説明

延伸される物品用のポリプロピレン組成物

A)1種以上のプロピレンホモポリマー若しくはプロピレンコポリマー又はそれらの混合物; B)平均粒径が1.5μm以下の粒子状のタルク500〜1500重量ppm
を含むポリプロピレン組成物、特に、延伸/配向物品の製造、特に、射出延伸吹込成形ボトルに適しているポリプロピレン組成物。当該組成物は、B)を添加しない同じポリオレフィンA)に関して、より高い結晶化温度を示し、一方で、特に(A)がランダムコポリマーのとき、良好な程度の透明性を維持する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は物品の製造に特に適しているポリプロピレン組成物に関し、当該ポリプロピレン組成物は延伸により配向されている。
このような延伸はしばしば「固体状態配向(solid state orientation)」と呼ばれ、一般に、ポリマーが固体状態であるが、しかしポリマーマクロ分子が移動でき、結果として一方向又はそれ以上の方向に配向され得るに足る高温にある間に、少なくとも一方向にポリマー材料に牽引若しくは伸長力を適用する。
【0002】
延伸/配向が行われる典型的なプロセスは、配向若しくは二軸配向ポリプロピレンフィルム(それぞれ、OPPおよびBOPP)の製造のために使用されるもの、フィルムのための管状吹込(tubular blown)若しくはダブルバブルプロセス(double bubble process)、並びに、容器、特にボトルに広く使用される、延伸吹込成形法、例えば、射出延伸吹込成形である。
【0003】
このような応用では、化学的、機械的及び光学的特性の価値あるバランスのために、プロピレンホモポリマー及びコポリマーが広く使用される。しかし、それらの機械特性を改善し、特にコポリマーの場合、前記ポリマーの結晶化温度を上昇させるのがしばしば望ましい。このような効果は、いわゆる「核化剤」を添加することにより一般に達成され、その例は、モノカルボン酸若しくはポリカルボン酸の塩、例えば、安息香酸ナトリウム又はtert-安息香酸ブチルアンモニウム、ジベンジリデンソルビトール若しくはそのC−C−アルキル−置換誘導体(例えば、メチルジベンジリデンソルビトール、エチルジベンジリデンソルビトール若しくはジメチルジベンジリデンソルビトール)又はリン酸のジエステルの塩(例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ-tert−ブチルフェニル)ホスフェートナトリウム及び2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ-t−ブチルフェニル)ホスフェートナトリウムである。ジベンジリデンソルビトール誘導体が特に好適である。
【0004】
しかし、ジベンジリデンソルビトール誘導体は、成核剤として非常に有用であるが、いくつかの欠点を示す。核剤添加ポリマーの可塑化の間、ポリマーマトリックス中の核の最適分散のために充分に高い温度が必要である。核は、特に、高温にさらされた場合、劣化する傾向にある。核剤添加ポリマーから形成される製品の表面に、核及びその劣化物が移動する可能性がある。このような移動が原因で、核及びその劣化物は、続く表面処理、例えば、コーチング、プリンティングペインティング等に影響を与える可能性があり、医薬用途におけるプラスチック製品の使用を制限する可能性もある。
【0005】
市販ジベンジリデンソルビトール誘導体の価格は重要であり、核剤添加ポリマーの製造コストを顕著に増加させ得る。特許文献や技術文献に一般に挙げられているその他の成核剤は、タルク、シリカ又はカオリンのような無機添加剤である。しかし、これらの添加剤、特に、タルクは、可能性のある成核剤を列挙しながら文献にしばしば挙げられていても、実際は、ポリプロピレン延伸/配向物品の使用に適していないと考えられる。なぜなら、それらは透明性に悪影響を与えるからである。透明性の減少は、同等の核剤不添加品と比較したとき、延伸前は明らかでないが、延伸後特に強くなる。したがって、延伸物品用の前記無機添加剤は、通気性のある包装用の不透明空洞フィルム(opaque cavitated films)のような非常に特定的な用途に制限がある。
【0006】
米国特許第6727306号明細書では、非常に少量(200ppm未満)のタルクのような不活性粒子を、ボトルの製造に使用されるポリエチレンテレフタレート又はポリオレフィンに、摩擦係数を減少させるために添加する。より多量の粒子は、当該特許明細書の教示では、透明性を減じすぎるために排除されている。成核剤としての作用があると考えられていないことも明らかである。
【0007】
しかし、ポリマー物質の結晶化温度の意味のある上昇をもたらす有用な成核剤の作用が、相対的に少量であるが、前記成核剤の作用を達成し、同時に、満足のいくレベルで延伸物品の透明性を維持するのに足る量の一定の粒径のタルクを添加することにより達成されることが見出された。
【0008】
したがって、本発明は、
A) 1種以上のプロピレンホモポリマー若しくはプロピレンコポリマー又はその混合物;
