説明

広帯域の帯域阻止を行うSAWフィルタ

本発明は帯域阻止フィルタに関する。この帯域阻止フィルタは、直列分岐中とそれぞれ並列インピーダンス素子が配置されている複数の並列分岐中とに少なくとも1つの直列共振器を備えたラダー型構造を有している。この場合、少なくとも1つの直列共振器の交差指型変換器における平均フィンガ周期は、並列インピーダンス素子の交差指型変換器における平均フィンガ周期よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
望ましくない周波数帯域を抑圧するために帯域阻止フィルタが必要とされる。この種のフィルタはたとえば、無線伝送標準において互いに近くに位置する2つの周波数帯域がある場合、これら2つの周波数帯域のうち一方の周波数帯域を除去するときに有利に用いることができる。この場合、要求されている受信帯域のほかにさらに別の周波数範囲も抑圧せずにフィルタが通過させることができるようにしなければならない。フィルタの通過帯域は理想的なケースでは、受信すべきシステムの少なくとも1つの帯域幅を有するようにし、そこにおいてはごく僅かな挿入損しか生じないようにすべきである。したがって阻止領域においてはフィルタは高い減衰特性をもつようにし、理想的なケースでは通過領域から帯域阻止領域への迅速な移行つまりは通過帯域において急峻な側縁をもつようにすべきである。
【0002】
阻止帯域幅が狭い様々なノッチフィルタおよび帯域阻止フィルタが知られており、それらは実質的にインピーダンス素子の結線に基づくものである。このようなインピーダンス素子の結線をたとえばSAW共振器を備えたラダー型配置ないしは梯子型配置によって構成することができ、この場合、それらのSAW共振器は直列分岐または並列分岐中に配置されている。そもそも妥当な帯域幅をもつ通過領域を実現するためには、たいていは複雑な整合回路網が必要とされる。
【0003】
SAW帯域阻止フィルタにおいて発生する可能性のあるさらに別の問題は出力耐性ないしは電力耐性の不足であって、これにより電極構造が消耗し、ひいては対応するフィルタ素子が早めに故障してしまう。
【0004】
したがって本発明の課題は、上述の問題点のうち少なくとも1つを解消する帯域阻止フィルタを提供することである。
【0005】
本発明によれば、圧電基板上に実現されその上に配置された一連のSAWインピーダンス素子から成る帯域阻止フィルタが提供される。本発明による装置構成には、少なくとも1つの直列分岐と、この直列分岐に対し並列に接続された並列分岐が含まれており、この場合、上述の少なくとも1つの直列分岐内には少なくとも1つの直列共振器が配置されており、上述の並列分岐内には、交差指型変換器ないしはインタデジタル型変換器を含むそれぞれ少なくとも1つの並列インピーダンス素子が配置されている。帯域阻止フィルタの阻止作用にとって重要であるのは、個々のインピーダンス素子の周波数を決定する交差指型変換器における指状素子の周期すなわちフィンガ周期の比である。この場合、少なくとも1つの直列共振器の交差指型変換器における平均フィンガ周期は、並列インピーダンス素子の交差指型変換器における平均フィンガ周期よりも大きく選定されている。したがって並列インピーダンス素子の交差指型変換器におけるフィンガ周期に対応する共振周波数は、直列共振器における共振周波数よりも高い。
【0006】
この種の装置によれば、阻止帯域の中心周波数に対し2%〜5%を超えるまでの幅をもつ阻止帯域を実現することができる。フィンガ周期の適切な選定により、帯域阻止フィルタの阻止帯域と通過帯域との間の急峻な側縁を維持することもできる。並列インピーダンス素子のフィンガ周期Ppに対する直列共振器のフィンガ周期Ppの適切な比は1.03〜1.10である。このような選定によれば、並列インピーダンス素子の反共振により帯域阻止の右側縁が形成される一方、帯域阻止の左側縁は実質的に直列共振器の反共振により形成される。
【0007】
その際に有利であるのは、複数の並列インピーダンス素子を対応する個数の並列分岐中に設け、直列分岐中にも複数の直列共振器を配置することである。この場合、並列インピーダンス素子各々が他の並列インピーダンス素子とは異なるフィンガ周期をもつようにすることであり、同様に直列共振器各々が異なるフィンガ周期をもつようにすることである。その際、それぞれ1つの並列インピーダンス素子と1つの直列共振器とから成るそれぞれ考えられるペアについてあてはまるのは、フィンガ周期の全体の比が守られると有利なことである。フィンガ周期の差を大きく選定すればするほど、帯域阻止の帯域幅が大きくなる。
【0008】
本発明による帯域阻止フィルタにおいて、並列インピーダンス素子を共振器の設けられていない単純な交差指型変換器として構成することができる。これにより、通過範囲における挿入損が上昇することなく圧電基板表面における所要チップ面積が低減される。これと並行して、素子サイズが低減することから基板材料にかかるコストも節約することができる。この構成により得られるさらに別の利点として挙げられるのは、帯域阻止フィルタの電力耐性が向上することである。つまり明らかであるのは、交差指型変換器のみから成る並列インピーダンス素子においては、交差指型変換器の長さ全体にわたり均一の局所的な電力分布が得られ、これには局所的なピークがないことである。その結果、変換器の長さ全体にわたり均一な負荷が加わることになる。一般に共振器として構成されている慣用の並列インピーダンス素子の場合のようにピークをもつ不均一な電力分布とは異なり本発明による構成によれば、並列インピーダンス素子において生じる最大電力密度が低減される。これにより素子の耐用年数ひいては信頼性が高まり、しかもインピーダンス回路網として構成された帯域阻止フィルタよりも高い電力をフィルタに加えることができる。
