説明

座席装置

【課題】 レグレストにフットレストを備えた場合でも、フットレストが床に衝突することがない座席装置を提供する。
【解決手段】 座席装置1は、シートボトム20とシートバック10とレグレスト30とがベッド状態に可動なものであり、レグレスト30は、シートボトム20の下方に配設されたレグレスト支持機構5に支持されており、レグレスト支持機構5は、ベース50と、レグレスト30が取り付けられ、ベース50に支持されながらシートボトム20の前後方向に前進後退可能な可動部70と、を備え、レグレスト30がシートボトム20の前方の位置にあるときにシートボトム20およびシートバック10とともにベッド状態となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートボトムとシートバックとレグレストとがベッド状態にリクライニング可動な座席装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のリクライニング可能な座席装置としては、例えば特許文献1に開示されたようなものがある(以下、符号は特許文献1に記載のものである。)。すなわち、バックサポート14(シートバック)が大腿サポート後部に配置された枢着点20で大腿サポート12(シートボトム)に枢着されており、アクチュエータ26によってバックサポート14は一杯に立てられた位置と一杯にリクライニングさせられた位置との間を枢動する。また、レグレスト16が大腿サポート前部分に配置された枢着点30で大腿サポート12に枢着されており、アクチュエータ36によってレッグレスト16は垂直な収納位置と一杯に伸長させられた使用位置との間を枢動する。また、フットレスト18がレッグレスト16の自由端部に設けられており、アクチュエータ40によってフットレスト18は収納位置と一杯に伸長させた位置との間で移動する。
【0003】
このように構成された座席は、フットレストが伸長位置にある状態でレッグレストをレッグレスト収容位置に向かって移動すると、フットレストは、レッグレストが収納位置に到達する前に床に当たって座席を損傷してしまうことも有り得る。このために、座席は、CPUに接続された多数の位置センサ52,54,56,58,60でバックサポート、レッグレスト、フットレスト等の位置を検出してそれらの動作を制御することにより、フットレストが床面との衝突を防止している。
【0004】
【特許文献1】特許第3171853号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の技術では、少なくともフットレストとレグレストの位置や角度の情報が必要であり、このような情報を得るための位置センサを必要とするという問題点があった。
【0006】
また、駆動装置の動作・停止・過負荷の状態などの情報が必要であるので、そのためのセンサが必要であり、これらセンサや位置センサと制御器をつなぐための配線が必要であり部品点数が増加するという問題点があった。
【0007】
また、上記の情報を収集してフットレストと床との衝突可否を判断するためのソフトと衝突回避をする制御を行う必要があるという問題点があった。
【0008】
さらにまた、シートバック、レグレスト、フットレストには、それらを動作させるための駆動装置が個別に必要であるという問題点があった。
【0009】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、レグレストにフットレストを備えた場合でも、フットレストが床に衝突することが無く、衝突回避のためのセンサやソフトによる制御が不要であり、さらに駆動装置の数を減じて省エネおよび軽量化を図ることができるようにした座席装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] シートボトム(20)とシートバック(10)とレグレスト(30)とがベッド状態に可動な座席装置(1)において、
前記レグレスト(30)は、前記シートボトム(20)の下方に配設されたレグレスト支持機構(5)に支持されており、
前記レグレスト支持機構(5)は、ベース(50)と、前記レグレスト(30)が取り付けられ、前記ベース(50)に支持されながらシートボトム(20)の前後方向に前進後退可能な可動部(70)と、を備え、
前記レグレスト(30)が前記シートボトム(20)の前方の位置にあるときに前記シートボトム(20)および前記シートバック(10)とともに前記ベッド状態となることを特徴とする座席装置(1)。
【0011】
[2] シートボトム(20)とシートバック(10)とレグレスト(30)とがベッド状に可動な座席装置(1)において、
前記レグレスト(30)は、前記シートボトム(20)の下方に配設されたレグレスト支持機構(5)に支持されており、
前記レグレスト支持機構(5)は、ベース(50)と、前記レグレスト(30)が取り付けられ、前記ベース(50)に支持されながらシートボトム(20)の前後方向に前進後退可能な可動部(70)と、を備え、
前記可動部(70)は、所定位置で前記シートボトム(20)側と係脱する係脱部材(73)を有し、該係脱部材(73)は、前記所定位置よりも後退した位置に前記可動部(70)があるときは前記シート側との係止が解除されており、前記所定位置から前進した位置に前記可動部(70)があるときは前記シートボトム(20)側に係止して前進後退に連動して前記シートボトム(20)を前後に移動させ、前記シートバック(10)を傾動させ、前記レグレスト(30)を前記シートボトム(20)の前方に移動させたときに、前記レグレスト(30)、前記シートボトム(20)および前記シートバック(10)が前記ベッド状態となることを特徴とする座席装置(1)。
【0012】
[3] 前記ベース(50)は、前記可動部(70)の前進後退を案内するガイド部(60)を備え、
前記可動部(70)は、前端部に前記レグレスト(30)の前端部が回動可能に軸連結され、前記ガイド部(60)に案内されながら前進後退するレグレスト支持部材(71)と、該レグレスト支持部材(71)の上方に配設され、前端部に前記レグレスト(30)の中間部が軸連結され、後部に前記係脱部材(73)を有し、該係脱部材(73)を支持して前記ガイド部(60)に案内されながら前進後退する支持部材(72)と、を備え、
