床置き畳台
【課題】 簡単な構成で蓋体の端部に指先を掛けて蓋体を開くことができる。化粧側板や框を必要とせず、現場における組み立て作業が簡略化できる。
【解決手段】 上開口1を蓋体2により開閉自在とした箱体3を単体又は複数並設した床置き畳台4である。側板5の端面を隣接する側板5の側面端部を突き合わせると共に該突き合わせ部分においてねじ具6で固着することで上方が開口した箱体3を構成する。箱体3の出隅部分にコーナカバー部材7を外方に突出するように取付けると共にコーナカバー部材7により側板5の側端面及びねじ具6を覆う。蓋体2で閉じた状態で、平面視で蓋体2の側端が側板5の外面よりも外側に位置し且つ4隅部のコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線と同じ又はコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線よりも内側に位置する。
【解決手段】 上開口1を蓋体2により開閉自在とした箱体3を単体又は複数並設した床置き畳台4である。側板5の端面を隣接する側板5の側面端部を突き合わせると共に該突き合わせ部分においてねじ具6で固着することで上方が開口した箱体3を構成する。箱体3の出隅部分にコーナカバー部材7を外方に突出するように取付けると共にコーナカバー部材7により側板5の側端面及びねじ具6を覆う。蓋体2で閉じた状態で、平面視で蓋体2の側端が側板5の外面よりも外側に位置し且つ4隅部のコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線と同じ又はコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線よりも内側に位置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床置き畳台、詳しくは上開口に開閉自在な蓋体を設け且つ内部が収納用の空所となった床置き畳台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から上開口に開閉自在な蓋体を設け且つ内部が収納用の空所となった床置き畳台が特許文献1、特許文献2により知られている。
【0003】
この特許文献1、引用文献2に示された従来例は、現場で側板の端面を隣接する側板の側面端部に突き合わせると共に該突き合わせ部分においてねじ具で固着することで上方が開口した箱体を組み立て構成し、この箱体の上開口を開閉自在にするための蓋体を設け、該蓋体を有する箱体を単体で又は複数並設し、側面の外に見える部分に化粧側板を取付け、箱体を単体で使用する場合は単体の上面外周に、複数並設した場合には複数並設したものの上面外周に框を現場で取付け、上面外周を框で囲むようにしていた。この場合、箱体単体で使用する場合は蓋体の外周を框で囲み、箱体を複数並設する場合は隣接する箱体の側面同士を当接させてねじ具により連結し、複数の隣接する蓋体の側面同士を当接すると共に並設した複数の蓋体の外周を框で囲むようにしていた。
【0004】
この従来例にあっては、蓋体を開こうとする場合、框と隣接する蓋体の側面との間に殆ど隙間がなく、また、隣接する蓋体の側面間にも殆ど隙間がないので蓋体を開き難いという問題がある。このため、従来にあっては、蓋体を上方からの荷重を支える蓋本体と、該蓋本体の上面に載置される厚みが薄くて軽い薄畳との2部材に分割し、薄畳は蓋本体に対して非固定で、単に載置してあるだけで、この薄畳の上面が框材よりも僅かに突出していた。そして、この薄畳の框材より僅かに突出した上面部の外端部に指先を掛けることで、薄くて軽い薄畳を取外して蓋本体の上面を露出させ、その後、蓋本体の上面に露出している把手部を手で掴んで厚くて重量のある蓋本体を開くようにしている。
【0005】
このような従来例にあっては、現場において化粧側板、框を取付ける作業が必要で組み立て作業が面倒であるだけでなく、部品点数も増えてコストが高くなるという問題があり、また、框で蓋体の側端面を囲むため、荷重を支持するため厚くて重量のある蓋本体の端面が露出せず、したがって、蓋体を開く際、框付近では手がかりとなる部分がないので、薄畳を蓋本体に対して非固定とし、この軽くて薄い薄畳を取外した後に、蓋本体の上面を露出して設けた把手部を手で掴んで厚くて重量のある蓋本体を開くという2段階の操作が必要で、蓋体を開く操作が面倒であり、また、従来にあっては蓋本体の上面に露出するように把手部を特別に取付ける必要があり、また、薄畳は蓋本体に対して非固定で単に載置してあるだけであり、しかも薄畳の上面部が框よりも少し上方に突出して指先が掛かるようにしてこの薄畳の僅かに突出した部分に指を掛けることで小さな力で薄畳が取外せるようにしているので、通常の使用状態で、框よりも少し上方に突出した薄畳の上面部の端部に何かが引っ掛かった場合に、薄くて軽い薄畳が剥がれたりし易いという問題がある。また、従来にあっては、隣接する蓋体間の真下が隣接する箱体の側板同士が当接した部分となるため蓋体間の僅かな隙間から入ったごみが隣接する箱体の側板同士の当接した部分の僅かな隙間に詰まって掃除がし難く、蓋体を開いた状態で、隣接する箱体の側板同士の当接した部分の僅かな隙間に詰まったごみが見苦しいという問題がある。
【特許文献1】特開2004−324111号公報
