すことによりコイリングするようになっている。軸部112には軸114が設けられ、この軸114の上端には線材W100を押える円板状のフランジ115が設けられている。
【0004】
一方、平角線を折り曲げる折り曲げ装置において、図22に示すような巻治具構造も知られている。すなわち、線材(平角線)を、治具(巻芯)を中心にして折り曲げるとき、平角線Wを巻芯72に接触させて所定角度で折り曲げた後、一辺に相当する長さの線材を送り出す。次に二度目の折り曲げを行い、その後、もう一辺に相当する長さの線材を送り出す。更に、三度目の折り曲げ…、の一連の動作を繰返すことにより、L1およびL2の長さの長辺および短辺をもつ矩形の成形コイルWCが、巻芯72のフランジ73上面に形成されていく。ここで、フランジ73は巻芯72より大きな直径の円板状に形成されている。
以上のような成形コイルWCの成形に際しては、折り曲げ動作の後に平角線Wが所定長さL1又はL2分だけ前方に送り出されるとき、それに連れて、巻き上がった成形コイルWCも前方に押し出される。
【0005】
【特許文献1】特開2003−181579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記図22に示す巻治具構造では、巻芯72のフランジ73は、巻芯72より大きな外形寸法の円板状となっているが、矩形の成形コイルWCの外形はフランジ73よりはるかに大きい。そのため、矩形の成形コイルWCは、その一部しか巻芯72のフランジ73上面で支えられておらず、折り曲げ/線材送り出しの動作が繰返されて巻き上がった成形コイルの高さが高くなり、図23に示すように、成形コイルWCの重量が増すほどに成形コイルWCの送り方向先端の垂れ下がりが顕著になってくる。
その結果、巻芯72とベース75間の隙間に導入される平角線Wの姿勢が一定せず、従って、折り曲げ後の成形コイルWCの寸法にばらつきが生じる、という問題が生じている。
【0007】
本発明の目的は、送り出し作業と折り曲げ作業とを繰り返すことにより形成される平角線の成形コイル全体を有効に支持すると共に、成形コイルの自重による垂れ下がりを防止し、これによって、成形後のコイルの寸法のばらつきを少なくすることができる平角線折り曲げ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の平角線折り曲げ装置は、断面矩形形状の平角線をその幅方向一方側端面を内側とするとともに他方側端面を外側として所定角度折り曲げる平角線折り曲げ装置であって、前記平角線の幅方向一方側端面と当接しかつ折り曲げのガイドとなる巻治具と、この巻治具と対向配置されるとともに前記平角線の他方側端面を前記巻治具側に押圧して前記巻治具とで挟持し、かつ前記平角線を折り曲げ成形する成形治具と、この成形治具を支持するとともに前記平角線を前記巻治具と前記成形治具とで挟持した状態で前記巻治具の周囲を回動する回動手段と、を備えて構成し、前記巻治具を、前記平角線の幅方向一方側端部が当接する巻芯と、この巻芯の同軸上上端に設けた異形フランジと、を含み構成し、この異形フランジを、前記平角線の幅方向一方側における幅の略半分弱を押えると共に、前記平角線を折り曲げるときその平角線が略水平となるように押圧する平角線押圧部と、この平角線押圧部の上面に当該平角線押圧部と一体成形されると共に、前記平角線を順次送り出しと折り曲げとの繰り返し作業により形成した矩形形状の成形コイルの略全面を支持する成形コイル支持部と、で構成したものである(請求項1)。
【0009】
この発明によれば、平角線を、順次送り出しと折り曲げとを繰り返すことにより矩形形状の成形コイルが形成されるが、この成形コイルは、異形フランジの成形コイル支持部によって支持される。成形コイル支持部は、矩形形状の成形コイルの略全面を支持するようになっているので、形成される平角線の成形コイルを容易に支持することができ、これにより、成形コイルの自重による垂れ下がりを防止することができる。そのため、完成した成形コイルの寸法のばらつきを防止することができ、精度の高い製品を得ることができる。
【0010】
ここで、前記異形フランジの前記平角線押圧部を円板状に形成すると共に前記成形コイル支持部を平面矩形形状に形成し、この矩形形状を、当該矩形形状の前記平角線の送出方向と直交する一端部を前記平角線押圧部の外周一部に略揃えると共に他端部を上記一端部から前記送出方向先端側に所定寸法延出させ、前記矩形形状の前記平角線の送出方向に沿った一端部を前記平角線押圧部の外周一部に略揃えると共に他端部を上記一端部から前記送出方向と直交する方向に延出させて形成し、かつ前記矩形形状の成形コイルの略全面を支持する構成としてもよい(請求項2)。
【0011】
