説明

座席装置

【課題】リクライニングする際の背ズレ感を緩和・解消することができ、着座感を向上させることができる座席装置を提供する。
【解決手段】背凭れ21の背凭れフレーム23をリクライニング機構の回転軸40に支持し、座部11の座部フレーム13を、取り付け箇所に固定してあるベース1上にて前後方向に移動可能に支持し、座部フレーム13の後端側を背凭れフレーム23の下端側に連結部材30を介して吊下げた状態に連結し、背凭れ21のリクライニング動作に応じて座部11を後方向に連動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部の後端側に背凭れを傾動可能に支持し、該背凭れの傾動角度を調整するリクライニング機構を備えた座席装置、特に鉄道車両等に設置する乗物用の座席装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道車両等に設置する乗物用の座席装置として、快適な座り心地を提供するためのリクライニング機構を備えたものがある。このような座席装置では、座部の後端側に背凭れが傾動可能に支持され、着座者が背中で背凭れを後方に押すことにより、回転軸に保持されている背凭れを後方にリクライニング可能としたものが一般的である。さらに、例えば特許文献1に開示されたように、リクライニング機能に加えて座部を前後方向に移動可能に支持した座席装置も知られている。
【0003】
すなわち、車体にベースプレートを載置し、該ベースプレートにアームを回動可能に軸支し、該アームに背凭れを固定すると共に、連動プレートの一端部を回動可能に軸着し、該連動プレートの他端部を座部の後部に固定したものである。ここで座部の前部を、車体に載置したブラケットに前後方向へ移動可能に支持し、かつ前記アームを所望の傾斜角度に傾斜調節するロック機構部を、前記ベースプレートに設けている。
【0004】
かかる座席装置では、ロック機構部を操作し、アームを後傾可能な状態にして背凭れをリクライニングすると、連動プレートが後方へ引かれ、かつ下降し、座部の後部は後方へ移動しながら下降すると共に、座部の前部は後方に移動する。このように、背凭れのリクライニングに連動して、座部の後部が下方および後方へ同時に移動し、座部の座面角は背凭れの傾斜角度に応じて自動的に変更調節されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−214977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献1に記載されたような座席装置は、背凭れのリクライニングに連動して、座部の後部を後退のみならずリンク機構で下降させることにより、座部上におけるヒップポイントの移動を少なくする尻ズレ防止を目的としたものであるが、背ズレを防止する機構ではなく、逆に背ズレを増長させるという問題点があった。
【0007】
すなわち、特許文献1に記載されたような座席装置では、着座者がリクライニングする際に、着座者の背中と後傾する座部との間で、それぞれの動作中心位置(着座者:大腿骨の付け根付近、座席:背もたれ傾動中心)が互いにずれていることにより、背ズレ感が生じて着座者が不快感を感じやすいものであった。
【0008】
また、座部の後部を後方のみならず下方にも移動させるために、座部自体を移動可能に支持するための構成が複雑となり、さらに、背凭れのリクライニングに連動させるためのリンク機構も複雑となるため、動作の不安定さを招きやすいばかりでなく、部品点数が多くなり組付け工数が増大し、重量増加やコストアップの要因になるという問題点もあった。
【0009】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、リクライニングする際の背ズレ感を緩和・解消することができ、着座感を向上させることができると共に、簡易な構成により容易に製造することができ、安定した動作や軽量化およびコストダウンを実現することができる座席装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存す
る。
[1]座部(11)の後端側に背凭れ(21)を傾動可能に支持し、該背凭れ(21)の傾動角度を調整するリクライニング機構を備えた座席装置(10)において、
前記背凭れ(21)の背凭れフレーム(23)を前記リクライニング機構の回転軸(40)に支持し、
前記座部(11)の座部フレーム(13)を取り付け箇所にて前後方向に移動可能に支持し、
前記座部フレーム(13)を前記背凭れフレーム(23)に連結部材(30)を介して連結し、前記背凭れ(21)のリクライニング動作に応じて前記座部(11)を前後方向に連動させることを特徴とする座席装置(10)。
