説明

床用のカバー及びロッキングシステム、及び、例えば床板を製造する装置

床板は、浮床を形成するために床板が接合される際に床板間の移動を許容する機械式ロッキングシステムを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、概略的に言えば、床板用のロッキングシステムの技術分野に関する。本発明は、一方で、機械的に接合されることが可能な床板用のロッキングシステムに関する、他方で、このようなロッキングシステムが設けられた床板及び床組、及び、このような床板を製造する製造方法に関する。より具体的には、本発明は、とりわけ、主に広い連続的な表面をなす浮床を配置すること、及び、据え付け後に相当程度の形状の変化を示す床板を配置することを可能にするロッキングシステムに関する。
【0002】
応用分野
本発明は、特に、重厚感のある木製床、寄木張り床、薄板の表面を持つ床、高圧積層板又は直接積層板からなる表面層を持つ積層床等のような、木製浮床及び積層床での使用に適したものである。
【0003】
従来技術、既知のシステムの問題、並びに本発明の目的及び特徴についての以下の説明は、このため、非限定的な例として、主にこの応用分野に向けられる。しかしながら、本発明は、機械式ロッキングシステムにより異なったパターンで接合されることを意図した如何なる床板においても使用することが可能である、ということは強調されるべきである。本発明は、従って、下地床に接着剤で付けられたり又は釘や鋲などで付けられる床、又は、芯材を備えた床であって、プラスチックやリノリウム、コルクからなる表面や、ニス塗装された繊維板からなる表面等を備えた床にも応用することが可能である。
【0004】
幾つかの用語の定義
以下の文中において、据え付けられた床板の視認可能な表面は「前面」と呼ばれ、これに対して、下地床に面する床板の反対面は「後面」と呼ばれる。「床面」とは、後面の反対側にあり且つ単一平面に位置付けられている、床板の主な外側の平坦部分を意味する。傾斜面、溝及び同様の装飾的な特徴は前面の部分をなしているが、それらは床面の部分をなしてはいない。「積層床」とは、圧力及び熱が加えられた状態で圧縮されたメラミン含浸紙からなる表面を有する床を意味する。「水平面」とは、床面の外側部分に平行に延在した平面に関連したものである。「垂直面」とは、水平面に垂直である平面に関連したものである。
【0005】
前面と後面との間にある床板の縁のところの、床板の外側部分は、「ジョイント縁」と呼ばれる。「ジョイント縁部分」とは、床板のジョイント縁の一部を意味する。「ジョイント」又は「ロッキングシステム」とは、床板を垂直方向及び/又は水平方向に互いに連結する、協働する連結手段を意味する。「機械式ロッキングシステム」とは、接着剤なしで接合を行うことができることを意味する。機械式ロッキングシステムは、多くの場合、接着剤によって接合されることもまた可能である。「垂直方向ロック」とは、垂直面に平行なロッキングを意味する。原則として、垂直方向ロックは、舌片溝と協働する舌片からなっている。「水平方向ロック」とは、水平面に平行なロッキングを意味する。「ジョイント開口」とは、二つの接合された床板の二つのジョイント縁により画成される溝であって、前面に開口したものを意味する。「ジョイント間隙」とは、前面と、前面に隣り合う舌片の上部とにより画成された領域内における、二つの接合された床板のジョイント縁部分の間の最小距離を意味する。「開口したジョイント間隙」とは、前面へ向けて開口したジョイント間隙を意味する。「視認可能なジョイント間隙」とは、床の上を歩く人が前面から肉眼で視認可能なジョイント間隙、又は、各種の型の床向けの産業で確立されているジョイント間隙の一般的な要求よりも大きいジョイント間隙を意味する。「連続的な浮床面」とは、拡張用ジョイントを用いることなく、ひとまとまりのものとして据え付けられる床面を意味する。
【背景技術】
【0006】
本発明の背景
従来の積層床及び寄木張り床は、通常、既存の下地床上に浮いた状態で据え付けられる。床板のジョイント縁が接合されて床面が形成されることとなるが、床面全体は下地床に対して移動することが可能である。一年を通して変化する相対湿度RHに関連して床板が収縮したり膨張したりするにつれて、床面全体はその形状が変化する。
【0007】
この種の浮床は、通常、接着剤が付けられた舌片及び溝のジョイント(さねはぎジョイント)により接合される。配置の際には、板が水平方向に関して一緒になるように結合されるが、このとき、一つの板のジョイント縁に沿って突出した舌片が、隣接する板のジョイント縁に沿って舌片溝に挿入される。さねはぎジョイントは、床板を垂直方向に位置付け及びロックし、接着剤が板を水平方向に関してロックする。同様の方法が長辺及び短辺の両方で用いられ、そして、板は、通常、長辺が長辺に突き当てられ、短辺が短辺に突き当てられて、平行な列をなして配置される。
【0008】
接着剤付きのさねはぎジョイントにより接合された、このような従来の浮床に加えて、近年、接着剤の使用を必要とせずに、その代わりとして、いわゆる機械式ロッキングシステムにより機械的に接合される床板が開発されている。これらのシステムは、接着剤なしで板を水平方向及び垂直方向に機械的にロックするロック手段を備えている。垂直方向ロック手段は、一般的に、舌片溝と協働する舌片として形成されている。水平方向ロック手段は、ロック溝と協働するロック要素からなっている。ロック要素は、舌片溝の下部から延びるストリップ上に形成することが可能であり、又は、舌片上に形成することも可能である。機械式ロッキングシステムは、板の芯材を機械加工することにより形成することが可能である。代替的には、舌片及び/又はストリップのようなロッキングシステムの部分は、床板に一体化される(すなわち工場でのその製造に関連して床板に予め接合される)別の材料から作られることも可能である。
【0009】
床板は、曲げ入れ、スナップ挿入、いわゆる垂直折り畳みのような垂直方向位置変化、及びジョイント縁に沿った挿入といったものの各種の組み合わせにより機械的に接合されることが可能である。垂直折り畳みを除く、これらの据え付け方法の全ては、床板の一辺(長辺又は短辺)がロック位置に移動し得ることを必要としている。市販されている多くのロッキングシステムは、移動を容易にするためにロック要素とロック溝との間に小さな遊びを持つように製造されている。その意図するところは、移動が可能で、且つ同時に、できるだけ緊密な嵌合いで互いに連結される床板を製造することにある。例えば0.01〜0.05mmの非常に小さな移動遊びは、しばしば、木質繊維の間の摩擦を相当程度減少させるのに十分である。欧州規格EN13329によれば、積層床において、床板間のジョイント開口は、平均して0.15mm以下であり、且つ、床での最大レベルは0.20mm以下であるべきである。浮床の全ての製造者の目標は、ジョイント開口をできるだけ減少させることにある。ロック位置にあるロック要素を備えたストリップが下地床へ向けて後方に曲げられ、且つ、ロック要素及びロック溝が互いに対してパネルをしっかりと押圧するように、プレテンションをかけた状態で製造される床さえも存在している。このような床は据え付けるのが困難である。
【0010】
木製床及び積層床は、また、下地床に対して接着剤で付けたり又は釘や鋲などで付けたりすることにより接合される。このような接着剤で付ける方法又は釘や鋲などで付ける方法は、湿気に起因した移動を抑え、床板が接合された状態を保つ。床板の移動は、各床板の中心のあたりで生じる。膨張及び収縮は、単にそれぞれの床板だけで生じ得るものであり、従って、床面全体の形状を変化させるものではない。
【0011】
下地床に対して接着剤で付けたり又は釘や鋲などで付けたりすることにより接合される床板は、ロッキングシステムを何ら必要としない。しかしながら、それらは、垂直方向位置付けを容易にするように、従来のさねはぎジョイントを有することが可能である。それらは、また、床板をその配置に関連して垂直方向及び/又は水平方向にロックし及び位置付ける、機械式ロッキングシステムを有することが可能である。
【0012】
従来技術及びその問題
浮床の利点は、相対湿度RHの種々の度合いに起因した形状の変化が幅木の下方に隠された状態で生じ得ることであり、また、床板が、それらが膨張及び収縮するにもかかわらず、視認可能なジョイント間隙なしで接合され得ることである。据え付けは、特に機械式ロッキングシステムを用いることにより、手早く且つ容易に行うことが可能であり、且つ、床は、取り外して異なった位置に再び配置することが可能である。欠点は、繊維板の芯材を備えた積層床、又は種々の繊維の方向を持つ幾つかの層を備えた木製床のように、床が相対的に寸法安定性のある床板からなる場合であっても、連続的な床面が原則として制限されてしまうことにある。その理由は、このような寸法安定性のある床は、原則として、RHが25%(冬場)と85%(夏場)との間で変化するときに約0.1%(1m当たり約1mmに対応する)となるような寸法変化を有しているからである。このような床は、例えば、10mの距離では、約10mmだけ収縮及び膨張するであろう。広い床面は、例えば10m又は15mごとに、拡張用ストリップを備えたより小さな面に分割されなければならない。このような分割がなされないと、幅木によってもはや隠しきれない程度に収縮時に床の形状が変化してしまう恐れがある。また、広い連続的な表面が移動するときに大きな荷重が伝達されてしまうので、ロッキングシステムへの荷重も大きなものとなるであろう。荷重は、異なった部屋の間の通路において特に大きなものとなるであろう。