【特許文献2】特開2005−68770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、簡単な構成で蓋体の端部に指先を掛けて蓋体を開くことができ、しかも、従来のように化粧側板や框を必要とせず、現場における組み立て作業が簡略化でき、また、箱体同士の連結が簡単で、また、隣接する蓋体間の僅かな隙間からごみが入っても連結部材の上横片で受けて簡単に掃除できる畳台を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る畳台は、上開口1を蓋体2により開閉自在とした箱体3を単体又は複数並設した床置き畳台4において、側板5の端面を隣接する側板5の側面端部に突き合わせると共に該突き合わせ部分においてねじ具6で固着することで上方が開口した箱体3を構成し、該箱体3の出隅部分にコーナカバー部材7を外方に突出するように取付けると共にコーナカバー部材7により側板5の端面及びねじ具6を覆い、蓋体2を閉じた状態で、平面視で蓋体2の外端が側板5の外面よりも外側に位置し且つ4隅部のコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線と同じ又はコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線よりも内側に位置することを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることで、箱体3を単体で使用する場合には蓋体2の外端、箱体3を複数並設する場合には並設した箱体3のうち手前に位置する箱体3の蓋体2の手前側の外端の側板5外面から側方に突出した部分に指を掛けることで重量の重い蓋体2を簡単に開くことができ、更に、箱体3を複数並設する場合にはこのように手前に位置する蓋体2を先に開くことで隣接する蓋体2の外端が露出するため、この部分に手を掛けて隣接する蓋体2を開くことができる。したがって、従来のように薄畳を別体として、先に薄畳を取外した後、蓋本体を取外すというような2段階の作業が必要でなく、開閉作業が容易となる。また、上記のように蓋体2の上面部を別体にする必要がないので、蓋体2の上面部の端部に物が引っ掛かった程度の外力では外れたりしない。しかも、箱体3の出隅部分にコーナカバー部材7を外方に突出するように取付けると共にコーナカバー部材7により側板5の側端面及びねじ具6を覆うので、従来のように化粧側板を必要とせず、また、框も必要としないので、部品点数も減ってコストダウンを図ることができ、現場における組み立ても容易となる。
【0009】
また、隣接する箱体3のコーナカバー部材7同士を当接し、隣接する箱体3の側板5の上端部に跨るように断面コ字状の連結部材8を被嵌して両側板5同士を連結すると共に連結部材8の上横片9で両側板5間の隙間10を隠し、該上横片9上に隣接する箱体3の各蓋体2の側端が位置していることが好ましい。
【0010】
このような構成とすることで、隣接する箱体3の側板5の上端部に跨るように断面コ字状の連結部材8を被嵌することで両側板5同士を連結することができ、現場における連結作業が容易に行え、また、連結部材8の上横片9で両側板5間の隙間10を隠し、上横片9上に隣接する箱体3の各蓋体2の側端が位置するので、隣接する蓋体の間から入ったごみは連結部材8の上横片9で受けられ、蓋体2を開くことで、簡単に掃除することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、蓋体の側端の側板の外面よりも外側に突出した部分に指先を掛けて蓋体を開くことができ、従来のように薄畳と蓋本体とに分割して、2段階で取外すものに比べて蓋体の開閉操作が容易に行える。しかも、化粧側板や框を必要とせず、現場における組み立て作業が簡略化できる。
【0012】
また、隣接する箱体の側板の上端部に跨るように断面コ字状の連結部材を被嵌することで、箱体同士の連結が簡単にでき、また、隣接する蓋体間の僅かな隙間からごみが入っても連結部材の上横片で受けて簡単に掃除できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。箱体3としては、ハッチ用箱体3aと、引出し用箱体3bとの2種類がある。
【0014】
ハッチ用箱体3aは図6に示すように、前後左右の側板5(5a、5b、5c、5d)と、底板11とを組み立てることで構成してある。隣接する側板5は一方の側板5の側面の端部に他方の側板5の端面を当接してねじ具6により固着するもので、図6の実施形態では前の側板5aの側面の両端部に設けたダボ穴12にそれぞれ左右の側板5の一端面に設けたダボ13を接着剤を塗布した状態で嵌め込み、この状態で左右の側板5c、5d、前の側板5aの側面の下端部に設けた溝14に接着剤を塗布した状態で底板11の3辺の端縁部を嵌め込み、更に、左右の側板5c、5dの他方の端面のダボ13に後の側板5bの側面の両端部に設けたダボ穴12を接着剤を塗布した状態で嵌め込むと共に底板11の残りの一辺の端縁部を後の側板5bの側面の下端部に設けた溝14に接着剤を塗布した状態で嵌め込んで隣接する側板5同士が一方の側板5の側面の端部に他方の側板5の端面を当接した状態で箱形状に仮組みし、この仮組み状態で、ねじ具6により側板5同士を固着する。
【0015】
このようにして組み立てた底板11を有し且つ上開口1を有するハッチ用箱体3aの左右の側板5の内側の側面の後部の上端に図7に示すようにリンク装置15を取付ける。リンク装置15は、側板5(左右の側板5c、5d)に固定する側板固定部16の前端部の上部に第1リンク板17の下端部が軸18により回動自在に軸支してあり、側板固定部16の後端部の下部に第2リンク板19の下端部が軸20により回動自在に軸支してあり、また、蓋体2の下面の後端部の両側部に固定するL状をした蓋側固定部22の蓋体2から突出する片の上部に第1リンク板17の上端部を軸23により回動自在に軸支してあり、更に、蓋側固定部22の蓋体2から突出する片の下部に第2リンク板19の上端部を軸24により回動自在に軸支してあり、更に、第2リンク板19の軸20による枢支位置よりも上方位置に設けたばね取付け部25と側板固定部16の軸18よりも下方位置に設けたばね取付け部26とにコイルスプリング27の両端部を取付けて第2リンク板19を引っ張って回動させようとするばね力を付与している。
【0016】
そして、図5(a)のように蓋体2を開いた状態で、第2リンク板19がコイルスプリング27による引張ばね力が作用することで図5(a)の蓋体2の開き状態が維持されるようになっている。この図5(a)の蓋体2の開き状態で蓋体2の後端面は左右の側板5c、5dの上面より少し浮き且つ後の側板5bよりも前方にずれた位置で起立するように構成してある。
