説明

広帯域平衡不平衡変成器

本発明は、2個の対称電極(2、3)を備える第1の信号入出力(1)、1個の電極(5)を備える第2の信号入力(4)、第1の信号入力(1)の2個の電極(2、3)と接地(7)との間に位置する数個の導体ループ領域(6、9、10)及び、数個の導体ループ領域(12、13)の第2の直列接続(11)を含む平衡不平衡変成器(バラン)に関連し、第2の直列接続の第1の端子(14)は第2の信号入力(4)の電極(5)と接続されている。2個の第2の導体ループ領域(12、13)はそれぞれの導体ループ領域(6、9)と電磁的に結合される。数個の第2の導体ループ領域(12、13)の第2の直列接続(11)の第2の外部端子(15)は、第1の信号入力(1)の対称電極(2)を接地(7)に接続する数個の第1の導体ループ領域(9、10)の第1の直列接続(8)の中間端子(16)と電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大きな高周波電力を不平衡接続から平衡バイポーラ接続へ、同じくその逆に伝達するための広帯域平衡用変成器(バラン)に関する。
【背景技術】
【0002】
とりわけ高電力範囲における高周波用途にとって、例えば、プッシュプル技術においてパワートランジスタから需要電力レベルを生成するために構成されている増幅器において、平衡用変成器が必要である。これらは、不平衡同軸線又はストリップ線路からの高周波信号を、平衡式に動作する2個のパワートランジスタ又はプッシュプルトランジスタに供給するために互いに対して可能な限り平衡にされるように設計されている2つの信号線に変換する。同様に、2個のパワートランジスタ又はプッシュプルトランジスタの2つの平衡出力信号は、平衡用変成器を介して不平衡同軸線又はストリップ線路のための高周波信号に変換され得る。
【0003】
詳細には、ストリップ線路技術においてプリント回路基板上に配置されるストリップ導体による平衡用変成器の製作がここで望ましい。なぜなら、この形式の製作により、同軸導体技術に比べて、その電気的特性を含む平衡用変成器の技術的製造再現性が大量生産において保証されるからである。平衡用変成器の良好な技術的製造再現性に加えて、同軸線技術に対してストリップ線路技術は、より小さい構造体積及びより安価な製造コストによって特徴づけられる。
【0004】
特許文献1には、この形式の平衡用変成器が提示されている。ここで高周波信号電力の伝達は、その一方が不平衡線路の単極接続に接続されており、他方の導体ループが2個のパワートランジスタ増幅器との二極性平衡接続に接続されている、2個の導体ループ間での変成結合によって行われる。2個の導体ループ間の良好な変成結合は、2個の導体ループがそれらの幾何学的位置に関して、プリント回路基板の上面又は下面で互いに対して位置合わせされているストリップ導体として製作されることにより達成される。
【0005】
パワートランジスタ増幅器に向けて方向づけられた平衡変成器の側での平衡伝達比は、電磁結合によって生成される。この目的で、平衡用変成器の2つの平衡接続は、対称的寸法にされた導体ループ領域を介してパワートランジスタ増幅器の側で図1にしたがって、接地に導かれる。平衡用変成器内での平衡変換に関して、対称的寸法にされた導体ループ領域を介して接地に導かれる不平衡側の導体ループは、不平衡線路の側のこれらの2個の平衡導体ループ領域とパワートランジスタ増幅器の側の2個の平衡導体ループ領域との間で平衡変成結合が生成されるような様態でプリント回路基板上に配置される。このようにして、不平衡線路から増幅器の側の2個の平衡電極への平衡電力配給が保証される。
【0006】
図2に例示されたような、フィールドアナライザによる特許文献1の平衡用変成器の伝達挙動のより精密な解析は、約1.8GHzの伝達挙動における明らかに顕著な共振に基づく平衡用変成器の所定の設計により、平衡用変成器の有効な動作が約860MHzの周波数範囲までしか推奨できないことを明らかにする。加えて、最大860MHzまでのこの狭い帯域周波数範囲における平衡用変成器それ自体の所定の設計により、不平衡側の信号入力における伝達挙動は、平衡用変成器の増幅器側の2つの出力(S12、S13)に対して条件つきでのみ平衡にされる。
【0007】
【特許文献1】欧州特許第0418538A1号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の根底にある目的は、その帯域幅が著しく増大されると同時に、この帯域幅内で、不平衡接続から平衡接続の2個の平衡電極への平衡電力配給が実現されるような様態で平衡用変成器を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は請求項1による平衡用変成器によって実現される。