【0013】
欧州積層床材製造者協会(EPLF)によって定められた実施基準によれば、拡張用ジョイントプロファイルは、個々の床材厚板の長さ方向に関して12mよりも大きい表面、及び幅方向に関して8mよりも大きい表面に据え付けられるべきである。このようなプロファイルは、また、部屋の間の出入り口に据え付けられるべきである。同様の据え付けガイドラインが、木の表面を備えた浮床の製造者により用いられている。拡張用ジョイントプロファイルは、一般に、二つの分離した床ユニットの間の床面に固定されたアルミニウム又はプラスチック製の区分片である。それらは、泥を集め、望まれない外観を与え、且つ、かなり高価である。最大床面についてのこれらの制限に起因して、積層床材は、ホテル、空港及び大規模なショッピングエリアのような商業的な用途において小さな市場シェアにしか達していない。
【0014】
均質木製床のような不安定な床は、さらに大きな形状の変化を示すであろう。とりわけ、均質木製床の形状の変化に影響を与える要因は、繊維の方向及び木の種類である。均質オーク床は、繊維の方向、すなわち床板の長手方向に沿って、非常に安定している。横方向においては、RHが一年を通して変化するにつれて、3%(1m当たり約30mmに対応)又はそれよりも多くの移動があり得る。他の種類の木は、さらに大きな形状の変化を示す。大きな形状の変化を示す床板は、原則として、浮いた状態では取り付けることができない。このような据え付けがたとえ可能であったとしても、連続的な床面はかなり限定されたものとなってしまう。
【0015】
下地床に対して接着剤で付けたり又は釘や鋲などで付けたりすることの利点は、広い連続的な床面が拡張用ジョイントプロファイルなしで提供され得ることであり、また、床が大きな荷重を引き受けることができることである。さらなる利点は、床板が垂直方向及び水平方向のロッキングシステムを何ら必要としないことであり、また、それらが、例えば長辺が短辺に接合されるといった、発展したパターンで据え付けられ得ることである。下地床への取り付けを含む、このような据え付け方法は、しかしながら、幾つかの重大な欠点を有している。主な欠点は、床板が収縮したときに板の間に視認可能なジョイント間隙が現れてしまうということである。ジョイント間隙は、特に床板が湿気に敏感な木質材料から作られているときに比較的大きくなり得る。下地床に釘や鋲などで付けられた均質木製床は、3〜5mmのジョイント間隙を持ち得る。板の間の距離は、幾つかは小さく幾らかは大きい間隙として不規則的に分布し得るものであり、また、これらの間隙は常に平行というわけではない。従って、ジョイント間隙は、床板の長さに亘って変化し得るものである。大きなジョイント間隙は、大量の泥(舌片まで落ちて入り込み、膨張時に床板がそれらの元の位置をとらないようにするもの)を収容するものである。この据え付け方法は、多くの時間がかかるものであり、且つ、多くの場合、下地床が、当該下地床に対して接着剤で付けたり又は釘や鋲などで付けたりできるように調整されなければならない。
【0016】
このため、上述した欠点のない浮床、特に、
(a) 拡張用ジョイントプロファイルのない広い連続的な表面からなる浮床、
(b) 一年を通してRHが変化するときに大きな寸法的な変化を示す、湿気に敏感な床板からなる浮床、
を提供することが可能であれば、大きな利点となるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の概要
本発明は、広い連続的な表面をなし、且つ、相対湿度(RH)が変化するにつれて大きな寸法的な変化を示す床板を備えた浮床を据え付けることを可能にする、ロッキングシステム、床板及び床に関する。本発明は、また、このような床を製造するための製造方法及び製造装置に関する。
【0018】
本発明の第1の目的は、機械式ロッキングシステムを備えた矩形状の床板からなる浮床であって、床板の寸法、配置パターン及びロッキングシステムが協働して床板の間の移動を許容する浮床を提供することにある。本発明によれば、個々の床板は、相対湿度の変化に起因して、据え付け後に形状が変化、すなわち収縮及び膨張し得る。このことは、広い視認可能なジョイント間隙のない状態で床板が互いにロックされたままであると同時に、床面全体の形状の変化が減少され又は好ましくはなくなるような態様で、生じるとよい。
【0019】
第2の目的は、広く且つ深い泥収集用のジョイント間隙のない状態で、及び/又は開口したジョイント間隙がない状態で、床板の間における相当程度の移動を許容する、ロッキングシステムを提供することにある。このようなロッキングシステムは、特に、木材のような湿気に敏感な材料に適したものであるが、それだけでなく、広い浮床が、幅が広く及び/又は長さがない床板を用いて、据え付けられるときにも適したものである。
【0020】
長辺及び短辺という用語は、この明細書では、理解を助長するために用いられる。本発明によれば、板は、また、正方形であっても、又は、正方形及び長方形が交互になっていてもよく、且つ、任意に、種々のパターン及び対向辺間の角度を呈していてもよい。
【0021】
この明細書に現れる、床板、ロッキングシステム及び配置パターンの組み合わせは、適切な実施形態における例に過ぎないものである。非常に多くの代替例が考えられる。本発明の第1の目的に適した全ての実施形態は、本発明の第2の目的を具現化する実施形態と組み合わせることが可能である。全てのロッキングシステムは、長辺及び/又は短辺において個別に用いられ得るものであり、また、長辺及び短辺において各種の組み合わせで同様に用いられ得る。水平方向及び垂直方向のロック手段を有するロッキングシステムは、曲げ入れ及び/又はスナップ挿入により接合され得る。ロッキングシステム及び能動的な水平方向及び垂直方向のロック手段の幾何形状は、床板の縁を機械加工することにより形成されるか、又は、床板のジョイント縁部分に接合される前又は後に形成されるか又は代替的に機械加工された別個の材料により形成されてもよい。
【0022】
これらの目的は、従属請求項により完全に又は部分的に達成される。
【課題を解決するための手段】
【0023】
第1の観点によれば、本発明は、機械式ロッキングシステムで接合される矩形状の床板からなる浮床を備えている。接合された床板は、床面に平行である水平面と、水平面に垂直である垂直面とを有している。ロッキングシステムは、垂直面に平行である垂直方向接合及び水平面に平行である水平方向接合のための、第1及び第2ジョイント縁からなる、機械的に協働するロック手段を有している。垂直方向ロック手段は、溝と協働する舌片からなり、且つ、水平方向ロック手段は、ロック溝と協働するロック面を備えたロック要素からなっている。床は、床板の形式、据え付けパターン及びロッキングシステムが、床板が一緒になるように押圧されたり引き離されたときに、1×1mの床面が少なくとも一方向において少なくとも1mmの形状の変化を生じることが可能であるように設計されていることを特徴とする。この形状の変化は、視認可能なジョイント間隙のない状態で生じることが可能である。
【0024】
第2の観点によれば、本発明は、床板を機械的に接合するためのロッキングシステムであって、このロッキングシステムにおいて、接合された床板が、床面に平行である水平面と、水平面に垂直である垂直面とを有するものを備えている。ロッキングシステムは、垂直面に平行である垂直方向接合及び水平面に平行である水平方向接合のための、第1及び第2ジョイント縁からなる、機械的に協働するロック手段を有している。垂直方向ロック手段は、溝と協働する舌片からなり、且つ、水平方向ロック手段は、ロック溝と協働するロック面を備えたロック要素からなっている。第1ジョイント縁及び第2ジョイント縁は、舌片と床面との間に位置する上部ジョイント縁部分及び下部ジョイント縁部分を有している。上部ジョイント縁部分は、下部ジョイント縁部分よりも床面に近い。ロッキングシステムは、床板が互いに接合及び押圧されるときに、二つの上部ジョイント縁部分が互いに離間し、且つ、第1ジョイント縁にある上部ジョイント縁部分の一つが第2ジョイント縁の下部ジョイント縁部分に重なり合うことを特徴とする。
【0025】
