説明

廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置

【課題】廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置に関する。
【解決手段】主として反応過程中に水(水気)の引入を増加し、且つ全密封低圧処理環境を作製することにより、熱分解過程に燃焼現象の除去を確保し、更に処理安全性の強化を達成し、有機気体の部分に対し、より濃縮・失活し、利用可能な燃料または化学工業原料を形成し、処理コストを低減できる以外に、回収価値も増加でき、更に安全処理装置などの多重の効果と利益を創造でき、極めて産業利用価値を具する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置に関するもので、特に熱分解プロセスの安全性を大幅に改善でき、且つ熱分解廃気のリサイクルの実行可能性を向上し、全体の処理効率を増進でき、処理系統の安全安定性を強化し、操作人員の安全を保障し且つコストの支出を減少する等の多重の効果と利益の廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置を指す。
【背景技術】
【0002】
本発明の発明者は、2006年1月20日に中華民国第095102342号「廃プリント配線板の回収方法」の発明特許を出願し、且つ2006年12月11日に許可公告により発明特許第I268184号の特許証明書を取得して記録する。該発明特許は、発明者により実施された後に、良好な効果を取得し、熔融硝酸塩を利用して配線板中のエポキシ樹脂を熱分解することにより、金属と炭化ガラスファイバを分離して著しい効果を有する。主として廃プリント配線板を熔融硝酸塩の中に投入し、配線板中の臭素化エポキシ樹脂を熱分解することが出来、且つその化学反応により大量の有機気体と窒素酸化物を生成し、例えば図1に示す。そして有機気体の濃度が高くなり、高温時に酸素ガス(空気)が侵入すれば、燃焼現象(容易な発火とガス爆発)を生成しやすくなり、操作系統に対し、大きなリスクがあり、そして有機気体の直接酸素増加焼却処理にエネルギーを補充する必要があり、処理コストを増加し、熱分解過程中に処理の効率を低減する要素が下記のように挙げられる。
【0003】
(一)熱分解反応により生成された気体量が温度の上昇に連れて増加し、温度が高くなるほど、反応が激しくなり、且つ気体の呈する曲線の変化を掌握しにくくなり、見積りを利用して瞬間量の大きさを了解できず、操作人員の安全に対し、リスクが存在する。
【0004】
(二)熱分解する時に、配線板が浮かび上がるべきで、且つ配線板を反応炉の内に水平に置き入れて処理する時に、配線板上のガラスファイバと銅箔が気体の排出を妨害すべきで、大量の廃気を配線板の下方に押し出し且つ配線板の反応が困難となるべきで、そして反応物を取り出す時に、大量の廃気があり、操作人員に影響を及ぼし、操作のリスクがある。
【0005】
(三)熱分解反応過程中に、高温状態時に空気が侵入して燃焼に発火とガス爆発の発生状況を招きやすくなり、温度が高いほど著しくなり、操作の危険を招きやすくなる。
【0006】
(四)大量の操作時に、炭素滓が熔融硝酸塩の表面に集中すべきで、炭素滓が気体生成量と反比例し、特に370℃以下に操作する時に著しくなり、炭素が非常な高温を必要として分解・破壊できるので、依然として炭素滓の下方に一部分の気体が残留し、移出する時に気体も噴き出して操作人員の安全に影響を及ぼす。
【0007】
(五)熱分解廃気処理が酸素増加を直接に利用して燃焼する時に、気体生成量が不安定化するので、燃料処理を付け加えて操作コストを増加する必要がある。
【0008】
(六)酸素増加燃焼を利用することにより、風車を誘導して前端の廃気を抜き取り、排出効果が不良で且つ抜取過程中に反応炉が負圧を形成し、更に空気を反応炉の内に引入しやすくなり、操作のリスク(ガス爆発と燃焼を招きやすくなる)を増加し、系統がより不安定化し且つ廃気の濃度が降下して利用効率が下がるべきである。
【0009】
(七)廃プリント配線板の熱分解反応は、反応炉を移入・移出する必要があり、反応炉の開放・閉鎖過程中に、空気の侵入をも招きやすくなり、極めて大きなリスク要素が存在し、且つ炉内にガラスファイバを長期間放置すれば、熔融硝酸塩の侵食により破壊しやすくなる。
【0010】
(八)反応炉の原料入口は、側辺に設けられ、そして廃気出口が上方に設けられ、煙突対流効果を招きやすくなり、大量の空気を吸入して操作のリスクを招きやすくなる。
【0011】
前述の各種な現象に基づき、熔融硝酸塩を利用して廃プリント配線板を熱分解するために、独特な方法を必要として設備安全および廃気処理を解決・創造して回収・リサイクルしてより検討・改善する。
【0012】
これより了解できるのは、前述の慣用の方式は、依然として沢山の欠点を有し、本当に良好な設計ではなく、そしてより改良する必要がある。
【0013】
本発明の発明者は、前述の慣用の方式により生成された各項目の欠点に鑑み、より改良して革新しようと意図し、且つ多年を経て苦心して孤独に努力して鋭意に研究した後に、ついに本発明の廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置を、成功的に研究して完成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、即ち熱分解過程に燃焼現象の免除を確保でき、且つ操作人員の処理安全性の強化を達成できるように提供するものである。
【0015】
本発明の副次的な目的は、有機気体の部分に対し、より濃縮・失活して利用可能な燃料または化学工業原料を形成でき、処理コストを低減できる以外に、回収価値も増加でき、更に安全処理装置などの多重の効果と利益を創造でき、極めて産業利用価値を具するように提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述の発明目的を達成できる廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置は、下記を含む。