B) 平均粒径が1.5μm以下、好ましくは、1μm以下の粒子の形態のタルクを500〜1500重量ppm、好ましくは、500〜1000重量ppm
を含むポリプロピレン組成物を提供することである。
【0009】
成分(A)中に構成できるか存在できるプロピレンコポリマー若しくはコポリマー類は、好ましくは、エチレン及び式CH=CHR(式中、Rは2〜8個の炭素原子を有する、直線状若しくは分枝状アルキル基又は若しくはアリール(特にフェニル)基である)によって表されるC−C10αオレフィン類から選択される1種以上のコモノマーを含有する。
【0010】
前記C−C10αオレフィン類の例は1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテンある。特に、エチレン及び1−ブテンが好適である。
【0011】
好ましくは、本発明の組成物は、DSC(示差走査熱量測定:Different Scanning Calorimetry)により決定して、145℃以上の温度に少なくとも1つの溶融ピークを存在する。
【0012】
典型的には、本発明の組成物は、成分(B)を添加しないポリオレフィン成分(A)よりも少なくとも1℃よりも高い結晶化温度、好ましくは、少なくとも4℃よりも高い結晶化温度を有する。
【0013】
本発明の組成物のその他の好適な特徴は、
− 成分(A)のプロピレン(コ)ポリマーのアイソタクチック指数:80%以上、
− 成分(A)のコポリマー中のコモノマー(1種若しくは複数種)の量:22重量%以下、より好ましくは5重量%以下、下限は特に0.3重量%である、
− 成分(A)中のコモノマー(1種若しくは複数種)の総量:0.1〜15重量%、
− MFR L(ISO 11133、条件L、すなわち230℃及び2.16kg荷重、に準拠したMelt Flow Rate )が0.5〜50、より好ましくは、特にボトルや容器(延伸吹込成形)の製造用について1〜40、最も好ましくは5〜25、例えば、9〜13g/10分、
− 多分散指数(Polydispersity Index: PI):3〜6、より好ましくは、3〜5、
− 曲げ弾性率:500MPa以上、より好ましくは、900MPa以上、最も好ましくは、1400MPa以上、
− 曇り(1mm射出成形プラーク):35%〜50%、
− ヘキサン抽出可能フラクション(FDA 177,1520):5重量%未満、より好ましくは、3重量%未満、
− 室温でのキシレン可溶フラクション:25%未満、より好ましくは、10%未満
である。
【0014】
成分(A)を構成できる又は成分(A)中に存在し得るコポリマーの好適な種類は、130℃以上、より好ましくは140℃以上の溶融温度(DSCにより測定)を有するような量のコモノマー(1種若しくは複数種)を含有するランダムコポリマーである。コモノマーとしてエチレンのみが存在するとき、エチレンは、一般に、ポリマーの重量に関して0.8〜6重量%内である。C−C10α−オレフィン類が存在するとき、それらは、一般に、ポリマーの重量に関して1〜10重量%内である。
【0015】
延伸吹込成形容器の製造に特に適したプロピレンポリマー組成物は、
) 80%より大きい、好ましくは、90%〜99.5%のアイソタクチック指数を有する、ホモポリマー又はエチレン及びC−C10α−オレフィン類のうちの少なくとも1種を最高2.0wt%含有するプロピレンのミニランダムコポリマーを25wt%〜75wt%、好ましくは、35重量%〜65重量%;並びに
II) プロピレンと、エチレン及びC−C10α−オレフィン類から選択される少なくとも1種のオレフィンとのランダムコポリマーであり、前記オレフィンを0.3〜30wt%、好ましくは、0.3〜20wt%、より好ましくは、0.3〜6wt%を含有し、60%よりも大きい、好ましくは、70%よりも大きい、より好ましくは、80%以上のアイソタクチック指数を有する前記ランダムコポリマーを25wt%〜75wt%、好ましくは、35wt%〜65wt%
を含み、ここで、全プロピレンポリマー組成物のMFRは、好ましくは、1〜50g/10分、より好ましくは、2〜40g/10分である。
【0016】
前記プロピレンポリマー組成物では、成分aII)は、一般に、組成において成分a)と異なる。特に、エチレン及びC−C10α−オレフィン類から選択されるオレフィン(1種若しくは複数種)の量は、好ましくは、成分a)に中よりも成分aII)中でより高い。
【0017】
表現wt%は重量%を意味する。
本発明の組成物中の成分(A)に使用されるプロピレン(コ)ポリマーは、配位触媒の存在下での重合プロセスにより得ることのできる(コ)ポリマーの群に属する。当該プロセス及びそれらにより得られる(コ)ポリマーは、従来技術に広く記載されている。
【0018】
特に、チグラー・ナッタ触媒の存在下で重合プロセスを行うことができる。
よく知られているように、チグラー・ナッタ重合触媒は、周期律表のI−III族の金属の有機化合物(例えば、アルキルアルミニウム)、及び周期律表のIV−VIII族の遷移金属の無機化合物(例えば、ハロゲン化チタン)の反応生成物を含み、好ましくは、ハロゲン化マグネシウムに担持されている。このような触媒と共に使用される重合条件も一般に周知である。