このようにすれば、異形フランジの成形コイル支持部を平面矩形形状に形成し、平角線で形成される矩形形状の成形コイルに対応できる形状となっているので、成形コイルをバランスよく支持することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、平角線により形成される矩形形状の成形コイルを、異形フランジの成形コイル支持部によって支持することができる。成形コイル支持部は、矩形形状の成形コイルの略全面を支持するようになっているので、形成される平角線の成形コイルを容易に支持することができ、これにより、成形コイルの自重による垂れ下がりを防止することができる。その結果、完成した成形コイルの寸法のばらつきを防止することができ、精度の高い製品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る平角線折り曲げ装置10(以下、単に曲げ装置という)の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、図2には、上記曲げ装置10を備えた平角線折曲げ機1が示されている。図1は、平角線折曲げ機1の正面を示し、図2は、平角線折曲げ機1の平面を示す。
【0014】
まず、図1,2に基づいて平角線折曲げ機1の説明をする。
ここで、図1,2における左方を平角線Wの送出方向上流とし、右方を送出方向下流とする。
平角線折曲げ機1は、図1,2の左方に配置されたボビン装置(図示せず)から連続的に繰り出され、かつ矢印K方向に送出される平角線Wを平角線折曲げ機1にガイドする導導入口ガイドユニットAと、この導入口ガイドユニットAの平角線Wの送出方向下流位置に配置され、送出される平角線Wの幅方向の癖(凹凸)を取る幅方向癖取りユニットBと、幅方向癖取りユニットBの下流位置に配置され、平角線Wの厚み方向の癖(凹凸)を取る厚み方向癖取りユニットCと、厚み方向癖取りユニットCの下流位置に配置され、幅および厚み方向の癖が取られ平滑化された平角線Wを所定の速度に制御して送出する平角線送りユニットDと、平角線送りユニットDから送出された平角線Wをガイドする平角線ガイドユニットEと、この平角線ガイドユニットEを経由して送出された平角線Wを所定の角度に折り曲げる平角線曲げユニットF、すなわち前記曲げ装置10とを備えて構成されている。
そして、前記各ユニットA〜Fは、ベース2を介して架台3に取り付けられている。
【0015】
導入口ガイドユニットAは、ボビン装置から連続的に繰り出されかつ送り込まれる平角線Wを挟み込んでガイドする一対のガイドローラA1を備えて構成されている。
このガイドローラA1は、回転軸を介して支持部材A2に回転自在に支持されており、支持部材A2はベース2に固着されている。
【0016】
幅方向癖取りユニットBは、水平面内において平角線Wの幅方向両端面と当接する複数個(本実施形態では5個)の幅方向癖取りローラB1を備えて構成されている。この幅方向癖取りローラB1は、図2に示すように、平角線Wの幅方向一方側に3個、他方側に2個が交互に配置されている。
【0017】
交互に配置された前記各幅方向癖取りローラB1のうち、2個の幅方向癖取りローラB1は、図2に矢印Hで示すように、平角線Wの幅方向に移動できるように構成され、平角線Wに対して位置調整可能となっている。そのため、平角線Wの幅方向端部との接触隙間を調整できるようになっている。
そして、これらの幅方向癖取りローラB1は、ローラ支持台C2を介してベース2に取り付けられている。
【0018】
厚み方向癖取りユニットCは、垂直面内において平角線Wの厚み方向両面(表裏面)と当接する複数個(本実施形態では5個)の厚み方向癖取りローラC1を備えて構成されている。厚み方向癖取りローラC1は、図1に示すように、平角線Wの厚み方向裏面側に3個、表面側に2個が交互に配置されている。そして、これらの厚み方向癖取りローラC1は、ローラ支持台C2を介してベース2に取り付けられている。
【0019】
交互に配置された前記各厚み方向癖取りローラC1のうち、2個の厚み方向癖取りローラC1は、図1に矢印Jで示すように、平角線Wの厚み方向下方側に移動できるように構成され、平角線Wに対して位置調整可能となっている。そのため、平角線Wの厚み方向上方側との接触隙間を調整できるようになっている。
【0020】
平角線送りユニットDは、平角線Wを送り出す一対の送りローラD1を備えている。このローラD1は、平角線Wを所定圧で挟み込んで保持し、あるいは保持を開放して平角線Wを移動フリーとすることができる。
そして、送りローラD1は、垂直面内で回転可能となっており、それぞれが互いに反対方向に回転し、平角線Wを送り出せるようになっている。又、送りローラD1は、ローラ支持台D2に支持されるとともに、カップリングD3等を介して駆動源D4に連結されている。又、送りローラD1は、前記ベース2に固着されている。
【0021】
平角線ガイドユニットEは、平角線送りユニットDから送り出される平角線Wを曲げ装置10にガイドする線材ガイド5を備えて構成されている。この線材ガイド5は、図2に示すように、平面略矩形形状に形成され、取り付けボルト6によってベース2に固定されている。