【0011】
[2]前記背凭れフレーム(23)に対する前記連結部材(30)の一端側(31)の連結箇所を、前記背凭れフレーム(23)の下端側のうち前記回転軸(40)よりも背凭れ(21)上方寄りの位置(26)に設定すると共に、
前記座部フレーム(13)に対する前記連結部材(30)の他端側(32)の連結箇所を、前記座部フレーム(13)の後端側のうち前記回転軸(40)よりも座部(11)前方寄りの位置(16)に設定し、
前記座部フレーム(13)の後端側を、前記背凭れフレーム(23)の下端側に前記連結部材(30)を介して吊下げた状態で連結し、前記背凭れ(21)のリクライニング動作に応じて前記座部(11)を後方向に連動させることを特徴とする[1]に記載の座席装置(10)。
【0012】
[3]前記座部フレーム(13)を、前記取り付け箇所に固定したベース(1)上に前後方向にのみ移動可能に載置した状態で支持し、
前記背凭れ(21)のリクライニング動作に応じて、前記座部(11)を高さが一定に保たれた状態で後方向に連動させることを特徴とする[2]に記載の座席装置(10)。
【0013】
[4]前記背凭れフレーム(23)を、前傾する方向へ付勢手段(41)を介して付勢し、
前記リクライニング機構は、前記付勢手段(41)の付勢力に抗して前記背凭れ(21)を所望の傾動角度に保持可能であることを特徴とする[1],[2]または[3]に記載の座席装置(10)。
【0014】
前記本発明は次のように作用する。
前記[1]に記載の座席装置(10)によれば、背凭れ(21)は、背凭れフレーム(23)が支持されているリクライニング機構の回転軸(40)を中心に傾動し、座部(11)は、座部フレーム(13)が支持されている取り付け箇所で前後方向に移動する。そして、座部フレーム(13)は背凭れフレーム(23)に連結部材(30)を介して連結されているから、背凭れ(21)のリクライニング動作に応じて、座部(11)は前後方向に連動する。
【0015】
これにより、着座者がリクライニングする際に、着座者の背中と後傾する背凭れ(21)との間で、それぞれの動作中心位置が互いに近接するように自動的に調整されるため、背ズレ感を緩和・解消することができる。また、両フレーム(13,23)間を連結部材(30)で連結するだけの簡易な構成により、重量増加やコストアップを招くことがなく、また、安定した動作を実現することができる。
【0016】
前記[2]に記載の座席装置(10)によれば、背凭れフレーム(23)に対する連結部材(30)の一端側(31)の連結箇所を、背凭れフレーム(23)の下端側のうち前記回転軸(40)よりも背凭れ(21)上方寄りの位置(26)に設定すると共に、座部フレーム(13)に対する連結部材(30)の他端側(32)の連結箇所を、座部フレーム(13)の後端側のうち前記回転軸(40)よりも座部(11)前方寄りの位置(16)に設定する。
【0017】
そして、座部フレーム(13)の後端側を、背凭れフレーム(23)の下端側に前記連結部材(30)を介して吊下げた状態で連結する。これにより、背凭れ(21)のリクライニング動作に応じて、背凭れフレーム(23)の後傾により連結部材(30)の一端側(31)は後方へ引かれ、これに伴い連結部材(30)の他端側(32)が連結されている座部フレーム(13)も後方へ引かれて、座部(11)は後方向に連動する。従って、背ズレ感をより確実に緩和・解消することができる。
【0018】
また、前記[3]に記載したように、座部フレーム(13)を、その取り付け箇所に固定したベース(1)上に前後方向にのみ移動可能に載置した状態で支持すると良い。これにより、背凭れ(21)のリクライニング動作に応じて、座部(11)はベース(1)上にて高さが一定に保たれた状態で後方向にのみ連動するため、背ズレを増長させる事態を確実に防止することができる。
【0019】
さらに、前記[4]に記載の座席装置(10)によれば、背凭れフレーム(23)を前傾する方向へ付勢手段(41)を介して付勢し、リクライニング機構は、前記付勢手段(41)の付勢力に抗して背凭れ(21)を所望の傾動角度に保持する。