説明

幹細胞分化の誘導または抑制のための組成物

本発明は幹細胞の分化を誘導または抑制するための組成物および方法に関する。また、本発明は、医療症状、例えば、骨粗しょう症、骨折、骨損傷、心筋梗塞症、心筋ミオパチー、退行性筋肉病、ミオパチー、および尿失禁の治療への応用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は幹細胞分化の誘導または抑制のための組成物および方法に関する。また、本発明は、医療病態(condition)、例えば、骨粗しょう症、骨折(bone fracture)、骨損傷(bone injuries)、心筋梗塞症(myocardial infarction)、心筋ミオパチー(cardiomyopathy)、退行性筋肉病、ミオパチー(myopathy)、および尿失禁の治療への応用に関する。
【背景技術】
【0002】
幹細胞は期間制限無しで自身を複製できる能力を有しており、心臓細胞、神経細胞、骨細胞、筋細胞、血液細胞、および膵β細胞などのように特化した機能を有する成熟した細胞に発達できる潜在力のある細胞である。幹細胞には色々なタイプまたはソース(source)がある。胚幹細胞(ES cell)は胚盤胞(blastocyst)の内部細胞塊から由来した幹細胞であり、万能分化性 (pluripotent)を有する;すなわち、これらは3つの1次胚葉、すなわち、外胚葉、内胚葉または幹細胞の中胚葉の全てから由来した細胞に分化し得る(非特許文献1)。成体幹細胞は持続的に複製され特定の専門化した細胞を提供する未分化した細胞である。成体幹細胞は骨髄、末梢血液、脳、脊髄、肝および膵臓の内部を含むボディーの全体で確認されており、これらは胚幹細胞に比べてより制約的な潜在性を有する。典型的に、成体幹細胞は、これらが由来した組織の機能に貢献する細胞に分化するように予定された多分化能(multipotent)細胞である。しかし、成体幹細胞は、特定条件下で、相異なる胚の胚葉層から由来した細胞を含み、関連しない組織の専門化した細胞に分化し得るものとして明らかになっている(非特許文献2)。
【0003】
遺伝子のWntファミリーは、標的細胞上のFrizzled(Fzd)受容体に結合することによって作用する、システインが豊富に分泌される糖タンパク質を20種類以上エンコーディングする。WntがFzdに結合すればdisheveled(Dvl)を活性化し、これは、細胞質のセリン−トレオニンキナーゼ(serine−threonin kinase)であるグルコース合成酵素キナーゼ−3β(GSK−3β)の非活性化をもたらす。前記GSK−3β標的β−カテニンは安定化し、核に転位し、特定プロモーター上のTCF(T−細胞因子)−依存性転写を活性化する(非特許文献3)。Wnt信号伝達は腎臓(非特許文献4)、中枢神経系(CNS)(非特許文献5)、
造血(非特許文献6)、および骨格筋(非特許文献7)を含む様々な組織において細胞の運命決定を指示する。また、Wnt信号伝達はゼブラフィッシュおよびヒドラにおける後天性の傷治癒および組織再生に関連する(非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10)。Wnt信号伝達は骨密度および骨形成の調節に関与すると提案されてきた。LRP5における機能突然変異の損失は、常染色体劣性疾患(autosomal recessive disorder)である骨粗しょう症−偽網膜膠腫症候群(osteoporosis−pseudoglioma syndrome)と関連したものとして明らかになっている(非特許文献11;非特許文献12)。また、LRP5において、Gly171からValへの(Gly171−to−Val)置換突然変異は高い骨密度表現型を現す(非特許文献13)。LRP5の機能損失または置換突然変異と関連したこれらの表現型は、Wnt信号伝達が骨密度(bone mass)および骨形成(bone formation)の統制(regulation)を調節するのに関連され得るということを示す(非特許文献14)。骨形成(osteogenesis)途中、万能分化性間葉幹細胞(pluripotent mesenchymal stem cells)は前骨芽細胞(preosteoblasts)に分化し、前骨芽細胞は最終的にミネラル化した骨基質(bone matrix)の形成に必要な成分を沈着させる成熟骨芽細胞(osteoblast)に分化する。骨芽細胞に分化する時に、前記細胞は高濃度の、アルカリフォスファターゼ(ALP)、副甲状腺ホルモン受容体、タイプIコラーゲン、オステオカルシン、マトリックス・エクストラセルラー・フォスフォグリコプロテイン(MEPE)、および骨シアロタンパク質(bone sialoproteins)のような分化−関連表現型を発現する。培養された細胞において、Bainら(非特許文献15)は、β−カテニンの構成的に活性である形態を利用して正準な(canonical)Wnt信号伝達を刺激すれば、ALPの活性が誘導されるということを記述している。ヒト間葉幹細胞(hMSCs)は骨髄からの万能分化性細胞であり、試験管内で増殖させることができ、骨細胞(osteogenic)、軟骨細胞(chondrogenic)、および脂肪細胞(adipogenic)系に分化し得る(非特許文献16)。間葉幹細胞(MSCs)は、初めには骨髄穿刺液(bone marrow aspirates)の繊維母細胞付着性分画として発見され(非特許文献17)、また、コロニー形成単位−繊維芽細胞(CFU−F)、骨髄間質細胞(marrow stromal cells)、骨髄間葉細胞、または間葉先祖細胞として呼ばれた。試験管内ヒト間葉幹細胞(hMSCs)の骨細胞系への分化は正常な生体内(in vivo)骨発生の発達段階の多くの部分を繰り返す。例えば、デキサメタゾン(dexamethasone)およびβ−グリセロールホスフェートの存在下で、ヒト間葉幹細胞(hMSCs)は、骨−特異的アルカリフォスファターゼ(ALP)のような骨形成マーカーを発現し、細胞外基質(extracellular matrix)を沈着し、これは、適切な培養条件においてミネラル化する(非特許文献18)。これらの即時利用可能性およびよく確立した試験管内の培養プロトコルのために、ヒト間葉幹細胞(hMSCs)は自家骨髄移植および軟骨組織工学における細胞のソースとなった(非特許文献19)。
【0004】
Wntタンパク質は、Myf5およびMyoDの発現を活性化することにより、マウス沿軸中胚葉の体外移植における筋形成(myogenesis)を開始させる(非特許文献20)。前体節中胚葉(presomitic mesoderm)および初期体節における筋形成はWnt拮抗剤可溶性Frizzled−関連タンパク質3(sFRP3/Frzb1)によって抑制される(非特許文献21)。したがって、Wnt信号伝達は胚前駆細胞において筋形成プログラムを誘導し維持するのに必要であると見られ、いくつかの場合には充分であると見られる。
【0005】
Wnt/β−カテニン経路は、通常、増殖および分化を増進させるのに関与する多くの遺伝子の発現を調節する。cyclin D1(非特許文献22;非特許文献23)、およびc−myc (非特許文献24)を含み、これら遺伝子の多くのものが細胞成長、増殖、および分化に重要な役割を果たす。本発明は、成体幹細胞および胚幹細胞の分化を調節する製剤(agent)を提供し、下記に記述された関連長所をさらに提供する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Keller,Genes Develop,2005,19,1129−55
【非特許文献2】Bhatia R and Hare JM,Congest Heart Fail.2005,11,87−91;Weissberg PL and Qasim A,Heart、2005,91,696−702
【非特許文献3】reviewed by Dierick and Bejsovec,1999;Wodarz and Nusse,1998
【非特許文献4】Labus et al.,Wound Repair Regen,1998,6,58−64;Vainio and Uusitalo,Pediatr Nephrol,2000,15,151−6
【非特許文献5】Patapoutian and Reichardt、Curr Opin Neurobiol,2000,10,392−9
【非特許文献6】Van Den Berg et al.,Blood,1998,92,3189−202
【非特許文献7】Cossu and Borello,EMBO J,1999,18,6867−72
【非特許文献8】Hobmayer et al.,Nature,2000,407,186−9
【非特許文献9】Labus et al.,Wound Repari Regen,1998,6,58−64
【非特許文献10】Poss et al.,Dev Dyn,2000,219,282−6
【非特許文献11】Gong Y et al.Cell,2001,107,513−23
【非特許文献12】Kato M et al.J Cell Biol,2002,157,303−14
【非特許文献13】Boyden LM et al.N Engl J Med,2002,346,1513−21
【非特許文献14】Westendorf JJ et al.Gene,2004,341,19−39
【非特許文献15】Biochem Biophys Res Commun,203,301,84−91
【非特許文献16】Pittenger MF et al,Science,1999,284,143−7
【非特許文献17】Castro−Malaspina H.et al,Blood,1980,56,289−301
【非特許文献18】Caplan AI and Bruder SP.,Trends Mol Med,2001,7,259−64
【非特許文献19】Bianco P and Robey PG.,Nature,2001,414,118−21
【非特許文献20】Tajbakhsh et al.,Development,1998,121,4077−83
【非特許文献21】Borello et al.,Development,1999,126,4247−55
【非特許文献22】Shtutman et al.,“The cyclin D1 gene is a target of the beta−catenin/LEF−1 pathway、”Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96:5522−27(1999)
【非特許文献23】Tetsu et al.,“beta−catenin regulates expression of cyclin D1 in colon carcinoma cells、”Nature 398:422−26(1999)
【非特許文献24】He et al.,“Identification of c−MYC as a target of the APC pathway、”Science 281:1509−12(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は幹細胞の分化を誘導または抑制する製剤を提供し、その使用方法を提供する。
【0008】
一側面において、本発明は骨髄幹細胞の骨形成を誘導および増進する方法を提供し、関連した側面において、本発明は前記方法に有用な化合物を提供する。本発明は、骨リモデリングと関連した色々な問題、例えば、骨粗しょう症およびその他骨疾患を取り扱う方法および組成物に関する。また、本発明は、骨折またはその他の損傷または非正常な骨を治癒するのに役に立つ組成物の用途を提供する。本発明は哺乳類を対象に骨芽細胞ミネラル化を刺激したり増強したりする方法を提供し、前記方法は組成物の有効量を対象に投与することを含む。
【0009】
また他の側面において、本発明は骨髄幹細胞の骨形成の分化を抑制する組成物および方法を提供する。
【0010】
また他の側面において、本発明は幹細胞を心筋系の細胞に分化させることを誘導し指示する組成物および方法を提供する。本発明は心筋形成を誘導する方法を提供する。哺乳類細胞を化合物と接触させ、そこで、前記哺乳類細胞は心筋系の細胞に分化する。前記接触は生体内または生体外で行われ得る。これらが心筋形成を誘導できる能力に照らし、前記化合物は、例えば、心筋ミオパチーおよび不整脈(arrhythmia)のような心筋異常を治療するのに、および心臓麻痺からもたらされた心筋梗塞症のような心臓筋肉組織の損傷を治療するのに有用である。
【0011】
また他の側面において、本発明は幹細胞が心筋系に分化することを抑制するための組成物および方法を提供する。
【0012】
また他の側面において、本発明は幹細胞を骨格筋細胞または平滑筋細胞に分化することを誘導し指示するための組成物および方法を提供する。哺乳動物の細胞を化合物と接触させ、そこで、前記哺乳動物細胞は筋細胞系(myocytic lineage)の細胞に分化する。前記接触段階は生体内または試験管内で行われ得る。これらが筋形成を誘導できる能力がある点に照らし、前記化合物は退行性筋肉疾患、例えば、筋ジストロフィー(dystrophy)またはミオパチーまたは尿失禁の治療に有用である。
【0013】
また他の一側面において、本発明は幹細胞の筋形成の分化を抑制するための組成物および方法を提供する。
【0014】
本発明の方法は様々な医療病態(medical conditions)を治療するのに用いられ得る。例えば、本発明の様々な側面において:組成物が細胞内にあり、製剤(agent)が細胞の分化可能性を増加させる;組成物が細胞内にあり、製剤が細胞の増殖可能性を増加させる。
【0015】
組成物は生体内または生体外にあってもよい。一側面において、組成物は生体外にあり、組成物は幹細胞をさらに含む。また他の一側面において、組成物は生体内にあり、組成物は哺乳動物、例えば、マウス内にある。
【0016】
また他の一側面において、本発明は細胞増殖を調節する方法を提供し、これは、(a)細胞集団を、前記集団の一部は増殖し一部は分化する条件下で提供するステップ;および(b)前記集団に化学製剤を添加し、この時、前記製剤が、分化する細胞の比率に比べて増殖する細胞の比率を増加させるステップを含む。前記方法の様々な選択的実現例は次のものを含む:前記集団にWnt経路を活性化する製剤を添加すること;前記細胞集団が幹細胞の集団であること;前記方法が生体外で行われること;前記方法が、前記細胞集団の分化を引き起こす製剤を添加することをさらに含み、この時、例えば、前記集団の細胞が分化して骨芽細胞、骨細胞、心筋細胞、骨格筋細胞、血液細胞を形成するか、前記集団の細胞が分化して神経細胞を形成すること。
【0017】
また他の一側面において、本発明は幹細胞を未分化状態に維持する方法を提供し、前記方法は幹細胞を、細胞分化を抑制するか細胞増殖を増進させる製剤と、前記幹細胞を未分化状態に維持するのに有効な量で接触させることを含む。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の組成物および方法において、化学製剤は一般式(I)の化合物から選択され得る:
【化1】