この発明の幾つかの好ましい実施形態によれば、床がかなり小さな床板及び多数のジョイントからなり、膨張及び収縮を補償することが可能であると有利である。良好に規定された遊び及びジョイント開口が概して本発明に係る高い品質の床を製造するのに必要とされるので、製造の公差はかなり小さなものとなるべきである。
【0026】
小さな床板は、しかしながら、機械加工中に制御されない態様で回転してしまう傾向にあるので、要求された公差で製造することが困難である。小さな床板が大きな床板に比べて製造が困難である主な理由は、大きな床板であれば、床板の縁を機械加工する際にチェーン及びベルトと接触する、かなり大きな領域を持つということである。このような大きな接触領域は、床板がベルトによりチェーンに固定されたままとし、(接触領域が小さい場合に問題となるかもしれない)床板の供給方向に関しての移動又は回転が生じ得ないようにする。
【0027】
床板の製造は、本質的に、一組のツール及び床板の未加工物が互いに対して相対的に移動するような態様で実行される。一組のツールは、好ましくは、当業者に知られた方法でロッキングシステムを機械加工するように配置され及び寸法が付けられた一つ又は多数のミリングツールからなっている。
【0028】
最も多く使用されている装置は、良好に規定された供給方向に沿って床板を高精度に移動させるのにチェーン及びベルトが用いられる、二重又は一重のエンドテナーである。多くの用途で、主として垂直方向へのずれを防止するために、チェーン及びベルトとともに圧力シュー及び支持ユニットが用いられる。床板の水平方向へのずれは、チェーン及びベルトによってのみ防止される。
【0029】
問題としては、このことが、多くの用途において、特にパネルが小さいときに、十分なものではないということである。
【0030】
本発明の第3の目的は、エンドテナーで、ただし既知の技術で実現可能なものよりも良好な精度で、床板及び機械式ロッキングシステムを製造することを可能にする装置及び製造方法を提供することにある。本発明は、このため、建築用パネル、特に床板を製造するための装置もまた備えるものである。装置は、チェーン、ベルト、圧力シュー及びツールセットからなっている。チェーン及びベルトは、ツールセット及び圧力シューに対して床板を供給方向に移動させるように配置されている。圧力シューは、床板の後面を押圧するように配置されている。ツールセットは、床板がツールセットに対して移動させられたときに床板の縁部分を形成するように配置されている。ツールセットのツールのうちの一つは、床板にガイド面を形成する。圧力シューは、ガイド面と協働するガイド装置であって、供給方向に垂直で且つ床板の後面に平行な方向へのずれを防止するガイド装置を有している。
【0031】
床板の後面に溝が形成されることが可能であること、また、テーブル上に板を移動させるベルトにより床板が移動させられるときに、床板をガイドするために溝へ定規を挿入することが可能であることが知られている。圧力シューがチェーンと協働するエンドテナーにおいて、特別のガイド面及びガイド装置を用いることが可能であることは知られていない。
【0032】
本発明の第4の目的は、機械式ロッキングシステムを備えた矩形状の床板からなる広い半浮床であって、床板の形式、据え付けパターン及びロッキングシステムが、12mを超える長さ又は幅を持つ、広い連続的な半浮床面が、拡張用ジョイントを用いることなく据え付けられるように設計されている半浮床を提供することにある。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1a及び図1bは、本発明に係る第1の型A及び第2の型Bからなる床板であって、この実施形態における長辺4a及び4bが短辺5a,5bの長さの三倍の長さを有する床板を例示している。床板の長辺4a,4bは、垂直方向及び水平方向の連結手段を有しており、また、床板の短辺5a,5bは、水平方向の連結手段を有している。この実施形態において、二つの型は、ロック手段の位置が鏡面反転されている点を除いて同一である。ロック手段は、少なくとも内側への曲げ入れにより長辺4aの長辺4bへの接合を可能にし、また、内側への曲げ入れにより長辺4aの短辺5aへの接合を可能にし、また同様に、垂直動作により短辺5bの長辺4bへの接合を可能にするものである。長辺4a,4b及び短辺5a,5bの両方のヘリンボンパターン又は平行横列での接合は、この実施形態では、単に長辺4a,4bに沿った角度動作により行われる。床板の長辺4a,4bは、この実施形態では、ストリップ6、舌片溝9及び舌片10からなる連結手段を有している。短辺5aは、また、ストリップ6及び舌片溝9を有しており、これに対し、短辺5bは、舌片10を有していない。複数の変形例があり得るであろう。床板の二つの型は、同一の形式である必要はなく、また、ロック手段は、上述したようにそれらが長辺が短辺へ突き当てられて接合され得る限り、異なった形状を有することもまた可能である。連結手段は、同一の材料から作られていても、又は異なった材料から作られていても、又は異なった材料特性を持つ同一の材料から作られていてもよい。例えば、連結手段は、プラスチック又は金属から作られていてよい。それらはまた、床板と同一の材料から作られているが、それらの特性を改変する、含浸等のような処理を受けさせるようにしてもよい。短辺5bは、舌片を有していてもよく、また、床板はそれから、角度動作及びスナップ動作の異なった組み合わせにより、従来の方式でダイアモンドパターンで接合されてもよい。短辺は、また、ロック中に水平方向に移動することが可能な、別個の可撓性のある舌片を有していてもよい。
【0034】
図2aは、互いに接合される二つの床板1,1′の連結手段を示している。この実施形態において、床板は、積層板からなる表面層31と、表面層31よりも柔らかく且つ圧縮力がある、例えばHDFからなる芯材30と、バランス層32とを有している。垂直方向ロックD1は、舌片10と協働する舌片溝9からなっている。水平方向ロックD2は、ロック溝12と協働するロック要素8を備えたストリップ6からなっている。このロッキングシステムは、上部ジョイント縁に沿った内側への曲げ入れにより接合されることが可能である。水平方向スナップによりロックされるような態様に改変することもまた可能である。ロック要素8及びロック溝12は、協働するロック面15,14を有している。床板は、水平方向D2において互いに接合及び押圧されるときに、ロック面14,15の間に遊び20がある位置をとることができる。図2bは、床板が反対方向に引き離され、且つ、ロック面14,15が完全に接触して互いに押圧されたときに、ジョイント間隙21が前面のうち上部ジョイント縁の間に現れることを示している。ロック面14,15の間の遊びは、本発明によれば、上部ジョイント縁が一緒になるように押圧されたとき及び上述したように引き離されたときの上部ジョイント縁の変位に等しいものとして定義される。ロッキングシステムにおける、このような遊びは、縁部分及びロッキングシステムの強度に適合した圧力及び引張り力の下で床板が一緒になるように押圧されたとき及び引き離されたときに生じる最大床移動である。一緒になるように押圧されたときに僅かにのみ圧縮される、硬い表面層又は縁を備えた床板は、この定義によれば、ジョイント間隙に本質的に等しい又はジョイント間隙よりも僅かに大きい遊びを有している。より柔らかな縁を備えた床板は、ジョイント間隙よりも相当に大きな遊びを有することとなるであろう。この定義によれば、遊びは常にジョイント間隙よりも大きいか、又はジョイント間隙に等しい。遊び及びジョイント間隙は、例えば0.05〜0.10mmであるとよい。約0.1mmのジョイント間隙は、許容可能であるものと考えられる。それらは視認が困難であり、また、通常の泥の粒子は大きすぎて、このような小さなジョイント間隙を通ってロッキングシステムに入り込むことはできない。幾つかの用途では、特に、相当程度の圧力及び引張り力が用いられたときに遊び及びジョイント間隙が測定されるならば、例えば0.25mmの遊びの下で、0.20mmまでのジョイント間隙が許容可能である。この最大ジョイント間隙は、湿度が非常に低く(例えば20%以下)、且つ、床への荷重が非常に高い、という極端な条件でのみ生じるであろう。通常の条件及び用途では、このような床でのジョイント間隙は、0.10mm以下であり得る。
【0035】
図2bは、平行横列で据え付けられた、1.2×0.2mの大きさの床板を備えた一般的な積層床を示している。このような積層床は、1m当たり約1mmだけ収縮及び膨張する。ロッキングシステムが約0.1mmの遊びを有しているとすれば、横方向D2Bに関して五つのジョイントがあれば、1m当たり(5×0.1=0.5mm)の膨張及び収縮が可能になるであろう。これは、1mmという最大膨張又は収縮の半分のみを補償する。長手方向D2Aに関しては、1.2m当たり一つのジョイントのみが存在しており、0.1mmの移動を許容している。ロッキングシステムにおける遊び20及びジョイント間隙21は従って、長辺に平行な方向D2に関しての床の収縮及び膨張を減少させるのに僅かに貢献するのみである。床の移動を、遊び20及びジョイント間隙21がない床で通常生じる移動の半分まで減少させるためには、遊び20を0.6mmまで増加させる必要があるが、これは、短辺のジョイント間隙21をかなり大きくしてしまう。