前記シートボトム(20)は、前記係脱部材(73)に係脱される被係止部(22)を備え、該被係止部(22)と前記係脱部材(73)とは、前記可動部(70)が前記所定位置を通過するときに係脱することを特徴とする[2]に記載の座席装置(1)。
【0013】
[4] 前記ガイド部(60)は、前記レグレスト支持部材(71)を案内する下位ガイド溝(61)と、該下位ガイド溝(61)よりも上方で前記支持部材(72)を案内する中位ガイド溝(62)と、該中位ガイド溝(62)よりも上方で前記係脱部材(73)を案内する上位ガイド溝(63)と、を有し、
前記下位ガイド溝(61)は、前記シートボトム(20)の下方で前記シートボトム(20)の前後方向に延びて前端側が下方に傾斜し、前記レグレスト支持部材(71)の後端側が下位ガイド溝連結軸(161a,161b)によってスライド可能に軸連結され、
前記中位ガイド溝(62)は、前記下位ガイド溝(61)に略平行に延び、前記支持部材(72)が中位ガイド溝連結軸(162a,162b)によってスライド可能に軸連結され、
前記上位ガイド溝(63)は、前記中位ガイド溝(62)に平行に延び、前記可動部(70)が前記所定位置に位置する中間部に前方に向かって下方に傾斜した下傾部(63a)を有し、前記係脱部材(73)が上位ガイド溝連結軸(163)によってスライド可能に軸連結され、
前記係脱部材(73)は、上部に前記シートボトム(20)の被係止部(22)に係脱する係止部(73a)が形成され、下部に上下に延びる上下ガイド溝(74)が形成され、該上下ガイド溝(74)に前記中位ガイド溝連結軸(162a,162b)がスライド可能に軸連結されて、前記上位ガイド溝連結軸(163)が前記上位ガイド溝(63)の前記下傾部(63a)を通過するときに上下して前記シートボトム(20)の被係止部(22)と係脱し、
前記レグレスト支持部材(71)の前記下位ガイド溝連結軸(161a,161b)が前記下位ガイド溝(61)の下方に傾斜した部分に至ると前記レグレスト(30)の前記前端部が下がって傾斜することを特徴とする[3]に記載の座席装置(1)。
【0014】
[5] 前記ベース(50)は、前記可動部(70)が前記所定位置よりも後方にあるときは、前記シートボトム(20)の被係止部(22)を移動不能に保持し、前記可動部(70)が前記所定位置よりも前方にあるときは前記被係止部(22)の保持を解除して前記係脱部材(73)に係止した前記被係止部(22)を移動可能とする、被係止部ロック部材(80)を備えたことを特徴とする[2],[3]または[4]に記載の座席装置(1)。
【0015】
[6] 前記可動部(70)の前記所定位置は、前記レグレスト(30)が前記シートボトム(20)の前方に出た位置であることを特徴とする[2],[3],[4]または[5]に記載の座席装置(1)。
【0016】
[7] 前記レグレスト支持機構(5)は、座席装置(1)の本体(1A)を設置する設置面(F)に配設されたことを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5]または[6]に記載の座席装置(1)。
【0017】
[8] 前記レグレスト(30)は、上面側で起倒可能なフットレスト(40)を備えたことを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6]または[7]に記載の座席装置(1)。
【0018】
[9] 前記可動部(70)を駆動する駆動手段を備えたことを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7]または[8]に記載の座席装置(1)。
【0019】
前記本発明は次のように作用する。
座席装置(1)は、シートバック(10)が最も起立し、シートボトム(20)が最も後退し、レグレスト(30)がシートボトム(20)の下に収納されたアップライト状態からシートバック(10)が傾動して最も倒れ、シートボトム(20)が最も前進し、レグレスト(30)がシートボトム(20)の前方に位置してこれらが全体として略フラットなベッド状態まで姿勢を変えることができる。このような姿勢変化は、レグレスト(30)の動作に連動して行われる。
【0020】
シートボトム(20)の下方に配設されたレグレスト支持機構(5)は、座席装置(1)の本体(1A)の設置された設置面(F)に対して不動に配設されたベース(50)が可動部(70)を支持しており、この可動部(70)は、ベース(50)に設けられたガイド部(60)に案内されながらシートボトム(20)の下方でシートボトム(20)の前後方向に前進後退することができる。
【0021】
可動部(70)のレグレスト支持部材(71)は、後端側がガイド部(60)に形成された下位ガイド溝(61)に下位ガイド溝連結軸(161a,161b)によって軸連結されているので、下位ガイド溝(61)に沿ってスライドできる。下位ガイド溝(61)は、シートボトム(20)の下方でシートボトム(20)の前後方向に延びており、前端側が下方に傾斜しているので、レグレスト支持部材(71)は、前方にスライドして下位ガイド溝連結軸(161a,161b)がこの傾斜部分に至ると前端部が下がる。このレグレスト支持部材(71)の前端部にはレグレスト(30)の前端部が軸連結されているので、レグレスト(30)の前端側も下がることになる。
【0022】
レグレスト支持部材(71)の上方に配設された支持部材(72)は、中位ガイド溝連結軸(162a,162b)によって中位ガイド溝(62)に軸連結されているので、中位ガイド溝(62)に沿ってスライドできる。支持部材(72)の前端部にはレグレスト(30)の中間部が軸連結されており、後部にはシートボトム(20)側の被係止部(22)に係脱する係脱部材(73)を有しており、これらは支持部材(72)とともにスライドする。中位ガイド溝(62)の前端側には下位ガイド溝(61)の前端側に形成されたような下向の傾斜は形成されていない。このため、上記のようにレグレスト支持部材(71)が前方にスライドして下位ガイド溝連結軸(161a,161b)が傾斜部分に至ってレグレスト(30)の前端部が下がっても、レグレスト(30)の中間部は下がらないので、レグレスト(30)は前端部と中間部との高さの差が開いて前下がりに傾斜した状態になる。