ここで:
Eは−(ZR)−または−(C=O)−であり;
Gは不存在であるか、−(XR)−、または−(C=O)−であり;
Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または不存在であり;
Yは酸素または硫黄であり;
XまたはZは独立に窒素またはCHであり;
、R、R、R、およびRは同じであるか異なり、独立に下記からなる群から選択される:
アミノ酸側鎖部分;
1−12アルキルまたは置換C1−12アルキルであり、前記置換C1−12アルキルはアミノ、グアニジノ、C1−4アルキルグアニジノ、ジC1−4アルキルグアニジノ、アミジノ、C1−4アルキルアミジノ、ジC1−4アルキルアミジノ、C1−5アルキルアミノ、ジC1−5アルキルアミノ、スルフィド、カルボキシル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
1−6アルコキシ;
6−12アリールまたは置換C6−12アリールであり、前記置換C6−12アリールはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有し得る5〜7環構成員の単環式アリール−アルキル、またはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する置換された単環式アリール−アルキル;
窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有し得る8〜10環構成員を有する二環式アリール−アルキル、または
ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ、またはヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する置換された二環式アリール−アルキル;
窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有し得る5〜14環構成員を有する三環式アリール−アルキル、または
ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ、またはヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する置換された二環式アリール−アルキル;
アリールC1−4アルキルまたは置換アリールC1−4アルキルであり、前記置換アリールC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキル、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、ヒドロキシル、アミド、C1−6アルキルオキシC1−6アシル、およびモルホリニルC1−6アルキルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
シクロアルキルアルキルまたは置換シクロアルキルアルキルであり、前記置換シクロアルキルアルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;および
シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり、前記置換シクロアルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する。
【0019】
特定実現例において、R、R、R、R、およびRは同じであるか異なり、下記群から独立に選択される:
1−12アルキルまたは置換C1−12アルキルであり、前記置換C1−12アルキルはアミノ、グアニジノ、C1−4アルキルグアニジノ、ジC1−4アルキルグアニジノ、アミジノ、C1−4アルキルアミジノ、ジC1−4アルキルアミジノ、C1−5アルキルアミノ、ジC1−5アルキルアミノ、スルフィド、カルボキシル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
1−6アルコキシ;
シクロアルキルC1−3アルキル;
シクロアルキル;
フェニルまたは置換フェニルであり、前記置換フェニルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
フェニルC2−4アルキルまたは置換フェニルC2−4アルキルであり、前記置換フェニルC2−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、スルフィド、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ナフチルまたは置換ナフチルであり、前記置換ナフチルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ナフチルC1−4アルキルまたは置換ナフチルC1−4アルキルであり、前記置換ナフチルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ベンジルまたは置換ベンジルであり、前記置換ベンジルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、トリフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ビスフェニルメチルまたは置換ビスフェニルメチルであり、前記置換ビスフェニルメチルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ベンジルフェニルアミドまたは置換ベンジルフェニルアミドであり、前記置換ベンジルフェニルアミドはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ピリジルまたは置換ピリジルであり、前記置換ピリジルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ピリジルC1−4アルキルまたは置換ピリジルC1−4アルキルであり、前記置換ピリジルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ピリミジルC1−4アルキルまたは置換ピリミジルC1−4アルキルであり、前記置換ピリミジルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
トリアジン−2−イルC1−4アルキルまたは置換トリアジン−2−イルC1−4アルキルであり、前記置換トリアジン−2−イルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
イミダゾリルC1−4アルキルまたは置換イミダゾリルC1−4アルキルであり、前記置換イミダゾリルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ベンゾチアゾリンC1−4アルキルまたは置換ベンゾチアゾリンC1−4アルキルであり、前記置換ベンゾチアゾリンC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
フェノキサジンC1−4アルキル;
ベンジルp−トリルエーテル;
フェノキシベンジル;
N−アミジノピペラジニル−N−C1−4アルキル;
キノリンC1−4アルキル;
N−アミジノピペラジニル;
N−アミジノピペリジニルC1−4アルキル;
4−アミノシクロヘキシルC1−2アルキル;および
4−アミノシクロヘキシル。
【0020】
特定実現例において、Eは−(ZR)−であり、Gは−(XR)−であり、ここで、ZはCHであり、Xは窒素であり、前記化合物は下記一般式(II)を有する:
【化2】

ここで、R、R、およびRは一般式(I)で定義した通りである。
【0021】
特定実現例において、前記化合物は一般式(III)を有する:
【化3】

【0022】
特定実現例において、Eは−(ZR)−であり、Gは不存在であり、この時、Zは窒素であり、前記化合物は下記一般式(IV)を有する:
【化4】

ここで、R、R、R、R、およびWは一般式(I)で定義した通りである。
【0023】
特定実現例において、Eは−(ZR)−であり、Gは−(XR)−であり、ここで、ZおよびXは独立にCHであり、前記化合物は一般式(V)の構造を有する:
【化5】

ここで、R、R、R、R、R、およびWは一般式(I)で定義した通りである。
【0024】
特定実現例において、前記化合物は下記の一般式(VI)を有する:
【化6】

【0025】
本発明のこれらおよび関連側面は下記にてより詳細に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のリバースターンミメティック構造体を製造するための概略的な合成スキーム(scheme)。
【図2】化合物A(表2の111番)はβ−カテニン/TCF転写を抑制する。化合物Aは1.455μMのIC50でβ−カテニン/TCFリポーター遺伝子構造体を選択的に抑制する。SW480細胞(10)がβ−カテニン/TCFルシフェラーゼ構造体をトランスフェクションさせた。細胞に化合物A(1−50μM)を処理した。処理24時間後、細胞溶解物を作り、デュアルルシフェラーゼアッセイを行った。
【図3】化合物B(表2の10番)はβ−カテニン/TCF転写を抑制する。化合物Bは6.978μMのIC50でβ−カテニン/TCFリポーター遺伝子構造体を選択的に抑制する。SW480細胞(10)にβ−カテニン/TCFルシフェラーゼ構造体をトランスフェクションさせた。細胞に化合物B(1−50μM)を処理した。処理24時間後、細胞溶解物を作り、デュアルルシフェラーゼアッセイを行った。
【図4】図4〜7:化合物による幹細胞の骨形成の調節。 化合物Bはヒト骨髄−由来の間葉幹細胞(hBMMSC)が骨細胞系(osteocytic lineage)に分化することを抑制する。化合物BをhBMMSC細胞培養に添加し、細胞アルカリフォスファターゼ(ALP)活性を測定した。20μMの化合物Bはアルカリフォスファターゼ活性を強く抑制した。化合物C(表2の82番)および化合物D(表2の66番)はhBMMSCに20μMで処理した時にALP数値(各々200%、202%)を相当増強させた。
【図5】化合物CおよびDは、骨形成誘導カクテル(OIC)と共に処理した時も、また、hBMMSCのミネラル化を強く誘導した。
【図6】色々な濃度の化合物CおよびDを処理した時、2つの化合物は両方とも0.5μMにおいても骨形成誘導活性(ミネラル化の刺激)を示した。
【図7】ALP mRNA発現はhBMMSCにおいて化合物CおよびDの処理によって増加した。
【図8】図8〜14:化合物による幹細胞の心筋形成の調節 pEGFP−1のEcoRIおよびSalI部位の間にマウスα−MHC遺伝子の1.8kbプロモーター配列を含むベクトル構造体。
【図9】化合物E(表2の71番)の処理(10μM)は、蛍光顕微鏡下で観察した時に処理後の蛍光を増強させた。また、DMSO対照群と比較した時、5日目にその数値が相当増加した。
【図10】DMSO処理した胚様体(EB)のFACS分析。蛍光(α−MHCポジティブ)を示す細胞集団は0.54%であった。
【図11】化合物E(10μM)を処理した胚様体(embryoid bodies)(EB)のFACS分析。蛍光(α−MHCポジティブ)を示す細胞集団は2.50%であり、これは、DMSO処理したEBに比べて4.6倍増加したものである。
【図12】図12は、DMSO処理した対照群グループに比べ、化合物Eを処理したグループにおけるEGFP(増強されたグリーン蛍光タンパク質)の発現数値の倍数増加を示す。化合物Eの心筋形成分化増進活性は濃度依存的であり、その効果は0.3μMにおいても明らかなものであった。
【図13】化合物Eを胚幹(ES)細胞に7日および10日間処理した時、DMSO対照群に比べ、胚幹(ES)細胞においてANPおよびNkx2.5 mRNAの発現数値を強く増加させた。
【図14】化合物Bの処理は、マウス胚幹細胞を化合物B 10μMに5日間露出した時に蛍光発現を減少させた(0.26:1=化合物B:DMSO対照群)。
【図15】化合物Fによる筋形成の調節(表2の112番)。 A:C2C12筋芽細胞はこれらの細胞を、2%馬血清を含有する分化培地(DM)で3日間培養した時、分化して広範囲な筋管(myotubes)を形成した。 B:成長培地(GM)で培養し、化合物Fを処理したC2C12細胞は広範囲な筋管形成を示した。 C:化合物Fのない成長培地(GM)で成長したC2C12細胞は筋管形成を示さなかった。 D:化合物Fの処理はMyoDおよびMyf5タンパク質の発現も相当増加させた。
【図16】wntまたはCBPまたはp300と共にまたは関係なく(with or without)化合物による筋形成の調節。 A:Wnt1条件化した(conditioned)培地を化合物BおよびFで処理するかまたは処理しなかった。Myf−5発現はC2C12細胞においてWnt1処理によって増加し、その発現数値は化合物Fの共同処理でより増強された。化合物Bの処理はC2C12細胞においてMyf−5の発現を減少させ、Wnt1で共同投与された場合にはWnt1のMyf−5増強効果を相殺した。 B:CBPまたはp300をテスト化合物と共にまたは共ではなく、C2C12細胞に露出させ、Myf5タンパク質の細胞発現レベルを測定した。5μMおよび10μMの化合物FはDMSO対照群に比べて容量依存的にMyf5の発現を増加させた。5μMおよび10μMの化合物BはDMSO対照群に比べて容量依存的にMyf5の発現を減少させた。また、p300を化合物Bと共同投与すれば化合物BによるMyf5の発現減少が回復したが、CBPとの共同投与においては回復しなかった。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は幹細胞の分化を誘導または抑制する製剤およびそれに関連した方法を提供する。
【0028】
これらの方法および製剤のより詳しい詳細を下記にて提供する。これらの詳細を提供する前に本技術の理解を助けるために下記にて定義を提供する。
【0029】
定義
ここで用いられた「幹細胞」は任意の自己再生(self−renewal)の万能分化性細胞(pluripotent cell)または多分化能細胞(multipotent cell)または複数の細胞類型に分化し得る先祖細胞(progenitor cell)または前駆細胞(precursor cell)を意味する。本発明の方法に用いるのに好適な幹細胞は、骨芽細胞(osteoblast)、骨細胞(osteocyte)のような骨細胞(osteogenic)系、または心筋細胞(cardiomyocytes)または骨格筋細胞のような心筋系、平滑筋細胞、血液細胞、またはニューロンなどを含む。
【0030】
ここで用いられた用語「分化」は、細胞が特定機能のために専門化される発達段階、例えば、細胞が初期細胞類型とは異なる1つ以上の形態的特性および/または機能を獲得する段階を意味する。用語「分化」はリニージコミットメント(lineage commitment)および末端分化段階を両方とも含む。分化は測定することができ、例えば、FACS分析、免疫組織化学または当業界に知られた他の手続きを用いて系統マーカーの存在または不存在をモニターすることによって測定することができる。先祖細胞から由来した分化した子孫細胞(progeny cell)は、必ずそうではないが、幹細胞のソース組織と同一な組織の胚葉層と関連し得る。例えば、神経先祖細胞および筋肉先祖細胞は造血細胞系に分化し得る。
【0031】
ここで用いられた「骨形成」は、骨細胞の増殖および骨組織の成長(すなわち、新しい骨基質(bone matrix)の合成および沈着)を意味する。また、骨形成は先祖細胞または前駆細胞の骨細胞(すなわち、骨芽細胞)への分化またはトランス分化(transdifferentiation)を意味する。先祖細胞または前駆細胞は間葉幹細胞のような万能分化性幹細胞であり得る。先祖細胞または前駆細胞は骨芽細胞系(例えば、前骨芽細胞(pre−osteoblast cells))または骨芽細胞系に予めに予定されていない細胞(例えば、前駆脂肪細胞(pre−adipocytes)または筋芽細胞)であり得る。
【0032】
ここで用いられた用語「心筋形成」は、先祖細胞または前駆細胞が心筋細胞に分化することおよび心筋組織の成長を意味する。先祖細胞または前駆細胞は胚幹細胞のような万能分化性幹細胞であり得る。前駆細胞または前駆細胞は、例えば、前駆心筋細胞(precardiomyocyte cells))のように心筋系に予めに予定された細胞であり得るし、または予めに予定されていない細胞(例えば、多分化能成体幹細胞)であり得る。
【0033】
用語「癌幹細胞(cancer stem cell)」は相当期間の寛解後に新しい腫瘍を開始させることができる腫瘍内の細胞の下位集団を意味する。これらは癌幹細胞が正常な組織幹細胞と類似する、長寿(longevity)、休止(quiescence)、および自己再生(self−renewal)のような独特の属性を有することに起因すると推測される。自己再生は幹細胞が均衡的分裂によって類似する娘細胞を生産する方法である。
【0034】
β−カテニンは当業界によく知られたタンパク質をいう。Morin,P.J.,Bioessays 21:1021−30(1999);Gottardi et al.,Curr.Biol.11:R792−4(2001);Huber et al.,Cell 105:391−402(2001)を参照。β−カテニンは血漿膜における細胞付着の媒介因子および転写活性化因子として知られている。
【0035】
用語「CBPタンパク質」はCREB−結合タンパク質として知られたタンパク質を意味し、CREBは「cAMP−反応要素結合」の略語である。このタンパク質は当業界によく知られている。例えば、Takemaru et al.,J.Cell Biol.149:249−54(2000)および米国特許番号第6,063,583号を参照。
【0036】
用語「p300タンパク質」は当業界によく知られたタンパク質を意味する。Gusterson,R.J.et al.,J Biol Chem.2003 Feb 28;278(9):6838−47;An and Roeder、J Biol Chem.2003 Jan 17;278(3):1504−10;Rebel,V.I.et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2002 Nov 12;99(23):14789−94;米国特許番号第5,658,784号、およびその中に引用された参考文献を参照。
【0037】
「細胞が増殖するよりは分化する可能性」という語句は細胞が増殖するよりは分化する可能性をいう。そのような可能性は与えられた条件下で分化する細胞数に対し増殖する細胞数の比率によって表現および/または測定される。「細胞が増殖するよりは分化する可能性を増加させる」製剤は、反応混合物に化合物が不存在である時の比率と比較した時、反応混合物内に化合物が存在する時に分化する細胞数に対し増殖する細胞数の比率を増加させる化合物をいう。同じく、「細胞が分化するよりは増殖する可能性を増加させる」製剤は、反応混合物に化合物が不存在である時の比率と比較した時、反応混合物内に化合物が存在する時に増殖する細胞数に対し分化する細胞数の比率を増加させる化合物をいう。
【0038】
「Wnt経路」とは、Wntタンパク質(分泌された糖タンパク質(glycoprotein))がfrizzled seven−trans−membrane−span receptorsに結合することによって開始され得る信号伝達カスケードを意味する。この経路は当業界に知られて特徴が明らかになっており、多くの論文およびレビューの対象となった(例えば、Huelsken and Behrens,J.Cell Sci.115:3977−8,2002;Wodarz et al.,Annu.Rev.Cell Dev.Biol.14:59−88(1998);Morin,P.J.,Bioessays 21:1021−30(1999);Moon et al.,Science 296:1644−46(2002);Oving et al.,Eur.J.Clin.Invest.32:448−57(2002);Sakanaka et al.,Recent Prog.Horm.Res.55:225−36、2000参照)。
【0039】
製剤(agent)
本発明の一側面は前記記述された方法に用いることができる製剤を提供することにある。本発明の方法に有用な製剤は一般式(I)の化合物をスクリーニングすることによって識別され得る:
【化7】