【0036】
図2cは、例えば、HDFのような繊維板からなる芯材30と、約0.1%(すなわち1mあたり1mm)の最大寸法変化を有する、積層板又は薄板からなる表面層とを備えた床板を示している。床板は、平行横列で据え付けられる。この実施形態では、床板は、例えば0.5×0.08mの寸法を持つ、幅が狭く且つ短いものである。遊びが0.1mmであれば、1mの床の長さに亘る、12個のジョイントを備えた12枚の床板が、横方向D2Bに関して、床の最大寸法変化よりも大きな1.2mmの移動を許容するであろう。従って、移動全体は、互いに相対的に移動する床板により生じることができ、且つ、床の外側寸法は不変とすることが可能である。長手方向D2Aに関しては、二つの短辺のジョイントにより、1m当たり0.2mmの移動を補償することのみが可能である。例えば10m幅で且つ40m長の部屋においては、現在推奨されている据え付け原理に反して、床板の長辺が部屋の幅方向に平行で且つ部屋の長さ方向に垂直であるような態様で、据え付けが適切に行われることが可能である。この好ましい実施形態によれば、大きな視認可能なジョイント間隙のない、広い連続的な浮床面には、従って、遊びを備えたロッキングシステムを有するとともに、床面の長さ方向に垂直な平行横列で接合された、幅が狭い床板が設けられているとよい。本発明に係るロッキングシステム、床板及び据え付けパターンは、従って、1×1mの床面が、ロッキングシステム又は床板に損傷を与えることなく、少なくとも一方向に約1mm以上だけ拡張したり一緒になるように押圧されたりすることができるように、調整されるべきである。家庭用セッティングで据え付けられる浮床の機械式ロッキングシステムは、少なくとも200kg/(1mの床の長さ)に対応する引張り荷重及び圧縮力に耐える機械式ロッキングシステムを有している。より具体的には、上述した床面がいずれかの方向に200kgの圧縮荷重又は引張り荷重を受けるとき、及び、床板が約45%の通常の相対湿度の状態にされたときに、上述したような、視認可能なジョイント間隙のない寸法変化を実現することが可能であることが好ましいであろう。
【0037】
機械式ロッキングシステムの強度は、広い連続的な浮床面で非常に重要なものである。このような広い連続的な浮床面は、12mを超える長さ及び/又は幅を持つ床面として定義される。非常に広い連続的な浮床面は、20mを超える長さ及び/又は幅を持つ床面として定義される。もし機械式ロッキングシステムが広い浮床で十分な強度を持っていないのであれば、許容できないジョイント間隙が生じたり、床板が滑って離れたりする恐れがある。200kg/mの引張り荷重が付加されたときに、0.2mmを超える平均ジョイント間隙を示す、積層床のような寸法安定性のある床板は、一般的に、広い高品質の浮床での使用に適していない。本発明は、20m又は40mさえも超える長さ及び/又は幅を持つ連続的な浮床を据え付けるのに使用することが可能である。原理的には、何らの制限もない。10,000m以上の表面を持つ連続的な浮床を、本発明に従って据え付けることが可能である。
【0038】
少なくとも一方向への浮いた状態での移動の主要な部分が、床板の間及び機械式ロッキングシステム内で生じる、このような新規な型の浮床は、以下、半浮床として言及される。
【0039】
図5dは、床板が接合状態で十分に可動であること、及び、ロッキングシステムが広い連続的な浮床面(床が半浮床である)で使用されるのに十分強いことを保証するための、適切な試験方法を例示している。この例では、10個のジョイントを備えるとともに100mm(1mの10%)の長さLを備えた9個のサンプルが、約1mの床の長さTLに対応するように、それぞれの長辺に沿って接合されている。ジョイントの総数(この例では、10個のジョイント)は、Njとして言及される。板は、200kgの10%である20kg(200N)に対応する力Fを用いて、圧縮荷重及び引張り荷重を受ける。床の長さTLの長さの変化(以下、ΔTLとして言及される)が測定されるべきである。平均遊び(以下、AP、すなわち1個のジョイントあたりの床の移動として言及される)は、AP=ΔTL/Njとして定義される。例えばΔTL=1.5mmであれば、平均遊びはAP=1.5/10=0.15mmとなる。この試験方法は、また、床板の寸法変化を測定することとなるであろう。このような寸法変化は、大多数の床板において、遊びに比較して極端に小さいものである。以前に述べたように、先端縁の圧縮、及び床板自体の最終的には幾らかの非常に小さな寸法変化に起因して、平均ジョイント間隙は常に、平均遊びAPよりも小さいものとなるであろう。このことは、ΔTL/Njが常に平均ジョイント間隙21よりも大きいか又は等しいので、床の移動が十分であること(ΔTL)、及び、平均ジョイント間隙21が規定された最大レベルを超えないことを確実にするためには、ΔTLのみが測定及び制御される必要があることを意味している。しかしながら、引張り力Fが付加されたときの、床の実際の平均ジョイント間隙21の寸法は、例えば一組のすきまゲージ又は顕微鏡で直接測定することが可能であり、実際の平均ジョイント間隙(=AAJG)を計算することが可能である。APとAAJGとの間の差は、床板の可撓性(=FF(FF=AP−AAJG))として定義される。積層床において、ΔTLは好ましくは1mmを超えているべきである。より低い又はより高い力Fが、半浮床として用いられる床板、据え付けパターン及びロッキングシステムを設計するのに用いられ得る。例えば通常の湿気条件を備えた家庭環境における幾つかの用途においては、1m当たり100kg(1000N)の力Fで十分であり得る。非常に広い浮床においては、250〜300kg又はそれよりも大きい力Fが用いられ得る。機械式ロッキングシステムは、1000kg又はそれよりも大きいロック力を持つように設計され得る。このようなロッキングシステムにおけるジョイント間隙は、400〜500kgの力Fが付加されたときでさえ、0.2mmまでに制限され得る。ロック要素8、ロック面15,14及びロックストリップ6により引き起こされるプッシュバック効果は、例えば100kgのステップで力Fを増加させたり減少させたりすることにより測定され得る。もし、Fが0から100kgへ増加したとき(=ΔTL1)と、Fが0から200kgへ増加してそれから100kgへ戻るように減少したとき(=ΔTL2)とで、ΔTLが本質的に同一であれば、プッシュバック効果は高いことになる。高いプッシュバック効果を持つ機械式ロッキングシステムは、半浮床において有利である。好ましくは、ΔTL1は、ΔTL2の少なくとも75%であるべきである。幾つかの用途においては、50%であっても十分であり得る。
【0040】
図2dは、ダイアモンドパターンで据え付けられた、図2cに係る床板を示している。この据え付け方法は、床の両方向D2A及びD2Bに関して1ランニングメータ当たり7個のジョイントをもたらす。0.14mmの遊びは、従って、7個のジョイントが7×0.14=1.0mmの総可動性をもたらすので、0.1%の膨張及び収縮を完全に打ち消すことができる。
【0041】
図2eは、ヘリンボンパターンで長辺が短辺へ突き当てられた状態で据え付けられた、上述した床板からなる1mの床面を示し、また、例えば夏場にそれらが最大の寸法まで膨張したときの床板の位置を示している。図2fは、例えば冬場にそれらが収縮したときの床板の位置を示している。固有の遊びを備えたロッキングシステムは、このとき、床板の全てのジョイント縁の間にジョイント間隙21をもたらす。床板がヘリンボンパターンで据え付けられているので、長辺の遊びは、全ての方向に関して床の寸法変化を減少させるのに役立つであろう。図2fは、また、決定的に重要な方向が、7個のジョイント間隙が1.4mの距離に亘る収縮に耐えるように調整されなければならない、床の対角線方向D2C及びD2Dであることを示している。このことは、広い床での配置の最適な方向を決定するのに用いることが可能である。この例では、0.2mmのジョイント間隙があれば、床の全ての方向への移動を完全に打ち消すことができるであろう。このことは、例えば接着剤で付けることにより、浮床の外側部分が下地床に取り付けられることを許容するものであり、これにより、収縮時に床が幅木の外側へ移動することを防止する。本発明は、また、間仕切り壁が、据え付けられた浮床に取り付けられることを許容するものであり、これにより、据え付け時間を減少させることができる。
【0042】