【0009】
さらに単純な交差指形変換器として構成されている並列インピーダンス素子を均一に構成し、これが変換器の長さでみて一定の金属化強度ならびに均一に保持されたフィンガ幅とフィンガ間隔をもつようにすると有利である。交差指型変換器を均一に構成することで、さもなければ不均一な個所で局所的な共振が発生し、さらにこの共振によって不均一なところで局所的な電力上昇が引き起こされてしまう。
【0010】
このほか別のやり方として、同期構造を備えたSAW共振器として並列インピーダンス素子を構成すれば、局所的な最大電力密度が最低限に抑えられた並列インピーダンス素子を実現することもできる。この場合、同期共振器は均一な交差指型変換器を有しており、これは両側でそれぞれ1つの反射器により区切られており、この反射器において交差指型変換器のフィンガ幅、フィンガ周期および金属化強度がそのまま続いている。交差指型変換器と反射器との間の間隔もフィンガ周期と一致しているので、同期共振器において全体としてきわめて均一な金属化構造が実現されるようになる。この種の同期共振器によっても共振器の長さ全体にわたりきわめて均一な電力分布が実現され、その際、交差指型変換器から反射器への移行部分で電力負荷が発生する。これに対しここで指摘できることは、たとえば反射器と交差指型変換器との間隔がフィンガ周期とは異なっているようなかなり非同期の共振器の場合には、まさにこの移行部において電力上昇が発生する点であり、これは付加的な局所共振器に起因する可能性がある。
【0011】
電力耐性に関して帯域阻止フィルタをさらに向上させるために、並列インピーダンス素子をカスケード接続された交差指型変換器として構成するかまたは、この種のカスケード接続された交差指型変換器を有する共振器として構成する実施形態が提案される。カスケード接続された交差指型変換器は互いに直列に結線された複数の部分変換器から成り、これらの部分変換器は有利には横方向に互いに密に隣り合って並置されている。つまりカスケード接続された変換器において、n個の部分変換器がカスケード接続された交差指型変換器における開口部全体を分け合う。しかもこのような直列結線より分圧が得られ、したがって各部分変換器に対しカスケード接続されていない変換器よりも僅かな電圧が加わることになる。
【0012】
このカスケード接続を均等に行い、n個の部分変換器を同一に構成するのが有利である。このような実施形態によれば、各部分変換器に電圧全体のn番目の部分のみが印加され、その際、個数nは少なくとも2であり、5またはそれ以上に及ぶ可能性がある。カスケード接続の欠点は、インピーダンス全体を等しく保てるようにするためにはカスケード接続されていない交差指型変換器よりも変換器の面積を係数n2だけ高める必要があることである。このことは部分変換器の長さを長くすることによって行うことができ、もしくは開口部全体の幅をカスケード接続されていないものよりも拡げることによって行うことができる。2回カスケード接続された交差指型変換器(n=2)のためには、インピーダンスを同じに保つならばカスケード接続されていない変換器に対し4倍の面積が必要とされる。これによって音響電力密度が係数4だけ低減される。したがってカスケード接続の度合いは、帯域阻止フィルタのための所要面積を最小化する目的で、所望の電力耐性にとって必要とされる程度に選択される。
【0013】
フィンガ周期が直列共振器とは相対的に大きく隔たっていることから、並列インピーダンス素子は帯域阻止フィルタの通過領域において実質的に静電容量ないしは静的なキャパシタンスとして作用する。これによりスミスチャートにおいてフィルタが不利な位置となってしまうので、この作用を外部の整合素子によって補償するのが有利であり、このようにしてフィルタが再び整合される。このためにはたとえば並列インダクタンスが適しており、これは並列分岐、直列分岐に並列に、あるいは入力側および出力側に対し並列に接続される。
【0014】
これに対し本発明による帯域阻止フィルタにより得られる利点とは、ラダー型の帯域通過フィルタよりも通過領域において著しく高い帯域幅を達成できることであり、用いられる並列インピーダンス素子もしくは直列共振器の極−零点間隔よりもこれを著しく大きくすることができる。並列インピーダンス素子の共振は通過領域よりも著しく上に位置しているので、これにより通過領域においてごく僅かに音響波が励振される。その結果、単純な交差指型変換器として構成された並列インピーダンス素子により、反射器を備えた共振器と比べ通過領域において挿入損がごく僅かに劣化するだけとなる。これに対し、挿入損低減のために全体として反射器を有する直列共振器において、これとは異なる。
【0015】
帯域阻止フィルタを整合させるため、ラダー型配置構成における種々の個所に整合素子を挿入することができる。1つの実施形態によれば、2つの並列インダクタンスにより良好な整合が達成され、これらは帯域阻止フィルタの入力側および出力側においてアースに向かって接続された並列分岐中に設けられている。