【0017】
(一)本発明の廃プリント配線板を熱分解する新たな基材回収方法は、配線板を反応炉の内に移入し、反応時に水気の引入を増加して反応に参入し、水の加熱を利用して熔融硝酸塩の冷却に対し、安定作用を形成し、正圧操作を設立できるだけではなく、更に膨張水蒸気を利用して有機気体を反応炉の外部へ強制的に排出でき、且つ水蒸気をリサイクルし、反応物に移入する持ち込み可能な空気をより排除でき、且つ水を介して反応物と熔融硝酸塩を冷却し、反応系統がより安定化することを可能とし、反応過程中に、水気が有機気体の希釈を招かず、後段の凝縮回収作業に影響を及ぼさない。
【0018】
(二)本発明の廃プリント配線板の熱分解反応後の有機気体は、常温下でより凝縮・圧縮することにより、有機気体が凝縮可能な燃料油(大分子、高発火点)と凝縮不可能な燃焼ガス(小分子、低発火点)の有機物を形成し、これらを分離した後に、処理がより比較的効率となることを可能とし、省エネルギー・二酸化炭素排出削減の方法に合致し、且つ回収・リサイクルを増加できる。
【0019】
(三)廃プリント配線板を熱分解する反応中に、依然として数多くの不安定現象があり、克服して操作の安全を確保する必要があり、熱分解反応系統を実施する時に、予め完備の保護対策を設立する必要があり、本発明者は、下記の完備構築の熱分解反応系統を設立し、
(1)正圧酸素隔離系統の設立:本発明は、熱分解過程中に空気(酸素)の侵入を防止して操作のリスクを招くことを、克服するために、特に反応プロセスを正圧反応となるように設計し、空気の侵入機会を全面的に阻止でき、操作上では設備がより安全となり、そして反応物が反応炉を進出する時に、特に水気膨張を利用して正圧を設立して反応物を安全に移動でき、
(2)水気引入定圧反応系統:本発明は、水気を利用して熱分解反応が過激することを防止する時に、冷却安定作用を与え、熱分解がより安全となることを可能とし、且つ反応物を反応炉から移出する前に、予め冷却でき、操作のリスクを低減でき、熱分解過程の安定性を強化し、
(3)気体自動平衡系統の設立:本発明は、熱分解の気体生成量の変化問題を克服するために、気体生成量が大きくなる時に、空間を必要として気体を貯蔵し、気体の圧力上昇を招かず、本発明の自動膨張可能な方式を介し、気体生成量が小さくなる時に、自動的に回復でき、操作の圧力がバランスを得て、特に気体自動平衡系統を設計し、
(4)垂直原料供給系統の設立:本発明は、反応物が進出する時に煙突効果現象を招くことを、克服するために、特に垂直引入系統を設計し、熱気上昇原理を利用して空気の入り込みを阻止し、更に水気の対応を利用して移入する前に、予め熔融硝酸塩の表面を加熱して大量の水蒸気を形成し、反応物に移入する持ち込み可能な空気をより排除でき、有効な酸素除去機能を設立でき、
(5)垂直反応用ホルダー及び炭素膜移出系統の設立:本発明は、配線板の浮き出し・積み上げ効果,有機気体の排出を妨害することにより反応を影響すること,及び炭素膜の浮き出し問題を、克服するために、特に垂直反応用ホルダーを利用して配線板が直立状を呈して積み上げなく、且つ熔融硝酸塩の中に位置を固定して反応することを制限し、有効かつ快速に分解でき、反応用ホルダーの上方に炭素膜網を設けて反応物を移動すると同時に炭素膜を移出できることにより、下方に有機気体を順調に排除でき、操作の安全を強化し、
(6)反応炉の開放・閉鎖の排気系統の設立:本発明は、熱反応を中止する時に有機気体の戻り流れを防止でき且つ熱分解する時に順調に排気できるように確保するために、特に水位高さの降下を利用すれば、排気通路を開放し、上昇すれば、通路を閉鎖するように設計し、排気機能を有効かつ簡単に制御でき、
(7)有機気体凝縮圧縮回収系統の設立:本発明は、有機気体のリサイクルを向上するために、特に常温凝縮圧縮系統を設立し、冷却および圧縮の併用を利用して有機気体の比較的大きな分子の物質により燃焼油を形成し、そして小分子の部分が気体を燃焼可能な気体となるように凝縮しなく、分離して回収できれば、より有利な操作条件を創造でき、操作コストを低減し、且つ回収の効果と利益を向上し、
(8)活動式密封扉の制御系統の設立:本発明は、反応物を移出する時に有機気体が容易に溢れ出て操作のリスクを招くことを、克服するために、特に活動式密封扉を設計し、水封および活動式扉を利用して有効な密封効果を形成して有機気体の溢れ出を防止し、更に水気を利用して予め反応物を冷却して再び移出し、大部分の有機気体を除去でき、安全操作環境を得、
(9)反応圧力追跡系統の設立:本発明は、圧力追跡反応系統を利用する。熱分解反応の開始および終了を追跡し、反応プログラムが完成するかどうかを確定でき、熱分解の実行中の時に、酸素量を生成し、圧力が上昇し、熱分解反応が中止する時に、圧力が降下すれば、簡単に追跡できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】慣用の熱分解の廃プリント配線板を熱分解するフローチャートである。
【図2】本発明の提供する、廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の熱分解回収フローチャートである。
【図3】該廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の熱分解反応系統制御図である。
【図4】該廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の気体自動膨張装置の構造模式図である。
【図5】該廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の気体自動膨張装置の他の構造模式図である。