【0010】
平衡用変成器の平衡側の2個の平衡導体ループ領域の一方が、2個の更なる導体ループ領域に分割される。不平衡側の2個の導体ループ領域と、2個の平衡電極に平衡側で直接接続されている2個の導体ループ領域との間で変成結合が生じる。従来技術とは対照的に、不平衡側のその端点における導体ループは、もはや接地に導かれるのではなく、平衡側の2個の分割された導体ループ領域間でガルバーニ的(galvanically)に結合される。
【0011】
このようにして、例えば、増幅器側で、不平衡電極と2個の平衡電極との間に電気的ガルバーニ的結合と同時に電磁−変成結合が存在する。以下で更に提示されるように、これは、従来技術の平衡用変成器と比較して、平衡用変成器の平衡側の2個の電極間の著しくより平衡にされた電力配給に、そして平衡用変成器の相対帯域幅の著しい増大につながる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明による平衡用変成器の実施形態を引き続き図面に関して更に詳細に説明する。図面には以下が示されている。
【0013】
図3における本発明による平衡用変成器の技術的回路モデルは、2個の平衡電極2及び3を備える第1の信号入出力1並びに電極5を備える第2の信号入出力4を有する。第1の信号入出力1の2個の平衡電極2及び3は、図3に図示されていないパワートランジスタ増幅器の2個の入力に接続されている。第2の信号入出力4の電極5は、例えば、図3には例示されていない同軸線の内部導体に接続され得る。しかし、それはまた、不平衡ストリップ線路、共面線路又はトリプレート(triplate)線路にも接続され得る。
【0014】
第1の信号入出力1の2個の平衡電極の一方3は、図3における平衡用変成器の技術的回路モデルにおいて固有抵抗成分を有する第1の導体ループ領域6を介して接地7に導かれている。第1の信号入出力1の2個の平衡電極の他方2は、固有インピーダンス成分を同様に有する2個の第1の導体ループ領域9及び10よりなる第1の直列回路8を介して接地7に導かれている。2個の電極2及び3とそれぞれ共通の接地7との間の電気的平衡を達成するために、第1の導体ループ領域6の成分は、2個の第1の導体ループ領域9及び10よりなる第1の直列回路8の成分に対して平衡にされて構成されている。
【0015】
第2の導体ループ領域12及び13よりなる第2の直列回路11の第1の外部接続14は、第2の信号入出力4の電極5と接続されている。2個の第2の導体ループ領域12及び13は、互いに対してそれぞれ平衡にされて設計されている固有インピーダンスをそれぞれ有する。第2の直列回路11の第2の外部接続15は、2個の第1の導体ループ領域9及び10の第1の直列回路8の中間接続16にガルバーニ電気的に接続されている。
【0016】
第1の信号入出力1と第2の信号入出力4との間のこの電気的ガルバーニ電気的結合に加えて、第1の導体ループ領域6の成分と第2の導体ループ領域12の成分との間及び、第1の導体ループ領域9の成分と第2の導体ループ領域13の成分との間に、電磁変成結合17が存在する。第1及び第2の導体ループ領域6、9、12及び13の固有インピーダンス成分は、対応する成分と同様に平衡にされて設計されている。第2の導体ループ領域12及び13の設計、そしてまた2個の第1の導体ループ領域9及び10よりなる第1の直列回路8に対する第1の導体ループ領域6の平衡設計は、電気的ガルバーニ電気的結合とともに電磁変成結合を通じて、第1の信号入出力1と第2の信号入出力4との間で、同じくその逆の間で平衡伝達を生じる。
【0017】
図4において、プリント回路基板19によってストリップ線路技術で製作された平衡用変成器が呈示されている。図5はプリント回路基板19の第1の面18の図(“上方からの図”)を示しており、図6はプリント回路基板19の第2の面20の図(“下方からの図”)を示している。
【0018】
第1の信号入出力1の2個の電極2及び3、第2の信号入出力4の電極5、第1の導体ループ領域6、9及び10、並びに第2の導体ループ領域12及び13は、プリント回路基板19の第1及び第2の面18及び20にストリップ導体21として製作される。
【0019】
第1の信号入出力1の2個の平衡電極の一方2は、第1の直線状に延在するストリップ導体22として製作されている。第1の直線状に延在するストリップ導体22に対して小さな間隔34をおいて、第1の信号入出力1の2個の平衡電極の他方3に割り当てられる第2の直線状に延在する導体ストリップ23が配置されている。第1の導体ループ領域6、9及び10は、隙間25を隔ててほとんど閉じた導体ループ24を形成するように結合されている。この導体ループ24の2個の端部26及び27はそれぞれ、2個の直線状に延在するストリップ導体22及び23の端部28及び29と接続されている。ここで、2個のストリップ導体22及び23の空き間隔34は隙間25の幅と一致する。