【0016】
1つの別の実施形態によれば少なくとも3つの並列分岐が設けられており、これらの並列分岐中にそれぞれ1つの並列インピーダンスが配置されている。その際、中央の並列インピーダンス素子のうちの1つに対し並列に複数のインダクタンスのうちの1つが、アースに向かって接続された並列分岐中に設けられている。
【0017】
1つの実施形態によれば、並列インピーダンス素子の個数は直列共振器の個数よりも多い。ただし帯域阻止フィルタを、入力側および出力側において少なくともそれぞれ1つの直列共振器と結線することも可能である。
【0018】
帯域阻止フィルタにおいて、通過領域と阻止領域を互いにじかに隣り合わせて配置させることができる。通過領域と阻止領域との間の側縁の急峻性は、間隔が狭まるにつれて高くならなければならない。このような急峻性は、1つまたは複数の直列共振器に対し並列にキャパシタンスを接続することにより付加的に向上させることができる。有利にはこれを、インピーダンス素子のほかに基板表面に金属化構造として実現することができる。このキャパシタンスをたとえば、隣り合って金属化された平面の形状で形成することができるし、さらによいのは交差指型構造として形成できるようにすることである。この場合、交差指型構造を、放射された音響表面波の形態の損失を生じさせない単純なキャパシタンスとして構成するのが有利である。この目的でフィンガ周期を、帯域阻止フィルタにおいて用いられる交差指型変換器よりも著しく小さく選定することができる。さらに交差指型構造を、音響波が励起されないまたはほとんど励起されない結晶方向に配置されるよう、基板表面において直列共振器に対し相対的に回転させて形成することも可能である。基板材料としてタンタル酸リチウムが用いられているならば、たとえば交差指型構造を直列共振器の交差指型構造に対し90°回転させることによって、これを実現することができる。
【0019】
帯域阻止フィルタを帯域通過フィルタと直列接続すれば、特性スペクトルがさらに向上する。このようにすれば、阻止領域も側縁両側で境界を成す通過領域も有するフィルタの組み合わせが得られる。このような組み合わせ素子を、定められた帯域幅をもつ要求された通過領域において最小の挿入減衰ないしは挿入損で動作させることができるとともに、いっそう高い周波数に対しダイレクトに接する阻止領域において、第2の帯域を高い阻止作用で減衰させることができる。
【0020】
この種のフィルタの組み合わせについて有利であるのは、帯域通過フィルタも直列共振器と並列共振器から成るラダー型配置構成として形成することである。帯域通過フィルタと帯域阻止フィルタを同じ基板上に配置すれば、さらに別の利点が得られる。それらのフィンガ周期つまりはそれらの中心周波数に関して両方のフィルタは、通過領域の右側縁が阻止領域の左側縁と一致するよう、互いに整合されている。これにより、通過領域と阻止領域との間の最適な側縁と最小の間隔が得られる。この理由から、両方のフィルタにおけるSAWインピーダンス素子全体も同様のフィンガ周期を有することになり、これは知覚可能なパフォーマンス損失を伴うことなく同じ金属化によって実装可能である。このようにして帯域通過フィルタと帯域阻止フィルタを、余分なステップを用いずに1つの共通の製造プロセスにおいて1つの基板上で製造することもできる。
【0021】
しかもこのような組み合わせのために、帯域通過フィルタと帯域阻止フィルタを分離する必要はない。むしろこのような組み合わせを、単一のラダー型配置構成として実現することができる。しかもこの場合、直列共振器を変更することなくそのままにしておいてよい。このようにした場合、直列共振器は一方では、すでに提案したとおり帯域阻止フィルタと整合するよう周波数が設計された並列インピーダンス素子と結線される。他方、帯域通過フィルタに対し整合するようフィンガ周期が設計されている並列インピーダンス素子が設けられる。そこではおおよそ直列共振器が共振するあたりで並列インピーダンスの反共振が生じる。したがって並列インピーダンス素子と直列共振器のフィンガ周期は帯域通過フィルタにおいては、個々の共振器の極−零点間隔にほぼ対応する値だけ異なる。そしてこの値は基板材料と金属化構造とに依存する。
【0022】
次に、実施例および添付の図面を参照しながら本発明について詳しく説明する。図面は概略的に示したものにすぎず、縮尺どおりには描かれていない。よって、図面からは相対的寸法も絶対的寸法も得られるものではない。
【0023】
図1は、整合素子を備えた帯域阻止フィルタの等価回路図
図2は、図1に示したフィルタの金属化構造を示す図
図3は、図1に示した帯域阻止フィルタに関する別の金属化構造を示す図
図4は、誘導性および容量性の整合素子を備えた別の帯域阻止フィルタの等価回路図
図5は、基板上で実現された容量性整合素子を備えたフィルタの金属化構造を示す図
図6は、カスケード接続されたインタデジタル型変換器ないしは交差指型変換器を示す図
図7は、図1に示したフィルタの通過特性曲線を示す図
図8Aは、帯域阻止フィルタの第1の並列共振器における局所的な出力分布を示す図
図8Bは、第1の並列共振器における最大出力密度を示す図
