説明

床材用化粧板

【課題】 表面保護層を有する化粧紙を貼り合わせた木質基材の該表面保護層と紫外線硬化型樹脂層とが優れた付着性を有する床材用化粧板を提供することにある。
提供する
【解決手段】 木質基材(A)、原紙上に、木目又は抽象柄の絵模様が印刷され、紫外線硬化型樹脂又は二液ウレタン系樹脂からなる表面保護層が形成された化粧紙(B)、アクリル樹脂層(C)、及び、紫外線硬化型樹脂層(D)をこの順に有する床材用化粧板であって、該アクリル樹脂層(C)が、酸価が50mg/KOH以下、Tgが30℃以下の水性アクリル樹脂の乾燥皮膜からなる、厚さ0.5〜20μmの層であり、紫外線硬化型樹脂層(D)が厚さ10〜150μmであることを特徴とする床材用化粧板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付着性が良好な床材用化粧シート貼り化粧板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、意匠性の高い木材を薄くスライスした化粧単板に代わり、合成樹脂製化粧シートや印刷化粧紙を貼り合せた床材が使用され始めている。合成樹脂製化粧シートや印刷化粧紙を貼り合わせた床材は、着色ムラや経時劣化に強い反面、表面保護層が印刷で行われるため表面保護層が薄く、床材としての硬度が不足するだけでなく高級感が得られにくい。
【0003】
近年、印刷化粧紙の表面保護層の構成を工夫し、表面保護層を有する印刷化粧紙の表面に、更に、電子線硬化型塗料を用いて塗装を施し硬度や耐水性、高級感を付与する方法が提供されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
しかしながら、これらの方法においても一般には、後塗装一層目に硬化剤を添加するため、使用時の増粘や、残塗料が使用できない等の問題がある。また、化粧紙の表面保護層の硬化剤や紫外線硬化成分が、経時で完全硬化してしまうと、その後に行う塗膜との付着性が極端に悪化するため、化粧紙の長期の保管ができない。
【0005】
しかしながら、これらの方法においても、一般には、印刷化粧紙の表面保護層には硬化剤が含有されるため、印刷化粧紙の表面保護層の硬化剤や紫外線硬化成分が、経時で完全硬化した場合、その後に、塗工する、電子線硬化型塗料又は紫外線硬化型塗料の塗膜との付着性が極端に悪化する。そのため、表面保護層を有する印刷化粧紙としての長期の保管が困難になり、床材製造工程の自由度が少なくなっている。
【0006】
【特許文献1】特開平11−138734号公報
【特許文献2】特開2002−147004号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、このような従来技術の抱える課題を解決するものであり、表面保護層を有する化粧紙を貼り合わせた木質基材の該表面保護層と紫外線硬化型樹脂層とが優れた付着性を有する床材用化粧板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討の結果、印刷化粧紙の表面保護層と、後塗装の紫外線硬化型樹脂層(D)の間にアクリル樹脂層(C)を挟むことにより優れた付着性を有する床材用化粧板を得ることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、木質基材(A)、紙基材上に、木目又は抽象柄の絵模様が印刷され、紫外線硬化型樹脂又は二液ウレタン系樹脂からなる表面保護層が形成された化粧紙(B)、アクリル樹脂層(C)、及び、紫外線硬化型樹脂層(D)をこの順に有する床材用化粧板であって、該アクリル樹脂層(C)が、酸価が50mg/KOH以下、Tgが30℃以下の水性アクリル樹脂の乾燥皮膜からなる、厚さ0.5〜20μmの層であり、紫外線硬化型樹脂層(D)が厚さ10〜150μmである床材用化粧板を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、木質基材に、表面保護層を有する印刷化粧紙を貼り合わせた床材用化粧板に於いて、該表面保護層と、更に、床材としての機能を向上するために塗工する紫外線硬化型樹脂層とが優れた付着性を有する床材用化粧板を提供することができる。