説明

座標入力装置

【課題】第1の入力値と第2の入力値のうち、補正を必要とする一方の入力値の補正を容易に行えるようにする。
【解決手段】タッチパネル1から座標算出用のCPU5に供給された入力値は、座標算出手段11で座標に変換された後に、補正処理手段12に供給されて正しい値になるように補正が行われる。一方、電磁誘導式のセンサー2からCPU5に供給された入力値は、座標算出手段13に供給されて高精度の座標に変換される。さらに、座標算出手段11、13からの入力が行われたことを示す信号が同時判別手段14に供給され、この判別信号が差分検出手段15に供給されて、それぞれの入力値から変換された座標の差分が検出される。この差分値が差分テーブル16を通じて補正テーブル17に記憶され、補正処理手段12に供給される座標算出手段11で算出された座標値に差分値が加減算される。そして算出された座標値が出力選択手段18で選択されて座標出力6に取り出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばコンピュータに接続されるデジタイザーに使用して好適な座標入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばタッチパネル(感圧センサー)では、抵抗膜の経年変化等に対処するため入力値を補正して取り出している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
例えば4線式のタッチパネルは、図4に示すように、任意の抵抗膜で形成された2つの面からなり、その一方の面にはX軸方向の両端に電極が設けられ、他方の面にはY軸方向の両端に電極が設けられている。そして、タッチパネルの面が押圧されると、押圧された点(位置)の両面の抵抗膜が接触することにより、当該位置の検出が行われる。
【0004】
すなわち、両面の抵抗膜が接触することにより、その接触中のある期間には、一方の面の両端の電極間に所定の電圧が印加されて他方の面の両端の電極間の電圧が検出され、次の期間には、他方の面の両端の電極間に所定の電圧が印加されて一方の面の両端の電極間の電圧が検出され、これらの検出電圧からX−Y座標が検出される。
【0005】
ところが、このようなタッチパネルの構成では、抵抗膜の抵抗値にばらつきが避けられず、入力値の取り出しには補正が必要とされる。また、一般的なタッチパネルの使用法では、押圧される入力点が偏在する傾向があり、その入力点の近傍の抵抗膜が破壊されるなどの経年変化が生じやすい。そこで、特許文献1に開示されているような抵抗膜の経年変化等に対処するための入力値の補正が行われている。
【0006】
しかしながら、このような補正を行うためには、複雑な信号処理が必要とされ、かつ使用者がキャリブレーション操作等を行う必要がある。このため、一般利用者は、キャリブレーション操作を行わないで、入力座標の誤差が生じても放置している場合が多い。
【0007】
これに対して、5線式や8線式などの座標入力装置では、装置自体が入力座標を自動的に補正するようにしたタッチパネルも提案されているが、配線数が多くなって構成や製造工程が複雑になるという問題も生じている。また、自装置自体が入力座標の補正を行うためには、複雑な計算処理が要求されるなど、その実施には困難を伴うことも指摘されている。
【0008】
一方、電磁誘導方式センサーのように入力値の取り出しの際に特段の補正を必要としない入力手段も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
この電磁誘導方式センサーでは、例えば図5に示すように、X軸方向及びY軸方向に多数のループコイルが配設され、これらのループコイルに位置指示器が接近されると、位置指示器に内蔵された共振回路が共振して、この共振信号とループコイルの選択位置からX−Y座標が算出される。これによれば、補正の必要のない極めて詳細な入力値(座標)を取り出すことができる。しかしながら、このような電磁誘導方式で入力を行うには、特別な位置指示器を必要とし、いつでも容易に入力を行うことができなくなる。
【0010】
そこで、これらのセンサーを組み合わせ一体化して、多様な位置指示に対応できるようにした座標入力装置が検討されている。
【特許文献1】特開平5−250086号公報
【特許文献2】特開平5−298007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、2種類の入力手段を組み合わせて一体化したとしても、上述した問題点のいくつかは依然として残るものである。
【0012】