図9Aは、公知の帯域阻止フィルタの第1の並列共振器における周波数に対して最大出力密度を示す図
図9Bは、同じ共振器における局所的な出力分布について示す図
図10Aは、図3による帯域阻止フィルタにおける第1の並列インピーダンス素子の最大出力密度を示す図
図10Bは、同じ並列インピーダンス素子における局所的な電力分布を示す図
図11は、帯域阻止フィルタと帯域通過フィルタとの結線を等価回路図として示す図
図12は、図11に示した装置構成の通過特性曲線を示す図
【0024】
図1は、帯域阻止フィルタの実現可能な構造を示す等価回路図である。これはラダー型構造ないしは梯子型構造のリアクタンスフィルタとして形成され、直列分岐を有しており、この直列分岐中に2つの直列共振器RS1およびRS2が配置されている。この直列分岐に対し並列に3つの並列分岐が設けられており、これらの並列分岐中にそれぞれ1つの並列インピーダンス素子RP1〜RP3が配置されている。これらの並列インピーダンス素子には、フィンガ周期Ppをもつ少なくとも1つの交差指型変換器が含まれており、このフィンガ周期Ppすなわち交差指構造における指の周期は、直列共振器RSもしくはそれらの交差指型変換器の平均フィンガ周期Psよりも小さい。さらにこのフィルタには、直列分岐に対し並列に接続された2つの整合素子AEIが含まれており、これらの整合素子AEIは入力側INおよび出力側OUTにおいてアースに対する並列インダクタンスとして接続されている。
【0025】
図2には実施可能な金属化構造が示されており、これによって図1に示した帯域阻止フィルタを圧電基板上で実現することができる。直列共振器RS1,RS2はシングルゲート共振器として構成されている。並列インピーダンス素子RP1,RP2,RP3は同期共振器(ここでは並列共振器と称する)として構成されており、これらの共振器には直列共振器と同様、それぞれ1つの交差指型変換器が含まれており、これは2つの反射器間に配置されている。この場合、反射器と同期並列共振器の交差指型変換器におけるフィンガ幅およびフィンガ間隔は等しく、これらは反射器に対する交差指型変換器の間隔と同様にフィンガ周期Ppに対応する。図1に付加的に描かれている誘導性整合素子AEIを外部で実現することができる。
【0026】
図3には、本発明による帯域阻止フィルタに関するさらに別の実現可能な金属化構造が示されており、この場合、並列インピーダンス素子RPは共振器の設けられていない単なる交差指構造として形成されている。
【0027】
図4には、帯域阻止フィルタの別の実施形態に関する等価回路図が示されている。この場合、図1に示した帯域阻止フィルタをもとにしてさらに2つの整合素子AECが設けられており、これらはそれぞれ直列共振器に対し並列に接続されたキャパシタンスAEC1およびAEC2を有している。これらの付加的な整合素子AECによって、帯域通過領域の右側の側縁をさらに急峻に形成することができる。
【0028】
図5には、図4に示した帯域阻止フィルタのための金属化について示されている。この場合、容量性整合素子AECは金属化構造として圧電基板上に形成されており、ここでは交差指型変換器の形態で実装されている。直接共振器または並列インピーダンス素子との相互作用を回避するため、容量性整合素子AECにおけるフィンガ周期は直列共振器よりも小さく選定されており、したがって並列インピーダンス素子よりもやはり小さく選定されている。しかもこの交差指型変換器は、直列共振器に対し90°回転させてある。
【0029】
図6にはカスケード接続された交差指型変換器が示されており、これは並列インピーダンス素子としても用いることができるし、直列共振器において反射器といっしょに用いることもできる。カスケード接続された交差指型変換器は直列に接続された2つの部分変換器TW1およびTW2を有しており、これらは互いに並置されていて、これには共通の中央電流レールを設けることができる。このカスケード接続を対称に行うと有利であり、そのようにすることで部分開口部AP1,AP2が等しいサイズとなる。さらに両方の部分トラックを音響的に逆位相で駆動させると有利である。ただし、カスケード接続された交差指型変換器を、たとえば部分トラックの一方を折り返すことなどによって、同位相で駆動可能な部分トラックを備えた1つの部分トラックに変形することも可能である。
【0030】
図7には、2つの帯域阻止フィルタについて通過特性曲線が上下に示されており、これら2つの帯域阻止フィルタは図1の等価回路図に従って形成され図2もしくは図3に描かれている金属化によって実装されている。これによれば、両方のフィルタはほぼ同一の通過特性曲線を有しており、阻止領域についてのみ最小限で互いに偏差していることがわかる。ここに示されているように、並列インピーダンス素子を備えた実施形態は反射器があってもなくても実際には等価であって、反射器の設けられていない形態は、基板表面上のスペースに関してそれによって達成可能な利点ゆえに、たいていは有利なものである。
【0031】
さらに図7には、中心周波数に関する通過領域の相対的帯域幅が5%よりも広く、しかもここでは20%よりも広いことが示されている。最大で+/−2dBの僅かな挿入損をもつきわめて広い通過領域から阻止帯域への移行は、20MHzよりも小さい範囲内で降下する急峻な側縁により経過している(帯域阻止の中心周波数はここでは約900MHz付近にある)。つまりこのことは、有効帯域に対し狭く近づけて阻止帯域における阻止を行うためにこの阻止帯域フィルタを使用できることを表している。