ここで:
Eは−(ZR)−または−(C=O)−であり;
Gは不存在であるか、−(XR)−、または−(C=O)−であり;
Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または不存在であり;
Yは酸素または硫黄であり;
XまたはZは独立に窒素またはCHであり;
、R、R、R、およびRは同じであるか異なり、下記群から独立に選択される:
アミノ酸側鎖部分;
1−12アルキルまたは置換C1−12アルキルであり、前記置換C1−12アルキルはアミノ、グアニジノ、C1−4アルキルグアニジノ、ジC1−4アルキルグアニジノ、アミジノ、C1−4アルキルアミジノ、ジC1−4アルキルアミジノ、C1−5アルキルアミノ、ジC1−5アルキルアミノ、スルフィド、カルボキシル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
1−6アルコキシ;
6−12アリールまたは置換C6−12アリールであり、前記置換C6−12アリールはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有し得る単環式アリール−アルキル、または置換された単環式アリール−アルキルであり、前記単環式アリール−アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有し得る8〜10環構成員を有する二環式アリール−アルキル、または置換された二環式アリール−アルキルであり、前記置換された二環式アリール−アルキルはハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有し得る5〜14環構成員を有する三環式アリール−アルキル、または置換された二環式アリール−アルキルであり、前記置換された二環式アリール−アルキルはハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
アリールC1−4アルキルまたは置換アリールC1−4アルキルであり、前記置換アリールC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキル、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、ヒドロキシル、アミド、C1−6アルキルオキシC1−6アシル、およびモルホリニル(morphorlinyl)C1−6アルキルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
シクロアルキルアルキルまたは置換シクロアルキルアルキルであり、前記置換シクロアルキルアルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;および
シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり、前記置換シクロアルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する。
【0040】
特定実現例において、R、R、R、R、およびRは同じであるか異なり、下記群から独立に選択される:
1−12アルキルまたは置換C1−12アルキルであり、前記置換C1−12アルキルはアミノ、グアニジノ、C1−4アルキルグアニジノ、ジC1−4アルキルグアニジノ、アミジノ、C1−4アルキルアミジノ、ジC1−4アルキルアミジノ、C1−5アルキルアミノ、ジC1−5アルキルアミノ、スルフィド、カルボキシル、ヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
1−6アルコキシ;
シクロアルキルC1−3アルキル;
シクロアルキル;
フェニルまたは置換フェニルであり、前記置換フェニルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
フェニルC2−4アルキルまたは置換フェニルC2−4アルキルであり、前記置換フェニルC2−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、スルフィド、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ナフチルまたは置換ナフチルであり、前記置換ナフチルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ナフチルC1−4アルキルまたは置換ナフチルC1−4アルキルであり、前記置換ナフチルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ベンジルまたは置換ベンジルであり、前記置換ベンジルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、トリフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ビスフェニルメチルまたは置換ビスフェニルメチルであり、前記置換ビスフェニルメチルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ベンジルフェニルアミド、または置換ベンジルフェニルアミドであり、前記置換ベンジルフェニルアミドはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ピリジルまたは置換ピリジルであり、前記置換ピリジルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ピリジルC1−4アルキルまたは置換ピリジルC1−4アルキルであり、前記置換ピリジルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ピリミジルC1−4アルキル、または置換ピリミジルC1−4アルキルであり、前記置換ピリミジルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
トリアジン−2−イルC1−4アルキル、または置換トリアジン−2−イルC1−4アルキルであり、前記置換トリアジン−2−イルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
イミダゾリルC1−4アルキルまたは置換イミダゾリルC1−4アルキルであり、前記置換イミダゾリルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ベンゾチアゾリンC1−4アルキルまたは置換ベンゾチアゾリンC1−4アルキルであり、前記置換ベンゾチアゾリンC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
フェノキサジンC1−4アルキル;
ベンジルp−トリルエーテル;
フェノキシベンジル;
N−アミジノピペラジニル−N−C1−4アルキル;
キノリンC1−4アルキル;
N−アミジノピペラジニル;
N−アミジノピペリジニルC1−4アルキル;
4−アミノシクロヘキシルC1−2アルキル;および
4−アミノシクロヘキシル。
【0041】
ここで用いられる用語「アミノ酸側鎖部分」は、表1で確認した天然アミノ酸側鎖部分を含み(これらに限定されず)、天然タンパク質に存在する任意のアミノ酸側鎖部分を示す。本発明の他の天然アミノ酸側鎖部分は、3,5−ジブロモチロシン、3,5−ジヨード(iodo)チロシン、ヒドロキシリジン、γ−カルボキシグルタメート、ホスホチロシン、およびホスホセリンの側鎖部分を含むが、これらに限定されない。それに加えて、グリコシル化トレオニン、セリン、およびアスパラギンを含む(但し、これらに限定されない)グリコシル化アミノ酸の側鎖部分が本発明の実施に使用され得る。
【0042】
【表1】

【0043】
特定実現例において、Eは−(ZR)−であり、Gは−(XR)−であり、ここで、ZはCHであり、Xは窒素であり、前記化合物は下記一般式(II)を有する:
【化8】

ここで、R、R、およびRは一般式(I)で定義した通りである。
【0044】
特定実現例において、前記化合物は下記一般式(III)を有する:
【化9】

【0045】
特定実現例において、Eは−(ZR)−であり、Gは不存在であり、ここで、Zは窒素であり、前記化合物は下記一般式(IV)を有する:
【化10】

ここで、R、R、R、R、およびWは一般式(I)で定義した通りである。
【0046】
特定実現例において、Eは−(ZR)−であり、Gは−(XR)−であり、ここで、ZおよびXは独立にCHであり、前記化合物は下記一般式(V)の構造を有する:
【化11】

ここで、R、R、R、R、R、およびWは一般式(I)で定義した通りである。
【0047】
特定実現例において、前記化合物は下記一般式(VI)を有する:
【化12】

【0048】
これらの化合物は、適当な出発成分分子(以下、「成分片」と呼ぶ)を利用することにより、製造され得る。簡単に言えば、一般式(I)を有するリバースターンミメティック構造体の合成では、第1および第2成分片をカップリングして結合された第1−第2中間体を形成し、もし必要なら、第3および/または第4成分片をカップリングして結合された第3−第4中間体を形成し(または、もし市販されているなら、単一の第3中間体を使用してもよい)、結合された第1−第2中間体および第3−第4中間体(または第3中間体)をカップリングして第1−第2−第3−第4中間体(または、第1−第2−第3中間体)を形成し、これを閉環して、本発明のリバースターンミメティック構造体が得られる。他の方法としては、一般式(I)のリバースターンミメティック構造体は、個々の成分片を溶液中にて段階的に順次カップリングするか、または固相ペプチド合成で一般的に実施されているような固相合成によって製造することができる。
【0049】
本発明の化合物を製造するための具体的な成分片およびその組立体は、図1に例示されている。例えば、「第1成分片」は、以下の式S1を有する:
【化13】

【0050】
前記式において、R2は、上で定義した通りであり、そしてRは、ペプチド合成で使用するのに適当な保護基である。この保護基は、固相合成を可能にするために、高分子支持体に結合されていてもよい。適当なR基には、アルキル基を含み、好ましい実施形態では、Rは、メチル基である。図1において、R基の1つは、高分子(固体)支持体であり、図面において「Pol」と表す。このような第1成分片は、CH(OR)2−CHOとH2N−R2の還元アミノ化により、または、H2N−R2とCH(OR)2−CH2−LG(ここで、LGは、離脱基、例えば、ハロゲン(Hal)基を意味する)との置換反応により、容易に合成され得る。
【0051】
本発明の「第2成分片」は、以下の式S2を有する:
【化14】

【0052】
前記式において、Pは、ペプチド合成で使用するのに適当なアミノ保護基であり、L1は、ヒドロキシルまたはカルボキシル活性化基であり、R3は、上で定義した通りである。好ましい保護基には、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)、メチルオキシカルボニル(MOC)、9H−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、およびアリルオキシカルボニル(Alloc)を含む。N−保護アミノ酸は、市販されており;例えば、FMOCアミノ酸は、種々の供給源から市販されている。第2成分片を第1成分片と反応させるために、Lは、カルボキシル活性化基であり、また、カルボキシル基のカルボキシル活性化基への変換は、カルボキシル基の活性化について、当該分野において公知の方法で容易に達成され得る。適当な活性化カルボン酸基は、酸ハロゲン化物(ここで、L1は塩素または臭素などのハロゲン化物)、酸無水物(ここで、L1はアセチルのようなアシル基、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルおよびペンタフルオロフェニルエステルのような反応性エステル)、およびジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のようにカルボジイミドを使用してカップリング反応で形成された活性中間体のようなその他の活性化中間体を含む。従って、商業的に市販されているN−保護アミノ酸は、当業界の技術者に公知の手段によって、カルボキシル活性化形態に変換することができる。
【0053】
第2成分片として作用するアミノ酸のアジド誘導体の場合、このような化合物は、Zaloomら(J.Org.Chem.46:5173〜76,1981)で開示された反応により、対応するアミノ酸から製造され得る。
【0054】
また他の方法としては、本発明の第1成分片は、以下の式S1’を有し得る。
【化15】

【0055】
前記式において、Rは、上で定義した通りであり、そしてL2は、ハロゲン原子またはトシル基のような脱離基であり、本発明の第2成分片は、以下の式S2’を有し得る。
【化16】