【図6】該廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の熱分解反応装置の全体構築模式図である。
【図7A】該廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の熱分解反応の実施模式図である。
【図7B】該廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の熱分解反応の実施模式図である。
【図7C】該廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の熱分解反応の実施模式図である。
【図7D】該廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の熱分解反応の実施模式図である。
【図7E】該廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の熱分解反応の実施模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図2を参照して示すように、これが本発明の廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の熱分解回収フローチャートであるが、反応物(廃プリント配線板)を300℃〜550℃の熔融硝酸塩の中に直接に投入し、反応物中の臭素化エポキシ樹脂熱分解反応により、高濃度の廃気の有機気体,窒素・酸素ガスと炭素滓を形成し、そしてエポキシ樹脂中の臭素元素に対し、硝酸塩中のリチウム,ナトリウム,カリウムの高活性金属を利用して安定化する臭化塩を形成して捕獲でき、反応過程中に水気の引入を増加して熱分解反応を安定化し、硝酸塩の過激な反応(爆発性の危険を発生する)を予防し、且つ水気を利用して加熱・膨張して水蒸気を生成でき、系統の正圧を維持するために用いられ、更に予め反応炉内の有機気体等を強制的に排出し、且つ水気を利用して上昇気流を生成し、反応物(例えば廃プリント配線板)を反応炉に移入する時に、持ち込み空気を強制的に排除でき、事前に酸素を除去する機能を有し、更に反応物を反応炉から移出する前に、反応物をより冷却でき、移出された反応物がより安全となることを可能とし、操作の安全性を強化するが、そして熱分解により有機気体を生成する部分対し、凝縮圧縮方式を利用し、常温低圧下では、大分子の窒素ガスと有機気体を、燃焼油と凝縮不可能な燃焼ガスとなるように凝縮し、そして燃焼油が炭素滓と結合した後に、つまり黒色のコールタールを形成し、更に燃焼油と燃焼ガスをも分離して回収してリサイクルすることが出来、ひいては反応物の基材を熱分解・回収する効果と利益を向上し、熱分解のコストを低減させ、凝縮しない窒素・酸素ガスと有機気体を再び分離・圧縮し、分離処理後の窒素・酸素ガスと有機気体を排出すべきで、そして圧縮後の窒素・酸素ガスと有機気体が、つまり液化燃料ガスを形成する。その他に、熱分解後の反応物に対し、炭素膜が水洗を経て塩類を水に溶けるべきで、炭素が水に溶けず、炭素滓が簡単に分離でき、直接に燃料と看做し或いは工業原料に加工してリサイクルすることを可能とし(例えばカーボンブラック又は活性炭など)、ガラスファイバと金属の分離は、前処理があるかどうかに基づいて決められるべきで、予め錫を剥離した時に金属が銅箔となり、まだ錫を剥離しなければ、錫と銅が混合し、事前にソルダーレジスト外の金属を溶食し尽くすれば、簡単に分離でき(自然分離が可能な、例えば双面多層板)、ソルダーレジスト外の金属を溶食して除去しない或いは6層以上の外層板・内層配線に達しなければ(内にブラインドホールがあり、溶食できず)、外力により銅箔を強制的に分離して取り出し或いは化学溶食方法を利用して金属を溶け出す必要があり、徹底的に金属とガラスファイバを分離する。金属化学品または還元金属をリサイクルし、更に両者も併用できる。金属溶液は、再び還元方法を利用して回収し、或いは金属化合物により分類回収リサイクルの目的を達成する。熔融硝酸塩の中に、臭素化塩と硝酸塩は、熔点と比重の大きな差異があるので、分離が困難ではない。
【0022】
その中でも、該反応物(廃プリント配線板)が事前に処理してもよく、更に如何なる処理を行わなくてもよい。
【0023】
図3を参照して示すように、これが該廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の熱分解反応系統制御図であるが、反応物(廃プリント配線板)を熱分解する時に、気体生成量の変化が大きい且つ酸素ガスが容易に侵入することにより燃焼現象(例えば発火とガス爆発状況)を生成しやすくなるので、どのように効率で且つ安全である省エネルギー熱分解系統を設立するのは、相当に重要な一環となり、安全・快速および省エネルギーの熱分解系統を達成するために、本発明者は、下記の完備構築の熱分解反応系統を設立し、下記のように挙げる。
【0024】
(1)正圧酸素隔離系統の設立:正圧酸素隔離系統の設立は、反応系統に正圧が存在するためで、空気の侵入により酸素ガスと有機気体が燃焼現象を生成することを、阻止し、系統がより安定化し、且つ熱分解反応の前後に、水気を利用して熔融硝酸塩の上に加熱・膨張して推力を生成し、反応炉の内から有機気体を強制的に排出でき、反応物を移出する時に、有機気体が溢れ出るリスクを、低減し、且つ反応物を移入する時に、水蒸気(熔融硝酸塩の上方に水を加熱して形成する)を利用して上向きに上昇して推力を生成し、これにより、反応物に移入する持ち込み可能な空気を強制的に排出し、酸素除去機能を有する。
【0025】
(2)水気引入定圧反応系統:水気引入定圧反応系統は熱分解の過激な反応(熱分解温度が高すぎる時に、爆発リスク恐れがある)を予防するためで、熔融硝酸塩の温度が高すぎる時に、適時の冷却を与え、熱分解系統を安定化し、且つ反応物を移出する前に、適時に予め冷却でき、操作プログラムがより安全となることを可能とし、且つ有機気体を強制的に除去でき、溢れ出のリスクを低減し、水気は、少量の水,霧化水気であり、或いは更に水蒸気または不活性気体により直接に交替してもよい。