【0017】
上記図5(a)の蓋体2の開き状態で蓋体2の前端部を手で持って閉じる方向に回動すると、軸23を中心に軸24がコイルスプリング27のばね力に抗して回動することで、蓋体2を閉じることができ、この場合、第1リンク板17が図5(a)において軸18を中心に時計回り方向に回動し且つ第1リンク板17の上端の軸23を中心に第2リンク板19の上端の軸24が回動するので、第2リンク板19が図5(a)において軸20を中心に時計回り方向に回動し、図5(b)のように蓋体2によりハッチ用箱体3aの上開口を閉じるようになっている。
【0018】
上記リンク装置15は側板5にリンクカバー28を取付けて覆うようになっている。
【0019】
箱体3の出隅部には縦溝29が設けてある。添付図面に示す実施形態においては、前後の側板5a、5bの外面側の端部付近に上下方向にわたって縦溝29を設け、更に、該前後の側板5a、5bの内面の端部と端面とのなす角部にL状段落部を上下方向にわたって設け、このL状段落部と隣接する左右の側板5c、5dの端面とにより縦溝29を設けてある。
【0020】
ハッチ用箱体3aの出隅部分を覆うコーナカバー部材7は合成樹脂により形成してあって弾性を有するものであり、図14に示すように断面略L字状をした両側片30の内面側の先端部にそれぞれ係合突部31が設けてあり、このコーナカバー部材7は取付け前の状態では両側片30の先端部同士のなす角度は90°未満である。そして、コーナカバー部材7を弾性的に90°の開き角度となるように広げた状態で両係合突部31を上記両縦溝29に上方から差し込むことでハッチ用箱体3aの出隅部分にコーナカバー部材7を外方に突出するように取付けると共にコーナカバー部材7により側板5の側端面及びねじ具6を覆って外観が良くなるようにしている。これにより従来のように化粧側板を別途必要としない。
【0021】
蓋体2は上面部が畳部分となっており、畳部分は下部の荷重を支持する蓋体本体に固着してある。この蓋体2は前述のように閉じることでハッチ用箱体3aの上開口を閉じるように構成してあるのであるが、蓋体2は各側板5の上端面に載置されて荷重を各側板5に伝達するようになっている。
【0022】
そして、蓋体2の大きさは、蓋体2を閉じた状態で、平面視で蓋体2の外端が側板5の外面よりも外側に位置し且つ4隅部のコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線と同じ又はコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線よりも内側に位置するような大きさに設定してある。
【0023】
また、引出し用箱体3bは図9に示すように、前後左右の側板5(5a、5b、5c、5d)と、中枠板32とを組み立てることで構成してある。本実施形態では前の側板5aの上下長さは短く、左右の側板5c、5dの上端間に架設して取付けられる。隣接する側板5は一方の側板5の側面の端部に他方の側板5の端面を当接してねじ具6により固着するもので、図9の実施形態では後の側板5bの側面の両端部に設けたダボ穴12にそれぞれ左右の側板5c、5dの一端面に設けたダボ13を接着剤を塗布した状態で嵌め込み、この状態で左右の側板5c、5d、後の側板5bの側面の上端よりもやや下位置に設けた溝33に接着剤を塗布した状態で中枠板32の3辺の端縁部を嵌め込み、更に、左右の側板5c、5dの他方の端面の上部に設けたダボ13に上下長さの短い前の側板5aの側面の両端部に設けたダボ穴12を接着剤を塗布した状態で嵌め込むと共に中枠板32の残りの一辺の端縁部を前の側板5aの側面に設けた溝33に接着剤を塗布した状態で嵌め込んで、隣接する側板5同士が一方の側板5の側面の端部に他方の側板5の端面を当接した状態で箱形状に仮組みし、この仮組み状態で、ねじ具6により側板5同士を固着する。
【0024】
このようにして組み立てた引出し用箱体3bは上開口1を設けるだけでなく底がなくしかも前面部に前開口34が形成される。また、中枠板32は外周部を除いて開口しており、この中枠板32の開口部35は引出し用箱体3bの上開口1よりも少し小さい開口となっていて上下に対向している。
【0025】
組み立てた引出し用箱体3bの出隅部には縦溝29が設けてある。添付図面に示す実施形態においては、前後の側板5a、5bの外面側の端部付近に上下方向にわたって縦溝29を設け、更に、該前後の側板5a、5bの内面の端部と端面とのなす角部にL状段落部を上下方向にわたって設け、このL状段落部と隣接する左右の側板5c、5dの端面とにより縦溝29を設けてある。
【0026】
図14に示す前述のコーナカバー部材7の両係合突部31を上記両縦溝29に上方から差し込むことで引出し用箱体3bの出隅部分にコーナカバー部材7を外方に突出するように取付けると共にコーナカバー部材7により側板5の側端面及びねじ具6を覆って外観が良くなるようにしている。これにより従来のように化粧側板を別途必要としない。
【0027】
組み立てた引出し用箱体3bの上開口1を開閉自在とする蓋体2は図11に示すようなもので、裏面の四隅よりもやや内側にずれた位置にずれ防止脚部36が下方に向けて突設してあり、引出し用箱体3bの上開口1に蓋体2を被せて蓋体2の裏面の周囲を引出し用箱体3bの上面に載置した状態で裏面の四隅よりもやや内側にずれた位置に設けたずれ防止脚部36が中枠板32の上面の四隅部分に載置されて蓋体2の横ずれを防止するようになっている。このように蓋体2の裏面の四隅よりもやや内側にずれた位置に設けたずれ防止脚部36が中枠板32の上面の四隅部分に載置して蓋体2を位置決めして閉じた状態で、平面視で蓋体2の外端が側板5の外面よりも外側に位置し且つ4隅部のコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線と同じ又はコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線よりも内側に位置するような大きさに蓋体2が設定してある。
