説明

延伸光学フィルムの製造方法

【課題】製作が容易であり、厚さのみならずRe値及び配向角においても均質な二軸延伸光学フィルムを低コストで製造することができる、延伸光学フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】未延伸フィルムを、複数の把持子を備える延伸機に連続的に供給し、前記未延伸フィルムの両端部を前記把持子で把持し、前記把持子を移動させることにより前記未延伸フィルムを縦及び横方向に同時二軸延伸する工程を含む、延伸光学フィルムの製造方法であって、前記同時二軸延伸の工程が、前記把持子が未延伸フィルムを把持する際のピッチが10〜60mmの間隔であり、且つ相対する両把持子の一方が延伸終了部に到達したとき、各対の前記両把持子の中心を結ぶ線と、前記フィルム面内におけるフィルム搬送方向に垂直な方向とがなす角度が、0.5°以内にあるよう制御されることを特徴とする延伸光学フィルムの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸光学フィルムの製造方法に関し、特に、同時二軸延伸による延伸光学フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の材料からなる日用品等の雑貨用のフィルムを製造するために、前記材料のフィルムを二軸延伸し、延伸フィルムとする手法が広く用いられている。当該二軸延伸の方式としては、逐次二軸延伸及び同時二軸延伸が知られている。同時二軸延伸は、逐次二軸延伸より生産性が高い方式として採用されている。
【0003】
同時二軸延伸機としては、リニアモーター方式、パンタグラフ方式及びモーター・チェーン駆動方式等の方式のものが知られている。この中でも、パンタグラフ方式の延伸機は、構造が簡易で且つ延伸機を含む製造ライン全体の立ち上げが迅速に行える等の利点がある。
【0004】
パンタグラフ方式の同時二軸延伸機は、例えば、特許文献1(特公平4−62530号公報)に開示されるように、複数のリンクプレートをジグザグに連結したエンドレスのリンク装置、リンクプレートの一端に設けられた把持子、及びリンク装置をガイドするガイドレールを備える。当該延伸機において、ダイス等から連続的に供給される、延伸前の樹脂フィルムは、把持子によりその両端を把持される。延伸前の樹脂フィルムを把持子により把持したリンク装置は、ガイドレールにより、収縮していたジグザグが伸展し且つ樹脂フィルムを横方向(樹脂フィルムの面上における、樹脂フィルムが進行する方向と直角の方向)に延伸するようにガイドされる。即ち、把持子は、樹脂フィルムの進行方向に対して斜めに進行し、それにより、延伸前樹脂フィルムは縦方向(樹脂フィルムが進行する方向)及びそれに直角な横方向の両方に同時に延伸され、樹脂フィルムの同時二軸延伸が達成される。
【0005】
その他の方式の同時二軸延伸機においても、複数の把持子を移動させることにより、連続的に供給される未延伸フィルムを、フィルムを横方向及び縦方向の両方に同時に延伸する点においては共通する。
【0006】
前述の雑貨等として用いる延伸フィルムを製造する際には、例えば、縦横それぞれ7倍以上の高い延伸倍率でフィルムの延伸が行われている。近年需要が増している、光学的な用途に用いる二軸延伸フィルムの製造においても、このような同時二軸延伸を適用すれば、高性能な延伸光学フィルムを効率的に生産できることが期待される。
【0007】
また、従来の逐次二軸延伸により延伸光学フィルムを製造した場合、一方向に延伸してから他方向に延伸するまでの間に樹脂が一旦冷却され、熱緩和が起き、得られる二軸延伸フィルムの均一性が阻害されることがあったが、同時二軸延伸によれば、そのような樹脂が一旦冷却される不都合を回避できることが期待される。
【0008】
しかしながら、同時二軸延伸により延伸光学フィルムの生産をするに当たっては、下記のような問題点がある。
延伸光学フィルムを製造する場合、精度の高い均一な延伸を、縦横それぞれ2倍程度以下の低い延伸倍率で行うことが求められるが、同時二軸延伸において、このような低い延伸倍率で延伸を行うと、把持子の近傍と遠方とで延伸倍率のムラが大きくなりやすい。そのため、同時二軸延伸で得られたフィルムを延伸光学フィルムとして用いるには、フィルムの厚さ及び面内方向のリターデーション(Re)の均一さが不十分であった。さらに、同時二軸延伸において縦横同時に延伸を行う場合、幅方向及び流れ方向の延伸方向を正確に制御することが困難であるため、得られる延伸フィルムの配向角を制御することも困難であった。
【0009】
【特許文献1】特公平4−62530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、製作が容易であり、厚さのみならずRe値及び配向角においても均質な二軸延伸光学フィルムを低コストで製造することができる、延伸光学フィルムの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、下記のものが提供される:
〔1〕 未延伸フィルムを、複数の把持子を備える延伸機に連続的に供給する工程、前記未延伸フィルムの両端部を把持子で把持する工程、前記把持子を移動させることにより前記未延伸フィルムを縦及び横方向に同時二軸延伸する工程を含む、延伸光学フィルムの製造方法であって、前記同時二軸延伸の工程において、前記把持子が未延伸フィルムを把持する際のピッチが10〜60mmであり、且つ相対する両把持子の一方が延伸終了部に到達したとき、各対の前記両把持子の中心を結ぶ線と、前記フィルム面内におけるフィルム搬送方向に垂直な方向とがなす角度が、0.5°以内にあることを特徴とする延伸光学フィルムの製造方法。
〔2〕 前記把持子の間隔を均等にすることによって、相対する両把持子の延伸終了部での位置を調節することを特徴とする、前記延伸光学フィルムの製造方法。
〔3〕 相対する両把持子それぞれの前記延伸終了部における速度を変えることによって、相対する両把持子の延伸終了部での位置を調節することを特徴とする、前記延伸光学フィルムの製造方法。
〔4〕 縦延伸倍率を変えることによって、相対する両把持子の延伸終了部での位置を調節することを特徴とする、前記延伸光学フィルムの製造方法。
〔5〕 前記把持子の、前記フィルムと接触する面の面積が75〜1000mm2であり、前記フィルムと接触する面の形状が、円形、楕円形、又は近似楕円形状である、前記延伸光学フィルムの製造方法。
〔6〕 前記未延伸フィルムを連続的に供給する工程が、熱可塑性樹脂を溶融押出して前記未延伸フィルムを成形する工程、及び成形された前記未延伸フィルムを引き続きインラインで前記延伸機に搬送する工程を含むことを特徴とする、前記延伸光学フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の延伸光学フィルムの製造方法では、厚さのみならずRe値及び配向角においても均質な二軸延伸光学フィルムを低コストで製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の延伸光学フィルムの製造方法においては、未延伸フィルムを複数の把持子を備える延伸機に連続的に供給する工程、縦及び横方向に同時二軸延伸する工程を含む。本工程において、未延伸フィルムの両端部は前記把持子で把持され、前記把持子を移動させることにより、同時二軸延伸が達成される。なお、未延伸フィルムの両端部は、幅方向の両端部のことをさす。
【0014】
本発明の製造方法において、同時二軸延伸とは、縦方向の延伸(即ちフィルムの搬送方向に沿った、フィルムの長さの拡張)と、横方向の延伸(即ちフィルムの搬送方向と直角な方向に沿った、フィルムの幅の拡張)とが、少なくともその一部において同時に行われる延伸の態様をいい、好ましくは縦方向と横方向の延伸が、同時に開始され同時に終了する。
【0015】
本発明の製造方法において、「延伸終了部」とは、フィルムの製造ラインにおいて、縦及び横方向の延伸がいずれも終了する位置、好ましくは縦横の延伸が同時に終了する位置をいう。
【0016】
同時二軸延伸を行う延伸機は、複数の把持子を備える延伸機であれば特に限定されず、リニアモーター方式、パンタグラフ方式及びモーター・チェーン駆動方式等の方式のものを用いることができ、特にパンタグラフ方式の延伸機が、構造が簡易で且つ延伸機を含む製造ライン全体の立ち上げが迅速に行える等の利点のため好ましい。
【0017】
前記パンタグラフ方式の延伸機は、複数のリンクプレートをジグザグに連結してなるリンク装置を備え、前記リンクプレートのそれぞれの一端に、延伸材料を把持するための前記複数の把持子を備える。ここで、「リンク装置」とは、延伸機においてフィルムの両端部を把持した把持子を、フィルムを延伸せしめるよう誘導する一対の装置をいう。またここで、「リンクプレート」とは、前記リンク装置を構成する、通常概略板状の部材をいい、具体的には、後に詳細に説明する図4における符号102a〜102dで示される部材、及び図5における符号302a〜302dで示される形状の部材とすることができる。リンクプレートは、通常概略板状の形状の部材の組み合わせからなるため、リンク「プレート」と称されるが、同様の機能を有するものであれば板状の形状のものに限定されず、棒状などの任意の形状とすることができる。また、ここでいうリンクプレートの「端部」とは、通常は、ジグザグを構成する全てのリンクプレートの端部ではなく、図4におけるリンクプレート102a、又は図5におけるリンクプレート302a及び302cのように、リンク装置を構成する全てのリンクプレートのうちフィルムに最も近い位置に端部を有するリンクプレートの端部とすることができる。