【0026】
(3)気体自動平衡系統の設立:気体自動平衡系統の設立は、熱分解反応過程中に生成された気体変化量の大きさ問題を克服するためで、気体生成量が大きくなると、操作圧力が快速に増加して上昇すべきで、系統の負荷力を超えて操作リスクを招く可能性があり、系統を非常に大きく拡充する必要があり、系統の圧力を平衡して克服すれば、設備コストの上昇を招き且つ処理の邪魔を招くべきで、熱分解しない時に、圧力が快速に縮小して圧力の平衡が困難となるべきである。気体の大きさ問題を克服するために、特に膨張原理を利用し、気体生成量が大きくなる時に、余計な空間に移送して貯蔵し、気体生成量が減少する時に、更に次第に収縮して所定の操作系統圧力をも維持し、系統の平衡に寄与し、その原理がスプリングの引っ張り力を利用して構造の重量を平衡でき、その敏感度を向上し(図4に示すように)、或いは重量平衡輪の方式を利用して気体膨脹バルブの敏感度を向上し(図5に示すように)、該装置が水封または油封系統を結合して完全な密封効果を達成できる。
【0027】
(4)垂直原料供給系統の設立:垂直原料供給系統の設立は、反応物を移入する時に招かれた空気の侵入を予防するためで、その原理は、熱上昇原理を利用して空気の侵入を阻止し、冷空気が上方から入り込むことを不可とし、且つ原料供給前に水気を利用して反応炉に引入し、加熱・膨張して大量の水蒸気が上昇する時に、廃プリント配線板を引入し、水蒸気により廃プリント配線板の間の持ち込み可能な空気を排除し、酸素除去機能を徹底し、系統の安全を強化する。
【0028】
(5)垂直反応用ホルダー及び炭素膜移出系統の設立:垂直反応用ホルダー及び炭素膜移出系統の設立は、熔融硝酸塩の中に配線板が浮き出し・積み上げ現象を有すること,及び配線板中のガラスファイバと銅箔が排気機能を妨害して熱分解効果を低減できることを、克服するためで、配線板が直立状を呈して順調に排気でき、更に配線板が熔融硝酸塩中の所定位置内に維持して反応でき、熱分解がより安全となり、且つ熱分解反応後に、反応物の移出に連れて、熔融硝酸塩の上方に浮き出す炭素膜を併せて移出でき、従って反応用ホルダーの上に炭素膜移除網を増設する必要があり、反応完成後に全ての反応物を反応炉から完全に移出できることを確保し、反応前の開始条件を還元する。
【0029】
(6)反応炉の開放・閉鎖の排気系統の設立:反応炉の開放・閉鎖の排気系統の設立は、熱分解時に生成された大量の有機気体を克服するためで、反応炉内から快速に排出する必要があり、比較的大きな無抵抗力の通路を必要とする。熱分解しない時に、通路を閉鎖する必要があり、有機気体が反応炉へ戻り流れることを防止し、その系統が水位上昇時間を利用して開放・閉鎖して水封阻止隔離効果を有し、水位が降下する時に、自然な通路を形成し、この系統を簡単に設立できる。
【0030】
(7)有機気体凝縮圧縮回収系統の設立:有機気体凝縮圧縮回収系統の設立は、有機気体をより効率的に応用して省エネルギー・二酸化炭素排出削減の目標を達成できるためで、熱分解の有機気体の良品率が不均一で、成分が複雑で且つ発火点の温度が異なり、全てを燃焼して処理するために、比較的多い熱エネルギーを必要とし、やっと完全に燃焼でき、常温凝縮方法を利用し、熱分解により生成された有機気体を凝縮・圧縮し、大分子(高発火点)の物質を燃焼油に凝縮でき、炭素埃と結合してコールタールを形成し、燃料または工業原料と看做して利用できる。そして凝縮不可能な気体が燃焼可能な気体で、燃焼装置に直接に引入でき、回収された熱エネルギー,電力,又は市販の有機気体と窒素酸化物を簡単に利用できる処理装置(VOCs)により、燃焼ガスの有機物を処理し、環境保護の安全排出に合致でき、更に高圧の圧縮をも利用して燃焼ガスを回収してリサイクルすることができる。その凝縮圧縮方式が水または油(燃焼油または熱灯油)を直接に利用して有機気体と混合でき、凝縮圧縮管を経て凝縮して燃焼油の回収目的を達成し、更に熱交換凝縮圧縮方式,間接冷却方式をも利用でき、燃焼油の回収目的を達成してもよい。
【0031】
(8)活動式密封扉の制御系統の設立:活動式密封扉系統の設立は、反応物が熱分解反応を経った後に反応用ホルダーの中に依然として大量の有機気体を有し且つ炭素膜の下方に大量の有機気体を有することを、克服するためで、反応炉から移出する時に大量に溢れ出て操作の安全を損害すべきで、水封を利用して活動式扉と結合し、反応物を移動する時にも、同時に密封扉を移動し、上昇時に水封系統を利用して密封効果を維持し、全ての有機気体を排除するまで待ち(水気の引入を利用して有機気体を反応炉から強制的に排出する)、且つ反応物を冷却した後に、再び密封扉を開放し、有機気体の溢れ出を有効に防止でき、操作の安全を強化できる。
【0032】
(9)反応圧力追跡系統の設立:反応圧力追跡系統を設立し、圧力を利用して熱分解反応が正常にするかどうか、反応が起動するかどうか、反応が終了するかどうかを追跡し、気体量の生成に基づいて系統の圧力が上昇し、気体量が消えれば、圧力が降下し、反応が完全に終了するかどうかをはっきりと了解できる。温度を介するよりも、比較的効率となり、熱分解気体の温度変化が大きくないので、圧力追跡系統のみに依存して判断する。
【0033】
図6を参照して示すように、これが該廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の熱分解反応装置の全体構築模式図で、熔融硝酸塩を利用して廃プリント配線板を熱分解し、これにより、混合物中の基材を分離して分類回収装置を達成するが、これは、反応炉100,反応物輸送固定架106,水気引入装置111,反応炉廃気出口112,反応炉圧力制御器117,活動式反応用ホルダー110,気体自動膨張装置118,安全排出装置119,廃気凝縮回収装置200,凝縮圧縮管201,凝縮噴霧装置202,コールタール出口207と廃気処理装置400を含む。