【0028】
したがって、蓋体2を手前に移動したり、外したりする場合は蓋体2の端部の側板5の外面よりも外側に突出した部分に指を掛けて蓋体2の端部を少し上に持ち上げた状態で引くことで、蓋体2を外したり、あるいは、蓋体2の後端を後側の側板5bの上端よりも前方にずらしたりすることができる。
【0029】
引出し用箱体3b内には図11に示すような上方に開口する引出し39が前開口34から出し入れ自在に収納される。引出し39は下面にキャスターが取付けてある。
【0030】
上記の構成のハッチ用箱体3a、引出し用箱体3bはリビングなどのカーペット敷きやフローリングのなどの床上に単独で設置するか又は複数床に並設して設置するもので、蓋体2の上面部が畳部分となっているため、蓋体2上に座ったり、寝転んだりするものとして使用し、また、箱体3の内部には収納物を収納する。
【0031】
複数並設して使用する場合は、隣接する箱体3のコーナカバー部材7同士を当接し、隣接する箱体3の側板5の上端部に跨るように図15に示すような断面コ字状の連結部材8を図2、図12、図13のように被嵌して両側板5同士を連結すると共に連結部材8の上横片9で両側板5間の隙間10を隠す。この場合、隣接する蓋体2の対向端面同士は当接又は僅かな隙間を介して対向し、この隣接する蓋体2の側端面の対向部分が上記連結部材8の上横片9の上に位置するものであり、隣接する蓋体2の側端面の対向部分間からごみが入っても上横片9で受けられ、蓋体2を開くことで簡単に上横片9にたまったごみを除去できる。
【0032】
ここで、複数床上に並設して上記のように連結部材8で連結して使用する場合、ハッチ用箱体3aは何処に配置してもよいが、引出し用箱体3bは前開口34が壁や別の箱体3で遮蔽されない位置、つまり引出し39が引出せる手前に配置する必要がある。
【0033】
このように箱体3を複数並設したものにおいて、ハッチ用箱体3aの上開口1を開として内部に収納物を出し入れするには、次のようにして行う。
【0034】
すなわち、図3(a)のように、壁から離れた側である手前にハッチ用箱体3aが位置する場合、まず、手前のハッチ用箱体3aの蓋体2を開く。この場合、該手前のハッチ用箱体3aの側板5から側方に突出した部分に指を掛けて図3(a)のように蓋体2を回動して起立させることで蓋体2を開くことができる。このようにして蓋体2を開いて起立させた状態で、当該ハッチ用箱体3a内に収納物を出し入れする。この場合、蓋体2を開いて図3(a)のように起立させた状態では、すでに述べたように、蓋体2の後端面が左右の側板5c,5dの上面より少し浮き且つ後の側板5bよりも前方にずれた位置で起立するように構成してあるので、該起立した蓋体2と後側のハッチ用箱体3aの蓋体2の前端面との間に隙間が生じる。したがって、後側のハッチ用箱体3aの蓋体2の前端面に指を掛けて回動することで後側のハッチ用箱体3aの蓋体2を同様にして図3(b)のように回動して開き、後側のハッチ用箱体3aの上開口1から内部に収納物の出し入れをすることができる。
【0035】
また、図4のように、壁から離れた側である手前に引出し用箱体3bが位置し、壁側である後側にハッチ用箱体3aが位置している場合に、後側に位置するハッチ用箱体3aの蓋体2を開くには、まず、手前に位置する引出し用箱体3bの蓋体2の端部の前の側板5aの外面よりも外側に突出した部分に指を掛けて蓋体2の端部を少し上に持ち上げた状態で手前に引くことで、図4(a)のように蓋体2の後端を後側の側板5bの上端よりも前方にずらす。これにより、該引出し用箱体3bの蓋体2の後端面と後側のハッチ用箱体3aの蓋体2の前端面との間に隙間が生じるので、後側のハッチ用箱体3aの蓋体2の前端面に指を掛けて回動することで後側のハッチ用箱体3aの蓋体2を同様にして4(b)のように回動して開き、後側のハッチ用箱体3aの上開口1から内部に収納物の出し入れをすることができる。
【0036】
手前に位置する引出し用箱体3b内に収納物を出し入れするには、引出し39を引出して引出し39内に収納物を出し入れして再び引出し用箱体3b内に引出し39を収納する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の斜視図である。
【図2】同上の一部省略断面図である。
【図3】(a)(b)は同上の蓋体を開く順序を示す説明図である。
【図4】同上の他の実施形態の蓋体を開く順序を示す説明図である。
【図5】(a)は同上のハッチ用箱体の蓋体を開いた状態の断面図であり、(b)は蓋体を閉じた状態の断面図である。
【図6】(a)(b)(c)は同上のハッチ用箱体の組み立て順序を示す説明図である。
【図7】同上のリンク装置を示す斜視図である。
【図8】(a)は同上のコーナカバー部材の取付けを示す斜視図であり、(b)は要部拡大斜視図である。
【図9】(a)(b)(c)は同上の引出し用箱体の組み立て順序を示す斜視図である。
【図10】同上のコーナカバー部材の取付けを示す斜視図である。
【図11】(a)は同上の引出し用箱体の分解斜視図であり、(b)は同上の蓋体を上下逆にした斜視図である。
【図12】同上のハッチ用箱体同士を並設して連結部材で連結する例を示す斜視図である。
【図13】同上のハッチ用箱体と引出し用箱体とを並設して連結部材で連結する例を示す斜視図である。
【図14】同上に用いるコーナカバー部材の断面図である。
【図15】同上に用いる連結部材の断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 上開口
2 蓋体
3 箱体
4 床置き畳台
5 側板
6 ねじ具
7 コーナカバー部材
8 連結部材
9 上横片
10 隙間
【技術分野】
【0001】
本発明は、床置き畳台、詳しくは上開口に開閉自在な蓋体を設け且つ内部が収納用の空所となった床置き畳台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から上開口に開閉自在な蓋体を設け且つ内部が収納用の空所となった床置き畳台が特許文献1、特許文献2により知られている。