【0022】
図2,3に示すように、線材ガイド5は、曲げ装置10側先端部が突出部5Aとなっており、この突出部5Aは、上記曲げ装置10の巻治具11の小径軸部12Aを越えた位置まで延びている。
突出部5Aには挿通孔5Bがあけられ、この挿通孔5Bには、上記巻治具11の巻芯12がスライド可能に挿通されている。言い換えれば、線材ガイド5の突出部5Aが巻芯12の補強部材を兼用しており、平角線Wを折り曲げる際にかかる曲げ圧力により巻芯12が水平面内で変位する、つまり倒れるのを防止している。
【0023】
図3〜7に示すように、線材ガイド5の一方の側面側には、線材送出方向と直交するもう一つの傾斜ガイド面9Aが形成されている。この傾斜ガイド面9Aの上面は、線材ガイド5の上面とほぼ同一高さとなっている。
送出方向から略直交する方向に所定角度に折り曲げられた平角線Wは、順次折り曲げが繰返されるとともに、傾斜ガイド面9Aを滑って最終ガイド部材7の上面にガイドされ、装置上流側から送り出される平角線Wの上方に積層し、矩形形状の成形コイルを形成する。
又、傾斜ガイド面9Aの上端には、平角線Wの送出方向に沿った横溝9B(図7参照)が形成され、最終ガイド部材7の先端部7Cを受ける構造になっている。
【0024】
線材ガイド5において、前記曲げ装置10の巻治具11および成形治具20側端部には、最終ガイド部材7が取り付けられている。この最終ガイド部材7は、傾斜ガイド面5Cに沿って送られた平角線Wを覆い、かつ平角線Wを折り曲げ装置10の巻治具11と成形治具20とにガイドする構造となっている。
すなわち、図7に詳細を示すように、最終ガイド部材7は、平角線Wを覆うカバー状に形成され、内面に平角線Wをガイドするガイド溝7Aが形成されている。又、最終ガイド部材7の上面の一部には、傾斜面7Bが形成されている。傾斜面7Bは、最終ガイド部材7において前記傾斜ガイド面9Aの先端部7Cから平角線W側に向かって高くなる傾斜となっている。この傾斜面7Bは、傾斜ガイド面9Aとほぼ同じ傾斜に形成され、かつ傾斜ガイド面9Aとほぼ連続している。
【0025】
以上のような傾斜面7Bには、水平状態で順次折り曲げられた平角線Wを積層して矩形形状の成形コイルにする際に、平角線Wの最終ガイド部材7にさしかかった部位が乗り上げ、この動作を繰返すことにより、平角線Wが矩形形状に積層される。
ここで、折り曲げられた平角線Wは、線材ガイド5の上面と、最終ガイド部材7における傾斜面7Bと水平面との交点とで支持されている。つまり、わずかに傾いた状態で積層されていくようになっている。
さらに、最終ガイド部材7の先端部7Cは、前記傾斜ガイド面9Aの横溝9B内に係合するようになっている。
このような最終ガイド部材7は、上面からねじ込まれた小ねじ19により、線材ガイド5に固着されている。
【0026】
前記曲げ装置10は、図8,9に詳細を示すように、平角線Wを折り曲げる際の折り曲げのガイドとなる前記巻治具11と、この巻治具11との間で平角線Wを折り曲げ成形する成形治具20と、平角線Wを巻治具11と成形治具20とで挟み込んだ状態で当該成形治具20を所定角度回動させる回動手段30とを備えて構成されている。
【0027】
巻治具11は、略垂直に立設された巻芯12と、この巻芯12の上端部に設けられ平角線Wの幅半分弱を押圧し、かつガイドする異形フランジ13とで形成され、巻芯12の下端は、巻芯移動手段である巻治具開閉シリンダ40と連結されている。
【0028】
巻芯12は上部の小径軸部12Aと下部の大径軸部12Bとで構成され、線材ガイド部材5の下面に近い位置まで大径軸部12Bが延びて形成されている。
【0029】
異形フランジ13は、図10にも示すように、巻芯12の上端に設けられた平角線押圧部13Aと、この平角線押圧部13Aの上面に、当該平角線押圧部13Aと一体に形成された成形コイル支持部13Bとで構成されている。
【0030】
平角線押圧部13Aは、前記小径軸部12Aの直径より大きな直径の円板状に形成され、平角線Wを折り曲げるとき、図4に示すように、矢印M方向に下降し、平角線Wを押圧して、当該平角線Wを略水平状態、すなわち線材ガイド5の上面と平行となるようにし、かつ折り曲げるときガイドする機能を有している。
又、平角線押圧部13Aは、平角線Wを押し当てるとき、平角線Wの幅方向一方側における幅の略半分弱を押えるように外形寸法が設定されている。
【0031】
前記成形コイル支持部13Bは、平角線押圧部13Aと略同一厚さの板状部材となっており、図10に示すように、平面矩形形状に形成されている。
すなわち、成形コイル支持部13Bの矩形形状は、その長辺が、平角線Wの送出方向と直交する一端部M1を平角線押圧部13Aの外周から外側(図10中、左側)に所定寸法延出すると共に、他端部M2を上記一端部M1から送出方向先端側に所定寸法延出して形成されている。