【0018】
前記同時二軸延伸の工程においては、前記複数の把持子の各々が前記未延伸フィルムを把持する際のピッチが10〜60mm、好ましくは25〜45mmである。ここで把持子のピッチとは、隣接する把持子のそれぞれの把持部の中心間の距離をいう。また、本発明において、把持子の把持面積が、好ましくは75〜1000mm2であり、より好ましくは155〜495mm2である。ここで把持子の把持面積とは、把持子がフィルムを把持する際に、フィルムの一面と接触する面積をいう。把持子のピッチ及び把持面積を上記特定の範囲内とすることにより、短いピッチにおいて、把持力を十分に確保しながら、把持子間の距離も保つことができるので、厚さ及び配向のいずれも均質な延伸を行うことができる。把持子の把持面積が上記特定の範囲を下回ると、フィルムの延伸時にフィルムが、破断してしまうおそれがあり好ましくない。把持子のリンクピッチ及び把持面積が上記特定の範囲を上回ると、延伸光学フィルムの厚さ及び配向が均質にならないおそれがあり好ましくない。
【0019】
前記把持子が前記フィルムと接触する面の形状は、特に限定されないが、円形、楕円形、及び近似楕円形の形状をとることができ、円形の形状が好ましい。前記近似楕円形とは、例えば長方形の角を丸めた形状など、多角形の角を丸めた形状をいう。接触面が円形の場合、具体的には例えば直径10〜30mm程度、好ましくは14〜25mmの円形とすることができる。
【0020】
本発明の製造方法においては、延伸倍率は、所望の条件に応じて適宜調節することができるが、縦方向及び横方向それぞれ、好ましくは1.1〜2倍、より好ましくは1.2〜1.5倍である。縦横の延伸倍率は、同一である必要はなく、所望の特性に応じて適宜異なる倍率とすることができる。この範囲の延伸倍率とすることにより、光学フィルムに適した延伸フィルムを得ることができ、且つ延伸光学フィルムの厚さ及び配向を均一にすることができる。
【0021】
前記同時二軸延伸の工程に前記パンタグラフ方式の延伸機を採用した場合、延伸は、リンク装置の伸展により達成されるが、それに加えて、横方向の延伸は、リンク装置の進行及び伸展を案内する手段(ガイドレール等;以下、この手段を単にガイドレールという。)によっても達成される。即ち、リンク装置が伸展するのに伴い、リンク装置の軌道が横方向にずれるよう、ガイドレールの軌道を設けることにより、リンク装置の伸展による横方向の延伸の幅を調節することができる。そして、ガイドレールを、ガイドレールの軌道を横方向に調節可能な状態で支持する手段をさらに設けることにより、横方向の延伸幅を調節し、所望の延伸倍率での延伸を達成することができる。当該支持手段としては、後により具体的に説明する駆動軸、及び必要に応じて駆動軸に付随する保持部などの構成を挙げることができる。駆動軸は、横方向左端及び右端のガイドレールの位置を独立に調節しうる複数の駆動軸であることが好ましい。このようにガイドレールの軌道を調節可能とすることにより、延伸光学フィルムの配向を、より精密に制御することができる。
【0022】
本発明の製造方法の同時二軸延伸の工程において延伸される未延伸フィルムは、通常平板状の形状の熱可塑性樹脂フィルムで、その長さ方向に連続的に供給される。フィルムの幅は、特に限定されないが、450〜2000mm、好ましくは1000〜1500mmとすることができる。また、フィルムの厚さは、特に限定されないが、40〜400μm、好ましくは60〜300μmとすることができる。
【0023】
本発明の製造方法では、前記同時二軸延伸の工程において、相対する両把持子の一方が延伸終了部に到達したとき、各対の前記両把持子の中心を結ぶ線と、前記フィルム面内におけるフィルム搬送方向に垂直な方向とがなす角度が、0.5°以内にある。ここで、相対する両把持子とは、フィルムの搬送方向を軸に対称に位置し、フィルムの両端を把持する、対になった把持子の各々をいう。
【0024】
当該構成要件を、図6を参照して説明する。図6は、本発明における同時二軸延伸の工程に用いる延伸機の一例の概略を示す上面図である。図6においては、説明のため、リンク装置601R及び601Lの対は、その把持子608の位置を丸印で示すのみの概略的な図示としている。図6において、リンク装置601R及び601Lの対は、スプロケット106a及び106bにより駆動され、フィルム105の搬送方向A5を軸にして対称に、矢印A1で示す方向に回転される。後に図3等を参照して詳述するような態様により、把持子608は、フィルム105が、点線655で示される延伸開始部655に達するまでにフィルム105の両端を把持し、その後縦方向(搬送方向A5と平行な方向)及びそれに垂直な横方向にフィルム105を同時に延伸し、点線652(この線はフィルム横方向に平行な直線である)で示される延伸終了部に達する。ここで、相対する把持子608R及び608Lのうち608Rが延伸終了部に達しているが、この際において、把持子608R及び608Lの中心を結ぶ線651と、点線652とがなす角度が0.5°以内にあるよう制御されれば、上記構成要件を満たすこととなる。