これにより、リクライニング機構による拘束を解除すると、背凭れ(21)は基準の起立位置まで自動的に前傾するが、着座者が背ずりに凭れかかることにより、凭れかかる力で背凭れ(21)を所望のリクライニング角度まで後傾させて、当該位置に保持することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る座席装置によれば、座部フレームは背凭れフレームに連結部材を介して連結され、背凭れのリクライニング動作に応じて座部は前後方向に連動するから、リクライニングする際の背ズレ感を緩和・解消することができ、着座感を向上させることができると共に、簡易な構成により容易に製造することができ、また、安定した動作や軽量化およびコストダウンを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係る座席装置の全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る座席装置をリクライニングさせた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る座席装置の側部を拡大して示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る座席装置のリクライニング時における動作を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づき本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1から図4は、本発明の一実施の形態を示している。
本実施の形態に係る座席装置10は、鉄道車両や航空機等の乗物用として設置され、座部11の後端側に背凭れ21を傾動可能に支持し、該背凭れ21の傾動角度を調整するリクライニング機構を備えたものである。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係る座席装置10の全体を示す斜視図である。図2は、同座席装置10をリクライニングさせた状態を示す斜視図である。図3は、同座席装置10の側部を拡大して示す側面図である。図4は、同座席装置10のリクライニング時における動作を概略的に示す説明図である。
【0024】
図1に示すように、座席装置10は、1人分の座部11と背凭れ21とを独立に支持している。座部11は、その外形をなすクッション12内に金属製の座部フレーム13を内蔵しており、クッション12の着座面は、人間工学に基づいて着座者に安楽感をもたらす形状に形成されている。
【0025】
座部フレーム13は、矩形状の枠組みとして構成されている。詳しく言えば座部フレーム13は、左右一対の側部14,14と、各側部14の前端間に架設した前部15と、各側部14の後端間に架設した後部16とからなり、各側部14の後端側の途中には補強部17が架設されている。各側部14の後端側は、補強部17が架設された部位から後部16が架設された後端にかけて斜めに立ち上がるように屈曲している。ここで後部16が、後述する連結部材30の取り付け箇所となる。
【0026】
図3および図4に示すように、座席装置10の取り付け箇所には台座であるベース1が固定されており、このベース1上に座部フレーム13は、前後方向にのみ移動可能に載置した状態で支持されている。これにより、座部11は、前後方向にのみ移動し上下方向に移動することはない。なお、図3および図4においては、それぞれ座部11や背凭れ21の形状が多少異なるが、これは単に設計事項の変更に過ぎないものである。
【0027】
図1に示すように、背凭れ21は、その外形をなす背当てクッション22内に金属製の背凭れフレーム23を内蔵しており、背当てクッション22の背当て面は、前記座部11のクッション12の着座面と同様に、人間工学に基づいて着座者に安楽感をもたらす形状に形成されている。
【0028】
背凭れフレーム23は、矩形状の枠組みとして構成されている。詳しく言えば背凭れフレーム23は、左右一対の側部24,24と、各側部24の上端間に架設した上部25と、各側部24の下端間に架設した下部26とからなる。ここで下部26が、後述する連結部材30の取り付け箇所となる。
【0029】
各側部24の下端には、さらに下方へ円弧形に湾曲して延びるアーム27がそれぞれ一体に連結されている。各アーム27の上端部は、座席装置10の両側に配設される図示省略したアームレスト等の支持構造に対して回動可能に軸支されたリクライニング機構の回転軸40に支持されている。
【0030】
すなわち、背凭れ21の背凭れフレーム23は、リクライニング機構の回転軸40によって傾動可能に支持されている。背凭れ21の傾動角度は、図3に示すように、背凭れ21の基準位置となる初期設定位置から図中に想像線で示した最大限にリクライニングさせた最大後傾位置までの範囲内に制限される。なお、図1,図2における回転軸40は、正確には回転軸40の軸受孔を指しており、実際の回転軸40は図示省略している。
【0031】