又、矩形形状の短辺が、平角線Wの送出方向に沿った一端部N1を平角線押圧部13Aの外周一部に略揃えると共に、他端部N2を上記一端部N1から送出方向と直交する方向に所定寸法延出させて形成されている。
その結果、以上のような矩形形状の成形コイル支持部13Bは、図11に示すように、前記矩形形状の成形コイルWCの略全面を支持することができる平面部を有している。
【0032】
従って、平角線Wを送り出し作業と折り曲げ作業とを繰り返すことで形成される矩形形状の成形コイルWCを、図12に示すように、成形コイルWCが自重で垂れ下がることなく支持することができる。
【0033】
なお、一端部M1、N1を平角線押圧部13Aの外周一部に略揃えるとは、図10に示すように、一端部N1の端面が、平角線押圧部13Aの外周一部に揃えられている場合と、一端部M1の端面が平角線押圧部13Aの外周一部から外側にわずかに突出している場合とを含む概念である。
又、図10は、平角線Wと成形治具20と巻治具11の特に異形フランジ13との相互関係を示しており、線材ガイド5等は省略してある。
【0034】
巻芯12の大径軸部12Bは、図8,9に示すように、その一部が巻芯ガイド部材14に挿入されている。巻芯ガイド部材14の上部にはフランジ14Aが形成され、このフランジ14Aは、取り付けボルト18によって線材ガイド5に取り付けられている。
又、巻芯ガイド部材14の下部において外周には雄ねじ14Bが切られ、この雄ねじ14Bは、次に述べる支持部材15の内径に切られた雌ねじ15Bに螺合され、これにより、巻芯ガイド部材14は支持部材15に支持されている。
【0035】
支持部材15は、略丸パイプ状に形成されるとともに下部にフランジ15Aを有しており、このフランジ15Aを介して支持部材15が前記巻治具開閉シリンダ40と接続されている。
【0036】
支持部材15の内径空間部にはカップリング16が収容されており、このカップリング16の上部に巻芯12の前記大径軸部12Bが連結されている。又、カップリング16の下部に前記巻治具開閉シリンダ40のロッド40Aが連結されている。
【0037】
従って、巻治具開閉シリンダ40を駆動させ、ロッド40Aを上下動させることにより、巻芯12および異形フランジ13が上下移動する。そして、図4〜6に詳細を示すように、異形フランジ13は、巻治具11と成形治具20とで平角線Wを折り曲げるとき下降して、異形フランジ13の平角線押圧部13Aによって平角線Wが略水平となるように押し当てると共に、折り曲げるときガイドする機能を有している。
又、平角線Wの移動時、つまり送出時には、平角線Wが傷つかないように異形フランジ13が上昇するようになっている。
【0038】
前記巻芯ガイド部材14の外周、かつ雄ねじ14Bの上方には、上下に間隔をあけて2個の軸受31,31が装着されている。これらの軸受31,31は、軸受箱であるハウジング32に内嵌されるとともに、巻芯ガイド部材14の異形フランジ14Aの下面段付き部と、支持部材15の上端面と、各軸受31,31の間に介在されるスペーサー33とによって位置決めされている。
【0039】
ハウジング32の外周にはブラケット34が嵌め込まれている。ブラケット34は、図2に平面形状を示すように、長さ方向一方側端部が半円形状の外形に形成されている。そして、半円形部に丸穴があけられ、この丸穴に前記ハウジング32が嵌着されている。
【0040】
ブラケット34の上面には、本体部35を介して前記成形治具20を保持する成形治具ホルダ(以下、単にホルダという)36が取り付けられている。ホルダ36は、角板状部材で形成されており、本体部35に形成された溝に嵌合取付けされ、図8には示されていないシリンダによって、平角線Wに対して、その送出方向と直角方向に摺動可能な構造となっている。
そして、ここにおいて、前記軸受31,31、ハウジング32、スペーサー33、ブラケット34およびホルダ36を含み前記回動手段30が構成されている。
【0041】
前記ハウジング32のフランジ32Aの下面には、前記回動手段30を所定角度回動させる駆動手段である駆動プーリ38が、取り付けボルト39によって取り付けられている。駆動プーリ38は、図示しない駆動源であるモータ等にベルトで連結されており、モータ等の駆動により回動させることができるようになっている。
【0042】
従って、駆動プーリ38を回動させることにより、回動手段30および成形治具20が巻治具11をガイドとして回動することになる。その結果、巻治具11と成形治具20とで平角線Wを挾持した状態で成形治具20が巻治具11を中心に回動するので、平角線Wを折り曲げることができる。
そして、図2に実線で示すように、巻治具11に対して、成形治具20が、平角線Wの送出方向と直交する方向に位置しているとき、この位置が、成形治具20による折り曲げ開始の初期位置Sとなっている。
【0043】
前記成形治具20は、図4に詳細を示すように、前記ホルダ36の巻治具11側先端部に装着されている。