【0056】
前記式において、R2、R3およびPは、上で定義した通りである。
【0057】
本発明の「第3成分片」は、以下の式S3を有し得る:
【化17】

【0058】
前記式において、G、E、L1、およびL2は、上で定義した通りである。適当な第3成分片は、種々の供給源から市販されているか、または有機化学における任意の公知方法により製造できる。
【0059】
従って、上で例示した通り、一般式(I)を有するリバースターンミメティック構造体は、第1成分片を第2成分片と反応させて結合された第1−第2中間体を形成し、続いて、結合された第1−第2中間体を第3−第4中間体と(または第3成分片と)反応させて結合された第1−第2−第3−第4中間体(または結合された第1−第2−第3中間体)を形成した後、この中間体を閉環して、リバースターンミメティック構造体を得ることにより、合成され得る。
【0060】
使用方法
本発明は、β−カテニン/TCFによって誘導される転写のサブセットを抑制する一般式(I)の化合物を提供する。
【0061】
1つの特徴は、本発明はWNT/β−カテニン経路によって標的になる遺伝子の発現を選択的に抑制する方法を提供し、前記方法は組成物に化合物を投与することを含み、前記組成物はWNT/β−カテニン経路によって標的になる遺伝子を含み、前記化合物はWNT/β−カテニン経路によって標的になる遺伝子らの発現に変化を引き起こす。
【0062】
また他の一側面において、本発明は幹細胞の分化を誘導する方法を提供し、幹細胞と特定系統、例えば骨芽細胞、骨細胞、心筋細胞、骨格筋細胞、血液細胞、ニューロン、および膵β細胞への細胞分化を誘導する製剤を接触させることを含む。
【0063】
細胞増殖および細胞分化は当業界に知られた任意の適当な方法によって特徴づけられる。そのような方法は実施例に記述されたようなフロー細胞係数分析法、リアルタイムRT−PCT、および細胞増殖分析法などを含む。
【0064】
また他の特徴は、本発明は未分化状態の幹細胞を維持させる方法を提供し、これは、細胞分化を抑制するか細胞増殖を増進させる薬剤と幹細胞を未分化状態の幹細胞に維持するのに有効な量で接触させることを含む。
【0065】
幹細胞治療法は特定細胞タイプの異常機能による未成熟死亡および身体がこれを代替したり回復したりすることに失敗することによって引き起こされる多くの退行性疾患を治療する機会を提供する。幹細胞の可能な治療的用途は臓器移植のための患者の免疫的条件化(conditioning)、筋ジストロフィー、多発硬化症、およびリウマチ関節炎のような自己免疫疾患の治療、脳卒中、脊髄損傷、および火傷のような損傷組織の回復、ルー・ゲーリック病、パーキンソン病、ハンチントン病、およびアルツハイマー病などの神経系症状のような神経退行性疾患の治療、白血病、鎌状赤血球貧血、心臓疾患、および糖尿の治療を含む。大部分の幹細胞治療法のために、胚幹細胞または成体幹細胞が試験管内で培養、所望の細胞への分化誘導、および患者に移植され得る。幹細胞を成功的に培養するために、幹細胞は未分化条件に維持させなければならない。
【0066】
幹細胞を未分化条件に維持させるために、細胞増殖を促進または細胞分化を抑制する化合物のような本発明による化合物は幹細胞培養の様々な段階で使用され得る。例えば、このような化合物は幹細胞がそれらのソース組織から分離される時に使用され得る。他の方法としては、それは培養の特定培養期間後に培養培地に添加され得る。また、それは幹細胞を未分化状態に維持させるために培養培地に継続的に存在することもできる。化合物の濃度は、幹細胞が未分化状態に維持される、または幹細胞の分化が化合物がない場合に培養された幹細胞の場合に比べて減少する、そして細胞培養物の他の特徴が逆に影響(例えば、細胞生存率および細胞増殖率)を受けないレベルに化合物の量を調整することによって最適化し得る。
【0067】
本発明のこれらおよび他の方法は化合物A〜Fおよびその同族体としてここで識別された化学薬剤と同じ化学薬剤で実行され得る。
【0068】
薬学組成物および投与
本発明による化合物は投与に好適な薬学組成物に含まれ得る。そのような組成物は典型的に化合物および薬学的に許容可能な担体(carrier)を含む。「薬学的に許容可能な担体」は薬学投与に利用可能な溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌および抗真菌剤、等張、および吸収遅延剤などをいう。薬学活性成分のためのそのような媒質または薬剤の利用は当業界によく知られている。また、補助活性化合物もその組成物に含まれ得る。
【0069】
本発明の薬学組成物は治療的処置のために非経口的、局所的、経口的または局部的に投与され得る。例えば、水、緩衝水、0.4%食塩水、0.3%グリシンなどの様々な水性担体が使用され得、アルブミン、脂質蛋白、グロブリンなどのような安定性を強化する他のタンパク質を含むことができる。その結果、組成物は既存のよく知られた滅菌技法によって滅菌され得る。その溶液は使用のために包装され得、無菌条件で濾過され冷凍乾燥され得るし、前記冷凍乾燥された製造物は投与前に滅菌された溶液と混合される。
【0070】
経口組成物は一般的に不活性希釈剤または食用担体を含む。それらはゼラチンカプセルに封じ込められるかまたは錠剤に圧縮されている。経口治療的投与の目的のために、前記活性化合物は賦形剤と共に含まれ、錠剤、トローチまたはカプセルの形態で使用され得る。薬学的に利用可能な結合剤、および/または補助(adjuvant)物質が前記組成物の部分として含まれ得る。前記錠剤、丸、カプセル、トローチなどは下記成分のうちの1つまたは類似する属性の化合物を含むことができる:結合剤(例えば、微晶質のセルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたは乳糖)、崩壊剤(disintegrating agent)(例えば、アルギン酸、プリモゲル、またはコーンスターチ);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはステローツ(Sterotes));グリダント(glidant)(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘美剤(例えば、サッカロースまたはサッカリン);または香味剤(例えば、ペパーミント、メチルサリチル酸、またはオレンジ香り)。
【0071】
吸入による投与のために、前記化合物は好適な噴射剤(例えば、二酸化炭素のような気体)を含む圧縮容器または分配器または噴霧器(nebulizer)からエアロゾルスプレーの形態で伝達される。
【0072】
また、全身投与は経粘膜(transmucosal)または経皮(transdermal)手段による。経粘膜または経皮投与のために、染み込まれる障壁に適した浸透剤が調製に使用される。このような浸透剤は当業界に一般的に知られており、例えば、経粘膜投与のためにデタージェント(detergents)、胆汁塩(bile salts)、およびフシジン酸(fusidic acid)誘導体を含む。経粘膜投与は鼻スプレーまたは坐剤の使用によって達成され得る。経皮投与のためには、活性化合物は当業界に一般的に知られた軟膏(ointments)、膏薬(salves)、ゲル、またはクリームに製造され得る。
【0073】
一実施例において、その活性化合物は移植および微細カプセル化した伝達システムを含む制御された放出剤形のような、その化合物を体内から急速に除去することから保護する担体と共に製造される。生分解可能な、生利用可能なポリマーが使用され得、エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などがある。このような剤形を製造する方法は当業者に明らかなものである。また、その物質は、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals、Inc.で市販されている。
【0074】
投与の便宜性および服用量の単一性のために、服用量単位形態で経口または非経口の組成物を調製することが特に有利な点がある。ここで使われた服用量単位形態は処置される患者に対する単一服用量であって、適した物理的に区別された単位をいう。それぞれの単位は必要な薬学キャリアと連合して所望の治療効果を算出するように計算された活性成分の所定量を含む。本発明の服用量単位形態の詳細は活性成分の独特の特徴および達成しようとする特定の治療効果および個々人の治療のための活性化合物を調製する技術の固有な制約に直接に依存し、それによって指示される。
【0075】
このような化合物の毒性および治療効果は、細胞培養における標準薬学手続きまたは実験動物、例えば、LD50(母集団の50%に致死量)およびED50(母集団の50%に治療的有効量)を決定するための実験動物によって決定され得る。毒性および治療効果間の量の比率は治療指標であり、これはLD50/ED50と表すことができる。大きい治療指標を示す化合物が好ましい。毒性副作用を示す化合物が使用され得るが、病的な状態ではない細胞に潜在的損傷を最小化し、それによる副作用を減らすために、このような化合物が影響を受ける組織の部位に到達するようにする伝達システムを設計するのに注意を払うべきである。
【0076】
細胞培養測定法および動物研究から得たデータはヒトに使用するための服用量の範囲を公式化するのに用いられ得る。このような化合物の服用量は、好ましくは、毒性がほぼまたは全くないED50を含む循環濃度(circulating concentration)の範囲内でなければならない。服用量は使用された服用形態および利用される投与経路に応じてこの範囲内で変えることができる。本発明の方法で用いられる任意の化合物に対し、治療的有効量は、初めには細胞培養測定法によって算定され得る。その量は細胞培養物で決定されたIC50(症状の最大値の半抑制を達成するテスト化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するために動物モデルで公式化され得る。そのような情報はヒトに有用な量をより正確に決定するのに用いられ得る。血漿内のレベルは、例えば、高性能液体クロマトグラフィーによって測定され得る。
【0077】
(表2)
本発明の化合物から選択された化合物の生活性テストおよびこれらの%変化数値であり、これらは実施例2および3に記述された骨形成分析法および心筋形成分析法によって測定された。
【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【実施例】
【0078】
次の実施例は本発明を説明するために提供されるものであって、本発明を限定するものではない。
【0079】
製造例
製造例1
N−ベンジルカルバモイル−N’−メチル−ヒドラジノ酢酸の製造
(1)N−Boc−N−メチルヒドラジンの製造
【化18】

【0080】
アイスウォーターエクスターナルバス(ice−water external bath)中で、水(2.0L)中のメチルヒドラジンスルフェート(100g、0.693mol)攪拌懸濁液にNaHCOをpH11〜12になるように徐々に添加した。前記反応混合物を激しく攪拌し、その溶液にTHF(2.0L)中のDiBoc(1.1当量)を注いだ。室温で一晩中攪拌した後、有機層を除去し、エチルアセテート(1.0L X 3)で抽出した。前記混合溶液(combined solution)を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で蒸発させ、前記表題化合物(80g、79%、淡い黄色オイル化合物)を得、その化合物をさらに精製することなく次のステップに用いた。
【0081】
(2)N−Boc−N−メチル−N’−ベンジルカルバモイル−ヒドラジンの製造
【化19】

【0082】
5.0Lの2首丸底フラスコ(two−necked、round−bottom−flask)にガラス栓(glass stopper)および塩化カルシウムチューブを装着した。アイスウォーターエクスターナルバス(ice−water external bath)中で、フラスコ内にあるTHF(500ml)中のN’−Boc−N’−メチルヒドラジン(80g、0.547mol)の攪拌溶液にTHF(30ml)中のベンジルイソシアネート(39mL、300mmol)を滴下漏斗(funnel)を介して徐々に添加した。2時間後、前記溶液を蒸発させた。残留物をヘキサンに懸濁させ(少量のエチルアセテートを使用)、白色固体を得た。前記分離された無色固体を濾過し、最小量のヘキサンで洗浄し、真空中で一晩中乾燥して、前記表題化合物(124g、81%、白色固体)を得た。
【0083】
H NMR(CDCl、300MHz):δ1.41(9H、s)、δ3.10(3H、s)、δ4.45(2H、d、J=6Hz)、δ5.71(1H、t、J=6Hz)、δ7.04(1H、br)、δ7.28(5H、m)
【0084】
(3)N−メチル−N’−ベンジルカルバモイル−ヒドラジンの製造
【化20】

【0085】
5.0Lの2首丸底フラスコにガラス栓および塩化カルシウムチューブに連結された還流冷却器(reflux condenser)を装着した。4M HCl(ジオキサン(dioxane)中、500ml)中のN−ベンジルカルバモイル−N−Boc−N’−メチルヒドラジン(124g、0.443mol)の溶液を前記フラスコに入れ、1,4−ジオキサン(3L)を攪拌しながら添加した。前記反応混合物を室温で一晩中攪拌し、真空中で蒸発させ、アイスウォーターエクスターナルバス(ice−water external bath)中でNaHCO水溶液を徐々に添加した(pH11〜12)。水性層をエチルアセテートで分離し(3回)、NaSOで乾燥した。前記残留物を真空中で蒸発させ、ヘキサンおよびEtOAcに懸濁させて、白色固体を得た。前記固体を濾過し、最小量のヘキサンで洗浄し、真空中で一晩中乾燥して、前記表題化合物(72g、91%、白色固体)を得た。
【0086】
(4)t−ブチルN−ベンジルカルバモイル−N’−メチル−ヒドラジノ酢酸の製造
【化21】

【0087】
3Lの2首丸底フラスコにガラス栓およびカルシウムチューブに連結された還流冷却器を装着した。トルエン:DMF(800mL:100mL=v/v:8/1)の共溶媒(co−solvent)900mL中のN−ベンジルカルバモイル−N’−メチルヒドラジン(72g、0.402mol)懸濁液を前記フラスコに添加し、KCO(281g)を添加した。70〜80℃で1時間加熱した後、トルエン(100ml)中のt−ブチルブロモアセテート(1.1当量)溶液を徐々に添加し、70〜80℃で5時間攪拌した。前記混合物を濾過し、EtOAc(1.0L X 3)で抽出した。前記有機溶液を塩水(brine、1.0L X 3)で洗浄し、蒸発させ、その残留物をヘキサンおよびEtOAcに懸濁させて、白色固体を得た。前記固体を濾過し、最小量のヘキサンで洗浄し、真空中で一晩中乾燥して、前記表題化合物(105g、90%、白色固体)を得た。
【0088】
H NMR(CDCl、300MHz):δ1.46(9H、s)、δ2.70(3H、s)、δ3.42(2H、br)、δ4.45(2H、d、J=6Hz)、δ6.22(1H、br)δ6.41(1H、t、J=6Hz)、δ7.31(5H、m)
【0089】
(5)N−ベンジルカルバモイル−N’−メチル−ヒドラジノ酢酸の製造
【化22】

【0090】
3Lの2首丸底フラスコにガラス栓および塩化カルシウムチューブを装着した。アイスウォーターエクスターナルバス(ice−water external bath)中で、HCl(200mL、ジオキサン中の4M溶液)中のN−ベンジルカルバモイル−N’−メチル−ヒドラジノ酢酸t−ブチルエステル(105g、0.358mol)溶液を添加し、激しく攪拌し、室温に加熱した。1,4−ジオキサン(2.0L)を前記反応溶液に添加した。室温で一晩中攪拌した後、前記溶液を40℃の吸引装置による真空(aspirator vacuum)状態で回転式蒸発器(rotary evaporation)で完全に濃縮した。飽和水性NaHCO溶液を添加し、前記水性層をEtOAc(1.0L X 2)で洗浄した。濃い塩酸を0℃で徐々に滴下した(pH2−3)。前記混合物をEtOAc(1.0L X 2)で抽出し、前記有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。前記残留物をn−ヘキサンおよびEtOAcを用い、結晶化によって精製して前記表題化合物を得、真空中で蒸発させた(75g、白色固体89%を得る)。
【0091】
H NMR(CDCl):δ2.79(3H、s)δ3.46〜3.58(2H、br)、δ4.43(2H、d、J=6Hz)、δ6.53(1H、t、J=6Hz)、δ7.29(5H、m)、δ7.80(1H、s)、δ12.38(1H、br)
【0092】
製造例2
N−ベンジルカルバモイル−N’−4−フルオロベンジル−ヒドラジノ酢酸の製造
(1)N−ベンジルカルバモイル−N’−Boc−ヒドラジンの製造
【化23】

【0093】
THF(2.0L)中のBoc−カルバザート(Boc−Carbazate、200g、1.51mol)溶液を入れ、THF中のベンジルイソシアネート(1.1当量)溶液を添加した。6時間後、前記溶液を真空中で蒸発させた。前記残留物をヘキサン/EAに懸濁させ、白色固体を得た。前記分離された無色固体を濾過し、最小量のヘキサンで洗浄し、真空下で一晩中乾燥して、前記表題化合物(白色固体、380g、95%)を得た。
【0094】
H NMR(DMSO−d、300MHz)δ2.89〜3.08(2H、m)、4.19(4H、m)、7.27〜7.40(8H、m)、7.64〜7.73(2H、m)、7.87(2H、d、J=6Hz)
【0095】
(2)N−ベンジルカルバモイル−ヒドラジンの製造
【化24】