【0034】
反応炉100は、その底部およびその周囲の下方に反応炉ヒーター101を一つ設け、且つ反応炉100内の下半部に熔融硝酸塩102を詰め込み、反応炉ヒーター101を介して熔融硝酸塩102が熔融状を呈し、そして反応炉100の中間が反応炉気体緩衝区103となり、且つ反応炉100の真上方に一つの活動式密封扉104と上蓋105を設け、該反応炉ヒーター101が電気エネルギーによる加熱または燃料による加熱であってもよい。
【0035】
反応物輸送固定架106は、反応炉100の外上方に架設され、反応物100の輸送運動の提供を担当し、そして該反応物輸送固定架106の上方に、一つの反応用ホルダー輸送ドライバー107と反応用ホルダー移入ドライバー108を設け、反応用ホルダー輸送ドライバー107が左右移動を提供でき、そして反応用ホルダー移入ドライバー108が上下移動を提供でき、該反応用ホルダー移入ドライバー108の上に1セットの反応用ホルダー接続器109を設け、一つの活動式反応用ホルダー110と互いに接続し或いは分離してもよく、且つ活動式反応用ホルダー110の内に反応物120の収納に供することが出来、該反応物120が廃プリント配線板であってもよく、該反応用ホルダー接続器109が機械を利用して連結でき、或いは電磁石の引力を利用して達成でき、該反応用ホルダー輸送ドライバー107が油圧,気圧方式により駆動でき、更に電動ボルトをも利用して駆動でき、該反応用ホルダー移入ドライバー108が油圧,気圧方式により駆動でき、更に電動ボルトをも利用して駆動できる。
【0036】
水気引入装置111は、反応炉100の反応炉酸素ガス緩衝区103の上方側辺位置に設けられ、主としてノズルが熔融硝酸塩102の表面へ向かって水気を吐出できるように提供され、反応物120が反応炉100を進出する時に、吐出された水気が熱膨張により生成された上昇の推力を直接に受け入れてもよく、活動式密封扉104と結合し、これにより、外部空気が反応炉100の内に入り込むことを阻止し、ひいては酸素阻止作用を達成し、同時に随時に熔融硝酸塩102に表面冷却作用を提供でき、反応温度が高すぎることにより危険を生成することを予防する。
【0037】
反応炉廃気出口112は、反応炉気体緩衝区103の他の側辺に設けられて反応炉活水封止バルブ113と接続し、主として反応物120に熱分解廃気流動出口の方向誘導を提供し、反応炉活水封止バルブ113を経て廃気緩衝区114に入り込み、そして反応炉活水封止バルブ113が主として熱分解反応過程中に水位を自動的に降下できるように提供され、一つの排水制御バルブ116により水を利用して開放機能を制御して実行し、反応が中止する時に、水を補充して水封作用防止後段の気体を形成して反応炉100の内に導入して戻すことにより、閉鎖作用を達成し、一つの進水制御バルブ115を利用して実行し、該廃気が窒素・酸素ガスであってもよく、該廃気が有機気体であってもよい。
【0038】
反応炉圧力制御器117は、反応炉廃気出口112の上方に設けられることにより、反応炉100の内の圧力を検出し、圧力が上昇する時に熱分解し始め、降下する時に熱分解反応が終了すれば、反応が終了するかどうかをはっきりと了解でき、且つ反応物120を安全に移出できるかどうかをはっきりと了解でき、時間の確認と温度の変化に対応してより確実になってもよく、熱分解が完成するかどうかを判断する。
【0039】
活動式反応用ホルダー110は、反応用ホルダー移入ドライバー108の前端に接続してもよく、或いはその反応用ホルダーから脱離してもよく、反応物120に熱分解反応空間を提供し、且つ反応物120の比重問題を排除し、反応物120が熔融硝酸塩102の中に滞留して熱分解を行い、且つ気体排出通路を保留でき、その上方に炭素滓浮出網があり、反応物を移出すると同時に熔融硝酸塩102の上方表面の炭素滓を移出する。
【0040】
気体自動膨張装置118は、廃気緩衝区114の側辺に置かれ、提供される気体量が大きい時に、自動的に調整して空間を移動して気体を貯蔵でき、気体量が減少する時に、空間の気体を自動的に押して出してその構造を閉鎖すべきで、水封およびスプリング装置を利用して敏感度を強化し、或いは水封および配重平衡輪を利用し、重量の差により、敏感度を制御し(例えば図4、図5に示すように)、圧力が大きくなる時に自動的に開放し、圧力が小さくなる時に自動的に閉鎖し、相補的な効果を生成できる。
【0041】
安全排出装置119は、廃気緩衝区114の側辺に設けられ、気体の圧力が水封圧力よりも大きくなる時に気体が脱出して排出できることを利用し、構造安全の目的を達成し、反応炉100および操作人員の安全を有効に確保でき、且つ外部の気体が反応炉100に滲入することを防止できるが、
廃気凝縮回収装置200は、廃気緩衝区114の後端に設けられ、後方廃気処理装置400に接続されることにより、後で安全に排出でき、環境保護処理の要求を達成する。
【0042】
凝縮圧縮管201は、反応炉の廃気緩衝区114と互いに接続し、且つその接続端部の内に凝縮噴霧装置202を一つ設けることにより、水気を直接に利用して廃気と混合し、凝縮圧縮管201を通過して凝縮して液態のコールタール(油と炭素埃の混合物を指す)を形成し、後段の凝縮水封槽203に導入して更に気体・水分離槽208の中に入り込むことにより、コールタール204と気化物質を分離し、つまりコールタール204の回収の目的を簡単に達成でき、そして後で気化部分の気体が気体出口205を経て気体一時存在区210へ排出され、そして気体一時存在区210の後段に管路300を一つ接続し、且つ後段の廃気処理装置400と互いに接続し、更に廃気処理装置400の上に廃気安全排出口500を一つ設置することにより、処理された後の廃気を外部へ排出する。
【0043】