【0019】
例えば、米国特許第4,399,054号明細書、欧州特許45977号明細書、欧州特許出願公開公報第361493号及び第728769号明細書、国際公開00/63261号、02/30998号、02/057342号及び02/051912号明細書に記載されている、高収量及び高立体特異性チグラー・ナッタ触媒並びに重合プロセスを使用できる。本発明の組成物の成分(A)のプロピレン(コ)ポリマー類を製造するための重合に使用できるその他の適切な配位触媒はメタロセン触媒である。
【0020】
前記重合触媒は、メタロセンと、アルモキサン、トリアルキルアルミニウム又はイオン性活性剤のような化合物との反応生成物を含む。メタロセンは、周期律表のIV−VIII族の遷移金属と組み合わせた少なくとも一つのシクロペンタジエニル成分を有する化合物である。
【0021】
例えば、国際公開01/48034号及び03/045964号明細書に記載されているメタロセン触媒を使用することができる。
成分(A)がプロピレンポリマー組成物を含むとき、2以上の連続又は並行段階でモノマー類を重合させることによりポリマー物質を製造できる。重合は、バルク、懸濁、気相又は超臨界媒体の公知の方法で行うことができる。回分式又は好ましくは連続式で行うことができる。溶液法、懸濁法、攪拌気相法又は気相流動床法が可能である。溶媒又は懸濁媒体として、不活性炭化水素、例えば、イソブタン、又はモノマー自身を使用することが可能である。上記MFR値は、分子量調節剤(例えば、水素)を適切に調節することによる重合で直接得ることができ、あるいは、プロピレン(コ)ポリマーを付すビスブレーキング法により達成できる。
【0022】
ポリマー鎖のビスブレーキング法は、適切な技術を使用することにより行われる。前記技術の一つは、ビスブレーキングの所望の程度を得ることのできる量で(コ)ポリマーに加えられる過酸化物の使用に基づく。ビスブレーキング法に最も都合のよい使用可能な過酸化物は、好ましくは、150〜250℃の分解温度を有する。当該過酸化物の例は、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン(商標Luperox101で市販)である。
【0023】
ビスブレーキング法に必要な過酸化物の量は、好ましくは、(コ)ポリマーの0.05重量%〜1重量%である。
本発明の組成物に使用されるその他の添加剤には、フェノール抗酸化剤、ホスファイト系添加剤、帯電防止剤及び酸スカベンジャー、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム及びヒドロタルサイト等があるが、これらに限定されない。テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン及びn−オクタデシニル−3−(4’−ヒドロキシニル)プロピオネートが、フェノール抗酸化剤として特に好適である。存在するとき、フェノール抗酸化剤の含量は、0.001〜2重量部、好ましくは、0.002〜1.8重量部、より好ましくは、0.005〜1.5重量部の範囲であることができる。トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェートはホスファイト添加剤として好適である。存在するとき、ホスファイトの含量は、0.001〜1.5重量部、好ましくは、0.005〜1.5重量部、より好ましくは、0.01〜1.0重量部の範囲であることができる。存在するとき、酸スカベンジャーの含量は、0.01〜2重量部、好ましくは、0.02〜1.5重量部、より好ましくは、0.03〜1.5重量部の範囲であることができる。前記重量部の全ては総組成物の100重量部を基準とする。
【0024】
本発明の組成物の成分(B)として使用するタルクは、超微細タルクであり、前記の平均粒径値により特徴づけられる。
周知のように、タルクは主に無機成分である水和珪酸マグネシウム、場合により、その他の無機物質、例えば、塩素(水和マグネシウムアルミニウムシリケート)及びドロマイトである。
【0025】
前記平均粒度値を達成するために、タルクを公知の技術で粉砕し、例えば、分類ミル、圧縮空気、蒸気及び衝撃粉砕等の技術である。
本発明では、平均粒径は、50重量%の粒子が前記値よりも小さいサイズの直径値である。このサイズ尺度はD50とも定義される。D95サイズ尺度を定義することもしばしばであり、95重量%が前記値よりも小さいサイズを有する。
【0026】
本発明の組成物の成分(B)は、好適には、3μm以下のD95である。非球形粒子について、サイズが同等の球形直径(Stock直径)から一般に構成される。D50及びD95の測定は重力沈降による、「Sedigraph」装置により行うことができる。
【0027】
本発明の組成物は、重合プロセスから得られたペレット、又は粉末、又は粒子の形態のポリプロピレン成分(A)から出発する公知の技術を使用することにより製造できるが、前記ペレット等は、好ましくは、成分(B)と固体状態で(例えば、Banbury、Henshel又はLodigeミキサー等を用いて)予備混合をし、こうして、慣用技術を使用する押出機中でペレット化できる乾燥ブレンドを得る。プロセス装置中に直接乾燥ブレンドを供給することもできる。