【0032】
図8Aおよび図8Bには、図1および図2に従い形成された帯域阻止フィルタによって達成可能な高い電力耐性について示されている。図8Aには、ここでは903.5MHzである一定の周波数のときの第1の並列インピーダンス素子における電力分布が示されている。この電力分布は、同期共振器として形成された並列インピーダンス素子の長さによって決まるものであり、個々の交差指型変換器のフィンガ各々について垂直方向でX軸上に位置する線として描かれており、ここでX軸は並列共振器の長さの寸法を表す。この図からわかるように、電力分布は著しく均質であり、交差指型変換器の端部において反射器に向かう方向で降下している。このような均質な電力分布により保証されるのは、すべてのフィンガに対し等しく電力が加わることであり、その結果としていかなる個所でも、金属構造の損傷に対して脆弱となってしまうような負荷のピークが生じないようになる。
【0033】
図8Aによる電力分布は一定の周波数で求められたものであるのに対し、図8Bには、第1の並列共振器において求められた最大電力密度が周波数軸上で変化している様子が示されている。この図に示されているように、並列共振器はそれらの機能に従いもっぱら阻止帯域において負荷が加わっており、その際、阻止帯域における最大電力密度はやはり周波数に関して比較的均等に分布して、並列共振器(ここでは第1の並列共振器)に作用している。
【0034】
これに対し図9Aには、類似した帯域阻止フィルタの電力分布が示されている。この場合、図8Aでは同期共振器として構成されていた並列インピーダンス素子がここでは非同期共振器に置き換えられている。この目的で均一の交差指型変換器と均一の反射器が用いられるけれども、反射器におけるフィンガ周期は変換器におけるフィンガ周期よりも小さく、変換器反射器の(フィンガ周縁部で測定した)間隔は、交差指型変換器のフィンガ周期に対し12%低減されている。図9Aによる電力分布によれば、非同期の並列共振器は約903.5MHz付近の阻止帯域において狭帯域の電力急上昇部分を有しており、その電力密度は約4というファクタで中間の値ないしは平均的な値よりも上にある。つまりこのことは、この周波数が加わる帯域阻止フィルタの耐用期間が著しく低減されることを意味する。このことは同時に、同期共振器を用いて並列インピーダンス素子として構成された本発明による帯域阻止フィルタの電力耐性に関して優位性を示すものである。
【0035】
いまいちど明確にする目的で図9Bには、非同期で構成された並列共振器の電力分布が示されており、これは第1の並列共振器の長さを介して決まるものである。ここでわかるように、この場合には電力は並列共振器の長さにわたり均一に分布しているのではなく、交差指型変換器と反射器との移行部分において電力の急上昇が生じており、これはそこに形成されている共振器に起因するものである。このことからもわかるように、この種の共振器はその電力耐性に関して同期共振器よりも著しく低減されている。
【0036】
図10Aには、図3に従って形成され均一な交差指型変換器として構成された並列インピーダンス素子を備えた帯域阻止フィルタにおける第1の並列インピーダンス素子PR1の電力密度が示されている。これによれば同期共振器を備えた実施形態の場合よりも、第1の並列インピーダンス素子のところで周波数によって決まる最大電力密度が周波数に関して著しく均一である状態がおおよそいっそう強くなっていることが示されている。つまりこのことは、阻止帯域において帯域阻止フィルタの負荷を引き起こす可能性のある過剰な電力急上昇が発生していないことを意味する。
【0037】
図10bには、均一な交差指型変換器として構成された並列インピーダンス素子の長さに関して、一例として903.5MHzにおいてシミュレートされた電力分布が示されている。この場合にも、交差指型変換器全体にわたり均一に電力が分布しており、電力急上昇の発生していないことが示されている。
【0038】
次に、一例として本発明による帯域阻止フィルタについてさらに詳しく説明する。図1に示されているようにフィルタは3つの並列インピーダンス素子を有しており、これらはそれぞれ反射器の設けられていない均一な交差指型変換器として構成されている。直列分岐路に2つの直列共振器が配置されており、これらは非同期の共振器として構成されている。このフィルタは、たとえばAlCuAlから成る金属化構造を備えたタンタル酸リチウム基板上に形成される。金属層の厚さ全体は約330nmである。この場合、金属化率は0.65に合わせて調整される。直列共振器の反射器各々は約34個の反射器フィンガを有している。フィルタの入力側および出力側には直列分岐に対し並列に、約6nHのインダクタンスをもつ誘導性整合素子が接続されている。
【0039】
以下の表には、各インピーダンス素子(直列共振器もしくは並列インピーダンス素子)、フィンガ数、開口部、フィンガ周期、カスケード接続および直列共振器における反射器と変換器のフィンガ周期間の比について記載されている。
【0040】
【表1】

【0041】
これらの値を用いることによって、図3に描かれている金属化構造が実現されており、これにより図7に描かれている通過特性曲線が得られる。