【0025】
このように、延伸終了部の両把持子の位置が上記所定の要件を満たすように調節する方法としては、(i)前記把持子の間隔を均等にする方法、(ii)相対する両把持子の延伸終了部における速度を変える方法、(iii)縦延伸倍率を変える方法、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0026】
上記調節方法(i)において、把持子の「間隔を均等にする」とは、同時二軸延伸機が駆動する際に相対する把持子のそれぞれと、それぞれに隣接する把持子との距離が、相対するもの同士で均等であることをいう。例えば、図8に示すように、相対するリンク装置601R及び601Lのそれぞれにおいて、把持子608R1とそれに隣接する把持子608R2との距離R1、把持子608R2とそれに隣接する把持子608R3との距離R2、把持子608R3とそれに隣接する把持子608R4との距離R3・・・、が、それぞれ、把持子608L1とそれに隣接する把持子608L2との距離L1、把持子608L2とそれに隣接する把持子608L3との距離L2、把持子608L3とそれに隣接する把持子608L4との距離L3・・・と均等である場合、把持子の「間隔が均等」である状態に該当する。このように把持子の間隔が「均等」である状態とは、具体的には例えば、隣接する10個の把持子を1ブロックとして、相対するリンク装置における相対するブロック対の長さの差が平均ブロック長さの0.05%以内の範囲内である状態とすることができる。このブロックの長さは、例えば、リンク装置の伸びを、未延伸フィルムを把持する際のピッチから1.1倍の長さとして測定することができる。また、平均ブロック長さは、前記ブロック長さの平均値である。
【0027】
上記調節方法(ii)は、把持子が延伸終了部に到達するタイミングをモニターしながら、出口スプロケット(図6及び図7で示す例ではスプロケット106a)の速度を左右独立に制御し、相対する把持子が延伸終了部に到達するタイミングのズレを最小とするよう調節することにより実行することができる。
【0028】
上記制御方法(iii)は、例えば、リンク装置を案内するガイドレールの位置を適宜調整することにより実行することができる。
【0029】
本発明の製造方法では、通常、フィルムが延伸終了部(図6においては点線652)に達した後も、延伸状態の安定化等のため、その下流において把持子により延伸状態が保持された後、把持子がフィルムを離す。ここで、把持子が延伸終了部に到達した後把持子がフィルムを離すまでの間においても、相対する両把持子を結ぶ線と、前記フィルム面内におけるフィルム搬送方向に垂直な方向とがなす角度が、0.5°以内、より好ましくは0.3°以内にあるよう制御されることが好ましい。この好ましい態様を図7を参照して説明すると、延伸終了部653に到達した後の相対する把持子608のそれぞれを結ぶ線651と、フィルム105の搬送方向A5に垂直な方向653とがなす角θ(θ及びθ)は、相対する把持子が把持終了部656に到達するまで0.5°以内にあるよう制御される。便宜的に、図7におけるθで示される向きの角度を正、θで示される向きの角度を負とすれば、正方向及び負方向のいずれも0.5°以内となるよう制御される。把持終了部656に把持子が到達した時点で把持子の把持は解除され、把持子はフィルムを離し、スプロケット106aにより装置の上流に導かれる。このように制御することにより、延伸光学フィルムの厚さ、Re値及び配向角を、さらに均等なものとすることができる。
【0030】
本発明の製造方法において、延伸されるフィルムは特に限定されないが、特に、従来逐次二軸延伸でも光学的精度の高い二軸延伸を行うことが困難であった、熱緩和性の高い熱可塑性樹脂も良好に二軸延伸することが可能である。前記熱可塑性樹脂としては、脂環式構造含有重合体を好ましく挙げることができる。また、前記熱可塑性樹脂は、紫外線吸収剤等の任意成分を含むことができる。本発明の延伸光学フィルムの製造方法では、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとすると、Tg−5(℃)〜Tg+30(℃)の温度下で、前記二軸延伸を行うことが好ましい。
【0031】