成形治具20は、ホルダ36に挿入される軸部21Aを有する成形本体部21と、軸部21Aを含む成形本体部21をホルダ36に固定するナット22とを含み構成されている。成形本体部21の上部には、間隔をあけて2枚のフランジ21B,21Cが設けられ、これらのフランジ21B,21Cと成形本体部21の外径との間は、それらで形成される凹溝21Dとなっている。
【0044】
凹溝21Dの幅寸法(フランジ21B,21C間の寸法)は、送られてくる前記平角線Wが余裕をもって挿通できる大きさに形成されている。又、凹溝21Dの深さ寸法は、平角線Wの幅方向の例えば半分程度を挿通させ、かつガイドできる大きさに形成されている。
【0045】
ここで、図4〜6に基づいて、巻治具11の異形フランジ13と、成形治具20のフランジ21B,21Cおよび凹溝21Dとの、上下方向の位置関係を説明する。
ホルダ36に固定された成形本体部21の上部のフランジ21B,21Cに対して、巻治具11の異形フランジ13は、前述のように上下方向に移動可能である。この異形フランジ13が、図4,5に示すように、最大限上方に位置するとき、異形フランジ13における平角線押圧部13Aの下面は上記フランジ21Bの下面より所定寸法高い位置にあるように設定されている。
すなわち、平角線Wの上面と異形フランジ13の平角線押圧部13Aの下面との間には、線送り、つまり平角線Wを容易に送り出すために最大限の隙間S1が形成されている。
そして、平角線Wを送り出すとき、成形治具20は、図5に矢印N1で示すように巻治具11の異形フランジ13から後退している。
【0046】
又、図6に示すように、平角線Wを折り曲げるに際して、送出方向に沿って(図6で紙面直交方向)送られてくる平角線Wを異形フランジ13により略水平に押し下げたとき、異形フランジ13の平角線押圧部13Aが最大限下方の位置にあり、このとき、前記フランジ21Bの下面と平角線Wの上面とが当接し合っている。又、フランジ21B,21C間の凹溝21Dの幅寸法は、前述のように、平角線Wの厚み寸法よりも所定寸法大きな寸法に形成されている。
【0047】
これに対して、異形フランジ13における平角線押圧部13Aの下面と平角線Wの上面との間は、巻芯側の折り曲げ部Rの線材膨らみによる皮膜剥離を防止するため、前記隙間S1より小さな隙間S2となっている。
そして、平角線Wを折り曲げるときの状態は、図6に矢印N2で示すように、成形治具20が巻治具11の異形フランジ13側に前進している。
【0048】
送出方向に送られてくる平角線Wに対して、異形フランジ13を押し下げて異形フランジ13の平角線押圧部13Aにより平角線Wを略水平にし、成形治具20により平角線Wを所定角度折り曲げた後に、異形フランジ13は上昇する。この異形フランジ13の下面は、前述のように、上方位置にあるときも、下方位置にあるときも、平角線Wの上面との間で隙間を形成するようになっており、上方位置にあるとき隙間S1、下方位置にあるとき隙間S2が形成されている。
【0049】
又、曲げ装置10の前記巻治具11の近傍位置には、平角線Wを折り曲げ、スプリングバック後の位置を測定する変位測定器(図略)が配置されている。
【0050】
この変位測定器によるスプリングバック量の測定は次のように行われる。
すなわち、所定位置まで送られてきた平角線Wを、巻芯12を折り曲げの中心として、回動手段30の回動に連れて回動する成形治具20により、最初の折り曲げとして、所定角度、例えば90度に折り曲げる。
【0051】
次いで、変位測定器により、最初の折り曲げ位置からスプリングバックにより戻った位置の測定部位までの距離を測定する。
【0052】
変位測定器により得られたスプリングバック位置の距離情報は、図示しない制御装置により、予め測定しておいた適正な線材位置との間で変位差が演算され、さらに変位差が角度に換算される。そして、この変位差の角度を設定折り曲げ角度に加算して折り曲げ補正角度が決定される。
【0053】
平角線Wを折り曲げ、順次積層する工程にあっては、最初の折り曲げでの変位差を測定し、その変位差を基に上述のように折り曲げ補正角度を決定した後、次回以降は折り曲げ補正角度で折り曲げることで、折り曲げ角度が一定した成形コイルとすることができる。
【0054】
次に、平角線折り曲げ機1による平角線Wの折り曲げ手順を、図13〜17を参照しながら、図18のフローチャートに基づいて説明する。
【0055】
平角線Wの折り曲げの開始に際して、まず、ステップ(ST)1で、線材送りユニットDから、平角線Wの送出方向と直交する位置に配列された巻治具11と成形治具20とを結ぶ線を所定距離越える位置まで平角線Wを送り込む。
【0056】
ステップ2で、図13に示すように、巻治具11を平角線W側に下降させ平角線Wを押圧して略水平の状態とし、かつ巻治具11と成形治具20とで平角線Wを挟持した状態で、巻治具11を中心として、回動手段30および成形治具20を回動させて、所定の角度、例えば90度回動させ、1回目の折り曲げ加工として、平角線Wを90度に折り曲げる。このときの折り曲げは、スプリングバック量を測定、検出するためのものである。