その結果、印刷の意匠性を活かし、且つ、表面硬度にも優れる床材用化粧板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、木質基材(A)、原紙上に、木目又は抽象柄の絵模様が印刷され、紫外線硬化型樹脂又は二液ウレタン系樹脂からなる表面保護層が形成された化粧紙(B)、アクリル樹脂層(C)、及び、紫外線硬化型樹脂層(D)をこの順に有する床材用化粧板であって、該アクリル樹脂層(C)が、酸価が50mg/KOH以下、Tgが30℃以下の水性アクリル樹脂の乾燥皮膜からなる、厚さ0.5〜20μmの層であり、紫外線硬化型樹脂層(D)が厚さ10〜150μmである床材用化粧板を提供する。
【0012】
本発明に用いる木質基材(A)は特に限定されないが、ラワン等の南洋材を貼り合わせただけの普通合板や針葉樹を貼り合わせた針葉樹合板が用いられる。また、印刷化粧紙直下にはMDFなどの平滑な基材を用いることが好ましい。基材を平滑にすることにより化粧紙と基材が平滑に貼り付けられ、良好な外観の化粧板が得られる。
【0013】
化粧紙(B)は、原紙上に、木目又は抽象柄の絵模様が印刷され、紫外線硬化型樹脂又は二液ウレタン系樹脂からなる表面保護層が形成されている。本発明の化粧紙(B)に用いる原紙は特に限定されないが、紙間強度を強化する目的で強化剤を添加した強化薄葉紙などが好ましい。また、木質基材の色を透過させないために坪量30g/m以上の強化薄葉紙が好ましい。これらの原紙上に、床材に求められるような意匠性を有する、木目又は抽象柄の絵模様が印刷される。印刷法式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等の印刷法式が適用できる。尚、これらの模様の印刷に際しては、各種の加工がされていても良い。例えば、木質基材の色を透過させないために、着色隠蔽層を設けたり、原紙との付着を目的にプライマー層を設けたりしても良い。また、絵柄印刷は一層印刷でも複層で印刷されていても良い。
【0014】
表面保護層は、紫外線硬化型樹脂であれば、例えば、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートのオリゴマー成分や、2−ヒドロキシエチルアクリレートやジプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等に代表されるアクリレートモノマー等とラジカル重合光開始剤(例えばベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルケトン等)を混合したものが挙げられる。二液ウレタン系樹脂であれば、例えば、ポリエステル、アクリル等のポリオールとイソシアネートの二液混合したもの等が例示できる。また、表面保護層には必要に応じて、各種の機能を付与するため着色剤、体質顔料、滑剤、可塑剤、消泡剤、酸化防止剤、カップリング剤、有機溶剤及びキレート剤などの添加剤を添加されていてもよい。
【0015】
印刷化粧紙(B)と木質基材(A)は、任意の方法で貼りあわせることが可能である。例えば酢酸ビニルエマルション系、フェノール系、尿素系等の接着剤を用い、加圧プレス法、又はラミネート法等で張り合わせることが可能である。張り合わせた後は接着性の向上と基材の冷却のために数時間の養生時間を置くことが好ましい。
【0016】
貼り合わせた印刷化粧紙と木質基材は、塗装を行う前に実加工や溝加工、小口加工を行うことができる。加工する際は、印刷化粧紙に傷が付かないことが条件であることから、表面保護層は紫外線硬化や二液硬化などの反応系であることが好ましい。
【0017】
化粧紙(B)の表面保護層と紫外線硬化型樹脂層(D)の間に、アクリル樹脂層(C)を介在させることにより、両者の密着性を向上させることが、本発明の趣旨となる。
【0018】