すなわち、第1の入力手段として例えばタッチパネル(感圧センサー)を使用する場合には、抵抗膜の経年変化等に対処するため、その入力値を補正する必要があり、複雑な信号処理や使用者によるキャリブレーション操作等が要求される。一方、入力値を取り出す際に、補正が必要とされない第2の入力手段としては、例えば電磁誘導方式センサーが用いられる。この電磁誘導方式センサーを用いる場合には、特殊な位置指示器を必要とし、いつでも容易に入力を行うことはできない。本発明は、これらの問題点を一挙に解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決し、本発明の目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、入力値の補正が必要とされる第1の入力値を取り出す第1の入力手段と、入力値の補正が必要とされない第2の入力値を取り出す第2の入力手段とが設けられる座標入力装置であって、第1及び第2の入力手段が同時に第1及び第2の入力値を得たことを判別する手段と、第1の入力手段からの第1の入力値と第2の入力手段からの第2の入力値との関係を補正情報として記憶する手段と、この補正情報に基づいて第1の入力値を補正する手段と、を有することを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の座標入力装置においては、補正情報は、第1の入力手段からの第1の入力値に対する第2の入力手段からの第2の入力値であることを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の座標入力装置においては、補正情報は、第1の入力手段で取り出される値から第1の入力値を算出する際のパラメータ値であることを特徴している。
【0016】
請求項4に記載の座標入力装置においては、補正情報は、第1の入力手段からの第1の入力値と第2の入力手段からの第2の入力値との差分値であることを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の座標入力装置においては、さらに、第1及び第2の入力手段には、同時に入力可能な位置指示手段により第1及び第2の入力手段の所定部、若しくは全面に相当する範囲に第1及び第2の入力値の入力を指示するための表示を行うことを特徴としている。
【0018】
請求項6に記載の座標入力装置においては、第1及び第2の入力手段にさらに表示装置が重ねて設けられ、表示装置に所定部の表示を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の座標入力装置においては、補正情報は、第1及び第2の入力値が同時に得られたときの補正情報を第1の入力値の座標ごとの補正テーブルとして記憶することを特徴としている。
【0020】
請求項8に記載の座標入力装置においては、補正テーブルは、第1の入力手段からの第1の入力値の補正に用いる第1の補正テーブルと、差分情報を第1の入力値の座標ごとに記憶する第2の補正テーブルとからなり、任意のタイミングで第2の補正テーブルに記憶された情報が第1の補正テーブルの情報に上書きされることを特徴としている。
【0021】
請求項9に記載の座標入力装置においては、パラメータ値は、第1の入力手段からの第1の入力値の補正に用いる第1のパラメータ値と、第1及び第2の入力手段が同時に第1及び第2の入力値を得るごとに記憶された第2のパラメータ値とからなり、任意のタイミングで第2のパラメータ値が第1のパラメータ値に上書きされることを特徴としている。
【0022】
請求項10に記載の座標入力装置においては、任意のタイミングは、内蔵時計の計時、若しくは使用者の指示、またはシステムの起動を検出して抽出されることを特徴とする。
【0023】
請求項11に記載の座標入力装置においては、第1の入力手段は感圧センサーであり、第2の入力手段は電磁誘導方式のセンサーであることを特徴としている。
【0024】
請求項12に記載の座標入力装置においては、電磁誘導の方式センサーにより第2の入力値が検出された際には、同時に感圧センサーにより第1の入力値の検出も行われ、電磁誘導の方式センサーの出力と感圧センサーの出力とが比較されて補正情報が取り出されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
上記請求項1〜12に記載の座標入力装置によれば、補正が必要とされる第1の入力値を、極めて簡単な方法で、自動的あるいは半自動的に補正することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明を適用した座標入力装置について、図1〜図3を参照しながら説明する。まず、図1には、本発明による座標入力装置の一実施の形態例のブロック図を示す。
【0027】
図1において、本発明を適用した座標入力装置には、入力値の取り出しに補正を必要とする第1の入力手段として、例えば特許文献1に開示されるようなタッチパネル(感圧センサー)1と、入力値の取り出しに補正の必要のない第2の入力手段として、例えば特許文献2に開示されるような電磁誘導式のセンサー2とが重ねて設けられている。なお、タッチパネル1は入力面に露出して設ける必要があるが、電磁誘導式のセンサー2は離間して設けることが可能であり、このタッチパネル1と電磁誘導式のセンサー2との間に液晶ディスプレイ等を設けることも可能である。