本発明の延伸光学フィルムの製造方法においては、フィルムの延伸を行う領域の温度のムラを±0.5℃以内に制御することが好ましい。そのような温度制御を行うことにより、延伸光学フィルムの配向を均一なものとすることができ、フィルムとして熱可塑性樹脂フィルムを用いる場合に特に好ましい。当該温度制御を達成する同時二軸延伸機の好ましい構成としては、延伸を行う領域を囲むオーブンを備えることが挙げられる。さらに、当該オーブンは、千鳥配置されたヒーター、各ヒーターに接続されたファン、ファンからの温風をオーブンの上下に振り分けるダクト、並びにダクトからの温風をオーブン内のフィルムへ広範囲に吹き付けるノズルを備えることにより、さらに良好に温度制御を達成することができる。またさらに、オーブン内のフィルム近傍の温度を検出するセンサー、並びにセンサーにより検出されたデータを元にヒーター及びファンの動作を手動又は自動で制御する制御装置などをさらに備えることができる。また、センサー及び制御装置からの指示を元にファンからの温風の上下ダクトへの振り分けを手動又は自動で制御する弁等も、必要に応じてさらに備えることができる。
【0032】
さらに、オーブンの加熱手段は、前記ノズルからオーブン内のフィルムへ吹き出される空気中の、埃等の異物を除くための、HEPAフィルター等のフィルターを備えることができる。それにより、より高品質な光学フィルムを製造することができる。
【0033】
本発明の延伸光学フィルムの製造方法においては、オーブン内のフィルムの縦方向への移動速度を、高精度に制御することが好ましい。具体的には、リンク装置を駆動するスプロケットを回転させる駆動装置が、3万分の1の回転精度を有する駆動装置であることが好ましい。このような制御を行うことにより、より均一な配向を有するフィルムを製造することができる。
【0034】
本発明の製造方法においては、延伸機への未延伸フィルムの供給の態様は特に限定されず、予め調製しておいた未延伸フィルムのロールからフィルムを繰り出して供給することもでき、又は、熱可塑性樹脂を溶融押し出しして未延伸フィルムを成形し、それを引続きインラインで延伸機に連続的に搬送して供給することもできる。特に、後者の場合、製造工程を効率化することができ、且つ製造設備を小型化できるなどの利点があり好ましい。
【0035】
次に、以下において、本発明の延伸光学フィルムの製造方法によるフィルムの製造、及び当該製造を行うための好ましい延伸機及びその操作の例を、図面を参照して具体的に説明する。
【0036】
図1は、本発明の延伸光学フィルムの製造方法を実施するための同時二軸延伸機の一例における、フィルムの延伸に係る主要部の上面概略図である。図1において、延伸される熱可塑性樹脂フィルム105は、矢印B1で示される幅を持つ板状に加工された原反の状態で送り出し装置(図示せず)より供給され、矢印A5の方向に沿って、延伸を実行する部分に導入される。樹脂フィルム105は、ガイドレール104により誘導されスプロケット106a及び106bにより駆動されるリンク装置(図1において図示せず;後述)により導かれ、縦方向(延伸される熱可塑性樹脂フィルムの進行方向、矢印A5で示される)に延伸されると同時に横方向にも延伸され、矢印B2で示される幅を有する延伸光学フィルムとして送り出される。ガイドレール104は、保持部130により支持されており、保持部130は駆動軸120によりその位置が調節可能であるため、駆動軸120をオーブン191の外部から操作することにより、ガイドレール104の幅方向の位置を調節することが可能となっている。
【0037】
延伸を実行する部分は、好ましくはオーブン191のような筐体で囲み、延伸に適した一定温度に保たれる。オーブン191内の空気は、ヒーター255及びファン254により、熱可塑性樹脂フィルムの延伸に適した温度とするよう加熱することができる。図示されるように、ヒーター255及びファン254を縦方向に沿って千鳥配置することにより、より均一な加熱が達成される。
【0038】
図2に、係る加熱を行う手段のより具体的な例を模式的に示す。図2は、図1の装置の、フィルム幅方向に平行な鉛直面に沿った部分断面図である。ヒーター255によって加熱した空気は、ファン254より、上ノズル行きダクト252a及び下ノズル行きダクト252bへ送られ、上ノズル250a及び下ノズル250bそれぞれの開口251a及び251bより噴出され、フィルムを均一な一定温度に保つ。噴出された空気は吸入ダクト256を通してヒーター255に戻される。このような加熱手段を、図1に示す通り千鳥配置することにより、均一な、好ましくはオーブン内における温度ムラが±0.5℃以内となる加熱を達成することができる。
【0039】
図3は、本発明の製造方法を実施するための同時二軸延伸機の一例における、リンク装置による延伸の機構を概略的に示す平面図であり、図4は、図3に示すリンク装置101の一単位107を説明する縦断面図である。
【0040】