凝縮噴霧装置202は、凝縮圧縮管201の前端内に設けられ、その凝縮が直接冷却方式であってもよく、更に間接冷却方式であってもよく、凝縮を実行する装置で、そしてその前端に増圧ポンプ206を一つ設けて気体・水分離槽208の下方水部分と接続し、つまり完備の系統を完成し、水温度の上昇が強制風冷方式または液冷方式を利用して補償できる。
【0044】
コールタール出口207は、気液分離装置に設けられ、水液209の上方に油のみを排出でき、水を気体・水分離槽208の中に滞留し、前述の凝縮水および水封の部分も油封方式を使用して交替できる。
【0045】
廃気処理装置400は、気体一時存在区210の気体出口300に設けられ、市販の有機気体および窒素ガスの気体処理装置を利用して処理でき、或いは直接燃焼方式を採用して廃気の熱エネルギーを回収し、或いは発電方式を変換してリサイクルし、後で安全に排出できる。
【0046】
更に図7A乃至図7Eを参照し、これらが該廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置の熱分解反応の実施模式図であるが、予め反応用ホルダー輸送ドライバー107を駆動することにより、その上の反応用ホルダー接続器109が活動式反応用ホルダー110と互いに接続し(例えば図7Aに示すように)、更に活動式反応用ホルダー110の内に、幾つかの反応物120を垂直に詰め込み、且つ反応炉100の真上方の上蓋105(例えば図7Bに示すように)を開放することにより、活動式反応用ホルダー110を反応炉100の内に降下し、そして活動式反応用ホルダー109の上の適当な箇所の活動式密封扉104が暫く反応炉100の上端箇所を閉鎖すべきで、外部の空気が反応炉100の内に入り込むことを避け、そして活動式反応用ホルダー110の内の反応物120が熔融硝酸塩102に完全に浸漬する時に、つまり熱分解反応の手順を行うことが出来(例えば図7Cに示すように)、そして熱分解反応の時間が約1ないし5分間程度で、そして熱分解反応過程中に生成された廃気を、反応炉廃気出口112を経由して反応炉活水封止バルブ113の内へ排出し、熱分解反応が完全に終了した後まで待ち、活動式反応用ホルダー110を上向きに移動でき、同時に水気を利用して反応物を冷却し(例えば図7Dに示すように)、且つ再び上蓋105を反応炉100の真上方の開口に蓋合し(例えば図7Eに示すように)、つまり熱分解反応の過程を完成する。
【0047】
その中でも、該反応物120が熔融硝酸塩102に熱分解反応を行う時間は、3分間が最も好ましい。
【0048】
本発明の提供する、廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法およびその装置は、他の慣用の技術と互いに比較すると、下記の利点を更に有する。
【0049】
1.本発明は、熱分解過程の安全性を有効に確保でき、本装置にて燃焼の現象を免除できることにより、操作人員の操作処理の安全性を達成し、これにより、危険因子の発生を避けるように提供するものである。
【0050】
2.本発明は、有機気体の部分に対し、より濃縮・失活して利用可能な燃料または化学工業原料を形成でき、処理コストを大幅に低減できる以外に、回収の価値をも有効に増加でき、更に安全処理装置などの多重の効果と利益を創造でき、極めて産業利用価値を具し、多元化の目的を兼ねて備えるように提供するものである。
【0051】
以上の詳細な説明は、本発明に対して実行可能な実施例の具体的な説明で、但し該実施例が本発明の特許請求の範囲を限定するために用いられるものではなく、例えば本発明の技術精神をまだ逸脱しない下で完成された等価な実施または変更が、何れも本発明の特許請求の範囲中に含まれるべきである。
【0052】
上記を総合し、本発明は、技術思想上では、確かに革新に属するだけではなく、且つ慣用の品物よりも前述の多項目の効果を更に増進でき、既に新規性と進歩性の法定の発明の特許要件を十分に満たすべきで、従って特許法により本発明の出願を提出し、貴局には本発明の特許請求の範囲の出願が許可されるよう切望する次第で、発明を励ます。
【符号の説明】
【0053】
100 反応炉
101 反応炉ヒーター
102 熔融硝酸塩
103 反応炉気体緩衝区
104 活動式密封扉
105 上蓋
106 反応物輸送固定架
107 反応用ホルダー輸送ドライバー
108 反応用ホルダー移入ドライバー
109 反応用ホルダー接続器
110 活動式反応用ホルダー
111 水気引入装置
112 反応炉廃気出口
113 反応炉活水封止バルブ
114 廃気緩衝区
115 進水制御バルブ
116 排水制御バルブ
117 反応炉圧力制御器
118 気体自動膨張装置
119 安全排出装置
120 反応物
200 廃気凝縮回収装置
201 凝縮圧縮管
202 凝縮噴霧装置
203 凝縮水封槽
204 コールタール
205 気体出口
206 増圧ポンプ
207 コールタール出口
208 気体・水分離槽
209 水液
210 気体一時存在区
300 管路
400 廃気処理装置
500 気体安全排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法であって、
工程1:反応物を熔融硝酸塩の中に投入し、熱分解と化学反応を行い、熱分解反応過程中に水気を引入して熱分解反応に参入し、水を利用して反応物と熔融硝酸塩を冷却でき、熱分解過程がより安定化し、更に水を利用して加熱・膨張して水蒸気を生成し、系統の正圧を維持するために用いられ、酸素除去の機能を行い、且つ有機気体を強制的に排除して反応炉から移出させ、操作の安全性を強化すること、
工程2:熱分解により有機気体を生成し、常温凝縮圧縮回収系統を利用し、回収された燃焼油と燃焼ガスの分類を強化し、操作コストを低減させ、回収効率を向上すること、
工程3:熱分解された後に、反応物が水洗を利用して熔融硝酸塩と分離でき、基材回収効率を得て、硝酸塩とハロゲン化塩の両者の分類が比重と熔点の相違を利用して簡単に分類できること、