【0003】
この特許文献1、引用文献2に示された従来例は、現場で側板の端面を隣接する側板の側面端部に突き合わせると共に該突き合わせ部分においてねじ具で固着することで上方が開口した箱体を組み立て構成し、この箱体の上開口を開閉自在にするための蓋体を設け、該蓋体を有する箱体を単体で又は複数並設し、側面の外に見える部分に化粧側板を取付け、箱体を単体で使用する場合は単体の上面外周に、複数並設した場合には複数並設したものの上面外周に框を現場で取付け、上面外周を框で囲むようにしていた。この場合、箱体単体で使用する場合は蓋体の外周を框で囲み、箱体を複数並設する場合は隣接する箱体の側面同士を当接させてねじ具により連結し、複数の隣接する蓋体の側面同士を当接すると共に並設した複数の蓋体の外周を框で囲むようにしていた。
【0004】
この従来例にあっては、蓋体を開こうとする場合、框と隣接する蓋体の側面との間に殆ど隙間がなく、また、隣接する蓋体の側面間にも殆ど隙間がないので蓋体を開き難いという問題がある。このため、従来にあっては、蓋体を上方からの荷重を支える蓋本体と、該蓋本体の上面に載置される厚みが薄くて軽い薄畳との2部材に分割し、薄畳は蓋本体に対して非固定で、単に載置してあるだけで、この薄畳の上面が框材よりも僅かに突出していた。そして、この薄畳の框材より僅かに突出した上面部の外端部に指先を掛けることで、薄くて軽い薄畳を取外して蓋本体の上面を露出させ、その後、蓋本体の上面に露出している把手部を手で掴んで厚くて重量のある蓋本体を開くようにしている。
【0005】
このような従来例にあっては、現場において化粧側板、框を取付ける作業が必要で組み立て作業が面倒であるだけでなく、部品点数も増えてコストが高くなるという問題があり、また、框で蓋体の側端面を囲むため、荷重を支持するため厚くて重量のある蓋本体の端面が露出せず、したがって、蓋体を開く際、框付近では手がかりとなる部分がないので、薄畳を蓋本体に対して非固定とし、この軽くて薄い薄畳を取外した後に、蓋本体の上面を露出して設けた把手部を手で掴んで厚くて重量のある蓋本体を開くという2段階の操作が必要で、蓋体を開く操作が面倒であり、また、従来にあっては蓋本体の上面に露出するように把手部を特別に取付ける必要があり、また、薄畳は蓋本体に対して非固定で単に載置してあるだけであり、しかも薄畳の上面部が框よりも少し上方に突出して指先が掛かるようにしてこの薄畳の僅かに突出した部分に指を掛けることで小さな力で薄畳が取外せるようにしているので、通常の使用状態で、框よりも少し上方に突出した薄畳の上面部の端部に何かが引っ掛かった場合に、薄くて軽い薄畳が剥がれたりし易いという問題がある。また、従来にあっては、隣接する蓋体間の真下が隣接する箱体の側板同士が当接した部分となるため蓋体間の僅かな隙間から入ったごみが隣接する箱体の側板同士の当接した部分の僅かな隙間に詰まって掃除がし難く、蓋体を開いた状態で、隣接する箱体の側板同士の当接した部分の僅かな隙間に詰まったごみが見苦しいという問題がある。
【特許文献1】特開2004−324111号公報
【特許文献2】特開2005−68770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、簡単な構成で蓋体の端部に指先を掛けて蓋体を開くことができ、しかも、従来のように化粧側板や框を必要とせず、現場における組み立て作業が簡略化でき、また、箱体同士の連結が簡単で、また、隣接する蓋体間の僅かな隙間からごみが入っても連結部材の上横片で受けて簡単に掃除できる畳台を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る畳台は、上開口1を蓋体2により開閉自在とした箱体3を単体又は複数並設した床置き畳台4において、側板5の端面を隣接する側板5の側面端部に突き合わせると共に該突き合わせ部分においてねじ具6で固着することで上方が開口した箱体3を構成し、該箱体3の出隅部分にコーナカバー部材7を外方に突出するように取付けると共にコーナカバー部材7により側板5の端面及びねじ具6を覆い、蓋体2を閉じた状態で、平面視で蓋体2の外端が側板5の外面よりも外側に位置し且つ4隅部のコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線と同じ又はコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線よりも内側に位置することを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることで、箱体3を単体で使用する場合には蓋体2の外端、箱体3を複数並設する場合には並設した箱体3のうち手前に位置する箱体3の蓋体2の手前側の外端の側板5外面から側方に突出した部分に指を掛けることで重量の重い蓋体2を簡単に開くことができ、更に、箱体3を複数並設する場合にはこのように手前に位置する蓋体2を先に開くことで隣接する蓋体2の外端が露出するため、この部分に手を掛けて隣接する蓋体2を開くことができる。したがって、従来のように薄畳を別体として、先に薄畳を取外した後、蓋本体を取外すというような2段階の作業が必要でなく、開閉作業が容易となる。また、上記のように蓋体2の上面部を別体にする必要がないので、蓋体2の上面部の端部に物が引っ掛かった程度の外力では外れたりしない。しかも、箱体3の出隅部分にコーナカバー部材7を外方に突出するように取付けると共にコーナカバー部材7により側板5の側端面及びねじ具6を覆うので、従来のように化粧側板を必要とせず、また、框も必要としないので、部品点数も減ってコストダウンを図ることができ、現場における組み立ても容易となる。
【0009】
また、隣接する箱体3のコーナカバー部材7同士を当接し、隣接する箱体3の側板5の上端部に跨るように断面コ字状の連結部材8を被嵌して両側板5同士を連結すると共に連結部材8の上横片9で両側板5間の隙間10を隠し、該上横片9上に隣接する箱体3の各蓋体2の側端が位置していることが好ましい。