【0023】
係脱部材(73)は、中位ガイド溝(62)よりも上方に形成された上位ガイド溝(63)にも上位ガイド溝連結軸(163)によって軸連結されているので係脱部材(73)は中位ガイド溝(62)側と上位ガイド溝(63)側で支持されながらスライドする。
【0024】
上位ガイド溝(63)は中位ガイド溝(62)に平行に延び、中間部分には前方に向かって下方に傾斜した下傾部(63a)が形成されているので下傾部(63a)から前方側と後方側とでは上位ガイド溝(63)と中位ガイド溝(62)との間隔が異なり、前方側で狭くなっているが、係脱部材(73)は下部に形成された上下ガイド溝(74)に中位ガイド溝連結軸(162a,162b)がスライド可能に軸連結されているので、上位ガイド溝(63)と中位ガイド溝(62)との間隔の差は上下ガイド溝(74)を中位ガイド溝連結軸(162a,162b)が上下にスライドすることにより吸収される。これにより、係脱部材(73)は、下傾部(63a)を通過する際に上下して支持部材(72)とともに移動することができる。
【0025】
この係脱部材(73)が上下する所定位置に可動部(70)があるときに、係脱部材(73)の上部に形成された係止部(73a)がシートボトム(20)の被係止部(22)に係脱する。シートボトム(20)の被係止部(22)は、ベース(50)側に設けた被係止部ロック部材(80)によって移動不能に保持し、また、移動可能に保持を解除することができる。被係止部ロック部材(80)は、可動部(70)が所定位置よりも後方にあるときは、シートボトム(20)の被係止部(22)を移動不能に保持し、可動部(70)が所定位置よりも前方にあるときは被係止部(22)の保持を解除する。したがって、被係止部(22)は係止部(73a)が係止した状態で係脱部材(73)の移動とともに前方に移動することができる。被係止部(22)の移動によってシートボトム(20)が移動すると、シートボトム(20)に連結されたシートバック(10)が傾動し、これらはレグレスト(30)とともにベッド状態の姿勢を作り出すことができる。また、可動部(70)が所定位置よりも後方にあり、係脱部材(73)が被係止部(22)に係止していないときは、被係止部(22)は移動不能に保持されるので、不用意にシートボトム(20)が移動し、それに連動してシートバック(10)が傾動してしまうことがない。
【0026】
上記のレグレスト支持機構(5)は、座席装置(1)の本体(1A)を設置する設置面(F)に直接に配置してもよいし、座席装置(1)の本体(1A)側に配設してもよい。
【0027】
レグレスト(30)が上面側で起倒可能なフットレスト(40)を備える場合、レグレスト(30)はシートボトム(20)の下方で前後方向に移動するのでフットレスト(40)を設置面(F)に衝突させてしまうこと無く、フットレスト(40)と設置面(F)との衝突を回避するための各種センサや制御が不要である。
【0028】
また、可動部(70)を駆動装置で動作させる場合、可動部(70)側がシートボトム(20)に係止してシートボトム(20)を移動させることができ、シートボトム(20)に連動してシートバック(10)が傾動するので、レグレスト(30)、シートボトム(20)およびシートバック(10)の連動した動作を1つの駆動装置で行うことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の座席装置によれば、レグレストは、シートボトムの下方に配設されたレグレスト支持機構の可動部に取り付けられ、可動部は、ベースに支持されながらシートボトムの下方でシートボトムの前後方向に前進後退するので、レグレストにフットレストを設けた場合でもフットレストは座席装置を設置した設置面に衝突することがなく、衝突回避のためのセンサやソフトによる制御が不要となる。
【0030】
さらに、可動部が所定位置よりも後退した位置にあるときは可動部の係脱部材がシートボトム側との係止を解除されており、可動部が所定位置から前進した位置にあるときはシートボトム側に係止して前進後退に連動してシートボトムを前後に移動させることができるので、可動部を駆動する駆動装置を設けるだけでレグレストの移動にシートボトムの移動およびシートバックの傾動を連動させることができ、もって駆動装置の数を減じて省エネおよび座席装置の軽量化を図ることができる。
【0031】
また、ガイド部の下位ガイド溝は、シートボトムの下方でシートボトムの前後方向に延びており、前端側が下方に傾斜し、レグレスト支持部材の後端側が下位ガイド溝連結軸によってスライド可能に軸連結されているので、下位ガイド溝連結軸が下位ガイド溝の下方に傾斜した部分に至るとレグレスト支持部材の前端がさがり、一方、下位ガイド溝に略平行に延びる中位ガイド溝は前端側が下方に傾斜していないので、支持部材の前端部に軸連結されたレグレストの中間部は高さに変化がなく、もって、レグレストの前端部が下がり、傾斜する。
【0032】
また、被係止部ロック部材は、可動部が所定位置よりも後方にあって係脱部材が被係止部に係止していないときは、被係止部を移動不能に保持するので不用意にシートボトムが移動し、それに連動してシートバックが傾動してしまうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施の形態を説明する。
【0034】
各図は本発明の一実施の形態を示している。
図1および図2に示すように、座席装置1は、例えば航空機のような乗物に設置されるものであり、本体1Aのシートバック10、シートボトム20およびレグレスト30が連動して姿勢を変えることができるものである。この姿勢変化は、シートバック10が最も起き上がり、シートボトム20が最も後退した位置にあり、レグレスト30がシートバック10の下方で最も後退した位置にある状態S1からシートバック10が傾動して最も倒れ、シートボトム20が最も前進して前下がりにシートバック10の傾斜と略等しく傾き、レグレスト30が最も前進して前下がりにシートボトム20の傾斜と略等しく傾いたベッド状態S6まで可能である。
【0035】