工程4:炭素膜が水洗を利用して塩と炭素滓を分離でき、炭素滓が燃料と看做し或いは化学工業原料に変換されることを可能とし、ガラスファイバと金属の分離は、前処理があるかどうかに基づいて決められるべきで、予め錫を剥離した時に金属が銅箔となり、まだ錫を剥離しなければ、錫と銅が混合し、事前にソルダーレジスト外の金属を溶食し尽くすれば、簡単に分離でき、ソルダーレジスト外の金属を溶食して除去しない或いは6層以上の外層板・内層配線に達しなければ、外力により銅箔を強制的に分離して取り出し或いは化学溶食方法を利用して金属を溶け出す必要があり、金属化合物または還元金属により再び利用され、両者も併用できること、
上記工程を含むことを特徴とする、廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法。
【請求項2】
該水気は、少量の水,霧化水気であり、更に水蒸気または不活性気体をも直接に利用して交替して同じ役割を実行できることを特徴とする、請求項1に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法。
【請求項3】
該常温凝縮圧縮した有機気体は、水と有機気体の混合凝縮作用を直接に利用でき、或いは油(燃焼油または熱灯油)と有機気体の混合凝縮作用を利用でき、更に間接熱交換器の方式をも利用して凝縮作用を実行できることを特徴とする、請求項1に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法。
【請求項4】
該廃プリント配線板は、事前に部品を取り除いた後に、直接に熔融塩の中に投入して熱分解できる必要があり、また予め錫を除去した後に熔融塩に投入して熱分解でき、更に予め錫を除去し且つソルダーレジスト外の銅箔を除去した後に再び熔融塩に投入して熱分解でき、事前に処理するかどうかにも係わらず、熱分解反応に影響を及ぼさず、但し熱分解した後に、ガラスファイバと金属には、異なる処理方式があるべきで、同じように分類回収方法を達成できることを特徴とする、請求項1に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法。
【請求項5】
該熔融硝酸塩は、硝酸リチウム,亜硝酸リチウム,硝酸ナトリウム,亜硝酸ナトリウム,硝酸カリウム又は亜硝酸カリウムであり、単一または多種類の混合熔融塩を利用して実行し、高活性金属を利用してハロゲン元素を捕獲することを特徴とする、請求項1に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収方法。
【請求項6】
廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置は、反応炉,反応物輸送固定架,水気引入装置,反応炉廃気出口,反応炉圧力制御器,活動式反応用ホルダー,気体自動膨張装置,安全排出装置,廃気凝縮回収装置,凝縮圧縮管,凝縮噴霧装置,コールタール出口と廃気処理装置を含み、
反応炉は、その底部およびその周囲の下方に反応炉ヒーターを一つ設け、且つ反応炉内の下半部に熔融硝酸塩を詰め込み、反応炉ヒーターを介して熔融硝酸塩が熔融状を呈し、そして反応炉の中間が反応炉気体緩衝区となり、且つ反応炉の真上方に一つの活動式密封扉と上蓋を設け、
反応物輸送固定架は、反応炉の外上方に架設され、反応物輸送運動の提供を担当し、そして該反応物輸送固定架の上方に、一つの反応用ホルダー輸送ドライバーと反応用ホルダー移入ドライバーを設け、反応用ホルダー輸送ドライバーが左右移動を提供でき、そして反応用ホルダー移入ドライバーが上下移動を提供でき、
水気引入装置は、反応炉の反応炉酸素ガス緩衝区の上方側辺位置に設けられ、ノズルが熔融硝酸塩の表面へ向かって水気を吐出できるように提供され、反応物が反応炉を進出する時に、吐出された水気が熱膨張により生成された上昇の推力を直接に受け入れてもよく、活動式密封扉と結合し、これにより、外部空気が反応炉内に入り込むことを阻止し、ひいては酸素阻止作用を達成し、同時に随時に熔融硝酸塩に表面冷却作用を提供でき、反応温度が高すぎることにより危険を生成することを予防し、
反応炉廃気出口は、反応炉気体緩衝区の他の側辺に設けられて反応炉活水封止バルブと接続し、反応物に熱分解廃気流動出口の方向誘導を提供し、反応炉活水封止バルブを経て廃気緩衝区に入り込み、そして反応炉活水封止バルブが熱分解反応過程中に水位を自動的に降下できるように提供され、一つの排水制御バルブにより水を利用して開放機能を制御して実行し、反応が中止する時に、水を補充して水封作用防止後段の気体を形成して反応炉内に導入して戻すことにより、閉鎖作用を達成し、一つの進水制御バルブを利用して実行し、
反応炉圧力制御器は、反応炉廃気出口の上方に設けられることにより、反応炉内の圧力を検出し、圧力が上昇する時に熱分解し始め、降下する時に熱分解反応が終了すれば、反応が終了するかどうかをはっきりと了解でき、且つ反応物を安全に移出できるかどうかをはっきりと了解でき、時間の確認と温度の変化に対応してより確実になり、熱分解が完成するかどうかを判断し、
活動式反応用ホルダーは、反応用ホルダー移入ドライバーの前端に接続し、或いはその反応用ホルダーから脱離し、反応物に熱分解反応空間を提供し、且つ反応物の比重問題を排除し、反応物が熔融硝酸塩の中に滞留して熱分解を行い、且つ気体排出通路を保留でき、その上方に炭素滓浮出網があり、反応物を移出すると同時に熔融硝酸塩の上方表面の炭素滓を移出し、
気体自動膨張装置は、廃気緩衝区の側辺に置かれ、提供される気体量が大きい時に、自動的に調整して空間を移動して気体を貯蔵でき、気体量が減少する時に、空間の気体を自動的に押して出してその構造を閉鎖すべきであり、