実地の実験によれば、薄板又は積層板からなる表面と、繊維板をベースにしたパネル(例えば寸法安定性のある高品質HDF)からなる芯材とを備えた床が、高度に寸法安定性があるように、且つ、家庭用セッティングで1m当たり約0.5〜1.0mmの最大寸法変化を持つように製造されることが可能であることが実証されている。このような半浮床は、無制限の寸法の空間に据え付けることが可能であり、また、最大遊びは、床板が好ましくは約120mmの幅を持つ場合にはまた約0.1mmに制限することが可能である。例えば0.4×0.06mのような、さらに小さな床板がよりいっそう好ましく、また、このような床板は、それらが形状の安定性のより少ない材料から作られているときにもまた広い表面にうまく対処することができる、ということは言うまでもない。第1の実施形態によれば、本発明は従って、個々の床板が移動することが可能であり且つ床の外側寸法が変化する必要のない、新規な型の半浮床を提案するものである。このことは、板の寸法と、小さな遊び及び小さなジョイント間隙を用いたロッキングシステムの可動性と、床板の据え付けパターンといったものの最適な利用により実現することが可能である。本発明によれば、遊び、ジョイント間隙、床板の寸法、据え付けパターン及び床板の配置の方向についての適切な組み合わせは、従って、浮床での移動を全体的に又は部分的に打ち消すために用いることが可能である。今日可能なものに比べてよりいっそう広い連続的な浮床を据え付けることが可能となり、また、床の最大移動は、現在の技術に当てはまる約10mmまで減少されるか、又は完全になくなることが可能である。このような全てのことは、実際には視認不可能なジョイント間隙であって、湿気及び泥の侵入に関して、プレテンションにより又は十分な可動性を与えない非常に小さな変位遊びにより平行横列で接合される従来の0.2m幅の浮床板と異ならないジョイント間隙の下で生じることが可能である。非限定的な例として、寸法安定性のある床の遊び20及びジョイント間隙21は好ましくは約0.1〜0.2mmであるべきであるということができる。
【0043】
本発明に係る特に好ましい実施形態は、次の特徴を備えた半浮床である。すなわち、表面層が積層板又は木製薄板であり、床板の芯材が、MDF又はHDFのような、木をベースにした板であり、100kg/mの力Fが用いられたときの床の長さの変化ΔTLが少なくとも1.0mmであり、200kg/mの力Fが用いられたときの床の長さの変化ΔTLが少なくとも1.5mmであり、力Fが100kg/mであるときの平均ジョイント間隙が0.15mmを超えず、且つ、力Fが200kg/mであるときの平均ジョイント間隙が0.20mmを超えないものである。
【0044】
このような半浮床板の機能及びジョイント品質は、湿度条件が通常どおりで、且つ、床面の寸法が一般的に推奨される限度内であるときには、従来の浮床板と類似したものとなるであろう。極端な気候条件下であるか、又は、より広い連続的な床面に据え付けられるときには、このような半浮床板は、従来の床板よりも優れたものとなるであろう。力F、床の長さの変化ΔTL及びジョイント間隙21の他の組み合わせが、各種の用途向けの半浮床を設計するために用いられ得る。
【0045】
図3aは、浮床における湿気に起因した移動により引き起こされる問題を抑えるために用いられ得る第2の実施形態を示している。この実施形態において、床板は、直接積層板からなる表面31と、HDFからなる芯材とを有している。この積層板の表面の下方には、メラミンを含浸させた木質繊維からなる層33がある。この層は、表面層がHDFに積層され、且つ、メラミンが芯材へ侵入して表面層をHDF芯材に接合させるときに、形成される。HDF芯材30は、積層板表面31及びメラミン層33よりも柔らかく且つ圧縮力がある。本発明によれば、積層板からなる表面層31、及びまた(適切であれば)表面層の下方にあるメラミン層33の一部又は全部は、装飾溝133が浅いジョイント開口JO1の形状を形成するように取り除かれているとよい。このジョイント開口は、均質木製床の広いジョイント間隙に似たものである。溝133は、一つのジョイント縁のみに作られるとよく、また、ジョイント間隙がより視認されないようにするように、色付けされたり、被膜されたり、又は含浸されたりするとよい。このような装飾溝又はジョイント開口は、例えば、例えば1〜3mmの幅JO1と、0.2〜0.5mmの深さとを持つことが可能である。幾つかの用途において、JO1の幅は、好ましくは、約0.5〜1.0mmとかなり小さいものとなり得る。床板1,1′が互いに向けて押圧されたときには、上部ジョイント縁16,17が圧縮され得る。このような圧縮は、HDFにおいて0.1mmであろう。このような圧縮の可能性は、上述した遊びに取って代わり得るものであり、ジョイント間隙がなくても移動できるようにし得るものである。上述したような化学プロセスは、また、ジョイント縁部分の特性を変化させるとともに、圧縮の可能性を改良するのに役立ち得るものである。もちろん、第1及び第2の実施形態が組み合わされてもよい。0.1mmの遊び及び0.1mmの圧縮の可能性の下で、0.2mmの全体の移動には、0.1mmだけの視認可能なジョイント間隙が与えられ得る。圧縮は、また、ロック要素8及びロック溝12の能動的なロック面15,14の間でも用いられる。通常の気候条件において、床板の分離は、ロック面14,15が互いに接触して何ら実質的な圧縮が生じないときに避けられる。例えばRHが25%以下に落ちるような極端な気候条件下で追加的な引張り荷重を受けたときには、ロック面が圧縮されるであろう。このような圧縮は、ロック面14,15の接触面CSが小さいときに促進される。通常の床の厚さ8〜15mmにおいて、この接触面Cが約1mmかそれよりも小さいと有利である。この技術において、床板は、約0.1mmの遊び及びジョイント間隙でもって製造され得る。RHが25%以下に落ちたり80%を超えたりするような極端な気候条件において、上部ジョイント縁及びロック面の圧縮は、例えば0.3mmの移動を許容し得る。上述した技術は、多くの種々の型の床、例えば高圧積層板、木材、薄板、プラスチック及び同様の材料からなる表面を備えた床に適用され得るものである。この技術は、特に、上部ジョイント縁16及び/又は17の一部を取り除くことにより上部ジョイント縁の圧縮を増加させることが可能な床板に適したものである。
【0046】
図3bは、第3の実施形態を例示するものである。図3c及び図3dは、図3bのジョイント縁の拡大図である。床板1′は、舌片10及び溝9の上部部分及び床面31により画成されるジョイント縁の領域に、上部ジョイント縁部分18及び下部ジョイント縁部分17を有しており、また、床板1は、対応する領域に、上部ジョイント縁部分19及び下部ジョイント縁部分16を有している。床板1,1′が一緒になるように押圧されたときに、下部ジョイント縁部分16,17は互いに接触するであろう。これは、図3dに示されている。上部ジョイント縁部分18,19は互いに離間し、一方の床板1′の一方の上部ジョイント縁部分18は、他方の床板1の下部ジョイント縁部分16に重なり合う。この一緒になるように押圧された位置において、ロッキングシステムは、ロック面14,15の間に例えば0.2mmの遊び20を有している。この一緒になるように押圧された位置での重なり合いが0.2mmであれば、板は、それらが引き離されたときに、表面から見える視認可能なジョイント間隙がない状態で、互いに0.2mmだけ離れることが可能である。この実施形態は、重なり合うジョイント縁部分18によりジョイント間隙が覆われることとなるので、開口したジョイント間隙を有しないであろう。これは、図3cに示されている。ロック要素8及びロック溝12が、可能な分離すなわち遊びが重なり合いよりも僅かに小さくなるようになっていると有利である。好ましくは、床板が引き離されて引張り力Fがジョイントに付加されているときでも、例えば0.05mmの小さな重なり合いがジョイントに存在しているべきである。この重なり合いは、湿気がジョイントに侵入することを防止するであろう。下部縁部分16が上部縁部分18を支持することとなるので、ジョイント縁はより強くなるであろう。装飾溝133は、非常に浅く作ることが可能であり、溝に集められた全ての泥は、通常の掃除に関連した掃除機により容易に取り除くことが可能である。泥も湿気もロッキングシステム内へ侵入して舌片12まで落ちることはできない。重なり合うジョイント縁部分を備えたこの技術は、もちろん、同一の辺、又は長辺及び短辺において他の二つの実施形態と組み合わせることが可能である。例えば、長辺は第1の実施形態に係るロッキングシステムを有し、短辺は第2の実施形態に係るものとすることが可能である。例えば、視認可能な開口したジョイント間隙は0.1mm、圧縮は0.1mm、重なり合いは0.1mmであるとよい。床板における移動の可能性は、このとき、全部で0.3mmであり、また、このような相当程度の移動は、小さな視認可能な開口したジョイント間隙、及び、ジョイント縁の弱化を引き起こす必要のない、重なり合うジョイント縁部分18の制限された水平方向の広がりと両立することが可能なものである。