レグレスト30の前端部にはフットレスト40がレグレスト30の上面側で起倒可能に連結されている。フットレスト40は、手動で起倒できるものであるが、電動で起倒するようにしてもよい。なお、レグレスト30およびフットレスト40は、姿勢状態S3と姿勢状態S6に図示し、他の姿勢状態においては図示を省略する。
【0036】
シートバック10は、バックフレーム11にクッションが装着され、さらにカバーが付けられている。シートボトム20は、ボトムフレーム21にクッションが装着され、さらにカバーが付けられている。また、レグレスト30は、レグレストフレーム31にクッションが装着され、さらにカバーが付けられている。フットレスト40は、足を載せる不図示の平板状部分を有し、レグレストフレーム31の前端部に回動可能に軸連結されている。
【0037】
後述するように、バックフレーム11とボトムフレーム21とは、直接に軸連結されている。また、レグレストフレーム31は、これらには直接には連結されていないが、レグレストフレーム31の動きにバックフレーム11およびボトムフレーム21が連動するように構成されている。レグレスト30を可動に支持するとともに、レグレストフレーム31の動きにバックフレーム11を直接に連動させるためのレグレスト支持機構5がボトムフレーム21の下方に配設されている。
【0038】
図1に示すように、レグレスト支持機構5は、座席装置1を設置する床などの設置面Fに対して不動に平行に配設された一対の板状のベース50と、このベース50の相対する面のそれぞれに固定されたガイド部60と、このガイド部60に案内されてシートバック10の下方でシートバック10の前後方向に設置面Fに略平行に前進後退する可動部70とを備えている。
【0039】
ベース50は、バックフレーム11の傾動を案内するバックフレームガイド溝51と、このバックフレームガイド溝51よりも下方に形成され、バックフレーム11とボトムフレーム21との連結部を案内してバックフレーム11の傾動およびボトムフレーム21の移動を同時に案内する連結部ガイド溝52とを有している。さらに、連結部ガイド溝52の下方でベース50の前部には、ボトムフレーム21の中間部分に形成された被係止軸22(被係止部)を略水平方向にスライド可能に案内するシートボトムガイド溝53が形成されている。被係止軸22は、後述するように可動部70が所定位置で係脱して、シートバック10側をレグレスト30と連動、非連動させるためのものである。
【0040】
図1および図3に示すように、バックフレーム11の下端部とボトムフレーム21の後端部とは、連結部110で連結軸111によって互いに回動可能に軸連結されており、さらに、連結軸111は連結部ガイド溝52間に掛け渡されて連結部ガイド溝52にスライド可能に軸連結されている。バックフレーム11は、連結軸111に連結された連結部110よりも上の部分で連結軸112に回動可能に軸連結されており、さらに、連結軸112は、バックフレームガイド溝51間に掛け渡されてバックフレームガイド溝51にスライド可能に軸連結されている。バックフレームガイド溝51と連結部ガイド溝52とは曲線を含む形状に形成されており、シートバック10は、傾動する際にこのバックフレームガイド溝51と連結部ガイド溝52とにしたがって姿勢変化する。
【0041】
また、シートボトム20は、移動の際に連結部ガイド溝52とシートボトムガイド溝53とにしたがって姿勢変化が決定されている。シートボトム20は、移動とともに傾動もする。したがって、バックフレーム11およびボトムフレーム21がバックフレームガイド溝51、連結部ガイド溝52およびシートボトムガイド溝53によって案内されることにより、シートバック10およびシートボトム20は、図2の状態S1から状態S6まで姿勢を変化させることができる。
【0042】
ガイド部60は、図10、図13等に示した最も低い位置の下位ガイド溝61と、図1、図9等に示した下位ガイド溝61の上方の中位ガイド溝62および中位ガイド溝62の上方の上位ガイド溝63を有しており、これら3本のガイド溝61,62,63によって可動部70の動作を案内する。
【0043】
下位ガイド溝61は、シートボトム20の下方でシートボトム20の前後方向に略水平に延びており、前端側は、下方に傾斜して延びる傾斜部61aとなっている。また、中位ガイド溝62は、下位ガイド溝61に平行に延びている。この中位ガイド溝62は、後端から前端まで真直ぐに延びており、下位ガイド溝61の傾斜部61aのような傾斜部は形成されていない。また、上位ガイド溝63は、中位ガイド溝62に略平行に延びているが、可動部70が所定位置にあるときに後述する係脱部材73が位置する中間部には前方に向かって下方に傾斜した下傾部63aが形成されている。この下傾部63aよりも前方部分および後方部分は、中位ガイド溝62に平行である。したがって、下傾部63aよりも前方側は、後方側よりも中位ガイド溝62との間隔が狭くなっている。
【0044】
可動部70は、下位ガイド溝61に案内されながら前進後退するバー状のレグレスト支持部材71と、このレグレスト支持部材71の上方で中位ガイド溝62に案内されながら前進後退するバー状の支持部材72と、この支持部材72の後部に軸連結された板状の係脱部材73と、を有している。
【0045】
下位ガイド溝61に案内されるレグレスト支持部材71は、図10などに示すように、後端側の2箇所で下位ガイド溝連結軸161a,161bによって下位ガイド溝61にスライド可能に軸連結されている。また、レグレスト支持部材71は、図1、図4などに示すように、前端部にレグレストフレーム31の前端部が回動可能に軸連結されている。前方側の下位ガイド溝連結軸161aが傾斜部61aにあるときは、後方側の下位ガイド溝連結軸161bよりも低い位置にあるので、レグレスト支持部材71の前端部が下がる。これにより、レグレスト30の前端部も下がる。
【0046】
レグレスト支持部材71は、可動部70の下方に配設されたモータM(図1、図2、図5など参照)の動力によって支持部材72の前進後退とともに前進後退することができる。図5は、支持部材72を前進後退させて可動部70を動作させるための駆動手段200が示されている。(A)は、駆動手段200の取付ラック203が最も後退したときの状態を示しており、(B)は、駆動手段200の取付ラック203が最も前進したときの状態を示している。