【0028】
延伸物品は、当業界で周知のプロセス技術を使用することにより本発明の組成物から製造する。前述したように、本発明の好適な延伸物品は、配向ポリプロピレンフィルム及び容器、特にボトルである。
【0029】
配向ポリプロピレンフィルムは、一般に、固体状態配向を含む種々の方法により製造できる。前述したように、このような方法の一つは管吹込又はダブルバブル法である。別の方法はテンターフレーム法である。
【0030】
管吹込又はダブルバブル法の一実施態様では、ポリプロピレン組成物は、環状ダイを通し溶融押し出しして、溶融管を形成し、内部、冷却用マンドレルと接触状態にし、そこで凝固を開始する。管は、水浴中でさらに冷却し、当該管を緊密に圧縮する一対のロールを通して引く。ロールを通して通過させた後、冷却し、凝固した管を、例えば、輻射ヒーターを用いて、ポリプロピレンの融点よりも低いが、内部空気圧により管を膨張させるのに足る高さの温度に再加熱することにより「軟質化」する。圧力下空気を管に吹き込む。これは、管を拡大して制御したバブル形成をもたらし、それにより、すべての方向に管の壁を延伸し、それにより、管を二軸配向する。次いで、一対のニブローラー間の、フレームローラーによりバブルを潰し、スリッターを通過させ、そこで平らにしたバブルを細長いストリップに切断し、リールに巻き取る。
【0031】
テンターフレーム法では、ポリプロピレン組成物を、スロットダイ中を溶融押し出しし、溶融シートを形成する。急速冷却により得られたシートをキャストロール上に凝固する。当該方法のオンライン配向プラクティスでは、得られたキャストシートを、ポリプロピレンの融点よりも低いが、組成物を引き抜き又は延伸できるのに足る高さの温度に直ちに再加熱する。逐次配向の場合、こうして、「凝固した」キャストシートを異なる回転速度のロール回転により引き抜き、シートを、長手方向(縦方向)に所望の引き抜き比に延伸する。こうして、一軸に配向したシートを、チェーンクリップによりその外側縁をつかみ、テンターオーブン中に運搬し、そこで再度そのような温度に再加熱し、横断方向に所望の引き抜き比にチェーンクリップにより引き抜き、当該クリップをそれらの前進に分岐させる。得られた二軸配向フィルムをクリップから離し、端をトリムし、引き取りリールに巻き取る。
【0032】
本発明の容器は、プロピレンポリマー組成物を、好ましくは、200℃〜280℃の温度で成形し、プレフォームを形成する第1工程を好ましくは含む方法により生成する。温度は、関連する特定のポリマー組成物に依存して当業者により選択され得る。第1成形工程は射出成形、圧縮成形又は吹込成形を含むことができる。射出成形が好適である。本発明のプロセスの第2工程には、第1工程で形成したプレフォームを、好ましくは、100℃〜160℃で延伸吹込成形することを含む。再度、延伸吹込成形温度は、成形されるポリマー組成物に依存して当業者により選択され得る。プロセス中の双方の工程は同じ機械で行うことができ、いわゆる単一ステージプロセスである。あるいは、プレフォームは、装置の第1区画で製造でき、そして、続いて、延伸吹込成形のための装置の第2区画に送る、いわゆる2ステージプロセスである。このような場合では、プレフォームを完全に冷却することができる。
【0033】
延伸吹込成形工程前に要求されるとき、プレフォームを好ましくは加熱オーブン中で加熱する。典型的には、赤外加熱装置を使用するが、当業者はポリマーベースボトルの材料特性に合ういずれかの加熱源を使用できることを了解するであろう。2ステージプロセスにおいて延伸吹込成形工程前にプレフォームを加熱するとき、プレフォームは、典型的には、加熱装置のバンクに沿って運搬しながら熱を均一に分布させるために回転させる。ボトルを加熱中及び加熱後に冷却用空気とも接触させ、プレフォーム表面の過熱を可究的に少なくする。一旦、加熱したプレフォームが加熱用オーブンを出たら、プレフォームを吹込成形用金型に移す。延伸棒をプレフォーム中に挿入し、軸方向にプレフォームを延伸する。1〜40バール、好ましくは、4〜20バールの圧縮空気を導入し、最終ボトルの吹込成形を完了する。場合により、圧縮空気を2工程で導入でき、ここで、予備ブローを、1〜20バール、好ましくは、4〜12バールの圧縮空気を導入することにより行い、次いで、上述したより高い圧力で、最終吹込成形を行う。
【実施例】
【0034】
下記の実施例は例証であり、制限することを目的とするものではない。
一般的記述及び実施例で報告した特性を決定するのに使用する分析方法を確認し下記に記載する。
【0035】
コモノマー含量: IR分光器による
溶融温度及び結晶化温度: 溶融温度(Tm)値及び結晶化温度(Tc)値は、ISO 11357 Part3に準拠して下記の手順を使用して決定する。
【0036】