【0020】
ここで、導体ループ24のループの一方の半部分30は、第1の信号入出力1の電極2と共通接地7との間に配置されている第1の導体ループ領域9及び10を含み、導体ループ24のループの他方の半部分31は、第1の信号入出力1の電極3と共通接地7との間に配置されている導体ループ領域6を含む。好ましくは、2個の第1の導体ループ領域9及び10よりなる第1の直列回路8の中間接続16は、ほとんど閉じた導体ループ24のループの半部分30のほぼ中央に固定される。
【0021】
ほとんど閉じた導体ループ24の2個のループ半部分30及び31の交差点はコールド点32を形成し、その交差点は第1の信号入出力1の反対側でプリント回路基板19の第1の面18に配置されており、その2個の第1及び第2の直線状ストリップ導体22及び23は電極2及び3として構成されている。これは、平衡入力又は出力1への直流供給のために、また接地への熱の分流のために使用され得る。直流供給のために、コールド点32の領域における2個の平行に延在するストリップ導体部材33がほとんど閉じた導体ループ24に導かれており、それらは図4又は5には図示されていないコンデンサのそれぞれ中間接続によって接地するように助成されている。接地への熱の分流は、プリント回路基板19の第2の面20での接地へのコールド点32のスルー接点によって行われるが、前記スルー接点は同様に図4〜6には図示されていない。
【0022】
2個の平行に延在するストリップ導体部材33間には、第3の直線状に延在するストリップ導体35がプリント回路基板19の第1の面18に配置されており、平衡用変成器の第2の信号入出力4の電極5を生じる。
【0023】
プリント回路基板19の第2の面20には、ループ形ストリップ導体36が構成されており、そのストリップ導体は2個の第2の導体ループ領域12及び13の導体ループを生じる。このループ形ストリップ導体36は、それがプリント回路基板19の第1の面18のストリップ導体24の上方で中央に配置されるような様態でプリント回路基板19の第2の面20に幾何学的に位置合わせされている。
【0024】
ここで、ループ形ストリップ導体36の端部にそれぞれ位置づけられる2個の第2の導体ループ領域12及び13の第2の直列回路11の第1及び第2の外部接続14及び15は、ほとんど閉じた導体ループ24のループ半部分30上の第1の導体ループ領域9及び10の第1の直列回路8の中間接続16の領域において、また第3の直線状ストリップ導体35上の第2の信号入出力4の電極5の領域において配置される。それゆえ、第1の導体ループ領域6は、第2の導体ループ領域12と直接平行して一致しており、そしてまた第1の導体ループ領域9も第2の導体ループ領域13と直接平行して一致して、第1の信号入出力1と第2の信号入出力4との間で可能な限り効率的な電磁変成結合を実現する。
【0025】
プリント回路基板19の第1の面18のほとんど閉じた導体ループ24のループ半部分30上の2個の第1の導体ループ領域9及び10の第1の直列回路8の中間接続16は、好ましくはプリント回路基板19のスルー接点40を介して、プリント回路基板19の第2の面20のループ形ストリップ導体36の一端で第2の導体ループ領域12及び13の第2の直列回路11の第2の外部接続15と電気的に接続されている。同様に、プリント回路基板19の第1の面18の第3の直線状に延在するストリップ導体35上の第2の信号入力4の電極5は、プリント回路基板19のスルー接点41を介して、プリント回路基板19の第2の面20のループ形ストリップ導体36の他方端で第2の導体ループ領域12及び13の第2の直列回路11の第1の外部接続14と電気的に接続されている。
【0026】
プリント回路基板19の第2の面20上の第2の導体ループ領域12及び13と関係するループ形ストリップ導体36は、共通接地導体37によって包囲されている。
【0027】
図7において、フィールドシミュレータによりSパラメータの形態で求められた本発明による平衡用変成器の伝達挙動が呈示されている。
【0028】