【0042】
これに対し、図5のように付加的な容量性整合素子AECとともに構成されている実施形態によれば、阻止領域と通過領域との間でさらに改善された側縁を達成することができる。
【0043】
図11には、本発明による帯域阻止フィルタBSFを備えた慣用の帯域通過フィルタBPFの結線が等価回路図として示されており、これによれば新たな有利な特性を達成することができる。この帯域通過フィルタは、3つの直列共振器および3つの並列共振器を備えたラダー型構造として構成されている。
【0044】
帯域阻止フィルタを、たとえば図1、図2、図3または図5に示したように構成することができる。容量性整合素子を基板平面上で、誘導性整合素子を外部素子として直列分岐路に対し並列に、アースに向かって接続することができる。2つのフィルタBPFとBSFを1つの共通の基板上に、たとえば1つの共通のタンタル酸リチウムチップ上に実装することができる。
【0045】
このような結線によって図12に示されているような通過特性曲線が得られ、これによれば驚くべきことに有利なかたちで双方のフィルタの特性が組み合わせられている。シャープにないしは明確に区切られている通過領域はここでは付加的に急峻な左側縁を有する一方、いっそう広い帯域阻止領域が形成されており、これは単純な帯域阻止フィルタに比べ約45dBというさらに高い選択性を有している。通過帯域および阻止領域はそれぞれ約5%の帯域幅を有している。
【0046】
図11に示した構造の変形実施形態として、帯域通過フィルタと帯域阻止フィルタにおける並列インピーダンス素子を1つの共通のラダー型構造内で任意に混在配置させて実装することができる。両方のフィルタタイプにおける並列インピーダンス素子すべてを、反射器を設けずに均一の交差指型変換器として構成することができ、これらは有利にはカスケード接続されている。直列インピーダンス素子は反射器を備えた共振器として実装されており、これには同様にカスケード接続された交差指型変換器を設けることができる。この場合、直列共振器は交差指型変換器および反射器における種々のフィンガ周期とは非同期で構成されている。直列共振器における反射器と交差指型変換器との間隔を規則的にして1つのフィンガ周期に対応させることができる。ここで間隔は、それぞれフィンガ中央からフィンガ中央により規定されたものである。これにより直列共振器において電力密度が低減されることになり、ひいてはフィルタ全体の電力耐性が高まることになる。ただし直列共振器において、交差指型変換器と反射器との間でこれとは異なる間隔を実現することも可能である。
【0047】
帯域通過フィルタ(BPF)をDMSフィルタ(デュアルモードSAW Dual Mode SAWまたはダブルモードSAW Double Mode SAW)として実現することも可能である。この場合、シングルエンデッド/バランスドDMSフィルタ Single ended/balanced DMS Filter として実現することもでき、したがって集積されたBALUN(Balanced/Unbalanced)機能をもたせることもできる。さらにDMSフィルタをラダー型SAWフィルタと同じ基板上に実装することができるが、これとは別個の基板上に実装することも可能である。これまで本発明についていくつかの実施形態のみを参照しながら説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定されるものではない。たとえば直列インピーダンス素子および並列インピーダンス素子の個数、配置ならびにカスケード接続を任意に変えることができる。さらにフィンガ数や開口部ならびに1つの分岐(並列分岐または直列分岐)におけるインピーダンス素子全体にわたるフィンガ周期の分散について、同様の変更を行うことができる。
【0048】
本発明による帯域阻止フィルタは、たとえば移動通信における将来の端末機器での使用に適しており、その目的は、ディジタルテレビジョン標準DVBH向けに設計されたアンテナをこれと近いGSM800標準のTXバンドから分離することであり、もしくはこのTXバンドからの妨害信号に対しテレビジョン信号を保護することにある。さらに本発明による帯域阻止フィルタをディジタルテレビジョン標準DVB−T向けの受信機に組み込むことができ、その目的はそこにおいてGSM移動無線機器のTXバンドをフィルタリングして取り除くことである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】整合素子を備えた帯域阻止フィルタの等価回路図
【図2】図1に示したフィルタの金属化構造を示す図
【図3】図1に示した帯域阻止フィルタに関する別の金属化構造を示す図
【図4】誘導性および容量性の整合素子を備えた別の帯域阻止フィルタの等価回路図
【図5】基板上で実現された容量性整合素子を備えたフィルタの金属化構造を示す図
【図6】カスケード接続されたインタデジタル型変換器ないしは交差指型変換器を示す図
【図7】図1に示したフィルタの通過特性曲線を示す図
【図8A】帯域阻止フィルタの第1の並列共振器における局所的な出力分布を示す図
【図8B】第1の並列共振器における最大出力密度を示す図
【図9A】公知の帯域阻止フィルタの第1の並列共振器における周波数に対して最大出力密度を示す図