図3及び図4において、リンク装置101は、ジグザグ状に連結された複数のリンクプレート102a〜102dから主に構成される。リンク装置101は、通常複数のリンクプレートを輪状に連結させ無端リンク装置とするが、図3においてはその一部を省略して図示している。また、リンク装置101は通常、縦方向(延伸される熱可塑性樹脂フィルムの進行方向、矢印A5で示される)の両端に一対設けられるが、図3においてはその一端側を省略して図示している。リンク装置101は、軸受けローラー103a及び103bがガイドレール104a〜104cにより形成される溝内を通り、スプロケット106a及び106bにより駆動されることにより、矢印A1に示される方向に回転する。
【0041】
リンクプレート102aの端部には把持子108が設けられ、把持子108は頂部111及び把持部110を備える。図4に示した例では、把持子108はバネ109により付勢され把持部110が閉じられているが、把持子頂部111が図3の点線D1で示される領域に入る前に矢印A3方向に押され、領域D1に入った後に戻されるように延伸機を構成する(図示せず)ことにより、領域D1において樹脂105を把持することができる。また、ガイドレール104の幅の増減により、リンク装置101は領域D1で完全に収縮した状態となり、収縮時のリンクピッチ、即ち未延伸フィルムを把持する際のピッチは図3においてP1で示す長さとなる。本願発明の製造方法によれば、ピッチP1は10〜60mmの間隔に制御される。
【0042】
リンク装置101はその後、延伸開始部655に到達した後、伸展しながらオーブン内のフィルムの進行方向A5に対し末広がりに進行し、延伸終了部652に到達した時点で伸展した状態となり、リンクピッチはP2で示す長さとなる。この末広がりの進行により、熱可塑性樹脂フィルムは横方向に、(B2/B1)倍の延伸倍率で延伸され、且つ縦方向には(P2/P1)倍の延伸倍率で延伸される。(B2/B1)の値及び(P2/P1)の値はいずれも上記の通り好ましくは1.1倍〜2倍に調整され、この倍率は固定又は可変とすることができる。リンクプレート102が領域D2を出る前に把持子頂部111が再び矢印A3方向に押されるよう構成することにより、把持子108は延伸光学フィルム105を離し、その後リンクプレート102は領域D1に向かって戻される。
【0043】
ここで、延伸終了部652において、相対する把持子を、図6及び図7を参照して上に説明した通り制御することにより、本発明の製造方法を実施することができる。
【0044】
図5は、リンク装置の一部のより具体的な構造及びその収縮と伸展の例を示す平面図である。図5に示す例において、リンク装置の一単位は、(a)外側(オーブン内のフィルム305と反対側)の軸受けローラー303a及び内側(オーブン内のフィルム305に近い側)の軸受けローラー303bの両方の上に支点を持ち、さらに内側に延長し、その内側端に把持子308を有するリンクプレート302a、(b)リンクプレート302aと軸受けローラー303b上において共通する支点を有し、別の軸受けローラー303a上のもう一点の支点に延長するリンクプレート302b、(c)リンクプレート302bの支点間の部分に支点を有し、そこから内側に延長し、内側端に把持子308を有するリンクプレート302c、及び(d)リンクプレート302cの内側端及び外側端との間に支点を有し、そこから外側に延長し、隣接する単位のリンクプレート302a上に支点を有するリンクプレート302d、から主に構成される。
【0045】
図5に示すリンク装置においては、ガイドローラの溝の間隔W1がW2に縮まることにより、リンクピッチを収縮状態から伸展状態へと変化させることができる。図5に示す装置においては、収縮時リンクピッチP1及び伸展時リンクピッチP2は、それぞれ軸受けローラーの軸間距離2xP1及び2xP2の半分となるため、軸受けローラーの通常の大きさに比べて短い、本発明の製造方法における所望の短い収縮時リンクピッチを得ることができる。
【0046】
本発明の製造方法に用いる同時二軸延伸機においては、把持子の収縮時リンクピッチ及び把持子の把持面積が上記特定の値とすることが好ましい。これにより、例えば図5に示す場合においてリンクピッチ(P1,P2)が短く、且つ把持子間の距離(P3,P4)がある程度長い距離に保たれ、且つ十分な把持力が得られ、その結果、厚さのみならず配向においても均質な二軸延伸光学フィルムを製造することができる。
【0047】
ガイドレール104を支持する保持部103a及び103b、並びに保持部を位置調節可能に支持する駆動軸120は図3には単に概略的に図示されており、その間隔は特に限定されないが、駆動軸間の間隔は200〜5000mmの間隔とすることが好ましい。
【0048】
上記の開示は、説明のため、本発明を、好ましい実施例を参照して記載したものであるが、本発明は、本願請求の範囲及びその均等の全範囲のみにより限定されるものであるため、上記実施の形態において、さらにさまざまな修正及び変更を行うことができる。
【実施例】
【0049】
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0050】