図2における従来技術による平衡用変成器の伝達挙動とは対照的に、本発明による平衡用変成器は、その伝達挙動における所定の設計により、3GHzを超える周波数でのみ共振を有する。従って、本発明による平衡用変成器は、約2.5GHzの動作周波数まで問題なく動作することができる。そのより高い相対帯域幅に加え、本発明による平衡用変成器は、その問題のない動作周波数範囲において、第1の信号入出力1の2個の平衡電極2及び3間で著しく高い平衡を有する。第2の信号入力4の電極5から第1の信号入出力1の電極2への信号経路における伝達特性曲線(図7におけるSパラメータS1、2)は、約1.6GHzまでの動作周波数範囲において、第2の信号入出力4の電極5から第1の信号入出力1の電極3への信号経路における伝達特性曲線(図7におけるSパラメータS1、3)と実質的に同一の形状を有する。
【0029】
中間接続16は好ましくは、第1の直列回路8を形成する第1の導体ループ領域9、10の長さlが1:3〜3:1の比であるように配置される。本発明の概念に関して、第2の直列回路11の第2の導体ループ領域13の長さlは、第1の直列回路8の第1の導体ループ領域9の長さlに合わせなければならない。図3に例示されたように、第1の直列回路8の2個の導体ループ領域9及び10は好ましくは1:1の比を有する。従って、それぞれ1/2の第1の導体ループ領域9及び10の第1の直列回路8に対する第1の導体ループ領域6の平衡長設計の場合、第1の導体ループ領域9は1/4の長さを有する。従って、第2の直列回路11の第2の導体ループ領域13は1/4の長さで合わせられる。
【0030】
本発明は呈示した実施形態に制限されない。詳細には、いかなる形であれ上に呈示した平衡用変成器と同じ効果を平衡用変成器の帯域幅及び平衡に及ぼす同様又は類似の導体ストリップ構成及び配列は、本発明によって包括される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来技術による平衡用変成器の技術的回路モデル
【図2】従来技術による平衡用変成器の伝達挙動のグラフ表現
【図3】本発明による平衡用変成器の技術的回路モデル
【図4】本発明による平衡用変成器の図
【図5】本発明による平衡用変成器の上面図
【図6】本発明による平衡用変成器の下面図
【図7】本発明による平衡用変成器の伝達挙動のグラフ
【符号の説明】
【0032】
1 第1の信号入出力
2、3 平衡電極
4 第2の信号入出力
5 電極
6、9、10 第1の導体ループ領域
7 接地
8 第1の直列回路
11 第2の直列回路
12、13 第2の導体ループ領域
14 第1の外部接続
15 第2の外部接続
16 中間接続
17 電磁変成結合
18 第1の面
19 プリント回路基板
20 第2の面
21 ストリップ導体
22、23 直線状ストリップ導体
24 導体ループ
25 隙間
26、27 端部
28、29 端部
30、31 ループ半部分
32 コールド点
33 ストリップ導体部材
34 間隔
35 直線状ストリップ導体
36 ループ形ストリップ導体
37 共通接地導体
40、41 スルー接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対して平衡にされている2個の電極(2、3)を備える第1の信号入出力(1)と、
電極(5)を備える第2の信号入出力(4)と、
第1の信号入出力(1)の2個の電極(2、3)と接地(7)との間に配置されている複数の第1の導体ループ領域(6、9、10)と、
複数の第2の導体ループ領域(12、13)の第2の直列回路(11)とを有しており、第2の直列回路の第1の接続(14)は第2の信号入出力(4)の電極(5)と接続されており、2個の第2の導体ループ領域(12、13)は、それぞれ1個の第1の導体ループ領域(6、9)と電磁的に結合されている平衡用変成器であって、
複数の第2の導体ループ領域(12、13)の第2の直列回路(11)の第2の接続(15)が、第1の信号入出力(1)の平衡電極(2)を接地(7)に接続する複数の第1の導体ループ領域(9、10)の第1の直列回路(8)の中間接続(16)と電気的に接続されていることを特徴とする平衡用変成器。
【請求項2】
第1の直列回路(8)は2個の第1の導体ループ領域(9、10)を備えており、第2の直列回路(11)は第2の導体ループ領域(12、13)を備えており、
第1の信号入出力(1)の他方の平衡電極(3)は第1の導体ループ領域(6)を介して接地(7)に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の平衡用変成器。
【請求項3】
互いに対して平衡にされている第1の信号入出力(1)の2個の電極(2、3)、第2の信号入出力(4)の電極(5)及び全部の第1及び第2の導体ループ領域(6、9、10、12、13)は、プリント回路基板(19)の両面に配置されているストリップ導体(21)として製作されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の平衡用変成器。