【図9B】同じ共振器における局所的な出力分布について示す図
【図10A】図3による帯域阻止フィルタにおける第1の並列インピーダンス素子の最大出力密度を示す図
【図10B】同じ並列インピーダンス素子における局所的な電力分布を示す図
【図11】帯域阻止フィルタと帯域通過フィルタとの結線を等価回路図として示す図
【図12】図11に示した装置構成の通過特性曲線を示す図
【符号の説明】
【0050】
BSF 帯域阻止フィルタ
BPF 帯域通過フィルタ
RS 直列インピーダンス素子たとえば直列共振器
RP 並列インピーダンス素子たとえば並列変換器または並列共振器
AEI,AEC 整合素子
AEI 並列インダクタンス
AEC 並列キャパシタンス
P フィンガ間隔=フィンガ周期
TW (カスケード接続された)部分変換器
IN 入力側
OUT 出力側
AP 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板および該圧電基板上に配置されたSAWインピーダンス素子を備えた帯域阻止フィルタにおいて、
少なくとも1つの直列分岐と該直列分岐に対し電気的に並列に接続された複数の並列分岐が設けられており、
前記少なくとも1つの直列分岐内に少なくとも1つの直列共振器(RS)が配置されており、前記複数の並列分岐内に交差指型変換器を含む少なくとも1つの並列インピーダンス素子(RP)がそれぞれ配置されており、
前記少なくとも1つの直列共振器における平均フィンガ周期(Ps)は、前記並列インピーダンス素子における平均フィンガ周期(Pp)よりも大きいことを特徴とする、
帯域阻止フィルタ。
【請求項2】
請求項1記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記直列共振器(RS)のフィンガ周期(Ps)と前記並列インピーダンス素子(RP)のフィンガ周期(Pp)との比は1.03〜1.10の間に設定されていることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項3】
請求項1または2記載の帯域阻止フィルタにおいて、
帯域阻止は2.0〜5.5%の相対的な帯域幅を有することを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記並列インピーダンス素子(RP)は反射器の設けられていない単純な交差指型変換器として構成されていることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項5】
請求項4記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記並列インピーダンス素子(RP)内でフィンガ幅とフィンガ間隔が変化しており、1つの電極フィンガからじかに隣り合う電極フィンガまでの個々のサイズの最大変化は0.05%であることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項6】
請求項4記載の帯域阻止フィルタにおいて、
単純な交差指型変換器として構成されている並列インピーダンス素子(RP)は均一であり、一定の金属化部の高さ、一定のフィンガ幅および一定のフィンガ間隔を有することを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記並列インピーダンス素子(RP)は同期共振器として構成されており、共振器の長さにわたり等しく保持されたフィンガ幅、フィンガ周期Ppおよび金属化部の高さを備え、反射器と交差指型変換器との間隔は交差指型変換器のフィンガ周期Ppに対応することを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記並列インピーダンス素子(RP)はそれぞれカスケード接続された交差指型変換器(TW)を有することを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記並列インピーダンス素子(RP)の個数は前記直列共振器(RS)の個数よりも多いことを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記並列分岐に対し並列に誘導性整合素子(AEI)が接続されていることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記直列分岐に対し並列に容量性整合素子(AEC)が接続されていることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項12】
請求項10または11記載の帯域阻止フィルタにおいて、
該帯域阻止フィルタ(BSF)の入力側および出力側(IN;OUT)でアースへ向かって接続された並列分岐内にそれぞれ1つのインダクタンス(AEIIN,AEIOUT)が設けられていることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか1項記載の帯域阻止フィルタにおいて、
それぞれ1つの並列分岐内に配置された少なくとも3つの並列インピーダンス素子(RP)が設けられており、中央の並列インピーダンス素子のうち1つの並列インピーダンス素子に対し並列に、アースに向かって接続された並列分岐内において1つのインダクタンス(AEI)が設けられていることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項14】