アクリル樹脂層(C)を形成するための塗料組成物は、酸価が50mg/KOH以下、Tgが30℃以下の水性アクリル樹脂を水に分散させた水性アクリル樹脂水分散液、又は、水に溶解させた水性アクリル樹脂水溶液として調製される。
【0019】
これらの内、特に水性アクリル樹脂水分散液が好ましく、酸価が50mg/KOH以下、Tgが30℃以下の水性アクリル樹脂を水に分散させた水性アクリル樹脂水分散液の市販品としては、ハイロスJE−1113(星光PMC社製)が挙げられる。
【0020】
分散助剤としてアルコールやアクリルモノマー、分散剤などが添加されていても構わないが、VOCの観点から完全水性の樹脂分散体であることが好ましい。
【0021】
アクリル樹脂層(C)の塗工方法は、アクリル樹脂層が印刷化粧紙の表面保護層に直接接していれば特に限定されるものではなく、従来公知の方法でかまわない。例えばロールコート法、グラビアコート法、フローコート法、コンマコート法、スプレーコート法等で塗工することにより塗工される。また塗工後はアクリル樹脂の分散乃至は溶解に使用されている溶剤や水が十分乾燥し得るだけの乾燥工程があることが特に好ましい。
【0022】
アクリル樹脂含有の塗料組成物には、さらに必要に応じて本発明の目的を逸脱しない範囲内で、各種の機能を付与するためアクリレートモノマー、光開始剤、体質顔料、滑剤、可塑剤、消泡剤、酸化防止剤、カップリング剤、有機溶剤及びキレート剤などの添加剤を添加することができる。
【0023】
溝加工や、小口加工された基材に塗工する場合は、意匠性向上のために溝部分や小口部分に、印刷化粧紙の絵柄に用いた色のうち、少なくとも1色の着色剤を用いて同等色に着色することができる。着色は従来公知の方法で着色することができ、アクリル樹脂層に着色しても、アクリル樹脂層を塗工した後に着色しても良い。着色に用いられる塗料としては、従来公知の油性、水性いずれのものを用いても構わないが、VOCの観点から、水性の顔料分散体を用いることが好ましい。しかしながら、現状の床材の塗工設備に対応するためには、アクリル樹脂に着色剤を分散し、スポンジリバースコーター、ナチュラルコーターのウェット・オン・ウェット方式で塗工を行うことがより好ましい。着色後は着色剤に使用されている溶剤や水が十分乾燥し得るだけの乾燥工程があることが特に好ましい。
【0024】
アクリル樹脂(C)の上層に形成される紫外線硬化型樹脂層(D)は、1層でも複層でも構わないが、アクリル樹脂層との付着を目的としたシーラー層、耐磨耗剤を含有する中塗り層、トップコート層の少なくとも3層を有することが好ましい。
【0025】
紫外線硬化型樹脂、モノマーの例示として、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートのオリゴマー成分や、2−ヒドロキシエチルアクリレートやジプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどに代表されるアクリレートモノマー等が挙げられる。
【0026】
紫外線硬化型樹脂層(D)を形成する紫外線硬化型塗料の塗装も従来公知の方法で構わず、ナチュラルコーターや、フローコーター、スプレー等を用いることができる。これらの工程で用いられる塗料は従来公知のものを用いることができるが、VOCの観点から溶剤分が5%以下の低溶剤型の紫外線硬化型塗料を用いることが好ましい。
【0027】
前記した、紫外線硬化型樹脂層の各層は、要求される外観や塗装方式に応じて任意に設定することができるが、シーラー層については、5〜20μmの塗膜厚をナチュラルロールコーターにより塗工することが好ましく、より安定的な付着性を目的としてイソシアネート系の硬化剤を5〜15部添加することがさらに好ましい。
【0028】
中塗り層の耐磨耗剤として用いるホワイトアランダムは、どのような形状のものを用いても構わないが、透明性(意匠性)や耐摩耗性、価格の要求から、#280〜#600のものを用いることが好ましい。耐磨耗剤の配合量は、使用する塗料や塗布量、要求性能により任意に設定することができる。例えば前記した低溶剤型の紫外線硬化塗料を用いて、JAS合板の耐摩耗性を維持する目的では、#500のホワイトアランダムを30%配合し、10〜20μmの硬化樹脂層を形成することが好ましい。