【0010】
このような構成とすることで、隣接する箱体3の側板5の上端部に跨るように断面コ字状の連結部材8を被嵌することで両側板5同士を連結することができ、現場における連結作業が容易に行え、また、連結部材8の上横片9で両側板5間の隙間10を隠し、上横片9上に隣接する箱体3の各蓋体2の側端が位置するので、隣接する蓋体の間から入ったごみは連結部材8の上横片9で受けられ、蓋体2を開くことで、簡単に掃除することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、蓋体の側端の側板の外面よりも外側に突出した部分に指先を掛けて蓋体を開くことができ、従来のように薄畳と蓋本体とに分割して、2段階で取外すものに比べて蓋体の開閉操作が容易に行える。しかも、化粧側板や框を必要とせず、現場における組み立て作業が簡略化できる。
【0012】
また、隣接する箱体の側板の上端部に跨るように断面コ字状の連結部材を被嵌することで、箱体同士の連結が簡単にでき、また、隣接する蓋体間の僅かな隙間からごみが入っても連結部材の上横片で受けて簡単に掃除できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。箱体3としては、ハッチ用箱体3aと、引出し用箱体3bとの2種類がある。
【0014】
ハッチ用箱体3aは図6に示すように、前後左右の側板5(5a、5b、5c、5d)と、底板11とを組み立てることで構成してある。隣接する側板5は一方の側板5の側面の端部に他方の側板5の端面を当接してねじ具6により固着するもので、図6の実施形態では前の側板5aの側面の両端部に設けたダボ穴12にそれぞれ左右の側板5の一端面に設けたダボ13を接着剤を塗布した状態で嵌め込み、この状態で左右の側板5c、5d、前の側板5aの側面の下端部に設けた溝14に接着剤を塗布した状態で底板11の3辺の端縁部を嵌め込み、更に、左右の側板5c、5dの他方の端面のダボ13に後の側板5bの側面の両端部に設けたダボ穴12を接着剤を塗布した状態で嵌め込むと共に底板11の残りの一辺の端縁部を後の側板5bの側面の下端部に設けた溝14に接着剤を塗布した状態で嵌め込んで隣接する側板5同士が一方の側板5の側面の端部に他方の側板5の端面を当接した状態で箱形状に仮組みし、この仮組み状態で、ねじ具6により側板5同士を固着する。
【0015】
このようにして組み立てた底板11を有し且つ上開口1を有するハッチ用箱体3aの左右の側板5の内側の側面の後部の上端に図7に示すようにリンク装置15を取付ける。リンク装置15は、側板5(左右の側板5c、5d)に固定する側板固定部16の前端部の上部に第1リンク板17の下端部が軸18により回動自在に軸支してあり、側板固定部16の後端部の下部に第2リンク板19の下端部が軸20により回動自在に軸支してあり、また、蓋体2の下面の後端部の両側部に固定するL状をした蓋側固定部22の蓋体2から突出する片の上部に第1リンク板17の上端部を軸23により回動自在に軸支してあり、更に、蓋側固定部22の蓋体2から突出する片の下部に第2リンク板19の上端部を軸24により回動自在に軸支してあり、更に、第2リンク板19の軸20による枢支位置よりも上方位置に設けたばね取付け部25と側板固定部16の軸18よりも下方位置に設けたばね取付け部26とにコイルスプリング27の両端部を取付けて第2リンク板19を引っ張って回動させようとするばね力を付与している。
【0016】
そして、図5(a)のように蓋体2を開いた状態で、第2リンク板19がコイルスプリング27による引張ばね力が作用することで図5(a)の蓋体2の開き状態が維持されるようになっている。この図5(a)の蓋体2の開き状態で蓋体2の後端面は左右の側板5c、5dの上面より少し浮き且つ後の側板5bよりも前方にずれた位置で起立するように構成してある。
【0017】
上記図5(a)の蓋体2の開き状態で蓋体2の前端部を手で持って閉じる方向に回動すると、軸23を中心に軸24がコイルスプリング27のばね力に抗して回動することで、蓋体2を閉じることができ、この場合、第1リンク板17が図5(a)において軸18を中心に時計回り方向に回動し且つ第1リンク板17の上端の軸23を中心に第2リンク板19の上端の軸24が回動するので、第2リンク板19が図5(a)において軸20を中心に時計回り方向に回動し、図5(b)のように蓋体2によりハッチ用箱体3aの上開口を閉じるようになっている。
【0018】
上記リンク装置15は側板5にリンクカバー28を取付けて覆うようになっている。
【0019】
箱体3の出隅部には縦溝29が設けてある。添付図面に示す実施形態においては、前後の側板5a、5bの外面側の端部付近に上下方向にわたって縦溝29を設け、更に、該前後の側板5a、5bの内面の端部と端面とのなす角部にL状段落部を上下方向にわたって設け、このL状段落部と隣接する左右の側板5c、5dの端面とにより縦溝29を設けてある。
【0020】
ハッチ用箱体3aの出隅部分を覆うコーナカバー部材7は合成樹脂により形成してあって弾性を有するものであり、図14に示すように断面略L字状をした両側片30の内面側の先端部にそれぞれ係合突部31が設けてあり、このコーナカバー部材7は取付け前の状態では両側片30の先端部同士のなす角度は90°未満である。そして、コーナカバー部材7を弾性的に90°の開き角度となるように広げた状態で両係合突部31を上記両縦溝29に上方から差し込むことでハッチ用箱体3aの出隅部分にコーナカバー部材7を外方に突出するように取付けると共にコーナカバー部材7により側板5の側端面及びねじ具6を覆って外観が良くなるようにしている。これにより従来のように化粧側板を別途必要としない。
【0021】
蓋体2は上面部が畳部分となっており、畳部分は下部の荷重を支持する蓋体本体に固着してある。この蓋体2は前述のように閉じることでハッチ用箱体3aの上開口を閉じるように構成してあるのであるが、蓋体2は各側板5の上端面に載置されて荷重を各側板5に伝達するようになっている。