【0096】
前記化合物(380g、1.43mol)を添加した。アイスウォーターバス中で、HCl(1L、ジオキサン中の4M溶液)および1,4−ジオキサン(3L)の溶液を激しく攪拌しながら徐々に添加した。前記反応混合物を常温で6時間攪拌した。前記溶液を40℃の吸引装置による真空(aspirator vacuum)状態で回転式蒸発器(rotary evaporation)で完全に濃縮した。前記残留物をヘキサン/EAに懸濁させ、白色固体を得た。前記分離された無色固体を濾過し、最小量のヘキサンで洗浄し、真空下で一晩中乾燥して、前記表題化合物(白色固体、270g、94%)を得た。
【0097】
H NMR(DMSO−d、300MHz)δ2.89〜3.08(2H、m)、4.19(4H、m)、7.27〜7.40(8H、m)、7.64〜7.73(2H、m)、7.87(2H、d、J=6Hz)
【0098】
(3)t−ブチルN−ベンジルカルバモイル−ヒドラジノ酢酸の製造
【化25】

【0099】
10Lの2首丸底フラスコにガラス栓およびカルシウムチューブに連結された還流冷却器を装着した。4Lのトルエン:DMF(3L:1L)共溶媒中のN−ベンジルカルバモイル−ヒドラジン(270g、1.34mol)溶液を添加した。ジイソプロピルエチルアミン(1.1当量)を0℃で30分間徐々に添加した。前記反応混合物を常温に加熱し、KCO(3.0当量)を徐々に添加した。トルエン中のt−ブチルブロモアセテート(1.1当量)溶液を滴下漏斗を介して添加した。前記反応混合物を70℃〜80℃で6時間攪拌した。前記混合物を濾過し、EtOAc(4.0L)で抽出した。前記有機層を塩水で洗浄し(2回)、真空中で蒸発させ、前記残留物をヘキサンおよびEtOAcに懸濁させ、白色固体を得た。前記固体を濾過し、最小量のヘキサンで洗浄し、真空中で一晩中乾燥して、前記表題化合物(260g、70%、白色固体)を得た。
【0100】
H NMR(CDCl、300MHz)δ1.47(9H、s)、3.41(2H、d)、4.13(1H、br、t)、4.41(2H、d)、6.31(1H、br)、6.39(1H、br)、7.31(5H、m)
【0101】
(4)t−ブチルN−ベンジルカルバモイル−N’−4−フルオロベンジル−ヒドラジノ酢酸の製造
【化26】

【0102】
2級(secondary)ヒドラジン(74g、265mmol)をDMF/トルエン(v/v=1/3)2Lに溶かした。5Lの2首丸底フラスコにガラス栓およびカルシウムチューブに連結された還流冷却器を装着し、KCO(3.0当量)を前記反応混合物に添加した。前記溶液を30分間70℃〜80℃に加熱し、トルエン中の4−フルオロベンジルブロマイド(1.1当量)を滴下漏斗を介して添加した。前記反応混合物を70℃〜80℃で6時間攪拌した。前記混合物を濾過し、EtOAc(2.0L)で抽出した。前記有機層を塩水で洗浄し(2回)、真空中で蒸発させ、前記残留物をヘキサンおよびEtOAcに懸濁させ、白色固体を得た。前記固体を濾過し、最小量のヘキサンで洗浄し、真空中で一晩中乾燥して、前記表題化合物(白色固体、81g、79%)を得た。
【0103】
H NMR(CDCl、300MHz)δ1.47(9H、s)、3.44(2H、br)、3.97(2H、br)、4.30(2H、br)、6.16(1H、br)、6.32(1H、br)、6.96(2H、m)、7.11(2H、d)、7.27(5H、m)
【0104】
(5)N−ベンジルカルバモイル−N’−4−フルオロベンジル−ヒドラジノ酢酸の製造
【化27】

【0105】
3Lの丸底フラスコにガラス栓およびカルシウムチューブを装着した。N−ベンジルカルバモイル−N’−4−フルオロベンジル−ヒドラジノ酢酸t−ブチルエステル(81g、0.209mol)を添加した。HCl(500mL、ジオキサン中の4M溶液)および1,4−ジオキサン(1L)の溶液をアイスウォーターバス中で激しく攪拌しながら徐々に添加した。前記反応混合物を常温で6時間攪拌した。前記溶液を40℃の吸引装置による真空(aspirator vacuum)状態で回転式蒸発器(rotary evaporation)で完全に濃縮した。前記残留物をヘキサン/EAに懸濁させ、白色固体を得た。前記分離された無色固体を濾過し、最小量のヘキサンで洗浄し、一晩中真空下で乾燥して、前記表題化合物(56g、81%、白色固体)を得た。
【0106】
H NMR(DMSO−d、300MHz)δ3.53(2H、s)、3.87(2H、s)、4.11(2H、d)、6.81(1H、t)、7.01(4H、m)、7.19(4H、m)、7.40(2H、m)
【0107】
製造例3
N−ベンジルカルバモイル−N’−4−ベンジル−ヒドラジノ酢酸の製造
(1)N−ベンジルカルバモイル−N’−Boc−ヒドラジンの製造
【化28】

【0108】
THF(2.0L)中のBoc−カルバザート(200g、1.51mol)溶液を入れ、THF中のベンジルイソシアネート(1.1当量)溶液を添加した。6時間後、前記溶液を真空中で蒸発させた。前記残留物をヘキサン/EAに懸濁させ、白色固体を得た。前記分離された無色固体を濾過し、最小量のヘキサンで洗浄し、一晩中真空下で乾燥して、前記表題化合物(白色固体、380g、95%)を得た。
【0109】
H NMR(DMSO−d、300MHz)δ2.89〜3.08(2H、m)、4.19(4H、m)、7.27〜7.40(8H、m)、7.64〜7.73(2H、m)、7.87(2H、d、J=6Hz)
【0110】
(2)N−ベンジルカルバモイル−ヒドラジンの製造
【化29】

【0111】
前記化合物(380g、1.43mol)を入れ、HCl(1L、ジオキサン中の4M溶液)および1,4−ジオキサン(3L)の溶液をアイスウォーターバス中で激しく攪拌しながら徐々に添加した。前記反応混合物を常温で6時間攪拌した。前記溶液を40℃の吸引装置による真空(aspirator vacuum)状態で回転式蒸発器(rotary evaporation)で完全に濃縮した。前記残留物をヘキサン/EAに懸濁させ、白色固体を得た。前記分離された無色固体を濾過し、最小量のヘキサンで洗浄し、一晩中真空下で乾燥して、前記表題化合物(白色固体、270g、94%)を得た。
【0112】
H NMR(DMSO−d、300MHz)δ2.89〜3.08(2H、m)、4.19(4H、m)、7.27〜7.40(8H、m)、7.64〜7.73(2H、m)、7.87(2H、d、J=6Hz)
【0113】
(3)t−ブチルN−ベンジルカルバモイル−ヒドラジノ酢酸の製造
【化30】

【0114】
10Lの2首丸底フラスコにガラス栓およびカルシウムチューブに連結された還流冷却器を装着した。4Lのトルエン:DMF(3L:1L)共溶媒中のN−ベンジルカルバモイル−ヒドラジン(270g、1.34mol)溶液を添加した。ジイソプロピルエチルアミン(1.1当量)を0℃で30分間徐々に添加した。前記反応混合物を常温に加熱し、KCO(3.0当量)を徐々に添加した。トルエン中のt−ブチルブロモアセテート(1.1当量)溶液を滴下漏斗を介して添加した。前記反応混合物を70℃〜80℃で6時間攪拌した。前記混合物を濾過し、EtOAc(4.0L)で抽出した。前記有機層を塩水で洗浄し(2回)、真空中で蒸発させ、前記残留物をヘキサンおよびEtOAcに懸濁させ、白色固体を得た。前記固体を濾過し、最小量のヘキサンで洗浄し、一晩中真空下で乾燥して、前記表題化合物(260g、70%、白色固体)を得た。
【0115】
H NMR(CDCl、300MHz)δ1.47(9H、s)、3.41(2H、d)、4.13(1H、br、t)、4.41(2H、d)、6.31(1H、br)、6.39(1H、br)、7.31(5H、m)
【0116】
(4)t−ブチルN−ベンジルカルバモイル−N’−4−ベンジル−ヒドラジノ酢酸の製造
【化31】

【0117】
DMF:トルエン(1.5L:0.5L)の2Lに2級ヒドラジン(74g、265mmol)を溶かした。5Lの2首丸底フラスコにガラス栓およびカルシウムチューブに連結された還流冷却器を装着し、KCO(3.0当量)を前記反応混合物に添加した。前記溶液を70℃〜80℃で30分間加熱し、トルエン中のベンジルブロマイド(1.1当量)を滴下漏斗を介して添加した。前記反応混合物を70℃〜80℃で6時間攪拌した。前記混合物を濾過し、EtOAc(2.0L)で抽出した。前記有機層を塩水で洗浄し(2回)、真空中で蒸発させ、前記残留物をヘキサンおよびEtOAcに懸濁させ、白色固体を得た。前記固体を濾過し、最小量のヘキサンで洗浄し、一晩中真空下で乾燥して、前記表題化合物(白色固体、81g、79%)を得た。
【0118】
H NMR(CDCl、300MHz)δ1.47(9H、s)、3.44(2H、br)、3.97(2H、br)、4.30(2H、br)、6.16(1H、br)、6.32(1H、br)、7.27(10H、m)
【0119】
(5)N−ベンジルカルバモイル−N’−4−ベンジル−ヒドラジノ酢酸の製造
【化32】

【0120】
3Lの2首丸底フラスコにガラス栓およびカルシウムチューブを装着した。N−ベンジルカルバモイル−N’−4−ベンジル−ヒドラジノ酢酸t−ブチルエステル(81g、0.209mol)を添加した。HCl(500mL、ジオキサン中の4M溶液)および1,4−ジオキサン(1L)の溶液をアイスウォーターバス中で激しく攪拌しながら徐々に添加した。前記反応混合物を常温で6時間攪拌した。前記溶液40℃の吸引装置による真空(aspirator vacuum)状態で回転式蒸発器(rotary evaporation)で完全に濃縮した。前記残留物をヘキサン/EAに懸濁させ、白色固体を得た。前記分離された無色固体を濾過し、最小量のヘキサンで洗浄し、一晩中真空下で乾燥して、前記表題化合物(56g、81%、白色固体)を得た。
【0121】
H NMR(DMSO−d、300MHz)δ3.53(2H、s)、3.87(2H、s)、4.11(2H、d)、6.81(1H、t)、7.27(10H、m)
【0122】
製造例4
【化33】

【0123】
(1)8−(3−クロロ−2−ジメチルアミノ−ベンジル)−6−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−2−メチル−4,7−ジオクソー−ヘキサヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボン酸ベンジルアミドの製造
ブロモアセタール樹脂(60mg、0.98mmol/g)およびDMSO(2.5ml、2M)中の(2−ジメチルアミノ−6−クロロ−フェニル)−メチル−アミン溶液をスクリューキャップ(screw cap)を有したバイアル(vial)に入れた。前記反応混合物を60℃で回転オーブン(Robbins Scientific)を利用して12時間振盪した。前記樹脂を濾過によって収集し、DMFに続いて、DCMで洗浄して、第1成分片(component piece)を準備した。
【0124】
NMP(Advanced ChemTech)中のFmoc−チロシン(OtBu)−OH(4当量、商業的に利用可能、第2成分片)、HATU(PerSeptive Biosystems、4当量)、およびDIEA(4当量)の溶液を前記樹脂に添加した。前記反応混合物を室温で4時間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
前記樹脂にDMF中の20%ピペリジンを添加した。前記反応混合物を室温で8分間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
【0125】
DMF中のN−ベンジルカルバモイル−N’−メチル−ヒドラジノ酢酸(4当量、第3成分片)、HOBT(Advanced ChemTech、4当量)、およびDIC(4当量)の溶液を前記で準備した樹脂に添加した。前記反応混合物を3時間室温で振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてMeOHで洗浄した。前記樹脂を室温の真空中で乾燥した。
前記樹脂を室温で18時間ギ酸(2.5ml)で処理した。前記樹脂を濾過によって除去し、前記濾過液を減圧下で濃縮して、オイルである前記表題化合物を得た。
【0126】
1H−NMR(300MHz、CDCl)δppm;2.45(s、3H)、2.65(s、6H)、3.12(m、2H)、3.52(m、4H)、4.12(dd、1H)、4.24(dd、1H)、4.45(d、1H)、4.75(d、1H)、5.20(t、1H)、5.56(dd、1H)、6.40(m、3H)、6.66(d、2H)、7.11(d、2H)、7.39(m、5H)
【0127】
製造例5
【化34】