【請求項4】
第1の信号入出力(1)の2個の電極(2、3)は、プリント回路基板(19)の第1の面(18)で小さな間隔(34)をおいて互いに対して直線状に延在するそれぞれ第1及び第2のストリップ導体(22、23)を介して製作されていることを特徴とする請求項3に記載の平衡用変成器。
【請求項5】
全部の第1の導体ループ領域(6、9、10)は、隙間(25)を隔ててほとんど閉じておりプリント回路基板(19)の第1の面(18)に配置されている導体ループ(24)において製作されており、前記導体ループはその2個の端部(28、29)で第1及び第2のストリップ導体(22、23)の端部(28、29)とそれぞれ接続されており、隙間(25)の幅は第1及び第2のストリップ導体(22、23)間の間隔(34)と一致していることを特徴とする請求項4に記載の平衡用変成器。
【請求項6】
ほとんど閉じた導体ループ(24)の2個のループ半部分(30、31)においてそれぞれ、第1の信号入力(1)の2個の平衡電極(2、3)の一方と接地(7)との間に位置する第1の導体ループ領域(9、10、6)が製作されていることを特徴とする請求項5に記載の平衡用変成器。
【請求項7】
プリント回路基板(19)の第1の面(18)上に、第1の信号入力(1)の反対側に位置するほとんど閉じた導体ループ(24)の領域においてコールド点(32)が配置されることを特徴とする請求項5又は6に記載の平衡用変成器。
【請求項8】
コールド点(32)の領域においてほとんど閉じた導体ループ(24)と直接接続されている平行に延在するストリップ導体部材(33)が、直流の供給又は接地への熱の分流のために使用されていることを特徴とする請求項7に記載の平衡用変成器。
【請求項9】
第2の信号入力(4)の電極(5)を生じる第3の直線状に延在するストリップ導体(35)が2個のストリップ導体部材(33)間に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の平衡用変成器。
【請求項10】
プリント回路基板(19)の第2の面(20)で2個の第1の導体ストリップ領域(9、10)の中間接続(16)と第2の信号入出力(4)の電極(5)との間にほとんど閉じた導体ループ(24)と平行に配置されているループ形ストリップ導体(36)において、2個の第2の導体ループ領域(12、13)の第2の直列回路(11)は製作されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の平衡用変成器。
【請求項11】
プリント回路基板(19)の第1の面(18)のほとんど閉じた導体ループ(24)上の第1の導体ループ領域(9、10)の第1の直列回路(8)の中間接続(16)は、プリント回路基板(19)のスルー接点によって、プリント回路基板(19)の第2の面(20)のループ形ストリップ導体(36)上の第2の導体ループ領域(12、13)の第2の直列回路(11)の第2の接続(15)と接続されていることを特徴とする請求項10に記載の平衡用変成器。
【請求項12】
プリント回路基板(19)の第2の面(20)上の第1の導体ループ領域(6、9、10)及び第2の導体ループ領域(12、13)は共通接地導体(37)によって包囲されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の平衡用変成器。
【請求項13】
中間接続(16)は、第1の直列回路(8)を形成する第1の導体ループ領域(9、10)の長さが1:3〜3:1の比、好ましくは1:1の比を有するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の平衡用変成器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−536839(P2007−536839A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511913(P2007−511913)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003957
【国際公開番号】WO2005/109975
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(501172372)ローデ ウント シュワルツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディット ゲゼルシャフト (39)
【氏名又は名称原語表記】Rohde & Schwarz GmbH & Co.KG
【Fターム(参考)】