これは、重なり合うジョイント縁部分18が非常に小さく、また、積層板表面及びメラミン含浸木質繊維からなる床板の最も強い部分に作られているという事実に起因したものである。視認可能なジョイント間隙のない状態で相当程度の移動の可能性をそれゆえ与える、このようなロッキングシステムは、上述した全ての用途で用いることが可能である。さらに、このロッキングシステムは、特に、床板が平行横列等で用いられるときの、幅が広い床板の短辺での使用、すなわち、床の寸法変化を打ち消すためにロッキングシステム内に大きな可動性が必要とされる全ての用途での使用に適したものである。それは、フレームFR、すなわち図5cに係るヘリンボンパターンで据え付けられた床の周りのフリーズを構成する床板の短辺で用いることもまた可能である。この実施形態では、図3b〜図3dに示すように、重なり合うジョイント縁部分の垂直方向の広がり、すなわちジョイント開口の深さGDは、床の厚さTの0.1倍よりも小さい。本発明に係る特に好ましい実施形態は、次の特徴を備えた半浮床である。すなわち、表面層が積層板又は木製薄板であり、床板の芯材が、MDF又はHDFのような、木をベースにした板であり、床の厚さTが6〜9mmであり、且つ、重なり合いOLが、100kg/mの力Fが用いられたときの平均遊びAPよりも小さいものである。例として、ジョイント開口の深さGDが0.2〜0.5mm(=0.02×T〜0.08×T)であるとよいということができる。重なり合いOLは、長辺で0.1〜0.3mm(=0.01×T〜0.05×T)であるとよい。短辺での重なり合いOLは、長辺の重なり合いと等しいか、又はそれよりも大きいとよい。
【0047】
図3eは、床板が一緒になるように押圧されたときにジョイント開口JO1が非常に小さいか又は存在しない実施形態を示している。床板が引き離されたときに、ジョイント開口JO1が生じるであろう。このジョイント開口は、実質的に平均遊びAPと同一の寸法となるであろう。装飾溝は、例えば、床面と調和する何らかの適切な設計で色付けされてもよく、また、遊びは開口したジョイント間隙をもたらさないであろう。約0.1mm(0.01×T〜0.02×T)だけの非常に小さな重なり合い、及び僅かに小さな平均遊びAPにより、十分な床の移動を与えることが可能であり、また、このことは、湿気に強い高品質のジョイントと両立することが可能なものである。遊びは、また、ロック位置におけるロック、アンロック及び移動を促進するものである。このような重なり合う縁部分は、機械式ロッキングシステムの機能を改良するために、全ての既知の機械式ロッキングシステムで用いることが可能である。
【0048】
図4a及び図4bは、湿気に敏感な材料からなる床板の浮いた状態での据え付けを許容するようにロッキングシステムがどのようにして設計され得るものであるかを示している。この実施形態において、床板は、均質木材から作られている。
【0049】
図4aは、引張り荷重を受けた状態のロッキングシステムを示し、図4bは、圧縮状態にあるロッキングシステムを示している。魅力的な外観を持つ床のためには、ジョイント開口の相対的な寸法が互いにあまり異なっているべきではない。床が移動している間に視認可能なジョイント開口があまり異ならないことを保証するため、最小のジョイント開口JO2は、最大のジョイント開口JO1の半分よりも大きくなっているべきである。さらに、深さGDは、好ましくは、0.5×TT(TTは、床面と舌片/溝の上部との間の距離である)よりも小さくなっているべきである。舌片がない場合には、GDは、床の厚さTの0.2倍よりも小さくなっているべきである。このことは、ジョイント開口の掃除を促進する。また、JO1が、均質木製床の通常の間隙に対応する約1〜5mmであると有利である。本発明によれば、重なり合うジョイント縁部分は、好ましくは、床面の近くに位置している。このことは、浅いジョイント間隙を許容すると同時に、垂直方向ロックが、前面と後面との間にある床板の中央部分(芯材30が良好な安定性を持つ部分)に本質的に位置付けられた舌片10及び溝9を用いて生じることを可能にするものである。移動を許容する、浅いジョイント間隙を提供する代替的な方法が、図4cに例示されている。舌片10の上部が床面へ向けて上方へ移動している。この解決法の欠点は、舌片10の上方にある上部ジョイント縁部分18があまりにも弱すぎることである。ジョイント縁部分18は、容易にひびが入ったり変形したりし得る。
【0050】
図5a及び図5bは、幅Wを持つ三つの床板1,1′,1″の長辺のジョイントを例示している。図5aは、RHが低い場合の床板を示し、図5bは、RHが高い場合の床板を示している。均質床に似るようにするため、幅が広い床板は、好ましくは、幅が狭いものよりも広いジョイント間隙を有するべきである。JO2は、適切には、床の幅Wの少なくとも約1%であるべきである。100mm幅の床板は、このとき、少なくとも1mmの最小のジョイント開口を有するであろう。例えば200mm幅の厚板における、対応するジョイント開口は、少なくとも2mmであるべきである。他の組み合わせもまた、もちろん、種々の種類の木材及び種々の気候条件により特別な要求がなされる木製床で特に用いることが可能である。
【0051】
図6aは、幾つかの木材層からなる木製床を示している。床板は、例えば、装飾表面層31を構成する、オークのような高級木材からなる上部層からなっているとよい。芯材30は、例えば、他の種類の木材又は対応する種類の木材で異なった品質を持つものから作り上げられた合板からなっているとよい。代替的には、芯材は、木材薄板からなっているとよい。上部層31は、原則として、下部層に比べて種々の繊維方向を有している。この実施形態において、重なり合うジョイント縁18及び19は、上部層に作られている。利点は、視認可能なジョイント開口JO1が、表面層31と同一種類の木材及び繊維方向からなり、且つ、外観が均質木製床のものと同一となることにある。
【0052】
図6b及び図6cは、重なり合うジョイント縁部分16,18の間に、ロッキングシステムでの水平方向への移動を促進する小さな遊び22がある実施形態を例示している。図6cは、角度動作による接合の様子、及び上部ジョイント縁部分18,19が互いに接触している様子を示している。ロック要素8のロック面15とロック溝12との間にある遊び20は、特に必ずしも真っ直ぐでない木製床において、内側への曲げ入れによる接合を著しく促進するものである。
【0053】
上述した好ましい実施形態において、重なり合うジョイント部分18は、舌片側に、すなわち舌片10を有するジョイント縁に作られている。この重なり合うジョイント部分は、また、溝側に、すなわち溝9を有するジョイント縁に作られていてもよい。図6d及び図6eは、このような実施形態を例示している。図6dにおいて、板は、それらの内側位置にて一緒になるように押圧され、図6eにおいては、板は、それらの外側位置へ向けて引っ張られている。
【0054】
図7a及び図7bは、下部16に重なり合う上部ジョイント縁18が舌片側4aに位置付けられていると有利であることを例示するものである。溝側4bは、このとき、垂直動作により、図7bに係る、舌片のない側4aに接合されることが可能である。このようなロッキングシステムは、短辺に特に適したものである。図7cは、接合状態及び一緒になるように押圧された状態にある、このようなロッキングシステムを示している。図7d及び図7eは、例えばストリップ6及びロック要素8及びまた上部及び下部ジョイント部分19,16の形態にある水平方向ロック手段が、どのようにして単に一つのツールTO(水平方向に操作するツールシャフトHTを有し、これによりジョイント縁全体を形成することが可能なもの)により作製されることが可能であるのかを例示している。このようなツールは例えば丸鋸上に取り付けることが可能であり、高品質のジョイントシステムがガイドバーにより作製されることが可能である。ツールは、また、床板1をのこぎりで引くことを可能にする。好ましい実施形態においては、ストリップ6の外側部分24で床板1の部分的な(不完全な)分割のみが行われる。最終的な分割は、床板を折り取ることにより行われる。このことは、ツールTOが、例えばコンクリートの下地床に接触することにより損傷を受けるという危険性を減少させるものである。この技術は、例えば図5cに係るヘリンボンパターンで据え付けられた床のフレームすなわちフリーズFRを製造するのに用いることができる。ツールは、また、重なり合うジョイント縁部分のない従来の型のロッキングシステムを製造するのに用いることもできる。
【0055】