示差走査熱量(differential scanning calorimetry: DSC)データを、DSC Q1000 TA Instrumentsを使用して得る。アルミニウム試料パン中に約6〜8mg秤量した試料をシールする。試料を20℃/分の加熱速度で5℃から200℃に第1加熱運転に付し、5分間等温条件下で200℃に維持する。次いで、試料を20℃/分の冷却速度で200℃から5℃に冷却し、5分間等温条件下で5℃に維持し、その後、20℃/分の加熱速度で5℃から200℃に第2加熱運転に付する。第2加熱運転でTm値を決定し、同時に、Tc値を冷却運転で決定する。
【0037】
メルトフローレート(Melt Flow Rate:MFR):ASTM D1238、(230℃;2.16kg)
アイソタクチック指数(Isotactic Index:I.I.):キシレン中に不溶なオレフィンポリマーの百分率として定義。室温でキシレンに可溶なオレフィンポリマーの重量%は、次のようにして決定する。すなわち、攪拌機を備えた容器中の室温のキシレン250mlに2.5gのポリマーを加え、ポリマーを溶解させるために20分間攪拌しながら135℃に加熱する。攪拌しながら、25℃に溶液を冷却し、次いで、固体が沈降できるように30分間攪拌しないで静置する。濾紙を用いて固体を濾過し、残存する溶液を、窒素流を用いて処理することにより蒸発させ、残留する固体を、恒量に達するまで80℃で真空乾燥する。これらの値は、n−ヘプタンを沸騰で抽出することにより決定するアイソタクチック指数(ポリプロピレンのアイソタクチック指数を構成する定義)に実質的に対応する。
【0038】
多分散指数(Polydispersity Index:P.I.)
0.1rad/秒から100rad/秒に増加する振動数で操作する、RHEOMETRICS(USA)により市販されている平行板レオメーターモデルRMS−800を使用することにより200℃の温度で決定した。クロスオーバー係数から、下式によりP.I.を導くことができる。
【0039】
【数1】

【0040】
式中、Gcは、G’=G’’のときの値(Paで表す)として定義されるクロスオーバー係数係数であり、ここで、G’は貯蔵係数であり、G’’は損失係数である。
曲げ弾性率(Flexural Modulus): ISO178
アイゾッドノッチ付(23℃): ISO180/1A
シャルピーノッチ付(23℃): ISO179
曇り度(1mmプラーク及びフィルムにおける): 本方法では、成形したプラークから、1mm厚さで、押出し、二軸配向したフィルムから切断し5×5cm標本を作成する。曇り値は、Hazemater型UX−10又はフィルター「C」を備えたG.E. 1209光源を有する同等の装置を連結したGardner 測光装置を使用して測定する。既知の曇り度の参照試料を装置の較正のために使用する。試験するプラークを次の方法にしたがって製造する。75×75×1mmプラークを、GBF Plastiniector G235/90 Injection Molding Machine、を用いて、下記の処理条件下90トンで成形する。
【0041】
スクリュー回転速度: 120rpm
背圧: 10バール
溶融温度: 260℃
射出時間: 5秒
保持圧力に切り替え: 50バール
第1段階保持圧力: 30バール
第2段階保持圧力: 20バール
保持圧力概要: 第1段階5秒
第2段階10秒
冷却時間: 20秒
金型水温: 40℃
の処理条件である。
【0042】
フィルムの曇り度は下記に示すようにして製造した試験組成物のフィルムで決定する。フィルムの中心部分から50×50mm部分を切断して測定を行う。試験に使用した装置は、G.E. 1209ランプ及びフィルター「C」を備えたHaze−mater UX−10装置を連結したGardner 測光装置である。装置較正は、試料なし(0%曇り度)の測定及びライトビームを遮断(100%曇り度)の測定により行う。
【0043】
フィッシュアイ数: Collinラボ一軸スクリュー押出機30×25Dで50μm試料キャストフィルムを得る。次いで、各クラス(サイズ)についてのフィルムフィッシュアイ密度を、プロジェクターから一定距離に設定し、標準表示目標(いわゆる、「サイジングライン」又は「ゲルクラス」)を報告する標準白色壁−チャート上に投光(1000Wランプを備えたNeo Solexプロジェクター及びNeo Solex F300対物レンズ又は同等物)により標本フィルム量を分析することにより、あるいは、二次的技術、すなわち、自動光学走査装置(CCDカメラベース)を使用(上述の一次すなわち「プロジェクター」に対して較正し評価すべき)することにより決定する。
【0044】
黄色指数: ASTM E313−95
ボトルトップ加重@収量: ASTM D2659
ボトルの曇り度: ASTM D1003
ボトル落下衝撃: ASTM D2463手順B