【0057】
ステップ3で、図13に示すように、変位測定器により、折り曲げた平角線Wのスプリングバック位置までの距離を測定する。
このとき、回動手段30は逆方向に回動されて成形治具20が初期位置Sまで戻され、かつ、平角線Wから離れている。
【0058】
ステップ4で、図示しない制御装置により、変位測定器からの距離情報と、予め測定した線材の適正位置との変位差に基づいて、折り曲げ補正角度を演算する。
【0059】
ステップ5で、図14に示すように、平角線Wを矢印K方向に所定寸法送り出す。
【0060】
ステップ6で、図15に示すように、ステップ2と同様の動作により、成形治具20を今度は折り曲げ補正角度で回動させて平角線Wの2回目の折り曲げを行う。
【0061】
ステップ7で、図15に示すように、平角線Wが折り曲げ補正角度の許容範囲内で折り曲げられているか否かを判定する。
この判定は、変位測定器(図略)を使用して行う。すなわち、平角線Wの適性スプリングバック位置までの距離の測定値が、予め定数として制御装置に入力されており、折り曲げ補正角度で折り曲げた後、スプリングバック後に距離を測定し、その距離と記憶されている距離とが一致しているとき、折り曲げ補正角度が正確であると判定される。
なお、ステップ7で、折り曲げ補正角度の許容範囲内で折り曲げられていないと判定された場合(NO)、折り曲げは終了する。
【0062】
ステップ8で、ステップ7において平角線Wが折り曲げ補正角度の許容範囲内で折り曲げられていると判定された場合(YES)、線材送りユニットDから、図16に示すように、平角線Wを矢印K方向に所定寸法送り出す。
【0063】
ステップ9で、図17に示すように、所定寸法送り出された平角線Wを、成形治具20を折り曲げ補正角度で回動させて3回目の折り曲げを行う。
このとき、平角線Wの折り曲げ先端が最終ガイド部材7の傾斜上面7Bにガイドされて乗り上げる。
【0064】
ステップ10で、ステップ1、ステップ8と同様の動作により平角線Wを矢印K方向に所定寸法送り出す。
このとき、成形治具20は平角線Wから離れている。
【0065】
ステップ11で、ステップ10において所定寸法送り出された平角線Wを、ステップ2、ステップ9と同様の動作により、成形治具20を折り曲げ補正角度で回動させて4回目の折り曲げを行う。
【0066】
ステップ12で、以上の1回目から4回目までの折り曲げを所定回数繰り返す。
【0067】
ステップ13で、折り曲げを所定回数繰り返した後で、予め決められた所定の巻き数に達したか否か、つまり所定の積層となっているか否かを判定する。
所定の巻き数に達している(YES)と判定されたら(例えば図12の状態)、折り曲げ工程が終了する。
この場合、平角線Wを所定の部位、例えば巻治具11と初期位置の成形治具20とを結ぶ線の手前で切断し、矩形形状に形成された成形コイルWCを、折り曲げ装置10から取り出す。
所定の巻き数に達していない(NO)と判定されたら、ステップ11に戻り、所定の巻き数に達するまで折り曲げ加工を繰返す。
【0068】
前述のステップ1乃至ステップ13のいずれにおいても、平角線Wを順次折り曲げて形成された成形コイルWCの略全面が、成形コイル支持部13Bの上面に載せられ、かつ支持される。
【0069】
以上のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)平角線Wを、順次送り出しと折り曲げとを繰り返すことにより矩形形状の成形コイルWCが形成されるが、この成形コイルWCは、異形フランジ13の成形コイル支持部13Bによって支持される。成形コイル支持部13Bは、矩形形状の成形コイルWCの略全面を支持するようになっているので、形成される平角線の成形コイルWCを容易に支持することができ、これにより、成形コイルWCの自重による垂れ下がりを防止することができる。そのため、完成した成形コイルWCの寸法のばらつきを防止することができ、精度の高い製品を得ることができる。
【0070】
(2)異形フランジ13の成形コイル支持部13Bが平面矩形形状に形成されており、平角線Wで形成される矩形形状の成形コイルWCに対応できる形状となっているので、成形コイルWCをバランスよく支持することができる。
【0071】
(3)異形フランジ13が、円板状の平角線押圧部13Aと、平面矩形形状の成形コイル支持部13Bとから成り、両者13A、13Bが同一部材で一体加工されているので、製作が容易である。
【0072】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0073】
例えば、前記実施形態では、平角線Wの折り曲げを、平角線Wの送出方向の手前側(図2において下方側)に折り曲げるものとしたが、これに限らない。図19に示すように、本実施形態と反対側に折り曲げるような機械の構成としてもよい。