図8a〜図8fは、種々の実施形態を例示している。図8a〜図8cは、水平方向ロック手段が、上部リップ23により画成された溝9内に作られたロック溝12(ここでロック溝12は上部リップ23に位置付けられている)と協働するロック要素8を備えた舌片10からなるロッキングシステムにおいて、本発明をどのように用いることが可能であるかを例示している。溝は、また、垂直動作による接合を許容するために取り除くことが可能な下部リップ24を有している。図8dは、例えばアルミニウム製のシートから作られた別個のストリップ6を備えたロッキングシステムを示している。図8eは、繊維板をベースとした材料、又はプラスチック、金属及び同様の材料から作ることが可能な別個のストリップ6を有するロッキングシステムを例示している。
【0056】
図8fは、水平スナップ動作により接合されることが可能なロッキングシステムを示している。舌片10は、ロック要素8,8′を備えたその上部及び下部が、ジョイント縁4a及び4bの互いへ向けた水平方向への変位に関連して互いへ向けて曲げられることを許容する溝9′を有している。この実施形態において、溝9の上部及び下部リップ23,24は、弾力的である必要はない。もちろん、本発明は、リップ23,24が弾力的であり得るような従来のスナップシステムで用いることもまた可能である。
【0057】
図9a〜図9dは、本発明の代替的な実施形態を例示している。板が引き離されたときに、協働するロック面14及び15の分離が避けられる。板が一緒になるように押圧されたときに、ロッキングシステムの幾つかの代替的な部分が内側位置を規定するのに用いられ得る。図9aにおいては、ロック要素8の外側部分及びロック溝10で内側位置が決定される。図9bによれば、舌片10の外側部分及び溝9が協働する。図9cによれば、舌片10の前方下部部分が溝9と協働する。図9dによれば、舌片10の下部にあるロック要素10′がストリップ6上のロック要素9′と協働する。床板の内側位置を規定するために、ロッキングシステムの幾つかの他の部分を、これらの原理に従って用いることが可能であることは明らかである。
【0058】
図10aは、本発明に係る製造装置及び製造方法を示している。エンドテナーETは、床板1をツールセット(この実施形態では、五つのツール51,52,53,54,55及び圧力シュー42を有している)に対して供給方向FDに移動させるチェーン40及びベルト41を有している。エンドテナーは、また、二つのチェーン及び二つのベルトを有していてもよい。図10bは、第1のツールステーションの拡大図である。ツールセットの第1のツール51は、ガイド面12(この実施形態では溝であり、主としてロッキングシステムのロック溝12として形成されるもの)を形成する。もちろん、他の溝が、好ましくは、機械式ロッキングシステムが形成されることとなる床板の部分に形成されてもよい。圧力シュー42′は、溝12と協働して、供給方向FDで且つ水平面に平行な平面からのずれを防止するガイド装置43′を有している。図10cは、床板が第1のツール51を通過するときの、供給方向から見たエンドテナーを示している。この実施形態において、ロック溝12は、圧力シュー42に取り付けられたガイド装置43のためのガイド面として用いられる。図10dは、全てのツールステーションにおいてガイド面として用いることが可能な同一の溝12を示している。図10dは、どのようにしてツール54により舌片を形成することが可能であるかを示している。床板1の特定の部分の機械加工は、この部分が同時にガイド装置43によりガイドされるときに行われ得るものである。図11aは、ガイド装置が圧力シューの内側に取り付けられる別の実施形態を示している。不利益は、板の後面に溝が付けられてしまうということである。図11bは、床板の一方又は両方の外側縁がガイド装置43,43′のためのガイド面として用いられる別の実施形態を示している。エンドテナーは、この実施形態では、圧力シュー42,42′と協働する支持ユニット44,44′を有している。ガイド装置は、代替的には、これらの支持ユニット44,44′に取り付けられていてもよい。図11c及び11dは、どのようにして床板が二つのステップで製造され得るのかを示している。舌片側10は第1のステップで形成される。溝側9が形成されるときに同一のガイド溝12が第2のステップで用いられる(図11d)。このようなエンドテナーは非常に柔軟なものとなるであろう。利点は、チェーンの幅よりも小さいか又は大きい種々の幅を持つ床板を製造することが可能なことである。
【0059】
図12a〜図12cは、半浮床が通常の位置(好ましくは、実際のジョイント間隙が最大ジョイント間隙の約50%となる位置)に据え付けられることを保証する好ましい実施形態を示している。例えば、全ての床板が、縁16,17が接触した状態で据え付けられるのであれば、床板がそれらの最大寸法まで膨張するときに壁の近くで問題が生じるかもしれない。本発明によれば、ロック要素及びロック溝は、据え付けの際に床板が自動的に最適な位置にガイドされるように形成され得る。図12cは、この実施形態のロック要素8が、水平面に対して90°に近い、大きなロック角度LAを持つロック面を有することを示している。このロック角LAは、上部ジョイント縁のところに中心を有する円Cの接線TLの角度よりも大きい。図12bは、このようなジョイントの幾何形状が、曲げ入れの際に、床板4aを床板4bへ向けて押し、且つ、それを、ロック要素8とロック溝12との間の遊び、及び先端縁16,17の間のジョイント間隙を持つ、上述した好ましい位置に持っていくことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1a】ロッキングシステムを備えた床板を示す図。
【図1b】ロッキングシステムを備えた床板を示す図。
【図2a】ロッキングシステムを示す図。
【図2b】配置パターンを示す図。
【図2c】配置パターンを示す図。
【図2d】配置パターンを示す図。
【図2e】配置パターンを示す図。
【図2f】配置パターンを示す図。
【図3a】ロッキングシステムを示す図。
【図3b】ロッキングシステムを示す図。
【図3c】ロッキングシステムを示す図。
【図3d】ロッキングシステムを示す図。
【図3e】ロッキングシステムを示す図。
【図4a】ロッキングシステムを示す図。
【図4b】ロッキングシステムを示す図。
【図4c】ロッキングシステムを示す図。
【図5a】接合された床板を示す図。
【図5b】接合された床板を示す図。
【図5c】接合された床板を示す図。
【図5d】試験方法を示す図。
【図6a】ロッキングシステムを示す図。
【図6b】ロッキングシステムを示す図。
【図6c】ロッキングシステムを示す図。
【図6d】ロッキングシステムを示す図。
【図6e】ロッキングシステムを示す図。
【図7a】ロッキングシステムを示す図。
【図7b】ロッキングシステムを示す図。
【図7c】ロッキングシステムを示す図。
【図7d】ロッキングシステムを示す図。
【図7e】ロッキングシステムを示す図。
【図8a】ロッキングシステムを示す図。
【図8b】ロッキングシステムを示す図。
【図8c】ロッキングシステムを示す図。
【図8d】ロッキングシステムを示す図。
【図8e】ロッキングシステムを示す図。
【図8f】ロッキングシステムを示す図。
【図9a】ロッキングシステムを示す図。
【図9b】ロッキングシステムを示す図。
【図9c】ロッキングシステムを示す図。
【図9d】ロッキングシステムを示す図。
【図10a】製造装置を示す図。
【図10b】製造装置を示す図。
【図10c】製造装置を示す図。
【図10d】製造装置を示す図。
【図11a】製造装置を示す図。
【図11b】製造装置を示す図。
【図11c】製造装置を示す図。
【図11d】製造装置を示す図。
【図12a】ロッキングシステムを示す図。
【図12b】ロッキングシステムを示す図。
【図12c】ロッキングシステムを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械式ロッキングシステムで接合される矩形状の床板(1,1′)からなる半浮床であって、前記ロッキングシステムにおいて、接合された床板が、床面(31)に平行である水平面(HP)と、水平面に垂直である垂直面(VP)とを有し、前記ロッキングシステムが、垂直面に平行である垂直方向接合及び水平面に平行である水平方向接合のための、第1及び第2ジョイント縁(それぞれ4a及び4b)からなる、機械的に協働するロック手段を有し、前記ロッキングシステムにおいて、垂直方向ロック手段は、舌片溝(9)と協働する舌片(10)からなり、且つ、水平方向ロック手段は、ロック溝(12)と協働するロック面(15)を備えたロック要素(8)からなる半浮床において、
床板の形式、据え付けパターン及びロッキングシステムは、床板が水平面(HP)内で圧縮荷重又は引張り荷重を受けたときに、1×1mの床面が少なくとも一方向において少なくとも1mmの長さの変化(ΔTL)を生じることが可能であるように設計され、且つ、この長さの変化(ΔTL)が、視認可能なジョイント間隙(21)のない状態で生じることが可能であることを特徴とする半浮床。
【請求項2】
床板の幅が約120mmを超えないことを特徴とする、請求項1に記載の半浮床。