【0128】
(1)8−イソブチル−2−メチル−4,7−ジオクソー−6−フェニル−ヘキサヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボン酸ベンジルアミドの製造
ブロモアセタール樹脂(60mg、0.98mmol/g)およびDMSO(2.5ml、2M)中の(2−アミノメチル−6−クロロ−フェニル)−ジメチル−アミン溶液をスクリューキャップを有したバイアルに入れた。前記反応混合物を回転オーブン(Robbins Scientific)を利用して60℃で12時間振盪した。前記樹脂を濾過によって収集し、DMFに続いて、DCMで洗浄して、第1成分片を準備した。
【0129】
NMP(Advanced ChemTech)中のFmoc−フェニルアラニン−OH(4当量、商業的に利用可能、第2成分片)、HATU(PerSeptive Biosystems、4当量)、およびDIEA(4当量)の溶液を前記樹脂に添加した。前記反応混合物を室温で4時間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
前記樹脂にDMF中の20%ピペリジンを添加した。前記反応混合物を室温で8分間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
【0130】
DMF中のN−ベンジルカルバモイル−N’−メチル−ヒドラジノ酢酸(4当量、第3成分片)、HOBT(Advanced ChemTech、4当量)、およびDIC(4当量)の溶液を前記で準備した樹脂に添加した。前記反応混合物を3時間室温で振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてMeOHで洗浄した。前記樹脂を室温の真空中で乾燥した。
前記樹脂を室温で18時間ギ酸(2.5ml)で処理した。前記樹脂を濾過によって除去し、前記濾過液を減圧下で濃縮して、オイルである前記表題化合物を得た。
【0131】
H−NMR(300MHz、CDCl)δppm;1.12(s、6H)、2.45(s、3H)、2.47(m、1H)、3.15(m、4H)、3.47(m、4H)、4.10(d、1H)、4.23(d、1H)、5.15(t、1H)、6.03(dd、1H)、7.15(m、5H)、7.23(m、5H)
【0132】
製造例6
【化35】

【0133】
(1)6−イソブチル−8−(4−メトキシ−ベンジル)−2−メチル−4,7−ジオクソー−ヘキサヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボン酸ベンジルアミドの製造
Fmoc−フェニルアラニン−OHの代わりにFmoc−ロイシン(leucine)−OHを用いたことを除いては、前記製造例5に記述したのと同じ手続きを行って、オイルである前記表題化合物を得た。
【0134】
H−NMR(300MHz、CDCl)δppm;1.10(s、6H)、1.80(m、3H)、2.45(s、3H)、3.40(m、2H)、3.58(m、2H)、3.70(s、3H)、4.45(dd、1H)、4.48(dd、1H)、4.50(s、2H)、4.57(t、1H)、6.28(dd、1H)、6.70(d、2H)、6.98(d、2H)、7.18(m、5H)
【0135】
製造例7
【化36】

【0136】
(1)(6S,9aS)−N−ベンジル−6−イソブチル−8−(4−メトキシベンジル)−2−メチル−4,7−ジオクソー−ヘキサヒドロ−2H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1(6H)−カルボキサミドの製造
ブロモアセタール樹脂(60mg、0.98mmol/g)およびDMSO(2.5ml、2M)中の4−メトキシ−ベンジルアミン溶液をスクリューキャップを有したバイアルに入れた。前記反応混合物を回転オーブン(Robbins Scientific)を利用して60℃で12時間振盪した。前記樹脂を濾過によって収集し、DMFに続いて、DCMで洗浄して、第1成分片を準備した。
【0137】
NMP(Advanced ChemTech)中のFmoc−Val−OH(4当量)、HATU(PerSeptive Biosystems、4当量)、およびDIEA(4当量)の溶液を前記樹脂に添加した。前記反応混合物を室温で4時間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
前記樹脂にDMF中のピペリジン(20%)を添加した。前記反応混合物を室温で8分間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
【0138】
DMF中の2−(2−(ベンジルカルバモイル)−1−メチルヒドラジニル)酢酸(4当量)、HOBT(Advanced ChemTech、4当量)、およびDIC(4当量)の溶液を前記で準備した樹脂に添加した。前記反応混合物を3時間室温で振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてMeOHで洗浄した。前記樹脂を室温の真空中で乾燥した。
前記樹脂を室温で18時間ギ酸(2.5ml)で処理した。前記樹脂を濾過によって除去した後、前記濾過液を減圧下で濃縮して、オイルである前記表題化合物を得た。
【0139】
H−NMR(400MHz、CDCl)δppm;1.51(d、6H)、1.91(m、1H)、2.49(s、3H)、3.45(d、2H)、3.69(m、2H)、3.72(s、3H)、3.82(m、2H)、4.40(s、2H)、4.48(s、2H)、4.53(t、1H)、5.55(t、1H)、6.61(d、2H)、6.95(d、2H)、7.24−7.38(m、5H)
【0140】
製造例8
【化37】

【0141】
(1)(6R,9aR)−N,6−ジベンジル−2−メチル−4,7−ジオクソー−8−フェネチル−ヘキサヒドロ−2H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1(6H)−カルボキサミドの製造
ブロモアセタール樹脂(60mg、0.98mmol/g)およびDMSO(2.5ml、2M)中の2−フェニルエタンアミン溶液をスクリューキャップを有したバイアルに入れた。前記反応混合物を回転オーブン(Robbins Scientific)を利用して60℃で12時間振盪した。前記樹脂を濾過によって収集し、DMFに続いて、DCMで洗浄して、第1成分片を準備した。
【0142】
NMP(Advanced ChemTech)中のFmoc−D−Phe−OH(4当量、商業的に利用可能、第2成分片)、HATU(PerSeptive Biosystems、4当量)、およびDIEA(4当量)の溶液を前記樹脂に添加した。前記反応混合物を室温で4時間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
前記樹脂にDMF中のピペリジン(20%)を添加した。前記反応混合物を室温で8分間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
【0143】
DMF中の2−(2−(ベンジルカルバモイル)−1−メチルヒドラジニル)酢酸(4当量)、HOBT(Advanced ChemTech、4当量)、およびDIC(4当量)の溶液を前記で準備した樹脂に添加した。前記反応混合物を3時間室温で振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてMeOHで洗浄した。前記樹脂を室温の真空中で乾燥した。
前記樹脂を室温で18時間ギ酸(2.5ml)で処理した。前記樹脂を濾過によって除去し、前記濾過液を減圧下で濃縮して、オイルである前記表題化合物を得た。
【0144】
H−NMR(400MHz、CDCl)δppm;2.47(s、3H)、2.81(t、2H)、2.90(dd、1H)、3.15(dd、1H)、3.47−3.58(m、5H)、3.81(m、1H)、4.47(s、2H)、4.97(t、1H)、5.80(t、1H)、7.15(m、2H)、7.21−7.38(m、13H)
【0145】
製造例9
【化38】

【0146】
(1)(6S,9aS)−N−ベンジル−2−メチル−6−(4−メチルベンジル)−4,7−ジオクソー−8−フェネチル−ヘキサヒドロ−2H−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1(6H)−カルボキサミドの製造
Fmoc−D−Phe−OHの代わりにFmoc−Phe(4−Me)−OHを用いたことを除いては、前記製造例7に記述したのと同じ手続きを行って、オイルである前記表題化合物を得た。
【0147】
H−NMR(400MHz、CDCl)δppm;2.19(s、3H)、2.51(s、3H)、2.92(t、2H)、2.93(dd、1H)、3.20(dd、1H)、3.42−3.60(m、5H)、3.85(m、1H)、4.45(s、2H)、4.92(t、1H)、5.80(t、1H)、7.00(d、4H)、7.25−7.35(m、10H)
【0148】
製造例10
2−(4−フルオロ−ベンジル)−4,7−ジオクソー−6−フェネチル−8−(3−トリフルオロ−メチルベンジル)−ヘキサヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボン酸ベンジルアミドの製造
ブロモアセタール樹脂(60mg、0.98mmol/g)およびDMSO(2.5ml、2M)中の3−トリフルオロ−メチルベンジルアミンナフチルアミン溶液をスクリューキャップを有したバイアルに入れた。前記反応混合物を回転オーブン(Robbins Scientific)を利用して60℃で12時間振盪した。前記樹脂を濾過によって収集し、DMFで洗浄し、続いてDCMで洗浄した。
【0149】
NMP(Advanced ChemTech)中のFmoc−ホモフェニルアラニン(4当量)、HATU(PerSeptive Biosystems、4当量)、およびDIEA(4当量)の溶液を前記樹脂に添加した。前記反応混合物を室温で4時間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
前記樹脂にDMF中のピペリジン(20%)を添加した。前記反応混合物を室温で8分間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
【0150】
DMF中のNβ−Fmoc−Nα−4−フルオロベンジル−ヒドラジノグリシン(4当量)、HOBT(Advanced ChemTech、4当量)、およびDIC(4当量)の溶液を前記で準備した樹脂に添加した。前記反応混合物を3時間室温で振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMFで洗浄し、続いてDCMで洗浄した。前記樹脂にDMF中のピペリジン(20%)を添加した(前記樹脂1gに対し10ml)。前記反応混合物を室温で8分間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
前記樹脂をDCM中のベンジルイソシアネート(4当量)とDIEA(4当量)の混合物で室温で4時間処理した。その次、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてMeOHで洗浄した。前記樹脂を室温の真空中で乾燥した後、前記樹脂を室温で18時間ギ酸(2.5ml)で処理した。前記樹脂を濾過によって除去し、前記濾過液を減圧下で濃縮して、オイルである前記表題化合物を得た。
【0151】
H−NMR(400MHz、CDCl)δppm;3.15−3.53(m、6H)、4.31−4.42(m、4H)、4.47−4.85(m、2H)、5.22(t、1H)、5.47(m、2H)、6.81(d、2H)、6.85(d、2H)、6.91(m、4H)、7.15−8.24(m、14H)
【化39】

【0152】
製造例11
2−(4−フルオロ−ベンジル)−6−(4−メトキシ−ベンジル)−4,7−ジオクソー−8−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−ヘキサヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボン酸ベンジルアミドの製造
ブロモアセタール樹脂(60mg、0.98mmol/g)およびDMSO(2.5ml、2M)中の3−トリフルオロ−メチルベンジルアミンナフチルアミン溶液をスクリューキャップを有したバイアルに入れた。前記反応混合物を回転オーブン(Robbins Scientific)を利用して60℃で12時間振盪した。前記樹脂を濾過によって収集し、DMFに続いてDCMで洗浄した。
【0153】
NMP(Advanced ChemTech)中のFmoc−Tyr(O−Me)(4当量)、HATU(PerSeptive Biosystems、4当量)、およびDIEA(4当量)の溶液を前記樹脂に添加した。前記反応混合物を室温で4時間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
【0154】
前記樹脂にDMF中のピペリジン(20%)を添加した。前記反応混合物を室温で8分間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
DMF中のNβ−Fmoc−Nα−4−フルオロベンジル−ヒドラジノグリシン(4当量)、HOBT(Advanced ChemTech、4当量)、およびDIC(4当量)の溶液を前記で準備した樹脂に添加した。前記反応混合物を3時間室温で振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMFで洗浄し、続いてDCMで洗浄した。前記樹脂にDMF中のピペリジン(20%)を添加した(前記樹脂1gに対し10ml)。前記反応混合物を室温で8分間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
【0155】
前記樹脂をDCM中のベンジルイソシアネート(4当量)およびDIEA(4当量)の混合物で室温で4時間処理した。その次、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてMeOHで洗浄した。前記樹脂を室温の真空中で乾燥した後、前記樹脂を室温で18時間ギ酸(2.5ml)で処理した。前記樹脂を濾過によって除去し、前記濾過液を減圧下で濃縮して、オイルである前記表題化合物を得た。
【0156】
H−NMR(400MHz、CDCl)δppm;3.24−3.52(m、4H)、3.98(s、3H)4.19−4.25(m、4H)、4.47−4.85(m、2H)、5.33(t、1H)、5.35(m、2H)、6.78(d、2H)、6.88(d、2H)、6.91(m、4H)、7.05−8.11(m、9H)
【0157】
製造例12
6−(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−2−(4−フルオロ−ベンジル)−4,7−ジオクソー−8−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−ヘキサヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボン酸ベンジルアミドの製造
Fmoc−Tyr(O−Me)の代わりにFmoc−Tyr(O−Bn)を用いたことを除いては、製造に11に記述したのと同じ手続きを行って、オイルである前記表題化合物を得た。
【0158】
H−NMR(400MHz、CDCl)δppm;3.10−3.55(m、4H)、4.31−4.45(m、6H)、4.47−4.85(m、2H)、5.20(t、1H)、5.44(m、2H)、6.66(d、2H)、6.67(d、2H)、7.25−8.03(m、18H);
【0159】
製造例13
6−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−2−(4−フルオロ−ベンジル)−4,7−ジオクソー−8−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−ヘキサヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボン酸ベンジルアミドの製造
Fmoc−Tyr(O−Me)の代わりにFmoc−3,4−ジフルオロPheを用いたことを除いては、製造例11に記述したのと同じ手続きを行って、オイルである前記表題化合物を得た。
【0160】
H−NMR(400MHz、CDCl)δppm;3.15−3.53(m、4H)、4.31−4.42(m、6H)、4.47−4.85(m、2H)、5.22(t、1H)、5.47(m、2H)、6.68(d、2H)、6.99(d、2H)、7.21−8.21(m、12H)
【0161】
製造例14
【化40】