図1に示すように、座部フレーム13は、背凭れフレーム23に連結部材30を介して連結されており、背凭れ21のリクライニング動作に応じて、座部11は前後方向に連動するように設定されている。ここで背凭れフレーム23に対する連結部材30の一端側31の連結箇所は、背凭れフレーム23の下端側のうち前記回転軸40よりも背凭れ21の上方寄りの位置に設定されている。
【0032】
詳しく言えば、連結部材30は、金属板をその中央で略U字形に折り曲げて形成した簡易な構成であり、湾曲した一端側31が、背凭れフレーム23の下部26に回動可能に掛止されている。図3に示すように、座席装置10の側面視において下部26は、回転軸40よりも背凭れ21上方寄りに位置しており、座部11がリクライニング(後傾)すると、回転軸40を中心として後方へ移動する。
【0033】
また、座部フレーム13に対する連結部材30の他端側32の連結箇所は、座部フレーム13の後端側のうち前記回転軸40よりも座部11の前方寄りの位置に設定されている。詳しく言えば、連結部材30の他端側32は、座部フレーム13の後部16を間に挟む状態でボルト等により固定されている。図3に示すように、座席装置10の側面視において後部16は、回転軸40よりも座部11の前方寄りに位置しており、この後部16は、前記背凭れフレーム23の下部26に連結部材30を介して吊下げた状態で連結されている。
【0034】
図1に示すように、背凭れフレーム23の下端両側より延びた前記一対のアーム27,27には、それぞれの下端にリクライニング機構の構成部品である油圧シリンダー41が連結されている。背凭れフレーム23が初期設定位置にない時、油圧シリンダー41は、背凭れフレーム23を初期設定位置に復元するように動作する。すなわち、背凭れフレーム23は、前傾する方向へ付勢手段である油圧シリンダー41を介して付勢されている。
【0035】
背凭れフレーム23が初期設定位置にある場合には、油圧シリンダー41のロックを解除してから、油圧シリンダー41からの復元方向の力に抗して背凭れ21を後傾方向へ押すことにより、背凭れ21を最大後傾位置までの任意の位置までリクライニングさせることができる。前述したように、座部フレーム13の後部16が、背凭れフレーム23の下部26に連結部材30を介して連結されており、背凭れ21のリクライニング動作に応じて座部11は後方向に連動する。
【0036】
また、油圧シリンダー41により、背凭れ21を初期設定位置から最大後傾位置までの所望の傾動角度でロックして保持することができる。油圧シリンダー41をロックした時は、油圧シリンダー41による復元のみならず外力による背凭れフレーム23の傾動もロックされるので、背凭れ21および座部11の位置が固定される。なお、油圧シリンダー41のロック解除を行う操作レバーは、図示省略したアームレスト等に設けられている。
【0037】
次に、本実施の形態に係る座席装置10の作用を説明する。
座席装置10の背凭れ21をリクライニングするには、先ず着座者は、操作レバーを操作して油圧シリンダー41のロックを解除する。すると、背凭れ21は、油圧シリンダー41の付勢力により初期設定位置まで前傾しようとするが、かかる状態で着座者は背中を背凭れ21に押し付けて、背凭れ21を所望の傾斜角度まで後傾させて保持することができる。
【0038】
背凭れ21のリクライニング時に、図3に示すように、背凭れフレーム23の下部26が、リクライニング機構の回転軸40を中心に後方へ回動すると、下部26に連結部材30を介して連結されている座部フレーム13の後部16が後方向へ引かれる。従って、図3中に想像線で示したように、背凭れ21のリクライニング動作に応じて座部11全体も後方向に連動する。図4は、座席装置10のリクライニング時における動作を概略的に示している。
【0039】
このように、着座者がリクライニングする際には、着座者の背中と後傾する背凭れ21との間で、それぞれの動作中心位置が互いに近接するように自動的に調整されるため、背ズレ感を緩和・解消することができる。また、両フレーム13,23間を連結部材30で連結するだけの簡易な構成により、重量増加やコストアップを招くことがなく、また、安定した動作を実現することができる。
【0040】
特に、図3で明確なように、背凭れフレーム23に対する連結部材30の一端側31の連結箇所を、前記回転軸40よりも背凭れ21の上方寄りの位置に設定すると共に、座部フレーム13に対する連結部材30の他端側32の連結箇所を、前記回転軸40よりも座部11の前方寄りの位置に設定したので、座部フレーム13の後端側は、背凭れフレーム23の下端側に連結部材30を介して吊下げられた状態で連結することになる。
【0041】
これにより、背凭れ21のリクライニング動作に応じて、背凭れフレーム23の後傾により連結部材30の一端側31は確実に後方へ引かれ、これに伴い連結部材30の他端側32が連結されている座部フレーム13も確実に後方へ引かれて、座部11は後方向にスムーズに連動する。従って、背ズレ感をいっそう緩和・解消することができる。