【請求項3】
床板が水平面(HP)内で圧縮荷重及び引張り荷重を受けたときに、ロッキングシステム内に少なくとも約0.1mmの平均遊び(AP)があることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の半浮床。
【請求項4】
床板は、長辺が短辺へ突き当てられて接合されることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の半浮床。
【請求項5】
床板が、積層板からなる表面層(31)を有し、且つ、表面層(31)のうち少なくとも一つのジョイント縁上の部分が取り除かれていることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の半浮床。
【請求項6】
表面層が積層板又は木製薄板であり、床板の芯材がMDF(中密度繊維板)又はHDF(高密度繊維板)のような木材をベースとした板であり、100kg/mの力(F)がジョイント縁で用いられたときの床の長さの変化(ΔTL)が少なくとも1.0mmであり、200kg/mの力(F)がジョイント縁で用いられたときの床の長さの変化(ΔTL)が少なくとも1.5mmであり、力(F)がジョイント縁で100kg/mであるときの平均ジョイント間隙が0.15mmを超えず、力(F)がジョイント縁で200kg/mであるときの平均ジョイント間隙が0.20mmを超えないことを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の半浮床。
【請求項7】
床板(1,1′)を機械的に接合するためのロッキングシステムであって、このロッキングシステムにおいて、接合された床板が、床面に平行である水平面(HP)と、水平面に垂直である垂直面(VP)とを有し、前記ロッキングシステムが、垂直面に平行である垂直方向接合及び水平面に平行である水平方向接合のための、第1及び第2ジョイント縁(4a,4b)からなる、機械的に協働するロック手段を有し、前記ロッキングシステムにおいて、垂直方向ロック手段は、舌片溝(9)と協働する舌片(10)からなり、且つ、水平方向ロック手段は、ロック溝(12)と協働するロック面(15)を備えたロック要素(8)からなるロッキングシステムにおいて、
第1ジョイント縁(4a)及び第2ジョイント縁(4b)が、舌片(10)と床面(31)との間に位置する上部ジョイント縁部分(18,19)及び下部ジョイント縁部分(16,17)を有し、上部ジョイント縁部分が下部よりも床面(31)に近く、且つ、前記ロッキングシステムにおいて、床板(1,1′)が互いに接合及び押圧されるときに、第1ジョイント縁(4a)内の上部ジョイント縁部分(18)が第2ジョイント縁(4b)内の下部ジョイント縁部分(16)に重なり合うことを特徴とするロッキングシステム。
【請求項8】
床板(1,1′)が互いに接合及び押圧されるときに、二つの上部ジョイント縁部分(18,19)が互いに離間していることを特徴とする、請求項7に記載のロッキングシステム。
【請求項9】
床板(1,1′)が引張り荷重(F)を受けたときに重なり合い(OL)があることを特徴とする、請求項7又は請求項8に記載のロッキングシステム。
【請求項10】
引張り荷重(F)がジョイント縁で100kg/mであるときに重なり合い(OL)があることを特徴とする、請求項9に記載のロッキングシステム。
【請求項11】
床板が水平面(HP)内で200kg/mの圧縮荷重及び引張り荷重を受けたときに、少なくとも0.1mmの平均遊び(AP)があることを特徴とする、請求項7から請求項10までのいずれか一項に記載のロッキングシステム。
【請求項12】
重なり合う上部ジョイント縁部分(18)が床面(31)の近くに形成され、且つ、舌片(10)の上部よりも床面(31)の近くに位置する最下部を有することを特徴とする、請求項7から請求項11までのいずれか一項に記載のロッキングシステム。
【請求項13】
最小ジョイント開口(JO2)が、最大ジョイント開口(JO1)の半分よりも大きいことを特徴とする、請求項12に記載のロッキングシステム。
【請求項14】
表面層(31)が木材からなり、且つ、重なり合う上部ジョイント縁部分(18)がこの摩耗層に形成されていることを特徴とする、請求項7から請求項13までのいずれか一項に記載のロッキングシステム。
【請求項15】
床板が、積層板からなる表面層(31)と、繊維板をベースとした材料からなる芯材(30)とを有し、且つ、重なり合う上部ジョイント縁部分(18)が、この表面層、及び芯材のうち表面層に隣り合う上部部分に形成され、且つ、重なり合う部分の垂直範囲(GD)が床の厚さ(T)の0.1倍よりも小さいことを特徴とする、請求項8から請求項11までのいずれか一項に記載のロッキングシステム。
【請求項16】
パネル面に平行である水平面(HP)を有する、建築用パネル、特に床板を製造するための装置であって、チェーン(40)、ベルト(41)、圧力シュー(42)及びツールセット(51〜55)を有し、チェーン及びベルトが、ツールセット及び圧力シューに対して床板(1)を供給方向(FD)に移動させるように配置され、圧力シューが、床板の後面(32)を押圧するように配置され、ツールセットが、床板がツールセットに対して移動させられたときに床板の縁部分を形成するように配置された装置において、
ツールセットのツールのうちの一つが床板にガイド面(12)を形成し、圧力シューは、ガイド面(12)と協働するガイド装置(43)であって、供給方向(FD)に垂直で且つ水平面(HP)に平行な方向へのずれを防止するガイド装置(43)を有することを特徴とする装置。
【請求項17】
建築用パネルが、機械式ロッキングシステムを備えた床板であり、このロッキングシステムは、ロック溝(12)と協働するロック要素(8)であって、水平面(HP)に平行である水平方向に関して床板をロックするロック要素(8)を備え、
ガイド面(12)は、後面へ向けて開口した溝からなり、且つ、この溝は、ロッキングシステムの幾つかの部分が形成される、床板の縁部分にあることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
機械式ロッキングシステムで接合される矩形状の床板(1,1′)からなる半浮床であって、接合された床板が、床面(31)に平行である水平面(HP)と、水平面に垂直である垂直面(VP)とを有し、前記ロッキングシステムが、垂直面(VP)に平行である垂直方向接合及び水平面(HP)に平行である水平方向接合のための、第1及び第2ジョイント縁(それぞれ4a及び4b)からなる、機械的に協働するロック手段を有し、前記ロッキングシステムにおいて、垂直方向ロック手段は、舌片溝(9)と協働する舌片(10)からなり、且つ、水平方向は、ロック溝(12)と協働するロック面(15)を備えたロック要素(8)からなる半浮床において、
床板の形式、据え付けパターン及びロッキングシステムは、12mを超える長さ又は幅を持つ、広い連続的な半浮床面が、拡張用ジョイントを用いることなく据え付けられるように、設計されて組み合わせられていることを特徴とする半浮床。
【請求項19】
床面が、20mを超える長さ又は幅を持つ、非常に広い連続的な床面であることを特徴とする、請求項18に記載の半浮床。
【請求項20】
床板が、120mmを超えない幅を持つことを特徴とする、請求項18又は請求項19に記載の半浮床。
【請求項21】
床板が、100mmを超えない幅を持つことを特徴とする、請求項18又は請求項19に記載の半浮床。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図7e】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図8e】
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【図8f】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【公表番号】特表2007−518004(P2007−518004A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549193(P2006−549193)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000030
【国際公開番号】WO2005/068747
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(504033441)ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ (17)
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
【Fターム(参考)】