【0047】
駆動手段200は、モータMとこのモータMの回転を伝達する歯車201,202、この歯車202に噛み合って前進後退する取付ラック203およびこの取付ラック203に取り付けられた連結部材204(図3参照)を有している。連結部材204は、取付ラック203と支持部材72との間に介在してこれらを連結するものである。
【0048】
図4に示すように、支持部材72は、下向に突出した連結部72aを有している。この連結部72aが駆動手段200の連結部材204に連結されている。これにより、支持部材72を動作させて可動部70の全体を動作させることができる。
【0049】
支持部材72は、中位ガイド溝62に案内されており、図1,図4,図6などに示すように、後部が2本の中位ガイド溝連結軸162a,162bによって中位ガイド溝62にスライド可能に軸連結されている。これら中位ガイド溝連結軸162a,162bには、上記の係脱部材73の下部が軸連結されている。さらに、中位ガイド溝連結軸162a,162bには、後述する被係止軸ロック部材80(被係止部ロック部材)を揺動不能に保持したり、揺動可能に保持を外したりする保持板90が軸連結されている。また支持部材72の前端部には、レグレスト30の中間部が限定された範囲で回転可能に軸連結されている。
【0050】
係脱部材73は、板状の部材であり、上部にはシートボトム20の被係止軸22に係脱するフック上の係止部73aが形成されている。また、下部には上下に延びる2本の上下ガイド溝74が形成されている。係脱部材73は、上下ガイド溝74部分で中位ガイド溝連結軸162a,162bによって軸連結されている。これにより、係脱部材73は、中位ガイド溝62側と上位ガイド溝63側で支持されながら上下にスライドすることができる。係脱部材73は、上位ガイド溝連結軸163が上位ガイド溝63の下傾部63aを通過するときに上下して、シートボトム20の被係止部22と係脱する。
【0051】
係止部73aと上下ガイド溝74との中間部分では、上位ガイド溝連結軸163に連結されている。上位ガイド溝連結軸163は上位ガイド溝63間に掛け渡されており、上位ガイド溝63に沿ってスライドすることができる。
【0052】
係脱部材73が係脱するシートボトム20側の被係止軸22は、ベース50の後部に揺動可能に軸連結された被係止軸ロック部材80(被係止部ロック部材)によって移動不能にロックされたり、移動可能にロック解除されたりする。被係止軸ロック部材80は、横長の板状部材であり、前部の上縁には下から被係止軸22に嵌まって、被係止軸22をロックするための凹んだロック部81が形成されている。また、上縁は、このロック部81から前端に向かって上向きに傾斜した被係止軸誘導部82が形成されている。被係止軸ロック部材80の下縁も前端に向かって上向きに傾斜した上傾部83が形成されている。上傾部83は、ロック部81の真下よりも後部寄りから形成されている。下縁は、上傾部83よりも後部側が上縁と略平行に延びている。
【0053】
被係止軸ロック部材80は、後部の上縁に近い部分が連結軸84によって揺動可能にベース50に軸連結されている。支持部材72の後部に軸連結された上記保持板90が支持部材72の移動とともに移動することにより、被係止軸ロック部材80の下縁は保持板90によって保持されたり、保持されなかったりする。保持板90が被係止軸ロック部材80の下縁を保持しているときは、被係止軸ロック部材80は被係止軸22をロックする位置にあり、保持板90が被係止軸ロック部材80の保持をはずしたときは、被係止軸ロック部材80は下方に揺動して被係止軸22のロックを解除することができる。
【0054】
支持部材72が最も後退した位置では保持板90は被係止軸ロック部材80を保持しており、支持部材72が前進して、保持板90による被係止軸ロック部材80の保持がはずれる位置に至ると、係脱部材73が上下して被係止軸22に係脱する。この位置(所定位置)ではレグレスト支持部材71および支持部材72に連結されたレグレスト30はシートボトム20よりも前方に出ている。
【0055】
次に作用を説明する。
図2に示すように、座席装置1は、シートバック10が最も起立し、シートボトム20が最も後退し、レグレスト30がシートボトム20の下に収納されたアップライト状態(S1)からシートバック10が傾動して最も倒れ、シートボトム20が最も前進し、レグレスト30がシートボトム20の前方に位置してこれらが全体として略フラットなベッド状態(S6)までの間で姿勢を変えることができる。
【0056】
このような姿勢変化は、上記のようにレグレスト30が取り付けられた支持部材72をモータMの動力によって動作させることにより、支持部材72に連結された係脱部材73が移動中にシートボトム20側の被係止軸22に係脱してシートボトム20側を連動させることによって実現される。
【0057】
図6、図7、図8は、図2に示す姿勢状態S1のときの主要構成部材の状態を示し、図9、図10、図11は、図2に示す姿勢状態S2のときの主要構成部材の状態を示し、図12、図13、図14は、図2に示す姿勢状態S3のときの主要構成部材の状態を示し、図15、図16、図17は、図2に示す姿勢状態S4のときの主要構成部材の状態を示し、図18、図19、図20は、図2に示す姿勢状態S5のときの主要構成部材の状態を示し、図21、図22、図23は、図2に示す姿勢状態S6のときの主要構成部材の状態を示している。
【0058】
図6、図7、図8に示す姿勢状態S1は、バックフレーム11が最も起き上がっており、ボトムフレーム21が最も後退した位置にあり、レグレストフレーム31がバックフレーム11の下方に収納されている状態である。このとき、支持部材72は、中位ガイド溝62を最も後退した位置にある。支持部材72とともに係脱部材73および保持板90も最も後退した位置にある。レグレスト支持部材71は下位ガイド溝61を最も後退した位置にある。
【0059】
係脱部材73は、シートボトム20側の被係止軸22から離れている。また、保持板90は、被係止軸ロック部材80の後端部の下縁を保持しており、これにより被係止軸ロック部材80は持ち上げられた状態に維持されている。この状態では、被係止軸22がロック部81に嵌まっている。これにより、バックフレーム11は、被係止軸22が被係止軸ロック部材80によって不動にロックされている。このため、シートバック10側またはシートボトム20側にこれらを動かすような力が加わってもこれらは動かないので、着座者の意に反して着座姿勢が変わってしまうことがない。