【0042】
さらに、座部フレーム13は、その取り付け箇所に固定したベース1上に前後方向にのみ移動可能に載置した状態で支持されている。これにより、背凭れ21のリクライニング動作に応じて、座部11はベース1上にて高さが一定に保たれた状態で後方向にのみ連動するため、背ズレを増長させる事態をより確実に防止することができる。
【0043】
以上のような座席装置10によれば、簡易な部品である連結部材30により、背凭れフレーム23に座部フレーム13を吊下げるだけの簡単な構造によって、座部11を背凭れ21のリクライニング動作に追随するように連動させることにより、着座者の背ズレ感を緩和・解消することができる。
【0044】
また、リクライニング動作に伴い座部11は後方に移動するため、座部11の前端部が後退することになり、足元スペースを拡大することができる。また、従来の連動機構よりも、部品点数が少なくて済み、低コスト化を実現することができ、重量も必要以上には増加しない。さらに、構成が簡易な分だけ動作の不安定さも解消することができる。
【0045】
以上、本発明の実施例を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、座部フレーム13、背凭れフレーム23、それに連結部材30は、図示した形状に限られるものではない。また、連結部材30は、金属板を折り曲げて構成したが、他に例えば、一対のリンク部材によって構成しても良い。さらに、座席装置10は、鉄道車両等の乗物用に限られるものでもない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、座部の後端側に背凭れを傾動可能に支持し、該背凭れの傾動角度を調整するリクライニング機構を備えた座席装置のうち、とりわけ鉄道車両等の乗物用の座席装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…ベース
10…座席装置
11…座部
12…クッション
13…座部フレーム
14…側部
15…前部
16…後部
17…補強部
21…背凭れ
22…背当てクッション
23…背凭れフレーム
24…側部
25…上部
26…下部
27…アーム
30…連結部材
31…一端側
32…他端側
40…回転軸
41…油圧シリンダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部の後端側に背凭れを傾動可能に支持し、該背凭れの傾動角度を調整するリクライニング機構を備えた座席装置において、
前記背凭れの背凭れフレームを前記リクライニング機構の回転軸に支持し、
前記座部の座部フレームを取り付け箇所にて前後方向に移動可能に支持し、
前記座部フレームを前記背凭れフレームに連結部材を介して連結し、前記背凭れのリクライニング動作に応じて前記座部を前後方向に連動させることを特徴とする座席装置。
【請求項2】
前記背凭れフレームに対する前記連結部材の一端側の連結箇所を、前記背凭れフレームの下端側のうち前記回転軸よりも背凭れ上方寄りの位置に設定すると共に、
前記座部フレームに対する前記連結部材の他端側の連結箇所を、前記座部フレームの後端側のうち前記回転軸よりも座部前方寄りの位置に設定し、
前記座部フレームの後端側を、前記背凭れフレームの下端側に前記連結部材を介して吊下げた状態で連結し、前記背凭れのリクライニング動作に応じて前記座部を後方向に連動させることを特徴とする請求項1に記載の座席装置。
【請求項3】
前記座部フレームを、前記取り付け箇所に固定したベース上に前後方向にのみ移動可能に載置した状態で支持し、
前記背凭れのリクライニング動作に応じて、前記座部を高さが一定に保たれた状態で後方向に連動させることを特徴とする請求項2に記載の座席装置。
【請求項4】
前記背凭れフレームを、前傾する方向へ付勢手段を介して付勢し、
前記リクライニング機構は、前記付勢手段の付勢力に抗して前記背凭れを所望の傾動角度に保持可能であることを特徴とする請求項1,2または3に記載の座席装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−93467(P2011−93467A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250544(P2009−250544)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(390010054)小糸工業株式会社 (136)
【Fターム(参考)】