【0028】
このようなタッチパネル1及び電磁誘導式のセンサー2に対して、共振回路を内蔵した位置指示器3で指示を行うと、その指示された位置は、タッチパネル1及び電磁誘導式のセンサー2の両方で検出される。ただし、電磁誘導式のセンサー2での検出の方が精度の高い座標を検出することができる。これに対して、共振回路を持たない、例えば指先4のようなもので指示が行われると、その指示された位置は、タッチパネル1だけで検出され、電磁誘導式のセンサー2での検出を行うことができない。
【0029】
ところが、タッチパネル1での検出には、経年変化等によるずれを生じる恐れがある。そこで、タッチパネル1から座標算出用のCPU(Central Processing Unit)5に供給された入力値は、座標算出手段11で座標に変換された後に、補正処理手段12に供給されて正しい値になるように補正が行われる。一方、電磁誘導式のセンサー2で得られる入力値は補正の必要のないものである。そこで、電磁誘導式のセンサー2からCPU5に供給された入力値は、座標算出手段13に供給されて高精度の座標に変換される。
【0030】
さらに、座標算出手段11、13では、それぞれ入力が行われたことを示す信号が形成される。そこで、これらの信号が同時判別手段14に供給されて両方の入力が同時に行われたときが判別される。そしてこの判別信号が差分検出手段15に供給されて、座標算出手段11、13それぞれの入力値から変換された座標の差分が検出される。この差分値が差分テーブル16に供給されて、座標算出手段11からの座標値に従って記憶される。
【0031】
従って、この差分テーブル16には、座標算出手段11で算出された座標値に対して、その座標ごとの座標算出手段13で算出された正しい座標値とのずれが記憶される。そこで、この差分テーブル16に記憶された差分値を、補正テーブル17に記憶させ、補正処理手段12において、座標算出手段11で算出された座標値に補正テーブル17からの差分値が加減算される。これによって、座標算出手段11で算出された座標値が、座標算出手段13で算出された正しい座標値となるように補正処理を行うことができる。
【0032】
そして、補正処理手段12で補正された座標値と、座標算出手段13で算出された座標値のいずれかが出力選択手段18で選択されて座標出力6として取り出される。すなわち、出力選択手段18では、座標算出手段13で算出された座標値が得られているときは、その座標値を選択し、座標算出手段13で算出された座標値が得られていないときは、補正処理手段12で補正された座標値を選択する。これにより、座標出力6には、位置指示器3の使用の有無によらず常に正しい座標値が得られるようになる。
【0033】
ところで、図1においてCPU5の内部に描かれているのは、CPU5で実行されるプログラムの機能ブロックを示しているものである。そこで図2には、実行されるプログラムをフローチャートで示す。
【0034】
図2において、処理がスタートされると、最初にタッチパネル1及び電磁誘導式のセンサー2に対する接触(タッチ)が検出される(ステップS1)。ここでタッチがないとき(No)は、ステップS1が繰り返されている。そして、タッチが検出されたとき(Yes)は、次にタッチが共振回路を内蔵した位置指示器(ペン)があるか否か判断される(ステップS2)。
【0035】
このステップS2で、ペンがないとき(No)は、タッチの座標が検出され(ステップS3)、タッチ座標データBが算出される(ステップS4)。さらに算出された座標データBが補正テーブルにより補正され(ステップS5)、補正された座標データBが出力される(ステップS6)。なおこれらの処理は、通常のタッチパネルで行われているものと同じである。そして、これらの処理が完了すると、ステップS1に戻される。
【0036】
一方、ステップS2でペンがあるとき(Yes)は、まず、ペンの座標が検出され(ステップS7)、ペン座標データAが算出される(ステップS8)。さらに座標データAが出力され(ステップS9)、座標データAが記憶される(ステップS10)。なおこれらの処理は、通常の電磁誘導式のセンサーで行われているものと同じである。そしてさらに本発明では、以下の処理が続けて行われる。
【0037】
すなわち、ステップS10に続いて、タッチの座標が検出され(ステップS11)、タッチ座標データBが算出される(ステップS12)。さらに算出された座標データBが記憶され(ステップS13)、記憶された座標データA,Bが比較される(ステップS14)。そして、これらのデータA,Bの差が許容範囲内のとき(Yes)は、ステップS1に戻される。
【0038】
これに対して、ステップS14でデータA,Bの差が許容の範囲を超えているとき(No)は、データA,Bの差分値により補正テーブルが修正されて(ステップS16)、ステップS1に戻される。ここで、補正テーブルが差分値を記憶し、タッチセンサーで検出された座標値に差分値を加減算して補正を行っている場合には、これによって、次回のタッチセンサーの出力に対して補正が行われる。