(実施例1)
(1−1:延伸機)
二軸延伸を実施するための延伸機として、図1〜7に概略的に示すパンタグラフ方式の延伸機を用意した。当該延伸機は、オーブン長さが約20mであり、直径20mmの円形の接触面を有する把持子を有する一対のループ状のリンク装置を備え、一対のリンク装置は左右対称であり、それぞれのリンク装置が1000個の把持子を備える。
【0051】
(1−2:リンク装置の調整)
延伸機の駆動に先立ち、リンク装置の長さの調整を行った。まず、把持子10個分のリンク装置単位が連結されたブロックを、リンク装置から取り外した。これを、リンクピッチがリンク収縮時の1.1倍となる幅に調整した測定用レール上に載置した。ブロックの片側を冶具で固定し、反対側にバネばかりを用いて20kgの荷重をかけた。この状態で、隣接する把持子間の長さをノギスで測定した。各ブロックについて測定を3回行ない、平均を測定値とし、さらにそれを合計し、把持子10個分のブロックの長さとした。
【0052】
リンク装置を駆動する際に相対する位置にあたる、それぞれのブロックの対の長さの差が平均ブロック長さの0.05%以内となるよう、リンク装置を調整した。当該調整は、ブロック中のリンク装置単位を、他のブロック中のものと適宜交換することにより行った。
【0053】
(1−3:延伸機の調整)
さらに、延伸機中のガイドレールを調整することにより、リンク収縮時(即ち未延伸フィルムを把持する際)のピッチP1を40mmとし、リンク伸展時のピッチP2を48mmとした。また、未延伸時の両端の把持子同士の距離は1160mm、延伸終了時の両端の把持子同士の距離は1740mmとした。縦延伸と横延伸の開始点及び終了点は同時とした。
【0054】
(1−4:延伸フィルムの製造及び測定)
ノルボルネン系樹脂(商品名「ZEONOR1420」、ガラス転移点=136℃、日本ゼオン株式会社製)のペレットを100℃で5時間乾燥させた。該ペレットを押出機に供給し、押出機内で溶融させ、Tダイから表面温度120℃のキャスティングドラム上にドラフト比(ダイ開度とフィルム厚みの比)5:1でシート状に押出して冷却し、厚み150μm、幅1200mmの未延伸フィルムを連続的に製造した。これをそのままインラインで、同時二軸延伸機に供給した。延伸機において、ライン速度30m/min、延伸温度145℃、縦倍率1.2倍、横倍率1.5倍にて二軸延伸を行い、さらに延伸されたフィルムの、横方向における中央部1500mmより外側の両端をクリップ部として切り捨て、幅1500mm、平均Re値60nmの延伸フィルムを得た。
【0055】
延伸に際し、延伸終了部での把持子のズレを下記の測定方法で測定した。また、得られた延伸フィルムの配向角及びRe値を下記の測定方法で測定した。結果を表1に示す。
【0056】
<把持子のズレの測定方法>
延伸終了部に設置されている把持子検出近接センサーによって各把持手段の通過タイミングをキーエンスGR3000を用いて採取し、対応する左右の把持子が通過した時間差からズレの距離を算出した。リンク装置のループが一周した際の測定値全てのうち最大の値と、その値から求められる、両把持子の中心を結ぶ線と前記フィルム面内におけるフィルム搬送方向に垂直な方向とがなす角度θ(図7で示すところのθの方向の角度を正、θの方向の角度を負とする)とを、表1に示す。
【0057】
<配向角の測定方法>
オリンパス製偏光顕微鏡BX51を用いてフィルムの幅方向に50mm間隔、流れ方向に1000mm間隔で、幅方向30箇所×流れ方向6箇所の180箇所について遅相軸の向きを測定し、フィルムの幅方向に平行な方向を0°として遅相軸の角度を求め、平均値を計算した。また、全測定値中の最大値−最小値をバラツキとした。結果を表1に示す。
【0058】
<Re値の測定方法>
王子計測(株)KOBRA−21ADHを用いてフィルムの幅方向に50mm間隔、流れ方向に1000mm間隔で、幅方向30箇所×流れ方向6箇所の180箇所について測定し、平均値を求めた。また、全測定値中の最大値−最小値をバラツキとした。結果を表1に示す。
【0059】
(実施例2)
(1−2)のリンク装置の調整を行わず、代わりに、同時二軸延伸の工程に際し、延伸終了部における把持子の速度を、出口スプロケットの回転速度を変えることによって調節し、延伸終了部での相対する両把持子の位置のズレが10mm以内となるよう制御した他は、実施例1と同様に延伸フィルムの製造を行い、把持子のズレを測定し、配向角及びRe値を測定した。結果を表1に示す。
【0060】
(実施例3)
(1−2)のリンク装置の調整を行わず、代わりに、リンク伸展時のピッチP2を、ガイドレールの位置を調整することによって調節し、延伸終了部での相対する両把持子の位置のズレが10mm以内となるよう制御した他は、実施例1と同様に延伸フィルムの製造を行い、把持子のズレを測定し、配向角及びRe値を測定した。結果を表1に示す。