プロセッシングウインドウ(Processing Window): ボトルの延伸ブローのためのプロセッシングウインドウは、下記の各応用実施例(比較例9、13、14、比較例10、比較例11、比較例12及び15)についての処理条件を使用して決定した。いったん、最適設定が選択されると、赤外線強度を注意深く減少させ、同時に、オーブン出口で減少するプレフォーム温度を記録をする。この温度減少は、得られたボトルが処理欠陥を示し始めるまで継続する。次いで、欠陥のないボトルに導くプレフォームについて記録される最低温度を、要求最低処理温度として注記した。次いで、赤外線強度を段階的に上昇させる、と同時に、オーブン出口の上昇するプレフォーム温度を記録する。この温度上昇は、得られたボトルが処理欠陥を示し始めるまで継続する。次いで、欠陥のないボトルに導くプレフォームについて記録される最高温度を要求最大温度として注記した。幾つかの典型的な処理欠陥は、プレフォーム又はボトルの破裂、中心のずれたボトルベース、及び非常に良くない壁厚さ分布、ボトル壁におけるフローマーク又は曇り点だった。プロセッシングウインドウは最大処理温度と最低処理温度との間の差として定義される。
【0045】
4℃における平均落下高さ
4℃における平均落下高さを、下記の各応用実施例(比較例9、13、14、比較例10、比較例11、比較例12及び15)についての処理条件を使用して決定した。各応用実施例について、6ボトルに4℃の冷水を入れ、1〜2分の調整時間をおき、ボトルを冷却させた。次いで、ボトルを10cmの開始落下高さからタイル表面に落下させる。破裂しなかったボトルを、続いて、より10cm高い落下高さからさらに落下試験に再使用した。すべてのボトルが破裂するまでこの落下試験を繰り返した。各ボトルについて合格した最終落下高さを各ボトルについての個々の評価として記録した。次いで、同じ応用実施例からの6ボトルについて個々の評価の平均を算出し、各応用実施例について平均落下高さを得た。
【0046】
20℃における平均落下高さ
20℃における平均落下高さを、4℃における平均落下高さについて記載したの同様の手順で決定した。但し、20℃の温度を使用したこと、開始落下高さを20cmの高さにし、破裂しなかったボトルを、続いてより20cm高い落下高さでさらに落下試験をするのに再使用したことが4℃における落下試験と相違する。
【0047】
実施例に下記の物質を使用した。
成分(A)
1) PP−1: 98wt%のI.I.及び9.5g/10分のMFRを示す、55wt%のプロピレンホモポリマーa)、並びにエチレン含量が2.7wt%及び96wt%のI.I.を示す、45wt%のプロピレンランダムコポリマーaII)を含有するプロピレンポリマー組成物。全組成物のMFRは9.0g/10分であり、分子量分布は4.3(PI)である。
【0048】
当該組成物は、二塩化マグネシウムに担持させた高収量、高立体特異性チグラー・ナッタ触媒を用いるプロピレンの第1予備重合により製造した。次いで、この予備重合触媒及びプロピレンを、第1ループ反応器中に継続して供給した。第1ループ反応器中で形成したホモポリマーとエチレンとを第2反応器中に供給した。ループ反応器双方の温度は72℃だった。第2反応器から得られたポリマーを排出し、未反応モノマーから分離し、乾燥させた。
2) PP−2: PP−1と同じ触媒及び重合プロセスで製造し、98wt%のI.I.及び12g/10分のMFRを示す、55wt%プロピレンホモポリマーa)、並びにエチレン含量が2.6wt%及び96wt%のI.I.を示す、45wt%のプロピレンランダムコポリマーaII)、を含有するプロピレンポリマー組成物。全組成物のMFRは11.4g/10分だった。
3) PP−3: PP−1と同じ種類の触媒及び重合プロセスで製造し、98.5wt%のI.I.及び7g/10分のMFRを示す、55wt%プロピレンホモポリマーa)、並びにエチレン含量が2.9wt%及び96wt%のI.I.を示す、45wt%のプロピレンランダムコポリマーaII)、を含有するプロピレンポリマー組成物。全組成物のMFRは12.8g/10分だった。
4) PP−4: PP−1と同じ触媒及び重合プロセスで製造し、エチレン含量が1.1wt%、11.5g/10分のMFR及び98wt%のI.I.を示す、50wt%プロピレンランダムコポリマーa)、並びにエチレン含量が2.1wt%を示す、50wt%のプロピレンランダムコポリマーaII)、を含有するプロピレンポリマー組成物。全組成物のMFRは13g/10分であり、I.I.が96.8wt%だった。
5) PP−5: ブテン−1含量が5.1wt%であり、MFRが9g/10分及びI.I.が97.6wt%を示すプロピレンコポリマー。
【0049】
成分(B)
タルク1: 平均粒径(D50)が0.7μmであり、D95が2.9μmを示す、Luzenacから商業的に入手できるJetfine 1CA。
タルク2(比較): 平均粒径(D50)が2.4μmを示す、IMIFABIから商業的に入手できるタルク HM2。
【0050】
(実施例1〜4及び比較例1〜2):プロピレン組成物の製造
実施例等のすべてのポリプロピレン組成物を下記の手順により製造した。
成分(A)を二軸スクリュー押出機で配合し、500ppmのIrganox 1010(Ciba Specialty Chemicals Corporationより商業的に入手できる)、1000ppmのIrgafos 168(Ciba Specialty Chemicals Corporationより商業的に入手できる)、400ppmのステアリン酸カルシウム若しくはDHT−4A(合成ヒドロタルサイト)(Kyowa Chemical Ind.Co.Ltd.より商業的に入手できる)を用いてペレットを形成する。本発明の実施例では、成分(B)も前記配合プロセスに加え、他方、比較例では成分(B)を加えない。