【0162】
2−ベンジル−8−[2−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−6−(4−メトキシ−ベンジル)−4,7−ジオクソー−ヘキサヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボン酸ベンジルアミドの製造
ブロモアセタール樹脂(60mg、0.98mmol/g)および2−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミン(2.5ml、2M)溶液をスクリューキャップを有したバイアルに入れた。前記反応混合物を回転オーブン(Robbins Scientific)を利用して60℃で12時間振盪した。前記樹脂を濾過によって収集し、DMFに続いてDCMで洗浄して、第1成分片を準備した。
【0163】
NMP(Advanced ChemTech)中の2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオン酸(4当量、商業的に利用可能、第2成分片)、HATU(PerSeptive Biosystems、4当量)、およびDIEA(4当量)の溶液を前記樹脂に添加した。前記反応混合物を室温で4時間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
前記樹脂にDMF中のピペリジン(20%)を添加した。前記反応混合物を室温で8分間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
【0164】
DMF中の2−(1−ベンジルカルバモイル)ヒドラジニル)酢酸(4当量)、HOBT(Advanced ChemTech、4当量)、およびDIC(4当量)の溶液を前記で準備した樹脂に添加した。前記反応混合物を3時間室温で振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてMeOHで洗浄した。前記樹脂を室温の真空中で乾燥した。
前記樹脂を室温で18時間ギ酸(2.5ml)で処理した。前記樹脂を濾過によって除去し、前記濾過液を減圧下で濃縮して、オイルである前記表題化合物を得た。
【0165】
H−NMR(400MHz、CDCl)δppm;3.22−3.57(m、10H)、3.82(s、3H)、4.36(d、2H)、4.50(d、1H)、4.90(d、1H)、5.36−5.45(m、2H)、6.62−6.73(m、4H)、6.98−7.05(m、4H)、7.10−7.48(m、10H)
【0166】
製造例15
2−ベンジル−8−[2−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−6−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−4,7−ジオクソー−ヘキサヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボン酸ベンジルアミドの製造
2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオン酸の代わりに3−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−プロピオン酸を用いたことを除いては、製造例14に記述したのと同じ手続きを行って、オイルである前記表題化合物を得た。
【0167】
H−NMR(400MHz、CDCl)δppm;3.25−3.68(m、9H)、4.36(d、2H)、4.52(d、1H)、4.96(d、1H)、5.36−5.45(m、2H)、6.50−6.76(m、2H)、6.92−7.08(m、5H)、7.10−7.48(m、10H)
【0168】
製造例16
2−ベンジル−6−(4−クロロ−ベンジル)−8−[2−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−4,7−ジオクソー−ヘキサヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,2,4]トリアジン−1−カルボン酸ベンジルアミドの製造
2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオン酸の代わりに3−(4−クロロ−フェニル)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−プロピオン酸を用いたことを除いては、製造例14と同じ手続きを行って、オイルである生成物を得た。
【0169】
H−NMR(400MHz、CDCl)δppm;3.18−3.50(m、9H)、4.41(d、2H)、4.50(d、1H)、4.90(d、1H)、5.36−5.45(m、2H)、6.60−6.78(m、4H)、6.98−7.05(m、4H)、7.15−7.58(m、10H)
【0170】
製造例17
2−メチル−5−(p−ヒドロキシフェニルメチル)−7−ナフチルメチル−3,6−ジオクソー−ヘキサヒドロ−[1,2,4]triazolo[4,5−a]pyrazine−1−カルボン酸ベンジルアミドの製造
ブロモアセタール樹脂(30mg、0.98mmol/g)およびDMSO(1.5ml、2M)中のナフチルメチルアミン溶液をスクリューキャップを有したバイアルに入れた。前記反応混合物を回転オーブン(Robbins Scientific)を利用して60℃で12時間振盪した。前記樹脂を濾過によって収集し、DMFに続いてDCMで洗浄して、第1成分片を準備した。
【0171】
NMP(Advanced ChemTech)中のFmoc−Tyr(OBut)−OH(3当量)、HATU(PerSeptive Biosystems、3当量)、およびDIEA(3当量)の溶液を前記樹脂に添加した。前記反応混合物を室温で4時間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄することによって第2成分片を第1成分片に添加した。
前記樹脂にDMF中のピペリジン(20%)を添加した。前記反応混合物を室温で8分間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
【0172】
DCM中のN’−Fmoc−N−メチル−ヒドラジノカルボニルクロライド(5当量)およびDIEA(5当量)の溶液を前記で準備した樹脂に添加した。前記反応混合物を室温で4時間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
前記樹脂にDMF中のピペリジン(20%)を添加した(前記樹脂1gに対して10ml)。前記反応混合物を室温で8分間振盪した後、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてDMFで洗浄した。
【0173】
前記樹脂をDCM中のベンジルイソシアネート(4当量)およびDIEA(4当量)の混合物で室温で4時間処理した。その次、前記樹脂を濾過によって収集し、DMF、DCMで洗浄し、続いてMeOHで洗浄した。前記樹脂を室温の真空中で乾燥した。
前記樹脂を室温で14時間ギ酸で処理した。前記樹脂を濾過によって除去し、前記濾過液を減圧下で濃縮してオイル生成物を得た。
【0174】
H−NMR(400MHz、CDCl)δppm;2.80−2.98(m、5H)、3.21−3.37(m、2H)、4.22−4.52(m、2H)、4.59(t、1H)、4.71(d、1H)、5.02(dd、1H)、5.35(d、1H)、5.51(d、1H)、6.66(t、2H)、6.94(dd、2H)、7.21−8.21(m、12H)
【0175】
実施例
実施例1
SW480細胞におけるトップフラッシュリポーター(TopFlash Report)遺伝子アッセイ
本実施例においては次のテスト化合物(化合物AおよびB)が用いられた。
【化41】

【0176】
a.リポーター遺伝子アッセイ
SW480細胞をSuperfectTMトランスフェクション試薬(transfection reagent、Qiagen、301307)を用いたトランスフェクションさせた。細胞がトランスフェクション当日に50−80% confluent状態にあるように、細胞をトランスフェクションの1日前に簡単にトリプシン化(trypsinize)し、6ウェルプレート(5x10細胞/ウェル)上にプレーティングした。
【0177】
トップフラッシュDNA 4マイクログラムおよびpRL−null DNA 1マイクログラムを150mlの無血清培地で薄め、30μlのSuperfectTMトランスフェクション試薬を添加した。前記DNA−Superfect混合物を室温で15分間培養し、1mlの10%FBS DMEMを追加3時間の培養のためにこの複合体に添加した。複合体が形成される間、細胞を抗生剤のないPBSで2回洗浄した。
【0178】
前記DNA−SuperfectTMトランスフェクション試薬複合体を、37℃、5% CO状態で3時間培養する前に前記細胞に適用した。培養後、10% FBSを有する回復培地(recovery medium)を最終体積が1.18mlになるように添加した。培養3時間後、前記細胞を収穫し、96ウェルプレート(3x10細胞/ウェル)にリシード(reseed)した。37℃、5% CO状態で一晩中培養した後、前記細胞を化合物Aまたは化合物Bで24時間処理した。最終的に、活性をルシフェラーゼ分析(Promega、E1960)によってチェックした。
【0179】
図2および3はSW480細胞に対する化合物A(図2)および化合物B(図3)のIC50測定結果を説明する。
【0180】
実施例2
ヒト間葉幹細胞における骨形成の調節活性
本実施例においては次の化合物(化合物B、化合物C、および化合物D)が用いられた。
【化42】

【0181】
方法
細胞培養:正常被験者ら(normal subjects)からヒト骨髄誘導−間葉幹細胞(hBMMSC)を分離した。
【0182】
テスト化合物単独による骨形成調節活性分析:hBMMSCを培養培地で培養し、細胞を96−ウェル培養プレートに接種し、テスト化合物をDMSOに溶解させ、培養培地(最終0.01%DMSO)で薄め、前記培地(テスト化合物の最終濃度は20μMであった。)に添加し、COインキュベーター(37℃、5%CO)で培養した。培養培地を2日ごとに新しいものに交換し、培地を交換する時ごとに化合物を再び処理した。培養後6〜7日、細胞溶解物(lysates)のアルカリフォスファターゼ活性を色度測定(colorimetry)によって測定した。DMSO対照群と比較し、各化合物によるALP活性の倍数変化(fold change)を表2(骨発生)に要約した。前記細胞内のミネラル化(mineralization)を測定するために、培養後10−14日にVon Kossa stainingまたはAlizarin Red S分析を行った。
【0183】
誘導培地におけるテスト化合物の骨形成調節活性:hBMMSCを骨形成誘導カクテル(OIC、0.1μMデキサメタゾン、50μMアスコルベート−2−ホスフェート、10mM b−グリセロホスフェート)を含有する培養培地で培養した。培養後4〜5日に、細胞溶解物のアルカリフォスファターゼ(ALP)活性を色度測定によって測定した。前記細胞内のミネラル化を測定するために、培養後10−14日にVon Kossa stainingまたはAlizarin Red S分析を行った。
【0184】
細胞増殖分析:hBMMSCに対する前記テスト化合物の細胞毒性を調査するために、hBMMSCを前記(方法bおよびc)と同じ条件で6〜7日間テスト化合物に露出させた。細胞増殖をCellTiter 96 Aqueous One Solution(Promega、#G3581)を使って評価した。各ウェルの490nmにおける吸光度はマイクロプレートリーダー(microplate reader、Molecular Device)で測定し、%成長抑制を対照群と比較して算定した。
【0185】
RT−PCR:アルカリフォスファターゼ(ALP)に対するmRNAレベルを分析するために、4日間化合物処理をするかまたはしないhBMMSCからトリゾール(Trizol、Invitrogen−GIBCO−BRL、Baltimore、MD)を用いて全体RNAを分離した。2μgのRNAを、ランダム六量体(random hexamer、50ng)を有する総体積20μlの内で、製造者のガイドラインに沿ってSuperscript II逆転写システム(Invitrogen−GIBCO−BRL)を使って逆転写した。PCRを5μl cDNA、100pmolプライマー、100μM dNTPs、1X Taqバッファ、および1.5mM MgClを含有する50μlの体積内で行った。反応混合物を10分間80℃に加熱し、その後にTaqを添加した。cDNAsを25(EphB2受容体)または15(GAPDH)サイクルの間増幅させた。1ラウンドの増幅は94℃で1分、60℃で2分、および72℃で2分なされ、最終伸長時間(final extension time)は72℃で10分であった。前記PCR生成物を溶解させ、2%gelにおいて電気泳動(electrophoresis)によって可視化(visualize)し、エチジウムブロマイド(Ethidium bromide)で染色させた。用いられたALP PCRプライマーは5’−ATCGGGACTGGTACTCGGATAA−3’および5’−ATCAGTTCTGTTCTTCGGGTAC−3’であった。GAPDHに対するプライマー対(Primer pairs)は5’−GGTGCTGAGTATGTCGTGGA−3’および5’−ACAGTGTTCTGGGTGGCAGT−3’であった。ハウスキーピング遺伝子(housekeeping gene)、GADPHは対照群として用いられた。
【0186】
結果
化合物B 20μMは、hBMMSCに単独処理された時、ALPレベル(77%)を減少させ(図4)、また、細胞増殖を抑制させた(51%)。20μMの化合物Bは、骨形成誘導カクテル(osteogenic induction cocktails)と共に処理された時、溶媒対照群(vehicle control)に比べてALPレベルを減少(80%)させた。その反面、20μMの化合物CまたはDはALPレベルを顕著に高め(各々200%および202%)(図4)、それが単独で処理された時、前記細胞増殖(各々127%および83%)に顕著な影響を及ぼすことはなかった。また、化合物CおよびDは、骨形成誘導カクテル(OIC)と共に処理された時、hBMMSCのミネラル化を強く誘導した(図5)。様々な濃度の化合物CおよびDが処理された時、両化合物は0.5μMにおいても骨形成誘導活性(stimulation of mineralization)を示した(図6)。hBMMSCにおけるALP mRNA発現は化合物CおよびDの処理によって増加した(図7)。
【0187】
実施例3
マウス胚幹細胞における心筋形成(cardiomyogenesis)調節活性
本実施例においては次の化合物(化合物BおよびE)が用いられた。
【化43】

【0188】
方法
a.細胞培養:129/S6ストレイン(strain)から誘導されたTC1マウス胚幹(ES)細胞を、15%FBS(Hyclone)、0.1mMβ−メルカプトエタノール、1μMピルビン酸ナトリウム、1mM L−グルタミン、および1X 非必須アミノ酸で補充された高濃度ブドウ糖(high−glucose)DMEM(GibcoBRL、Germany)である培養培地および照射された栄養細胞層(irradiated feeder layer)上で培養した。
【0189】
b.α−MHCが安定に形質転換された胚幹細胞株(ES cell line)の確立:pEGFP−1(Clontech Laboratories、Inc.,CA、USA)のEcoRIおよびSalI位置の間に前記マウスのα−MHC遺伝子の1.8kbプロモーターシーケンスを含有する構造体(construct、図8)をXhoI位置において線形化(linearization)し、Gene Pulser II(BioRad、MA)を用いてマウスES細胞、TC1に導入した。G418を含む選択培地を電気穿孔(electroporation)後、24時間から2週間適用した。前記選択されたES細胞クローンを収穫し、栄養細胞層上で増殖させた。本実験においては、心筋細胞(cardiomyocytes)に分化する時に緑色蛍光を発現するクローンを使用した。
【0190】
c.心筋形成調節活性分析:2日間、約600個のES細胞を使い、懸滴培養(hanging drop culture)によって胚様体(embryoid body)を形成し、それを再び2日間ペトリ皿(Petri−dish)上の懸濁条件で培養することによってより増殖させた。その次、各EBを96ウェル培養プレートのウェル上にプレーティングした。テスト化合物をDMSOに溶解させ、培養培地(最終0.05%DMSO)で薄め、EBを5日間テスト化合物で処理した。プレーティング後、培養培地を3日ごとに交換した。EGFPの発現レベルをFACS(Beckman)で測定した。各化合物による、DMSO対照群と比較したEGFP発現レベルの倍数変化(Fold change)を表2(心筋形成)に要約した。FACS分析のために、分化する細胞をトリプシンで分離した。分化の程度を測定するために、EBを観察し、逆相蛍光顕微鏡(inverted fluorescence microscope、Zeiss、Germany)を使って撮影した。1日に1回、拍動するEB(beating EBs)の数を前記顕微鏡でカウントして記録した。
【0191】
d.リアルタイムRT−PCR:心筋形成マーカー遺伝子、Atrial Natriuretic Peptide(ANP)およびNkx2.5のmRNAレベルを分析するために、全体RNAを7日および10日間化合物Eで処理するかまたは処理しない幹細胞からトリゾール(Invitrogen−GIBCO−BRL、Baltimore、MD、USA)を用いて分離した。各mRNAの相対的な発現レベルを測定した。
【0192】
結果
DMSO処理対照群EBは、時間が経つにつれ、蛍光発現の漸次的な増加を示したが、その発現レベルは培養後5日においても極小的であった。化合物Eの処理(10μM)は、蛍光顕微鏡で観察した時、処理後の蛍光の発現を増進させた。また、そのレベルはDMSO対照群に比べて5日に顕著に増進した(図9)。蛍光発現細胞の細胞集団(cell population)のFACS分析は、DMSO対照群(図10)に比べ、10μMの化合物Eの処理(図11)によって4.6倍増加した蛍光陽性(α−MHC陽性)細胞のパーセントを示した。また、それの心筋形成分化増進活性は容量依存的であった(図12)。化合物Eを7日および10日間処理した時、化合物Eは、DMSO対照群に比べ、ES細胞においてANPおよびNkx2.5 mRNAの発現レベルを強く増加させた(図13)。化合物Bをマウス胚幹細胞に5日間10μMで露出させた時、化合物Bの処理は蛍光の発現を減少させた(0.26:1=化合物B:DMSO対照群、図14)。
【0193】
実施例4
C2C12筋芽細胞(MYOBLAST)細胞における筋形成の調節
本実施例においては次の化合物(化合物BおよびF)が用いられた。
【化44】