この図19においては、折り曲げる方向が前記実施形態と異なるだけであり、使用部材は同一なので、同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0074】
又、前記実施形態では、平角線Wの折り曲げを、平角線Wの送出方向の手前側(図2において下方側)に折り曲げると共に、その平角線Wを支持できる大きさの異形フランジ13の成形コイル支持部13Bとしたが、これに限らない。例えば、図20に示すように、成形治具20側に張り出し部を有する大きな面積を有する成形コイル支持部13Cとしてもよい。
この成形コイル支持部13Cは、平角線Wを前記変形形態と同じように、本実施形態と反対側に折り曲げ成形する場合に、予め、反対側に積層される成形コイルWCを支持することができる面積に形成されているものである。このため、折り曲げ方向が手前側、向こう側のどちらであっても、1つの成形コイル支持部13Cで対応することができる。
【0075】
更に、前記実施形態では、平角線Wが常温の雰囲気下で線材ガイド5を経由して折り曲げ装置10に送られているが、平角線Wを予熱した状態で送るようにしてもよい。
すなわち、線材ガイド5の特に上面を、図略の加熱手段により所定温度に加熱しておくことで、平角線Wが折り曲げ装置10に順次送出される間、予熱されることになる。その結果、巻治具11と成形治具20とで平角線Wを折り曲げるとき、折り曲げ加工が容易となる。
【0076】
又、前記実施形態では、異形フランジ13を、平角線押圧部13Aと成形コイル支持部13Bとを同一部材で一体に形成してあるが、これに限らない。
平角線押圧部13Aと成形コイル支持部13Bとを別部材で形成すると共に、両者13A、13Bを点溶接等で一体的にしてもよい。このようにすれば、特に、両者13A、13Bの形状差が大きいとき、別加工後に一体化した方が製作が容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、断面矩形形状の平角線を、その幅方向一方側端面を内側とするとともに、他方側端面を外側として順次折り曲げて積層し、例えば矩形形状の成形コイルを形成する際に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の平角線折り曲げ装置を備えた平角線折り曲げ機を示す正面図である。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】線材ガイドの上面部の側面拡大図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面拡大図である。
【図5】前記平角線折り曲げ機を構成する平角線折り曲げ装置の平角線を折り曲げる前の巻芯の異形フランジと成形治具と平角線相互の位置関係を示す断面拡大図である。
【図6】前記平角線折り曲げ装置により平角線を折り曲げる際に成形治具が回動した位置にある状態を示す縦断面図である。
【図7】図3のVII−VII線に沿った部分の断面拡大図である。
【図8】前記平角線折り曲げ装置の成形治具が回動した位置にある状態を示す縦断面図である。
【図9】前記平角線折り曲げ装置の成形治具が初期位置にある状態を示す縦断面図である。
【図10】前記平角線折り曲げ装置の異形フランジと成形治具と巻治具との相互関係を示す平面図である。
【図11】前記平角線折り曲げ装置の異形フランジと成形コイルとの相互関係を示す平面図である。
【図12】図11におけるXII矢視図である。
【図13】前記平角線折り曲げ装置による平角線の1回目の折り曲げ状態を示す概略平面図である。
【図14】平角線の次の折り曲げに向けて送り出す状態を示す概略平面図である。
【図15】平角線の2回目の折り曲げ状態を示す概略平面図である。
【図16】平角線の次の折り曲げに向けて送り出す状態を示す概略平面図である。
【図17】平角線の3回目の折り曲げ状態を示す概略平面図である。
【図18】平角線の折り曲げ手順を示す図である。
【図19】前記平角線折り曲げ装置による折り曲げの変形形態を示す平面図である。
【図20】前記平角線折り曲げ装置による折り曲げの他の変形形態を示す平面図である。
【図21】従来の平角線折り曲げ装置を示す縦断面図である。
【図22】一般的な平角線折り曲げ装置の巻治具の異形フランジと成形コイルとの関係を示す側面図である。
【図23】図22から平角線の折り曲げが進んだときの状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0079】
1…平角線折り曲げ機
5…平角線ガイドユニットを構成する線材ガイド部材
5A…突出部
5C…傾斜ガイド面
10…平角線折り曲げ装置
11…巻治具
12…巻芯
13…異形フランジ
13A…平角線押圧部
13B…成形コイル支持部
20…成形治具