【0022】
そして、蓋体2の大きさは、蓋体2を閉じた状態で、平面視で蓋体2の外端が側板5の外面よりも外側に位置し且つ4隅部のコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線と同じ又はコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線よりも内側に位置するような大きさに設定してある。
【0023】
また、引出し用箱体3bは図9に示すように、前後左右の側板5(5a、5b、5c、5d)と、中枠板32とを組み立てることで構成してある。本実施形態では前の側板5aの上下長さは短く、左右の側板5c、5dの上端間に架設して取付けられる。隣接する側板5は一方の側板5の側面の端部に他方の側板5の端面を当接してねじ具6により固着するもので、図9の実施形態では後の側板5bの側面の両端部に設けたダボ穴12にそれぞれ左右の側板5c、5dの一端面に設けたダボ13を接着剤を塗布した状態で嵌め込み、この状態で左右の側板5c、5d、後の側板5bの側面の上端よりもやや下位置に設けた溝33に接着剤を塗布した状態で中枠板32の3辺の端縁部を嵌め込み、更に、左右の側板5c、5dの他方の端面の上部に設けたダボ13に上下長さの短い前の側板5aの側面の両端部に設けたダボ穴12を接着剤を塗布した状態で嵌め込むと共に中枠板32の残りの一辺の端縁部を前の側板5aの側面に設けた溝33に接着剤を塗布した状態で嵌め込んで、隣接する側板5同士が一方の側板5の側面の端部に他方の側板5の端面を当接した状態で箱形状に仮組みし、この仮組み状態で、ねじ具6により側板5同士を固着する。
【0024】
このようにして組み立てた引出し用箱体3bは上開口1を設けるだけでなく底がなくしかも前面部に前開口34が形成される。また、中枠板32は外周部を除いて開口しており、この中枠板32の開口部35は引出し用箱体3bの上開口1よりも少し小さい開口となっていて上下に対向している。
【0025】
組み立てた引出し用箱体3bの出隅部には縦溝29が設けてある。添付図面に示す実施形態においては、前後の側板5a、5bの外面側の端部付近に上下方向にわたって縦溝29を設け、更に、該前後の側板5a、5bの内面の端部と端面とのなす角部にL状段落部を上下方向にわたって設け、このL状段落部と隣接する左右の側板5c、5dの端面とにより縦溝29を設けてある。
【0026】
図14に示す前述のコーナカバー部材7の両係合突部31を上記両縦溝29に上方から差し込むことで引出し用箱体3bの出隅部分にコーナカバー部材7を外方に突出するように取付けると共にコーナカバー部材7により側板5の側端面及びねじ具6を覆って外観が良くなるようにしている。これにより従来のように化粧側板を別途必要としない。
【0027】
組み立てた引出し用箱体3bの上開口1を開閉自在とする蓋体2は図11に示すようなもので、裏面の四隅よりもやや内側にずれた位置にずれ防止脚部36が下方に向けて突設してあり、引出し用箱体3bの上開口1に蓋体2を被せて蓋体2の裏面の周囲を引出し用箱体3bの上面に載置した状態で裏面の四隅よりもやや内側にずれた位置に設けたずれ防止脚部36が中枠板32の上面の四隅部分に載置されて蓋体2の横ずれを防止するようになっている。このように蓋体2の裏面の四隅よりもやや内側にずれた位置に設けたずれ防止脚部36が中枠板32の上面の四隅部分に載置して蓋体2を位置決めして閉じた状態で、平面視で蓋体2の外端が側板5の外面よりも外側に位置し且つ4隅部のコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線と同じ又はコーナカバー部材7の突出先端を結ぶ線よりも内側に位置するような大きさに蓋体2が設定してある。
【0028】
したがって、蓋体2を手前に移動したり、外したりする場合は蓋体2の端部の側板5の外面よりも外側に突出した部分に指を掛けて蓋体2の端部を少し上に持ち上げた状態で引くことで、蓋体2を外したり、あるいは、蓋体2の後端を後側の側板5bの上端よりも前方にずらしたりすることができる。
【0029】
引出し用箱体3b内には図11に示すような上方に開口する引出し39が前開口34から出し入れ自在に収納される。引出し39は下面にキャスターが取付けてある。
【0030】
上記の構成のハッチ用箱体3a、引出し用箱体3bはリビングなどのカーペット敷きやフローリングのなどの床上に単独で設置するか又は複数床に並設して設置するもので、蓋体2の上面部が畳部分となっているため、蓋体2上に座ったり、寝転んだりするものとして使用し、また、箱体3の内部には収納物を収納する。
【0031】
複数並設して使用する場合は、隣接する箱体3のコーナカバー部材7同士を当接し、隣接する箱体3の側板5の上端部に跨るように図15に示すような断面コ字状の連結部材8を図2、図12、図13のように被嵌して両側板5同士を連結すると共に連結部材8の上横片9で両側板5間の隙間10を隠す。この場合、隣接する蓋体2の対向端面同士は当接又は僅かな隙間を介して対向し、この隣接する蓋体2の側端面の対向部分が上記連結部材8の上横片9の上に位置するものであり、隣接する蓋体2の側端面の対向部分間からごみが入っても上横片9で受けられ、蓋体2を開くことで簡単に上横片9にたまったごみを除去できる。
【0032】
ここで、複数床上に並設して上記のように連結部材8で連結して使用する場合、ハッチ用箱体3aは何処に配置してもよいが、引出し用箱体3bは前開口34が壁や別の箱体3で遮蔽されない位置、つまり引出し39が引出せる手前に配置する必要がある。
【0033】
このように箱体3を複数並設したものにおいて、ハッチ用箱体3aの上開口1を開として内部に収納物を出し入れするには、次のようにして行う。
【0034】