【0060】
図9、図10、図11に示す姿勢状態S2は、リクライニングのためにモータMを駆動して可動部70が所定位置まで前進した状態である。バックフレーム11およびボトムフレーム21の状態は姿勢状態S1と変わらないが、可動部70が所定位置直前まで前進しているので、レグレストフレーム31はボトムフレーム21の前方に出ている。従って、レグレスト30はシートボトム20の前方に出ている。上位ガイド溝連結軸163は、下傾部63aにさしかかっている。また、係脱部材73の係止部73aは、ボトムフレーム21の被係止軸22に当接しているが、まだ係止していない。
【0061】
保持板90は、支持部材72とともに前進しており、被係止軸ロック部材80の下縁の上傾部83の直前に至った位置で被係止軸ロック部材80を保持している。したがって、被係止軸ロック部材80は、まだ、下方に揺動しておらず、被係止軸22はロック部81に嵌った状態でロックされている。
【0062】
図12、図13、図14に示す姿勢状態S3は、可動部70がさらに前進した状態である。この位置では、可動部70のレグレスト支持部材71がさらに前進している。しかし、レグレスト支持部材71の前進側の下位ガイド溝連結軸161aは、まだ傾斜部61aに至っておらず、レグレスト支持部材71の前端側は、下がっていない。したがって、レグレストフレーム31は、まだ傾斜していないので、レグレスト30は略水平の状態にある。
【0063】
保持板90は、被係止軸ロック部材80の上傾部83に当接する位置まで進んでいる。このため、被係止軸ロック部材80は、連結軸84を回転中心にして先端側が下がっている。これにより、被係止軸22は、被係止軸ロック部材80のロック部81からはずれている。
【0064】
係脱部材73を上位ガイド溝63に軸連結している上位ガイド溝連結軸163は、上位ガイド溝63の下傾部63aを通過して、下がっている。上位ガイド溝63は中位ガイド溝62に平行に延び、中間部分には前方に向かって下方に傾斜した下傾部63aが形成されているので下傾部63aから前方側と後方側とでは上位ガイド溝63と中位ガイド溝62との間隔が異なり、前方側で狭くなっているが、係脱部材73は下部に形成された上下ガイド溝74に中位ガイド溝連結軸162a,162bがスライド可能に軸連結されているので、上位ガイド溝63と中位ガイド溝62との間隔の差は上下ガイド溝74を中位ガイド溝連結軸162a,162bが上下にスライドすることにより吸収される。これにより、係脱部材73は、下傾部63aを通過する際に上下して支持部材72とともに移動することができる。
【0065】
このため、係脱部材73は、係脱部材73を中位ガイド溝62に軸連結している中位ガイド溝連結軸162a,162bが上下ガイド溝74の上端に当たる位置まで下がっている。これにより、係脱部材73の係止部73aは、ボトムフレーム21の被係止軸22に当接した状態から下がって被係止軸22に係止している。
【0066】
係脱部材73が被係止軸22に係止した状態で前進したことにより、被係止軸22はシートボトムガイド溝53の最後端から前進した位置にある。これにより、ボトムフレーム21およびバックフレーム11を連結部ガイド溝52に軸連結している連結軸111は、最後端から前方へ下がった位置まで進んでいるので、ボトムフレーム21の後部側は前部側よりも低くなっている。
【0067】
また、バックフレーム11をバックフレームガイド溝51に軸連結している連結軸112も最後端から前方へ下がった位置に進んでいる。これにより、バックフレーム11は、姿勢状態S2のときよりも後方に傾斜している。このように、係脱部材73がボトムフレーム21の被係止軸22に係止すると、可動部70の移動に連動してボトムフレーム21およびバックフレーム11が傾動する。
【0068】
図15、図16、図17に示す姿勢状態S4は、可動部70がさらに前進した状態である。この位置では、可動部70のレグレスト支持部材71がさらに前進しており、レグレスト支持部材71の前進側の下位ガイド溝連結軸161aが傾斜部61aに至っている。このため、レグレスト支持部材71の前端側は、下がり始めており、これによってレグレストフレーム31の前端部が下がり始めて傾斜している。したがって、レグレスト30は、前下がりに傾斜し始めている。
【0069】
保持板90は、被係止軸ロック部材80の上傾部83から離れた位置まで前進している。このため、被係止軸ロック部材80は、先端側が下がり切った位置まで回動している。なお、被係止軸ロック部材80は、この位置よりも下がらないように不図示のストッパーによって支持されている。
【0070】
係脱部材73の前進によって被係止軸22がさらに前進しており、連結軸111は、さらに前進して連結部ガイド溝52の最も低い位置を通過し、姿勢状態S3のときの位置よりも高い位置にある。被係止軸22の高さは常に変わらないので、姿勢状態S3から姿勢状態S4まで変わる間に、ボトムフレーム21の後部側が上昇してこの姿勢状態S4では、姿勢状態S3とは逆にボトムフレーム21の後部側が前部側よりも高くなっている。
【0071】
また、連結軸112もバックフレームガイド溝51の最も低い位置を通過して、姿勢状態S3のときの位置よりも高い位置にある。また、連結軸112と連結軸111との高さの差が姿勢状態S3のときの差よりも小さくなっているので、バックフレーム11は、全体の位置が高くなっているとともに、後方への傾斜が大きくなっている。
【0072】
図18、図19、図20に示す姿勢状態S5は、可動部70がさらに前進した状態である。この位置では、可動部70のレグレスト支持部材71がさらに前進しており、レグレスト支持部材71の後退側の下位ガイド溝連結軸161bが傾斜部61aの直前まで至っている。レグレスト支持部材71の前端側は、さらに下がっており、これによってレグレストフレーム31の前端部はさらに下がっている。したがって、レグレスト30の前下がりの傾斜はさらに大きくなっている。
【0073】