30…回転部材
40…巻治具開閉シリンダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面矩形形状の平角線をその幅方向一方側端面を内側とすると共に他方側端面を外側として所定角度折り曲げる平角線折り曲げ装置であって、
前記平角線の幅方向一方側端面と当接しかつ折り曲げのガイドとなる巻治具と、
この巻治具と対向配置されるとともに前記平角線の他方側端面を前記巻治具側に押圧して前記巻治具とで挟持しかつ前記平角線を折り曲げ成形する成形治具と、
この成形治具を支持するとともに前記平角線を前記巻治具と前記成形治具とで挟持した状態で前記巻治具の周囲を回動する成形治具用回動手段と、を備えて構成し、
前記巻治具を、前記平角線の幅方向一方側端部が当接する巻芯と、この巻芯の上端に設けた異形フランジとを含む構成とし、
この異形フランジを、前記平角線の幅方向一方側における幅の略半分弱を押えると共に、前記平角線を折り曲げるときその平角線が略水平となるように押圧する平角線押圧部と、この平角線押圧部の上面に当該平角線押圧部と一体に形成されると共に、前記平角線を順次折り曲げて成形した矩形形状の成形コイルの略全面を支持する成形コイル支持部と、で構成したことを特徴とする平角線折り曲げ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の平角線折り曲げ装置において、
前記異形フランジの前記平角線押圧部を円板状に形成すると共に前記成形コイル支持部を平面矩形形状に形成し、
この矩形形状を、当該矩形形状の前記平角線の送出方向と直交する一端部を前記平角線押圧部の外周一部に略揃えると共に他端部を上記一端部から前記送出方向先端側に向けて延設し、
前記矩形形状の前記平角線の送出方向に沿った一端部を前記平角線押圧部の外周一部に略揃えると共に他端部を上記一端部から前記送出方向と直交する方向に延出させて形成し、かつ前記矩形形状の成形コイルの略全面を支持することを特徴とする平角線折り曲げ装置。
【請求項1】
断面矩形形状の平角線をその幅方向一方側端面を内側とすると共に他方側端面を外側として所定角度折り曲げる平角線折り曲げ装置であって、
前記平角線の幅方向一方側端面と当接しかつ折り曲げのガイドとなる巻治具と、
この巻治具と対向配置されるとともに前記平角線の他方側端面を前記巻治具側に押圧して前記巻治具とで挟持しかつ前記平角線を折り曲げ成形する成形治具と、
この成形治具を支持するとともに前記平角線を前記巻治具と前記成形治具とで挟持した状態で前記巻治具の周囲を回動する成形治具用回動手段と、を備えて構成し、
前記巻治具を、前記平角線の幅方向一方側端部が当接する巻芯と、この巻芯の上端に設けた異形フランジとを含む構成とし、
この異形フランジを、前記平角線の幅方向一方側における幅の略半分弱を押えると共に、前記平角線を折り曲げるときその平角線が略水平となるように押圧する平角線押圧部と、この平角線押圧部の上面に当該平角線押圧部と一体に形成されると共に、前記平角線を順次折り曲げて成形した矩形形状の成形コイルの略全面を支持する成形コイル支持部と、で構成したことを特徴とする平角線折り曲げ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の平角線折り曲げ装置において、
前記異形フランジの前記平角線押圧部を円板状に形成すると共に前記成形コイル支持部を平面矩形形状に形成し、
この矩形形状を、当該矩形形状の前記平角線の送出方向と直交する一端部を前記平角線押圧部の外周一部に略揃えると共に他端部を上記一端部から前記送出方向先端側に向けて延設し、
前記矩形形状の前記平角線の送出方向に沿った一端部を前記平角線押圧部の外周一部に略揃えると共に他端部を上記一端部から前記送出方向と直交する方向に延出させて形成し、かつ前記矩形形状の成形コイルの略全面を支持することを特徴とする平角線折り曲げ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2008−126261(P2008−126261A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−313622(P2006−313622)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(390005223)株式会社タムラ製作所 (526)
【出願人】(596126867)株式会社タムラエフエーシステム (46)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(390005223)株式会社タムラ製作所 (526)
【出願人】(596126867)株式会社タムラエフエーシステム (46)
【Fターム(参考)】
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