すなわち、図3(a)のように、壁から離れた側である手前にハッチ用箱体3aが位置する場合、まず、手前のハッチ用箱体3aの蓋体2を開く。この場合、該手前のハッチ用箱体3aの側板5から側方に突出した部分に指を掛けて図3(a)のように蓋体2を回動して起立させることで蓋体2を開くことができる。このようにして蓋体2を開いて起立させた状態で、当該ハッチ用箱体3a内に収納物を出し入れする。この場合、蓋体2を開いて図3(a)のように起立させた状態では、すでに述べたように、蓋体2の後端面が左右の側板5c,5dの上面より少し浮き且つ後の側板5bよりも前方にずれた位置で起立するように構成してあるので、該起立した蓋体2と後側のハッチ用箱体3aの蓋体2の前端面との間に隙間が生じる。したがって、後側のハッチ用箱体3aの蓋体2の前端面に指を掛けて回動することで後側のハッチ用箱体3aの蓋体2を同様にして図3(b)のように回動して開き、後側のハッチ用箱体3aの上開口1から内部に収納物の出し入れをすることができる。
【0035】
また、図4のように、壁から離れた側である手前に引出し用箱体3bが位置し、壁側である後側にハッチ用箱体3aが位置している場合に、後側に位置するハッチ用箱体3aの蓋体2を開くには、まず、手前に位置する引出し用箱体3bの蓋体2の端部の前の側板5aの外面よりも外側に突出した部分に指を掛けて蓋体2の端部を少し上に持ち上げた状態で手前に引くことで、図4(a)のように蓋体2の後端を後側の側板5bの上端よりも前方にずらす。これにより、該引出し用箱体3bの蓋体2の後端面と後側のハッチ用箱体3aの蓋体2の前端面との間に隙間が生じるので、後側のハッチ用箱体3aの蓋体2の前端面に指を掛けて回動することで後側のハッチ用箱体3aの蓋体2を同様にして4(b)のように回動して開き、後側のハッチ用箱体3aの上開口1から内部に収納物の出し入れをすることができる。
【0036】
手前に位置する引出し用箱体3b内に収納物を出し入れするには、引出し39を引出して引出し39内に収納物を出し入れして再び引出し用箱体3b内に引出し39を収納する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の斜視図である。
【図2】同上の一部省略断面図である。
【図3】(a)(b)は同上の蓋体を開く順序を示す説明図である。
【図4】同上の他の実施形態の蓋体を開く順序を示す説明図である。
【図5】(a)は同上のハッチ用箱体の蓋体を開いた状態の断面図であり、(b)は蓋体を閉じた状態の断面図である。
【図6】(a)(b)(c)は同上のハッチ用箱体の組み立て順序を示す説明図である。
【図7】同上のリンク装置を示す斜視図である。
【図8】(a)は同上のコーナカバー部材の取付けを示す斜視図であり、(b)は要部拡大斜視図である。
【図9】(a)(b)(c)は同上の引出し用箱体の組み立て順序を示す斜視図である。
【図10】同上のコーナカバー部材の取付けを示す斜視図である。
【図11】(a)は同上の引出し用箱体の分解斜視図であり、(b)は同上の蓋体を上下逆にした斜視図である。
【図12】同上のハッチ用箱体同士を並設して連結部材で連結する例を示す斜視図である。
【図13】同上のハッチ用箱体と引出し用箱体とを並設して連結部材で連結する例を示す斜視図である。
【図14】同上に用いるコーナカバー部材の断面図である。
【図15】同上に用いる連結部材の断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 上開口
2 蓋体
3 箱体
4 床置き畳台
5 側板
6 ねじ具
7 コーナカバー部材
8 連結部材
9 上横片
10 隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上開口を蓋体により開閉自在とした箱体を単体又は複数並設した床置き畳台において、側板の端面を隣接する側板の側面端部に突き合わせると共に該突き合わせ部分においてねじ具で固着することで上方が開口した箱体を構成し、該箱体の出隅部分にコーナカバー部材を外方に突出するように取付けると共にコーナカバー部材により側板の端面及びねじ具を覆い、蓋体を閉じた状態で、平面視で蓋体の外端が側板の外面よりも外側に位置し且つ4隅部のコーナカバー部材の突出先端を結ぶ線と同じ又はコーナカバー部材の突出先端を結ぶ線よりも内側に位置することを特徴とする床置き畳台。
【請求項2】
隣接する箱体のコーナカバー部材同士を当接し、隣接する箱体の側板の上端部に跨るように断面コ字状の連結部材を被嵌して両側板同士を連結すると共に連結部材の上横片で両側板間の隙間を隠し、該上横片上に隣接する箱体の各蓋体の側端が位置していることを特徴とする請求項1記載の床置き畳台。
【請求項1】
上開口を蓋体により開閉自在とした箱体を単体又は複数並設した床置き畳台において、側板の端面を隣接する側板の側面端部に突き合わせると共に該突き合わせ部分においてねじ具で固着することで上方が開口した箱体を構成し、該箱体の出隅部分にコーナカバー部材を外方に突出するように取付けると共にコーナカバー部材により側板の端面及びねじ具を覆い、蓋体を閉じた状態で、平面視で蓋体の外端が側板の外面よりも外側に位置し且つ4隅部のコーナカバー部材の突出先端を結ぶ線と同じ又はコーナカバー部材の突出先端を結ぶ線よりも内側に位置することを特徴とする床置き畳台。
【請求項2】
隣接する箱体のコーナカバー部材同士を当接し、隣接する箱体の側板の上端部に跨るように断面コ字状の連結部材を被嵌して両側板同士を連結すると共に連結部材の上横片で両側板間の隙間を隠し、該上横片上に隣接する箱体の各蓋体の側端が位置していることを特徴とする請求項1記載の床置き畳台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−82855(P2007−82855A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−276863(P2005−276863)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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