【0051】
押出機の温度は、ポリプロピレン成分(A)の溶融温度に依存するが、標準的には、190〜250℃、好ましくは、200〜240℃の範囲であり、最終溶融温度(ダイ温度)は、210℃〜260℃、好ましくは、220℃〜240℃の範囲である。
【0052】
成分の量及びこれらを配合することにより得られた組成物の特性を下記表1に報告する。
【0053】
【表1】

【0054】
(実施例5〜7及び比較例3〜6):プロピレン組成物の製造
上記実施例1で報告した手順にしたがって総てのプロピレン組成物を製造した。総ての実施例では、500ppmのIrganox 1010、1000ppmのIrgafos 168及び400ppmのDHT−4Aを用いて配合した。
【0055】
同じ配合により得た組成物の成分の量及び特性を表2に報告する。
【0056】
【表2】

【0057】
(応用実施例8〜9及び比較例7〜8):二軸フィルムの製造
75×75×2mmプラーク下記の処理条件で、90トン下、GBF Plastinector G235/90 Injection Molding Machineを使用して成形した。
冷却水温度: 40℃
バレル温度: 220℃
溶融温度: 230℃
ダイ温度: 210℃
成形温度: 40℃
冷却時間: 20秒
次いで、前記プラークを長手方向及び横断方向(すなわち、二軸)に同時に延伸した。双方向にファクター6により、150℃のTM長フィルム伸長機を用い、延伸速度15000%/分で延伸し、50μm厚さのフィルムを得た。
【0058】
こうして得た二軸配向フィルムの曇り度値を表3に報告する。
【0059】
【表3】

【0060】
下記の応用例10〜12は、射出延伸吹込成形ボトルの製造に関する。異なり且つ適切なデザインのプレフォーム金型及びボトル金型を使用して異なる重量及び容量のボトルを製造した。
【0061】
応用実施例10
上記実施例1にしたがって製造したポリプロピレン組成物のペレットを、往復スクリュー式射出成形機及びプレフォーム金型を使用して230℃の設定温度で射出成形してプレフォームを得た。得られたプレフォームの質量は21.6gだった。次いで、プレフォームを射出成形した後2〜4日の期間で数個取り金型延伸吹込成形機にプレフォームを導入した。プレフォームを移動ベルト上に置き、プレフォームを回転した。回転しているプレフォームは赤外ランプの前を通過し、プレフォーム温度はオーブン出口で測定した。加熱/条件下領域を出るとき、プレフォームを吹込ステーションに移した。プレフォーム中に吹込ノズルを挿入し、延伸ロッドをガイドし、軸方向にプレフォームを延伸した。軸延伸をしている間プレフォームと延伸ロッドとの間の接触を避け、半径方向の延伸を開始するために予備吹込圧力は5バールだった。これに続いて、ボトル金型中への吹込を終わらせるために11バールの高圧吹込をした。1時間で取り金型当たり1400個のボトルの固定生産率でボトルを製造した。オーブン設定をボトル壁の物質厚さとの最適分布及び最適澄明度を有するボトルを製造するように調整した。得られたボトルの最大容量は523mlだった。
【0062】
応用実施例11
上記実施例1にしたがって製造したポリプロピレン組成物のペレットを、往復スクリュー式射出成形機及びプレフォーム金型を使用して260℃の設定温度で射出成形してプレフォームを得た。得られたプレフォームの質量は16.3gだった。次いで、プレフォームを射出成形した後42〜44日の期間で一個取り金型実験室用延伸吹込成形機にプレフォームを導入した。プレフォームを移動及び回転スピンドルに置いた。回転しているプレフォームは赤外ランプの前を通過し、プレフォーム温度はオーブン出口で測定した。加熱/条件下領域を出るとき、プレフォームを吹込ステーションに移した。プレフォーム中に吹込ノズルを挿入し、延伸ロッドをガイドし、軸方向にプレフォームを延伸した。軸延伸をしている間プレフォームと延伸ロッドとの間の接触を避け、半径方向の延伸を開始するために予備吹込圧力は3バールだった。これに続いて、ボトル金型中への吹込を終わらせるために3バールの高圧吹込をした。オーブン設定及びサイクル時間を、ボトル壁の物質厚さの最適分布及び最適澄明度を有するボトルを製造するように調整した。得られたボトルの最大容量は520mlだった。
【0063】
応用実施例12
上記実施例2にしたがって製造したポリプロピレン組成物のペレットを、往復スクリュー式射出成形機及びプレフォーム金型を使用して230℃の設定温度で射出成形してプレフォームを得た。得られたプレフォームの質量は16.8gだった。次いで、プレフォームを射出成形した後4〜6日の期間で一個取り金型実験室用延伸吹込成形機にプレフォームを導入した。プレフォームを移動及び回転スピンドルに置いた。回転しているプレフォームは赤外ランプの前を通過し、プレフォーム温度はオーブン出口で測定した。加熱/条件下領域を出るとき、プレフォームを吹込ステーションに移した。プレフォーム中に吹込ノズルを挿入し、延伸ロッドをガイドし、軸方向にプレフォームを延伸した。軸延伸をしている間プレフォームと延伸ロッドとの間の接触を避け、半径方向の延伸を開始するために予備吹込圧力は12バールだった。これに続いて、ボトル金型中への吹込を終わらせるために12バールの高圧吹込をした。1時間で取り金型当たり1000個のボトルの固定生産率でボトルを製造した。オーブン設定及びサイクル時間を、ボトル壁の物質厚さの最適分布及び最適澄明度を有するボトルを製造するように調整した。得られたボトルの最大容量は510mlだった。