【0039】
ところで、図2の実施の形態例では、データA,Bの差が許容の範囲を超えたときには直ちに補正テーブルを書き換えるとしたが、メモリの書き換えを頻繁に行うのは好ましいことではない。そこで図1の実施形態例では、差分テーブル16を設けると共に、タイマー19やユーザー指示の判別手段20を設けて、前回書き換えを行ってからの所定の時間経過あるいは書き換えを行うというユーザーの指示に従って補正テーブル17の書き換えを行うようにしている。図3のA,Bは、それぞれその手順を示したフローチャートである。
【0040】
すなわち図3のAに示すフローチャートでは、処理がスタートされると、前回補正テーブルの書き換えが行われてから所定時間が経過したかどうか、若しくはユーザーから補正テーブルの書き換えの指示があったかどうかが判断される(ステップS21)。ここで時間経過若しくはユーザー指示がないとき(No)は、ステップS21が繰り返されている。一方、時間経過若しくはユーザー指示が検出されたとき(Yes)は、差分テーブルに記憶されたデータから補正値が算出され(ステップS22)、算出された補正値で補正テーブルが上書きされる(ステップS23)。
【0041】
また、図3のBに示すフローチャートでは、処理がスタートされると、ステップS21と同様の時間経過若しくはユーザー指示の有無が判断される(ステップS31)。ここで時間経過若しくはユーザー指示がないとき(No)は、ステップS31が繰り返されている。一方、時間経過若しくはユーザー指示が検出されたとき(Yes)は、差分テーブルに記憶されたデータが全面に亘るものであるか否か判断される(ステップS32)。
【0042】
このステップS32で差分テーブルに記憶されたデータが全面に亘っているとき(Yes)は、差分テーブルに記憶された補正値で補正テーブルが上書きされる(ステップS33)。これに対して、ステップS32で差分テーブルに記憶されたデータが全面に亘っていないとき(No)は、ユーザーに対してタッチパネル及び電磁誘導式のセンサーの全面への入力を促す表示が行われる(ステップS34)。
【0043】
さらに、この表示に対してタッチパネル及び電磁誘導式のセンサーの全面への入力が完了したか否か判断され(ステップS35)、完了していないとき(No)はステップS34が繰り返され、完了しているとき(Yes)は、ステップS33で差分テーブルに記憶された補正値で補正テーブルが上書きされる。このようにして、前回の補正テーブルの書き換え時から所定の時間経過あるいはユーザーからの書き換えの指示に従って補正テーブル17の書き換えが行われる。
【0044】
こうして本例の座標入力装置によれば、極めて簡易な方法で、自動的若しくは半自動的に補正が必要とされる入力手段の入力値の補正を行うことが可能となる。
【0045】
なお、上述の実施の形態例では、座標算出用のCPU5を、タッチパネル1及び電磁誘導式のセンサー2に併設されるものとしたが、これらのタッチパネル1及び電磁誘導式のセンサー2からの出力信号を、そのままパーソナルコンピュータ(図示せず)に入力できる形態とし、座標算出用のCPU5をパーソナルコンピュータの内蔵ドライバーとして設けることも可能である。
【0046】
また、上記の実施の形態例では補正情報として、差分値が座標算出手段11からの座標値に従って差分テーブル16に記憶されるものとしたが、例えば補正処理手段12で補正を行う際の演算式のパラメータ値を記憶しておくようにすることもできる。
【0047】
そのパラメータ値の例としては、例えば、
真の座標値(本実施の形態例では、電磁誘導式のセンサー2による値)を、
(EX1、EY1)、(EX2、EY2)
補正すべき座標値(本実施の形態例では、タッチパネル1による値)を、
(RX1、RY1)、(RX2、RY2)
とした場合に、X,Y軸における補正パラメータは、
INCL X=(EX2−EX1)/(RX2−RX1)
INCL Y=(EY2−EY1)/(RY2−RY1)
となる。
【0048】
このようなパラメータ値(INCL X)(INCL Y)を記憶しておくことにより、タッチパネル1による座標値の補正を行うことができる。これによって、請求項3に記載の座標入力装置において、補正情報は、第1の入力手段で取り出される値から第1の入力値を算出する際のパラメータ値であることを特徴とすることができる。
【0049】
また、請求項9に記載の座標入力装置において、パラメータ値は、第1の入力手段からの第1の入力値の補正に用いる第1のパラメータ値と、第1及び第2の入力手段が同時に第1及び第2の入力値を得るごとに記憶された第2のパラメータ値とからなり、任意のタイミングで第2のパラメータ値が第1のパラメータ値に上書きされることを特徴とすることができる。
【0050】
さらに本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形例、応用例を含むことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による座標入力装置の一実施の形態例のブロック図である。