係脱部材73は、最前方の位置まで近付いており、連結軸111は、さらに前進するとともにさらに上昇している。また、連結軸112も前進するとともに上昇しているが、上昇の度合いは連結軸111よりも小さく、連結軸112と連結軸111との高さの差は姿勢状態S4のときの差よりも小さくなっている。このため、ボトムフレーム21の前下がりの傾斜はさらに大きくなってバックフレーム11の後方への傾斜との差が小さくなってバックフレーム11とボトムフレーム21とは、フラットな状態に近付いている。
【0074】
図21、図22、図23に示す姿勢状態S6は、可動部70が最も前進した状態である。レグレスト支持部材71の後退側の下位ガイド溝連結軸161bも傾斜部61aの最上部に至っている。これにより、レグレスト支持部材71の前端側は、さらに下がっているので、レグレストフレーム31の前端部はさらに下がっている。したがって、レグレスト30はもっとも前方の位置まで前進しており、前下がりの傾斜は最大になっている。
【0075】
係脱部材73は、最前方の位置にあり、被係止軸22はシートボトムガイド溝53の最前端にある。連結軸111は、連結部ガイド溝52の最前端かつ最も高い位置にある。また、連結軸112は、バックフレームガイド溝51の最前端かつ最も高い位置にある。連結軸112と連結軸111との高さの差は姿勢状態S5のときの差よりもさらに小さくなっている。このため、ボトムフレーム21の前下がりの傾斜はさらに大きくなってバックフレーム11の後方への傾斜と略同じ傾斜になってバックフレーム11とボトムフレーム21とは、略フラットな状態になっている。上記レグレストフレーム31の傾斜もバックフレーム11およびボトムフレーム21の傾斜と略同じであり、したがって、シートバック10、シートボトム20、レグレスト30とで全体がベッド状態になっている。
【0076】
フットレスト40は、必要であれば図2の姿勢状態S6に示したように手動で起こすことができる。上記のように、レグレスト30は、シートボトム20の下方でシートボトム20の前後方向に前進後退し、その間、高さはほとんど変わらないので、レグレスト30の上面側で起倒可能であるフットレスト40は、レグレスト30よりも下がることがない。このため、座席装置1を姿勢状態S1から姿勢状態S6までの間で変化させる際にフットレスト40が設置面Fに衝突することがない。これにより、フットレスト40が設置面Fに衝突することを回避するための各種センサやソフトによる制御が不要となる。
【0077】
なお、フットレスト40は、レグレストフレーム31に沿ってスライド可能に設け、使用時にレグレスト30の前端部側から延びるようにしてもよい。この場合、姿勢状態S6のときにフットレスト40を延ばした場合に、フットレスト40が設置面Fに触れない位置で止まるようにしておくことにより、フットレスト40と設置面Fとの衝突が起こらないようにすることができる。
【0078】
なお、姿勢状態S1から姿勢状態S6までの変化は、モータMで行うのでなく、可動部70に連結した不図示の部材等を手動で動かすことによって行っても良い。
【0079】
姿勢状態S6から姿勢状態S1に戻すときは、各構成部材の動作が上記の動作と逆になる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の一実施の形態に係る座席装置の起立状態とリクライニングしたベッド状態を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る座席装置の姿勢状態の変化を示す流れ図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る座席装置の構成を示す正面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る座席装置の起立状態からリクライニングしたベッド状態までの姿勢状態の変化を示す側面図である。
【図5】図1における駆動装置およびレグレスト支持部材を示す側面図であり、Aは、レグレスト支持部材が最も後退した状態を示し、Bは、レグレスト支持部材が最も前進した状態を示す。
【図6】座席装置が図2の状態S1にあるときの係脱部材の位置を示す座席装置の側面図である。
【図7】図6の状態におけるレグレスト支持部材の位置を示す側面図である。
【図8】図6の状態におけるシートボトムの被係止軸と被係止軸ロック部材との関係を示す側面図である。
【図9】座席装置が図2の状態S2にあるときの係脱部材の位置を示す座席装置の側面図である。
【図10】図9の状態におけるレグレスト支持部材の位置を示す側面図である。
【図11】図9の状態におけるシートボトムの被係止軸と被係止軸ロック部材との関係を示す側面図である。
【図12】座席装置が図2の状態S3にあるときの係脱部材の位置を示す座席装置の側面図である。
【図13】図12の状態におけるレグレスト支持部材の位置を示す側面図である。
【図14】図12の状態におけるシートボトムの被係止軸と被係止軸ロック部材との関係を示す側面図である。
【図15】座席装置が図2の状態S4にあるときの係脱部材の位置を示す座席装置の側面図である。
【図16】図15の状態におけるレグレスト支持部材の位置を示す側面図である。
【図17】図15の状態におけるシートボトムの被係止軸と被係止軸ロック部材との関係を示す側面図である。
【図18】座席装置が図2の状態S5にあるときの係脱部材の位置を示す座席装置の側面図である。
【図19】図18の状態におけるレグレスト支持部材の位置を示す側面図である。
【図20】図18の状態におけるシートボトムの被係止軸と被係止軸ロック部材との関係を示す側面図である。
【図21】座席装置が図2の状態S6にあるときの係脱部材の位置を示す座席装置の側面図である。
【図22】図21の状態におけるレグレスト支持部材の位置を示す側面図である。
【図23】図21の状態におけるシートボトムの被係止軸と被係止軸ロック部材との関係を示す側面図である。
【符号の説明】
【0081】
F…設置面
M…モータ
1…座席装置
1A…本体
5…レグレスト支持機構
10…シートバック
11…バックフレーム
20…シートボトム
21…ボトムフレーム
22…被係止軸
30…レグレスト
31…レグレストフレーム
40…フットレスト
50…ベース