安全排出装置は、廃気緩衝区の側辺に設けられ、気体の圧力が水封圧力よりも大きくなる時に気体が脱出して排出できることを利用し、構造安全の目的を達成し、反応炉および操作人員の安全を有効に確保でき、且つ外部の気体が反応炉に滲入することを防止でき、
廃気凝縮回収装置は、廃気緩衝区の後端に設けられ、後方廃気処理装置に接続されることにより、後で安全に排出でき、環境保護処理の要求を達成し、
凝縮圧縮管は、反応炉の廃気緩衝区と互いに接続し、且つその接続端部の内に凝縮噴霧装置を一つ設けることにより、水気を直接に利用して廃気と混合し、凝縮圧縮管を通過して凝縮して液態のコールタール(油と炭素埃の混合物を指す)を形成し、後段の凝縮水封槽に導入して更に気体・水分離槽の中に入り込むことにより、コールタールと気化物質を分離し、つまりコールタール回収の目的を簡単に達成でき、そして後で気化部分の気体が気体出口を経て気体一時存在区へ排出され、そして気体一時存在区の後段に管路を一つ接続し、且つ後段の廃気処理装置と互いに接続し、更に廃気処理装置の上に廃気安全排出口を一つ設置することにより、処理された後の廃気を外部へ排出し、また気体一時存在区の気体を液化燃料ガスとなるように直接に圧縮し、
凝縮噴霧装置は、凝縮圧縮管の前端内に設けられ、その凝縮が直接冷却方式であり、更に間接冷却方式であり、凝縮を実行する装置で、そしてその前端に増圧ポンプを一つ設けて気体・水分離槽の下方水部分と接続し、つまり完備の系統を完成し、
コールタール出口は、前述の通りで、気液分離装置に設けられ、水液の上方に油のみを排出でき、水を気体・水分離槽の中に滞留し、
廃気処理装置は、気体一時存在区の気体出口に設けられ、市販の有機気体および窒素ガスの気体処理装置を利用して処理でき、或いは直接燃焼方式を採用して廃気の熱エネルギーを回収し、或いは発電方式を変換してリサイクルし、後で安全に排出できることを特徴とする、
廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。
【請求項7】
該反応炉ヒーターは、電気エネルギーによる加熱または燃料による加熱であることを特徴とする、請求項6に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。
【請求項8】
該反応用ホルダー移入ドライバーの上に1セットの反応用ホルダー接続器を設け、一つの活動式反応用ホルダーと互いに接続し或いは分離し、活動式反応用ホルダーの内に反応物の収納に供することが出来ることを特徴とする、請求項6に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。
【請求項9】
該反応用ホルダー接続器は、機械を利用して連結でき、或いは電磁石の引力を利用して達成できることを特徴とする、請求項8に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。
【請求項10】
該反応物は、廃プリント配線板であることを特徴とする、請求項1または8に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。
【請求項11】
該反応用ホルダー輸送ドライバーは、油圧,気圧方式により駆動でき、更に電動ボルトをも利用して駆動できることを特徴とする、請求項6に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。
【請求項12】
該反応用ホルダー移入ドライバーは、油圧,気圧方式により駆動でき、更に電動ボルトをも利用して駆動できることを特徴とする、請求項6に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。
【請求項13】
該廃気は、窒素・酸素ガスであることを特徴とする、請求項6に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。
【請求項14】
該廃気は、有機気体であることを特徴とする、請求項6に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。
【請求項15】
該気体自動膨張装置は、水封およびスプリング装置を利用して敏感度を強化して敏感度を制御できることにより、自動的に調整して空間を移動して気体を貯蔵するように達成することを特徴とする、請求項6に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。
【請求項16】
該気体自動膨張装置は、水封および配重平衡輪を利用し、重量の差により、自動的に調整して空間を移動して気体を貯蔵するように達成することを特徴とする、請求項6に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。
【請求項17】
該凝縮水の部分は、凝縮油方式により交替できることを特徴とする、請求項6に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。
【請求項18】
該水封の部分は、油封方式により交替できることを特徴とする、請求項6に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。
【請求項19】
該凝縮噴霧装置の水温度の上昇は、強制風冷方式または液冷方式を利用して補償できることを特徴とする、請求項6に記載の廃プリント配線板を熱分解する基材回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【公開番号】特開2010−274259(P2010−274259A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121853(P2010−121853)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(507019019)
【Fターム(参考)】