【0029】
耐磨耗剤を配合する紫外線硬化型塗料には、ホワイトアランダムの沈降を抑止するように、沈降防止剤やシリカを配合することが好ましい。
【0030】
低溶剤の紫外線硬化塗料を使用する場合、塗料温度は、20〜50℃程度、基材温度は10〜70℃程度であることが好ましい。40℃以下では塗装した光ラジカル反応性塗料組成物の塗装後の表面のレベリング性が得られにくく、木質基材に90℃を超える温度がかかると木質基材そのものが劣化する恐れがある。
【0031】
紫外線を照射する場合、高圧水銀灯、エキシマランプ、メタルハライドランプ等を備えた公知の紫外線照射装置を使用することができる。
【実施例】
【0032】
以下、実施例によって、本発明を具体的に説明する。
【0033】
(化粧紙の作成)
坪量30g/mの紙間強化紙の表面に、プライマー層、着色隠蔽層、木目柄層をグラビア塗工した印刷化粧紙に、アクリルポリオール樹脂100重量部、イソシアネート硬化剤(HMDI)5重量部の組成から成る二液硬化型ウレタン塗料をグラビア塗工方式にて乾燥後塗膜厚15g/mになるよう塗工した。
【0034】
(塗工前化粧板の作成)
乾燥後60℃で3日間養生した化粧紙を、7mm厚のMDF基材に酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を用い、プレス法にて接着し基材となる化粧板を得た。接着した後、60℃にて3日間養生を行い、化粧板を作成した。
【0035】
(塗工板の作成)
塗工前化粧板の作成及び後述の紫外線硬化型樹脂層(D)の形成は、実施例、比較例とも共通にして、アクリル樹脂層(C)を検討する。アクリル樹脂は、表に示す各種アクリル樹脂を用い、水性アクリル樹脂水分散体を調製し、ナチュラルロールコーターにて、ウェット塗布量がそれぞれ20g/mになるように塗工を行い、100℃1分間で乾燥を行った。
【0036】
(実施例1)
前記した水性アクリル樹脂分散体として、酸価42、Tgが−24℃のアクリル樹脂N.V.40%の水性樹脂分散体であるハイロスJE−1113(星光PMC社製)を用いて、ナチュラルロールコーターにて、前述の塗工前化粧板上に、ウェット塗布量がそれぞれ20g/mになるように塗工を行い、100℃1分間で乾燥を行った。
【0037】
(紫外線硬化型樹脂層(D)の形成)
シーラーとしては、2〜3官能のウレタンアクリレート樹脂とACMOを主体とし、体質顔料を8重量部配合した無溶剤型の紫外線硬化塗料をナチュラルロールコーターにて、塗料温度45℃、ウェット塗布量18g/mで塗工を行った。
【0038】
中塗りとしては、エポキシアクリレート樹脂とTPGDA(トリプロピレングリコールジアクリレート)を主体とし、体質顔料を5重量部配合した無溶剤型の紫外線硬化塗料に、耐磨剤として、酸化アルミニウムを主成分とするホワイトアランダム#320を外割で20重量部配合した塗料をナチュラルロールコーターにて、塗料温度45℃、ウェット塗布量25g/mで塗工を行った。
【0039】
上塗りとしては、エポキシアクリレート樹脂とEoTMPTA(エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリアクリレート)、ACMO(モルフォリンのアクリレート)を主体とし、艶消し剤としてシリカを5重量部、体質顔料を10重量部配合し、光沢を40グロス程度に調整した無溶剤型の紫外線硬化塗料をナチュラルロールコーターにて、塗料温度45℃、ウェット塗布量10g/mで塗工を行った。以上の工程で、床材用化粧板(実施例化粧板1)を得た。
【0040】
(実施例2)
中塗りとして、エポキシアクリレート樹脂とTPGDA(トリプロピレングリコールジアクリレート)を主体とし、体質顔料を5重量部配合した無溶剤型の紫外線硬化塗料をナチュラルロールコーターにて、塗料温度45℃、ウェット塗布量25g/mで塗工を行った以外は、実施例1と同条件で、床材用化粧板(実施例化粧板2)を得た。
【0041】