【0061】
(比較例1)
実施例1のようにブロックの長さを測定し、ブロックの対の長さの差が最大で平均ブロック長さの0.2%あるリンク装置で製造を行い、把持子のズレ、配向角及びRe値を測定した。
【0062】
【表1】

【0063】
表1に示す結果より、本発明の製造方法により製造された延伸光学フィルムは、Re値及び配向角のいずれについても均質であることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、本発明の製造方法の実施に用いる同時二軸延伸機の一例における、フィルムの延伸に係る主要部の上面概略図である。
【図2】図2は、図1の例におけるフィルムを加熱する手段の具体例を示す縦断面図である。
【図3】図3は、本発明の製造方法に用いる同時二軸延伸機の一例における、リンク装置による延伸の機構を概略的に示す上面図である。
【図4】図4は、図3に示すリンク装置101の一単位107を説明する縦断面図である。
【図5】図5は、本発明の製造方法の実施に用いる同時二軸延伸機の一例におけるリンク装置のより具体的な例を概略的に示す上面図である。
【図6】図6は、本発明の製造方法における把持子の制御の態様を示す上面図である。
【図7】図7は、本発明の製造方法における把持子の制御の態様を示す上面図である。
【図8】図8は、本発明の製造方法における均等な間隔の把持子の態様を示す上図面である。
【符号の説明】
【0065】
101、601L、601R リンク装置
102a〜102d、302a〜302d リンクプレート
103a、103b、303a、303b 軸受けローラー
104a〜104c ガイドレール
105、305 フィルム
106a、106b スプロケット
107 リンク装置の一単位
108、308、608 把持子
109 バネ
110 把持部
111 把持子頂部
120 駆動軸
130a〜130b 保持部
191 オーブン
250a 上ノズル
250b 下ノズル
251a 上ノズル開口
251b 下ノズル開口
252a 上ノズル行きダクト
252b 下ノズル行きダクト
253 HEPAフィルター
254 ファン
255 ヒーター
256 吸入ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
未延伸フィルムを、複数の把持子を備える延伸機に連続的に供給する工程、前記未延伸フィルムの両端部を把持子で把持する工程、前記把持子を移動させることにより前記未延伸フィルムを縦及び横方向に同時二軸延伸する工程を含む、延伸光学フィルムの製造方法であって、
前記同時二軸延伸の工程において、
前記把持子の未延伸フィルムを把持する際のピッチが10〜60mmであり、且つ
相対する両把持子の一方が延伸終了部に到達したとき、各対の前記両把持子の中心を結ぶ線と、前記フィルム面内におけるフィルム搬送方向に垂直な方向とがなす角度が、0.5°以内にあることを特徴とする延伸光学フィルムの製造方法。
【請求項2】
前記把持子の間隔を均等にすることによって、相対する両把持子の延伸終了部での位置を調節することを特徴とする、請求項1記載の延伸光学フィルムの製造方法。
【請求項3】
相対する両把持子それぞれの前記延伸終了部における速度を変えることによって、相対する両把持子の延伸終了部での位置を調節することを特徴とする、請求項1記載の延伸光学フィルムの製造方法。
【請求項4】
縦延伸倍率を変えることによって、相対する両把持子の延伸終了部での位置を調節することを特徴とする、請求項1記載の延伸光学フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記把持子の、前記フィルムと接触する面の面積が75〜1000mm2であり、前記フィルムと接触する面の形状が、円形、楕円形、又は近似楕円形状である、請求項1記載の延伸光学フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記未延伸フィルムを連続的に供給する工程が、熱可塑性樹脂を溶融押出して前記未延伸フィルムを成形する工程、及び成形された前記未延伸フィルムを引き続きインラインで前記延伸機に搬送する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の延伸光学フィルムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−302581(P2008−302581A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151646(P2007−151646)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【Fターム(参考)】