【図2】その動作の説明のためのフローチャート図である。
【図3】その動作の説明のためのフローチャート図である。
【図4】タッチパネルの説明のための図である。
【図5】電磁誘導式センサーの説明のための図である。
【符号の説明】
【0052】
1…タッチパネル(感圧センサー)、2…電磁誘導式のセンサー、3…位置指示器、4…指先、5…座標算出用のCPU、6…座標出力、11,13…座標算出手段、12…補正処理手段、14…同時判別手段、15…差分検出手段、16…差分テーブル、17…補正テーブル、18…出力選択手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力値の補正が必要とされる第1の入力値を取り出す第1の入力手段と、入力値の補正が必要とされない第2の入力値を取り出す第2の入力手段とが設けられる座標入力装置であって、
前記第1及び第2の入力手段が同時に前記第1及び第2の入力値を得たことを判別する手段と、
前記第1の入力手段からの前記第1の入力値と前記第2の入力手段からの前記第2の入力値との関係を補正情報として記憶する手段と、
前記補正情報に基づいて前記第1の入力値を補正する手段と、
を有することを特徴とする座標入力装置。
【請求項2】
前記補正情報は、前記第1の入力手段からの前記第1の入力値に対する前記第2の入力手段からの前記第2の入力値である
ことを特徴とする請求項1記載の座標入力装置。
【請求項3】
前記補正情報は、前記第1の入力手段で取り出される値から前記第1の入力値を算出する際のパラメータ値である
ことを特徴とする請求項1記載の座標入力装置。
【請求項4】
前記補正情報は、前記第1の入力手段からの前記第1の入力値と前記第2の入力手段からの前記第2の入力値との差分値である
ことを特徴とする請求項1記載の座標入力装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の入力手段には、同時に入力可能な位置指示手段により前記第1及び第2の入力手段の所定部、若しくは全面に相当する範囲に前記第1及び第2の入力値の入力を指示するための表示を行う
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の座標入力装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の入力手段にさらに表示装置が重ねて設けられ、前記表示装置に前記所定部の表示を行う
ことを特徴とする請求項5に記載の座標入力装置。
【請求項7】
前記補正情報は、前記第1及び第2の入力値が同時に得られたときの前記補正情報を前記第1の入力値の座標ごとの補正テーブルとして記憶する
ことを特徴とする請求項1,2,4〜6のいずれかに記載の座標入力装置。
【請求項8】
前記補正テーブルは、前記第1の入力手段からの第1の入力値の補正に用いる第1の補正テーブルと、前記差分情報を前記第1の入力値の座標ごとに記憶する第2の補正テーブルとからなり、任意のタイミングで前記第2の補正テーブルに記憶された情報が前記第1の補正テーブルの情報に上書きされる
ことを特徴とする請求項7記載の座標入力装置。
【請求項9】
前記パラメータ値は、前記第1の入力手段からの第1の入力値の補正に用いる第1のパラメータ値と、前記第1及び第2の入力手段が同時に前記第1及び第2の入力値を得るごとに記憶された第2のパラメータ値とからなり、任意のタイミングで前記第2のパラメータ値が前記第1のパラメータ値に上書きされる
ことを特徴とする請求項3記載の座標入力装置。
【請求項10】
前記任意のタイミングは、内蔵時計の計時、若しくは使用者の指示、またはシステムの起動を検出して抽出される
ことを特徴とする請求項8または9に記載の座標入力装置。
【請求項11】
前記第1の入力手段は感圧センサーであり、前記第2の入力手段は電磁誘導方式のセンサーである
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の座標入力装置。
【請求項12】
前記電磁誘導の方式センサーにより前記第2の入力値が検出された際には、同時に前記感圧センサーにより前記第1の入力値の検出も行われ、前記電磁誘導の方式センサーの出力と前記感圧センサーの出力とが比較されて前記補正情報が取り出される
ことを特徴とする請求項11記載の座標入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−146580(P2008−146580A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−336029(P2006−336029)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(000139403)株式会社ワコム (118)
【Fターム(参考)】