(比較例1)
前述の塗工前化粧板に、アクリル樹脂層を介在させず、直接に、実施例1と同様の紫外線硬化型樹脂層(D)を形成し、床材用化粧板(比較例1化粧板)を得た。
【0042】
(比較例2)
前記した水性アクリル樹脂分散体として、酸価65、Tgが19℃のアクリル樹脂N.V.24.5%の水性樹脂分散体であるPDX−6102B(ジョンソンポリマー社製)を用いた他は、実施例1と同様に、床材用化粧板(比較例2化粧板)を得た。
【0043】
(比較例3)
前記した水性アクリル樹脂分散体として、酸価27、Tgが41℃のアクリル樹脂N.V.45%の水性樹脂分散体であるNeocrylXK−220(DSM社製)を用いた他は、実施例1と同様に、床材用化粧板(比較例3化粧板)を得た。
【0044】
(比較例4)
前記した水性アクリル樹脂分散体として、Tgが40℃のアクリル樹脂N.V.30%の水性樹脂分散体であるスーパーフレックス150(第一工業製薬社製)を用いた他は、実施例1と同様に、床材用化粧板(比較例4化粧板)を得た。
【0045】
(比較例5)
前記した水性アクリル樹脂分散体として、アクリル樹脂N.V.40%の水性樹脂分散体であるラロマーLR9005(BASF社製)を用いた他は、実施例1と同様に、床材用化粧板(比較例5化粧板)を得た。
【0046】
(比較例6)
前記した水性アクリル樹脂分散体として、アクリル樹脂N.V.50%の水性樹脂分散体であるラロマーPE−22WN(BASF社製)を用いた他は、実施例1と同様に、床材用化粧板(比較例6化粧板)を得た。
【0047】
(比較例7)
前記した水性アクリル樹脂分散体として、酸価9.4のアクリル樹脂N.V.35.5%の水性樹脂分散体であるNeopacE125(DSM社製)を用いた他は、実施例1と同様に、床材用化粧板(比較例7化粧板)を得た。
【0048】
(付着性の評価)
碁盤目密着法にて行った。2mm間で、カッターで碁盤目状に切れ目を入れ、セロハン粘着テープを貼り付け強く引き剥がし付着した数を数えた(100/100(付着性良好)、0/100(付着しない))。
【0049】
(磨耗性の評価)
テーバー磨耗試験機にて行った。試験方法はJAS合板の磨耗A試験に準じ、塗膜残存率50%に至るまでの回転数を示した。500回での塗膜残存率が50%以上の場合500回以上と記載した。
【0050】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明により、良好な付着性を有する化粧紙貼り木質床材が提供される。この結果、さまざまな柄の木質フロアが可能となるような新設計の商品の開発、基材色が大きく振れた木質基材の有効活用、木質化粧単板の調色不良によるクレームの減少、調色時間削減による作業効率の向上等様々な利点が示唆される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質基材(A)、原紙上に、木目又は抽象柄の絵模様が印刷され、紫外線硬化型樹脂又は二液ウレタン系樹脂からなる表面保護層が形成された化粧紙(B)、アクリル樹脂層(C)、及び、紫外線硬化型樹脂層(D)をこの順に有する床材用化粧板であって、該アクリル樹脂層(C)が、酸価が50mg/KOH以下、Tgが30℃以下の水性アクリル樹脂の乾燥皮膜からなる、厚さ0.5〜20μmの層であり、紫外線硬化型樹脂層(D)が厚さ10〜150μmであることを特徴とする床材用化粧板。
【請求項2】
前記した紫外線硬化型樹脂層(D)が、複数の層で形成されている請求項1に記載の床材用化粧板。
【請求項3】
前記した紫外線硬化型樹脂層(D)の内、少なくとも一層がホワイトアランダムを含有する紫外線硬化型樹脂層である請求項1又は2に記載の床材用化粧板。

【公開番号】特開2010−76125(P2010−76125A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244007(P2008−244007)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】