【0064】
表4は、応用実施例10〜12のボトル特性を要約する。
【0065】
【表4】

【0066】
応用実施例13〜15及び比較例9〜12
上記実施例(比較例3、実施例5、実施例6、比較例4、比較例5、比較例6及び実施例7)にしたがって製造したポリプロピレン組成物のペレットを、往復スクリュー式射出成形機及びプレフォーム金型を使用して240℃の設定温度で射出成形してプレフォームを得た。得られたプレフォームの質量は16.6g〜16.7gだった。次いで、プレフォームを射出成形した後14日の期間で一個取り金型実験室用延伸吹込成形機にプレフォームを導入した。プレフォームを移動及び回転スピンドルに置いた。回転しているプレフォームは赤外ランプの前を通過し、プレフォーム温度はオーブン出口で測定した。加熱/条件下領域を出るとき、プレフォームを吹込ステーションに移した。プレフォーム中に吹込ノズルを挿入し、延伸ロッドをガイドし、軸方向にプレフォームを延伸した。軸延伸を
している間プレフォームと延伸ロッドとの間の接触を避け、半径方向の延伸を開始するために予備吹込圧力は10バールだった。これに続いて、ボトル金型中への吹込を終わらせるために24バールの高圧吹込をした。1時間で取り金型当たり1000個のボトルの固定生産率でボトルを製造した。オーブン設定を、ボトル壁の物質厚さの最適半径方向分布及び最適澄明度を有するボトルを製造するように調整した。物質厚さの軸分布は、4箇所確定ボトルセクションの質量を決定し、赤外ランプの加熱プロフィールを調整し、1応用実施例から次まで類似のセクション質量を得た。得られたボトルの最大容量は組成物に依存して505ml〜510mlだった。
【0067】
表5はボトル特性の概要である。
【0068】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)1種以上のプロピレンホモポリマー若しくはプロピレンコポリマー又はそれらの混合物;
B)平均粒径が1.5μm以下の粒子状のタルク500〜1500重量ppm
を含むポリプロピレン組成物。
【請求項2】
成分(A)中のプロピレン単独コポリマー又は複数コポリマーが、エチレン及び式CH=CHR(式中、Rは、2〜8個の炭素原子を有する、線状若しくは分枝状のアルキル基又はアリール基である)によって表されるC−C10α−オレフィンから選択される1種以上のコモノマーを含有する、請求項1に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項3】
成分(A)が
) 80%より大きいアイソタクチック指数を有する、ホモポリマー又はエチレン及びC−C10α−オレフィン類のうちの少なくとも1種を最高2.0重量%含有するプロピレンのミニランダムコポリマーを25重量%〜75重量%;並びに
II) プロピレンと、エチレン及びC−C10α−オレフィン類から選択される少なくとも1種のオレフィンとのランダムコポリマーであり、前記オレフィンを0.3〜30重量%含有し、60%よりも大きいアイソタクチック指数を有する前記ランダムコポリマーを25重量%〜75重量%
を含む、請求項1に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項4】
成分(A)中のコポリマー類中のコモノマー(1種又は複数種)の量が22重量%以下である、請求項1に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項5】
0.5〜50g/10分のMFR値を有する、請求項1に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン組成物を含有する延伸物品。
【請求項7】
配向フィルムの形態である、請求項6に記載の延伸物品。
【請求項8】
吹込成形容器又はボトルの形態である、請求項6に記載の延伸物品。

【公表番号】特表2009−520093(P2009−520093A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546399(P2008−546399)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/069772
【国際公開番号】WO2007/071622
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(506126071)バーゼル・ポリオレフィン・イタリア・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ (138)
【Fターム(参考)】