51…バックフレームガイド溝
52…連結部ガイド溝
53…シートボトムガイド溝
60…ガイド部
61…下位ガイド溝
61a…傾斜部
62…中位ガイド溝
63…上位ガイド溝
63a…下傾部
70…可動部
71…レグレスト支持部材
72…支持部材
72a…連結部
73…係脱部材
73a…係止部
74…上下ガイド溝
80…被係止軸ロック部材
81…ロック部
82…被係止軸誘導部
83…上傾部
84…連結軸
90…保持板
110…連結部
111…連結軸
112…連結軸
161a…下位ガイド溝連結軸
161b…下位ガイド溝連結軸
162a…中位ガイド溝連結軸
162b…中位ガイド溝連結軸
163…上位ガイド溝連結軸
200…駆動手段
201…歯車
202…歯車
203…取付ラック
204…連結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートボトムとシートバックとレグレストとがベッド状態に可動な座席装置において、
前記レグレストは、前記シートボトムの下方に配設されたレグレスト支持機構に支持されており、
前記レグレスト支持機構は、ベースと、前記レグレストが取り付けられ、前記ベースに支持されながらシートボトムの前後方向に前進後退可能な可動部と、を備え、
前記レグレストが前記シートボトムの前方の位置にあるときに前記シートボトムおよび前記シートバックとともに前記ベッド状態となることを特徴とする座席装置。
【請求項2】
シートボトムとシートバックとレグレストとがベッド状に可動な座席装置において、
前記レグレストは、前記シートボトムの下方に配設されたレグレスト支持機構に支持されており、
前記レグレスト支持機構は、ベースと、前記レグレストが取り付けられ、前記ベースに支持されながらシートボトムの前後方向に前進後退可能な可動部と、を備え、
前記可動部は、所定位置で前記シートボトム側と係脱する係脱部材を有し、該係脱部材は、前記所定位置よりも後退した位置に前記可動部があるときは前記シート側との係止が解除されており、前記所定位置から前進した位置に前記可動部があるときは前記シートボトム側に係止して前進後退に連動して前記シートボトムを前後に移動させ、前記シートバックを傾動させ、前記レグレストを前記シートボトムの前方に移動させたときに、前記レグレスト、前記シートボトムおよび前記シートバックが前記ベッド状態となることを特徴とする座席装置。
【請求項3】
前記ベースは、前記可動部の前進後退を案内するガイド部を備え、
前記可動部は、前端部に前記レグレストの前端部が回動可能に軸連結され、前記ガイド部に案内されながら前進後退するレグレスト支持部材と、該レグレスト支持部材の上方に配設され、前端部に前記レグレストの中間部が軸連結され、後部に前記係脱部材を有し、該係脱部材を支持して前記ガイド部に案内されながら前進後退する支持部材と、を備え、
前記シートボトムは、前記係脱部材に係脱される被係止部を備え、該被係止部と前記係脱部材とは、前記可動部が前記所定位置を通過するときに係脱することを特徴とする請求項2に記載の座席装置。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記レグレスト支持部材を案内する下位ガイド溝と、該下位ガイド溝よりも上方で前記支持部材を案内する中位ガイド溝と、該中位ガイド溝よりも上方で前記係脱部材を案内する上位ガイド溝と、を有し、
前記下位ガイド溝は、前記シートボトムの下方で前記シートボトムの前後方向に延びて前端側が下方に傾斜し、前記レグレスト支持部材の後端側が下位ガイド溝連結軸によってスライド可能に軸連結され、
前記中位ガイド溝は、前記下位ガイド溝に略平行に延び、前記支持部材が中位ガイド溝連結軸によってスライド可能に軸連結され、
前記上位ガイド溝は、前記中位ガイド溝に平行に延び、前記可動部が前記所定位置に位置する中間部に前方に向かって下方に傾斜した下傾部を有し、前記係脱部材が上位ガイド溝連結軸によってスライド可能に軸連結され、
前記係脱部材は、上部に前記シートボトムの被係止部に係脱する係止部が形成され、下部に上下に延びる上下ガイド溝が形成され、該上下ガイド溝に前記中位ガイド溝連結軸がスライド可能に軸連結されて、前記上位ガイド溝連結軸が前記上位ガイド溝の前記下傾部を通過するときに上下して前記シートボトムの被係止部と係脱し、
前記レグレスト支持部材の前記下位ガイド溝連結軸が前記下位ガイド溝の下方に傾斜した部分に至ると前記レグレストの前記前端部が下がって傾斜することを特徴とする請求項3に記載の座席装置。
【請求項5】
前記ベースは、前記可動部が前記所定位置よりも後方にあるときは、前記シートボトムの被係止部を移動不能に保持し、前記可動部が前記所定位置よりも前方にあるときは前記被係止部の保持を解除して前記係脱部材に係止した前記被係止部を移動可能とする、被係止部ロック部材を備えたことを特徴とする請求項2,3または4に記載の座席装置。
【請求項6】
前記可動部の前記所定位置は、前記レグレストが前記シートボトムの前方に出た位置であることを特徴とする請求項2,3,4または5に記載の座席装置。
【請求項7】
前記レグレスト支持機構は、座席装置の本体を設置する設置面に配設されたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6に記載の座席装置。
【請求項8】
前記レグレストは、上面側で起倒可能なフットレストを備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7に記載の座席装置。
【請求項9】
前記可動部を駆動する駆動手段を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8に記載の座席装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−7182(P2007−7182A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192637(P2005−192637)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(390010054)小糸工業株式会社 (136)
【Fターム(参考)】