【0194】
物質および方法
a.細胞培養:American Tissue Type Collection(ATCC)から購入したマウス(murine)C2C12筋芽細胞の細胞株(大腿筋(thigh muscle)からの衛星細胞(satellite cells))を、マルチウェルまたは組織培養ペトリ皿(Corning−Costar Inc.U.S.A.)および37℃にて5%COで供給された湿度調節大気環境で、抗生剤溶液(ペニシリンおよびストレプトマイシン)で補充された成長培地(GM;growth medium)であるグルタマックス(Glutamax)が添加された10%FBS/DMEMを用い、成長対数期(exponential phase)に維持した。
【0195】
b.分化の誘導およびテスト化合物の処理:100%コンフルアンス(confluence)に到達するまで、毎日、細胞をリン酸緩衝溶液(phosphate buffered saline、PBS)で2回洗浄し、培地を交換した。その次、コンフルアント細胞(皿表面を十分に覆う同一の細胞密度の筋芽細胞)を後有糸分裂状態(post mitotic status)に誘導し、成長培地(GM)を分化培地(DM、differentiating medium)として考案された2%(v/v)馬血清HS/DMEMに代替することによって分化および融合(fusion)を開始させた。前記で言及した条件において、C2C12筋芽細胞は容易にそして十分に筋管(myotubes)に分化し、したがって、その後の5日間分化プロセスの調節を実験することができた。前記研究中、実験的な因子(factor)を有しないかまたは有する新しく準備された培地を毎24時間ごとに交換した。テスト化合物をDMSOに溶解させ、培養培地で薄めた。テスト化合物(特定されていない場合、10μMが使われ、最終DMSOは0.1% v/vであった。)またはDMSO(0.1% v/v)を前記培地に添加した。
【0196】
c.MyoDおよびMyf5の発現:細胞を溶解させ、文献(Verma et al.,British J Pharmacol,2004,143,106−13)に記述された通り、ウェスタン免疫ブロット分析(Western−immunoblot analysis)によってタンパク質の発現レベルを分析した。タンパク質サンプルの同一量をドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって分離し、ニトロセルロース膜に移動させた。前記膜を5%ウシ血清アルブミン(bovine serum albumin、BSA)で遮断し、標識された1次抗体と共に12〜16時間培養した:1/400で薄められた多クローン性C20アンチMyoD(Santa−Cruz、Biotechnology、Santa Cruz、CA)、前記タンパク質のCOOH−末端部分を直接指示する多クローン性アンチ−Myf5.PBSで何回か洗浄した後、膜を化学発光試薬(chemiluminescence reagents)で培養した。
【0197】
結果
C2C12は骨格筋分化の研究に用いられる特徴がよく知られた(well−characterized)細胞培養モデルである。低い血清濃度のような分化のための増殖許容条件下で、C2C12筋芽細胞は分化して筋管を形成する。この細胞を、2%馬血清を含有する分化培地(DM)で3日間培養する時、C2C12細胞において広範囲な筋管の形成が観察された。これらの筋管を形成するC2C12細胞は、成長培地(GM)において細胞の成長(図15C)と比較し、紡錘状(spindle shaped)および膜融合して多核筋管の形成を示した(図15A)。化合物FをGMで成長された前記細胞に添加した時、それは広範囲な筋管の形成を引き起こした(図15B)。また、図15Dに示すように、化合物Fの処理によってMyoDおよびMyf5タンパク質の発現レベルは顕著に増加した。
【0198】
Wnt/β−カテニン信号は筋原性運命(myogenic fate)決定および分化に重要な役割をする(Pan et al.,PNAS 2005,102,17378−83)。筋形成においてWnt経路調節化合物およびWntリガンド間の関連性を調査するために、Wnt1調節培地をテスト化合物BおよびFで処理するかまたは処理しなかった。Myf−5発現はWnt1の処理によって増加し、その発現レベルは化合物Fの共同処理によってより増進された。化合物Bの処理はC2C12細胞におけるMyf−5の発現を減少させ、また、それは、Wnt1と共同処理した時、Wnt1のMyf−5増進活性を相殺した(図16A)。
【0199】
CREB−結合タンパク質(CBP)および/またはその密接に関連した相同体、p300はCF4/β−カテニン信号を含む複数の様々な転写因子の複数の活性に関与すると考えられる。Wnt経路を調節するテスト化合物のCBPまたはp300間の可能な相互作用を評価するために、CBPまたはp300をテスト化合物と共にまたはテスト化合物なしで前記C2C12細胞に露出させ、Myf5タンパク質の細胞(cellular)発現レベルを測定した。化合物Fは、DMSO対照群に比べ、5および10μMにおいて容量依存的にMyf5発現を増加させた。化合物Bは、DMSO対照群に比べ、5および10μMにおいて容量依存的にMyf5発現を減少させた。また、P300を化合物Bと共に共同処理した場合には化合物BによるMyf5発現の減少を回復させたが、CBPを共同処理した場合には変化がなかった(図16B)。これは、同一の信号経路において、化合物Bはp300を遮断するかそれと競争するが、密接に関連した相同体であるCBPとはそうではないということを示唆する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幹細胞の分化を誘導または抑制するための、下記一般式(I)の化合物を含む組成物:
【化1】

(I)
ここで:
Eは−(ZR)−または−(C=O)−であり;
Gは不存在であるか、−(XR)−、または−(C=O)−であり;
Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または不存在であり;
Yは酸素または硫黄であり;
XまたはZは独立に窒素またはCHであり;
、R、R、R、およびRは同じであるか異なり、下記群から独立に選択される:
アミノ酸側鎖部分;
1−12アルキルまたは置換C1−12アルキル、この時、前記置換C1−12アルキルはアミノ、グアニジノ、C1−4アルキルグアニジノ、ジC1−4アルキルグアニジノ、アミジノ、C1−4アルキルアミジノ、ジC1−4アルキルアミジノ、C1−5アルキルアミノ、ジC1−5アルキルアミノ、スルフィド、カルボキシル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
1−6アルコキシ;
6−12アリールまたは置換C6−12アリール、この時、前記置換C6−12アリールはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有し得る5〜7環構成員を有する単環式アリール−アルキル、または
アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する置換された単環式アリール−アルキル;
窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有し得る8〜10環構成員を有する二環式アリール−アルキル、または
ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する置換された二環式アリール−アルキル;
窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有し得る5〜14環構成員を有する三環式アリール−アルキル、または
ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する置換された二環式アリール−アルキル;
アリールC1−4アルキルまたは置換アリールC1−4アルキル、この時、前記置換アリールC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキル、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、ヒドロキシル、アミド、C1−6アルキルオキシC1−6アシル、およびモルホリニルC1−6アルキルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
シクロアルキルアルキルまたは置換シクロアルキルアルキル、この時、前記置換シクロアルキルアルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;および
シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、この時、前記置換シクロアルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する。
【請求項2】
、R、R、R、およびRは同じであるか異なり、下記群から独立に選択される、請求項1に記載の組成物:
1−12アルキルまたは置換C1−12アルキル、この時、前記置換C1−12アルキルはアミノ、グアニジノ、C1−4アルキルグアニジノ、ジC1−4アルキルグアニジノ、アミジノ、C1−4アルキルアミジノ、ジC1−4アルキルアミジノ、C1−5アルキルアミノ、ジC1−5アルキルアミノ、スルフィド、カルボキシル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
1−6アルコキシ;
シクロアルキルC1−3アルキル;
シクロアルキル;
フェニルまたは置換フェニル、この時、前記置換フェニルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
フェニルC2−4アルキルまたは置換フェニルC2−4アルキル、この時、前記置換フェニルC2−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、スルフィド、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ナフチルまたは置換ナフチル、この時、前記置換ナフチルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ナフチルC1−4アルキルまたは置換ナフチルC1−4アルキル、この時、前記置換ナフチルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ベンジルまたは置換ベンジル、この時、前記置換ベンジルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、トリフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ビスフェニルメチルまたは置換ビスフェニルメチル、この時、前記置換ビスフェニルメチルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ベンジルフェニルアミドまたは置換ベンジルフェニルアミド、この時、前記置換ベンジルフェニルアミドはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ピリジルまたは置換ピリジル、この時、前記置換ピリジルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ピリジルC1−4アルキルまたは置換ピリジルC1−4アルキル、この時、前記置換ピリジルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ピリミジルC1−4アルキルまたは置換ピリミジルC1−4アルキル、この時、前記置換ピリミジルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
トリアジン−2−イルC1−4アルキルまたは置換トリアジン−2−イルC1−4アルキル、この時、前記置換トリアジン−2−イルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
イミダゾリルC1−4アルキルまたは置換イミダゾリルC1−4アルキル、この時、前記置換イミダゾリルC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
ベンゾチアゾリンC1−4アルキルまたは置換ベンゾチアゾリンC1−4アルキル、この時、前記置換ベンゾチアゾリンC1−4アルキルはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、およびヒドロキシルから独立に選択される1つ以上の置換体を有する;
フェノキサジンC1−4アルキル;
ベンジルp−トリルエーテル;
フェノキシベンジル;
N−アミジノピペラジニル−N−C1−4アルキル;
キノリンC1−4アルキル;
N−アミジノピペラジニル;
N−アミジノピペリジニルC1−4アルキル;
4−アミノシクロヘキシルC1−2アルキル;および
4−アミノシクロヘキシル。
【請求項3】
Eは−(ZR)−であり、Gは−(XR)−であり、ここで、ZはCHであり、Xは窒素であり、前記化合物が一般式(II)の構造を有する、請求項1に記載の組成物:
【化2】

(II)
【請求項4】
前記化合物が一般式(III)の構造を有する、請求項3に記載の組成物:
【化3】

(III)
【請求項5】
Eは−(ZR)−であり、Gは不存在であり、ここで、Zは窒素であり、前記化合物が一般式(IV)の構造を有する、請求項1に記載の組成物:
【化4】

(IV)
【請求項6】
Eは−(ZR)−であり、Gは−(XR)−であり、ここで、ZおよびXは独立にCHであり、前記化合物が一般式(V)の構造を有する、請求項1に記載の組成物:
【化5】

(V)
【請求項7】
前記化合物が一般式(VI)の構造を有する、請求項6に記載の組成物:
【化6】

(VI)
【請求項8】
幹細胞の分化を誘導または抑制する方法であって、幹細胞を請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の組成物と前記幹細胞の分化を調節するのに有効な量で接触させるステップを含む、幹細胞の分化を誘導または抑制する方法。
【請求項9】
骨形成、心筋形成、および筋形成からなる群から選択されるものを誘導または抑制するための、請求項8に記載の幹細胞の分化を誘導または抑制する方法。
【請求項10】
神経形成および造血(hematopoiesis)からなる群から選択されるものを誘導または抑制するための、請求項8に記載の幹細胞の分化を誘導または抑制する方法。
【請求項11】
癌幹細胞(cancer stem cell)または癌開始細胞(cancer initiating cell)の増殖または自己再生(self−renewal)を抑制するための方法であって、前記幹細胞を請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の化合物と癌幹細胞または癌開始細胞の増殖または自己再生を抑制するのに有効な量で接触させるステップを含む、癌幹細胞または癌開始細胞の増殖または自己再生を抑制するための方法。
【請求項12】
前記幹細胞は、前記化合物が1nM〜50μM含まれている培地で培養される、請求項8に記載の幹細胞の分化を誘導または抑制する方法。
【請求項13】
請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容可能な担体を含む薬学組成物。
【請求項14】
骨粗しょう症、骨折(bone fracture)、骨損傷、心筋梗塞症、心筋ミオパチー、退行性筋肉病、および尿失禁からなる群から選択された医療病態を治療のための、請求項13に記載の薬学組成物。
【請求項15】
前記薬学組成物を対象に投与することにより、癌性腫瘍(cancerous tumor)内に存在する癌幹細胞の成長を選択的死滅(selective killing)、抑制または調節するための、請求項13に記載の薬学組成物。
【請求項16】
筋形成を誘導するための、請求項6に記載の組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公表番号】特表2009−538903(P2009−538903A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513059(P2009−513059)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【国際出願番号】PCT/KR2007/002621
【国際公開番号】WO2007/139346
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(508353891)チュンウェ ファーマ コーポレーション (7)
【Fターム(参考)】