請求項10から13のいずれか1項記載の帯域阻止フィルタにおいて、
直列共振器(RS)に対し並列に、並列整合素子(AEC)としてキャパシタンスが設けられていることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項15】
請求項14記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記キャパシタンスは交差指型構造として圧電基板上に形成されており、該交差指型構造のフィンガ周期は少なくとも1つの直列共振器(RS)のフィンガ周期よりも著しく小さく、または該交差指構造は、基板上で音響表面波が発生不可能となるよう該基板上で直列共振器に対し曲げて配置されていることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項16】
請求項8から15のいずれか1項記載の帯域阻止フィルタにおいて、
カスケード接続された交差指型変換器として形成されている並列インピーダンス素子は、直列接続されたn個の部分変換器(TW)を有しており、該部分変換器(TW)は横方向で互いに並置されていて、同じ開口部(AP)とフィンガ接続列を有しており、該フィンガ接続列は同じカスケード接続体内で横方向でじかに隣り合う2つの部分変換器において、λ/2の音響波の位相のずれを生じさせ、ここで2<nであることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項記載の帯域阻止フィルタにおいて、
帯域通過フィルタ(BPF)と直列に接続されていることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項18】
請求項17記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記帯域通過フィルタ(BFP)は同じ基板上に実装されSAW共振器により構成されたラダー型フィルタであることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項19】
請求項17記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記帯域通過フィルタ(BPF)はDMSフィルタとして実装されていることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項20】
請求項19記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記帯域通過フィルタ(BPF)はシングルエンデッド/バランスドDMSフィルタとして実装されていることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか1項記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記並列インピーダンス素子(RP)に加えて少なくとも1つの別の並列分岐中にそれぞれ1つの並列共振器が配置されており、該並列共振器は前記少なくとも1つの直列共振器とともに帯域通過フィルタ(BPF)を成しており、少なくとも1つの並列共振器のフィンガ周期は前記直列共振器(RS)のフィンガ周期(Ps)よりも大きいことを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項22】
ビデオデータおよび/またはオーディオデータの伝送周波数帯域内で付加的に受信するために設計されている移動無線用無線通信端末機器内で、ビデオデータおよび/またはオーディオデータの伝送周波数帯域とじかに隣り合う移動無線周波数帯域を阻止するために使用する、請求項1から21のいずれか1項記載の帯域阻止フィルタの使用。
【請求項23】
オーディオ受信機器および/またはビデオ受信機器用アンテナにおいて、オーディオ伝送帯域およびビデオ伝送帯域とじかに隣り合う移動無線周波数帯域を阻止するために使用する、請求項1から21のいずれか1項記載の帯域阻止フィルタの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−514275(P2009−514275A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536922(P2008−536922)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際出願番号】PCT/DE2006/001798
【国際公開番号】WO2007/048376
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(300002160)エプコス アクチエンゲゼルシャフト (318)
【氏名又は名称原語表記】EPCOS  AG
【住所又は居所原語表記】St.−Martin−Strasse 53, D−81669 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】